JPH0958490A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JPH0958490A
JPH0958490A JP21768095A JP21768095A JPH0958490A JP H0958490 A JPH0958490 A JP H0958490A JP 21768095 A JP21768095 A JP 21768095A JP 21768095 A JP21768095 A JP 21768095A JP H0958490 A JPH0958490 A JP H0958490A
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JP
Japan
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rack
steering
torque
pinion
teeth
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JP21768095A
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English (en)
Inventor
Yasuo Shimizu
康夫 清水
Katsuji Watanabe
勝治 渡辺
Shigeru Yamawaki
茂 山脇
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ラックとピニオンとからなるラックアン
ドピニオン機構をステアリング系に備え、電動機で操舵
トルクに応じた補助トルクを発生し、この補助トルクを
ハンドルとピニオンとの間のステアリング系に付加して
なる電動パワーステアリング装置において、ラックアン
ドピニオン機構は、ラックの歯のピッチを中央部よりも
両端部が大きくなるようにバリアブルレシオ形式にした
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。 【効果】 操舵フィーリングが向上し、しかも、ラック
アンドピニオン機構が複合トルクに対して充分な強度を
有した、電動パワーステアリング装置を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電動パワーステアリ
ング装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ステアリングハンドルの操舵力を
軽減して快適な操舵感を与えるために、電動パワーステ
アリング装置が多用されてきた。この種の電動パワース
テアリング装置は、電動機で操舵トルクに応じた補助ト
ルクを発生し、この補助トルクを機械式クラッチを介し
てステアリング系に伝達するものであって、例えば、特
開昭64−69829号「クラッチ装置」の技術があ
る。この技術は、その公報の第1図によれば、ラック1
8(番号は公報に記載されたものを引用した。以下同
じ。)とピニオン19とからなるラックアンドピニオン
機構をステアリング系に備え、モータ15で操舵トルク
に応じた補助トルクを発生し、この補助トルクをハンド
ル11とピニオン19との間のステアリング系に付加し
たものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に操舵フィーリン
グを高めるためには、(1)ハンドル11が概ね中立位
置にある場合に、ハンドル11が多少振れても車輪のふ
らつきがないこと、及び(2)据切り操作をするなど車
輪を大きく転舵したい場合の操縦性が良いこと(ハンド
ルの切れが良いこと)が求められる。上記(1)の条件
を達成するには舵角比(ハンドル11の操舵角に対する
車輪の転舵角の割合)を小さくすればよい。また、上記
(2)の条件を達成するには舵角比を大きくすればよ
い。
【0004】ところで、高速走行時には車輪を急激に転
舵することが少なく、ハンドル11の操舵角が比較的小
さいので、ピニオン19はラック18の中央部付近と噛
合う。この場合、車輪は転舵角が小さいのでタイヤのト
レッド部が変形する程度であり、路面との摩擦抵抗が小
さい。このため、ハンドル11の操舵トルクは小さく、
モータ15による補助トルクも小さいものである。従っ
て、ラック18の中央部付近の歯の強度は小さくてよ
い。一方、駐車中に据切り操作をする場合等においては
車輪を大きく転舵するので、ハンドル11の操舵角が比
