JPH09507550A - 冷却効率の高いガスタービン翼 - Google Patents
冷却効率の高いガスタービン翼Info
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- JPH09507550A JPH09507550A JP8513937A JP51393795A JPH09507550A JP H09507550 A JPH09507550 A JP H09507550A JP 8513937 A JP8513937 A JP 8513937A JP 51393795 A JP51393795 A JP 51393795A JP H09507550 A JPH09507550 A JP H09507550A
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- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01D—NON-POSITIVE DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES, e.g. STEAM TURBINES
- F01D5/00—Blades; Blade-carrying members; Heating, heat-insulating, cooling or antivibration means on the blades or the members
- F01D5/12—Blades
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- F01D5/18—Hollow blades, i.e. blades with cooling or heating channels or cavities; Heating, heat-insulating or cooling means on blades
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F05—INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
- F05D—INDEXING SCHEME FOR ASPECTS RELATING TO NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES, GAS-TURBINES OR JET-PROPULSION PLANTS
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Abstract
(57)【要約】
4つの半径方向に延びる冷却用空気通路(51〜54)を備えた翼幹部(21)を含むガスタービン回転翼を開示する。翼根部に設けられた第1の開口部(58)により、冷却用空気は、翼前縁に隣接して設けられた第1の通路(51)に流入する。第1の通路(51)内では、冷却用空気は半径方向外方へ流れ、次いで翼先端部(45)から出る。フィン(60)が第1の通路(51)内へ突き出ており、フィンは、冷却用空気が外方へ流れているときに翼前縁(25)に当たるよう差し向けられている。第2(52)、第3(53)及び第4(54)の通路は、曲がりくねった状態に配列されている。翼根部に設けられた第2の開口部(59)により、追加の冷却用空気が第2の通路(52)に流入し、かかる追加の冷却用空気は、この第2の通路から第3の通路、そして第4の通路へ、それぞれ約180°ターンすることにより流れる。フィン(61,62,63)が通路内に突き出ており、フィンは、ターンをする際に冷却用空気が境界層の剥離を起こす傾向を抑えるような角度に差し向けられている。
Description
【発明の詳細な説明】
冷却効率の高いガスタービン翼
発明の背景
本発明は、ガスタービンの回転翼に関する。より詳細には、本発明は、高い冷
却効率又は有効性をもたらすような配向状態のフィンを備えた冷却用空気流路を
