JPH0955619A - 三次元形状の誘電体コアを用いた小型アンテナ - Google Patents

三次元形状の誘電体コアを用いた小型アンテナ

Info

Publication number
JPH0955619A
JPH0955619A JP20545495A JP20545495A JPH0955619A JP H0955619 A JPH0955619 A JP H0955619A JP 20545495 A JP20545495 A JP 20545495A JP 20545495 A JP20545495 A JP 20545495A JP H0955619 A JPH0955619 A JP H0955619A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
dielectric core
antenna
core antenna
frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20545495A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiro Watanabe
敏宏 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP20545495A priority Critical patent/JPH0955619A/ja
Publication of JPH0955619A publication Critical patent/JPH0955619A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Details Of Aerials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 共振周波数の設定、調整が容易な誘電体コア
・アンテナを提供すること。 【構成】 誘電体コア・アンテナ1は、少なくとも一対
の対向する第1及び第2の面を有する三次元的な外面形
状をなし、動作波長に比して小型な誘電体コア2と、誘
電体コア2の第1の上に形成された第1の電極3と、第
2の面上に形成された第2の電極4とを備える。これら
第1の電極3と第2の電極4との一端間は、第3の電極
5によって連結され、第3の電極5には第1の電極3と
第2の電極4とに平行な切り込み6が形成されている。
切り込み6の対向する縁間には可変容量素子7又は可変
抵抗素子が接続される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、円筒や、立方体、直
方体等の多面体等の筒体の形状をした誘電体コアの一部
の面に金属膜を形成した構成を持ち、周波数特性を容易
に調整することができ、動作波長に比較して極めて小型
なアンテナの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】出願人は、これまでに種々の誘電体コア
・アンテナを提案してきた。この誘電体コア・アンテナ
は、電極の形状によって周波数特性が変化し、また反応
起点を持つところに特徴がある。反応起点とは、誘電体
コア・アンテナに加える送信電力の周波数を高い方から
低い方へと変えていくときに観測される定材在波比が下
がり始める点をいう。こうした特徴を持つ誘電体コア・
アンテナの1つとして、出願人が提案した平成5年特許
願第220152号(平成5年9月3日出願、名称「ア
ンテナ素子及びそれを利用したアンテナ」、特開平7−
75427号公報参照)の誘電体コア・アンテナについ
て、図7により説明する。この誘電体コア・アンテナ1
00は、(イ)に示すとおり、貫通穴101を有する円
筒形の誘電体コア102の上下の面に電極103,10
4を形成し、更に、上下の電極103,104を接続す
るように貫通穴101の内面にも電極105を形成する
ようにしたもので、(ロ)は誘電体コアを除去したとき
の電極103〜105の形状を示している。この誘電体
コア・アンテナ100は(ハ)に実線で概略的に示すよ
うな周波数特性を有する。なお、点線は、電極103、
104に代えて、切り込み106を形成した形状の電極
103′、104′を用いたときの誘電体コア・アンテ
ナ100の周波数特性を示している。このことにより、
切り込み106を有する電極103′、104′の作用
で、あたかも電極103、106及び誘電体コア102
の直径を大きくしたのと同じような効果が生じているこ
とがわかる。換言すれば、同じ形状であっても切り込み
106が存在するだけで、特性の違う誘電体コア・アン
テナを得ることができる。
【0003】これに加えて、誘電体コア・アンテナ10
