JPH09511569A - 微生物抗原に関連する疾患の検出および処置のための方法および組成物 - Google Patents

微生物抗原に関連する疾患の検出および処置のための方法および組成物

Info

Publication number
JPH09511569A
JPH09511569A JP7517470A JP51747095A JPH09511569A JP H09511569 A JPH09511569 A JP H09511569A JP 7517470 A JP7517470 A JP 7517470A JP 51747095 A JP51747095 A JP 51747095A JP H09511569 A JPH09511569 A JP H09511569A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antigen
microorganism
pylori
antigens
protein
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7517470A
Other languages
English (en)
Inventor
エマニュエル ジェイ. カレノフ,
Original Assignee
エンテロン, エル.ピー.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エンテロン, エル.ピー. filed Critical エンテロン, エル.ピー.
Publication of JPH09511569A publication Critical patent/JPH09511569A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/68Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids
    • G01N33/6854Immunoglobulins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/08Antiallergic agents
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/569Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for microorganisms, e.g. protozoa, bacteria, viruses
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/569Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for microorganisms, e.g. protozoa, bacteria, viruses
    • G01N33/56911Bacteria
    • G01N33/56922Campylobacter
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2333/00Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
    • G01N2333/195Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature from bacteria
    • G01N2333/205Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature from bacteria from Campylobacter (G)
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S435/00Chemistry: molecular biology and microbiology
    • Y10S435/8215Microorganisms
    • Y10S435/822Microorganisms using bacteria or actinomycetales
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S435/00Chemistry: molecular biology and microbiology
    • Y10S435/8215Microorganisms
    • Y10S435/822Microorganisms using bacteria or actinomycetales
    • Y10S435/882Staphylococcus
    • Y10S435/883Staphylococcus aureus
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S435/00Chemistry: molecular biology and microbiology
    • Y10S435/975Kit

