JPH0957301A - 高深度高硬度レールの製造方法 - Google Patents

高深度高硬度レールの製造方法

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JPH0957301A
JPH0957301A JP21153195A JP21153195A JPH0957301A JP H0957301 A JPH0957301 A JP H0957301A JP 21153195 A JP21153195 A JP 21153195A JP 21153195 A JP21153195 A JP 21153195A JP H0957301 A JPH0957301 A JP H0957301A
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cooling
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hardness
rail
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JP21153195A
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Toshiya Kuroki
俊哉 黒木
Koichi Uchino
耕一 内野
Daisuke Hiragami
大輔 平上
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レール圧延時に頭表面にγ細粒化加工を施し
て生じる表面層の冷却緩衝作用を利用し、レールに安定
した急速冷却とその後の内部のピーク硬度付近の硬度分
布の制御を行うことによって、内部疲労損傷の抑制に適
した高強度レールを安価に製造することを図る。 【解決手段】 レール鋼片の圧延において、仕上げ圧延
工程を2つに分け、前半の仕上げ圧延の後、10秒以上
のパス間時間を与え、800〜950℃で1パスあたり
10%以下の圧下率の1パスまたは複数パスの後半の仕
上げ圧延を行ってから、0.1〜10秒後に6℃/秒以
上の表面冷速で急冷を開始し、表面温度が450〜65
0℃の範囲になったとき0〜3℃/秒で1〜40秒の保
定または冷却を行い、再び1℃/秒以上の冷速で表面温
度として400℃まで加速冷却する。 【効果】 本発明では、塩浴のような高コストな方法で
なく、また、マルテンサイトのような異組織を生成させ
ずに、頭部のピーク硬度付近の硬度分布を自由に設定す
ることができる。これにより、内部疲労損傷の抑制等に
適した硬度分布の高強度レールが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は頭内部の硬度分布を
制御した高強度レールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高炭素でパーライトの金属組織を呈した
鋼は強度が高く、耐摩耗性が良好なことから構造材料と
して使用され、中でも鉄道車両の重量増加に伴う高軸荷
重化や高速輸送化に対応してレールに特に多く使用され
ている。
【0003】このような鋼材の製造法としては、例え
ば、特開昭58−221229号公報には「C:0.6
5〜0.85%、Mn:0.5%〜2.5%を含有した
高Mn鋼レールをオーステナイト領域から急冷し、レー
ルまたはレールヘッドの組織を微細なパーライトとして
耐摩耗性を改善したレールの熱処理方法」、特開昭59
−133322号公報には「安定してパーライト組織が
得られる特定成分の圧延レールをAr3 点以上の温度か
ら特定温度の溶融塩浴中に浸漬して、レール頭頂部表面
下約10mmまでHv350以上の硬さを持つ微細なパー
ライト組織を呈するレールの熱処理方法」がある。
【0004】また特開昭63−277721号公報には
「制御圧延と加熱処理を組み合わせた製造方法および圧
延後の低温加熱処理方法として800℃以下で断面減少
率が5%以上の圧延を行い、750〜900℃へ加熱
し、1〜15℃/秒で加速冷却するレール鋼の製造方
法」が開示されているがごとく、多くの技術が知られて
いる。
【0005】最近、パーライト鋼の強度や耐摩耗性が向
