JPH09510203A - α−N−アセチルガラクトサミニドの合成のための立体特異方法 - Google Patents

α−N−アセチルガラクトサミニドの合成のための立体特異方法

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JPH09510203A
JPH09510203A JP7523572A JP52357295A JPH09510203A JP H09510203 A JPH09510203 A JP H09510203A JP 7523572 A JP7523572 A JP 7523572A JP 52357295 A JP52357295 A JP 52357295A JP H09510203 A JPH09510203 A JP H09510203A
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ラオ コガンティ,アール
ガンジイ,シャム
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ビオミラ インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 N−アセチルガラクトサミからα−N−アセチルガラクトサミニドを合成する立体特異方法において、その好適例が:アルデヒドまたはケトンのジアルキルアセタールとN−アセチルガラクトサミンを反応させて4,6−O−アルキリデン誘導体を生成し;前記4,6−O−アルキリデン誘導体を保護基化合物と反応させて保護基を選択的に前記誘導体の3−OH基に結合し、3−O−保護誘導体を生成し;前記3−O−保護誘導体をアノマー基と反応させてグリコシルドナーを生成し;前記グリコシルドナーをアルコールと反応させてN−アセチルガラクトサミニドを生成する各工程からなる。

Description

【発明の詳細な説明】 α−N−アセチルガラクトサミニドの合成のための立体特異方法 発明の背景発明の技術分野 本発明は生物学的に重要なN−アセチルガラクトサミンのα−グリコシドの合 成に関し、癌ならびに他の病気を治療し診断する際に有用であるオリゴ糖類、グ リコシルアミノ酸類、およびグリコペプチド類を調製する改良された方法のため の用途の広い新しい中間体を提供するものである。背景技術の説明 ムチン類は唾液、胃液等の粘性の溶液を形成し体内および体外の表面で潤滑剤 または保護剤として働くものに見出される糖蛋白質である(Floreyら、Br.J.Ex p.Pathol .,13: 269,1932; Gottschalk ら、Glycoproteins: Their Compositio n,Structure and Function ,Gottschalk,A.著、Elsvier,NewYork,1972; Bou rsnellら、Biochem.Biophys.Acta54: 226,1961; Hill ら、J.Biol.Chem.252: 3791,1977; Rousselら、Biochimie,70: 1471,1988)。ムチンは一般に 高分子量の化合物であり、多くの場合、100,000ダルトンよりも大きく、広範囲 にグリコシル化されている(80%までグリカン)。 ムチングリカン類(Podolsky,J.Biol.Chem.260: 8262,1985)は、セリ ンおよび/またはトレオニン残基の側鎖の酸素原子を介してムチンの「コア」蛋 白質(またはアゾ蛋白質)に結合している。これは末端がO−結合である。グリ カンの還元糖(コア蛋白質に直接結合した糖)は通常N−アセチルガラクトサミ ンである(Stryer,Biochemistry,第3版,W.H.Freeman & Co., New York,1 988,p.298)。ムチングリカン類の主要な糖成分はガラクトース、N−アセチ ルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、フコース、およびシアル酸であ る(Filipe,Invest.Cell,Pathol.,2: 195,1979)。 ムチン類は通常多くの上皮腺の分泌物に見出される。しかし、またそれらは必 要な膜蛋白質として細胞結合をすることができる(Simmons ら、J.Immunol.,14 8: 267,1992; Marcheseら,Ann.Rev.Biochem.45: 667,1976; Carrawayら ,Mol.Cel1.Biochem.,72: 109,1986)。 癌関連のムチン類は上皮細胞起源の腫瘍組織によって生成される(Burchellら 、Cancer Res.,47: 5476,1987; Jeromeら、Cancer Res.,51: 2908,1991)。通 常のムチン類と異所性癌結合ムチン類との閏の主な相違は、各グリカンの構造に ある。ムチン類に結合した癌のグリコシル化の程度はそれらの通常の対応物のそ れよりも低い(Hullら、Cancer COmmun,,: 261,1989)。例えぼ、ヒトの乳 脂肪球と結合した通常のムチンは主として四糖類グリカン、βGal 1-4βGlcNAc 1-6(βGal 1-3)GalNAcおよびそのシアリル化類似体を含むが、GlcNAc 1-6トラ ンスフェラーゼは乳癌細胞に欠けているようである(Hullら、上記)。結果とし て、還元しないβ1-4-結合ガラクトシル残基もなく、乳癌結合ムチン類のグリカ ンは特徴として不完全である。癌結合ムチン類に見出される一般的なグリカン構 造は孤立のN−アセチルガラクトサミニル残基(Tn−決定子)または二糖類βGa l 1-3 αGalNAc(T−決定子;Springer,Science,224: 1198,1984)である。 TnおよびT決定子の両方において、追加の2-6-結合α−シアリル基が、N−ア セチルガラクトサミニル部分に結合し、シアリル−Tn(STn)およびシアリル-2- 6T決定子になる(Hanishら、Biol.Chem.HoppeSeyler,370: 21,1989; Hakomo ri,Adv.Cancer Res.52: 257,1989; Torbenら、Int.J.Cancer45: 666, 1980;Samuel ら、Cancer Res.,50: 4801, 1990)。 90%以上の一次癌腫およびそれらの転移物は外表面膜に免疫反応形態でTnお よびT決定子を含む(Springer,上記)。癌結合ムチン類によって示される変更 したグリカン決定子は患者の免疫系によって異物または外来物として認識され、 自己免疫反応となる。 癌細胞上のTn、T、STnおよびシアリル2-6T−抗原の存在およびこれらの 構造物への自己免疫反応は、診断および治療の過程で使用されてきた。癌マーカ ーとして、TnおよびTは若干の癌腫の進入の初期の免疫組織化学的検出および 予知が可能である(Springer,上記)。癌組織のシアリル−Tnハプテンの存在 は不利な予知のパラメーターとして同定された(Itzkowitz ら、Cancer66: 19 60,1990; Yonezawaら、Am.J.Clin.Pathol.98: 167,1992)。 TnおよびT決定子に対して向けられた自己免疫反応の測定は以前よりもさら に迅速にさらに大きい感度および特異性で癌腫を検出することができる。また、 TnおよびT決定子の発現の程度は、癌腫の分化の程度と相関させる場合が多い (Springer,上記)。 癌結合抗原としてTn、T、STn構造の性質は、癌の活性な特異的免疫治療 に利用されてきた。特に、Tn、T、STn決定子は化学的に合成され、キャリ ヤ蛋白質に結合し、人工抗原を形成した;これらをシクロホスファミドおよびRi bi DET0X(登録商標)アジェバントと組み合わせて癌患者に投与した(MacLean ら、J.Immunother.11: 292,1992; MacLeanら、Cancer Immunoth.36: 215 ,1993)。 グリコシル化アミノ酸の合成は炭水化物化学の重要な分野になった。さらに最 近は、腫瘍、病原体およびウイルスと結合しているムチンのグリコシル化セグメ ントおよび糖蛋白質の合成が免疫原として作用する能力のために非常に重要にな ってきた。これらの合成抗原は化学的に良く定義されており容易に精製される。 しかし、任意の合成ワクチンの開発での主な関心は市販を目的とした大規模製造 である。