JPH0959230A - 光学活性置換フェニルアルキルアミン誘導体 - Google Patents

光学活性置換フェニルアルキルアミン誘導体

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JPH0959230A
JPH0959230A JP8149011A JP14901196A JPH0959230A JP H0959230 A JPH0959230 A JP H0959230A JP 8149011 A JP8149011 A JP 8149011A JP 14901196 A JP14901196 A JP 14901196A JP H0959230 A JPH0959230 A JP H0959230A
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JP
Japan
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phenyl
phenylethoxy
carbon atoms
methoxy
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Pending
Application number
JP8149011A
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English (en)
Inventor
Atsuo Nakazato
篤郎 中里
Toshihito Kumagai
利仁 熊谷
Tomoki Miyazawa
知樹 宮沢
Takaaki Ota
孝明 太田
Yutaka Kawashima
豊 川島
Katsuo Hatayama
勝男 畑山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 錐体外路障害を生ずることなく抗精神作用を
有する新規な化合物を提供すること。 【構成】 式 【化】 (式中、X1及びX2は同一又は異なって水素原子、ハロ
ゲン原子、水酸基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基又
はフェニル基で置換された炭素原子数1〜5のアルコキ
シ基を示し、R1及びR2は同一又は異なって水素原子、
炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数3〜7のア
ルケニル基又は炭素原子数3〜7のアルキニル基を示
し、R3は炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子
数2〜10のアルケニル基又は炭素原子数2〜10のア
ルキニル基を示し、Aはフェニル基、チエニル基、又は
「ハロゲン原子、水酸基、炭素原子数1〜5のアルコキ
シ基」から選ばれる任意の1〜3個で置換されたフェニ
ル基を示し、nは2〜5の整数を示し、mは1〜4の整
数を示す。)で表わされる置換フェニルアルキルアミン
誘導体及びその薬理学的に許容される塩

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗精神病作用を有する
光学活性置換フェニルアルキルアミン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】抗精神病薬は精神分裂病治療だけでな
く、脳血管障害・老年期痴呆における問題行動(攻撃的
行為、精神興奮、徘徊、せん妄など)の治療にも用いら
れている。しかしながら、従来の抗精神病薬は副作用で
ある錐体外路障害が強く、大きな問題となっている。こ
の問題を解決するため、近年の抗精神病薬の開発は従来
の薬物の作用機作とは全く異なった側面からのアプロー
チがなされている。その一つがシグマレセプターアンタ
ゴニストである。シグマレセプターはシグマ1及びシグ
マ2レセプターに分類されており(Trends in Pharmaco
logical Sciences,第13巻,第85頁〜第86頁)、
ヒトで精神症状を発現するペンタゾシン(Clinical Pha
rmacology and Therapeutics,第9巻,第142頁〜第
151頁)及びSKF10047(N−アリールノルメ
タゾシン)(Advances in ChemistrySeries,第45巻,
第170頁〜第176頁)はシグマ1レセプターに高い
親和性を有している(アゴニスト)ことが明らかとなっ
ている(Trends in Pharmacological Sciences,第13
巻,第85頁〜第86頁)。シグマレセプター、特にシ
グマ1レセプターは幻覚症状などの精神異常に関与した
レセプターと考えられ、このレセプターに特異的親和性
を有する化合物は錐体外路障害を生ずることなく抗精神
作用を示す。
【0003】シグマレセプターとして、たとえばリムカ
ゾール(Rimcazole)が知られているが、シグ
マ1レセプターに対する特異性及び親和性は未だ十分で
はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、錐体
外路障害を生ずることなく抗精神作用を有する新規な化
合物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、光学活性
置換フェニルアルキルアミン誘導体について鋭意検討し
た結果、シグマ1レセプターに特異的かつ高い親和性を
示す新規な置換フェニルアルキルアミン誘導体を見出
し、本発明を完成した。
【0006】以下、本発明を説明する。
【0007】本発明は、式[1]
【0008】
【化2】
【0009】(式中、X1は水素原子、ハロゲン原子、
水酸基又は炭素原子数1〜5のアルコキシ基を示し、R
1及びR2は同一又は異なって水素原子、炭素原子数1〜
7のアルキル基、炭素原子数3〜7のアルケニル基又は
炭素原子数3〜7のアルキニル基を示し、R3は炭素原
子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアル
ケニル基又は炭素原子数2〜10のアルキニル基を示
し、Aはフェニル基、チエニル基又は「ハロゲン原子、
水酸基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基」から選ばれ
