JPH0959484A - 尿素樹脂組成物 - Google Patents
尿素樹脂組成物Info
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- JPH0959484A JPH0959484A JP7218992A JP21899295A JPH0959484A JP H0959484 A JPH0959484 A JP H0959484A JP 7218992 A JP7218992 A JP 7218992A JP 21899295 A JP21899295 A JP 21899295A JP H0959484 A JPH0959484 A JP H0959484A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 一層良好な生分解性を示し、且つ機械的強度
等の物性が良好な尿素樹脂組成物の提供。 【解決手段】 尿素およびホルムアルデヒドを反応させ
て得られる尿素−ホルムアルデヒド反応体;セルロース
材料;およびα−アミノ酸を含有してなる、尿素樹脂組
成物。
等の物性が良好な尿素樹脂組成物の提供。 【解決手段】 尿素およびホルムアルデヒドを反応させ
て得られる尿素−ホルムアルデヒド反応体;セルロース
材料;およびα−アミノ酸を含有してなる、尿素樹脂組
成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性を有し、
且つ物性に優れる尿素樹脂組成物に関するものである。
且つ物性に優れる尿素樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、様々な産業においてプラスチ
ックが利用されているが、一方これら多量に使用されて
いるプラスチックの廃棄物が、河川、海洋、土壌を汚染
する可能性を有し、大きな社会問題になっている。この
汚染防止のために生分解性を有するプラスチックの出現
が待望され既に、例えば、合成樹脂にグルテンおよび可
塑剤を配合したもの、合成樹脂にキトサンおよびパルプ
を併用したもの、あるいは酢酸セルロースの酢酸基の置
換度が2以下の低いタイプ等のプラスチックが提案され
ている。しかしながら、これらの従来の生分解性の樹脂
は、必ずしも一般的に用いられているとは言えず、実用
性が認められるのは、ただ脂肪族ポリエステルのみと言
っても過言ではない状況にある。
ックが利用されているが、一方これら多量に使用されて
いるプラスチックの廃棄物が、河川、海洋、土壌を汚染
する可能性を有し、大きな社会問題になっている。この
汚染防止のために生分解性を有するプラスチックの出現
が待望され既に、例えば、合成樹脂にグルテンおよび可
塑剤を配合したもの、合成樹脂にキトサンおよびパルプ
を併用したもの、あるいは酢酸セルロースの酢酸基の置
換度が2以下の低いタイプ等のプラスチックが提案され
ている。しかしながら、これらの従来の生分解性の樹脂
は、必ずしも一般的に用いられているとは言えず、実用
性が認められるのは、ただ脂肪族ポリエステルのみと言
っても過言ではない状況にある。
【0003】しかし、脂肪族ポリエステルも熱可塑性の
ポリマーであって、硬さ、耐熱性等の物性には制限を受
けているのが実情である。現段階では、生分解性で実用
性を伴った熱硬化性樹脂は知られていない。但し、脂肪
族ポリエステルをポリオール成分とするポリウレタン
は、イソシアナートの種類によっては生分解性を示すこ
とがある。しかし、この場合は、軟質ないし半硬質タイ
プの成形品しか得られず、硬くてある程度の耐熱性のあ
る成形品は得られていない。
ポリマーであって、硬さ、耐熱性等の物性には制限を受
けているのが実情である。現段階では、生分解性で実用
性を伴った熱硬化性樹脂は知られていない。但し、脂肪
族ポリエステルをポリオール成分とするポリウレタン
は、イソシアナートの種類によっては生分解性を示すこ
とがある。しかし、この場合は、軟質ないし半硬質タイ
プの成形品しか得られず、硬くてある程度の耐熱性のあ
る成形品は得られていない。
【0004】そこで本発明者らは、一般に生分解性を示
さない尿素樹脂について研究を重ねたところ、尿素1モ
ルに対してホルムアルデヒド1〜1.3モル未満を反応
させ、これにセルロース材料を配合して得られる尿素樹
脂が、良好な生分解性を示すことを見いだし、提案した
(特願平7−94146号)。なお、一般的な尿素樹脂
は、ホルムアルデヒドが1.3モル以上使用されてお
り、この場合は生分解性が見られない。
さない尿素樹脂について研究を重ねたところ、尿素1モ
ルに対してホルムアルデヒド1〜1.3モル未満を反応
