JPH09509140A - 神経学的障害の治療方法 - Google Patents

神経学的障害の治療方法

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JPH09509140A JP7514567A JP51456795A JPH09509140A JP H09509140 A JPH09509140 A JP H09509140A JP 7514567 A JP7514567 A JP 7514567A JP 51456795 A JP51456795 A JP 51456795A JP H09509140 A JPH09509140 A JP H09509140A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、インスリン様成長因子(IGF)とインスリン様成長因子結合タンパク質-3(IGFBP-3)との複合体を含有する組成物を投与することにより、被験体における所定の神経学的障害を処置する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】 神経学的障害の治療方法 発明の分野 このプロセスは、一般に、医療治療の分野に関し、そしてより特定すればイン スリン様成長因子(IGF)およびインスリン様成長因子結合タンパク質(IGFBP)の複 合体を含む治療組成物の投与による神経障害の治療に関する。背景技術 成長因子は、一定の群の標的細胞において、多種類の生物学的応答(例えば、D NA合成、細胞分化、特定の遺伝子の発現など)を刺激するポリペプチドである。 トランスフォーミング増殖因子−β1(TGF-β1)、TGF-β2、TGF-β3、上皮増殖因 子(EGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、インスリン様 成長因子-I(IGF-I)、およびIGF-IIを包含する種々の成長因子が同定されている 。 IGF-IおよびIGF-IIはアミノ酸配列および構造において関連し、各ポリペプチ ドは約7500ダルトンの分子量を有する。IGF-Iは、成長ホルモンの主要な効果を 媒介し、従って誕生後の骨成長の一次伝達物質である。IGF-Iはまた、種々の他 の成長因子の作用に関連している。なぜなら細胞をこのような成長因子で処置す ると、IGF-Iの産生の増加を引き起こすからである。それに比べて、IGF-IIは胎 児の成長に主要な役割を有すると考えられている。IGF-IおよびIGF-IIの両方と もインスリン様活性を有し(よってこの名がある)、そして神経組織、筋肉、再生 組織、骨組織、および多種類の他の組織に対するマイトジェン(細胞の分化を刺 激する)である。 ほとんどの成長因子とは違って、IGF類は循環血にかなりの量が存在するが、 このIGFの非常に少量の画分のみが循環血中または他の体液中で遊離している。 ほとんどの循環IGFは、IGFBP-3と呼ばれるIGF結合タンパク質に結合している。I GF-Iは血清中で測定され、異常な成長関連症状、例えば、下垂体性巨人症、先端 巨大症、小人症、種々の成長ホルモン不全などを診断し得る。IGF-Iは多くの組 織において産生されるが、ほとんどの循環IGF-Iは肝臓で合成されると考えられ ている。 ほとんど全てのIGFは、IGF-IまたはIGF-II、IGFBP-3と呼ばれるIGF特異的結合 タンパク質、および酸不安定サブユニット(ALS)と呼ばれる大きなタンパク質か ら構成される非共有結合で会合した三重複合体で循環している。この三重複合体 は、各々等モル量の3つの成分からなる。このALSは、直接IGF結合活性を有さず 、そして予め形成されたIGF-1/IGFBP-3複合体とのみ結合するようである。このI GF+IGFBP-3+ALSの三重複合体は、約150,000ダルトンの分子量を有する。この 三重複合体は、循環血中で「遊離のIGFの急速な変化を妨げるIGF-IおよびIGF-II の貯蔵および緩衝剤として」機能すると言われている。Blum,W.F.ら、「臨床指 標としての血漿IGFBP-3レベル」Modern Concepts in Insulin-Like Growth Fact ors ,(E.M.Spencer編、Elsevier,New York)、381-393頁、(1991)を参照のこ と。 循環血中のIGF-I、IGF-II、およびIGFBP-3のほとんど全てが複合体中にあり、 非常に少量の遊離のIGFまたはIGFBP-3が検出可能である。さらに、血漿中での高 レベルの遊離IGFは望ましくない。IGFは、循環グルコースレベルにインスリン様 効果を有するので、重篤な低血糖症を引き起こす。IGF類およびIGFBP-3とは対照 的に、血漿中に遊離ALSの十分なプールがあり、循環血中に入ったIGF/IGFBP-3複 合体は、ただちに三重複合体を形成することが保証される。 IGFBP-3は循環血中における最も豊富なIGF結合タンパク質であるが、少なくと も5つの他と全く別のIGF結合タンパク質(IGFBP)が、種々の組織および体液中 で同定されている。これらのタンパク質はIGF類を結合するが、それぞれ別の遺 伝子に由来しており、別個のアミノ酸配列を有する。従って、この結合タンパク 質は、単なる共通の前駆体のアナログではない。IGFBP-3とは違って、他の循環 血中のIGFBP類はIGF類で飽和していない。IGFBP-3以外の他のIGF結合タンパク質 のいずれも、150KDの循環三重複合体を形成し得ない。 IGF-IおよびIGFBP-3は、天然の供給源から精製され得るかまたは組換え手法に より産生され得る。例えば、何年もの間IGF-Iはヒト血清から精製されている。R Inderknecht,E.W.