JPH0953301A - 固化性塑造材製構造体およびその構築方法 - Google Patents
固化性塑造材製構造体およびその構築方法Info
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- JPH0953301A JPH0953301A JP16660396A JP16660396A JPH0953301A JP H0953301 A JPH0953301 A JP H0953301A JP 16660396 A JP16660396 A JP 16660396A JP 16660396 A JP16660396 A JP 16660396A JP H0953301 A JPH0953301 A JP H0953301A
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Abstract
ひび割れが発生しない強固な固化性塑造材製構造体の提
供。 【構成】 環状の筋材2を所定間隔でオーバラップさせ
て配置し、これらをコンクリート14中に埋設する。
Description
造物および建築構造物における、合理的なコンクリート
等の固化性塑造材の補強用筋材と、固化性塑造材製構造
体と、その構築方法に関するものである。
体は、鉄筋等の筋材を所定間隔で碁盤の目状に縦,横
に、かつ平面状に配筋した構造とされている。このよう
に、コンクリート床版や壁体等に使用される筋材は、直
線材であるため筋材の運搬,筋材の配置等の作業性の面
からその長さが制限され、短い筋材を現場で継なぎ合わ
せて使用しなければならない。
れるように従来のコンクリート床版7では、筋材6を所
定間隔で碁盤の目状に縦,横に交叉させ、かつ平面状に
配置した構造となされている。このようなコンクリート
床版7の構造は、当該コンクリート床版7上を走行する
例えば自動車の車輪圧等の集中荷重圧Pにより平面的な
広がりをもってあらゆる方向に断面力が発生する。これ
に対して前記従来の技術では、前記の碁盤の目状に縦,
横に平面状に配置した筋材6により集中荷重圧の発生力
に対して2方向の補強を行っているのみであり、均等な
面的補強がなされていない。
筋材6による二方向の補強は、コンクリート29に対す
る周辺からの拘束力が小さいため、コンクリート床版7
はせん断耐力や疲労耐力が小さい。また、コンクリート
29の硬化時の収縮や乾燥による収縮によって発生する
収縮力に対する補強抵抗が小さいことから、特に道路,
橋梁用ではコンクリート床版7に亀裂8が発生し問題と
なっている。
は2方向からの荷重を想定して、筋材を碁盤目状に配置
して2方向からの補強を行っているのみであるが、特に
地下構造などの壁体には、実際には平面的な広がりをも
ってあらゆる方向から荷重が作用すると考えられる。し
かしながら均等な面補強はなされていない。
材による2方向の補強は、コンクリートに対する周辺か
らの拘束力が小さいためコンクリート壁は剪断耐力の疲
労耐力が小さい。
用いるため運搬,筋材の配置等の作業性の限界から筋材
の長さが制限され、短尺の筋材6を使用しなければなら
ず、そのため筋材6同士の連結部15が多くなり、この
連結部分が構造上の欠陥となりやすい。
配置する配筋作業には、多くの人手と、厳しい労働を必
要としている。
クリート床版,壁体等の固化性塑造材製構造およびその
構築方法を提供することを目的とする。
め、本発明では、環状の筋材2を所定間隔でオーバラッ
プさせて平面状に配置し、これらをコンクリートまたは
モルタルからなる固化性塑造材12中に埋設する。前記
環状の筋材2は、鉄筋又は繊維強化樹脂で構成するとよ
い。また本発明では、環状の筋材2を所定間隔でオーバ
ラップさせて配置し、前記環状の筋材2によって形成さ
れる閉空間16と、前記オーバラップによって形成され
る閉空間17にコンクリートまたはモルタルからなる固
化性塑造材12,12aを充填することにより、床版,
壁体等の固化性塑造材製構造体1を均等に補強すると同
時に、充填されるコンクリートまたはモルタルからなる
固化性塑造材12,12aを拘束するものである。
ト等の固化性塑造材の強度は、拘束を受けない場合に比
べて高い強度を発揮することが知られており、この特性
の利用方法としては、従来例として図21に示される鉄