Abstract

(57)【要約】 微生物に特異的な単離および精製された抗原のライブラリーは個々の分子のセットである。このライブラリーは、H.pylori-誘導胃腸−十二指腸潰瘍疾患のような特異的な微生物に関連する状態を診断および処置することに関連して有用な抗原-抗体複合体を形成する。目的の抗原-抗体複合体について、抗体は免疫グロブリンであり、抗原がアレルゲンである場合、これはIgEである。IgA、IgG、およびIgMとの複合体もまた有用である。この多変数アプローチにより、特異的抗原ライブラリーと個体由来の免疫グロブリンを含有する生物学的サンプルとの間で複合体を形成するかどうかを決定することにより、高い感受性および特異性で特異的状態が診断される。このようなライブラリーはまた、免疫療法についても有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 微生物抗原に関連する疾患の検出および処置のための方法および組成物 発明の背景 本発明は微生物抗原に関連する疾患または状態の検出および処置のための方法 および組成物に関する。さらに特に細菌抗原の単離および精製、そして診断およ び処置においてのその使用に関する。 多くの特発性再発性疾患は病因が知られていない。これらの疾患のいくつかは 微生物(例えば、細菌)による感染に関連すると考えられる。しかし、微生物と疾 患との因果関係は、多くのこれらの疾患または状態について確立されていない。 感染因子との関連が明らかにされている疾患または状態でさえ、疾患症状に至る 病因はほとんど知られていない。慢性胃炎および消化性潰瘍疾患、ならびに鼻お よび副鼻腔の慢性炎症疾患のようないくつかの疾患について、感染とアレルギー との間の関連が考えられる。初期事象は感染であり、アレルギー発達は後遺症で あると考えられる。従って、感染は、慢性過敏症および慢性感染の両方に至る微 生物アレルギーを悪化させ得る。これらの理論を支持するデータは、これらの間 の識別が不可能である。 細菌アレルギーが呼吸消化管(aerodigestive tract)の慢性疾患で重要な役割 を果たすことが示唆されている。細菌過敏症により潜在的に生じた呼吸消化管の 例示は、喘息、鼻ポリープ、慢性胃炎および胃潰瘍疾患を包含する。現在、どの ようにアレルギーのプロセスが仲介されるか、またはさらに正確にはどのように マスト細胞の脱顆粒が誘導されるかに関する定説は存在していない。細菌特異的 IgE仲介応答がこの範疇のいくつかの疾患について仮定されている。 急性の短期間反応よりむしろ慢性炎症を生じるIgE仲介反応が多く記載されて いる。これらの研究で記載される目立った事象は、マスト細胞脱顆粒である。マ スト細胞は血管作用性仲介因子および後期反応物(例えば、走化性因子、漸増性 好中球、好酸球、および単球)を放出する。これらの細胞の流入に続いてリンパ 球浸透が起こる。これらの事象は長期のマスト細胞脱顆粒の維持による慢性の繰 り返しプロセスの1部分になり得る。 消化疾患は、微生物Helicobacter pyloriに関連すると見られる慢性胃炎およ び消化性潰瘍疾患の関連疾患を包含するが、しかし、関連の性質、および感染と その後の症状を連結する機構は未知である。慢性胃炎および消化性潰瘍疾患は、 多発する重要な疾患であることから、これらの疾患の病因の解明は重要である。 全個体の5〜10%はその生涯において慢性胃炎および/または胃十二指腸潰瘍が進 行する。潰瘍疾患は病的状態の一般的な原因である。アメリカ合衆国における症 候性消化性潰瘍疾患の年罹患率は1000人の成人当たり約18人である(または約4,5 00,000人)。約350,000の消化性潰瘍疾患の新しい事例が毎年診断される。 これらの疾患の診断は、通常侵襲性で費用のかかる手順である胃十二指腸内視 鏡検査により行われる。処置は経口投薬、食事制限、および手術を包含する。処 置が「完治」することに成功することが希であるため、これらの慢性状態は、改 善と再発の繰り返しにより特徴づけられる。 細菌Helicobacter pyloriは慢性胃炎の病巣に身体的に関連するというMarshal l(1983)の報告以来、生物と慢性疾患との因果関係を解明しようとして多大なる 量の研究がなされた。H.pyloriにより誘導される局部的なpH変化、トキシンの放 出(Hupertzら、1988)、および破壊酵素(Slomianyら、1989)および異なる細菌株 間の差異(Eatonら、1989)に関する初期の推測は、疾患の病因に関して当該分野 で受け入れられる確固たる結論を出し得なかった(Peterson、1991)。さらに、原 因と結果の理論的な説明についての調査は、著しい数の臨床上健康な被験体もま た、推定の感染生物を保有することが認められることによりさらに複雑化した。 明らかに、H.pylori単独に意図される診断試験は適切な特異性を有さなかった。 それゆえ、これらの疾患および感染因子に関する他の疾患に対する新しいアプロ ーチが必要である。 微生物タンパク質は抗原性、およびことによるとアレルゲン性であることは公 知である。しかし微生物由来であり、そしてある疾患または状態の症状を生じさ せる微生物と宿主との間の相互作用を強調する個々の抗原分子セットの体系的な 研究がなかった。 多くの起源の多くの抗原に対する応答を測定するため、全体的な免疫グロブリ ンの測定は、特定のタイプでさえ比較的粗雑なアッセイである。細菌の粗抽出物 に対する血清中の抗体の検出からなる血清学的試験を開発する試みは、許容不可 能に高い偽陽性および偽陰性率を有した(Evans、1989)。精製抗原の使用はいく らかの改善を示した。たいていの場合、1つの抗原またはアレルゲンについての 、もしくは抗原またはアレルゲンの粗混成物についてのアッセイは臨床用診断に 利用可能であるが、しかし満足できない。微生物に特異的な個々の抗原のセット を定義する、および増加される感受性および特異性を伴う免疫応答を測定するた めの多変数アプローチは示唆されていない。 微生物の存在に対する宿主の免疫応答があることもまた、認識されている。し かし、個々の微生物抗原セットとある疾患または状態に関連する生物を同定する 宿主の血清抗体との複合体に特異的な免疫学的プロフィールは、これまでに同定 されていない。 発明の要旨 本発明によれば、疾患または状態に関連する微生物は直接検出されない。それ にもかかわらず、感染した宿主の免疫応答のプロフィールは検出され、これは、 微生物の存在について特異的な個々の抗原のライブラリーに対する宿主の反応を 反映する。 本発明の方法論は、「至難な」アプローチから臨床的症状を生じる特異的な宿 主侵入者の検出を導く高度な計画に基づくアプローチへと、疾患関連抗原、特に アレルギー応答を刺激する抗原に対する調査を改善する。特異的な抗原のライブ ラリーに結合する免疫グロブリンの同定および定量に基づく多変数診断基準は、 特異的な疾患または状態を検出するために、そして関連する疾患または状態から 区別するために用いられる。 本明細書中で開示される診断方法は、これらが微生物抗原のライブラリー(こ れから試験ベクターが所望の特異性-感受性レベルに依存して選択される)に基づ くため、非常に柔軟性を有する。特異性と感受性とは相関しているため、一方の 値を変えると通常他方に影響する。試験ベクターの選択はアッセイ最適化技術に 従う。ここで、抗原グループは混合されており、感受性と特異性との所望の平衡 を得るように適合されている。感受性を増加するよう設計される試験は、通常特 異性の低下の危険をはらむ。本発明は特定の状況についてこれらの値を修正し得 る。ライブラリーには多数の抗原があるため、特定のアッセイのために生成され 得る多くのサブセットがある。また、選ばれた抗原セットに対するIgE、IgA、Ig G、およびIgMにおける変化がモニターされるため、試験される個体について「ワ ンショット」よりむしろ包括的な情報が提供される。 本発明の方法により、宿主中で起こり、そして慢性胃炎および消化性潰瘍のよ うな疾患の臨床的疑いと相関がある免疫応答が検出され、診断に用いられる。疾 患と類似の症状との識別は、1つの抗原のみへの応答について試験することでは なく、むしろ特定の疾患状態または状態での特定の細菌の存在に決定的な抗原の ライブラリーへの応答について試験することにより容易にされる。この新しい概 念は、細菌刺激性アレルギー応答に関連する疾患にまで拡大される。ここで、細 菌のタンパク質細画分(subfraction)に対するIgEのような免疫グロブリンの検出 が、診断アッセイに対する複雑な多変数アプローチへの門を開き、疾患症状を生 じる機構を提示する。 本発明の方法は、細菌、ウイルス、またはマイコプラズマのような微生物を精 製タンパク質(アレルゲン性)細画分に、化学的に詳細に分析する工程を包含する 。各末端細画分は、宿主での免疫応答を惹起し得る個々の分子を含有する。同定 する細画分は、微生物をその個々の分子成分まで詳細に分析することにより生成 され、独自的に微生物を同定する成分分子を含有する細画分、またはその組み合 わせが生成される。精製抗原の生成はまた、特異的抗原への免疫グロブリンの結 合を増強する。なぜなら試験表面上での特異的抗原の吸収部位または結合部位は 、夾雑する非特異的抗原により分散されないからである。 個々の微生物抗原タンパク質を単離および同定する方法は、ドデシル硫酸ナト リウム(SDS)の濃度を上昇させながら微生物、好ましくは細菌を処理する工程、 およびそれぞれのSDS調製物中でアセトン濃度を増加させながらタンパク質(ポリ ペプチド)を沈殿させる工程を包含する。ポリアクリルアミドゲル電気泳動は、 ポリペプチドを分子量によりさらに分離するために使用される。このプロセスに より、個々の分子は単離され、続いて例えばゲル上でのバンド標識により視覚化 され得る。このようなタンパク質のライブラリー(タンパク質バンク)は、特定の 微生物の種(下記で表1に列挙したような)から生成される。「個々の分子」とは 、分子量、等電点、溶解度などにより同定されるような単一の種である。本発明 の精製方法は、末端画分中に、すなわち最後のアセトン処理の後に、個々の分子 を生成する。 本発明の他の実施態様によると、精製タンパク質抗原(これはまた、アレルゲ ン性である)の調製は、(a)タンパク質アレルゲンを含有する細菌を、アセトンで 処理して脂質成分を除去する;(b)アセトン処理した細菌を緩衝液、塩、金属、 キレート剤、プロテアーゼインヒビター、およびベンズアミジンで構成される溶 液中で崩壊させる;(c)タンパク質含有画分を、複合糖質および核酸から分離す る;(d)分子量が少なくとも約1000のタンパク質で構成される組成物を採取する ;および(e)イオン交換クロマトグラフィーにより(d)の組成のタンパク質を分離 することにより達成され得る。この実施態様は、しかし、上段に記載したSDSア セトン法により生成される抗原ほど純度の高い抗原を産出しない。標準的なアッ セイ条件下では、微生物抗原が純度が高ければ高いほど、抗原特異的免疫グロブ リンとの結合に利用可能な特異的抗原部位の数は多くなる。精製抗原の利点は、 他のイソタイプが存在しても1つの免疫グロブリンイソタイプにより検出可能な ことである。 SDS-アセトン法の使用により、抗原のライブラリーは、微生物を一定の分子量 のバンドとして同定される個々の分子に分画し、それぞれの個々の分子が免疫グ ロブリンと複合体化し得ることを決定することから得られる。この初期ライブラ リーから、サブセットが異なる目的に応じて選択される。 診断および処置での使用に適切な量の細菌抗原の採取を容易にするためには、 遺伝子組換え技術による抗原の産生が好ましい。 免疫グロブリン応答が凝集塊中で検出されるアッセイでのスクリーニングの目 的でライブラリーが使用される場合、例えば紙ディスク上に検出可能なシグナル を生成するのに十分な大きさのライブラリーが選択される。この目的のために、 特定の微生物由来の抗原(この微生物に独特であるわけではない)が包含され得る 。 すべての患者が基本的なライブラリー中の同じサブセットの抗原と反応し得る わけではないため、アッセイには、特定の状態を有するすべての患者から検出可 能なシグナルが生成されるに十分な抗原が包含される。これは、陽性試験(シグ ナルはあらかじめ決定したレベルで検出可能)は同じ状態を有する患者について その抗原組成が異なり得ることを意味する。 ある状態を検出するのに必要な抗原の数は、所望の特異性および感受性のレベ ル、および使用される標識方法の関数である。例えば、偽陽性の非罹患個体を包 含しないことがより重要なとき、すなわち高い特異性が望まれるとき、ライブラ リーからの特異性の高い抗原の比較的小さなサブセットが選択される。 しかし、ライブラリーからの抗原の最大のサブセットが一般的に至適感受性お よび特異性を提供する。十分に純度の高い抗原が提供され、他のイソタイプの他 の特異的反応性抗体が存在しても、1つのイソタイプにより検出されることから 、感受性は向上する。すべての患者が特定の抗原に感受性なわけではなく、しか も抗原が特定の微生物のすべての亜種により発現されるわけではないので、単一 の抗原に基づくアッセイは、高い特異性であり得るにもかかわらず、一般的に感 受性が乏しい。本発明における抗原ファミリーの使用がこの問題を解決する。 いくつかの疾患または状態において、1つ以上の微生物が疾患の因果関係に関 係することが、臨床サンプル由来の生物の培養のような比較的に粗い分析により 示され得る。本発明の方法により測定されるように、これらのすべての微生物が 疾患または状態に特異的であるわけではない。状態に関連すると考えられる異な る微生物から調製された抗原ライブラリーに対する応答における個体の免疫学的 プロフィールの比較は、微生物が主に特徴的な症状の原因となることを示し得、 そして付随する因子とは異なり得る。付随的な生物は、IgE応答を示さないか、 またはその状態の原因となるアレルゲン提供者として作用する生物ほど強いIgE 応答は示さない。 それぞれのタンパク質ライブラリー(タンパク質バンク)の免疫応答が、特異的 な免疫グロブリン反応性について試験される。次いで、特定の疾患または状態を 有するヒトから応答を惹起する抗原のプロフィールが現れる。 プロフィールは、微生物から調製した細画分中に単離された特異的な個々の抗 原分子セットへの免疫応答として定義される。ある状態を有するヒトとそうでな いヒトとを識別する抗原の能力は、ある疾患または状態を有するヒト由来のサン プルにおける抗原のライブラリーに対する免疫応答の特異性を、コントロールの サンプルと比較して測定される。適切なコントロールは、同定される状態に依存 して定められる。適切なコントロールには、その状態を有さない、疾患の臨床的 症状を有さない、または特異な診断が望まれる疾患あるいは状態を有する個体が 包含される。コントロールは理想的には、免疫応答を刺激することが公知の可変 要素に適合しているか、または標準化される。免疫学的プロフィールは、産生さ れた免疫グロブリンのタイプおよび産生されたそれぞれのタイプの量で構成され る。本発明の実施に適する免疫グロブリンはIgA、IgM、IgG、およびIgEを包含す る。 IgEは初期アッセイで使用される免疫グロブリンとして好ましい。なぜなら陽 性の値がアレルゲンの存在を示し、そしてIgE応答は本発明の範囲内で検出され る状態により特徴的であるからである。 IgE応答は通常、抗原への慢性または長期化された曝露を示し、そして抗原の 存在下で比較的早く生じる他の免疫グロブリン(例えばIgA、IgG、またはIgM)と 比較して、発達するのにより長い曝露を必要とする。 しかし、IgE仲介応答が検出された後、状態(特に処置への応答に関して)をモ ニターすることは、好ましくは、さらにIgA、IgGおよび/またはIgMレベルも確か めることにより達成される。種々のタイプの免疫グロブリンに対する応答のベク ターは、1つの免疫グロブリン単独に対する値より大きな値を示す。 微生物に特異的なプロフィールは、免疫グロブリンタイプの、疾患に関連する 微生物の抗原の細画分のライブラリーへの結合により同定される。 個々の分子またはその組み合わせは、その分子を含有する細画分の存在下で宿 主の免疫応答を測定することにより検出されるが、宿主において、この細画分は 一般的にインタクトな微生物の一部分である。 微生物の特異的なタンパク質細画分は、血清免疫グロブリンレベル(IgA、IgM 、IgG、およびIgA)の測定により同定され、微生物特異的免疫グロブリンは定量 可能であることを示している。IgE応答は好ましい初期スクリーニングアッセイ である。なぜならこの免疫グロブリンタイプとの反応が、抗原ライブラリーに対 してより特異的であるからである。IgE応答は一般的に抗原に対する慢性的な曝 露 を示し、そして発展するためにより長い曝露を必要とする。他の免疫グロブリン はもっと早く生じ、そして原因となる曝露よりはむしろ無作為のあるいは特発性 の曝露をさらに反映しやすい。IgE応答が検出された後、処置する個体の応答お よび/または疾患の進行をモニターすることに加えて、IgA、IgGおよびIgMとの反 応が有用である。 本発明の他の局面は、個体が細菌抗原に対して免疫応答を有するかどうかを決 定する方法であって、この方法は、(a)因子の抗原に対する免疫グロブリンを含 有する疑いのある個体からの血清を提供する工程;(b)精製特異的抗原ライブラ リーから本質的になる組成物を提供する工程;(c)抗体とそれに対する抗原との 間の免疫結合を可能にする条件下で、(a)の血清と(b)の組成物とを反応させる工 程;および(d)(a)の血清中の抗体と(b)の組成物中のそれぞれの個々のタンパク 質抗原との間で複合体が形成されるならば、それを検出する工程を包含する。 従って、本発明は、アレルゲン性タンパク質に免疫学的に結合するIgEを測定 する方法を意図している。IgEを含有すると考えられる血清を固体支持体に結合 された微生物の抽出物と反応させて、次いで洗浄し、標識された抗IgEと反応さ せ、そして固体支持体に結合した標識された抗IgEを検出する。 アレルギー性免疫応答を同定するのに適した方法は、エピトープを含有する1 つまたはそれ以上のアレルゲン性タンパク質(ポリペプチド)を固体基質へ結合さ せることである。アレルゲンに特異的なIgEを含有すると考えられる血清または 組織液のような生物学的サンプルがアレルゲン基質複合体と反応させられる。複 合体のアレルゲンと免疫学的に反応するIgEは、ウェスタンブロットおよびELISA (酵素結合免疫吸着アッセイ)のような方法で検出される。抗イソタイプ抗体が利 用できるため、免疫グロブリンは分離せずに同定および定量され得る。増強され た感受性は十分な純度の抗原を提供する結果であり、従って1つ以上のイソタイ プの抗原特異的免疫グロブリンが抗原に結合する場合であっても、それぞれ別々 に検出可能である。 それぞれのイソタイプの効果が他のイソタイプのバックグラウンドに対して検 出される理由は、利用可能な抗原が十分にあるため、結合部位はすべてのイソタ イプの特異的反応性の免疫グロブリンに適応するように利用可能であることであ る。部位の競合は、それぞれのイソタイプの標識検出が不明瞭になるようにはイ ソタイプの結合を希釈しない。 粗抗原抽出物に対して直接的にIgEを検出するのに適したアッセイの例は、放 射アレルゲン吸着(RAST)試験である。