JPH09507079A - 疾患を仲介するためのビタミンd▲下3▼類似体と経路 - Google Patents

疾患を仲介するためのビタミンd▲下3▼類似体と経路

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JPH09507079A JP7517631A JP51763195A JPH09507079A JP H09507079 A JPH09507079 A JP H09507079A JP 7517631 A JP7517631 A JP 7517631A JP 51763195 A JP51763195 A JP 51763195A JP H09507079 A JPH09507079 A JP H09507079A
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Abstract

(57)【要約】 1α,25−(OH)2ビタミンD3[1α,25−(OH)23]によって仲介されるゲノムまたは非ゲノムの細胞応答を制御する方法。この方法は、ビタミンC3類似体の1,25−(OH)2−プレビタミンD3または1β,25−(OH)2ビタミンD3[1β,25−(OH)23]で、1α,25−(OH)23に対し非ゲノム応答を呈する細胞を処理することを含む。1,25(OH)2−プレビタミンD3は、細胞応答を促進する作動薬として機能し、他方1β,25−(OH)23は、拮抗薬として機能する。トランスカルタキアは、非ゲノム応答の一つであり、1,25(OH)2−プレビタミンD3または1β,25−(OH)23の投与により影響され、制御することができる。ゲノムおよび/または非ゲノム細胞応答を制御するのに使用しうるさらに15種の類似体が開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】 疾患を仲介するためのビタミンD3類似体と経路 発明の背景 本願は、1993年12月23日付けで出願した同時係属中の米国特許願第0 8/173,561号の一部継続出願である。本発明は、米国国立衛生研究所か ら与えられた助成番号DK−09012とDK−16,595に基づいた政府援 助によってなされたものである。米国政府は、本発明にある種の権利を有してい る。1. 発明の分野 本発明は、一般に、ビタミンD内分泌系に関する。さらに詳しくは、本発明は 、1α,25−(OH)2ビタミンD3[1α,25−(OH)23]によって仲 介されるゲノムおよび非ゲノムの細胞応答を制御する方法に関する。2. 関連技術の説明 本発明の背景を説明しかつ本発明の実施に関する追加の詳細事項を提供するた め、本明細書に引用した刊行物と他の参照文献は、本明細書に援用するものであ る。便宜上、これらの参照文献は、番号で引用し、付属の参考文献リストに明記 した。 ビタミンD3は、高等動物の広範囲にわたる生物学的応答に感与するセコステ ロイド(secosteroid)である。これらの生物学的応答としては、カルシウムホ メオスタシスの維持、免疫調節および選択さ れた細胞の分化がある。ビタミンD3自体は、生物学的に不活性である。しかし 、ビタミンD3の代謝によって、1α,25−(OH)23のような代謝物が生 成すると、ビタミンD内分泌系の役割として観察される広範囲の生物学的応答に 関与する生物活性化合物が生成する。 1α,25−(OH)23は、核受容体と相互に作用して多くの生物学的応答 を起こす。核受容体とのこの相互作用の結果、遺伝子転写が調節される(1、2 、3)。1α,25−(OH)23に対する核受容体は、30種類の組織中に存 在していることが分かっており、そして、ステロイドホルモン類、レチノイン酸 およびチロキシンの受容体を含むタンパク質の同じスーパーファミリーに属して いる(1、4、5)。上記ゲノム応答に加えて、サブセットの生物学的応答が、 非ゲノム機構を通じて1α,25−(OH)23によって仲介されることが明ら かになっている(3、6)。これらの生物学的応答としては、トランスカルタキ ア(transcaltachia)として知られている腸のCa2+輸送の迅速な刺激がある( 7〜9)。トランスカルタキアによってCa2+チャネルが開放される(10)。 1α,25−(OH)23によって仲介される他の非ゲノム細胞応答としては、 ラットの骨肉腫細胞の電位差開閉Ca2+チャネル(voltage-gated Ca2+ channel )の開放(11、12)ならびに腎臓(13)、肝臓(14)、上皮小体細胞( 15)および腸(16)における他の迅速な作用がある。 発明の概要 本発明によって、1α,25−(OH)23のある種の類似体が1α,25− (OH)23によって仲介される非ゲノム細胞応答を 制御するのに有効であることが発見されたのである。本発明の特徴は、非ゲノム 細胞応答の拮抗薬または作動薬として機能する特定の類似体が選択されることで ある。その結果、1α,25−(OH)23によって仲介される細胞応答を制御 することができる。 トランスカルタキアは、本発明に従って制御することができる特別の非ゲノム 細胞応答である。トランスカルタキアの作動薬として用いることができるビタミ ンD類似体としては、1α,25−(OH)2−プレビタミンD3がある。トラン スカルタキアの低下が望ましい場合、1β,25−(OH)2ビタミンD3[1β ,25−(OH)23]を拮抗薬として用いる。 本発明によって提供される制御方法は、各種の細胞が示す、1α,25−(O H)23のトランスカシアなどの非ゲノム応答を制限または増進するのに有効で ある。本発明は、生体内および生体外の両方での非ゲノム応答を制御するのに有 用である。 本発明の他の特徴は、ゲノムまたは非ゲノムの細胞応答を制御するのに有効な 15種の類似体を提供することである。これら15種の類似体については以下の 詳細な説明で説明する。 本発明の上記のおよび他の多くの特徴とそれに伴う利点は、添付図面とともに 以下の詳細な説明を参照することによって充分に理解できるようになるであろう 。 図面の簡単な説明 図1Aは、プレビタミンD3の生成を含むビタミンD3生成の代謝図式を示す。 図1Bは、ホルモンとして活性な形態のビタミンD3すなわち1α,25−( OH)23の2種の立体配座を示す。 図2は、1,25−(OH)2−プレ−ビタミンDと1α,25−(OH)23 の形態の間の平衡関係を示す。 図3は、1α,25−(OH)23、1β,25−(OH)23および他の類 縁類似体の構造を示す。 図4は、1α,25−(OH)23、1β,25−(OH)23および他の類 縁類似体の構造を示す。 図5Aは、ビタミンDが豊富なひなどり由来の灌流された十二指腸の静脈流( venous effluent)への45Ca2+の出現に対する1,25−(OH)2−d5−プ レ−D3および1,25−(OH)23の効果を示す。各十二指腸を、452+( 5μCi/ml)含有GBSSで満たし、血管に、最初の20分間(25℃)対 照の媒体(0.125%のウシ血清アルブミンと0.05μlのエタノール/m lを含有するGBSS)を灌流し、次いで直ちに60pMの1,25−(OH)2 −d5−プレ−D3、60pMの1,25−(OH)2−d5−プレ−D3または対 照の媒体を灌流させた。数値は、各試験グループ内の5個の十二指腸についての 平均値±S.E.である。(●:1,25−(OH)23、△:1,25−(O H)2−d5−プレ−D3、□:対照)。 図5Bは、灌流された十二指腸のトランスカルタキアを刺激する際の1,25 −(OH)23と1,25−(OH)2−d5−プレ−D3の投与応答の分析結果 を示す。試験条件は、図5Aについて記載したのと同じであった。数値は、各濃 度の作動薬で灌流した3〜5個の十二指腸に対する30分の時点での平均値±S .E.である。作動薬に暴露されていない十二腸について*p<0.02、**p <0.01、***p<0.005である。 図6は、1,25−(OH)23または1,25−(OH)2−d5 −プレ−D3によって剌激された骨肉腫細胞中への45Ca2+の取り込みの測定結 果を示す。左側挿入図は、静止緩衡液(resting buffer)内(R)、刺激緩衡 液内(S)および最適濃度の1,25−(OH)23に暴露されたとき(C)の 細胞の45Ca2+取込み特性を示す。ROS17/2.8細胞を実施例1に記載し たようにして45Ca2+について検定した。すべての場合、静止緩衡液に暴露され た細胞にセコステロイドを添加した。1,25−(OH)2345Ca2+の取込 みを刺激し、最大の応答は1.0〜5.0nMの間で起こった(文献28参照) 。データ点は、3組測定値の平均値±S.D.を示す。 図7Aは、ブタ腸粘膜由来の1,25−(OH)23核受容体の、1,25− (OH)23(●)、1,25−(OH)2−d5−プレ−D3(△)および1, 25−(OH)2−d5−D3(▲)に対するアフィニティーを示す。示したデー タは、3回の実験の平均値±S.D.である。 図7Bは、ひなどりの腸受容体とブタの受容体の1,25−(OH)23(類 似体C)、1,25−(OH)2−d5−プレ−D3(類似体HF)および1,2 5−(OH)2−d5−D3(類似体HG)に対するRCIの測定結果を示す。R CIの数値は、図中に示し、平均値および得られる場合は±S.E.(n=5) を示し、実施例1に記載したようにして算出した。 図8は、精製ヒトDBPの、1,25−(OH)23(○)、1,25−(O H)2−d5−プレ−D3(△)および1,25−(OH)2−d5−D3(▲)に対 するアフィニティーを示す。示したデータは、平均値±S.D.(n=2)であ る。 図9は、ビタミンD欠乏ひなどりに1,25−(OH)23とそ の類似体400ngを一回筋肉注射した後のこれら注射したもののオステオカル シン(osteocalcin)の血清濃度に対する効果を示す(●:1,25−(OH)2 3、△:1,25−(OH)2−d5−プレ−D3、▲:1,25−(OH)2− d5−D3)。数値は、平均値±S.E.(8羽のひなどり/グループ)を示す。 図10Aは、1,25−(OH)23およびその類似体の1,25−(OH)2 −d5−プレ−D3と1,25−(OH)2−d5−D3をマウスに連続投与した場 合の血清Ca2+に対する効果を示す。提示したセコステロイド類の提示した投与 量をマウスの腹腔内に7日間毎日投与した。数値は平均値±S.E.(6頭のマ ウス/グループ)を示す。対照グループと比較して*p<0.01である。 図10Bは、1,25−(OH)23およびその類似体の1,25−(OH)2 −d5−プレ−D3と1,25−(OH)2−d5−D3をマウスに連続投与した場 合のオステオカルシンに対する効果を示す。提示したセコステロイド類の提示し た投与量をマウスの腹腔内に7日間毎日投与した。数値は、平均値±S.E.( 6頭のマウス/グループ)を示す。対照と比較して*p<0.01である。 図11は、MG−63細胞中の1,25−(OH)23とその類似体の、増殖 の阻害(図11A)とオステオカルシンの誘発(図11B)に対する効果を示す (●:1,25−(OH)23、△:1,25−(OH)2−d5−プレ−D3、 ▲:1,25−(OH)2−d5−D3)。示したデータは、2回繰返した代表的 な実験から得たデータである。 図12は、1,25−(OH)23とその類似体の、HL−60細胞の分化に 対する効果を示す。その分化作用は、ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)還 元法で評価した(●:1,25−(OH)23、△:1,25−(OH)2−d5−プレ−D3、および▲:1,25−(O H)2−d5−D3)。示したデータは、2回繰返した代表的な実験から得たデー タである。 図13は、トランスカルタキア検定時の1α,25−(OH)23の4種のA −リングジアステレオマーの選別の結果を示す。血管に、最初の20分間(25 ℃)対照の媒体(0.125%のウシ血清アルブミンと0.05μlのエタノー ル/mlを含有するGBSS)を灌流し、次いで直ちに提示した濃度の要求され た類似体または対照の媒体を灌流させて、GBSS中への45Ca2+(5μCi/ ml)の出現に対する各類似体の効果を測定した。数値は、各実験グループ内の 5個の十二指腸についての平均値±S.E.である(●:提示した類似体、○: 対照)。 図14は、灌流されたひなどりの十二指腸の1β,25−(OH)23で刺激 された腸の45Ca2+輸送活性の拮抗作用を示す。各十二指腸は、45Ca2+(5μ Ci/ml)含有GBSSで満たし、血管で、最初の20分間、対照媒体(0. 125%のウシ血清アルブミンおよび0.05%μlのエタノール/mlを含有 するGBSS)を灌流させ(25℃)、次に、300pMの1α,25−(OH )23(類似体C)もしくは300pMの1β,25−(OH)23(類似体H L)単独またはこれら類似体を混合したもの(300pM)を灌流させた。数値 は、1グループ当り4個または5個の十二指腸についての平均値±S.E.であ る。 図15は、トランスカルタキアに対する1α,25−(OH)23の作動薬作 用を阻害する1β,25−(OH)23の性能を評価した結果を示す。図15A の場合は、各種の濃度の1α,25−(OH)23を予めまたは同時に灌流され た十二指腸に1β,25− (OH)23(HL)を加えた。提示したデータは、4個または5個の十二指腸 から得た平均値±S.E.を示す(●類似体HLおよびC[1α,25−(OH )23]、○:対照)。図15Bは、300pMの1α,25−(OH)23に よるトランスカルタキアの刺激を阻害する1β,25−(OH)23の投与応答 の関係を示す。データは、32分におけるタイムコースプロット(time-course plot)(図15Aに示す)から抽出した処理後(treated)/基本値(basal val ue)の比率の値±S.E.を示す。 図16は、1α,25−(OH)23(C)によって剌激される骨肉腫細胞へ の45Ca2+の取込みの1β,25−(OH)23(HL)による阻害を示す。左 側の図は、静止緩衡液中(R)、刺激緩衡液中(S)、および最適濃度の1α, 25−(OH)23に暴露されたとき(C)の該細胞の45Ca2+取込み特性を示 す。HLとCの両者を含む各処理では、HLの濃度は上側の値であり、Cの濃度 は下側の値である。ROS17/2.8細胞を実施例2に記載されているように して45Ca2+について検定した。すべての場合、セコステロイド類は、静止緩衡 液に暴露されている細胞に添加した。1,25−(OH)23で刺激された45C a2+の最大応答による取込みは、1.0〜5.0nMの間で起こる。データ点は 、3組測定の平均値±S.D.を示す。 図17は、ビタミンD欠乏ひなどりのICA(図17A)とBCM(図17B )に対する1α,25−(OH)23、1β,25−(OH)23および1α, 25−(OH)2−3−エピ−D3の投与応答効果を示す。ビタミンD欠乏ひなど りに、検定を行う12時間前、類似体および1α,25−(OH)23を筋肉内 に投与した。対照のD3は検定を行う48時間前に投与した。試験結果は、5〜 7 匹のひなどり群の平均値±S.E.として示す。各検定には、負の対照、白抜き 棒グラフ(open bar)(−D)およびビタミンD3 3.25nmolの正の対照 、黒塗り棒グラフ(solid black bar)を含めた。これらの群間には、p<0. 01にて有意差があった。別個の生物検定法で、4種のジアステレオマーについ て詳細な評価を実施し、その結果を表1に要約してある。 図18は、MG−63細胞中4種のA−リングジアステレオマーのオステオカ ルシン誘発に対する効果を示す。1α,25−(OH)23と1β,25−(O H)23の両者を、オステオカルシンを誘発するこれらの性能について互いに独 立して評価した(図18A)(●:1α,25−(OH)23、○:1β,25 −(OH)23(HL)、□:1β,25−(OH)2−3−エピ−D3(HH) )。さらに、オステオカルシンの誘発に対する1α,25−(OH)23の作用 に拮抗する1β,25−(OH)23の性能を評価した(図18B)。この実施 例では、1β,25−(OH)23の濃度は、10-9〜10-7Mに一定に保持し 、一方1α,25−(OH)23の濃度は、10-11Mから10-6Mまで変えた (▽:10-9M 1β,25−(OH)23+各種濃度の1α,25−(OH)23、□:1β,25−(OH)23 10-8M+各種濃度の1α,25−(O H)23、△:1β,25−(OH)23 10-7M+各種濃度の1α,25− (OH)23)。