大規模製造に成功するための鍵となる要素は原料が市販品として入手で きること、合成工程の数、生成する副産物の品質と種類および全収率である。 TnおよびTハプテンのグリコシド類、およびそれらのシアリル化類似体のグ リコシド類は合成され、診断および治療に利用する際に使用するため蛋白質また は合成ペプチドキャリヤに共役させていた(Lemieux ら、米国特許第4,794,176; 4,866,045; 4,308,376; 4,362,720および4,195,174号; Can.J.Chem.,57: 1244 ,1979)。また、腫瘍結合炭水化物抗原を天然源から単離して免疫治療に利用す る際に使用した(Kjeldsenら、国際特許出願PCT/US89/00966、WO 89/08711 とし て1989年9月21日発行)。使用した合成グリコシドは一般にアグリコン部分を含 み、ハプテングリコシドの糖類部分を変えることなくカップリングするために十 分な反応機能性を生じることができた。「活性化された」ハプテングリコシドは 次に蛋白質またはペプチドキャリヤのアミノ基と反応させて、さらにアミンに還 元されるアミドまたはシッフ塩基結合を形成した。しかし、この方法で調製され た人工抗原は天然の炭水化物−ペブチド結合を含まないので、糖類および合成ア グリコンの両方に含まれるエピトープに対する反応を誘発する。この限界を解消 するため、グリコシルアミノ酸はTnまたはTハプテンを、保護されたセリン またはトレオニン誘導体に結合して合成した;これらを次に2、3または4個の アミノ酸残基を含むグリコシルオリゴペプチドに集めた(Paulsen ら、Carbohyd r.Res .,109: 89,1982; Bencomo ら、Carbohydr.Res.,116: C9,1983; Iijima ら、Carbohydr.Res., 186: 95,1989)。 必要なヒドロキシアミノ酸のα−N−7セチルガラクトサミニドを合成するた めに、N−アセチルガラクトサミンから直接誘導されたグリコシルドナーは、ア セタミド基が隣接した基の参加によってβ−アノマー立休配置に対してグリコシ ドを生成し、オキサゾリジン(1c)のような副生成物を形成するので、適当で はない。実際に、N−アセチルガラクトサミンの直接の使用はフィッシャーグリ コシド化の条件下に記述されているだけである(Flowersら、J.Org.Chem.,30:2 041,1975)。しかし、フィッシャーグリコシド化は脂肪族および芳香族第1級ア ルコールから誘導されたアグリコンに眼定され、セリンおよびトレオニンのよう なヒドロキシアミノ酸は反応条件での不安定性のために不適当である。 実用的な分量のヒドロキシアミノ酸のα−N−アセチルガラクトサミニドを得 るために、この技術は現在までN−アセチルガラクトサミニル残基のグリコシル ドナーおよび前駆体として2−アジド−2−デオキシガラクトース誘導体を使用 する回り道の経路に頼ってきた。アセトアミド基から明らかなように、対応する グリコシルドナーの2−アジド基は、オキサゾリジンのような、副生成物を生成 することになるアノマー中心での反応に関与しない。グリコシド化工程に続き、 2−アジド−2−デオキシグリコシドはアミノグリコシドおよびN−アセチレー トに還元されなければならない。この間接の技術によって、ヒドロキシアミノ酸 のα−N−アセチルガラクトサミニドが得られる(Paulsen ら、Bencomo ら、お よびIijimaら、上記)。必要な2−アジド−2−デオキシ−ガラクトシルハライ ドドナーは、上記米国特許のLemieux の方法に従って、Can.J.Chem.,57: 1244 ,1979; またはPaulsen らに従って、(Chem.Ber.111,2358,1978)、1,6;2, 3-ジアンヒドロ−D−タロピラノースから出発して、D−ガラクタールのアジド 窒素化を経て得ることができる。2−アジド−2−デオキシ−ガラクトピラノシ ルハライド中間体はまた、Naicker ら(米国特許第4,935,503 号)によって示さ れるように、D−ガラクタール誘導体のアジドクロリネーションによって直接調 製 することができる。これら工程はすべて、比較的高価な出発物質を必要として、 既に長すぎる合成工程に数工程を加えなければならず、これら重要な合成抗原を 商業的規模て製造するには不十分である。従って、大量生産量のグリコシルアミ ノ酸を調製するために一層短縮されさらに実際的な工程が存在する必要がある。 ヒドロキシアミノ酸を用いてN−アセチルガラクトサミンのα−グリコシドを つくるための初期の試みは、銀塩を使用するKoenigs-Knorr により、または触媒 として水銀塩を用いるHelferish により、保護されたセリンまたはトレオニン化 合物を用いて保護されたN−アセチルガラクトサミンドナーをカップリングする ことを含んでいた。Koenigs-Knorr およびHelferish 合成は、関係する基が存在 する場合には、単独でまたは優勢にβ−グリコシド(1,2−トランス)を生成 する。 Ferrari およびPavia は、Carbohydr.Res79: c1-c7,1980; Biorg.Chem.,11 : 82-85,1982で、2,4,6−トリ−O−アセチル-2−アジド−2−デオキ シ−β−D−ガラクトピラノシルクロリドを、C2 非関与基と、セリンまたはト レオニン誘導体と、シアン化水銀の存在で反応させ、それぞれ、66%および45% の収率で対応するα−グリコシルアミノ酸を与えた。この方法はグリコシド化の 前に2−アジドガラクトシルドナーの面倒な回り道の合成を含む。Paulsen およ びHolck は、Carbohydr.Res109: 89-108 の報告で、炭酸銀、Drierite(登録 商標)、4A分子篩および過塩素酸銀の存在で、トルエン/ジクロロメタン中で 、同じ塩化物をセリン誘導体と縮合し、85%収率のグリコアミノ酸を、α対βの 比が19:1で与えた。グリコシドのアジド基は、アミノ基への還元およびN−ア セチル化によってアセトアミド基に変換することができる。アミノ基への還元の ために必要な条件は、アミノ酸のFmoc基を除去することによりグリコペプチド合 成を一層面倒にし、またアミノ酸のアセチル化はグリコペブチド合成に不適当で ある。 ドナーとして3,4,6−トリアセチルN−アセチルガラクトサミンのトリク ロロアセチミデートを使用する試みは(Gandhiら、XV Intnl.Carb.Symp.Aug. 12-17,Yokohama,Japan,1990)は大抵はオキサゾリデン(1c)を生成し、ア ルファ−グリコシドの収率が低く(α対βの比が1:5)、商業的に実行可能で はなかった。 発明の概要 合成によって、副反応のために良い収率でグリコシルドナーを生成することが 妨げられるのでN−アセチル−D−ガラクトサミンを巧みに処理することは困難 である。一旦得られると、このようなドナーは非常に少ない収率で所望のα−グ リコシドを生成する。ドナーの多くは、入ってくるアノマーカルボニウムイオン と共にN−アセチル基が広く関与し、主な副生物としてオキサゾリジン(1c) を形成するため、グリコシドの生成が妨げられる。 本発明者らは、GalNAcの4,6−部位でアセタールまたはケタールのような共 有の保護基がα−グリコシド結合を容易に形成することを見出した。これは、T n(αGalNAc-O-Ser/Thr)、TF(βGal1-3αGalNAc-O-Ser/Thr)およびSTn (αNANA2-6αGalNAc-O-Ser/Thr)のような腫瘍結合炭水化物構造の合成のため にN−アセチルガラクトサミンを直接使用することができる。本発明において、 4,6−O−アルキリデン群(図1)を含むα−N−アセチルガラクトサミン誘 導体は直接そして手軽に、市販品として入手できるN−アセチルガラクトサミン から調製され、立体選択的に良い収率で、α−N−アセチルガラクトサミニドを 調製するために使用される。結晶性N−アセチルガラクトサミン中間体は、グリ コペプチドに組み込むために、またはオリゴ糖−ペプチドに組み込むために保護 されたヒドロキシアミノ酸をグリコシル化するためにも使用されるオリゴ糖ブロ ック誘導体の調製のために、適するグリコシルアミノ酸の調製に使用される。本 発明の方法は、癌および他の病気の状態の診断、治療、および予防に有用である 純粋なグリコペプチドを容易に商業規模で提供できる。 