修正されたRAST試験では、精製タンパク質 アレルゲンが固体支持体に結合される。 タンパク質が十分に精製されず、結合が検出される程の十分な部位がすべての イソタイプの結合のために利用可能でない場合、タンパク質アレルゲンとの反応 の前に、試験される血清を処理して、IgA、IgM、および/またはIgGを除去する。 この「スクラブ(scrubbing)」工程はアレルゲン特異的IgEの検出に適している。 「スクラブ」は、SDS-アセトン法からの本発明の精製抗原が十分な量で使用され る場合、RAST試験にとって必要でない。 改変されたRAST試験を使用する本発明の例示の実施態様によって、胃炎/潰瘍 疾患とH.pyloriのタンパク質アレルゲンの特異的細画分に対するIgEの存在との 間に、高い正の相関があることが初めて発見された。これらの結果は、特に特異 的なIgE成分により仲介される過敏反応の存在により証拠づけられるように、こ れらの細菌への逆免疫反応が宿主における病理学的な反応の原因であるという初 めての直接の証拠であった。 胃炎/潰瘍疾患に関連するH.pyloriのタンパク質アレルゲンの同定は、比較的 非侵襲性の疾患検出を可能にする。さらに、精製タンパク質アレルゲンを使用し て、免疫療法による疾患の処置もまた可能にする。 細菌特異的IgE画分の調査はH.pyloriに関連する疾患に限定されない。さらにI gE以外の免疫グロブリン(IgA、IgG、IgM)は本発明の局面の実施に適する。 本発明の他の局面は、本発明の方法により微生物から調製された精製された抗 原の細画分から本質的になる組成物である。特に、細画分またはその組み合わせ は少なくとも2つの細菌抗原を含む。さらに特に、細画分はHelicobacter、Pseu domonas、Streptococcusなどに由来する。 本発明の他の局面は、固体基質に結合したタンパク質抗原のセット(ライブラ リー、タンパク質バンク)である。このセットはH.pyloriに特異的な抗原を含む 。 抗原の「セット」(ライブラリー、ベクター、タンパク質バンク)は免疫応答を 引き起こし、そしてある状態の個体由来の生物学的サンプルをその状態を有さな い個体由来のサンプルと区別するポリペプチドとして定義される。 例示の実施態様において、ある状態または疾患に冒された個体由来の血清のコ ントロール(非感染)個体由来の血清との比較は、個々のIgE反応性細菌タンパク 質の単離および同定について、このような手順の力を示す。強調された、そして コントロールサンプル由来ではなく罹患サンプル由来の血清中に存在する固体支 持体上のIgE関連分子バンドは、ある疾患または状態(例えば、表1におけるH.py loriおよび消化性潰瘍)について高い診断性を有する。H.pyloriに対する直接ア ッセイを用いた健康なヒトにおける偽陽性の問題は、H.pylori刺激応答のみが陽 性として記録されるため、軽減する。 単離および精製された細菌抗原を含有する細画分に対して産生された抗体が、 密接に関連する種の抗原性成分の微妙な差異、または宿主のアレルギー応答にお ける差異を判定し得るとは、予期されなかった。また、1つの免疫グロブリンイ ソタイプへの抗原抗体結合を表すシグナルが、他のイソタイプの存在下で検出可 能であることも予期されなかった。 さらに、感染因子の存在が疾患の存在または不在を識別しない状況でさえ、疾 患の重度は因子の抗原性プロフィールに対する免疫応答を定量することにより決 定され得る。 健康なヒトにおける一般的に公知または利用可能なH.pyloriについてのアッセ イを使用する偽陽性の問題は、H.pylori特異的応答のみが陽性として記録される ため、軽減される。 さらに本発明の他の局面は、細菌感染に対するアレルギー反応から生じる疾患 について、個体を処置する免疫治療方法である。この方法は、細菌(特異的抗原 および非特異的抗原の両方を包含する)由来の抗原の細画分から本質的になる組 成物を個体中に導入する工程を包含する。ここで導入の条件は、アレルギー反応 の症状を軽減するのに十分な条件である。本発明の方法から得られる詳細な情報 は、単に試行錯誤により設計された組成物よりむしろ合理的に設計される処置組 成物を可能にする。 本発明のこの局面の例として、本明細書中で定義されたように微生物に関連す る疾患について個体を処置する方法は、H.pylori誘導胃炎が処置されるべき疾患 である場合、H.pyloriの免疫原性エピトープで免疫学的に同一と見なし得る1つ またはそれ以上のエピトープを含有するポリペプチドで構成される組成物を調製 することである。ポリペプチドは、個体中でH.pyloriへのアレルギー反応を緩和 するのに十分な量で処置される個体へ送達される。処置組成物は適切な賦形剤で さらに構成され、そして患者中に導入される。 本発明のさらなる別の局面は、微生物を特異的に同定する微生物抗原のライブ ラリーを含む診断キットである。抗原ライブラリーは適切な容器中にパッケージ される。このライブラリーは、微生物エピトープとして免疫学的に同一と見なし 得る少なくとも1つのエピトープを含有するポリペプチドを含有する。抗原は固 体支持体に固定される。キットはまた、生物学的サンプル中で抗原と免疫グロブ リンとの間で形成された免疫複合体を検出するための手段を包含する。検出手段 は、放射性核種、放射性標識、発蛍光団、化学発光分子または酵素、または他の 容易に検出可能な標識の使用を包含する。 さらに本発明の別の局面は、細菌抗原のエピトープの構造的類似物で構成され る組成物である。ここでこの構造的類似物は免疫パラトープに結合する。 本発明の他の局面は、本発明の細菌抗原に対する精製ポリクローナル抗体で構 成される組成物である。 さらに本発明の他の局面は、本発明の微生物の抗原に対するモノクローナル抗 体で構成される組成物である。 以下の用語は、本記載において以下の意味を持って使用される: アレルゲンは、IgE抗体によってアレルギー性感作を生じる抗原をいう。 アレルゴイドは、IgEクラスではなくIgGクラスの、抗体を生じる化学的に改変 されたアレルゲンをいう。これにより、アレルギー性症状は減少する。 アレルギーは、免疫反応性の改変された状態を意味し、通常は、過敏症を意味 する。 抗体は、少なくとも1つの抗体結合部位を含有するポリペプチドまたはポリペ プチドの群をいう。「抗体結合部位」すなわち「結合ドメイン」は、抗体分子の可変 ドメインの折り畳みから形成されて、抗原のエピトープの特徴に相補的な内性表 面形状および電荷分布(これらが、抗原との免疫学的反応を可能にする)を有する 3次元結合空間を形成する。抗体結合部位は、抗原結合に貢献する超可変性ルー プを形成する重鎖および/または軽鎖ドメイン(それぞれ、VHおよびVL)から形成 され得る。「パラトープ」は、エピトープのための抗体結合部位であり、抗原決定 基の最も単純な形態である。用語「抗体」は、例えば、脊椎動物抗体、ハイブリッ ド抗体、キメラ抗体、改変抗体、一価の抗体、Fabタンパク質、および単一ドメ イン抗体を含む。 抗原は、Tおよび/またはB細胞タンパク質によって認識される免疫応答を生 成し得る物質であり、そして本発明においてこの用語はポリペプチドに限定され る。 生物学的サンプルは、個体から単離された組織または液体のサンプル(例えば 、血漿、血清、脊髄液、リンパ液、皮膚の外部切片、呼吸管、腸管、尿生殖器管 、涙、唾液、乳汁、血液細胞、腫瘍、器官を含むが、これらに限定されない)、 およびインビトロ細胞培養構成物のサンプルをいう。 結合されたは、共有結合による、または非共有結合性の強い相互作用(例えば 、疎水性相互作用、水素結合など)による接着をいう。共有結合は、例えば、エ ステル結合、エーテル結合、リン酸エステル結合、アミド結合、ペプチド結合、 イミド結合、炭素-硫黄結合、炭素-リン結合などであり得る。 エピトープは、ポリペプチドの抗原決定基をいう。エピトープは、そのエピト ープに独特な空間的コンフォメーションに3個のアミノ酸を含み得る。一般的に 、エピトープは、少なくとも5個のこのようなアミノ酸からなり、そしてより通 常には、少なくとも8〜10個のこのようなアミノ酸からなる。アミノ酸の空間的 コンフォメーションを決定する方法は、当該分野において公知であり、そして例 えば、X線結晶構造学および2次元核磁気共鳴を包含する。 免疫原性物質は、生存している生物の免疫システムを刺激するために使用され る物質をいい、免疫システムの1つまたはそれ以上の機能が増加し、そしてこの 免疫原性物質に向けられる。 免疫原性ポリペプチドは、アジュバントの存在または非存在下に、単独または キャリアに連結するかのどちらかで、細胞性および/または体液性免疫応答を誘 発するポリペプチドをいう。 免疫学的に同一とみなし得るは、指定されたポリペプチド中にも存在するエピ トープおよびポリペプチドが存在することをいう。免疫学的同一性は、抗体結合 および/または結合における競合によって決定され得る;これらの技術は当業者 に公知であり、そしてまた下記に例示する。 免疫反応性ポリペプチドは、抗体と「免疫学的に反応性」である場合、すなわち 、そのポリペプチド内に含まれる特定のエピトープの抗体認識に起因して抗体に 結合する場合のポリペプチドをいう。免疫学的反応性は抗体結合によって、より 特定すると抗体結合のキネティクスによって、および/またはこの抗体が指向す る エピトープを含む公知のポリペプチドを競合物として使用する結合における競合 によって、決定され得る。ポリペプチドが抗体と免疫学的に反応性であるかどう かを決定する技術は、当該分野に公知である。「免疫反応性」ポリペプチドはまた 、「免疫原性」であり得る。 個体は、脊椎動物、特に哺乳類種のメンバーをいい、そして家畜、スポーツの ために使用される動物、およびヒトを含む霊長類を含むがこれらに限定されない 。 標識は、検出可能な(好ましくは、定量可能な)シグナルを提供するために使用 され得、そしてポリヌクレオチドまたはポリペプチドに接着され得る、任意の原 子または部分(moiety)をいう。 ポリペプチドは、アミノ酸のポリマーをいい、そして特定の長さの生成物を意 味しない;従って、ペプチド、オリゴペプチド、およびタンパク質は、ポリペプ チドの定義に含まれる。この用語はまた、これらのポリペプチドの発現後改変( 例えは、グリコシル化、アセチル化、リン酸化など)には言及も排除もしない。 例えば、アミノ酸の1つまたはそれ以上のアナログ(非天然アミノ酸を含む)を含 有するポリペプチド、例えば、置換結合(linkage)を有するポリペプチド、およ び当該分野で公知の他の改変を有するポリペプチド(天然に生じるものおよび非 天然に生じるものの両方)がこの定義に含まれる。用語「ポリペプチド」は、分子 が作製された方法を暗示せず、従って天然に生じる分子、および化学合成または 組換え合成によって作製される分子を含む。 支持体は、所望のポリペプチドを固定し得る任意の固体表面または半固体表面 をいう。適切な支持体は、ガラス、プラスチック、金属、ポリマーゲルなどを含 み、そしてビーズ、ウェル、計深棒、メンブランなどの形態をとり得る。 処置は、予防法および/または治療法をいう。 図面の簡単な説明 図1は、改変RAST試験において、抗-H.pylori IgEの検出に対する、プロテイ ンAで血清をスクラブすることの効果を示すグラフである。 図2Aは、健康な個体(コントロール)におけるH.pyloriタンパク質アレルゲン の細画分(subfraction)に対するIgEの血清IgEレベルを示すグラフである。 図2Bは、胃炎患者におけるH.pyloriタンパク質アレルゲンの細画分に対する IgEの血清IgEレベルを示すグラフである。 図3は、HPLC DEAEカラムから単離された、利用可能なH.pyloriタンパク質画 分全てを使用する、コントロールおよび胃炎患者由来の血清の正味の総IgE免疫 学的反応性のプロットである;患者の値はカラム1にあり、コントロールの値は カラム2にある。 図4は、コントロールおよび胃炎患者由来の血清の、HPLC DEAEカラムの画分5 9、64、66、68、72および74中のタンパク質との正味の総IgE免疫学的反応性のプ ロットである。 好ましい実施態様の詳細な説明 本発明は、個々の抗原性分子を生成するための微生物由来のポリペプチドの精 製に関する。「個々の分子」により、分子量および/または等電点特性および溶解 度によって同定されるような均一な種が意味される。特に、本発明に従って使用 されるポリペプチドは、診断および処置が必要とされる疾患および状態に関連す る微生物に由来する。本開示において、用語「微生物」が使用される場合、それは 細菌、ウイルス、マイコプラズマなど、本発明に適切である微生物を含むために 使用される。 タンパク質は、微生物の調製物から抽出され、そして個々のタンパク質分子が 、分子量によって定義されるように、それぞれ別個の細画分中に存在するまで、 序列的な様式で細分画される。好ましいプロトコルは、可溶化工程および分画工 程については、表2に示される。このプロトコルは、個々の分子が最終の細画分 中に存在し、そしてポリアクリルアミドゲルまたは分子量によって分子を分離す る他の物質上で可視化されるまで、特定の微生物由来の抗原を精製することにお いて、拡張または改変され得る。 特定の疾患または状態に特異的である抗原のライブラリーは、コントロールの 個体においてよりも高い割合の疾患または状態を有する個体において免疫応答を 引き起こす抗原のセットを決定することによって選択される。いくつかの実施態 様においては、コントロールに比べてある状態の微生物に特有な抗原のセットが 選択される。 本明細書中に記載される方法は、細菌の抗原に対する免疫グロブリンと抗原- 抗体複合体を形成する1つまたはそれ以上の細菌エピトープを含む1つまたはそ れ以上のポリペプチドを使用する。細菌のアレルゲンに対するIg応答を検出およ び定量するために、例えば、ウエスタンブロット分析または下記に記載のような 改変RAST試験が適切である。IgG、IgMまたはIgA応答の分析については、ELISAが 適切である。 本発明の方法は、細菌関連疾患の診断および処置に有用である。例示的な実施 態様では、消化性潰瘍患者および鼻ポリープ患者における陽性の血清IgE反応性 を示す率が、特異な(differential)H.pylori抗原について、表3に示される。50 kDを境として、2つの分子量カテゴリーに分類される31の抗原は、この表中に同 定および記載される。11人の消化性潰瘍の患者および20人の鼻ポリープ患者が、 直接、臨床検査によりそして、全ての場合において、潰瘍患者におけるH.pylror iの実験室文書(laboratory documentation)により選択された。IgEは、本明細書 中に記載される様にウエスタンブロットの方法により測定された。表3に例示す るように、この比較におけるH.pylori抗原のライブラリーは、2つの疾患を有す る個体の間を区別する。いくつかの抗原が、他の抗原よりも高い割合の潰瘍患者 に存在することもまた理解され得る。 表4は、細菌抗原のグループを「ライブラリー」としていかに規定するかを決定 することを導く工程を例示する。ライブラリーは、少なくともいくつかの罹患個 体と免疫学的に反応する抗原のセットとして規定される。いくつかの実施態様に おいて、全ての陽性抗原を選択して、免疫学的複合体によって生成されるシグナ ルを増強することが好ましい。他の実施態様において、大きな割合の罹患個体と のみ反応する抗原のセットをライブラリーと規定することが、好ましい。ライブ ラリー中のいくつかの抗原は、完全には特異的ではないかもしれないが、全体と しては、それらの非特異性が弱められ、そしてマスクされるので、それらの効果 は試験の精度に対して最少となる。他の特異的な抗原の効果によってそれらは弱 められる。 抗原性ポリペプチドが単離および精製された後、これらは配列決定され、そし てE.coliのような宿主においてポリペプチドを発現し得る組換え遺伝子ベクター を開発するために使用される。これらの方法は、次の章に開示され、そして大量 の抗原を生成するのに有用である。 表4は、同定番号(1.12.1など)によって、分子量(48など)によって、および供 給源(ポリープ1など)によって指定された抗原を記載する。「+」は、正の免疫学 的応答(IgEとの結合)を示し、「−」は、無応答を示す。 本発明はさらに、とりわけ、(i)細菌抗原のライブラリーに対する宿主の免疫 学的応答を試験する方法、(ii)診断キット、(iii)本明細書で規定されるように 、特定の免疫学的プロフィールに関連することが見出された疾患を処置する方法 、(iv)ワクチン、(v)本明細書に記載される方法により検出される細菌抗原に対 する抗体、および(vi)組換え遺伝子技術を使用して抗原を作成する方法をさらに 包含する。 免疫学的応答はウエスタンブロット分析(材料および方法を参照のこと)または ELISAによってアッセイされ得る。これらの技術は当業者に公知である(本明細書 の「材料および方法」を参照のこと)。抗免疫グロブリン抗血清が利用可能である ので、抗原の同じライブラリーに対して反応性であるIgE、IgA、IgMおよび/ま たはIgGに関する免疫グロブリンのプロフィールを、別々に検査し得る。それを 試験する前に生物学的サンプル中に存在する免疫グロブリンのイソタイプを分離 する必要はない。他のイソタイプのバックグランドに対して、各イソタイプの効 果が検出可能である理由は、十分な抗原が利用可能であり、結合部位が全てのタ イプの免疫グロブリンを収容する(accomodate)ために利用可能であるからである 。結合部位の競合は、各イソタイプの標識検出を不明瞭にするようにはイソタイ プの結合を弱めない。 本発明に従って、本明細書で定義される抗原のエピトープと免疫学的に同一と みなし得る、1つまたはそれ以上のエピトープを含むポリペプチド(組換え的に または合成的に生成されるポリペプチドを含む)、およびアレルゴイドは、疾患 の診断において有用であり、そしてこれらの疾患の処置に有用である。 これらのポリペプチドはまた、微生物エピトープに対する抗体(精製されたポ リクローナル抗体とモノクローナル抗体の両方)の生成に有用である。抗体はま た、本発明に従って単離されるポリペプチドの精製において有用である。特に、 モノクローナル抗体は、特定のエピトープを含む抗原の検出に有用であり、そし て本発明の微生物に関連する疾患のためのワクチンの生成においても有用であり 得る。 微生物に関連する疾患または状態のための診断キット 細菌抗原のエピトープと免疫学的に同一とみなし得る、特定の抗原ライブラリ ー由来の2つまたはそれ以上のエピトープを含むポリペプチドが、診断キットに パッケージされる。キットは、個体由来の生物学的サンプルを試験するために使 用され、状態が個体に存在するかどうかを決定する。診断キットは、適切な容器 中にポリペプチドを含み、そしてキットはまた、このポリペプチドと生物学的サ ンプル中の免疫グロブリン(もしあれば)との間で形成される免疫学的複合体を検 出する手段を包む。検出手段は、放射性核種、放射性標識、発蛍光団(fluoropho r)、化学発光分子、酵素、または他の容易に検出可能な標識を包含する。いくつ かの場合において、ポリペプチドは、紙ディスク、またはポリスチレンウェルな どの固体基質に固定される。