【発明の詳細な説明】
TV受信機用のマルチモード補間フィルタ
技術分野
本発明は、複数の代替フォーマットで生じる圧縮解除されたビデオ信号をスキ
ャン・コンバートする補間器に関する。
背景技術
圧縮されたビデオ信号が伝送されると、当然、レシーバ装置は、伝送されたビ
デオデータのフォーマットに関係なく、標準化されたフォーマットでイメージを
ディスプレイすることになるものと予測される。例えば、MPEG 2(Moving Pictu
res Expert Group of the International Standardization Organization)フォ
ーマットに従って圧縮されたビデオ信号は、4:2:2フォーマット、4:2:0フォーマ
ットおよび他の種々のフォーマットでイメージを表現することができる。伝送さ
れたフォーマットに関係なく、レシーバは全てのイメージを、例えば、4:2:2フ
ォーマットでディスプレイすべきである。
フォーマットからフォーマットにスキャン・コンバートする公知のシステムが
数多く存在する。名目上、このようなシステムは、具体的な信号フォーマットか
ら具体的なフォーマットに変換するように適正化されている。しかし、TV受信
機の環境では、前もって分かっている伝送された信号フォーマットごとに、複数
の適正化されたスキャン・コンバータを含むことは実際的でない。むしろ、スキ
ャン・コンバータへは、適正化された性能よりは、許容できる性能を有する単一
のコンバータ装置により、変換することができる妥協したアプローチを採らなけ
ればならない。
異なる圧縮プロセスをサポートし、同様に、異なる解像度フォーマットをサポ
ートするMPEG 2標準を考察する。異なる圧縮プロセスには、フレーム内処理と
フィールド内処理が含まれる。
MPEG復号化プロセスからのローデータ(raw data)は、ビデオ信号のフレームで
ある。full解像度フレーム(4:2:0)は480ラインのルミナンス信号と、240
ラインのクロミナンス信号よりなる。half解像度(4:2:0)には240ラインのル
ミナンス信号と120ラインのクロミナンス信号が含まれる。full解像度モード
では、復号化されたラインを、
Y1,Y2,Y3,Y4,Y5,Y6,.... Y480
C1,C2,C3,C4,............ C240
と番号を付けることができ、half解像度モードでは、復号化されたラインを
Y1,Y2,Y3,Y4,YS,Y6,.... Y240
C1,C2,C3,C4,............ C120
と番号を付けることができる。
MPEGデコーダの出力は、常に、ルミナンス・ラインがクロミナンス・ラインの2
倍である。しかし、望ましい出力4:2:2ディスプレイ・フォーマットを、
OY1,OY2,OY3,OY4,........ OY480
OC1,OC2,OC3,OC4,........ OC480
と表すことができる。
元の解像度に関係なく、クロミナンス・ラインの数はアップ・コンバートされる
。half解像度モードでは、ルミナンス・ラインの数もアップ・コンバートされる
。アップ・コンバートのモードを、圧縮された信号を展開する際に用いられる圧
縮プロセスの前にインプリメントされる事前処理によって、変化させることがで
きる。アップ・コンバートの複数モードには、フレーム内事前処理された信号を
アップ・コンバートするのに、よりコンダクティブ(conductive)であるモードと
、フィールド間事前処理された信号をアップ・コンバートするのに、よりコンダ
クティブであるモードがある。本発明は、ビデオ信号をマルチモード垂直アップ
・コンバートする補間器である。
発明の開示
本発明に係る補間器には、ビデオ信号の1水平ラインだけ遅延させ、しかも、
当該ラインを選択的に再ディスプレイする遅延要素が含まれる。復号化されたル
ミナンス信号か、あるいは、復号化されたクロミナンス信号のいずれかの信号を
、その遅延要素に選択的に供給するように、マルチプレクサが構成されている。
その遅延要素からの出力信号と、そのマルチプレクサから出力信号を、相補プロ
ポーション(例えば、Kおよび(1-K))で、加算するプロポーショニング回路に
結合されている。第2マルチプレクサは、アップ・コンバートされた出力ルミナ
ンス信号を供給するものであり、復号化されたルミナンス信号か、あるいは、プ
