JPH0959710A - 鋼スクラップの溶解炉及び溶解方法 - Google Patents

鋼スクラップの溶解炉及び溶解方法

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JPH0959710A
JPH0959710A JP30544795A JP30544795A JPH0959710A JP H0959710 A JPH0959710 A JP H0959710A JP 30544795 A JP30544795 A JP 30544795A JP 30544795 A JP30544795 A JP 30544795A JP H0959710 A JPH0959710 A JP H0959710A
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melting furnace
furnace
wall
space
melting
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Kyoji Okumura
恭司 奥村
Shinya Kitamura
信也 北村
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炉内空間の高温ガスに接触する壁は全て水冷
パネル化し、傾動出湯しても溶融金属は耐火物製の壁に
しか接触しない鋼スクラップの溶解炉及びその溶解方法
を提供すること。 【解決手段】 傾動手段を有する転炉型鋼スクラップの
溶解炉において、炉上部溶融金属浴面より上方を金属製
の水冷パネルで、残部は耐火物で被覆され、炉壁部に出
湯孔を有し内部が耐火物で被覆された空間を有する金属
製突起部を配設し、該出湯孔を有する側の側の溶解炉の
炉壁は2重壁に構成したことを特徴とする鋼スクラップ
の溶解炉及びその溶解方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶解炉内壁の上部
に水冷パネル壁を有する鋼スクラップの溶解炉及び溶解
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、上底吹き転炉を用いて転炉内の残
留又は装入した、あるいは形成した少量の溶鉄浴に、鋼
スクラップ又は炭材を、例えば上方添加あるいは底吹き
羽口吹き込みにより供給し、上底吹酸して、炭材を燃焼
させて熱を得、この熱により鋼スクラップを溶解して転
炉内の溶鉄を増量せしめ、所定の溶鉄量に達した後出湯
する鋼スクラップの溶解方法が提案・実施されている。
この鋼スクラップ溶解炉内壁は、通常耐火物のライニン
グによって構成されている。しかし、この溶解炉に用い
る耐火物のコストが高くなること、すなわちスクラップ
溶解においては溶解炉内の炭材の2次燃焼率(下記
(1)式による)が高くなって、溶解炉内部空間ガス温
度も高くなるために耐火物の損耗速度が極めて速いと言
う問題がある。
【0003】この対策の一つとして、耐火物壁を水冷パ
ネル化することが考えられるが、しかし、現状において
は転炉炉内壁を水冷パネルにすると傾動出湯する際に溶
融金属あるいは、溶融温度の高いスラグ−溶融金属浴界
面などが水冷パネルに当たって水冷パネルの孔明きが発
生して水蒸気爆発が起きたり、地金が大量に付着して歩
留りが悪くなる等の種々の問題があることから、高炉な
どの傾動出湯を必要としない炉以外には採用されていな
いのが実状である。
【0004】電気炉は、その炉内壁に水冷パネルを有
し、転炉などではないものの10度〜45度程度の軽微
の傾動を行う、いわゆる偏芯炉底出湯方式の溶解炉であ
るが、この方式を転炉型のスクラップ溶解炉に用いるこ
とは以下の理由により炉底出湯孔からの溶湯洩れの危険
性が高く不可能であった。第1に、転炉は電気炉に比べ
て炉高が高く、かつ炉径が小さいため、同一容量の場
合、炉内溶湯浴深さが深くなって(電気炉の5〜10倍
の浴深)、炉底にかかる溶融金属静圧が極めて高い。第
2に、電気炉の溶解エネルギーが主に電気であって、炉
底への負荷が少ないのに対して、転炉は上吹きランスか
ら大量かつ高速で吹き込む酸素ガスジェットによる炭材
の燃焼熱であるために、酸素ガスジェットの衝撃による
炉底への負荷が莫大である。つまり、炉底に出湯孔を配
した場合、転炉特有のこれら2つの大きな炉底への負荷
により、その出湯孔から溶湯が洩れるトラブルが多発し
て操業できなかったのであり、現存の転炉の出湯孔が炉
肩(炉の上部)にあるのもこの理由による。
