JPH09512486A - 高いトーチ走行速度を用いて溶接金属部品における残留応力を緩和する方法 - Google Patents

高いトーチ走行速度を用いて溶接金属部品における残留応力を緩和する方法

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Abstract

(57)【要約】 溶接部のルート側、特に管溶接部の内壁面における有害な引張残留応力状態を改善する方法が提供される。この方法は、高い溶接トーチ走行速度(毎分10インチより高い速度)を最終の1回か2回のキャップパスに用いる。本方法は、管壁と、完成に近い溶接継手自体との限られたヒートシンク能力により、溶接中にかなり大きな壁両面間温度勾配、従って十分な壁両面間応力勾配を発生させる。この応力勾配の結果、金属塑性と永久ひずみが生じ、従って、最終残留応力の大きさが減り、あるいは好ましくは、状態に応じて、応力の方向が引張りから圧縮へ逆転する。本方法は溶接方法または熱処理に使用できる。熱処理の場合、溶接継手の遠表面は、遠表面を形成する材料の溶融なしに加熱される。

Description

【発明の詳細な説明】 高いトーチ走行速度を用いて溶接金属部品における残留応力を緩和する方法 発明の分野 本発明は管などの残留応力に敏感な構成部品の溶接に関する。特に、本発明は 原子炉で用いる管などの構成部品の溶接に関し、これらの部品は溶接部に隣接す る熱影響部において応力腐食割れを起こしやすいものである。 発明の背景 原子炉は核分裂中に熱を発生する核分裂性燃料の炉心を備えている。熱は原子 炉圧力容器内の原子炉冷却材すなわち水によって炉心から奪われる。個別管路が 加熱された水または蒸気を蒸気発電機または蒸気タービンに移送しそして循環水 または給水を圧力容器に戻す。原子炉圧力容器の運転圧力と運転温度は沸騰水型 原子炉(BWR)の場合約7MPaと288℃、そして加圧水型原子炉(PWR )の場合約15MPaと320℃である。BWRとPWRで用いられる材料は様 々な荷重、環境および放射状態に耐えなければならない。本明細書内の「高温水 」という用語は、温度が約150℃以上の水、蒸気またはその復水を意味する。 高温水にさらされる材料は、例えば、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、ニッケ ル基合金、コバルト基合金、ジルコニウム基合金である。水使用原子炉用のこれ らの材料の念入りな選定と処理にもかかわらず、高温水にさらされる材料には腐 食が発生する。このような腐食は様々な問題、例えば、応力腐食割れ、隙間腐食 、壊食、安全弁の膠着、ガンマ線放射Co−60同位元素の蓄積を引起こす。 応力腐食割れ(SCC)は、高温水にさらされる原子炉構成部、例えば、構造 部材、管、締結具および溶接部に発生する周知の現象である。本明細書において SCCとは、静的または動的引張応力により進展した割れと、割れ先端における 腐食との組合せを意味する。原子炉構成部は様々な応力を受けやすく、これらの 応力は、例えば、熱膨張差、原子炉冷却水の収容に要する運転圧力、および他の 応力源、例えば、溶接、冷間加工および他の非対称金属処理による残留応力等に 関連する。加えて、水の化学作用、溶接、熱処理および放射線は構成部の金属の SCCを発生しやすくする。本発明は、溶接により発生する残留応力と、熱的鋭 敏化(sensitization)とを緩和することに関係し、これらはSC Cに敏感な金属にSCCを引起こすおそれのあるものである。 図1Aに、2本の管2および4を接合する従来のV形開先溶接部6を示す。溶 接部6は、円筒形溶接電極(図示せず)の先端に位置する溶加ワイヤからの溶融 材料のビードでV形開先を満たすことにより形成される。この溶接方法は溶接継 手の近辺に非常に幅広の熱影響部(HAZ)を形成する。このような溶接継手の 近辺にSCCが発生することにより、従来、世界中の軽水炉発電所において管の 多くを修理または交換する必要が生じている。溶接継手の近辺における引張残留 応力状態を改善するために10年間以上にわたって様々な方法、例えば、磁気誘 導、電気抵抗およびアーク加熱方法が利用されてきた。これらの方法は全て、溶 接材料の片側で熱源を用いそして同材料の他の側で水冷を保つことにより材料厚 さの両端間にかなりの温度差を発生させることに基づいている。この温度差は熱 ひずみとそれに続く材料塑性をもたらし、またそれに対応して材料の全厚さにわ たる応力逆転をもたらす。正味の結果は、継手の、腐食性をもつ可能性のある炉 水環境にさらされる側の残留応力を、かなり小さな引張応力または、さらに好ま しくは、圧縮応力にする。これらの従来の方法は、「ヒートシンク溶接」と「最 終パスヒートシンク溶接」を包含し、全て、溶接継手の環境露出側の連続的な水 対流冷却によって所要温度差と所要応力逆転をもたらす。この水冷要件は、管の 新設と交換のいずれの場合も、製造業者にとって過酷な悪条件となる。なぜなら 、水を保つために完全配管系をそのままにしておかなければならないからである 。材料の厚さに沿う温度勾配と、それに対応する残留応力逆転とをもたらすため に水冷を必要とする通例使用されるアーク溶接方法は、熱効率と時間効率が比較 的低く、また、継手の深さ対厚さのアスペクト比を低くした幅広溶接継手設計を 利用する。溶接中内部水冷により金属格子構造内の引張力を減らすことは、照射 により助長されるSCCの発生の減少に役立つ。このようなSCCでは、ステン レス鋼合金内の不純物が中性子の衝突に応じて粒界に拡散する。 耐食性のためにクロムで合金化したステンレス鋼のSCCを促進する第2主要 因は、溶接部に隣接する熱影響部の寸法と熱的鋭敏化の程度である。熱的鋭敏化 は、材料の粒界内で炭化クロムを析出させる作用を意味する。炭化クロムの析出 は、さもなければ溶体状態にあるクロムを拘束する。従って、粒界に沿う薄い層 がクロムを奪われ、次のような帯域、すなわち、もはや耐食性がなく、従ってS CCを起こしやすい帯域を生成する。このようなステンレス鋼は特に粒界で腐食 しやすい。 SCCに対抗する溶接部の設計における一要目は、その方式による被接合部品 への入熱(heat input)を最少にすることである。この入熱は通例、 継手の両側壁への溶加材の確実な融着に十分なレベルに保たれる。両側壁は、他 の溶接方法では、継手内で円筒形電極を動かすのに必要な寸法だけ離されていた 。 腐食安定化オーステナイトステンレス鋼のSSCを促進する他の要因は、溶接 部の溶融線近くの安定化用炭化物の解離であり、これは、溶接入熱が過度に多い 時、結晶粒成長と熱的鋭敏化をもたらす可能性がある。SCCのこの特別な変種 は一般に「ナイフラインアタック(knife line attack)」と 呼ばれるもので、しばしば溶接熱影響部の局所域内で発生する。 発電所配管溶接において商業的に使用される一種の開先幅縮小溶接方法は、い わゆる「狭開先」溶接であり、その一例を図1Bに示す。この技術により管2’ および4’の間に溶接部6’が形成され、これはV形開先溶接方法の熱影響部よ り狭い熱影響部と、同方法の開先角度より小さな開先角度を有する。「狭開先」 溶接方法は標準の円筒形電極形状を用いる。このような標準電極は長さと直径が 様々であり、通例比較的とがったまたは円錐形の端部を有する。しかし、「狭開 先」溶接における開先幅の減少は、所要溶接電流の確実な導通に要する電極の最 小直径によって制限されていた。全ての従来の溶接部は、「狭開先」溶接部も含 めて、工業標準となっている円筒形電極形状を用いて形成されている。円筒形電 極の最小直径は、所与の大きさの電流導通および熱放散能力により限定される。 従来、V形開先溶接と「狭開先」溶接の両用途のいずれにおいても非円筒形電極 の製造と設置のための備えはなされなかった。 発明の概要 本発明は、溶接部のルート(root)側、特に管溶接部の内壁面の有害な引 張残留応力状態をかなり改善する方法である。この方法は、溶接パラメータの新 しい組合せ、特に極めて速い溶接トーチ走行速度を、特に通常「キャップ(ca p)」パスと呼ばれる最終の一つ以上のパスに用いる。本発明の方法は、最大の 応力改善の利益を得るために、米国特許出願第08/237732号に開示され ている低残留応力溶接方法を改良するものであり、この来国特許出願の溶接技術 は非円形断面を有するタングステン電極ブレードを用いるものである。上記米国 特許出願は毎分2〜10インチの範囲の溶接トーチ走行速度を開示している。本 発明の方法は同様の平らな電極ブレードを用いるが、特にいわゆる「キャップ」 パス中、比較的高い溶接トーチ走行速度、すなわち毎分10インチより高い速度 を用いて実施することができる。 前述の低残留応力溶接方法は、通常高い(ほぼ降伏強度以上の)残留応力レベ ルを、降伏強度より実質的に低い引張応力値まで、あるいは好ましくは圧縮応力 状態まで低減するものとして示されている。この成果は、接合される構成部品の 両表面のどちらにも補助冷却を用いることなく達成されてきた。