JPH09506243A - レセプター認識因子、蛋白配列およびその使用方法 - Google Patents

レセプター認識因子、蛋白配列およびその使用方法

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JPH09506243A JP7509423A JP50942395A JPH09506243A JP H09506243 A JPH09506243 A JP H09506243A JP 7509423 A JP7509423 A JP 7509423A JP 50942395 A JP50942395 A JP 50942395A JP H09506243 A JPH09506243 A JP H09506243A
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Abstract

(57)【要約】 レセプタ認識ファクタが存在し、これは特異的なリガンドが結合している、特異的細胞レセプタを認識し、かつこれによって該DNAサイトに対する該転写ファクタの結合に関するシグナルを発しおよび/または該結合を開始することができる。このレセプタ認識ファクタは、ある例においては転写ファクタの一部分であり、また他の転写ファクタと相互作用して、これらを活性化し、かつDNA結合のための核まで移動させる。このレセプタ認識ファクタの活性はセカンド−メッセンジャーには独立であると考えられる。というのは、セカンドメッセンジャー濃度における明白な変動が何の効果も示さないからである。本発明の概念は、インターフェロン(IFN)-刺激遺伝子転写および特にIFN-αおよびIFN-γ両者によって生ずる活性化について実施した研究の結果によって例示される。種々のヒトおよびネズミのレセプタ認識ファクタに関する特定のDNAおよびアミノ酸配列を提供し、同様に2種のISGF-3遺伝子のポリペプチドフラグメントをも提供し、更に抗体を調製し、かつテストした。これらのポリペプチドにより、細胞内メッセージ伝達におけるチロシンキナーゼの直接的関与が確認される。多数の診断並びに治療物質およびその利用をも開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 レセプター認識因子、蛋白配列およびその使用方法 関連文献 本出願人らは、本発明の主題を目的とする幾つかの論文の著者または共同著者 である。(1)Darnellら、“インターフェロン依存転写活性化: シグナル導入 には第二のメッセンジャーの介入を必要としないのか?”("Interferon-Depende nt Transcriptional Activation: Signal Transduction Without Second Messen ger Involvement?"),THE NEW BIOLOGIST,2(10):1-4(1990); (2)X.Fuら、 “ISGF3(インターフェロンαによって誘発される)は相互に作用する多数の ポリペプチド鎖から成る”("ISGF3,The Transcriptional Activator Induced by Interferon α,Consists of Multiple Interacting Polypeptide Chains")PRO C.NATL.ACAD.SCI.USA,87:8555-8559(1990); (3)D.S.Kesslerら、“I FNαはISGF3(多重合性転写活性因子)の核への移転およびDNA結合親 和性を調節する”("IFNα Regulates Nuclear Translocation and DNA-Binding Affinity of ISGF3,A Multimeric Transcriptional Activator")GENESAND DE VELOPMENT,4:1753(1990);(4)C.Schindlerら、“潜在性細胞質転写因子のイ ンターフェロン依存チロシン燐酸付加”("Interferon-Dependent Tyrosine Phos phorylation of Latent Cytoplasmic Transcription Factor"),Science,257:8 09-812(1992);(5)Ke Shuaiら、“インターフェロンγは91kDDNA結合 蛋白の細胞質内チロシン燐酸付加を介して転写の引き金となる”(”Interferon- γ triggers transcription through cytoplasmic tyrosine phosphorylation o f a 91kD DNA binding protein"),Science,258:1808(1992);(6)国際特許出願 公告第WO93/19179号、“IFNレセプター認識因子、蛋白配列および その使用方法”("IFN RECEPTORS RECOGNITION FACTORS,PROTEIN SEQUENCESAND METHODS OF USE THEREOF”)、1993年9月30日公告。 発明の技術分野 本発明は、一般に細胞内レセプター認識蛋白または因子(すなわち蛋白群)並 びに、そのような因子または当該因子に対する反応性抗体もしくはその類似体を 、アッセー並びに細胞の衰弱、混乱もしくは機能不全の診断、予防および/また は治療のために含む方法と組成物に関する。より具体的には、本発明は、インタ ーフェロンに依存する態様でレセプター認識および、DNA結合を介するメッセ ージ伝達の両方を示す特定の分子に関し、さらに特に、細胞表面でのリガンド結 合レセプターとの相互作用および、DNA結合蛋白として核内での転写活動の両 方に直接参画する特定の分子に関する。同様に、本発明は、本因子に特異的であ り、したがってその活性を選択的に調節する抗体および他の物質に関する。 発明の背景 ポリペプチドリガンドがその同系細胞表面レセプターに結合した後に生じる、 シグナル導入のための幾つかの可能な経路が存在する。そのようなリガンド−レ セプター相互反応後数分以内に、以前は休止状態であった遺伝子が迅速に転写さ れる(Murdochら、1982; Larnerら、1984; Friedmanら、1984; Greenberg & Zif f,1984; Greenbergら、1985)。生理学的に最も重要でありながら、殆ど解明さ れていないこれら転写時の反応の特徴の1つは、それらの特異性である。すなわ ち、例えば血小板由来増殖因子(PDGF)によって活性化される1組の遺伝子 は、神経増殖因子(NGF)によって活性化されるもの、または腫瘍壊死因子( TNF)によって活性化されるものとは全く重複しない(Cochranら、1983;Gre enbergら、1985; Almendralら、1988; Leeら、1990)。インターフェロン(IF N)はもっぱら他の遺伝子の組み合わせを活性化する。IFNαおよびIFNγ (これらが存在すると細胞増殖の遅延およびウイルスに対する抵抗性の増加が生 じる(Tammら、1987))でさえ、正確に同じ遺伝子群を活性化するわけではない (Larnerら、1984; Friedmanら、1984; Celisら、1987、1985; Larnerら、1986 )。 細胞質内におけるシグナル導入経路に関する現時点での仮説は、ポリペプチド 依存転写反応で認められる高度な特異性の適切な説明とはなりえない。最終的に は核に至るであろうと考えられるシグナル導入のもっとも一般的な検討された経 路は、チロシンキナーゼドメインを含む細胞表面レセプターの特性に左右される か(例えば、PDGF、表皮増殖因子(EGF)、コロニー刺激因子(CSF) 、 インスリン様増殖因子−1(IGF−1):Gill(1990)、Hunter(1990)を参照の こと)、またはG−蛋白(Gilman,1987)と相互反応するレセプターの特性に左 右される。これら2つの群のレセプターは、一連の蛋白ホスホキナーゼ(一連の 細胞質蛋白の燐酸付加(または脱燐酸)反応を引き起こす)のうちの1つを順に 活性化する第二のメッセンジャーの細胞内濃度変化を調節する。 細胞内の第二のメッセンジャーレベルの変化に続いて発生する連続燐酸付加反 応の開始は、特定の遺伝子の転写速度の変化の原因であるという推測が広くとら れてきた(Bourne,1988,1990; Berridge,1987; Gill,1990; Hunter, 1990) 。 しかしながら、第二のメッセンジャーの全体的な変化が、ポリペプチドリガンド による特定のレセプターの占拠に依存する特異的転写反応をもたらす連鎖事象に 関与するという案に疑問を呈する少なくとも2つの理由がある。 第一に、第二のメッセンジャー(cAMP、ジアシルグリセロール、イノシッ トホスホリピドおよびCa2+が最も考察されているものである)の数は限定され ており、一方、例えばチロシンキナーゼおよびG−蛋白の変種のみについても既 知の細胞表面レセプター−リガンド対の数は、第二のメッセンジャーリストの数 を優に越えており、容易に数百に達するであろう(Gill,1990; Huter,1990)。 さらに、多くの異なるレセプターが常時1つの細胞型に共存するので、1個の細 胞が、それぞれに特異的な反応(各々が異なる標的遺伝子群を巻き込む)に関わ る2つまたはそれ以上の異なるリガンドに同時に反応することが要求されること がありえる。第二に、チロシンキナーゼドメインも持たずG−蛋白と相互反応す ることが示唆されるいかなる構造も持たない、ポリペプチドリガンドに対する多 数のレセプターが現在分かっている。これらには、インターロイキン−2(IL −2)(Leonardら、1985)、IFNα(Uzeら、1990)、IFNγ(Aguetら、1988 )、NGF(Johnsonら、1986)および成長ホルモン(Leungら、1987)に対するレセ プターが含まれる。その特異的なリガンドとこれら各々のレセプターとの結合に よって、特異的な遺伝子群が刺激されることが示された。これらの理由により、 限定的な第二のメッセンジャー群における包括的細胞内変動が、特異的でポリペ プチド依存性の即時転写反応に必須であるということは無さそうである。 国際特許出願公告第WO93/19179号(James E.Darnell,Jr.ら、 1993年9月30日)は、レセプター認識因子(シグナル導入因子・転写活性化因子 (STAT)と呼ぶ)の存在を開示する。分子量が113kD(すなわち113 kD蛋白、Stat113またはStat2)、91kD(すなわち91kD蛋 白、Stat91またはStat1α)、および84kD(すなわち84kD蛋 白、Stat84またはStat1β)であるレセプター認識因子をコードする cDNAのヌクレオチド配列は、それぞれ配列番号:1、3および5として本明 細書で再度述べられている。対応するSTAT蛋白の推定アミノ酸配列は、それ ぞれ配列番号:2、4および6で示されている。Stat84は、Stat91 の短縮形であることが分かった。重複する715アミノ酸配列において、Sta t113およびStat91/84との間では42%アミノ酸配列類似性(中央 の螺旋領域に4個のロイシンと1個のバリンの7回繰り返しを含む)が存在し、 さらに数個のチロシン残基が両蛋白の末端近くに保存されていた。このように、 レセプター認識蛋白は多数の特性を有する。とりわけ、1)レセプターを認識し 、さらにレセプターによる認識時に活性化され;2)抑制可能な工程によって核 に移転され(例えばNaFは移転を抑制する);3)転写活性化蛋白と結合し、 またはそれら自体が転写活性化蛋白として作用るという特性を有す。さらに、こ れら特性の全てを本明細書で開示する蛋白は有する。特に、この蛋白は、細胞上 のレセプターにインターフェロン(特にインターフェロン−α(3種のStat 蛋白の全て)およびインターフェロン−γ(Stat91))が結合することに よって活性化される。 発明の要旨 本発明にしたがえば、レセプター認識因子類(本明細書ではまたシグナル導入 因子・転写活性化因子(STAT)と呼ばれる)のまた別の因子の性状が決定さ れたが、これら新たな因子は、細胞表面上でそれらのリガンドによって占拠され たレセプターと直接相互作用しているようであり、さらにこれらは順番に従って 活性な転写因子となるか、または細胞の核に侵入する転写因子と直接結合し、さ らに、予め定められた部位に特異的に結合し、それによって遺伝子を活性化する 。したがってレセプター認識蛋白は以下の多数の特性を有し、これら特性の全て を本明細書で開示する蛋白は有することは留意されるべきである。すなわち、特 に レセプター認識蛋白は、1)レセプターを認識し、レセプターによるそのような 認識時に活性化され;2)抑制可能な工程によって核に移転され(例えばNaF は移転を抑制する);3)転写活性化蛋白に結合し、または転写活性化蛋白とし てそれら自体に作用する。 レセプター認識因子の別の特性は二量体化であり、チロシンの燐酸付加による 活性化の際にホモダイマーまたはヘテロダイマーを形成する。下記実施例におい てStat91およびStat84はホモダイマーを、Stat91−Stat 84はヘテロダイマーを形成する。したがって、本発明の目的はそのような二量 体であり、それらは、STAT蛋白の燐酸付加によって偶発的に形成されるか、 またはSTATA蛋白のようにもしくはSTAT蛋白と異なる態様でこの2つを 化学的に架橋することによって合成できる。 本発明はさらに、91kDレセプター認識因子の機能的に活性なフラグメント 、特にチロシン701残基に対応するアミノ酸残基を含むフラグメント、好まし くは対応するホスホチロシン残基を含むフラグメントであるレセプター認識因子 に関する。別の実施例では、機能的に活性なフラグメントは、さらにSH2ドメ イン、特にアルギニン602残基に対応する残基を有するSH2ドメインを含む 。そのような機能的に活性なレセプター認識因子は少なくとも約8アミノ酸残基 を含むと思われる。 本発明はまた91kD蛋白の抑制フラグメントを含む。ある実施例では、91 kD蛋白のSH2ドメインは、完全蛋白またはチロシン701を含むそのフラグ メントの燐酸付加反応を競合的に抑制する。別の実施例では、抑制フラグメント は、チロシンキナーゼと結合することに対して91kD蛋白と競合することがで きる。そのような抑制フラグメントは、チロシン701に対応する残基を含むか もしれない。 レセプター認識因子は組成が蛋白様で、細胞質に存在すると考えられている。 認識因子は、第二のメッセンジャーの濃度によって明白には影響を受けないが、 しかしチロシンキナーゼドメインと直接反応を起こし、G−蛋白とは明瞭な相互 反応を生じない。より具体的には、91kDヒトインターフェロン(IFN)− γ因子(したがって以前は“GAF”とも呼ばれた、配列番号:4で表される) は、そのアミノ酸配列の701位に位置するチロシンに燐酸を獲得した後DNA と直接反応する。 認識因子は、IFNαおよびIFNγの場合には幾つかの蛋白様置換基を含む ことが現在分かっている。因子ISGF−3に由来する3つの蛋白は配列が決定 されたが、それらは、本明細書では配列番号:1、2;配列番号:3、4;およ び配列番号:5、6で説明されている(国際特許出願公告第WO93/19179号参照) 。本発明は、したがってSTAT類に含まれる新たなもの(91kD蛋白(配列 番号:4)をコードするネズミの遺伝子を含む)を目的とし、これを同定しその 配列を決定した。配列番号:4のネズミの相同体のヌクレオチド配列(配列番号 :7)および推定アミノ酸配列(配列番号:8)は図1A−1Cに示す。 