上し、レール摩耗量は減少の傾向が見られたが、摩耗以
外に内部疲労損傷の問題が浮上してきた。内部疲労損傷
は摩耗量の多寡に関係なく、ゲージコーナーの内部5mm
以上の深さから生じることが多い。ここで生じた亀裂は
レール長手方向や幅方向へ進展した後分岐して、横裂へ
至ることがある。
【0006】内部疲労損傷は介在物清浄度を向上させれ
ば多くが回避されるが、高硬度化されればさらに改善さ
れる。また、急曲線で使われていたレールの内部疲労損
傷は摩耗が10mm程度の深さまで進行した後から生じる
ことが多い。これらのことから摩耗量の多い箇所では内
部疲労損傷を防止するには内部深くまで硬度が高いこと
が望まれている。
【0007】一方、曲線がさほどきつくない部分では摩
耗が進まず、特に疲労が集中する箇所ができることが危
惧される。この場合、頭内部5〜10mmの深さで特に高
硬度であるレールが望ましい。
【0008】一般に、高炭素鋼の硬度の向上は低温でパ
ーライト変態させ、ラメラ間隔を小さくすることによっ
て達成されている。もし、15mm深さでHv380以上
の硬度を出すには表面冷速で6℃/秒以上の冷速を与え
る必要がある。このような冷速を与えるのには、一般に
空気噴射冷却では難しく、安価な冷媒とすれば水と空気
の混合噴射冷却でないと得ることは難しい。
【0009】しかし、従来材において、気水混合冷却で
6℃/秒以上の冷速で急冷を試みたところ、表面のスケ
ールが一様な厚さで存在せず、水滴の触れた箇所がマル
テンサイト変態を起こす一方、水滴の触れなかった箇所
が緩冷却されて十分な硬度を得られず、安定した冷却方
法が確立していなかった。
【0010】そこで、γ一様領域から550℃程度まで
塩浴で6℃/秒で急冷して、その温度で等温変態させる
ことが最適な温度履歴であると考えられた。例えば特開
昭59−133322号公報には塩浴での急冷方法が述
べられている。この方法では6℃/秒以上の表面冷速で
同一深さでの均一冷却が可能であるが、溶融塩の除去工
程がコスト高であり、その後の変態中の冷速制御が困難
である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、レー
ル圧延時に頭表面にγ細粒化加工を施して生じる表面層
の冷却緩衝作用を利用し、レールに安定した急速冷却と
その後の内部のピーク硬度付近の硬度分布の制御を行う
ことによって、内部疲労損傷の抑制に適した高強度レー
ルを安価に製造することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らはレール頭頂
表面を高延性化し、かつ、高深度まで高強度化すること
を目的とした多くの実験を行った結果、以下の知見を見
いだした。まず、800〜950℃で加工されたγ組織
からはNγ=9〜11に相当する再結晶粒が生じること
を見いだした。この程度に細かくなると、γは20℃/
秒程度で急冷されても平衡変態温度から40℃と下がら
ないうちにパーライト変態が始まる。
【0013】表面層を微細結晶粒にして内部とγ粒度に
差をつけておくと、不均一な急冷を施した場合、表面層
の急激に冷却された部分では、急激にパーライト変態を
生じさせて変態発熱することによって温度が保たれ、冷
却が急激でない部分と大差ない温度変化になる。つま
り、表面層を微細結晶粒にすることによって、表面層が
冷却緩衝帯になることがわかる。
【0014】さらに急冷した後、徐冷を一旦開始してや
ると内部は表面層のパーライト組織を核にしてパーライ
ト変態を開始することがわかった。これを応用すると変
態開始温度を自在に制御することができ、これによって
内部の硬度分布を制御することができることがわかっ
た。したがって、本発明者らは、表面の不均一な急冷方
法でも内部の硬度分布を制御することができることを見
いだした。
【0015】本発明はこのような知見を応用して構成さ
れ、その要旨は「レール鋼片の圧延において、仕上げ圧
延工程を2つに分け、前半の仕上げ圧延の後、10秒以
上のパス間時間を与え、800〜950℃で1パスあた
り10%以下の圧下率の1パスまたは複数パスの後半の
仕上げ圧延を行ってから、0.1〜10秒後に6℃/秒
以上の表面冷速で急冷を開始し、表面温度が450〜6