0は反応起点という特徴をも有する。(イ)に示す誘電
体コア・アンテナ100と、(ト)に示すような、誘電
体コア・アンテナ100に帯域を拡大する素材107を
装着した誘電体コア・アンテナ100′との周波数特性
を同じSWR−周波数平面上に描くと、(チ)に示すグ
ラフが得られる。なお、(チ)の実線は誘電体コア・ア
ンテナ100の周波数特性を、点線は誘電体コア・アン
テナ100′の周波数特性を示している。この(チ)に
示すグラフから、誘電体コア・アンテナ100と誘電体
コア・アンテナ100′とでは、定在波比(SWR)が
下がりきる周波数(共振点)は異なるが、送信周波数を
下げていくと、ほぼ同じ周波数で定在波比が下がり始め
る、即ち反応起点Sで定在波比が下がり始めることがわ
かる。これは、誘電体コア102、電極103、10
4、105によって誘電体コア・アンテナ100が作ら
れると、その反応起点Sが決まり、これに素材107を
追加すると、素材107は共振点を低い周波数側へ移動
させようと作用するため、結果的に、全体の共振周波数
帯域が広くなるものと考えられる。
【0004】(チ)に示す周波数特性のグラフは、
(イ)に示す誘電体コア・アンテナ100の給電線の長
さを変えることによっても得られる。(リ)に示すよう
に短い給電線で給電すると、誘電体コア・アンテナ10
0は(チ)の実線に示す周波数特性を示し、(ヌ)のよ
うに給電線を長くすると、誘電体コア・アンテナ100
の周波数特性は(チ)の点線で示すようになる。この場
合も、誘電体コア102、電極103、104、105
によって誘電体コア・アンテナ100が作られると、そ
の反応起点Sが決まり、給電線を長くすると、共振点が
低い周波数側へ移動し、全体の周波数帯域が広がるもの
と考えられる。
【0005】なお、既に説明したように、(ニ)に示す
ような切り込み106を上下の電極103、104の一
方又は両方に入れた場合、切り込み106の深さや形状
によって、共振周波数が低い方へ移動したり、複数の共
振点が生じたりする。これは、(ニ)に<−−−−−>
で示す距離によって周波数特性が決まるからであると考
えられる。この性質を利用すると誘電体コア・アンテナ
100の共振周波数を調整することができることは既述
のとおりである。
【0006】(ロ)に示す上下の円形の電極103、1
04は、(ホ)に示すように扇形を経て、(ヘ)に示す
矩形の電極へと変形させてもよいことに出願人は思い至
り、同出願人は平成7年3月22日に出願した平成7年
特許願第062346号(名称「三次元形状の誘電体コ
アを用いた小型アンテナ」)において別の誘電体コア・
アンテナを提案した。以下、この誘電体コア・アンテナ
について図8を参照しながら説明する。誘電体コア・ア
ンテナ200の基本構成は(イ)に示すとおりで、
(ロ)に示すような所定の誘電率を持つ直方体の誘電体
コア201を備える。該誘電体コア201の1組の対向
する面A、Bに直交する4つの面C〜Fのうちの3つの
面C、D、Eには、(ハ)に示す電極202〜204が
形成される。即ち、上下の1組の対向する面C、Eには
それぞれ第1及び第2の電極202、203が形成さ
れ、これらの対向面の間を連結する1つの面Dには、第
1と第2の電極202、203の間を連結する第3の電
極204が形成される。
【0007】この誘電体コア・アンテナ200も、概略
的に(ニ)に実線で示すとおりの周波数特性を示す。な
お、点線は電極204に(ホ)に示す切り込み205を
形成したときの誘電体コア・アンテナ200の周波数特
性を示している。(ニ)に示すグラフは、電極202〜
204の形状を変えないでも、切り込み205が存在す
ると、切り込み205の作用で結果的に電極204が長
くなり、電極202から電極204を経て電極203に
至る相対的な電極長が長くなったと考え得ること、した
がって、切り込み205の有無だけで週うう特性の違う
誘電体コア・アンテナを得ることが可能であることを示
している。
【0008】(イ)に示す誘電体コア・アンテナ200
と、(ヘ)に示すような、誘電体コア・アンテナ200
に帯域を拡大する素材206を装着した誘電体コア・ア
ンテナ200′との周波数特性を同じSWR−周波数平
面上に描くと、(ト)に示すグラフが得られる。なお、
(ト)の実線は誘電体コア・アンテナ200の周波数特
性を、点線は誘電体コア・アンテナ200′の周波数特
性を示している。このグラフも、送信周波数を下げてい
ったとき、ほぼ同一の周波数でSWRが下がり始めるこ
とを示しており、反応起点Sの存在を明示している。
【0009】(ト)に示すような、反応起点を有する周
波数特性は、誘電体コア・アンテナ200を給電する給