ら、Proc Natl Acad Sci(USA) 73、2365-2369、(1976)を参 照のこと。組換えIGF-Iプロセスは、1984年12月に公開されたEPA 0,128,733号に 示される。IGFBP-3は、天然の供給源から、Baxterら、「ヒト血漿由来の成長ホ ルモン依存性インスリン様成長因子(IGF)結合タンパク質は、他のヒトIGF結合タ ンパク質と異なる」、Biochem Biophys Res Comm 139、1256-1261、(1986)に示 されるようなプロセスを用いて、精製され得る。IGFBP-3は、Sommer,A.S.ら、Mo dern Concepts of Insulin-Like Growth Factors 、(E.M.Spencer編、Elsevier, New York、715-728頁、(1991)に記載されたように、組換え微生物により合成さ れ得る。この組換えIGFBP-3は、1:1のモル比でIGF-Iと結合する。このIGF-I/IG FBP-3複合体のラットおよびブタの創傷への局所投与は、IGF-I単独より非常に有 効であった。Sommerら、同上。この複合体の下垂体切除ラットへの皮下投与は、 単独投与した「IGF-Iの低血糖効果を実質的に予防する」。Sommerら、同上。 1992年3月3日にLewisらに発行された、米国特許第5,093,317号は、IGF-Iを 用いて、非分裂性、コリン作動性ニューロン細胞の生存を増強する方法を開示す る。請求の範囲は、IGF-Iと組み合わせたIGF結合タンパク質の使用を包含しない 。 1993年2月18日に公開され、そしてGenentech,IncおよびAuck1and Univservi ces Ltd.により出願された、特許協力条約公開第WO 93/02695号は、IGF-Iまたは IGF-Iアナログの脳内注入を用いた、神経膠細胞または非コリン作動性ニューロ ン細胞に影響する中枢神経系の損傷または疾病の治療方法を開示する。 1992年12月12日に公開され、そしてKabi Pharmacia ABにより出願された、特 許協力条約公開第WO 92/19256号は、神経障害または退行性神経障害に苦しむ被 験体をIGF-IIまたはIGF-II+IGF-Iを用いて処置することによる神経再生の誘導方 法を開示する。これらの処置においては、任意のIGF結合タンパク質の使用は開 示されていない。 1989年3月22日に公開され、そしてKabiVitrum ABにより出願された、欧州特 許出願EP 0 308 386 A1は、有効量のIGF-Iを用いて被験体を治療することにより 、切断された末梢神経の再生を改善する方法を開示する。これらの処置において は、任意のIGF結合タンパク質の使用は開示されていない。 IGF系の重要な因子の全ては、ヒトおよび他の哺乳動物の中枢および末梢神経 系(IGF-Iおよび-II、ならびにIGF結合タンパク質およびレセプターを含む)内 に見い出される。IGF-IおよびIGF-IIは、成長、生存、ならびにニューロンおよ び神経膠細胞のいくつかのクラスの分化した機能に関係する。 ラットおよびヒトの脳内におけるIGF-IおよびIGF-IIのmRNAおよびタンパク質 の存在は十分に実証されている。IGF-IおよびIGF-IIのmRNAは、胎児および成体 ラットおよびヒトの脳内において特徴的な局所分布を有する。IGF-IのmRNAは、 成体ラットの臭覚球および頚椎脊髄に高レベルで存在し、そして中脳および小脳 に中程度レベルで存在する。IGF-IのmRNAはまた、胎性のアストログリア細胞お よびニューロン細胞の初代培養により合成される。IGF-IIのmRNAは、IGF-IのmRN Aよりも豊富に脳内に存在し、そしてはるかに均一に分布している。このmRNAは 、脈絡叢、小脳および延髄橋において幾分増加しており、中脳および線条体にお いて幾分減少している。IGF-Iとは対照的に、IGF-IIのmRNAは、ニューロン細胞 ではなく培養胚芽アストログリア細胞により合成される。両mRNAは、ラット脳内 において胚齢8〜14日で最も高く、そして誕生のときまでに、このピークから成 体レベルに減少する。 IGF-IおよびIGF-IIはまた、脳脊髄液中(CSF)に、そして免疫組織化学により 、ヒト、ラット、および猫の脳内に検出される。脳内におけるIGF-IIの免疫活性 は、IGF-Iの免疫活性よりも高い。成体および胎児のヒト脳は、正常型のIGF-Iお よびN末端の3アミノ酸を失った短縮型のIGF-Iを含有する。IGF-Iペプチドはま た、培養ラット神経膠細胞により分泌される。IGF-IIの免疫活性は、脳の下垂体 前部、視床下部背内側、および視索上核において最も高い。正常型よりも大きい IGF-IIペプチドがヒトの脳から抽出されており、そして大きい形態のIGF-IIが新 生児ラットの脳の培養外植片により分泌される。脳内におけるIGF-IおよびIGF-I IのmRNAの存在、ならびに中枢神経系由来の培養細胞によるこれらのペプチドの 分泌は、中枢神経系において見い出された少なくともいくつかのIGFが、局所的 に産生されていることを示唆する。 神経組織におけるIGF-I遺伝子の発現は、複雑なホルモン制御下にある。イン ビトロの研究は、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)が、培養神経組織の生存を 促進し、培養胎児ラットニューロン細胞および神経膠細胞からのIGF-Iの分泌を 刺激することを示す。対照的に、デキサメタゾンおよびレチノイン酸は、ラット の神経膠細胞の成長を阻害し、IGF-IのmRNAの蓄積を減少し、そしてこれらの細 胞によるIGF-Iペプチドの分泌を阻害する。 I型IGFレセプターは、IGFにより提供される分裂促進シグナルおよび分化シグ ナルを伝達し、そしてまた脳内にも存在する。