JPH0953080A - タール酸の精製方法 - Google Patents
タール酸の精製方法Info
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- JPH0953080A JPH0953080A JP20436395A JP20436395A JPH0953080A JP H0953080 A JPH0953080 A JP H0953080A JP 20436395 A JP20436395 A JP 20436395A JP 20436395 A JP20436395 A JP 20436395A JP H0953080 A JPH0953080 A JP H0953080A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来技術は、タール酸中の不純物のうち、窒
素化合物だけを吸着させて除去する処理方法であったの
で、窒素化合物および硫黄化合物の両者を除去するため
には、別途、硫黄化合物を除去するための処理を実施し
なければならない。 【解決手段】 タール酸に水酸化アルカリの水溶液を加
えて、タール酸をタール酸塩の水溶液にし、この水溶液
を活性炭と接触させて不純物を吸着除去する処理を行
う。
素化合物だけを吸着させて除去する処理方法であったの
で、窒素化合物および硫黄化合物の両者を除去するため
には、別途、硫黄化合物を除去するための処理を実施し
なければならない。 【解決手段】 タール酸に水酸化アルカリの水溶液を加
えて、タール酸をタール酸塩の水溶液にし、この水溶液
を活性炭と接触させて不純物を吸着除去する処理を行
う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭乾留時の副生
物であるコールタールから得られるタール酸の精製方法
に関する。
物であるコールタールから得られるタール酸の精製方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】タール酸とは、フェノール、クレゾー
ル、キシレノール等の化合物の総称である。これらのタ
ール酸は、コールタールの蒸留によって得られるカルボ
ル油、ナフタレン油などに含まれており、これらの分留
油から回収される。
ル、キシレノール等の化合物の総称である。これらのタ
ール酸は、コールタールの蒸留によって得られるカルボ
ル油、ナフタレン油などに含まれており、これらの分留
油から回収される。
【0003】タール酸の回収過程には、不純物を除去す
る処理工程も組み込まれており、その回収は、一般に、
次のように行われている。まず、カルボル油やナフタレ
ン油などのようなタール酸を含むコールタールの分留油
に苛性ソーダ水溶液を加えて、タール酸を水溶性のフェ
ノレート(タール酸塩)にし、生成したタール酸塩の水
溶液を分離する。次に、このタール酸塩の水溶液を軽油
で洗浄し、さらにスチーム吹き込みを行って、大部分の
不純物を除去する。そして、不純物除去の処理がされた
タール酸塩の水溶液に炭酸ガス或いは硫酸を加え、ター
ル酸塩を分解してタール酸を遊離させ、これを分離して
粗タール酸を得ている。
る処理工程も組み込まれており、その回収は、一般に、
次のように行われている。まず、カルボル油やナフタレ
ン油などのようなタール酸を含むコールタールの分留油
に苛性ソーダ水溶液を加えて、タール酸を水溶性のフェ
ノレート(タール酸塩)にし、生成したタール酸塩の水
溶液を分離する。次に、このタール酸塩の水溶液を軽油
で洗浄し、さらにスチーム吹き込みを行って、大部分の
不純物を除去する。そして、不純物除去の処理がされた
タール酸塩の水溶液に炭酸ガス或いは硫酸を加え、ター
ル酸塩を分解してタール酸を遊離させ、これを分離して
粗タール酸を得ている。
【0004】この粗タール酸からタール酸類の製品を得
るには、これを蒸留して脱水処理し、さらに蒸留して脱
ピッチ処理をした後、精留して、フェノール、クレゾー
ル、キシレノールなどの留分に分ける操作を行う。
るには、これを蒸留して脱水処理し、さらに蒸留して脱
ピッチ処理をした後、精留して、フェノール、クレゾー