る任意の1〜3個で置換されたフェニル基を示し、nは
2〜5の整数を示し、mは1〜4の整数を示す。)で表
わされる光学活性置換フェニルアルキルアミン誘導体又
はその薬理学的に許容される塩である。
【0010】好ましい本発明の化合物は、式[1]にお
いて、R3が炭素原子数4又は5のアルキル基である光
学活性置換フェニルアルキルアミン誘導体又はその薬理
学的に許容される塩である。更に好ましい本発明の化合
物は、式[1]において、R3がブチル基又は3−メチ
ルブチル基である光学活性置換フェニルアルキルアミン
誘導体又はその薬理学的に許容される塩である。更に好
ましい本発明の化合物は、式[1]において、R1が水
素原子、R2がプロピル基、R3がブチル基又は3−メチ
ルブチル基、X1が4−メトキシ基、A−(CH2)n−Oが
3−(2−フェニルエトキシ)基である光学活性置換フ
ェニルアルキルアミン誘導体又はその薬理学的に許容さ
れる塩である。
【0011】本発明において、ハロゲン原子とはフッ素
原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子である。炭素
原子数1〜5のアルコキシ基とは直鎖状又は分枝鎖状の
アルコキシ基であり、たとえばメトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イ
ソブトキシ基、t−ブトキシ基、ペントキシ基、3−メ
チルブトキシ基などである。フェニル基で置換された炭
素原子数1〜5のアルコキシ基とは、たとえばベンジル
オキシ基、2−フェニルエトキシ基、3−フェニルプロ
ポキシ基などである。炭素原子数1〜7のアルキル基と
は直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキル基であり、たと
えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、シク
ロプロピルメチル基、ペンチル基、イソアミル基、3−
メチルブチル基、シクロブチルメチル基、ヘキシル基、
4−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、シクロペ
ンチルメチル基、ヘプチル基、5−メチルヘキシル基、
シクロヘキシルメチル基などであり、好ましくはプロピ
ル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基な
どである。炭素原子数3〜7のアルケニル基とは直鎖状
又は分枝鎖状のアルケニル基であり、たとえば2−プロ
ペニル基、3−メチル−2−ブテニル基などである。炭
素原子数3〜7のアルキニル基とは直鎖状又は分枝鎖状
のアルキニル基であり、たとえば2−プロピニル基、4
−メチル−2−ペンチニル基などである。炭素原子数1
〜10のアルキル基とは直鎖状、分枝鎖状又は環状アル
キル基であり、たとえばメチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、2−ブ
チル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、イソア
ミル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、3−メチル
ブチル基、シクロブチルメチル基、ヘキシル基、4−メ
チルペンチル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、2
−エチルブチル基、シクロペンチルメチル基、ヘプチル
基、3−エチルペンチル基、シクロヘキシルメチル基、
オクチル基、6−メチルヘプチル基、2−オクチル基、
3−オクチル基、4−オクチル基、2−プロピルペンチ
ル基、2−シクロヘキシルエチル基、ノニル基、7−メ
チルオクチル基、2−ノニル基、3−ノニル基、4−ノ
ニル基、5−ノニル基、3−プロピルヘキシル基、デシ
ル基、8−メチルノニル基、2−デシル基、3−デシル
基、4−デシル基、5−デシル基、2−ブチルヘキシル
基などであり、好ましくはブチル基、ペンチル基、イソ
アミル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、3−メチ
ルブチル基である。炭素原子数2〜10のアルケニル基
とは直鎖状又は分枝鎖状のアルケニル基であり、たとえ
ばビニル基、2−プロペン−1−イル基、3−ブテン−
1−イル基、3−メチル−2−ブテン−1−イル基など
であり、好ましくは3−メチル−2−ブテン−1−イル
基である。炭素原子数2〜10のアルキニル基とは直鎖
状又は分枝鎖状のアルキニル基であり、たとえばエチニ
ル基、2−プロピニル基、4−メチル−2−ペンチニル
基などである。
【0012】また、本発明化合物における薬理学的に許
容される塩とは、たとえば硫酸、塩酸、燐酸などの鉱酸
との塩、酢酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、フマール酸、
マレイン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸など
の有機酸との塩が挙げられる。
【0013】
【発明の実施の形態】式[1]の本発明化合物は、以下
の方法によって製造することができる(以下の反応式
中、R4及びR5は同一又は異なって炭素原子数1〜6の
アルキル基又はベンジル基であり、R6は炭素原子数1
〜10のアルキル基であり、R7は炭素原子数1〜6の
アルキル基又はベンジル基であり、R8は炭素原子数1
〜7のアルキル基、炭素原子数3〜7のアルケニル基又
は炭素原子数3〜7のアルキニル基であり、Xは任意の
ハロゲン原子であり、R1、R2、R3、X1、A、m及び
nは前記と同意義である。)。
【0014】ルート1 カルボン酸[2]の合成
【0015】
【化3】
【0016】カルボン酸[2]はアルデヒド[3]と、
[5]から文献記載の方法(J.Am.Chem.Soc.,第83
巻,第1773頁(1961年))により提供されるホ
スホノ酢酸誘導体[4]とをウィッティヒ−ホーナー反
応(Wittig-Horner Reaction)し、2重結合の還元、続
いて加水分解によって得られる。
【0017】工程A:アルデヒド[3]と、化合物
[5]とハロゲン化アルキル[6]より文献記載の方法