有するガスタービン用回転翼に関する。
ガスタービンのタービン区分は、翼を取り付けた一連のディスクで構成される
ロータを含む。燃焼区分からの高温ガスは、翼に当たりながら流れ、それにより
回転動力をロータシャフトに与える。ガスタービンからの動力出力を最大にする
には、ガスタービンをできるだけ高いガス温度で動作させることが望ましい。し
かしながら、高いガス温度で動作させるには、翼を冷却する必要がある。その理
由は、翼の構成材料の強度が温度の上昇につれて低下するからである。一般に、
翼の冷却は、圧縮機区分から抽気した空気を翼幹部中に流すことにより行われて
いる。
従来、冷却用空気を翼幹部中に流すことによるタービン翼の冷却方式では、代
表的には2種類の翼冷却構造のうちいずれか一方を用いていた。第1の冷却構造
では、多数の半径方向冷却孔が翼に設けられている。これら冷却孔は翼の長さ全
体にわたり、翼根部の基部で始まり、翼幹部の先端部で終わっている。翼根部の
基部に供給された冷却用空気はこれらの孔を通って流れて翼を冷却し、そして翼
先端部で、翼にあたりながら流れる高温ガス中に流れ出る。
上述の半径方向孔による冷却方式は、半径方向孔が小径であることと孔前後の
圧力降下が大きいということが相まって、孔を通過する冷却用空気の速度が高く
なるという結果が得られるので、利点があった。冷却用空気の流速が高いことに
より、熱伝達係数が高いという結果が得られる。かくして、冷却用空気の単位質
量あたりの吸収熱量は比較的大きい。残念ながら、この方式の冷却効率は、半径
方向孔の表面積が小さいので低い。
第2の冷却方式では、一般に、多数の(代表的には3つの)大きな曲がりくね
った(蛇行した)通路が翼内に形成されている。翼根部の基部に供給された冷却
用空気は、第1の通路に入り、半径方向外方に流れて翼先端部に至り、そこで方
向を逆にし、第2の通路内を半径方向外方へ流れて翼幹部の基部に達し、そこで
方向を再び変えて第3の通路内を半径方向外方へ流れ、最終的には翼幹部の後縁
又は先端部に設けられた孔を通って翼を出る。
曲がりくねった通路を通って流れる冷却用空気の有効性を高めるための種々の
方法が試行された。かかる手法の一つは、通路を形成する壁から延びるフィンを
使用することである。流れ方向と垂直に延びるフィンと、流れ方向に対して角度
をなして延びるフィンの両方を用いることが提案された。しかしながら、このよ
うにして翼幹部を適度に冷却する能力は、翼幹部の横断面積が大きなガスタービ
ンでは損なわれる。というのは、これにより、通路を通って流れる冷却用空気の
速度が減じられ、それゆえ熱伝達係数が小さくなるからである。かかる方式の冷
却能力は、高圧力比の圧縮機と関連して用いる場合にも損なわれる。というのは
、かかる圧縮機から抽気される冷却用空気の温度が比較的高いからである。
この課題の解決手段として考えられることは、翼幹部に供給される冷却用空気
を際立って多くし、それにより通路を通って流れる冷却用空気の流量を増加する
ことである。しかしながら、かかる冷却用空気流量の大幅な増加は望ましくない
。かかる冷却用空気は最終的にはタービン区分中を流れる高温ガスに混入するが
、かかる冷却用空気から得られる有用な仕事は殆ど無い。というのは、かかる冷
却用空気は燃焼区分内で昇温がなされなかったものだからである。かくして、高
い効率を達成するためには、冷却用空気の使用を最小限に保つことが肝要である
。
したがって、ガスタービン回転翼の翼幹部内を流れる冷却用空気の冷却効率を
著しく高める冷却構造を提供することが望ましい。
発明の概要
したがって、本発明の目的は、ガスタービン回転翼の翼幹部内を流れる冷却用
流体の冷却効率を著しく高める冷却構造を提供することにある。
概要を述べると、本発明の上記目的及び他の目的は、タービンの回転翼であっ
て、前縁及び後縁と、回転翼をロータに取り付けるための翼根部及び翼根部から
遠くに位置した先端部とを有し、翼根部は冷却用流体の第1の流れを受け入れる
手段を備え、第1の通路が前縁と後縁のうち一方に隣接して設けられ、第1の通