また、1α,25−(OH)23(●)と1β,25−(OH )23(○)は単独で、すなわち他のセコステロイドなしで、評価した。詳細は 、実施例2参照。示したデータは、代表的な実験から得たデータであり、3回実 験を行った。 図19は、HL−60細胞の分化に対する1α,25−(OH)23と1β, 25−(OH)23の効果を示す。セコステロイド類 の分化作用は、実施例2に記載されているようにしてNBT還元法で評価した。 示したデータは、2回繰返した代表的な実験から得た(●:1α,25−(OH )23、○:1β,25−(OH)23、▽:1α,25−(OH)23 10-9 M+各種濃度の1β,25−(OH)23、△:1α,25−(OH)23 10-8M+各種濃度の1β,25−(OH)23、□:1α,25−(OH)2 3 10-7M+各種濃度の1β,25−(OH)23)。 図20は、角化細胞の分化に対する1α,25−(OH)23A−リング類似 体の効果を示す。ヒト皮膚角化細胞は、実施例2に記載されているようにして、 96ウエルプレートでの組織培養で増殖させた。A−リング類似体を提示した濃 度で添加し、次いで[3H]チミジンを添加することによって、細胞の増殖速度 を3時間評価した(●:1α,25−(OH)23、□:1β,25−(OH)23、△:1β,25−(OH)2−3−エピ−D3、◇:1α,25−(OH)2 −3−エピ−D3)。 図21は、本発明の類似体:GE、GF、HS、IB、JD、JM、JN、J OおよびJPの構造式を示す。 図22は、本発明の類似体:JR、JS、JV、JW、JXおよびJYの構造 式を示す。 図23は、類似体:GEとGFを製造する合成経路を示す。 図24(A)と(B)は、類似体:JMとJNそれぞれを実施例6に記載され ているようにして試験した結果を示す。この試験では、十二指腸ループ中の45C a2+の輸送料を増大させて、1α,25−(OH)23または1α,25(OH )2−7−デヒドロコレステロール(JM)または1α,25(OH)2−ルミス テロール3を血管で灌流させ[45Ca2+(5μCi/ml緩衝液)]、そして最 初の 20分間は対照の媒体を血管で灌流させ、最後の10分間は2分間隔で静脈流を 集めて基本の輸送速度(basal transport rate)を求めた。次に、その十二指腸 は、ビヒクルエタノール(最終濃度0.005%)を含有する対照媒体に腹腔動 脈を通じて再度暴露させるか、または300pMの作動薬または650pMの作 動薬を血管で灌流させた。静脈流を再び2分間隔で集めて液体シンチレーション 分光光度法に付した。処理された相中の試験結果を各十二指腸内の基本の平均輸 送に対して正規化した。数値は、平均値±SEM(各グループ中n=4)を示す [(A)JMを灌流、(B)JNを灌流]。各グラフには、ビヒクル対照と正の 対照としての650pMの1α,25(OH)23が含まれている。 図25(A)と(B)は、実施例6に記載したようにして類似体のJMとJN それぞれを試験した結果を示す。この試験では、トランスカルタキアに対する作 動薬としてのJMとJNの投与応答を分析した。十二指腸に、図24について記 載したようにビヒクルまたはある範囲の濃度のJMまたはJNを灌流させた。灌 流を40分行った後の正規化輸送量を、提示した濃度の(A)JM、(B)JN に対して示す。 図26は、本発明の類似体類を使用して治療することができる各種の疾患を示 すチャートである。 図27は、類似体IBの合成を示す図式である。 詳細な説明 本発明は、1α,25−(OH)23によって仲介されるトランスカルタキア などの非ゲノム細胞応答を制御する方法を提供するものである。上記の非ゲノム 細胞応答の活性化は、本発明に従って細 胞を1,25−(OH)2−プレビタミンD3(図2に示す化合物BC)で処理す ることによって達成される。この1,25−(OH)2−プレビタミンD3は、実 施例1に詳細に記載するように、トランスカルタキアの作動薬であることが見出 されたのである。 本発明の他の態様では、実施例2に記載されているようにして細胞を1β,2 5−(OH)23で処理することによって、1,25−(OH)23で仲介され る非ゲノム応答に拮抗させる。 1α,25−(OH)2−プレビタミンD3または1β,25−(OH)23に よる治療は、諸実施例に述べられているようにして、すなわち、適当な医薬担体 中の類似体を直接注射または灌流することによって、達成することができる。投 与レベルは、諸実施例に記載されている投与レベルに類似したレベルが好ましい 。処理される細胞のタイプは、1α,25−(OH)23が仲介する非ゲノム細 胞応答を受けることが知られているものであればよい。これらの細胞は、生体内 または生体外で処理することができる。例えば、本発明に従って制御することが できる好ましい非ゲノム仲介応答は、腸のCa2+チャネルの開放を行うトランス カルタキアである。カルタキア(caltachia)の制御は、好ましくは、 所望の上記拮抗薬または作動薬の類似体を選別し、それを腸内に灌流することに よって達成される。 以下の二つの実施例によって、本発明について一層詳細に、プレビタミンD3 または1β,25−(OH)23を用いて、1α,25−(OH)23が仲介す る非ゲノム応答を変えることについて述べる。実施例1 下記の実施例によって、プレビタミンD3が、1α,25−(OH)23によって仲介される2種の非ゲノム細胞応答を刺激するのに有用であること を例証する。具体的に述べると、この実施例は、分離され灌流されたひなどりの 十二指腸のトランスカルタキアが剌激され、かつラットの骨原性肉腫細胞のCa2+ チャネル開放も刺激されることを示す。 図1Aは、ビタミンD3産生の代謝図式を示す。皮膚内に存在しているプロビ タミンの7−デヒドロコレステロールが、紫外線の照射によってセコステロイド のビタミンD3に変換される。プレビタミンD3は、ビタミンD3と熱平衡の状態 にあり、この変換は[1,7]−シグマトロピックシフト、すなわち、水素の炭 素−19から炭素−9への分子内移動によって行われる。得られた生成物のビタ ミンD3は、C/Dリング構造に対するAリングの配向について立体配座が移動 性の分子である。この図の下部に示すように、セコ−Bリングが炭素6−7の単 結合のまわりを回転するため2種の立体配座のうちの一方の配座をとることがで きる。すなわち、6−s−シス配向の場合、Aリングは、通常のステロイド配向 のようにC/Dリングに関連して本明細書では「ステロイド様立体配座」と呼称 され、そして立体配座が6−s−トランス配向の場合は、Aリングは、「伸びき り立体配座」で存在している。図1Bは1,25−(OH)23の2種の配向を 示す。1,25−(OH)23は、炭素−6と炭素−7の間の単結合のまわりを 自由に回転するので、溶液中で、ステロイド様立体配座(6−s−シス)または 伸びきり立体配座(6−s−トランス)の配向をとることができる。 45Ca2+は、Du Pont−New England Nuclear社か ら入手した。1,25−(OH)23は、Hoffman La Roche社 (米国ニュージャージー州ナットリー所 在)から入手した。[メチル−H3]チミジン(2Ci/mmol)は、Ame rsham Corp.社から購入した。細胞の培養培地は、GIBCO社から 購入した。ペニシリンとストレプトマイシンは、Boehringer社(ドイ ツのマンハイム所在)から購入した。4−ニトロブルーテトラゾリウムは、Si gma社から入手した。ヒト血漿ビタミンD結合タンパク質(DBP)は、前に 記述(17、18)のアフィニティクロマトグラフィーによって製造した。 1,25−(OH)2−9,14,19,19,19− d5−プレ−D3(類似体HF)の化学合成 類似体のHFと1,25−(OH)2−d5−D3(類似体HG)をカーチン− オカムラ(Curtin and Okamura)法(19)にしたがって合成した。1,25− (OH)2−d5−プレ−D3は、約1年間−60℃で貯蔵し、時々周囲温度まで 昇温させて試料を取出し生物学的に評価したところ、試料はビタミン形を4.4 %およびプレビタミン形の類似体HFを95.6%含有しているという分析結果 が得られた。時々昇温させることなく同じ温度に維持した1,25−(OH)2 −d5−プレ−D3の類似の試料または新たに合成した試料は、比較したところ、 ビタミン形を1.2%およびプレビタミン形を98.8%含有していることが分 かった。この組成測定は、Watersホトダイオードアレーデテクターを用い 、順相カラム(溶媒として90%の酢酸エチルと10%ヘキサンを用い、流量が 5ml/minのWhatman Partisilカラム)の分析用高性能液 体クロマトグラフィーで実施した。電子工学的に積分したピーク面積は、一方は 260nmで得、他方は266nmで得た二つの値の平均値であった。[1,2 5−(OH)2−d5−D3 DE =17,200、1,25−(OH)2−d5−プレ−D3 E=7,200]。 切取って重量を測定した積分ピーク面積を用いて別個に比較して照合確認したと ころ、±0.7%で全体が一致することが分かった。保持時間は、次のとおりで あった。1,25−(OH)2−d5−D3:約18分、1,25−(OH)2−d5 −プレ−D3:約24.5分であった。これらの保持時間は、これら2種のセコ ステロイドの非重水素化形のものと殆ど同一である。 動物と細胞 白色レグホンのひな雄どり(米国カリフォルニア州レイクビュー所在のLak eview Farms社)を孵化の日に入手し、ビタミンD補充餌(1.0% カルシウムおよび1.0%リン、米国カリフォルニア州オンタリオ所在の0.H .Kruse Grain and Milling社)で5〜6週間飼育して 通常のビタミンD3−豊富ひなどりをつくった。動物を用いる実験は、すべて、 the University of California−Riversi de Chancellor’s Committee on Animals in Researchの許可を受けた。 ヒト前骨髄球白血病細胞系(HL−60)とMG−63細胞は、the Am erican Type Culture Collection(米国メリー ランド州ロックビル所在)から入手した。1日齢のRIRひなどりを窓なし室内 に入れ、ビタミンDの豊富餌で1週間飼育し、続いてビタミンD欠乏餌(オラン ダのバーデン所在のHope Farms社)で続いて5週間飼育した。合計6 週間経過してから、グループ分けを行い、10:10:80v/v/vのエタノ ール、Tween80、NaCl、0.9%で可溶化した400ngの1,25 −(OH)23または類似体のHFもしく はHGを一回筋肉内注射した。セコステロイドを投与してから3,2,4,6, 9,12,16,24および36時間後に羽根の静脈から血液を採取した。これ らひなどりのタンパク質に対して生成する特異的抗ひなどり抗血清を用いるラジ オイムノアッセイによって血清オステオカルシンを測定した。NMRI系のマウ スに通常の餌(Hope Farms社)を40〜60日間与えた。これらのマ ウスには、1,25−(OH)23または類似体のHFとHGを7日間毎日皮下 に投与した。血清Ca2+を原子吸光分光法で測定し、血清オステオカルシンのレ ベルをラジオイムノアッセイで測定した。ブタの腸粘膜は、ケタラール(Ket alar)で麻酔した20kgのブタから得た。その粘膜を削り取り、1,25 −(OH)23核受容体を調製するときまで−80℃で貯蔵した(以下を参照) 。 Merk,Sharp and Dohme社(米国ペンシルベニア州ウエス トポイント)から入手したROS17/2.8細胞を、ダルベッコの改良イーグ ル培地とハムのF−12培地の1:1混合物でウシ胎児血清(GTBCO−BR L社)を10%含有する培地で培養した。この培地は、文献(24)に記載され ているようにして、1.1mMCaCl2を補充した。45Ca2+の取込みの試験 の場合、細胞を、3.5cmの皿の中に30,000細胞/mlの密度で接種し 、約50%の集密度まで増殖させた。 カルシウム取込みの検定 ROS17/2.8細胞のCa2+取込みをすでに報告されている(20)手順 を用いて検定した。検定は、1分間を標準にしたが、予備実験はこの1分間が直 線的取込みの区間内にあることを実証した。培地を吸引し、細胞を室温のハンク ス緩衡食塩水で洗浄し、次いで「静止緩衡液」(132mMのNaCl、5mM のKCl、1. 3mMのMgCl2,1.2mMのCaCl2、10mMのグルコースおよび25 mMのトリス−HCl、pH7.4を含有)または「剌激緩衡液」(5mMのN aCl、132mMのKCl、1.3mMのMgCl2,1.2mMのCaCl2 、10mMのグルコースおよび25mMのトリス−HCl、pH7.4を含有) で1分間培養した。両方の取込み溶液には、12.5μCi/mlの45Ca2+( Du Pont−New England Nuclear社)と図2に示す濃 度のビタミンD作動薬を含有させた。取込みは、上記標識溶液を吸引して停止さ せ、次に氷冷静止緩衡液で3回洗浄した。細胞に結合した45Ca2+を、0.5M のNaOHとともに2時間インキュベートすることによって抽出し、液体シンチ レーションカウンティング法で測定した。ROS17/2.8細胞の単層培養物 による45Ca2+の取込み量は、密度依存性であることが見出された。最大の取込 み速度は50%〜80%の集密度の培養物の場合に一貫して見られた。 腸の45Ca2+輸送(トランスカルタキア) 45Ca2+輸送の測定は、すでに報告されている(21〜23)ように、灌流さ れたひなどりの十二指腸で実施した。体重が約500gの通常のビタミンD豊富 ひなどりをクロロペント(Chloropent)(米国アイオア州Fort Dodge、0.3ml/100g)で麻酔し、次に外科手術で十二指ループを 露出させた。腹腔動脈から分岐する血管を照明した(light)後、腹腔動脈 自体のカニュレーションを行い、同時に血管灌流を開始した。次に、十二指腸ル ープを切り取り、腹腔静脈のカニュレーションを行ってから、食塩水でぬらした チーズクロスの層(24℃)の間に入れた。動脈の灌流を、カニュレーション中 に、0.9mMのCaCl2を含 有させて改良し95%のO2と5%のCO2で酸化させた改良グレイ平衡塩類溶液 (GBSS)を用いて2ml/minの流速で開始した。補助ポンプを用いて、 ビヒクル(エタノール)または試験物質+アルブミン(0.125%w/vの最 終濃度)を、血管灌流液中に0.25ml/minの流速で導入した。45Ca2+ (5μCi/ml)を含有しているが重炭酸塩またはグルコースなしのGBSS をフラッシュさせて腸の内腔を満たした。基本輸送速度(basal transport rate )は、腸内腔を45Ca2+で満たした後、20分間対照媒体を灌流させることによ って確認した。次に、その組織を、さらに40分間、1,25−(OH)23ま たは1,25−(OH)2−d5−プレ−D3に暴露するかまたは対照の媒体に再 暴露した。基本試験期間の最後の10分間および全処理期間中、2分間隔で血管 灌流液を収集した。100μlずつ2回採取して、45Ca2+のレベルを液体シン チレーション分光測定法で測定した。試験結果は、40分間の試験期間に出現す る45Ca2+/平均初期基本輸送期間の45Ca2+の比率で表す。 リガンド結合の試験 1,25−(OH)23に対するひなどり腸の核受容体に結合するため[3H ]1,25−(OH)23と競合する各類似体の相対的性能を標準の手順にした がって生体外の条件下で実施した(24、25)。この検定では、濃度を高めた 非放射性1,25−(OH)23または試験類似体を、固定飽和量の[3H]1 ,25−(OH)23およびビタミンD欠乏ひなどりから得たひなどり腸核抽出 物とともにインキュベートした。そして[3H]1,25−(OH)23の最大 結合百分率の逆数を算出し、類似体と[3H]1,25− (OH)23の相対濃度の関数としてプロットした。このプロットによって、各 類似体に対して特徴的な真っ直ぐなグラフカーブ(linear curve)が得られ、そ の傾斜は類似体の競合指数値(competitive index value)(24)に等しい。 