ロポーショニング回路からの信号を選択的にパッシング(pass)するように構成さ
れている。第3マルチプレクサは、アップ・コンバートされた出力クロミナンス
信号を供給するものであり、復号化されたクロミナンス信号か、あるいは、プロ
ポーショニング回路からの信号を選択的にパッシングするように構成されている
。
図面の簡単な説明
以下、添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。
図1は本発明を具現化した補間器を含むTV受信機の例を示すブロック図であ
る。
図2は補間器の例を示すブロック図である。
図3および図4はプロポーショニング・加算回路の例を示す図である。
図5ないし図10は、異なる信号フォーマットに対して、ビデオ信号の元のラ
インと、アップコンバートされたビデオ信号との関係を示す図である。
図11ないし図16は図2の装置のオペレーションナル・パラメタを含むテー
ブルである。
発明を実施するための最良の形態
本発明をMPEG信号処理環境で説明する。しかし、マルチモード信号をオペレー
トする他の信号処理環境で実施することができることは、当然のことである。
図1を説明する。圧縮され、伝送されたビデオ信号であって、アンテナからの
ビデオ信号は、受信機/復調装置10に供給される。受信機/復調装置10は伝
送された信号を検出し、検出された信号をベースバンドに変換する。このベース
バンド信号をパケット化しインタリーブして、ノイズに対する耐性を伝送に与え
る。このベースバンド信号はトランスポート・プロセッサ12に供給される。ト
ランスポート・プロセッサ12は、圧縮されたビデオデータをデインタリーブし
、アンパックする。ある程度のエラー訂正も含めることができる。トランスポー
ト・プロセッサ12からの圧縮されたビデオデータは、圧縮解除器14に結合さ
れる。圧縮解除器14は、作業用メモリ16と協動して、例えば、MPEG逆圧縮(i
nverse compression)を機能させ、フレームごとにビデオ信号を生成する。すな
わち、圧縮解除器は、フレームごとに、圧縮解除されたデータを生成する。圧縮
解除されたビデオ信号はディスプレイ・メモリ18に供給される。ディスプレイ
・メモリ18から、圧縮解除されたビデオ信号をラスタ・フォーマットでインタ
レースで読み出す。ディスプレイ・メモリ18は、圧縮解除器14に応答して、
ビデオデータを書き込み、マトリクス・ディスプレイ要素22は、ルミナンスお
よびクロミナンス・コンポーネント信号を合成して、赤R信号と、青B信号と、
緑G信号を、慣用の方法で生成し、ディスプレイ・デバイスをドライブする。要
素10ないし要素20からの信号を、デジタル信号として処理することになる。
デジタル・アナログ変換器を、要素22内か(マトリクス処理する前に)、ある
いは、要素22の後のいずれかに、インプリメントすることになる。
既に述べたように、伝送された圧縮されたビデオ・データを、種々の異なる空
間解像度で符号化するか、あるいは、フィールドまたはフレーム処理モードによ
り符号化することができた。補間器20は、垂直空間次元(dimention)の種々の
フォームの圧縮解除されたビデオ信号を4:2:2フォーマットにアップコンバート
するものを含む。
図2はマルチモード補間器の例を示すブロック図である。このマルチモード補
間器はコンポーネント4:2:0ルミナンスY信号と、コンポーネント4:2:0クロミナ
ンスC信号を個々の入力コネクションで受信し、出力コンポーネントYおよびC
信号を4:2:2フォーマットで出力する。このマルチモード補間器は、ルミナンス
出力信号を供給する出力コネクションを有する第1マルチプレクサ35を含む。
第1マルチプレクサ35は、full解像度/half解像度制御信号F/Hに応答して、
ルミナンス信号を、ルミナンス入力端子またはプロポーショニング要素34から
直接、選択的にパッシングする。このマルチモード補間器も、クロミナンス出力
信号を供給する出力コネクションを有する第2マルチプレクサ36を含む。マル
チプレクサ36は制御信号F/Hに応答して、クロミナンス信号を、クロミナンス
入力端子またはプロポーショニング要素34から直接、選択的にパッシングする
。
第3マルチプレクサ30はルミナンスおよびクロミナンス入力端子にそれぞれ
