JPH09506824A - 空気、ガス及び／又は蒸気の流れからオイル及び／又は煤煙及び／又は他の異物を分離する装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 特に内燃機関に用いられ、空気、ガス及び／又は蒸気の流れからオイル、煤煙及び／又は他の異物を分離する装置であって、閉じられたチャンバ（２）に配置され且つ駆動体（８）によって軸線又は長手軸線（Ｌ）のまわりに回転駆動される少なくも１つのドラム（５）を含む。該ドラムは内部空間（５’）を有し及びその軸線を包囲し且つ前記内部空間を函成するその外被（９）の少なくも一部に多数の孔を有してふるい状になっており、該孔を介して、ドラムの内部空間からなる空間部分とドラムのまわりの室内の空間部分とは互いに速通する。その空間部分の一つに開いて空気、ガス、蒸気の流れを供給する少なくも１つの第１の接続部（１８）と、他の空間部分に開いてオイル及び／又は煤煙のない浄化された空気、ガス及び／又は蒸気の流れを導出する第２の接続部（１５）を含む。

Description

【発明の詳細な説明】 空気、ガス及び／又は蒸気の流れからオイル及び／又は煤煙及び／又は他の異 物を分離する装置 本発明は特許請求の範囲第１項の上位概念による装置に関する。 例えば内燃機関では、そして特にオットー機関及びディーゼル機関では、エン ジンオイル、即ちエンジンの潤滑用オイルを含む又は導くエンジンスペースを排 気することが必要であり、特にまたエンジンを駆動する際にエンジンオイルの気 化された成分（オイル蒸気）を排除する必要がある。 種々の理由から周囲への排気は不可能であり又は望まれていない。従来のエン ジンではこの排気は内燃機関の吸気通路で、そして特にエアフィルターと気化器 との間に在るこの通路の部分で行なわれたので、エンジンスペースからのオイル 蒸気は燃焼室又はエンジンのシリンダ内で共に燃焼された。このような排気方式 では購買上かなりの不利が考えられ、即ち吸気通路や気化器の汚れ及びオイルの 分離等により吸気通路及び／又は気化器内に在る機能要素が汚れることである。 本発明の目的はオイル及び／又は煤煙、さらに他の異物の分離を確実に可能に し及びそれに応じて煤煙のフィルターとして、特にまたオイルフィルターとして 、内燃機関のオイル分離器として、さらに他の用途のエアフィルター及びガスフ ィルターとしても使用し得る装置を提供することである。 この目的を達成するため特許請求の範囲第１項の特徴部分による 装置が形成される。 本発明による装置は特に自動車における又は内燃機関のオイルフィルター又は オイル分離器に適している。この場合、ドラムの内部空間に又は該ドラムの外被 にオイル蒸気の温度より低い温度の新鮮な空気を導入することによって外被にお けるドラムの冷却及び同時に該ドラムを包囲するチャンバの部分空間内のオイル 蒸気の冷却が行なわれるので、オイル蒸気の凝縮は部分的には既にこの空間部分 で、しかし大部分はドラムの外被面で行なわれ及び凝縮したオイルは凝縮オイル として導出することができる。回転するドラムの外被面をオイル蒸気が貫流する ことは妨げられ、即ちオイル蒸気がそこで絶えず凝縮し且つ凝縮したオイルはそ の比較的大きな表面張力によりドラムの細かい網状の外被を貫通することができ ず、却って回転するドラムから半径方向外方に移動し又は該ドラムから振り飛ば される。 本発明による装置はまた、空気及び／又はガスの流れから煤煙、ちり等の流体 状及び／又は固体状の異物を除去するフィルターとしても用いることができる。 本発明の展開した形態は特許請求の範囲の従属項の対象になっている。 次に図面を参照のもとに実施例において本発明をさらに詳細に説明する。 第１図はオイル分離器として用いられる本発明による装置の縦断面を非常に単 純化して示す図である。 第２図は第１図の線Ｉ−Ｉに沿って取った断面図である。 図示の装置は特に自動車に用いるために構成されたもので、エンジンオイル（ エンジンの潤滑剤）を含む又は導くエンジンスペースの排気において流出する空 気流又はガス流から気化オイル（オイル蒸気）又は微細に分割されたオイル分子 を分離するのに用いられる。この場合、エンジンスペースは特に、内燃機関の弁 を作動するためのカム軸（ｎ）、弁棒、さらに場合によってはロッカーアーム又 は引きレバーを受け入れるチャンバ又はエンジンオイルを含む他のチャンバであ る。