しかし、このレセプターの濃度お よび分布は、発達の間に変化する。新生児ラットでは、脳のI型レセプターレベ ルは、非常に高く(成体中より4〜10倍高い)、そしてレセプターは、表在性表 層、中隔側坐核および海馬において特に豊富である。成体ラットでは、I型レセ プターレベルは減少し、そしてレセプターはより均一に分布している。成体の表 在性および深部表層、嗅覚球、内梨型核(endopiriform nucleus)、扁桃体の基 底内部核(basomedial nucleus)、視床核および海馬にある程度のレセプター濃 縮がある。脳のI型IGFレセプターには2つの形態(通常の大きさの形態、および 末梢組織に見い出されるよりも幾分小さい形態)が存在する。明らかに、このサ イズの差異は、脳にある種のより小さい減少したグリコシル化に大部分起因する 。IGF-Iについてのように、bFGFは、培養ニューロン細胞および神経膠細胞にお けるI型IGFレセプターの合成を増加する。 II型IGFレセプターの実質的な量がまた、脳内で見い出されるが、このレセプ ターの機能は不明瞭である。胎児および初期の出生ラットでは、II型IGFレセプ ターは脳全体に豊富であるが、成体ラットでは前脳内のニューロン(例えば、海 馬および歯状回)に限定されている。 IGF系の3番目の因子、IGF結合タンパク質もまた、神経系の細胞により合成さ れ、そしてCSFおよび神経組織内に見い出される。IGFBP-2のmRNAは、胎児ラット の脳の脳幹、大脳皮質、視床下部および脈絡叢に豊富であり、成体脳内で存続す る。IGF-IIのmRNAがまた脈絡叢に存在し、しかも脳のこの領域がCSFの生成に重 要であるということに注目することが重要である。 新生児および成体ラットCSFにおいて、IGFBP-2は最も豊富なIGF結合タンパク 質であり、成体CSFにおけるよりも新生児CSFにおいて実質的に高いIGFBP-2レベ ルである。より低レベルのIGFBP-3および微量の低分子量IGFBP種も存在する。ヒ ト胎児組織に対して免疫細胞化学を用いると、IGFBP-3は大脳皮質の上部領域内 のニューロン細胞体に局在化していたが、その一方IGFBP-1および-2は、大脳皮 質内に検出されなかった。IGFBP-3は、髄膜内に検出できなかった。 培養した胎児、出生後および成体ラットの神経膠細胞およびニューロン細胞、 神経膠腫および脈絡叢細胞は、IGFBP-2、IGFBP-3および24KDaのIGFBPを合成およ び分泌する。神経膠細胞培養物は、胚性ニューロンの培養物の約5倍のIGFBP-2 を分泌し、そしてIGFBP-2は、脈絡叢培養により分泌される唯一のIGFBPである。 対照的に、神経膠腫および星状膠細胞は、主としてIGFBP-3を分泌する。IGFBP合 成の調節は、広範囲にわたって研究されていないが、bFGF処置が、ニューロン培 養物によるIGFBP分泌を大いに増加し、そして神経膠細胞の培養物中のIGFBP分泌 を阻害することが知られている。IGF-Iは、両方の培養物中の、ならびにラット の神経芽細胞腫細胞株B104中のIGFBP分泌を刺激した。 多くの他の組織を用いた場合のように、神経系の種々の細胞型のIGF処置は、 有糸分裂および組織特異的に分化した機能の発現を導く。これらの効果はおそら くI型IGFレセプターを通じて作用する。IGF-IおよびIGF-IIは、培養出生周辺期 ラット大脳外植体由来の乏突起膠細胞前駆体細胞、胎性ラット交感神経芽細胞、 ヒト神経芽細胞腫細胞、新生児ラットアストログリア細胞、および新生児ラット 大脳皮質星状膠細胞を分裂促進(すなわち、細胞分裂を刺激する)する。 さらに、IGF-Iは、種々のタイプの培養神経系細胞の生存を促進することが示 されている。例えば、IGF-Iは、生存因子として培養胎性マウス神経上皮細胞に 作用する。bFGF(これらの細胞を分裂促進する)は、bFGFの分裂促進効果の発現 に必要とされるIGF-Iの内因的産生を誘導する。同様に、IGF-Iの自己分泌は、上 皮成長因子(EGF)の培養新生児ラットのアストログリア細胞に対する分裂促進 的効果の少なくとも一部の媒介物質として関係する。IGF-Iはまた、低血糖症で 誘導される損傷からラットの海馬および中隔ニューロン細胞培養物を、ニューロ ンのカルシウムホメオスタシスを安定化することにより保護することも知られて いる。 未分化の神経細胞の培養物において、IGF-Iは、フォルボールエステルとの相 乗作用で、出生周辺期ラット大脳の外植体培養物の乏突起膠細胞前駆体細胞、培 養ニワトリ背根神経節中のカテコールアミン作動性前駆体細胞、および培養SH-S Y5Yヒト神経芽細胞腫の分化を促進する。IGF-Iはまた、ラットのニューロンおよ び神経膠細胞の初代培養中のラット脳グルコーストランスポーター遺伝子の合成 も促進する。最後に、IGF-IIではなく、IGF-Iは、成体ラットの海馬組織切片か らアセチルコリン(主要な神経伝達物質)のカルシウム誘起性遊離を有意に増加 する。 神経系の成長および機能の促進におけるIGFの重要性は、多数のインビボ研究 において実証されている。いくつかの研究は、IGFでの処置が神経突起外殖およ びシナプス形成を刺激し得ることを示した。例えば、IGF-IおよびIGF-IIの両方 は、培養物中の胎性ニワトリの脊髄運動ニューロンにおいて迅速な神経突起外殖 を実質的に刺激する。同様に、毎日、マウス殿筋に投与されたIGF-IIは、神経突 起の迅速な、顕著な終端および結節性ニューロンの発芽を引き起こした。この効 果は処置のわずか3日間後に検出可能であり、そして処置1週間後のコントロー ル筋より10倍多い神経突起発芽をIGF-II処置筋において産生した。IGF-II処置は また、神経突起発芽を形成した終板の数においてほぼ5倍の増加を引き起こした 。