50℃の範囲になったとき0〜3℃/秒で1〜40秒の
保定または冷却を行い、再び1℃/秒以上の冷速で表面
温度として400℃以下まで加速冷却することを特徴と
する高深度高硬度レールの製造方法。」である。
【0016】以下に本発明について、加工温度履歴の例
を図1に示し、レール頭頂部の概略を図2に、レール頭
頂部の冷却開始直前のγ粒度分布を図3に示し、これら
を用いて詳細に説明する。図1において、表面層の任
意な点、内部の任意な点(図2参照)を示し、1:最
終前仕上げ圧延(表面、内部ともに加工される)、2:
パス間時間、3:最終仕上げ圧延(表面のみが加工され
る)、4:第1段階目の冷却、表面層は内部の冷速を一
様にするように冷速を緩衝しながらパーライト変態す
る。内部はγのままである。5:第2段階目の冷却、表
面層はパーライト組織を終了し、内部はパーライト核生
成状態である。6:第3段階目の冷却、表面層はパーラ
イト組織を終了し、内部はパーライト変態している。
【0017】まず、図1中の2に示される仕上げ圧延の
前半と後半とのパス間時間について述べる。前半の仕上
げ圧延で、レールはそのほぼ形状に仕上がっており、そ
の直後ではNγ=7以上の微細なγ組織になっていると
考えられる。この直後に後半の仕上げを行うと、表面の
Nγ=9以上の超微細組織と微細内部との差が小さく、
図2中の10に示される表面層が冷却緩衝帯として機能
が十分に発揮できない。
【0018】そこで、パス間時間を10秒以上おき、内
部のγ組織をNγ=6.5程度まで僅かに粗大化させ、
表面層との粒度差をつける。好ましくは20秒以上が望
ましく、長時間おくと空冷されてしまうので、2分以下
が望ましい。
【0019】次に図1中の3に示される最終仕上げパス
について述べる。前述の通り、加工温度800〜950
℃はNγ=9〜11に相当する微細な再結晶粒の得られ
る温度である。800℃未満では加工後の再結晶が生じ
ないので、伸長粒となって微細結晶が得られない。95
0℃超では加工後の結晶成長が速すぎて、微細結晶が得
られない。
【0020】この程度に細かくなるとγは20℃/秒の
冷速で急冷されても平衡変態温度から40℃と下がらな
いうちにパーライト変態が始まる。Nγ=9〜11に相
当する微細な再結晶粒の得られる温度は、含有成分によ
って多少の上下があると思われるが、820〜930℃
の範囲での加工はこのような微細結晶をより安定して生
じさせることができるので、この温度域で加工すること
が望ましい。
【0021】この粒度の表面層を図2中の10に示すよ
うな範囲に生じさせるには1パスあたり10%以下の軽
圧下でなければならない。例えば、ロール直径を300
mmとしたとき、10%の軽圧下で10mm、5%の軽圧下
で5mmの微細なγ粒の層が得られる。好ましくは、表面
層の厚さにもよるが、7%以下が望ましい。また、再結
晶させるための必要加工度として、あるいは、1mmの表
面層の厚さを確保するために、好ましくは2%以上の圧
下が望ましい。
【0022】図2において、10:表面層であり、図1
中の線の温度履歴がある。最終仕上げ圧延後;非常に
微細なγ粒の層、第1段階の冷却中;内部の冷速を一様
にするように冷速を緩衝しながらパーライト変態する。
第2段階の冷却中;パーライト組織、第3段階の冷却
中;パーライト組織、12:内部で、図1中の線の温
度履歴がある。最終仕上げ圧延後;γ組織、第1段階の
冷却中;γ組織、第2段階の冷却中;パーライト変態核
生成、第3段階の冷却中;パーライト変態する。
【0023】ここで、ロール径を小さくすることによっ
て軽い圧下でも可能になる。もし、ロール直径が200
mm以下のときは好ましくは1%以上の圧下が望ましいと
する。この仕上げ圧延の直後に図2中の10に示される
レール頭頂表面層は静的にすばやく再結晶する。再結晶
に要する時間は0.1秒であり、完全に再結晶が終了す
るには高々1秒である。これ以後は粒成長が進み、5秒
以上保持すると表面の微細な層と内部の比較的粗い粒と
の境界がはっきりしなくなり始め、10秒を超えた後に
は微細な表面層がなくなってしまう恐れがある。そこ
で、圧延後の冷却開始時間は好ましくは1秒以上5秒以
下であることが望ましい。
【0024】続いて最終仕上げ加工直後の冷却である第