電線の長さを変えたときにも現れる。つまり、(チ)に
示すように給電線が短いときには、誘電体コア・アンテ
ナ200は(ト)の実線に相当する周波数特性を示し、
(リ)に示すように給電線が長いときには(ト)の点線
に相当する周波数特性を示す。
【0010】以上のことから、図7に示す誘電体コア・
アンテナ100及び図8に示す誘電体コア・アンテナ2
00は反応起点が存在する周波数特性を有する点で同じ
ものであることがわかる。しかし、反応起点は不動なも
のではなく、各種のパラメータによって多少変動するこ
ともある。
【0011】図7の(ハ)、(チ)及び図8の(ニ)、
(ト)に示す一連の周波数応答を利用して帯域の広い誘
電体コア・アンテナを実際に製作するに際しては、反応
起点の周波数と実際に使用する周波数との両方を考慮し
て帯域幅を決定する必要がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図7及び図8によって
説明した平成5年特許願第220152号及び平成7年
特許願第062346号に係る誘電体コア・アンテナの
特徴は、上下の電極103、104、202、203及
びこれらを連結する電極105、204を適宜の形状に
形成して任意の共振周波数を設定することができること
である。例えば、図7の誘電体コア・アンテナ100に
おいて上下の電極103、104の外周縁に更に導体薄
膜を接続したり、誘電体コア102の外周に更に電極を
設けたりして誘電体コア・アンテナ100の共振周波数
を所望の値に設定することができる。同様に、図8の誘
電体コア・アンテナ200においても、電極202、2
03、204のうちの任意のものの面積や形状を変えて
誘電体コア・アンテナ200の共振周波数を所望の値に
設定することができる。
【0013】しかしながら、こうして共振周波数を予め
設定した誘電体コア・アンテナ100、200を実際に
送信機や受信機に設置すると、誘電体コア・アンテナ1
00、200の周囲に配置される部品による影響や、送
信機や受信機を杷持するユーザーのボディ効果により、
予め設定した共振周波数が変動してしまうことがあると
いう問題があった。
【0014】この発明は、こうした従来の誘電体コア・
アンテナのうちの誘電体コア・アンテナ200の欠点を
解決することを主眼として成されたもので、簡単な構成
で共振周波数を容易に所望の値に設定することが可能
で、安定な特性を持つ小型な誘電体コア・アンテナを提
供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は、少なくとも一対の対向する第1及び
第2の面を有する三次元的な外面形状をなし、動作波長
に比して小型な誘電体コアと、前記誘電体コアの前記第
1の面上に形成された第1の電極と、前記誘電体コアの
前記第2の面上に形成された第2の電極と、前記第1の
電極及び前記第2の電極の一端間を連結する第3の電極
であって、前記第1の電極と前記第2の電極とに平行な
切り込みを有する第3の電極と、前記切り込みの対向す
る縁間に接続された可変容量素子と、を具備することを
特徴とする誘電体コア・アンテナを提供する。
【0016】前記可変容量素子に代えて、可変抵抗素
子、例えば、光の照射によって抵抗値を代える光可変抵
抗素子を用いることも可能である。
【0017】この発明に係る誘電体コア・アンテナにお
いては、前記第1の電極と前記第2の電極との形状を変
えることによって共振周波数を調節することが可能であ
り、また、少なくとも1個の周波数帯域拡大素子を誘電
体コア・アンテナに密着又は接近して設けてもよい。
【0018】
【作用】この発明に係る誘電体コア・アンテナにおいて
は、誘電体コアの外面に形成された電極を励振すること
によって、電極から放射が行われる。このとき、誘電体
コアの形状、誘電率、電極の形状や面積等の種々のパラ
メータによって、アンテナの共振周波数が決定される。
第3の電極に形成された切り込みに接続された可変容量
素子の容量又は可変抵抗素子の抵抗値を変化させると、
誘電体コア・アンテナの共振周波数が変化する。
【0019】
【実施の形態】図8に示す誘電体コア・アンテナ200
における電極204は、単に金属導体として動作するだ
けなので、電極204の代わりにリアクタンスを接続す
ることにより誘電体コア・アンテナ200の共振周波数
を下げることができる。更に、電極204の任意の個所
に上下の電極202、203に平行な切り込みを入れる
と、電極204の面積は減少するが電気長が増加するた
め、共振周波数を低下させることができる。これらの事
項については、既に出願人の認識するところであり、上
記の平成7年特許願第062346号において詳細に説
明されている。本願の発明は、こうした知見の上に立っ