路は冷却用流体の第1の流れを翼根部から遠ざかり、先端部に向かう方向に流れ
るよう差し向ける手段を備え、複数の第1のフィンが第1の通路内へ延び、第1
のフィンは第1の通路と隣接関係にある前縁と後縁のうち前記一方に向かって延
びると共に回転翼の先端部に向かって延びるよう傾斜していることを特徴とする
タービン回転翼によって達成され、第1のフィンは、半径方向外方の方向に対し
て約45°〜60°の範囲の角度をなすよう傾斜している。好ましくは、第1の
通路と隣接関係にある前縁と後縁のうち前記一方は、前記前縁である。
本発明の一実施例では、翼根部は冷却用流体の第2の流れを受け入れる手段を
備えている。回転翼は更に、冷却用流体の第2の流れを第1の方向と第2の方向
にそれぞれ差し向ける手段を備えた第2及び第3の通路を有し、第2及び第3の
通路は連続した流体連通関係にあり、それにより冷却用流体の前記第2の流れは
第2の通路から第3の通路へ流れ、冷却用流体の第2の流れを、第2の通路から
第3の通路へ流れる際に第1の方向から第2の方向へターンさせる第1の方向変
え手段が設けられ、冷却用流体の第2の流れが第1の方向変え手段によりターン
させられているときに冷却用流体の第2の流れ中の境界層の剥離を抑止する手段
が設けられている。
また、本発明は、圧縮流体を生じさせる圧縮機と、圧縮流体の第1の部分を加
熱し、それにより高温圧縮ガスを生じさせる燃焼器と、高温圧縮ガスを膨張させ
るタービンとを有するターボ形機械に関する。タービンは回転翼を備え、回転翼
は、曲がりくねった配列状態の複数の連続した冷却用流体通路を有し、それによ
り前記通路のうち第1のものを除く通路の各々に先行して別の通路が設けられて
いる。前記通路のうち一つは、圧縮機からの前記圧縮流体の第2の部分を受け入
れる手段を備え、前記通路は各々、圧縮流体の前記第2の部分が前記先行通路の
方向とは逆の方向に流れるよう該第2の部分を差し向ける手段を備えている。複
数のフィンが、各通路内へ突き出ている。フィンは、それぞれの通路に沿って延
びるフィンの方向が、それに先行する通路に関して逆となるような角度に差し向
けられている。
図面の簡単な説明
図1は、本発明に従って構成された回転翼列を備えるガスタービンの一部の部
分概略縦断面図である。
図2は、図1に示すガスタービン回転翼の縦断面図である。
図3は、図2に示すIII−III線における横断面図である。
図4は、図2に示すIV−IV線における横断面図である。
図5は、翼根部先端部付近における図2に示す翼の一部の詳細図である。
図6は、翼幹部基部付近における図2に示す翼の一部の詳細図である。
好ましい実施例の説明
図面を参照すると、図1には、ガスタービンの一部の縦断面が示されている。
ガスタービンの主要構成要素は、圧縮機区分1、燃焼区分2及びタービン区分3
である。ロータ4が、これら3つの区分の中央に配置された状態でこれらを貫通
していることが分かる。圧縮機区分1は、交互に配置された静翼の列12と動翼
又は回転翼13を筒体7,8で包囲したものである。静翼12は筒体8に固定さ
れ、回転翼13はロータ4に取り付けられたディスクに固定されている。
燃焼区分2は、筒体8の後部と一緒に室14を形成するほぼ円筒形のシェル9
とロータ4の一部を包囲するハウジング22で構成される。複数の燃焼器15及
びダクト16が、室14内に収納されている。ダクト16は燃焼器15をタービ
ン区分3に連結している。燃料(これは、液体又はガスの形態、例えば、留出燃
料油又は天然ガスであるのが良い)が、燃料ノズル34を通って各燃焼器15に
入り、この中で燃やされて高温圧縮ガス30が生じる。
タービン区分3は、外側筒体10で内側筒体11を包囲して構成される。内側
筒体11は、静翼列及び回転翼列を包囲する。静翼は内側筒体11に固定され、
回転翼はロータ4のタービン区分の一部を形成するディスクに固定されている。
作動の説明をすると、圧縮機区分1は、周囲空気を取り入れてこれを圧縮する
。圧縮機区分1からの圧縮空気5は室14に入り、次に燃焼器15の各々に分配