通常、このエンジンスペースの排気は吸気ポートを介して行なわれるので、 排気において流出するオイル蒸気又は微細なオイル分子はエンジンで燃焼される 。 往々、例えば気化器内、吸気管内もしくはそこに在る機能要素などにおけるオ イルの堆積を避けるため、オイル蒸気又はオイル分子を分離し及び凝縮物として エンジンスペースに戻すことが望まれる。このため図示のオイル分離器が用いら れる。この分離器は本質的には、外部に対し閉じた内部空間２を形成するハウジ ング１からなる。図示の実施例ではハウジング１は立方体又は直方体状に形成さ れ、それに相応した形の内部空間２を有する。ハウジング１及びそれに伴う内部 空間２は他の適当な形状であってもよいことは明らかである。 内部空間２内にはハウジング１の両端壁３と４に垂直な軸線Ｌのまわりに回転 自在にドラム５が支持される。ハウジング１内に全体的に収められたドラム５は 端壁４の内面に近接した位置において軸７の端部に、長手軸線Ｌに垂直な面内に 配置された底部６が固定され、該軸は端壁４を貫通して内部空間２から封止状に 外部に延び且 つハウジング１もしくは端壁４の外側に備えられた電動機８によって長手軸線Ｌ のまわりに回転するように構成される。この場合、軸７は例えば電動機８の出力 軸である。 ドラム５は例えば耐食性の金属板の素材から作られた閉じた底部６のほか、長 手軸線Ｌに関し回転対称に形成されてこの長手軸線を包囲する外被９を含み、該 外被は目の細かい網状の金属格子、さらには例えば耐食鋼などの耐食性のある金 属格子から形成される。さらに、ふるい状の外被９は、ドラム５の円形の内径が 底部６から該底部に向き合うドラム５の開いた他方の端部１０に向かって減少す るような台錐形に形成される。外被９のこの開いた端部１０は長手軸線Ｌを同心 に包囲するリング１１によって補強され、即ちリング１１は端部１０におけるド ラム５の円形の開口を画成する。 ドラム５の端部１０は端壁３の内面に形成された補助チャンバ１２に挿入され 、該補助チャンバは端部１０の区域に在って、ドラムの全軸線長さの僅かな部分 の軸線方向の長さにわたりドラム５を包囲する。補助チャンバ１２は管からなる 接続部１３に接続され、該接続部は内部空間２に対し封止され、長手軸線Ｌに平 行且つ端壁３と４に垂直に配置された上側の壁１４を貫通して外部に延び及び冷 えた新鮮な空気を導入する（矢印Ａ）役割を果たす。 或る長さの管１５が端壁３を封止状に貫通し、該管は長手軸線Ｌと同軸に配置 され、及びドラム５の内部空間５’に挿入される開いたその端部がドラム５の全 軸線長さの僅かな部分に相当する間隔で端壁６に近接する。他端も同様に開いた 管１５は端壁３を封止状に貫通して外部に延び且つ内燃機関の図示しない気化器 に接続される。 壁１４に平行で該壁から離れて配置された底壁１７には接続部１８が備えられ 、該接続部を通してオイル蒸気が矢印Ｂのようにこのオイル分離器もしくはドラ ム５を包囲する内部空間２の部分に導入される。図示のように、図示の実施例で は接続部１８は、長手軸線Ｌの方向に関し端壁４より端壁３の近くに設置され、 従ってまた端壁３と端壁４の間に形成される内部空間２のほぼ全長にわたって延 びるドラム５の底部６より端部１０の近くに置かれる。即ち、接続部１８は底部 ６に比し小さな直径を有するドラム５の部分の区域に在る。さらに接続部１８は 、長手軸線Ｌを包含し且つ壁１４と底壁１７に垂直に延びる中間面Ｍに対し側方 に配置されるので、オイル蒸気は第２図に矢印Ｂで示すように、空間２内のドラ ム５に対しほぼ接線方向に導入される。図示の実施例では、接続部１８は２つの 側壁１９と２０の一つのすぐ近くに在り、該２つの側壁はそれぞれ端壁３と４に 垂直であり及び壁１４と１７にも垂直である。 底壁１７には端壁４のすぐ近くにも、内部空間２に達する接続部２１が備えら れ、該接続部を介して矢印Ｃで示すように、分離されたオイル凝縮物が排出され 、例えばエンジンスペースに戻される。第２図の矢印Ｄによってドラム５の回転 方向が示されるが、この回転方向は内部空間２への接続部１８の開口において流 入するオイル蒸気の流れの方向（矢印Ｂ）と同じである。 リング１１で包囲される開口の直径は管１５の外径より若干大きくなっている 。 次にこのオイル分離器の作用に関し説明する。 