JPH0950990A - シリコン酸化膜の製造方法 - Google Patents

シリコン酸化膜の製造方法

Info

Publication number
JPH0950990A
JPH0950990A JP19982195A JP19982195A JPH0950990A JP H0950990 A JPH0950990 A JP H0950990A JP 19982195 A JP19982195 A JP 19982195A JP 19982195 A JP19982195 A JP 19982195A JP H0950990 A JPH0950990 A JP H0950990A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon oxide
film
oxide film
electrodes
reaction chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19982195A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideto Ishiguro
英人 石黒
Fuengu Guofuo
フェング グオフォ
Robaatoson Robaato
ロバートソン ロバート
Masahiko Yamamoto
正彦 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
AKT Inc
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Applied Komatsu Technology Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp, Applied Komatsu Technology Inc filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP19982195A priority Critical patent/JPH0950990A/ja
Publication of JPH0950990A publication Critical patent/JPH0950990A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Formation Of Insulating Films (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温プロセスを用いながら、緻密な膜質を有
するシリコン酸化膜を、高い成膜速度で、大面積の基板
上における膜厚の均一性を満足させながら形成すること
のできるシリコン酸化膜の製造方法を提供すること。 【解決手段】 プラズマ化学気相堆積法を用い、シリコ
ンを供給するための原料ガスとしてテトラエトキシシラ
ンを用いるとともに、プラズマを発生させるための電極
間距離を約13mm以下とした条件下でシリコン酸化物
を形成する。また、反応室内を約650mTorrより
低い圧力とした条件下でシリコン酸化物を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレイ
などに用いる大面積基板の表面に下地保護膜などとして
シリコン酸化膜を形成する方法に関するものである。さ
らに詳しくは、プラズマ化学気相堆積法を用いたシリコ
ン酸化膜の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体装置その他の装置を製造する際に
は、シリコン酸化膜を形成することが多々あり、たとえ
ば、液晶ディスプレイのアクティブマトリクス基板の製
造工程では、薄膜トランジスタ(TFT)を作り込む前
に、基板の表面に下地保護膜としてシリコン酸化膜を形
成しておくことがある。このシリコン酸化膜を製造する
方法としては、液晶ディスプレイの大面積化、低コスト
化などを図るという観点より、安価なガラス基板を使用
可能とする低温プロセスが望まれている。かかるシリコ
ン酸化膜を低温で形成する技術としては、従来より、常
圧CVD、減圧CVD、ECR−CVD法などの成膜方
法があるが、常圧CVD、減圧CVD法は、生産性は高
いが、シリコン酸化膜としての安定性が劣る。また、E
CR−CVD法では、膜質が比較的良好であるが、生産