【0005】一方、生産性を高めるためには出湯速度を
迅速に行う必要があり、そのためには炉底出湯法よりも
大きな角度で傾動して大径の炉口から出湯する方法の方
が短時間に出湯することが出来る。事実、電気炉の場合
は炉底出湯孔の径は溶湯洩れの危険性から小さく(転炉
の半分程度以下)、転炉に比べて出湯時間もはるかに長
い。しかしながら、傾動出湯方式の問題は、出湯に伴い
溶融スラグまでもが流出してしまうことである。この一
つの構成として、例えば特公昭56−54366号公報
は融解した金属又は合金などの溶湯を、その自由表面に
覆って浮遊する溶滓とともに湛えた溶湯容器に、その出
湯姿勢で水平面と交わる面内に迂曲する出湯通路を設
け、この出湯通路から出湯した溶湯流の後尾残湯の静圧
により、この溶湯流に追尾流動する溶滓の静圧とつり合
わせて、溶滓の流出を阻止する樋を設けている溶湯、溶
滓の分離出湯装置、すなわち、溶湯の静圧により、溶滓
の静圧とつり合わせる出湯通路、いわゆる、樋の形成を
もって溶滓の溶湯流出に追尾した伴流を阻止して、溶湯
の選択的な分離出湯を可能とする溶湯、溶滓の分離出湯
装置が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、炉内の湯の流
動を規定するものではなく、特公昭56−54366号
公報記載の方法で出湯孔までの炉内壁が水冷パネルであ
った場合には、傾動出湯する際に湯が水冷パネルに接触
し、何ら水冷パネルの保護に寄与しない。また、特公昭
56−54366号公報に示す樋は炉外での溶湯、溶滓
の分離出湯のための溶滓の流出を阻止する樋であり、そ
の構造は出湯孔を有する側の溶解炉の炉壁を2重壁に構
成したものとは全く異なり、しかも、上記水冷パネル構
造を有する転炉型スクラップ溶解炉では全く採用されて
いないのが実状である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述したような問題を解
消すべく、発明者らは鋭意検討を重ねた結果、炉内空間
の高温ガスに接触する壁を全て水冷パネル化でき、かつ
大きな傾動角度で高速出湯しても溶融金属と水冷パネル
との接触を完全に防止でき、水冷パネルを保護できると
同時に、溶融スラグの流出をも防止でき、さらに炉底に
出湯孔を設ける必要がないために上吹き酸素量を増大し
ても炉底あるいは出湯孔からの溶湯洩れの危険性を解消
できる鋼スクラップの溶解炉及びその溶解方法を提供す
ることにある。その発明の要旨とするところは、 (1)傾動手段を有する転炉型鋼スクラップの溶解炉に
おいて、溶解炉内部空間とは別であって、溶解炉炉壁の
外側に隣接する空間を少なくとも1つ以上配するように
該炉壁の少なくとも一部を2重壁とし、該炉壁下部に設
けた少なくとも1つ以上の孔で溶解炉内部空間と隣接す
る空間とを連通させ、2重壁のうち外周側の壁面に少な
くとも1つ以上の出湯孔を配したことを特徴とする鋼ス
クラップの溶解炉。
【0008】(2)傾動手段を有する転炉型鋼スクラッ
プの溶解炉において、溶解炉炉壁の外側に隣接する中空
の突起部を少なくとも1つ以上設け、該突起部内空間と
溶解炉内部空間とを、該炉壁に設けた少なくとも1つ以
上の孔によって連通させ、溶解炉と反対側の該突起部の
壁面に少なくとも1つ以上の出湯孔を配したことを特徴
とする鋼スクラップの溶解炉。 (3)転炉型溶解炉炉内壁面に関し、溶解炉内の溶融金
属量が最大の時の溶融金属湯面位置より上の部分を金属
製の水冷パネルとし、該水冷パネル面より下の部分を耐
火物とし、かつ2重壁あるいは突起部の外周壁面に設け
る出湯孔の下端高さ位置を該水冷パネル面下端より上方
範囲にし、さらに該出湯孔を配する外周壁面の上端高さ
位置を該出湯孔の上端より上方範囲に至るようにしたこ
とを特徴とする前記(1)又は(2)記載の鋼スクラッ
プの溶解炉。
【0009】(4)第2の空間あるいは突起部内空間に
ついて、該空間の高さを転炉型溶解炉の高さの10〜1
50%とし、かつ、該空間の出湯孔を含む横断面におけ
る幅を、溶解炉の炉内径の10〜150%とし、さらに
該空間と転炉型溶解炉内部空間とを仕切る炉壁の上部に
設けた少なくとも1つ以上の孔で該空間と転炉型溶解炉
内部空間とを連通させたことを特徴とする前記(3)記
載の鋼スクラップの溶解炉。 (5)前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の鋼ス
クラップの溶解炉において、溶解炉内に残存する溶融金
属量、溶融スラグ量、溶解炉内圧力、あるいは炉傾動角
度のうち少なくとも1種以上を調整しながら、溶融スラ
