JPH09507926A - 表示装置および表示パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 照明システムと、広帯域の（コレステリック）反射器と、この反射器および検光子間のスイッチ可能な電気−光学媒体（液晶セル）とを有し、種々のパラメータ（例えば、ツイスト角、配向面および偏光面間の角度およびパネルの厚さ）が最適化された表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】 表示装置および表示パネル発明の技術分野 本発明は放射光ビームを供給する放射光源と、２つの偏光子間に電気−光学表 示媒体を有する表示パネルとを有する照明系を具え、この媒体を２つの光学状態 間で切換え自在とした表示装置に関するものである。 また、本発明はかかる表示装置の表示パネルに関するものである。発明の背景 この種の液晶媒体を電気−光学媒体（ＬＣＤ）として有する表示装置は例えば ビデオ装置、モニタだけでなく、情報および計器パネル（例えば自動車のダッシ ュボード）に用いられる。 一般に、この種の表示装置は既知であるが、その最大の欠点は理想的な吸収偏 光子を用いる場合でも、像の形成には放射光源によって供給される光の５０％以 下、しばしば２５％のみを用いることができるだけである点である。その理由は 偏光の不適当な方向の吸収のため、両偏光子でほぼ５０％の損失が生ずるからで ある。さらに、カラーフィルタその他の層においても損失が生ずるからである。 これらは直視装置および像投射装置の双方においても観察者に充分な光とする必 要がある。 偏光子における光の損失を補償するためには、両装置に高出力ランプを用いる 必要があり、これらランプは電力を多量に消費し、従って、寿命が比較的短く、 しかも、これらは冷却する必要がある。 また、携帯用直視型表示装置とする場合には、バッテリの寿命も短くなる。そ の理由はこれらバッテリが高出力ランプを給電する必要があるからである。像投 影装置には高強度放射光源を設ける必要がある。 双方の場合に、偏光子に入射する光強度が高いため、これら偏光子は吸収によ って加熱される。この種の装置では偏光子が表示パネルの近くに設けられている ため、冷却システムを設ける必要があり、従って、表示装置が一層複雑且つ高価 となり、やっかいな雑音を発生するようになる。発明の概要 本発明の目的は上述した欠点をできるだけ排除するように適切に構成配置した 上述した種類の表示装置を提供せんとするにある。 この目的のため、本発明は放射光ビームを供給する放射光源と、２つの偏光子 間に電気−光学表示媒体を有する表示パネルとを有する照明系を具え、この媒体 を２つの光学状態間で切換え自在とした表示装置において、前記電気−光学表示 媒体を２つの光学状態の少なくとも一方で複屈折とするとともに少なくとも一方 の偏光子を反射偏光子とし、前記表示パネルとは反対側に偏光変換手段を設ける ようにしたことを特徴とする。 ここに云う偏光変換手段とは、偏光の不所望な状態を偏光の所望な状態に変換 し、これを表示パネルに送出することを意味するものとする。 反射偏光子は偏光の所望な方向の光を通過させるが、偏光の不所望な方向の光 は反射する。偏光の不所望な状態を偏光の所望な状態に少なくとも部分的に変換 する他の手段がある場合には、発生する光も電気−光学的表示媒体に少なくとも 部分的に通過する。斯様にして、放射ビームの完全な放射強度を、繰返し反射お よび偏光方向の変換のために、偏光子によって通過させ、従って、放射光源によ り伝送された放射強度の大部分を像の形成に用いることができる。 本発明の一例では、前記反射偏光子をコレステリックフィルタとするとともに 偏光変換手段は反射器を具えるようにする。 コレステリックフィルタはコレステリック配向を有する液晶材料の光学層を有 する。これは材料の分子が溶液内でピッチｐのスパイラルまたは螺旋構体に瞬時 配向されることを意味する。かかる溶液を２つの平行基板間に薄い光学活性層と して設けた後に螺旋構体を螺旋の軸線が層に垂直となるようにする。螺旋の配列 は基板の対向表面に配向層を設けることによって改善することができる。 かかるフィルタに未偏光放射光が入射すると、偏光の円方向（左旋性また右旋 性）が分子螺旋の方向に一致するとともにその波長が螺旋のピッチｐに一致する 光が反射されるが、反対方向の偏光およびフィルタに適応しない波長を有する光 が通過するようになる。コレステリックフィルタの反射波λ₀は次式で表すこと ができる。 λ₀＝（1/2）・（ｎ₀＋ｎ_e）・ｐ ここにｎ₀およびｎ_eはフィルタの材料の正常屈折率および異常屈折率であり、ｐ は分子螺旋のピッチである。 これがため、偏光子に不所望な偏光方向の光は最早吸収されないでコレステリ ックフィルタで反射されるため、吸収による加熱は防止される。 