別の実施例では、認識因子の相同体をコードするネズミの遺伝子の配列が決定 され、プラスミドにクローニングされた。プラスミド13sf1の遺伝子は、図 2A−Dに示したヌクレオチド配列(配列番号:9)および推定アミノ酸配列を 有する。プラスミド19sf6の遺伝子は、図3A−Eに示したヌクレオチド( 配列配列番号:11)および推定アミノ酸配列(配列番号:12)を有する。 配列番号:2の蛋白配列並びに配列番号:4および配列番号:6の蛋白の配列 は、それぞれ2つの異なるが、関連を有する遺伝子に由来することは特に記載さ れるべきである。さらにまた、図1(配列番号:8)の蛋白配列は、配列番号: 4の蛋白をコードする遺伝子と類似するネズミ遺伝子に由来する。さらに記載す べきは、図2(配列番号:10)および図3(配列番号:12)の蛋白配列は、 図1(配列番号:8)の蛋白と異なるが互いに関係を有する2つの遺伝子に由来 するということである。これらの発見から、1群の遺伝子が存在し、その群に含 まれる別のものも同様に存在するということは明瞭である。したがって、本明細 書で示したように、ハイブリダイゼーション手技を用いることによってそのよう な群に含まれる別のものが発見されるであろう。 さらに、本明細書で開示した認識因子のように機能する、そのような群に属す るもの能力は、特定の群に含まれるものの燐酸付加を引き起こすリガンドを決定 することによって調べることができる。 その最も大きな特徴において、本発明は、特異的なポリペプチドリガンドの標 的細胞上の細胞レセプターへの結合に対する反応として、当該細胞の遺伝子の転 写刺激に関与するレセプター認識因子にまで及ぶが、当該レセプター認識因子は 以下の性状を有する: a)リガンド結合レセプター複合体との明瞭な直接反応、および特異的遺 伝子と結合できる1つまたは2つ以上の転写因子の活性化; b)第二のメッセンジャー濃度またはその存在によって明瞭には影響を受 けない活性; c)チロシンキナーゼドメインとの直接反応; d)G−蛋白との相互反応は認められないこと。 別の特徴では、レセプター認識(STAT)蛋白は、燐酸付加による活性化に 際して二量体を形成する。 特定の実施例では、配列番号:4によって表されるレセプター認識因子はさら に別の能力を有するが、これは、翻訳蛋白として、特にインターフェロン−γ刺 激に対する反応でDNA結合蛋白として作用する能力である。この発見は、問題 の蛋白並びに、これまでレセプター認識因子として性状が調べられてきた他の蛋 白および同様な因子についての拡張された役割を予想させた。したがって、ただ 1つの因子が実際リガンド結合レセプター間の連結を提供し、さらに核内でのD NA転写活動に直接参画することが可能であることは明瞭である。この多型性因 子は以下の性状を有する: a)それは、インターフェロン−γ結合レセプターキナーゼ複合体と相互 反応する; b)それはチロシンキナーゼの基質である; c)燐酸付加されると、それはDNA結合蛋白として機能する。 より具体的には、配列番号:4によって表される因子はその活性がインターフ ェロン依存であり、インターフェロン刺激、特にインターフェロン−ガンマの刺 激に反応する。さらに、配列番号:4によって表される因子の活性化には、この 蛋白のチロシン701の燐酸付加が必要であることが分かった。特に、チロシン 701の燐酸付加は、核への移転、DNA結合および転写活性化に必要である。 さらに、チロシンの燐酸付加には、蛋白内に機能的に活性なSH2ドメインが存 在することが要求される。好ましくは、そのようなSH2ドメインは、この蛋白 の602位のアルギニンに対応するアミノ酸残基を含む。 また別の特徴では、本発明は、リガンド結合インターフェロンレセプターと相 互反応するレセプター認識因子にも及ぶが、このレセプター認識因子は以下の性 状を有する: a)それは細胞質に存在する; b)それは、IFNαまたはIFNγで細胞を処理するときにチロシンの 燐酸付加を受ける; c)それは、インターフェロンで刺激される遺伝子の転写を活性化させる 。 d)それは、ISRE依存転写またはガンマ活性化部位(GAS)依存転 写をインビボで刺激する; e)それは、IFNの細胞レセプターと相互反応する; f)それは、IFNでIFN細胞レセプターを刺激するとき核への移転さ れる。 配列番号:4によって表される本発明の因子は、以前に明らかにされたインタ ーフェロン−γ依存性の部位特異的DNA結合蛋白で、以前はγ活性化因子(G AF)と呼ばれていたものと同様な態様で作用するようである。特に、この因子 のインターフェロン−γ依存活性化は、新規な蛋白合成が無くても生じ、インタ ーフェロン−γ処理の数分以内に出現し、その後15から30分の間で最大に達 し、その後2−3時間後に消失する。これらの検証および作用の新たな特徴は、 診断および治療的重要性の両方を有する出願について本因子を評価するために役 立つ。 特定の実施例では、本発明は、ここで開示するレセプター認識類に含まれる全 てのもの、特にその配列が、配列番号:8、配列番号:10または配列番号:1 2の1つまたは2つ以上によって表される蛋白に関する。 本発明はまた、組換え体DNA分子もしくはクローニングされた遺伝子、また はその縮退変種(これはレセプター認識因子をコードする)もしくはそのフラグ メントにも関し、これは、分子量が約113kDで図1(配列番号:8)に説明 するアミノ酸配列を有する。また別の実施例では、レセプター認識因子は、図2 (配列番号:10)で説明するアミノ酸配列を有する;好ましくは核酸分子、特 に組換え体DNA分子またはクローニングされた遺伝子でそのようなレセプター 認識因子をコードするものは、図2(配列番号:9)で示したヌクレオチド配列 を有するか、またはそのようなDNA配列に相補的である。さらにまた別の実施 例では、レセプター認識因子は図3(配列番号:12)で説明したアミノ酸を有 し;好ましくは核酸分子、特に組換え体DNA分子またはクローニングされた遺 伝子でそのようなレセプター認識因子をコードするものは、図3(配列番号:1 1)に示したヌクレオチド配列またはそのようなDNA配列に相補的である。 本発明のレセプター認識因子のヒトおよびネズミDNA配列、またはその部分 は、相補的配列または同種または別の種のゲノムクローンをスクリーニングする ためのプローブとして調製してもよい。本発明は、レセプター認識因子について cDNAおよびゲノムライブラリーをスクリーニングするために提供できるよう に調製したプローブにまで及ぶ。例えば、このプローブは、種々の既知ベクター 、例えばλファージベクターを用いて調製できる。本発明はまた、そのようなベ クターを含むプラスミド調製物、アンチセンスRNAを発現するベクターを構築 するための当該DNA配列の使用、または図1、2および3で説明したDNA配 列(それぞれ配列番号:7、9および11)のいずれかもしくは全てのmRNA を攻撃するリボザイムも含む。それに対応して、アンチセンスRNAおよびリボ ザイムの調製も本明細書に含まれる。 本発明はまた、本明細書に記載した活性を有し、上記で説明したアミノ酸配列 を示し、さらに配列番号:8、配列番号:10および配列番号:12から選ばれ るレセプター認識因子蛋白を含む。 本発明のさらに別の実施例では、そのようにして求められた組換え体DNA分 子またはクローニングされた遺伝子の完全なDNA配列は、機能しえるように発 現制御配列に連結され、適切な宿主に導入できる。したがって、本発明は、本レ セプター認識因子をコードするDNA配列、さらにより具体的には上記および配 列番号:7、配列番号:9および配列番号:11で説明した配列から求められた 完全なDNA配列を含むクローニングされた遺伝子または組換え体DNA分子で 形質転換された単細胞宿主にも及ぶ。 本発明のある好ましい実施例の他の好ましい特徴にしたがえば、生物学的に活 性な動物またはヒトのレセプター認識因子を生成するために、組換え体発現系が 提供される。 本発明は、当然、認識因子の調製のための幾つかの手段を目的としており、本 明細書で詳述したように既知の組換え体技術を含み、したがって、本発明は、そ のような合成調製物もその範囲に含むことを意図している。本明細書で開示した cDNAのアミノ酸配列の分離は、そのような組換え体技術によって認識因子の 再生を促進し、したがって本発明は、宿主系で発現させるために組換え体DNA 技術によって開示DNA配列から調製した発現ベクターにも及び、さらに生じた 形質転換宿主にも及ぶ。 本発明は、認識因子を阻害しまたは活性を高めることによって、標的哺乳類細 胞の転写活性を調節する効果を有する有望な薬剤をスクリーニングするアッセー 系を含む。1つの例では、被験薬は、レセプター認識因子を活性化させるリガン ド、または活性化認識因子を含む抽出物とともに細胞サンプルに投与され、いず れかの化学薬剤サンプル(DNAを含む)または被験薬への認識因子の結合活性 に対する効果をコントロールと比較することによって求めることができた。 より重要なことには、このアッセー系は、認識因子および/または転写因子も しくは蛋白に細胞質内または核内で結合し、したがって転写活性を阻害しもしく は強化することができる薬剤または他の物質を同定するために用いることが可能 であろう。そのようなアッセーは、特定の細胞活動に対して特異的に対抗するか 、または活動の時間と程度においてそのような活動を強化する薬剤の開発に有用 であろう。例えば、そのような薬剤は、細胞のショックに対する反応を調節する ために、または他の病理反応を調節するために(例えば癌に対してIFNをより 強力にさせる場合に)用いることが可能かもしれない。 さらに別の実施例では、本発明は、レセプター認識因子(STAT)の活性に 対する拮抗物質を目的とする。特に、二量体化(ホモダイマー化またはヘテロダ イマー化)を抑制する薬剤または分子は、活性化された燐酸付加STAT蛋白に よって効果が生じる転写活性化を阻害するために用いることができる。特定の実 施例では、この拮抗物質は、STAT蛋白のSH2ドメインの一部分の配列また はSTAT蛋白のホスホチロシンドメインまたはその両方を有するペプチドでも よい。このペプチドが両領域を含む場合は、好ましくはこの領域は縦に連続して 配置され、より好ましくはSH2ドメインのN−末端がホスホチロシン部分に続 く。以下の特定の実施例では、そのようなペプチドは、STAT蛋白の二量体化 を阻害することができることが示される。 本発明の診断に関する有用性は、チロシンキナーゼ抑制物質のスクリーニング 用アッセーで本レセプター認識因子を使用することも含む。本明細書に記載した レセプター認識−転写活性化蛋白の活性はチロシン燐酸付加を維持しなければな らないので、それらは特異的なチロシンホスファターゼによっておそらく脱燐酸 されるであろう。したがって、特異的なホスファターゼの阻害は、レセプター認 識蛋白の活性を強化する薬理学的仲介手段である。 同様に本発明は、レセプター認識因子に対する抗体(自然に生成される抗体お よび組み換えによって調製される抗体を含む)の作製にも及ぶ。例えば、この抗 体は、発現ライブラリーをスクリーニングし、レセプター認識因子をコードする 遺伝子を得るために用いることができる。そのような抗体には、既知の遺伝子技 術によって製造されたポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体だけでなく 、二特異性(キメラ)抗体および、転写活性調節能と合わせて別の診断用途のた めにその中に他の官能性を含めた抗体が含まれる。 特に、特異的に燐酸付加された因子に対する抗体が選択され、以下の活性化蛋 白の特定の能力のために本発明の範囲内に含まれる。したがって、認識因子また はその活性と因果関係があると考えらる特定のポリペプチドの活性は、適切に標 識された多量の認識因子または抗体もしくはその類似体を介して、この後で考察 されるアッセー技術により直接追跡されるであろう。 したがって、レセプター認識因子、その類似体および拮抗物質、またはそれら に対して作製された抗体は、種々の診断技術と組み合わせて使用することができ る。この診断技術には免疫アッセー、例えば放射性免疫アッセーが含まれるが、 例えば、放射能添加、ホウ素化水素ナトリウムによる還元または放射性ヨウ素付 加によって標識されたレセプター認識因子に対する抗体を用いる。 別の実施例では、本発明は、認識因子、そのサブユニットまたはその活性フラ グメントの活性に基づくか、または同じ活性を有することが分かった物質または 他の薬剤に基づくある種の治療方法に関する。第一の治療方法は、認識因子もし くはそのサブユニットの結合活性と因果関係を有するか、またはその結合活性に 続いて発生する症状の出現防止と関連するが、それは、認識因子またはそのサブ ユニットの産生および/または活性を調節することができる物質をそれぞれ別個 に、もしくは宿主においてそのような症状の発生を防止するために有効な量で互 いに混合して投与することを含む。例えば、レセプター認識/転写因子もしくは 蛋白に対する薬剤または他の結合相手を投与して、癌治療におけるインターフェ ロン強化のように、転写活性を抑制もしくは強化することができる。活性化(燐 酸付加)認識/転写因子の脱燐酸における特異的チロシンホスファターゼの作用 の阻害は、レセプター認識因子/蛋白の活性化に基づく療法を同時に強化する、 レセプター認識因子もしくは蛋白活性化強化方法を提供する。 より具体的には、本明細書で一般的に言及するこの治療方法は、種々の病理反 応または他の細胞性機能不全もしくは混乱の治療のための方法を含み、この方法 は、認識因子もしくはそのサブユニットの活性化の効果的抑制物質または強化物 質、または本発明の別の特徴にしたがって調製され、用いられる例えば薬剤スク リーニングによって開発された他の等しく有効な薬剤を含む医薬組成物の投与に よるものである。例えば、レセプター認識/転写因子もしくは蛋白に対する薬剤 または他の結合相手(配列番号:8、10もしくは12で表される)は、癌治療 におけるインターフェロンの強化の場合のように転写活性を抑制または強化する ために投与できる。また、活性化(燐酸付加)認識/転写因子もしくは蛋白の脱 燐酸における特異的チロシンホスファターゼの阻害は、レセプター認識因子/蛋 白活性化に基づく治療を同時に強化する、レセプター認識因子もしくは蛋白活性 の強化方法を提供する。それに対応して、認識/転写因子の活性化もしくは結合 の抑制もしくは阻害はMHCクラスII発現に影響を与え、結果として、免疫抑 制を推進するであろう。(ファックス文字不明瞭p14 115)によって本明細書で後に詳 述するように、この活性を示す物質は、自己免疫疾患および移植片拒絶の治療の ような例においてある程度の免疫抑制を所望する場合は有用であろう。 特にISGF−3の蛋白(配列は本明細書の配列番号:8、10または12で 示されている)、その抗体、活性物質、拮抗物質またはその活性フラグメントは 、インターフェロン療法が適切であるような事例、例えば慢性ウイルス性肝炎、 毛様細胞性白血病を治療するために、さらにアジュバント療法でインターフェロ ンを使用するために投与する医薬製剤として製造できるであろう。このレセプタ ー蛋白の特異性は、現在のインターフェロン療法の遅発副作用の良好な処理を可 能にし、インターフェロンを一般的な抗ウイルス剤として使用することを可能に するであろう。 したがって、本発明の主要な目的は、一定の特性および細胞の転写活性促進に 付随する活性を示す、レセプター認識因子類の新規な因子およびそのような新規 なレセプター認識因子のサブユニットを精製された形で提供することである。 本発明の具体的な目的は、当該因子の活性を抑制するレセプター認識因子のフ ラグメントを提供することである。 