される。燃焼器15内では、燃料35は圧縮空気と混合されて燃やされ、それに
より高温圧縮ガス30を生じさせる。高温圧縮ガス30はダクト16を通り、次
にタービン区分3の静翼列及び回転翼列中を流れ、この過程において、ガスは膨
張し、ロータ4を駆動させる動力を発生させる。次に、膨張ガス31をタービン
3から排出する。
圧縮機1からの圧縮空気5の一部19は、シェル9に連結されたパイプ39に
よって室14から抽気される。その結果、圧縮空気19は燃焼器15をバイパス
し、ロータ4のための冷却用空気となる。所望ならば、冷却用空気19を外部冷
却装置36によって冷却するのが良い。冷却された冷却用空気32は冷却装置3
6から、次にパイプ41によりタービン区分3に差し向けられる。パイプ41は
冷却用空気32をハウジング22に形成された開口部37に差し向け、それによ
り冷却用空気32がロータ4を包囲している冷却用空気マニホルドに入ることが
できるようにする。冷却用空気32は、通路38を通ってマニホルド24から出
て、次にロータ4内の一連の通路を通って種々の回転翼列に流れる。本発明を第
2番目の回転翼列18の冷却に関連して詳細に説明する。かかる回転翼18のう
ち一本を図2〜6に一つ示す。
図2及び図3に示すように、各列の回転翼18は、翼幹部又は翼本体21及び
翼根部20で構成される。翼幹部21は、翼根部20に隣接の基部46及び先端
部45を有する。かくして、翼幹部21の先端部45は、翼18の一端を形成し
、翼根部20はこの翼の他端を形成する。図3に示すように、翼18の翼幹部2
1は、翼根部の正圧面を形成する全体として凹状の壁42と、翼根部の負圧面を
形成する全体として凸状の壁43とで形成される。壁42,43の上流端部、下
流端部はそれぞれ翼根部21の前縁部25、後縁部26を形成する。翼根部20
は、翼18をロータに固定するようロータ4に形成されている溝と噛み合う複数
のセレーション(図示せず)を有する。
翼幹部21は実質的に中空である。半径方向に延びる壁55,56,57が、
壁42,43間に延び、翼幹部21の内部を4つの半径方向に延びる冷却用空気
通路51,52,53,54に分けている。図2に示すように、翼根部20に設
けられた第1の開口部58によって、冷却用空気32の第1の部分80が第1の
通路51に流入することになる。第1の通路51は、前縁部25に隣接して配置
され、翼根部20から翼幹部の先端部45まで延びている。第1の通路51を通
って半径方向外方へ流れた後、冷却用空気80は、翼幹部21の先端部45に形
成された半径方向に延びる穴を通って翼から流出する。
翼根部20に設けられた第2の開口部59により、冷却用空気32の第2の部
分81は第2の通路52に入るようになる。この第2の通路52も又、翼根部2
0から翼幹部の先端部45まで延びている。第1の通路51は第2の通路52に
分ける壁55は、翼根部20から翼幹部の先端部45まで延びている。しかしな
がら、第2の通路52、第3の通路53及び第4の通路54に分ける壁56,5
7は、翼根部20から翼幹部の先端部45まで完全に延びているわけではない。
そうではなくて、壁56は先端部45の手前で終端してU字形の連結通路64を
形成し、このU字形連結通路により冷却用空気81は第2の通路52から第3の
通路53に流れる。同様に、壁57は翼根部の手前で終端してU字形の連結通路
65を形成し、このU字形連結通路により冷却用空気81は第3の通路53から
第4の通路54に流れる。その結果、第2、第3及び第4の通路52,53,5
4は曲がりくねった(蛇行した)形態又は配列状態となり、冷却用空気81が通
路52から通路53へ、そして最終的には後縁部26に隣接の通路54に順次流
れるようになる。連結通路64,65により冷却用空気81は約180°ターン
し、しかる後、隣接の通路に流入する。
後縁部側の通路54から、冷却用空気81は複数の小さな流れ83に分けられ
、これら流れ83は、翼幹部21の後縁部26に穿孔された複数の軸方向に延び
