JPH0959015A - 導電性複合体及びその製造方法 - Google Patents

導電性複合体及びその製造方法

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JPH0959015A
JPH0959015A JP23612995A JP23612995A JPH0959015A JP H0959015 A JPH0959015 A JP H0959015A JP 23612995 A JP23612995 A JP 23612995A JP 23612995 A JP23612995 A JP 23612995A JP H0959015 A JPH0959015 A JP H0959015A
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JP
Japan
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particles
mineral
conductive
electroconductive
inorganic mineral
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JP23612995A
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English (en)
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Harukata Kuwabara
東方 桑原
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Kunimine Industries Co Ltd
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Kunimine Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色彩の選択が自由であり、分散性(分散安定
性)に優れ、しかも廉価で簡便に得られる導電性複合体
とその製造方法を提供する。 【解決手段】 無機鉱物粒子の表面に導電性物質を表面
融合させるか又は強固に結合させて被覆した導電性複合
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性複合体及び
その製造方法に関する。さらに詳しくは、帯電防止機能
を有する塗料、フィルム、樹脂及び繊維等に用いること
ができ、優れた導電性能を付与することができる導電性
複合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】静電気を帯びやすい製品や部材は、空気
中を浮遊しているほこりの微粒子を帯電させて電気的に
誘因し、付着させてしまう。そのため、クリーンルーム
の各種部材、防塵壁、電子機器やその部品、電磁波シー
ルドの部材など、帯電しやすく、かつ、ほこりを嫌う製
品や部品、部材等には、帯電防止フィルム、帯電防止プ
ラスチック、導電性ゴムといった導電性を付与した材料
が用いられている。この導電性材料は、フィルム、樹
脂、ゴム等に導電性粉末を塗布したり混練したりして得
られる。導電性粉末として最も一般的に用いられている
のはカーボンブラックであるが、比較的多量に配合しな
ければならず、カーボンブラックを用いた材料には黒以
外の色を付与できないという決定的な制約がある。その
ため、例えば、クリーンルームが黒一色になってしまい
作業環境面で問題が生じたり、自動車の帯電防止塗装の
際に下塗りの黒が出ないように表面の塗装を厚くしなけ
ればならない、といった問題があった。そこで、製品の
差別化や導電性材料の用途拡大のためにも、黒以外の色
を呈する導電性粉末の開発が望まれていた。これに対
し、導電性金属粉や金属をコーティングした粉体が提案
されているが、導電性金属粉はカーボンなどに比べて比
重が大きいため、塗料等に用いたときに分散安定性が悪
く、沈降してしまうために多量に添加しなければならな
い。また、金属をコーティングした導電性粉体は、その