較的大きく、ピニオン19はラック18の端部付近と噛
合う。この場合、車輪は転舵角が大きいのでタイヤと路
面との摩擦抵抗が大きい。このため、ハンドル11の操
舵トルクは大きく、モータ15による補助トルクも大き
いものである。従って、ラック18の両端部付近の歯の
強度を大きくする必要がある。
【0005】このように、上記従来の技術のような電動
パワーステアリング装置で、操舵フィーリングを高めた
場合には、操舵トルクが大きくなるとこれに応じて補助
トルクも大きくなるので、ラックアンドピニオン機構は
複合トルク(操舵トルクに補助トルクを付加したトル
ク)を充分に考慮した強度を求められる。本発明の目的
は、操舵フィーリングを向上し、しかも、ラックアンド
ピニオン機構が複合トルクに対して充分な強度を有する
電動パワーステアリング装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、ラックとピニオンとからな
るラックアンドピニオン機構をステアリング系に備え、
電動機で操舵トルクに応じた補助トルクを発生し、この
補助トルクをハンドルとピニオンとの間のステアリング
系に付加してなる電動パワーステアリング装置におい
て、前記ラックアンドピニオン機構を、ラックの歯のピ
ッチが中央部よりも両端部で大きくなるようにバリアブ
ルレシオ形式にしたことを特徴とする。ここで「バリア
ブルレシオ形式」とは、ラックとピニオンとの噛み合わ
せ位置により両者のギヤ比が不均一となる構成のものを
言う。
【0007】このため、請求項1記載の発明は、ステア
リングハンドルが中立位置近くにあるほどラックゲイン
(ピニオンが1回転したときのラックの移動距離)が小
さいので、車輪が転舵され難くなり直進走行時の車輪の
ふらつきが少なく、直進安定性が高まる。また、ステア
リングハンドルを大きく操舵した場合ほどラックゲイン
が大きいので、車輪が転舵され易くなり旋回操縦性が高
まる。このため、操舵フィーリングが良い。
【0008】しかも、ラックは中央部から両端部へいく
に従って歯のピッチが大きいので、これに応じて歯厚を
大きくすることにより強度を向上することができる。こ
のため、ラックに作用する負荷が大きくても許容でき、
ラックアンドピニオン機構が複合トルク(操舵トルクに
補助トルクを付加したトルク)に対して充分な強度を有
する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を添付図面に基づ
いて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るも
のとする。先ず、図1〜図6に基づき第1実施例を説明
する。図1は本発明に係る電動パワーステアリング装置
の全体構成図であり、電動パワーステアリング装置1
は、ステアリングハンドル2で発生されたステアリング
系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段3と、ス
テアリング系に補助トルクを付加する電動機4と、電動
機4を制御するための制御装置5と、前記電動機4の発
生する補助トルクをステアリング系に伝達する摩擦係合
伝達手段30及びトルク伝達手段40とを有し、ピニオ
ン6,ラック7を介して車輪8,8を転舵するものであ
る。
【0010】図2は本発明に係る電動パワーステアリン
グ装置(第1実施例)の要部拡大断面図であり、前記ス
テアリングハンドル2で回動される入力軸11と、この
入力軸11にピン12を介して結合され下方へ延設され
たトーションバー13と、このトーションバー13の下
部のスプライン14に上部が嵌合され、下部に前記ピニ
オン6が刻設された出力軸15とで主たるステアリング
系を構成したものである。トーションバー13は文字通
りトルクに対して正確にねじれ角が発生するメンバーで
あって、入力軸11と出力軸15との間での相対ねじり
変位を発生する。
【0011】図1に示す操舵トルク検出手段3は、トー
ションバー13、スライダ23及び可変インダクタンス
式センサ24で構成する。すなわち、操舵トルク検出手
段3は、傾斜溝21とストレート溝22とを備えた円筒
形状のスライダ23を、前記入力軸11と出力軸15と
の間に掛け渡すことで、相対ねじり変位に応じてスライ
ダ23を軸方向へ変位させるものである。スライダ23
の軸方向への変位量はトルクに比例し、センサ24は変
位量を電気信号に変換する。
【0012】更に、前記摩擦係合伝達手段30は、出力