結合された第1および第2入力端子を有し、ルミナンスおよびクロミナンス・コ
ンポーネント入力信号のうちの一方をパッシングするように、制御信号F/Hによ
り制御されている。第3マルチプレクサ30の出力は、第4マルチプレクサ32
の1つの入力端子に結合されており、しかも、プロポーショニング要素34の入
力端子に結合されている。
第4マルチプレクサ32の出力コネクションは、1水平ライン(1-H)遅延要素
33に結合されており、1水平ライン(1-H)遅延要素33の出力はマルチプレク
サ32の第2入力端子に結合されている。第4マルチプレクサ32は1-H MUX制
御信号により制御され、あたらしいコンポーネント信号を遅延ライン33に供給
するか、あるいは、遅延ライン33に既に含まれているデータを再循環させる。
プロポーショニング要素34は(1-H)遅延要素33の出力コンポーネントに結
合された第2入力端子を有する。(1-H)遅延要素33は第4マルチプレクサ32
から信号を受信する。プロポーショニング要素34は、(1-H)遅延要素33およ
び第3マルチプレクサ30からの信号をプロポーショニングし、個々のポーショ
ンを合成して、補間された出力信号を生成する。この補間された出力信号はマル
チプレクサ35および36の個々の入力コネクションに供給される。
名目上、要素34に供給された2つの信号は、連続する2つの水平ラインに相
当する。これら2ラインからの信号は合成され、プロポーションKおよび1-Kご
合成される。ここで、Kは1未満の係数であるのが典型的である。
アンテナにより受信された、圧縮されたMPEGデータは、圧縮されたフレームに
関係付けをした制御情報を含む。制御情報はMPEG圧縮前に、フィールドまたはフ
レーム技法により、現フレームが事前処理されているか否かを示し、圧縮された
フレームの解像度を示す。圧縮されたデータの現フレームを圧縮解除する圧縮解
除器14を構成するため、圧縮解除器14はこの制御情報を取り出す。圧縮解除
器14は、MPEG標準によりサポートされた圧縮プロセスの全プロセスを逆(inver
se)にするのに充分なハードウェアとソフトウェアを含むことになる。
制御情報は圧縮解除器14からコントローラ37にパッシングされる。コント
ローラ37は、フレーム制御情報に応答し、係数Kを生成する。個々の信号が係
数Kだけプロポーショニングされ、重み付けされる。適正なK係数を、例えば、
内部ROM(read only memory)テーブル(図示しない)から供給することがで
きる。このテーブルには、この圧縮解除器により取り出された適正な制御情報に
よりアドレスされる。コントローラ37も、個々のマルチプレクサを制御して、
選択的に、適正なコンポーネント信号をパッシングするため、適正な信号を供給
する。
マルチプレクサ30,35および36は、F/H制御信号が第1(F)ステート
であるとき、個々の“0”入力コネクションに供給される信号をパッシングし、
F/H制御信号がもう一方の第2(H)ステートであるとき、“1”入力コネクシ
ョンに供給される信号をパッシングする。そのため、マルチプレクサ35がルミ
ナンス信号をメモリから要素38にパッシングし、マルチプレクサ30がクロミ
ナンス信号をメモリからマルチプレクサ32にパッシングすると、マルチプレク
サ36は要素34からの信号をパッシングすることになる。あるいはまた、マル
チプレクサ36がクロミナンス信号をメモリから要素39にパッシングし、マル
チプレクサ30はルミナンス信号をメモリからマルチプレクサ32にパッシン
グすると、マルチプレクサ35は要素34からの信号をパッシングすることにな
る。
マルチプレクサ32および遅延線33を、次のようなRAM(random access
memory)、すなちわ、1ラインの信号を保持するのに充分な記憶容量を有するも
のであり、このメモリから、複数回、同一ラインのデータを読み出すことができ
るように、データを破壊せずに、読み出すことができるタイプのメモリと置換す
ることができる、ことに注意すべきである。この例のマルチプレクサ32は、ラ
イト・イネーブル(write enable)をRAMに選択的に印加する。
図3および図4はプロポーショニング・合成要素34の代替回路構成を模式的
に示す。図3に示す回路は、簡単にするため、わずか1つの乗算器と制御信号K