ル、キシレノールなどの留分に分ける操作を行う。
【0005】ところで、タール酸の回収源であるカルボ
ル油やナフタレン油中には、タール酸以外の化合物が数
多く含まれており、これらの化合物がタール酸の抽出時
に混入し、不純物となる。混入してくる化合物のうち、
特に、アニリン、ピリジン、ピコリン、ルチジン、キノ
リンなどの窒素化合物(タール塩基類)や、メルカプタ
ン類、チオール類などの硫黄化合物はタール酸の製品品
質を著しく損なうものであるので、これらの不純物につ
いては、その含有量が微量になるまで除去しなければな
らない。しかし、不純物を含むタール酸を軽油洗浄処理
やスチーム吹き込み処理をしただけでは、混入してきた
上記窒素化合物や硫黄化合物を製品品質が損なわれない
程度の含有量まで除去することはできない。
ル油やナフタレン油中には、タール酸以外の化合物が数
多く含まれており、これらの化合物がタール酸の抽出時
に混入し、不純物となる。混入してくる化合物のうち、
特に、アニリン、ピリジン、ピコリン、ルチジン、キノ
リンなどの窒素化合物(タール塩基類)や、メルカプタ
ン類、チオール類などの硫黄化合物はタール酸の製品品
質を著しく損なうものであるので、これらの不純物につ
いては、その含有量が微量になるまで除去しなければな
らない。しかし、不純物を含むタール酸を軽油洗浄処理
やスチーム吹き込み処理をしただけでは、混入してきた
上記窒素化合物や硫黄化合物を製品品質が損なわれない
程度の含有量まで除去することはできない。
【0006】そして、上記のような処理だけをして得た
粗タール酸中には、窒素化合物や硫黄化合物が数百〜数
千ppm含まれており、これを蒸留しても、フェノー
ル、クレゾール、キシレノールなどの留分にも、数十〜
数百ppmの窒素化合物や硫黄化合物が残留してしま
い、これらの留分をそのま最終製品とすることはできな
い。
粗タール酸中には、窒素化合物や硫黄化合物が数百〜数
千ppm含まれており、これを蒸留しても、フェノー
ル、クレゾール、キシレノールなどの留分にも、数十〜
数百ppmの窒素化合物や硫黄化合物が残留してしま
い、これらの留分をそのま最終製品とすることはできな
い。
【0007】このため、タール酸塩を分解した後、軽油
洗浄およびスチーム吹き込み処理をして得た粗タール酸
を、蒸留工程へ送る前に精製処理する必要がある。この
ような問題に対処し、タール酸中の不純物を除去するた
めの提案が数多くなされている。これら従来のタール酸
精製に係る技術の一つとして、不純物を吸着剤に吸着さ
せて除去する技術がある。例えば、特開昭61−236
739号公報においては、タール酸中に活性白土を添加
して24時間放置し、タール酸中の塩基性窒素化合物を
吸着させる技術が示されている。
洗浄およびスチーム吹き込み処理をして得た粗タール酸
を、蒸留工程へ送る前に精製処理する必要がある。この
ような問題に対処し、タール酸中の不純物を除去するた
めの提案が数多くなされている。これら従来のタール酸
精製に係る技術の一つとして、不純物を吸着剤に吸着さ
せて除去する技術がある。例えば、特開昭61−236
739号公報においては、タール酸中に活性白土を添加
して24時間放置し、タール酸中の塩基性窒素化合物を
吸着させる技術が示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
におけるタール酸の精製は、タール酸中の不純物のう
ち、窒素化合物を吸着させて除去する処理を行うもので
ある。このため、窒素化合物および硫黄化合物の両者を
除去するためには、別途、硫黄化合物を除去するための
処理を実施しなければならない。
におけるタール酸の精製は、タール酸中の不純物のう
ち、窒素化合物を吸着させて除去する処理を行うもので
ある。このため、窒素化合物および硫黄化合物の両者を
除去するためには、別途、硫黄化合物を除去するための
処理を実施しなければならない。
【0009】本発明は、上記従来のタール酸の精製方法
における不具合を解消し、窒素化合物と硫黄化合物を同
時に除去することができる吸着法によるタール酸の精製
方法を提供することを目的とする。
における不具合を解消し、窒素化合物と硫黄化合物を同