次に、各類似体の競合指数値を、競合ステロイドとしての非放射性1,25−( OH)23で得た標準カーブに対して正規化し、相対競合指数(RCI)のリニ ア−スケール(linear scale)上に置いた。なお、1,25−(O H)23の定義によるRCIは100である。1,25−(OH)23受容体に 対する結合は、ビタミンD豊富ブタから得た粘膜で測定した。凍結(−80℃) 十二指脳粘膜を4倍容積の緩衡液(0.5Mのトリス−HCl、0.5MのKC l、5mMのジチオトレイトール、10mMのNa2MoO4、1.5mMのED TA、pH7.5)中で音波処理した。高速上澄液(high speed supernatant) を、0.2nMの[3H]1,25−(OH)23、および最終容積が0.3m lの濃度を上げた非放射性の1,25−(OH)23またはその類似体とともに 一夜25℃でインキュベートし、次いで4℃で5分間インキュベートした。次に 、デキストランでコートした冷チャーコールを添加して、相分離を起こさせた。 1,25−(OH)23およびその類似体のhDBPに対する結合は、すでに 報告されているのとほぼ同様にして4℃で実施した(26)。[3H]1,25 −(OH)23および1,25−(OH)23またはその類似体をガラス試験管 中5μlのエタノールの中に添加し、最終容積1ml(0.01Mのトリス−H Cl、0.154MのNaCl、pH7.4)でhDBP(0.18μM)とと もに4℃で4時間インキュベートした。次に、デキストランでコートした冷チャ コール0.5mlとを添加して相分離を起こさせた。 HL−60細胞とMG−63細胞の培養条件 10%の熱で不活性化したウシ胎児血清(GIBCO社)、100単位/ml のペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシン(Boehring er社)を補充したRPMI1640培地に、HL−60細胞を1.2×105 細胞/mlで接種し、次にエタノール中の1,25−(OH)23またはその類 似体(最終濃度<0.2%)を添加した。空気中5%CO2の加温雰囲気中で4 日間37℃で培養した後、ディッシュを振盪して粘着している細胞をはずし、全 細胞について、ニトロブルーテトラゾリウム還元検定法によって分化について検 定し、そして[3H]チミジン取込みによって増殖について検定した。熱不活性 化チャコールで処理したウシ胎児血清を2%含有するダルベッコの改良イーグル 培地200μl中[96ウエル平底培地プレート(Falcon,米国ニュージ ャージー州所在のBecton Dickinson社)を使用]に5×103 細胞/mlで接種し、次いでエタノール中の1,25−(OH)23またはその 類似体(最終濃度<0.2%)を添加した。空気中5%CO2の加温雰囲気中で 72時間37℃で培養した後、[3H]チミジン取込みによる増殖の阻害および 培地中のオステオカルシン濃度の測定を、相同ヒトラジオイムノアッセイを用い て実施した(26)。 ニトロブルーテトラゾリウム還元検定法 超酸化物の産出を、すでに報告されているようにして(26)、ニトロブルー テトラゾリウム還元活性で検定した。1.0×105細胞/mlのHL−60細 胞を、ホルボール12−ミリステート13−アセテート(200ng/ml)お よびニトロブルーテトラゾリ ウム(2ng/ml)の新しく調製した同容積の溶液と混合し、37℃で30分 間インキュベートした。黒色のホルマザン堆積物を含有する細胞の百分率を血球 計を用いて測定した。 統計的評価 データの統計学的評価を非対測定値(unpaired observati ons)についてスチューデントの検定法で実施した。 この実施例では、2種の重水素化類似体の1,25−(OH)2−d5−プレ− D3(HF)および1,25−(OH)2−d5−D3(HG)の生物学的特性を1 ,25−(OH)23と比較する。これら類似体の構造を図2に示す。1,25 −(OH)2−d5−プレ−D3すなわち類似体HFは、動力学的にそのプレビタ ミン形に抑制されている(21)(一次重水素の動力学的同位体効果のため)の で、6−s−シス形の1,25−(OH)23の類似体(図1)としてしか機能 できない。 非ゲノム作用 − 図5Aは、トランスカルタキアの非ゲノム生物学的応答を 刺激する1,25−(OH)23と1,25−(OH)2−d5−プレ−D3の相 対性能の試験結果を示す。生理学的濃度60pMの1,25−(OH)2−d5− プレ−D3を34分間血管灌流させると、45Ca2+の輸送量が対照のレベルの4 .5倍まで増大した。両者のセコステロイドの45Ca2+に対する刺激作用は、す でに報告されているように(7、9)2〜8分間以内に有意になった。図5Bは 、トランスカルタキアを刺激するその性能によって各セコステロイドに対する投 与応答の関係を示す。類似体の1,25−(OH)2−d5−プレ−D3は、10 pMの投与量でトランスカルタキアを有意に刺激することができ、かつ60pM のセコステロイドによって 最大の応答が得られた。そのトランスカルタキック活性について評価したすべて のセコステロイドについてすべて述べたように、1,25−(OH)2−d5−プ レ−D3の投与応答は二相性である(7〜9)。1,25−(OH)23は、低 濃度の25pMで活性であり、最大の剌激は、60〜650pMの範囲の1,2 5−(OH)23で達成される(図5B)。また、その典型的な二相性投与応答 も明らかである。プレ形にロックされている類似体1,25−(OH)2−d5− プレ−D3の効力が、1,25−(OH)23の効力と有意差がないことは図5 Bから明らかであるが、このことはトランスカルタキアのシグナル導入因子また は受容体が、6−s−シス立体配座のセコステロイドに応答できることを示唆し ている。 図6は、ROS17/2.8細胞中への45Ca2+の取込みを刺激する1,25 −(OH)2−d5−プレ−D3の性能を評価した結果を示す。1〜10×10-9 Mの濃度範囲の1,25−(OH)2−d5−プレ−D3がセコステロイド類を適 用してから1分間以内に45Ca2+の最大取込みを起こした。以前の試験によって 、これが1,25−(OH)23に対する最大応答の範囲であることが確認され ている(15、27)。 電位差開閉Ca2+チャネルは、適当な作動薬[ビタミンD類似体類またはジヒ ドロピリジンBAY K−8644(15)]に暴露するか、または細胞膜を脱 分極する[132mMの細胞外KCl(刺激緩衝剤、「実験手順」を参照)によ って達成される]ことによって開放される。脱分極細胞外溶液の存在下で45Ca2+ の取り込みがこのように刺激されるのは、電位差開開Ca2+チャネルを表す細 胞の特徴であり、この刺激のレベルは、細胞表面におけるCa2+チャネルの濃度 に直接関連がある。したがって、達成することがで きる45Ca2+の最大の流入は(図6の挿入図参照)高濃度の細胞外K+の存在下 で起こる。K+が低い場合に起こる45Ca2+取り込みのレベルは、基本取り込み (bassal uptake)を表し、これは静止膜のCa2+の透過性を反映している。増 殖相のROS17/2.8細胞の場合、(刺激)/(静止)の最大比率S/Rは 約2.4倍であるがこのことはCa2+チャネルが100%開いていることを示し ている。類似体の1,25−(OH)2−d5−プレ−D3と1,25−(OH)2 3の両者は、低K+の環境下で起こる45Ca2+取り込みの刺激の2倍の該刺激を 達成する。プレビタミン形に固定されている1,25−(OH)2−d5−プレ− D3の生物活性は、ステロイド様立体配座と伸びきりステロイド立体配座に相互 に容易に変化する1,25−(OH)23と比べてやはり有意差はない。 リガンド結合の試験 − 図7は、ひなどりとブタ由来の腸核1,25−(O H)23受容体に結合する場合のRCIを生体外条件下で測定したときの結果を 示す。ひなどりとブタそれぞれについて算出したRCIは次のとおりである。す なわち、1,25−(OH)23(RCI=100%および100%)、1,2 5−(OH)2−d5−D3(RCI=92%および67%)ならびに1,25− (OH)2−d5−プレ−D3(RCI=10%および4%)である。したがって 、これら3種のセコステロイドの腸核受容体に対する結合については、種の差の 効果はない。プレビタミン形に動力学的に抑制されているステロイドの1,25 −(OH)2−d5−プレ−D3は、そのRCIが90〜100%から12〜14 %まで減少しているが、このことは、核1,25−(OH)2−D3受容体がプレ ビタミン6−s−シスおよびビタミンD形を識別することができ、そのビタミン D形が6−s−シス形または6−S−トランス形として存在し後 者の方が支配的であることを示している。 血液コンパートメント内のビタミンDセコステロイド類の主な担体は、血漿D BPである。このタンパク質は、25−(OH)D3および1,25−(OH)2 3それぞれに対して5×10-9Mおよび5×10-8MのKdでそのリガンドを しっかり捕捉する結合領域を有している(29)。したがって、リガンドDBP に対するアフィニティーは、血漿中のその「遊離」濃度を有効に決定しかつ標的 細胞に対するその相対的利用性に恐らく影響する。図8には、生体外条件下で測 定した場合のヒトDBPに対する結合について、1,25−(OH)23、1, 25−(OH)2−d5−D3および1,25−(OH)2−d5−プレ−D3それぞ れの(3H)1,25(OH)23との競合曲線を示す。算出したRCIは、1 ,25−(OH)23については100%、1,25−(OH)2−d5−D3に ついては95%、および1,25−(OH)2−d5−プレ−D3については7% である。この結果は、DBPリガンドの結合領域は、ステロイド様(6−s−シ ス)立体配座と比べてビタミンD3セコステロイド類の伸びきり(6−s−トラ ンス立体配座)ステロイド立体配座の方を優先的に選択することを示唆している 。したがって、1,25−(OH)2−d5−プレ−D3をプレビタミン形に凍結 するとRCIが100%から7%まで減少する。DBPに対するアフィニティが このように減少することは、実際上、1,25−(OH)2−d5−プレ−D3の 遊離濃度が1,25−(OH)23または1,25−(OH)2−d5−D3と比 べて高いことを意味する。 ゲノム作用 − 図7〜10は、1,25−(OH)23の五重水素化類似体 のプレビタミン形の、生体内条件下および培養細胞中での生物学的効力の評価結 果を示す。図9は、ビタミンD欠乏ひな どりに、1,25−(OH)23、1,25−(OH)2−d5−D3または1, 25−(OH)2−d5−プレ−D3の400ngを一回筋肉注射した後得られる 血清オステオカルシンのレベルを示す。1,25−(OH)23は、骨の骨芽細 胞中に存在する核1,25−(OH)23受容体との相互作用によってオステオ カルシンのデノボ生合成を誘発することを示している。すなわち小量のオステオ カルシンが血液中に(骨の再成形の結果)放出されている。この場合オステオカ ルシンは、ラジオイムノアッセイによって便利に測定することができる(26) 。1,25−(OH)2−d5−プレ−D3は、生体内条件下で一回投与した場合 、核1,25−(OH)23受容体と相互に有効に作用してオステオカルシンを 誘発する性能がほとんどないことは明らかである。これとは対称的に、1,25 −(OH)23と1,25−(OH)2−d5−D3は、オステオカルシンの血漿 中レベルを有意に増大させた。同一量の1,25−(OH)23と1,25−( OH)2−d5−D3を投与したが、重水素化した類似体で処理した方が一貫して 高濃度の血漿中オステオカルシン濃度を誘発した。 図10は、1,25−(OH)23または類似体の1,25−(OH)2−d5 −プレ−D3と1,25−(OH)2−d5−D3を毎日投与して1週間処理して得 られたCa2+とオステオカルシンの評価については事実上同じであった。これと は対照的に、1,25−(OH)2−d5−プレ−D3は、1,25−(OH)23 と1,25−(OH)2−d5−D3の投与量(5μg/kg/日)より20倍高 い投与量(10μg/kg/日)でしか血清Ca2+を上昇させることができなか った。なお、これらの濃度でこれらパラメータをベースラインから有意に上昇さ せることができた。1,25−(OH)2 −d5−プレ−D3は、対照群より有意に高くオステオカルシン濃度を高めるに はさらに高い投与量(50μg/kg/日)が必要であった。1,25−(OH )2−d5−プレ−D3を一回投与してもひなどりの血清中Ca2+は上昇しなかっ たので(図9)、マウスに起こった血清中のCa2+とオステオカルシンの増大は 、1,25−(OH)2−d5−プレ−D3から1,25−(OH)23への生体 内でのゆっくりとした熱による転化の結果起こったと考えられる。 1,25−(OH)23およびその2種の類似体HFとHGを[3H]チミジ ン取り込み(図11A)とヒトオステオカルシンの誘発(図11B)で測定して 、増殖の阻害について、MG−63細胞内で評価した。これらの応答は両方とも 核1,25−(OH)23受容体で仲介される。これらの検定方法では、1,2 5−(OH)2−d5−プレ−D3は、活性が1,25−(OH)23または1, 25−(OH)2−d5−プレ−D3の活性の約1%に過ぎなかった。さらに、1 ,25−(OH)2−d5−D3は、オステオカルシンを誘発するその性能につい て1,25−(OH)23と区別できず、そして細胞の増殖を阻害する性能につ いては1,25−(OH)23の活性の約90%を示した。これらの試験結果は 、プレビタミン形の1,25−(OH)23は核1,25−(OH)23受容体 と有効に相互作用を行うことができないという説明と一致している。 HL−60細胞の分化は1,25−(OH)23または1,25−(OH)2 −d5−D3の存在によって著しく促進された(図12)。これに対し、1,25 −(OH)2−d5−プレ−D3は、1,25−(OH)23の効力の1〜4%し か示さなかった。このことは、やはり、HL−60の核1,25−(OH)23 受容体がこのリガンドを有効に捕捉しなかったことを示す。 上記実施例で、1,25−(OH)2−d5−プレ−D3の生物学的特徴を、1 ,25−(OH)23の迅速に相互に転化する6−s配座異性体の対(図1と2 )と比較した。この実施例は、2種の非グノム生物学的系が1,25−(OH)2 −d5−プレ−D3類似体に対して充分に応答することを示している。分離した 、ひなどりの灌流された十二指腸で試験したトランスカルタキアのプロセス(図 5)およびラットの骨原性肉腫細胞系のROS17/2.8細胞におけるCa2+ チャネル開放のプロセス(図6)の両者は、1,25−(OH)2−d5−プレ− D3と1,25−(OH)23の両方に同等の効力で応答する。したがって、こ れら2種の非グノム系に対するシグナル導入プロセスの応答は、2種の種のラッ トとひなどりおよび2種のビタミンD標的臓器の腸と骨に起こる。 この実施例は、類似体1,25−(OH)2−d5−プレ−D3が核1,25− (OH)23受容体と相互に作用してグノム応答を支持できないことを示す。図 8は、ブタとひなどりの両方の腸の1,25−(OH)23核受容体がプレビタ ミン形のセコステロイドを差別することを示している。ひなどりの脳の受容体に 結合する1,25−(OH)2−d5−プレ−D3のRCIは10%であり、ブタ の腸の受容体の場合は4%であった。したがって、核1,25−(OH)23受 容体のリガンド結合領域は、6−s−シスの配座異性体(ステロイド様立体配座 )より6−S−トランス配座異性体(伸びきりステロイド立体配座)を好む。さ らに、1,25−(OH)2−d5−D3の場合のように、1,25−(OH)23 に5個の重水素原子が存在していても、RCIは有意に変わらないことが見出 された(ひなどりの場合は89.5%、そしてブタの場合は67%)。 類似体1,25−(OH)2−d5−プレ−D3によって試験したと きのように、相対的に核1,25−(OH)23受容体が、6−s−シス(ステ ロイド様立体配座)の1,25−(OH)23を有効に捕捉できないということ は、1,25−(OH)2−d5−プレ−D3がグノム応答の有効な媒体ではない ということを示している。図9〜12は、4種の系において1,25−(OH)2 −d5−プレ−D3、1,25−(OH)2−d5−D3および1,25−(OH)23がすべて遺伝子転写の核受容体によって仲介される調節を通じて生物学的作 用を生成するということを示している。