本発明の別の目的は、レセプター認識因子およびそのサブユニットに対する抗 体、並びに組み換え手段を含むそれらを製造する方法を提供することである。 本発明のさらに別の目的は、侵襲性、偶発性または特発性病変の存在が疑われ る哺乳動物において、レセプター認識因子およびそのサブユニットの存在を検出 する方法を提供することである。 本発明のさらにまた別の目的は、哺乳動物で当該認識因子および/またはその サブユニットの活性を模倣するか、またはその副作用に対抗するために有効であ ると期待される薬剤などの物質をスクリーニングする方法および付随するアッセ ー系を提供することである。 本発明のなお別の目的は、認識因子もしくはそのサブユニットの量または活性 を制御し、そのような存在または活性の悪影響を変え、または有利な場合にはそ のような活性を強化させるために哺乳動物を治療する方法を提供することである 。 本発明のまた別の目的は、認識因子もしくはそのサブユニットの量または活性 を制御して、侵襲性、偶発性または特発性病変の悪影響を治療または回避するた めに哺乳動物を治療する方法を提供することである。 本発明のさらにまた別の目的は、認識因子、そのサブユニット、それらの結合 相手を含むかもしくはそれらを基剤とする治療で使用する医薬組成物、または、 認識因子の産生を制御し、または当該因子の活性を模倣もしくは拮抗する薬剤を 基剤とする治療で使用する医薬組成物を提供することである。 他の目的および利点は、以下の図面を参考に後続する記載から当業者には明ら かとなろう。 図面の簡単な説明 図1は、ネズミの91kD細胞内レセプター認識因子をコードするDNA配列 (配列番号:7)(B−C)、およびその推定アミノ酸配列(配列番号:8)(A) を表す。 図2は、13sf1細胞内レセプター認識因子をコードするDNA配列(配列 番号:9)(B−D)、およびその推定アミノ酸配列(配列番号:10)(A) を表す。 図3は、19sf6細胞内レセプター認識因子をコードするDNA配列(配列 番号:11)(B−E)、およびその推定アミノ酸配列(配列番号:12)(A) を表す。 図4は、91kD蛋白のホスホチロシン残基の確認を示す。(A)IFN−γ 処理FS2細胞由来32P−91kD蛋白のトリプシン処理ホスホペプチドマップ 。ホスホアミノ酸分析によって、ペプチドXのみがホスホチロシンを含むことが 示めされた(31)。(B)ペプチドXのエドマン分解(32)。紫外線で検出 されたPTH−P−Tyrマーカーの位置が示されている。(C)91kD蛋白 のホスホチロシン残基の位置を示す模式図。HR、7ペプチド繰り返し;SH2 、Src相同ドメイン2;およびSH3、Src相同ドメイン3。(D)合成ペ プチドLDGPKGTGYIKTELI(配列番号:13)。32P標識チロシン で燐酸化して、トリプシンで消化し、単独(左側パネル)もしくは同量の32P標 識ペプチドXと混合して(右側パネル)二次元ペプチドマッピングで解析した。 Oriはオリジン(起点)を示す。合成ペプチド(10μg、Genetics社より入 手)を1Uのp45v,abl(Oncogene Science)とともに、50mMHepes (pH7.4)、0.1mMEDTA、0.015%Brij35、0.1mMAT P、10mMMgCl2および2μCiの〔γ−32P〕ATP中で30℃30分 保温した。この32P標識ペプチドを薄層クロマトグラフィープレート上でpH3 .5で 電気泳動を施して精製した。32P標識ペプチドのトリプシン消化は記載にしたが って実施した(32)。 ヒトFS2細胞を無燐酸培地で3時間〔32P〕オルトホスフェート(デュポン) で標識し、続いてIFN−γで10分処理した。細胞溶解物を91kDのCOO H−末端の35アミノ酸に対する抗血清で免疫沈澱させ、SDA−ポリアクリル アミドゲル電気泳動(PAGE)(7%ゲル)で分離した。32P標識91kDバ ンドを切り出し、トリプシンマッピングに付した(31)。僅かの変更を加えな がら記載にしたがってエドマン分解を実施した(32)。エドマン分解を5サイ クル実施してペプチドX(600cpm)を得た。各サイクルのサンプルおよび 等量の未処理ペプチドXをpH3.5で電気泳動によって分析した。PTH−P −Tyrマーカーは記載にしたがって合成した(31)。 図5は、細胞株での91および84kD蛋白の燐酸付加の分析を示す。(A) 親細胞2fTGH(レーン1および4)由来全細胞抽出物の91kD蛋白に対す る抗血清(抗−91)を用いた蛋白免疫ブロット分析;91および84kD蛋白 を欠く変異U3細胞(レーン2および3);91kD蛋白(C91、レーン6) および84kD蛋白(C84、レーン7)、またはTyr701変異MNC−ty (Cty、レーン5)を発現しているU3。(B)84kD蛋白のトリプシン消 化ペプチドマップ。C84細胞を〔32P〕オルトホスフェートで3時間標識し、 続いてIFN−γで10分処理した。抗91による免疫沈澱および32P標識84 kDa蛋白のトリプシン消化マッピングは記載(図4)のように実施した。(C )2fGTH(レーン3、4、7および8)およびCty(レーン1、2、5お よび6)由来全細胞溶解物中の蛋白を抗91T(31)で免疫沈澱させ、SDA −PAGE(7%ゲル)で分離した。続いてブロットをホスホチロシン4G10 に対するモノクローナル抗体(mAb)で調べた(UB1、レーン1から4)。 ブロットを細長く切り出し、抗−91Tで再び調べた(レーン5から8)。燐酸 カルシウム法(35)によって、U3A細胞(5×105)(30)を4μgの発 現ベクターおよび16μgのpBSKプラスミド(Strategene)で核酸感染(ト ランスフェクト)させた。核酸感染後48時間で、G418(0.5mg/ml )(Gibco,BRL)含有ダルベッコーの修飾イーグル培地で細胞を選別し、個々の コ ロニーを蛋白免疫ブロッテイングにより適切な蛋白発現についてスクリーニング した。細胞株はG418(0.2mg/ml)の存在下で維持した。サイトメガ ロウイルスプロモーターを用い、91または84kD蛋白をコードする発現ベク ターは、発現ベクターpMNCのNotI−BamHIクローニング部位にcD NAを挿入することによって構築した(35)。Tyr701のTATコドンは、 ポリメラーゼ鎖伸長反応(PCR)(36、37)を用いて標準的変異誘発方法 によって変化させた。この配列は、DNA配列決定(U.S.Biochemical、クリー ブランド、オハイオ)によって確認した。分子の大きさは、キロダルトン単位で 左側(A)または右側(C)に示した。 図6は、91および84kD蛋白のDNA結合および核内分布に関するデータ を示す。(A)91および84kD蛋白のDNA結合および核への移転。IFN −γで15分処理した(+)または未処理(−)のCty(レーン1および2) 、2fTFGH(レーン3および4)、U3A(レーン5および6)、C91( レーン7および8)およびC84(レーン9および10)細胞からの全細胞抽出 物のゲル移動度−シフト分析。Ly−6E遺伝子(34)からのGAS配列を含 む21ヌクレオチドオリゴマーを標識し、記載にしたがって(31)シフトアッ セーのプローブとして用いた。(B)免疫蛍光法によって調べた核内分布。安定 細胞株C91(aおよびb)、C84(cおよびd)およびCty(eおよびf )由来の細胞を抗−91T(a、b、eおよびf)および抗−91(cおよびd )で記載にしたがって(31)染色した。未処理、a、cおよびe;IFN−γ で30分、b、dおよびf。 図7は、転写活性化分析を示す。単純疱疹ウイルスのチミジンキナーゼ(TK) プロモーター−35から+10に対応するオリゴヌクレオチドをpZLUC(ル シフェラーゼレポーター構築物)のHindIII部位に融合させた(TK−L UC)。91kD結合部位の1コピー〔Ly−6E遺伝子の21ヌクレオチドオ リゴマー(34)〕をTK−LUCのBamHIクローニング部位に挿入した( GASLUC)。U3細胞をそれぞれの構築物4μgでリン酸カルシウム法によ って記載のように(図5)トランスフェクトした。またこの細胞に4μgのpM NC単独(35)(MNC)または91kD蛋白をコードするpMNC(MNC −91)または84kD蛋白(MNC−84)または91kD蛋白のTyr701 変異体(MNC−ty)を核酸感染させた。レーン1、MNC−91+GAS− LUC:レーン2、MNC−84+GAS−LUC:レーン3、MNC+GAS −LUC:レーン4、MNC−ty+GAS−LUC;レーン4MNC−91+ TK−LUC;およびレーン6、GAS−LUC。核酸感染の相対的効率は、β ガラクトシダーゼ発現プラスミド(pCMVβ、Promega)の包含によってモニタ ーした。続いて核酸感染後36時間してから、細胞をIFN−γ(5ng/ml) で6時間処理し、ルシフェラーゼ活性について調べた(Promega)。(A)提示し たデータは代表的実験で、未処理細胞のもの(任意にIUと設定)と比較したと きのIFN−γ処理細胞の相対的ルシフェラーゼ活性を表す。(このルシフェラ ーゼアッセーは、β−ガラクトシダーゼの相対的発現に対して修正されている) 。各核酸感染はそれぞれ別個に少なくとも3回繰り返した。(B)これら同じ核 酸感染からの細胞溶解物を、抗−91を用いて蛋白免疫ブロッティングによって 蛋白発現を調べた。 図8は、91kD蛋白のSH2ドメインのR602はチロシンの燐酸化に必要で あることを示している。a)変異U3A細胞株(レーン3);2fTGH親細胞 株(レーン4);またはR602>Leu602変異を含む発現ベクターでトランスフ ェクトしたU3A由来細胞株(レーン1および2)の全細胞抽出物のウェスタン ブロット分析。使用した抗体は抗−91で、これは、91および84kD蛋白の 両方を認識する(15、31)。b)抗−91抗体による免疫沈殿物を7.5% SDS−PAGEに付し、抗−ホスホチロシン抗体をプローブとして調べた。変 異誘導は標準的なPCR方法で実施した。Arg602のCGGコドンはCTGに 変異させたが、これはLeuをコードする。安定細胞株の核酸感染および選別は 図4−7および実施例3および4に記載した。 図9は、非変性ゲル分析によるStat91およびホスホStatの分子量の 決定を示す。A)アフィニティー精製の分画のウェスタンブロット分析。IFN −γで処理したヒトFS2線維芽細胞の抽出物(Ext)、未結合分画(Flow) 、緩衝液AO.2で洗浄した分画(AO.2)および緩衝液AO.8で溶出させ た結合分画(AO.8)を抗−91抗体で免疫ブロッティングに付した。B)非 変 性ゲル分析。燐酸付加Stat91(AからのAO.8分画)および非燐酸付加 Stat91(AのFlow分画)を4.5%、5.5%、6.5%および7.5% 非変性ポリアクリルアミドゲルで、続いて抗91抗体を用いて免疫ブロッティン グによって分析した。ゲルの上部(TOP)およびブロモフェノールブルーの移動 位置を示した。C)ファーガソンブロット。Stat91およびホスホStat 91の相対移動度(Rm)を図1Bから得た(実験方法の項を参照のこと)。● :ニワトリ卵白アルブミン(***45kD);×:ウシ血清アルブミン、単量体 (66kD);□:ウシ血清アルブミン、二量体(132kD);○:ウレアー ゼ、三量体(272kD);△:非燐酸付加Stat91;▲:燐酸付加Stat 91。D)標準曲線による分子量の決定。燐酸付加および非燐酸付加Stat9 1蛋白の分子量は、それらの遅延係数の外挿によって得られた。 図10は、グリセロール濃度勾配による分子量決定である。A)ウェスタンブ ロット分析。IFN−γで処理したヒトBud8線維芽細胞の抽出物(最右端レ ーン)および分画16から34までの各分画を7.5%SDS−PAGEでその 後抗91抗体を用いて免疫ブロッティングで分析した。燐酸付加Stat91の ピーク(分画20)および非燐酸化Stat91のピーク(分画30)は、それ ぞれ黒い矢印および白い矢印で示されている。B)移動度シフト分析。この濃度 勾配からのその他の各分画を調べた。C)AとBのデータをグラフで表した。標 準蛋白のピーク分画番号はそれらの分子量に対してプロットされている。燐酸付 加および非燐酸化Stat91蛋白のピークの位置は、それぞれ黒矢印および白 矢印で示されている。スタンダードはフェリチン(Fer、440kD)、カタ ラーゼ(Cat、232kD)、フェリチン半単位(Fer1/2、220kD) 、アルドラーゼ(Ald、158kD)。ウシ血清アルブミン(BSA、68k D)である。 図11は、細胞抽出物中のStat91は二量体としてDNAに結合すること を示す。A)ウェスタンブロット分析。Stat84(C84)またはStat 91L(C911)または両方(Cmx)のいずれかを発現している安定細胞株 の抽出物を、7.5%SDS−PAGEで、続いて抗91を用いた免疫ブロッテ ィングで分析した。B)ゲル移動度シフト分析。IFN−γ未処理(−)または 処 理(+)安定細胞株(図3A)の抽出物を調べた。Stat91ホモダイマー( 91L)、Stat84ホモダイマー(84)およびヘテロダイマー(84*91)の 位置が示されている。 図12は、変性および再生によるヘテロダイマーの形成を示す。Stat84 (C84)またはStat(C91)を発現しているIFN−γ処理細胞株由来 の細胞質抽出物(左パネル)または核抽出物(右パネル)を、ゲル移動度シフト アッセーによって分析した。+:添加有り;−:添加無し;D/R:サンプルは グアニジニウムヒドロクロリド変性および再生処理を施された。 図13は、解離および再結合分析の図表である。 図14は、ペプチドを用いた解離−再結合分析である。Stat91L(C9 1L、レーン15)またはStat84(C84、レーン14)または両方の混 合物(レーン1−13、16−18)を発現している細胞株のIFN−γ処理核 抽出物を用いたゲル移動度シフト分析を、種々のペプチドの濃度を増加させなが ら実施した。91Y、Stat91由来の非燐酸化ペプチド(LDGPKGTG YIKTELI)(配列番号:15);91Y−P、Stat91由来のホスホ チロシルペプチド(GY*IKTE)(配列番号:16);113Y−p、Sr cSH2ドメインに対して高い結合親和性を有するホスホチロシルペプチド(E POY*EEIPIYL、Songyangら、1993、Cell 72:767-778)(配列番号:1 8)。添加されるペプチドの最終濃度:1μM(レーン8)、4μM(レーン2 、5、11)、10μM(レーン9)、40μM(レーン3、6、10、12、 14−18)、160μM(レーン4、7、13)。+:添加有り;−:添加無 し。右パネル:ゲルシフトバンドの同定のための抗血清検査。 図15は、GST融合蛋白の解離−再結合分析である。A)クマシーブルーで 可視化された精製GST融合蛋白のSDS−PAGE(12%)分析である。 GST−91SH3、Stat91の非変性SH2ドメイン;GST−91mS H2、R602からL602変異体;GST−91SH3、Stat91のSH3ドメ イン;GSTSrcSH2、src蛋白のSH2ドメイン。同じ量(1μg)の 各融合蛋白をロードした。蛋白マーカーは、表示のようにレーン1で泳動した。 B)解離−再結合分析。解離剤は、上記に示した細菌で発現したものから精製さ れたGST融合蛋白であった。添加される融合蛋白の最終濃度は、0.5μM( レーン2、5、8、11、14)、2.5μM(レーン3、6、9、12、15 )および5μM(レーン4、7、10、13、17、18)。+:添加有り;− :添加無し;FP:融合蛋白。 図16は、既知SH2構造とStat91SH2構造との比較である。