軸15の基部外周にリン青銅や鋳鉄などの金属製ホイー
ル26を遊嵌し、このホイール26と兼ねた入力部材3
1に断面略テーパー状である円錐台形の凹部の摩擦面3
1aを形成し、また、出力軸15の外周に軸方向移動可
能に断面略テーパー状である円錐台形の凸部の摩擦面3
2aを有する出力部材32を嵌合し、この出力部材32
を押圧手段としての圧縮ばね33で前記入力部材31に
押圧することで構成した。図中、35はキー、36,3
6は軸受、37はウォームギヤ機構を収納するハウジン
グである。
【0013】図3は図2の3−3線断面図であり、電動
機4とトルク伝達手段40の断面構造を示す。電動機4
はケース41と、ステータ42と、ロータ43と、この
ロータ43を取付けた金属製の出力軸44とからなる。
前記トルク伝達手段40は、電動機4の発生した補助ト
ルクをステアリングハンドル2とピニオン6との間のス
テアリング系(図1参照)へ伝達するものであり、出力
軸44端に結合されたウォーム45とホイール26とか
らなるウォームギヤ機構で構成した。なお、電動機4の
ケース41はハウジング37にボルト結合されている。
46,46はウォーム45を支持する軸受である。
【0014】図4はラックアンドピニオン機構(第1実
施例)の拡大断面図であり、前記ラック7とピニオン6
とからなるラックアンドピニオン機構は、ラック7の歯
のピッチを中央部よりも両端部が大きくなるようにバリ
アブルレシオ形式にしている。ここで「バリアブルレシ
オ形式」とは、ラック7とピニオン6との噛み合わせ位
置により両者のギヤ比が不均一となる構成のものを言
う。詳述すると、ラック7を備えたラック軸7Aの中心
1とピニオン6の中心C2との間の距離Sは、両者の噛
み合わせ位置にかかわらず常に一定である。そして、ラ
ック7の歯は中央部側(この図の右側)から両端部(こ
の図の左側)へいくに従ってピッチが大きくなるように
設定され、これに伴い歯厚も大きく設定されている。
【0015】図5はラックアンドピニオン機構(第1実
施例)のバリアブルレシオ形式を説明する説明図であ
り、横軸をステアリングハンドル2の操舵角(゜)と
し、縦軸をラックゲイン(mm/回転)として表す。そ
して、この図の上側にはステアリングハンドル2の操舵
角とラック7の歯のピッチとの関係を表している。「ス
テアリングハンドルの操舵角」は横軸の中央をステアリ
ングハンドル2の中立位置(操舵角0゜)とし、これよ
りも右側がステアリングハンドル2を右回転した場合、
一方、左側が左回転した場合を示す。「ラックゲイン」
はピニオン6が1回転(ステアリングハンドル2が1回
転)したときのラック7の移動距離(mm)を示す。
【0016】この図に示すようにラック7の歯のピッチ
は、中央部よりも両端部が大きくなるように設定されて
いる。すなわち、ステアリングハンドル2の操舵角が左
側θ1゜〜0゜〜右側θ1゜の範囲(例えば、左右各10
゜の範囲)では、ラック7の歯のピッチが小であり、ピ
ニオン6に対するラック7のギヤ比は大となる。この場
合のラックゲインはG1mm/回転(例えば、40mm
/回転)である。また、ステアリングハンドル2の操舵
角が左側θ1゜〜左側θ2゜と右側θ1゜〜右側θ2゜の範
囲では、操舵角の増加に伴いラック7の歯のピッチが徐
々に増大し、ピニオン6に対するラック7のギヤ比は徐
々に小となる。このため、ラックゲインもG1mm/回
転からG2mm/回転まで徐々に増大する。更に、ステ
アリングハンドル2の操舵角が左側θ2゜以上と右側θ2
゜以上の範囲(例えば、左右各360゜以上の範囲)で
は、ラック7の歯のピッチが大であり、ピニオン6に対
するラック7のギヤ比は小となる。この場合のラックゲ
インは上記G1よりも大きいG2mm/回転(例えば、5
0mm/回転)である。
【0017】このように、ステアリングハンドル2が中
立位置近くにあるほどラックゲインが小さいので、図1
に示す車輪8,8が転舵され難くなり直進走行時の車輪
8,8のふらつきが少なく、直進安定性が高まる。ま
た、ステアリングハンドル2を大きく操舵した場合ほど
ラックゲインが大きいので、車輪8,8が転舵され易く
なり旋回操縦性が高まる。このため、操舵フィーリング
が良い。しかも、ラック7は中央部から両端部へいくに
従って歯のピッチが大きいので、これに応じて歯厚を大
きくすることにより強度を向上することができる。この
ため、ラック7に作用する負荷が大きくても許容でき、
ラックアンドピニオン機構が複合トルク(操舵トルクに
補助トルクを付加したトルク)に対して充分な強度を有