て成されたものである。
【0020】以下、本発明に係る誘電体コア・アンテナ
の実施例とその具体例とを図面を参照して説明する。図
1の(イ)は、本発明に係る誘電体コア・アンテナの一
実施形態の構成を示す斜視図である。本発明に係る誘電
体コア・アンテナ1は、図7、図8において説明した誘
電体コア・アンテナと同様に、所定の誘電率を持つ直方
体の誘電体コア2を備え、誘電体コア2の上側の面上に
電極3が形成され、それと対向する下側の面に電極4が
形成される。即ち、上下の1組の対向する面にはそれぞ
れ第1及び第2の電極3、4が形成される。これらの対
向する面の間を連結する1つの面には、第1と第2の電
極3、4の間を連結する第3の電極5が形成される。な
お、誘電体コア2の大きさは、使用周波数の波長に較べ
て十分小さい。
【0021】第3の電極5の一方の縁から第1の電極3
及び第2の電極4に平行に、所定の長さと幅の切り込み
6が設けられ、この切り込み6の上下の縁の間を可変コ
ンデンサ7によって接続する。例えば、可変コンデンサ
7の容量は0,3pF〜2pFの間で変化する。
【0022】この誘電体コア・アンテナ1は、同軸ケー
ブル8の内部導体9を第2の電極4の所定の点に直接接
続することによって給電される。なお、この他にも、同
軸ケーブル8の内部導体9と外部導体10との間に結合
コイルを接続し、該結合コイルを介して誘導的に電極4
と同軸ケーブル8とを結合する方法、同軸ケーブル8の
内部導体9と外部導体との間に接続された結合コイルの
1つの点を第2の電極4に直結する方法、同軸ケーブル
8の内部導体9と外部導体10との間に接続された結合
コイルをコンデンサを介して第2の電極4と結合する方
法等、種々の給電方法を用いることが可能である。
【0023】一例を挙げると、誘電体コア・アンテナ1
の大きさは、図1の(ロ)に示すとおり、縦、横、高さ
がそれぞれ9mm、9mm、11mmであり、その誘電
率は35である。図2は、図1の(ロ)に示す形状の誘
電体コア・アンテナ1において切り込み6に接続された
可変コンデンサ7の容量を0,3pF〜2pFまで変化
させたときの周波数特性の変化を示す図である。図2に
おいて、線aは可変コンデンサ7の容量が2pFのとき
の、線dは可変コンデンサ7の容量が0,3pFのとき
周波数特性であって、線b、cは可変コンデンサ7の容
量がo,3pFと2pFとの間の2つの値を取ったとき
の周波数特性である。ここから、可変コンデンサ7の容
量を小さくするにつれて、誘電体コア・アンテナ1の共
振周波数を高い周波数の方へ移動させ得ることがわか
る。
【0024】更に、図3は、図1の(ロ)に示す誘電体
コア・アンテナ1の第1の電極3の上に、その誘電体コ
ア2と同じ誘電率で同じ大きさの誘電体コアを載置し、
可変コンデンサ7の容量を0,3pF〜2pFまで変化
させたときの周波数特性の変化を示す図である。図3に
おいて、線a′は可変コンデンサ7の容量が2pFのと
きの、線d′は可変コンデンサ7の容量が0,3pFの
とき周波数特性であって、線b′、c′は可変コンデン
サ7の容量がo,3pFと2pFとの間の2つの値を取
ったときの周波数特性である。ここからも、可変コンデ
ンサ7の容量を小さくするにつれて、誘電体コア・アン
テナ1の共振周波数を高い周波数の方へ移動させること
が可能であることがわかる。
【0025】したがって、誘電体コア・アンテナ1を送
信機や受信機に搭載した後に、周囲の部品の影響やボデ
ィ効果を打ち消すように可変コンデンサ7の容量を調整
することによって、誘電体コア・アンテナ1の共振周波
数を所望の値に設定することが可能となる。
【0026】なお、可変コンデンサ7に代えて、可変容
量ダイオードその他の任意の可変容量素子を用いること
ができることは言うまでもない。可変容量素子として、
電気的又は光学的に容量を調整できる素子を用いるなら
ば、誘電体コア・アンテナ1の共振周波数を遠隔制御す
ることが可能になる。
【0027】図4の(イ)は、この発明に係る誘電体コ
ア・アンテナの他の実施形態の構成を示す図である。な
お、図1と同じ構成要素には同一の参照数字が付されて
いる。この実施形態においては、可変コンデンサ7の代
わりに可変抵抗素子8を用いている点で図1の実施形態
とは相違する。可変抵抗素子8としては、通常は不導通
状態にあり、光の照射により導通する光可変抵抗素子
(例えばCdS)や、照射される光の強度に応じて抵抗
値を変化させる光可変抵抗素子を用いることができる。
【0028】図4の(ロ)は、可変抵抗素子8として、
その抵抗値が光の強度に応じて変わる光可変抵抗素子を
用いて、照射される光の強度に応じて誘電体コア・アン
テナ1の共振周波数を所望の値に設定することを可能に