1段階目の冷却について述べる。この段階では表面の微
細なγ組織のみがパーライト変態し、内部が未変態のγ
組織のままでいる段階である。図3にこの冷却の開始直
前の頭内部の垂直方向のγ粒度分布を示す。この冷却の
始まるときには内部のγ粒度がNγ=7以下である一
方、表面層の微細γ粒度はNγ=8以上になっている。
【0025】この段階の冷速は内部でCCT曲線のノー
ズに交差しない冷速であり、かつ、表面層でノーズに交
差する冷速であることが必要である。内部の冷却曲線が
CCT曲線のノーズを交差しないようにするためには6
℃/秒は最小の冷速であり、8℃/秒以上であれば十分
であり、冷速を緩衝する表面層があったにしても、冷速
の制御をするためには20℃/秒以下が望ましい。
【0026】一般に、レールの頭表面で均一な6℃/秒
以上の冷速を出すのは非常に難しく、6℃/秒の冷速で
も表面の微細組織の層がなかったら不均一な変態が内部
にまで進行してしまう。
【0027】しかし、本発明のように図2中の10に示
す表面に非常に微細なγ再結晶層があると、この層にマ
ルテンサイトは生成されない。なぜなら、一様な冷却で
はなくても、前述した冷却緩衝効果が生じ、図2中の1
2に示す内部では一定深さに対して一様な冷却速度を与
えることができるからである。
【0028】次に第2段階目の冷却について述べる。第
1段階の冷速のまま最後まで冷却してしまうと部分的に
内部にマルテンサイト変態が生じてしまう。そこで、表
面層のみの冷却が完了した時点で急速冷却を終了し、一
旦冷速を緩和する。この急冷を中断した温度によって内
部の硬度分布が異なってくる。
【0029】表面温度が600℃付近で緩和した場合、
内部のピーク硬度はHv370程度でHv350以上の
深さが20mm以上となる。一方、500℃で緩和した場
合、ピーク硬度はHv420程度でHv350以上の深
さが15mm程度となる。
【0030】これに対し、650℃超で緩和した場合は
Hv340以上の硬度が得られない。また、450℃未
満でもベイナイト変態を起こし、この場合でもHv34
0以上の硬度が得られない。確実にHv350以上の硬
度を得、ベイナイト変態を起こさせないためには480
〜620℃であれば確実である。したがって、好ましく
はこの段階の開始温度は480〜620℃であることが
望ましい。
【0031】この段階は変態のきっかけを与えることが
最大の目的であり、この変態が開始するかどうかは温度
や内部のγ粒度等によって異なる。例えば、冷却開始温
度が900℃以上で内部のγ粒度がNγ=7程度のとき
は3℃/秒近く必要とされ、冷却開始温度が750℃以
下でNγ=5以下では0℃/秒でよく、単に冷却を中断
するだけでよい場合がある。
【0032】ただし、この段階で急激な変態発熱で温度
が急上昇することがあるが、昇温することは硬度を確保
するために避けなければならない。また、温度上昇を避
け、安定的に変態のきっかけを与えるには表面温度で
0.5〜2℃/秒であることが望ましい。
【0033】この段階は上記のように変態のきっかけを
与えることが最大の目的であるのであまり長時間である
必要がなく、1秒以上あればよい。一方、40秒を超え
てこの段階での冷却を行うと、内部に残った潜熱が逃げ
切れずに内部が軟化してしまう。十分に変態のきっかけ
を与え、かつ、軟化させないためには好ましくは3〜2
0秒であることが望ましい。
【0034】引き続いて第3段階目の冷却について述べ
る。この段階では内部でパーライト変態が進んでいく段
階である。即ち、この段階での加速冷却の目的はパーラ
イト変態を促進させ、復熱分を差し引くことが目的であ
る。
【0035】このときの最適な表面冷速は冷速緩和した
段階と同様に冷却開始温度や内部のγ粒度に対応して異
なる。しかし、少なくとも表面の最大冷速が1℃/秒以
上あればある程度の内部の硬度を確保できると考えら
れ、好ましくは復熱による変態温度の上昇を回避する意
味で最大2℃/秒以上あることが望ましい。
【0036】また、冷速が大きすぎたり、第2段階目で
の温度が低めの条件だったりすると、僅かに残ったγが
ベイナイト変態するので、内部の硬度を落とすことがあ
る。これにより、第2段階目での温度が500℃以上の