時に除去することができる吸着法によるタール酸の精製
方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係るタール酸の精製方法は、タール酸に
水酸化アルカリの水溶液を加えて、タール酸をタール酸
塩の水溶液にし、この水溶液を活性炭と接触させて不純
物を吸着除去する処理を行うことを特徴としている。
めに、本発明に係るタール酸の精製方法は、タール酸に
水酸化アルカリの水溶液を加えて、タール酸をタール酸
塩の水溶液にし、この水溶液を活性炭と接触させて不純
物を吸着除去する処理を行うことを特徴としている。
【0011】なお、本発明において、被精製物質である
タール酸とは、粗タール酸だけを指すものではなく、コ
ールタールの分留油のようなタール酸含有物をも指すも
のとする。
タール酸とは、粗タール酸だけを指すものではなく、コ
ールタールの分留油のようなタール酸含有物をも指すも
のとする。
【0012】本発明者は、窒素化合物および硫黄化合物
の両者を同時に除去することができる吸着法による精製
方法を確立するために、数多くの吸着剤について試験し
た結果、活性炭が窒素化合物と硫黄化合物の双方を吸着
し得るものであることを見出した。
の両者を同時に除去することができる吸着法による精製
方法を確立するために、数多くの吸着剤について試験し
た結果、活性炭が窒素化合物と硫黄化合物の双方を吸着
し得るものであることを見出した。
【0013】この際、活性炭による不純物吸着処理は、
タール酸がタール酸塩の形態になっている状態で行う。
この理由は次の通りである。
タール酸がタール酸塩の形態になっている状態で行う。
この理由は次の通りである。
【0014】一般に、溶液中の物質を吸着させようとす
る場合、被吸着物質の溶解度が下がる状態にすると、そ
の吸着量が増し、逆に、溶解度が上がる状態にすると、
吸着量が減少する。例えば、アニリンのような塩基を吸
着させたいときには、溶液をアルカリ性にすれば、その
溶解度が低下するので、吸着量が増加する。従って、タ
ール酸をタール酸塩の形態にして吸着処理を行えば、タ
ール酸塩はアルカリ性を示す化合物であるので、アニリ
ンのような塩基は容易に吸着される。
る場合、被吸着物質の溶解度が下がる状態にすると、そ
の吸着量が増し、逆に、溶解度が上がる状態にすると、
吸着量が減少する。例えば、アニリンのような塩基を吸
着させたいときには、溶液をアルカリ性にすれば、その
溶解度が低下するので、吸着量が増加する。従って、タ
ール酸をタール酸塩の形態にして吸着処理を行えば、タ
ール酸塩はアルカリ性を示す化合物であるので、アニリ
ンのような塩基は容易に吸着される。
【0015】また、硫黄化合物が活性炭に吸着されるメ
カニズムは定かではないが、硫黄化合物の吸着は、活性
炭による処理がアルカリ性を示すタール酸塩の状態で行
われるためであるものと考えられる。例えば、先にター
ル酸に含まれる硫黄化合物の一つとして挙げたチオール
はアルカリ性条件下では容易に酸化され、ジスルフィド
となるが、この形態の硫黄化合物は水溶性ではないの
で、溶解度が低下し、吸着されるようになるものと考え
られる。
カニズムは定かではないが、硫黄化合物の吸着は、活性
炭による処理がアルカリ性を示すタール酸塩の状態で行
われるためであるものと考えられる。例えば、先にター
ル酸に含まれる硫黄化合物の一つとして挙げたチオール
はアルカリ性条件下では容易に酸化され、ジスルフィド
となるが、この形態の硫黄化合物は水溶性ではないの
で、溶解度が低下し、吸着されるようになるものと考え
られる。
【0016】
【発明の実施の形態】上述のように、本発明の精製方法
は、タール酸そのものを処理するよりも、タール酸塩の
形態で処理した方が、不純物の吸着量が増すと言う知見
に基づいて導き出されたものである。従って、本発明の
精製方法は、タール酸をタール酸塩にする処理をするこ
とができる段階であれば、コールタールの留分からター
ル酸を回収する工程、これを精製して製品にする工程な
ど種々の段階に組み込んで実施することが可能である。
は、タール酸そのものを処理するよりも、タール酸塩の
形態で処理した方が、不純物の吸着量が増すと言う知見