グ−溶融金属界面を耐火物で被覆された炉壁範囲内に保
持しながら鋼スクラップを溶解および出湯することを特
徴とする鋼スクラップの溶解方法。
【0010】(6)上吹きランスから酸素含有ガスを吹
き込みながら鋼スクラップの溶解を行いながら、上底吹
き転炉型溶解炉内部空間の圧力を、2重壁間あるいは突
起部内部の空間の圧力よりも高く調整し、かつ傾動角度
を0°〜30°の範囲で出湯することを特徴とする前記
(5)記載の鋼スクラップの溶解方法。ここで言う「転
炉型溶解炉」とは、鋼の精錬に用いる脱炭用の炉径より
炉高の大きい形状の転炉を指し、上吹き転炉、底吹き転
炉、上底吹き転炉、横吹き転炉などのガス吹き込み方式
は問わない。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面に従っ
て詳細に説明する。図1は本発明に係る鋼スクラップ溶
解炉で2重壁により隣接する空間(以下、隣接空間と称
する)を形成した例を示す縦断面図、図2は図1に係る
鋼スクラップ溶解炉を傾動させて出湯する状態を示す図
であり、図3は本発明に係る鋼スクラップ溶解炉で金属
製突起部を含んだ例の側断面図である。また、図4は本
発明に係る鋼スクラップ溶解炉で2重壁により隣接空間
9を形成した別の例を示し、図5はさらに別の例を示す
縦断面図及び平面図、図6も同様に更に他の別の例を示
す縦断面図及び平面図である。図1〜図3に示すよう
に、転炉1に酸素含有ガスを吹き込むための酸素上吹き
ランス2を備え、酸素上吹きランス2から酸素含有ガス
を溶融金属3上の溶融スラグ4に吹き付ける。また、コ
ークスあるいは石炭などの炭材及びスクラップを上方か
ら(図示しない)炉内の溶融スラグ4上に投入する。転
炉1は従来脱炭用に用いていた転炉をベースとした転炉
型の炉体の総称であり、電気炉とは明らかに異なる縦長
横狭な炉体を指し、上吹きランス、サブランス、底吹き
羽口あるいは横吹き羽口などの付帯設備の有無は問わな
い。
【0012】一方、溶解炉1内に残存する溶融金属量が
最大の時の溶融金属3浴面より上方の炉内壁面は全周に
わたって金属製、特に銅あるいは鋼製の水冷パネル5で
構成され、その外側は不定形耐火物を介した鉄皮15で
ある。その他の炉内壁面はレンガあるいは不定形の耐火
物で被覆される。また、既存の転炉を本発明の溶解炉に
作り変える時は、既存の転炉の出湯孔の配置側の炉壁を
2重壁とし、新設の場合には傾動軸に平行な面に接する
側の炉壁の少なくとも一部を2重壁とし、図1及び図2
のような隣接空間9を形成する。あるいは、図3に示す
ように溶解炉1の炉壁に隣接する中空の金属製突起部6
を少なくとも1つ設けても良いが、既存転炉を改造する
場合には金属製突起部6方式が簡便で好ましい。
【0013】これらの隣接空間9内では酸素吹き込みや
電極などによる鋼スクラップの溶解は原則として行わ
ず、生成した溶融金属3を保持し、傾動出湯に際して水
冷パネル5壁面に溶融金属3を接触させないためのバッ
ファ空間である。隣接空間9と溶解炉1内部空間とは溶
解炉1炉壁下部に配設した少なくとも1以上の連通孔8
を介して連通させてあり、隣接空間9を構成する壁面の
内側面は全て耐火物製の壁面にするのが良いが、その外
側面は通常の転炉の炉壁構造と同様の鉄皮構造で良い。
【0014】連通孔8の形状は多角形あるいは円形など
が考えられるが、溶融金属3の移動による摩耗・亀裂発
生の点から円形が好ましい。連通孔8の高さ位置として
は、隣接空間9あるいは金属製突起部6内空間の全高の
半分より下方範囲とし、かつ、連通孔8上端位置を鋼ス
クラップの溶解前あるいは出湯後の溶融金属量の最小時
の溶融金属3浴面高さ位置より下にすると溶融スラグ4
が隣接空間9に流れ込まなくて良いが、連通孔8下端位
置が炉底面と同一であると、無傾動時に多量の溶融金属
3が隣接空間9に残留して熱損失が大きくなるので、隣
接空間9と溶解炉1内部空間の容積比との関係で決定す
るのが良い。連通孔8の数は基本的には1つで良いが、
地金付着などによる閉塞の可能性があるので、予備的と
して水平方向に並ぶ2つ以上の孔にするのが好ましい。
【0015】2重壁の場合はそのうちの外周壁面10、
金属製突起部6部の場合は溶解炉1と反対側の壁面10
´に少なくとも1つ以上の出湯孔7を配設する。出湯孔
7の数は、隣接空間9の溶解炉1外周面上の横幅が溶解
炉1外周長の4分の1以下の場合には1つでも構わない
が、隣接空間9を溶解炉1外周全長にわたって配設した
場合、さらにその隣接空間9を外周に沿って仕切(図示
しない)などでさらに細かく仕切って複数の隣接空間9
