【発明の詳細な説明】
エチレン系ポリマー及びその組成物の共押出法技術分野
本発明は、押出コーティング組成物、方法及びかかる組成物及び方法における
添加剤の使用、並びに押出コーティング製品に関する。本発明は特に、液体、例
えば、飲料の包装に用途を有する。発明の背景
低密度ポリエチレン(LDPE)は、フリーラジカル開始剤を使用した高圧法
により製造される。その分岐した、及び広い分子量分布のゆえに、例えば、押出
法又はコーティング法において高速押出が可能となる。LDPEは、食品や飲料
の包装におけるシール層として使用される。LDPEは、厳しい条件下(例えば
、高温)でコーティングされ接着を促進する。この用途のためには、LDPEは
、通常、抗酸化剤のような添加剤を含まない。というのは、このような添加剤は
接着に好ましくない影響を与えると考えられているからである。さらに厳しい条
件では、接着は改善されるが、オフテイスト(off-taste)が悪化する。
本発明では、制限された少量の特定の添加剤若しくはその組合せを使用して厳
しい押出条件下で、接着とオフテイストの改善されたバランスを達成する。押出
コーティングでは、押し出された層が接着する基体と、冷却ロールとの間のニッ
プ中に少なくとも1つの層が下方向に押し出される。接着は高温で行われる。
接着がそれほど重要でない場合、抗酸化剤を使用して、ポリオレフィンを、劣
化、例えば、溶融加工等の際の熱暴露に対して保護する。ヒンダードフェノール
は主要な抗酸化剤(AO)として使用されている。
これはそれ自体で、LDPEに対して使用されている。主要な抗酸化剤と燐含
有化合物、特にホスファイトのような第2の抗酸化剤との組合せは、LLDPE
(線状低密度ポリエチレン)に使用されている。
通常、押出コーティンググレードのLDPEは、接着力低下のためにAOを含
んでいない。AOパッケージは、良好な接着が重要とされないLDPE、LLD
PE及びPP(ポリプロピレン)グレードの発泡フィルム押出に使用される。
LDPEコーティング又はキャストフィルム押出グレード以外の材料用の添加
剤パッケージに関する公知文献としては、GB 2156358; GB215
6359; GB 2156360; EP 551062; US50265
92がある。GB 803557は線状ポリエチレンに関するものである。
LDPEに言及しているが、コーティングやキャストフィルム押出用途ではな
い添加剤パッケージに関する公知文献としては、US 4863983及びUS
5219600がある。
US 4863983は一般に、LLDPE材料の押出に関するものであり、
接着とオフテイストのバランスよりも、溶融破断(melt fracture)の改善を目
的としている。
フルオロカーボンポリマーは、有機ホスファイト、有機ホスフェート又はそれ
らの混合物として、必須の成分である。ヒンダードフェノールは必須ではなく、
存在しなくてもよいが(2欄34行)抗酸化剤は任意に添加することができる。
実施例では、300ppm の量の抗酸化剤が添加されている(6欄16行)。炭化
水素ポリマーは広く定義され、低密度ポリエチレンがブレンド成分として開示さ
れている(3欄40行)。しかし、US 4863983は、厳しい押出プロセ
ス条件下でオフテイストを不当に悪化させることなく、接着を促進する目的のた
めの、特定のポリエチレン型材料と特定の抗酸化剤のパッケージの組合せを教示
してはいない。また、フェノール系抗酸化剤を0〜150ppm の量で使用する際
に、燐含有化合物を少なくとも25ppm の量で使用することを教示してはいない
。
米国特許第 5,219,600号は、成形材料を開示している。LDPE(第2欄、第8行
)は、ポリオレフィン・オプションの長いリストの1つである。ヒンダードアミ
ン軽量安定剤(HALS)は、本質的な成分である。実質的に、フェノールタイ
プAOを主に用いるべきではない。芳香族ホスファイト即ちホスホナイト(phos
phonite)AO添加剤を0.01〜0.5部用いるべきである。この発明の目的
は、褪色を減少させることにある。押出法並びに接着及びオフ−テイスト効果(
off-
taste effect)については、全く言及しない。
米国特許第 5,026,592号は、その第2欄第18行に、エチレン由来のポリマーを
組み込む多層構造について論じている。第3欄第17行には、ホスファイト安定剤
を 0.2〜 0.8重量%添加することを論じている(2000〜8000ppm)。この明細書
は、リンを含む酸化防止剤を1500未満使用することを開示していない。このポリ
マーは、エチレン由来の単位を50重量%未満含んでいる。酸化防止剤又は安定剤
