JPH09510944A - 次亜塩素酸塩漂白組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 次亜塩素酸塩と、ピリジンのポリカルボン酸誘導体またはその塩の群から選択される特定の錯化剤またはそれらの混合物とを含んでなる、安定な液状水性漂白組成物。前記組成物は１１．５〜１４のｐＨを有し、そしてさらにＣａ／Ｍｇ沈澱系を含んでなる。布帛を前記組成物で処理する方法をまた開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 次亜塩素酸塩漂白組成物 技術分野 本発明は、洗濯の用途および家庭の用途に適切な液状漂白組成物に関する。さ らに詳しくは、本発明における組成物は、前洗濯漂白組成物として洗濯の用途に おいて使用することができる。 発明の背景 液状漂白組成物はこの分野においてよく知られている。入手可能な異なる漂白 組成物の中で、次亜塩素酸塩による漂白に頼るものは、主として良好な白色性に より好ましいものである。例えば、ＷＯ−８８−０５４６１号参照、（これは次 亜塩素酸塩、炭酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムを含んでなる水性組成物お よび布帛から汚れを除去するための前記組成物の使用を開示している）。 しかしながら、塩素に基づく組成物の使用に関連する欠点は、この組成物が布 帛を損傷しかつ黄色化させることである。 したがって、本発明の目的は、布帛の黄色化が減少または排除される、洗濯に おいて使用するために適当な次亜塩素酸塩含有組成物を提供することである。 本発明の他の自的は、布帛の無事性が改良される、洗濯において使用するため に適当な次亜塩素酸塩含有組成物を提供することである。 本発明の他の目的は、次亜塩素酸塩の無事性が改良される、洗濯において使用 するために適当な次亜塩素酸塩含有組成物を提供することである。 われわれは、今般、いくつかの金属イオン、例えば、Ｎｉ、Ｃｏ、Ｃｕ、Ｍｎ 、ｐｄ、ｐｔ、ｃｒ、Ｈｇ、Ｉｒ、およびＦｅのイオン、の存在が次亜塩素酸塩 の漂白香料および安定性の双方に悪影響を及ぼすことを見出した。洗濯の環境に お いて、前記金属イオンは布帛への次亜塩素酸塩の攻撃を触媒して、黄色の酸化さ れたある種のものを発生させると思われる。前記金属イオンは、また、布帛の引 張強さを減少させ、これにより布帛の抵抗性を減少させる。さらに、前記金属イ オンは酸化された布帛上にそれ自体着色した種として吸着され、そして布帛上に 吸着された増白剤の分解を触媒し、これにより布帛上に高度に着色されたある種 のものを発生させると信じられる。また、前記金属イオンは酵素の汚れ、例えば 、血液または草、の着色顔料を安定化する。さらに、前記金属イオンは次亜塩素 酸塩存在する次亜塩素酸塩と反応し、これにより前記次亜塩素酸塩の分解を触媒 するので、前記組成物の性能に有害であると思われる。 したがって、われわれは、前記金属イオンのレベルを前記組成物それ自体およ び漂白環境の双方においてコントロールし、これにより改良された白色性の性能 および布帛に対する無事性および不完全次亜塩素酸塩の安定性を提供することが 重要であることを発見した。 今般、これは、ピリジンのポリカルボン酸誘導体またはその塩の群から選択さ れる特定の錯化剤またはそれらの混合物とを含んでなる、安定な液状水性漂白組 成物により達成することができることを発見した。前記錯化剤は、次亜塩素酸塩 の漂白の性能および安定性の双方について有害である金属イオンを結合すること において高度に選択的であると思われる。 