により提供されるホスホノ酢酸誘導体[4]とのウィッ
ティヒ−ホーナー反応は、反応に不活性な溶媒中、塩基
の存在下、−78℃〜150℃、好ましくは0℃〜10
0℃で行い、不飽和カルボン酸エステル[7]を得る。
ここで反応に不活性な溶媒とは、たとえばメタノール、
エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメト
キシエタンなどのエーテル類、トルエン、ベンゼンなど
の炭化水素類又は水である。また塩基とは、たとえばナ
トリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム
t−ブトキシド、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水
素化ナトリウム、ビス(トリメチルシリル)アミドカリ
ウムなどである。
【0018】工程B:不飽和カルボン酸エステル[7]
の2重結合の還元は、たとえばパラジウムカーボン、二
酸化白金、ラネーニッケルなどの金属触媒を用い、溶媒
中水素添加し、カルボン酸エステル[8]とする。ここ
で溶媒とは、たとえば酢酸エチルなどのカルボン酸エス
テル類、メタノール、エタノールなどのアルコール類、
テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどの
エーテル類、トルエン、ベンゼンなどの炭化水素類、酢
酸などの有機カルボン酸類などである。
【0019】工程C:カルボン酸エステル[8]の加水
分解は、たとえばメタノール、エタノールなどのアルコ
ール類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテ
ル類、アセトン、2−ブタノンなどのケトン類の溶媒、
又はこれらの溶媒と水との混合溶媒中、塩基の存在下、
0℃〜150℃、好ましくは0℃〜90℃で行ない、カ
ルボン酸[2]を与える。ここで塩基とは、たとえば水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭
酸カリウムなどである。
【0020】ルート2 カルボン酸[9]の合成
【0021】
【化4】
【0022】カルボン酸[9]は、アルデヒド[3]と
マロン酸ジエステル[10]の縮合、2重結合の還元、
アルキル化(又はアルケニル化、アルキニル化)、続い
て加水分解及び脱炭酸することにより得られる。
【0023】工程D:アルデヒド[3]とマロン酸ジエ
ステル[10]の縮合は、有機溶媒中、アミン又はその
塩の存在下行なうことにより、不飽和ジカルボン酸エス
テル[11]を与える。ここで有機溶媒とは、たとえば
メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアル
コール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、トルエ
ン、ベンゼンなどの炭化水素類などである。また、アミ
ン又はその塩とは、たとえばアンモニア、ジエチルアミ
ン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン
などのアミン類又はそのアミンと塩酸、酢酸又は安息香
酸などの塩である。
【0024】続いて、工程Bと同様に不飽和ジカルボン
酸エステル[11]を水素添加し、ジカルボン酸エステ
ル[12]を得る。
【0025】工程E:ジカルボン酸エステル[12]
は、有機溶媒中、塩基の存在下ハロゲン化化合物[1
3]と反応し、ジ置換ジカルボン酸エステル[14]を
得る。ここで有機溶媒とは、たとえばメタノール、エタ
ノール、イソプロパノールなどのアルコール類、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシ
エタンなどのエーテル類、トルエン、ベンゼンなどの炭
化水素類などであり、塩基とは、たとえばナトリウムメ
トキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム t−ブト
キシド、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水素化ナトリ
ウム、ビス(トリメチルシリル)アミドカリウムなどで
ある。
【0026】工程F:ジ置換ジカルボン酸エステル[1
4]の加水分解は、反応に不活性な溶媒中、塩基の存在
下、室温〜250℃、好ましくは50℃〜150℃で行
ない、ジ置換ジカルボン酸の金属塩を与える。ここで反
応に不活性な溶媒とは、たとえばメタノール、エタノー
ル、エチレングリコールなどのアルコール類、ジオキサ
ンなどのエーテル類、アセトン、2−ブタノンなどのケ
トン類、水、又はこれらの溶媒の混合物である。また塩
基とは、たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化リチウム、炭酸カリウムなどである。
【0027】続いて、この金属塩を酸によりジ置換ジカ
ルボン酸とし、反応に不活性な溶媒中又は無溶媒で、5
0℃〜250℃、好ましくは70℃〜170℃に加熱
し、脱炭酸し、カルボン酸[9]とする。ここで酸と
は、たとえば塩酸、硫酸などの無機酸である。また反応
に不活性な溶媒とは、たとえばベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの炭化水素類、ジオキサンなどのエーテル
類、イソプロパノールなどのアルコール類、水などであ
る。
【0028】ルート3 1級アミン[15]の合成
【0029】
【化5】
【0030】カルボン酸[9]は通常用いられているク
ルチウス転位(Curtius Rearrangement)(J.Am.Chem.S
oc.,第94巻,第6203頁(1972年)、J.Praktis
cheChemie,第50巻,第275頁(1894年)などに
記載)により、式[15]で示される1級アミンに導か
れる。
【0031】工程G:カルボン酸[9]をジフェニルホ
スホリルアジドと塩基の存在下、反応に不活性な溶媒
中、40〜150℃に加熱する事により、アシルアジド
を経由し、イソシアナート[16]を得る。ここで塩基
とは、たとえばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチ
ルアミン、ピリジンなどであり、反応に不活性な溶媒と