このような補助 冷却は時々、ヒートシンク溶接、最終パスヒートシンク溶接等の水冷溶接方法に おいて利用される。 本発明による方法は、主として、比較的薄い(例えば8分の3インチ程度の厚 さの)材料の溶接または熱処理のためのものであるが、これに限定されない。本 方法は、もし溶接継手の下盛り材料が1回以上のキャップパス中に溶融されれば 、溶接と考えられる。代替的に、もし溶接継手の下盛り材料が溶接継手の遠表面 (ルートから遠い表面)上の溶接電極先端の1回以上のパス中に加熱されるが溶 融されなければ、熱処理と考えられる。本発明は溶接と熱処理の両方を含む。本 明細書における「キャップパス」という用語は、溶接方法における従来の1回以 上のキャップパスと、1回以上の熱処理パスとを含む。 本発明の本質は、走行溶接トーチを用いて、遠表面(溶接ルートパスから遠い 表面)が加熱されるが、比較的低い引張応力または好ましくは圧縮応力を近表面 に生じる程度まで近表面が(外部ヒートシンク作用、例えば水冷を利用せずに) 冷却されるような速度で、熱を遠表面に送り込むことである。特に、本発明の方 法は、最大の応力緩和の利益を得るために、キャップパスの際に非常に高い溶接 トーチ走行速度、すなわち毎分10インチより高い速度を用いる。この方法は、 溶接方法として使用されようと熱処理として使用されようと、流体冷却(ガス冷 却を含む)を要する既存技術から明確に区別するために、以下「パッシブヒート シンク溶接(passive heat sink welding)」法と呼 ばれる。 本発明の方法は、管壁と完成に近い溶接継手自体との限られたヒートシンク能 力により、溶接中にかなり大きな壁両面間温度勾配、従って十分な壁両面間の応 力勾配を発生させる。この応力勾配の結果、金属塑性と永久ひずみが生じ、従っ て、最終残留応力の大きさが減り、あるいは好ましくは、状態に応じて、応力の 方向が引張りから圧縮へ逆転する。本発明の高いトーチ走行速度を用いて適当な 温度勾配が得られるので、構成部の壁を経て内層に達する過大な伝導が生じ得る 前に、壁の外層を十分加熱し得る。この効果は従来、低残留応力溶接方法におい て比較的遅いトーチ走行速度(すなわち、毎分2〜10インチ)で比較的厚い壁 (高ヒートシンク)の材料において示された。本発明によれば、この効果は、薄 壁材料(低ヒートシンク)の場合にも比較的速いトーチ走行速度(すなわち、毎 分10インチより高い速度)で得られる。 これら2つの状態の主要な違いは、薄い材料の場合、応力逆転は主としてキャ ップパス中に増進的に達成されるのに対し、厚い材料の場合の応力逆転は継手が 完成するにつれて漸進的に達成されることである。薄い材料に補助冷却を施さな い溶接では、キャップパスの入熱は壁両面間の温度を容易に支配できるのに対し 、厚い材料の場合、キャップパスの入熱は壁両面間の温度分布に比較的少ない影 響を及ぼす。補助冷却を伴う溶接の場合、例えば、従来のヒートシンク溶接およ び最終パスヒートシンク溶接方法では、最終パスの熱は流体冷却による損失の影 響を補うためにさらに高くしなければならない。 本発明の別の特徴によれば、溶接トーチをキャップパス中に横方向に振動させ る。この横方向トーチ振動の目的は、近表面上に比較的広い軸方向長さにわたっ て降伏強度より実質的に弱い低引張応力を生じさせるか或いは好ましくは圧縮応 力を生じさせるような態様で、熱を管の遠表面に拡散させ、これにより溶接ルー トにかかる曲げモーメントの集中を減らしそして溶接部の両側の溶融線に沿う細 かな周方向割れを緩和することである。 図面の簡単な説明 図1Aは、従来の溶接技術により溶接したV形開先継手の断面図である。 図1Bは、従来の他の溶接技術により溶接した狭開先継手の断面図である。 図1Cは、本発明の技術により溶接した継手の断面図である。 図2A乃至図2Cは、それぞれ、本発明による溶接に使用し得る第1電極形状 の正面図と側面図と底面図である。 図3Aと図3Bは、本発明の溶接技術により接合すべき管の互いに代替的な開 先形状の断面図である。 図4は、本発明による溶接に使用し得る第2電極形状の構造体を示す斜視図で ある。 図5は、本発明による溶接に使用し得る継手と溶接装置とのアセンブリを示す 概略斜視図である。 図6Aと図6Bは、それぞれ、本発明により突合せ周囲溶接を施した304型 ステンレス鋼製の直径4インチの管の内径で測定した軸方向残留応力と周方向残 留応力を示すグラフである。 図7Aと図7Bは、それぞれ、本発明により突合せ周囲溶接を施した347型 ステンレス鋼製の直径4インチの管の内径で測定した軸方向残留応力と周方向残 留応力を示すグラフである。 好適実施例の詳細な説明 本発明の方法を実施するために好適に使用される溶接装置は、機械化トーチ移 動式のガスタングステンアーク溶接装置からなる。タングステン溶接電極のブレ ードは非円形断面を有する。しかし、平らなタングステン電極の使用は本発明の 実施には必要でないと考えられる。 本発明の実施に役立つ一つの溶接継手形状(図1C)によれば、管2および4 の間の開先は好ましくは6度未満の鋭角を有しそして溶接材料6で満たされ、こ の溶接材料は、溶融するのに比較的少ない熱しか必要としない小さな幅を有する 。その結果生じる熱影響部(HAZ)は、図1Bに見られるような「狭開先」溶 接によって生じるHAZより狭い。 好ましくは、本発明の方法は、非円形ブレード断面を有するタングステン電極 を用いる。特に、ブレード断面は、溶接継手の長さに平行な方向の細長い寸法と 、継手の長さに対して垂直な方向の短い寸法とを有し、その一例は概して長方形 断面を有する柱体である。好ましくは、ブレードは平らな薄板材料、例えば、タ ングステン合金板材から切断またはスタンピングにより形成される。ブレードは 、3角形(好ましくは2等辺3角形)、または平行な真っ直ぐな側部を有すると ともに一端にとがった先端部を有する帯板の形に切削され得る。 薄い電極形状により、等しい断面積の円筒形電極の直径より小さな一寸法(す なわち幅)を有する電極が得られる。この比較的薄い寸法とその方向により、電 極は、円筒形電極が広過ぎて入れないような狭い開先に入ることができる。従っ て、溶接すべき継手の幅は、円筒形電極を用いる場合よりかなり小さくできる。 さらに、非円筒形の薄い電極の使用により、溶接入熱は各パス毎にかなり減らす ことができ、従って、熱影響部の寸法と鋭敏化がそれに応じて減らされる。 本発明の溶接方法において使用する細長い断面の電極は、前方走行用の間隙が 継手の両壁に対して存在する限り、基本的に、電極を薄くし得る程度、従って、 溶接継手を薄くし得る程度に関して制限されない。本発明の実施に利用できる平 らなタングステン合金電極の一実施例は、図2A〜図2Cに示した形状を有する 。電極10は、円筒形シャンク10aと、非円筒形ブレード10bと、先端10 cとからなる。ブレード10bはオプションとして絶縁被覆で覆われる。全ての 鋭いコーナには丸みを付けてアークの発生を防止する。ブレード10bの断面は 、好ましくは、角を丸くした長方形の形状を有する。好ましくは、この長方形の 長さ対幅の比は少なくとも1.5対1である。 本発明の実施に利用できる平らなタングステン合金電極の他の実施例は図4に 示した形状を有する。この電極は、タングステン合金板からスタンピングまたは 切断により形成された平らな概して3角形のブレード18からなる。タングステ ン合金板の厚さの一例は30ミルである。オプションとして、ブレードの3角形 は、先端18cの狭まる割合を大きくして、厳密に2等辺にしなくてもよい。 図4に示すように、ブレード18は基部18aと本体18bと先端18cとか らなる。基部18aは電極ホルダ20により固定されるかまたは別様に保持され る。電極ホルダ20は好ましくは銅合金(例えばベリリウム銅合金)のような伝 導性の耐酸化性材料で作られ、オプションとして銀またはニッケルで電気めっき される。電極ホルダは好ましくはT形金属体の形を取り、シャンク20aと横材 20bとからなる。シャンク20aは従来の溶接トーチ14に連結されている。 横材20bは縦スロットを有し、このスロットは、挿入と除去を容易にするのに 十分な遊びをもってブレード基部18aを受入れるように形成されている。ブレ ード基部18aは、1対の止めねじ22を横材に形成した対応する1対のねじ穴 に締付けることにより確実に保持される。ブレードは、ねじを緩めた後、容易に ホルダから取外すことができる。従って、破損した電極ブレードの交換は容易で ある。また、相異なる寸法を有する互換可能な電極ブレードを特定用途に従って 選択的に装着し得る。代替的に、ねじを用いる代わりに、ブレードをろう付けに よりホルダに固定して一体のブレード組立体を構成してもよい。すなわち、ブレ ードは容易に交換できないようにしてもよい。 ブレード本体18bは好ましくは、溶接開先側壁へのアーク発生を防止するた めに、絶縁被覆材、例えばAl23またはY23で覆われる。