のみを必要とし、他方、図4に示す構成は、2つの乗算器を設け、2つの制御信
号Kおよび(1l-K)これらの回路のオペレーションは、両回路が周知のものである
ので、記載していない。テーブルIないしVIIに示すK値に対して、ライン・ス
トア33からの信号が係数(1-K)により重み付けされ、マルチプレクサ30から
供給される信号は係数Kで重み付けされる、といえば充分である。
一般的に、マルチプレクサ制御信号F/Hは、個々のデータ・シーケンス、例え
ば、ピクチャGOPグループ、等々では、静的(static)である。すなわち、マル
チプレクサ制御信号F/Hはフレーム開始で、ハイレベルまたはローレベルにセッ
トされ、そのレベルを、少なくともフレーム全体の継続期間の間、保持する。ha
lf解像度データが伝送される場合は、マルチプレクサ制御信号F/Hが、各ピクセ
ル期間か、あるいは、ライン期間ごとに、ハイレベルからローベルに遷移する、
ことができる。
補間器20は、データを垂直10方向に次の1)ないし4)、すなわち、
1)単に、ディスプレイ・メモリ18から同一ラインを連続して2ライン繰り返
す、
2)ディスプレイ・メモリからの連続するオールタネート・ライン(すなわち、
フィールド)を2回繰り返す、
3)ディスプレイ・メモリ内の信号の近傍の水平ラインを用いて、水平ラインを
補間する、
4)ラインとフィールドを繰り返す、
のいずれかににより、アップ・コンバートする。
full解像度モードでは、ルミナンス・コンポーネントにはアップ・コンバート
は必要ない。よって、ルミナンス信号は変化させないで、ディスプレイ・メモリ
から、マルチプレクサ35により単にパッシングさせることになる。ルミナンス
信号には1:2垂直アップ・コンバートが必要になる。図2に示す装置により、ア
ップ・コンバートされたクロミナンス信号を、2つのモード、すなわち、ライン
を繰り返すか、および/または、実際のラインからラインを補間するかして、生
成することができる。後者のプロセスの方が好ましい。というのは、明らかに解
像度の高い信号が生成されるからである。
図5ないし図10を説明する。左端の列のボックスはビデオ信号の圧縮解除さ
れ、インタレースされたフレームを表している。そのフレームは、ディスプレイ
・メモリ18から補間器20までで、利用可能である。オールタネート・ライン
は、インタレースされたフレームの偶数および奇数フィールドを表す。中間の列
のボックスは、補間器20により提供されたフィールドであって、インタレース
・スキャンされた出力信号をアップ・コンバートして得られる奇数フィールドを
表している。右端の列のボックスはインタレース・スキャンされた出力信号のア
ップ・コンバートされた偶数フィールドを表している。左列のボックスからの矢
印は、圧縮解除されたビデオのラインを示す。このラインから、中間の列または
右列のいずれかの列で、出力ビデオの1ラインが生成される。矢印に関係付けを
した数字は、元の圧縮解除されたビデオから信号の寄与率(contributing propot
ion)であって、奇数フィールドまたは偶数フィールドのいずれかを形成するのに
用いられ寄与率を示す。数字1は100%の寄与、すなわち、ライン繰り返しを
意味する。
まず、受信された信号がfull解像度であり、フィールド処理により圧縮された
ことを考察する。フィールド処理では、個々の圧縮されたフレームの個々のフィ
ールドのラインは、独立に、圧縮されている。その結果、圧縮解除されたフレー
ムの個々のフィールドが相対的に独立である。よって、個々のフィールドを独立
にアップ・コンバートするのが望ましい。図5はフィールド圧縮されたクロ
ミナンスをライン繰り返しアップ・コンバートするプロセスを示す。圧縮解除さ
れたフレームのオールタネート・ラインが繰り返され、1:2アップ・コンバート
された奇数出力フィールドが生成され、圧縮解除されたフレームの介在している
ラインを繰り返して、1:2アップ・コンバートされた奇数出力フィールドが生成
される。
図10のテーブルIは、メモリ・アクセス要件を示すとともに、明示的に、補
間器マルチプレッシング構成を示す。テーブルI(および、テーブルII-VII)は
、プログラマブル・コントローラ37が個々のK係数を供給し、個々のマルチプ
レクサを構成し、しかも、ディスプレイ・メモリを条件付けして、現在処理され