は、たとえばベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンなどである。
【0032】また、公知の方法(Organic Syntheses,C
ol.Vol.III,第846頁,(1955年)などに記載)の
ように、カルボン酸[9]を混合酸無水物又は酸ハロゲ
ン化物などに変換の後、アジ化ナトリウム又はアジ化カ
リウムと反応することによってもイソシアナート[1
6]が得られる。
【0033】工程H:イソシアナート[16]はアルコ
ールと加熱することにより、カルバミド酸エステル[1
7]を与える。ここでアルコールとは、たとえばメタノ
ール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、
ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ベンジ
ルアルコールなどである。また、工程Gにおいて反応溶
媒として上記アルコールを使用すると、アシルアジド続
いてイソシアナート[16]を経由し、対応するカルバ
ミド酸エステル[17]を与える。
【0034】工程I:カルバミド酸エステル[17]は
溶媒中、塩基又は酸により加水分解する事により、式
[15]で示される1級アミンに導かれる。ここで溶媒
とは、たとえばメタノール、エタノール、イソプロピル
エーテル、ジオキサン、酢酸エチル、ジクロロメタン、
ベンゼン、トルエン、水、又は有機溶媒と水の混合溶媒
である。また、塩基とは、たとえば水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム又は水酸化バリウムなどであり、酸と
は、たとえば塩酸、塩化水素、臭化水素、硫酸、酢酸又
はトリフルオロ酢酸などである。
【0035】更に、工程Hでベンジルアルコールを用い
た場合得られるカルバミド酸ベンジルエステルは、たと
えばパラジウムカーボン、水酸化パラジウムオンカーボ
ン、ラネーニッケルなどの金属触媒を用い、溶媒中水素
添加することにより、式[15]で示される1級アミン
を与える。ここで溶媒とは、たとえば酢酸エチルなどの
カルボン酸エステル類、メタノール、エタノールなどの
アルコール類、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキ
シエタンなどのエーテル類、トルエン、ベンゼンなどの
炭化水素類、酢酸などの有機カルボン酸類などである。
【0036】ルート4 1級アミンの光学分割
【0037】
【化6】
【0038】工程J:1級アミン[15]は光学活性カ
ルボン酸又はスルホン酸塩などとした後、溶媒中再結晶
することにより本発明化合物である光学活性1級アミン
[18]を与える。ここで光学活性カルボン酸又はスル
ホン酸とは、(−)又は(+)−マンデル酸、(−)又
は(+)−O,O'−ジベンゾイル酒石酸、(−)又は
(+)−しょうのう酸、アビエチン酸、(−)又は
(+)−しょうのう−10−スルホン酸、(−)又は
(+)−酒石酸などの光学活性有機カルボン酸、又はL
体又はD体のN保護アミノ酸である。溶媒とはエタノー
ル、イソプロパノールなどのアルコール類、ベンゼン、
トルエンなどの炭化水素、酢酸エチルなどの有機カルボ
ン酸エステル、ジクロロメタンなどのハロアルキル類又
は水などであり、これらの溶媒を単独又は混合して使用
する。
【0039】ルート5 2級アミン[18]及び3級ア
ミン[19]の合成
【0040】
【化7】
【0041】工程K:光学活性1級アミン[18]はハ
ロゲン化化合物[21]と塩基の存在下、反応に不活性
な溶媒中、0〜150℃、好ましくは室温〜90℃で、
8時間〜4日間反応することにより、本発明化合物であ
る2級アミン[19]及び3級アミン[20]を与え
る。ここでハロゲン化化合物[21]を1当量用いた場
合は2級アミン[19]を優先的に与え、ハロゲン化化
合物[20]を1.5当量用いた場合は2級アミン[1
9]と3級アミン[20]を与え、ハロゲン化化合物
[21]を2当量以上用いた場合は3級アミン[20]
を優先的に与える。また、ここで塩基とは、たとえば炭
酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水
酸化ナトリウムなどの無機塩基、トリエチルアミン、ジ
イソプロピルエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基を
示す。反応に不活性な溶媒とは、たとえばN,N−ジメ
チルホルムアミド、アセトニトリル、メタノール、エタ
ノール、トルエン、テトラヒドロフラン、水などであ
る。
【0042】
【発明の効果】本発明に係る式[1]の化合物は、シグ
マ1レセプター拮抗作用が優れ、精神分裂病、うつ症、
不安症及び脳血管障害・老年期問題行動の治療、神経変
性疾患であるアルツハイマ−病、パ−キンソン病、ハン
チントン病等の認知機能障害及び運動機能障害に有効で
ある。さらに、薬物乱用(麻薬、覚醒剤、アルコール、
向精神薬、マリファナなど)による依存症の治療に有効
である。
【0043】
【実施例】以下、実施例及び試験例を示し本発明を具体
的に説明する。 実施例1 N−t−ブトキシカルボニル−1−ペンチル−2−[4
−メトキシ−3−(2−フェニルエトキシ)フェニル]
エチルアミンの合成 (1)60%水素化ナトリウム(油性)0.847mg
の1,2−ジメトキシエタン25mlの懸濁溶液に、ホ
スホノ酢酸トリエチル4.20mlを10分間で滴下
し、更に1時間室温で撹拌した。この反応溶液に臭化ペ
ンチル2.65mlを加え、3時間撹拌下加熱還流し
た。反応液を室温まで冷やし、60%水素化ナトリウム
(油性)0.857mgを加えた。室温で30分間撹拌
後、4−メトキシ−3−(2−フェニルエトキシ)ベン
ズアルデヒド5.15gを加え、2時間撹拌下加熱還流
した。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル及び水を加
えて分液した。分離した有機層は水、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウム乾燥し、乾燥剤を濾別し、続いて濾液を減圧下
濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(n−ヘキサン:酢酸エチル=30:1)にて精製し、