筋コンクリート製の柱9や、梁(図示せず)において使
用されている主筋11間を連結する帯筋10があり、柱
9や梁では、帯筋10内のコンクリート29の強度が高
くなると同時に、この柱9や梁に破壊荷重が作用して
も、当該柱9や梁が急激に破壊することがなく徐々に破
壊する靱性を与えることができる。
すコンクリート床版7や壁体では、面的な構造物である
ため、そこには帯筋10のごときものは存在せず、した
がって、従来は筋材を碁盤の目状に配置する方法が採用
されているが、この従来の方法では、帯筋10と同様な
役割を果たすべき筋材が配置されていないことから高強
度化ができていない。
り円形に閉合された鉄筋又は、繊維強化樹脂からなる筋
材2を、所定間隔でその一部がオーバラップするように
して配置することにより、コンクリートまたはモルタル
からなる固化性塑造材12,12aを拘束して強度を向
上するとともに、破壊時に靱性を向上させることが可能
となったものである。
されるとおり、互いに嵌合してチェーン状に連鎖形成し
てもよい。また、図11に示されるようにオーバラップ
して複数段に平面状に配置される円形閉合された筋材2
または上下方向または左右方向に隣り合う円形閉合され
た筋材2の前記オーバラップにより形成される閉空間1
7にせん断補強部材5を介在させてもよい。
立の筋材2を用いる代りに、図8に示される扁平スパイ
ラル形状の長尺筋材3を複数オーバラップさせて平面的
に配置し、長尺筋材3により形成される閉空間18とオ
ーバラップにより形成される閉空間19にコンクリート
またはモルタルからなる固化性塑造材12,12aを充
填することによって、コンクリート等の固化性塑造材製
床版のような面的な構造物にも同様な効果を得ることが
可能である。
筋からなる環状の筋材2aと、繊維強化樹脂からなる環
状の筋材2bを配設領域を分けて、それぞれ所定間隔で
オーバラップさせて配置し、これらをコンクリートの固
化性塑造材12中に埋設して壁体30を構成し、この壁
体30をシールド用掘進機の発進又は到達用立坑を構成
する壁体とし、前記繊維強化樹脂からなる環状の筋材2
aで補強される壁体部分を、前記掘進機で切削される被
切削壁体部分として構成することができる。
る閉空間16と、複数段に平面状に配置される筋材2の
オーバラップにより形成される閉空間17にもそれぞれ
コンクリートまたはモルタルからなる固化性塑造材1
2,12aが充填されることで、各閉空間16,17に
充填されたコンクリート等の固化性塑造材12,12a
が筋材2により拘束され、かつ前記環状の筋材2同士の
連結が堅固となり、簡単な配筋作業になると共に、コン
クリートまたはモルタルからなる固化性塑造材12の打
設作業により、各閉空間16,17にもコンクリートま
たはモルタルからなる固化性塑造材12,12aを充填
して、非常に強固な固化性塑造材製構造体が構成され
る。
状の長尺筋材3により形成される閉空間18と、平面状
に配置される前記長尺筋材3のオーバラップにより形成
される閉空間19にコンクリートまたはモルタルからな
る固化性塑造材12,12aを充填することで、前記と
同様に、前記各閉空間18,19内の前記コンクリート
またはモルタルからなる固化性塑造材12,12aが拘
束され、かつ前記扁平スパイラル形状の長尺筋材3同士
の連結が強固となり、非常に強固なコンクリート、モル
タル等の固化性塑造材製の床版、壁体等の構造体が簡単
な配筋作業で構成される。
属、たとえば鉄、鋼、棒鋼、線材或いはその他の金属材
料が使用されるが、前述のようにこれに限らず筋材2b
を、繊維強化樹脂(FRP:Fiber Reinforced Plastic
s)によって構成してもよく、このFRP筋材で補強され
た構造体は切削が容易であるので、一旦構築した後、再
度切削や掘削することが想定される床版,壁体などの構
造体に使用するとき、その切削や掘削作業性が向上す
る。
照して説明する。まず、本発明の実施の形態に対する比
較例として示す図13には、鉄筋を円形に加工形成する
と共に、鉄筋材の端部相互を溶接により固着して、円形
閉合した筋材2を構成し、前記円形閉合された筋材2の
中心が縦,横碁盤の目状に連なるように平面状に並べら
れ、かつ互いに隣接した状態が示されている。このよう
な筋材2の平面状の配列のもとでコンクリート等の固化