接続部１３は分岐管を介し内燃機関の吸気通路に接続され、該接 続部１３を介して矢印Ａ方向に、冷えた新鮮な空気が補助チャンバ１２に導入さ れる。接続部１８はエンジンスペースの排気部に接続される。接続部２１も同様 にエンジンスペースに連通する。ハウジング１から突出する管１５の端部は気化 器に接続される。 オイル分離器を作動するため電動機８を付勢すると、ドラム５は長手軸線Ｌの まわりに矢印Ｄ方向に回転する。 接続部１３を介して導入される新鮮な空気は補助チャンバ１２の区域において 格子状の外被９を通して、そしてまた特にリング１１と管１５の外面との間に形 成される環状の隙間を通してドラム５の内部空間５’（矢印Ａ’）に導入され、 そして最終的には管１５の開いた端部１６を通って、エンジンの吸入作用により 気化器に送入される（矢印Ａ”）。ドラム５の回転運動により及びそれによって 生じる遠心力により、導入された新鮮な空気はふるい状の外被９を通ってドラム ５の周囲の内部空間２の部分に達し（矢印Ａ”’）、外被９を通過して再生され 及び矢印Ａ”のように管１５を通って導出される。空気流Ａ’、Ａ”及びＡ”’ によりドラム５はその全外被９にわたり常に冷却される。新鮮な空気流Ａ”’に よってドラム５の周囲の内部空間２に在るオイル蒸気又はオイル蒸気と空気の混 合物の冷却もしくは温度低下が行なわれるので、部分的には既にドラム５を包囲 する内部空間２の部分で、特にドラム５の外面においてオイル蒸気の凝縮が生じ 及び底壁１７の内面に集まる凝縮オイルは接続部２１を介して排出され得る。外 被９の細かい、ふるい状の形態によって、比較的大きな表面張力を有するオイル 蒸気もしくは凝縮されたオイルは外被９を通過して内部空間２に達するのが妨げ られる。外被９の外面で凝縮するオイルはドラム５の回転運動により外方に飛散 し及び最終的には接続部２１を通ってエンジンスペースに戻される（矢印Ｃ）。 上記のように、及び特にまた第２図に示すように、ハウジング１は内部空間２ を形成し、該空間は該ハウジングの形状に相応して直方体又は立方体であり、特 に長手軸線Ｌに垂直な断面では円形ではなく、即ち図示の実施例では正方形の断 面を有する。この断面形状により、長手軸線Ｌのまわりにドラム５が回転しても ドラム５を包囲する内部空間２の部分においてドラムと共に回転する空気容積は 生じ得ないようになっている。従って、正方形断面はドラムと共に回転する空気 容積の発生を妨げ且つこのような共に回転することに反対する所謂「揚げ足とり 」の役割を果たす。 このハウジングが長方形断面又は３角形断面もしくは例えば６角形など他の多 角形の断面を有する場合にも同じ作用が得られる。 基本的にはハウジングの内部に、例えば内部空間２に設けられる突条、リブ又 は板片２２の形の他の妨止物を予見することも可能である。 本発明はこれまで実施例において説明してきたが、本発明の技術思想から逸脱 することなく、変形及び改変が可能なことが明らかである。 従って例えばドラム５の外被９を多層に形成することも可能である。さらにま た、この装置を煤煙フィルターとして形成することも可能であり、その場合、煤 煙を含むガス、例えばディーゼルエンジンの排気ガスを接続部１８から導入し且 つ浄化されたガス、即ち煤 煙分子のない排気ガスを管１５から導出する。煤煙分子及びそこに含まれる燃焼 されなかった燃料成分は回転するドラム５で分離され及びそこで触媒作用により （触媒作用のある材料を有するドラム５の外被９の相応した構成により）及び／ 又は特に回転するドラム５から該ドラムを包囲する内部空間２の部分に飛散して 、導入される熱エネルギーにより燃焼され、そのため内部空間２は後燃焼器の燃 焼室として形成される。 さらに電動機８の代りに他の駆動体、例えば排気ガス駆動体などの他の駆動体 を備え得ることは明らかである。 関連の部品番号のリスト １ ハウジング ２ 内部空間 ３、４ 端壁 ５ ドラム ５’ 内部空間 ６ 底部 ７ 軸 ８ 電動機 ９ 外被 １０ 端部 １１ リング １２ 補助チャンバ １３ 接続部 １４ 上側の壁 １５ 管 １６ 端部 １７ 底壁 １８ 接続部 １９、２０ 側壁 ２１ 接続部 Ａ〜Ｃ 流れ Ｄ 回転方向 Ｌ 長手軸線 Ｍ 中間面