したアンテナ装置を示している。可変抵抗素子8の抵抗
値は発光ダイオード9により照射される光によって制御
される。可変抵抗素子8と発光ダイオード9とは不透明
なケース10内に収容され、発光ダイオード9は増幅器
11を介して可変電圧回路12に接続される。可変電圧
回路12の出力端子からは、共振周波数に対応した所定
の電圧が出力される。したがって、この電圧を使って発
光ダイオード9の発光強度を制御することにより、可変
抵抗素子8の抵抗値を調整することができ、誘電体コア
・アンテナ1の共振周波数を変えることが可能になる。
【0029】図5は、図1の(ロ)に示す誘電体コア2
と同じ誘電率で同じ大きさの誘電体コアを使用し、光可
変抵抗素子8としてCdSを用いたときの誘電体コア・
アンテナ1の周波数特性の変化を示している。aはCd
Sに光を当てたときの、bはCdSに光を当てないとき
の周波数特性である。このグラフから、CdSに光を当
てるか当てないかによって、誘電体コア・アンテナ1の
共振周波数を移動させることが可能であることがわか
る。
【0030】更に、この発明に係る誘電体コア・アンテ
ナ1を搭載した無線機において外部から可変容量素子の
容量又は光可変抵抗素子の抵抗値を調整することができ
るようにしておくと、この無線機を海上と海中との両方
で使用することが可能になる。海水の誘電率は空気とは
異なるので、海上で設定した誘電体コア・アンテナ1の
共振周波数は海中では違う値になってしまう。そこで、
海中に入ったときに可変容量素子の容量又は光可変抵抗
素子の抵抗値を変えることによって、所望の周波数に共
振させることができる。
【0031】以上、この発明に係る誘電体コア・アンテ
ナを説明してきたが、第1及び第2の電極3、4の形状
を任意に変更することによって、誘電体コア・アンテナ
1の共振周波数を変化させることができる。図6はその
若干の例を示しており、(イ)は第1の電極3及び第2
の電極4の両端に更に第3の電極に平行な方向に延びる
導体薄膜を付加したもの、(ロ)は第1の電極3の一端
に第3の電極に平行な方向に延びる導体薄膜を付加した
もの、(ハ)は第1の電極3と第2の電極4とのいずれ
か又は両方の一部を削り取って長さを異ならせたもので
ある。第1〜第3の電極3〜5はメッキ、吹き付け、蒸
着、金属フィルムの貼着等の任意の方法で形成すること
ができる。誘電体コア2の材料は所望の誘電率を有する
ものであればよく、また、第1の電極3と第2の電極4
との垂直な断面での形状が正方形、矩形のほか、図6の
(ニ)に示すように台形でも、(ホ)、(ヘ)に示すよ
うに段を持つ形状であってもよい。第3の電極5は図6
の(ト)に示すように、第1の電極3及び第2の電極4
よりも幅狭であってもよい。更に、図6の(チ)に示す
ように、この発明の誘電体コア・アンテナに誘電体コア
13を密着配置すると、誘電体コア・アンテナの周波数
帯域を拡大することができる。誘電体コア13は誘電体
コア・アンテナのいずれの側面に密着させてもよい。な
お、簡単にするために、図6においては、電極のみを示
し、誘電体コアや可変容量素子、光可変抵抗素子は省略
した。
【0032】
【発明の効果】以上、説明したところから理解されると
おり、この発明は、誘電体コア・アンテナを送信機や受
信機等の無線機に搭載した後に、周囲の部品、使用者、
使用環境等による共振周波数のずれを打ち消すように可
変容量素子の容量又は可変抵抗素子の抵抗値を調整する
ことによって、誘電体コア・アンテナの共振周波数を所
望の値に容易に設定することができるという格別の効果
を奏する。特に、光可変抵抗素子を用いると、誘電体コ
ア・アンテナの共振周波数を遠隔制御によって調整する
ことが可能になる。
【0033】更に、誘電体コアの面上に複数の電極が形
成されているので、誘電体コア・アンテナの共振周波数
を調整する自由度が増大し、誘電体コア・アンテナの共
振周波数を広範囲にわたって高い方向へも低い方向へも
移動させることができる。つまり、所望の周波数のアン
テナを得ることが容易である。しかも、誘電体コアの面
上に電極を形成しただけの構成であるから、機械的に強
く、特性が安定なものを製作することが容易である。
【0034】断面が正方形、長方形、台形等の単純な四
角形である誘電体コアを使用した場合には、大きな平板
状の誘電体板から、所望の大きさと形状の誘電体コアを
切り出せばよいので、製作作業が単純化される。そのう
え、このアンテナは1個の個体部品として扱うことがで
きるので、アンテナチップとして高周波回路基板やキャ
ビティに組み込むことができ、無線機全体を一枚の基板
上にモジュール化することが容易である。したがって、
バンド幅の狭いスポット的な運用のマイクロ波等で使用