する。
【0018】以上の構成からなる電動パワーステアリン
グ装置1において、摩擦係合伝達手段30の作用を図6
に基づき説明する。図6は本発明に係る摩擦係合伝達手
段(第1実施例)の作用説明図である。電動機4の補助
トルクはウォーム45に伝わり、ホイール26を回動す
る。そして、図2に示すステアリング系(入力軸11→
トーションバー13→出力軸15)の操舵トルクに、電
動機4からの補助トルクが付加されたところの複合トル
クでピニオン6を介してラック7を駆動する。すなわ
ち、図6においてステアリング系の操舵トルクをT1、
電動機4からの補助トルクをT2とすれば、複合トルク
は「T1+T2」となる。一方、所定以上のトルクに対
しては、摩擦面31aと摩擦面32aとの間がスリップ
し、過大トルクを伝達しない。
【0019】次に、図7〜図12に基づき第2実施例を
説明する。なお、上記第1実施例と同じ構成については
同一符号を付し、その説明を省略する。図7は本発明に
係る電動パワーステアリング装置(第2実施例)の一部
破断正面図であり、第2実施例の構成はセンタテイクオ
フ型電動パワーステアリング装置からなること、及び後
述する摩擦係合伝達手段が摩擦係合式クラッチ機構から
なることを特徴とする。また、ラックアンドピニオン機
構は上記第1実施例と同一のバリアブルレシオ形式であ
る。電動パワーステアリング装置1は、図1に示すラッ
ク7を備えたラック軸7Aの長手方向中央に左右1対の
タイロッド61,61を連結し、これらのタイロッド6
1,61の連結部をダストブーツ62で覆い、ラック軸
7Aの両端部をキャップ63,63で覆った構成であ
る。タイロッド61,61は先端を図示せぬ車輪のナッ
クルに連結される。
【0020】図8は本発明に係る電動パワーステアリン
グ装置(第2実施例)の要部拡大断面図である。ホイー
ル26の内周部に環状の入力部材52が固定され、一
方、出力軸15の外周部に筒状の出力部材53が固定さ
れている。出力部材53の外周部には軸受54を介して
入力部材52が遊嵌される。
【0021】図9は図8の9−9線断面図であり、トル
ク伝達手段40と摩擦係合伝達手段50とを組合わせた
構成を示す。この実施例のトルク伝達手段40は、ウォ
ーム45の中心に対するホイール26の配置を、上記図
3に示す第1実施例と反対側としている。そして、ホイ
ール26の中心上に且つホイール26と同一面上に摩擦
係合伝達手段50が配置される。
【0022】図10は本発明に係る摩擦係合伝達手段
(第2実施例)の拡大断面図であり、上記図9に示す摩
擦係合伝達手段50を拡大して示す。摩擦係合伝達手段
50は同一円上に配置された6組の摩擦係合式クラッチ
機構51…(…は複数を示す。以下同じ。)からなる。
なお、各クラッチ機構51…を互いに区別して説明する
場合には、便宜的にクラッチ機構51A,51B,…
…,51Fのように説明する。
【0023】これらのクラッチ機構51…は入力部材5
2と、出力部材53と、これら入力・出力部材52,5
3間で形成したテーパ状空間部55…と、このテーパ状
空間部55…に介在した係合部材56…と、この係合部
材56…の位置決めをなす位置制御部材58…と、この
位置制御部材58…に向って係合部材56…を付勢する
圧縮ばね59…とからなる。そして、摩擦係合伝達手段
50は位置制御部材58…の移動にともなって、係合部
材56…で入力部材52と出力部材53とを係合・非係
合に選択的に切換えるものである。
【0024】詳述すると、円筒断面を呈する入力部材5
2の内壁面と、概ねおむすび形断面(略正三角形断面の
3つの辺を円弧状とした形状)を呈する出力部材53の
3つの辺との間で、各辺毎に左右1対で計3対のテーパ
状空間部55…が形成され、これらのテーパ状空間部5
5…は周方向端部がテーパ状に形成される。各テーパ状
空間部55…には円柱状の係合部材56…が周方向端部
に1つずつ移動可能に配置され、互いに対向する2つの
係合部材56,56間に圧縮ばね59が介在される。
【0025】入力部材52の内壁面と出力部材53の頂
部との間に、3つの位置制御部材58…が回動可能に介
在しており、各位置制御部材58…は隣接するテーパ状
空間部55…内に突出して係合部材56…と当接するも
のである。このように、3つの位置制御部材58…は、
互いに等間隔で離間しつつ同一円上に配置される。この
ように構成された摩擦係合伝達手段50は、第1・第3
・第5クラッチ機構51A,51C,51Eが入力部材