このデータは、IGF類が、損傷した、部分的に除神経された筋肉により遊離さ れると考えられる拡散因子として作用し、そして筋肉を神経支配する生存細胞に よる神経突起発芽の増加を導き得る、という可能性を支持すると解釈された。 別のセットの実験は、ヒトIGF-IA導入遺伝子を発現するトランスジェニックマ ウスが、それらのコントロール同腹仔よりも実質的に大きい脳を発達させたこと を示した。hIGF-Iを発現するトランスジェニックマウスの脳はまた、それらのコ ントロール同腹仔の脳が含むよりも実質的に多量の髄鞘を含んでいた。脳の発達 に対するIGF-Iのこれらの効果は、脳内および血清IGF-Iレベルにおける適度な増 加(1.5〜2倍)のみをともない、そして総体重の僅かな、そして有意でない増 加のみをともなって生じた。これらのデータは、脳組織の発達および髄鞘形成の 刺激におけるIGF-Iの強力な効果を実証する。発明の開示 本発明の他の実施態様によれば、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病 について被験体を処置する方法を提供する。この方法は、インスリン様成長因子 (IGF)およびインスリン様成長因子結合タンパク質−3(IGFBP-3)を含有する複合 体を、該状態を緩和するに十分な量で被験体に投与する工程を包含する。 本発明の他の実施態様によれば、この複合体に用いられるIGFはIGF-Iとして提 供される。さらなる実施態様では、IGFとIGFBPとは等モル量で存在する。さらに 他の実施態様では、IGFおよびIGFBP-3の両方とも組換え供給源から得られたヒト タンパク質である。 本発明の他の実施態様によれば、IGFとIGFBP-3との複合体は、非経口的に投与 される。さらなる実施態様によれば、この複合体は皮下注射により投与される。 他の実施態様では、この複合体が投与される被験体は哺乳動物である。 さらに他の実施態様では、この方法は、神経毒、脳血管性出血、手術の間のニ ューロン切断、髄膜炎または他の神経系組織の感染症に曝された被験体を処置す る工程を提供する。この方法は、この状態を緩和するに十分な量でIGF/IGFBP-3 複合体の投与を包含する。 さらに他の実施態様では、この方法は、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症ま たはCharcot-Marie-Tooth病に対する処置を提供し、そこでは被験体は該状態を 緩和するに十分な量でIGF/IGFBP-3の複合体を非経口的に投与される。 IGF/IGFBP複合体は、末梢神経系阻害の処置または血液脳関門が妥協する(従 って脳への複合体の通過を許容する)中枢神経系障害(例えば、多発性硬化症) の処置について、通常の非経口経路を用いて投与され得る。あるいは、他の状態 (例えば、ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病)では、IGF/IGFBP複合 体は、脳内投与(例えば、脳室への着床シャント(implanted shunt))により直 接に投与され得る。 いかなる特定の理論に縛られることも好まないが、発明者らは、投与したIGF とIGFBP-3との複合体が、上昇したレベルで遊離のIGFを緩やかに放出することを 目的とする。この段階的な、長く続く生体が利用可能なIGFの増加は、遊離IGFを 用いた処置において通常観測される局所性または全身性副作用(例えば、低血糖 症、レセプターダウンレギュレーション、成長ホルモン抑制)を引き起こすこと なく、ニューロン組織細胞の成長、生存および成熟を刺激する。発明を実施するための形態 定義: 本明細書で用いられるように、「被験体」は、ヒトおよび哺乳類の農場用動物 、スポーツ用動物、およびペットと定義する。農場用動物には、ウシ、ブタ、お よびヒツジが含まれるがこれらに限定されない。スポーツ用動物には、イヌおよ びウマが含まれるがこれらに限定されない。ペットのカテゴリーには、ネコ、お よびイヌが含まれるがこれらに限定されない。 「インスリン様成長因子(IGF)」には、IGF-IおよびIGF-IIが含まれるがそれに 限定されない因子のファミリーが包含される。IGFは約7500ダルトンの分子量を 有するポリペプチドである。IGFは、天然の供給源から得られ得るかまたは組換 え手法により調製され得る。 「インスリン様成長因子結合タンパク質(IGFBP)」には、IGFBP-I、IGFBP-2、I GFBP-3、IGFBP-4、IGFBP-5、およびIGFBP-6が含まれるがそれに限定されない結 合タンパク質のファミリーが包含される。IGFBPは、天然供給源から得られ得る かまたは組換え手法により調製され得る。少なくとも1形態のIGFBP(例えばIGFB P-3)は、IGFおよびALSとして知られている第3の分子と複合化する。 本明細書に用いられている「治療用組成物」は、結合タンパク質IGFBP-3と複 合化したIGFを含むとして定義される。治療用組成物はまた、水、無機質のよう な他の物質、およびタンパク質のようなキャリアを含有し得る。 「状態の緩和」は、IGF/IGFBP-3複合体が投与される被験体が、影響された神 経組織が改善された機能を示すときに生じたことを言う。末梢神経系の状態につ いて、改善は、改善された運動の協動、改善された筋肉機能および強さ、減少し た疼痛、減少した四肢のしびれ、および増加した感覚機能(例えば、触覚)を包 含するが、これらに限定されない。中枢神経系の状態について、改善は、改善さ れた思考力、改善された記憶、改善された言語能力、改善された協動および運動 、減少した疼痛、および改善された感覚機能(例えば、視覚、聴覚)を含有する が、これらに限定されない。発明の説明 本発明の1つの方法では、IGFとIGFBP-3との複合体を投与することにより、神 経学的障害を治療することが期待される。 