われわれは、また、本発明による次亜塩素酸塩漂白組成物がＣａ／Ｍｇ沈澱系 、すなわち、炭酸塩ならびにケイ酸塩、をさらに含んでなる、好ましい態様にお いて、顕著な白色性および布帛の無事性の性能が提供されることを発見した。事 実、本明細書において定義する特定の錯化剤、またはそれらの混合物は、前記Ｃ ａ／Ｍｇ沈澱系と一緒に、白色性の性能に相乗的効果を生ずることが驚くべきこ とに見出された。 本発明の他の利点は、顕著な白色化作用に加えて、前記組成物が、また、すぐ れた汚れ除去を可能とする。 本発明の組成物の他の利点は、顕著な白色化作用に加えて、また、すぐれた汚 れ除去を可能とすることである。 皿洗浄組成物の分野において、欧州特許（ＥＰ）第２６６，９０４号は７〜１ ２．５のｐＨを有する組成物を開示しており、この組成物は、他の成分のなかで も、組成物の５〜５０重量％のビルダーとしてのピリジン誘導体、炭酸塩および ケイ酸塩を含んでなることができる。次亜塩素酸塩のレベルは開示されていない 。 発明の要約 本発明は、水性液状漂白組成物であって、希釈された形態で使用するために適 当であり、１１．５〜１４のｐＨを有し、活性塩素基準で、合計の組成物の０． １〜１０重量％のアルカリ金属次亜塩素酸塩と、合計の組成物の０．０１〜５重 量％の錯化剤、またはそれらの混合物とを含んでなり、前記錯化剤はピリジンの ポリカルボン酸誘導体またはその塩の群から選択される、水性液状漂白組成物に 関する。 好ましい態様において、本発明による組成物は、さらに、Ｃａ／Ｍｇ沈澱系、 好ましくは炭酸塩ならびにケイ酸塩を含んでなる。 本発明は、さらに、布帛の白色性が改良され、そして１１．５〜１４のｐＨを 有し、本明細書において定義する錯化剤またはそれらの混合物を含んでなる水性 次亜塩素酸塩組成物を布帛と接触させる、布帛を漂白または洗濯する方法を包含 する。好ましい態様において、前記方法において使用する組成物は、さらに、Ｃ ａ／Ｍｇ沈澱系、好ましくは炭酸塩ならびにケイ酸塩を含んでなる。 発明の詳細な説明 本発明による組成物は、本明細書において定義する錯化剤またはそれらの混合 物を含んでなる、安定な水性漂白組成物である。 安定なとは、本明細書において、本発明の次亜塩素酸塩漂白組成物が、５０℃ ＋／−０．５℃において７日の貯蔵後、２５％より多い有効塩素を損失しないこ とを意味する。有効塩素の損失％は、例えば、¨Ａｎａｌｙｓｅｓ ｄｅｓ Ｆ ａｕｘ ｅｔ Ｅｘｔｒａｉｔｓ ｄｅ Ｊａｖｅｌ¨、ｂｙ Ｌａ ｃｈａｍ ｂｒｅ ｓｙｎｄｉｃａｌｅ ｎａｔｉｏｎａｌｅ ｄｅ Ｌ’ｅａｕ ｄｅ Ｊａｖｅｌ ｅｔ ｄｅｓ ｐｒｏｄｕｉｔｓ ｃｏｎｎｅｘｅｓ、ｐｐ．９− １０（１９８４）、に記載されている方法により、測定することができる。前記 方法は、新鮮な組成物、すなわち、製造直後の組成物において、および５０℃に おいて７日貯蔵後の同一組成物において、有効塩素を測定することからなる。 第１の必須の特徴として、本発明の組成物は次亜塩素酸塩を含んでなる。種々 の形態の次亜塩素酸アルカリ金属塩が商業的に入手可能である。本発明において 次亜塩素酸ナトリウムを使用することが好ましい。本発明による組成物は漂白量 の次亜塩素酸アルカリ金属塩を含んでなり、この量は、典型的には、活性塩素基 準で、合計の組成物の０．１〜１０重量％を表す。本発明において好ましい組成 物は、３〜６％の次亜塩素酸アルカリ金属塩を含んでなる。 第２の必須の特徴として、本発明による組成物は、下記式の１つを有するピリ ジンのポリカルボン酸、またはその塩の群から選択される錯化剤またはそれらの 混合物を含んでなる： 式中、Ｒは水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボン酸基また は短鎖アルキル基（Ｃ１−Ｃ４）であり、そしてｎは１または２である。