また、スタンピン グまたは切断によって形成されたブレードの全ての粗い縁は、アーク発生を防ぐ ためにばり取りされる。好適実施例によれば、平らな3角形ブレードは一つ以上 の絶縁離隔部24を有する。各絶縁離隔部は電極ブレードの平らな両側にブレー ド表面の平面を越えて突出している。これらの離隔部は、溶接開先の両側壁と電 極ブレードの平らな両側との間に最小間隙を保つように作用し、こうして溶接開 先内の電極走行中のセラミック被覆の引かきまたは過度の摩耗を防止する。ブレ ードの被覆表面の十分深い引かきはセラミック被覆12を除去するので、ブレー ドは被覆のない軌跡に沿ってアークを発生しやすくなる。 本発明の溶接技術を用いて接合すべき管2の開先形状の好適実施例を図3Aに 示す。この管は管壁厚さtを有する。管の端面はランド2aを含み、このランド は管の内周から外向きに延在する環状の半径方向表面である。また、管端面はベ ベル面2bを含み、この面は半径方向平面に対して角度θをなして半径方向外方 に延在する円錐形表面である。本発明によれば、θは好ましくは6度未満である 。丸みを付けた延長表面2cがランド2aの外周をベベル面2bの内周と連結し ている。延長表面2cは半径Rを有する。ランド2aの高さはh1で表され、延 長 表面2cの高さはh2で表されている。 本発明の方法は、水平位置にある304型、316型および347型ステンレ ス鋼製の直径4インチの管に好適に適用された。直径4インチの管は肉厚t=0 .250インチのものであった。試験溶接のみの目的で、ベベル角度θは次の値 、すなわち0°、2°、3°、4°および5°の一つに等しくなるように選定さ れた。ランド高さh1は0.025インチから0.050インチまで変えられ、 延長面の半径Rは0.032インチから0.062インチまで変えられた。 開先形状の代替好適実施例によれば、丸みをつけたランド延長部の代わりに、 図3Bに示すような角度45°の遷移部2dが用いられる。 溶接中、図5に示すように、2本の管2および4を両管の間に開先8が存在す るように端と端を合わせて水平位置に置く。リング形の消耗挿入体16が、開先 8のルートにおいて対向管端のランド間に置かれた。これは両ランドの半径方向 不整合を補正するためのものである。第1(ルート)パス中、接合すべき両管の 間の開先は橋わたしされなければならない。ランドと消耗挿入体(オプション) は、溶け合って溶接ルートを形成する材料となる。ルートパスの後、ホット(第 2)パスがなされ、次いで幾つかの溶加材パスと一つ以上のキャップパスがなさ れる。 オプションとして設けられるこの挿入体は、溶加ワイヤと同じ組成を有し得る が、そうでなくてもよい。溶接開発中、308L型または347型ステンレス鋼 製の挿入体が使用された。相異なる断面を有する複数の挿入体が試され、例えば 、次の断面、すなわち、0.032×0.055インチ、0.070×0.12 0インチ、0.090×0.125インチ、0.037×0.120インチおよ び0.050×0.125インチの断面が満足し得るものであった。 本溶接方法においてイオン化状態で比較的低い電気抵抗をもつ溶接ガス、例え ば、純粋なアルゴンではなく、アルゴンと水素および(または)ヘリウムの混合 物を使用すると、(電極の端と溶接継手の底との間の)アーク長さを減らすこと ができ、従ってアークは、他の溶接方法におけるより電極に接近している継手両 壁に移らなくなる。好適なガス混合物は比較的高温であり(比較的高い温度まで イオン化し)、そして比入熱率(specific heat input r ate)を最大にできるようにして、速いキャップパス速度から得られる利益を 最大にする。このような高温ガス混合物の代表的な従来の用途は、溶接生産を欠 陥がないように改善することであり、ここに述べるような残留応力状態の改善で はない。アークが継手の両壁に移行することを防止するために本溶接方法におい て特定される代替方法は、電極の表面を、アークの移行が望まれる先端を除外し て、溶接ガス混合物をイオン化するために比較的大きな抵抗を有するセラミック のような材料で被覆することである。この備えは、電極の長さに沿う縁(形状不 連続部)が、電極先端より好適なアーク移行箇所にならないことを確実にする助 けになる。この方法はまた、比較的幅広の継手を溶接する他の幾つかの方法にお いて実施されているように電気絶縁ガスカップ延長部を継手に挿入する必要をな くする。 低残留応力溶接方法によれば、溶接ビードが、開先内に供給された溶加ワイヤ を溶融するために薄く長いタングステン合金電極を用いることにより開先内に溶 着される。電極は、図5に示すように電極と側壁との間に間隙が生じるように開 先8内にはまり込む。電極ブレード18は溶接トーチ14に電気的に接続される 。小さなベベル角度と関連する平らな電極と、選定された溶接パラメータとによ り、図1Cに示すような非常に薄い継手が設けられる。 非常に薄い溶接継手により、接合される両表面は互いにより接近して存在し得 る。この接近の結果、両表面は、他の場合に可能であるよりもかなり低い入熱率 (すなわち、優れた熱効率)でより小さな溶融池により同時にぬらされる。溶着 した溶加材と、溶接される母材への各溶接パス毎の入熱のこの減少により、溶融 域に隣接する熱影響部(HAZ)の寸法と温度をかなり減らすことができ、これ に対応して敏感材料のSCC感受性が減少するという利点が得られる。その結果 、溶接される構成部の厚さに沿う温度勾配はたいそう急になる。なぜなら、この 勾配は、溶融金属の比較的一定の高温と、(溶接部の「ルート」パスまたは第1 パスとしても知られる)構成部の遠表面の減少した低温とによって制御されるか らである。非常に薄い溶接継手の場合に達成される構成部の比較的急な温度勾配 はまた、溶接部のルートにおいて残留応力を比較的引張応力の少ない状態あるい は好ましくは圧縮応力の状態にするという利点をもたらす。この改善された応力 状 態はまた敏感材料のSCC感受性の低下をもたらす。熱影響部における減少した 熱的鋭敏化(すなわち炭化物析出)と、溶接部のルートにおける改善された応力 状態との併合効果は、腐食性環境にさらされる溶接継手のSCC耐性をかなり高 める。 低残留応力溶接方法による熱影響部の入熱と寸法と温度の減少に関連して得ら れる他の利点は、溶接中の結晶粒成長が減少または無いことである。熱影響部に おける有意の結晶粒成長およびこの区域における対応する熱的鋭敏化は、さもな ければSCCに耐える材料、例えば安定化等級のオーステナイトステンレス鋼に おいて「ナイフラインアタック」形態のSCCを引起こす。 比較的幅広の開先と円筒形電極とを用いて溶接した従来の継手と比べて、低残 留応力溶接方法によって作られた継手のルートにおける改良残留応力状態は、溶 接過程中の応力逆転により生じる。溶接中、高温の弱められた熱影響部と、凝固 したばかりの溶接金属は、比較的低温で強い周囲材料に対するそれらの熱膨張に より塑性的に圧縮される。冷却時に、この圧縮域は周囲材料に対して収縮しそし て引張残留応力の状態に置かれる。この収縮と対応引張応力は周囲材料、特に溶 接ルートと均衡関係にあり、所望の比較的小さな引張応力の状態あるいはさらに 望ましい圧縮応力に達する。応力改善の程度は、使用される特定の溶接方法パラ メータに依存する。低残留応力溶接方法において、溶接される構成部の水冷(外 部ヒートシンク作用)無しに溶接方法が熱影響部鋭敏化とルート引張残留応力を かなり減少させるのに有効であるための主要因は、この方法における入熱を非常 に低くする能力(およびそれに対応する内部ヒートシンク作用)であり、これは 非常に薄い継手形状と、薄い非円形溶接電極形状とにより可能になる。 低残留応力溶接方法で作られた継手のルートにおける引張残留応力の減少の他 の利点は、照射環境にさらされる材料の照射促進応力腐食割れ(IASCC)の メカニズムに対する感受性の減少である。この有利な効果は、有害元素の内部界 面への拡散を遅らせることによって生じる。このような拡散は、比較的高い引張 残留応力の影響によって助長される。 本発明のパッシブヒートシンク溶接方法は、上述の低残留応力溶接方法を改良 するものである。本発明の方法は、溶接すべき全ての管や他種の構成部に適用し 得るものである。本方法によれば、母材の伝導性自己冷却効果だけでも、非常に 高い溶接トーチ走行速度と組み合わされた時、溶接中の構成部の水冷または他の 補助冷却の必要なしに構成部溶接継手の残留応力をかなり改善し得る。独特な高 いトーチ走行速度(毎分10インチより高い速度)の使用により、本発明の方法 は、本来ほとんど自己ヒートシンク能力を持たない薄壁(例えば厚さ0.25イ ンチおよび0.375インチ)の材料の場合でも有効なものとされている。高い トーチ走行速度は、高い解離/イオン化温度をもつ溶接用ガスの使用により可能 とされる。このようなガスは、例えば、水素および(または)ヘリウムを含む不 活性ガス混合物である。 