性が著しく低いという問題点がある。
【0003】さらに、シリコン酸化膜を形成するための
低温プロセスとしては、上記の成膜方法の他にも、プラ
ズマ化学気相堆積方法(プラズマCVD法)がある。プ
ラズマCVD法は、電極間に高周波を加えることによ
り、反応室内において原料ガスに放電を起こさせ、それ
によって形成されたプラズマにより、原料ガスが分解し
て反応を起こし、膜が形成されるという成膜方法であ
る。かかる成膜方法は、成膜速度が高いこと、基板に加
わるストレスが小さいこと、ステップカバレージが良い
ことなどの利点があるため、これまでにも、半導体集積
回路の層間絶縁膜の形成に用いられている。また、シャ
ープ技報(第61号・1995年4月号)に記載されて
いるように、TFTのゲート絶縁膜を形成するための成
膜方法としても注目されつつある。ここに検討されてい
るプラズマCVD法の条件は、あくまで、プラズマを発
生させるための電極間距離が35mmから65mmまで
の範囲、反応室内の圧力が800mTorrから120
0mTorrまでの範囲であり、かかる範囲を越えた条
件では、TFTのゲート絶縁膜を形成するのに適してい
ないというのが、シャープ技報(第61号・1995年
4月号)などで示唆されている内容である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プラズ
マCVD法は、上記の条件範囲内で各パラメータを変え
て種々検討されているものの、TFTなどの製造プロセ
スに本格的に適用されるまでには至っていない。その理
由は、シリコンウェーファなどといった比較的狭い基板
上にシリコン酸化膜を堆積する場合と相違して、大型絶
縁基板上にシリコン酸化膜を形成する場合には、成膜速
度が高いこと、基板に加わるストレスが小さいこと、ス
テップカバレージが良いことだけでなく、この分野特有
の追加の要件があるからである。すなわち、基板の下地
保護膜やTFTのゲート絶縁膜等として形成する以上、
膜の緻密さが良好であって、しかも、360mm×46
5mmといった大面積の基板全面においてシリコン酸化
膜を均一に成膜できることが求められ、従来のように、
半導体集積回路の層間絶縁膜の形成に用いられていた成
膜条件を基板の下地保護膜やTFTのゲート絶縁膜等の
形成にそのまま適用しただけでは、上記の要件を満たす
ことができないからである。
【0005】たとえば、プラズマCVD法において、緻
密なシリコン酸化膜を得るという観点から、電極間距離
を35mm、反応室内の圧力を1500mTorr、原
料ガスであるTEOSガス流量を30SCCM以下とし
た条件でシリコン酸化膜を形成すると、成膜速度が25
0オングストローム/分程度と著しく低下するだけでな
く、後述する評価方法により式(1)から求めた値で膜
厚のばらつきを表せば、その値が約20%と極めて大き
いという結果になる。ここで、TFTなどの製造工程に
本格的に適用するには、700オングストローム/分以
上の成膜速度を維持し、かつ、膜厚のばらつきを10%
以下に抑える必要がある。
【0006】かかる問題点に鑑みて、本発明の目的は、
低温プロセスを用いながら、成膜速度が高く、かつ、大
面積の基板上における膜厚の均一性が高く、しかも緻密
なシリコン酸化膜を形成できるシリコン酸化膜の製造方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本願発明者は、プラズマCVD法においてこれまで
適さないと考えられていた条件についても繰り返し検討
を行った結果、かかる条件範囲において、良好なシリコ
ン酸化膜を形成できることを見いだし、かかる成膜条件
のもとで形成したシリコン酸化膜を基板の下地保護膜な
どとして用いることを提案するものである。
【0008】請求項1のシリコン酸化膜の製造方法は、
プラズマ化学気相堆積法を用いたシリコン酸化膜の製造
方法であって、シリコンを供給するための原料ガスとし
てテトラエトキシシランを用いるとともに、プラズマを
発生させるための電極間距離を約13mm以下とした条
件下でシリコン酸化物を形成することを特徴とする。
【0009】この条件であれば、成膜速度や膜厚の均一
性を犠牲にすることなく、シリコン酸化膜の緻密さを向
上することができる。それ故、アクティブマトリクス基
板などといった大型の基板上に下地保護膜などとして膜
質のよいシリコン酸化膜を高い生産性をもって製造する
ことができる。