3−[4−メトキシ−3−(2−フェニルエトキシ)フ
ェニル]−2−ペンチルアクリル酸エチルをE,Z異性
体混合物(E体:Z体=7.0:1)として5.39gを
得た。
【0044】(2)上記異性体混合物5.16gをエタ
ノール25mlに溶解し、5%Pd/Cを0.52g加
え、室温で水素添加した。反応終了後、5%Pd/Cを
セライトプレートを通し濾別し、濾液を減圧下濃縮し、
粗3−[4−メトキシ−3−(2−フェニルエトキシ)
フェニル]−2−ペンチルプロピオン酸エチルを得た。
この粗化合物は精製せずに次の工程に用いた。
【0045】(3)上記残渣に再びエタノール25ml
及び水酸化カリウム3.65g/水3.7mlの溶液を加
え、室温にて一夜撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮後、
残渣を水50mlに溶解し、これに濃塩酸を滴下し酸性
とし、酢酸エチル抽出した。酢酸エチル抽出液は飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、乾燥
剤を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、粗3−[4−メトキ
シ−3−(2−フェニルエトキシ)フェニル]−2−ペ
ンチルプロピオン酸4.75gを得た。この粗化合物は
精製せずに次の工程に用いた。
【0046】(4)粗3−[4−メトキシ−3−(2−
フェニルエトキシ)フェニル]−2−ペンチルプロピオ
ン酸4.01gのベンゼン40ml溶液にトリエチルア
ミン1.65ml及びジフェニルホスホリルアジド2.6
mlを加え、2時間加熱還流後、減圧下濃縮した。残渣
にt−ブタノール20mlを加え、12時間加熱還流し
た。反応液を減圧下濃縮後、残渣を酢酸エチル50ml
に溶解し、0.5N水酸化ナトリウム水溶液、5%硫酸
水素カリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及
び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥
し、続いて濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=
25:1)にて精製し、ヘキサンより再結晶し、N−t
−ブトキシカルボニル−1−ペンチル−2−[4−メト
キシ−3−(2−フェニルエトキシ)フェニル]エチル
アミン3.08gを得た。m.p.91.5〜92.5℃。
【0047】同様にして下記の化合物を得た。 N−t−ブトキシカルボニル−1−プロピル−2−[4
−メトキシ−3−(2−フェニルエトキシ)フェニル]
エチルアミン m.p.89.3〜90.3℃(ヘキサンより再結晶) N−t−ブトキシカルボニル−1−ブチル−2−[4−
メトキシ−3−(2−フェニルエトキシ)フェニル]エ
チルアミン m.p.101.5〜102.0℃(ヘキサンより再結晶) N−t−ブトキシカルボニル−1−ヘキシル−2−[4
−メトキシ−3−(2−フェニルエトキシ)フェニル]
エチルアミン m.p.85.0〜86.0℃(ヘキサンより再結晶) N−t−ブトキシカルボニル−1−ヘプチル−2−[4
−メトキシ−3−(2−フェニルエトキシ)フェニル]
エチルアミン m.p.82.5〜83.5℃(ヘキサンより再結晶) N−t−ブトキシカルボニル−1−オクチル−2−[4
−メトキシ−3−(2−フェニルエトキシ)フェニル]
エチルアミン m.p.80.5〜80.8℃(ヘキサンより再結晶) N−t−ブトキシカルボニル−1−(3−メチルブチ
ル)−2−[4−メトキシ−3−(2−フェニルエトキ
シ)フェニル]エチルアミン m.p.103.1〜103.8℃(ヘキサンより再結晶) N−t−ブトキシカルボニル−1−シクロプロピルメチ
ル−2−[4−メトキシ−3−(2−フェニルエトキ
シ)フェニル]エチルアミン m.p.88.8〜89.5℃(ヘキサンより再結晶) N−t−ブトキシカルボニル−1−(2−メチルプロピ
ル)−2−[4−メトキシ−3−(2−フェニルエトキ
シ)フェニル]エチルアミン m.p.89.6〜90.3℃(酢酸エチル−ヘキサンより
再結晶) N−t−ブトキシカルボニル−1−(4−メチルペンチ
ル)−2−[4−メトキシ−3−(2−フェニルエトキ
シ)フェニル]エチルアミン m.p.87.7〜88.3℃(酢酸エチル−ヘキサンより
再結晶)。
【0048】実施例2 N−t−ブトキシカルボニル−1−エチル−2−[4−
メトキシ−3−(2−フェニルエトキシ)フェニル]エ
チルアミンの合成 (1)4−メトキシ−3−(2−フェニルエトキシ)ベ
ンズアルデヒド5.09g、2−ホスホノ酪酸トリエチ
ル10.76g及び6M炭酸カリウム水溶液8.3mlの
混合物を150℃に加熱し、8時間激しく撹拌した。反
応混合物を室温に冷却後、トルエン抽出し、0.5N水
酸化ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無
水硫酸マグネシウム乾燥し、乾燥剤を濾別し、続いて濾
液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=25:1)に
て精製し、3−[4−メトキシ−3−(2−フェニルエ
トキシ)フェニル]−2−エチルアクリル酸エチルを
E,Z異性体混合物(E体:Z体=5.7:1)として
4.08gを得た。
【0049】(2)上記異性体混合物3.88gを実施
例1の(2)と同様に処理し、粗3−[4−メトキシ−
3−(2−フェニルエトキシ)フェニル]−2−エチル
プロピオン酸エチルを得た。この粗化合物は精製せずに
次の工程に用いた。
【0050】(3)上記残渣を実施例1の(3)と同様
に処理し、粗3−[4−メトキシ−3−(2−フェニル
エトキシ)フェニル]−2−エチルプロピオン酸3.5
0gを得た。この粗化合物は精製せずに次の工程に用い
た。
【0051】(4)粗3−[4−メトキシ−3−(2−
フェニルエトキシ)フェニル]−2−エチルプロピオン
酸3.41gを実施例1の(4)と同様に処理し、ヘキ
サンより再結晶し、N−t−ブトキシカルボニル−1−
エチル−2−[4−メトキシ−3−(2−フェニルエト
キシ)フェニル]エチルアミン2.52gを得た。m.