性塑造材を打設するとき、円形閉合の筋材2内にコンク
リートまたはモルタルからなる固化性塑造材12が充填
される一方で、何れの円形閉合した筋材2にも拘束され
ていないコンクリート等の固化性塑造材13が生じてし
まう。
図13に示されるような多数の円形閉合された筋材2の
中心が平面から見て碁盤の目状配列を変更し、図1およ
び図2に示すように当該筋材2が縦(前後方向),横
(左右方向)方向に一部重合するように複数段平面状に
配列したうえ、コンクリートまたはモルタルからなる固
化性塑造材12,12aを打設してコンクリートまたは
モルタルからなる床版,壁体等の固化性塑造材製構造体
1を構成した例が示されている。前記筋材2は、本発明
では例えば鉄筋又は、繊維強化樹脂のいずれかで構成さ
れる。なお、環状の筋材2を、繊維強化樹脂で構成する
には、図17、図18を参照して後述するように、繊維
を螺旋状に巻回して1回又は数回トラバースして筒状と
し、この筒状の繊維に樹脂を含浸,埋設して筒状体を構
成し、この筒状体を長手方向に所定幅で切断することで
構成できる。
るコンクリートまたはモルタルからなる固化性塑造材
は、円形閉合された前記筋材2内の閉空間16と、上下
に隣り合う円形閉合された筋材2同士のオーバラップに
より形成された部分の閉空間17にも充填するように打
設されるので、結果として、コンクリートまたはモルタ
ルからなる床版や壁体などの固化性塑造材製構造体1を
構成すべく打設されるすべてのコンクリートまたはモル
タルからなる固化性塑造材12,12aが円形閉合され
た筋材2で拘束され、したがって、比較例として図13
に示されるようないずれの円形閉合された筋材2にも拘
束されないコンクリートまたはモルタルからなる固化性
塑造材13の存在をなくすることができる。
円形閉合された筋材2を、その隣り合う筋材2が同一平
面上において接触するようにして、第1筋材層20を構
成し、その第1筋材層20の上面に前後方向にのみ筋材
2の半径分(半ピッチ分)ずらした状態で、第1筋材層
20と同様な構成の第2筋材層21を形成して、複数の
筋材層からなる複合筋材層27を構成する方法がある。
コンクリート床版,壁体等の固化性塑造材製構造体1を
構築する場合の一例として、例えば、図2に示すよう
に、所定厚の下部コンクリート層25を型枠内に打設形
成した後、下部コンクリート層25の固化前で、かつ下
部コンクリート層25が各筋材層20,21を支持でき
る所定の強度に達する適当時間後に、各筋材層20,2
1を設置した後、各閉空間16,17にも充填すると共
に各筋材層20,21を埋込むように、上部コンクリー
ト層26を打設する。そしてこのような工程を繰り返し
て、図3に示すように、固化性塑造材製構造体1の内部
に、各筋材層20,21からなる複合筋材層27を埋込
み形成したコンクリート床版,壁体等の塑造材製構造体
1を築造する。
ト製床版,壁体等の塑造材製構造体1では円形閉合され
た筋材2により、コンクリート床版,壁体等の塑造材製
構造体1が全ての方向について一様に補強された構造で
あり、従来のコンクリート床版,壁体等の塑造材製構造
体に比べ強度が高く、ひび割れ発生を防止できるコンク
リート床版,壁体等の塑造材製構造体を供給することが
可能である。
より構成すれば、筋材2とコンクリート等の塑造材料と
の付着性能が一段と向上し、さらに強度が高く、ひび割
れの発生を防止できるコンクリート等の塑造材製床版が
提供される。筋材2を繊維強化樹脂で構成する場合にお
いても、その形状を異形断面形状とすることにより、前
記異形鉄筋の場合と同じ作用効果が得られる。
るコンクリート床版,壁体等の塑造材製構造体1よりも
さらに高強度化するために、発明の第2の実施の形態と
して図4に示すように、円形閉合された筋材2をその中
心を半径分だけ縦(前後方向)または横(左右方向)に
ずらしながら複数段平面状に配列することにより、強固
なコンクリート床版,壁体等の塑造材製構造体を築造す
ることが可能となる。
円形閉合された筋材2を、その隣り合う筋材2が同一平
面上において接触するようにして、第1筋材層20を構
成し、その第1筋材層20の上面に左右方向にのみ筋材
2の半径分(半ピッチ分)をずらした状態で、第1筋材
層20と同様な構成の第2筋材層21を形成し、その第