【0010】また、請求項2のシリコン酸化膜の製造方
法は、プラズマ化学気相堆積法を用いたシリコン酸化膜
の製造方法であって、シリコンを供給するための原料ガ
スとしてテトラエトキシシランを用いるとともに、反応
室内を約650mTorrより低い圧力とした条件下で
シリコン酸化物を形成することを特徴とする。
【0011】この条件であれば、膜厚の均一性を良好と
しながら、シリコン酸化膜の緻密さを向上することがで
きる。この場合でも十分な成膜速度が得られている。そ
れ故、アクティブマトリクス基板などといった大型の基
板上に下地保護膜などとして膜質のよいシリコン酸化膜
を高い生産性をもって製造することができる。
【0012】さらに、請求項3のシリコン酸化膜の製造
方法は、請求項1のシリコン酸化膜の製造方法におい
て、シリコンを供給するための原料ガスとしてテトラエ
トキシシランを用いるとともに、反応室内を約650m
Torrより低い圧力とした条件下でシリコン酸化物を
形成することを特徴とする。
【0013】この条件であれば、電極間に印加する電磁
波のパワー(電源の出力)を小さくするほど、膜厚の均
一性を向上することができ、この場合でも、成膜速度が
低下せず、また、ウェットエッチング速度から判断し
て、十分な緻密さ、安定性を確保できる。同様に、シリ
コン酸化膜の緻密さを高めても、成膜速度として、70
0オングストローム/分以上を確保することができ、ま
た、膜厚の均一性についても十分なレベルを確保でき
る。
【0014】さらにまた、請求項4のシリコン酸化膜の
製造方法は、請求項1乃至3のいずれかのシリコン酸化
膜の製造方法において、酸素を供給するための原料ガス
として酸素ガスを用いてシリコン酸化物を形成すること
を特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】図面を参照して、本発明を説明す
る。
【0016】〔プラズマ化学気相堆積装置の構成〕本例
のシリコン酸化膜の製造方法は、アクティブマトリクス
基板の製造工程において行う基板上への下地保護膜の形
成工程をはじめ、各種の工程に利用でき、いずれも場合
にも、図1および図2に示すプラズマCVD装置(プラ
ズマ化学気相堆積装置)を用いることができる。
【0017】図1は、プラズマCVD装置の反応室付近
の概略平面図、図2は、そのA−A′線における断面図
である。
【0018】これらの図において、本例のプラズマCV
D装置200は、容量結合型であり、プラズマは、高周
波電源を用いて平行平板電極間に発生させるようになっ
ている。
【0019】プラズマCVD装置200において、反応
室201は、反応容器202によって外気から隔絶さ
れ、成膜中には、約5mtorrから約5torrまで
の減圧状態とされる。反応容器202の内部には、下部
平板電極203と上部平板電極204が互いに平行に配
置されており、これらの2枚の電極が平行平板電極を構
成している。下部平板電極203と上部平板電極204
とからなる平行平板電極の間が反応室201である。本
例では、410mm×510mmの平行平板電極を用
い、電極間距離は可変である。反応室201の容積も、
電極間距離の変更にともなって2091cm3 から10
455cm3 までの範囲で可変である。電極間距離の変
更は、下部平板電極203の位置を上下させることによ
り行うことができ、任意の距離に設定できる。電極間距
離をある値に設定したときの平行平板電極の面内におけ
る電極間距離の偏差は、わずか0.1mmである。従っ
て、電極間に生じる電界強度の偏差は、平行平板電極の
面内において1.0%以下であり、プラズマは、反応室
201において均質に発生する。
【0020】下部平板電極203の上には、薄膜を堆積
すべきガラス製の大型の基板205が置かれ、基板20
5の縁辺部2mmがシャドーフレーム206により押さ
えつけられる。なお、図2では、装置の構成をわかりや
すいようにシャドーフレーム206を省略してある。
【0021】下部平板電極203の内部には、基板20
5を加熱するためのヒーター207が設けられており、
下部平板電極203の温度は、25℃から400℃まで
の間で任意に設定できる。電極の温度をある値に設定し
たとき、周辺5mmを除く下部平板電極203の面内に
おける温度分布は、設定温度に対して±1.0℃以内で
あり、基板205の大きさを400mm×500mmに
設定しても、基板205の面内における温度偏差を2.