ほとんど全てのIGF-IまたはIGF-IIはIGFBP-3との複合体を形成する。IGF/IGFB P-3は、通常、ヒト、および他の哺乳類において複合体の形態で循環している。 本発明の方法によって治療される病態としては、ハンチントン病、アルツハイ マー病、神経毒への曝露、脳血管出血、手術中の神経切断、髄膜炎、神経系組織 の他の感染症、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、およびシャルコー-マリー- トゥース病が挙げられる。 「ハンチントン病」は、通常中年において発症し始める常染色体優性形質の障 害として定義され、そして舞踏病状運動および進行性知能低下を特徴とする。米 国では、約25,000例あると推定される。これは、CTスキャン上では、尾状核の萎 縮に起因する特徴的な「ボックスカー脳室(boxcar ventricle)」により診断され る。その萎縮を伴う場合、層およびその隆起部位において、神経伝達物質のγ- アミノ酪酸(GABA)およびサブスタンスP(11-アミノ酸ペプチド)、エンケフ ァリン、およびダイノルフィンのレベルの減少が認められる。しかし、ソマトス タチンおよび神経ペプチドyは、尾状核および被殻において比較的増加し得る。 一般に、細胞死のパターンは、グルタミン酸レセプターのN-メチル-D-アスパラ ギン酸サブクラス上で作用するグルタミン酸レセプターアゴニストにより実験的 に再現されるパターンに類似する。現行の治療法は、一時的に病状を緩和するす るものである:舞踏病性運動の抑制、および、フェノチアジンまたはブチロフェ ノン神経弛緩剤あるいはレセルピンによる興奮行動。IGF/IGFBP-3の投与は、神 経成長および維持に対するその栄養効果により、この状態を助ける。 アルツハイマー病は、脳の進行性萎縮症の一形態である。これは、老齢者にお ける痴呆症の最も一般的な原因であり、そして80歳を超える老齢者のほぼ20%の 頻度を有する。主な特徴は、脳からの細胞の死および消失であり、広範な回旋状 の萎縮を生じる。アセチルコリン伝達ニューロンが特に影響を受ける。大脳にお けるペプチド作動性ニューロンの喪失は、ソマトスタチンおよびコルチコトロピ ン放出因子の濃度の減少に関連している。ソマトスタチンはまた、CSFにおいて も異常に低い。初期の徴候は記憶喪失であり、続いて判断および感情が徐々に崩 壊する。臨床医は、薬物の過剰投与、ビタミンの欠乏、アルコール、虚血症状な どの有機的な原因を除かなければならない。現在、アルツハイマー病患者の管理 は、主として補助的なものであり、患者の環境に対する錯乱状態およびフラスト レーションを制限している。アルツハイマー病患者は、IGF/IGFBP-3複合体の投 与により改善し得、幸福感、感情および/または記憶の改善などが認められる。 IGF/IGFBP複合体が治癒を促進する別の状態は、神経毒への曝露である。多発 性神経障害は、以下の環境毒素への曝露から生じ得る:アクリルアミド(除草剤 、グラウト)、ヒ素(除草剤、殺虫剤)、クロウメモドキ、二硫化炭素、ジフテ リア、ジメチルアミノプロピオニトリル、γ-ジケトンヘキサカーボン(diketon e hexacarbon)溶媒、無機鉛、有機ホスフェート、およびタリウム(ねこいらず (rat poison))。多くの薬物が神経性の副作用を有する。例えば、表363-1-3( ここでは、それぞれ、全身性疾患、薬物または環境毒素に関連する多発性神経障 害および遺伝的に決定された病態を記載している)を参照のこと(Harrison's P rinciples of Internal Medicine ,第12版 McGraw-Hill,New York City,1991 、2099−2103頁)。さらに、破傷風毒素および種々のヘビおよびサソリの毒素の ような動物毒素は、神経系を損傷し、そして呼吸、心拍数などを妨害する。これ らの毒素の各々については、特異的なまたは根底にある障害が治療されなければ ならず、そして生命機能を支える必要があり得る。さらに、IGF/IGFBP-3複合体 の投与により治癒が促進され、そして新しい神経突起の出芽を促進する。 脳血管出血は、脳内血管の破裂および頭蓋内腔への出血を特徴とし、脳神経細 胞およびグリア細胞を圧迫し、そして損傷し得る。同様に、手術中、神経は、不 注意でまたは必然的に圧迫されるかまたは分断(切断)され得る。いずれの状況 においても、IGF/IGFBP-3の投与は神経組織の回復を助ける。 髄膜炎および神経系組織の他の感染症は、細菌およびウイルスが原因である。 急性ウイルス性脳炎は、ウイルスによる脳の急性炎症であるか、またはウイルス あるいは他の外来性タンパク質によって引き起こされる過敏症である。脊髄構造 も影響を受ける場合、この病態は脳脊髄炎と呼ばれる。これは、生物が見られな いので、しばしば「無菌性」と呼ばれる。脳浮腫があり、これは脳、脳幹、小脳 および時には脊髄の至る所に点在する多くの小出血を伴う。ウイルスの侵入は、 神経の壊死および/または封入体を引き起こし得る。脱髄化した(demyelinating )病巣が時々静脈の回りに見られる。根底にある感染症の治療が主に重要である 。一般的な治療としては、抗ウイルス療法および/または抗細菌療法、水分過剰 を伴わない体液療法(fluid therapy)、およびさらに指示があれば髄膜炎に関 連する腫脹を抑制するためのステロイド療法が挙げられる。さらに、IGF/IGFBP- 3の投与は、神経細胞およびグリア細胞の修復を助ける。IGF/IGFBPは、他の治療 と共に頭蓋内投与され得る。 髄膜炎はまた、菌類感染(特にAIDSまたは免疫抑制療法に伴う)、TB、白血病に おけるような悪性細胞の播種、転位性癌(特に肺癌および乳癌)、神経膠腫、梅毒 およびサルコイドーシスのような、多くの非細菌/ウイルス病状に伴う。