を設けた場合(例えば図5)や、金属製突起部6を2つ
以上配設した場合(図示しない)に、各々の空間毎に出
湯孔は必要となるので、2つ以上の場合もあり得る。
【0016】隣接空間9内の耐火物壁面または出湯孔7
の補修を考慮すると、傾動可能方向の両方に隣接空間9
および出湯孔7を設ける(図5)と、操業を継続したま
ま交互に補修ができて好ましい。また、2重壁の溶解炉
1全周にわたって設けると、水冷パネル5が万一破損し
水蒸気爆発により溶解炉1の鉄皮15が破れても、溶融
金属3はこの隣接空間9に保持できるため、溶湯洩れト
ラブルを防止でき、かつ傾動方向の両側で出湯できる
が、施工費用が高い。
【0017】出湯孔7は、2重壁あるいは金属製突起部
6の外周壁面10に設けるが、その高さ位置を溶解炉1
内の溶融金属量が最大の時の溶融金属3浴面より上方範
囲に設けることにより、傾動していない時(=鋼スクラ
ップ溶解中)に溶融金属3が出湯孔7から随時流出する
のを防止するのが良い。操業中、鋼スクラップの溶解に
伴い溶融金属3浴面が大きく上下する場合には最大量時
の溶融金属3浴面より100mm以上の余裕代を持って
出湯孔7を設けるのが良い。操業中に出湯孔7を耐火物
又は耐熱材料などで閉塞する場合は、溶融金属3浴面よ
り下方に出湯孔7を設けても良いが、溶湯洩れの危険性
があって本発明の効果が減少するので避けるべきであ
る。
【0018】隣接空間9の容積を出湯速度(=出湯量÷
出湯時間)を考慮し、傾動した場合の溶融金属3浴深を
深くするために、隣接空間9の溶解炉半径方向の厚み幅
を溶解炉の炉内径の10%以上にするのが良い。生産性
から溶解炉1全体の容積を増大するために溶解炉内径と
ほぼ同じかそれ以上にしても良いが、余り大きすぎると
溶解炉自体の傾動角度制御および姿勢制御の安定性に欠
けるため、溶解炉炉内径の150%以下の幅に抑えるの
が良い。また、中空の金属製突起部6の溶解炉1側の壁
と、金属製突起部6と接触する溶解炉1の水冷パネル壁
5および鉄皮15とを共通化して、1枚にするのが設備
的には安価で良い。すなわち、溶解炉1炉壁外側面につ
いて、隣接空間9頂上より上方は鉄皮15を剥き出し状
態とし、隣接空間9頂上から下側に相当する鉄皮15外
面上に耐火物を被覆するのである。これにより、図1及
び図2に示した状態より溶解炉と金属製突起部6との間
にある壁は1枚にでき、隣接空間9内の容積を増大する
ことができる。
【0019】また、連通孔8の高さとスラグ−溶融金属
界面との位置関係に関し、図1及び図2では連通孔8の
上端が溶融スラグ層4内にあり、これにより静圧の釣り
合いで溶融スラグ層4は隣接空間9内にも流れ込んで溶
融金属3浴面を被覆するので、溶融金属3の空気酸化を
防止できて良いが、この場合、傾動出湯時に隣接空間9
内の溶融スラグ4までも流出してしまって、品質上好ま
しくない場合がある。この場合には、隣接空間9内に溶
融スラグ4を流れ込ませないように、連通孔8の上端位
置を図4あるいは図5のように溶解炉1内に残存する溶
融金属3量が最小の時の溶融金属3浴面高さ位置よりも
下方にし、かつ隣接空間9には不活性ガスなどを吹き込
むと共に、出湯孔7も耐火物などにより閉塞するのが良
い。
【0020】この場合には傾動してもスラグ−溶融金属
界面が常に溶解炉内部空間のみに残存するように傾動角
度、溶融金属3浴深、溶融スラグ4量、溶解炉1内圧
力、隣接空間9内の圧力、連通孔8および出湯孔7の高
さ位置などの関係を考慮して溶解炉1を設計する必要が
ある。すなわち、連通孔8の上端位置を最小溶融金属量
の時のスラグ−溶融金属界面以下の範囲で、好ましくは
界面位置に一致させ、出湯孔7の下端位置を最小溶融金
属量の時のスラグ−溶融金属界面以上で、できるだけ上
方に配設するのが良く、その上方に離す距離は、隣接空
間9の厚み幅、横幅あるいは溶解炉1全体の容積に反比
例する。
【0021】このような溶解炉1を用いて、スラグ−溶
融金属界面を耐火物壁面範囲に保持しながら鋼スクラッ
プを溶解し、傾動時に溶融スラグ4を隣接空間9内のみ
で移動させながら溶融金属3を出湯する。傾動角度は水
冷パネル壁5と耐火物製外壁との間を通って、出湯孔7
から溶融金属3が出る速度に合わせて大きくする。ま
た、本発明は傾動出湯のみに限定されるものではなく、
サイフォン式に随時垂れ流しでも良いし、溶解炉1内部
空間の圧力を隣接空間9の圧力より高くすれば無傾動の
まま出湯が可能となる。さらに、出湯しないときは溶融
金属3の酸化を防止する目的および出湯孔7保護のた
め、金属製突起部6の内部にN2 ,Arなどの不活性ガ