る通路又は孔44を通って翼18から出る。翼18から出ると、冷却用空気83
の流れは、タービン区分3を通って流れる高温ガス30と混ざる。
本発明によれば、複数のフィン60〜63(これらは、乱流リブと呼ばれるこ
とがある)は、壁42,43から通路51〜54内へ突き出ている。図2に示す
ように、フィン60〜63は好ましくは、翼18の翼幹部21内の通路51〜5
4の高さ全体に沿って分布して配置されている。さらに、図3に示すように、フ
ィン60〜63は好ましくは、通路51〜54の実質的に軸方向長さ全体に沿っ
て延びている。図4は、第2の通路52内のフィン61を示しているが、各通路
内におけるフィンの配列状態を代表している。図4に示すように、フィン61は
、互いに反対側の壁から第2の通路52内へ横方向に突き出ており、好ましくは
、通路の幅の約10%に等しい寸法の高さを有する。フィン61は互い違いに配
列されていて、壁42から突出したフィンが壁43から突出しているフィンの間
に配置されるようになっている。フィン60〜63は、通路51〜54を通っ
て流れる冷却用空気80,81の乱流度を高くするのに役立ち、それによりその
冷却効率を高める。
本発明の重要な特徴によれば、フィン60〜64は、通路51〜54を通る冷
却用空気80,81の流れ方向(これは本質的に半径方向である)に対して角度
をなす。かくして、図5に示すように、フィンは半径方向に対して鋭角Aをなす
。好ましい実施形態では、半径方向外向きの方向に対する角度Aは、約45°〜
60°であり、最適には45°である。これは、フィンが第1、第2及び第4の
通路51,52,54内のように高温圧縮ガス30の流れ方向に対して上流へ延
びると共に半径方向外方へ傾斜していても、或いはフィンが第3の通路53内の
ように高温圧縮ガス30の流れ方向に対して上流へ延びると共に半径方向外方へ
傾斜していても、そのようになっている。
第1の通路51内において、冷却用空気80は翼幹部の基部46から半径方向
外方へ流れて先端部45に至る。したがって、本発明のうも一つの重要な特徴に
よれば、第1通路51内のフィン60は、図2及び図5に示すように、前縁25
に向かって上流の方向へ延びると共に半径方向外方に、即ち、翼幹部の先端部4
5に向かって延びるように傾斜している。その結果、冷却用空気80は、図5に
おいて符号84の矢印で最も良く示されているように半径方向外方へ流れながら
前縁25に向かって流れるよう案内される。かくして、フィン60は、冷却用空
気80の乱流度を強くするだけでなく、これを前縁に当てるのにも役立ち、それ
により前縁の冷却の効率又は有効性を増す。これは重要なことであるが、その理
由は、タービン区分3中を流れている高温ガス30が前縁25に直接当たるから
であり、前縁は、最も過熱状態になりやすい翼幹部21の部分のうちの一つであ
る。
図2及び図5に示すように、第2の通路52から第3の通路53へ流れる際、
U字形連結路64により、冷却用空気80は上述のように180°ターンする。
かかる急激な方向変化により、冷却用空気がターン部を流れる際にその境界層の
剥離(はがれ)が生じがちである。かかる境界層の剥離は、これにより通路を通
る冷却用空気の流量が減少するので好ましくない。
したがって、本発明の更にもう一つの重要な特徴によれば、冷却用空気が境界
層の剥離を生ずる傾向を抑えるのに、第3の通路53内のフィン62が、第2の
通路と第3の通路を分ける壁56に向かって上流の方向に延びると共に半径方向
内方へ、即ち、翼幹部の基部46に向かって延びるようにフィン62を傾斜させ
る。これにより、冷却用空気を図5において符号82の矢印で最も良く示すよう
にターン部を通りおえたときに分割壁56に向かって流れるよう案内する。かか
る分割壁56から遠ざかるのではなくこれに向かって、即ち、冷却用空気がター
ンする際のその回転方向に向かって冷却用空気を案内することにより、境界層の
剥離傾向が抑止される。
本発明によれば、このフィン配向策は、第4の通路54内においてもとられる
。したがって、図2及び図6に示すように、第4の通路54内のフィン63は、