に基づいて導き出されたものである。従って、本発明の
精製方法は、タール酸をタール酸塩にする処理をするこ
とができる段階であれば、コールタールの留分からター
ル酸を回収する工程、これを精製して製品にする工程な
ど種々の段階に組み込んで実施することが可能である。
【0017】例えば、タール酸塩を分解し、遊離させて
得た粗タール酸を蒸留工程へ送る前の段階で実施しても
よい。しかし、本発明の精製方法を最も効果的に実施す
るには、コールタールの留分からタール酸を抽出する段
階、すなわちタール酸をタール酸塩の形態にして抽出す
る段階で実施するのがよい。この段階で、本発明の精製
方法を実施すれば、タール酸をタール酸塩にする処理
が、タール酸を抽出するための処理であると共に、その
精製のための前処理を兼ねることになるので、回収処理
と精製処理を合わせた全工程の処理を効率よく実施する
ことができる。
得た粗タール酸を蒸留工程へ送る前の段階で実施しても
よい。しかし、本発明の精製方法を最も効果的に実施す
るには、コールタールの留分からタール酸を抽出する段
階、すなわちタール酸をタール酸塩の形態にして抽出す
る段階で実施するのがよい。この段階で、本発明の精製
方法を実施すれば、タール酸をタール酸塩にする処理
が、タール酸を抽出するための処理であると共に、その
精製のための前処理を兼ねることになるので、回収処理
と精製処理を合わせた全工程の処理を効率よく実施する
ことができる。
【0018】本発明の精製方法をコールタールの留分か
らタール酸を抽出する段階で実施する場合、コールター
ルの留分に水酸化アルカリの水溶液を加えることによっ
て生成したタール酸塩の水溶液を分離することなく、コ
ールタールの留分と一緒に活性炭に接触させる処理をす
ることもできる。しかし、コールタールの留分から上記
水溶液を分離する操作を行った後、分離した水溶液を活
性炭と接触させ、吸着処理することが望ましい。この際
の吸着処理は、コールタールの留分から分離したままの
タール酸塩の水溶液について直接行ってもよいし、ま
た、上記水溶液を軽油洗浄処理やスチーム吹き込み処理
を施した後に行ってもよい。ただし、上記水溶液中に非
常に多量の不純物が含まれている場合には、活性炭を過
度に消費させないために、軽油洗浄処理およびスチーム
吹き込み処理の双方、あるいは上記何れかの処理をした
後に吸着処理した方がよい。
らタール酸を抽出する段階で実施する場合、コールター
ルの留分に水酸化アルカリの水溶液を加えることによっ
て生成したタール酸塩の水溶液を分離することなく、コ
ールタールの留分と一緒に活性炭に接触させる処理をす
ることもできる。しかし、コールタールの留分から上記
水溶液を分離する操作を行った後、分離した水溶液を活
性炭と接触させ、吸着処理することが望ましい。この際
の吸着処理は、コールタールの留分から分離したままの
タール酸塩の水溶液について直接行ってもよいし、ま
た、上記水溶液を軽油洗浄処理やスチーム吹き込み処理
を施した後に行ってもよい。ただし、上記水溶液中に非
常に多量の不純物が含まれている場合には、活性炭を過
度に消費させないために、軽油洗浄処理およびスチーム
吹き込み処理の双方、あるいは上記何れかの処理をした
後に吸着処理した方がよい。
【0019】図1は本発明の精製方法が組み込まれたタ
ール酸回収工程の一例を示す図である。この図に基づい
て、本発明によるタール酸の精製方法をその回収操作と
ともに説明すると、次の通りである。
ール酸回収工程の一例を示す図である。この図に基づい
て、本発明によるタール酸の精製方法をその回収操作と
ともに説明すると、次の通りである。
【0020】カルボル油やナフタレン油などのようなタ
ール酸を含むコールタールの分留油に苛性ソーダの水溶
液を加え、タール酸を水溶性のソーダ塩にして水層側へ
抽出する。この水層分を分離し、タール酸ソーダの水溶
液を得る。この水溶液を軽油で洗浄し、さらに、スチー
ミングして大部分の不純物を除去する。次いで、軽油洗
浄やスチーミングによる処理で除去しきれなかった不純
物を除去するために、この水溶液を活性炭が充填されて
いる吸着塔を通過させて活性炭と接触させ、不純物を吸
着させて除去する。この不純物が除去された水溶液に炭