スを高圧で吹き込むのが好ましい。これにより溶解炉1
内部空間の圧力より隣接空間9の圧力を高くすることに
より隣接空間9内の溶融金属3浴面高さを上昇できて、
溶解炉1内部空間から隣接空間9内への溶融スラグ4の
流入を一層確実に防止できる。出湯孔7に耐火材料ある
いは高圧気体などにより蓋をして密閉しても良く、これ
により少量のガスで溶鋼の酸化を防止出来る。なお、鋼
スクラップ溶解中も空気酸化を防止するために出湯孔を
閉塞するのが良い。
【0022】また、隣接空間9内で鋼スクラップの溶解
を行わない場合、隣接空間9の底面あるいは隣接空間9
内壁のうち、連通孔8上端と出湯孔7下端との間から
(図示しない)ガス吹き込みあるいは生石灰などの副原
料を添加して精製を行うことができる。隣接空間9で生
成する溶融スラグ4は連通孔8の上端位置より上方にあ
るため溶解炉1炉壁により溶解炉1内部空間に逆流する
ことはないので溶解炉1内の溶融金属3に影響はない
し、傾動出湯により炉外に排滓してしまえば良い。ある
いは図4のように溶解炉1内部空間の圧力より隣接空間
9内の圧力を小さくすることにより隣接空間9内の溶融
金属3浴面のみを上昇させて溶融スラグ4のみを排滓す
ることもできるし、溶解炉1と隣接空間9との間の炉壁
上部の出湯孔7とほぼ同じ高さ位置に出湯孔を設けて
(図示しない)、出湯時と反対に傾動して隣接空間9で
生成する溶融スラグ4を溶解炉1内部空間に戻すことも
できる。
【0023】また、溶解炉1内の溶融スラグ4がフォー
ミングして溶解炉1炉頂口から横溢しそうになった場合
でも、出湯孔から隣接空間9に一時的に溶融スラグ4を
流出させて、酸素上吹きランス2が溶融スラグ4中に浸
漬してしまって送酸不能になるのを防止することもでき
る。ガス吹き込みについても、連通孔8上端より上方で
吹き込めば溶解炉1内部空間への影響はない(図示しな
い)。ただし、溶融金属3は連通孔8を介して溶解炉1
内と隣接空間9内とを自由に移動して混合するので必ず
しも精錬処理効率は良くないが、隣接空間9が下になる
ように傾動して精錬を行うか、連通孔8を小径とし、か
つサイフォン式の出湯方法を行えば連続精錬が可能とな
る(図示しない)。さらに、このような連続精錬を前提
として、複数の隣接空間9を互いに隣接するように配設
しても良い。この場合の隣接方向は溶解炉1外周面に沿
って互いに並べて隣接させても良いし(図5)、 隣接
空間9の外周壁のさらに外周に隣接空間9を増設しても
良い(図示しない)。ただし、外側に増設する方法は溶
解炉1全体が大きくなって傾動の安定性が劣化するので
好ましくない。
【0024】また、図4および図5に示すように溶解炉
1および隣接空間9を蓋14などにより密閉し、さらに
溶解炉1と隣接空間9とを弁を有する管路及び孔12で
接続すれば、送酸により溶解炉1内部空間で発生する大
量の高温ガスを用いて、溶解炉1および隣接空間9の内
部圧力を個別かつ自在に制御でき、これにより無傾動出
湯あるいは傾動出湯時の出湯速度の制御を行うこともで
きる。溶解炉1の上部は本発明により水冷パネル5構造
にできるので、炉体形状の熱変形を少なくできるので、
蓋などによる密閉は従来の転炉より容易になる。また、
この場合、管路及び孔12から隣接空間9に溶解炉1内
部空間で発生する大量のCO含有ガスを導入して着火す
れば、隣接空間9内壁面(耐火物製)を予熱・乾燥する
こともできる。
【0025】また、溶解炉1内部空間のみを密閉してお
けば、溶解炉1内部空間は加圧されて、スクラップ溶解
に伴う溶融金属3浴面の上昇を阻止でき、しかも送酸に
よるスプラッシュを抑制でき、ランスを昇降する必要は
なくなり、さらに無傾動出湯までも可能にできる。ま
た、傾動した状態で鋼スクラップの溶解を行っても良い
が、蓋との干渉があって好ましくない。さらに溶解炉1
に蓋を用いる場合は酸素上吹きランス2との干渉から圧
力制御による無傾動出湯方式が望ましい。さらに蓋は溶
解炉1には用いないで隣接空間9のみに用い、隣接空間
9内の圧力のみを制御する方式の方が、空間の容積が小
さくて制御し易いため望ましい。なお、本発明の鋼スク
ラップの溶解炉を、鋼スクラップの溶解・溶湯の精錬の
みならず、溶銑あるいは溶鋼の精錬、特に脱炭および脱
P用の精錬専用炉として用いることもできる。
【0026】
【実施例】
実施例1 従来、脱炭用上底吹き転炉に使用していた5mφの転炉
を改造して、本発明の鋼スクラップ溶解炉を製作するに
あたり、転炉1の炉高の1/4から3/4、かつ転炉1
外周の1/4に相当する炉腹部炉壁の一部に、炉体半径