現在の 療法は、原因となる疾患の処置、および炎症を減少させるための(プレドニゾン のもような)ステロイドを含む。さらに、IGF/IGFBP-3の投与は、損傷した神経お よび神経膠組織の回復を増強する。 多発性硬化症は、「通常緩解および再燃を伴う、多発性および種々の神経症状 および徴候を生じる、脳および脊髄における播種性脱髄斑により特徴付けられる 緩徐進行性CNS疾患」として特徴付けられている。THE MERCK MANUAL、第15版、M erck & Co.,Rahway、N.J.1987、1414-17頁。CNSの至る所に、脱髄のプラーク 、破壊された乏突起神経膠腫および脈管周囲炎症が存在する。後に、神経もまた 破壊され得る。IGF/IGFBP-3の投与は、軸索および神経膠細胞の置換を促進する 。 対照的に、筋萎縮性側索硬化症は、主に運動神経に影響し、筋衰弱および萎縮 症を生じる。麻痺は初期の徴候である。後に、筋線維束性収縮、痙縮および機能 亢進性反射が観察される。IGF/IGFBP-3投与は、新規軸索の形成を促進する。 シャルコー-マリー-トゥース(Charcot-Marie-Tooth)病は、末梢神経系の常染 色体性優性遺伝疾患であり、そこでは、特に腓腹筋および下肢遠位筋の衰弱およ び萎縮が、長年にわたり徐々に進行する。生検は、節性脱髄および再髄鞘化を示 し得る。現在のところ、垂れ足を制限するように、弱い筋肉に装具をつけること を除けば、特定の処置法は存在しない。IGF/IGFBP-3の投与は、再髄鞘化を増強 することを意図した支援療法である。 天然または組換え供給源のいずれか由来のIGFおよびIGFBP-3の、予備形成され た複合体としての全身投与は、過剰のALSとの通常の三要素複合体の形成を生じ る。このタイプの処置は、三要素複合体から徐々に放出される循環性IGFのレベ ルの延長した増加を生成する。この投与様式は、遊離のIGF-Iの投与に伴う損傷 性の副作用、即ち、低血糖症、成長ホルモンおよびALS産生の抑制、および内因 性IGF-IIの放出を避ける。何故なら、投与された外因性の遊離のIGF-Iは、正常 に循環するIGF-11/IGFBP-3複合体中の内因性IGF-IIを置換するからである。 製剤、投与方法および用量は、処置されるべき疾患および患者の病歴に依存す る。これらの因子は、治療の経過において容易に決定される。神経学的疾患を有 する適切な患者は、病歴、肉体的所見および実験室試験により同定され得る。病 歴は、協調性の損失、筋肉の衰弱、震え、めまい感、頭痛、記憶喪失、言語障害 、認識困難性、および上記の個体状態に伴う特定の所見のような事実を示し得る 。患者は、筋肉衰弱、損傷した反射、損傷した協調性、見当識障害、記憶喪失、 損傷した言語機能、損傷した知覚機能および上記の個体状態に伴う特定の所見の ような肉体的症状を有し得る。指示する診断手順は、コンピューター断層X線(C T)スキャン、磁気共鳴両像法(MRI)、脳波検査法(EEG)、脳脊髄液(CSF)分析など を包含する。 本発明の方法によれば、製剤は、IGFとIGFBP-3との複合体を含む。IGF-IIもま た有用であるが、好ましくは、IGFはIGF-Iである。IGFとIGFBP-3は、自然には、 モル比1:1の複合体なので、IGFおよびIGFBP-3の等モル量の組成物が好適である 。生成物は、IGF:IGFBP-3モル比が約0.5〜1.5の範囲で処方され得る。より好ま しくは、モル比は約0.9〜1.3であり;そして最も好ましくは、生成物は、約1:1 のモル比で処方される。 本発明の方法によれば、IGFおよびIGFBP-3は天然または組換え供給源から得ら れたヒトタンパク質である。最も好ましくは、IGFおよびIGFBP-3は、組換え手法 により作製されたヒトIGF-IおよびIGFBP-3であり、それぞれrhIGF-IおよびrhIGF BP-3と呼ぶ。rhIGFBP-3は、グリコシル化または非グリコシル化の形態であり得 る。E.coliが、非グリコシル化IGFBP-3のソースである。グリコシル化IGFBP-3は チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞から得られ得る。 本発明の方法は、当業者に容易に理解される態様で複合体を処方する工程を提 供する。好ましくは、IGFおよびIGFBP-3は処置する被験体に投与する前に複合化 される。好ましくは、この複合体は、生理学的に適合し得るキャリア(例えば通 常の生理食塩溶液またはリン酸緩衝生理食塩溶液)に溶解した、ほぼ等モル量のI GF-IおよびIGFBP-3を混合することにより形成される。最も好ましくは、rhIGF-I の濃縮液とrhIGFBP-3の濃縮液とを、等モルの複合体を形成するに十分な時間を かけて共に混合した。 投与の態様に依存して、複合体の組成物は、固体、半固体、または液体の投与 調製物の形態であり得る。例えば、錠剤、丸剤、粉末、カプセル、液体、懸濁液 などである。生理学的に適合し得るキャリアには、通常の生理食塩水、血清アル ブミン、5%デキストロース、血漿調製物、および他のタンパク質を含む溶液が 含まれる。複合体の非経口投与のための好ましいキャリアは、通常の生理食塩水 または5%デキストロースのような、無菌の、等張の水溶液である。あるいは複 合体溶液は、長期間にわたって複合体をゆっくり放出するために、浸透ポンプの ような移植片中に配置され得る。あるいはこの複合体は、坐剤またはマイクロカ プセルの形態で、半浸透性ポリマーキャリアのような徐放性キャリア処方中で提 供され得る。