製造に複雑な処理工程を要し、コストの面でも課題があ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は、
透明、白色、有彩色といった黒以外の色のものとでき、
分散性(分散安定性)に優れ、しかも廉価で簡便に得ら
れる導電性複合体とその製造方法を提供することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題に鑑み鋭意研究した結果、無機鉱物を芯材として、そ
の表面に導電性粒子を表面融合又は強固に結合させて、
皮膜を形成してなる複合体が、芯材の選択により黒以外
の色を呈し、かつ分散安定性に優れる導電性複合体とな
ることを見い出し、この知見に基づき本発明をなすに至
った。すなわち本発明は、(1)無機鉱物粒子の表面に
導電性物質を表面融合させるか又は強固に結合させて被
覆したことを特徴とする導電性複合体、(2)無機鉱物
粒子が雲母粘土鉱物、膨潤性層状ケイ酸塩鉱物、硫酸塩
鉱物及び炭酸塩鉱物のいずれか1種以上からなる(1)
項記載の導電性複合体、(3)膨潤性層状ケイ酸塩がモ
ンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト及びスチブ
ンサイトのいずれか1種以上からなる(2)項記載の導
電性複合体、及び(4)回転運動による機械的混合によ
って、無機鉱物粒子の表面に導電性粒子を表面融合又は
強固に結合させて被覆させることを特徴とする導電性複
合体の製造方法を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の導電性複合体の芯材とな
る無機鉱物としては、白雲母、セリサイト、イライトな
どの雲母粘土鉱物、モンモリロナイト、サポナイト、ヘ
クトライト、スチブンサイトなどの膨潤性層状ケイ酸
塩、炭酸カルシウム、ドロマイトなどの炭酸塩鉱物、石
こう、明ばん石などの硫酸塩鉱物などを用いることがで
き、これらは天然品でも合成品でもよい。また、これら
のいずれかを単独で用いても、2種以上を混合して用い
てもよい。無機鉱物の平均粒径は、適宜設定することが
でき、特に制限はないが、好ましくは90μm以下、よ
り好ましくは0.1〜20μmとする。無機鉱物の粒径
が大きすぎると分散性が悪く、塗料、フィルム、樹脂等
に添加した場合、沈降したり光線の透過を妨害する場合
がある。また、小さすぎると添加量を多くしないと効果
が得がたく、導電性を低下させる場合がある。粒子の形
は、球状の他、層状、板状、繊維状など、どのようなも
のでもよい。球状でない粒子を芯材とした複合体の場
合、複合体粒子同士の接触面積が球状の粒子の場合より
小さくなるため、球状の導電性粉体より少ない添加量で
同じ導電性を付与できるという利点がある。
【0006】無機鉱物を被覆する導電性粒子としては、
酸化スズ、酸化亜鉛、酸化銅などの金属酸化物や、硫化
アンチモン、硫化銅などの金属硫化物を用いることがで
き、好ましくは金属酸化物を用いる。導電性粒子の平均
粒径は、無機鉱物の平均粒径の1/1〜1/50とし、
好ましくは1/5〜1/20である。導電性粒子は、細
かければ細かい程よい。導電性粒子の粒径が大きすぎる
と比表面積が小さくなり、無機鉱物の粒子への緻密な被
覆ができなくなり、導電性能の低下をもたらすことがあ
る。本発明において無機鉱物の粒子の表面に導電性粒子
を被覆する。導電性粒子の皮膜は、無機鉱物の粒子の表
面を完全に覆うのが好ましいが、少なくとも6割以上覆
っていることが必要である。導電性粒子の使用量は、無
機鉱物及び導電性粒子の種類により異なるが、通常、無
機鉱物の1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%で
ある。複合体の被覆層としての皮膜の厚さが0.01〜
5.0μm、好ましくは0.05〜2.0μmとなるよ
うにする。
【0007】本発明の複合体において、この導電性粒子
の被覆層は、表面融合又は強固な結合によって水系に分
散させても剥離することがない。したがって、例えば芯
材に膨潤性層状ケイ酸塩を用いた場合に、芯材が水系で
膨潤しても導電性粒子層が剥離することがないので、増
粘性と導電性をあわせ持つ導電性複合体とすることがで
きるなど、芯材の特性を損なうことなく導電性を付与し
た優れた導電性複合体を得ることができる。また、無機