させ、これにセルロース材料を配合して得られる尿素樹
脂が、良好な生分解性を示すことを見いだし、提案した
(特願平7−94146号)。なお、一般的な尿素樹脂
は、ホルムアルデヒドが1.3モル以上使用されてお
り、この場合は生分解性が見られない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような尿素樹脂でも生分解には多少の時間が必要であ
り、とくに肉厚の成形品ではその傾向が著しいことが判
明した。また、尿素1モルに対してホルムアルデヒドの
配合割合が1.3モル未満であると、硬化樹脂の物性、
例えば機械的強度に未だ改善の余地があることも判明し
た。従って生分解性を示す尿素樹脂を実用化するために
は、何らかの方法でその物性向上を図らなければならな
い。本発明は、一層良好な生分解性を示し、且つ機械的
強度等の物性が向上した尿素樹脂組成物を提供すること
を目的とするものである。
ような尿素樹脂でも生分解には多少の時間が必要であ
り、とくに肉厚の成形品ではその傾向が著しいことが判
明した。また、尿素1モルに対してホルムアルデヒドの
配合割合が1.3モル未満であると、硬化樹脂の物性、
例えば機械的強度に未だ改善の余地があることも判明し
た。従って生分解性を示す尿素樹脂を実用化するために
は、何らかの方法でその物性向上を図らなければならな
い。本発明は、一層良好な生分解性を示し、且つ機械的
強度等の物性が向上した尿素樹脂組成物を提供すること
を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この問題
を解決するために種々検討した結果、意外にもα−アミ
ノ酸を併用することで前記目的を達成できることを見い
だし、本発明を完成することができた。
を解決するために種々検討した結果、意外にもα−アミ
ノ酸を併用することで前記目的を達成できることを見い
だし、本発明を完成することができた。
【0007】すなわち本発明は、尿素およびホルムアル
デヒドを反応させて得られる尿素−ホルムアルデヒド反
応体;セルロース材料;およびα−アミノ酸を配合して
なる、尿素樹脂組成物を提供するものである。
デヒドを反応させて得られる尿素−ホルムアルデヒド反
応体;セルロース材料;およびα−アミノ酸を配合して
なる、尿素樹脂組成物を提供するものである。
【0008】また本発明は、尿素−ホルムアルデヒド反
応体の計算値100重量部に対して、セルロース材料2
0〜80重量部が配合され、且つ該尿素−ホルムアルデ
ヒド反応体および該セルロース材料の合計100重量部
に対し、α−アミノ酸が1〜30重量部配合される、前
記の尿素樹脂組成物を提供するものである。
応体の計算値100重量部に対して、セルロース材料2
0〜80重量部が配合され、且つ該尿素−ホルムアルデ
ヒド反応体および該セルロース材料の合計100重量部
に対し、α−アミノ酸が1〜30重量部配合される、前
記の尿素樹脂組成物を提供するものである。
【0009】さらに本発明は、α−アミノ酸が3〜20
重量部配合される、前記の尿素樹脂組成物を提供するも
のである。
重量部配合される、前記の尿素樹脂組成物を提供するも
のである。
【0010】さらにまた本発明は、尿素1モルに対し、
ホルムアルデヒドを1〜1.5モル反応させる、前記の
尿素樹脂組成物を提供するものである。
ホルムアルデヒドを1〜1.5モル反応させる、前記の
尿素樹脂組成物を提供するものである。
【0011】また本発明は、尿素1モルに対して、ホル
ムアルデヒドを1〜1.3モル反応させる、前記の尿素
樹脂組成物を提供するものである。
ムアルデヒドを1〜1.3モル反応させる、前記の尿素
樹脂組成物を提供するものである。
【0012】さらに本発明は、前記の尿素樹脂組成物を
用いて成形された、尿素樹脂成形品を提供するものであ
る。
用いて成形された、尿素樹脂成形品を提供するものであ
る。
【0013】なお、本発明でいう生分解性とは、成形品
が土中で分解して原形を留めなくなり、遂には完全に消
失する性質を意味する。
が土中で分解して原形を留めなくなり、遂には完全に消
失する性質を意味する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、尿素にホルムアルデヒ
ドを反応させ、セルロース材料を配合し、さらにα−ア
ミノ酸を併用することに主な特徴を有する。
ドを反応させ、セルロース材料を配合し、さらにα−ア
ミノ酸を併用することに主な特徴を有する。
【0015】本発明において、尿素1モルに対し、ホル
ムアルデヒドは1〜1.5モル、好ましくは1〜1.3