を有する層は、炭化水素樹脂粘着付与剤を5重量%を越えて含んでいる。一方、
本発明は、4重量%未満の粘着付与剤に関してであるか、又は粘着付与剤を実質
的に含まない組成物に関してである。この米国特許の明細書は、押出後に2軸延
伸したフィルムであって、不透明剤を含むフィルムに関し、本発明は、本質的に
非弾性又は伸縮性(弾性が10%以下である)である基体(substrate)上への非
2軸延伸共押出(coextrusion)の分野に関する。本発明の押出された酸化防止
剤の乏しい層は、表面層であるか、又は少なくとも接着特性及び官能的性質を主
に決定づけるのに十分な表面付近であるのが好ましい。
押出コーティングタイプ(extrusion coating type)法で用いられる材料をベ
ースとしたポリエチレンのAOを選択的に使用することにより、接着/オフ−テ
イストバランスを向上することができることを見出した。
エチレン−アクリル酸コポリマーのような高価な接着改良ブレンド成分に頼ら
ずに、(接着性が向上するため)さらに速い処理速度を達成することが、本発明
でさらに可能である。したがって、本発明の後者で論じた組成物は、接着性を高
めるために、酸又はエステル基を有するモノマー由来のポリマーを実質的に存在
しないものが好ましく、本質的にエチレン及びコモノマーを含む非極性基由来の
コポリマーを有するのが好ましい。
押出/コーティングタイプ法で用いられる材料をベースとしたポリエチレンの
AOを選択的に使用することにより、接着/オフテースト・バランスを向上する
ことができることを見出した。発明の概要
最も一般的に本発明は、
(1)(A)リンを含む酸化防止剤を少なくとも25ppm、好ましくは5000ppm 未
満、及び(B)リンを含有しないフェノール性酸化防止剤を0〜150ppm含む、密度
0.94未満のエチレン由来のポリマーを押出す工程;及び
(2)基体にその層を塗布及び接着する工程を有する、エチレンをベースとし
たポリマーを層状に押出す方法を提供するものである。
一般的な原則として、接着性又はオフ−テイストを生じる効果を妨げない限り
、(A)及び任意成分である(B)以外の添加剤を加えることができる。ポリマー
は酸化防止剤(A)のみを含むのが好ましい。25ppm以下で、AOは同じように寄
与するのが困難となり、5000ppm 以上ではさらなる効果が検知されない。
フィルム又は層が基体へと押出され、それに接着するので、本発明は、米国特
許第 4,863,983号と異なっている。基体とフィルム又は層との間にさらなる層を
用いて、エチレンアクリル酸のように接着性を向上するか又は最大限にすること
ができる。米国特許第 4,863,983号では、フィルムは押出されるが、押出の次に
基体に接着しない。
本願明細書においてppm(パーツパーミリオン)は、全組成物重量の100
万分の1を表す。
押し出しコーティング方法中の層は基体に適用される。ある方法において、層
はコーティング物の外面を形成するが、しかし、外面及び基体を形成するように
、押し出し層は他の層の間に組み込まれてもよく、これは一般に押し出しコーテ
ィングの特別な形態である押し出し積層と呼ばれる。他の方法においては、一種
以上の層を同時に基体上に押し出しコーティングしてもよい。
基体は好ましくは、セルロースをベースとした紙若しくはカードまたはボード
のような非熱可塑性表面であるかまたはアルミニウムホイルのような金属表面で
ある。しかし、本発明は、また、ポリエステル、ポリプロピレン及びポリアミド
のような熱可塑性物質の基体に適用してもよい。
エチレン誘導ポリマーは単一ポリマー成分またはブレンドであってもよい。好
ましくは、全体で少なくとも50重量%のエチレン誘導ユニットを含む。密度は
0.94より低い。溶融強度が必要な場合には(例えば自己支持フィルムの場合
)、ポリマーはこの目的に十分な分子量を有していることが好ましい。該ポリマ
ーは
少なくとも0.88の密度を有していてもよく、特に0.89または0.90であ
る。
共モノマーは、もし使用する場合には、C3〜C12の非極性モノマーであって
もよく、特にプロピレン;1−ブテン;1−ペンテン;1−ヘキセン;1−ヘプ
テンまたは1−オクテンのようなモノオレフィンであるか、または好ましくは炭
素数が4〜12であり、ビニルアセテート、メチルアクリレート;エチルアクリ
レート;プロピルアクリレート等価体を代表とするエチレン性不飽和エステル、
またはアクリル酸若しくはメタアクリル酸を代表とするエチレン性不飽和カルボ
ン酸またはその無水物のような極性基を有するモノマーであってもよい。
ポリマーは、様々なポリマー化の方法により調製されてもよく、例えば気相ま