キットはまた、特定の診断プロトコルに必要な、適 切にパッケージされた他の試薬および物質、例えば、スタンダード、緩衝液、お よびキット成分を使用して試験を行うための使用説明書を含む。キットはまた、 免疫学的応答を定量およびモニターするために有用である。必要に応じて、コン トロール試料が含まれる。 一般的なスクリーニングのために、キットは、好ましくは、疾患または状態が 存在する場合、検出可能な免疫学的応答を引き起こすほどのライブラリー由来の 多く抗原を含む。すなわち、スクリーニングのために、より低い特異性は犠牲に しても、全ての罹患個体を検出するために感受性は高くなくてはならない。偽陽 性は、抗原のより特異的なベクター、おそらくは微生物に特異的であるベクター のどちらかに基づく第2レベルの試験を用いて、ライブラリーに対する全体の応 答よりも個々の特定の抗原に対する応答のパターンを検査することにより、およ び/またはいくつかの免疫グロブリンイソタイプを測定することによりさらに特 異的なセットに対して反応する、全ての免疫学的プロフィールを定量することに よって選択され得る。スクリーニングでは、IgEが好ましい;モニターでは、IgA 、IgMおよびIgGがアッセイに添加される。 細菌アレルゲンに関連する疾患の処置 本発明の別の実施態様において、細菌誘導疾患の傾向を有すると疑われる個体 、または細菌誘導疾患に冒された個体は、微生物に対するアレルギー性応答を減 少させる物質を用いて処置される。処置には、例えば、精製タンパク質アレルゲ ンを含む組成物が使用され得る。種特異的組成物と種非特異的組成物との混合物 が好ましい。処置には、精製抗原のライブラリーを含む組成物が使用されるか、 または組換えポリペプチドまたは抗イディオタイプ抗体が使用される。この組換 えポリペプチドまたは抗イディオタイプ抗体は、H.pyloriタンパク質アレルゲン 上のエピトープと免疫学的に交差反応する1つまたはそれ以上の免疫原性エピト ー プにより、タンパク質アレルゲンと免疫学的に同一であるとみなされ得る。DEAE 画分59、64、66、68、72および74(これらの調製物は実施例1に記載される)内に 含まれる1つまたはそれ以上のアレルゲンは、特に適切であり得る。表2中のプ ロトコルに従って単離および精製される抗原がさらにより好ましい。これらの抗 原の実施態様は、表4に同定される。 処置には、例えば、タンパク質アレルゲンのアレルゴイドも使用され得る。抗 原からアレルゴイドを調製する方法は、当該分野で公知である。代表的に、抗原 の軽い(mild)ホルマリンまたはグルタルアルデヒド処理は、抗原性(IgG「ブロッ ク」抗体形成)に影響せずに、アレルゲン性(IgE形成)を減少させる。 処置はまた、例えば、タンパク質アレルゲンのエピトープの少なくとも1つの 構造アナログ(対応するIgEパラトープに結合する)、または天然に生じる抗原お よびアナログの混合物を含む組成物を用いて行われ得る。構造アナログは、エピ トープの免疫学的結合を模倣する様式で、パラトープに対する結合を可能にする 、適切な電荷分布および疎水性/親水性特性を仮定し得る有機分子である。 目的が、除感作の形態の免疫療法によってアレルギー性反応を軽減することで ある場合、処置される個体は、1つまたはそれ以上の関連するアレルゲンを含む 組成物の注射を、継続して受ける。処置は、いかなる局所的または全身的反応を も回避するのに十分であるような低用量で開始し、頻繁な注射(通常、一週間に 1回〜2回)が、過剰な局所的または全身的反応を示さずに患者が耐え得る最高 用量に達するまで、用量を増加させながら施される。これは、維持用量であり、 次いで、より頻繁ではない間隔(通常、個体の応答に依存して1〜6週間ごと)で 、継続される。しかし、実際の用量および処置療法は処置される個体に依存し、 そして処置を施す人間によって決定される。 本発明の実施に適切な抗原の供給源は、Helicobacter,BacteroidesおよびStr eptococcusを含む。 ワクチン 本発明の別の実施態様において、免疫反応性ポリペプチド(アレルゲンを含む) または、エピトープの構造アナログは、ワクチンに調製される。ワクチンは、1 つまたはそれ以上の免疫原性ポリペプチドから調製され得る。組換え技術により 作製される場合、これらのポリペプチドは、多様な宿主細胞(例えば、細菌、酵 母、昆虫、または哺乳動物細胞)において適切に発現される。あるいは、抗原は 微生物の調製物から単離され得るか、またはアミノ酸配列が公知の場合には、合 成して調製され得る。 活性成分として、免疫原性ポリペプチド、またはエピトープを有する構造アナ ログを含むワクチンの調製物は、当業者に公知である。代表的に、このようなワ クチンは、注射用の液体溶液または懸濁液として調製される。注射の前に、液体 中に溶解することまたは懸濁することに適した固体形態もまた、調製される。調 製物はまた、乳化され得るか、またはリポソーム中にカプセル化されたタンパク 質であり得る。 活性な免疫原性成分は、しばしば薬学的に受容可能でかつ活性成分と適合性の 賦形剤と混合される。適切な賦形剤は、例えば、水、生理食塩水、デキストロー ス、グリセロール、エタノールなどおよびそれらの組み合わせである。さらに、 所望であれば、ワクチンは、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、および/またはワ クチンの効果を増強するアジュバントなどの少量の補助物質を含み得る。効果的 であり得るアジュバントの例は以下を含むが、これらに限定されない:水酸化ア ルミニウム、N-アセチル-ムラミル-L-スレオニル-D-イソグルタミン(thr-MDP)、 N-アセチル-ノル-ムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミン(CGP 11637,ノル-MDP という)、N-アセチルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミニル-L-アラニン-2-( 11-21-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ヒドロキシホスホリルオキシ)-エチルア ミン(CGP 19835A、MTP-PEという)、およびRIBI(2%スクアレン/Tween 80エマル ジョン中、細菌から抽出される3つの成分、モノホスホリルリピドA、トレハロ ースジミコール酸、および細胞壁骨格(MPL+TDM+CWS)を含む)。アジュバントの効 果は、H.pyloriの免疫反応性配列を含む免疫原性ポリペプチドに対する抗体の量 を測定することによって、決定され得る。この抗体は、様々なアジュバントをも 含むワクチン中のこのポリペプチドの投与の結果得られる。 ワクチンは、従来、注射、例えば、皮下注射または筋肉内注射のいずれかによ って、非径口的に投与される。他の投与形態に適切である別の処方物は、坐薬、 および、いくつかの場合において、経口処方物を包含する。坐薬に関して、伝統 的な結合剤およびキャリアは、例えば、ポリアルキレングリコールまたはトリグ リセリドを含み得る;このような坐薬は、0.5%〜10%の、好ましくは1%〜2%の 範囲で活性成分を含む混合物から形成され得る。経口処方物は、例えば、製薬グ レードのマンニトール、ラクトース、スターチ、ステアリン酸マグネシウム、ナ トリウムサッカリン、セルロース、炭酸マグネシウムなどのような通常使用され る賦形剤を含む。これらの組成物は、溶液、懸濁液、錠剤、丸薬、カプセル、持 続性放出処方物または粉末の形態をとり、そして10%〜95%の活性成分、好ましく は25%〜70%の活性成分を含む。 タンパク質は、中性または塩の形態としてワクチンに処方され得る。薬学的に 受容可能な塩は、酸付加塩(ペプチドの遊離アミノ基と形成される)を含み、そし て無機酸(例えば、塩酸またはリン酸など)、または有機酸(例えば、酢酸、シュ ウ酸、酒石酸、マレイン酸など)と形成される酸付加塩を含む。遊離カルボキシ ル基と形成される塩はまた、無機塩基(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモ ニウム、カルシウム、または鉄の水酸化物)、および有機塩基(例えば、イソプロ ピルアミン、トリメチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロ カインなど)から誘導し得る。。 本発明内のワクチンは、調剤処方物と適合性のある方法で、および予防的にお よび/または治療的に効果的な量で投与される。投与される量は、一般的には1 用量につき約5マイクログラム〜約250マイクログラムの抗原の範囲にあるが、 処置される被験体、被験体の免疫システムが抗体を合成する能力、および所望す る予防の程度に依存する。投与に必要とされる活性成分の正確な量は、専門家(p ractitioner)の判断に依存し得、そして各被験体に対して特有であり得る。 ワクチンは、単回投与スケジュールで、または好ましくは、複数回投与スケジ ュールで与えられ得る。複数回投与スケジュールは、予防接種の一次のコース(p rimary course)が1〜10の別個の用量で行われ、続いて他の用量が、免疫応答を 維持および/または増強するために必要とされる次の時間間隔、例えば、第2番 目の投与については1〜4ヶ月で、そして必要な場合には、次の用量を数カ月後 に与えられるスケジュールである。調剤療法(dosage regimen)はまた、少なくと も部分的には、個体の要求によって決定され、そして専門家の判断に依存してい る。 細菌抗原に対する抗体 本発明の別の実施態様において、細菌抗原(例えば、H.pyloriアレルゲン)のエ ピトープと免疫学的に同一とみなし得る1つまたはそれ以上のエピトープを含む ポリペプチドは、免疫物質としてこのポリペプチドを使用して、そして当業者に 公知である方法を使用して、H.pyloriエピトープに対する抗体を調製するために 使用される。調製される抗体は、精製ポリクローナル抗体、1本鎖抗体、モノク ローナル抗体、抗体フラグメントなどを含む。これらの抗体は、例えば、アフィ ニティークロマトグラフィーによる目的のポリペプチドの精製のために使用され る。さらに詳細には、抗体は、H.pyloriアレルゲンのエピトープと免疫学的に同 一とみなし得るエピトープを含むポリペプチド(アレルゲン自身を含む)を精製す るために使用される。 細菌エピトープに対する抗体もまた、抗イディオタイプ抗体の調製のために使 用される。これらの抗イディオタイプ抗体は、アレルゲンのエピトープを模倣す る領域を含む。抗イディオタイプ抗体は、当該分野で公知の方法を用いて合成さ れ、そして、一般に、免疫物質としてエピトープに対する抗体を使用する。例示 的な実施態様において、エピトープは本明細書中に記載するように、H.pylori由 来である。 抗イディオタイプ抗体は、アレルゲンに感受性の個体の免疫療法において有用 であり、そしてこの抗イディオタイプ抗体と免疫学的に交差反応するエピトープ を含む抗原に対する抗体の精製および/または検出に有用である。 上記のように調製される免疫原性ポリペプチドは、ポリクローナル抗体および モノクローナル抗体を作製するために使用される。ポリクローナル抗体が所望さ る場合には、選択された哺乳動物(マウス、ウサギ、ヤギ、ウマなど)は、エピト ープを有する免疫原性ポリペプチドで免疫される。免疫された動物由来の血清は 、公知の手順に従って回収および処理される。このエピトープに対するポリクロ ーナル抗体を含む血清が、他の抗原に対する抗体を含む場合には、このポリクロ ー ナル抗体は免疫アフィニティークロマトグラフィーによって精製される。ポリク ローナル抗血清を作製およびプロセシングする技術は、当該分野に公知である。 例えば、MayerおよびWalker(1987)を参照のこと。ポリクローナル抗体は、細菌 に予め感染した個体から単離される。抗体は上記の方法によって精製される。 特定の微生物エピトープに対するモノクローナル抗体は、当業者によって容易 に作製される。ハイブリドーマによってモノクローナル抗体を作製する一般的な 方法論は、周知である。不死化抗体産生細胞株は、細胞融合により作製され得、 そしてまたBリンパ球の腫瘍形成性DNAでの直接形質転換、またはエプスタイン- バーウイルスを用いるトランスフェクションなどのような他の技術によっても作 製され得る。米国特許第4,341,761号、第4,399,121号、第4,427,783号、第4,444 ,887号、第4,466,917号、第4,472,500号、第4,491,632号、および第4,493,890号 を参照のこと。エピトープの特定のセットに対して作製されるモノクローナル抗 体のパネルは、様々な特性について、すなわち、イソタイプ、エピトープ親和性 などについてスクリーニングされる。 微生物エピトープに対するモノクローナルとポリクローナルの両方の抗体は、 診断において特に有用であり、中和化するこれら抗体は、受動的免疫療法におい て有用である。モノクローナル抗体は、特に、抗イディオタイプ抗体を生じさせ るのに有用である。 抗イディオタイプ抗体は、感染物質(これに対する防御が望まれる)の抗原の「 内部イメージ」を有する免疫グロブリンである。例えば、Nisonoff(1981)、およ びDreesmanら(1985)を参照のこと。抗イディオタイプ抗体を生じさせる技術は、 当該分野に公知である。例えば、Grych(1985)、MacNamaraら(1984)、およびUytd ehaagら(1985)を参照のこと。これらの抗イディオタイプ抗体はまた、H.pylori が誘導する胃炎および/または胃十二指腸潰瘍の処置、予防接種および/または 診断に有用であり、そしてH.pylori抗原の免疫原性領域の解明にも有用である。 抗原タンパク質のクローニングおよび発現 微生物からのタンパク質の直接抽出によって、精製抗原の供給源として細菌タ ンパク質を得ることは最適ではない。H.pyloriを含む多くの種に関しては、精製 抗原のライブラリーを提供するために、培養中で十分な量の微生物を生育させる ことは困難である。比較的大量の精製抗原を得るより良い方法は、組換え遺伝子 法によって抗原を生成することである。しかし、宿主細胞中で、抗原をコードす る遺伝子をクローニングし、この遺伝子を発現させることによって抗原を生成す る組換え法でさえ、常時最大量のタンパク質を産生するわけではない。従って、 例えば、イソプロピル B-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)で誘導した後に、タ ンパク質を高量で発現させ得る方法で、E.coliなどの宿主でこれらのタンパク質 をコードする遺伝子をクローンニング、そしてこの遺伝子を発現させることが好 ましい(Sambrookら、1989)。 例示的な実施態様のように、患者における特定のIgEの発達の原因である、H.p ylori抗原タンパク質の部分的なアミノ酸配列が同定される。アミノ酸配列を決 定するために、ポリアクリルアミドゲル上でのこのタンパク質の電気泳動を使用 して、少量の不純物からこのタンパク質を分離する。特定のタンパク質のために 、PVDF(ポリビニリデンフルオリド、Millipore,Bedford,MA)メンブラン上への電 気泳動トランスファー、Coomassie blue R-250での染色によるタンパク質の同定 、タンパク質バンドの切り出し、およびアミノ酸マイクロシークエンサーでの配 列決定が、適切な方法である。このタンパク質のアミノ末端がブロックされてい なければ、マイクロシークエンシングが適切である。アミノ末端がブロックされ ていれば、タンパク質は、内部のメチオニン残基でタンパク質を特異的に切断す る臭化シアン切断を受ける。この工程は、上記のようにポリアクリルアミドゲル 上で分離され、そしてアミノ酸配列決定を受けるオリゴペプチドを生成する。 部分的なアミノ酸配列情報に基づき、特定の抗原タンパク質をコードする遺伝 子をクローンニングするために使用される、オリゴヌクレオチドプライマーが設 計される。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術は、この目的のために適切である。 単離された遺伝子は原核生物発現系(Glutathione S-transferase(GST)Gene Fu sion system(Pharmacia)またはQiaxpress system(Qiagen Inc.)など)にクローニ ングされる。GST Fusion systemは、アミノ末端でのグルタチオンS-トランスフ ェラーゼとの融合タンパク質としての、IPTG誘導可能で、高いレベルの遺伝子発 現のために設計されている。この融合タンパク質は、グルタチオン-セファロ ースを用いるアフィニティークロマトグラフィーによってE.coli溶解物から容易 に精製される。グルタチオンS-トランスフェラーゼタンパク質は、アミノ末端で 、部位特異的プロテアーゼによって、所望のタンパク質から選択的に切断される 。なぜなら、発現プラスミドは、連結部位にプロテアーゼに対して特異的な認識 配列を有するからである。Qiaxpress systemは、6つの隣接するヒスチジン残基 (6×His)からなるアミノ末端親和性タグまたはカルボキシ末端親和性タグを含む 組換えタンパク質の産生を可能にする。設計された6×Hisタグは、ニッケルキレ ートアフィニティークロマログフィーによる一工程精製を可能にする。いくつか の高分子量融合タンパク質は、大量に産生される場合、凝集して不溶性を生じる 傾向がある。このような場合、前者の発現系は、精製にアフィニティークロマト グラフィー技術を適用する際に限界を有する。しかし、Qiaexpress systemにお いては、不溶性融合タンパク質は尿素またはグアニジウム塩酸塩のいずれかで溶 解され、そしてNi-キレートアフィニティークロマトグラフィーで精製される。 他に指示がない場合、本発明の実施は、当該分野の技術の範囲にある、タンパ ク質精製、微生物学、分子生物学、および免疫学の従来技術を適切に使用する。 このような技術は、文献において十分に説明される。 以下の実施例は、例示的な目的のみに提供され、そして本発明の範囲を限定す るものではない。本開示の観点から、特許請求の範囲内の多くの実施態様が、当 業者に明白である。 実施例1 H.pyloriタンパク質アレルゲンの単離 および紙ディスクへのアレルゲンの共有結合 A.H.pyloriのプロセシング 湿重量で4gのH.pylori(ATCC43504株;ATCC,Bethesda,MD,USA)を、本質的 にはSmibert(1978)の方法により培養した。さらに詳細には、アメリカンタイプ カルチャーコレクションから得たH.pylori(ATCC第43504号)をそのバイアルから 吸引して取り出し、1mlの滅菌Difco Brucellaブロス(broth)に懸濁し、そして 接種ループで、3つの別のBrucella Agarプレート(Anaerobe systems,San Jose , CA)に移した。このプレートを、85%N2、10%CO2、および5%O2の微好気性雰囲 気中で35℃にて5日間インキュベートした。インキュベーション後、プレートを 取り出し、そして検査した。