高いトーチ走行速度によって生じるかなり大きな壁両面間温度勾配は、高い加 熱効率と、高い加熱および冷却速度と、利用される薄い継手設計と、各溶接パス の対応小寸法との組合せにより得られる。所要の温度勾配と熱応力と、その結果 としての改善された残留応力分布は、後に、溶接される材料の厚さに沿って生成 される。最終レベルの残留応力は、継手の外側パス、特にキャップパスが完了す る際に生成される。 溶接電流のレベルは、限られた範囲のトーチ走行速度に対して、所望温度分布 が壁の厚さに沿って設定されるように調整される。必要なことは、壁の厚さの十 分な部分を十分高温にし、従ってその熱膨張により該部分が壁の比較的低温の部 分の均衡力により(熱くそして弱くなっている間に)圧縮状態に変形されそして その後周囲温度への冷却後に引張状態になるようにすることである。冷却後壁両 面間の力の均衡を保つために、トーチが通過した時に引張状態であった壁の部分 はその後圧縮状態になる。これは所望の結果である。 本発明のパッシブヒートシンク溶接方法が最も有効であるために望ましいこと は、非常に速いキャップパスの前に継手を充填するために用いられる溶接パラメ ータが、低入熱/低ひずみ型のものであり、従って、継手のルートにおける引張 残留応力のレベルが最初に実際上なるべく低くなることである。この点に関し、 パッシブヒートシンク溶接方法前の低残留応力溶接方法の使用は、新しい溶接用 途用の基本方法として非常に有利である。残留応力の緩和を必要とする既存の標 準型溶接部、特に、薄い材料を接合する溶接部にとって、パッシブヒートシンク 溶接方法の後続適用も有益であると期待される。キャップパス中に熱処理を施す ことにより、すなわち、下盛り材料を溶融せずに、残留応力状態を、降伏強度よ り実質的に低い引張応力に、または好ましくは圧縮状態まで緩和することができ る。 応力緩和の程度は、温度の関数としての材料の熱的および機械的性質、並びに 材料の厚さと一般的な溶接パラメータに依存する。本発明によるパッシブヒート シンク溶接方法の独特な特徴は、(溶接継手外面の単位面積当たりの)最終溶接 比入熱率を比較的高い値に意図的に制御して比較的短い時間にわたって適用する ことにより引張残留応力がかなり減らされるか除去されることであり、そして一 般に水を流すことによるような補助冷却でのみ通常は達成されていた代表的な大 きさの壁両面間温度勾配(最終表面における金属の溶融温度以上の温度から最初 の表面における周囲温度近くの温度までの勾配)を生じることである。 比入熱率は、所望に応じ、高温溶接ガスを用いることにより、そして特に最終 キャップパス中にトーチを独特な高い前方走行速度で動かすことにより最大にさ れる。比入熱率に対する2次調整が溶接電流および(または)溶接電圧で制御さ れる。本発明の教示による高いトーチ走行速度(すなわち、毎分10インチより 高い速度)は、従来一般にアーク溶接にそして特にガスタングステンアーク溶接 に使用された速度より少なくとも3倍速く、そして従来、健全な溶接作業には不 適当と考えられていた。本発明は極めて高いトーチ走行速度の効果を利用して残 留応力を大いに再分布させそして最適化するものである。しかし、試験によって わかったように、パッシブヒートシンク溶接方法は応力緩和に有効であるととも に、溶接構造健全性を損うことなく様々な種類の機械化された用途に適するもの である。 溶接方法の熱効率を制御する溶接方法パラメータの幾つかは、アークガス組成 と、トーチ走行速度と、アーク電流値および電流脈動値とを含む。これらおよび 他のパラメータは、熱影響部とルート引張残留応力を出来るだけ最小にするよう に選定された。管の直径と軸方向長さの測定で明らかになったことは、収縮が減 り、その結果溶接継手の近表面において、圧縮応力ではないにせよ、比較的小さ な引張応力が生じたことである。 相異なる不活性ガス混合物をシールドガスとして試験した。アルゴンと水素ま たはヘリウムとの混合物はアークの温度を高めるので、溶接プールは基材をより 迅速にぬらす。エネルギー密度が高いので、基材の表皮が迅速に加熱され、表皮 下の熱伝導のための時間が比較的少なくですむ。これにより、従来知られている より薄い熱影響部が形成される。水素またはヘリウムの追加はまたアークを短く するので、側壁に対する間隙が少なくですむ。 相異なるトーチ走行速度が試験溶接中試用された。ルートパスは毎分5.0〜 10.0インチの速度で施された。ホットパス用のトーチ走行速度は毎分5.5 インチと毎分16.5インチとの間で変動した。キャップパスは毎分10インチ 以上の速度で施された。良好な溶接部、すなわち、近表面に降伏強度より実質的 に低い減少した引張応力あるいは圧縮応力が存在する溶接部が、毎分16.5イ ンチ、20インチおよび25インチのトーチ走行速度をキャップパスに用いるこ とにより得られた。 本発明により作られた溶接部の内面でのX線回折測定は、かなりの応力改善が 達成されたことを示し、溶接ルート内およびその近辺の重要区域の全てが圧縮状 態にあることを示した。これは図6Aと図6Bおよび図7Aと図7Bに見られ、 これらの図はそれぞれ、本発明により突合せ周囲溶接を施した347型および3 04型ステンレス鋼製の直径4インチの管の内径で測定した軸方向残留応力と周 方向残留応力を示す。X線回折の結果は、ASTM G36−73「沸騰塩化マ グネシウム溶液内で応力腐食割れ試験を実施する標準推奨方法」に従って実施し た試験により確認された。 本発明の他の特徴によれば、溶接トーチをキャップパス中に横方向に振動させ る。横方向トーチ振動の目的は、近表面上に比較的広い軸方向長さにわたって圧 縮応力を発生させるような態様で熱を管の遠表面に拡散させ、これにより溶接ル ートにかかる曲げモーメントの集中を減らしそして溶接部の両側の溶融線に沿う 細かな周方向割れを緩和することである。この横方向振動は、ヘッドをモータ駆 動によって前後に動かすことにより機械的に実行することができ、或いはアーク を片側から他の側へ振れさせる振動電磁場を適用することにより電磁的に実行す ることができる。 他の代替方法によれば、2つ以上のビードを別々のキャップパスにおいて並置 し得る。多数のキャップパスを施すと、熱が溶接中心線の両側に向かって横方向 に分布する。これも溶接ルートにかかる曲げモーメントの集中を減らすためであ る。 前述の方法は例示のために開示したものである。開示した方法の様々な改変は 、溶接技術に熟練した当業者には容易に思い付くことのできるものであろう。例 えば、電極に供給される電流と電圧は、所望圧縮応力状態の達成に必要なように 、トーチ走行速度と継手形状に基づいて調整され得る。本発明の概念から逸脱し ない全てのこのような改変は、請求の範囲に包含されるべきものである。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1996年5月1日 【補正内容】 明細書 高いトーチ走行速度を用いて溶接金属部品における残留応力を緩和する方法 発明の分野 本発明は管などの残留応力に敏感な構成部品の溶接に関する。特に、本発明は 原子炉で用いる管などの構成部品の溶接に関し、これらの部品は溶接部に隣接す る熱影響部において応力腐食割れを起こしやすいものである。 発明の背景 原子炉は核分裂中に熱を発生する核分裂性燃料の炉心を備えている。熱は原子 炉圧力容器内の原子炉冷却材すなわち水によって炉心から奪われる。個別管路が 加熱された水または蒸気を蒸気発電機または蒸気タービンに移送しそして循環水 または給水を圧力容器に戻す。原子炉圧力容器の運転圧力と運転温度は沸騰水型 原子炉(BWR)の場合約7MPaと288℃、そして加圧水型原子炉(PWR )の場合約15MPaと320℃である。BWRとPWRで用いられる材料は様 々な荷重、環境および放射状態に耐えなければならない。本明細書内の「高温水 」という用語は、温度が約150℃以上の水、蒸気またはその復水を意味する。 高温水にさらされる材料は、例えば、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、ニッケ ル基合金、コバルト基合金、ジルコニウム基合金である。水使用原予炉用のこれ らの材料の念入りな選定と処理にもかかわらず、高温水にさらされる材料には腐 食が発生する。このような腐食は様々な問題、例えば、応力腐食割れ、隙間腐食 、壊食、安全弁の膠着、ガンマ線放射Co−60同位元素の蓄積を引起こす。 応力腐食割れ(SCC)は、高温水にさらされる原子炉構成部、例えば、構造 部材、管、締結具および溶接部に発生する周知の現象である。本明細書において SCCとは、静的または動的引張応力により進展した割れと、割れ先端における 腐食との組合せを意味する。原子炉構成部は様々な応力を受けやすく、これらの 応力は、例えば、熱膨張差、原子炉冷却水の収容に要する運転圧力、および他の 応力源、例えば、溶接、冷間加工および他の非対称金属処理による残留応力等に 関連する。加えて、水の化学作用、溶接、熱処理および放射線は構成部の金属の SCCを発生しやすくする。