N−アセチルガラクトサミンの4−6−ヒドロキシ官能基が環状アセタール/ ケタール基によって一旦保護されると、得られる1,3ジオールは選択的にアシ ル化され(または保護され)または2,3,4,6−テトラアセチルガラクトー スのような他のカーボハイドレート環を導入して二糖類ブロックを形成すること ができる。本発明の反応条件下に、アノマーOH基はそのまま残される。N−ア セチル−D−ガラクトサミンの一糖類/二糖類ブロックは容易にトリクロロアセ トイミデートのようなグリコシルドナーに変換される(図3)。グリコシルドナ ーとして、4,6−環状アセタールは、過アセチル化N−アセチルガラクトサミ ンドナーとは異なる働きをするようであり、後者の化合物は非常に複雑な反応を 受ける。 本発明の方法には、次のような多くの利点があるが、これらに制限されるもの ではない: ・全体のグリコシド化の収率が高い ・α対βのグリコシドの比率が良い ・グリコシルドナーへのアクセスが速い ・2−アジド−ガラクトシルドナーの場合のように、N−アセチル基へのアジド の後グリコシド化還元が必要ない。 ・自動化シンセサイザーを使用するグリコペプチド合成のための手順とのグリカ ミン酸の融和性がある。 好適例では、次の新しい化合物および方法が企図される: N−アセチル−D−ガラクトサミンの4,6−ベンジリデンおよび4,6−ナ フチリデンの誘導体および4,6−O−環状アセタールおよびケタールの合成の ための一般的な工程(図1); 保護されたN−アセチル−D−ガラクトサミン誘導体、3−O−アシルまたは 3−O−伸長(3e)、4,6−O−ベンジリデンおよび4,6−O−ナフチリ デン誘導体(図2); N−アセチル−α−D−ガラクトサミニル−O−N(Fmoc)アミノ酸フェナシ ルエステル(図4); N−アセチル−D−ガラクトサミンの3−O−アシル4,6−O−ベンジリデ ン/ナフチリデニルフルオリド、クロリド、ホスファイトおよびトリクロロアセ チミデート(図3)。 本発明の他の化合物は、図11に示される。 図面の簡単な説明 図1:N−アセチル−D−ガラクトサミンの4,6−ヒドロキシ保護環状アセ チル/ケタール構造(2a−2e)を示す。 図2:3−OH保護構造(3a−3d)または二糖類(3e)への炭水化物合 成の3−O−伸長を選択的に示す。 図3:種々のグリコシルドナーを示す。化合物4a−4dは図3Aに、4e− 4hは図3Bに示す。 図4:十分に保護されたグリコシル化アミノ酸、セリンおよびトレオニン(化 合物5a−5dおよび6a−6b)を示す。 図5:さらに伸長する合成のための4,6位置での部分脱保護を示す。描写し た化合物は7a−7dおよび8a−8bである。 図6:シアリル化による6−OHでの伸長する合成によって誘導された構造を 示す。化合物9a、9b、10a、10b、11a、11b、12aおよび12 bが示される。 図7:グリコペプチドを自動化シンセサイザーで合成できるように脱保護され たアミノ酸カルボキシルをもつ構造を示す。化合物13a−13d、14a、1 4b、15a、15b、16aおよび16bが図7Aに示され、化合物17a、 17b、18aおよび18bが図7Bに示される。 図8:完全に保護された合成炭水化物ハプテンを示す。化合物19a、19b 、20a、20b、21a、21b、22aおよび22bは図8Aに、そして化 合物23a、23b、24aおよび24bは図8Bに示される。 図9:合成図1を示す。化合物1、2a、3b、4a、5a、13aおよび1 9aは図9Aに、そして化合物5a、7a、9a、20aおよび15aは図9B に示される。 図10:合成図2を示す。化合物2a、3e、4c、6a、14aおよび22 aは図10Aに、そして化合物6a、8a、11a、23aおよび17aは図1 0Bに示される。 図11:本発明の化合物の一般的構造AおよびCを示す。 図12:(A)H+ または(B)ZnCl2 との反応によるGalNAcの誘導化。 好適例の詳細な説明 本発明は、癌結合ムチン、すなわちTn、T、STnおよびシアリル2−6T の最も重要なエピトープを示す人工抗原の商業的規模の製造のために優れた方法 を提供する。 さらに、本発明は人工抗原の手軽で経済的な調製のための新しい中間体を提供 する。 本発明は4−Oおよび6−Oの位置が架橋部分によって結合して保護されてい るN−アセチルガラクトサミンの誘導体がアルファ−N−アセチルガラクトサミ ニドの立体選択的合成においてグリコシルドナーとして有用であるという発見に 関するものである。 4,6−O−アルキリデン部分を含むN−アセチルガラクトサミン誘導グリコ シルドナーを使用してアルコールをグリコシル化するとき、高収率のα−グリコ シドが得られる。一般に、アルファ−グリコシドの収率は30〜45%であり、一方 ベータ−グリコシドは0〜6%の水準で得られる。これに対して、過アセチル化 N−アセチルガラクトサミン誘導グリコシルドナーを使用するとき、アルファ− グリコシドの収率は4〜5%だけであり、一方ベータ−グリコシドの回収は約20 %程度である。従って、通常アルファ−グリコシドの絶対収率は少なくとも6倍 改善され、普通にはα/β比は少なくとも20倍改善される。 本発明はまた実質的にオキサゾリジン生成を排除する。過アセチル化GalNAc反 応を用いると、オキサゾリジン生成は約45〜50%である。本発明の反応を用いる と、オキサゾリジン水準は約0〜3%である。 全体的に、本発明は癌その他の病気の状態の診断、治療、または予防に有用な ムチン関連グリコペプチドおよび人工抗原の商業的規模の製造のために優れた方 法を提供する。 好適例では、本方法はグリコシル受容体を、2−アセタミド−2−デオキシガ ラクトースのO−4およびO−6を1,3−ジオキサン環に結合するグリコシル ドナーと反応させて2−アセタミド−2−デオキシガラクトースのα−グリコシ ドを調製することからなる。さらに特に、本方法は(1)N−アセチルガラクト サミンの4,6−O−アルキリデン誘導体への変換、(2)3−O位置の保護、 (3)保護誘導体のグリコシルドナーへの変換、および(4)グリコシル受容体 のグリコシド化を含む。4−Oおよび6−O位置の保護 本発明は、入ってくるアノマーカルボニウムイオンでN−アセチル基の関与を 阻止する結合保護基を用いて4−Oおよび6−O位置を保護することにより、グ リコシド化反応におけるグリコシルドナーとして使用するためN−アセチルガラ クトサミンを誘導化することを企図する。 結合保護基は次式の4,6−O−アルキリデンであってもよい。 式中、R1およびR2は独立して水素、アルキル(分枝または非分枝、好ましくは 1〜10個の炭素)、アルケニル、アリール(フェニル、ナフチル等)ヘテロア リール(ピリジル、ピロリル、キノリル等)およびアルキルアリール基からなる 群から選択される。R1およびR2は環状系を形成するように結合することができ る。構造(4)O--C(=CH-Ph)--O (6)もまた可能である。 上記炭化水素基の1またはそれ以上の水素原子をハロゲン、または酸素、窒素 または硫黄関連の官能基で置換することができる。 本分野で良く知られた方法に従って、酸触媒の存在でアルデヒドまたはケトン のジアルキルアセタールとN−アセチルガラクトサミンを反応させて4,6−O −アルキリデン誘導体(2a−e)に、N−アセチルガラクトサミン(1a)を 変換することができる(M.E.Evans ら、Carbohydr.Res.,: 453,1967)。最 も望ましい方法ではN−アセチルガラクトサミンをベンズアルデヒドジメチルア セタールと反応させて2−アセタミド−4,6−O−ベンジリデン−2−デオキ シ−α−D−ガラクトピラノース(2a)を生成する。 好ましい酸触媒はp−トルエンスルホン酸であるが、触媒量の任意の有機酸ま たは無機酸は同様に作用する。酸の主な作用は前駆体試薬からアルデヒドまたは ケト基を生成することである。酸それ自体はその作用がアセタール/ケタール生 成のためにカルボニル基を単に遊離するためなので消費されない。同じ反応はま たZnCl2のようなルイス酸によって行えるが、アルコキシ(通常メトキシ)類似 体の代わりに、この場合にはアルデヒドまたはケトンのようなカルボニル化合物 を使用する。多くの金属ハロゲン化物、例えばAl、Fe、Zn、Co等のハロゲン化物 は、種々の程度の効率をもつルイス酸として作用することができる。(参照、図 12Aおよび12B)。