ているビデオ信号の現フレームのコンポーネント・ビデオ信号のラインを供給す
る方法を示す。コントローラ37は再構成可能な状態マシンであって、圧縮解除
器14により供給される制御信号により開始される、個別のサブルーチンまたは
ROMデータにより構成されている状態マシンでもよい。
テーブルIでは、マルチプレクサ32を条件付けをして、データをマルチプレ
クサ30から1-H遅延線(ライン・ストア)にパッシングするため、1-H制御信号
はNEWステートである。マルチプレクサ35,36,および30を条件付けをし
て、個々の“0”入力コネクションに供給された信号をパッシングするため、制
御信号F/HはFステートである。よって、マルチプレクサ35はディスプレイ・
メモリからのルミナンス・ライン(メモリからのY)を、垂直方向に、奇数フィ
ールドの場合は、ライン・シーケンスY1,Y3,Y5,Y7,... にパッシングし、偶
数ラインの場合は、ライン・シーケンスY2,Y4,Y6,Y7,... にパッシングする
。マルチプレクサ30を条件付けをして、ディスプレイ・メモリ18からクロミ
ナンス信号(メモリからのC)を、マルチプレクサ32−遅延線33回路にパッ
シングするとともに、要素34にパッシングし、マルチプレクサ36を条件付け
をして、要素34からの信号をパッシングする。制御信号Kはゼロである。よっ
て、要素33および30からの信号を1:0の比で合成する。すなわち、マルチ
プレクサ36は、1ライン期間だけ遅延されたディスプレイ・メモリからのクロ
ミナンスを効率的にパッシングする。ルミナンスおよびクロミナンスを適正な垂
直空間関係で維持するため、奇数および偶数フィールドのクロミナン
ス信号の第1ラインが、個々のフィールドに対して、ルミナンス信号の第1ライ
ンより1ライン時間(1 line time)前に、ディスプレイ・メモリから読み出され
る。ディスプレイ・メモリ18からのクロミナンス信号の1ラインおきのライン
が、ディスプレイ・メモリから2回読み出される。テーブルIでは、ボールド体
のクロミナンス値は個々の奇数および偶数フィールドで、補間器20により出力
された値である、ことに注意されたい。
ディスプレイ・メモリが信号の1ラインを垂直メモリ・アドレスごとにストア
するものと仮定すると、ラインの2回読み出しは、ディスプレイ・メモリのルミ
ナンス部分の垂直アドレスを2つおきに、垂直メモリ・アドレスをディスプレイ
・メモリのクロミナンス部分に進めることにより行われる。
図6はfull解像度フィールド処理されたクロミナンス1:2アップ・コンバート
に対する代替の補間を説明するための図である。図5を参照して説明した処理の
場合のように、アップ・コンバートされた奇数および偶数フィールドが、圧縮解
除されたフレームの奇数および偶数ラインから個々に生成される。しかし、奇数
および偶数出力フィールドの生成は異なる。1つおきの出力奇数フィールド・ラ
インは、圧縮解除されたフレームの奇数フィールド・ラインと等しい。介在して
いる出力奇数フィールド・ラインは、2つの奇数フィールド・ラインの平均から
生成され、その平均は2つの奇数フィールド・ライン間に配置される。例えば、
出力奇数フィールドラインはOn= 1/2 Cn-1 + 1/2 Cn+1である。ただし、Cn-1お
よびCn+1は、出力クロミナンス・ラインOnの上および下の圧縮解除された奇数ラ
インの個々のクロミナンス信号値に対応する。奇数クロミナンス出力ラインOn-1
およびOn+1は、それぞれ、Cn-1およびCn+1に等しい。
図11のテーブルIIの奇数フィールド部分を説明する。テーブルII1の奇数フ
ィールド部分はテーブルIの奇数フィールド部分と同一である。ただし、K値は
異なる。“O”K値を有する奇数フィールドディスプレイ・ラインでは、ライン
・ストア33からのクロミナンス信号が交互でなく出力される。例えば、奇数フ
ィールドのディスプレイ・ライン1のクロミナンス信号は信号C1である。“O”
と異なるK値を有する奇数フィールド・ディスプレイ・ラインでは、クロミナン
ス信号は、ライン・ストア(C1)からの信号のK倍と、メモリから(すなわち、マ
ルチプレクサ30から)の信号の(1-K)倍とを加算した結果である。奇数フィー
ルド・ディスプレイ・ライン3の場合は、Kは1/2であり、クロミナンス信号はC