本発明は、溶接により発生する残留応力と、熱的鋭 敏化(sensitization)とを緩和することに関係し、これらはSC Cに敏感な金属にSCCを引起こすおそれのあるものである。 図1Aに、2本の管2および4を接合する従来のV形開先溶接部6を示す。溶 接部6は、円筒形溶接電極(図示せず)の先端に位置する溶加ワイヤからの溶融 材料のビードでV形開先を満たすことにより形成される。この溶接方法は溶接継 手の近辺に非常に幅広の熱影響部(HAZ)を形成する。このような溶接継手の 近辺にSCCが発生することにより、従来、世界中の軽水炉発電所において管の 多くを修理または交換する必要が生じている。溶接継手の近辺における引張残留 応力状態を改善するために10年間以上にわたって様々な方法、例えば、磁気誘 導、電気抵抗およびアーク加熱方法が利用されてきた。これらの方法は全て、溶 接材料の片側で熱源を用いそして同材料の他の側で水冷を保つことにより材料厚 さの両端間にかなりの温度差を発生させることに基づいている。この温度差は熱 ひずみとそれに続く材料塑性をもたらし、またそれに対応して材料の全厚さにわ たる応力逆転をもたらす。正味の結果は、継手の、腐食性をもつ可能性のある炉 水環境にさらされる側の残留応力を、かなり小さな引張応力または、さらに好ま しくは、圧縮応力にする。これらの従来の方法は、「ヒートシンク溶接」と「最 終パスヒートシンク溶接」を包含し、全て、溶接継手の環境露出側の連続的な水 対流冷却によって所要温度差と所要応力逆転をもたらす。この水冷要件は、管の 新設と交換のいずれの場合も、製造業者にとって過酷な悪条件となる。なぜなら 、水を保つために完全配管系をそのままにしておかなければならないからである 。材料の厚さに沿う温度勾配と、それに対応する残留応力逆転とをもたらすため に水冷を必要とする通例使用されるアーク溶接方法は、熱効率と時間効率が比較 的低く、また、継手の深さ対厚さのアスペクト比を低くした幅広溶接継手設計を 利用する。溶接中内部水冷により金属格子構造内の引張力を減らすことは、照射 により助長されるSCCの発生の減少に役立つ。このようなSCCでは、ステン レス鋼合金内の不純物が中性子の衝突に応じて粒界に拡散する。 耐食性のためにクロムで合金化したステンレス鋼のSCCを促進する第2主要 因は、溶接部に隣接する熱影響部の寸法と熱的鋭敏化の程度である。熱的鋭敏化 は、材料の粒界内で炭化クロムを析出させる作用を意味する。炭化クロムの析出 は、さもなければ溶体状態にあるクロムを拘束する。従って、粒界に沿う薄い層 がクロムを奪われ、次のような帯域、すなわち、もはや耐食性がなく、従ってS CCを起こしやすい帯域を生成する。このようなステンレス鋼は特に粒界で腐食 しやすい。 SCCに対抗する溶接部の設計における一要目は、その方式による被接合部品 への入熱(heat input)を最少にすることである。この入熱は通例、 継手の両側壁への溶加材の確実な融着に十分なレベルに保たれる。両側壁は、他 の溶接方法では、継手内で円筒形電極を動かすのに必要な寸法だけ離されていた 。 腐食安定化オーステナイトステンレス鋼のSSCを促進する他の要因は、溶接 部の溶融線近くの安定化用炭化物の解離であり、これは、溶接入熱が過度に多い 時、結晶粒成長と熱的鋭敏化をもたらす可能性がある。SCCのこの特別な変種 は一般に「ナイフラインアタック(knife line attack)」と 呼ばれるもので、しばしば溶接熱影響部の局所域内で発生する。 発電所配管溶接において商業的に使用される一種の開先幅縮小溶接方法は、い わゆる「狭開先」溶接であり、その一例を図1Bに示す。この技術により管2’ および4’の間に溶接部6’が形成され、これはV形開先溶接方法の熱影響部よ り狭い熱影響部と、同方法の開先角度より小さな開先角度を有する。「狭開先」 溶接方法は標準の円筒形電極形状を用いる。このような標準電極は長さと直径が 様々であり、通例比較的とがったまたは円錐形の端部を有する。しかし、「狭開 先」溶接における開先幅の減少は、所要溶接電流の確実な導通に要する電極の最 小直径によって制限されていた。全ての従来の溶接部は、「狭開先」溶接部も含 めて、工業標準となっている円筒形電極形状を用いて形成されている。円筒形電 極の最小直径は、所与の大きさの電流導通および熱放散能力により限定される。 従来、V形開先溶接と「狭開先」溶接の両用途のいずれにおいても非円筒形電極 の製造と設置のための備えはなされなかった。 米国特許第4588869号とフランス特許公告第2448574号は、管部 材を溶接または熱処理して残留応力を除去する方法を記載している。しかし、冷 却媒体が、電極から離れた管部材の表面を冷却するために用いられる。これらの 資料には電極走行速度に関する記載がない。 米国特許第4302658号は、固定取付具が溶接中とその後の熱処理中被溶 接部品の移動を制止している間に溶接電極を毎分25.4cm以上の速度で溶接 部上を通過させることにより被溶接ケイ素鋼の機械的性質を改良する方法を記載 している。 発明の概要 本発明は、溶接部のルート(root)側、特に管溶接部の内壁面の有害な引 張残留応力状態をかなり改善する方法である。この方法は、溶接パラメータの新 しい組合せ、特に極めて速い溶接トーチ走行速度を、特に通常「キャップ(ca p)」パスと呼ばれる最終の一つ以上のパスに用いる。本発明の方法は、最大の 応力改善の利益を得るために、米国特許出願第08/237732号に開示され ている低残留応力溶接方法を改良するものであり、この米国特許出願の溶接技術 は非円形断面を有するタングステン電極ブレードを用いるものである。上記米国 特許出願は毎分5.1〜25.4cm(毎分2〜10インチ)の範囲の溶接トー チ走行速度を開示している。本発明の方法は同様の平らな電極ブレードを用いる が、特にいわゆる「キャップ」パス中、比較的高い溶接トーチ走行速度、すなわ ち毎分25.4cm(毎分10インチ)より高い速度を用いて実施することがで きる。 前述の低残留応力溶接方法は、通常高い(ほぼ降伏強度以上の)残留応力レベ ルを、降伏強度より実質的に低い引張応力値まで、あるいは好ましくは圧縮応力 状態まで低減するものとして示されている。この成果は、接合される構成部品の 両表面のどちらにも補助冷却を用いることなく達成されてきた。このような補助 冷却は時々、ヒートシンク溶接、最終パスヒートシンク溶接等の水冷溶接方法に おいて利用される。 本発明による方法は、主として、比較的薄い、例えば9.5mm(8分の3イ ンチ)程度の厚さの材料の溶接または熱処理のためのものであるが、これに限定 されない。本方法は、もし溶接継手の下盛り材料が1回以上のキャップパス中に 溶融されれば、溶接と考えられる。代替的に、もし溶接継手の下盛り材料が溶接 継手の遠表面(ルートから遠い表面)上の溶接電極先端の1回以上のパス中に加 熱されるが溶融されなければ、熱処理と考えられる。本発明は溶接と熱処理の両 方を含む。本明細書における「キャップパス」という用語は、溶接方法における 従来の1回以上のキャップパスと、1回以上の熱処理パスとを含む。 本発明の本質は、走行溶接トーチを用いて、遠表面(溶接ルートパスから遠い 表面)が加熱されるが、比較的低い引張応力または好ましくは圧縮応力を近表面 に生じる程度まで近表面が(外部ヒートシンク作用、例えば水冷を利用せずに) 冷却されるような速度で、熱を遠表面に送り込むことである。特に、本発明の方 法は、最大の応力緩和の利益を得るために、キャップパスの際に非常に高い溶接 トーチ走行速度、すなわち毎分25.4cm(毎分10インチ)より高い速度を 用いる。この方法は、溶接方法として使用されようと熱処理として使用されよう と、流体冷却(ガス冷却を含む)を要する既存技術から明確に区別するために、 以下「パッシブヒートシンク溶接(passive heat sink we lding)」法と呼ばれる。 本発明の方法は、管壁と完成に近い溶接継手自体との限られたヒートシンク能 力により、溶接中にかなり大きな壁両面間温度勾配、従って十分な壁両面間の応 力勾配を発生させる。この応力勾配の結果、金属塑性と永久ひずみが生じ、従っ て、最終残留応力の大きさが減り、あるいは好ましくは、状態に応じて、応力の 方向が引張りから圧縮へ逆転する。本発明の高いトーチ走行速度を用いて適当な 温度勾配が得られるので、構成部の壁を経て内層に達する過大な伝導が生じ得る 前に、壁の外層を十分加熱し得る。この効果は従来、低残留応力溶接方法におい て比較的遅いトーチ走行速度、すなわち毎分5.1〜25.4cm(毎分2〜1 0インチ)の速度で比較的厚い壁(高ヒートシンク)の材料において示された。 本発明によれば、この効果は、薄壁材料(低ヒートシンク)の場合にも比較的速 いトーチ走行速度、すなわち毎分25.4cm(毎分10インチ)より高い速度 で得られる。 