52の矢印X方向(この図の反時計回り方向)に係合
し、第2・第4・第6クラッチ機構51B,51D,5
1Fが矢印Xと反対方向に係合する。
【0026】図11は本発明に係る摩擦係合伝達手段
(第2実施例)の要部分解斜視図であり、入力軸11は
下端外周に環状の位置制御部57を固定しており、この
位置制御部57は下部に前記3つの位置制御部材58…
を備えている。
【0027】次に上記構成の摩擦係合伝達手段50の作
用を図10及び図12に基づき説明する。図12は本発
明に係る摩擦係合伝達手段(第2実施例)の作用図であ
る。ステアリングハンドル2が操舵されていない場合、
図10に示すように各クラッチ機構51…は全て解除さ
れている。
【0028】ステアリングハンドル2の操舵トルクが小
さい場合、入力軸11の各位置制御部材58…と出力部
材53との間の位相はほとんど変化しない。この場合に
は、各位置制御部材58…がこの図の反時計回り方向に
若干移動するものの、各クラッチ機構51…が係合する
には致らない。このため、出力部材53は電動機4から
の補助トルクを受けず、入力軸11に作用する操舵トル
クはトーションバー13を介して出力部材53に伝達さ
れる。
【0029】次に、ステアリングハンドル2の操舵トル
クが大きい場合、入力軸11の各位置制御部材58…と
出力部材53との間の位相が大きく変化する。この場合
には図12に示すように、各位置制御部材58…が矢印
X方向に大きく移動する。このため、第1・第3・第5
クラッチ機構51A,51C,51Eは係合状態にな
る。(係合部材56…が圧縮ばね59…に押されて移動
し、摩擦力にて入力部材52と出力部材53とを係合す
る)。
【0030】電動機4が回転することで入力部材52が
矢印X方向に回転し、電動機4からの補助トルクは、第
1・第3・第5クラッチ機構51A,51C,51Eを
介して出力部材53(ステアリング系)に伝達される。
従って、出力部材53は図8におけるステアリング系
(入力軸11→トーションバー13→出力軸15)の操
舵トルクに、電動機4からの補助トルクが付加されたと
ころの複合トルクで、矢印X方向に駆動される。
【0031】一方、電動機4による補助トルクの伝達が
継続している状態で、ステアリングハンドル2を逆方向
に操舵すると、各位置制御部材58…は入力部材52と
反対方向(矢印Xと反対方向)に回る。このため、第1
・第3・第5クラッチ機構51A,51C,51Eは解
除状態になる。(係合部材56…が位置制御部材58…
に押されて移動し、入力部材52と出力部材53との間
の摩擦係合を解除する。)
【0032】なお、逆回転方向に係合する3組のクラッ
チ機構51B,51D,51Fは、上記他の3組のクラ
ッチ機構51A,51C,51Eと逆作動をするもので
あり、ステアリングハンドル2を反対方向に操舵した場
合に係合・非係合に切換えられる。
【0033】次に、図13〜図17に基づき第3実施例
を説明する。なお、上記第1実施例と同じ構成について
は同一符号を付し、その説明を省略する。図13は本発
明に係る電動パワーステアリング装置(第3実施例)の
断面図であり、第3実施例の構成は摩擦係合式クラッチ
機構からなる摩擦係合伝達手段80を、電動機4とウォ
ーム45との間に介在したことを特徴とする。また、ラ
ックアンドピニオン機構は上記第1実施例と同一のバリ
アブルレシオ形式である。この図は、入・出力軸11,
15の手前側にウォーム45が配置され、ウォーム45
の右側に電動機4が配置された状態を示し(図15にて
説明する。)、更に、入・出力軸線Lから左半分を入・
出力軸線Lに沿って断面し、入・出力軸線Lから右半分
をウォーム45の軸線に概ね沿って断面した姿を示して
いる。
【0034】図14は図13に示す姿の要部拡大図であ
る。ホイール26の内周部に筒部材71が固定され、こ
の筒部材71は出力軸15に嵌合にて固定されている。
また、スライダ23と軸受36との間には圧縮ばね72
が介在されている。ハウジング37にはL字状リンク7
3の中央部73aが上下揺動可能に支持され、このリン
ク73の一端部73bは、スライダ23の下端外周に形
成した周溝23aに係合されている。
【0035】図15は図14の15−15線断面図であ
り、トルク伝達手段40と摩擦係合伝達手段80とを組
合わせた構成を示す。この実施例のトルク伝達手段40
は、ホイール26とウォーム45の配置関係が上記図3
に示す第1実施例と同じである。すなわち、入・出力軸
11,15よりも手前側(この図の下側)にウォーム4