2筋材層21の上面に、前後方向にのみ半ピッチ分ずら
した状態で、第3筋材層22を形成し、次いで前後方向
および左右方向の両方向に半ピッチ分ずらした状態で第
4筋材層23を形成して、複数の筋材層からなる複合筋
材層27を構成する方法がある。
合、隣り合う円形閉合された筋材2相互を番線または連
結金具等により予め連結して構成しておくとよい。
に、上下に隣り合う各筋材層20〜23を番線等により
結合しておいてもよい。
して、所定厚に打設された下部コンクリート層が所定強
度に達した後で固化前に、円形閉合された筋材2により
構成された第1ないし第4筋材層を順次重ねるように配
設した状態が縦断側面図で示されている。
て示される固化性塑造材製構造体1の内部に複合筋材層
27が2段埋込み成形された構造体1が断面図で示され
おり、先の実施の形態と同一要素に同一符号を付して説
明する。
イラル形状の長尺筋材3が示されている。図8には発明
の第4の実施の形態として、前記扁平スパイラル形状の
長尺筋材3をずらしながら平面配置して補強された固化
性塑造材製構造体1が断面図で示されている。本実施の
形態では、図1または図4の円形閉合した筋材2の平面
配列の代りに、図7の扁平スパイラル形状の長尺筋材3
をずらしながら平面状に配置しているが、その補強効果
は、円形閉合した筋材2を用いた場合と同じである。
作する場合、コイル状の鋼製螺旋線材等を扁平に引き伸
ばした状態で、その線材の交差重合部または線材相互の
接触部分を溶接または番線等により結合する。なお、コ
イル状の線材等を引き延ばした状態で平面状に配置し又
は、その状態で平面状にオーバーラップするようにずら
して配置した際、閉空間が形成され維持される場合に
は、線材の交差重合部或いは相互の接触部を溶接又は番
線による固定を省略しても良い。
る閉空間18および平面状にオーバラップするようにず
らして配置される扁平スパイラル形状の長尺筋材3相互
の重合部分により形成される閉空間19には、コンクリ
ートまたはモルタルからなる固化性塑造材12,12a
充填されるようにして床版が構築される。
1,第2実施例の円形閉合された筋材2の代りに扁平ス
パイラル形状の長尺筋材3を使用することで、筋材の配
筋敷設作業の自動化,省力化が容易となるという利点が
付加される。
円形閉合された筋材2または、扁平スパイラル形状の長
尺筋材3を用いたコンクリート床版,壁体等の塑造材製
構造体1の補強構造では、補強する各筋材2,3の量が
多量の場合には、床版等の構造体の破壊は、円形閉合さ
れた筋材2や長尺筋材3に囲まれたコンクリートまたは
モルタルからなる固化性塑造材12,12aのせん断破
壊耐力によって決まる。
剪断破壊によるコンクリート床版,壁体等の塑造材製構
造体1の耐破壊力を更に向上させるには、各筋材2同士
を筋材の交差重合部相互の接触部において溶接又は、番
線により結合することが望ましい。円形閉合された筋材
2の場合には特に好ましい。
る、隣り合う筋材2を連結してチェーン状に連続した筋
材4が示されている。このようなチェーン状に連続した
筋材4を用いて、図1に示されるような平面状に配列の
構成にしてコンクリート床版,壁体等の塑造材製構造体
1の補強構造とすることにより、二つの円形閉合された
筋材2に囲まれたコンクリートまたは、モルタルからな
る固化性塑造材12,12aがせん断破壊した場合であ
っても、筋材2同士が連続しているため、コンクリート
床版,壁体等の塑造材製構造体1の急激な破壊を防止す
ることが可能である。
に示す扁平スパイラル形状の連続した長尺筋材3を用い
ることによっても同様に得られる。
筋材2に囲まれたコンクリートまたは、モルタルからな
る固化性塑造材12,12aのせん断耐力を向上させる
他の方法として、図10に示すせん断補強部材5を用い
て補強を行った例が発明の第5の実施の形態として示さ
れている。この第5の実施の形態では、二つの円形閉合
された筋材2のオーバラップした部分に囲まれた閉空間
17のコンクリートまたはモルタルからなる固化性塑造
材12aの中に、断面L字状の鋼材からなるせん断補強
部材5を隣り合う筋材2の対向する交差部にわたって配
置することで、このせん断補強部材5によりオーバラッ
プした二つの円形閉合された筋材2同士が連鎖状に結合
され、コンクリート床版,壁体等の塑造材製構造体1の