3−O−位置の保護 ヒドロキシ保護基として使用するために適している非常に多くの官能体が本分 野では知られており、特に、T.W.Greene,Protecting Groups in Organic Synth esis ,John Willey and Sons,Chap 2があり、選ばれた保護基は次の特性を満 足しなければならない:(1)4,6−O位置で結合保護基に実質的に不利に影 響することなく3−O位置を保護するために使用することが可能でなければなら ない、(2)予期されるグリコシド化の条件下に3−O位置を実質的に保護しな ければならない、そして(3)得られるアルファ−グリコシドに殆ど影響するこ となく除去されなければならない。 命名法を明確にすると、水酸基(−OH)は保護された水酸基(−OR)を形 成するように誘導化すると、保護している基は「R」である。代表的な保護基は CH3CO-、C6H5CO-、CH2ClCO-、およびCF3COである。 好適例では、保護された基はカルボン酸から誘導される3−0アシルエステル である。3−O−ベンゾイルは特に好ましい。従って、好ましい方法の第二段階 は適当な保護している基は、例えば、化合物3a−3eを生成する4,6−O− アルキリデン誘導体のO−3に選択的に結合する。グリコシルドナー N−アセチルガラクトサミンの3−O−保護4,6−O−アルキリデン誘導体 はグリコシルドナー(図3)に変換することができ、アノマー基はハロゲン化合 物物、チオエーテル、エステル基等の潜在的除去基である。さらに好ましくは、 アセチミデート除去基を含むドナーであり、トリクロロアセチミデートが高く推 薦される(Schmidtら、Angew Chem.Intern.Ed.Engl.,19: 732,1980)。上記 のものよりも容易にまたはさらに容易に置換される他の除去基を使用することが できることは、有機合成分野では当業者に良く知られている。グリコシル化 本方法の第3の工程は、グリコシルドナー(4a−e)をセリンまたはトレオ ニン(1dまたは1e)のようなアルコールと反応させてα−N−アセチル−ガ ラクトサミニドを生成することを含む。最も好ましい反応体アルコールはヒドロ キシアルコールのアミノ−およびカルボキシ保護誘導体、特にセリン(1d)ま たはトレオニン(1e)から誘導されるものである。適当なアミノおよびカルボ キシ保護基はペプチド合成においてアミノおよびカルボキシ基の保護に有用であ ることが一般に知られているものであり、例えばアシル(ホルミル、トリフルオ ロアセチル、フタリル、ベンジル、フェニル等);ウレタン(例えば、t−ブチ ルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル;2−(p−ビフ ェニル)−イソプロピルオキシカルボニル、イソニコチニルオキシカルボニル等 );スルフェニル(O−ニトロフェニルスルフェニル、トリチルスルフェニル等 );またはアルキル(トリフェニルメチル、ベンズヒドリル等)である。好まし いアミノ保護基は9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基であり、Fmoc をもつtert-ブトキシカルボニル(tBoc)基が特に好ましい。 本発明に使用されるグリコシル化の方法には従来からの方法がある、Koenigs- Knorr,アセチミデート、トリクロロアセチミデート(シュミット)法;ヨー化物 (チーム)、チオグリコシド(レーン)。多くのグリコシド化反応がこの分野で は知られている。主題の概説には、H.Paulsen,“Advances in selective chem ical synthesis of complex oligosaccharides”Angew.Chem.Intnl.; Ed,21,1 55(1982); R.R.Schmidt,“New methods for synthesis of glycosides and oligosacchrides.Are there alternatives to Koenigs-Knorr methods?”,An gew.Chem.Intnl.25,212(1986); H.Paulsen“Synthesis of complex oligo saccharide chains of glycoproteins”,Chem.Soc.Rev.13,15(1984); H. M.Flowers,“Chemical synthesis of oligosaccharides”,Methods in Enzym ology138,359(1987)を参照。 上記文献から容易に確かめられるように、グリコシル化のための反応条件が多 く知られている。これらの条件は過度の実験が望まれる当業者による各反応のた めに容易に調整することができる。本発明の他の局面は、4,6−O−アルキリ デン誘導体(2)は3−OHでグリコシル化され還元する二糖類誘導体(3e) を生成する。この場合に、好ましいグリコシルドナーは過アセチル化または過ベ ンジル化ピラノシルハロゲン化物であり、2,3,4,6−テトラ−O−アセチ ル−D−ガラクトピラノシルブロマイドが大いに好ましい。グリコシル化は1− OHでのグリコシル化を避けるように僅かに過剰のドナーのみを使用して行われ る。得られた還元二糖類誘導体(3e)をさらに処理して、アルコールと反応さ せるとき、α−グリコシドを生成するブロック二糖類ドナー(4e)を与える。 ブロック二糖類ドナーと反応するアルコールは好ましくはヒドロキシアミノ酸の アミノまたはカルボキシル保護誘導体であり、特にセリンまたはトレオニンのそ れらである。得られたα−グリコシドはT−決定子βGal 1-3 αGalNAcをもつ。炭水化物およびグリコペプチド 本発明のアルファ−N−アセチルガラクトサミニドは一層大きい炭水化物およ びグリコペプチドのアセンブリでの基礎単位として有用である。この発明の主な 目的は糖とアグリコンとの間のα結合の生成にある。これが達成されると、既知 の方法を用いてさらに合成が行える。さらに大きい炭水化物(またはグリコペプ チド)にGalNAcを組み込んで、 (1)4,6−O−保護GalNAcを3−O−位置で他の炭水化物、モノ−ま たはジ−、トリ−、または他のオリゴ糖類と反応させることができ、および/ま たは (2)3,4,6−O-保護GalNAcを,1−O−位置で他の炭水化物、モ ノ−またはジ−、トリ−、または他のオリゴ糖類と反応させることができる。 両反応が望ましい場合には、いずれか可能な順で行うことができる。続いて、 Gal NAcの4−Oおよび6−Oの位置の水酸基のための保護基を除去し、これら の位置に他の糖を結合する。 また、第1の糠をGal NAcに結合し、第2の糖を第1の糖に結合することがで きる。勿論、多くの可能な合成の組合せがある。 結合は、また糖に制限されない。本発明の方法により調製されたグリコシルア ミノ酸は、ウイルス被覆糖蛋白質を含めて、癌結合ムチンのようなムチンの特定 構造に対応するグリコペプチドの合成に有用である。カルボキシル保護およびア ミノ保護基の一連の除去−カップリング−除去の後に、グリコシルアミノ酸誘導 体は固相ペプチド合成の方法に用いられる。セリンおよびトレオニンのような本 発明の方法によって調製されたグリコシルアミノ酸を使用すると、自動化ペプチ ド合成を基礎としたF-MOC(α−フルオレニルメトキシカルボニル)において基 礎単位としてグリコシル化アミノ酸を使用することによって、並びに手動で固相 バッチ合成によって、グリコペプチドを合成することができる。あるいは、グリ コペプチドはまたi−ブチルクロロホルメート活性化を使用する溶液相で合成す ることができる。固相合成は通常、ジシクロヘキシルカーボジイミドのようなカ ップリング剤およびカルボニル基のための活性化剤、例えば1−ヒドロキシベン ゾトリアゾール(HOBT)またはN−ヒドロキシスクシミド(NHS)を使用 する。しかし、これらの活性化およびカップリング剤は使用できる試薬の例示で ある。当業者はここで使用できる他の既知の活性化およびカップリング剤のため の文献を参照することができる。これらの方法は既知であり、次の論文に記載さ れている:Merrifield,J.Amer.Chem.Soc.,85: 2149-2154,1963; Merrifiel d,Science,232: 341,1986; Wade ら、Biopolymers,25: S21,1986; Fields ,Int.J.Polypeptide Prot.Res.35: 161,1990; Millipore Report Nos. 2および2a,Millipore Corporation,Bedford,MA,1987。 