小さな灰色がかった白いコロニーが観察された。グ ラム染色塗抹標本(Gram-stained smear)の顕微鏡検査は、大きなU字型およびル ープ状のグラム陰性棹菌(長さ約5ミクロン)を示した。これは、H.pyloriの典 型である。 5日目のプレート由来のコロニー中のH.pyloriを、Brucellaプレートの新鮮な セットに移し、そしてこのプレートを微好気的に35℃にて3〜5日間インキュベ ートした。3日後、H.pyloriコロニーの、より繁茂した増殖が生じた。これらの コロニーを、ブロス種培養物用の接種原として使用した。 いくつかの10mlスクリューキャップチューブに、5%ウマ血清(GIBCO BRL)を 含有する5mlの滅菌Brucellaブロス、および綿棒によりプレートから回収したコ ロニーを移すことにより、ブロス種培養物を調製した。全てのチューブを、微好 気性雰囲気の下で35℃にて3〜5日間インキュベートした。この期間の後、重度 の濁りがチューブに認められた場合、培養物を、グラム染色したスライドの顕微 鏡検査により、純度について検査した。 ブロス種培養物は、5%ウマ血清を含有する1リットルの滅菌Difco Brucella ブロス用の接種原として使用した。接種した培養物を、3リットルのフラスコ中 で、3〜5日間、微好気性雰囲気中で35℃にてのインキュベーションにより、増 殖させた。中程度の濁りが認められた場合、培養物は上記のように純度について 検査された。一般に、1リットルの培養物は、約2.0gの量の未洗浄細胞を生じ た。 タンパク質アレルゲンを単離するために、リットル単位の培養物由来の生きて いる微生物を、4℃にて3,000RPMで15分間遠心分離してペレット化した。次いで 、弱毒化した細菌を同様の遠心分離により再ペレット化した。このペレットを、 50mMリン酸ナトリウム(pH7.3)、150mM NaCl、5mM EDTA、5mM EGTA、100μg/ml PMSFおよび100μg/mlベンズアミジンを含有する冷緩衝液20mlに再懸濁した。10 mLの150〜210ミクロン、酸洗浄ガラスビーズ(Sigma,St.Louis,MO,USA)を添加し 、次いで、得られた懸濁物を、400ワットのBranson Sonifier II超音波細胞破砕 機 と通常のチップを用いて、セッティング番号7で超音波処理した。従って、懸濁 物は、メタノール冷浴中で冷却しながら15分間超音波処理された。次いで、得ら れた混合物を上記のように遠心分離し、そして上清を貯蔵した。 B.勾配遠心分離 上清を、Beckman SW 40Tiローター(Beckman,Palo Alto,CA,USA)中で、4℃、1 00,000gにて1時間遠心分離した。得られた上清に0.456 cjm/mlのRbCl(Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,Wis.,USA)を添加した。次いで、溶液をBeckman 70Ti ローター中で4℃にて48時間遠心分離した(最初の24時間は65,000RPM、次の24時 間は48,000RPM)。各勾配チューブの上清内容物を、各チューブの底から始まる10 の均等な画分に回収した。勾配前の上清(pregradient supernatant)に含まれて いた大部分の残余複合体の炭水化物および核酸を表す各チューブのペレットは、 捨てられた。 C.イオン交換クロマトグラフィー 各勾配画分を、1,000MWカットオフの透析チューブを用いて4℃にて20mMリン 酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)に対して透析した。画分あたりのタンパク質含量の 概算は、280nmの波長の分光測定法により行った。検出タンパク質の90%は、画 分2〜6(両端を含む)に見出された;これらの画分をプールした。次いで、プ ールした画分を、Bio-Sil DEAE分析陰イオン交換HPLCカラム(BioRad,Richmond,C A,USA)におき、そして勾配の終わりで100%緩衝液Bが得られる、30分間の直線 勾配をランした(run)。平衡緩衝液(緩衝液A)は、20mMリン酸ナトリウム(pH7. 0)であった。塩含有緩衝液(緩衝液B)は、1.0M NaClを含有する20mMリン酸ナ トリウム(pH7.0)であった。溶出画分を回収し、そしてそれぞれのタンパク質を 前述のように定量した。高分子および陽イオン分子を含有するフロースルー(ボ イド)画分を、Bio-Sil SP陽イオン交換カラム(BioRad)におき、そしてDEAEでの ランに関してのように正確な勾配条件下でランした。得られた溶出両分もまた、 タンパク質について定量した。 D.H.pyloriタンパク質と紙ディスクの共有結合 CnBr活性化紙ディスクを、本質的にCeska(1972)の方法により作製した。さら に詳細には、紙ディスク(直径6mm)を、Schleicher and Schuell 589赤リボン フィルター紙からパンチで切り出した。このディスクを、水中で30分間膨張させ た。CNBR溶液(水中で5%)を添加し、そして19℃の水浴中で3分間、機械的ス ターラーにより混合した。NaOH(1M)を滴状に添加し、pHを10.0から10.5の範 囲に維持した。懸濁物は、直ちに約10倍過剰の冷NaHCO3溶液(5mM、4℃)に注 いだ。十分な混合後、溶液をデカントした(decanted)。NaHCO3溶液での洗浄を11 回繰り返した。次いで、紙ディスクを、25%、50%、75%と一連に濃度変化させ た500mlのアセトンでそれぞれ2回洗浄し、続いて500mlのアセトン(試薬等級、 4℃)で4回洗浄した。次いで、これらをフィルター紙上に置き、フードのある 換気下で3時間乾燥させ、プラスチックバック中に乾燥剤袋と共に梱包し、そし て使用するまで−20℃にて貯蔵した。 イオン交換ランの間に回収した各溶出サンプルから充分な容量を得、そして50 mM炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.6)で希釈し、300μgのタンパク質を含有する3ml の溶液を得た。それぞれに、30のCNBR活性化紙ディスクを加え、次いで、それぞ れのディスクに種々のタンパク質を共有結合させるために、混合物を、4℃にて 48時間、穏やかな撹拌下においた。タンパク質ディスクを、Ceska(前出)によ り記載されたように、エタノールアミンで洗浄およびブロックした。 実施例2 H.pyloriアレルゲンに特異的なIgEを検出するための改変RAST手順 実施例1に従って調製されたH.pyloriアレルゲンに特異的なIgEを、改変RAST 手順を使用することについてアッセイした。この手順の一部は、本質的にはNale buffら(1981)により記載された通りであった。さらに詳細には、100μlの血清の アリコートを、適切なアレルゲンディスクとともに一晩インキュベートし、そし て0.1%Tween 20を含有する50mMリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)(pH7.3)で3回洗 浄した。これに続いて、De-2決定基に特異的な125I標識抗IgEとともに一晩2回 目のインキュベーションをした。洗浄した後でかつ計数する前に、アレルゲンデ ィスクを、時間コントロールにより予め選択された時間の間、γカウンター中の 新しいチューブ内に置いた。時間コントロールは、25単位のWHO標準化IgEからな った。このIgEを、IgEが25,000カウント結合するのに必要な時間、PRIST抗IgEデ ィスクに対してランした。この時間を、全ての後続の試験の計数に使用した。 4つのブランクディスクに対して、それぞれプロテインAスクラブ(scrubbed) 血清(下記参照のこと)をランすること、および個体のバックグランドを表すメ ジアン値を計算することにより個々の患者のバックグランドレベルを決定した。 このバックグランドレベルの2倍以上の値を、陽性と考えた。各患者に対する個 々のバックグランドレベルの決定は、アッセイの精度を増大させる。なぜなら、 それは、総血清IgE(細菌のアレルゲンに特異的なものだけではない)に直接対 応する変化性を考慮に入れるからである。 図1に示すように、H.pyloriのIgEを検出するために、H.pyloriタンパク質ア レルゲンを含有するディスクとともにインキュベートする前に、血清サンプルを スクラブ(scrub)して大部分のIgGおよびIgA抗体を除去することが有用であった 。 スクラブ工程は、組換えプロテインA/セファロース(Zymed,S.San Francisco ,California USA)とのインキュベーションによった。さらにいえば、1mlの組換 えプロテインA/セファロースあたり2mlの血清を、撹拌しながら1時間インキ ュベートした。次いで、懸濁物を1500RPMで15分間遠心分離し、そして血清上清 を回収した。 図1の結果は、胃炎およびH.pyloriのコロニー形成の記録のある患者から同じ 血清の2つのアリコートを採取すること、およびこれらのアリコートの内1つを スクラブ手順に供することにより得られた。次いで、等量の血清のスクラブサン プルおよび非スクラブサンプルを、上記のように、H.pyloriタンパク質アレルゲ ンを含有するディスクを使用するRAST手順の残りの部分に供した。図中では、ス クラブサンプル(実線)および非スクラブサンプル(破線)中で検出された血清 IgEレベルを比較した。グラフに見られるように、スクラブサンプルは、IgEのH. pyloriタンパク質アレルゲンへの結合を可能にした。このアレルゲンは、画分番 号66をピークにDEAEカラムから溶出した。この結合は、非スクラブサンプルでは 検出されなかった。アッセイを繰り返し、同様の結果を得た。 実施例3 H.pylori特異的IgEについての患者血清の分析 本発明のいくつかの局面は、慢性胃炎または胃十二指腸潰瘍である個体がH.py loriのタンパク質アレルゲンに特異的な血清IgEを有する(このことは、この疾 患の病因論においてこの細菌に対する過敏症を意味する)という、本発明を使用 する発見により発した。 H.pyloriは、おそらく、無害な胃粘膜の定住菌(colonizer)である。H.pylori は、保護粘膜層のすぐ下に住み、そして、おそらく保護粘膜層を食べているが、 宿主または胃酸に対する宿主の保護防御にそれほど害はない。慢性胃炎において 認識される炎症プロセスは、アレルギーの遺伝的傾向を有し、従って、アレルゲ ンとしてH.pyloriのアレルギー性タンパク質を提示するために必要なMHC II抗原 フレームワークを有する個体を生じる。おそらく、杯状細胞による保護粘膜の分 泌の質的なおよび/または量的な減少が生じ、従って基礎を成す粘膜が脆弱にな る。さらに、起こり得る局所的なヒスタミン産生の増加は、アレルギー反応に応 答して起き得る。ヒスタミンは、胃の血管叢に吸収されるので、胃酸産生の増加 を導く。これら2つの現象は、共に、初期の胃障害の刺激の増加を生じ得、そし て、H.pyloriに対する定常的なアレルギー反応を伴って障害の拡大および慢性化 を導き得る。 上記の本発明者の発見に基づいて、イムノアッセイを、個体におけるH.pylori 誘導性アレルギー反応の検出のために設計した。1つの局面では、これらのイム ノアッセイは、精製タンパク質の細画分(アレルゲン)を利用し、そしてこれら のイムノアッセイは、内視鏡検査に好ましい。なぜなら、これらはインビトロで 行われ得、そして比較的非侵襲性であるからである。さらに、この発見により、 これらの疾患の新規の処置が可能となる;すなわち、H.pyloriの少なくとも1種 の精製タンパク質アレルゲンを含有する組成物、および/またはH.pyloriのタン パク質アレルゲンのアレルゴイドを用いる免疫療法である。 内視鏡検査により疾患陽性であるとされた10人の続発性胃炎/GI潰瘍患者、内 視鏡により損傷のないとされた2人の患者、および明らかに無症候性の12人のコ ントロール患者を、実施例2に記載のようなスクラブ工程を有する、改変したRA ST手順、および実施例1に従って調製した抗原を使用して試験した。 疾患陽性である10人の患者は全員、測定可能な量のH.pylori特異的IgEを、そ の血清中に有していた。内視鏡的に正常な2人の患者はIgE陰性であり、そして1 2人の無症候性のコントロール被験者の内6人もまた、いくつかのHPLC溶出タン パク質に対して陽性であった。図2に示すように、各IgE陽性患者は、種々のHPL C分画タンパク質に対して異なる反応をするようであった。 「無症候性」患者および「胃炎」患者において、各陽性患者について、個々の クロマトグラフィー画分に対して陽性のIgE反応性を示す率を試験した。いくつ かのH.pyloriタンパク質画分が存在し、この画分に対して疾患群の患者が「無症 候性」患者よりも大きな排他性で反応した。このより排他的な反応性は、DEAE画 分の59、64、66、68、72、および74に対して観察された。 図3は、HPLC DEAEカラムから分離された、利用可能なH.pyloriのタンパク質 画分の全てを使用した、コントロールおよび胃炎患者由来の血清の正味の総IgE 免疫学的反応性のプロットを示す。図4は、コントロールおよび胃炎患者由来の 血清の、画分59、62、65、70、64、68、71、73、および74中のタンパク質との、 正味の総IgE免疫学的反応性のプロットである。 実施例4 鼻ポリープ症における特異的IgE定量 慢性の副鼻腔疾患の患者は、細菌特異的血清IgEに高い陽性率を示す。IgEの定 量は、患者のクラスを識別するのに利用した。 改変した放射性アレルゲン吸着試験法を用いた。ここで、各血清サンプルは、 非IgE抗体との競合を除去するためにrecプロテインAと吸着させ、そして、16の 独立の細菌の属から抽出した精製タンパク質を潜在的アレルゲンとして使用した 。 鼻ポリープ症を有する24人の患者および慢性副鼻腔炎を有する14人の患者を試 験した。彼らは全員、従来の内科療法では難治性であり、そして内視鏡的な洞切 開を必要とした。コントロールとして試験したのは、慢性アレルギー性鼻炎を有 する、慢性鼻洞疾患の病歴を有さず、そして患者群と同じかあるいはより高い総 血清IgEおよび吸入剤特異的(inhalant specific)IgEレベルを有した10人の被験 者であった。 結果は以下のことを示した: (1)recプロテインAでの血清サンプルの前処理は、細菌特異的放射性アレルゲ ン吸着試験の感度の増加を生じた。 (2)ポリープを有する患者24人のうち17人、慢性副鼻腔炎の患者14人のうち8 人、および慢性アレルギー性鼻炎の患者10人のうち1人は、このアッセイで試験 した場合、IgE陽性であると決定された。 これらの結果から、以下のことが結論された: (1)細菌特異的血清IgEを定量し得る; (2)鼻ポリープ症および/または慢性副鼻腔炎を有する患者の大部分は、その 血清中に細菌特異的IgEを有するが、一方、アレルギー性鼻炎のみを有する被験 体は、その血清中に細菌特異的IgEを有しない;そして (3)慢性的に感染した副鼻洞から単離された複数の細菌種が、IgE介在感作の誘 導し得る。 材料および方法 細分画への細菌抗原の精製法: SDSによる細菌タンパク質の抽出、アセトンによる沈殿 I.0.1、1.0、および10.0%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)溶液による抽出 A.0.1%SDS抽出: 1)PBSで洗浄した細菌ペレット1mLあたり、EDTA(エチレンジアミン四酢酸 )、EGTA(エチレングリコール−ビス−四酢酸)、ロイペプチン、ベンズアミジ ン、およびPMSF(フェニルメチルスルホニルフルオリド)を各1mM含有する0.1 %SDS/20mM Tris-HCl(pH7.0)5mLを添加する。 2)内容物を、穏やかな速度で15分間撹拌する。 3)30,000RPMで60分間、4℃にて遠心分離する。 4)等分し、上清を必要なときまで凍結する。 B.1.0%SDS抽出: 1)残った沈殿物に、ペレット1mLあたり、EDTA、EGTA、ロイペプチン、ベン ズアミジン、およびPMSFを各1mM含有する1.0%SDS/20mM Tris-HCl6mLを添加す る。 2)穏やかな速度で15分間撹拌する。(溶液は、非常に粘性があるはずである 。) 3)30,000RPMで60分間、4℃にて遠心分離する。 4)粘性を有する上清を等分し、氷上に取っておく。 5)ペレット(およびわずかな量の残っている粘性を有する上清)に、最初の ペレット1mLあたりさらに2mLの1.0%SDS抽出緩衝液を加える。 6)少し撹拌する。 7)30,000RPMで30分間、4℃にて遠心分離する。 8)粘性を有する上清をプールする。 9)1.0Mグリシン緩衝液(pH2.2)を、溶液がその粘性を失うまで(溶液がpH2.2 に達すれば生じるはずである)、撹拌しながらゆっくりと加える。 10)プロセシングした上清を、30,000RPMで60分間、4℃にて遠心分離する。 沈殿物は全て捨てる。 11)上清を等分し、そして撹拌しながら1.0M NaOHで中和する。 12)得られた懸濁液を30,000RPMで60分間、4℃にて遠心分離する。 13)等分し、そして上清を必要なときまで凍結する。沈殿物は捨てる。 C.10.0%SDS抽出: 1)工程B-7のペレット1mLあたり、EDTA、EGTA、ロイペプイン、ベンズアミ ジン、およびPMSFを各1mM含有する10%SDS/20mM Tris-HCl6mLを添加する。 2)穏やかな速度で15分間撹拌する。(溶液は、非常に粘性があるはずである 。) 3)30,000RPMで60分間、4℃にて遠心分離する。 4)粘性を有する上清を等分し、氷上に取っておく。 5)ペレット(およびわずかな量の残っている粘性を有する上清)に、最初の ペレット1mLあたり2mLの1.0%SDS抽出緩衝液を加える。 6)少し撹拌する。 7)30,000RPMで60分間、4℃にて遠心分離する。 8)粘性を有する上清をプールする。沈殿物は捨てる。 9)1.0Mグリシン緩衝液(pH2.2)を、溶液がその粘性を失うまで(溶液がpH2.2 に達すれば生じるはずである)、撹拌しながらゆっくりと加える。 10)プロセシングした上清を、30,000RPMで60分間、4℃にて遠心分離する。 沈殿物は全て捨てる。 11)上清を等分し、そして撹拌しながら1.0M NaOHで中和する。 12)得られた懸濁液を30,000RPMで60分間、4℃にて遠心分離する。 13)等分し、そして上清を必要なときまで凍結する。沈殿物は捨てる。 II.0.1、1.0、および10.0%SDS抽出物中のタンパク質のアセトン沈殿 A.0.1%SDS抽出物: 1)50%アセトン沈殿のタンパク質 a.工程I-A-4の抽出されたタンパク質1mLあたり、1.0mLの室温のHPLC等 級のアセトンをゆっくりと(撹拌しながら)加える。 b.得られた混合液を、4,000RPMで30分間、4℃にて遠心分離する。 c.上清を等分し、そして次の沈殿工程のために取っておく。 d.沈殿物1ccあたり、20mM Tris-HCl(pH7.0)に溶かした0.1%SDS 5.0mL を添加する。 e.得られたSDS溶液を、沸騰水浴中に5分間おく(全てのプロテアーゼを 失活させるため)。 