強度(せん断耐力)を飛躍的に向上させることが可能と
なる。
れるような断面L字型をした山形鋼等の鋼材に特定され
ず、せん断補強を目的として配置される鋼材の形状は、
コ字型,I字型等の断面形状の鋼材を用いても何ら不具
合は生じない。要するに、互いにオーバラップして多段
状に平面状に配置される円形閉合された筋材2の閉空間
17にせん断補強部材5が介在することにより、このせ
ん断補強部材5に係止されて隣合う円形閉合された筋材
2同士が離間しない構造であればよい。
ある場合は、図12に示すように、複数の環状の筋材2
からなる筋材層20単体を傾斜させると共にオーバーラ
ップさせて、ほぼ平面状に配置してもよい。
れる円形閉合された筋材2を連結する手段として、図
9,図11に示す発明の第5の実施の形態のほかに、番
線または略Ω形状のクリップ金具(図示せず)を用いて
隣合う筋材2同士を連結してもよい。
の形態として鉄筋又は、繊維強化樹脂からなる環状の筋
材2で補強された固化性塑造材製構造体の他の具体例と
して壁体30が示されている。この壁体30を現場施工
で構築するには、図示省略する型枠内,掘削溝内等にお
いて任意の保持手段で、前記環状の筋材2を複数垂直面
でオーバラップさせた状態に保持しておき、環状の筋材
2が埋設されるように型枠内,掘削溝内などにおいて、
コンクリート等固化性塑造材12を打設して構築する。
は、例えば各筋材2同士を連結する。この場合、筋材2
が鉄筋であるときは、各筋材2同士を溶接又は結束のい
ずれかで連結できる。筋材2が繊維強化樹脂からなる場
合は、各筋材2同士を結束する。鉄筋の筋材2の結束に
はなまし鉄線を使うのがよい。また繊維強化樹脂の環状
筋材2同士の結束には、樹脂、繊維強化樹脂などの非金
属系材料からなる紐、帯、線などを結束材料として用い
ることができる。更に、繊維強化樹脂製の環状筋材2の
場合は、鉄筋等の結束に通常使われるなまし鉄線程度の
ものを使用することもできる。
2を、その最上部で吊下げ支持し、型枠内や掘削溝内に
建込んでゆき、つづいて前述のとおりコンクリート等固
化性塑造材12を打設するとよい。
の環状筋材2が繊維強化樹脂からなり、これらが横方向
に複数層重層配置するときは、必要に応じて各図に示す
ように繊維強化樹脂からなる補強筋32を用いて横方向
に位置する筋材2同士を連結し、相互間に間隔が適正に
保持されるように構成するのがよい。
して、鉄筋からなる環状の筋材2aと、繊維強化樹脂か
らなる筋材2bを組合わせて、これらで補強された固化
性塑造材製構造体の具体例としての壁体30が断面で示
されている。特にこの第7の実施の形態では、鉄筋から
なる環状の筋材2aと、繊維強化樹脂からなる環状の筋
材2bの配設領域を分けて、それぞれ所定間隔でオーバ
ラップさせて配置し、これらをコンクリートの固化性塑
造材12中に埋設して壁体30を構成している。
ルド用掘進機の発進又は到達用立坑を構成する壁体と
し、前記炭素繊維を主とした繊維強化樹脂からなる環状
の筋材2aで構成される部分を前記掘進機で切削される
被切削壁体部分として構成することができる。
繊維,アラミド繊維等によって強化した樹脂を使用する
ことができる。図17,図18には、繊維強化樹脂(F
RP)の一例として、強化繊維に炭素繊維を用いた炭素
繊維強化樹脂(CFRP:Carbn Fiber Reinforced Pl
astics) からなる環状の筋材2bが示されている。この
CFRPの筋材2bを製作するには、先ず長尺の炭素繊
維33の連続繊維を螺旋状に巻き、そしてこれを1回な
いし複数回トラバースしながら筒状とし、炭素繊維33
に樹脂を含浸させ、または樹脂を含浸させた上で、さら
に繊維が埋設されるようにして長尺筒体を構成し、この
長尺筒体を所定幅で輪切り状に切断することで容易に製
作できる。このようにして構成された繊維強化樹脂の環
状の筋材2bは、炭素繊維33の連続繊維が円周(軸)
方向に存在するので、鉄筋に匹敵する高弾性率の環状筋
材を得ることができ、かつ被切削性に優れている。な
お、これらの繊維強化樹脂は上記のような単一の繊維で
強化したものに限らず、炭素繊維とガラス繊維或いは、
炭素繊維とアラミド繊維といったように複数の種類の繊
維によって強化した樹脂を用いても良い。たとえば、円
周(軸)方向を炭素繊維とし、軸方向以外の繊維配向や