さらに、グリコシルアミノ酸誘導体は(図4および5)、シアリル−Tn抗原 (STn)の対応する中間体を調製するために有用である。穏和な酸性条件下の 反応は、グリコシルアミノ酸誘導体5および6をジオール誘導体7および8に、 4,6−保護環状アセタール/ケタール基を除去することによって変換する。ジ オールの第1の6−OHは次にグリコシルドナーおよび既知のグリコシル化反応 を用いて選択的にグリコシル化される。例えば、適当なグリコシルドナーはアセ チル化ピラノシルハロゲン化物、例えば5−アセタミド、4,7,8,9−テト ラ−O−アセチル、3,5−ジデオキシ、D−グリセロ、D−ガラクト、2−ク ロロ、2−ノヌロピラノシロニックアシド〔GlcNAc、N−アセチルラクトースア ミン、Galのドナーを使用することもできる〕である。得られた伸長した炭水化 物アミノ酸誘導体(9〜12)は単糖類アミノ酸について上述したようにグリコ ペプチドに処理することができる。開示された方法で合成されたセリンおよびト レオニンのようなグリコシル化アミノ酸を使用すると、グリコペプチドは自動化 ペプチド合成に基づいたF-moc(9-フルオレニルメトキシカルボニル)において 基礎単位としてそれらを使用することによって、並びに手動で固相バッチ合成に よって合成することができる。あるいは、グリコペプチドはまたi−ブチルクロ ロホルメート活性化を使用する溶液相で合成することができる。固相合成は、通 常、ジシクロヘキシルカーボジイミドのようなカップリング剤およびカルボキシ ル基のための活性化剤、例えば1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT) またはN−ヒドロキシスクシミド(NHS)を使用する。しかし、使用できるこ とが文献で知られている活性化剤およびカップリング剤はたくさんある。 T−誘導化グリコシルアミノ酸化合物(14)を使用してT含有ムチンエピト ープに対応するグリコペプチドを調製する。T−誘導化グリコシルアミノ酸化合 物はまた4,6−O−デアルキリデン化誘導体(8)を調製する際にも有用であ る。これらの4,6−O−デアルキリデン化誘導体(8)は選択的にグリコシル 化され、シアリル−2−6−T−決定子を含むムチンエピトープに対応するグリ コペプチドを生成するため通常の方法で処理することができる(図2)。 従って、本発明は癌結合ムチンの基本的決定子、特にTn、T、STnおよび シアリル−2−6−T決定子(図1および2)に対応するグリコシルアミノ酸を 調製するための融通のきく大量生産の方法論を提供する。 Tn、TF、STnおよびSTFは開示物に記載された構造である。これらの 構造はケホルリンペットヘモシアミン(KLH)、ジフテリアトキソイド、テン タヌストキソイド、ヒト血清アルブミン(HSA)、ウシ血清アルブミン(BS A)等の任意の抗原蛋白質に結合することができる。あるいは、これらの構造体 がグリコシルアミノ酸であるとき、抗原は腫瘍結合ムチンまたは糖蛋白質のフラ グメントであるグリコシル化ペプチドの形で合成することができる。 種々の既知の腫瘍または通常の炭水化物構造体はここに記載された方法論を使 用して合成することができる。最も重要なものはTn、TF、STnおよびST Fのような腫瘍マーカーである。これらの炭水化物構造を使用してモノクローナ ル抗体を発現するためにインヴィトロおよびインヴィヴォでそれぞれ使用して癌 を診断および映像することができる。これらを使用して同じ炭水化物構造体をも つ悪性細胞に対する応答を開始する免疫系を刺激するように免疫化のためにそれ らを使用することによって癌を治療することができる。 N−アセチルガラクトサミンに構築される種々の炭水化物構造体はバクテリア およびウイルス付着リガンドであることが知られている。これらの分子は細胞の バクテリアおよびウイルス感染を防ぐために抗付着物として使用することができ る。さらに、グリコシル化アミノ酸は生物学的研究に使用される糖蛋白質の固相 合成に使用することができる。 次の実施例は、本発明を説明するためのもので、これらに限定されるものでは ない。実験 1. 4,6−O−ベンジリデニル,N−アセチル−α−D−ガラクトサミン (2a) 500ml のアセトニトリル中の20g(90.4mmol)のN−アセチル−D−ガラクトサ ミン(1a)の懸濁液に、ベンズアルデヒドジメチルアセタール(27.14ml,180 mmol)およびp−トルエンスルホン酸一水化物(200mg)を添加した。混合物を60 ℃で加熱して3時間攪拌した。得られた懸濁液を濾過した。得られた固体を冷ク ロロメタン(32ml)で洗浄し、高真空で乾燥し、23.1g(74.7mmol,83%)の生 成物を得た。 RF=0.36(9:1、酢酸エチル:メタノール);RF=0.14(10:1、クロロホ ルム:メタノール)、〔α〕S(23,D)+133°1.0水)、融点168℃(decomp);1 H-NMR(DMSO-d6+CD3OD) δ=7.35-7.70(m,5H,芳香族プロトン),5.62(s, 1H,ベンジリデンCH),5.12(d,1H,H-1,J1,2=3.0Hz),4.21(bd,1H,H-4,J3 ,4 =3.5Hz),4.12(dd,1H,H-2,J2,3=11.0Hz),4.06(m,2H,H-6a+H-6b),3. 92(dd,1H,H-3),3.85(bs,1H,H-5),1.90(s,3H,NHCOCH3); 13C-NMR(DMSO- d6)δ=169.58(カルボニル炭素),138.86,128.54,127.85,126.27(ベンジ リデン芳香族炭素の4シグナル),99.66(ベンジリデンCH炭素)91.35(C-1 ),75.96(C-4),68.95(C-6),65.37,61.95(C-3およびC-5),50.27(C-2 ),22.70(NHAcメチル炭素)。 2. 4,6−O−ナフチリデニル,N−アセチル−α−D−ガラクトサミン (2b) N−アセチルガラクトサミン(2g)を過剰の(2当量)の2−ナフタルデヒド ジメチルアセタールとp−トルエンスルホン酸1水化物(38mg)で処理し、反応 を行い2aの調製と同様にして生成させた。結晶(mp 243-244℃)を得た。 RF=0.36(9:1、酢酸エチル:メタノール);RF=0.31(10:1、CHCl3-CH3 OH):1 H-NMR(DMSO-d6)δ=8.54-7.40(m,7H,ナフチリデン芳香族プロトン),6.5 5(d,1H,H-1,J1,2=3.5Hz),6.05(s,1H,ナフチリデンCH);5.15-3.80(m,1 1H),1.80(s,3H NHCOCH3)。 3. 3−O−アセチル,4,6−O−ベンジリデニル,N−アセチル α− D−ガラクトサミン(3a) 塩化アセチル(0.35ml)の乾燥塩化メチレン(2ml)溶液を−25℃で攪拌しながら 窒素雰囲気でジオール2a(930mg,3.00mmol)の乾燥ピリジン(10ml)溶液に滴 加した。1時間後に、反応混合物をメタノール(3ml)で冷却し、溶媒を留去し 、補助溶剤としてトルエンを使用して白色固体を得た。シリカゲルのクロマトグ ラフィーでクロロホルム:メタノール(95:5)を用いて溶出し、所望の3−O −アセチル誘導体3a(890mg,84.2%)を得た:1 H-NMR(CDCl3)δ=7.5(m,2H,Ar),7.42(m,3H,Ar),6.05(d,1H,J= 9.5Hz,NH),5.5(s,1H,ベンジリデンCH),5.31(brs,11H),5.17(dd,1H ,J=3.5Hz,J=12.5Hz,H-3),4.98(brs,1H),4.63(m,1H),4.24(dd, 1H,J=2.5Hz,J=12.5Hz,H-2),4.07(d,1H,J=3.0Hz,H-4),3.94(d,1 H),3.58(s,1H),2.08(s,3H,OAc)および1.95(s,3H,NAc)。 4. 3−O−ベンゾイル,4,6−O−ベンジリデニル,N−アセチル α −D−ガラクトサミン(3b) 乾燥ピリジン(150ml)中ジオール2a(18.7g,60.5mmol)の溶液を-25℃まで窒 素雰囲気下に冷却し、乾燥塩化メチレン(40ml)で溶解した塩化ベンゾイル(10 .13g,72.06mmol)を30分かけて滴加した。