方向の最大厚み幅を1mとする2mφの半円形の水平断
面を有し、下部は滑らかに炉体外側の鉄皮15に接合
し、上部をフラット面にした図1のような隣接空間9を
形成する2重壁の外周壁10に相当する別の鉄皮を当初
から存在した炉体鉄皮15の外側に、ボルト締め、嵌合
構造および溶接により接合配設し(図示しない)、酸素
上吹きランス2から酸素含有ガスを吹き込むと共に溶解
炉1炉頂から石炭およびコークスといった炭材を供給
(図示しない)して燃焼させて鋼スクラップの溶解操作
を行った。鉄皮15によって形成した隣接空間9の内壁
の構造は鉄皮15の隣接空間9内側の全面に耐火物煉瓦
を配設してその表面を不定形耐火物張りの面とした。溶
解炉1内壁のうち溶融金属3量が最大の時の溶銑3浴面
より上方の範囲を全て鉄皮15の炉内側に耐火物煉瓦を
介して、更にその炉内側に水冷パネル5を配設して炉内
壁表面に水冷パネル5が露出するような水冷パネル5構
造にした。
【0027】これにより傾動出湯時に水冷パネル5に溶
銑3が接触することなく出湯でき、かつ溶融スラグ4を
溶解炉内に止めて、溶銑3のみを出湯できるようになっ
た。耐火物補修は定期的に鋼スクラップの溶解初期に傾
動して出湯孔7から補修材を流し込んで補修し、さらに
定期的に出湯孔7のある側の反対側に溶解炉1を傾動し
て溶融スラグ4の一部を隣接空間9内に流し込んで隣接
空間9内の耐火物壁面にスラグコーティングを行い、さ
らに溶解操業中にわたり、溶銑3浴面は溶解炉1内の2
重壁の外周壁10の水冷パネル5下端より常に上になる
ように操業したため、溶解炉1全体の炉寿命は1000
0回以上になった。
【0028】さらに、隣接空間9の底面に設けたガス吹
き込み羽口11からArを吹き込んで溶銑3の脱P、脱
Cuおよび脱Snなどをした。このように吹き込むとA
rは溶解炉1内の溶銑3浴内に入らないので溶解に悪影
響はないし、隣接空間9の溶融スラグ4は随時炉外に排
出してしまえるので、溶銑3にP,Cu,Snが戻るこ
ともない。傾動出銑時にはAr気泡吹き込みにより簡易
仕上げ脱Sが可能となり、Sは0.001wt%以下で
出湯できるようになった。溶解中は隣接空間9に底吹き
したArが封入して溶銑3の酸化防止が可能となるので
炉外から出湯孔7に栓をすることにした。栓の代わりに
出湯孔7の外側にスライディングノズルを配しても良い
が、耐熱性から旋回アームを有する蓋とした。Arの代
わりに酸素ガスを底吹きして脱炭して溶銑3を溶鋼にす
ることも実施できたが、溶解炉1内の鋼スクラップの溶
解効率の方が必ずしも改善されないので、中止した。
【0029】このようにして、出湯孔7を有する側の炉
壁の一部を2重壁にして隣接空間9を形成することによ
り、溶解炉1内に水冷パネル5構造を用いた傾動出湯が
可能となって炉寿命を延長でき、しかも、傾動出湯する
際の水冷パネル5面と溶融金属3との接触も防止できる
ので、水冷パネル5面への付着による溶融金属3の歩留
り低下も解消できると同時に、水冷パネル5の孔明きに
よる水蒸気爆発の危険性もない安全、かつ大径炉口から
の傾動出湯による迅速出湯が可能になり、生産性が向上
し、有害な溶融スラグ4の流出を防止でき、さらに隣接
空間9での復P、復Sのない連続溶解・精錬が可能とな
った。
【0030】実施例2 実施例1記載の溶解炉1を用いて、最小量の溶融金属3
浴面が常に連通孔8上端より上に存在するように操業を
行った。さらに隣接空間9の上限位置を溶解炉1炉頂高
さ位置と一致させた。これにより溶解炉1内で生成した
溶融スラグ4の隣接空間9への流出を防止でき、溶解炉
1内の鋼スクラップの溶解効率を高くできた。
【0031】実施例3 図4に示すように、溶解炉1内部空間と隣接空間9の上
部を互いに連通するように、これらの空間を仕切る炉壁
に開閉弁を有する孔および管12を配設し、かつ溶解炉
1および隣接空間9の上部開口部に集塵排気設備に導通
する管13を有する蓋14を設けて、これら空間を密閉
すると共に、出湯孔7も耐火物製蓋で密閉し、酸素上吹
きランス2からの送酸による鋼スクラップの溶解の進行
に伴って、溶解炉内部および隣接空間内の圧力を個別か
つ自在に増減できるようになった。また、溶解操業の末
期に溶融金属浴面が上昇して来ると酸素上吹きランス2
と溶融金属浴面との距離が短くなって、スプラッシュな
どが増大したので、これを回避するために溶解炉1の蓋
14の集塵排気設備への管13の弁を閉め、溶解炉1内
部空間の圧力を大気圧から5気圧に高め、同時に空間を
仕切る炉壁に配した管12の弁を開いて、隣接空間9内
も5気圧にした。溶銑3浴面が当初設定した最大量に到