図9は、ひなどりに1,25−(OH)2 −d5−プレ−D3を一回投与した後、血清中オステオカルシン濃度の生体内測 定結果を示している。図10は、1,25−(OH)2−d5−プレ−D3を毎日 投与した場合のマウスの血清中のCa2+とオステオカルシン濃度の試験結果を示 す。図11は、細胞培養中のMG−63細胞を用い、細胞増殖の阻害とオステオ カルシンの誘発を示す。図12は、培養中のHL−60細胞を用いて細胞増殖の 阻害を示す。類似体の1,25−(OH)2−d5−プレ−D3が、1,25−( OH)23と1,25−(OH)2−d5−D3と比べてグノム応答を適当の行う ことができないこと(生体内でのオステオカルシン誘発が2%未満:図9、MG −63細胞内での増殖の阻害が1%未満:図11a、MG−63細胞内でのオス テオカルシン誘発が約2%:図11B、およびHL−60細胞の分化の促進が約 10%)は、核受容体に対するそのRCIが低いことを報告する図8のデータと 一致している。 その上、1,25−(OH)2−d5−プレ−D3をマウスに毎日7日間投与し たとき(図10)に血清中のCa2+とオステオカルシンのレベルを上げる性能が 非常に低いということは、1,25−(OH)2−d5−プレ−D3のこれらゲノ ム依存応答を活性化する性能が 低いことを示している。また、上記試験結果は、プレビタミン形の1,25−( OH)2−d5−プレ−D3は、それをビタミン形すなわち1,25−(OH)2− d5−D3に転化するある種の代謝形質転換を受け付けないことも示している。こ れらの各検定の所要時間は、40時間(ひなどり、図9)、7日間(マウス、図 10)および96時間(MG−63細胞、図11。HL−60細胞、図12)で あり、そしてビタミン形の1,25−(OH)2−d5−D3が生成した場合、各 種のグノム応答の検出可能な表示が出現するのに充分時間がとれるであろう。実 際に、マウスに1,25−(OH)2−d4−プレ−D3を連続投与した結果(図 10)は、プレビタミン形は代謝クリアランスを受けてから生物学的に活性な1 ,25−(OH)2−d5−D3に熱で異性化する機会があることを示している。 上記実施例は、プレビタミンD形の1,25−(OH)23が、1,25−( OH)2−D3の非グノム受容体の作動薬として有効なので、非グノム受容体を利 用する生物学的応答を開始するのに使用できることを示している。実施例2 この実施例では、1α,25−(OH)23の非ゲノム作用を制御するために 1β,25−(OH)23を拮抗薬として用いることについて述べる。 この実施例で使用した化学薬剤は、実施例1に記載したのと同じ起源から入手 し、および実施例1に記載したのと同じ方法で製造した。1α,25−(OH)23の3種のA−リングジアステレオ異性体の化学合成はMuralidhar an他の方法(30)で行った。 動物と細胞 ホワイトレグホンのひな雄どり(米国カリフォルニア州レイクビュー所在のL akeview Farms社)を孵化の日に入手し、ビタミンD補充餌(1. 2%カルシウムおよび0.7%リン、米国カリフォルニア州オンタリオ所在の0 .H.Kruse Grain and Milling社)で5〜6週間飼育 し通常のビタミンD3豊富なひなどりをつくった。動物を用いる実験は、すべて the University of California−Riversi de Chancellor’s Committeeon Animals in Researchの認可を受けた。ヒト前骨髄球白血病細胞系(HL−6 0)とヒト骨芽細胞MG−63は、the American Type Cu lture Collection(米国メリーランド州ロックビル所在)から 入手した。 Merk,Sharp and Dohme(来国ペンシルバニア州ウエスト ポイント)から入手したラット骨肉腫(ROS)17/2.8細胞と、ダルベッ コの改良イーグル培地とハムのF−12培地の1:1混合物でウシ胎児血清(L ife Technologies社)を10%含有する培地で培養した。この 培地は、文献(37)に記載されているようにして、1.1mMのCaCl2で 補充した。45Ca2+の取り込みの試験の場合、細胞を、3.5cmの皿の中に3 0,000細胞/mlの密度で接種し約50%の集密度まで増殖させた。 カルシウム取り込みの検定 ROS17/2.8細胞のCa2+取り込みをすでに報告されている手順を用い て検定した(31)。検定は、1分間を標準にしたが、予備実験はこの1分間が 直線的取り込みの区間内にあることを示した。培地を吸引し、細胞を室温のハン クスの緩衝食塩水で洗浄し、次に「静止緩衝液」(132mMのNaCL、5m MのKCl、1.3mMのMgCL2、1.2mMのCaCl2、10mMのグル コースおよび25mMのトリス−HCl、ph7.4を含有)または刺激緩衝液 (5mMのNaCL、132mMのKCl、1.3mMのMgCL2、1.2m MのCaCl2、10mMのグルコースおよび25mMのトリス−HClph7 .4を含有)とともに1分間インキュベートした。両方の取り込み溶液には、1 2.5μCi/mlの45Ca2+(DuPont New England Nu clear社)と図13に示す濃度のビタミンD作動薬を含有させた。取り込み は、上記標識溶液を吸引して停止し、次に氷冷静止緩衝液で3回洗浄した。細胞 に結合した45Ca2+を、0.5MのNaOHとともに2時間インキュベートする ことによって抽出し、液体シンチレーションカウンティング法で測定した。RO S17/2.8細胞の単層培養物による45Ca2+の取り込みは、密度依存性であ ることが見出された。最大の取り込み速度は、50%〜80%の集密度の培養の 場合に一貫してみられた。 腸の45Ca2+輸送(トランスカルタキア) 45Ca2+輸送の測定は、先に報告されている(32〜34)ように、灌流され たひなどりの十二指腸で実施した。体重が約500gの通常のビタミン豊富ひな どりをクロロペント(米国アイオア州Fort Dodge、0.3ml/10 0g)で麻酔し、次に外科 手術によって十二指腸ループを露出させた。腹腔動脈から分岐する血管を照明し てから腹腔動脈自体のカニュレーションを行い、同時に血管灌流を開始した。次 に、十二指腸ループを切取り、腹腔静脈のカニュレーションを行ってから、食塩 水でぬらしたチーズクロスの層(24℃)の間に入れた。動脈灌流液は、0.9 mMのCaCl2を含有させて改良し95%O2と5%CO2で酸化させた改良グ レイ平衡塩類溶液(GBSS)で構成され、流量は0.25ml/分であった。 補助ポンプを用いて、ビヒクル(エタノール)または試験物質+アルブミン(0 .125%w/vの最終濃度)を、血管灌流液中に0.25ml/minの流量 で導入した。45Ca2+(5μCi/ml)を含有しているが重炭酸塩またはグル コースなしのGBSSをフラッシュさせて脳の内腔を満たした。基本輸送速度は 、腸内腔を45Ca2+で満たした後、20分間対照媒体を灌流させることによって 確認した。次に、その組織を、さらに40分間、1α,25−(OH)23また は1β,25−(OH)23に暴露するかまたは対照の媒体に再暴露した。基本 試験期間の最後の10分間と全処理期間中2分間隔で血管灌流液を収集した。1 00μlずつ2回採取して45Ca2+のレベルを液体シンチュレーション分光測定 法で測定した。試験結果は、40分間の試験結果に出現する45Ca2+に対する比 率で示す。 リガンド結合の試験 1α,25−(OH)23に対するひなどり腸の核受容体に結合するため、[3 H]1α,25−(OH)23と競合する各類似体の相対的性能を実施例1に 記載の手順にしたがって生体外で実施した。この検定では、濃度を高めた非放射 性1,25−(OH)23 または試験類似体を、固定飽和量の[3H]1α,25−(OH)23およびビ タミンD欠乏ひなどりから得たひなどり腸核抽出物とともにインキュベートした 。そして、[3H]1α,25−(OH)23の最大の結合百分率の逆数を算出 し、類似体と[3H]1α,25−(OH)23の相対濃度の関数としてプロッ トした。このプロットによって各類似体に対して特徴的な真っ直ぐなグラフカー ブが得られ、その傾斜は類似体の競合指数値に等しい(25)。次に、各類似体 の競合指数値を、競合ステロイドとしての非放射性1α,25−(OH)23で 得た標準カーブに対して正規化し、相対競合指数(RCI)のリニアースケール 上に置いた。なお1α,25−(OH)23の定義によるRCIは100である 。 HL−60細胞とMG−63細胞の培養条件 10%の熱不活性化ウシ胎児血清(Life Technologies I nc.社)、100単位/mlのペニシリンおよび100μg/mlのストレプ トマイシン(Boehringer Mannheim社)を補充したRPMI 1640培地に、HL−60細胞を1.2×105細胞/mlで接種し、次にエ タノール中の1α,25−(OH)23またはその類似体(最終濃度<0.2% )を添加した。空気中5%CO2の加湿雰囲気下37℃で4日間培養した後、デ ィッシュを振盪して粘着している細胞をはずし、全細胞について、NBT還元検 定法で分化について検定し、そして[3H]チミジン取り込み法によって増殖に ついて検定した。熱不活性化チャコールで処理したウシ胎児血清を2%含有する ダルベッコの改良イーグル培地200μl中[96ウエル平底培養プレート(F alcon,米国ニュージャージー州所在のBecton Dicki nson社)使用]に5×103細胞/mlで接種し、次にエタノール中の1α ,25−(OH)23またはその類似体(最終濃度<0.2%)を添加した。空 気中5%CO2の加湿雰囲気下で72時間37℃で培養した後、[3H]チミジン 取り込みによる増殖の阻害および培地中のオステオカルシンの濃度を測定するこ とによって測定されるオステオカルシンのグノム誘発を、相同ヒトラジオイムの アッセイ(35)を用いて測定した。 NBT還元検定方法 超酸化物の産生を、すでに報告されている(35)ようにして、NBT還元活 性によって検定した。1.0×105細胞/mlのHL−60細胞を、ホルボー ル12ミリステート13−アセテート(200ng/ml)およびNBT(2m g/ml)の新しく調製した同容積の溶液と混合し、37℃で30分間インキュ ベートした。黒色のホルマザン堆積物を含有する細胞の百分率を血球計を用いて 測定した。 ヒト皮膚角化細胞を分離し、KitanoとOkadaの方法(36)を用い て培養した。要約すると、乳癌が見られる患者の生検由来の皮膚を3〜5mmの 大きさの小片に切断し、ジスパーゼ(dispase)の溶液(20Boehr inger単位/ml)中に4℃にて一夜浸漬した。表皮を真皮から剥がしとり 、カルシウムとマグネシウムを含有していないリン酸緩衝食塩水で洗浄し、0. 25%トリプシン溶液中、室温で10分間インキュベートし振盪した。次に、1 0%のウシ胎児血清を含有するリン酸緩衝食塩水を添加して反応を停止させた。 4℃で10分間800rpmで遠心分離にかけて細胞を集めた。リン酸緩衝食塩 水でさらに洗浄した後、得 られたペレットを、Becton Dickinson社から入手した25cm2 のプリマリアフラスコ(primaria flask)中の培地内に懸濁さ せた。その角化細胞を空気中5%CO2の雰囲気内で37℃で培養した。数時間 後に培地を新しい培地で取り替えた。その培地[表皮増殖因子(5ng/ml) 、ウシ下垂体抽物(35〜50μg/ml)及び抗生物質類を含有する、Lif e Technologies Inc.社から入手した角化細胞培地]を集密 状態になるまで1日おきに新しいものと取り替えた。次に、その角化細胞を96 ウェルプレートで培養し、24時間後、各種濃度のビタミンD類似体で処理し、 次いで1μCiの[3H]チミジンで3時間パルスラベリングをおこなった。培 養物をリン酸緩衝食塩水で3回洗浄し、次いで10%(v/v)の氷冷トリクロ ロ酢酸で2回洗浄した。細胞を1MのNaOHで可溶化し、その放射能を液体シ ンチレーション測定法で測定した。 統計的評価 データの統計学的評価を実施例1と同じ方法で実施した。 この実施例では、ビタミンD内分泌系の各種成分の非ゲノム及びゲノムの応答 に対する作動薬として作用する性能について、1α,25−(OH)23の3種 のA−リングジアステレオマーの生物学的特徴の比較を行った。これらセコステ ロイド類の構造を図3と4に示す。二つの不斉中心が炭素−1と炭素−3に位置 している。天然に存在するホルモン1α,25−(OH)23のA−リングの2 個のヒドロキシル基の配向は、1αと3βである。 非ゲノム機構を通じて起こることが分かっている1α,25−(OH)23の 生物学的応答は、トランスカルタキアと呼ばれる、 腸Ca2+の迅速なホルモン刺激である(22)。図13は、セコステロイドホル モンの4種のA−リングジアステレオマーの相対性能を示す試験結果を示す。最 適の作動薬は、天然に存在するホルモンの1α,25−(OH)23(Cと呼称 する)である。45Ca2+輸送の刺激は、個のホルモンを導入して4分以内に始ま る。本発明者らは、トランスカルタキアの投与応答カーブが二相性であり、最大 の刺激は650pMの1α,25−(OH)23で起こることをすでに示した( 21、22)。また1α,25−(OH)2−3−エピ−D3(HH)がトランス カルタキアを部分的に刺激できることも明らかである。これに対して、300p Mの1β,25−(OH)23(HL)は、この濃度でトランスカルタキアを刺 激することはできない。他のデータ(記載していない)では、1β,25−(O H)23の濃度を900pMまで上げても、トランスカルタキアの一貫して検出 可能な刺激はなかった。 図14は、トランスカルタキアを刺激する1α,25−(OH)23の作用を 阻害する1β,25−(OH)23の性能を示す。十二指腸を1β,25−(O H)23と1α,25−(OH)23の両者で灌流して剌激すると、トランスカ ルタキアの特徴的な剌激がなくなった。このことは、1β,25−(OH)23 が1α,25−(OH)23の拮抗薬として機能して、本発明に従って非ゲノム 応答を制御することができることを示している。 図15Aには、300pMの1α,25−(OH)23で刺激されたトランス カルタキアを阻害するのに有効な各種濃度の1β,25−(OH)23の評価を 示す。図15Bは、1α,25−(OH)23で刺激されたトランスカルタキア を、1β,25−(OH)23の濃度を変えることによって阻害する投与応答を 要約して示す。6 0pMという低い濃度の1β,25−(OH)23で300pMの1α,25− (OH)23を阻害することができることは明らかである。 図16は、ROS17/2.8細胞中への45Ca2+取り込みの作動薬または拮 抗薬として機能する1β,25−(OH)23の性能の評価結果を示す。Caf freyとFarach−Carsonが最初に報告しているように、この応答 は、非ゲノム機構によってジヒドロピリジン感受性Ca2+チャネルを開放する1 α,25−(OH)23またはその類似体の性能によって起こる(20)。1, 25−(OH)23は、この系では最も効力が高い作動薬である。10-8Mとい う高い濃度の1β,25−(OH)23は、この系で最も効力が高い作動薬であ る。10-8Mという高い濃度の1β,25−(OH)23は、45Ca2+の取り込 みを刺激する場合効力がなかった。しかし、1α,25−(OH)23と1β, 25−(OH)23をROS17/2.8細胞に同時に添加したところ、1α, 25−(OH)23で仲介される45Ca2+の取り込みは完全に阻害された。 ビタミンD欠乏ひなどりの生体内での腸45Ca2+吸収(ICA)と骨Ca2+の 可動化(BCM)の生物学的応答を12時間以内に起こす4種のA−リングジア ステレオマーの相対的性能を測定した。17図は、1α,25−(OH)23、 1β,25−(OH)23(HL)および1α,25−(OH)2−3−エピ− D3(HJ)のICAと、BCMの試験結果を示す。表Iの一部に、4種のジア ステレオマー全てのICAとBCMの試験結果が要約されている。ICAとBC Mの最も強力な剌激剤は、予想どおり、基準化合物の1α,25−(OH)23 であった。したがって、100pmolの 1α,25−(OH)23のが生成する活性をICAとBCMの両方について1 00%と定めた。したがって、1α,25−(OH)23の100pmolの投 与量に均等なICAまたはBCMの生物学的応答を達成するのに必要な比較類似 体の投与量を算出して百分率に変換した。