好適には、分子螺旋のピッチｐはフィルタの層厚に亘り下限および上限間で好 適に変化するため、反射した光の帯域幅は完全な可視範囲でフィルタを作動させ るに必要な帯域幅に相当する。かかるコレステリックフィルタは本願人によるヨ ーロッパ特許出願公開EP-A-0,606,940から既知である。 ２つの光学状態のうちの一方で複屈折となる電気−光学表示媒体の例は例えば ツイスト−ネマティック表示セル（ＴＮまたはＳＴＮ）である。 本発明表示装置の好適な例では、前記表示媒体を２つの複屈折光学状態間で切 換え自在とする。 ２つの光学状態で複屈折となる電気−光学表示媒体の例は例えば電界の影響の 下で表示パネルの面で主軸が回転する単軸複屈折媒体、または強誘電性液晶表示 装置（ＦＬＣＤ）、好適には表面安定化ＦＬＣＤ（ＳＳＦＬＣＤ）である。 従って、表示装置にはツイスト角が少なくとも１０度〜多くとも６０度のパネ ルを選択するのが好適である。 前記反射偏光子の側の液晶材料の配向方向と直線偏光子の側の偏光面との間の 角度を少なくとも１０度および多くとも６０度とする。 本発明表面パネルは前記電気−光学表示媒体を２つの光学状態の少なくとも一 方で複屈折とするとともに少なくとも一方の偏光子を反射偏光子とし、且つ、前 記表示パネルとは反対側に偏光変換手段を設けるようにする。図面の簡単な説明 図１は本発明表示装置の構成を示す概略断面図、 図２はかかる表示装置の光路を示すブロック図 図３乃至図５は本発明表示装置の透過／電圧特性を示す特性波形図である。発明を実施するための最良の形態 図１は表示パネル２を有する表示装置１の一部分を断面図で示す。本例では、 この表示パネル２は例えばガラス製の２つの基板（図示せず）間に設けられたツ イスト−ネマティック液晶材料３を具えるとともに電極を設ける。さらに表示装 置は配向層（図示せず）を具え、これによって基板の内壁の液晶材料を配向し、 表示セルがツイスト角φを有するようにする。さらに、表示装置は照明系６を具 え、これを図に１つ以上の放射光源７および拡散兼減偏光材料のディフューザ８ （例えば、表面構造の透明板）並びに放射光源７の表示パネルとは反対側に位置 するミラー９を有する簡単なバックライト照明として示す。 照明系６の側では表示パネル２は反射偏光子４、本例ではコレステリックフィ ルタを有する。放射光源７から到来し、偏光の所望の状態を有する光は液晶材料 ３を通過するが、偏光の相補状態を有する光は反射される。次いで、反射された 光は偏光変換手段、本例では、金属ミラー８によって偏光子４を通過し得る偏光 状態を有する光に変換する。偏光子４を通過しない光は液晶材料３を通過すべき 偏光の好適な状態が得られるまでミラー８および偏光子４間を反射する。従って 、偏光子４に対し好適でない偏光方向の光は最早や偏光子で吸収されないで毎回 減偏光され、部分的に伝送され、且つ部分的に反射されて偏光の状態を変化する ようになり、従って結局反射損失以外は放射光源７からの全部の光が液晶材料３ に到達するようになる。かかる効果は、ヨーロッパ特許出願公開EP-A-0,606,940 に記載されているように、層厚全体を連続して変化し得るピッチを有するコレス テリックフィルタによって充分に達成することができる。 かかるコレステリック反射器を通過する放射光は円偏向される（図２参照）。 かかる構成では、伝送された放射光強度Ｔは次式で表わすことができる。 式(1)において、βを下式のように規定する。 ここに このαの規定において、ｄは液晶層の厚さを示し、△ｎは屈折率の異方性を示し 、λは使用する光の波長を示す。Ωは反射偏光子の側の配光方向と直線偏光子の 偏光面との間の角度である。 偏光子の光通過方向がπ／２の角度に亘って回転する場合には伝送はＴから１ −Ｔに変化する。同一の変化はコレステリック反射器のツイスト状態（左側また は右側）を反転させることによっても達成させることができる。 φ＝０の場合には、伝送は次式で表わすことができる。 この場合、sin（２Ω）＝±１およびｄ△ｎ＝λ／４の場合には、Ｔ＝１または Ｔ＝０となる。 かかる構成では、液晶の影響を種々の手段で利用することができる。 第１に、液晶セルは、主軸が（駆動される）電界の影響の下で液晶セルの面内 で回転する複屈折媒体として用いることができる。関連する伝送は上式（４）に より表わすことができる。かかる媒体は、例えば強誘電性液晶、特に、表面安定 化強誘電性液晶（表面安定化ＦＬＣＤまたはＳＳＦＬＣＤ）によって、またはス メクティックＡ相で発生する電傾効果で、達成することができる。この場合には 、上式（４）の角度Ωが変化する。次いで、最大および最小伝送（Ｔ＝１または Ｔ＝０）がｄ△ｎ＝±λ／４，±３λ／４，±５λ／４，・・・等に対して達成 することができる。