5が配置され、ウォーム45の右側に電動機4が配置さ
れている。
【0036】ウォーム45にはウォーム軸45aが一体
に形成され、このウォーム軸45aの端部は電動機4の
出力軸44端に回転可能に支持されている。そして、ウ
ォーム軸45aには円筒形状の位置制御部87が嵌合さ
れている。位置制御部87は傾斜溝87aと、外周の周
溝87bと、出力軸44端方向に延びる3つの位置制御
部材87c…とを備えている。傾斜溝87aはウォーム
軸45aに備えたピン45bと係合し、周溝87bは上
記リンク73の他端部73cに係合するものである。一
方、電動機4の出力軸44には円筒形状の入力部材82
が固着され、この入力部材82は軸受84で支持されて
いる。また、入力部材82の内周部にはウォーム軸45
aの端部及び位置制御部材87c…が挿入される。
【0037】図16は図15の16−16線断面図であ
り、摩擦係合伝達手段80の拡大断面を示す。摩擦係合
伝達手段80は上記図10に示す第2実施例の摩擦係合
伝達手段50と同様の構成であり、同一円上に配置され
た6組の摩擦係合式クラッチ機構81…からなる。
【0038】これらのクラッチ機構81…は、前記入力
部材82と、ウォーム軸45aの端部外周に形成した出
力部材83と、これら入力・出力部材82,83間で形
成したテーパ状空間部85…と、このテーパ状空間部8
5…に介在した円柱形状の係合部材86…と、この係合
部材86…の位置決めをなす位置制御部材87c…と、
この位置制御部材87c…に向って係合部材86…を付
勢する圧縮ばね89…とからなる。出力部材83は概ね
おむすび形断面(略正三角形断面の3つの辺を円弧状と
した形状)を呈する。そして、摩擦係合伝達手段80は
位置制御部材87c…の移動にともなって、係合部材8
6…で入力部材82と出力部材83とを係合・非係合に
選択的に切換えるものである。
【0039】次に上記構成の摩擦係合伝達手段80の作
用を図16及び図17に基づき説明する。図17
(a),(b)は本発明に係る摩擦係合伝達手段(第3
実施例)の作用図であり、(b)は(a)のb−b線断
面図である。ステアリングハンドル2が操舵されていな
い場合、図16に示すように各クラッチ機構81…は全
て解除されている。
【0040】次に、図17(a)に示すようにスライダ
23は、ステアリングハンドル2の操舵トルクに基づ
き、入力軸11と出力軸15との間(図14参照)の相
対ねじり変位に応じて軸方向(矢印方向)に変位す
る。これに伴い、リンク73は一端部73bが周溝23
aにて引上げられるので矢印方向に揺動する。位置制
御部87は周溝87bが他端部73cにて押圧されるの
で矢印方向に移動する。この場合、位置制御部87は
ピン45bと傾斜溝87aとの係合により周方向(矢印
方向)に変位にする。
【0041】このため、摩擦係合伝達手段80は図17
(b)に示す係合作用をする。すなわち、各位置制御部
材87c…が矢印Y方向に大きく移動する。従って、3
つのクラッチ機構81…は係合状態になる(係合部材8
6…が圧縮ばね89…に押されて移動し、摩擦力にて入
力部材82と出力部材83とを係合する)。そして、電
動機4が回転することで入力部材82が矢印Y方向に回
転し、電動機4からの補助トルクは、3つのクラッチ機
構81…を介して出力部材83に伝達され、更に、図1
4に示すウォーム45及びホイール26を介して、出力
軸15に付加される。
【0042】なお、上記第1・第2・第3実施例におい
て、ラックアンドピニオン機構はラック7の歯のピッチ
を中央部よりも両端部が大きくなるようにバリアブルレ
シオ形式にしたことを特徴とし、ラック7とピニオン6
との噛み合わせ位置による両者のギヤ比が変化する度合
いは任意に設定することができる。
【0043】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1記載の発明は、補助トルクをハンドルと
ピニオンとの間のステアリング系に付加してなる電動パ
ワーステアリング装置において、ラックアンドピニオン
機構を、ラックの歯のピッチが中央部よりも両端部で大
きくなるようにバリアブルレシオ形式にしたことによ
り、ステアリングハンドルが中立位置近くにあるほどラ
ックゲイン(ピニオンが1回転したときのラックの移動
距離)が小さいので、車輪が転舵され難くなり直進走行
時の車輪のふらつきが少なく、直進安定性が高まる。ま
た、ステアリングハンドルを大きく操舵した場合ほどラ