場合最大冷却速度は6℃/秒以下、第2段階目での温度
が500℃未満の場合最大冷却速度は3℃/秒以下であ
ることが望ましい。
【0037】また、この段階の冷却は内部の変態が終了
するまで行い、表面温度が400℃になるまで温度制御
をする必要があり、好ましくは350℃になるまで制御
することが望ましい。
【0038】このように、図2中の10の部分はかなり
急速に冷却されてもマルテンサイトを生成させずにパー
ライト変態し、旧γ粒径が非常に微細であるので、延性
の高い層として得られる。一方、図2中の12の部分は
低温で、かつ、温度を保ちながら変態するので、硬度の
高い領域となる。
【0039】さらに、第2段階の緩和冷却のタイミング
をはかることによって、頭内部の硬度分布の制御をする
ことができる。このことによって、使用条件に応じた内
部疲労損傷の抑制に適した高強度レールを安価に得るこ
とができる。
【0040】
【実施例】本発明はCを0.78%、Mnを1.06%
含有するパーライト系レール用鋼を用い、図4に示され
る製造ラインにおいて製造された。図4において、2
1:レール、22:最終前仕上げ圧延機、23:パス間
待機箇所、24:最終仕上げ圧延機、25:冷却ゾーン
を示す。その優位性は図5で示される試験機、ビッカー
ス硬度試験、引張試験で検証された。図5の試験機では
車輪からレールに加わる荷重を15tとし、1tのフラ
ンジ方向へのスラスト荷重をかけ、累積通過トン数が3
億トンになったとき終了し、そのときのレールの状態で
その可否を判断した。
【0041】引張試験は製造したレールの頭部から4号
相似の試験片を切り出し、引張強度と伸びを測定した。
そのときの製造条件と試験結果は表1と表2の通りであ
る。なお、一般のレール組成範囲において適用した結果
も、同等の効果が得られた。
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明では、塩浴のような高コストな方
法でなく、また、マルテンサイトのような異組織を生成
させずに、頭部のピーク硬度付近の硬度分布を自由に設
定することができる。これにより、内部疲労損傷の抑制
等に適した硬度分布の高強度レールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加工温度履歴の図表。
【図2】レール頭頂部の説明図。
【図3】冷却開始直前の頭内部の垂直方向のγ粒度分布
の図表。
【図4】本発明で開発したレールの製造ラインの説明
図。
【図5】本発明で開発したレールを評価した試験機の説
明図。
【符号の説明】
21 レール 22 最終前仕上げ圧延機 23 パス間待機箇所 24 最終仕上げ圧延機 25 冷却ゾーン 32 車輪 33 駆動系 34 架台

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レール鋼片の圧延において、仕上げ圧延
    工程を2つに分け、前半の仕上げ圧延の後、10秒以上
    のパス間時間を与え、800〜950℃で1パスあたり
    10%以下の圧下率の1パスまたは複数パスの後半の仕
    上げ圧延を行ってから、0.1〜10秒後に6℃/秒以
    上の表面冷速で急冷を開始し、表面温度が450〜65
    0℃の範囲になったとき0〜3℃/秒で1〜40秒の保
    定または冷却を行い、再び1℃/秒以上の冷速で表面温
    度として400℃以下まで加速冷却することを特徴とす
    る高深度高硬度レールの製造方法。
JP21153195A 1995-08-21 1995-08-21 高深度高硬度レールの製造方法 Withdrawn JPH0957301A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009068644A1 (en) * 2007-11-28 2009-06-04 Danieli & C. Officine Meccaniche S.P.A. Process of thermal treatment of rails and device thereof
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