p.88.5〜89.5℃。
【0052】同様にして下記の化合物を得た。 N−t−ブトキシカルボニル−1−メチル−2−[4−
メトキシ−3−(2−フェニルエトキシ)フェニル]エ
チルアミン NMR(CDCl3)δ(ppm);1.05(3H,d,J=6.6H
z),1.40(9H,s),2.56(1H,dd,J=7.5,13.5Hz),2.75(1H,dd,
J=5.8,13.5Hz),3.16(2H,t,J=7.6Hz),3.83(1H,m),3.84(3
H,s),4.19(2H,t,J=7.6Hz),4.33(1H,brs),6.69-6.83(3H,
m),7.26-7.32(5H,m) MS m/e;385(M+),105(100%)。
【0053】N−t−ブトキシカルボニル−1−メチル
−2−[3−メトキシ−2−(2−フェニルエトキシ)
フェニル]エチルアミン NMR(CDCl3)δ(ppm);0.93(3H,d,J=6.5H
z),1.40(9H,s),2.35-2.53(2H,m),3.09(2H,t,J=6.7Hz),
3.73(1H,m),3.82(3H,s),4.18(2H,t,J=6.7Hz),4.48(1H,b
rs),6.73(1H,dd,J=1.5,7.9Hz),6.76(1H,dd,J=1.5,7.9H
z),6.96(1H,t,J=7.9Hz),7.26-7.32(5H,m) MS m/e;385(M+),105(100%)。
【0054】実施例3 N−t−ブトキシカルボニル−1−(2−プロペン−1
−イル)−2−[4−メトキシ−3−(2−フェニルエ
トキシ)フェニル]エチルアミンの合成 (1)4−メトキシ−3−(2−フェニルエトキシ)ベ
ンズアルデヒド51.26g、マロン酸ジメチル26.4
3g、ピペラジン1.70g及び酢酸1.20gをベンゼ
ン300ml中、共沸脱水条件下、8時間加熱還流し
た。室温に冷却した反応溶液を水、1N塩酸、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無
水硫酸マグネシウム乾燥し、乾燥剤を濾別後、濾液を減
圧下濃縮した。この残渣をイソプロピルエーテル−ジク
ロロメタンより再結晶し、3−[4−メトキシ−3−
(2−フェニルエトキシ)フェニル]−2−メトキシカ
ルボニルアクリル酸メチル67.15gを得た。 m.p.104.7〜105.9℃。
【0055】(2)3−[4−メトキシ−3−(2−フ
ェニルエトキシ)フェニル]−2−メトキシカルボニル
アクリル酸メチル66.50gを酢酸エチル330ml
に40℃で溶解し、5%Pd/C3.33gを加え、水
素の吸収が止まるまで水素添加を40℃で行なった。5
%Pd/Cを粉末硫酸マグネシウムプレートを通す減圧
濾過により濾別し、濾液を減圧下濃縮し、粗3−[4−
メトキシ−3−(2−フェニルエトキシ)フェニル]−
2−メトキシカルボニルプロピオン酸メチル66.51
gを得た。この粗化合物は精製せずに次の工程に用い
た。
【0056】(3)粗3−[4−メトキシ−3−(2−
フェニルエトキシ)フェニル]−2−メトキシカルボニ
ルプロピオン酸メチル7.45gの1,2−ジメトキシエ
タン75mlの溶液に60%水素化ナトリウム0.80
g(油性)を少量ずつ室温で撹拌下加え、更に40℃で
1.5時間撹拌した。この溶液に3−臭化−1−プロペ
ン2.66gを加え、室温で1.5日間撹拌した。減圧下
反応液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、水、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄
し、無水硫酸マグネシウム乾燥し、乾燥剤を濾別後、濾
液を減圧下濃縮した。この残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて
精製し、3−[4−メトキシ−3−(2−フェニルエト
キシ)フェニル]−2−メトキシカルボニル−2−(2
−プロペン−1−イル)プロピオン酸メチル7.76g
を得た。
【0057】NMR(CDCl3)δ(ppm);2.56
(2H,brd,J=7.3Hz),3.13(2H,t,J=7.6Hz),3.16(2H,s),3.6
8(6H,s),3.83(3H,s),4.17(2H,t,J=7.6Hz),5.07-5.16(2
H,m),5.64-5.84(1H,m),6.61-6.80(3H,m),7.17-7.35(5H,
m) MS m/e;412(M+),105(100%)。
【0058】(4)3−[4−メトキシ−3−(2−フ