ックゲインが大きいので、車輪が転舵され易くなり旋回
操縦性が高まる。また、ラックは中央部から両端部へい
くに従って歯のピッチが大きいので、これに応じて歯厚
を大きくすることにより強度を向上することができる。
このため、ラックに作用する負荷が大きくても許容でき
る。このように、請求項1記載の発明は、操舵フィーリ
ングが向上し、しかも、ラックアンドピニオン機構が複
合トルク(操舵トルクに補助トルクを付加したトルク)
に対して充分な強度を有する電動パワーステアリング装
置を提供することができる。そして、請求項1記載の発
明は、ラックアンドピニオン機構の強度が大きいので、
比較的車両の重量が嵩み複合トルクの大きい電動パワー
ステアリング装置にも適用できる。
【0044】更に、補助トルクをハンドルとピニオンと
の間のステアリング系に付加するものなので、ラックに
は補助トルクを付加するための機構が不要であり、従っ
て、補助トルクの付加の有無にかかわらず、ラックを共
用できる。また、電動パワーステアリング装置が小型に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動パワーステアリング装置の全
体構成図
【図2】本発明に係る電動パワーステアリング装置(第
1実施例)の要部拡大断面図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】本発明に係るラックアンドピニオン機構(第1
実施例)の拡大断面図
【図5】本発明に係るラックアンドピニオン機構(第1
実施例)のバリアブルレシオ形式を説明する説明図
【図6】本発明に係る摩擦係合伝達手段(第1実施例)
の作用説明図
【図7】本発明に係る電動パワーステアリング装置(第
2実施例)の一部破断正面図
【図8】本発明に係る電動パワーステアリング装置(第
2実施例)の要部拡大断面図
【図9】図8の9−9線断面図
【図10】本発明に係る摩擦係合伝達手段(第2実施
例)の拡大断面図
【図11】本発明に係る摩擦係合伝達手段(第2実施
例)の要部分解斜視図
【図12】本発明に係る摩擦係合伝達手段(第2実施
例)の作用図
【図13】本発明に係る電動パワーステアリング装置
(第3実施例)の断面図
【図14】図13に示す姿の要部拡大図
【図15】図14の15−15線断面図
【図16】図15の16−16線断面図
【図17】本発明に係る摩擦係合伝達手段(第3実施
例)の作用図
【符号の説明】
1…電動パワーステアリング装置、2…ステアリングハ
ンドル、4…電動機、6…ピニオン、7…ラック、7A
…ラック軸、8…車輪、11…入力軸、13…トーショ
ンバー、15…出力軸、26…ホイール、30…摩擦係
合伝達手段、40…トルク伝達手段(ウォームギヤ機
構)、45…ウォーム、50,80…摩擦係合伝達手
段。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラックとピニオンとからなるラックアン
    ドピニオン機構をステアリング系に備え、電動機で操舵
    トルクに応じた補助トルクを発生し、この補助トルクを
    ハンドルとピニオンとの間のステアリング系に付加して
    なる電動パワーステアリング装置において、前記ラック
    アンドピニオン機構は、ラックの歯のピッチを中央部よ
    りも両端部が大きくなるようにバリアブルレシオ形式に
    したことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
JP21768095A 1995-08-25 1995-08-25 電動パワーステアリング装置 Pending JPH0958490A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006137256A (ja) * 2004-11-10 2006-06-01 Honda Motor Co Ltd 操舵装置
JP2014104916A (ja) * 2012-11-29 2014-06-09 Daihatsu Motor Co Ltd 自動車のステアリング装置

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JP2006137256A (ja) * 2004-11-10 2006-06-01 Honda Motor Co Ltd 操舵装置
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