Sta t91配列は本明細書で開示される(配列番号:4)。他のSH2のために用い られた構造は、Src(Waksmanら、Nature 358:646-653(1992))(配列番号: 19)、Abl(Overduinら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8911673-77(1992 )およびCell 70:697-704(1992))(配列番号:20)、Lck(Eckら、Nature 362:87-91(1993))(配列番号:21)およびp85αN(Bookerら、Nature 35 8:684-687(1992))(配列番号:22)である。決定された構造のアラインメン トは、背骨構造を直接重ね合わせて実施される。二次構造の特徴の名称および重 要な残基はエックら(Eckら、1993)の体系による。構造特徴の境界および範囲は 〔−−−−〕で示す。親配列の開始番号は括弧内に示す。実験的に求められた構 造的に保存されている領域は、Src、p85αおよびAbl由来である(Cowb urn、未発表)。三次元でアラインメントを実施した構造の場合、ルート平均平 方偏差は、XXXで印を付けた断片の背骨の非水素原子について1オングストロ ーム未満の相違である。 発明の詳細な説明 本発明にしたがえば、当該技術分野の範囲内の通常の分子生物学、微生物学お よび組換え体DNA技術を用いることができる。そのような技術は、文献で完全 に説明されている。例えば以下を参照のこと:Maniatis,Fritsch & Sambrook“ 分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manua l)”(1982); “DNAクローニング:実際的アプローチ(DNA Cloning: A Practi cal Approach”1および2巻(D.N.Gloverら編、1985);“オリゴヌクレオチ ド合成(Oligonucleotide Synthesis”(M.J.Gait編、1984);“核酸ハイブリ ダイゼーション(Nucleic Acid Hybridization)”(B.D.Hames & S.J.Higgins 編、1985);“転写と翻訳(Transcription And Translation)”(B.D.Hames & S .J.Higgins編、1984);“動物細胞培養(Animal Cell Culture)”(R.I. Freshney編、1986);“固定細胞と酵素(Immobilized Cells And Enzymes)”(IRS Press,1986);B.Perbal,“分子クローニングガイド(A Practical Guide To M olecular Cloning)”(1984)。 したがって、本明細書で用いられる場合、以下の用語は、下記に規定された定 義を有する。 “レセプター認識因子”、“レセプター認識−チロシンキナーゼ因子”、“レ セプター認識因子/チロシンキナーゼ基質”、“レセプター認識/転写因子”、 “認識因子”、“認識因子蛋白”、“シグナル導入因子・転写活性化因子”、“ STAT”、さらに特に挙げないが一切のこの用語の変形は、本明細書では互換 的に用いられ、さらに本出願および請求の範囲を通して用いられているように、 これらは、単一蛋白および多蛋白を含む蛋白様物質を指し、本明細書に開示され 、かつ図1(配列番号:8)、図2(配列番号:10)および図3(配列番号:12) に提示されたアミノ酸配列、並びに本明細書および請求の範囲に詳述する活性の 特徴を有する蛋白に及ぶ。したがって、実質的に同等なまたは変形された活性を 示す蛋白も同様に含まれる。このような修飾は意図されたもの、例えば部位誘導 突然変異によって得られるものでもよく、または偶発的なもの、例えば当該複合 体またはそのサブユニットの産生体である宿主の突然変異によって得られるもの でもよい。また、“レセプター認識因子”、“認識因子”、“認識因子蛋白”、 “シグナル導入因子・活性化因子”および“STAT”という用語には、本明細 書で具体的に挙げた蛋白が、実質的に相同な全ての類似体および対立遺伝子変種 とともにその範囲内に含まれる。 本明細書に記載されたアミノ酸残基は、“L”異性形であることが好ましい。 しかしながら、当該ペプチドによって免疫グロブリン結合について所望の機能が 保持されるかぎり、“D”異性形の残基はいずれの“L”アミノ酸残基にも置換 可能である。NH2は、ポリペプチドのアミノ末端に存在する遊離アミノ基を指 す。COOHは、ポリペプチドのカルボキシ末端に存在する遊離カルボキシ基を 指す。標準的なポリペプチド命名法(J.Biol.Chem.,243:3552-59(1969))と歩 調を合わせ、アミノ酸残基の略称は以下の対応表に示す: 全てのアミノ酸残基配列は、その左右の向きがアミノ末端からカルボキシ末端 への通常の方向になった式で本明細書では提示されていることは明記されるべき であろう。さらにまた、アミノ酸残基配列の最初または最後の棒線は、1つまた は2つ以上のアミノ酸残基のまた別の配列へのペプチド結合である。上記の表は 、 本明細書で相互に用いられている3文字表記および1文字表記を対応させるため に提示した。 “DNA分子”は、一本鎖または2本鎖螺旋形をしたデオキシリボヌクレオチ ド(アデニン、グアニン、チミン、またはシトシン)の重合形を指す。本用語は 、分子の一次および二次構造のみを指すのであって、いずれの特定の三次元形に 限定するものではない。したがって、本用語は、直鎖状DNA分子(例えば制限 フラグメント)、ウイルス、プラスミド、および染色体で見出される、とりわけ 二本鎖DNAを含む。特定の二本鎖DNA分子の構造を考察する場合、DNAの 非転写鎖(すなわちmRNAと相同な配列を有する鎖)の5’から3’方向の配 列のみを提示するという通常の申し合わせにしたがって、本明細書では配列が記 載されている。 DNAの“コード配列”は二本鎖DNA配列で、これは、適切な調節配列の制 御下に置かれたとき、インビボで転写されポリペプチドに翻訳される。このコー ド配列の境界は、5’(アミノ)末端の開始コドンおよび3’(カルボキシ)末 端の翻訳終止コドンによって決定される。コード配列は、原核細胞配列、真核細 胞mRNA由来cDNA、真核細胞(例えば哺乳類)由来ゲノムDNA配列、さ らには合成DNA配列を含むが、これらに限定されるものではない。ポリアデニ ン付加シグナルおよび転写終止配列は、当該コード配列の3’に通常配置されて いるであろう。 転写および翻訳制御配列は、宿主細胞でのコード配列の発現に備えるDNA調 節配列、例えばプロモーター、エンハンサー、ポリアデニン付加シグナル、ター ミネーターなどである。“プロモーター”配列は、細胞内でRNAポリメラーゼ と結合し、下流(3’方向)のコード配列転写を開始させることができるDNA 調節領域である。本発明の範囲を明瞭に示すために、プロモーター配列はその3 ’末端で転写開始部位と境界を接し、さらに上流(5’方向)に延びて、バック グラウンドを越えて検出可能なレベルで転写を開始させるために必要な最小数の 塩基または元素を含む。このプロモーター配列内には、転写開始部位(ヌクレア ーゼS1によるマッピングにより容易に範囲を限定できる)とともに、RNAポ リメラーゼの結合のために必須の蛋白結合ドメイン(コンセンサス配列)が見出 さ れるであろう。真核細胞プロモーターはしばしば(常にというわけではないが) 、“TATA”ボックスおよび“CAT”ボックスを含む。原核細胞プロモータ ーは、−10と−35のコンセンサス配列に付加されたシャイン−ダルガーノ配 列を含む。“発現制御配列”は、別のDNA配列の転写および翻訳を制御し調節 するDNA配列で、例えばエンハンサーまたはサプレッサー成分である。コード 配列は、RNAポリメラーゼがコード配列をmRNA(これは続いてコード配列 によってコードされた蛋白に翻訳される)に転写するとき、細胞内の転写および 翻訳制御配列の“制御下”にある。 DNA配列は、発現制御配列が当該DNA配列の転写および翻訳を制御し調節 するとき、発現制御配列に“機能できるように連結”されている。“機能できる ように連結”されるという用語は、発現されるべきDNA配列の前に適切な開始 シグナル(例えばATG)をもち、正しい読み枠を維持して、発現制御配列の制 御下にあるDNA配列の発現、およびDNA配列によってコードされる所望の生 成物の生成を可能にすることを含む。組換え体DNA分子に挿入したいと思う遺 伝子が適切な開始シグナルを含んでいない場合は、そのような開始シグナルは当 該遺伝子の前に挿入できる。 “標準的ハイブリダイゼーション条件”という用語は、ハイブリダイゼーショ ンと洗浄の両方について5×SSCおよび65℃に実質的に匹敵する塩および温 度条件を指す。 “シグナル配列”はコード配列の前に含むことができる。この配列はシグナル ペプチドを(ポリペプチドのN−末端に)コードし、これは、細胞表面にポリペ プチドを誘導し、または培養液中にポリペプチドを分泌するするために宿主細胞 と通信する。さらにこのシグナルペプチドは、当該蛋白が細胞を出る前に宿主細 胞によって切り取られる。シグナル配列は、原核細胞および真核細胞に本来存在 する多数の蛋白と結合しているのが認められている。 “オリゴヌクレオチド”という用語は、本発明のプローブを指して本明細書で 用いられているように、2つまたはそれ以上のリボヌクレオチド(好ましくは3 つ以上)を含む分子と定義される。その正確な大きさは、当該オリゴヌクレオチ ドの究極の機能および用途に左右される多くの因子に依存する。 本明細書で用いられるように“プライマー”という用語は、精製された制限酵 素消化物のように自然に生じるにせよ、合成されるにせよオリゴヌクレオチドを 指すが、このオリゴヌクレオチドは、プライマー伸長生成物(これは核酸鎖と相 補的である)の合成が誘発される条件下に(すなわちヌクレオチドおよびDNA ポリメラーゼのような誘発剤が存在し、適切な温度とpHであるとき)置いた場 合、合成開始の点として機能することができる。プライマーは一本鎖でも二本鎖 でもよいが、誘発剤の存在下で所望の伸長生成物の合成を始動させるために十分 に長くなければならない。プライマーの正確な長さは、温度、プライマーの由来 および使用方法を含む多くの因子に左右される。例えば、診断的利用のためには 、標的配列の複雑さにしたがって、このオリゴヌクレオチドプライマーは、典型 的には15−25またはそれ以上のヌクレオチドを含むが、それより少ないヌク レオチドしか含まない場合もある。 本明細書のプライマーは、特定の標的DNA配列の異なる鎖に対して“実質的 に”相補的であるように選択される。これは、このプライマーがそれぞれ対応す る鎖とハイブリダイズするために十分に相補的でなければならないことを意味す る。したがって、プライマー配列は鋳型の正確な配列を反映する必要はない。例 えば、非相補的ヌクレオチドフラグメントをプライマーの5’末端に、鎖に相補 的な残余のプライマー配列とともに付加することができる。また別に、プライマ ー配列が鎖とハイブリダイズするために当該鎖の配列に対して十分な相補性をも ち、したがって伸長生成物の合成のための鋳型を形成することができるという条 件で、非相補的塩基またはより長い配列をプライマー中に点在させることができ る。 外来DNAまたは異種DNAを細胞内に導入したとき、細胞は、そのようなD NAによって“形質転換”される。形質転換させるDNAは、染色体DNAに組 みこまれて(共有結合されて)細胞のゲノムを構成してもよいが、また染色体D NAに組みこまれなくてもよい。原核細胞、酵母および哺乳類細胞では、形質転 換DNAは、例えばエピソーム成分(例えばプラスミド(染色体外因子))上に 維持されえる。真核細胞については、安定的に形質転換された細胞とは、染色体 の複製を介して娘細胞に受け継がれていくことができるように形質転換DNA が染色体に組みこまれた細胞である。この安定性は、この真核細胞が細胞株を樹 立することができる能力、または形質転換DNAを含む娘細胞集団から構成され るクローンを樹立する能力によって明らかになる。“クローン”とは、有糸分裂 により単一細胞または共通の祖先に由来する細胞集団である。“細胞株”とは、 多世代に亙ってインビトロで安定的に増殖できる始原細胞のクローンである。 少なくとも約75%(好ましくは少なくとも約80%、最も好ましくは少なく とも約90または95%)のヌクレオチドが限定された長さのDNA配列に適合 するとき、2つのDNA配列は“実質的に相同”である。実質的に相同な配列は 、配列データバンクで入手できる標準ソフトまたは、例えば特定の系のために規 定されたような厳格な条件下でサザンハイブリダイゼーション実験を用いて、配 列を比較することによって同定できる。適切なハイブリダイゼーション条件を明 らかにすることは当該技術分野の範囲内にある。例えば、マニアーティスら(上 掲書)、DNAクローニング、1および2巻(上掲書)、核酸ハイブリダイゼー ション(上掲書)を参考のこと。 DNA構築物の“異種”領域とは、大型のDNA分子内に付随しているのが自 然界では認められていない、大型分子内の識別可能なDNAセグメントである。 したがって、異種領域が哺乳類遺伝子をコードする場合、この遺伝子は通常、起 源の生物体のゲノム内の哺乳類のゲノムDNAと隣合わないDNAと側面を接す るであろう。異種コード配列の別の例は、このコード配列自体が天然には見出さ れない構築物である(例えば、ゲノム由来コード配列がイントロン、または天然 の遺伝子と異なるコドンをもつ合成配列を含む場合のcDNA)。対立遺伝子変 種または天然に生じる変異現象は、本明細書で定義するようなDNA異種領域を 生じない。 “抗体”とは、特異的なエピトープに結合する抗体およびそのフラグメントを 含む一切の免疫グロブリンである。この用語は、ポリクローナル抗体、モノクロ ーナル抗体およびキメラ抗体を含み、最後者は、米国特許第4816397号お よび4816567号にさらに詳細に記載されている。“抗体結合部位”とは、 重鎖および軽鎖可変領域並びに抗原と特異的に結合する超可変領域から構成され る抗体分子の構造部分である。本明細書で用いられているように種々の文法上の 変形とともに“抗体分子”という言葉は、完全な免疫グロブリン分子および免疫 グロブリン分子の免疫学的に活性な部分を含む。典型的な抗体分子は、完全な免 疫グロブリン分子、実質的に完全な免疫グロブリン分子、およびパラトープを含 む免疫グロブリン分子の部分(当該技術分野では、Fab、Fab’、F(ab ’)2およびF(v)として知られる部分で、このような部分は、本明細書で開 示された治療方法で好ましく使用される)である。“モノクローナル抗体”とい う言葉は、種々の文法上の変形とともに、特定の抗原と免疫反応することができ るただ1種の抗体結合部位をもつ抗体を指す。したがって、モノクローナル抗体 は、典型的には、それが免疫反応するいずれかの抗体に対して単一の結合親和性 を示す。それゆえ、モノクローナル抗体は、各々が異なる抗原に対して免疫特異 的である(例えば2特異性(キメラ)モノクローナル抗体)複数の抗体結合部位 をもつ抗体分子を含むことが可能である。 “医薬上許される”という用語は、生理学上寛容性であり、かつヒトに投与さ れた時に典型的にアレルギー反応または同様の好ましくない反応、例えば、胃の 不調、めまい等を生じない分子物体及び組成物を表す。本明細書に使用される“ 医薬上許される”という用語は、連邦政府または州政府の規制当局により認可さ れ、または動物、更に特別にはヒトにおける使用に関する米国薬局方もしくはそ の他の一般に認められた薬局方にリストされていることを意味することが好まし い。 “治療有効量”という用語は、標的細胞塊のS期活性の臨床上有意な変化、ま たは病理学のその他の特徴、例えば、上昇した血圧、発熱またはその存在及び活 性に付随し得るような白血球カウントを防止し、好ましくは少なくとも約30%、 更に好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも90%低下するのに充 分な量を意味するのに本明細書に使用される。 その主たる局面において、本発明は新規な受容体認識因子の同定、並びに細胞 質中に存在すると考えられ、かつ同等に特異性のポリペプチドリガンドが結合さ れた特別な細胞受容体と、細胞の核に入り、そして遺伝子の活性化に特異性のD NA結合部位と相互作用して特別なポリペプチド刺激に対する前もって決められ た応答を促進する比較的特異性の転写因子との間のシグナルトランスデューサ ーとして利用できる特別な受容体認識因子タンパク質の単離及び配列決定に関す る。本開示は、既知の刺激、例えば、腫瘍壊死因子、神経成長因子、血小板由来 成長因子等に相当する特異的かつ個々の受容体認識因子が存在することを確かめ る。これの特別な証拠がインターフェロンα及びγ(IFNα及びINFγ)に関して本 明細書に示される。 受容体認識因子(本明細書中、また転写のシグナルトランスデューサー及びア クチベーター--STATと称される)の更に別の性質は、チロシンのリン酸化による 活性化後にホモダイマーまたはヘテロダイマーを生成する二量化である。下記の 特別な実施態様において、Stat91及びStat84はホモダイマーを生成し、またstat 91-Stat84はヘテロダイマーを生成する。それ故、本発明はこのような二量体に 関するものであり、これらはSTATタンパク質のリン酸化により自然に生成でき、 または2種の同種または異種のSTATタンパク質を化学的に架橋することにより合 成により調製し得る。 本発明の受容体認識因子は、それが第二メッセンジャー活性及び濃度の変動に より明らかに影響されないことが明らかである点で同様に注目に値する。受容体 認識因子タンパク質はチロシンキナーゼドメインの基質として作用することが明 らかであるが、Gタンパク質と相互作用しないことが明らかであり、それ故、第 二メッセンジャーではないことが明らかである。 本明細書に配列番号4により同定された特別な受容体認識因子、Stat91または Stat1αは、細胞質中に存在することが測定され、そして細胞の核に入り、そし て遺伝子の活性化に特異性のDNA結合部位と直接に相互作用して特別なポリペ プチド刺激に対する前もって決められた応答を促進するINFγ刺激に応答するシ グナルトランスデューサー及び特異性転写因子として利用できる。また、この特 別な因子は翻訳タンパク質、特に、インターフェロンγ刺激に応答するDNA結 合タンパク質として作用する。この因子は、それが下記の特徴を有する点で同様 に注目に値する。 a)それはインターフェロンγ結合受容体キナーゼ複合体と相互作用する。 b)それはチロシンキナーゼ基質であり、かつ c)リン酸化された時に、それはDNA結合タンパク質として利用できる。 更に特別には、配列番号4の因子は、アミノ酸配列の位置701に配置されたチ ロシンにおいてホスフェートを獲得した後にDNAと直接に相互作用する。また 、この因子のインターフェロンγ依存性活性化が新しいタンパク質を合成しない で起こり、そしてインターフェロンγ処理の数分以内に現れ、その後15〜30分の 間に最大の程度に達し、次いで2〜3時間後に消失する。 Stat91は下記の付加的な特徴の少なくとも一つにより更に特別に特性決定され る。 d)チロシン-701のリン酸化が核輸送に必要とされる。 e)チロシン-701のリン酸化がDNA結合に必要とされる。 f)チロシン-701のリン酸化が転写活性化に必要とされる。 g)機能性SH2ドメインがチロシン-701リン酸化に必要とされる。 本発明の因子の更に別の性質は、リン酸化された時に二量化するその能力であ る。それ故、受容体認識因子(本明細書中、また転写のシグナルトランスデュー サー及びアクチベーター--STATと称される)の更に別の性質は、チロシンのリン 酸化による活性化後にホモダイマーまたはヘテロダイマーを生成する二量化であ る。下記の特別な実施態様において、Stat91及びStat84はホモダイマーを生成し 、またStat91-Stat84はヘテロダイマーを生成する。それ故、本発明はこのよう な二量体に関するものであり、これらはSTATタンパク質のリン酸化により自然に 生成でき、または2種の同種または異種のSTATタンパク質を化学的に架橋するこ とにより合成により調製し得る。 更に、本発明は、例えば、本明細書中で91kD受容体認識因子のフラグメント、 特にチロシン701残基に相当するアミノ酸残基を含み、好ましくは相当するホス ホチロシン残基を含むこのようなこのようなフラグメントで例示されるような機 能活性フラグメントである受容体認識因子に関する。異なる実施態様において、 機能活性フラグメントはSH2ドメイン、特に91kD受容体認識因子のアルギニン60 2残基に相当する残基を有するSH2ドメインを更に含む。このような機能活性受 容体認識因子は少なくとも約8アミノ酸残基を含むことが考えられる。 本発明は、例えば、本明細書中91kDタンパク質に関して例示されるようなこの ような受容体認識タンパク質の抑制性フラグメントを意図している。一つの実施 態様において、91kDタンパク質のSH2ドメインはチロシン701を含む全タンパク質 またはそのフラグメントのリン酸化を競合的に抑制することができる。別の実施 態様において、抑制性フラグメントはチロシンキナーゼへの結合につき91kDタン パク質と競合し得る。このような抑制性フラグメントはチロシン701に相当する 残基を含んでいてもよい。 更に別の実施態様において、本発明は受容体認識因子(STAT)の活性のアンタゴ ニストを意図している。特に、二量化(ホモ二量化またはヘテロ二量化)を抑制 する薬剤または分子が、活性化され、リン酸化されたSTATタンパク質により生じ る転写活性化を阻止するのに使用し得る。特別な実施態様において、アンタゴニ ストはSTATタンパク質のSH2ドメイン、もしくはSTATタンパク質のホスホチロシ ンドメイン、またはその両方の一部の配列を有するペプチドであってもよい。ペ プチドが両方の領域を含む場合、これらの領域はタンデムに配置されることが好 ましく、更に好ましくはホスホチロシン部分にN末端のSH2ドメイン部分でもっ てタンデムに配置される。下記の特別な実施例において、このようなペプチドは STATタンパク質の二量化を分断することができることが示される。 本発明に関する最初の出願の出願に続いて、本発明者らは受容体認識因子のフ ァミリーの夫々の員を転写のシグナルトランスデューサー及びアクチベーター(S TAT)タンパク質と称した。夫々のSTATタンパク質は見掛分子量により表示され( 例えば、Stat113、Stat91、Stat84、等)、またはそれが同定された順序により 表示される(例えば、Stat1α[Stat91]、Stat1β[Stat84]、Stat2[Stat 113]、Stat3[19sf6とも称されるマウスタンパク質]、及びStat4[13sf1と も称されるマウスSTATタンパク質])。当業者により容易に理解されるように、 名称の選択は本明細書に記載された因子の固有の特徴に影響せず、これらは最初 に国際特許公開番号WO93/19179(1993年9月30日に公表された)に開示された。 本発明者らは、それに関するその後公表された論文を良く知っている当業者の便 宜として、また本発明者により開示された、タンパク質、及びタンパク質をコー ドする核酸の新規なクラスに関する用語を統一するようにとの提案に従って、こ の新たに誘導された用語を採用することを選んだ。[分子量]kD受容体認識因子 、stat[分子量]、及びStat[番号]という用語は本明細書中互換可 能に使用され、かつ上記の意味を有する。例えば、91kDタンパク質、Stat91、及 びStat1αという用語は同じタンパク質を表し、そして適当な文脈中でこのよう なタンパク質をコードする核酸分子を表す。 上記のように、本発明はまた組換えDNA分子もしくはクローン化遺伝子、ま たはこれらの変性変異体(これは受容体認識因子、またはそのフラグメント(こ れは約91kDの分子量及び図1に示されたアミノ酸配列(配列番号8)を有する) をコードする)に関するものであり、好ましくは、91kD受容体認識因子をコード する、核酸分子、特に組換えDNA分子またはクローン化遺伝子はヌクレオチド 配列を有し、または図1に示されたDNA配列(配列番号8)に相補性である。 更に別の実施態様において、受容体認識因子は図2に示されたアミノ酸配列(配 列番号10)を有し、好ましくはこのような受容体認識因子をコードする、核酸分 子、特に組換えDNA分子またはクローン化遺伝子はヌクレオチド配列を有し、 または図2に示されたDNA配列(配列番号9)に相補性である。更に別の実施 態様において、受容体認識因子は図3に示されたアミノ酸配列(配列番号12)を 有し、好ましくはこのような受容体認識因子をコードする、核酸分子、特に組換 えDNA分子またはクローン化遺伝子はヌクレオチド配列を有し、または図3に 示されたDNA配列(配列番号11)に相補性である。 一種以上の受容体認識因子の存在により生じる診断及び治療の両方の可能性は 、これらの因子がそのリガンドにより占有される受容体と、その後にその遺伝子 と直接に接し、転写、ひいては遺伝子活性化を行う因子との間の直接かつ因果関 係のあるタンパク質−タンパク質相互作用に関与することが明らかである。先に 示唆され、また本明細書で更に詳しく説明されるように、本発明は受容体認識因 子が細胞受容体に結合された刺激により開始される活性を調節することにかかわ る反応のカスケードにおける医薬介入を意図している。 こうして、特別な刺激または因子により生じる遺伝子活性を低下または抑制す ることが所望される場合、受容体認識因子の適当なインヒビターが遺伝子活性化 に因果関係のある因子との受容体認識因子の相互作用を阻止するために導入し得 る。それ故、不十分な遺伝子活性化が起こっている場合は、追加の量の受容体認 識因子またはその化学もしくは医薬上の同族体、類縁体、フラグメント等の導入 により軽減し得る。 先に説明されたように、認識因子またはその認識因子に対し擬態もしくはアン タゴニズムまたはそれらの生産に対する制御を示すそれらの結合パートナーもし くはその他のリガンドもしくは薬剤が、特定の転写刺激と関連する不利な医療症 状を体験している患者にその治療のために種々の手段による投与に有効な濃度で 適当な担体と共に医薬組成物中で調製し得る。種々の投与技術が使用でき、それ らの中で非経口技術、例えば、皮下注射、静脈内注射及び腹腔内注射、カテーテ ル挿入等が使用し得る。認識因子またはそれらのサブユニットの平均量は変化す ることがあり、特に適任の医師または獣医の推奨及び処方に基くべきである。 また、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体の両方を含む抗体、並びに 認識因子及び/またはそれらのサブユニットの生産または活性を調節する薬剤は 或る種の診断用途を有することがあり、例えば、ウイルス感染症等の如き症状を 検出し、かつ/または測定する目的で使用し得る。例えば、認識因子またはその サブユニットは、種々の細胞培地中で完全フロイントアジュバント及び不完全フ ロイントアジュバント並びに、例えば、融合マウス脾臓リンパ球及びミエローマ 細胞を夫々使用するハイブリドーマ技術を使用してウサギの免疫感作の如き公知 の技術によりそれら自体のポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体の両方を 産生するのに使用し得る。これらの技術が多数の刊行物、例えば、国際特許公開 WO 93/19179に詳しく記載されており、ここでは繰り返さない。 同様に、本発明の受容体認識因子の一つ以上の活性を模擬または拮抗作用する 小分子が発見または合成でき、診断プロトコル及び/または治療プロトコルに使 用し得る。 先に示唆されたように、本発明の診断方法は細胞試料または培地を受容体認識 因子/タンパク質の有効量のアンタゴニスト、例えば、抗認識因子抗体、好まし くはアフィニティー精製されたポリクローナル抗体、更に好ましくはmAbを含む アッセイにより試験することを含む。加えて、本発明に使用される抗認識因子抗 体分子はFab部分、Fab'部分、F(ab')2部分もしくはF(v)部分または全抗体分子の 形態であることが好ましい。先に説明されたように、この方法から利益を受ける ことができる患者として、癌、前癌病変、ウイルス感染症またはその他の同様 の病的障害を患っている患者が挙げられる。認識因子を単離し、そして抗認識因 子抗体を誘発する方法及び標的細胞の試験を助ける抗認識因子抗体の能力を測定 し、最適化する方法が全て当業界で公知である。 更に、本発明は本発明の治療方法を実施するのに有益な治療組成物を意図して いる。主題の治療組成物は、混合物中に、医薬上許される賦形剤(担体)及び活 性成分として本明細書に記載されたような一種以上の受容体認識因子、そのポリ ペプチド類縁体またはそのフラグメントを含む。好ましい実施態様において、組 成物は標的細胞内で本発明の認識因子の特異的結合を調節することができる抗原 を含む。 活性成分としてポリペプチド、類縁体または活性フラグメントを含む治療組成 物の調製は当業界で良く理解されている。典型的には、このような組成物は注射 可能な液体溶液または懸濁液として調製されるが、注射前に液体中の溶解または 懸濁に適した固体形態がまた調製し得る。また、製剤は乳化し得る。活性治療成 分はしばしば医薬上許され、かつ活性成分と適合性である賦形剤と混合される。 好適な賦形剤は、例えば、水、食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノ ール、等及びこれらの混合物である。加えて、所望により、組成物は少量の補助 物質、例えば、湿潤剤または乳化剤、活性成分の有効性を増進するpH緩衝剤を含 むことができる。 ポリペプチド、類縁体または活性フラグメントは、中和された医薬上許される 塩形態として治療組成物に製剤化し得る。医薬上許される塩として、酸付加塩( ポリペプチドまたは抗体分子の遊離アミノ基で生成される)が挙げられ、これら は無機酸、例えば、塩酸もしくはリン酸、または有機残、例えば、酢酸、シュウ 酸、酒石酸、マンデル酸、等で生成される。また、遊離カルボキシル基から生成 される塩は無機塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アン モニウム、水酸化カルシウム、または水酸化第二鉄、及び有機塩基、例えば、イ ソプロピルアミン、トリメチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジ ン、プロカイン、等から誘導し得る。 ポリペプチド、類縁体または活性フラグメントを含む治療組成物は、通常、例 えば、単位投薬量の注射によるように、静脈内投与される。本発明の治療組成物 に関して使用される場合の“単位投薬量”という用語は、ヒト用の単体投薬とし て好適な物理的に不連続の単位を表し、夫々の単位は必要とされる希釈剤、例え ば、担体またはビヒクルと共同して所望の治療効果を生じるように計算された前 もって決めた量の活性物質を含む。 組成物は投薬製剤と適合性の様式で、かつ治療有効量で投与される。