0℃以下に保つことができる。
【0022】シャドーフレーム206は、例えば、基板
205として汎用のガラス基板(例えば、コーニングジ
ャパン株式会社製♯7059、日本電気硝子株式会社製
OA−2、またはNHテクノグラス株式会社製NA35
等)を用いたとき、基板205がヒーター207からの
熱によって凹形に変形するのを防ぐとともに、基板のエ
ッジ部、裏面に不要な薄膜が形成されないように、基板
205を押さえている。
【0023】原料となる気体と、必要に応じて追加の気
体とからなる反応ガスは、配管208を通して上部平板
電極204の内部に導入され、さらに上部平板電極20
4の内部に設けられたガス拡散板209の間をすり抜け
て上部平板電極204の全面から略均一な圧力で反応室
201の流れ出る。成膜中であれば、反応ガスの一部
は、上部平板電極204から出たところで電離し、平行
平板電極間にプラズマを発生させる。反応ガスの一部な
いし全部は、成膜に関与する。これに対し、成膜に関与
しなかった残留反応ガス、および成膜の化学反応の結果
として生じた生成ガスは、排気ガスとして、反応容器2
02の周辺上部に設けられた排気穴210から排出され
る。
【0024】排気穴210のコンダクタンスは、平行平
板電極間のコンダクタンスの100倍以上であることが
好ましい。さらに、平行平板電極間のコンダクタンス
は、ガス拡散板209のコンダクタンスよりも十分に大
きく、やはり、その値は、ガス拡散板209のコンダク
タンスの100倍以上であることが好ましい。このよう
に構成することにより、410mm×510mmの大型
の上部平板電極204の全面より略均一な圧力で反応ガ
スが反応室201に導入され、同時に排気ガスが反応室
201から全ての方向に均等な流量で排出される。
【0025】各種の反応ガスの流量は、配管208に導
入される前にマス・フロー・コントローラー(図示せ
ず。)により所定の値に調整される。また、反応室20
1の内部の圧力は、排気穴の出口に設けられたコンダク
タンス・バルブ211により所定の値に調整される。コ
ンダクタンス・バルブ211の排気側には、ターボ分子
ポンプ等の真空排気装置(図示せず。)が設けられてい
る。本例では、オイル・フリーの磁気浮上型ターボ分子
ポンプが真空排気装置の一部として用いられ、反応室内
の背景真空度を10-7torr台としている。
【0026】図1および図2には、ガスの流れを矢印で
示してある。反応容器202および下部平板電極203
は、接地電位にあり、これらと上部平板電極204と
は、絶縁リング212により電気的な絶縁状態が保たれ
る。プラズマ発生時には、発振源213(電源)から出
力されたRF波が増幅器214にて増幅された後、マッ
チング回路215を介して上部平板電極204に印加さ
れる。
【0027】本例で用いたプラズマCVD装置200
は、上述のとおり、電極間距離およびガス流に極めて精
巧な制御を実現したことにより、400mm×500m
mの大型の基板にも対応できる薄膜形成装置として構成
されている。これらの基本的な設計思想され踏襲すれ
ば、さらに大型の基板にも容易に対応でき、550mm
×650mmほどの大型の基板にも十分に対応し得る装
置を構成できる。
【0028】本例では、RF電源を用いているが、マイ
クロ波やVHF波を発する電源を用いてもよい。また、
RF電源では、工業用RF周波数(13.56MHz)
の整数倍である27.12MHz、40.6MHz、5
4.24MHz、67.8MHz等、いずれの周波数に
設定してもよい。かかる周波数の変更は、発振源21
3、増幅器214、およびマッチング回路215を交換
することにより容易に行うことができる。 なお、電磁波
プラズマでは、周波数を上げると、プラズマ中の電子温
度が上がり、ラジカルの発生が容易になる。
【0029】〔成膜条件と成膜特性との検討結果〕かか
るプラズマCVD装置を用いて、本例では、表1に示す
条件についてシリコン酸化膜を形成し、その成膜特性を
評価した。 各評価結果を、図3ないし図14に示す。
【0030】
【表1】
【0031】この検討では、360mm×465mmの
基板上に、成膜条件を以下に説明するように変えなが
ら、プラズマCVD法によりシリコン酸化膜を形成す
る。このプラズマCVD法における成膜条件として、今
回の評価では、TEOSの流量、RF電源のパワー(出
力)、平行平板電極の電極間距離、反応室内の圧力(真
空度)を変えてシリコン酸化膜を形成する。
【0032】ここで、その成膜速度(成膜特性)を測定
するとともに、端部から12mmを除く領域について対
角線上に成膜後の膜厚を測定し、膜厚のばらつき(成膜
特性)を測定する。
【0033】膜厚に係る各測定値のうち、結果を示す各
グラフ(図3ないし図14)において、白丸で表してあ
るのは、段差測定法による測定結果であり、黒丸で表し
てあるのは、エリプソメトリによる測定結果である。
【0034】成膜速度は、スループットを向上するとい
う観点からすれば、高いほど好ましいが、700オング
ストローム/分程度でも許容できるレベルである。
【0035】なお、膜厚のばらつきは、以下の式で求め