f.冷却した場合、溶液を、3,500 MWのチューブを使用して1mM Tris-HCl に対して透析する。 g.必要なときまで凍結する。 2)85.0%アセトン沈殿のタンパク質 a.50%沈殿工程の上清1mLあたり、4.67mLの室温のHPLC等級のアセトン をゆっくりと(撹拌しながら)加える。 b.得られた混合液を、4,000RPMで30分間、4℃にて遠心分離する。 c.等分し、そして上清を捨てる。 d.沈殿物1ccあたり、20mM Tris-HCl(pH7.0)に溶かした0.1%SDS 5.0mL を添加し、そして沈殿物が再び可溶化するまで穏やかにかき混ぜる。 e.得られたSDS溶液を、沸騰水浴中に5分間おく(全てのプロテアーゼを 失活させるため)。 f.冷却した場合、溶液を、3,500 MWのチューブを使用して1mM Tris HCl に対して透析する。 g.必要なときまで凍結する。 B.1.0%抽出物 1)30.0%アセトン沈殿のタンパク質 a.工程I-B-11のタンパク質抽出物1mLあたり、0.429mLの室温のHPLC等級 のアセトンをゆっくりと(撹拌しながら)加える。 b.得られた混合液を、4,000RPMで30分間、4℃にて遠心分離する。 c.上清を等分し、そして次の沈殿工程のために取っておく。 d.沈殿物1ccあたり、20mM Tris-HCl(pH7.0)に溶かした0.1%SDS 5.0mL を添加する。 e.得られたSDS溶液を、沸騰水浴中に5分間おく(全てのプロテアーゼを 失活させるため)。 f.冷却した場合、溶液を、3,500 MWのチューブを使用して1mM Tris HCl に対して透析する。 g.必要なときまで凍結する。 2)35.0%アセトン沈殿のタンパク質 a.30%沈殿工程の上清1mLあたり、0.109mLの室温のHPLC等級のアセトン をゆっくりと(撹拌しながら)加える。 b.得られた混合液を、4,000RPMで30分間、4℃にて遠心分離する。 c.等分し、そして上清を捨てる。 d.沈殿物1ccあたり、20mM Tris-HCl(pH7.0)に溶かした0.1%SDS 5.0mL を添加し、そして沈殿物が再び可溶化するまで穏やかにかき混ぜる。 e.得られたSDS溶液を、沸騰水浴中に5分間おく(全てのプロテアーゼを 失活させるため)。 f.冷却した場合、溶液を、3,500 MWのチューブを使用して1mM Tris HCl に対して透析する。 g.必要なときまで凍結する。 3)53.0%アセトン沈殿のタンパク質 a.35%沈殿工程の上清1mLあたり、0.59mLの室温のHPLC等級のアセトン をゆっくりと(撹拌しながら)加える。 b.得られた混合液を、4,000RPMで30分間、4℃にて遠心分離する。 c.等分し、そして上清を捨てる。 d.沈殿物1ccあたり、20mM Tris-HCl(pH7.0)に溶かした0.1%SDS 5.0mL を添加し、そして沈殿物が再び可溶化するまで穏やかにかき混ぜる。 e.得られたSDS溶液を、沸騰水浴中に5分間おく(全てのプロテアーゼを 失活させるため)。 f.冷却した場合、溶液を、3,500 MWのチューブを使用して1mM Tris HCl に対して透析する。 g.必要なときまで凍結する。 4)85.0%アセトン沈殿のタンパク質 a.53%沈殿工程の上清1mLあたり、4.542mLの室温のHPLC等級のアセトン をゆっくりと(撹拌しながら)加える。 b.得られた混合液を、4,000RPMで30分間、4℃にて遠心分離する。 c.等分し、そして上清を捨てる。 d.沈殿物1ccあたり、20mM Tris-HCl(pH7.0)に溶かした0.1%SDS 5.0mL を添加し、そして沈殿物が再び可溶化するまで穏やかにかき混ぜる。 e.得られたSDS溶液を、沸騰水浴中に5分間おく(全てのプロテアーゼを 失活させるため)。 f.冷却した場合、溶液を、3,500 MWのチューブを使用して1mM Tris HCl に対して透析する。 g.必要なときまで凍結する。 C.10.0%抽出物: 1)39.0%アセトン沈殿のタンパク質 a.工程I-C-4のタンパク質抽出物1mLあたり、0.64mLの室温のHPLC等級の アセトンをゆっくりと(撹拌しながら)加える。 b.得られた混合液を、4,000RPMで30分間、4℃にて遠心分離する。 c.上清を等分し、そして次の沈殿工程のために取っておく。 d.沈殿物1ccあたり、20mM Tris-HCl(pH7.0)に溶かした0.1%SDS 5.0mL を添加する。 e.得られたSDS溶液を、沸騰水浴中に5分間おく(全てのプロテアーゼを 失活させるため)。 f.冷却した場合、溶液を、3,500 MWのチューブを使用して1mM Tris HCl に対して透析する。 g.必要なときまで凍結する。 2)43.0%アセトン沈殿のタンパク質 a.39%沈殿工程の上清1mLあたり、0.115mLの室温のHPLC等級のアセトン をゆっくりと(撹拌しながら)加える。 b.得られた混合液を、4,000RPMで30分間、4℃にて遠心分離する。 c.等分し、そして上清を捨てる。 d.沈殿物1ccあたり、20mM Tris-HCl(pH7.0)に溶かした0.1%SDS 5.0mL を添加し、そして沈殿物が再び可溶化するまで穏やかにかき混ぜる。 e.得られたSDS溶液を、沸騰水浴中に5分間おく(全てのプロテアーゼを 失活させるため)。 f.冷却した場合、溶液を、3,500 MWのチューブを使用して1mM Tris HCl に対して透析する。 g.必要なときまで凍結する。 3)53.0%アセトン沈殿のタンパク質 a.35%沈殿工程の上清1mLあたり、0.374mLの室温のHPLC等級のアセトン をゆっくりと(撹拌しながら)加える。 b.得られた混合液を、4,000RPMで30分間、4℃にて遠心分離する。 c.等分し、そして上清を捨てる。 d.沈殿物1ccあたり、20mM Tris-HCl(pH7.0)に溶かした0.1%SDS 5.0mL を添加し、そして沈殿物が再び可溶化するまで穏やかにかき混ぜる。 e.得られたSDS溶液を、沸騰水浴中に5分間おく(全てのプロテアーゼを 失活させるため)。 f.冷却した場合、溶液を、3,500 MWのチューブを使用して1mM Tris HCl に対して透析する。 g.必要なときまで凍結する。 4)85.0%アセトン沈殿のタンパク質 a.53%沈殿工程の上清1mLあたり、4.539mLの室温のHPLC等級のアセトン をゆっくりと(撹拌しながら)加える。 b.得られた混合液を、4,000RPMで30分間、4℃にて遠心分離する。 c.等分し、そして上清を捨てる。 d.沈殿物1ccあたり、20mM Tris-HCl(pH7.0)に溶かした0.1%SDS 5.0mL を添加し、そして沈殿物が再び可溶化するまで穏やかにかき混ぜる。 e.得られたSDS溶液を、沸騰水浴中に5分間おく(全てのプロテアーゼを 失活させるため)。 f.冷却した場合、溶液を、3,500 MWのチューブを使用して1mM Tris HCl に対して透析する。 g.必要なときまで凍結する。 ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS PAGE) 1.ストック溶液 a)アクリルアミド溶液(30:0.8) アクリルアミド 30.00g ビスアクリルアミド 0.80g 脱イオン水に溶解し、そして容量を100mlにする。褐色ビンまたはアルミホ イルで覆ったビンに入れ4℃にて保存する。 b)1.0M Tris-HCl緩衝液(pH8.8) 12.1gのTrisを70mlの脱イオン水に溶解し、1N HClでpH8.8に調整し、そし て容量を100mlにする。4℃にて保存する。 c)1.0M Tris-HCl緩衝液(pH6.8) 12.1gのTrisを60mlの脱イオン水に溶解し、1N HClでpH6.8に調整し、そし て容量を100mlにする。4℃にて保存する。 d)10%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS) 10gのラウリル硫酸(SDS)を100mlの脱イオン水に溶解する。室温で保存する 。 e)10%過硫酸アンモニウム(APS) 500mgの過硫酸アンモニウムを5mlの脱イオン水に溶解する。−20℃で保存 する。 f)テトラメチルエチレンジアミン(TEMED): 市販のものを利用する。 g)水飽和n-ブタノール 10mlの脱イオン水を50mlのn-ブタノールに加え、振り混ぜ、そして2層に分 離するまで放置する。n-ブタノール層(上層)を使用する。 h)2×SDSサンプル緩衝液 1.0M Tris-HCl(pH6.8) 6.24ml 10%SDS 10.00ml グリセロール 10.00ml ブロモフェノールブルー 0.25g 容量を脱イオン水で50mlにする。室温で保存する。使用する直前に、50μl の2-メルカプトエタノールを上記の緩衝液1.0mlに添加し、混合する。 i)タンク緩衝液(0.025M Tris、0.192Mグリシン、0.1%SDS(pH8.3)) Tris 12.1g グリシン 57.6g 10%SDS 40.0ml 脱イオン水に溶解し、そして容量を4.0Lにする。 j)染色溶液 (0.025%クーマシーブルーR-250、40%メタノール、1%酢酸) クーマシーブルーR-250 2.0g メタノール 800.0ml 溶解するまで撹拌する。 酢酸 20.0ml k)脱染色溶液 (40%メタノール、1%酢酸) メタノール 800.0ml 酢酸 20.0ml 容量を蒸留水で2.0Lにする。 2.ゲルキャスターの組立 Hoffer SE 600垂直スラブゲルユニット(Hoefer Scientific Instruments,San Francisco,CA)の指示マニュアルに従う。 3.分離ゲル(10.0%アクリルアミド)の調製 50mlフラスコ中に以下のものをとる: 1.0M Tris-HCl(pH8.8) 9.40ml アクリルアミド溶液(30:0.8) 8.30ml 10%SDS 0.25ml 10%APS 70.00μl TEMED 40.00μl 脱イオン水 6.92ml 混合し、そしてピペットでガラスとアルミナプレートとの間に注ぐ。上から 2.5cmは空けておく。約200μlの水飽和n-ブタノールを積層し、そして少なくと も1時間はゲル重合をさせる。ゲルの上部からn-ブタノールを流し出し、そして 脱イオン水で洗い流す。排出させる。スタッキングゲル(stacking gel)を注ぐ。 4.スタッキングゲルの調製 25mlフラスコ中に以下のものをとる: 1.0M Tris-HCl(pH6.8) 1.6ml アクリルアミド溶液(30:0.8) 2.1ml 10%SDS 125.0μl 10%APS 40.0μl TEMED 20.0μl 脱イオン水 8.6ml 混合し、注ぐ。15ウェルのコームを挿入する。コームの歯の下に気泡が全く 入らないようにする。少なくとも30分間ゲル重合をさせる。コームを除去する。 ゲルは、電気泳動の準備ができる。 5.サンプルの調製 タンパク質サンプルが溶液の形態である場合:等量の2×SDSサンプル緩衝液( ストック溶液(h))を加える。タンパク質サンプルが乾燥した形態である場合: 2×SDSサンプル緩衝液を、脱イオン水で1×に希釈し、そして乾燥したタンパ ク質を溶解する。 沸騰水浴中で3〜5分間加熱し、室温に冷却し、そしてロードする。 6.サンプルのロード ロードするサンプル量はゲルの厚さとウェルの数による。厚さ1.0mmのスペー サー、および15ウェルのコームを使用する場合、最大80μlのサンプルをロード し得る。 7.ゲルの泳動 ゲルを、20mA/ゲルの定電流で、ブロモフェノールブルーがゲルの底に到達す るまで泳動する。ゲルを取り出し、そしてニトロセルロース/他のブロット紙に 内容物をトランスファーするために、または染色するために調製する。 8.染色および脱染色 ゲルを、クーマシーブルーR-250(溶液(j))中で少なくとも2〜3時間染色す る。(一晩染色すると、通常、より良い結果が得られる。)溶液(k)による脱染 を、ゲルのバックグランドが明瞭になるまで行う。(最も良い結果を得るために は、通常脱染色溶液を2〜3回変える。) ウェスタンブロット法 1.SDS-PAGE (a)ゲル調製 10.0%アクリルアミドゲルを、標準的なSDS-PAGEプロトコルに従って作製す る。15ウェルのコームを使用する。ゲルは、少なくとも使用1.0時間前に注型(ca st)する。分離ゲルは、前日に注型し得る;そのような場合、ゲル上部に水飽和n -ブタノールを積層する。スタッキングゲルは、ゲルを使用する日に注型しなけ ればならない。 (b)サンプル調製 個々のアセトン沈殿細菌タンパク質画分をロードする前に、それぞれの全タ ンパク質濃度を測定する。個々の画分を充分なSDSサンプル緩衝液で、10μlのサ ンプルあたり25〜40μgのタンパク質を得るまで希釈し、このサンプルをゲルの 各対応するウェルにロードする。 (c)電気泳動 ゲルあたり20mA(定電流)で4時間、またはブロモフェノールブルー色素が ちょうど流れきるまで泳動する。ゲルを取り出し、そして以下のようにニトロセ ルロース紙にトランスファーするためにプロセシングする。 2.ニトロセルロース紙上へのタンパク質のトランスファー (a)トランスファー緩衝液の調製 10×Tris-グリシン泳動緩衝液を1×濃度に希釈し、希釈しながら10%メタノ ールを添加する。6.0Lのトランスファー緩衝液を調製する。10×Tris-グリシン 緩衝液の配合法は、SDS-PAGEプロトコルに与えた。 (b)トランスファーの用意 15×16cmの大きさにニトロセルロース紙を切る。ニトロセルロース紙を扱う 間は、手袋を使用する。whitman紙#3を16×16.5cmの大きさに切る。各ゲルあた り6枚必要である。ガラストレーに1.0Lのトランスファー緩衝液を注ぎ、そし て気泡スポンジをトランスファー緩衝液中に浸す。スポンジ中に気泡が無いよう にする。ゲルあたり2つのゲルスポンジが必要である。 (c)ゲル平衡化 電気泳動後、ゲルを取り出し、そしてゲル底の右側を、対応する角を切ること によりマークする。ゲルを、トランスファー緩衝液中で10分間、低速で振とうす ることにより平衡化する。 (d)トランスファーアッセンブリ スポンジを浸したガラストレー中のトランスファー緩衝液での操作の後:緩 衝液中でカセットをあけ、そして黒いグリッドを上向きにする。白いグリッドの 頂部に、浸したスポンジを1枚、浸した#3 Whitman紙を2枚、浸したニトロセル ロース紙を1枚、平衡化ゲル(目印を付けた側が右底にくるようにする)、浸し た#3 Whitman紙を2枚、および浸したスポンジをおく。黒いグリッドを白いグリ ッドに閉じる(snap)。トランスファーのための組み立ての間、ニトロセルロース 紙とゲルの間に気泡が入らないようにする。このアッセンブリをトランスファー 緩衝液を満たしたトランスファーチャンバーに移す。冷却しながら、100ボルト (定電圧)を12.0時間印加する。次いで、1000ボルトをさらに2時間印加する。 (e)タンパク質トランスファーニトロセルロース紙のブロッキング 5gの脱脂乾燥乳を100mlの1×PBS/0.05%Tween20中で約1時間撹拌し、次いで 、#4のコーヒーフィルターで濾過する。0.05%のアジ化ナトリウムを添加し、そ して撹拌する。トランスファーアッセンブリからニトロセルロース紙を取り出し 、そして濾過した5%脱脂乾燥乳とともに、振とうしながら室温で2.0時間イン キュベートする。 3.1次抗体および2次抗体とのインキュベーション (a)1次抗体の調製およびインキュベーション 200μlの患者またはコントロールの血清を、1.8mlのPBS/0.4%Tween中の5 %脱脂乾燥乳(NFDM)で希釈する。4℃にて、ゆっくり振とうしながら20時間イン キュベートする。 タンパク質をトランスファーした切片(strip)から、ブロッキング溶液を除 去し、そして個々の切片に希釈した血清サンプルを添加する。穏やかにかき混ぜ ながら室温で20時間インキュベートする。 切片を、各回、切片1枚あたり4mlのPBS/0.1%Tween 20を用いて、5回洗 浄する。各洗浄工程の間、切片を、穏やかにかき混ぜながら室温で10分間、洗浄 緩衝液でインキュベートする。 最後の洗浄後、吸引し、そして放射標識した2次抗体を添加する。 (b)2次抗体のインキュベーション 125I標識したヤギ抗ヒトIgEを、PBS/0.2%Tween 20中の5%脱脂乾燥乳で希 釈して、60,000CPM/50μl希釈液を得る。 2.0mlの標識した2次抗体溶液を、各切片に添加する(2.4×106CPM/切片)。 穏やかに撹拌しながら室温で20時間インキュベートする。 切片を、3-aに記載したようにそれぞれ6回洗浄する。 切片を室温で乾燥させる。 Fuji BAS 2000画像化システム(Fuji Medical Systems,Stamford,CT)を使用 して各切片を分析する。個々の質的および量的なタンパク質のバンドのIgE反応 性を測定する。 改変RAST試験 一般に、RAST試験においてアレルゲン抽出物は、セルロース粒子または紙ディ スクと結合する。IgE抗体を含有する患者の血清、またはコントロールの血清を アレルゲンに結合した免疫吸着剤と反応させる。完全な洗浄後、標識した抗体を 免疫吸着剤と反応させる。さらに洗浄後、分離した吸着剤の標識を測定し、そし てこの標識は、そのアレルゲンに対する特異的な血清IgE抗体の量の尺度となる 。 1つの実施態様では、RAST試験を、アレルゲンとのIgEの結合に干渉し得るIgG および/またはIgA抗体を除去することにより、その感度が増大するように改変 する。これは特に、本発明のSDS-アセトン法により精製しないH.pyloriアレルゲ ンに特異的な血清IgEを測定する場合、助けとなる。IgG、IgM、および/またはI gAを除去し得る反応物は、当該分野で公知であり、そして、例えば、プロテイン G、抗ヒトIgG、および抗ヒトIgA、ならびにプロテインAを包含する。便宜上、 これらの反応物は、固体基質(例えば、セファロースを包含する)に固定される 。使用される反応物の量は、干渉するIgGおよびIgAを除去するが、しかし検出さ れるべきIgEを除去しないのに充分な量である。所望量の決定は、当業者に公知 の方法による。 プロテインAとともに血清をインキュベートすることにより、干渉するIgGお よび/またはIgA抗体を除去する方法は、以下の実施例で議論されている。一般 に、使用されるプロテインAの量は、ブロッキング抗体が同じ特異性を有するIg Eと競合するのを妨害するのに充分な量である。 改変RAST試験はまた、精製したタンパク質アレルゲンの使用を包含する。タン パク質の精製方法は、当該分野で公知であり、そして、例えば、分画抽出(diffe rential extraction)、塩による分画、イオン交換樹脂でのクロマトグラフィー 、アフィニティークロマトグラフィーおよび遠心分離を包含する。例えば、Coop er(1977)およびHancock(1984)を参照のこと。抗原を、本発明のSDS-アセトン法 により精製した場合は、「スクラブ」は必要でない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI // C12P 21/08 9358−4B C12P 21/08