これら2つの状態の主要な違いは、薄い材料の場合、応力逆転は主としてキャ ップパス中に増進的に達成されるのに対し、厚い材料の場合の応力逆転は継手が 完成するにつれて漸進的に達成されることである。薄い材料に補助冷却を施さな い溶接では、キャップパスの入熱は壁両面間の温度を容易に支配できるのに対し 、 厚い材料の場合、キャップパスの入熱は壁両面間の温度分布に比較的少ない影響 を及ぼす。補助冷却を伴う溶接の場合、例えば、従来のヒートシンク溶接および 最終パスヒートシンク溶接方法では、最終パスの熱は流体冷却による損失の影響 を補うためにさらに高くしなければならない。 本発明の別の特徴によれば、溶接トーチをキャップパス中に横方向に振動させ る。この横方向トーチ振動の目的は、近表面上に比較的広い軸方向長さにわたっ て降伏強度より実質的に弱い低引張応力を生じさせるか或いは好ましくは圧縮応 力を生じさせるような態様で、熱を管の遠表面に拡散させ、これにより溶接ルー トにかかる曲げモーメントの集中を減らしそして溶接部の両側の溶融線に沿う細 かな周方向割れを緩和することである。 図面の簡単な説明 図1Aは、従来の溶接技術により溶接したV形開先継手の断面図である。 図1Bは、従来の他の溶接技術により溶接した狭開先継手の断面図である。 図1Cは、本発明の技術により溶接した継手の断面図である。 図2A乃至図2Cは、それぞれ、本発明による溶接に使用し得る第1電極形状 の正面図と側面図と底面図である。 図3Aと図3Bは、本発明の溶接技術により接合すべき管の互いに代替的な開 先形状の断面図である。 図4は、本発明による溶接に使用し得る第2電極形状の構造体を示す斜視図で ある。 図5は、本発明による溶接に使用し得る継手と溶接装置とのアセンブリを示す 概略斜視図である。 図6Aと図6Bは、それぞれ、本発明により突合せ周囲溶接を施した304型 ステンレス鋼製の直径10.2cm(4インチ)の管の内径で測定した軸方向残 留応力と周方向残留応力を示すグラフである。 図7Aと図7Bは、それぞれ、本発明により突合せ周囲溶接を施した347型 ステンレス鋼製の直径10.2cm(4インチ)の管の内径で測定した軸方向残 留応力と周方向残留応力を示すグラフである。 好適実施例の詳細な説明 本発明の方法を実施するために好適に使用される溶接装置は、機械化トーチ移 動式のガスタングステンアーク溶接装置からなる。タングステン溶接電極のブレ ードは非円形断面を有する。しかし、平らなタングステン電極の使用は本発明の 実施には必要でないと考えられる。 本発明の実施に役立つ一つの溶接継手形状(図1C)によれば、管2および4 の間の開先は好ましくは6度未満の鋭角を有しそして溶接材料6で満たされ、こ の溶接材料は、溶融するのに比較的少ない熱しか必要としない小さな幅を有する 。その結果生じる熱影響部(HAZ)は、図1Bに見られるような「狭開先」溶 接によって生じるHAZより狭い。 好ましくは、本発明の方法は、非円形ブレード断面を有するタングステン電極 を用いる。特に、ブレード断面は、溶接継手の長さに平行な方向の細長い寸法と 、継手の長さに対して垂直な方向の短い寸法とを有し、その一例は概して長方形 断面を有する柱体である。好ましくは、ブレードは平らな薄板材料、例えば、タ ングステン合金板材から切断またはスタンピングにより形成される。ブレードは 、3角形(好ましくは2等辺3角形)、または平行な真っ直ぐな側部を有すると ともに一端にとがった先端部を有する帯板の形に切削され得る。 薄い電極形状により、等しい断面積の円筒形電極の直径より小さな一寸法(す なわち幅)を有する電極が得られる。この比較的薄い寸法とその方向により、電 極は、円筒形電極が広過ぎて入れないような狭い開先に入ることができる。従っ て、溶接すべき継手の幅は、円筒形電極を用いる場合よりかなり小さくできる。 さらに、非円筒形の薄い電極の使用により、溶接入熱は各パス毎にかなり減らす ことができ、従って、熱影響部の寸法と鋭敏化がそれに応じて減らされる。 本発明の溶接方法において使用する細長い断面の電極は、前方走行用の間隙が 継手の両壁に対して存在する限り、基本的に、電極を薄くし得る程度、従って、 溶接継手を薄くし得る程度に関して制限されない。本発明の実施に利用できる平 らなタングステン合金電極の一実施例は、図2A〜図2Cに示した形状を有する 。電極10は、円筒形シャンク10aと、非円筒形ブレード10bと、先端10 cとからなる。ブレード10bはオプションとして絶縁被覆で覆われる。全ての 鋭いコーナには丸みを付けてアークの発生を防止する。ブレード10bの断面は 、 好ましくは、角を丸くした長方形の形状を有する。好ましくは、この長方形の長 さ対幅の比は少なくとも1.5対1である。 本発明の実施に利用できる平らなタングステン合金電極の他の実施例は図4に 示した形状を有する。この電極は、タングステン合金板からスタンピングまたは 切断により形成された平らな概して3角形のブレード18からなる。タングステ ン合金板の厚さの一例は0.762mm(30ミル)である。オプションとして 、ブレードの3角形は、先端18cの狭まる割合を大きくして、厳密に2等辺に しなくてもよい。 図4に示すように、ブレードは基部18aと本体18bと先端18cとからな る。基部18aは電極ホルダ20により固定されるかまたは別様に保持される。 電極ホルダ20は好ましくは銅合金(例えばベリリウム銅合金)のような伝導性 の耐酸化性材料で作られ、オプションとして銀またはニッケルで電気めっきされ る。電極ホルダは好ましくはT形金属体の形を取り、シャンク20aと横材20 bとからなる。シャンク20aは従来の溶接トーチ14に連結されている。横材 20bは縦スロットを有し、このスロットは、挿入と除去を容易にするのに十分 な遊びをもってブレード基部18aを受入れるように形成されている。ブレード 基部18aは、1対の止めねじ22を横材に形成した対応する1対のねじ穴に締 付けることにより確実に保持される。ブレードは、ねじを緩めた後、容易にホル ダから取外すことができる。従って、破損した電極ブレードの交換は容易である 。また、相異なる寸法を有する互換可能な電極ブレードを特定用途に従って選択 的に装着し得る。代替的に、ねじを用いる代わりに、ブレードをろう付けにより ホルダに固定して一体のブレード組立体を構成してもよい。すなわち、ブレード は容易に交換できないようにしてもよい。 ブレード本体18bは好ましくは、溶接開先側壁へのアーク発生を防止するた めに、絶縁被覆材、例えばAl23またはY23で覆われる。また、スタンピン グまたは切断によって形成されたブレードの全ての粗い縁は、アーク発生を防ぐ ためにばり取りされる。好適実施例によれば、平らな3角形ブレードは一つ以上 の絶縁離隔部24を有する。各絶縁離隔部は電極ブレードの平らな両側にブレー ド表面の平面を越えて突出している。これらの離隔部は、溶接開先の両側壁 と電極ブレードの平らな両側との間に最小間隙を保つように作用し、こうして溶 接開先内の電極走行中のセラミック被覆の引かきまたは過度の摩耗を防止する。 ブレードの被覆表面の十分深い引かきはセラミック被覆12を除去するので、ブ レードは被覆のない軌跡に沿ってアークを発生しやすくなる。 本発明の溶接技術を用いて接合すべき管2の開先形状の好適実施例を図3Aに 示す。この管は管壁厚さtを有する。管の端面はランド2aを含み、このランド は管の内周から外向きに延在する環状の半径方向表面である。また、管端面はベ ベル面2bを含み、この面は半径方向平面に対して角度θをなして半径方向外方 に延在する円錐形表面である。本発明によれば、θは好ましくは6度未満である 。丸みを付けた延長表面2cがランド2aの外周をベベル面2bの内周と連結し ている。延長表面2cは半径Rを有する。ランド2aの高さはh1で表され、延 長表面2cの高さはh2で表されている。 本発明の方法は、水平位置にある304型、316型および347型ステンレ ス鋼製の直径10.2cm(4インチ)の管に好適に適用された。直径10.2 cm(4インチ)の管は肉厚tが6.35mm(0.250インチ)であった。 試験溶接のみの目的で、ベベル角度θは0°、2°、3°、4°および5°の内 一つに等しくなるように選定された。ランド高さh1は0.635mm(0.0 25インチ)から1.27mm(0.050インチ)まで変えられ、延長面の半 径Rは0.81mm(0.032インチ)から1.57mm(0.062インチ )まで変えられた。 開先形状の代替好適実施例によれば、丸みをつけたランド延長部の代わりに、 図3Bに示すような角度45°の遷移部2dが用いられる。 溶接中、図5に示すように、2本の管2および4を両管の間に開先8が存在す るように端と端を合わせて水平位置に置く。リング形の消耗挿入体16が、開先 8のルートにおいて対向管端のランド間に置かれた。これは両ランドの半径方向 不整合を補正するためのものである。第1(ルート)パス中、接合すべき両管の 間の開先は橋わたしされなければならない。ランドと消耗挿入体(オプション) は、溶け合って溶接ルートを形成する材料となる。