た値により評価する。
【0036】
【数1】
【0037】膜厚の均一性としては、基板上の各TFT
の安定性という観点からすれば、10%以下であること
が好ましい。
【0038】また、シリコン酸化膜の緻密さを評価する
にあたって、本例では、エッチング液中でのシリコン酸
化膜のエッチング速度(W.E.R)で評価する。ここ
に用いたエッチング液は、フッ化水素とフッ化アンモニ
ウムとを1:6の比率で配合したバッファ液である。こ
の評価方法において、緻密なシリコン酸化膜であるほ
ど、エッチング速度が低く、アクティブマトリクス基板
の下地保護膜などとして適しており、緻密なシリコン酸
化膜の代表であるシリコンの熱酸化膜の場合、約100
0オングストローム/分であるが、ほぼ2200オング
ストローム/分以下のエッチング速度であれば、許容で
きる。なお、ウェットエッチング速度が遅くても、シリ
コン酸化膜の組成から大きくずれていることがあるた
め、シリコン酸化膜としての緻密さ、安定性を正確に評
価できるように、いずれのシリコン酸化膜についても、
屈折率を併せて測定し、いずれの膜もシリコン酸化膜で
あることを確認した。
【0039】(検討1)表1に示すように、検討1で
は、TEOSの流量を120SCCM、酸素の流量を3
000SCCM、RF電源のパワーを900W、反応室
の圧力を650mTorr、成膜時の基板温度を300
℃に固定し、平行平板電極の電極間距離を11.4mm
から12.7mmまでの範囲で変えて、平行平板電極の
電極間距離と成膜特性(成膜速度、ウェットエッチング
速度、膜厚のばらつき)との関係を評価した。その結果
を図3〜図5に示す。
【0040】図3〜図5に示すように、平行平板電極の
電極間距離を変えたとき、成膜速度および膜厚の均一性
は変化しないが、平行平板電極の電極間距離を小さくす
るほど、ウェットエッチング速度が小さくなる。すなわ
ち、平行平板電極の電極間距離が約13mm以下であれ
ば、1200オングストローム/分という高い成膜速
度、および膜厚のばらつきが約5%という良好な膜厚の
均一性を確保しながら、シリコン酸化膜の緻密さを向上
させることができる。
【0041】(検討2)表1に示すように、検討2で
は、TEOSの流量を120SCCM、酸素の流量を3
000SCCM、RF電源のパワーを900W、平行平
板電極の電極間距離を12.7mm、成膜時の基板温度
を300℃に固定し、反応室の圧力を500mTorr
から650mTorrまでの範囲で変えて、反応室の圧
力と成膜特性(成膜速度、ウェットエッチング速度、膜
厚のばらつき)との関係を評価した。その結果を図6〜
図8に示す。
【0042】図6〜図8に示すように、反応室の圧力を
変えたとき、膜厚の均一性はあまり変化しないが、反応
室の圧力を下げるほど、ウェットエッチング速度が小さ
くなる。すなわち、反応室の圧力が650mTorr以
下であれば、700オングストローム/分以上という十
分な成膜速度、および膜厚のばらつきが約5%という良
好な膜厚の均一性を確保しながら、シリコン酸化膜の緻
密さを向上させることができる。
【0043】(検討3)表1に示すように、検討3で
は、TEOSの流量を120SCCM、酸素の流量を3
000SCCM、平行平板電極の電極間距離を12.7
mm、反応室の圧力を650mTorr、成膜時の基板
温度を300℃に固定し、RF電源のパワーを900W
から1200Wまでの範囲で変えて、RF電源のパワー
と成膜特性(成膜速度、ウェットエッチング速度、膜厚
のばらつき)との関係を評価した。その結果を図9〜図
11に示す。
【0044】図9〜図11に示すように、電極間距離が
約13mm以下、かつ、反応室の圧力が約650mTo
rr以下の条件下においては、電極間に印加する電磁波
のパワー(電源の出力)を小さくするほど、膜厚の均一
性は向上する。この場合でも、成膜速度は低下しない。
また、ウェットエッチング速度から判断して、シリコン
酸化膜に十分な緻密さ、安定性を確保できる。すなわ
ち、電極間距離が約13mm以下、かつ、反応室の圧力
が約650mTorr以下の条件下において、電極間に
印加する電磁波のパワー(電源の出力)を900W位ま
で小さくすれば、1200オングストローム/分という
高い成膜速度を確保しながら、膜厚のばらつきが約5%
という良好な膜厚の均一性を達成できる。この場合に、
ウェットエッチング速度は、やや高くなる傾向にある
が、それでも2200オングストローム/分以下であ
る。
【0045】(検討4)表1に示すように、検討4で
は、酸素の流量を3000SCCM、RF電源のパワー
を900W、平行平板電極の電極間距離を12.7m
m、反応室の圧力を650mTorr、成膜時の基板温
度を300℃に固定し、TEOSの流量を80SCCM
から120SCCMまでの範囲で変えて、TEOSガス
の流量と成膜特性(成膜速度、ウェットエッチング速
度、膜厚のばらつき)との関係を評価した。その結果を
図12〜図14に示す。
【0046】図12〜図14に示すように、電極間距離
が約13mm以下、かつ、反応室の圧力が約650mT