第3の通路と第4の通路を分ける壁57に向かって上流の方向に延びると共に半
径方向外方へ、即ち、翼幹部の先端部45に向かって延びるよう傾斜している。
かくして、第3通路53と第4通路54の両通路の中のフィン62,63は、
その通路を通る冷却用空気流の方向に向かって延びると共に上流側の通路に向か
って延びるように傾斜しており、即ち、図2で見て、フィン62は、左側へ(上
流側の通路52に向かって)延びると共に下方へ(半径方向内方へ)傾斜し、フ
ィン63は、左側へ(上流側の通路53に向かって)延びると共に上方へ(半径
方向外方へ)傾斜している。したがって、フィン61,62,63の配向状態、
即ち、フィンが通路の長さに沿って延びる際のフィン角度は、後続の通路と逆に
なる。
理解できるように、本発明によれば、フィンは、冷却用空気81の乱流度を強
くするだけでなく、境界層の剥離を無くすことにより通路52〜54を通る冷却
用空気81の流量を増加させるのに役立つ。
本発明をガスタービン内の第2のタービン翼列と関連して説明したが、本発明
は、他方の翼列にも適用でき、しかも、翼幹部冷却有効性が重要な要因である他
形式のターボ形機械にも適用できる。したがって、本発明は、本発明の精神又は
本質的属性から逸脱すること無く他の特定の形態で実施できるので、本発明の範
囲は、上記の明細書ではなく特許請求の範囲の記載事項に基づいて定められる。
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フロントページの続き
(72)発明者 ノース,ウイリアム,イー
アメリカ合衆国,フロリダ州 32708,ウ
インタースプリングス,カユーガ・ドライ
ブ 656
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.タービンの回転翼であって、前縁及び後縁と、回転翼をロータに取り付ける ための翼根部及び翼根部から遠くに位置した先端部とを有し、翼根部は冷却用流 体の第1の流れを受け入れる手段を備え、第1の通路が前縁と後縁のうち一方に 隣接して設けられ、第1の通路は冷却用流体の第1の流れを翼根部から遠ざかり 、先端部に向かう方向に流れるよう差し向ける手段を備え、複数の第1のフィン が第1の通路内へ延び、第1のフィンは第1の通路と隣接関係にある前縁と後縁 のうち前記一方に向かって延びると共に回転翼の先端部に向かって延びるよう傾 斜していることを特徴とするタービン回転翼。 2.第1のフィンは、半径方向外方の方向に対して約45°〜60°の範囲の角 度をなすよう傾斜していることを特徴とする請求項1記載のタービン回転翼。 3.第1の通路と隣接関係にある前縁と後縁のうち前記一方は、前記前縁である ことを特徴とする請求項1記載のタービン回転翼。 4.翼根部は冷却用流体の第2の流れを受け入れる手段を備え、第2及び第3の 通路がそれぞれ、冷却用流体の第2の流れを第1の方向と第2の方向に差し向け る手段を備え、第2及び第3の通路は連続した流体連通関係にあり、それにより 冷却用流体の前記第2の流れは第2の通路から第3の通路へ流れ、冷却用流体の 第2の流れを、第2の通路から第3の通路へ流れる際に第1の方向から第2の方 向へターンさせる第1の方向変え手段が設けられ、冷却用流体の第2の流れが第 1の方向変え手段によりターンさせられているときに冷却用流体の第2の流れ中 の境界層の剥離を抑止する手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載 のタービン回転翼。 5.第2の通路と第3の通路との間に位置した壁を更に有し、境界層の剥離を抑 止する手段は、第3の通路内へ延びる複数の第2のフィンを含み、第2のフィン は第2の通路内で前記壁に向かって延びると共に第2の方向に向かって延びるよ う傾斜していることを特徴とする請求項4記載のタービン回転翼。 6.第2のフィンは、半径方向外方の方向に対して約45°〜60°の範囲の角 度をなすよう傾斜していることを特徴とする請求項5記載のタービン回転翼。 