モルを反応させるのがよい。
ムアルデヒドは1〜1.5モル、好ましくは1〜1.3
モルを反応させるのがよい。
【0016】ホルムアルデヒドの使用量が1.5モルよ
り多くなると、通常のパルプをフィラーとした尿素樹脂
は、1年位の土中埋没テストでは、全く生分解性を示さ
ない。また、1モル未満では、成形材料を得ることが困
難であり好ましくない。一般的な尿素樹脂は、尿素1モ
ルに対してホルムアルデヒドを1.3モル以上反応させ
ており、これにセルロース材料を配合して得られる尿素
樹脂は、生分解性を示さない。しかし、本発明において
は、例えば1.3〜1.5モルのホルムアルデヒドの配
合割合であっても、セルロース材料と共にα−アミノ酸
を配合するため、α−アミノ酸が生分解の促進剤とな
り、生分解性が認められ、且つ良好な物性を示す尿素樹
脂組成物を提供することができる。
り多くなると、通常のパルプをフィラーとした尿素樹脂
は、1年位の土中埋没テストでは、全く生分解性を示さ
ない。また、1モル未満では、成形材料を得ることが困
難であり好ましくない。一般的な尿素樹脂は、尿素1モ
ルに対してホルムアルデヒドを1.3モル以上反応させ
ており、これにセルロース材料を配合して得られる尿素
樹脂は、生分解性を示さない。しかし、本発明において
は、例えば1.3〜1.5モルのホルムアルデヒドの配
合割合であっても、セルロース材料と共にα−アミノ酸
を配合するため、α−アミノ酸が生分解の促進剤とな
り、生分解性が認められ、且つ良好な物性を示す尿素樹
脂組成物を提供することができる。
【0017】尿素とホルムアルデヒドとの反応は、常法
に従い行うことができ、例えば微ないし弱アルカリ性
で、40〜80℃の温度で反応させることができる。
に従い行うことができ、例えば微ないし弱アルカリ性
で、40〜80℃の温度で反応させることができる。
【0018】かくして得られる尿素−ホルムアルデヒド
反応体は、尿素およびホルムアルデヒドの配合比や反応
条件によっても異なるが、初期付加物であるモノメチロ
ール尿素、ジメチロール尿素の混合体である。例えば尿
素1モルに対してホルムアルデヒド1.2モルを反応さ
せた場合は、モノメチロール尿素とジメチロール尿素と
の混合体が得られる。
反応体は、尿素およびホルムアルデヒドの配合比や反応
条件によっても異なるが、初期付加物であるモノメチロ
ール尿素、ジメチロール尿素の混合体である。例えば尿
素1モルに対してホルムアルデヒド1.2モルを反応さ
せた場合は、モノメチロール尿素とジメチロール尿素と
の混合体が得られる。
【0019】本発明の組成物は、その実用に際し、セル
ロース材料を併用することが好ましい。つまり、例えば
上記のように尿素−ホルムアルデヒド反応体を合成し、
これに適当量のセルロース材料、さらに必要に応じて触
媒を加えて混練し、pH調節を行った後、40〜70℃
で縮合を進め、同時に乾燥させ、粉末化可能な状態にす
ることができる。セルロース材料としては、粉砕パルプ
が代表的であり、本発明の目的には十分である。その他
にはリンターも挙げられる。
ロース材料を併用することが好ましい。つまり、例えば
上記のように尿素−ホルムアルデヒド反応体を合成し、
これに適当量のセルロース材料、さらに必要に応じて触
媒を加えて混練し、pH調節を行った後、40〜70℃
で縮合を進め、同時に乾燥させ、粉末化可能な状態にす
ることができる。セルロース材料としては、粉砕パルプ
が代表的であり、本発明の目的には十分である。その他
にはリンターも挙げられる。
【0020】セルロース材料の配合割合は、尿素−ホル
ムアルデヒド反応体の計算値(尿素およびホルムアルデ
ヒドが100%反応したとして)100重量部に対し
て、セルロース材料20〜80重量部、好ましくは25
〜45重量部がよい。ここでセルロース材料は、硬化樹
脂の製造および物性、例えば機械的強度、さらに成形性
に影響することから、生分解性を考慮した上で、極力多
い方が望ましい。
ムアルデヒド反応体の計算値(尿素およびホルムアルデ
ヒドが100%反応したとして)100重量部に対し
て、セルロース材料20〜80重量部、好ましくは25
〜45重量部がよい。ここでセルロース材料は、硬化樹
脂の製造および物性、例えば機械的強度、さらに成形性
に影響することから、生分解性を考慮した上で、極力多
い方が望ましい。
【0021】本発明の組成物は、必須成分としてα−ア
ミノ酸が配合される。α−アミノ酸は、カルボキシル基
のα位の炭素にアミノ基が結合しているカルボン酸の総
称であり、必須アミノ酸を含め約20種類ほど知られて
いる。それらは以下のように示される。グリシン、アラ
ニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ノルバリンの
ごとき脂肪族モノアミノモノカルボン酸、セリン、トレ
オニンのごときオキシアミノ酸、フェニルアラニン、チ
ロシンのごとき芳香族核をもつアミノ酸、システイン、
メチオニンのごときイオウを含むアミノ酸、アスパラギ
ン酸、グルタミン酸、オキシグルタミン酸のごときモノ
アミノジカルボン酸、アルギニン、リシンのごときジア
ミノモノカルボン酸、ヒスチジン、プロリン、オキシプ
ロリン、トリプトファンのごとき複素環をもつアミノ
酸。これらのα−アミノ酸は、生分解性には有用である
が、使用に際してはコストの点で実用的であるタイプを
選択して用いることが好ましい。
ミノ酸が配合される。α−アミノ酸は、カルボキシル基
のα位の炭素にアミノ基が結合しているカルボン酸の総
称であり、必須アミノ酸を含め約20種類ほど知られて
いる。それらは以下のように示される。グリシン、アラ
ニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ノルバリンの
ごとき脂肪族モノアミノモノカルボン酸、セリン、トレ
オニンのごときオキシアミノ酸、フェニルアラニン、チ
ロシンのごとき芳香族核をもつアミノ酸、システイン、
メチオニンのごときイオウを含むアミノ酸、アスパラギ
ン酸、グルタミン酸、オキシグルタミン酸のごときモノ
アミノジカルボン酸、アルギニン、リシンのごときジア
ミノモノカルボン酸、ヒスチジン、プロリン、オキシプ
ロリン、トリプトファンのごとき複素環をもつアミノ
酸。これらのα−アミノ酸は、生分解性には有用である
が、使用に際してはコストの点で実用的であるタイプを
選択して用いることが好ましい。
【0022】α−アミノ酸の添加の方法は、尿素樹脂を
製造し、セルロース材料を配合して縮合、乾燥が終了
し、粉砕する工程で加えることが望ましい。
製造し、セルロース材料を配合して縮合、乾燥が終了
し、粉砕する工程で加えることが望ましい。
【0023】α−アミノ酸の配合割合は、尿素−ホルム
アルデヒド反応体およびセルロース材料の合計100重
量部に対し、1〜30重量部、好ましくは3〜20重量
部がよい。1重量部未満では、実際上使用効果がほとん
ど認められなくなり、30重量部を超えて配合しても効
果が向上せず、逆に成形品の物性を損なうこととなる。
アルデヒド反応体およびセルロース材料の合計100重
量部に対し、1〜30重量部、好ましくは3〜20重量
部がよい。1重量部未満では、実際上使用効果がほとん
ど認められなくなり、30重量部を超えて配合しても効
果が向上せず、逆に成形品の物性を損なうこととなる。
【0024】なお、本発明の組成物は、必要に応じて、
生分解性を損なわない限りにおいて、他の有機・無機フ
ィラー、補強材、離型剤、滑剤、着色剤等を併用できる
ことは勿論である。
生分解性を損なわない限りにおいて、他の有機・無機フ
ィラー、補強材、離型剤、滑剤、着色剤等を併用できる
ことは勿論である。
【0025】また、本発明の組成物においては、成形性
をコントロールするために水分量を調節することが望ま
しく、水分量は1〜5%程度がよい。また、少量のグリ
セリンのような多価アルコール系の可塑剤を使用するこ
とができる。このために使用される可塑剤の量は、目的
とする成形性により変動するものであるが、例えば、尿
素−ホルムアルデヒド反応体およびセルロース材料合計
100重量部に対し、5〜50重量部程度である。
をコントロールするために水分量を調節することが望ま
しく、水分量は1〜5%程度がよい。また、少量のグリ
セリンのような多価アルコール系の可塑剤を使用するこ
とができる。このために使用される可塑剤の量は、目的
とする成形性により変動するものであるが、例えば、尿
素−ホルムアルデヒド反応体およびセルロース材料合計
100重量部に対し、5〜50重量部程度である。
【0026】本発明の組成物の成形は、通常の尿素樹脂
と同様の成形条件を適用することができ、例えば130
〜150℃の温度、20〜150kg/cm2の圧力下で行う
ことができる。
と同様の成形条件を適用することができ、例えば130
〜150℃の温度、20〜150kg/cm2の圧力下で行う
ことができる。
【0027】
【作用】尿素1モルに対してホルムアルデヒドの配合割
合が1.3モル未満の、既存の尿素樹脂には見られない
低ホルムアルデヒド領域では、生分解性は見られるもの
の、その発現には時間がかかり、ある用途においては満
足のいくものではなかった。また、このような低ホルム
アルデヒドのタイプの尿素樹脂は、機械的物性が著しく