例えば、ポリラクチドを含むマイクロカプセルの徐放性マトリック スについての、米国特許第3,773,919号;L-グルタミン酸およびγ-エチル-L- グルタメートのコポリマーについての、Sidmanら、Biopolymers 22(1):547-556 (1983);ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)についての、Langerら、J Bi omed Res 15:267-277(1981)などを参照のこと。 この投与の態様は、安全で、生理学的に有効なように、被験体に複合体を送達 する。複合体は、鼻腔内投与、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、腹腔内投与 、頭蓋内投与、または他の従来の投与経路により与えられ得る。好ましくは、こ の 複合体は、皮下、静脈内、または筋肉内に注射される。最も好ましくは、この複 合体は、皮下注射により投与される。皮下注射によると、この複合体は注入部位 で毒性またはマイトジェンとならないようである。 投与する複合体の用量は、上記の通常の患者の症状に基づいて当業者に容易に 決定され得る。好ましくは、この複合体をヒトに毎日投与する場合に、複合体の 投与量は、等モル量のIGFBP-3に複合体化した、約0.01〜10mgのIGF-IまたはIGF- II/kg体重/日である。より好ましくは、ヒトに対する複合体の一日の用量は、等 モル量のIGFBP-3に複合体化した、約0.05〜7.5mg IGF/kg/日である。最も好まし くは、この複合体のヒトに対する一日の用量は、等モル量のIGFBP-3に複合体化 した、約0.1〜5mg IGF/kg/日である。約0.5mgIGF/kgの過剰の1日投与量が与え られなければならない場合、この投与量を分けて、2以上の部位で皮下注射し得 る。 IGF/IGFBP-3複合体をヒトに週に2回投与する場合、複合体の各用量は好まし くは約0.05〜10mg IGF/kg体重であり、等モル量のIGFBP-3に複合化している。さ らに好ましくは、毎週2回の投与について、複合体の用量は少なくとも約0.1〜7 .5mg IGF/kgであり、等モル量のIGFBP-3に複合化している。最も好ましくは、週 に2度の投与に対して、複合体の用量は等モル量のIGFBP-3に複合体化した、約0 .5〜5mg IGF/kgである。投与量の上限は知られていないが、IGFが等モル量のIGF BP-3に複合化している場合、1回用量が10mgIGF/kg体重を超えないのが好ましい 。これらのIGF/IGFBP-3複合体用量では、IGF/IGFBP-3がIGFを細胞のインスリン レセプターにゆっくりと放出するため、重篤な低血糖を引き起こすことは予期さ れない。 好ましくは、患者は、0.05mgのIGF/kg体重/日のような、比較的低い複合体用 量で開始される。上記で概要を述べた、肉体的検査、機能試験および診断手順を 、処置された患者に対して実施すべきであり、改善が見られるか否か測定する。 好ましくは、患者は、そのような処置後、神経学的疾患により影響を受けた末梢 または中枢神経組織の構造および/または機能において改善を示す。患者が低用 量で改善される場合、好ましくは、受容可能な臨床的終点が達成されるまで、低 用 量を継続すべきである。 患者が、低用量のIGF/IGFBP-3複合体に、十分な臨床改善を伴って反応しない 場合、そのような結果が達成されるまで、複合体の用量を徐々に増加すべきであ る。 本発明は、直接の記述により開示されている。以下は、神経組織の成長、生存 および機能に重要なプロセスの刺激におけるIGF/IGFBP-3複合体の有効性を示す 実施例である。これらの実施例は、例示のみであり、そしていかなる方法におい てもプロセスの範囲を限定するものと解釈されるべきではない。 実施例 実施例1 この実施例は、rhIGF-I/IGFBP-3複合体の、培養されたニワトリ胚脊髄運動ニ ューロンにおける軸索(神経プロセス)の生長を刺激する能力を示すためにデザイ ンされる。軸索の生長は、神経刺激伝達の再確立し、そして結果として、部分的 に神経支配を取り除かれた神経筋接合部および破壊された中枢神経系ニューロン 連結の完全な機能を生じる。 この実験では、運動ニューロン細胞の培養物が、ニワトリ胚脊髄組織から調製 される。解離された腰椎および上腕脊髄細胞を、分画Ficollグラジエント遠心分 離により精製し、そして運動ニューロン画分を単離する。これら細胞の一次培養 物を、ラミニン被覆組織培養皿ウェル中、20%ウマ血清および20μg/mlニワトリ 胚後部脚筋肉タンパク質抽出物を含む濃縮L15培地中にプレートする。この培養 物中の大多数の細胞は、大きな多極性の細胞体を有するニューロンであり、そし て非ニューロン細胞は全体のほんの数パーセントである。細胞を、上記培地単独 、または等モル量のrhIGFBP-3に複合体化された1〜100ng/mlのrhIGF-Iを含む培 地中にプレートする。各セットの培養物中の軸索の枝の程度を、光学顕微鏡によ り、7日目まで毎日評価する。各処置の効果を、各時点における各ニューロンに ついての軸索ツリーの全長を測定することにより測定する。 実施例2 この実施例は、IGF-I/IGFBP-3複合体の、切断されたニューロンの再生を刺激 する能力を示すためにデザインされる。末梢神経に対する外傷性または外科的損 傷は手に負えない。何故なら、損傷神経の再生は、しばしば遅くそして機能的に 不完全であるからである。そのような損傷神経のより迅速でかつ完全に機能的な 再生を促進し得る薬剤に対する臨床的必要性が存在する。 この実験では、Sprague-Dawleyラットの後肢に切傷を作り、そして各ラットの 坐骨神経を、中央大腿領域で切断する。神経の近位端を、Y字形状に配列した3 つのチャネルを含むシリコーンブロックの1つのチャネル中に置く。小さな、移 植可能な浸透圧ポンプを、このブロックの残りの2つのチャネルの1つに、チュ ーブの一部を通じて連結する。3番目のチャネルは開いたままにし、そしてブロ ック、チューブおよびポンプをその場に縫合する。