ジピコ リン酸（２，６−ピリジンジカルボン酸）およびパラ位の水素をハロゲン、カル ボン酸基または短鎖アルキル基（Ｃ１−Ｃ４）で置換することによって得られた その誘導体の群から選択される、ピリジンのポリカルボン酸誘導体が、本発明に おいて好ましい。本発明の組成物は、合計の組成物の０．０１〜５重量％、好ま しくは０．０１〜４重量％、より好ましくは０．０１〜３重量％、最も好ましく は０．０２〜２重量％のピリジンのポリカルボン酸誘導体またはその塩、または それらの混合物の群から選択される錯化剤を含んでなる。 本発明において使用すべき前記錯化剤は、次亜塩素酸塩と、高いアルカリ性と に対して安定である。「次亜塩素酸塩と、高いアルカリ性とに対して安定」とは 、製造したばかりの本発明の組成物、および２カ月の期間後の同一組成物を使用 して得られた白色性の性能が同一であることを意味する。前記白色性の性能の決 定に使用する方法は、実施例の中に後述する。 第３の必須の特徴として、本発明による組成物は１１．５〜１４、好ましい１ ２〜１４のｐＨを有する。このようなｐＨ値を達成するために適当な手段は、水 酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムを包含する。 本発明による組成物は、さらに、Ｃａ／Ｍｇ沈澱系を含んでなる。ケイ酸塩ま たは炭酸塩、またはそれらの混合物は本発明において特に有用である。ケイ酸塩 および炭酸塩の好ましいアルカリ金属塩はケイ酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウ ム、またはそれらの混合物であり、ケイ酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムの双 方は商業的に入手可能である。本発明において好ましい組成物は、炭酸ナトリウ ムとケイ酸ナトリウムとの混合物を使用する。本発明において好ましい組成物は 、合計の組成物の５重量％まで、好ましくは０．２〜５重量％、より好ましくは ０．５〜３重量％の炭酸ナトリウム、および合計の組成物の３重量％まで、好ま しくは０．０２〜３重量％、より好ましくは０．０４〜３重量％のケイ酸ナトリ ウムを含んでなる。前記炭酸塩およびケイ酸塩は洗濯溶液から金属不純物を排除 することが発見された。 事実、ケイ酸塩および炭酸塩は洗濯溶液の中に存在するＣａおよびＭｇと結合 し、そしてＣａ／Ｍｇケイ酸塩およびＣａ／Ｍｇ炭酸塩として沈澱させる。これ は溶液の中に存在するＣａおよびＭｇ含量を強く減少させるので、本発明の錯化 剤の作用はいっそう特定的である。 前記ケイ酸塩および炭酸塩は、また、使用を通じて本発明による組成物のｐＨ の緩衝化を可能とする。また、本発明による組成物の次亜塩素酸塩の緩衝化は手 に対する過激さを減少すると推測される。他の沈澱／緩衝化系、例えば、ホウ酸 ナトリウムおよびナトリウムセスキカーボネートを本発明において好都合に使用 することができる。 本発明において好ましい組成物は、ピリジンのポリカルボン酸誘導体またはそ れらの塩、またはそれらの混合物の群から選択される錯化剤と、Ｃａ／Ｍｇ沈澱 系、すなわち、炭酸塩ならびにケイ酸塩、との双方を含んでなり、改良された布 帛の白色性を提供する。「改良された布帛の白色性」とは、本発明の次亜塩素酸 塩組成物を使用することによって達成される布帛の白色性が、本明細書において 記載する特定の錯化剤を含まない次亜塩素酸塩組成物を使用することによって得 られた白色性と比較して、改良されることを意味する。事実、白色性の性能に対 する相乗効果は、前記錯化剤またはそれらの混合物ならびに前記Ｃａ／Ｍｇ沈澱 系を含んでなる次亜塩素酸塩漂白組成物の使用に関連するすることが発見された 。 