反応物を2時閲後にメタノール(5ml )で冷却し、溶媒を減圧下に留去した。残査を塩化メチレンで溶解し、1N HCl (3×100ml)、飽和炭酸水素ナトリウム(2×100ml)および水(2×100ml)で洗 浄し硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を蒸発して得られた固体を酢酸エチルか ら結晶化させて化合物3bを得た。m.p.115-117℃、〔α〕S(23,D)=182.04:1 H-NMR(CDCl3)δ=8.1(m,2H,Ar),7.32-7.6(m,8H,Ar),6.05(s,1H ,J =9.5Hz,NH),D2O で交換),5.36-5.42(m,2H),4.8-4.9(dd,2H),4 .25(dd,2H),4.0(m,2H),1.88(s,3H,NAc)。 5. 3−O−ベンゾイル,4,6−O−ベンジリデニル,N−アセチル α −D−ガラクトサミニル−1−トリクロロアセチミデート(4a) 乾燥塩化メチレン中の3b(10.0g,24.21mmol)とトリクロロアセトニトリル (10.48g,73.3mmol)の混合物に0℃で窒素雰囲気下に攪拌しながら、1,8− ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン(DBU)(触媒量)の溶液 を添加し、2時間半攪拌した。溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルクロマ トグラフィーで処理した。酢酸エチル:ヘキサン(7:3)による溶出でトリク ロロアセチミデート4a(13.5g,98%)を得た:1 H-NMR(CDCI3)δ=8.85(s,1H,NH),8.1(m,2H,Ar),7.6-7.4(m,8H,Ar), 6.75(d,1H,J=3.5Hz,H-1),5.65(d,1H,J =9.0Hz,NH),5.6(s,1H,PhCH) ,5.5(dd,1H,J =3.5Hz,H-3),5.15(m,1H),4.6(d,J=3.0Hz,1H),4.1(dd ,1H,J=2.5Hz,13.5Hz),4.0(s,1H),および1.9(s,3H,NAc)。 6. 3−O−アセチル,4,6−O−ベンジリデニル,N−アセチル α− D−ガラクトサミニル−1−クロリド(4e) 化合物2a(1g,3.23mmol)を10mlの再蒸溜した塩化アセチルに懸濁させ、懸 濁液を密封チューブ中で激しく攪拌した。攪拌18時間後、反応混合物の揮発性部 分を室温(20〜24℃)で真空蒸発させた。泡の残渣をジクロロメタンに取り出し 溶液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、次に水で繰り返し洗浄した。有機層を分離 し無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を真空除去し、残渣を酢酸エチルに溶 解し、これに結晶が生じるまでヘキサンを添加した。640mg(1.73mmol)の結晶 固体を得た。 RF=0.69(酢酸エチル);RF=0.59(10:1、クロロホルム:メタノール):1 H-NMR(CDCl3)δ=7.60-7.35(m,5H,ベンジリデン芳香族プロトン),6.42( d,1H,H-1,J1,2=3.5Hz),5.75(d,1H,H-4,JNH,H-2=8.5Hz),5.58(s,1H, ベンジリデンCH),5.34(dd,1H,H-3,J2,3=11.5Hz,J3,4=3.2Hz),4.98(m,1 H,H-2),4.39(bd,1H,H-4),4.35-4.04(m,3H,H-5,H-6a およびH- 6b),2.11,1.98(2s,6H,アセチルメチル)。 7. 3−O−アセチル,4,6−O−ベンジリデニル,N−アセチル α− D−ガラクトサミニル−1−フルオリド(4f) 2〜4℃まで冷却した乾燥ジクロロメタン25ml中の2−アセタミド−2−デオ キシ−3−O−アセチル−4,6−O−ベンジリデン−D−ガラクトース3b( 1g,2.84mmol)の溶液に、5ml のジクロロメタン中の0.56ml(4.26mmol)のジエ チルアミノサルファートリフルオリド(DAST)の溶液を添加した。混合物を 1時間攪拌した。メタノール(5ml)を添加し、混合物を10分間攪拌した。溶液を 飽和炭酸水素ナトリウム溶液で抽出した。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルカ ラムを用い1:1の酢酸エチル:ヘキサンで溶出させた。 0.74g(74 %)の4fを得た; RF=0.53(10:10:2 酢酸エチル:ヘキサン:メタノール):1 H-NMR(CDCl3)δ=7.60-7.30(m,5H,芳香族プロトン),5.76(dd,1H,H-1,J1,2 =2.5H,J1H-1,F=5.3Hz),5.54(s,1H,ベンジリデンCH); 5.22(dd,1H,H-3 ,J3,4=3.2Hz,J2,3=11.5Hz),4.76(m,1H,H-2),4.32(bd,1H,H-4),4.20( m,2H,H-6a+H-6b),3.95(bs,1H,H-5),2.10,2.00(2s,6H アセチルメチル プロトン)。 8. 3−O−アセチル,4,6−O−ナフチリデニル,N−アセチル α− D−ガラクトサミニル−1−クロリド(4d) 化合物2b(4g)を蒸溜した塩化アセチル(50ml)で40時間処理した。混合物 を乾燥するまで蒸発させた。得られた残渣を酢酸エチルに取り出し、ヘキサンを 添加した。3gの結晶4dを集めた。 RF=0.68(酢酸エチル);RF=0.33(1:1酢酸エチル/ジクロロメタン):1 H-NMR(CDCl3)δ=8.25-7.45(m,7H,芳香族プロトン),6.50(s,1H,H-1,J1 ,2 =3.5H),6.10(s,1H,ナフチリデンCH); 5.72(d,1H,NH,JH2-N4=8.5Hz), 6.10(s,1H,H-3,J2,3=11.2Hz,J3,4=3.5Hz),5.01(m,1H,H-2),4.55(bd, 1H,H-4),4.30(m,2H,H-6a+H-6b),4.18(brs,1H,H-5),2.12,1.98(2s,6 H,アセチルメチルプロトン)。 9. 3−O−アセチル,4,6−O−ベンジリデニル,N−アセチル α− D−ガラクトサミニル−1−トリクロロ(4b) 乾燥ジクロロメタン(30ml)中3a(2.0g,5.698mmol)およびトリクロロアセ トニトリル(3.28g,22.71mmol)の混合物を0℃で攪拌した。反応混合物に触媒 量のDBUを添加しTLCで反応を続けた。3時間後、溶媒を留去し、褐色残渣 をシリカゲルクロマトグラフィーで処理した。酢酸エチル:ヘキサン(7:3) で溶出し所望のトリクロロアセタミデート4b(2.5g,87.0%)を得た。1 H-NMR(CDCl3)δ=8.8(s,1H,NH),7.6(m,2H,Ar),7.4(m,3H,Ar),6.52( d,1H,J=3.5Hz,H-1α),5.62(d,1H,J =9.0Hz,NH),5.57(s,1H,ベンジ リデン CH),5.32(dd,1H,J =3.5Hz,J=11.5Hz,H-3),4.50-4.92(m,1H),4 .42(d,1H,J=2.0Hz,H-4),4.35(dd,1H,J=2.0Hz,J=12.0Hz),4.05(dd,1 H,J=2.0Hz,J=12.0Hz),3.92(d,1H,J =1.5Hz),2.2(s,3H,OAc),1.95(s ,3H,NAc); 13C-NMR δ:21.05(OAc),23.21(NAc),96.53(C-1),101.01(ベン ジリデン−CH)。 10. 3−O−ベンゾイル,4,6−O−ベンジリデニル,N−アセチル α −D−ガラクトサミニル−1−O−N(Fmoc)セリンフェナシルエステル(5a ) 乾燥塩化メチレン(40ml)中のトリクロロアセチミデート4a(3.0g,5.39 mm ol)、N−Fmoc−L−セリンフェナシルエステル(5.6g,12.58mmol)およびDrie rite(登録商標)(2.0g)の混合物を室温で30分間乾燥窒素雰囲気下に攪拌し、次に −10℃まで冷却した。反応混合物に、三弗化硼素エーテレート(0.233ml,乾燥塩 化メチレン40ml中)を30分かけて滴加した。