最も一般的に使用される材料では、ｄ△ｎ＝±λ／４で薄い セルに適応させ、従って製造が困難である。技術および使用すべき光学特性（厚 いセルに対する変色）に関する最適な選択はｄ△ｎ＝±３λ／４である。 第２ の可能性は、液晶セルを複屈折状態および非複屈折状態間で切換えることである 。例えば、ツイスト−ネマティック効果はこの目的のために用いることができる 。しかし、図２の構成は液晶セルの（光透過）非複屈折状態（△ｎ＝０）ではほ ぼ１／２の透過を有する。 輝度（または精神測定光）および製造可能性の双方のような最も好適な結果は 、セルの有効複屈折がほぼ完全な励起となる一方の状態およびほぼ完全な透過と なる他方の状態の２つの複屈折状態間を切換わるセルで達成される。この目的の ため、上式（４）の角度Ωおよびφが変化する。この角度φは例えば１０°およ び６０°間を変化する。大きな角度６０°では透過の完全な変調はほぼ不可能で ある。 例Ｉ： 図３は角度φ＝０および角度Ω＝π／４の構成でセルの両端間の電圧Ｖの関数 として精神測定光Ｌを示す。 例II： 図４は角度φ＝π／９および角度Ω＝２π／９の構成に対する透過／電圧特性 曲線を示す。この曲線から明らかなように、セルの両端間の駆動電圧を増大する と、透過はほぼ１００％からほぼ０％に減少する。 例III： 図５は角度φ＝π／６および角度Ω＝π／６の構成に対する透過／電圧特性曲 線を示す。この曲線から明らかなように、セルの両端間の駆動電圧を増大すると 、透過はほぼ１００％からほぼ０％に減少する。 角度φおよびΩの他の組合せは任意に可能であること勿論であり、また、ツイ スト−ネマティック液晶セル以外の複屈折媒体も用いることができる。一般に、 本発明は照明システムと、広帯域の（コレステリック）反射器と、この反射器お よび検光子間のスイッチ可能な電気−光学媒体（液晶セル）とを有し、種々のパ ラメータ（例えば、ツイスト角、配向面および偏光面間の角度およびパネルの厚 さ）が最適化された表示装置である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．放射光ビームを供給する放射光源と、２つの偏光子間に電気−光学表示媒体 を有する表示パネルとを有する照明系を具え、この媒体を２つの光学状態間で切 換え自在とした表示装置において、前記電気−光学表示媒体を２つの光学状態の 少なくとも一方で複屈折とするとともに少なくとも一方の偏光子を反射偏光子と し、前記表示パネルとは反対側に偏光変換手段を設けるようにしたことを特徴と する表示装置。 ２．前記反射偏光子をコレステリックフィルタとするとともに偏光変換手段は反 射器を具えることを特徴とする請求項１に記載の表示装置。 ３．前記他方の偏光子を直線偏光子とすることを特徴とする請求項１または２に 記載の表示装置。 ４．前記表示媒体を２つの複屈折光学状態間で切換え自在とすることをとする請 求項１、２または３に記載の表示装置。 ５．表示装置はツイスト−ネマティック液晶材料を具えるとともにそのツイスト 角を少なくとも１０度〜多くとも６０度とすることを特徴とする請求項４に記載 の表示装置。 ６．前記反射偏光子の側の液晶材料の配向方向と直線偏光子の偏光面との間の角 度を少なくとも１０度および多くとも６０度とすることを特徴とする請求項４に 記載の表示装置。 ７．前記表示パネルは強誘電液晶または電傾材料を具えることを特徴とする請求 項４に記載の表示装置。 ８．２つの偏光子間に電気−光学表示媒体を有し、この媒体を２つの光学状態間 で切換え自在とした表示パネルにおいて、前記電気−光学表示媒体を２つの光学 状態の少なくとも一方で複屈折とするとともに少なくとも一方の偏光子を反射偏 光子とし、前記表示パネルとは反対側に偏光変換手段を設けるようにしたことを 特徴とする表示パネル。 ９．前記反射偏光子をコレステリックフィルタとするとともに偏光変換手段は反 射器を具えることを特徴とする請求項８に記載の表示パネル。 10．前記他方の偏光子を直線偏光子とすることを特徴とする請求項８または９に 記載の表示パネル。 11．前記表示媒体を２つの複屈折光学状態間で切換え自在とすることをとする請 求項８、９または10に記載の表示パネル。 12．表示装置パネルはツイスト−ネマティック液晶材料を具えるとともにそのツ イスト角を少なくとも１０度〜多くとも６０度とすることを特徴とする請求項10 または11に記載の表示パネル。 13．前記反射偏光子の側の液晶材料の配向方向と直線偏光子の偏光面との間の角 度を少なくとも１０度および多くとも６０度とすることを特徴とする請求項12に 記載の表示パネル。 14．前記表示パネルは強誘電液晶または電傾材料を具えることを特徴とする請求 項11に記載の表示パネル。