酸ガスを吹き込んで、タール酸ソーダを分解した後、さ
らに未分解のタール酸ソーダを硫酸や塩酸などの鉱酸で
酸分解して、タール酸を遊離させ、これを分離する。そ
して、この分離物を水洗して、余剰の硫酸および炭酸ソ
ーダや硫酸ソーダなどの副生物を除去し、タール酸の混
合物を得る。
ール酸を含むコールタールの分留油に苛性ソーダの水溶
液を加え、タール酸を水溶性のソーダ塩にして水層側へ
抽出する。この水層分を分離し、タール酸ソーダの水溶
液を得る。この水溶液を軽油で洗浄し、さらに、スチー
ミングして大部分の不純物を除去する。次いで、軽油洗
浄やスチーミングによる処理で除去しきれなかった不純
物を除去するために、この水溶液を活性炭が充填されて
いる吸着塔を通過させて活性炭と接触させ、不純物を吸
着させて除去する。この不純物が除去された水溶液に炭
酸ガスを吹き込んで、タール酸ソーダを分解した後、さ
らに未分解のタール酸ソーダを硫酸や塩酸などの鉱酸で
酸分解して、タール酸を遊離させ、これを分離する。そ
して、この分離物を水洗して、余剰の硫酸および炭酸ソ
ーダや硫酸ソーダなどの副生物を除去し、タール酸の混
合物を得る。
【0021】この際に得られる混合タール酸は、窒素化
合物や硫黄化合物などの不純物の含有量が非常に少なく
なっており、脱水処理、脱ピッチ処理後、精留すること
によって、製品にすることができる精製度になってい
る。
合物や硫黄化合物などの不純物の含有量が非常に少なく
なっており、脱水処理、脱ピッチ処理後、精留すること
によって、製品にすることができる精製度になってい
る。
【0022】なお、タール酸ソーダの水溶液と活性炭を
接触させる不純物吸着処理は、必ずしも、吸着塔を通過
させる方法で実施することに限定されるものではなく、
タール酸ソーダの水溶液中に活性炭を投入して攪拌し、
上記水溶液と活性炭を所定時間の間接触させ、次いで不
純物を吸着した活性炭を分離する方法で実施してもよ
い。
接触させる不純物吸着処理は、必ずしも、吸着塔を通過
させる方法で実施することに限定されるものではなく、
タール酸ソーダの水溶液中に活性炭を投入して攪拌し、
上記水溶液と活性炭を所定時間の間接触させ、次いで不
純物を吸着した活性炭を分離する方法で実施してもよ
い。
【0023】また、コールタールの分留油に加える水酸
化アルカリは苛性ソーダに限定されるものではないが、
苛性ソーダは好ましいものの一つである。苛性ソーダ水
溶液の濃度は5〜50%程度、好ましくは10%程度で
あるのがよい。
化アルカリは苛性ソーダに限定されるものではないが、
苛性ソーダは好ましいものの一つである。苛性ソーダ水
溶液の濃度は5〜50%程度、好ましくは10%程度で
あるのがよい。
【0024】不純物を吸着させる活性炭の種類などにつ
いては、特に限定されるものではなく、一般水処理用と
して排水処理などに用いられるものであってもよい。そ
して、その粒度は10〜30メッシュ程度であるのがよ
い。活性炭の添加量は、タール酸ソーダ水溶液中の不純
物含有量によっても異なるが、上記水溶液に対して1〜
50%程度、好ましくは25%程度であるのがよい。
いては、特に限定されるものではなく、一般水処理用と
して排水処理などに用いられるものであってもよい。そ
して、その粒度は10〜30メッシュ程度であるのがよ
い。活性炭の添加量は、タール酸ソーダ水溶液中の不純
物含有量によっても異なるが、上記水溶液に対して1〜
50%程度、好ましくは25%程度であるのがよい。
【0025】
(実験1)窒素化合物(Nとして)1084ppm、硫
黄化合物(Sとして)994ppmを含む混合タール酸
50gに、苛性ソーダの10%水溶液200gを加え、
攪拌して、タール酸を溶解させ、タール酸ソーダ水溶液
にした。
黄化合物(Sとして)994ppmを含む混合タール酸
50gに、苛性ソーダの10%水溶液200gを加え、
攪拌して、タール酸を溶解させ、タール酸ソーダ水溶液
にした。
【0026】このタール酸ソーダ水溶液を125g採取
し、これに粒度が8〜32メッシュの粒状活性炭(武田
薬品工業社製、粒状白鷺W(液相精製用))30gを加
え、常温で30分間振とうした。次いで、No. 5Aの濾