TLC(ヘキサン:酢酸エチル1: 1)で反応を追跡し3時間後、炭酸水素ナトリウム(10%、25ml)で反応を停止 した。これをCelite(登録商標)で濾過し塩化メチレンで洗浄した。合わせた有 機抽出物を水(2×100ml)で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留 去し泡状の塊を得て、シリカゲルクロマトグラフィーで処理し、酢酸エチル:ヘ キサン(1:1)で溶出させ未反応のセリンリンカーアーム、オキサゾリン副生 物およびグリコシドの混合物を得た。粗混合物を再度クロマトグラフィーで処理 して酢酸エチル:ヘキサン(3:7)で溶出させ所望のαグリコシド5a(950m g,23%)を得た。1 H-NMR(CDCl3)δ=7.35-8.1(m,24H,Ar),6.55(d,1H,J=9.0Hz,NH), 5.85(d,1H,J=8.5Hz,NH),5.63(d,1H,J=16.0 Hz,CH2COPh),5.51(s,1H, PhCH),5.3-5.43(m,2H),5.2(d,1H,J=3.5Hz,H-1),5.15-5.07(m,2H),4.7 9(brs,1H,Serα-H),4.2-4.58(m,7H),3.84-3.99(m,2H); 1.8(s,3H,NAc) ,13C-NMR δ:99.52(C-1),100.76(Ph CH),155.92(NHCO),169.75(COOCH2),1 91.57(CH2COPh)。 11. 3−O−ベンゾイル,4,6−O−ベンジリデニル,N−アセチル α −D−ガラクトサミニル−1−O−N(Fmoc)セリン(13a) 酢酸(80%、10ml)中の5a(100mg、0.120mmol)の溶液に新しく調製した活性 化亜鉛末(亜鉛末から2.0g)を添加し、混合物を室温で攪拌した。これを濾過し 、無機塩を酢酸水溶液(50%,10ml×2)で洗浄し、合わせた濾液を減圧下に溶媒 を蒸溜した。粗生物をSephadex(登録商標)-LH-20カラム(エチルアルコール)で 精製し、13aを得た。1 H-NMR(CD3OD)δ=8.0(d,2H,Ar),7.75(d,2H,Ar),7.625-7.3(m,15H,Ar ),5.50(s,1H,Ph-CH); 5.45(br dd,1H),4.84(dd,1H,J =3.5Hz,J=12.0 Hz),4.7(d,1H,J=2.5Hz,H-4),4.43-4.2(m,3H),4.16-3.9(m,6H),1.89( s,3H,NAc) 13C-NMRδ:22.90(CH3CONH),100.45(C-1),101.78(PhCH)。 12. 3−O−ベンゾイル,N−アセチル α−D−ガラクトサミニル−1− O−N(Fmoc)セリンフェナシルエステル(7a) 酢酸水溶液(80%、15ml)中の5a(180mg)の溶液を80℃で攪拌しTLC(CHC l3:MeOH; 19:1)で追跡した。2時間半後、溶媒を減圧下に補助溶媒としてトル エンを使用して蒸溜し残渣を凍結乾燥させて7a(160mg)を得た。得られたジオ ールをさらに精製しないでシアリル化反応に使用した:1 H-NMR(CDCl3)δ=8.07(d,2H,J=8.0Hz,Ar),7.83(d,2H,J=7.5Hz,Ar) ,7.75(d,2H,J =8.0Hz,Ar),7.60-7.29(m,13H,Ar),6.64(d,1H,J=9.0H z,NH,D2Oで交換),6.08(d,1H,J =8.9Hz,NH,D2Oで交換),5.60(d,1H,J =16.5Hz,CH2COPh),5.28(m,2H,H-3,CH2COPh),5.10(d,1H,J=4.0Hz,H-1 ),5.05(d,1H),4.74(d,1H,J=8.5Hz,4.48-3.77(m,8H),3.40(brs,1H,O H を D2Oで交換),2.92(brs,1H,OHは D2Oで交換)および 1.80(s,3H,NAc); 13C-NMR δ:23.06 NAc,54.33(CH-α),99.01(H-1)。 13. 3−O−ベンゾイル,6−O−(メチル,4,6,7,9−テトラ−O −アセチル)α/βシアリル,N−アセチル α−D−ガラクトサミニル−1− O−N(Fmoc)セリンフェナシルエステル(9aおよび10a) 塩化メチレン(50ml)中の粉末分子篩4Å(1.0g)、ジオール7a(500mg,0. 66mmol)、Hg(CN)2(6.04mg,2.39mmol)およびHgBr2(431mg,1.19mmol)の混合物 を室温で15分間攪拌し、乾燥窒素雰囲気下に0℃まで冷却した。反応混合物に、 塩化メチレンに少量ずつ溶解した5−アセタミド,4,7,8,9−テトラ−O −アセチル−3,5−ジデオキシ−β−D−ガラクト−2−クロロ,2−ノヌロ ピラノシロニックアシッドメチルエステル(4.7g,9.23mmol)の溶液を5日間か けて攪拌しながら添加した。混合物をCelite(登録商標)パッドを通して濾過し 、塩化メチレンで洗浄した。一緒にした濾液を30%の臭化カリウム(2×100ml)の 水溶液、10%EDTA(2×75ml)および最後に水(2×100ml)で洗浄し、無水硫酸ナト リウムで乾燥させた。溶媒を留去して泡状の塊を得て、シリカゲルクロマトグラ フィーで酢酸エチル:ヘキサン:メタノール(15:10:1)で溶出し、α(2-6)グリコ シド、9a(170.5mg)およびβ(2-6)グリコシド、10a(275mg)をそれぞれ単離 した。 α−グリコシド9aの1H-NMR(CDCl3)δ:8.1(d,2H,J =7.0Hz,Ar),7.9- 7.32(m,17H,Ar),6.45(d,1H,J =9.0Hz,NH),5.98(d,1H,J=9.0Hz,NH) ,5.43-5.24(m,6H),5.14(d,1H,J =3.5Hz,H-1),5.0(m,1H),4.82(m,2H) ,4.5-4.27(m,5H),4.22-4.0(m,6H),3.9-3.7(m,6H),3.65(brs,1H,D2Oで OH-4 交換),2.54(dd,J=4.5Hz,J=12.5Hz,H-3eq),2.12,2.09,1.95,1.87 および 1.78(6s,18H,OAc,HNAc); 13C-NMR δ:98.85 C-1),99.05(C-2')。 β(2-6)グリコシド10aの1H-NMR(CDCl3)δ:8.02-8.08(d,2H,J =7.0Hz ,Ar),7.92-7.3(m,17H,Ar),6.50(d,1H,J =8.0Hz,NH),6.35(d,1H,J =9.0Hz,NH),6.26(d,1H,J=9.0Hz,NH),5.70(d,1H,J=16.50Hz,CH2COPh ),5.14(d,1H,J=16.5Hz,CH2COPh),5.42-5.17(m,6H),5.14(d, 1H,J =3.5Hz,H-1),5.01-4.91(m,2H),4.8(br dd,1H),4.45-3.87((m,10H ),3.80(s,3H,OCH3),3.73(dd,1H),2.88(br s,1H,過剰のD2O で交換),2. 53(dd,J3,4=4.0Hz,J=12.5Hz,H-3eq),2.13(s,3H,Ac),1.99(brs,6H),1. 93(s,3H),1.87(s,6H),および1.78(dd,3-Hax)。 14. 6−O−Lシアリル,N−アセチル LD−ガラクトサミニル−1−O −セリン(20a) ブロックしたα(2−6)グリコシド9a(159mg,0.129mmol)のメタノール (50ml)溶液に、2%炭酸カリウム(25ml)を添加し、室温で24時間攪拌し、さ らに炭酸カリウム(25ml)を添加した。TLC(n−ブタノール:エタノール: 水 2:1:1)で出発化合物が完全になくなるまで攪拌を20時間続けた。反応混合物 に無水酢酸(2〜5ml)を添加し、終夜攪拌した。溶媒を留去し、残渣を水に溶解し 、溶液を酢酸エチルで抽出し、水抽出物を凍結乾燥させた。粗精製物をビオゲル P-2 クロマトグラフィーで処理し、20a(82.5mg,99%)を得た。1 H-NMR(D2O)δ=4.84(d,1H,J=3.50 Hz,H-1),4.41(m,1H,H-4),4.14(dd ,1H,J =3.5Hz,J=12.0Hz,H-2),4.05-3.76(m,9H),3.71-3.55(m,5H),2. 73(dd,1H,J =4.5 Hz,J =12.5 Hz,H-3eq),2.07(s,3H,NHAc),2.03(s,6 H,NHAc),1.66(dd,1H,J =12.5Hz,H-3ax)。 