ェニルエトキシ)フェニル]−2−メトキシカルボニル
−2−(2−プロペン−1−イル)プロピオン酸メチル
7.50gのメタノール75mlの溶液に、水酸化ナト
リウム0.73gを水1.1mlに溶解し加え、撹拌下3
0時間加熱還流した。反応液を減圧下濃縮し、残渣を3
N水酸化ナトリウム水溶液61mlに溶解し、撹拌下1
1時間加熱還流した。室温に冷却した反応液をジエチル
エーテルにて洗浄後、水溶液に濃塩酸を加え酸性溶液と
し、ジクロロメタン抽出し、無水硫酸マグネシウム乾燥
し、乾燥剤を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣を1
40〜150℃で4時間加熱しながら撹拌し、粗3−
[4−メトキシ−3−(2−フェニルエトキシ)フェニ
ル]−2−(2−プロペン−1−イル)プロピオン酸
6.21gを得た。この粗化合物は精製せずに次の工程
に用いた。
【0059】(5)粗3−[4−メトキシ−3−(2−
フェニルエトキシ)フェニル]−2−(2−プロペン−
1−イル)プロピオン酸6.08gを実施例1の(4)
と同様に処理し、ヘキサンより再結晶し、N−t−ブト
キシカルボニル−1−(2−プロペン−1−イル)−2
−[4−メトキシ−3−(2−フェニルエトキシ)フェ
ニル]エチルアミン5.46gを得た。 m.p.94.5〜95.3℃。
【0060】前記(3)と同様にして下記の化合物を
得、 3−[4−メトキシ−3−(2−フェニルエトキシ)フ
ェニル]−2−メトキシカルボニル−2−(3−メチル
−2−ブテン−1−イル)プロピオン酸メチル NMR(CDCl3)δ(ppm);1.55(3H,s),1.70(3
H,d,J=1.1Hz),2.51(3H,brd,J=7.1Hz),3.13(2H,t,J=7.6H
z),3.15(2H,s),3.67(6H,s),3.83(3H,s),4.15(2H,t,J=7.
6Hz),5.03-5.10(1H,m),6.58-6.79(3H,m),7.22-7.33(5H,
m) MS m/e;440(M+),105(100%) 次いで、前記(4)及び(5)と同様にして下記の化合
物を得た。 N−t−ブトキシカルボニル−1−(3−メチル−2−
ブテン−1−イル)−2−[4−メトキシ−3−(2−
フェニルエトキシ)フェニル]エチルアミン m.p.83.8〜84.7℃。
【0061】実施例4 (−)−N−プロピル−1−(3−メチルブチル)−2
−[4−メトキシ−3−(2−フェニルエトキシ)フェ
ニル]エチルアミン塩酸塩の合成 (1)N−t−ブトキシカルボニル−1−(3−メチル
ブチル)−2−[4−メトキシ−3−(2−フェニルエ
トキシ)フェニル]エチルアミン89.69gのジクロ
ロメタン156mlの溶液にトリフルオロ酢酸156m
lを加え、室温で2時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮
後、残渣をジクロロメタンに溶解し、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液にて洗浄した。ジクロロメタン溶液は無水
硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧下濃縮し、シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール
=30:1〜20:1)にて精製し、1−(3−メチル
ブチル)−2−[4−メトキシ−3−(2−フェニルエ
トキシ)フェニル]エチルアミン59.65gを得た。
【0062】これをイソプロパノール257mlに溶解
し、S−(+)−マンデル酸26.58gを加え、加熱
溶解後1夜室温にて放置した。析出した結晶を濾取し、
更に4回イソプロパノールにて再結晶し、光学活性な1
−(3−メチルブチル)−2−[4−メトキシ−3−
(2−フェニルエトキシ)フェニル]エチルアミンのS
−(+)−マンデル酸塩30.27gを得た。
【0063】(2)光学活性な1−(3−メチルブチ
ル)−2−[4−メトキシ−3−(2−フェニルエトキ
シ)フェニル]エチルアミンのS−(+)−マンデル酸
塩28.24gをジエチルエーテルと1N水酸化ナトリ
ウム水溶液で分液し、分取した有機層を1NNaOH水
溶液及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて
乾燥後、減圧下濃縮した。
【0064】これにN,N−ジメチルホルムアミド10
0ml、臭化プロピル7.74gと無水炭酸カリウム9.