紙で濾過し、活性炭を取り除いた。濾液として得られた
タール酸ソーダ水溶液に20%硫酸溶液96gを滴下し
た。タール酸ソーダが分解してタール酸が生成し、上記
濾液は2層に分離した。そして、上層のタール酸を分液
ロートで分離したところ、8gのタール酸が得られた。
得られたタール酸の窒素分析値(N)および硫黄分析値
(S)を表1に示す。
し、これに粒度が8〜32メッシュの粒状活性炭(武田
薬品工業社製、粒状白鷺W(液相精製用))30gを加
え、常温で30分間振とうした。次いで、No. 5Aの濾
紙で濾過し、活性炭を取り除いた。濾液として得られた
タール酸ソーダ水溶液に20%硫酸溶液96gを滴下し
た。タール酸ソーダが分解してタール酸が生成し、上記
濾液は2層に分離した。そして、上層のタール酸を分液
ロートで分離したところ、8gのタール酸が得られた。
得られたタール酸の窒素分析値(N)および硫黄分析値
(S)を表1に示す。
【0027】(実験2,3)タール酸ソーダの水溶液に
加える活性炭を実験1とは異なるものを使用したこと以
外は、それぞれ実験1の場合と同様の処理を行った。実
験2で使用した活性炭は実験1のものとは異なる液相精
製用のもの(クラレケミカル社製、クラレコールGL、
粒度10〜32メッシュ)であり、実験3で使用した活
性炭は液相脱色精製用のもの(クラレケミカル社製、ク
ラレコールGLC、粒度10〜32メッシュ)であっ
た。得られたタール酸の分析値は表1に示す。
加える活性炭を実験1とは異なるものを使用したこと以
外は、それぞれ実験1の場合と同様の処理を行った。実
験2で使用した活性炭は実験1のものとは異なる液相精
製用のもの(クラレケミカル社製、クラレコールGL、
粒度10〜32メッシュ)であり、実験3で使用した活
性炭は液相脱色精製用のもの(クラレケミカル社製、ク
ラレコールGLC、粒度10〜32メッシュ)であっ
た。得られたタール酸の分析値は表1に示す。
【0028】(実験4)タール酸ソーダ水溶液に活性炭
を加えて不純物を吸着させる際の温度を50℃にしたこ
と以外は、実験1の場合と同様の処理を行った。得られ
たタール酸の分析値は表1に示す。
を加えて不純物を吸着させる際の温度を50℃にしたこ
と以外は、実験1の場合と同様の処理を行った。得られ
たタール酸の分析値は表1に示す。
【0029】(実験5,6)活性炭の添加量を変え、1
5g(実験5)と50g(実験6)にしたこと以外は、
それぞれ実験1の場合と同様の処理を行った。得られた
タール酸の分析値は表1に示す。
5g(実験5)と50g(実験6)にしたこと以外は、
それぞれ実験1の場合と同様の処理を行った。得られた
タール酸の分析値は表1に示す。
【0030】(比較実験)窒素化合物(Nとして)27
ppm、硫黄化合物(Sとして)72ppmを含むクレ
ゾール100gに、活性白土(水沢化学社製、ガレオン
アース)10gを加えて、常温で30分間振とうし、次
いで、濾過して活性白土を除去した。精製したクレゾー
ルの分析値は表2に示す。
ppm、硫黄化合物(Sとして)72ppmを含むクレ
ゾール100gに、活性白土(水沢化学社製、ガレオン
アース)10gを加えて、常温で30分間振とうし、次
いで、濾過して活性白土を除去した。精製したクレゾー
ルの分析値は表2に示す。
【0031】次に、表1および表2の記載に基づいて、
不純物を活性炭で吸着させた実験1〜実験6の結果と、
活性白土で吸着させた比較実験の結果を比べると、実験
1〜実験6では、窒素化合物(N)の除去率が80%以
上、硫黄化合物(S)の除去率が約70%以上であり、
何れの除去結果も良好であった。これに対し、比較実験
においては、窒素化合物(N)は80%以上除去された
が、硫黄化合物(S)については殆ど除去されなかっ
た。
不純物を活性炭で吸着させた実験1〜実験6の結果と、
活性白土で吸着させた比較実験の結果を比べると、実験
1〜実験6では、窒素化合物(N)の除去率が80%以
上、硫黄化合物(S)の除去率が約70%以上であり、
何れの除去結果も良好であった。これに対し、比較実験
においては、窒素化合物(N)は80%以上除去された
が、硫黄化合物(S)については殆ど除去されなかっ