7.第1の方向と第2の方向の角度の違いは、約180°であることを特徴とす る請求項6記載のタービン回転翼。 8.第1の方向は翼根部に向き、第2の方向は先端部に向いていることを特徴と する請求項7記載のタービン回転翼。 9.第1の方向変え手段は、第2の通路と第3の通路を互いに連結する第4の通 路を含むことを特徴とする請求項4記載のタービン回転翼。 10.第4の通路が冷却用流体の第2の流れを前記第1の方向に差し向ける手段を 備え、前記第3及び第4の通路は連続した流体連通関係にあり、それにより冷却 用流体の前記第2の流れは第3の通路から第4の通路へ流れ、冷却用流体の第2 の流れを、第3の通路から第4の通路へ流れる際に前記第2の方向から前記第1 の方向へターンさせる第2の方向変え手段が設けられ、冷却用流体の第2の流れ が第2の方向変え手段によりターンさせられているときに冷却用流体の第2の流 れ中の境界層の剥離を抑止する手段が設けられていることを特徴とする請求項4 記載のタービン回転翼。 11.第2及び第3の通路内へそれぞれ突き出た第2及び第3のフィンを更に有す ることを特徴とする請求項4記載のタービン回転翼。 12.第2のフィンは前縁に向かって延びると共に翼根部に向かって傾斜し、第3 のフィンは前縁に向かって延びると共に先端部に向かって傾斜していることを特 徴とする請求項11記載のタービン回転翼。 13.第2のフィンは前縁に向かって延びると共に先端部に向かって傾斜し、第3 のフィンは前縁に向かって延びると共に翼根部に向かって傾斜していることを特 徴とする請求項11記載のタービン回転翼。 14.タービンの回転翼であって、前縁、後縁、第1の端部及び第2の端部と、第 1及び第2の冷却用流体通路とを有し、第2の通路は第1の通路と連続した流体 連通関係をなすよう第1の通路に連結されており、複数の第1のフィンが第1の 通路内へ突き出ており、第1のフィンは、第1の通路内で前記前縁に向かって延 びると共に回転翼の第1の端部に向かって延びるよう傾斜し、複数の第2のフィ ンが第2の通路内へ突き出ており、第2のフィンは、第2の通路内で前記前縁に 向かって延びると共に回転翼の第2の端部に向かって延びるよう傾 斜していることを特徴とするタービン回転翼。 15.第2の通路と連続した流体連通関係をなすよう第2の通路に連結された第3 の冷却用流体通路を有し、複数の第3のフィンが第3の通路内へ突き出ており、 第3のフィンは、第3の通路内で前記前縁に向かって延びると共に回転翼の第1 の端部に向かって延びるよう傾斜していることを特徴とする請求項14記載のタ ービン回転翼。 16.第1の通路は、冷却用流体を回転翼の第2の端部から第1の端部に差し向け る手段を備えることを特徴とする請求項14記載のタービン回転翼。 17.第2の通路は、後縁に隣接して配置されていることを特徴とする請求項14 記載のタービン回転翼。 18.第2の通路から前記後縁を貫通して延びる複数の冷却用孔を更に有すること を特徴とする請求項17記載のタービン回転翼。 19.圧縮流体を生じさせる圧縮機と、圧縮流体の第1の部分を加熱し、それによ り高温圧縮ガスを生じさせる燃焼器と、高温圧縮ガスを膨張させるタービンとを 有し、タービンは回転翼を備え、回転翼は、曲がりくねった配列状態の複数の連 続した冷却用流体通路を有し、それにより前記通路のうち第1のものを除く通路 の各々に先行して別の通路が設けられており、前記通路のうち一つは、圧縮機か らの前記圧縮流体の第2の部分を受け入れる手段を備え、前記通路は各々、圧縮 流体の前記第2の部分が前記先行通路の方向とは逆の方向に流れるよう該第2の 部分を差し向ける手段を備えており、前記回転翼は更に、各通路内へ突き出た複 数のフィンを備え、第1の通路を除き各通路内のフィンは、通路内においてフィ ンの延びる方向が、前記先行通路内で延びる方向から見て逆となるような角度に 差し向けられていることを特徴とするターボ形機械。
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