たは溶液法が挙げられるが、フリーラジカル開示剤を使用して、高圧条件下で、
高度に分岐した広範囲の分子量分布を持つ物質を得るのが好ましい。
全体にエチレン誘導ポリマーは0.900〜0.940の密度を有するのが好ま
しく、及びメルトインデックスは1〜100、好ましくは2〜20である。
エチレンベースのポリマーはブレンドにより形成され、LDPEは少なくとも
10重量%存在するのが好ましく、20重量%が好ましく、特に少なくとも50
重量%が好ましく、また、そのようなLDPEは、LLDPEのようなより直線
状の非分岐ポリマーとの結合に使用してもよい。
例えばエチレンベースのポリマー及び他のポリマー成分の組み合わせのような
組成物全体では、Mw/Mnは少なくとも5であり、特に6以上であることが適
している。
リン含有酸化防止剤は以下の式を有していてもよい。
式中、aは0又は1、bは1〜4の整数及びR1の価数と同じである。R1は一価
または複数価(例えば2〜4)の有機ラジカルであり、フェノール、アルコール
、ジフェノール、ジオール、ポリオール(例えばグリコール)、2,4-ジ-tert-
ブチルフェノール、ペンタエリスリトール、4-ノニルフェノール、ベンジルアル
コール、4-クロロフェノール;1,1,1−トリメチロールプロパン;から誘導される
ことが好ましい。R2は同じでも異なっていてもよく、1〜30炭素数を有する
一価のラジカルであり、及び置換または無置換アリール、アルキルまたはアラル
キルのようなこれらの組み合わせ、及びシクロアルキル基から選択できる。R1
及びR2はO及びNのようなヘテロ原子を含有することができ、塩素、フッ素、
シアノ、アルキル(分岐鎖または直鎖);アルコキシ、アシル及びアミドカルボ
ニル基のような非妨害置換基(non-interfering substituents)で置換されてい
てもよい。
本発明において有用な、多くの有機ホスファイト及び有機ホスフェイトは、公
知の化合物であり、それぞれ、亜燐酸及び燐酸のエステルである。合成は、所望
の有機ヒドロキシ化合物と三塩化燐の反応により(ホスファイトエステルを得る
ため)又はオキシ塩化燐の反応により(ホスフェイトエステルを得るため)実施
できる。有機ホスファイト及び有機ホスフェイト両方の多くの例が、商業的に利
用可能であり、該化合物の混合物もまた使用できる。
典型的有機ホスファイト及び有機ホスフェイトとしては、以下のものが挙げら
れる:
トリス(2,4−ジ−三級−ブチルフェニル)ホスファイト、
ビス(2−,4−ジ−三級−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファ
イト、
トリス(4−ノニルフェニル)ホスファイト、
トリス[4-(1-フェニルエチル)フェニル]ホスファイト、
テトラキス(2,4- ジ- 三級- ブチルフェニル)-4,4'- ビスフェニレンジホスフ
ァイト、
トリス(4- メチルフェニル)ホスファイト、
トリス(4- クロロフェニル)ホスファイト、
デシルジフェニルホスファイト、
トリス(2,4−ジ−三級−ブチルフェニル)ホスフェイト、
トリス(4- メチルフェニル)ホスフェイト、
トリス(4−ノニルフェニル)ホスフェイト、
2-エチルヘキシル- ジフェニルホスフェイト、及びそれらの混合物。
下記一般式のトリアリールホスファイトを使用してもよい:
式中R1は、三級ブチル、1,1-ジメチルプロピル、シクロヘキシル又はフェニルを
表し、R2及びR3の一つは水素であり、他の置換基は、水素、メチル、三級ブチル
、1,1-ジメチル、プロピル、シクロヘキシル又はフェニルである。
適切な化合物は、商業的に利用可能である。
用語“酸化防止剤”は、燐含有化合物の主な従来の効果を記述するのに使用さ
れる。しかしながら、これは、該化合物が加工又は最終用途における性能の他の
観点に及ぼす効果を排除しない。酸化防止剤(A)が、ヒドロパーオキシドの官
能価を除去するのに主に効果的であるのが推測される。
他の成分が添加剤として存在してもよいが、量はオフテイスト(又は感覚器官
の挙動の度合いとして知られている)及び接着性能を妨げない。食べ物の包装を
する場合において、好ましい化合物は、そのような他の添加剤を最小量含む。
エチレン誘導ポリマー及び成分(A)は、モノマーをポリマー化する反応器の
押出機下流で混ぜ合わされるのが好ましい。このことにより、付着及びオフテイ
ストのいずれかの負の影響を最小にし、酸化防止剤(A)がポリマー中に存在し
て、出来る限り熱分解等を防ぐように作用することを確実にする。
ここで、付随的に存在するが存在しないのが好ましい成分に関して、HALS
は、米国特許第5219600 号明細書中で使用されるよりも少ない量、例えば、0.