最後に、切傷を縫合して閉じ る。 1セットの動物では、ラットの群は、1%ラット血清アルブミン(RSA)を添加し た生理食塩水中、種々の濃度のrhIGF-I/IGFBP-3複合体(等モル量のrhIGFBP-3に 複合体化された0.1〜1mg/mlのrhIGF-I)で充填した浸透圧ポンプを有する。コン トロールラットの群では、ポンプを1%RSAのみを添加した生理食塩水で充填する 。ポンプはその場に置かれ、約3〜4週間の間、約0.5μl/時間の流速でポンプ し、神経再生させる。 3〜4週間の処置期間の終わりに、動物を屠殺し、そしてシリコーンブロック を回収する。ブロックからポンプを取り出し、そしてブロック中の任意の組織を 、開放したブロックを標準的グルタルアルデヒド固定液に浸漬することにより固 定する。次いで、固定した組織をオスミウムテトラオキシドで染色しそして脱水 する。ブロック中の各チャネルを、切断した神経断端から開始する番号付けした 短い長さに切断する。薄いセクションを、チャネルの各短い長さから切断し、そ してメチレンブルーおよびアズールIIで染色する。光学顕微鏡を用いて、各チャ ネルの各短い長さ中で再生した神経から髄鞘形成した軸索の存在を評価する。 実施例3 この実施例は、rhIGF-I/IGFBP-3複合体の、中枢神経系における神経組織の生 長および髄鞘形成を刺激する能力を示すためにデザインされる。種々の病気が、 中枢神経系ニューロンの脱髄を起こす(例えば、多発性硬化症、急性播種性脳脊 髄炎)。この脱髄は、神経伝達の欠陥、および知覚および運動機能の損失を生じ る。そのような場合、髄鞘産生を刺激する薬剤は、有用な治療剤であり得る。 この実験では、髄鞘産生が、ラット胎児脳の凝集培養物中で評価される。ラッ ト胎児脳の全細胞を、単細胞に解離させ、濾過し、そして次いで、10%ウシ胎児 血清を補填した凝集培養培地(Almazanら、Dev.Neurosci7,45-54(1985))中に 置く。細胞を2日間懸濁液中で増殖させ、その時点で、新鮮培地単独または等モ ル量のrhIGFBP-3に複合体化された0.01〜1μg/ml rhIGF-Iを添加した新鮮培地 のいずれかを添加する。培養の10〜30日後、培養により産生される髄鞘を単離し 、そして定量する。各時点で、乏突起神経膠細胞の数および成熟度がまた、細胞 ホモジネート中の乏突起神経膠細胞のマーカーである2'-3'-環状ヌクレオチド3' -ホスホヒドロラーゼ(CNP)の活性を測定することにより定量される。 本発明は、例示および直接の記載により詳述した。当業者は、次のような、し かし上記の趣旨内である請求の範囲に記載された発明と同等物を推測し得ること が理解されるべきである。これらの同等物は本発明の範囲内に包含されるべきで ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07K 14/475 A61K 37/02 AAA C12N 15/09 ABA C12P 21/00 9282−4B C12N 15/00 A

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ハンチントン舞踏病およびアルツハイマー病について被験体を処置する方 法であって、該方法は、該被験体に、インスリン様成長因子(IGF)およびインス リン様成長因子結合タンパク質-3(IGFBP-3)を含有する複合体を投与する工程を 包含し、該複合体が該症状を緩和するに十分な量で投与される、方法。 2.前記複合体が等モル量のIGFおよびIGFBP-3を含有する、請求項1に記載の 方法。 3.前記IGFがIGF-Iである、請求項1に記載の方法。 4.前記IGFが組換えヒトIGF-Iである、請求項3に記載の方法。 5.前記IGFBP-3が組換えヒトIGFBP-3である、請求項1に記載の方法。 6.前記IGFがIGF-IIである、請求項1に記載の方法。 7.前記IGF-IIが組換えヒトIGF-IIである、請求項6に記載の方法。 8.前記IGFBP-3が組換えヒトIGFBP-3である、請求項6に記載の方法。 9.前記投与が非経口的である、請求項1に記載の方法。 10.前記非経口投与が皮下注射により行われる、請求項1に記載の方法。 11.前記投与が頭蓋内である、請求項1に記載の方法。 12.前記十分な量が、神経系の構造または機能に改善を生じる複合体の十分 な量である、請求項1に記載の方法。 13.前記投与される複合体の量が、少なくとも約0.05mg IGF/kg体重/日であ り、該IGFが等モル量のIGFBPの複合体からなる、請求項12に記載の方法。 14.前記被験体が哺乳動物である、請求項1に記載の方法。 15.神経毒、脳血管性出血、手術の間のニューロン切断、髄膜炎または神経 系組織の他の感染症に曝された被験体を治療する方法であって、該方法は、該被 験体に、インスリン様成長因子(IGF)およびインスリン様成長因子結合タンパ ク質-3(IGFBP-3)を含有する複合体を投与する工程を包含し、該複合体が該症 状を緩和するに十分な量で投与される、方法。 16.多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症またはシャルコー-マリー-トゥース 病について被験体を処置する方法であって、該方法は、該被験体に、インスリン 様成長因子(IGF)およびインスリン様成長因子結合タンパク質-3(IGFBP-3)を 含有する複合体を非経口投与する工程を包含し、該複合体が該症状を緩和するに 十分な量で投与される、方法。 17.前記IGF/IGFBP複合体を非経口投与する工程が皮下注射を包含する、請 求項16に記載の方法。
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