投与すべ き量は、治療される患者、活性成分を利用する患者の免疫系の能力、及び所望さ れる認識因子結合能の抑制または中和の程度に依存する。投与されるのに必要と される活性成分の正確な量は開業医の判断に依存し、夫々の患者に特有のもので ある。しかしながら、好適な投薬量は毎日個人の体重1キログラム当たり、約0. 1〜20ミリグラム、好ましくは約0.5〜約10ミリグラム、更に好ましくは1〜数ミ リグラムの活性成分の範囲であってもよく、投与の経路に依存する。初期投与及 びブースターショットに適したレジメはまた可変であるが、初期投与、続いてそ の後の注射またはその他の投与による1時間以上の時間間隔の反復投与により典 型的に代表される。また、血液中の10ナノモル〜10マイクロモルの濃度を維持す るのに充分な連続の静脈内注入が意図されている。 更に、治療組成物は有効量の因子/因子合成プロモーターアンタゴニストまた はその類縁体、及び一種以上の下記の活性成分:抗生物質、ステロイドを含んで いてもよい。例示の製剤が、例えば、国際特許公開WO 93/19179に開示されてい るように、当業界で公知である。 本発明の別の特徴は本明細書に開示されたDNA配列の発現である。当業界で 公知であるように、DNA配列はそれらを適当な発現ベクター中で発現調節配列 に操作により連結し、その発現ベクターを使用して適当な単細胞宿主を形質転換 することにより発現し得る。 本発明のDNA配列を発現調節配列にこのように操作により連結することは、 勿論、既にDNA配列の一部ではない場合に、DNA配列の上流の正確な読み取 り枠中の開始コドン、ATGの提供を含む。 多種の宿主/発現ベクター組み合わせが本発明のDNA配列を発現するのに使 用し得る。例えば、有益な発現ベクターは、染色体DNA配列、非染色体DNA 配列及び合成DNA配列のセグメントからなっていてもよい。好適なベクターと して、SV40並びに既知の細菌プラスミドの誘導体、例えば、E.coliプラスミドco l El、pCR1、pBR322、pMB9及びそれらの誘導体、RP4の如きプラスミド;ファー ジDNAS、例えば、ファージλの多数の誘導体、例えば、NM989、及びその他のフ ァージDNA、例えば、M13及び繊維状一本鎖ファージDNA;酵母プラスミド 、例えば、2μプラスミドまたはその誘導体;真核生物細胞中で有益なベクター 、例えば、昆虫細胞または哺乳類細胞中で有益なベクター;プラスミドとファー ジ DNASの組み合わせから誘導されるベクター、例えば、ファージDNAまたは その他の発現調節配列を使用するように修飾されたプラスミド、等が挙げられる 。 多種の発現調節配列−それに操作により連結されたDNA配列の発現を調節す る配列−のいずれかがこれらのベクター中で使用されて本発明のDNA配列を発 現し得る。このような有益な発現調節配列として、例えば、SV40、CMV、ワクシ ニアウイルス、ポリオーマウイルスまたはアデノウイルスの早期または後期プロ モーター、lac系、trp系、TAC系、TRC系、LTR系、ファージλの主要オペレータ ー領域及びプロモーター領域、fd外殻タンパク質の調節領域、3−ホスホグリセ レートキナーゼまたはその他のグリコール分解酵素のプロモーター、酸ホスファ ターゼのプロモーター(例えば、Pho5)、酵母α接合因子のプロモーター、及び 原核生物細胞もしくは真核生物細胞またはそれらのウイルスの遺伝子の発現を調 節することが知られているその他の配列、並びにこれらの種々の組み合わせが挙 げられる。 多種の宿主単細胞がまた本発明のDNA配列を発現するのに有益である。これ らの宿主として、公知の真核生物宿主及び原核生物宿主、例えば、E.coli、シュ ードモナス、バチルス、ストレプトミセスの株、菌類、例えば、酵母、並びに動 物細胞、例えば、CHO細胞、RI.1細胞、B-W細胞及びL-M細胞、アフリカ・グリー ン・モンキー腎臓細胞(例えば、COS1、COS7、BSC1、BSC40、及びBMT10)、昆虫細 胞(例えば、Sf9)、並びに組織培養中のヒト細胞及び植物細胞が挙げられる。 また、本発明の受容体認識因子をコードする遺伝子がトランスジェニック発現 ベクター、例えば、遺伝子治療のための細胞の生体内または半ビボのトランスフ ェクションに公知のレトロウイルスベクターの一種にとり込まれてもよい。 ベクター、発現調節配列及び宿主の全てが本発明のDNA配列を発現するのに 同様に良好に機能するとは限らないことが理解されるであろう。全ての宿主が同 じ発現系で同様に良好に機能するとは限らない。しかしながら、当業者は無用の 実験をしないで適当なベクター、発現調節配列、及び宿主を選択して、本発明の 範囲から逸脱しないで所望の発現を達成することができるであろう。例えば、ベ クターを選択する際に、宿主が考慮される必要がある。何となれば、ベクターが その中で機能する必要があるからである。ベクターのコピー数、そのコピー数を 調節する能力、及び抗生物質マーカーの如きベクターによりコードされたその他 のタンパク質の発現がまた考慮されるであろう。 発現調節配列を選択する際に、種々の因子が通常考慮されるであろう。これら として、例えば、その系の相対濃度、その調節可能性、及び特に、潜在的な二次 構造に関して、発現される特別なDNA配列または遺伝子とのその適合性が挙げ られる。好適な単細胞宿主は、例えば、選択されたベクターとのそれらの適合性 、それらの分泌特性、タンパク質を正確に折りたたむそれらの能力、及びそれら の醗酵要件、並びに発現されるDNA配列によりコードされた産物の宿主に対す る毒性、及び発現産物の精製の容易なことの考慮により選択されるであろう。 これらの因子及びその他の因子を考慮して、当業者は醗酵または大規模の動物 培養にて本発明のDNA配列を発現する種々のベクター/発現調節配列/宿主組 み合わせを構築することができるであろう。 受容体認識因子類縁体は、本発明の範囲内で誘導されたタンパク質複合体/サ ブユニットのヌクレオチド配列から調製し得ることが更に意図されている。フラ グメントの如き類縁体は、例えば、受容体認識因子物質のペプシン消化により生 産し得る。突然変異タンパク質の如きその他の類縁体は受容体認識因子コード配 列の通常の部位誘導突然変異誘発により生産し得る。“受容体認識因子活性”を 示す類縁体、例えば、小分子(プロモーターまたはインヒビターとして機能する ことを問わない)は既知の生体内アッセイ及び/または試験管内アッセイにより 同定し得る。 上記のように、受容体認識因子をコードするDNA配列はクローン化されるよ りもむしろ合成により調製し得る。DNA配列は受容体認識因子アミノ酸配列に 適当なコドンで設計し得る。一般に、配列が発現に使用される場合には、意図さ れる宿主に好ましいコドンが選択されるであろう。完全配列は通常の方法により 調製されたオーバーラップオリゴヌクレオチドから構築され、そして完全コード 配列に構築される。例えば、Edge,Nature,292:756(1981); Nambairら,Sci-en ce,223:1299(1984); Jayら,J.Biol.Chem.,259:6311(1984)を参照のこと。 合成DNA配列は、受容体認識因子類縁体または“突然変異タンパク質”を発 現する遺伝子の好都合の構築を可能にする。また、突然変異タンパク質をコード するDNAは自生受容体認識因子遺伝子またはcDNAの部位誘導突然変異誘発 によりつくることができ、また突然変異タンパク質は通常のポリペプチド合成を 使用して直接につくることができる。 タンパク質への非天然アミノ酸の部位特異性とり込みの一般的な方法がChris- topher J.Noren,Spencer J.Anthony-Cahill,Michael C.Griffith,Peter G.Sc hultz,Science,244:182-188(1989年4月)に記載されている。この方法が類 縁体を非天然アミノ酸からつくるのに使用し得る。 本発明は、翻訳レベルで受容体認識タンパク質の発現を干渉するのに使用し得 るアンチセンスヌクレオチド及びリボザイムの調製に及ぶ。このアプローチはア ンチセンス核酸及びリボザイムを使用してそのmRNAをアンチセンス核酸でマ スクし、またはそれをリボザイムで開裂することにより特定mRNAの翻訳を阻 止する。アンチセンス及びリボザイム技術は当業界で公知であり、多くの刊行物 、例えば、国際特許公開WO 93/19179に記載されていた。 また、本発明は、本発明の受容体認識因子により媒介される活性を誘発するそ れらの能力を参考として、先に言及されたポリペプチドリガンドの如き刺激の存 在の検出方法を含む種々の診断用途に関する。 先に記載されたように、受容体認識因子は種々の既知の技術によりそれ自体の 抗体を産生するのに使用でき、次いでこのような抗体が単離され、そして疑わし い標的細胞中の特別な翻訳活性の存在に関する試験に使用し得る。多くのアッセ イ操作、またはフォーマットが当業界で公知である。“競合”操作が米国特許第 3,654,090号及び同第3,850,752号明細書に記載されている。“サンドイッチ”操 作が再発行米国特許第31,006号及び米国特許第4,016,043号明細書に記載され ている。“二重抗体”、または“DASP”操作の如き更に別の操作が知られている 。夫々の場合に、受容体認識因子は一種以上の抗体または結合パートナーと複合 体を形成し、そしてその複合体の一員が検出可能な標識で標識される。複合体が 形成したという事実及び、所望により、その量が標識の検出に適用できる既知の 方法により測定し得る。 これらの研究に最も普通に使用される標識は放射性元素、酵素、紫外線に暴露 された時に蛍光を有する薬品、等である。幾つかの蛍光物質が知られており、標 識として使用し得る。これらとして、例えば、フルオレセイン、ローダミン及び オーラミンが挙げられる。受容体認識因子またはその一種以上の結合パートナー がまた放射性元素または酵素で標識し得る。放射性標識は現在利用できるカウン ら選ばれてもよい。酵素標識が同様に有益であり、現在使用される比色技術、分 光測定技術、蛍光分光測定技術、電流滴定技術またはガス計量技術のいずれかに より検出し得る。 本発明に従って開発され、使用される特別なアッセイ系は受容体アッセイとし て知られている。受容体アッセイにおいて、分析される物質が適当に標識され、 次いで或る細胞試験コロニーに所定量の標識物質及び未標識物質の両方が接種さ れ、その後、結合研究が行われて、標識物質が細胞受容体に結合する程度を測定 する。このようにして、物質間のアフィニティーの差異を確かめることができる 。 それ故、精製された量の受容体認識因子が放射能標識され、例えば、その抗体 またはインヒビターと合わされてもよく、その後、結合研究が行われる。種々の 量の標識受容体認識因子及び標識されず、組み合わされなかった受容体認識因子 を含む溶液がその後調製され、次いで細胞試料が接種され、その後インキュベー トされる。次いで得られた細胞単層が洗浄され、可溶化され、次いで<5%の標準 偏差を生じるのに充分の時間の長さにわたってガンマカウンターでカウントされ る。次いでこれらのデータがスカチャード分析にかけられ、その後、物質活性に 関する観察及び結論が引き出される。以上は例示であるが、それは受容体アッセ イが行われ、使用される方法を説明し、その場合、分析される物質の細胞結合能 力が特徴のある特性として利用し得る。 本発明に従って有益であり、意図されるアッセイは、“シス/トランス”アッ セイとして知られている。簡単に言えば、このアッセイは二つの遺伝子構築物を 使用し、その一つは典型的には適当な細胞系にトランスフェクトされた時に関係 する特別な受容体を絶えず発現するプラスミドであり、その第二の構築物は受容 体/リガンド複合体の制御下にルシフェラーゼの如きリポーターを発現するプラ スミドである。こうして、例えば、化合物を特別な受容体のリガンドとして評価 することが所望される場合、プラスミドの一つは選択された細胞系中の受容体の 発現をもたらす構築物であり、一方、第二プラスミドは特別な受容体に対する応 答要素が挿入されるルシフェラーゼ遺伝子に連結されたプロモーターを有するで あろう。試験下の化合物が受容体のアゴニストである場合、そのリガンドは受容 体と複合体形成し、得られる複合体が応答要素を結合し、ルシフェラーゼ遺伝子 の転写を開始するであろう。次いで得られるケミルミネッセンスが光度計測によ り測定され、投薬応答曲線が得られ、既知のリガンドの曲線と比較される。以上 のプロトコルが米国特許第4,981,784号及びPCT国際公開番号WO 88/03168号明細 書に詳しく記載されており、その目的のためにその技術が参考にされる。 本発明の更に別の実施態様において、医療スペシャリストによる使用に適した 市販の試験キットが疑わしい標的細胞中の前もって決められた転写活性または前 もって決められた転写活性能力の存在または不在を測定するように調製し得る。 上記の試験技術によれば、このようなキットの一つのクラスは標識受容体認識因 子またはその結合パートナー、例えば、それに特異性の抗体を少なくとも含み、 そして指示は、勿論、選択された方法、例えば、“競合”、“サンドイッチ”、 “DASP”等に依存する。また、キットは末梢的な試薬、例えば、緩衝剤、安定剤 、等を含んでいてもよい。 それ故、試験キットは前もって決められた活性につき細胞の存在または能力の 実証のために調製でき、 (a) 検出可能な標識への本発明の受容体認識因子またはそれに特異性の結合パ ートナーの直接または間接の結合により得られた前もって決められた量の少なく とも一種の標識された免疫化学反応性成分、 (b) その他の試薬、及び (c) 前記キットの使用に関する指示 を含む。 更に詳しくは、診断試験キットは (a) 一般に免疫吸着剤を形成するために固相に結合され、または好適なtag、 もしくは複数のこのような最終製品、等(またはそれらの結合パートナー)の夫 々の一つに結合された既知の量の上記の受容体認識因子(または結合パートナー )、 (b) 必要により、その他の試薬、及び (c) 前記試験キットの使用に関する指示 を含んでいてもよい。 更に別の変化において、試験キットは上記の目的のために調製され、使用され てもよく、それは前もって決められたプロトコル(例えば、“競合”、“サンド イッチ”、“二重抗体”、等)に従って作動し、そして (a) 受容体認識因子を検出可能な標識にカップリングすることにより得られた 標識成分、 (b) 一種以上の付加的な免疫化学試薬(その少なくとも一つの試薬はリガンド または固定化リガンドであり、そのリガンドは (i) 標識成分(a)と結合できるリガンド、 (ii)標識成分(a)の結合パートナーと結合できるリガンド、 (iii) 測定すべき一種以上の成分の少なくとも一つと結合できるリガンド、 及び (iv)測定すべき一種以上の成分の少なくとも一つの結合パートナーの少なく とも一つと結合できるリガンド、 からなる群から選ばれる) (c) 受容体認識因子とそれに特異性の結合パートナーの間の免疫化学反応の一 種以上の成分の検出及び/または測定のためのプロトコルの性能に関する指示 を含む。 上記に従って、受容体認識因子の活性を調節するのに有効な潜在的な薬剤をス クリーニングするためのアッセイ系が調製し得る。受容体認識因子は試験系に導 入されてもよく、また有望な薬剤が得られる細胞培養物に導入されてもよく、そ の後、培養物が試験されて有望な薬剤単独の添加のため、または既知の受容体認 識因子の添加量の効果のための細胞の転写活性の変化を観察する。 本発明が以下の実施例を参考にして更に良く理解され、これらの実施例は例示 のために示されるものであり、限定のためではない。 