orr以下の条件下において、TEOS流量を下げるこ
とによりシリコン酸化膜の緻密さを高めても、成膜速度
として、700オングストローム/分以上を確保するこ
とができ、また、膜厚のばらつきが約10%以下という
十分な膜厚の均一性を確保できる。
【0047】〔実施例の効果〕このように、シリコン酸
化膜を形成する際に、プラズマ化学気相堆積法を用いる
とともに、シリコンを供給するためのガスとしてTEO
Sを用い、かつ、プラズマを発生させるための電極間距
離を約13mm以下とすると、成膜速度および膜厚の均
一性を犠牲にすることなく、シリコン酸化膜の緻密性
(耐ウェットエッチング性)を高めることができる。
【0048】また、シリコン酸化膜を形成するにあたっ
て、プラズマ化学気相堆積法を用いるとともに、シリコ
ンを供給するためのガスとしてTOESを用い、かつ、
反応室内の圧力を約650mTorr以下とすると、膜
厚の均一性を良好としながら、シリコン酸化膜の緻密さ
を向上することができる。この場合でも、成膜速度とし
て、700オングストローム/分以上を確保できる。
【0049】また、電極間距離が約13mm以下、か
つ、反応室の圧力が約650mTorr以下の条件下で
あれば、電極間に印加する電磁波のパワー(電源の出
力)を小さくするほど、膜厚の均一性を向上することが
でき、この場合でも、成膜速度が低下しない。また、ウ
ェットエッチング速度から判断して、シリコン酸化膜と
して十分な緻密さを確保できる。同様に、電極間距離が
約13mm以下、かつ、反応室の圧力が約650mTo
rr以下の条件下であれば、TEOS流量を下げること
によりシリコン酸化膜の緻密さを高めても、成膜速度に
ついては、700オングストローム/分以上を確保する
ことができ、かつ、膜厚の均一性についても十分なレベ
ルを確保できる。
【0050】なお、平行平板電極の電極間距離および反
応室の圧力の下限については、製造すべきシリコン酸化
膜に要求される特性との関係、その他の成膜条件(TE
OS流量、酸素流量、パワー、温度)との関係から適正
な値に設定される。また、シリコン酸化膜の用途につい
ては、アクティブマトリクス基板における下地保護膜に
限らず、各種の絶縁膜、保護膜として利用でき、いずれ
の場合でも、基板が大きいほど、本例の効果をより活か
すことができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るTF
Tの製造方法では、シリコン酸化膜をプラズマ化学気相
堆積法により製造するとともに、シリコンを供給するた
めの原料ガスとしてテトラエトキシシランを用い、か
つ、プラズマを発生させるための電極間距離を13mm
以下とすることに特徴を有する。かかる条件によれば、
従来行われてきた評価結果からすれば、膜特性が低下す
ると見做されていた条件範囲であるにもかかわらず、成
膜速度や膜厚の均一性を犠牲にすることなく、シリコン
酸化膜の緻密さを向上することができる。それ故、アク
ティブマトリクス基板などといった大型の基板上に下地
保護膜などとして膜質のよいシリコン酸化膜を高い生産
性をもって製造することができる。
【0052】また、本発明では、シリコン酸化膜をプラ
ズマ化学気相堆積法により製造するとともに、シリコン
を供給するための原料ガスとしてテトラエトキシシラン
を用い、かつ、反応室内の圧力を650mTorr以下
とすることに特徴を有する。かかる条件によれば、従来
行われてきた評価結果からすれば、膜特性が低下すると
見做されていた条件範囲であるにもかかわらず、膜厚の
均一性を良好としながら、シリコン酸化膜の緻密さを向
上することができる。この場合でも、成膜速度として
は、700オングストローム/分以上を確保できる。そ
れ故、アクティブマトリクス基板などといった大型の基
板上に下地保護膜などとして膜質のよいシリコン酸化膜
を高い生産性をもって製造することができる。
【0053】また、電極間距離が約13mm以下、か
つ、反応室の圧力が約650mTorr以下の条件下で
あれば、電極間に印加する電磁波のパワー(電源の出
力)を小さくするほど、膜厚の均一性を向上することが
でき、この場合でも、成膜速度が低下しない。また、ウ
ェットエッチング速度から判断して、シリコン酸化膜と
して、十分な緻密さを確保できる。同様に、電極間距離
が約13mm以下、かつ、反応室の圧力が約650mT
orr以下の条件下であれば、TEOS流量を下げるこ
とによりシリコン酸化膜の緻密さを高めても、成膜速度
については、700オングストローム/分以上を確保す
ることができ、かつ、膜厚の均一性についても十分なレ
ベルを確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 プラズマ化学気相堆積装置の反応室付近の概
略平面図である。
【図2】 図1のA−A′線における断面図である。
【図3】 本発明の実施例(検討1)において、成膜時
の電極間距離と成膜速度との関係を示すグラフである。
【図4】 本発明の実施例(検討1)において、成膜時
の電極間距離とウェットエッチング速度との関係を示す
グラフである。