低下したものになる。しかしながら、α−アミノ酸を併
用すると、生分解性の発現が著しく速まり、さらに理由
は明らかではないが、機械的物性が良好であることが判
明した。
合が1.3モル未満の、既存の尿素樹脂には見られない
低ホルムアルデヒド領域では、生分解性は見られるもの
の、その発現には時間がかかり、ある用途においては満
足のいくものではなかった。また、このような低ホルム
アルデヒドのタイプの尿素樹脂は、機械的物性が著しく
低下したものになる。しかしながら、α−アミノ酸を併
用すると、生分解性の発現が著しく速まり、さらに理由
は明らかではないが、機械的物性が良好であることが判
明した。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 実施例1 撹拌機、還流コンデンサー、温度計を付した5リットル
のセパラブルフラスコに、尿素2400g、37%ホル
マリン3850g(尿素/ホルムアルデヒドのモル比=
1/1.2)を仕込み、ヘキサメチレンテトラミンでpH
を8とした後、65℃で30分間反応してメチロール尿
素を製造した後、パルプ1700g(約33重量%)を
加え、ニーダーで均一に混合後、40℃で一夜、次いで
80℃で30分間乾燥し、縮合を進めた。
のセパラブルフラスコに、尿素2400g、37%ホル
マリン3850g(尿素/ホルムアルデヒドのモル比=
1/1.2)を仕込み、ヘキサメチレンテトラミンでpH
を8とした後、65℃で30分間反応してメチロール尿
素を製造した後、パルプ1700g(約33重量%)を
加え、ニーダーで均一に混合後、40℃で一夜、次いで
80℃で30分間乾燥し、縮合を進めた。
【0029】次いで、得られた縮合物500gに対し
て、グリシン20g、ステアリン酸亜鉛5g、塩化アン
モン2.5gを加え、ボールミルで一夜粉砕し、混合し
て本発明の組成物を得た。
て、グリシン20g、ステアリン酸亜鉛5g、塩化アン
モン2.5gを加え、ボールミルで一夜粉砕し、混合し
て本発明の組成物を得た。
【0030】得られた組成物について、JIS K69
11の熱硬化性樹脂試験に規定されたように、150
℃、50kg/cm2、5分間の条件でテストピースを製造
し、その物性試験を行った。その結果を表1に示す。
11の熱硬化性樹脂試験に規定されたように、150
℃、50kg/cm2、5分間の条件でテストピースを製造
し、その物性試験を行った。その結果を表1に示す。
【0031】実施例2 D.L−メチオニンを20g用いたこと以外は、実施例
1を繰り返し、テストピースの物性を測定した。その結
果を表1に示す。
1を繰り返し、テストピースの物性を測定した。その結
果を表1に示す。
【0032】実施例3 リシンを20g用いたこと以外は、実施例1を繰り返
し、テストピースの物性を測定した。その結果を表1に
示す。
し、テストピースの物性を測定した。その結果を表1に
示す。
【0033】実施例4 フェニルアラニンを20g用いたこと以外は、実施例1
を繰り返し、テストピースの物性を測定した。その結果
を表1に示す。
を繰り返し、テストピースの物性を測定した。その結果
を表1に示す。
【0034】実施例5 トリプトファンを20g用いたこと以外は、実施例1を
繰り返し、テストピースの物性を測定した。その結果を
表1に示す。
繰り返し、テストピースの物性を測定した。その結果を
表1に示す。
【0035】比較例1 α−アミノ酸を用いなかったこと以外は、実施例1を繰
り返し、テストピースの物性を測定した。その結果を表
1に示す。
り返し、テストピースの物性を測定した。その結果を表
1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1から明らかなように、α−アミノ酸添
加でも物性値に大きな変化はみられず、α−アミノ酸を
加えた本発明の組成物はいずれも実用性が認められた。
加でも物性値に大きな変化はみられず、α−アミノ酸を
加えた本発明の組成物はいずれも実用性が認められた。
【0038】(生分解性の測定)実施例1〜5および比
較例1で得た組成物を、それぞれ150℃、50kg/cm2
の圧力下、5分間プレスして直径約7〜8.5mm、厚さ
約0.5mmの円板を成形し、生分解性の測定を行った。
なお、生分解性のテストは、次のようにして行った。
較例1で得た組成物を、それぞれ150℃、50kg/cm2
の圧力下、5分間プレスして直径約7〜8.5mm、厚さ
約0.5mmの円板を成形し、生分解性の測定を行った。
なお、生分解性のテストは、次のようにして行った。
【0039】プランターに、川砂90重量部、油カス5