実施例1:マウス91kDタンパク質の同定 ヒト91kDタンパク質をコードする遺伝子のフラグメントを使用して同種タンパ ク質につきマウスの胸腺及び脾臓cDNAライブラリーをスクリーニングした。 そのスクリーニングアッセイはヒト91kDタンパク質に95%より大きく相同である マウスポリペプチドをコードする高度に相同の遺伝子を生じた。マウス91kDタン パク質の核酸及び演繹アミノ酸配列が図1A-1C、並びに配列番号7(ヌクレオチ ド配列)及び配列番号8(アミノ酸配列)に示される。 実施例2:STATタンパク質ファミリーの付加的な員 マウス91kDタンパク質遺伝子のSH2リポーター遺伝子からPCRにより増幅された 300核種フラグメントを使用して、受容体認識因子タンパク質の113-91ファミリ ーの二つの付加的な員をコードするマウス遺伝子をSambrookらの方法(1989,分子 クローニング、実験マニュアル、第2編、コールド スプリング ハーバープレ ス、コールド スプリング ハーバー、ニューヨーク)に従ってマウス脾臓/胸 腺cDNAライブラリーから単離し、ZAPベクター中で構築した。ハイブリダイ ゼーションを42℃で行い、最初の露出(Church及びGilbert,1984,Proc.Natl.Ac ad.Sci.USA81:1991-95)の前に42℃で洗浄した。次いでフィルターを第二露出の ために2X SSC、0.1%のSDS中で65℃で洗浄した。Stat1クローンは65℃の洗浄に 耐え、一方、Stat3クローン及びStat4クローンを65℃でシグナルを損失したプ ラークとして同定した。プラークを精製し、ストラタゲン商用プロトコルに従っ てサブクローン化した。 このプローブを選択してその他のSTATファミリ一員につきスクリーニングした 。何となれば、Stat1 SH2ドメイン及びStat2 SH2ドメインは全体の100〜120ア ミノ酸領域にわたって非常に似ているが、STAT SH2ドメインのアミノ末端ハーフ のみがその他のタンパク質中に見られるSH2領域に強く似ているからである。 二つの遺伝子をプラスミド13sf1及び19sf6にクローン化した。13sf1遺伝子及 び19sf6遺伝子のヌクレオチド配列、及び演繹アミノ酸配列が夫々図2及び図3 に示される。これらのタンパク質はまた夫々Stat4及びStat3と称される。 Stat91(Stat1)及びStat113(Stat2)の配列の比較は推定のSH3ドメイン及び SH2ドメインを含む幾つかの高度に保存された領域を示す。保存されたアミノ酸 は、これらのタンパク質が転写活性化機能を行うことを可能にする保存されたド メインに至る点までおそらく伸長する。Stat3は、Stat1(Stat91)と同様に広 く発現され、一方、Stat4発現は睾丸、胸腺、及び脾臓に制限される。Stat3は 、EGFまたはIL-6で処理されたが、IFN-γ処理後ではない細胞中でチロシンに対 するリン酸化によりDNA結合タンパク質として活性化されることがわかった。 13sf1遺伝子及び19sf6遺伝子の両方はヒト及びマウスの91kDタンパク質をコー ドする遺伝子とかなりの相同性を共有する。13sf1タンパク質及び19sf6タンパク 質の演繹アミノ酸配列とヒト及びマウスの91kDタンパク質のアミノ酸配列の間に は相当する相同性があるが、マウスとヒトの91kDタンパク質の間に見られる95% より大きいアミノ酸相同性はない。こうして、91kDタンパク質と明らかに同じフ ァミリーにもかかわらず、13sf1遺伝子及び19sf6遺伝子は異なるタンパク質をコ ードする。 マウスSTATタンパク質(1−4)の染色体位置が決定された。Stat1及びstat 4はマウス染色体1の動原体領域(ヒト2q 32-34qに相当する)に配置される。 二つのその他の遺伝子はその他の染色体にある。 ヒトゲノムライブラリーの13sf1及び19sf6から誘導されたプローブを使用する サザン分析は、マウス13sf1遺伝子及び19sf6遺伝子に相当する遺伝子がヒトに見 られることを証明した。 これらの遺伝子のmRNA発現の組織分布をノーザンハイブリダイゼーション 分析により評価した。この分布分析の結果が下記の表に示される。 ノーザン分析は、これらの遺伝子によりコードされたmRNAの発現の組織分 布に変化があることを実証する。その変化及び組織分布は、本発明に従って予想 されるように、特定の遺伝子が異なる因子に応答性であるタンパク質をコードす ることを示す。実際のリガンド(その結合が新たに発見された因子のリン酸化を 誘発する)は上記の組織分布の証拠に基いて容易に測定可能であるであろう。 Stat3タンパク質及びStat4タンパク質が細胞中に存在するか否かを測定する ために、夫々のタンパク質の抗血清を用いてタンパク質ブロットを行った。抗血 清は、境界配列+制限部位(5'末端のBamHI及び3'末端のEcoRI)に基いてオリゴヌ クレオチドを用いるPCRによりStat3のアミノ酸688〜727及びStat4のアミノ酸6 78〜743をpGEX1 λt(ファーマシア)にサブクローン化して、GSTとのイン−フレ ーム融合を可能にすることにより得られた。夫々の抗原1ミリグラムを免疫感作 に使用し、3回のブースター注射を4週間隔で施した。抗Stat3血清及び抗Stat 4血清を、通常のプロトコルを使用するウェスタンブロットで1:1000で使用した 。抗血清の交差反応性を避けるために、抗体をタンパク質の小さい相同性の領域 であるStat3及びStat4のC末端に対し産生した。 これらのタンパク質は、mRNAが存在することが知られている幾つかの組織 中に確かに見られた。タンパク質発現を幾つかの細胞系中で同様にチェックした 。Stat4抗血清と反応性の89kDのタンパク質を70Z細胞、preB細胞系中で発現し たが、多くのその他の細胞系中では発現しなかった。Stat3は70Z、HT2(マウス ヘルパーT細胞クローン)、及びU937(マクロファージ誘導細胞)中で主として97k Dタンパク質として高度に発現された。 Stat3及びStat4の完全長機能性cDNAクローンが得られることを証明する ために、夫々のcDNAの読み取り枠をCMVプロモーターの下流のRc/CMV発現ベ クター(インビトロゲン)に独立に(即ち、別々に)クローン化した。得られる プラスミドをCOS1細胞にトランスフェクトし、タンパク質をトランスフェクショ ン60時間後に抽出し、電気泳動後にウェスタンブロットにより調べた。トランス フェクトされなかったCOS1細胞は低レベルの97kD Stat3タンパク質を発現したが 、検出可能なレベルのStat4を発現しなかった。Stat3発現プラスミドのトラン スフェクション後に、97kD Stat3が少なくとも10倍に増加された。そして殆どの 細胞系抽出物中に少量バンドとして見られた、Stat3に抗原関連した89kDタンパ ク質がまたトランスフェクション後に増加された。それ故、このタンパク質はSt at3タンパク質の別の形態、または合成がStat3により刺激される抗原類似タン パク質に相当することが明らかである。Stat4によるトランスフェクションは70 Z細胞抽出物中に見られる89kD反応性バンドのサイズの区別できない形態p89 Sta t4の発現をもたらした。 検討 先に記載されたように、本発明の基礎をなす観察及び結論が特別な刺激による 或る研究の結果の考察により具体化された。特に、この開示はIFNα刺激遺伝子 の転写調節を支配するタンパク質因子に関する研究の結果だけでなく、IFNγに より刺激された遺伝子の転写の調節に関する更に最近のデータにより示される。 この開示は未だ知られていない因子に応答性のタンパク質因子をコードする関連 遺伝子の同定により示される。マウス91kDタンパク質はIFNγに応答性であるこ とが予想される。 例えば、以上は、IFNγがリガンドである場合に、91kDタンパク質がチロシン キナーゼ標的であるという証拠に相当する。こうして、二つの異なる受容体によ り作用する二つの異なるリガンドは両方ともこれらのファミリー員を使用する。 ファミリー員の適度の数及び異なるリガンドに応答する組み合わせの使用のみに より、タンパク質のこのファミリーはリガンド占有受容体間の一般の連結及び核 中の特定の遺伝子の転写調節を与える可能性が更に大きくなる。 113-91タンパク質ファミリーのその他の員がその他のリガンドに応答してリン 酸化標的として同定され、また同定されたことが以上により提案され、示される 。考えられるように、このファミリー中のタンパク質にあるチロシンリン酸化部 位が保存される場合、どのファミリー員が活性化され(リン酸化され)るのかを 容易に測定でき、同様にファミリー員が応答している特別な細胞外ポリペプチド リガンドを容易に測定できる。これらのタンパク質の修飾(リン酸化及び脱リン 酸化)は、種々のポリペプチドに対する細胞内応答を強化または阻止する際の医 薬品の有効性を測定するためのアッセイの準備及び使用を可能にし、それ故、こ のようなアッセイが本発明の範囲内に意図される。 先の研究は、DNA結合タンパク質がIFNγ処理に応答して細胞質中で活性化 されたこと、そしてこのタンパク質がGBP遺伝子の転写を刺激したことを結論し た(10,14)。この研究において、IFNα遺伝子刺激(7,12,15)に関して最初に研究 されたタンパク質の抗血清の助けにより、91kD ISGF-3タンパク質は同様にIFNγ 遺伝子刺激における主要な役割を指定された。この結論の証拠として、以下のこ とが挙げられる。1)91kDタンパク質に特異性の抗血清がIFNγ依存性ゲル−シフ ト複合体に影響し、そして2)91kDタンパク質がGAS IFNγ活性化部位に架橋し得 た。3)35S標識91kDタンパク質及び91kD免疫反応性タンパク質がゲル−シフト複 合体で特異的に精製された。4)91kDタンパク質はIFNγ依存性チロシンキナーゼ 基質である。何となれば、実際にIFNαに応答することが先に判明していたから である(15)。5)113kDタンパク質ではなく91kDタンパク質がIFNγ処理に応答して 核に移動した。これらの実験のいずれもが、同じ91kDタンパク質がIFNαまたはI FNγにより誘発される異なるDNA結合タンパク質中で異なって作用することを 証明しないが、強く示唆する。 これらの結果は、ポリペプチド細胞表面受容体が活性化後に核に移動して転写 を誘発する潜在性の細胞質タンパク質への細胞外のリガンドによるそれらの占有 を報告するというIFNαに関する研究に由来する仮説を強く指示する(4,15,21)。 更に、細胞質リン酸化及び因子活性化がこうして迅速であるので、機能性受容体 複合体はチロシンキナーゼ活性を含むことがおそらく明らかである。こうして今 までクローン化されたIFNγ受容体鎖(22)は固有のキナーゼ活性を有することを 暗示しないので、おそらくチロシンキナーゼ活性を有する幾つかのその他の分子 はIFNγ受容体とカップリングする。その他の受容体を用いる二つの最近の結果 はIFN受容体を用いる状況におそらく匹敵することを示唆する。細胞内チロシン キナーゼドメインを有するtrkタンパク質は、その受容体が占有される時にNGF受 容体と会合する(23)。加えて、チロシンキナーゼのsrcファミリーの員であるlck タンパク質はT細胞受容体と共沈される(24)。これらの二つの受容体による核へ のシグナル伝達は活性化転写因子の一部を形成する潜在性細胞質基質を伴い得る ことを予測することが可能である。いずれにしても、IFNγ受容体またはIFNα受 容体と会合したtrkまたはlckのようなキナーゼがあることは可能と思われる。 91kDタンパク質に関するリン酸化の効果に関して、IFNγ処理後に91kDタンパ ク質がDNA結合タンパク質になることは驚くべきことであった。その役割はIF Nα処理に応答して異なる必要がある。チロシンはまたチロシンにつきリン酸化 され、そして113kDタンパク質及び84kDタンパク質と複合体を結合するが、UV架 橋研究(7)により判断されるように、91kDタンパク質はDNAと接触しない。 DNA結合タンパク質になることの他に、91kDタンパク質はIFNγ刺激のため に核に特異的に転座されることが明らかである。 実施例3:チロシン701は91kDタンパク質中でリン酸化される IFNγは91kDタンパク質のリン酸化を刺激することが先に示された。IFNγ処理 された細胞からの32P標識91kDタンパク質のサーモリシン消化はチロシンにつき 標識された単一ペプチドを生じた。91kDタンパク質は19のチロシンを含み(12)、 そしてリン酸化された一つ以上の残基の位置を測定するために、IFNγ処理され た細胞からの32P標識91kDタンパク質のトリプシン消化物(図4A)が調べられた 。IFNγはチロシンにおける単一トリプシンペプチド(X)のリン酸化を誘発した。 ペプチドXを回収し、段階的エドマン分解を行った。標識ホスホチロシンが第四 の分解サイクル中で放出された(図4B)。全ての潜在的なトリプシンペプチドの コンピュータ・アライメントは、チロシンが4番目のアミノ酸である単一ペプチ ド(アミノ酸698〜703)を示し、このペプチドをIFNγ刺激チロシンキナーゼ作用 の主要な候補として明らかにした(図4C)。91kDタンパク質の最初の配列は残基 261〜271から11アミノ酸セグメントを排除したことに注目されたい。こうして、 推定のリン酸化ペプチドは残基701に単一チロシンを含み、不正確なナンバリン グ系のもとにチロシン690におけるリン酸化の予想を確かめた。 アミノ酸693〜707に相当する合成ペプチドを調製した。このペプチドを精製 シン三リン酸(ATP)に露出した。標識が不十分であった場合、チロシンのみがリ ン酸化された。標識合成ホスホペプチドをトリプシンで開裂し、得られるペプチ ドが2Dペプチドマッピング中にペプチドXと共に同一に移動した。こうして、本 パク質中の単一残基であると結論する。 をTTTに変化させ、これはフェニルアラニンをコードする。野生型DNA及び変 異体DNAを発現ベクターに挿入した。91kDタンパク質をコードする遺伝子は異 なる3'末端を有する二つのmRNAを生じる(12)。二つのmRNAを翻訳して91 kDタンパク質及び84kDタンパク質を夫々生産する。84kDタンパク質をコードする 相補DNA(cDNA)を含む発現ベクターをまた構築した。 これらの構築物をU3A細胞に永久トランスフェクションにより導入し、これら の細胞はIFNαまたはIFNγに応答しない(28,29)。何となれば、それらは84kDタ ンパク質または91kDタンパク質を発現しないからである。完全長91kDタンパク質 は、内在性遺伝子からのmRNAのIFN誘発蓄積により試験されたように、IFNα 及びIFNγに応答するこれらの細胞の能力を回復する。84kDタンパク質はIFNγ応 答性mRNAではなくIFNα応答性mRNAの蓄積を回復する(30)。 Pheに変化された91kDタンパク質をコードする)、及びC84(84kDタンパク質をコ ードする)(図5A)。ホスホチロシンのモノクローナル抗体(mAb)を使用してタンパ ク質イムノブロットにおいてIFNγ依存性チロシンリン酸化を検出した。変異体9 1kDタンパク質はIFNγに応答してチロシンにつきリン酸化されなかったが、一方 、野生型親細胞(2fTGH)またはC91細胞からの91kDタンパク質はIFNγで処理され た時にチロシンにつきリン酸化された(図5C)。この実験は、残基701がIFNγに 応答してチロシンにつきリン酸化されている91kDの唯一の部位であることを確か めた。 実験を行って、84kDタンパク質が91kDタンパク質と同じ部位でリン酸化された か否かを測定した。C84細胞を32Pで標識し、IFNγで処理した。32P標識84kDタン パク質を免疫沈殿させ、トリプシンで開裂した。