鉱物に顔料、染料などの着色剤を添加することにより、
所望する色や物性を持つ導電性複合体を得ることができ
る。
【0008】この無機鉱物と導電性粒子との表面融合又
は強固な結合は、機械的複合化処理によって形成され
る。本発明方法の機械的複合化処理とは、粉体に対して
装置の回転運動による物理的な力を作用させる処理であ
り、例えば無機鉱物と導電性粒子は回転するケーシング
の内壁に遠心力で固定され、このケーシング内には円弧
状のヘッドを持つ静止したアームがあり、このヘッドと
ケーシング内壁との曲率の差により両者の間にかみ込ま
れた粉体層は急激に圧縮されながら強力なセン断を受け
ることにより、複合粒子を作製する方法である。一般に
微粉砕機として用いられている装置を用いることがで
き、例えば、高速回転式衝撃粉砕機(ピンミル、ディス
クミル)、摩砕式ミル、媒体撹拌型粉砕機、コスモス
(商品名、川崎重工業社製)、メカノフュージョンシス
テム(商品名、ホソカワミクロン社製)、メカノミル
(商品名、岡田精工社製)、シータ・コンポーザ(商品
名、徳寿工作所社製)などがあり、特にメカノフュージ
ョンシステムが好ましく用いられる。
【0009】機械的複合化による複合体の生成過程は、
以下のようなものと考えられる。まず、芯材となる無機
鉱物の粒子の表面に導電性粒子が付着、成長し、処理時
間とともに付着率を増しながら、無機鉱物粒子の比表面
積は減少していく。そして付着率の増加が停止した後、
芯材表面の導電性粒子が緻密化し、処理時間とともに比
表面積はさらに減少する。こうして、無機鉱物粒子と導
電性粒子が回転するケーシングの内壁に固定され、曲率
を有したヘッドを持つインナーピースとの間隙で強力な
圧縮力のもとに非常に強いセン断作用を受け、その後ス
クレーパではく離、混合されるプロセスを繰り返され
る。圧縮とセン断効果が同時に作用するため、個々の粒
子が粉体層内で回転運動する傾向を持ち、粒子間相対摩
擦により粒子の融合化が促進されることにより導電性粒
子の緻密な被覆層が無機鉱物粒子の表面を強固に結合し
た複合体が形成される。したがって、装置の回転運動の
応力条件と処理時間を変えることで複合体の被覆層の微
構造を変えることが可能であり、複合体の抵抗値を調整
することができる。また、この機械的処理により昇温す
るが、温度は20〜200℃、好ましくは80〜150
℃とする。応力条件は、少なくとも無機鉱物の破壊限界
以下となるように回転数や装置の幾何学因子、装置内の
空気の流れ等を調整する必要があり、好ましくは200
〜2500rpm、さらに好ましくは1000〜200
0rpmで処理を行う。処理時間は、通常1分以上、好
ましくは10〜60分である。本発明方法は溶媒を用い
ない乾式であるため、複合体に溶媒が残存することがな
い。また、溶媒を除去するプロセスを必要とせず、簡便
に製造することができる。
【0010】
【発明の効果】本発明の導電性複合体は、使用する無機
鉱物の種類と着色剤の選択により透明、白、有彩色及び
黒色を呈するものとでき、色彩の選択が自由であり、帯
電防止塗装の簡略化や製品の差別化、導電性材料の用途
拡大においても非常に有用である。また、無機鉱物とし
て層状、板状、繊維状等の粒形のものを用いることによ
り、分散安定性を生かして、少量の添加で高い導電性を
付与できる優れた導電性複合体とすることができる。さ
らに、複合体表面に導電性粒子層が強固に被覆している
ので、無機鉱物の増粘性等の特性を損なうことなく導電
性が付与でき、分散性、分散安定性にも優れている。そ
れ故本発明によれば可逆的に水膨潤性で、かつ、導電性
の複合体も得ることができる。また、本発明の導電性複
合体の製造方法は、乾式の機械処理であるため簡便であ
り、廉価に優れた導電性複合体を得ることができる。
【0011】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明する。 実施例1 粒形が板状の雲母(山口雲母工業所社製、平均粒径8μ
m)95重量%と酸化スズ(関東化学社製、ジェットミ
ルで平均粒径0.8μmに粉砕した)5重量%をメカノ
フュージョンシステム(ホソカワミクロン社製、AM−
15F型)で2000rpmにて60分間処理し、導電
性複合体(平均粒径8μm、酸化スズの皮膜の厚さ0.