すると、高周波アンプの同調回路からアンテナまでを狭
帯域のデバイスとしてチップ化することができるので、
同調回路の部品数を減らすことができ、装置全体を小型
化することができる。
【0035】周波数帯域拡大素子を誘電体コア・アンテ
ナに装着することにより、誘電体コア・アンテナ単体の
周波数特性を変更でき、共振周波数を低くし周波数帯域
を拡大することが可能となるので、所望の形状の周波数
帯域拡大素子を所要の数だけアンテナの適宜の位置に配
置し、必要に応じて電極の大きさを変更することによ
り、目的とする周波数特性を持つ誘電体コア・アンテナ
を容易に実現することができるという格別の効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)は、この発明に係る誘電体コア・アンテ
ナの一実施形態の構成を概略的に示す図、(ロ)はこの
発明に係る誘電体コア・アンテナの具体例を示す斜視図
である。
【図2】図1の(ロ)に示す誘電体コア・アンテナにお
いて可変コンデンサの容量を変えたときの周波数特性の
変化を示すグラフである。
【図3】図1の(ロ)に示す誘電体コア・アンテナの上
に同形の誘電体コアを載置して可変コンデンサの容量を
変えたときの周波数特性の変化を示すグラフである。
【図4】(イ)は、この発明に係る誘電体コア・アンテ
ナの他の実施形態の構成を概略的に示す図、(ロ)は、
この実施形態の一応用例を示す図である。
【図5】図4の(イ)に示す誘電体コア・アンテナにお
いて光によってCdSの抵抗値を変えたときの周波数特
性の変化を示す図である。
【図6】(イ)〜(チ)は、図1及び図4に示す誘電体
コア・アンテナの形状の変形例を示す図である。
【図7】(イ)〜(ヌ)は、平成5年特許願第2201
52号において提案された誘電体コア・アンテナの構成
と特性を説明するための図である。
【図8】(イ)〜(リ)は、平成7年特許願第6234
6号において提案された誘電体コア・アンテナの構成と
特性を説明するための図である。
【符号の説明】
1:誘電体コア・アンテナ、 2:誘電体コア、 3:
第1の電極、4:第2の電極、 5:第3の電極、
6:切り込み、 7:可変コンデンサ、8:可変抵抗素

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一対の対向する第1及び第2
    の面を有する三次元的な外面形状をなし、動作波長に比
    して小型な誘電体コアと、 前記誘電体コアの前記第1の上に形成された第1の電極
    と、 前記誘電体コアの前記第2の面上に形成された第2の電
    極と、 前記第1の電極及び前記第2の電極の一端間を連結する
    第3の電極であって、前記第1の電極と前記第2の電極
    とに平行な切り込みを有する第3の電極と、 前記切り込みの対向する縁間に接続された可変容量素子
    と、を具備することを特徴とする誘電体コア・アンテ
    ナ。
  2. 【請求項2】 少なくとも一対の対向する第1及び第2
    の面を有する三次元的な外面形状をなし、動作波長に比
    して小型な誘電体コアと、 前記誘電体コアの前記第1の面上に形成された第1の電
    極と、 前記誘電体コアの前記第2の面上に形成された第2の電
    極と、 前記第1の電極及び前記第2の電極の一端間を連結する
    第3の電極であって、前記第1の電極と前記第2の電極
    とに平行な切り込みを有する第3の電極と、 前記切り込みの対向する縁間に接続された可変抵抗素子
    と、を具備することを特徴とする誘電体コア・アンテ
    ナ。
  3. 【請求項3】 前記可変抵抗素子が光の照射によって抵
    抗値を変える光可変抵抗素子であることを特徴とする請
    求項2記載の誘電体コア・アンテナ。
  4. 【請求項4】 前記第1の電極と前記第2の電極との形
    状を変えることによって共振周波数を調節することを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の誘電体コ
    ア・アンテナ。
  5. 【請求項5】 更に、少なくとも1個の周波数帯域拡大
    素子を密着又は接近して設けたことを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか1つに記載の誘電体コア・アンテナ。