【図5】 本発明の実施例(検討1)において、成膜時
の電極間距離と膜厚のばらつきとの関係を示すグラフで
ある。
【図6】 本発明の実施例(検討2)において、成膜時
の反応室の圧力と成膜速度との関係を示すグラフであ
る。
【図7】 本発明の実施例(検討2)において、成膜時
の反応室の圧力とウェットエッチング速度との関係を示
すグラフである。
【図8】 本発明の実施例(検討2)において、成膜時
の反応室の圧力と膜厚のばらつきとの関係を示すグラフ
である。
【図9】 本発明の実施例(検討3)において、成膜時
のRF電源のパワー(出力)の流量と成膜速度との関係
を示すグラフである。
【図10】 本発明の実施例(検討3)において、成膜
時のRF電源のパワー(出力)とウェットエッチング速
度との関係を示すグラフである。
【図11】 本発明の実施例(検討3)において、成膜
時のRF電源のパワー(出力)と膜厚のばらつきとの関
係を示すグラフである。
【図12】 本発明の実施例(検討4)において、成膜
時のTEOSガスの流量と成膜速度との関係を示すグラ
フである。
【図13】 本発明の実施例(検討4)において、成膜
時のTEOSガスの流量とウェットエッチング速度との
関係を示すグラフである。
【図14】 本発明の実施例(検討4)において、成膜
時のTEOSガスの流量と膜厚のばらつきとの関係を示
すグラフである。
【符号の説明】
200・・・プラズマCVD装置 201・・・反応室 203・・・下部平板電極 204・・・上部平板電極 206・・・シャドーフレーム 207・・・ヒーター 213・・・発振源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 グオフォ フェング アメリカ合衆国カルフォルニア州サンタク ララ市バワーズアベニュー3050 アプライ ド コマツ テクノロジー株式会社内 (72)発明者 ロバート ロバートソン アメリカ合衆国カルフォルニア州サンタク ララ市バワーズアベニュー3050 アプライ ド コマツ テクノロジー株式会社内 (72)発明者 山本 正彦 アメリカ合衆国カルフォルニア州サンタク ララ市バワーズアベニュー3050 アプライ ド コマツ テクノロジー株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ化学気相堆積法を用いたシリコ
    ン酸化膜の製造方法であって、シリコンを供給するため
    の原料ガスとしてテトラエトキシシランを用いるととも
    に、プラズマを発生させるための電極間距離を約13m
    m以下とした条件下でシリコン酸化物を形成することを
    特徴とするシリコン酸化膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 プラズマ化学気相堆積法を用いたシリコ
    ン酸化膜の製造方法であって、シリコンを供給するため
    の原料ガスとしてテトラエトキシシランを用いるととも
    に、反応室内を約650mTorrより低い圧力とした
    条件下でシリコン酸化物を形成することを特徴とするシ
    リコン酸化膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のシリコン酸化膜の製造方
    法において、反応室内を650mTorrより低い圧力
    とした条件下でシリコン酸化物を形成することを特徴と
    するシリコン酸化膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかの請求項に記
    載のシリコン酸化膜の製造方法において、酸素を供給す
    るための原料ガスとして酸素ガスを用いてシリコン酸化
    物を形成することを特徴とするシリコン酸化膜の製造方
    法。
JP19982195A 1995-08-04 1995-08-04 シリコン酸化膜の製造方法 Pending JPH0950990A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19982195A JPH0950990A (ja) 1995-08-04 1995-08-04 シリコン酸化膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19982195A JPH0950990A (ja) 1995-08-04 1995-08-04 シリコン酸化膜の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0950990A true JPH0950990A (ja) 1997-02-18

Family

ID=16414211