ルートパスの後、ホット(第 2)パスがなされ、次いで幾つかの溶加材パスと一つ以上のキャップパスがなさ れる。 オプションとして設けられるこの挿入体は、溶加ワイヤと同じ組成を有し得る が、そうでなくてもよい。溶接開発中、308L型または347型ステンレス鋼 製の挿入体が使用された。相異なる断面を有する複数の挿入体が試され、例えば 、次の断面、すなわち、0.81×1.4mm(0.032×0.055インチ )、1.78×3.05mm(0.070×0.120インチ)、2.3×3. 18mm(0.090×0.125インチ)、0.94×3.05mm(0.0 37×0.120インチ)および1.27×3.18mm(0.050×0.1 25インチ)の断面が満足し得るものであった。 本溶接方法においてイオン化状態で比較的低い電気抵抗をもつ溶接ガス、例え ば、純粋なアルゴンではなく、アルゴンと水素および(または)ヘリウムの混合 物を使用すると、(電極の端と溶接継手の底との間の)アーク長さを減らすこと ができ、従ってアークは、他の溶接方法におけるより電極に接近している継手両 壁に移らなくなる。好適なガス混合物は比較的高温であり(比較的高い温度まで イオン化し)、そして比入熱率(specific heat input r ate)を最大にできるようにして、速いキャップパス速度から得られる利益を 最大にする。このような高温ガス混合物の代表的な従来の用途は、溶接生産を欠 陥がないように改善することであり、ここに述べるような残留応力状態の改善で はない。アークが継手の両壁に移行することを防止するために本溶接方法におい て特定される代替方法は、電極の表面を、アークの移行が望まれる先端を除外し て、溶接ガス混合物をイオン化するために比較的大きな抵抗を有するセラミック のような材料で被覆することである。この備えは、電極の長さに沿う縁(形状不 連続部)が、電極先端より好適なアーク移行箇所にならないことを確実にする助 けになる。この方法はまた、比較的幅広の継手を溶接する他の幾つかの方法にお いて実施されているように電気絶縁ガスカップ延長部を継手に挿入する必要をな くする。 低残留応力溶接方法によれば、溶接ビードが、開先内に供給された溶加ワイヤ を溶融するために薄く長いタングステン合金電極を用いることにより開先内に溶 着される。電極は、図5に示すように電極と側壁との間に間隙が生じるように開 先8内にはまり込む。電極ブレード18は溶接トーチ14に電気的に接続される 。小さなベベル角度と関連する平らな電極と、選定された溶接パラメータとによ り、図1Cに示すような非常に薄い継手が設けられる。 非常に薄い溶接継手により、接合される両表面は互いにより接近して存在し得 る。この接近の結果、両表面は、他の場合に可能であるよりもかなり低い入熱率 (すなわち、優れた熱効率)でより小さな溶融池により同時にぬらされる。溶着 した溶加材と、溶接される母材への各溶接パス毎の入熱のこの減少により、溶融 域に隣接する熱影響部(HAZ)の寸法と温度をかなり減らすことができ、これ に対応して敏感材料のSCC感受性が減少するという利点が得られる。その結果 、溶接される構成部の厚さに沿う温度勾配はたいそう急になる。なぜなら、この 勾配は、溶融金属の比較的一定の高温と、(溶接部の「ルート」パスまたは第1 パスとしても知られる)構成部の遠表面の減少した低温とによって制御されるか らである。非常に薄い溶接継手の場合に達成される構成部の比較的急な温度勾配 はまた、溶接部のルートにおいて残留応力を比較的引張応力の少ない状態あるい は好ましくは圧縮応力の状態にするという利点をもたらす。この改善された応力 状態はまた敏感材料のSCC感受性の低下をもたらす。熱影響部における減少し た熱的鋭敏化(すなわち炭化物析出)と、溶接部のルートにおける改善された応 力状態との併合効果は、腐食性環境にさらされる溶接継手のSCC耐性をかなり 高める。 低残留応力溶接方法による熱影響部の入熱と寸法と温度の減少に関連して得ら れる他の利点は、溶接中の結晶粒成長が減少または無いことである。熱影響部に おける有意の結晶粒成長およびこの区域における対応する熱的鋭敏化は、さもな ければSCCに耐える材料、例えば安定化等級のオーステナイトステンレス鋼に おいて「ナイフラインアタック」形態のSCCを引起こす。 比較的幅広の開先と円筒形電極とを用いて溶接した従来の継手と比べて、低残 留応力溶接方法によって作られた継手のルートにおける改良残留応力状態は、溶 接過程中の応力逆転により生じる。溶接中、高温の弱められた熱影響部と、凝固 したばかりの溶接金属は、比較的低温で強い周囲材料に対するそれらの熱膨張に より塑性的に圧縮される。冷却時に、この圧縮域は周囲材料に対して収縮しそし て引張残留応力の状態に置かれる。この収縮と対応引張応力は周囲材料、特に溶 接ルートと均衡関係にあり、所望の比較的小さな引張応力の状態あるいはさらに 望ましい圧縮応力に達する。応力改善の程度は、使用される特定の溶接方法パラ メータに依存する。低残留応力溶接方法において、溶接される構成部の水冷(外 部ヒートシンク作用)無しに溶接方法が熱影響部鋭敏化とルート引張残留応力を かなり減少させるのに有効であるための主要因は、この方法における入熱を非常 に低くする能力(およびそれに対応する内部ヒートシンク作用)であり、これは 非常に薄い継手形状と、薄い非円形溶接電極形状とにより可能になる。 低残留応力溶接方法で作られた継手のルートにおける引張残留応力の減少の他 の利点は、照射環境にさらされる材料の照射促進応力腐食割れ(IASCC)の メカニズムに対する感受性の減少である。この有利な効果は、有害元素の内部界 面への拡散を遅らせることによって生じる。このような拡散は、比較的高い引張 残留応力の影響によって助長される。 本発明のパッシブヒートシンク溶接方法は、上述の低残留応力溶接方法を改良 するものである。本発明の方法は、溶接すべき全ての管や他種の構成部に適用し 得るものである。本方法によれば、母材の伝導性自己冷却効果だけでも、非常に 高い溶接トーチ走行速度と組み合わされた時、溶接中の構成部の水冷または他の 補助冷却の必要なしに構成部溶接継手の残留応力をかなり改善し得る。独特な高 いトーチ走行速度(毎分25.4cm(毎分10インチ)より高い速度)の使用 により、本発明の方法は、本来ほとんど自己ヒートシンク能力を持たない薄い、 例えば厚さ3.35mm(0.25インチ)および9.53mm(0.375イ ンチ)の壁の材料の場合でも有効なものとされている。高いトーチ走行速度は、 高い解離/イオン化温度をもつ溶接用ガスの使用により可能とされる。このよう なガスは、例えば、水素および(または)ヘリウムを含む不活性ガス混合物であ る。 高いトーチ走行速度によって生じるかなり大きな壁両面間温度勾配は、高い加 熱効率と、高い加熱および冷却速度と、利用される薄い継手設計と、各溶接パス の対応小寸法との組合せにより得られる。所要の温度勾配と熱応力と、その結果 としての改善された残留応力分布は、後に、溶接される材料の厚さに沿って生成 される。最終レベルの残留応力は、継手の外側パス、特にキャップパスが完了す る際に生成される。 溶接電流のレベルは、限られた範囲のトーチ走行速度に対して、所望温度分布 が壁の厚さに沿って設定されるように調整される。必要なことは、壁の厚さの十 分な部分を十分高温にし、従ってその熱膨張により該部分が壁の比較的低温の部 分の均衡力により(熱くそして弱くなっている間に)圧縮状態に変形されそして その後周囲温度への冷却後に引張状態になるようにすることである。冷却後壁両 面間の力の均衡を保つために、トーチが通過した時に引張状態であった壁の部分 はその後圧縮状態になる。これは所望の結果である。 本発明のパッシブヒートシンク溶接方法が最も有効であるために望ましいこと は、非常に速いキャップパスの前に継手を充填するために用いられる溶接パラメ ータが、低入熱/低ひずみ型のものであり、従って、継手のルートにおける引張 残留応力のレベルが最初に実際上なるべく低くなることである。この点に関し、 パッシブヒートシンク溶接方法前の低残留応力溶接方法の使用は、新しい溶接用 途用の基本方法として非常に有利である。残留応力の緩和を必要とする既存の標 準型溶接部、特に、薄い材料を接合する溶接部にとって、パッシブヒートシンク 溶接方法の後続適用も有益であると期待される。キャップパス中に熱処理を施す ことにより、すなわち、下盛り材料を溶融せずに、残留応力状態を、降伏強度よ り実質的に低い引張応力に、または好ましくは圧縮状態まで緩和することができ る。 応力緩和の程度は、温度の関数としての材料の熱的および機械的性質、並びに 材料の厚さと一般的な溶接パラメータに依存する。本発明によるパッシブヒート シンク溶接方法の独特な特徴は、(溶接継手外面の単位面積当たりの)最終溶接 比入熱率を比較的高い値に意図的に制御して比較的短い時間にわたって適用する ことにより引張残留応力がかなり減らされるか除去されることであり、そして一 般に水を流すことによるような補助冷却でのみ通常は達成されていた代表的な大 きさの壁両面間温度勾配(最終表面における金属の溶融温度以上の温度から最初 の表面における周囲温度近くの温度までの勾配)を生じることである。 