重量部、パーク堆肥5重量部を入れ、十分に水を加えて
よく混合し、15日間放置し、時折切り返したものを生
分解テスト用土壌とし、この土壌の表面より10cm下
に、それぞれの円板を埋め、30℃で1週間に一度、井
戸水を灌水した。プランターは、水分が逃げないよう
に、ポリエチレンフィルムで2重にカバーした。30℃
の恒温室に3カ月間放置後の結果を表2に示す。
重量部、パーク堆肥5重量部を入れ、十分に水を加えて
よく混合し、15日間放置し、時折切り返したものを生
分解テスト用土壌とし、この土壌の表面より10cm下
に、それぞれの円板を埋め、30℃で1週間に一度、井
戸水を灌水した。プランターは、水分が逃げないよう
に、ポリエチレンフィルムで2重にカバーした。30℃
の恒温室に3カ月間放置後の結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2から、α−アミノ酸を含む本発明の組
成物からなる円板の生分解性は、比較例に比べて生分解
の速度が速くなっていることが分かる。
成物からなる円板の生分解性は、比較例に比べて生分解
の速度が速くなっていることが分かる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、熱硬化性でありながら
樹脂本体が生分解性を示し、その生分解の速度が速く、
しかも実用上十分な物性を有する尿素樹脂組成物が提供
される。
樹脂本体が生分解性を示し、その生分解の速度が速く、
しかも実用上十分な物性を有する尿素樹脂組成物が提供
される。
Claims (6)
- 【請求項1】 尿素およびホルムアルデヒドを反応させ
て得られる尿素−ホルムアルデヒド反応体;セルロース
材料;およびα−アミノ酸を配合してなる、尿素樹脂組
成物。 - 【請求項2】 尿素−ホルムアルデヒド反応体の計算値
100重量部に対して、セルロース材料20〜80重量
部が配合され、且つ該尿素−ホルムアルデヒド反応体お
よび該セルロース材料の合計100重量部に対し、α−
アミノ酸が1〜30重量部配合される、請求項1に記載
の尿素樹脂組成物。 - 【請求項3】 α−アミノ酸が3〜20重量部配合され
る、請求項2に記載の尿素樹脂組成物。 - 【請求項4】 尿素1モルに対し、ホルムアルデヒドを
1〜1.5モル反応させる、請求項1ないし3のいずれ
か1項に記載の尿素樹脂組成物。 - 【請求項5】 尿素1モルに対して、ホルムアルデヒド
を1〜1.3モル反応させる、請求項4に記載の尿素樹
脂組成物。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
の尿素樹脂組成物を用いて成形された、尿素樹脂成形
品。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7218992A JPH0959484A (ja) | 1995-08-28 | 1995-08-28 | 尿素樹脂組成物 |
EP96302129A EP0735096A3 (en) | 1995-03-29 | 1996-03-27 | Urea-resin composition |
US08/623,538 US5837755A (en) | 1995-03-29 | 1996-03-29 | Biodegradable thermosetting urea-resin compositions |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7218992A JPH0959484A (ja) | 1995-08-28 | 1995-08-28 | 尿素樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0959484A true JPH0959484A (ja) | 1997-03-04 |
Family
ID=16728578
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7218992A Pending JPH0959484A (ja) | 1995-03-29 | 1995-08-28 | 尿素樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0959484A (ja) |
-
1995
- 1995-08-28 JP JP7218992A patent/JPH0959484A/ja active Pending
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