類似体の1α,25−(OH)2−3 −エピ−D3は、検出可能なICAまたはBCMを有する唯一のジアステレオマ ーであったが、そのICAまたはBCMは基準の1α,25−(OH)23のわ ずか1.5〜2.8%に過ぎなかった。2種のジアステレオマーの1β,25− (OH)23と1α,25−(OH)2−3−エピ−D3は、ICAとBCMは0 .1%未満であった。3β−ヒドロキシル基または1α−ヒドロキシル基の配向 が変化すると、ビタミンD欠乏ひなどりの生体内の生物活性が大きく減少する。 また、表Iには、ひなどりの腸1α,25−(OH)23核受容体およびDB Pに生体外で結合する上記4種のジアステレオマーの相対性能も要約してある。 1α,25−(OH)23核受容体は、1α,25−(OH)23に対する生体 内のゲノム反応の予想されるメディエーター(Mediator)である。やは り、1α,25−(OH)23は基準化合物であり、そのRCIは定義により1 00%である。類似体1α,25−(OH)2−3−エピ−D3の場合のように配 向が3β−ヒドロキシルから3α−ヒドロキシルへ反転すると、RCIがわずか 24%にまで減少した。しかし、類似体の1β,25−(OH)23と1α,2 5−(OH)2−3−エピ−D3の場合のように、1α−ヒドロキシルの配向が1 β−ヒドロキシルの配向へと配向が変化すると、RCIは1%末満の値まで劇的 に減少した。この試験結果は、炭素−1のヒドロキシルの配向が、1α,25− (OH)23核受容体に対するリガンドの高いアフィニティーを得る場合に演ず る重要な役割を強調している。 4種のジアステレオマーのDBPに結合する場合のRCI値も、ビタミンDセ コステロイド類の炭素−1と炭素−3におけるヒドロキシル基の配向の重要性を 強調している。この場合も、基準類似体は1α,25−(OH)23と定義され たが、DBPに対する最適のリガンドは25−(OH)D3であり、そしてその RCIが66,700であることを理解することが重要である。25−(OH) D3のRCIを100%と定めたならば、25−(OH)D3のRCIはわずか0 .15%である。これは、炭素−1にα−ヒドロキシルが存在するとDBPに対 するリガンドのアフィニティーが著しく減少するということの反映である。類似 体HLとHHの場合のように、1α−ヒドロキシルが1βの配向に反転すると、 それぞれRCI値が65.7倍および4.4倍に増大し、このことは、1α−ヒ ドロキシルがないとそれら類似体は一層1−デオキシ類似体のように挙動するこ とを示している。 1β,25−(OH)23が、カルビンジン−D28kとして知られているビタ ミンD依存性カルシウム結合タンパク質を誘発するゲノム応答を、ビタミンD欠 乏ひなどりの生体内で阻害できるかどう か評価した。ひなどりの腸内でのカルビンジン−D28kの発現は、核1α,25 −(OH)23受容体の占有性(occupancy)との関連が深いゲノム事象である ことはすでに報告されている(41)。表11に要約した試験結果は、1β,2 5−(OH)23は、1α,25−(OH)23と同時にまたは1α,25−( OH)23より2時間前に投与されると、腸カルビンジン−D28kの出現を阻害 できないことを示している。実際は、1β,25−(OH)23は、このゲノム 応答に対して弱い作動薬活性を有している。すなわち、1β,25−(OH)2 3を6.5nmolもの大量を投与すると、12時間の時点で、0.65nm olの1α,25−(OH)23によって誘発される量の50%のレベルのカル ビンジン−D28kが出現する。このことは、1β,25−(OH)23を投与す ると核受容体に対するRCIは有限でしかも低いということと一致している(表 I参照)。 図18Aと18Bに、MG−63細胞中にオステオカルシンを誘発する4種の ジアステレオマーの効力を示す試験結果が記載されている。さらに、1α,25 −(OH)23が誘発するオステオカルシンの拮抗薬として機能する1β,25 −(OH)23の性能も記載してある(図18B)。すでに報告されているよう に、1α,25−(OH)23はMG−63細胞系内でオステオカルシンに対す る強力な作動薬であり(35)、半最大誘発(half-maximal induction)は、3 .8×10-9Mの濃度の1α,25−(OH)23で起こる(図18A)。それ らのED50濃度を用いて前記4種のジアステレオマーについて相対効力を算出で きる。すなわち、1α,25−(OH)23=100%、1α,25−(OH)2 −3−エピ−D3=17%、1β,25−(OH)23=2%、そして1β,2 5−(OH)2−3−エピ−D3=1.2%である。これらの試験結果は、表Iに 示すこれら4種のジアステレオマーに対する核1α,25−(OH)23受容体 に対するRCI値に対応している。1β,25−(OH)23と1α,25−( OH)23の両者を、1β,25−(OH)23の濃度を10-9〜10-7Mとし て、MG−63細胞に同時に加えると(図18B)、1β,25−(OH)23 による拮抗薬の作用の徴候はまったくなかった。 2種のエピマーの1α,25−(OH)23および1β,25−(OH)2D のHL−60細胞の分化を促進する性能をNBT還元法によって評価し、また、 1α,25−(OH)23によって仲介される細胞分化の拮抗薬として機能する 1β,25−(OH)23の性能を測定した。その試験結果を図19に示す。何 回もすでに報告されているように、1α,25−(OH)23はHL−60細胞 の分化の強力な刺激薬であり、その半最大濃度(half-maximal conce ntration)は1.5×10-8Mであった。細胞分化の半最大刺激(half-maximal stimulation)を達成した1β,25−(OH)23の濃度は2.5×10-7M であったが、約10倍高い。1β,25−(OH)23が1α,25−(OH)23の細胞分化作用に拮抗するという徴候は、やはり全くなかった。 図20は、ヒト角化細胞の増殖を阻害する1α,25−(OH)23と3種の A−リングジアステレオマーの効力の評価結果を示す。増殖を50%阻害するた めの、効力の相対的順序は1α,25−(OH)23、1α,25−(OH)2 −3−エピ−D3、1β,25−(OH)23および1β,25−(OH)2−3 −エピ−D3(1:6.2:27:75)であった。やはり、細胞増殖の最も強 力な阻害剤は1α,25−(OH)23であり、最も効力が低いのは1β,25 −(OH)23であった。別の試験(データは記載していない)で、1α,25 −(OH)23で仲介される角化細胞の阻害に拮抗する1β,25−(OH)2 3の効力を試験した。MG−63細胞について図18Bに示した結果と同様に 、1β,25−(OH)23は、5×10-8Mの濃度で存在している場合、1× 10-9Mの1α,25−(OH)23の作用を阻害できなかった。 この実施例は、ホルモンとして活性な形態のビタミンD3の4種のA−リング ジアステレオマー(図3参照)の生物学的特徴を例示する。1α,25−(OH )23だけが生物学的系中に天然に存在していることが知られている。これら4 種の化合物の構造の唯一の差は、炭素−1と炭素−3のヒドロキシル基の配向で ある。核1α,25−(OH)23受容体のリガンド結合領域は、天然に存在す るホルモンの1α、3βの配向を明らかに好み、かつ3種の他のA−リングジア ステレオマー間の差を識別することもできることは 明らかである(表IのRCI値参照)。炭素−Cにおけるヒドロキシルの正しい 配向は、炭素−3におけるヒドロキシルの配向より重要である。したがって、1 α−ヒドロキシルが1β配向に反転するとRCIが100%から0.8%まで変 化し、一方3β−ヒドロキシルが3α−ヒドロキシルに反転すると100%から 24%まで減少するだけである。 腸核受容体に対するRCIデータと、4種のジアステレオマーのDBPに対す るRCIデータを比較すると、ビタミンD、セコステロイド類に対するこれら2 種のリガンド結合領域の固有の優先性が明らかに強調されている。DBPは、ビ タミンD代謝物に対する重要な血漿輸送タンパク質である。最高のアフィニティ ーを有するリガンドは25−(OH)D3であるが、DBPは1α,25−(O H)23、24R,25−(OH)23および親のビタミンD3も著しいアフィ ニティーで捕捉する。25−(OH)D3に1α−ヒドロキシルを付加すると、 RCIが1/666になる(3)。しかし、DBPおよび4種のジアステレオマ ーに対する核1α,25−(OH)23受容体を、RCIの相対値で比較するこ とができる(表1)。類似体の1β,25−(OH)23(HL)と1β,25 −(OH)2−3−エピ−D3(HH)のように、1α−ヒドロキシルが1β配向 に反転すると、それぞれDBPのRCI値が65.7倍および4.4倍に増大す る。このことは、1α−ヒドロキシルがないと、これら類似体は一層1−デオキ シ類似体のように挙動することを示唆している。これら4種のジアステレオマー の中で1α,25−(OH)23はRCI値が最低であるが、このことは1α, 25−(OH)23が生体内の環境下で、これら4種のジアステレオマーの中で 最高の「遊離(free)」濃度または最大の「有用性」有している ことを意味する。 ビタミンD欠乏ひなどりの標準バイオアッセイ系では、体内条件下で前記4種 の化合物を評価した結果(37)は、天然に存在するホルモンの1α,25−( OH)23および1α,25−(OH)2−3−エピ−D3(類似体HJ)だけが ICAとBCMを刺激する重要な性能を持っていることを示した(図17と表I 参照)。したがって、1α,25−(OH)2−3−エピ−D3は、1α,25− (OH)23がICAとBCMを刺激する活性の2.8%と1.5%をもってい る。このことは、腸の核1α,25−(OH)23受容体に対するアフィニティ ーが減少していることと一致している(RCI=24%)。残りの2種のジアス テレオマーの1β,25−(OH)23(HL)を1β,25−(OH)2−3 −エピ−D3(HH)はICAとBCMを事実上欠いていた。このことは、やは り腸の1α,25−(OH)23欠く受容体に対するこれらのジアステレオマー のアフィニティーが少ないことと一致している(RCIは、それぞれ0.2と0 .8である)。ICAとBCMの応答は体内条件下で起こり、両方とも恐らくビ タミンDリガンドに応答する成分の統合した組合せに対する応答を示すので、応 答する成分のどの部分がゲノム応答と非ゲノム応答を構成しているのか分からな い。しかし、ICAとBCMの応答の両者は、DNA依存性RNA合成の阻害剤 のアクチノマイシンDを投与することによって阻害することができるので(38 、39)、核1α,25−(OH)23受容体への結合およびICAとBCMの 間の充分な相関関係が報告されている(3)。したがって、この3種のジアステ レオマーのICAとBCMが低いことは、そのRCI値が低いことと関連するが 、1α,25−(OH)23に対する核受容体が、炭素−1と炭素− 3のヒドロキシル基の配向に対する特異性が高いことを強調している。最適の配 向は、明らかに1αと3βである。 また、これら4種のジアステレオマーは、培養中の角化細胞の増殖の阻害に対 して特異な効果を示した(図20)。1α,25−(OH)23>1α,25− (OH)2−3−エピ−D3>1β,25−(OH)23>1β,25−(OH)2 −3−エピ−D3という相対活性は、やはり、生物学的応答を行う際の、1αと 2βのヒドロキシル基の配向が重要であることを強調している。 この実施例は、灌流されたひなどりの十二指腸で検定して、トランスカルタキ アの非ゲノム応答に対する作動薬について、該4種のジアステレオマーの生物活 性を示す。3種の非天然のジアステレオマーが活性を殆ど欠いている先に考察し たICAとBCMのゲノム応答とは対照的に、これらジアステレオマーのうち2 種はトランスカルタキアを刺激する活性がきわめて高い。1α,25−(OH)2 −3−エピ−D3を300pMで灌流すると、1α,25−(OH)23の約8 0%の活性を示し;そして1β,25−(OH)2−3−エピ−D3は300pM で20から30%の活性を示す。1β,25−(OH)23だけが作動薬活性が なかった。したがって、トランスカルタキアの非ゲノム応答に関連するホルモン 応答成分は、核1α,25−(OH)23受容体とは異なるリガンド特異性を有 していることは明らかである(表IのRCIの試験結果と比較のこと)。推定上 のトランスカルタキア膜応答成分(putative transcaltachic membrane respons e element)(40)は、3αヒドロキシルの存在に対して一層耐性である。 本発明にしたがって、この実施例は、類似体の1β,25−(OH)23(H L)が、1α,25−(OH)23によって剌激さ れるトランスカルタキア(図15)とラット骨芽細胞の45Ca2+の取り込み(図 16)の両者に対する強力な拮抗薬であることを示す。1β,25−(OH)2 3と1α,25−(OH)23を同時に灌流させた場合、場合によっては、腸 を1β,25−(OH)23にのみ8分間予め暴露し続いて1α,25−(OH )23を灌流させたときでさえ、腸を1β,25−(OH)23に暴露すること による明確な阻害があった。この実施例は、1α,25−(OH)23の類似体 が、1α,25−(OH)23によって刺激される生物学的応答の拮抗薬として 機能できることを例証する。 図18と図19および表IIに示した結果に基づいて、1β,25−(OH)23の拮抗作用は、Ca2+チャネルを開放する非ゲノム応答に限定されていると も考えられる。1β,25−(OH)23は、以下のゲノム応答:ひなどりの生 体内条件下でのカルビンジン−D28kの誘発(表II)、MG−63細胞内での オステオカルシンの誘発(図18)、またはHL−60細胞の細胞分化の阻害( 図19)を阻害できなかった。 本発明にしたがって、ビタミンD3の15種の類似体を合成し、ビタミンD内 分泌系のゲノムおよび/または非ゲノムの応答を制御する活性を有することを示 した。これら15種の類似体を図21と図22に示し、表IIIに列挙した。こ れらの類似体は、先に述べた2種の類似体と同じ方式で投与できる。これら類似 体は、他のステロイドホルモンまたはステロイド様ホルモン(例えば、エストラ ジオール、テストステロン、スタノローン、プロゲステロン、コルチゾール、ア ルドステロン、レチノイン酸およびチロキシン)の機構と類似の機構で制御され るゲノム機構を含むビタミンD内分泌系内の広範囲の各種応答を制御するのに有 効である。これら類似体の いくつかは、表IIIに示すように、非ゲノム機構を制御するのに有効である。 また、これら類似体のいくつかは、表IIIに示すように、基準の1α,25− (OH)23と同様にゲノムと非ゲノムの両方の機構を制御するのに有効である 。 これらの類似体は、皮膚の症状(例えば乾癬)、骨の症状(例えば骨祖しょう 症、静脈性骨形成異常症)、ならびに乳癌、結腸癌、前立腺癌および白血病のよ うな腫瘍疾患、アルツハイマー症に関与すると考えられる神経成長因子などの脳 タンパク質のごときヘイプロテイン(hey-protein)の誘発を含むビタミンD内 分泌系の機能不全に関連する各種疾患を治療するのに有用である。ビタミンD代 謝に関連する各種疾患は、図26に示してある。これら類似体は、これらの疾患 群の治療と診断に有用である。これら類似体の合成と有用性は、以下の実施例で さらに説明する。実施例3 14−エピ−1,25−(OH)2−D3(GE)および 14−エピ−1,25−(OH)2−プレ−D3(GF)の 合成と生物活性 図23に示すように、類似体GEとGFは、公知のA−リングホスフィンオキ シド10(41)と適当な(CD)ケトン14で製造した。ビタミンD3をオゾ ン分解して容易に得ることができるグルンドマンズケトン(Grundmann's ketone )11(42)を、すでに報告されているように(43)、C−25にて選択的 に酸化してアルコール12にした。アルコール12を、塩基を用いてエピマー化 してシス縮合ヒドロインダノン13を得た。得られた粗混合物は、71/29の 比率の13/12で構成されていたが、HPLCによって、精製13が49%の 収率(回収された12に対して60%の収率)で実際に単離された(44、45 、46)。