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.個体において微生物に関連する状態を検出する方法であって、(i)該個体由 末の免疫グロブリンと(ii)該微生物に特異的な抗原のライブラリーの単離された 抗原との間の抗原/抗体反応を測定することを包含し、ここで該抗原は以下の工 程、(a)該微生物の抽出物をSDSの濃度を上昇させながら可溶化して、画分を形成 する工程;次いで (b)可溶化されたそれぞれの画分をアセトンの濃度を上昇させながら沈殿によ り細分画する工程;そして次いで (c)工程(b)から得た該画分をゲル電気泳動にかけて個別的なバンドを形成する 工程であって、それぞれのバンドは1つの抗原に対応する、工程; を包含するプロセスにより単離されるか、または該抗原は、単離工程(a)、(b)、 および(c)から得られる抗原の特性を有する抗原を産出するプロセスにより単離 され、そしてここで該抗原に対する該抗原/抗体反応の発生が、該微生物を同定 することで該状態が示される、方法。 2.前記上昇させるSDSの濃度が3つの画分でそれぞれ、0.1%、1.0%、および10. 0%であり、該画分を細分画するために使用される前記上昇させるアセトンの濃度 がそれぞれ50%および80%;30%、35%、53%、および85%;ならびに39%、43%、53% 、および85%である、請求項1に記載の方法。 3.前記微生物が細菌である、請求項1に記載の方法。 4.前記抗原のライブラリーがアレルゲンを含み、そして前記免疫グロブリンが アレルゲンに対するIgEである、請求項1に記載の方法。 5.前記状態が消化性潰瘍疾患であり、そして前記細菌がHelicobacter pylori である、請求項3に記載の方法。 6.前記状態が胃炎である、請求項3に記載の方法。 7.微生物に関連する状態に特異的な抗原ライブラリーを作製する方法であって 、該方法が、以下の工程 (a)SDSの濃度を上昇させながら該微生物の抽出物を可溶化することにより該微 生物由来のタンパク質を分画し;アセトンの濃度を上昇させながらそれぞれの可 溶化された画分を細分画し;次いでアセトン沈殿物を含む該タンパク質をSDS-PA GEにかけて可視バンドを生じさせる工程; (b)工程(a)から生じるバンドにより規定されるポリペプチドは、該ポリペプチ ドが免疫グロブリンと抗原-抗体複合体を形成する場合、抗原性であると決定す る工程; (c)該状態に冒されたヒト由来の第1のサンプルおよび適切なコントロール由 来の第2のサンプル中に存在する免疫グロブリンに対する該抗原性ポリペプチド の反応性を検出する工程; (d)該第1のサンプル中の反応性と該第2のサンプル中の反応性とを比較して 、該第1のサンプルと該第2のサンプルとを区別する抗原性ポリペプチドのセッ トとしてライブラリーを規定する工程 を包含する、方法。 8.前記微生物が細菌である、請求項7に記載の方法。 9.上昇させるSDSの濃度が3つの画分でそれぞれ0.1%、1.0%、10.0%であり、該 画分を細分画するために使用される前記アセトンの上昇させる濃度がそれぞれ50 %および80%;30%、35%、53%、および85%;ならびに39%、43%、53%、および85%で ある、請求項7に記載の方法。 10.前記細菌がHelicobacter pyloriであり、前記状態が消化性潰瘍であり、 そして免疫グロブリンがIgEである、請求項7に記載の方法。 11.請求項10に従う単離の後、以下の同定番号およびで推定分子量(キロダ ルトン(kD))の抗原よりなる群から選択される抗原であって、該抗原が4.7.1、12 7kD;7.7.2、97kD;2.7.1、86kD;2.7.2、65kD;2.7.3、57kD;1.12.1、45kD;3 .12.1、40kD;3.12.2、39kD;3.12.3、33kD;3.12.4、30kD;3.12.5、30kD;1.1 2.2、28kD;8.12.4、27kD;8.12.5、19kD;5.12.5、17kD;3.12.6、15kD;およ び10.12.4、11kDである、抗原。 12.請求項7に従って作製されるか、または請求項7に従って調製される抗原 と同じ特性を有する、抗原。 13.前記微生物がH.pyloriである、請求項12に記載の抗原。 14.請求項11、12、または13に記載の抗原を含有する組成物。 15.微生物による感染へのアレルギー反応から生じる疾患について、個体を処 置する免疫治療方法であって、請求項11または12に記載の単離されたタンパ ク質アレルゲンまたは請求項7に記載の方法に従って作製される抗原を含有する 組成物を該個体内に導入する工程を包含し、該アレルゲンは該微生物に特異的で あって、ここで該導入の条件は該アレルギー反応の症状を軽減するのに十分な条 件である、方法。 16.H.pylori-誘導胃炎について個体を処置する方法であって、ポリペプチド およびそれに適切な賦形剤を含有する組成物を該個体に導入する工程を包含し、 該ポリペプチドはH.pyloriの免疫原性エピトープと免疫学的に同一と見なし得る 、請求項7に従って調製される1つまたはそれ以上の抗原または請求項11ある いは12に記載のアレルゲンを含有し、ここで該ポリペプチドは、該個体におけ るH.pyloriに対するアレルギー反応を緩和するのに十分な量で投与される、方法 。 17.適切な容器中の各溶液中の同一の微生物由来の単離および精製された微生 物抗原のライブラリー、および該同一の微生物由来の該抗原のライブラリーと生 物学的サンプル中の免疫グロブリンとの間で形成される免疫複合体を検出するた めの手段を含有する、診断キット。 18.前記単離および精製された抗原のライブラリーが微生物H.pylori由来であ る、請求項17に記載の診断キット。 19.前記抗原が固体支持体に結合される、請求項17に記載の診断キット。 20.前記単離および精製された微生物の抗原のライブラリーが請求項11、1 2、または13に従って作製される、請求項17に記載の診断キット。
JP7517470A 1993-12-20 1994-12-20 微生物抗原に関連する疾患の検出および処置のための方法および組成物 Pending JPH09511569A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/170,017 US5567594A (en) 1991-04-26 1993-12-20 Methods and compositions for the detection and treatment of diseases associated with antigens of microorganisms
US08/170,017 1993-12-20
PCT/US1994/014239 WO1995017677A1 (en) 1993-12-20 1994-12-20 Methods and compositions for the detection and treatment of diseases associated with antigens of microorganisms