01pph 未満の量で存在するのが好ましい。フルオロエラストマーは、米国特許
第
4863983 号明細書中に開示されるよりも少ない量で存在するのが好ましく、フル
オロエラストマーに対するリン含有酸化防止剤の比を5より大きくする。或いは
また、該リン含有化合物が、100ppmより少なく存在してもよい。該HALS及び
フルオロエラストマーは、量が多くなると、付着及びオフテイストに負の影響を
及ぼす。
ヒンダードフェノール化合物等の非一次(no primary)酸化防止剤を使用する
のが好ましい。ヒンダードフェノールの特徴は、オルト置換したフェノールが存
在することである。必要により少量で使用することができるフェノール化合物と
しては、以下のものが含まれる:
1.2,6-ジ-tert,- ブチル-4- メチルフェニル、2,6-ジ-tert-,-ブチル-4- メト
キシメチルフェノール、又は、2,6-ジ-tert-,-ブチル-4- メトキシフェニル等の
、単独2,6-ジアルキルフェノール類、
2.2,2'- メチレン- ビス-(6-tert- ブチル-4- メチルフェノール)、2,2'-
メチレン- ビス-(6-tert- ブチル-4- エチルフェノール)、2,2'- メチレン-
ビス-[4-メチル-6-(α- メチルシクロヘキシル)-フェノール]、1,1-ビス-(
5-tert- ブチル-4- ヒドロキシ-2- メチルフェニル)-ブタン、2,2-ビス-(3,5-
ジ-tert-ブチル-4- ヒドロキシフェニル)-プロパン、1,1,3-トリス-(5-tert-
ブチル-4- ヒドロキシ-2- メチルフェニル)-ブタン、2,2-ビス-(5-tert- ブチ
ル-4- ヒドロキシ-2- メチルフェニル)-4-n-ドデシルメルカプト- ブタン、1,1
,5,5-テトラ-(5-tert- ブチル-4- ヒドロキシ-2- メチルフェニル)-ペンタン
、エチレングリコール- ビス-[3,3-ビス-(3'-tert-ブチル-4'-ヒドロキシフェ
ニル) -ブチレート]、1,1-ビス-(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)-3-
(n-ドデシルチオ)-ブタン、又は、4,4'- チオ- ビス-(6-tert-ブチル-3-メチ
ルフェノール)等の、ビスフェノール類、
3.1,3,5-トリ-(3,5-ジ-tert-ブチル-4- ヒドロキシベンジル)-2 、4,6-トリ
メチルベンゼン、2,2-ビス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4- ヒドロキシベンジル)-マ
ロン酸- ジオクタ- デシルエステル、1,3,5-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-
ヒドロキシベンジル)-イソ- シアヌレート、又は、3,5-ジ-tert-ブチル-4- ヒ
ドロキシベンジル- ホスホン酸ジエステル等の、ヒドロキシベンジル化合物類、
4.1,3,5-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4- ヒドロキシフェニル- プロピオニ
ル)-ヘキサメレンジン等のβ-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-
プロピオン酸のアミド類、
5.メタノールオクタデカノールを有する、1,6-ヘキサンジオール、エチレング
リコール、チオジエチレングリクソール、ネオペンチルグリコール、ペンタエリ
スリトール、トリス- ヒドロキシエチル- イソシアヌレート等の、一価又は多価
のアルコールを有するβ-(3,5-ジ-tert-ブチル-4- ヒドロキシフェニル)-プロ
ピオン酸のエステル類、
6.3,9-ビス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4ヒドロキシフェニル)-2,4,8,10- テトラ
オクサスピロ-[5,5]- ウンデカン、3,9-ビス-[1,1-ジメチル-2-(3,5-ジtert
- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)-エチル]-2,4,8,10- テトラオクサスピロ-
[5,5]- ウンデカン等の、フェノール基で3−及び9−位を置換した2,4,8,10-
テトラオクサスピロ-[5,5]- ウンデカン等のようなジフェノリックスピロ-