1の1/2倍と、C3の1/2倍を加算した結果である。
個々の偶数フィールド出力ラインは、それぞれ、2つの圧縮解除された偶数フ
ィールド・ラインから、異なるプロポーションで生成される。例えば、図6にお
いて、偶数出力ラインEnは、圧縮解除されたクロミナンス・ラインCnおよびCn+2
から、それぞれ、3/4および1/4のプロポーションで生成される。次の偶数出力ク
ロミナンス・ラインEn+1は、圧縮解除された偶数フレーム・ラインCnおよびCn+2
から、それぞれ、1/4および3/4のプロポーションで生成される。
図11のテーブルIIの偶数フイールド部分を説明する。(1-H)制御列から、次
のことが分かる。すなわち、マルチプレクサ32を条件付けをして、1ライン期
間ごとに、ライン・ストア33のデータが再循環されることが分かる。このよう
にオペレートすると、ラインCnおよびCn+2のペアが2ディスプレイ・ライン間隔
で現われる。連続するラインの信号のペアが、テーブルの「メモリからのC」お
よび「ライン・ストアからのC」とラベル付けをした列にある、ことに注意され
たい。最初のラインが出力された後、K値は交互に1/4および3/4の値をとる。ラ
イン4と,ライン6と,ライン8の場合は、その信号は、
C4 = 3/4 C2 + 1/4 C4
C6 = 1/4 C2 + 3/4 C4
C8 = 3/4 C4 + 1/4 C6
等々になる。
図7はフィールド・プロセスではなくフレームにより生成されたfull解像度信
号の場合に、クロミナンスを1:2アップ・コンバートするモードを示す。この方
法はフィールド繰り返しを表す。すなわち、圧縮解除されたフレームのhalf垂直
解像度クロミナンス・ラインは、全て、奇数フィールド期間の間、単に、奇数フ
ィールド・ラインとして出力され、同一のラインが、偶数フィールド期間の間、
偶数フィールド・ラインとして出力される。
図12のテーブルIIIはマルチプレクサの制御ステータスを示す。マルチプレ
クサ35,36および30は信号F/Hにより条件付けされ、メモリからのルミナ
ンスと、要素34からの信号と、メモリからのクロミナンスを、それぞれ、パッ
シングする。奇数フィールドの間、信号Kは1であり、そのため、ライン・スト
アからのC信号と、メモリからのC信号が、プロポーション0:1で、それぞれ、
合成される。よって、マルチプレクサ36はマルチプレクサ30の出力端子から
の信号を本質的にパッシングする。あるいはまた、Kが“0”であって、偶数フ
ィールドの間、マルチプレクサ36はマルチプレクサ30からの信号であって、
1ライン期間遅延された信号をパッシングする。テーブルIIIでは、ボールド体
のクロミナンス・ラインは、奇数および偶数フィールドの間、出力されるクロミ
ナンス・ラインである。
図8は、アップ・コンバートされた奇数および偶数クロミナンス・フィールド
を、フレーム圧縮された信号から生成する補間アルゴリズムを説明するための図
である。奇数フィールド出力ラインは、圧縮解除された偶数および奇数の両方の
フレーム・ラインから生成され、偶数フィールド出力ラインは、圧縮解除された
偶数および奇数の両方のフレーム・ラインから生成される。奇数フィールド・ラ
インは、それぞれ、フレーム・ラインのペアから、プロポーション1/4:3/4で生
成される。個々のインタレース偶数フィールド・ラインは、圧縮解除されたフレ
ーム・ラインのペア・ライクから、プロポーション3/4:1/4で生成される。
図13のテーブルIVは、補間アルゴリズムに含まれる個々の信号を示し、制御
信号構成を示す。クロミナンス・ラインは、全て、偶数および奇数の両方のフィ
ールドに対して、ディスプレイ・メモリから、連続して読み出されるが、偶数フ
ィールドに対して偶数ラインは読み出されず、奇数フィールドに対して奇数ライ
ンは読み出されない、ことに注意されたい。その構成はテーブルIIIの構成と同
一である。ただし、K値のシーケンスは異なる。奇数フィールド部分のK値は全
て3/4であり、よって、奇数出力フィールド・ラインCOnが、
COn = 1/4 Cn-2 + 3/4 Cn-1
に従って生成され、全ての偶数出力フィールド・ラインCEnが、
CEn = 3/4 Cn-2 + 1/4 Cn-1
に従って生成される。
half解像度圧縮モードを考察する。1:4垂直クロミナンス・アップ・コンバー