達した時点で、空間を仕切る炉壁に配した管12の弁を
閉じると同時に出湯孔7を開いて、隣接空間9内の圧力
を低下させて隣接空間9内の溶銑3浴面のみを上昇させ
たので出湯孔7からサイフォン式に出湯できた。加圧程
度は大気圧から20気圧までの範囲が溶解炉1の築炉費
用から良い。また、溶解炉1内の溶融スラグ4がフォー
ミングした時には溶解炉1内部空間のみを加圧して抑制
しつつ、炭材を投入した。この方式で、溶解中は、溶解
炉1内で生成するCOガス含有ガスを管12を介して隣
接空間9内に導入しつつ、隣接空間9の上部に配設した
バーナー16で着火させて、隣接空間9内の耐火物製内
壁面を予熱・乾燥ができ、耐火物製内壁面の寿命がさら
に向上した。これにより、スプラッシュなどの防止によ
る鉄歩留の向上、耐火物寿命による炉止め時間の解消に
よる生産量向上などの効果も得られた。
【0032】実施例4 実施例2記載の溶解炉1の傾動軸に対して相対する側の
両炉壁を2重壁として2つの隣接空間9、9´を配設
し、交互に出湯空間として使用しながら、交互に耐火物
製壁面の補修を行った。この結果、耐火物補修のための
炉止め時間の完全解消による生産量向上および水冷パネ
ル5の孔明き時の湯漏れの危険性も解消できた。
【0033】実施例5 溶解炉1には蓋14を用いないで、隣接空間9のみに蓋
14を配設して、排気装置と接続した管路12´および
溶解炉1内で発生するガスを一旦排気集塵装置で回収し
た後、高圧で隣接空間9に導入する管路12とを連結
し、隣接空間9内の圧力のみを加減圧して、無傾動出湯
を行った(図示しない)。この場合、加減圧の応答性は
迅速になり、制御性が改善された。溶解炉1内で溶融ス
ラグ4がフォーミングした場合には、隣接空間9を高真
空にして溶解炉1と隣接空間9との上部を連通する連通
孔8´からフォーミングした溶融スラグ4を吸引して、
送酸溶解操業を継続できるようになった。
【0034】実施例6 図6に示すように、出湯孔7を配する側の隣接空間9と
反対側に設ける隣接空間9´の底面位置および隣接空間
9´と溶解炉1内とを連通するための連通孔8´の下端
位置を溶解炉1内の溶融スラグ層4の厚み範囲内とし、
連通孔8´の上端位置を溶解炉1内の溶融スラグ層4上
面より上方に設けた。そして隣接空間9´の上方にスク
ラップを投入するための孔(図示しない)を設けて、こ
の孔を介してスクラップ供給タンクに連結してある(図
示しない)。これによりスクラップは隣接空間9´内の
溶融スラグ層4にのみ供給することにした。溶解炉1内
で生成する高温のCO含有ガスは連通孔8´を介して隣
接空間9´に入り、スクラップの予熱に使用した。溶融
スラグ層4を横吹きガスなどにより水平方向にも攪拌混
合し続け、溶解炉1内の溶融スラグ層4から隣接空間9
´内の溶融スラグ層4に熱を伝えて、スクラップの一部
を予熱・溶解しながら溶解炉1内に連続的に供給した。
これにより溶解炉1および隣接空間9´内部の内壁面の
うち溶融スラグ層4より上方部分は全て水冷パネルにで
き、耐火物コストを半減できた。また、供給するスクラ
ップへの熱の伝達は隣接空間9´内および溶解炉1内に
存在し、かつ火点に近く高温の溶融スラグ層4内で行う
ことができる着熱効率が5%上昇した。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による出湯孔
を有する隣接空間を形成したことにより、水冷パネル化
による耐火物コストの削減及び耐火物の補修頻度の低減
をはかることが出来ると共に、傾動出湯する際の水冷パ
ネルへの地金の付着及び水冷パネルへの孔明きによる水
蒸気爆発の危険性のない安全な大径炉口による大量な湯
を迅速に出湯することが出来、また、無傾動出湯、溶融
スラグのフォーミング阻止、出湯時の溶融スラグの流出
防止、隣接空間における簡易精錬、連続精錬が可能とな
るなど、工業上極めて優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋼スクラップ溶解炉で2重壁によ
り隣接空間を形成した例を示す縦断面図、
【図2】本発明に係る鋼スクラップ溶解炉を傾動させて
出湯する状態を示す図、
【図3】本発明に係る鋼スクラップ溶解炉で金属製突起
部を含んだ例の側断面図、
【図4】本発明に係る鋼スクラップ溶解炉で2重壁によ
り隣接空間を形成した別の例を示す縦断面図、
【図5】本発明に係る鋼スクラップ溶解炉で2重壁によ
り隣接空間を形成した異なる例を示す縦断面図及び平面
図、
【図6】本発明に係る鋼スクラップ溶解炉で2重壁によ