軸方向にあって繊維と樹脂との密着を良くするための機
能を与えるために、ガラス繊維を補強繊維として用いる
こともできる。なお、強化繊維として炭素繊維或いはア
ラミド繊維を用いると、ガラス繊維のようにコンクリー
トのアルカリに侵されることもないので、長期間の耐久
性を要する場合には好ましい。
弾性率の高いものが得やすい半面、小さな歪に対しても
発生応力が高く、特に曲線形状のものは応力がその曲率
半径に大きく依存する。例えば矩形の隅角部の曲げ半径
の小さいものでは、隅角の曲げ加工部の応力が高くなり
すぎて適用が効率的ではないが、環状の場合は材料の曲
率半径を大きく取った状態で、環状の筋材を得ることが
できるため、強固の優れた筋材となる。また、このFR
P筋材は軽量であるため施工作業が容易であるほか、被
切削性が金属に比べてよいため、FRP筋材を用いて構
築した床版或いは壁体などの構造体を再度切削、掘削さ
る際の作業性のにも優れている。
施工作業が容易であるほか、被切削性が金属に比べてよ
いため、前述のようにCFRP筋材を用いて構築した床
版或いは壁体を再度切削、掘削する際の作業性にも優れ
ている。
が円形閉合された例として真円形のものが示されている
が、本発明はこのような形状に限定されず、無端状に閉
合されていれば、楕円形等の非円形のリングであっても
構わず、要するに、両端が閉じた環状の筋材であれば本
発明の実施の形態における所期の効果を奏することがで
きる。
造体とその構築方法によると、環状の筋材2又は、扁平
スパイラル形状の長尺筋材3をオーバラップさせながら
配置し、前記環状の筋材2又は、扁平スパイラル形状の
長尺筋材3によって形成される閉空間16,18及び、
オーバラップにより形成される閉空間17,19にコン
クリートまたはモルタルからなる固化性塑造材12,1
2aを打設することにより、前記環状の筋材2や長尺筋
材3によりコンクリートまたはモルタルからなる固化性
塑造材12,12aが拘束され、かつコンクリートまた
はモルタルからなる固化性塑造材12,12aを介して
各環状の筋材2同士や、長尺筋材3同士が強固に結合さ
れるので、従来のコンクリート等の塑造材製床版,壁
体、その他の構造体の問題点であったコンクリートまた
はモルタル等のひび割れの発生を防ぎ、かつ、簡易な配
筋作業により高強度で経済的な固化性塑造材製構造体を
供給することが可能となる。
強化樹脂で構成することにより、この環状筋材で補強さ
れた構造体は、強靱にしてなおかつ切削可能であり、特
に、一旦構築した後、再度掘削することが想定される床
版や、トンネル掘進用立坑におけるシールド掘進機の発
進,到達部の壁体等の部分は、繊維強化樹脂からなる環
状筋材を用い、その他の部分は金属製例えば鋼製の環状
筋材を用いて構築しておくことにより、掘削する部分の
掘削作業性が向上するという効果がある。
した筋材で補強されたコンクリート床版を示す説明図で
ある。
強度に達した後で固化前に、円形閉合された筋材により
構成された第1および第2筋材層を重ねるように配設し
た状態を示す縦断側面図である。
製構造体を示す側面図である。
た筋材の他の平面配置例により補強された固化性塑造材
製構造体を示す図である。
強度に達した後で固化前に、円形閉合された筋材により
構成された第1ないし第4筋材層を順次重ねるように配
設した状態を示す縦断側面図である。
材製構造体を示す側面図である。
る。
パイラル形状の長尺筋材をずらしながら平面配置して補
強された固化性塑造材製構造体を示す図である。
を示す図である。
合した筋材の平面配置に図10のせん断補強部材を組合
せた配置の固化性塑造材製構造体を示す説明図である。
方法を説明するための側面説明図である。
配置例の説明図である。
樹脂からなる環状の筋材で補強された固化性塑造材製構
造体を示す図である。
なる環状の筋材と、繊維強化樹脂からなる筋材を組合わ
せて、これらで補強された固化性塑造材製構造体を示す
断面説明図である。
ある。
ート床版の説明図である。
ひび割れの状態を示す断面説明図である。
た帯筋の配設状態を示す斜視図である。
性塑造材 16 閉空間 17 閉空間 18 閉空間 19 閉空間 20 第1筋材層 21 第2筋材層 22 第3筋材層 23 第4筋材層 24 コンクリート床版 25 下部コンクリート層 26 上部コンクリート層 27 複合筋材層 28 型枠 29 コンクリート 30 壁体 32 補強筋 33 連続炭素繊維