C−25ヒドロキシルをトリメチルシリル(TMS)エーテルとして 保護してCDフラグメント14が得られ、次にそのシリルエーテルをテトラブチ ルアンモニウムフルオリド(TBAF)で脱保護して1αヒドロキシル化14− エピ−ビタミンGEを得た。このGE類似体に80℃でゆるやかな熱的[1,7 ]シグマトロピー水素シフトを行わせて(ベンゼン−d6)、プレビタミンGF を得た。 腸のカルシウム吸収(ICA)と骨のカルシウム代謝(BCM)を生体内で測 定し、すでに述べたようにして(37)、ビタミンD欠乏ひなどり系で類似体G EとGFを1α,25−(OH)2−D3(3)と比較した。この標準のくる病ひ などり検定の試験結果は、標準投与量の1α,25−(OH)2−D3と比較して 、ICAとBCMに対して観察された活性の百分率として報告することができる (47)。ICAの測定については、これら2種の類似体GEとGFはそれぞれ 1α,25−(OH)2−D3に比べてその活性の3.9%および<0.1%を示 した。BCMの測定についても類似の結果(それぞれ<0.01%と2%)が得 られた。 GEとGFの類似体は、ひなどりの腸の核受容体に結合する性能について生体 外で評価した。この検定では、これら類似体は、そのひなどり腸受容体の相対競 合指数(RCI)(1α,25−(OH)2−D3は定義によって100である) によって評価した(48)。GEとGFそれぞれのRCI値は、15.0±2. 0および1.6±0.9であった。GEにみられる生体内カルセミック活性(ca lcemic activity)の欠如は、そのRCI値15とはいくぶん一致していない。 GEは、その必要な活性化(転写を刺激する前にステロイドホルモン受容体を必 要とする)を誘発せずにひなどり腸の受容体に結合すると考えられる。このこと から、GEの14−エピ構造の特徴がステロイドホルモンの1α,25−(OH )2−D3の拮抗薬としての有用なパラメータになる。 また類似体GEとGFは、ヒトビタミンD結合タンパク質(DBP)を用いる 第二の生体外ステロイド競合検定(49)に付した。この検定下、各類似体を、 そのヒトDBPに結合する性能について天然のホルモンの1α,25−(OH)2 −D3と比較して評価した。ひなどりの腸受容体の検定結果と同様に、ヒトDB PのデータはRCI値として表した(1α,25−(OH)2−D3の値は100 と定義する)。ヒトDBPは、天然の代謝物25−OH−D3に対して最高のア フィニティーを有している(2、RCI=66,800)ことに注目すべきであ る。類似体GEとGFに対するヒトDBPのRCI値は、それぞれ12.1±2 .1と2.2±0.7であった。 上記の試験結果は、GEとGFがそれぞれ、核VDR(GE)と遺伝子転写の 調節(GE)および非ゲノムの迅速な作用によってアノベート(anovate)され る膜VDR(GF)を含む生物学的応答に有用であることを示す。 合成プロトコルの詳細は、次のとおりである。 14−エピ−1α,25−ジヒドロキシビタミンD3(GE) 図23に示すように、10(67mg、0.11mmol)を無水THF(1. 4mL)に溶解した溶液に−78℃でアルゴン雰囲気下、撹拌しながら、n−ブ チルリチウム(74μL,0.12mmol、1.55Mヘキサン溶液)を添加 して濃オレンジ色の溶液を得た。乾燥THF(0.46mL)中のCDケトン1 4(27.1mg、0.076mmol)を添加した後、得られた溶液を3時間 −78℃で撹拌し次いで室温まで昇温させた。濃縮した後、残留物をエーテル( 3mL)に溶解し、NaHCO3の飽和溶液(3mL)と食塩水(brine)(3m L)で洗浄した。得られたエーテル溶液を乾燥し(MgSO4)、濃縮した後、 得られた粗製残留物をフラッシ ュクロマトグラフィーで精製して48.2mg(86%収率)の保護されたビタ ミン15を得た。このビタミン15をTBAF(0.79mL、0.79mmo l、THFに溶解した1M溶液)で処理した。3時間後、溶媒を除き、粗製残留 物をEtOAc(5mL)に溶解した。得られた溶液を洗浄し(水3mLおよび 食塩水3mL)、乾燥し(NaSO4)、濾過し次いで濃縮した。HPLC(5 0%EtOAc/ヘキサン、Rainin Dynamax 60オングストロ ームカラム)で精製し、減圧乾燥して11mg(81%収率)の類似体GEを得 た。1H−NMR(300MHz):(CDCl3)δ0.87(3H,C21−C H3,d,J〜6.4Hz),0.90(3H,C18−CH3,s),1.22( 6H,C26,27−CH3,s),2.31(1H,dd,J〜13.2Hz,7. 2Hz),2.46(1H,br d,J〜14.3Hz),2.60(1H, dd,J〜13.3Hz,3.5Hz),4.23(1H,H3,m),4.4 4(1H,H1,t,J〜5.4Hz),5.00(1H,H19,br s), 5.34(1H,H19,br s),6.14および6.33(2H,H6.7− ABパターン,d,J〜11.2Hz)。 14−エピ−1α,25−ジヒドロキシプレビタミンD3(GF) ベンゼン−d6(2mL)に類似体GE(4.9mg、0.012mmol) を溶解した溶液を、減圧下、凍結融解サイクに3回付した後、サーモスタット付 きのバス(80℃)中に入れた。4時間後、その溶液を室温まで冷却し、ビタミ ン/プレビタミンの比率を1H−NMRインテグレーション法によって測定した (約7:93)。その溶液を濃縮し、次にHPLC(100%EtOAc、Ra inin Dynamax 60Aカラム)で精製し、溶出順にエピ−ビ タミン5(0.3mg)とエピ−プレビタミン5’(3.7mg)を得た。 デ−A,B−25−ヒドロキシコレスタン−8−オン(12) この化合物は、(43)に記載されているのと類似の手順を用いて製造した。 CCl4(15mL)、CH3CN(15mL)およびpH7の緩衡水溶液(19 mL、0.05MのKH2PO4および0.05MのNaOH)にケトン11(1 .0g、3.8mmol)を溶解した溶液に、RuCl3・H2O(78.4mg 、0.37mmol)とNaIO4(2.83g、13.2mmol)を添加し た。45℃で激しく撹拌したところ、黒色溶液が黄色に変色した。その不均一な 懸濁液は、5日間以内に元の黒色に戻った。有機層を分離し、水性層をCH2C l2(4×20mL)で抽出した。有機層を合し、食塩水で洗浄し、乾燥し(N a2SO4)、濾過し、次いで濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(35% EtOAc/ヘキサン)で精製し、減圧乾燥して、432mg(収率40%)の 25−ヒドロキシ−グルンドマンズケトンを無色油状物として得た。 デ−A,B−14−エピ−25−ヒドロキシ−8−コレスタノン (13) メタノール(421μL)に1.0MのNaOMeを溶解した溶液に、MeO H(120μL)中の12(99.9mg、0.356mmol)をアルゴン雰 囲気下室温で添加した。48時間撹拌後、氷冷混合物を酢酸(49μL、0.8 6mmol)でクエンチし水で希釈した。得られた粗製混合物をヘキサンで抽出 し、有機層を合し、食塩水(3×10mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、 濾過し、次いで濃縮して、約71%のエピ−異性体13と約29%の出発物質1 2からなる混合物を得た。HPLC(25×1cm Rainin、シリカゲル 、35% EtOAc/ヘキサン)で精製し、溶出順に49mgのエピ−ケトン (49%)と25mgの出発物質(25%)を得た。 デ−A,B−14−エピ−25−トリメチルシリルオキシ−8コレスタノン( 14) N−(トリメチルシリル)−イミダゾール(259.7mg、1.85mmo l)を、13(173.4mg、0.618mmol)の乾燥THF(7ml) による溶液に撹拌しながら滴下して加えた。得られた混合物をアルゴン雰囲気下 4.5時間撹拌し、次にシリカゲルの短いカラム(15%EtOAc/ヘキサン )を直接通過させた。溶出液を濃縮しフラッシュクロマトグラフィー(15%E tOAc/ヘキサン)に付し、減圧乾燥した後、194.2mg(収率89%) のTMSで保護されたアルコール14を無色油状物として 得た。 生物活性を示す試験の詳細は、次のとおりである。 腸のカルシウム吸収(ICA)と 骨のカルシウム可動化(BCM) ICAとBCMは、すでに報告されているようにして、ビタミンD欠乏ひなど りの生体内で測定した(37、47)。検定の48時間前にCaなしの餌の上に 置かれたひなどりに、検定の12時間前に、0.1mLのエタノール/1,2− プロパンジオール(1:1、v/v)中のビタミンD代謝物もしくは類似体また はビヒクルを筋肉内注射した。検定の時点で、4.0mgの40Ca2+5μCiの45 Ca2+(New England Nuclear)をエーテルで麻酔された 動物の十二指腸内に入れた。30分後、試験ひなどりを断頭して血液を集めた。 0.2mLの血漿の放射能含有量を液体シンチレーションカウンター(Beck man LS8000)で測定して、吸収された45Ca2+の量(ICAの尺度) を求めた。BCM活性は、原子吸光分析法で測定した全血清カルシウムの増加か ら推定した。 1α,25−(OH)2−D3のひなどり腸受容体のステロイド競合検定 ひなどりの腸1α,25−(OH)2−D3受容体に対する競合結合の測定は、 ヒドロキシルアパタイトバッチ検定法(48)を用いて実施した。標準量の[3 H]−1α,25−(OH)2−D3に増大 した量の非放射性1α,25−(OH)2−D3または類似体を加え、ひなどりの 腸のサイトソールとともにインキュベートした。類似体類の相対競合指数(RC I)は、結合した最大1α,25−(OH)2−[3H]−D3の百分率×100 (percent maximum 1α,25−(OH)2−[3H]−D3 bound×100)を縦軸に、および[競合体]/[1α,25−(OH)2 −[3H]−D3]を横軸にプロットすることによって、求めた。特定の類似体に 対して得られたラインの傾斜を、1α,25−(OH)2−D3に対して得られた ラインの傾斜で割り算し、この値に100を掛け算してRCI値が得られる。定 義によって、1α,25−(OH)2−D3に対するRCIは、100である。 25−OH−D3ヒトビタミンD結合タンパクのステロイド競合検定 ヒトビタミンD結合タンパク質(DBP)のステロイド競合検定は、結合タン パク質としてヒトDBP(Gc−Globulin、米国ミズーリ州セントルイ ス所在のSigma社)を用いて実施した。0.8μLの0.1Mバルビタール 緩衡液pH8.6中のDBP(0.015mg)、および[3H]−25−OH −D3(0.9pmol、20Ci/mmol、Amersham社、米国イリ ノイ州アーリントン・ハイツ所在)、および0.1mLのエタノール中の非放射 性競合体(適当な範囲の濃度の試験類似体または標準の25−OH−D3)を2 組、氷上のコニカルチューブ中でインキュベートした。2時間後、0.2mlの チャーコールデキストランスラリー(4gのチャーコール、0.4gのデキスト ラン、200mLのバルビタール緩衡液中)を添加した。インキュベーションを 氷上でさらに30分間続け、そのチューブ900×gで10分間遠心分 離した。DBPに結合した[3H]−25−OH−D3を示す三重水素を、上澄み 液の一部分について液体シンチレーション測定法で測定した。各類似体について 少なくとも3組の検定を行った。データは[競合体]/[[H3]−25−OH −D3]対1/[結合最大量の%(% maximum bound)]としてプロットした。 相対競合指数、すなわちRCIは、さきに報告されているように(49)、[競 合体の傾斜]/[25−OH−D3の傾斜]×100として算出した。このよう なプロットによって、各類似体に特徴的な直線変換がなされ、その傾斜は、類似 体の競合指数の値に等しい(各類似体は、[3H]−25−OH−D3との競合で 検定されたが、そのデータは、そのRCIが100に設定されている1α,25 −(OH)2−D3の結合に対して表される。したがって、1α,25−(OH)2 −D3のRCI=100であり、25−OH−D3のRCI=66,800であ る。実施例4 − 1α,18,25−(OH3)−D3(HS)と1α,25−ジヒ ドロキシ−トランス−イソタキステロール(1,25−トランス−イソ−T)( JD)の合成と生物活性 HSは、次のようにして製造した。 第一に、HSの保護されたアルコール前駆体を次のようにして製造した。 18−アセトキシ−25−[(トリメチルシリル)オキシ]−1α−[(te rt−ブチルジメチルシリルオキシ)ビタミンD3tert−ブチルジメチルシ リル]エーテル(化合物A)を、Maynard他、J.Org.Chem.、 57巻、3214〜3217貞、1992年に記載されている手順で製造した。 化合物A(139mg、1.8mmol)を無水エチルエーテル(0.2mL )に溶解し、LiAlH4(21mg,5.4mmol)をエーテル(0.5m L)に溶解した溶液に滴下して加えた。得られた反応混合物を30分間撹拌し、 その期間に溶液は粘調になり、さらに0.2mLのエーテルを添加した。20分 間撹拌した後、反応混合物を酢酸エチル(1mL)でクエンチし、次いで半融ガ ラス漏斗で濾過した。得られた灰色の固体を酢酸エチル(5mL)で洗浄し、合 した濾液を濃縮した。粗製残留物をフラッシュクロマトグラフィー(20%酢酸 エチル/ヘキサン)で精製し、減圧乾燥して102mg(収率78%)の保護さ れたアルコール前駆体を得た。その前駆体の分析結果は、次のとおりである。 HSは、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド(2.16μL,0.2 16mmol,THF中1M)を、上記の保護されたアルコール前駆体(18. 1mg,0.024mmol)を無水THF(2mL)に溶解した溶液に添加す ることによって製造した。得られた混合物を室温で20時間撹拌し、次いで濃縮 乾固した。得られた残留粗製物質を、シリカゲルの短カラムを通じて直接フラッ シュクロマトグラフィー(ETOAC)に付し、次にHPLC(Rainin Dynamax、1.0×25cm、8μmシリカのカラム、EtOAc)で精 製し、減圧乾燥してHS(7mg、収率70%)を白色泡状物として得た。 HSの分析結果は、次のとおりである。 JDは、次のように前駆体A〜Dを製造し反応させることによって、合成した 。 (1S,3R,6S)−1,3−ジ(tert−ブチルジメチルシリルオキシ )−25−トリメチルシリルオキシ−9,10−セココレスタ−5(10),6 ,7−トリエン(A) 。 新しく精製した1,2−ジヨードエタン(412mg 、1.46mmol)とサマリウム金属(286mg、1.90mmol)を減 圧乾燥し、アルゴン雰囲気下4mLのTHF中に懸濁させた。この溶液を、濃い 青色になるまで2時間撹拌した。安息香酸プロパルギル(477mg、0.57 0mmol)およびPd(PPh34(65.8mg、0.037mmol)を 6mLのTHFに溶解して得た溶液をカニューレを通じて添加した。新たに蒸留 したイソプロパノール(0.5mL)を添加し、その溶液を正圧のアルゴン雰囲 気下14時間撹拌した。Na2CO飽和水溶液3(2mL)を添加して反応を停 止させた。有機層をエーテルで希釈し、その混合物をNa2CO3[3×10m L]で洗浄し、MgSO4で乾燥し、次いで濃縮した。生成物をフラッシュクロ マトグラフィー(シリカゲル、2%EtOAc/ヘキサン)で精製し、次にHP LC(2%EtOAc/ヘキサン、Rainin Dynamax カラム、流 速8mL/分)に付してAを製造した。 (1S,3R,6S)−1,3,25−トリヒドロキシ−9,10−セココレ スタ−5(10),6,7−トリエン(B) 。 上記ビニルアレンA(0.10 54g、0.1469mmol)にTBAF(THF中1M、1.6ml、1. 6mmol)を添加した。得られた溶液をアルゴン雰囲気下19時間撹拌した。 水(1mL)を添加し、次にその溶液を30分間撹拌した。得られた混合物をエ ーテル(3×15mL)で抽出し、エーテル抽出液を食塩水(1×10mL)で 洗浄し、次いで乾燥した(MgSO4)。