JP20545495A 1995-08-11 1995-08-11 三次元形状の誘電体コアを用いた小型アンテナ Pending JPH0955619A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20545495A JPH0955619A (ja) 1995-08-11 1995-08-11 三次元形状の誘電体コアを用いた小型アンテナ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20545495A JPH0955619A (ja) 1995-08-11 1995-08-11 三次元形状の誘電体コアを用いた小型アンテナ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0955619A true JPH0955619A (ja) 1997-02-25

Family

ID=16507155

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20545495A Pending JPH0955619A (ja) 1995-08-11 1995-08-11 三次元形状の誘電体コアを用いた小型アンテナ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0955619A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010057048A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Panasonic Corp アンテナ装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010057048A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Panasonic Corp アンテナ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100538770B1 (ko) 면실장 안테나 제조방법 및 그 안테나를 포함한 무선 통신기
KR100799875B1 (ko) 칩 안테나 및 이를 포함하는 이동통신 단말기
US6903692B2 (en) Dielectric antenna
CA2181887C (en) Microstrip antenna device
KR101242389B1 (ko) 메타물질 하이브리드 패치 안테나 및 그 제조 방법
JP2004166242A (ja) 表面実装型アンテナおよびそれを用いたアンテナ装置および通信装置
KR100444217B1 (ko) 표면실장형 칩 안테나
KR20130000459A (ko) 방사효율을 향상시키고 신호간섭을 방지하는 차량용 방송안테나 및 이를 내부에 구비하는 차량용 샤크핀 안테나 장치
JP2010098742A (ja) インピーダンス同調の間隙を含むループ・アンテナ、及び関連した方法
US20100090924A1 (en) Spiraling Surface Antenna
JPH11274845A (ja) アンテナ装置
JP2006340202A (ja) アンテナ装置およびこれを備えた無線通信装置
JPS5829204A (ja) 容量可変能動素子装荷マイクロストリップアンテナ
JPH0955619A (ja) 三次元形状の誘電体コアを用いた小型アンテナ
JP3042386B2 (ja) 表面実装型アンテナおよびこれを用いた通信機
JP2004274223A (ja) アンテナとそれを用いた電子機器
KR20070020041A (ko) 라디오 주파수 신호를 교환하기 위한 안테나를 포함하는디바이스
WO2005107008A1 (en) Aperture antenna element
WO2021060974A1 (en) Antenna device which is suitable for wireless communications according to a 5g network standard, rf transceiver containing an antenna device, and method for use in wireless communications according to a 5g network standard
JP3460887B2 (ja) 無線機
JP2003087050A (ja) スロット型ボウタイアンテナ装置、および、その構成方法
EP0997966B1 (en) Resonator having a variable resonance frequency
JP3187853B2 (ja) 渦巻きアンテナ及びこのアンテナを用いたアレ−アンテナ
JP2003249810A (ja) 多周波アンテナ
JP2003347837A (ja) 平面アンテナ装置