Claims (13)
- 【請求項1】 環状の筋材2を所定間隔でオーバラップ
させて配置し、これらをコンクリートまたはモルタルか
らなる固化性塑造材12中に埋設したことを特徴とする
固化性塑造材製構造体。 - 【請求項2】 前記環状の筋材2は、鉄筋又は、繊維強
化樹脂のいずれかで構成されることを特徴とする請求項
1記載の固化性塑造材製構造体。 - 【請求項3】 鉄筋からなる環状の筋材2aと、繊維強
化樹脂からなる環状の筋材2bとを配設領域を分けて、
それぞれ所定間隔でオーバラップさせて配置し、これら
をコンクリートまたはモルタルからなる固化性塑造材1
4に埋設したことを特徴とする固化性塑造材製構造体。 - 【請求項4】 環状の筋材2を所定間隔でオーバラップ
させて配置し、前記環状の筋材2によって形成される閉
空間16と、前記オーバラップによって形成される閉空
間17にコンクリートまたはモルタルからなる固化性塑
造材12,12aを充填した請求項1に記載の固化性塑
造材製構造体。 - 【請求項5】 環状の筋材2が円形閉合された筋材であ
る請求項1ないし4のいずれかに記載の固化性塑造材製
構造体。 - 【請求項6】 複数の前記環状の筋材2がチェーン状に
連って構成されている請求項1ないし5のいずれかに記
載の固化性塑造材製構造体。 - 【請求項7】 前記筋材2のオーバラップにより形成さ
れる閉空間17に、せん断補強材5を介在させている請
求項1ないし6のいずれかに記載の固化性塑造材製構造
体。 - 【請求項8】 長尺筋材3を扁平スパイラル形状とし、
当該長尺筋材3を所定間隔ずらしながらオーバラップさ
せて配置し、これらをコンクリートまたはモルタルから
なる固化性塑造材12中に埋設したことを特徴とする固
化性塑造材製構造体。 - 【請求項9】 扁平スパイラル形状の長尺筋材3によっ
て形成される閉空間18と、前記オーバラップによって
形成される閉空間19にコンクリートまたはモルタルか
らなる固化性塑造材12を充填した請求項8に記載の固
化性塑造材製構造体。 - 【請求項10】 前記固化性塑造材12によって構成さ
れる構造体は、床版又は壁体である請求項1ないし9の
いずれかに記載の固化性塑造材製構造体。 - 【請求項11】 請求項3に記載の構造体が、掘進機の
発進又は到達用立坑を構成する壁体であり、この壁体に
おいて、前記掘進機による被切削用壁を補強する筋材
が、前記繊維強化樹脂からなる環状の筋材2bで構成さ
れ、前記被切削用壁の周囲の壁を補強する筋材が前記鉄
筋からなる環状の筋材2aから構成されることを特徴と
する固化性塑造材製構造体。 - 【請求項12】 鉄筋又は繊維強化樹脂からなる環状の
筋材2又は、扁平スパイラル形状の長尺筋材3をオーバ
ラップさせてに配置し、次いでコンクリートまたはモル
タルからなる固化性塑造材12を打設して床版又は壁体
等の構造体1を構成することを特徴とする固化性塑造材
製構造体の構築方法。 - 【請求項13】 型枠内に所定量のコンクリートまたは
モルタルからなる固化性塑造材12を充填し、その上に
前記扁平スパイラル形状の長尺筋材3を配置し、次にこ
の長尺筋材3の上に所定量のコンクリートまたはモルタ
ルからなる固化性塑造材12を打設して床版又は壁体等
の構造体1を形成することを特徴とする請求項12に記
載の固化性塑造材製構造体の構築方法。
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KR101385269B1 (ko) * | 2005-11-04 | 2014-04-16 | 리포스테크 에이에스 | 보강된 콘크리트 구조물 |
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-
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- 1996-06-07 JP JP16660396A patent/JP3689182B2/ja not_active Expired - Fee Related
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