トと、1:2垂直ルミナンス・アップ・コンバートでは、4:2:2信号を生成する必要
がある。人の眼は色よりはブライトネスに敏感なので、ルミナンスを補間し、ク
ロミナンスを単に繰り返すことが好ましい。図9は1:4クロミナンス・アップ・
コンバートを説明するための図である。図9には、圧縮解除されたhalf解像度信
号のクロミナンス・ラインの全て(奇数および偶数の両方)が、2回繰り返され
て、出力奇数フィールド・ラインが生成され、ついで、2回繰り返されて、出力
偶数フィールド・ラインが生成される。
クロミナンスがフィールド繰り返しモードで1:2アップ・コンバートされたの
と同様の方法で、ルミナンス・コンポーネントが1:2垂直アップ・コンバートさ
れる。
このhalf解像度処理の補間器構成を、図14のテーブルVに示す。テーブルV
ルミナンス部分はテーブルIIIのクロミナンス部分と同様である。マルチプレク
サ36を条件付けをして、クロミナンス・ラインをディスプレイ・メモリ18か
ら直接パッシングし、マルチプレクサ35を条件付けをして、ルミナンス信号を
要素34からパッシングし、マルチプレクサ30を条件付けをして、ルミナンス
信号をディスプレイ・メモリ18からマルチプレクサ32−ライン・ストア33
回路にパッシングする。
図15のテーブルVIはオペレーションのhalf解像度モードを示す。クロミナン
ス・ラインは全て奇数および偶数フィールドで繰り返され、ルミナンスはフィー
ルド繰り返しは行われず、補間されるオペレーションのhalf解像度モードを、図
15のテーブルVIに示す。
図10と、図16のテーブルVIIとは、half解像度クロミナンス・フィルタリ
ングと、フィールド繰り返しルミナンス・モードを示す。
クロミナンスおよびルミナンス・コンポーネントを補間することができるhalf
解像度モードは、垂直アップ・コンバートが水平アップ・コンバート前に行われ
る場合は、補間器をピクセルごとに時分割マルチプレクシングしてインプリメン
トする。half解像度モードでは、サンプル数の半分が水平ラインごとに含まれる
。クロミナンスおよびルミナンス・コンポーネントの両方のコンポーネントのha
lf解像度ラインを保持するのに充分な記憶容量が、遅延要素33には存在す
る。よって、ルミナンスおよびクロミナンス・サンプルをピクセルごとにインタ
リーブすることが可能であり、クロミナンス信号およびルミナンス信号の両方の
信号を独立に補間することが可能である。補完されたコンポーネントのデインタ
リーブは、マルチプレクサ35および36により行われる。このオペレーション
は、F/H信号を、ピクセル・レートのクロックでクロッキングして行われる。所
望の補間機能(上述した補完機能のうちの任意の機能にすることができる)に必
要なK値が、要素34に時間マルチプレクシングされる。
あるいはまた、ルミナンスおよびクロミナンス信号を、ラインごとに、インタ
リーブするか、あるいは、マルチプレクシングすることができる。この例では、
ルミナンスのラインと、クロミナンス・コンポーネントの対応するラインが、単
一ライン時間の個々の部分で、時分割マルチプレクシングされる。この時分割マ
ルチプレクシングは、信号F/Hを、ライン・レートでクロッキングして行われる
。補間されたルミナンスおよびクロミナンス・コンポーネントのデマルチプレク
シングは、ライン・レートの制御信号F/Hにより制御されるマルチプレクサ35
および36により行われる。所望の補間機能(上述した補完機能のうちの任意の
機能にすることができる)が必要とするK値も、要素34に、時間マルチプレク
シングされることになる。
後者の代替モードでは、クロミナンスおよびルミナンス・コンポーネントの補
間された出力ラインは、圧縮され、例えば、halfライン期間にされることになる
。これらの信号を伸長してfullライン期間にするため、個々の時間伸長回路38
および39が、個々のマルチプレクサ35および36の出力コネクションで含ま
れる。時間伸長回路またはラスタ・マッパは周知のものであるので、これらのオ
ペレーションの説明は行わない。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY,
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