15. 6−O−βシアリル,N−アセチル α−D−ガラクトサミニル−1− O−セリン(21a) 10a(55mg,0.045mmol)のメタノール(25ml)および炭酸カリウム(2%,25m l)の混合物を室温で48時間攪拌した。反応混合物に、無水酢酸(1.5ml)を添加し 、48時間攪拌した。溶媒を蒸発させ残渣を水に溶解し、酢酸エチルで抽出し、水 層を凍結乾燥し、バイオゲルP-2 カラムに通してβ(2→6)21a(20mg,70%) を得た:1 H-NMR(D2O)δ:4.89(d,1H,J=3.50 Hz,H-1),4.35(m,1H),4.12(dd,1H ,J=3.5Hz,J=12.0Hz),4.08-3.49(m,15H),2.35(dd,1H,J=4.0 Hz,J =1 2.5 Hz,H2-3eq),2.1-2.07(3s,9H,NAc),1.62(dd,1H,H-3 ax)。 16. 3−O−アセチル,4,6−O−ベンジリデニル,N−アセチル α− D−ガラクトサミニル−1−O−N(Fmoc)トレオニンフェナシルエーテル(5 d) ボロントリフルオリドエーテレート(塩化メチレン4.0ml 中100μL)の溶液をト リクロロアセチイミデート4b(2.0g,4.038mmol)、N−Fmoc−トレオニンフェ ナシルエステル(3.6g,7.843mmol)、およびDrierite(登録商標)(1.0g)の乾燥塩 化メチレン(25ml)中の攪拌混合物に、−10℃で窒素雰囲気下に30分間添加した 。3時間攪拌を続け、反応物を炭酸水素ナトリウム水溶液(10%、25ml)で反応 を停止し反応混合物の温度を室温まで上げた。有機層を分離してCelite(登録商 標)で濾過し、塩化メチレンで洗浄し、合わせた有機濾液を水(2×100ml)で 洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して泡状の塊を得た。シリカゲル カラムクロマトグラフィーで処理して酢酸エチル:ヘキサン(1:1)で溶出し 、未反応リンカーアーム、オキサゾリン副生物をグリコシドから分離した。クロ ロホルム:メタノール(100:1)で溶出してクロマトグラフィーで処理するとグリ コシドは所望の5dを与えた(147mg,4.5%)。1 H-NMR(CDCl3)δ:7.9(m,2H,Ar),7.8(m,2H,Ar),7.58(m,15H,Ar),6.0 5(d,1H,J=9.5 Hz,NH,D2O で交換),5.56(s,1H,ベンジリデン CH),5.54( d,1H,J=16.0Hz,PhCOCH2),5.43(d,1H,J=3.5 Hz,H-1),5.34(d,1H,J= 16.0Hz,PhCOCH2),5.2(dd,1H,J=3.5 Hz,J =12 Hz,H-3),4.85(dd,1H,H -2),4.6-4.4(m,6H),4.3-4.25(m,2H),4.09(d,1H,J=12.0 Hz),3.85(brs ,1H),2.1(s,3H,OAc),1.75(s,3H,NAc)および1.41(d,3H,J=6.5 Hz, γ-CH3); 13C-NMR δ:18.59(γ-CH3),21.10(OAc),27.99,47.26,47.38(C- 2,CHAr2),58.60(α-CH),100.24(C-1),101.06(ベンジリデンCH),120.09-143 .87(Ar),156.63(OCONH),170.13(CH3COO),171.55(CH3CONH),191.26(OCH2CO) 。 17. 3−O−アセチル,4,6−O−ベンジリデニル,N−アセチル α− D−ガラクトサミニル−1−O−N(Fmoc)トレオニン(13d) 5d(0.151mmol中120mg)の酢酸(80%,10ml)溶液を活性化した亜鉛末(亜鉛 末800mg から調製)に添加し、室温で2時間攪拌した。濾過し、無機塩を酢酸( 50%,2×5ml)で洗浄し、合わせた濾液から溶媒を減圧下に留去した。粗生物 をSephadex LH-2 カラムクロマトグラフィーで処理し、13d(82.5mg,80.8 %)を無色固体として得た。1 H-NMR(CD3OD)δ:7.8(m,2H,Ar),7.7(m,2H,Ar),7.5-7.65(m,10H,Ar) ,5.6(s,1H,ベンジリデンCH),5.11(dd,1H,J=3.5 Hz,J =12 Hz,H-3),5 .01(d,1H,J =3.5 Hz,H-1),4.59-4.53(m,2H),4.42-4.49(mp 3H),4.28(m ,2H),4.15(brs,2H),3.85(brs,1H),2.05(s,3H,OAc),1.95(s,3H,NAc) ,1.23(d,3H,J=6.0 Hz,γCH3)。 上記の特定例は、他の者が現在の知識を応用することによって、包括的な概念 から逸脱することなくこの種の特定例をいろいろと応用するために容易に改変お よび/または適合できるように、本発明の一般的性質を完全に明かしており、従 って、この種の適合および改変は開示した好適例と同等の意味および範囲内に包 まれるものである。個々に使用した述語および用語は説明のためのものであり、 限定するものではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,M W,MX,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TT,UA, UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.アルデヒドまたはケトンのジアルキルアセタールとN−アセチルガラクトサ ミンを反応させて4,6−O−アルキリデン誘導体を生成し; 前記4,6−O−アルキリデン誘導体を保護基化合物と反応させて保護基を選 択的に前記誘導体の3−OH基に結合し、3−O−保護誘導体を生成し; 前記3−O−保護誘導体をアノマー基を導入するために適当な試薬と反応させ てグリコシルドナーを生成し: 前記グリコシルドナーをアルコールと反応させてN−アセチルガラクトサミニ ドを生成する 各工程からなるグリコシル化アミノ酸を合成する方法。 2.前記ジアルキルアセタールがベンズアルデヒドジメチルアセタールである請 求項1記載の方法。 3.前記保護基が3−O−アシルエステルである請求項1記載の方法。 4.前記保護基が3−O−ベンゾイルエステルである請求項1記載の方法。 5.前記アノマー基がハロゲン化物、チオエーテル、エステル、アセチミデート 、およびトリクロロアセチミデートからなる群から選択される請求項1記載の方 法。 6.前記アルコールがヒドロキシアミノ酸からなる群から選択される請求項1記 載の方法。 7.ヒドロキシアミノ酸がセリンおよびトレオニンからなる群から選択される請 求項1記載の方法。 8.ヒドロキシアミノ酸のアミノ基およびカルボキシ基が9−フルオレニルメト キシカルボニル基または tert-ブトキシカルボニル基で保護されている請求項6 記載の方法。 9.N−アセチルガラクトサミンが4,6−位置で6員環を形成するアセタール またはケタールによって保護されている請求項1記載の方法。 10.グリコシル化アミノ酸がαおよびβグリコシドコンホメーションで合成さ れる請求項1記載の方法。 11.図11の式Aの化合物: 式中のR1およびR2は独立して水素、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロ アリール、およびアルキルアリールからなる群から選択され、 随意にR1およびR2は環状構造を形成し、またはR1は=CH−フェニルおよび R2は存在せず、 R1およびR2が水素でないときは、随意にハロゲン、および酸素、窒素、および 硫黄結合官能基からなる群から選択される1またはそれ以上の置換基を有するこ とができ、 R3は水素、ヒドロキシ保護基、または糖または糖誘導体であり、 そしてR4はヒドロキシル、保護ヒドロキシ基、ハロゲン、糖または糖誘導体、 またはアミノ酸またはアミノ酸誘導体である。 12.R1、R2およびR3は次のR1、R2およびR3の組合せからなる群から選択 される請求項11記載の化合物。 13.図11の式Cの化合物。 式中のRは水素またはメチルである。
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