ジアセタール類又はスピロ- ジケタール類等の、スピロ化合物類。
好適な実施態様では、0〜100ppm、特に50ppmより少ないフェノー
ル型安定剤が使用される。又、燐含有化合物の低レベル、好適には50〜100
0ppm、好ましくは60〜500、そして特に75〜200ppmを使用する
のが好ましい。驚くべきことに、低い量は良好な接着性を用意する。
押し出し方法は、与えられたポリマーの押し出しコーティングに通常実施され
るのに類似の条件下で適当に行われる。非極性ポリマーに対しては、例えば、2
95〜300℃で、10〜600、好ましくは300〜550m/分の線速度で
接着を促進する為に高温が推奨される。極性基を含むポリマーに対しては、低温
、例えば265〜300℃を推奨することが出来る。
押し出し層は、表面酸化が起こる期間中の間隙を支持なしに通過し、次いで基
体と、接着及び冷却の為の冷却ロール間を通過する
又、本発明は、エチレンベースポリマーの押し出しコーティング方法で、基体
上への接着のために、25ppmの量の燐含有酸化防止剤と、0〜150ppm
のヒンダードフェノール型酸化防止剤の使用を用意し、それによって、低い味の
高い接着を用意する。この使用は、この方法において上で示されたと同様の構成
になってもよいし、同様の構成を含んでもよい。
本発明は更に、(A)0.95より少ない密度を有し、少なくとも25、好ま
しくは5000ppmより少ない燐含有酸化防止剤を含むエチレン−誘導ポリマ
ー及び、(B)0〜150ppmの非燐フェノール系酸化防止剤で、好ましくは
0.01pphより少ないヒンダードアミン型光安定剤と、5以上のフルオロエ
ラストマー加工助剤に対する燐含有化合物の比を有するものを含む組成物を提供
する。
米国特許第4,863,983号は、上で与えられたそれより過剰のフルオロエ
ラストマーの量を要求する。米国特許第5,219,600号は、過剰のHALS
の量を要求する。
又、本発明は、(A)0.95より少ない密度を有し、25から、好ましくは
5000ppmより少ない燐含有酸化防止剤を含むLDPEの少なくとも50重
量%及び、(B)0〜150ppmの非燐フェノール系酸化防止剤を含む組成物
であって、前記組成物は、0.01pphより少ないヒンダードアミン型光安定
剤を含む。米国特許第4,863,983号は、LDPEと、その特殊な接着性パ
ッケージ含有物との組合せを教示していない。米国特許第5,219,600号は
、過剰量のHALSの量を要求する。図面
図1は、実施例において参照される、接着と酸化防止剤のレベルの相関を示すグ
ラフである。
図2は、実施例において参照される、接着と酸化防止剤のレベルの相関を示す別
のグラフである。
図3は、実施例において参照される、光安定剤又はフルオロエラストマー加工助
剤の接着での影響を示すグラフである。そして、
図4は、実施例において参照される、キャスト押し出し装置の略図である。実施例
ブレンドを調製し、実施例において接着及びオフテイスト(off-taste)試験
を行った。
ASTM−D1505及びD2839に従って、密度を決定した。メルトイン
デックスは、ASTM−D1238条件Eに従い、190℃において2.16k
gで決定した。融点は示差走査熱量系により測定した。N/15mmの接着はT
型剥離形状により試験した。これは、幅15mmのストリップ上に切断を形成す
るのに要する力である。オフテイスト試験は、標準と比較したオフテイストを評
価することを目的として人間パネルにより試験した。正の値は標準よりも劣るオ
フテイストを示し、負の値は標準よりも優れた異味を示す。実施例1
過酸化物開始剤を使用して、高圧オートクレーブ中でポリマーを調製した。材料
はエクソンケミカルからエスコレン(Escorene)グレードとして入手可能であり
、以下の特性を有する。
以下の特性を有するエクソンケミカルからMP652.35グレードとして入
手可能な粉末状ポリエチレンを使用したマスターバッチに、酸化防止剤を添加し
た。
マスターバッチは、表3に記載の異なる添加剤を用いて調製し、適切な高いレ
ベルを(即ち酸化防止剤の1%を)含有する。
イルガノックス及びイルガフォスは登録商標である。化学組成は下記の表6に記
載されている。これらのマスターバッチを上記のエスコレングレード(表1)に
添加して次のものを与える。
試料を、装置(図4参照)によりエアーギャップ8において周囲空気を用いて
接着力を向上させるためにコロナ処理されている基体として機能するアルミニウ