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09511569A true JPH09511569A (ja) 1997-11-18

Family

ID=22618192

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7517470A Pending JPH09511569A (ja) 1993-12-20 1994-12-20 微生物抗原に関連する疾患の検出および処置のための方法および組成物

Country Status (6)

Country Link
US (1) US5567594A (ja)
EP (1) EP0736180A1 (ja)
JP (1) JPH09511569A (ja)
AU (1) AU1512895A (ja)
CA (1) CA2179153A1 (ja)
WO (1) WO1995017677A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017208425A1 (ja) * 2016-06-02 2017-12-07 日立化成株式会社 抗体検査のための前処理液及び抗体検査キット、抗体検査方法

Families Citing this family (42)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2117490C (en) * 1992-02-26 2009-01-06 Timothy L. Cover Purified vacuolating toxin from helicobacter pylori and methods to use same
US7141244B1 (en) * 1992-03-02 2006-11-28 Chiron Srl Helicobacter pylori proteins useful for vaccines and diagnostics
US5780040A (en) * 1994-06-08 1998-07-14 Tufts University School Of Medicine Hospital, Inc. Helicobacter pylori nickel binding protein
GB2303855B (en) * 1994-07-01 1998-10-28 Rican Limited Helicobacter pylori antigenic protein preparation and immunoassays
WO1996012965A1 (en) * 1994-10-20 1996-05-02 Genelabs Diagnostics Pte Ltd. Helicobacter pylori diagnostic methods and kits
WO1996026740A1 (en) * 1995-02-27 1996-09-06 Enteron Limited Partnership Methods and compositions for production of customized vaccines for diseases associated with antigens of microorganisms
JP3976356B2 (ja) * 1995-03-31 2007-09-19 シスメックス株式会社 自動標本作製装置
FI951778A (fi) * 1995-04-12 1996-10-13 Aboatech Ab Oy Menetelmä allergian toteamiseksi
JPH11502418A (ja) * 1995-10-09 1999-03-02 パストゥール メリユ セリュム エ ヴァサン ヘリコバクターのラクトフェリン受容体
ES2283012T3 (es) * 1996-01-04 2007-10-16 Novartis Vaccines And Diagnostics, Inc. Bacterioferritina de helicobacter pylori.
ES2281914T3 (es) * 1996-06-10 2007-10-01 Thomas Boren Antigeno del grupo de union a adhesina de helicobacter pylori.
US6902903B1 (en) * 1996-12-19 2005-06-07 Chiron Corporation Helicobacter pylori diagnostics
AU750792B2 (en) * 1997-04-01 2002-07-25 Human Genome Sciences, Inc. 76 kDa, 32 kDa, and 50 kDa helicobacter polypeptides and corresponding polynucleotide molecules
US20020026035A1 (en) * 1997-04-01 2002-02-28 Harold Kleanthous Helicobacter ghpo 1360 and ghpo 750 polypeptides and corresponding polynucleotide molecules
US20030124141A1 (en) * 1997-04-01 2003-07-03 Rainer Haas Helicobacter polypeptides and corresponding polynucleotide molecules
US20030158396A1 (en) * 1997-07-29 2003-08-21 Harold Kleanthous Identification of polynucleotides encoding novel helicobacter polypeptides in the helicobacter genome
JP4292262B2 (ja) * 1998-01-30 2009-07-08 アラタイン セラピューティクス, エルエルシー 予後アレルギー試験または予後炎症試験
US6372439B2 (en) * 1998-10-01 2002-04-16 James R. Goldenring Screen for gastric adenocarcinoma
EP1121597A1 (en) * 1998-10-01 2001-08-08 Medical College of Georgia Research Institute Screen for risk for gastric adenocarcinoma
US20040157277A1 (en) * 2002-03-08 2004-08-12 Clancy Robert Llewellyn Methods for predicting and/or diagnosing the risk of gastric cancer
US6905816B2 (en) 2000-11-27 2005-06-14 Intelligent Medical Devices, Inc. Clinically intelligent diagnostic devices and methods
CA2458854A1 (en) * 2001-08-31 2003-03-06 Chiron Srl Helicobacter pylori vaccination
US20030166027A1 (en) * 2002-02-21 2003-09-04 George Sachs Compositions, test kits and methods for detecting helicobacter pylori
US20050048077A1 (en) * 2002-02-21 2005-03-03 George Sachs Compositions, test kits and methods for detecting helicobacter pylori
US7629127B2 (en) * 2005-01-21 2009-12-08 Dexall Biomedical Labs, Inc. Method for the visual detection of specific antibodies by the use of lateral flow assays
US7189522B2 (en) 2005-03-11 2007-03-13 Chembio Diagnostic Systems, Inc. Dual path immunoassay device
WO2006098804A2 (en) 2005-03-11 2006-09-21 Chembio Diagnostic Systems, Inc. Dual path immunoassay device
US20100022916A1 (en) 2008-07-24 2010-01-28 Javanbakhsh Esfandiari Method and Apparatus for Collecting and Preparing Biological Samples for Testing
US8603835B2 (en) 2011-02-10 2013-12-10 Chembio Diagnostic Systems, Inc. Reduced step dual path immunoassay device and method
MX2016012881A (es) 2014-04-02 2017-05-10 Chembio Diagnostic Systems Inc Inmunoensayo que utiliza un conjugado de captura.
EP3132265A4 (en) * 2014-04-14 2018-02-14 Abreos Biosciences, Inc. Lateral flow immunoassay
US20160116466A1 (en) 2014-10-27 2016-04-28 Chembio Diagnostic Systems, Inc. Rapid Screening Assay for Qualitative Detection of Multiple Febrile Illnesses
US20170089893A1 (en) * 2015-09-24 2017-03-30 Globallergy, Llc Chromatographic immune assay for the detection of allergic sensitivities
USD800912S1 (en) 2016-06-17 2017-10-24 Abreos Biosciences, Inc. Point-of-care diagnostic device
US11680948B2 (en) 2016-08-12 2023-06-20 Abreos Biosciences, Inc. Detection and quantification of natalizumab
US11802868B2 (en) 2016-10-17 2023-10-31 Reliant Immune Diagnostics, Inc. System and method for variable function mobile application for providing medical test results
US11579145B2 (en) 2016-10-17 2023-02-14 Reliant Immune Diagnostics, Inc. System and method for image analysis of medical test results
US10902951B2 (en) 2016-10-17 2021-01-26 Reliant Immune Diagnostics, Inc. System and method for machine learning application for providing medical test results using visual indicia
US9857372B1 (en) 2016-10-17 2018-01-02 Reliant Immune Diagnostics, LLC Arbovirus indicative birth defect risk test
US11651866B2 (en) 2016-10-17 2023-05-16 Reliant Immune Diagnostics, Inc. System and method for real-time insurance quote in response to a self-diagnostic test
US11693002B2 (en) 2016-10-17 2023-07-04 Reliant Immune Diagnostics, Inc. System and method for variable function mobile application for providing medical test results using visual indicia to determine medical test function type
US11107585B2 (en) 2016-10-17 2021-08-31 Reliant Immune Diagnostics, Inc System and method for a digital consumer medical wallet and storehouse

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5328989B2 (ja) * 1974-05-27 1978-08-17
US4491632A (en) * 1979-10-22 1985-01-01 The Massachusetts General Hospital Process for producing antibodies to hepatitis virus and cell lines therefor
US4444887A (en) * 1979-12-10 1984-04-24 Sloan-Kettering Institute Process for making human antibody producing B-lymphocytes
DE3167442D1 (en) * 1980-07-07 1985-01-10 Nat Res Dev Improvements in or relating to cell lines
US4341761A (en) * 1980-07-25 1982-07-27 E. I. Du Pont De Nemours And Company Antibodies to immunogenic peptides and their use to purify human fibroblast interferon
US4870053A (en) * 1980-09-19 1989-09-26 Roussel Uclaf Novel compositions and processes
US4466917A (en) * 1981-02-12 1984-08-21 New York University Malaria vaccine
US4493890A (en) * 1981-03-23 1985-01-15 Miles Laboratories, Inc. Activated apoglucose oxidase and its use in specific binding assays
US4399121A (en) * 1981-11-04 1983-08-16 Miles Laboratories, Inc. Iodothyronine immunogens and antibodies
US4427783A (en) * 1981-12-14 1984-01-24 Hoffmann-La Roche Inc. Immunoassay of thymosin α1
AU580248B2 (en) * 1982-10-13 1989-01-12 Biowhittaker Technologies, Inc. Fluorometric assay of allergic reactions and reagents therefor
US4539292A (en) * 1982-12-29 1985-09-03 Reid Michael J Immunoassay technique for specific immunoglobulin E
US4849337A (en) * 1983-01-31 1989-07-18 Minnesota Mining And Manufacturing Company Assaying allergen specific IgE levels with fluorogenic enzyme labeled antibody
EP0206324A3 (en) * 1985-06-27 1989-05-10 Honeywell Inc. Dual source display apparatus
NL8701451A (nl) * 1987-06-22 1989-01-16 Noordzee Lab N V Preparaat voor de bestrijding van mastitis bij herkauwers, werkwijze voor de bereiding daarvan en werkwijze voor het behandelen van herkauwers.
US5459041A (en) * 1988-02-18 1995-10-17 Enteric Research Laboratories, Inc. Campylobacter pylori antigens and uses thereof for detection of Campylobacter pylori infection
SU1603305A1 (ru) * 1988-07-05 1990-10-30 1-Й Московский Медицинский Институт Им.И.М.Сеченова Способ определени обострени хронического гастродуоденита у детей
GB2223756A (en) * 1988-09-29 1990-04-18 Health Lab Service Board Protein purification process
US5091318A (en) * 1990-04-13 1992-02-25 Abbott Laboratories Binding of allergens to a solid phase
JPH06507494A (ja) * 1991-04-26 1994-08-25 カレノフ,エマニユエル 細菌性アレルゲンにより惹起される疾患の検出及び治療方法
US5262156A (en) * 1991-08-12 1993-11-16 Hycor Biomedical, Inc. Antigenic compositions and their use for the detection of Helicobacter pylori
US5763164A (en) * 1993-04-16 1998-06-09 Northwestern University Immunogenic cancer proteins and peptides and methods of use

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017208425A1 (ja) * 2016-06-02 2017-12-07 日立化成株式会社 抗体検査のための前処理液及び抗体検査キット、抗体検査方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP0736180A1 (en) 1996-10-09
CA2179153A1 (en) 1995-06-29
WO1995017677A1 (en) 1995-06-29
US5567594A (en) 1996-10-22
AU1512895A (en) 1995-07-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09511569A (ja) 微生物抗原に関連する疾患の検出および処置のための方法および組成物
Beachey et al. Human immune response to immunization with a structurally defined polypeptide fragment of streptococcal M protein.
US5262156A (en) Antigenic compositions and their use for the detection of Helicobacter pylori
AU663858B2 (en) Diagnostic testing for campylobacter jejuni or coli infections using antigens
JP2002523019A (ja) ワクチンとしてのボレリアブルグドルフェリ外部表面タンパク質c(ospc)のボレリアシダルエピトープの使用
US5474905A (en) Antibodies specific for streptococcus pneumoniae hemin/hemoglobin-binding antigens
Garcia-Monco et al. Experimental immunization with Borrelia burgdorferi induces development of antibodies to gangliosides
JP4234207B2 (ja) アレルギー性気管支肺アスペルギルス症の診断方法
US7279162B1 (en) Isolated broadly reactive opsonic immunoglobulin for treating a pathogenic coagulase-negative staphylococcus infection
US20130251749A1 (en) Methods and compositions for chlamydial antigens as reagents/strategies for diagnosis and treatment of chlamydial infection and disease
WO1992019970A1 (en) Methods to detect and treat diseases caused by bacterial allergens
Harthug et al. Antibody response in group B meningococcal disease determined by enzyme-linked immunosorbent assay with serotype 15 outer membrane antigen
CA2158575C (en) Chlamydia vaccine and process
US20030170260A1 (en) Antigenic peptide fragments of vapa protein, and uses thereof
Magnarelli Laboratory diagnosis of Lyme disease
EP0827591A1 (en) Method for diagnosing a patient for chlamydia
Webber et al. Immunogenicity of Haemophilus influenzae type b conjugate vaccine in children with congenital asplenia
CA2200691C (en) Broadly reactive opsonic antibodies reactive with common staphylococcal antigens
WO1996026740A1 (en) Methods and compositions for production of customized vaccines for diseases associated with antigens of microorganisms
WO1996009321A9 (en) Broadly reactive opsonic antibodies reactive with common staphylococcal antigens
AU667040C (en) Methods to detect and treat diseases caused by bacterial allergens
CA2215528C (en) Method for diagnosing a patient for chlamydia
Boldur et al. Western blot analysis of immune response to Legionella bozemanii antigens.
Cacciapuoti et al. Broad reacting surface antigens in Leptospira biflexa serovar andamana
JPH08503194A (ja) ライム病の診断および予防に有用な組成物