本発明による組成物は、さらに、任意の成分、例えば、漂白安定性界面活性剤 、有機または無機のアルカリ、香料、漂白安定性香料安定化剤、顔料、染料、蛍 光増白剤、溶媒などを含んでなることができる。 本発明による組成物は、洗濯の用途において希釈された形態で使用される。本 明細書における「希釈された形態における使用」という表現は、例えば、手によ る洗濯の用途においてなされる、使用者による希釈、ならびに他の手段による、 例えば、洗濯機における、希釈を包含する。典型的な希釈レベルは、手による洗 濯の用途について０．５〜２０％、そして洗濯機において０．１〜１０％である 。また、緩衝系である、本発明において使用するＣａ／Ｍｇ沈澱系のために、本 発明による組成物のｐＨは使用を通じて一定に止まる、すなわち、希釈された組 成物のｐＨは、希釈が完結した瞬間から、前記次亜塩素酸塩漂白組成物がすすぎ 除去されたまで、緩衝化されている。 本発明は、１１．５〜１４のｐＨを有し、そして本明細書において定義する錯 化剤またはそれらの混合物を含んでなる水性次亜塩素酸塩組成物を布帛と接触さ せる、布帛を漂白および洗濯する方法を包含する。この布帛を漂白および洗濯す る方法において使用する組成物は、さらに、Ｃａ／Ｍｇ沈澱系、好ましくは炭酸 塩ならびにケイ酸塩、を含んでなることができる。本発明による方法は、布帛の 白色性を改良する、すなわち、布帛への重金属イオンの作用による黄色化を減少 する。 さらに詳しくは、本発明による布帛を漂白する方法は、まず、希釈された形態 の本発明による組成物を布帛と接触させ、次いで前記布帛を漂白するために十分 な時間の間、典型的には５〜６０分間、好ましくは５〜３０分間、前記布帛を前 記組成物と接触させたままにし、次いで前記布帛を水の中ですすいで前記組成物 を除去する、工程を含んでなる。前記布帛を洗濯すべき場合、すなわち、少なく とも１種の表面活性剤を含んでなる組成物で洗濯すべき場合、本発明における方 法は、前記布帛の洗濯前に、実施することが好ましい。事実、布帛を洗浄剤組成 物で洗濯する前に、本発明による組成物で布帛を漂白すると、前記布帛をまず洗 濯し、次いで漂白する場合より、少ないエネルギーおよび洗浄剤で、よりすぐれ た白色性および汚れの除去が得られることが観察された。したがって、本発明に よる方法は、さらに、前記布帛を少なくとも１種の表面活性剤を含んでなる洗浄 剤組成物で洗濯する、引き続く工程を含んでなる。 本発明を下記の実施例によりから例示する。 実施例１ 下記の実施例は本発明を例示する。前記組成物は、記載する比率で記載する成 分を混合することによって製造する： 組成物１および２は、本発明の代表例である。組成物１は、組成物２がケイ酸 塩を含有しないことにおいて、組成物２と異なる。組成物３は、参照として採用 した、次亜塩素酸塩漂白組成物である。 単一のトレーサー（ｔｒａｃｅｒ）の洗濯メーター（ｌａｕｎｄｅｒｏｍｅｔ ｅｒ）試験を実施した。この試験はステンレス鋼製容器の中で実施した。まず、 １１０ｇの本発明による組成物を６ｋｇの水道水の中で希釈した。５００ｇのこ の溶液の試料を取り、そして４０℃に加熱した。次いで、トレーサー（白色の綿 布帛および汚れたトレーサー）をこれらの試料の中に添加した。次いで、容器を 撹拌しながら２０分間保持した。洗濯サイクルの終わりにおいて、トレーサーを すすぎそして乾燥した。次いで、トレーサーを視的格付けにより評価した。 下記の表は、組成物１および２と、組成物３とについて得られた結果を記載す る。 ここで： − 結果は０〜３の性能格付けにより表されている。 − Ｓは統計学的に再現性ある結果を識別する。 − 累積白色性は８回までの反復洗濯サイクルで測定する。 