濃縮した残留 物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、80%EtOAc/ヘキサン )に付し、次にHPLC(80%EtOAc/ヘキサン、Ranin Micr osorb カラム、流速4mL/分)に付して、精製された脱保護ビニルアレ ンBをその6R−ジアステレオマーとともに(NMRインテグレーション法によ って約92:8の比率)(46.1mg、全収率75.3%)を得た。シェーブ ・リサイクルHPLC(shave-recycle HPLC)で分離することによって、純品の Bを得ることができ、分光分析法で特性を決定できた。 7,8−シス−1α,25−ジヒドロキシビタミンD3(C)。 撹拌 棒が入っている10mLフラスコ中の上記ビニルアレンB(19.7mg、0. 047mmol)および(np)(CO)3Cr(14.7mg、0.0557 mmol)に、1mLのアセトン(CaSO4から蒸留)を添加した。凍結−ポ ンプ−融解のサイクルを4回行うことによって混合物の脱酸素を実施した後、そ の溶液を正圧のアルゴン雰囲気下、40℃で4時間撹拌した。アセトンを減圧で 除き、生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、80%のEtOA C/ヘキサン)で精製し、次にHPLC(80%EtOAc/ヘキサン、Rai nin Microsorb カラム、流量4.0mL/分)で分離して、下記 の溶出順で3成分を得た。すなわち、多量生成物C(17.0mg、86.4% )、 回収された出発物質の前駆体B(1.4mg、7.1%)および少量生成物(1 .5mg、7.6%)である。 1α,25−ジヒドロキシ−シス−ソタキステロール(D) アセトン−d6の1mL中の前駆体C(10.4mg、0.0250mmol )をNMR管に入れた。そのNMR管をフォイルでふたをし、アルゴンでフラッ シュし、次に57℃で加熱した。0、23、85、177、454および109 9分の時間間隔で反応混合物をNMR分析で監視した。熱生成物35が約113 0分のt1/2で生成することがNMRインテグレーションによって観察された。 他の生成物はみとめられなかった。18.5時間後溶媒を除き、次いで直ちにH PLC(80%EtOAc/ヘキサン、Rainin Microsorb カ ラム、流量4mL/分)によって生成物を出発物質から分離して、純品の前駆体 D(4.5mg、収率43%)を得た。前駆体Dの分析データは、次のとおりで ある。 前駆体D(7.5mg、0.0180mmol)の溶液をアルゴン雰囲気下エ ーテル(1ml)に溶解した。エーテルに溶解したヨウ素溶液(0.49mM、 150μl)を添加し、得られた溶液を室内照明の存在下、正圧アルゴンの雰囲 気下で8時間攪拌した。その溶液を濃縮して粗製の油状残留物を得た。その粗製 残留物をHPLC(Rainin Microsorb、シリカ、10mm×2 5cm、11%のイソプロパノール/ヘキサン)に付してJDを得 た(3.9mg、収率52%)。 JDの分析データは、次のとおりである。 HSとJDは、実施例2に記載されているのと同じ生物活性を有している。H Sの生物学的応答は、6−S−シスと6−S−トランスの立体配座を取ることが できる点で、1,25(OH)23に似ている。実施例5 − 23−(m−(ジメチルヒドロキシメチル)−22−イン−24 ,25,26,27−テトラノル−1α−OH−D3(1B)の合成と生物学的 特性 1Bを図27に記載の手順にしたがって製造した。合成のステップ1で、3− ヨード安息香酸を、80mlのMeOHおよび3mlのH2SO4中で14時間還 流する。得られた生成物(C872I)をH2O/ヘキサン混合物から再結晶さ せる。ステップ2で、PPh3PdCl2、CuIおよびEt2NHの存在下、C8 72IをC14 22Oと反応させる。生成したC22283は、20%の酢酸エチルを含有する ヘキサンの溶媒を用いフラッシュクロマトグラフィーで得られた。 ステップ3で、ステップ2の生成物を、S.A.Barrack他、J.Or g.Chem.、53巻、1790貞、1988年に記載の手順にしたがって、 55mgのOH、183mgのクロロクロム酸ピリジニウム(PDC)、12m gのトリクロロ酢酸ピリジニウム(PTFA)および100mlのCH2Cl2と 反応させた。この反応は、室温で5時間実施した。得られた黒色の混合物をろ過 し、CH2CR2で洗浄し、酢酸エチルで抽出し淡黄色の油状物を得た。この油状 物をフラッシュクロマトグラフィーに付してC22263を得た。 ステップ4で、ステップ3の生成物を、70mgのホスフィンオキシド、82 μlのn−ブチル、35mgのCDケトンのTHF溶液2mlと反応させた。n −ブチルは、ホスフィンオキシドのTHF溶液に滴下して加えた。得られたオレ ンジ色の溶液を−78℃で10分間攪拌し、THF中のCDリングケトンを滴下 して加えた。その反応混合物を−78℃で4時間攪拌した。この時点で、溶液は 淡黄色に変わった。その溶液を水でクエンチし酢酸エチルで抽出し、次いでNa2 SO4で乾燥した。溶媒を減圧蒸発させ、得られた生成物をフラッシュクロマト グラフィーで精製した。 ステップ5で、ステップ4の生成物を2mlのTHF中の53μlのMeLi と反応させた。ステップ4の生成物の室温のTHFによる溶液にMeLiを滴下 して加えた。得られた混合物を室温で1時間攪拌し、H2Oでクエンチした。得 られた生成物をH2Oで洗浄し、次いで乾燥した。 ステップ6で、ステップ5の生成物10mgを1mLのTHFに溶解した。6 0μlのTBAF(THF中1m)を滴下して加え、その溶液を室温で一夜攪拌 した。得られた混合物を短容積のAl23(中性)を通過させ次いで酢酸エチル で抽出した。得られた生成物はNMRとUVによってIBと同定された。 IBの生物活性は、6−S−シスと6−S−トランスの立体配座をとることが できるので、1α,25(OH)23のゲノムおよび非ゲノムの生物活性に似て いる。実施例6 − 1α,25−(OH)2−7−DHC(JM)および1α,25 −(OH)2−ルミステロール3(JN)の合成と生物活性。 JMとJNは、両者ともにトランスカルタキアを刺激するが、核ビタミンD受 容体(N−VDR)または血清ビタミンD輸送タンパク質(DBP)に結合する 場合、1α,25(OH)23と競合しない、閉じたB−リングの類似体である 。 JMすなわち1α,25−(OH)2−7−デヒドロコレステロール、および JNすなわち1α,25−(OH)2−7−ルミステロール3を、次のようにして 合成した。公知の1α,25−(OH)2−プレビタミンD3(120mg)のメ タノール溶液に、室温で3時間、光を照射した(Hanovia 450ワット 中圧水銀灯、パイレックスフィルター、λ>300nm)。得られた溶液を濃縮 し、次にHPLC(Raimin Microsorb、5μmシリカ、10m m×25cm、11%イソプロパノール/ヘキサン)に付して、溶出順に、JM (9.1mg、7.6%)、JN(15.0mg、12%)および出発物質の1 α,25−(OH)2−プレビタミ ンD3(10.6mg、8.8%)を得た。 JMの同定特性は、次のとおりである。 JNの同定特性は、次のとおりである。 生物学的検定は、次のように実施した。 ホワイトレグホーンの雄ひなどり(Hyline Internationa l社、米国カリフォルニア州レイクビュー所在)を孵化の日に入手し、ビタミン D補充餌(O.H.Kruse Grain & Milling社、米国カリ フォルニア州オンタリオ所在)で4〜5週間飼育した(400〜600g)。ビ タミンD欠乏ひなどりを用いた場合は、これらひなどりをくる病誘発餌(50) で4週間飼育した。腸の45Ca2+輸送の測定(トランスカルタキア) Ca2+輸送(トランスカルタキア)の測定を、すでに報告されているのとほぼ 同様に(6、8)、灌流されたひなどりの十二指腸で行った。ひなどりをクロロ ペント(0.3ml/100g)で麻酔し、十二指腸ループを露出させた。腹腔 動脈から分岐している3対の血管を結紮してから腹腔動脈自体のカニュレーショ ンを行った。0.9mMのCaCl2を添加して改良し95%のO2/5%のCO2 で酸素化されたゲイ平衡塩類溶液(GBSS)を用い、流量2ml/minで 動脈灌流を開始した。補助ポンプを用いて、ビヒクル(0.005%エタノール v/v、最終濃度)または試験類似体とアルブミン(0.125%w/v最終濃 度)を、流量0.25ml/minで血管灌流液に導入した。次に腸ループを切 取り、45Ca2+(5μCi/ml)を含有するGBSS(NaHCO3とグルコ ースを含まず)を腸内腔にフラッシュして満たした。腸内腔溶液は、0.25m l/分の流量で常に新しいものにして、上皮ブラシ縁における45Ca2+の定常濃 度を保証した。この腸の標本は、27℃で、食塩水で湿らせたチーズクロスの層 で湿潤状態を維持した。各十二 指腸に、その内腔に45Ca2+を満たした後、20分間、対照媒体(ビヒクル)を 灌流させて、基本輸送速度を求めた。次いで、この組織を、さらに40分間、試 験類似体に暴露するかまたはビヒクルの灌流を続けた。静脈流を、基本輸送期間 中および処理期間中、2分間隔で集めて、液体シンチーレーションによって45C a2+活性について検定した。試験結果は、処理された相の各時間間隔で出現する45 Ca2+(40分=20のデータ点)/平均基本速度(初期の20分間)の比率 で表す(6、51)。受容体とDBPの結合 ひなどりの腸核受容体に結合する場合、[3H]−1α,25(OH)23と 競合する類似体の相対性能の測定を、すでに報告されている方法(25)にした がって生体外で実施した。この検定では、増大させた濃度の非放射性1α,25 (OH)23または類似体のJMもしくはJNを、固定飽和量の[3H]−1α ,25(OH)23とともにインキュベートし、次いでひなどりの腸の核の抽出 物をビタミンD欠乏ひなどりから得た。[3H]−1α,25(OH)23の最 大結合量の百分率の逆数を算出し、類似体および[3H]−1α,25(OH)2 3の相対濃度の関数としてプロットした。各類似体の競合指数値を、競合ステ ロイドとしての非放射性1α,25(OH)23で得られた標準曲線に対して正 規化し、相対競合指数(RCI)のリニアースケール上においた。なお、1α, 25(OH)23のRCIは、100と定義する。ビタミンD類似体が血漿輸送 タンパク質のビタミンD結合タンパク質(DBP)に結合する相対性能の測定は 、類似の方式(52)で実施した。 JMとJNは、2個のA−リングヒドロキシN基の固定配向が異なっている。 すなわち、JMは1α−アキシアルおよび3β−エク アトリアルであり、JNは1α−エクアトリアルおよび3β−アキシアルである 。また、JMとJNは、6−S−シス形の1α,25(OH)23の類似体であ ることは明らかであり、したがって、JMとJNは、伸びきり6−S−トランス 立体配座で存在することはできない。上記生物学的試験の結果を要約して以下に 示す。トランスカルタキア 図24Aと24Bは、類似体JMとJNそれぞれの2種の濃度、ビヒクル対照 (エタノールのみ)および正の対照としての650pMの1α,25(OH)2 3で仲介された静脈流中の45Ca2+の出現を示す。トランスカルタキアを開始 する際の300pMのJMの効力は、対照より有意に大ではなく、かつ650p MのJMで誘発される応答は、天然の代謝物で誘発される応答の60%にすぎな い。しかし、JNで灌流すると、1α,25(OH)23とほぼ同一の剌激を生 成したが、JNは、輸送45Ca2+の比率が1α,25(OH)23よりわずかに 低かった。 図25Aと25Bは、それぞれJMとJNの投与応答曲線を示す。各棒グラフ は、その濃度において類似体が誘発する最大応答とみなされる図25Aと25B の40分のデータ点を示す。類似体JNは、結局、650pMの1α,25(O H)23が達成する最大刺激と均等の4倍プラトー(4-fold plateau)に130 0pMで到達する。650pMの類似体JMの45Ca2+輸送比は、2.5がピー クであり、JMの濃度を1300pMまで上げてもそれ以上増大しなかった。N−VDRおよびDBPの結合 これらの試験の結果を表IVに要約してある。JMとJNは、いずれも、核受 容体に結合するときに1α,25(OH)23と有意 に競合はしない。他の試験結果は、N−VDRの結合性が非常に低いのはゲノム 活性を欠いていることに関連することを示しており(7、8、11)、したがっ て、これら類似体は、両者ともに遺伝子レギュレーターとして有効ではない。 上記の試験結果は、JMとJNがともにトランスカルタキアのような非ゲノム 機構を制御するのに有用であることを示している。これら2種の類似体は、先に 述べたように、非ゲノム応答に対する作動薬として用いて作用させることができ る。実施例7 − (9α,10α)および(9β,10β)−1α,25−ジヒド ロキシ−7−デヒドロコレステロール−1α,25(OH)2−ピロカルシフェ ロール(JO)および1α,25(OH)2−イソプロピルカルシフェロール3( JP)の合成と生物活性 JOとJPを以下の手順で製造した。 1滴の2,4,6−トリメチルピリジンを含有するDMF(15mL)に1α ,25−(OH)2−プレビタミンD3(54.2mg)を溶解した溶液にアルゴ ンをフラッシュし、これをねじ蓋付きバイ アルびん中で18時間156℃で加熱した。溶液を冷却し濃縮し、得られた粗混 合物をHPLC(Rainin Microsorb、5μmシリカ、10mm ×25cm、11%のイソプロパノール/ヘキサン)に付して溶出順に1,25 −イソピロコレカルシフェロール(7.3mg、13.5%)、1,25−ピロ コレカルシフェロール(20.1mg、37.1%)および1,25−ビタミン D3(2.1mg、3.9%)を得た。その粗混合物を1H−NMR分光法で分析 したところ、ピロ異性体/イソピロ異性体の比率は、3:1であった。 JOのスペトルデータは、次のとおりである。 JPのスペクトルデータは、次のとおりである。 JOとJPは、両者とも、6−S−シス立体配座にロックされているので、類 似体のJMとJNが達成するのと同じ非ゲノム作用を有している。実施例8 − (1S,3R,6S)−7,19−レトロ−1,25−(OH)2 −D3(JV)と(1S,3R,6S)−7,19−レトロ−1,25−(OH )2−D3(JW)の合成と生物活性 類似体JVは、以下のようにして合成した。 (1S,3R,6S)−1、3−ジ(tert−ブチルジメチルシリルオキシ −25−リメチルシリルオキシ−9,10−セココレスタ−5(10),6,7 −リエン(A) は出発物質であり、まず次のようにして製造した。新たに精製し た1,2−ジヨードエタン(412mg、1.46mmol)とサマリウム金属 (286mg、1.90mmol)を減圧乾燥し、次にアルゴン雰囲気下で 4mLTHF中に懸濁させた。この溶液を、濃色の青色になるまで2時間撹拌し た。安息香酸プロパルギル(477mg、0.570mmol)とPd(PPh34(65.8mg、0.037mmol)を6mLのTHFに溶解した溶液を カニューレによって添加した。新たに蒸留したイソプロパノール(0.5mL) を添加し、得られた溶液を正圧アルゴンの雰囲気下で14時間撹拌した。Na2 CO3飽和水溶液(2mL)を添加して、反応を停止させた。有機層をエーテル で希釈し、次にその混合物をNa2CO3(3×10mL)で洗浄し、MgSO4 で乾燥し、次いで濃縮した。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲ ル、2%EtOAC/ヘキサン)、続いてHPLC(2%EtOAC/ヘキサン 、Rainin Dynamaxカラム、流量:8mL/min)によって精製 してビニルアレンA(0.3085g、収率75.5%)を得た。生成物は、1 H−NMR分析法で同定した。この物質は、トリオールとして一層安定である。 (1S,3R,6S)−1,3,25−トリヒドロキシ−9,10−セココレ スタ−5(10),6,7−トリエン(JV)を次のようにして製造した。ビニ ルアレンA(0.1054g、0.1469mmol)にTBAF(THF中1 M、1.6mL、1.6mmol)を添加した。得られた溶液をアルゴン雰囲気 下で19時間 撹拌した。水(1mL)を添加し、その溶液を30分間撹拌した。得られた混合 物をエーテルで抽出し(3×15mL)、そのエーテル抽出液を食塩水で洗浄し (1×10mL)、次いで乾燥した(MgSO4)。