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19982195A Pending JPH0950990A (ja) 1995-08-04 1995-08-04 シリコン酸化膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0950990A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6383299B1 (en) 1997-05-21 2002-05-07 Nec Corporation Silicon oxide film, method of forming the silicon oxide film, and apparatus for depositing the silicon oxide film
JP2022096917A (ja) * 2020-12-18 2022-06-30 日亜化学工業株式会社 発光素子の製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6383299B1 (en) 1997-05-21 2002-05-07 Nec Corporation Silicon oxide film, method of forming the silicon oxide film, and apparatus for depositing the silicon oxide film
US6444327B1 (en) 1997-05-21 2002-09-03 Nec Corporation Silicon oxide film, method of forming the silicon oxide film, and apparatus for depositing the silicon oxide film
US6830786B2 (en) 1997-05-21 2004-12-14 Nec Corporation Silicon oxide film, method of forming the silicon oxide film, and apparatus for depositing the silicon oxide film
JP2022096917A (ja) * 2020-12-18 2022-06-30 日亜化学工業株式会社 発光素子の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7754294B2 (en) Method of improving the uniformity of PECVD-deposited thin films
KR100783200B1 (ko) 박막 증착 장치 및 기판 플라즈마 처리 장치
JP3042127B2 (ja) 酸化シリコン膜の製造方法および製造装置
US5156881A (en) Method for forming a film on a substrate by activating a reactive gas
US5643838A (en) Low temperature deposition of silicon oxides for device fabrication
JP3553410B2 (ja) 薄膜トランジスタのための多段階cvd法
US20230220551A1 (en) Pulsed plasma (dc/rf) deposition of high quality c films for patterning
JPH0684888A (ja) 絶縁膜の形成方法
WO2007114155A1 (ja) プラズマ原子層成長方法及び装置
TW307027B (en) Process for reducing circuit damage during pecvd in single wafer pecvd system
US20020115269A1 (en) Method of depositing amorphous silicon based films having controlled conductivity
JP3166379B2 (ja) 絶縁膜の製造方法および製造装置
US6352910B1 (en) Method of depositing amorphous silicon based films having controlled conductivity
JPH0950990A (ja) シリコン酸化膜の製造方法
JP3473297B2 (ja) シリコン酸化膜の形成方法、および薄膜トランジスタの製造方法
JP2006128446A (ja) プラズマcvd方法及び装置
JPH0574763A (ja) ゲート絶縁膜の形成方法
JP2630089B2 (ja) マイクロ波プラズマ処理装置
JP2646582B2 (ja) プラズマcvd装置
JPS60258914A (ja) プラズマcvd装置
JPS6255692B2 (ja)
US20020182865A1 (en) Plasma processing apparatus and method for forming thin films using the same
JP2000156372A (ja) プラズマ処理装置
JPS5893242A (ja) 窒化膜形成方法
JPH02267272A (ja) 薄膜形成装置