ムホイル6の上のダイ吐き出し口4で、295℃で押出被覆を行った。押し出さ
れたポリマーウエブを延伸し、圧力ロール12及び冷却ロール14の間のロール
間隔10に向かって引っ張った。
コートされた材料が評価された。
本発明を用いて良い接着力が良い官能作用と同時に得られた。イルガノックス
(Irganox)1010が存在しない場合にのみ、良い接着力が得られなかった。10
00ppmのイルガノフォス(Irganofos)P-EPQ は接着力を減少させることな
くオフテイストを向上させ、実際に接着力は増加した。
実施例2
同様の方法で、抗オキシダントの低い量の添加の相対的効果及びHALS及び
フルオロエラストマーの少量の効果を見るために、更なる混合物が調製された。
(1)登録商標;主成分
ベンゼンプロパン酸(Benzenepropanoic acid)、3,5−ビス(1,1−ジ
メチルエチル)−4−ヒドロキシ−2,2−ビス〔〔3−〔3,5−ビス(1,
1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕−1−オキソプロポキシ〕メ
チル〕−1,3−プロパンジイルエステル(式I)
(2)イルガノフォスP-EPQ、登録商標;主成分 ホスホノ酸(phosphonous aci
d)、〔1,1’−ビフェニル〕−4,4’−ジイルビス−,テトラキス−〔2
,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェニル〕エステル(式II)
(3)登録商標
ブタン二酸(Butanedioic acid)ポリマーと4−ヒドロキシ−2,2,6,6
−テトラメチル−1−ピペリジンエタノール(式III)
(4)20% Irganox 1076 + 80% Irgafos 168
Irganox 1076;ベンゼンプロパン酸,3,5-ビス(1,1- ジメチルエチル)-4-ヒ
ドロキシ-,オクタデシルエステル(式IV)
Irgafos 168;フェノール2,4-ビス(1,1ジメチルエチル)-ホスフィット(3:1
)(式V)
(5)ポリマー加工助剤:DuPont若しくは3Mから入手可能なフルオロエラストマ
ー、又はSchulmanから入手可能なマスターバッチ AMF 702(ここではこれを使用
した)。
結果を表7に記載する:
いくつかの結果を、グラフ、図1〜3に示す。
HALS及びフルオロエラストマーは、リン含有化合物の付着性についての正の効
果を否定し、かつ使用されるべきでなく、又は不可避的に必要とされる場合は、
そのような程度のみである(図3)。フルオロエラストマーの量が80 ppm(リン
含有化合物の量(400 ppm)の1/5)未満である時のみ、良好な付着強さが得られ
る。
HALSにより、オフ−テイスト(異味)について少し悪化が生じる。
150 ppmより多いヒンダードフェノールAOでは、リン含有化合物の付着性につ
いての影響は、見出すのが困難である。150 ppm未満、特に10ppm未満では(図1
を参照されたい)、少量のリン含有化合物の存在により、付着性が有意に改良さ
れ、400 ppm 未満、特に200 ppm のリン含有化合物の量で最良の改良が見られる
。
同様の結果が、図2において見られる。
フェノール酸化防止剤(Irganox 1076)及びリン含有化合物(Irgafos 168)
のブレンドは、高レベルのフェノール酸化防止剤、及び比較的低い付着性をもた
らした。
本発明の酸化防止剤パッケージを使用することにより、ドローダウンを改良す
ることができることを見出した。
被覆材料を使用して、食料及び固形物、又は液体及び飲料をパッケージするこ
とができる。ここで、本発明は、また、本発明の方法により得られる被覆材料を
用いて製造されるパッケージに関するものである。
本発明を用いて、オフ−テイスト及び付着性の両方を、従来のLDPEを含まない
任意の酸化防止剤と比べて、リン含有酸化防止剤、及び全くない又は少量の他の
添加剤の選択的使用により改良することができる。
米国法に照らして、全ての試験法及び優先権についての書類を含む全ての書類
は、本明細書に含まれるものとする。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C08K 5/49 9167−4J C08K 5/49
C08L 23/04 7446−4J C08L 23/04
// B65D 65/40 0333−3E B65D 65/40 D
B29K 23:00
B29L 7:00
9:00