比入熱率は、所望に応じ、高温溶接ガスを用いることにより、そして特に最終 キャップパス中にトーチを独特な高い前方走行速度で動かすことにより最大にさ れる。比入熱率に対する2次調整が溶接電流および(または)溶接電圧で制御さ れる。本発明の教示による高いトーチ走行速度(すなわち毎分25.4cm(毎 分10インチ)より高い速度)は、従来一般にアーク溶接にそして特にガスタン グステンアーク溶接に使用された速度より少なくとも3倍速く、そして従来、健 全な溶接作業には不適当と考えられていた。本発明は極めて高いトーチ走行速度 の効果を利用して残留応力を大いに再分布させそして最適化するものである。し かし、試験によってわかったように、パッシブヒートシンク溶接方法は応力緩和 に有効であるとともに、溶接構造健全性を損うことなく様々な種類の機械化され た用途に適するものである。 溶接方法の熱効率を制御する溶接方法パラメータの幾つかは、アークガス組成 と、トーチ走行速度と、アーク電流値および電流脈動値とを含む。これらおよび 他のパラメータは、熱影響部とルート引張残留応力を出来るだけ最小にするよう に選定された。管の直径と軸方向長さの測定で明らかになったことは、収縮が減 り、その結果溶接継手の近表面において、圧縮応力ではないにせよ、比較的小さ な引張応力が生じたことである。 相異なる不活性ガス混合物をシールドガスとして試験した。アルゴンと水素ま たはヘリウムとの混合物はアークの温度を高めるので、溶接プールは基材をより 迅速にぬらす。エネルギー密度が高いので、基材の表皮が迅速に加熱され、表皮 下の熱伝導のための時間が比較的少なくですむ。これにより、従来知られている より薄い熱影響部が形成される。水素またはヘリウムの追加はまたアークを短く するので、側壁に対する間隙が少なくですむ。 相異なるトーチ走行速度が試験溶接中試用された。ルートパスは毎分12.7 〜25.4cm(毎分5.0〜10.0インチ)の速度で施された。ホットパス 用のトーチ走行速度は毎分14cm(毎分5.5インチ)と毎分42cm(毎分 16.5インチ)との間で変動した。キャップパスは毎分25.4cm(毎分1 0インチ以上の速度で施された。良好な溶接部、すなわち近表面に降伏強度より 実質的に低い減少した引張応力あるいは圧縮応力が存在する溶接部が、毎分42 cm(16.5インチ)、50.8cm(20インチ)および63.5cm(2 5インチ)のトーチ走行速度をキャップパスに用いることにより得られた。 本発明により作られた溶接部の内面でのX線回折測定は、かなりの応力改善が 達成されたことを示し、溶接ルート内およびその近辺の重要区域の全てが圧縮状 態にあることを示した。これは図6Aと図6Bおよび図7Aと図7Bに見られ、 これらの図はそれぞれ、本発明により突合せ周囲溶接を施した347型および3 04型ステンレス鋼製の直径4インチの管の内径で測定した軸方向残留応力と周 方向残留応力を示す。X線回折の結果は、ASTM G36−73「沸騰塩化マ グネシウム溶液内で応力腐食割れ試験を実施する標準推奨方法」に従って実施し た試験により確認された。 本発明の他の特徴によれば、溶接トーチをキャップパス中に横方向に振動させ る。横方向トーチ振動の目的は、近表面上に比較的広い軸方向長さにわたって圧 縮応力を発生させるような態様で熱を管の遠表面に拡散させ、これにより溶接ル ートにかかる曲げモーメントの集中を減らしそして溶接部の両側の溶融線に沿う 細かな周方向割れを緩和することである。この横方向振動は、ヘッドをモータ駆 動によって前後に動かすことにより機械的に実行することができ、或いはアーク を片側から他の側へ振れさせる振動電磁場を適用することにより電磁的に実行す ることができる。 他の代替方法によれば、2つ以上のビードを別々のキャップパスにおいて並置 し得る。多数のキャップパスを施すと、熱が溶接中心線の両側に向かって横方向 に分布する。これも溶接ルートにかかる曲げモーメントの集中を減らすためであ る。 請求の範囲 1.近表面におけるルートパスと前記近表面から遠表面への方向に前記ルート パス上に順次積み重ねた複数のパスとにより少なくとも部分的に形成された溶接 継手(6)により深さ方向に接合された第1および第2金属部品(2、4)を溶 接または熱処理する方法であって、この溶接または熱処理の前では前記溶接継手 が前記近表面に、前記溶接継手の材料の降伏強度に等しいかまたはそれより大き い残留引張応力を有している場合における前記溶接または熱処理する方法におい て、 キャップパスの際に、毎分25.4cm(毎分10インチ)より大きいトーチ 走行速度で前記遠表面に沿って走行する電極(10、18)の先端から電流のア ークを放出することによって前記溶接継手の前記遠表面を加熱して、これにより 前記材料の前記近表面と前記遠表面との間に温度分布を生成する段階と、次いで 前記遠表面が冷却させて、これにより圧縮応力または前記残留引張応力より小さ な引張応力を前記近表面に生成する段階とを含み、前記加熱段階と前記冷却段階 を前記近表面の補助流体冷却なしに行うことを特徴とする方法。 2.前記遠表面を形成する材料の溶融なしに前記遠表面を加熱することを特徴 とする請求項1記載の方法。 3.前記加熱段階中に溶加材を加える段階を含むことを特徴とする請求項1記 載の方法。 4.前記第1および第2金属部品がそれぞれ6度未満のベベル角度を有するこ とを特徴とする請求項1記載の方法。 5.前記加熱段階を水素およびヘリウムの内の一方または両方を含む不活性ガ ス雰囲気内で行うことを特徴とする請求項1記載の方法。 6.前記アークが前記電極先端(10c、18c)の走行中に横方向に振動す ることを特徴とする請求項1記載の方法。 7.前記加熱段階が第1および第2軸方向位置それぞれにおける前記電極の第 1および第2平行パスからなることを特徴とする請求項1記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C21D 9/50 101 9542−4K C21D 9/50 101A (31)優先権主張番号 08/259,805 (32)優先日 1994年6月15日 (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),BG,BR,CA,CN,C Z,FI,HU,JP,KR,MX,RO,RU,SK

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.近表面におけるルートパスと前記近表面から遠表面への方向に前記ルート パス上に順次積み重ねた複数のパスとにより少なくとも部分的に形成された溶接 継手(6)により深さ方向に接合された第1および第2金属部品(2、4)を熱 処理する方法であって、この熱処理の前では前記溶接継手が前記近表面に所定の 引張応力と実質的に等しいかまたはそれより大きい残留引張応力を有している場 合における熱処理方法において、 前記近表面と前記遠表面との間で材料に温度分布を生成するに十分な速度で前 記遠表面に沿って走行する電極(10,18)の先端から電流のアークを放出す ることによって前記溶接継手の前記遠表面を加熱する段階を有し、これにより、 前記の加熱した遠表面の冷却時に圧縮応力または前記所定の引張応力より小さな 引張応力を前記近表面に生成し、また前記加熱段階を前記近表面の補助流体冷却 なしに行うことを特徴とする熱処理方法。 2.前記所定の引張応力が前記溶接継手の材料の降伏強度に実質的に等しいこ とを特徴とする請求項1記載の方法。 3.前記電極先端(10c,18c)が毎分10インチより大きい速度で走行 することを特徴とする請求項1記載の方法。 4.前記遠表面を形成する材料を溶融することなしに前記遠表面を加熱するこ とを特徴とする請求項1記載の方法。 5.前記第1および第2金属部品が管であり、前記電極先端(10c,18c )が毎分10インチより大きい速度で走行することを特徴とする請求項1記載の 方法。 6.前記加熱段階中に溶加材を加える段階を含むことを特徴とする請求項1記 載の方法。 7.前記第1および第2金属部品がそれぞれ6度より小さなベベル角度を有す ることを特徴とする請求項1記載の方法。 8.前記加熱段階を水素およびヘリウムの一方または両方を含む不活性ガス雰 囲気内で行うことを特徴とする請求項1記載の方法。 9.前記アークが前記電極先端(10c,18c)の走行中に横方向に振動す ることを特徴とする請求項1記載の方法。 10.前記加熱段階が第1および第2軸方向位置それぞれにおける前記電極の 第1および第2平行パスからなることを特徴とする請求項1記載の方法。
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