49gを加え、室温にて6日間撹拌後、反応混合物を減
圧下濃縮した。この残渣に水を加え、酢酸エチルにて抽
出し、水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
にて乾燥後、減圧下濃縮した。この残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(クロロホルム−エタノール=
250:1〜10:1)し、4N塩化水素/ジオキサン
溶液にて塩酸塩とした後、トルエン−n−ヘキサンより
再結晶し、(−)−N−プロピル−1−(3−メチルブ
チル)−2−[4−メトキシ−3−(2−フェニルエト
キシ)フェニル]エチルアミン塩酸塩16.20gを得
た。 m.p.99.0〜100.0℃ [α]D 30.0=−21.72(c=0.580;CHC
3)。
【0065】同様にして下記の化合物を得た。 (−)−N−プロピル−1−ブチル−2−[4−メトキ
シ−3−(2−フェニルエトキシ)フェニル]エチルア
ミン塩酸塩 m.p.83.0〜84.0℃ [α]D 30.0=−21.10(c=0.408;CHC
3)。
【0066】また、S−(+)−マンデル酸の代わりに
R−(−)−マンデル酸を用い、同様にして下記の
(+)異性体を得た。 (+)−N−プロピル−1−(3−メチルブチル)−2
−[4−メトキシ−3−(2−フェニルエトキシ)フェ
ニル]エチルアミン塩酸塩 m.p.98.0〜99.0℃ [α]D 30.0=+21.92(c=0.456;CHC
3) (+)−N−プロピル−1−ブチル−2−[4−メトキ
シ−3−(2−フェニルエトキシ)フェニル]エチルア
ミン塩酸塩 m.p.82.5〜83.5℃ [α]D 30.0=+22.20(c=0.414;CHC
3)。
【0067】試験例1 [レセプター結合実験]動物は
ハートレー系モルモットを用いた。シグマレセプターの
結合実験には[3H]標識リガンドとして[3H](+)
−ペンタゾシン(シグマ1)あるいは[3H]DTG
(シグマ2)を用い、European Journal of Pharmacolo
gy,第251巻,第121頁(1994年)に記載され
た以下の方法で行なった。モルモット全脳より調製され
た膜標品、[3H]リガンド及び被験薬を、50mMト
リス塩酸緩衝液(pH7.4)中で反応させた。シグマ
1の検討には[3H]リガンドとして[3H](+)−ペ
ンタゾシン(2nM)を用い、25℃で120分間反応
させた。シグマ2の検討には[3H]リガンドとして[3
H]DTG(1nM)を用い10-7M(+)−ペンタゾ
シン存在下、25℃で90分間反応させた。反応終了
後、ガラスフィルター(GF/B)に吸引濾過し、濾紙
の放射能を液体シンチレーションスペクトロメーターに
て測定した。
【0068】10μMハロペリドール存在下で反応させ
たときの結合を非特異的結合とし、総結合と非特異的結
合との差を特異的結合とした。一定濃度の[3H]リガ
ンドと濃度を変えた被験薬を上記の条件で反応させるこ
とで抑制曲線を得、この抑制曲線からそれぞれの結合を
50%抑制する被験薬の濃度(IC50)求め、結果を表
1に示した。
【0069】
【表1】
【0070】A:(−)−N−プロピル−1−(3−メ
チルブチル)−2−[4−メトキシ−3−(2−フェニ
ルエトキシ)フェニル]エチルアミン塩酸塩 B:(−)−N−プロピル−1−ブチル−2−[4−メ
トキシ−3−(2−フェニルエトキシ)フェニル]エチ
ルアミン塩酸塩
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/135 AAM A61K 31/135 AAM AAN AAN AAR AAR ADR ADR AED AED 31/38 AAK 31/38 AAK C07M 7:00 (72)発明者 太田 孝明 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 川島 豊 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 畑山 勝男 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式[1] 【化1】 (式中、X1は水素原子、ハロゲン原子、水酸基又は炭
    素原子数1〜5のアルコキシ基を示し、R1及びR2は同
    一又は異なって水素原子、炭素原子数1〜7のアルキル
    基、炭素原子数3〜7のアルケニル基又は炭素原子数3
    〜7のアルキニル基を示し、R3は炭素原子数1〜10
    のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基又は
    炭素原子数2〜10のアルキニル基を示し、Aはフェニ
    ル基、チエニル基又は「ハロゲン原子、水酸基、炭素原
    子数1〜5のアルコキシ基」から選ばれる任意の1〜3
    個で置換されたフェニル基を示し、nは2〜5の整数を
    示し、mは1〜4の整数を示す。)で表わされる光学活
    性置換フェニルアルキルアミン誘導体又はその薬理学的
    に許容される塩。
  2. 【請求項2】 式[1]において、R3が炭素原子数4
    又は5のアルキル基である請求項1記載の光学活性置換
    フェニルアルキルアミン誘導体又はその薬理学的に許容
    される塩。
  3. 【請求項3】 式[1]において、R3がブチル基又は
    3−メチルブチル基である請求項1記載の光学活性置換
    フェニルアルキルアミン誘導体又はその薬理学的に許容
    される塩。
  4. 【請求項4】 式[1]において、R1が水素原子、R2
    がプロピル基、R3がブチル基又は3−メチルブチル
    基、X1が4−メトキシ基、A−(CH2)n−Oが3−(2
    −フェニルエトキシ)基である請求項1記載の光学活性
    置換フェニルアルキルアミン誘導体又はその薬理学的に
    許容される塩。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006523718A (ja) * 2003-04-18 2006-10-19 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア チロナミン誘導体およびチロナミンアナログならびにこれらを使用する方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006523718A (ja) * 2003-04-18 2006-10-19 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア チロナミン誘導体およびチロナミンアナログならびにこれらを使用する方法

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