り隣接空間を形成した更に別の例を示す縦断面図及び平
面図である。
【符号の説明】
1 転炉あるいは転炉型鋼スクラップ溶解炉 2 酸素上吹きランス 3 溶融金属(溶銑) 4 溶融スラグ(溶融スラグ層) 5 水冷パネル 6 金属製突起部 7、7´ 出湯孔 8、8´ 連通孔 9、9´ 隣接空間 10、10´ 2重壁の外周壁 11、11´ ガス吹き込み羽口 12、12´ 弁を有する管および孔 13 集塵排気装置と溶解炉との連通管 14、14´ 蓋 15、15´ 鉄皮 16 着火バーナー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 傾動手段を有する転炉型鋼スクラップの
    溶解炉において、溶解炉内部空間とは別であって、溶解
    炉炉壁の外側に隣接する空間を少なくとも1つ以上配す
    るように該炉壁の少なくとも一部を2重壁とし、該炉壁
    下部に設けた少なくとも1つ以上の孔で溶解炉内部空間
    と隣接する空間とを連通させ、2重壁のうち外周側の壁
    面に少なくとも1つ以上の出湯孔を配したことを特徴と
    する鋼スクラップの溶解炉。
  2. 【請求項2】 傾動手段を有する転炉型鋼スクラップの
    溶解炉において、溶解炉炉壁の外側に隣接する中空の突
    起部を少なくとも1つ以上設け、該突起部内空間と溶解
    炉内部空間とを、該炉壁に設けた少なくとも1つ以上の
    孔によって連通させ、溶解炉と反対側の該突起部の壁面
    に少なくとも1つ以上の出湯孔を配したことを特徴とす
    る鋼スクラップの溶解炉。
  3. 【請求項3】 転炉型溶解炉炉内壁面に関し、溶解炉内
    の溶融金属量が最大の時の溶融金属湯面位置より上の部
    分を金属製の水冷パネルとし、該水冷パネル面より下の
    部分を耐火物とし、かつ2重壁あるいは突起部の外周壁
    面に設ける出湯孔の下端高さ位置を該水冷パネル面下端
    より上方範囲にし、さらに該出湯孔を配する外周壁面の
    上端高さ位置を該出湯孔の上端より上方範囲に至るよう
    にしたことを特徴とする請求項1又は2記載の鋼スクラ
    ップの溶解炉。
  4. 【請求項4】 第2の空間あるいは突起部内空間につい
    て、該空間の高さを転炉型溶解炉の高さの10〜150
    %とし、かつ該空間の出湯孔を含む横断面における幅
    を、溶解炉の炉内径の10〜150%とし、さらに該空
    間と転炉型溶解炉内部空間とを仕切る炉壁の上部に設け
    た少なくとも1つ以上の孔で該空間と転炉型溶解炉内部
    空間とを連通させたことを特徴とする請求項3記載の鋼
    スクラップの溶解炉。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の鋼
    スクラップの溶解炉において、溶解炉内に残存する溶融
    金属量、溶融スラグ量、溶解炉内圧力、あるいは炉傾動
    角度のうち少なくとも1種以上を調整しながら、溶融ス
    ラグ−溶融金属界面を耐火物で被覆された炉壁範囲内に
    保持しながら鋼スクラップを溶解および出湯することを
    特徴とする鋼スクラップの溶解方法。
  6. 【請求項6】 上吹きランスから酸素含有ガスを吹き込
    みながら鋼スクラップの溶解を行いながら、上底吹き転
    炉型溶解炉内部空間の圧力を、2重壁間あるいは突起部
    内部の空間の圧力よりも高く調整し、かつ傾動角度を0
    °〜30°の範囲で出湯することを特徴とする請求項5
    記載の鋼スクラップの溶解方法。
JP30544795A 1995-06-12 1995-11-24 鋼スクラップの溶解炉及び溶解方法 Withdrawn JPH0959710A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52111402A (en) * 1976-03-17 1977-09-19 Osaka Seikou Kk Method of preventing evolution of dust and gas during tapping of iron or slag out of shaft furnace
JP2011514240A (ja) * 2008-02-01 2011-05-06 テキサス シンガス,インコーポレイテッド 多重金属浴反応器におけるガス移送

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