た。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】本発明に係るタール酸の精製方法は、タ
ール酸をタール酸塩の水溶液にし、この水溶液を活性炭
と接触させて不純物を吸着除去することを特徴としてい
る。
ール酸をタール酸塩の水溶液にし、この水溶液を活性炭
と接触させて不純物を吸着除去することを特徴としてい
る。
【0035】本発明によれば、1回の処理で窒素化合物
と硫黄化合物の両者を同時に吸着し除去することができ
るので、不純物の除去処理が簡素化される。
と硫黄化合物の両者を同時に吸着し除去することができ
るので、不純物の除去処理が簡素化される。
【0036】また、タール酸塩の形態で不純物を吸着さ
せるので、処理する溶液がアルカリ性になり、吸着量が
大きい条件下で不純物を吸着させることができる。この
ため、不純物除去を効率的に行うことができる。
せるので、処理する溶液がアルカリ性になり、吸着量が
大きい条件下で不純物を吸着させることができる。この
ため、不純物除去を効率的に行うことができる。
【図1】本発明の精製方法が組み込まれたタール酸回収
工程の一例を示す図である。
工程の一例を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10C 1/08 9547−4H C10C 1/08
Claims (1)
- 【請求項1】 タール酸に水酸化アルカリの水溶液を加
えて、タール酸をタール酸塩の水溶液にし、この水溶液
を活性炭と接触させて不純物を吸着除去する処理を行う
ことを特徴とするタール酸の精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20436395A JPH0953080A (ja) | 1995-08-10 | 1995-08-10 | タール酸の精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20436395A JPH0953080A (ja) | 1995-08-10 | 1995-08-10 | タール酸の精製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0953080A true JPH0953080A (ja) | 1997-02-25 |
Family
ID=16489281
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20436395A Withdrawn JPH0953080A (ja) | 1995-08-10 | 1995-08-10 | タール酸の精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0953080A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103333707A (zh) * | 2012-12-10 | 2013-10-02 | 甘肃酒钢集团宏兴钢铁股份有限公司 | 酸焦油除味方法 |
KR20190086638A (ko) | 2012-07-20 | 2019-07-23 | 도쿄 오카 고교 가부시키가이샤 | 크레졸류의 정제 방법, 감광성 수지 조성물용 노볼락 수지의 제조 방법, 및 감광성 수지 조성물 |
-
1995
- 1995-08-10 JP JP20436395A patent/JPH0953080A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190086638A (ko) | 2012-07-20 | 2019-07-23 | 도쿄 오카 고교 가부시키가이샤 | 크레졸류의 정제 방법, 감광성 수지 조성물용 노볼락 수지의 제조 방법, 및 감광성 수지 조성물 |
CN103333707A (zh) * | 2012-12-10 | 2013-10-02 | 甘肃酒钢集团宏兴钢铁股份有限公司 | 酸焦油除味方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20021105 |