濃縮して得た残留物をフラ ッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、80%EtOAC/ヘキサン)に付し 、次にHPLC(80%EtOAC/ヘキサン、Rainin Microso rbカラム、流量4mL/min)に付して、精製された脱保護ビニルアレンJ Vをその6R−ジアステレオマーのJWとともに得た(NMRインテグレーショ ン法で約92:8の比率)(46.1mg、全収率75.3%)。シエーブ−リ サイクルHPLCによる分離によって、純晶のJVを得ることができ、かつ分光 分析法で特性を決定することができた。 (1S,3R,6S)−1,3,25−トリヒドロキシ−9,10−セココレ スタ−5(10),6,7−トリエンとしても知られているJWを、上記溶液か ら次のようにして単離した。(6S/6R)−ビニルアレンであるJVとJW( 2.6mg、0.0062mmol、6S:6Rの比率は約92:8である)を メタノール−d4(1mL)に溶解した溶液をNMR用石英管中に調整した。そ の溶液にアルゴンを飽和させ(30分間)、次にそのNMR管にふたをし、Ha novia450ワット中圧灯からの紫外線を30分間照射した。NMRスペク トル中のC18−Meシグナルを積分(in tegrate)したところ、2種の異性体の約50:50の混合物であることがわか った。溶媒を除き、次いで生成物をHPLC(11%のイソプロパノール/ヘキ サン、Rainin Microsorbカラム、流量6mL/min)で分離 した。重なっているピークの前の部分から純晶の(6R)−ビニルアレンJW( 0.9mg、収率35%)を得た。この生成物を分光分析法で同定し、特性を決 定した。 JVとJWの生物活性は、1,25(OH)23が達成する生物活性に似てい る。実施例9 − 1,25−(OH)27,8−シス−D3(JR)と1,25−( OH)2−5,6−トランス−7,8−シス−D3(JS)の合成と生物活性。 JRをJVから以下のようにして合成した。 撹拌棒が入った10mLフラスコ中のビニルアレンJV(19.7mg、0. 047mmol)と(np)(CO)3Cr(14.7mg、0.0557mm ol)に1mLのアセトン(CaSO4から蒸留)を添加した。凍結−ポンプ− 融解のサイクルを4回行って、上記混合物の脱酸素を行った後、得られた溶液を 正圧アルゴンの雰囲気下40℃で4時間撹拌した。アセトンを減圧で除き、生成 物を フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、80%EtOAc/ヘキサン)で 精製し、次にHPLC(80%EtOAc/ヘキサン、Rainin Micr osorbカラム、流量40mL/分)によって分離して、3成分を次の溶出順 に得た。すなわち、大量生成物JR(17.0mg、86.4%)、回収された 出発物質JV(1.4mg、7.1%)および小量のシスーイソタキステロール (1.5mg、7.6%)である。JRをNMRで分析して、以下の試験結果を 得た。 5,6−トランス−7,8−シス−1α,25−ジヒドロキシビタミンD3 JS)を、JRをヨウ素触媒シスートランス異性化反応に付して合成した。 その手順は、次のとおりであった。 7,8−シス類似体JR(約5.0mg、0.012mmol)に、0.1m ol%のI2のエーテル溶液(1mL、9.8×10-6M)を添加した。得られ た溶液をアルコン雰囲気下で30分間撹拌し、溶媒を除去し、次いでHPLCで 生成物を分離した。最初の分離(80%酢酸エチル/ヘキサン、Rainin Microsorbカラム、流量4mL/分)で二つの画分を得た。これら画分 を各々NMR分析に付した。画分Iは生成物A、BおよびCを含有しWそして画 分IIは生成物B、CおよびDを含有していた。これら 二つの画分のH−NMR分析結果および重量によって、これら4種の生成物A、 B、CおよびDが総合して約8:32:42:18の比率で得られたと推定した 。これら4種の生成物は、1H−NMR分析によって次の幾何異性体として同定 された。すなわち、Aは5,6−シス−7,8−トランス、Bは5,6−トラン ス−7,8−トランス、Cは5,6−トランス−7,8−シス(JS)、そして Dは5,6−シス−7,8−シス(JR)である。HPLC(11%EtOAc /ヘキサン、Rainin Microsorbカラム、流量6mL/min) で精製を繰返して、結局、分光法による特性決定に適している純晶の(JS)( 0.5mg、無色で粘性のある油状物)を得た。 JRとJSの生物活性を、前記諸実施例に記載してきたひなどりの腸受容体ス テロイド競合検定法で測定した。JRとJSは、ともに、天然ホルモンが受容体 に結合する性能を有意に抑制する。これらの試験結果は、JRとJSも、トラン スカルタキアなどの非ゲノム機構を調節するのに有用であることを示している。 実施例10 − 22−(p−ヒドロキシフェニル)−23,24,25,2 6,27,ペンタノル−D3(JX)と22−(m−ヒドロキシフェニル−23 ,24,25,26,27−ペンタノル− D3(JY)の合成と生物活性 乾燥THF(1.8mL)中のA−リングホスフィンオキシド(48mg、0 .11mmol)を−78℃まで冷却し、次にn−ブチルリチウム(ヘキサン中 1.5M、0.074mL、0.11mmol)を注射器で滴下して加えた。得 られた濃赤色の溶液を10分間撹拌し、適当なCD−リングケトン(28mg、 0.070mmol)を乾燥THF(0.6mL)に溶解した溶液で、カニュー レを用いて処理した。得られた混合物を、−78℃で2時間撹拌し、室温まで昇 温させ、次いで水(5mL)でクエンチした。水性層を分離してEtOAcで抽 出した(3×5mL)。合した有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し濃 縮した。得られた粗製残留物を、短いシリカゲルカラム(20%EtOAc/ヘ キサン)によって迅速濾過を行って精製し、保護されたビタミン20.1mg( 収率46%)を得た。この得られたビタミン(20.1mg、0.0315mm ol)をTHF(1mL)中に入れて、アルゴン雰囲気下に置き、TBAF(0 .32mL、THF中1M、0.32mmol)を滴下して加えた。18時間撹 拌後、溶媒を一部分蒸発させ、残留物を水(5ml)で希釈した。水性層をEt OAcで抽出した後(3×5mL)、有機層を合し、食塩水で洗浄し、次いでN a2SO4で乾燥した。残留物をHPLC(20%EtOAC/ヘキサン)で精製 し、減圧乾燥して4.7mg(収率36%)のJXを得た。 JXのスペクトルデータは、次のとおりである。 乾燥THF(2.8mL)のA−リングホスフィンオキシド(70mg、0. 154mmol)をアルゴン雰囲気下で−78℃に冷却し、次にn−ブチルリチ ウム(ヘキサン中1.5M、0.100mL、0.154mmol)を注射器に よって付加した。得られた溶液を10分間撹拌し、次に適当なCD−リングケト ン(41mg、0.102mmol)を乾燥THF(0.85mL)に溶解した 溶液を滴下して加えて処理した。得られた混合物を−78℃で2時間撹拌し、次 に1時間かけて室温まで昇温させた。溶媒を一部分蒸発させ、次に5mLの水で クエンチした。水性層を分離し、EtOAcで抽出した(3×5mL)。合した 有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで濃縮した。得られた粗製 残留物を、短いシリカゲルカラム(2%EtOAc/ヘキサン)によって迅速濾 過を行って精製し、19.2mg(収率29%)の保護されたビタミンを得た。 乾燥THF(1mL)中の保護されたビタミン(19.2mg、0.03mmo l)をアルゴン雰囲気下におき、TBAF(THF中1M、0.30mmol) を滴下して加えた。18時間撹拌後、溶媒を一部分蒸発させ、次いで水(5mL )で希釈した。 水性層をEtOAcで抽出した後(3×5mL)、有機層を合して、これを食塩 水で洗浄し、次にNa2SO4で乾燥した。残留物をHPLC(20%EtOAc /ヘキサン)で精製し、減圧乾燥して2.8mg(収率23%)のJYを得た。 JYのスペクトルデータは、次のとおりである。 JXとJYの生物活性は、これら2種の類似体が6−s−シスと6−s−トラ ンスの両方の立体配座を取ることができるので、1α,25(OH)23の生物 活性に似ている。 本発明の代表的な実施態様を説明してきたが、本明細書の開示事項は代表的な ものに過ぎず、各種の他の変形、適応および改変を本発明の範囲内で行うことが できることに当該技術分野の当業者は注目すべきである。したがって、本発明は 、本明細書に示したような特定の実施態様に限定されない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI A61K 31/59 ADU 9454−4C A61K 31/59 ADU ADV 9454−4C ADV (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE ,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK, LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,N L,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SI,SK,TJ,TT,UA,UZ,VN (72)発明者 オカムラ ウィリアム エイチ. アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92507 リバーサイド バイアリンタダ 1285

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 1α,25−(OH)2ビタミンD3によって仲介される、細胞のゲノムま たは非ゲノムの細胞応答を制御する方法であって、 プレビタミンD3、1β,25−(OH)2ビタミンD3、14−エピ−1,2 5−(OH)2−D3(GE)、14−エピ−1,25(OH)2−プレ−D3(G F)、1α,18,25−(OH)3−D3(HS)、23−(m−(ジメチルヒ ドロキシメチル)フェニル)−22−イン−24,25,26,27−テトラノ ル−1α−OH−D3(IB)、1α,25−ジヒドロキシ−トランス−イソタ キステロール(1,25−トランス−イソ−T)(JD)、1α,25−(OH )2−7−DHC(JM)、1α,25−(OH)2−ルミステロール3(JN) 、1α,25−(OH)2−ピロカルシフェロール3(JO)、1α,25−(O H)2−イソピロカルシフェロール3(JP)、1,25−(OH)2−7,8− シス−D3(JR)、1,25−(OH)2−5,6−トランス−7,8−シス− D3(JS)、(1S,3R,6S)−7,19−レトロ−1,25−(OH)2 −D3(JV)、(1S,3R,6R)−7,19−レトロ−1,25−(OH )2−D3(JW)、22−(p−ヒドロキシフェニル)−23,24,25,2 6,27−ペナノル−D3(JX)および22−(m−ヒドロキシフェニル)− 23,24,25,26,27−ペンタノル−D3(JY)からなる群から選択 されるビタミンD類似体の、1α,25−(OH)2ビタミンD3によって仲介さ れる少なくとも1種のゲノムまたは非ゲノムの細胞応答を測定可能なように生じ させるのに充分な量で、前記細胞を処理するステップを含んでなる方法。 2. 特許請求の範囲1に記載の方法であって、 1α,25−(OH)2ビタミンD3によって仲介される前記非ゲノム細胞応答 がトランスカルタキアである方法。 3. 特許請求の範囲1に記載の方法であって、 前記細胞が生体内に存在する場合である方法。 4. 特許請求の範囲1に記載の方法であって、 前記細胞が生体外に存在する場合である方法。 5. 特許請求の範囲1に記載の方法であって、 前記細胞が腸組織内に存在する場合である方法。 6. 特許請求の範囲1に記載の方法であって、 前記ビタミンD類似体が1α,25−(OH)23仲介前記非ゲノム細胞応答 の作動薬である方法。 7. 特許請求の範囲1に記載の方法であって、 前記ビタミンD類似体が1α,25−(OH)2ビタミンD3仲介前記非ゲノム 細胞応答の拮抗薬である方法。 8. 特許請求の範囲6に記載の方法であって、 前記ビタミンD類似体がプレビタミンD3である方法。 9. 特許請求の範囲7に記載の方法であって、 前記ビタミンD類似体が1β,25−(OH)2ビタミンD3である方法。 10. 14−エピ−1,25−(OH)2−D3(GE)、14−エピ−1,2 5−(OH)2−プレ−D3(GF)、1α,18,25−(OH)3−D3(HS )、23−(m−(ジメチルヒドロキシメチル)フェニル)−22−イン24, 25,26,27−テトラノル−1α−OH−D3(IB)、1α,25−ジヒ ドロキシ−トランス−イソタキステロール(1,25−トランス−イソ−T)( JD)、1α,25−(OH)2−7−DHC(JM)、1α,25−(OH)2 −ルミステロール3(JN)、1α,25−(OH)2−ピロカルシフェロール3 (JO)、1α,25−(OH)2−イソピロカルシフェロール3(JP)、1, 25−(OH)2−7,8−シス−D3(JR)、1,25−(OH)2−5,6 −トランス−7,8−シス−D3(JS)、(1S,3R,6S)−7,19− レトロ−1,25−(OH)2−D3(JV)、(1S,3R,6R)−7,19 −レトロ−1,25−(OH)2−D3(JW)、22−(p−ヒドロキシフェニ ル)−23,24,25,26,27−ペナノル−D3(JX)および22−( m−ヒドロキシフェニル)−23,24,25,26,27−ペンタノル−D3 (JY)からなる群から選択されるビタミンD類似体を含んでなる組成物。 11. 特許請求の範囲10に記載の組成物であって、 前記類似体が14−エピ−1,25−(OH)2−D3(GE)であるもの。 12. 特許請求の範囲10に記載の組成物であって、 前記類似体が14−エピ−1,25−(OH)2−プレ−D3(GF)であるも の。 13. 特許請求の範囲10に記載の組成物であって、 前記類似体が1α,18,25−(OH)3−D3(HS)であるもの。 14. 特許請求の範囲10に記載の組成物であって、 前記類似体が23−(m−(ジメチルヒドロキシメチル)フェニル)−22− イン−24,25,26,27−テトラノル−1α−OH−D3(IB)である もの。 15. 特許請求の範囲10に記載の組成物であって、 前記類似体が1α,25−ジヒドロキシ−トランス−イソタキステロール(1 ,25−トランス−イソ−T)(JD)であるもの。 16. 特許請求の範囲10に記載の組成物であって、 前記類似体が1α,25−(OH)2−7−DHC(JM)であるもの。 17. 特許請求の範囲10に記載の組成物であって、 前記類似体が1α,25−(OH)2−ルミステロール3(JN)であるもの。 18. 特許請求の範囲10に記載の組成物であって、 前記類似体が1α,25−(OH)2−ピロカルシフェロール3(JO)である もの。 19. 特許請求の範囲10に記載の組成物であって、 前記類似体が1α,25−(OH)2−イソピロカルシフェロール3(JP)で あるもの。 20. 特許請求の範囲10に記載の組成物であって、 前記類似体が1,25−(OH)2−7,8−シス−D3(JR)であるもの。 21. 特許請求の範囲10に記載の組成物であって、 前記類似体が1,25−(OH)2−5,6−トランス−7,8−シス−D3( JS)であるもの。 22. 特許請求の範囲10に記載の組成物であって、 前記類似体が(1S,3R,6S)−7,19−レトロ−1,25−(OH)2 −D3(JV)であるもの。 23. 特許請求の範囲10に記載の組成物であって、 前記類似体が(1S,3R,6R)−7,19−レトロ−1,25−(OH)2 −D3(JW)であるもの。 24. 特許請求の範囲10に記載の組成物であって、 前記類似体が22−(p−ヒドロキシフェニル)−23,24,25,26, 27−ペンタノル−D3(JX)であるもの。 25. 特許請求の範囲10に記載の組成物であって、 前記類似体が22−(m−ヒドロキシフェニル)−23,24,25,26, 27−ペンタノル−D3(JY)であるもの。
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