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 １９５２０５３３．２ (32)優先日 1995年６月３日 (33)優先権主張国 ドイツ（ＤＥ） (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＣＡ，ＪＰ，ＫＲ (72)発明者 セイレル、アントン ドイツ連邦共和国、Ｄ―84577 ウインツ ェル、ドブル 14

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．空気、ガス及び／又は蒸気の流れからオイル及び／又は煤煙及び／又は異物 を分離する装置において、閉じられたチャンバ（２）に配置され且つ駆動体（８ ）によって軸線又は長手軸線（Ｌ）のまわりに回転駆動される少なくも１つのド ラム（５）を含み、該ドラムは内部空間（５’）を有し及びその軸線（Ｌ）を包 囲し且つ前記内部空間を画成するその外被（９）の少なくも一部に多数の孔を有 してふるい状になっており、該孔を通してドラム（５）の内部空間（５’）から なる空間部分とドラム（５）を包囲するチャンバ（２）の部分からなる空間部分 は連通し、さらにその空間部分の一つに開き空気、ガス及び／又は蒸気の流れを 導入する少なくも一つの第１の接続部（１８）と、他の空間部分に開きオイル及 び／又は煤煙及び／又は他の異物のない浄化された空気、ガス及び／又は蒸気の 流れを導出する第２の接続部（１５）を含むことを特徴とする、空気、ガス及び ／又は蒸気の流れからオイル及び／又は煤煙及び／又は他の異物を分離する装置 。 ２．第１の接続部（１８）はドラム（５）を包囲する空間部分に開き且つ第２の 接続部（１５）はドラム（５）の内部空間（５’）に開いていることを特徴とす る、特許請求の範囲第１項に記載の装置。 ３．ドラム（５）の外被（９）は円錐又は台錐形の形状に形成されていることを 特徴とする、特許請求の範囲第１項又は第２項に記載の装置。 ４．ドラム（５）は長手軸線Ｌに垂直に設けられた底部（６）と該底部に向き合 う開いた端部（１０）を有し、及び該開いた端部（１ ０）を通してドラム（５）の内部空間（５’）に接続部、特に第２の接続部（１ ５）が挿入されることを特徴とする、特許請求の範囲第１項から第３項までのい ずれかの項に記載の装置。 ５．ドラム（５）の中に挿入される接続部はドラムの長手軸線と同軸に配置され た管（１５）からなることを特徴とする、特許請求の範囲第４項に記載の装置。 ６．ドラム（５）に挿入される接続部（１５）は開口（１６）を有し、該開口は ドラム（５）の底部（６）のすぐ近くに在り、若しくは底部（６）からドラム（ ５）の軸線方向の長さよりかなり小さい距離を離れていることを特徴とする、特 許請求の範囲第４項又は第５項に記載の装置。 ７．新鮮な又は冷えた空気を内部空間（５’）に及び／又はドラム（５）の外被 （９）に導入するため少なくも１つの第３の接続部（１３）を含むことを特徴と する、特許請求の範囲第１項から第６項までのいずれかの項に記載の装置。 ８．少なくも１つの第３の接続部（１３）はドラム（５）の開いた端部（１０） において新鮮な及び／又は冷えた空気を導入するようになっていることを特徴と する、特許請求の範囲第７項に記載の装置。 ９．補助チャンバを含み、ドラム（５）はその端部、特にその開いた端部（１０ ）が該補助チャンバに挿入され、且つ少なくも１つの接続部（１３）を介して新 鮮な又は冷えた空気が該補助チャンバに導入されることを特徴とする、特許請求 の範囲第７項又は第８項に記載の装置。 １０．オイル分離器としてこの装置が構成される場合、凝縮オイルを導出するた めチャンバ（２）の底面に第４の接続部（２１）が備えられることを特徴とする 、特許請求の範囲第１項から第９項までのいずれかの項に記載の装置。 １１．ドラム（５）を受け入れるチャンバ（２）はドラムの回転軸線に垂直な断 面において円形と異なる横断面、例えば４角形に相応した横断面を有することを 特徴とする、特許請求の範囲第１項から第１０項までのいずれかの項に記載の装 置。 １２．チャンバ（２）は正方形、長方形又は６角形の横断面を有することを特徴 とする特許請求の範囲第１１項に記載の装置。 １３．チャンバ（２）の内部には空気の回転運動に反対の作用をする妨害物（２ ２）が備えられることを特徴とする、特許請求の範囲第１項から第１２項までの いずれかの項に記載の装置。 １４．ドラムを駆動するため排気ガス駆動体が備えられることを特徴とする、特 許請求の範囲第１項から第１３項までのいずれかの項に記載の装置。