1μm)を得た。
【0012】実施例2 モンモリロナイト(クニピア、クニミネ工業社製、平均
粒径15μm)95重量%と実施例1で用いたのと同じ
酸化スズ5重量%を実施例1と全く同様に処理し、導電
性複合体(平均粒径14μm、酸化スズの皮膜の厚さ
0.09μm)を得た。
【0013】実施例3 炭酸カルシウム(備北粉化工業社製、平均粒径0.7μ
m)95重量%と酸化亜鉛(堺化学工業社製、平均粒径
0.04μm)5重量%を実施例1と全く同様に処理
し、導電性複合体(平均粒径0.7μm、酸化亜鉛の皮
膜の厚さ0.03μm)を得た。
【0014】実施例1〜3で得た導電性複合体を100
kg/cm2 の圧力で直径20mm、厚さ2mmの円盤
状にプレス成型し、その直流抵抗を測定したところ、表
1のような結果を得た。いずれも良好な導電性を有する
複合体であることがわかる。なお、実施例1〜3で用い
た雲母、モンモリロナイト及び炭酸カルシウムを同様に
直径20mm、厚さ2mmの円盤状に成型し、その直流
比抵抗を測定した結果を併せて表1に示した。
【0015】
【表1】
【0016】実施例4 実施例1の導電性複合体の製造において、メカノフュー
ジョンシステムで処理する前の時点で白色の顔料を1重
量%添加したところ、濁りのない白色の導電性複合体が
得られた。これは、壁材、床材、塗料に50重量%添加
して、防塵壁を形成することができた。
【0017】実施例5 実施例2で用いたのと同じモンモリロナイト95重量%
と酸化銅(関東化学社製、ジェットミルで平均粒径0.
9μmに粉砕した)5重量%を実施例1と全く同様に処
理し、導電性複合体(平均粒径15μm、酸化銅の皮膜
の厚さ0.3μm)を得た。このものは実施例1と同様
に優れた導電性を示した。この導電性複合体を濃度4重
量%で水に分散させ、粘性及び膨潤力を測定した。ま
た、この分散液の複合体の沈み具合を目視観察し、沈降
しない場合を○、完全に沈降する場合を×として、分散
性を評価した。この結果を表2に示した。なお、処理時
間40分、60分のときの粒子の構造を電子顕微鏡で観
察した結果を図1に示した。図1から、酸化銅がベント
ナイト表面に緻密な被覆層を形成していることがわか
る。
【0018】比較例 実施例5と同様のモンモリロナイト95重量%と酸化銅
5重量%を、アイリッヒミキサー(日本アイリッヒ社
製、R02型)で980rpmにて3分間撹拌して複合
体を得た。次いで、この粒子を実施例5と同様に濃度4
重量%で水に分散させ、粘性、膨潤力及び分散性を調べ
たところ、表2のような結果を得た。
【0019】
【表2】
【0020】比較例で得た複合体は表面融合が行われて
いない表面コーティングの複合体であるため、水中で酸
化銅が剥離し、銅イオンがモンモリロナイトの層間のイ
オンと交換してモンモリロナイトが凝集し、沈降したも
のと考えられる。しかし、実施例5で得た本発明の複合
体は、酸化銅が剥離することがないため、モンモリロナ
イト本来の特性である粘性、膨潤性を損なうことなく、
分散性にも優れていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)、(B)は実施例5において機械的
混合の処理時間40分、60分での粒子の構造を、それ
ぞれ示す電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 1/00 9459−5L H01B 1/00 C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機鉱物粒子の表面に導電性物質を表面
    融合させるか又は強固に結合させて被覆したことを特徴
    とする導電性複合体。
  2. 【請求項2】 無機鉱物粒子が雲母粘土鉱物、膨潤性層
    状ケイ酸塩鉱物、硫酸塩鉱物及び炭酸塩鉱物のいずれか
    1種以上からなる請求項1記載の導電性複合体。
  3. 【請求項3】 膨潤性層状ケイ酸塩がモンモリロナイ
    ト、サポナイト、ヘクトライト及びスチブンサイトのい
    ずれか1種以上からなる請求項2記載の導電性複合体。
  4. 【請求項4】 回転運動による機械的混合によって、無
    機鉱物粒子の表面に導電性粒子を表面融合又は強固に結
    合させて被覆させることを特徴とする導電性複合体の製
    造方法。
JP23612995A 1995-08-22 1995-08-22 導電性複合体及びその製造方法 Pending JPH0959015A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000000988A1 (en) * 1998-06-30 2000-01-06 3M Innovative Properties Company Light colored, electrically conductive coated particles and composites made therefrom
WO2000000987A1 (en) * 1998-06-30 2000-01-06 3M Innovative Properties Company Light colored, electrically conductive coated particles
JP2006346529A (ja) * 2005-06-13 2006-12-28 Kao Corp 複合化粒子の製造方法
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