所見： 特に数回の洗濯サイクル後、錯化剤としてジピコリン酸を含んでなる本発明に よる組成物により得られた予期せざる白色性の改良を、データは明瞭に示す（組 成物１および２）。驚くべきことには、ジピコリン酸をケイ酸ナトリウムととも に使用するときの、白色性の性能および汚れ除去性能の双方についての相乗効果 を前記データは示す（組成物１）。 前述の方法を使用して実施した安定性の試験は、組成物１および２が安定であ ることを示す。例えば、組成物１は、５０℃において７日の貯蔵後、わずかに１ ７％の有効塩素を損失する。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 希釈された形態で使用するために適当であり、１１．５〜１４のｐＨを 有し、活性塩素基準で、合計の組成物の０．１〜１０重量％の次亜塩素酸アルカ リ金属塩を含んでなる安定な水性液状漂白組成物であって、前記組成物は合計の 組成物の０．０１〜５重量％の下記式の１つを有するピリジンのポリカルボン酸 、またはその塩、またはそれらの混合物の群から選択される錯化剤またはそれら の混合物を含んでなることを特徴とする、組成物。 （式中、Ｒは水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボン酸基ま たは短鎖アルキル基（Ｃ１−Ｃ４）であり、そしてｎは１または２である） ２． 布帛を漂白または洗濯する方法であって、１１．５〜１４のｐＨを有し 、次亜塩素酸アルカリ金属塩および錯化剤またはそれらの混合物を含んでなる水 性液状漂白組成物を希釈し、そして布帛と接触させ、次いですすぎ、これにより 布帛の白色性は改良される方法であり、前記錯化剤が下記式の１つを有するピリ ジンのポリカルボン酸、またはその塩、またはそれらの混合物の群から選択され ることを特徴とする、方法。 （式中、Ｒは水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボン酸基ま たは短鎖アルキル基（Ｃ１−Ｃ４）であり、そしてｎは１または２である） ３． 前記組成物が、活性塩素基準で、合計の組成物の０．１〜１０重量％の 次亜塩素酸塩を含んでなるものである、請求項２に記載の方法。 ４． 前記組成物が合計の組成物の０．０１〜５重量％の前記錯化剤またはそ れらの混合物を含んでなるものである、請求項２または３に記載の方法。 ５． 前記組成物が合計の組成物の０．０１〜３重量％、好ましくは０．０２ 〜２重量％の前記錯化剤またはそれらの混合物を含んでなるものである、請求項 １〜４いずれか一項に記載の組成物または方法。 ６． 前記組成物において、前記錯化剤がジピコリン酸（２，６−ピリジンジ カルボン酸）、その誘導体またはそれらの混合物の群から選択されるものである 、請求項１〜５いずれか一項に記載の組成物または方法。 ７． 前記組成物が１２〜１４のｐＨを有する、請求項１〜６いずれか一項に 記載の組成物または方法。 ８．前記組成物がＣａ／Ｍｇ沈澱系をさらに含んでなる、請求項１〜７いずれ か一項に記載の組成物または方法。 ９． 前記Ｃａ／Ｍｇ沈澱系が炭酸塩、ケイ酸塩またはそれらの混合物を含ん でなるものである、請求項８に記載の組成物または方法。 １０． 前記組成物が合計の組成物の５重量％まで、好ましくは０．２〜５重 量％、最も好ましくは０．５〜３重量％の炭酸ナトリウム、および３重量％まで 、好ましくは０．０２〜３重量％、最も好ましくは０．０４〜３重量％のケイ酸 ナトリウムを含んでなる、請求項９に記載の組成物。 １１． 前記布帛を少なくとも１種の表面活性剤を含んでなる洗浄剤組成物で 洗濯する引き続く工程をさらに含んでなる、請求項２〜１０いずれか一項に記載 の方法。