得られるトリプシンホスホペプ チドを2Dホスホペプチドマッピングにより分析した(図5B)。91kDタンパク質か らのペプチドXと同様に移動した主要スポットを同定した(図4A)。混合した時 、2種のペプチドは同一に移動した。こうして、84kDタンパク質はまたIFN IFNγ依存性遺伝子活性化をもたらすシグナル伝達経路における種々の工程で試 験した。ウシ腸ホスファターゼによる91kDタンパク質、リンタンパク質からのホ スフェートの除去またはスタウロスポリンによる生体内リン酸化の抑制は91kDタ ンパク質DNA結合活性を無効にする。IFNγ依存性DNAタンパク質複合体で あるGAFを野生型親細胞(2fTGH)及びC91細胞中で検出した(図6A)。また、C84細 胞はIFNγに応答して、小タンパク質につき予想されるように、若干早く (Cty)を発現する細胞は IFNγ依存性DNA結合タンパク質を生産することがで きなかった。 また、核へのIFNγ誘発トランスロケーションを試験した。IFNγ処理の前に細 胞中で検出されたC91細胞またはC84細胞中の免疫蛍光はIFNγ処理後に核中 ーションに必要とされることを示唆した(図6)。 で一時的にトランスフェクト移入し、そしてIFNγに対する転写応答をこれらの 細胞中で測定した。リポーターとしてルシフェラーゼを含み、その他の点でプロ モーター要素を欠いているRNA開始部位の上流の91kDリンタンパク質の結合部 位の一つのコピーを有する標的遺伝子を構築した。標的遺伝子及び野生型91kDタ ンパク質発現ベクターでトランスフェクトされた細胞は、IFNγで処理された時 にルシフェラーゼ発現の5倍〜10倍の刺激を示した(図7)。IFNγ依存性転写 活性化は91kDタンパク質の存在を必要とした。IFNγはリポーターベクター単独 またはGAS部位を欠いているベクターでトランスフェクトされたU3A細胞中で転 された細胞はIFNγに応答せず、これは遺伝子活性化のためのリン酸化の要件を 示唆した。タンパク質イムノブロット分析は、91kDタンパク質、84kDタンパク質 、 とを示した(図7)。ヒト腎臓293細胞中で行われた同様の実験は同じ結論を支 持する。一時的なトランスフェクションによる結果は、U3A細胞中で、IFNγに応 答する内在性細胞遺伝子からのmRNAの蓄積が91kDタンパク質を必要とすると いう知見(30)と一致する。また、これらの実験において、84kDタンパク質はIFN γ応答を誘導できなかった。 91kDタンパク質は、チロシンホスフェート(39)にしっかりと結合することが知 での配列を有する。リガンド活性化キナーゼはしばしばホスホチロシンを基質に 与えるので、本発明者らはリガンド介在性リン酸化における91kDタンパク質中の 2ドメイン(40,41)中のホスホチロシン残基間の直接の相互作用に重要であり、 するようにし、そして新しい配列を発現ベクターに挿入した。91kDタンパク質及 び84kDタンパク質のmRNA(30)を欠いているIFNα及びIFNγ非応答性細胞系 体タンパク質を発現する2種の安定な細胞系を選択した。これらの細胞系から免 疫沈殿された変異体タンパク質はIFNγに応答してチロシンにつきリン酸化され なかった(図8b)。こうして、機能性SH2ドメインが91kDタンパク質のチロシン リン酸化に必要とされ、これは基質が結合するキナーゼがその活性状態でチロシ ンホスフェートを有し得ることを示唆する。 検討 先に記載されたように、本発明の基礎をなす観察及び結論が特別な刺激による 或る研究の結果の考察により具体化された。特に、この開示はIFNα刺激遺伝子 の転写調節を支配するタンパク質因子に関する研究の結果だけでなく、IFNγに より刺激された遺伝子の転写の調節に関する更に最近のデータにより示される。 例えば、以上は、IFNγがリガンドである場合に、91kDタンパク質がチロシン キナーゼ標的であるという証拠に相当する。こうして、二つの異なる受容体によ り作用する二つの異なるリガンドは両方ともこれらのファミリー員を使用する。 ファミリー員の適度の数及び異なるリガンドに応答する組み合わせの使用のみに より、タンパク質のこのファミリーはリガンド占有受容体間の一般の連結及び核 中の特定の遺伝子の転写調節を与える可能性が更に大きくなる。 113-91タンパク質ファミリーのその他の員がその他のリガンドに応答してリン 酸化標的として同定されることが提案される。考えられるように、このファミリ ー中のタンパク質にあるチロシンリン酸化部位が保存される場合、どのファミリ ー員が活性化され(リン酸化され)るのかを容易に測定でき、同様にファミリー 員が応答している特別な細胞外ポリペプチドリガンドを容易に測定できる。これ らのタンパク質の修飾(リン酸化及び脱リン酸化)は、種々のポリペプチドに対 する細胞内応答を強化または阻止する際の医薬品の有効性を測定するためのアッ セイの準備及び使用を可能にし、それ故、このようなアッセイが本発明の範囲内 に意図される。 先の研究は、DNA結合タンパク質がIFNγ処理に応答して細胞質中で活性化 されたこと、そしてこのタンパク質がGBP遺伝子(10,14)の転写を刺激したことを 結論した。この研究において、IFNα遺伝子刺激(7,12,15)に関して最初に研究さ れたタンパク質の抗血清の助けにより、91kD ISGF-3タンパク質は同様にIFNγ遺 伝子刺激における主要な役割を指定された。この結論の証拠として、以下のこと が挙げられる。1)91kDタンパク質に特異性の抗血清がIFNγ依存性ゲル−シフト 複合体に影響し、そして2)91kDタンパク質がGAS IFNγ活性化部位に架橋し得た 。3)35S標識91kDタンパク質及び91kD免疫反応性タンパク質がゲル−シフト複合 体で特異的に精製された。4)91kDタンパク質はIFNγ依存性チロシンキナーゼ基 質である。何となれば、実際にIFNαに応答することが先に判明していたからで ある(15)。5)113kDタンパク質ではなく91kDタンパク質がIFNγ処理に応答して核 に移動した。これらの実験は、同じ91kDタンパク質がIFNαまたはIFNγにより誘 発される異なるDNA結合複合体中で異なって作用することを証明するが、強く 示唆する。 これらの結果は、ポリペプチド細胞表面受容体が活性化後に核に移動して転写 を誘発する潜在性の細胞質タンパク質への細胞外のリガンドによるそれらの占有 を報告するというIFNαに関する研究に由来する仮説を強く指示する(4,15,21)。 更に、細胞質リン酸化及び因子活性化がこうして迅速であるので、機能性受容体 複合体はチロシンキナーゼ活性を含むことがおそらく明らかである。こうして今 までクローン化されたIFNγ受容体鎖(22)は固有のキナーゼ活性を有することを 暗示しないので、おそらくチロシンキナーゼ活性を有する幾つかのその他の分子 はIFNγ受容体とカップリングする。その他の受容体を用いる二つの最近の結果 はIFN受容体を用いる状況におそらく匹敵することを示唆する。細胞内チロシン キナーゼドメインを有するtrkタンパク質は、その受容体が占有される時にNGF受 容体と会合する(23)。加えて、チロシンキナーゼのsrcファミリーの員であるlck タンパク質はT細胞受容体と共沈される(24)。これらの二つの受容体による核へ のシグナル伝達は活性化転写因子の一部を形成する潜在性細胞質基質を伴い得る ことを予測することが可能である。いずれにしても、IFNγ受容体またはIFNα受 容体と会合したtrkまたはlckのようなキナーゼがあることは可能と思われる。 91kDタンパク質に関するリン酸化の効果に関して、IFNγ処理後に91kDタンパ ク質がDNA結合タンパク質になることは驚くべきことであった。その役割はIF Nα処理に応答して異なる必要がある。そこで、それはまたチロシンにつきリン 酸化され、そして113kDタンパク質及び84kDタンパク質と複合体を結合するが、U V架橋研究(7)により判断されるように、91kDタンパク質はDNAと接触しない。 DNA結合タンパク質になることの他に、91kDタンパク質はIFNγ刺激のため に核に特異的に転座されることが明らかである。この研究は91kDタンパク質をGB P遺伝子の即時のIFNγ転写応答に重要と強く示すが、二つの点がまた明らかであ るべきである。第一に、91kDタンパク質はそれ自体で作用して転写を活性化する か、否かが知られていない。第二に、91kDタンパク質が即時のIFNγ転写応答に 如何に広く使用されるかが知られていない。新しいタンパク質を合成しないで、 IFNγにより直ちに活性化される二三の遺伝子のみが研究されていた。これらの 遺伝子の活性化が91kD結合部位により作用するか否かは現在確かではない。 ション及びそのタンパク質のDNA結合を誘発することを実証する。おそらく、 リン酸化された91kDタンパク質はIFN-8に応答して転写を直接または間接に活性 化する。91kDリンタンパク質のこの機能は、リン酸化されなかった変異体91kDタ ンパク質が転写を誘発することができないことにより間接的に確かめられた。 充されたU3A細胞中で誘発し得ないことがわかった。しかしながら、U3A細胞は91 kDタンパク質または84kDタンパク質でトランスフェクトされた時にIFNαに応答 する。こうして、84kDタンパク質はIFNγにより誘発された多量体ISGF-3複合体 中で必要とされる役割を果たすことができ、この場合、84kDタンパク質または91 kDタンパク質が113kDタンパク質及び48kDDNA結合タンパク質(30)と結合す きず、またIFNα誘発mRNAがこの細胞中に蓄積しない。 IFNγ処理後に、84kDタンパク質は遺伝子活性化の点まで91kDタンパク質と平 行して作用する。84kDタンパク質はリン酸化でき、転座されてDNAに結合する 。しかしながら、91kDタンパク質のみがそれ自体で転写活性化できる直接DNA 結 合タンパク質として作用する。これらの結果は、91kDの38 COOH末端アミノ酸がG AS部位中の転写の活性化に必須であることを示唆する。84kDタンパク質は作用し て94kDタンパク質の活性を調節することが可能である。 実施例6:リン酸化STAT91の二量化 Stat91(転写のシグナルトランスデューサー及びアクチベーターとして作用す る91kDタンパク質)は未処理の細胞の細胞質中で不活性であるが、IFNα及びIFN γを含む幾つかのポリペプチドリガンドに応答してチロシンのリン酸化により活 性化される。この実施例は、未処理の細胞の細胞質中の不活性Stat91がモノマー であり、そしてIFNγ誘発リン酸化後に、それが安定なホモダイマーを形成する ことを報告する。二量体は転写を誘導する特定のDNA配列に結合することがで きる。解離及び再会合アッセイは、Stat91の二量化がSH2-ホスホチロシルペプチ ド相互作用により媒介されることを示す。特定のホスホチロシルペプチドのSH2 認識を伴う二量化はSTATタンパク質のファミリー員の間の相互作用のプロトタイ プを良く与えてIFNγ経路につき異なる転写複合体及びJak2を形成し得る(42,43, 44)。これらのキナーゼそれ自体がリン酸化されたチロシンになって特定のシグ ナリングイベントを行う。 物質及び方法 細胞培養. ヒト2fTGH、U3A細胞を、10%のウシ胎児血清を補給したDMEM培地 中で維持した。種々のStat91タンパク質構築物を補給したU3A細胞系を0.1mg/ml のG418(ギブコ、BRL)中で維持した。安定な細胞系を(45)に記載されたようにし て選択した。細胞のIFNγ(5ng/ml、アムゲンからの贈答品)処理は、特にことわ らない限り、15分間であった。 プラスミド構築. 発現構築物MNC-84を発現ベクターPMNC(45,35)のNot I-Bam HIクローニング部位へのcDNAの挿入によりつくった。MNC-91Lを、末端に終 止コドンを含まないpMNCのNot I-BamHIクローニング部位へのStat91cDNAの 挿入によりつくり、PMNCベクターによりコードされた34アミノ酸のC末端tagを 含むStat91の長い形態の生産を生じた。 GST融合タンパク質発現プラスミドを、pGEX-2Tベクター(ファーマシア)を使 用することにより構築した。GST-91SH2はStat91のアミノ酸573-672をコード する。GST-91mSH2はArg-602→Leu-602突然変異を含むStat91のアミノ酸573-672 をコードし、またGST-91SH3はStat91のアミノ酸506-564をコードする。 DNAトランスフェクション. DNAトランスフェクションをリン酸カルシ ウム法により行い、安定な細胞系を(45)に記載されたようにしてG418(0.5mg/ml 、ギブコ)を含むダルベッコ改良イーグル培地中で選択した。 細胞抽出物の調製. 全細胞粗抽出物を(31)に記載されたようにして調製した 。細胞質抽出物及び核抽出物を(46)に実質的に記載されたようにして調製した。 アフィニティー精製. ビオチニル化オリゴヌクレオチドによるアフィニティ ー精製を(31)に記載されたようにして調製した。ビオチニル化GASオリゴヌクレ オチドの配列はLy6E遺伝子プロモーター(34)からのものであった。 非変性ポリアクリルアミドゲル分析. 14〜545kDの分子量の範囲を有する非 変性タンパク質分子量マーカーをシグマから入手した。非変性ポリアクリルアミ ドゲルを使用する分子量の測定を製造業者の操作(これはBryan及びDavis(47,4 8)の方法の改良である)に従って行った。ビオチニル化GASオリゴヌクレオチド (31)を使用するアフィニティー精製から得られたリン酸化Stat91試料及びリン酸 化されなかったStat91試料を、10mMのトリス(pH6.7)、16%のグリセロール、0.0 4%のブロモフェノールブルー(BPB)を含む緩衝液中で再度懸濁させた。これらの 混合物を、バイオ−ラド ミニ−プロテアンII細胞電気泳動系を使用して標準マ ーカーと並べて4.5%、5.5%、6.5%、そして7.5%の天然ゲルで分析した。色素 (BPB)がゲルの底部に達した時に、電気泳動を停止した。分子サイズマーカーを クーマシーブル一染色により明らかにした。リン酸化Stat91試料及びリン酸化さ れなかったStat91試料を、抗91Tによるイムノブロッティングにより検出した。 グリセロール勾配分析. 細胞抽出物(Bud 8)をタンパク質標準物質(ファー マシア)と混合し、(6)に記載されたようにしてSW41ローター中で40,000rpmで40 時間にわたって予備生成された10%〜40%のグリセロール勾配により遠心分離に かけた。 ゲル移動度シフトアッセイ. ゲル移動度シフトアッセイを(34)に記載された ようにして行った。ヒトFc7RI受容体遺伝子(Pearseら,1993)からのGAS要素 に相当するオリゴヌクレオチドを合成し、ゲル移動度シフトアッセイに使用した 。オリゴヌクレオチドは下記の配列を有する。 5'GATCGAGATGTATTTCCCAGAAAAG3' (配列番号14) ペプチドの合成. 固相ペプチド合成をデュポンRAMPS多重合成装置またはマ ニュアル合成により使用した。ワング樹脂に付着したC末端アミノをデュポン/N ENから入手した。全てのアミノ酸をN-Fmoc,PO-ジメチル-L-ホスホチロシン(ベ ーチェム)以外は、N-Fmocペンタフルオロフェニルエステル(アドバンスド・ケ ムテク)としてカップリングした。二重カップリングを使用した。樹脂からの開 裂及び脱保護はチオアニソール/m−クレゾール/TFA/TMSBrを4℃で16時間使 用した。精製は0.1%のTFA/アセトニトリル勾配を用いてC-18カラムHPLCを 定し、95%より大きい純度であった。 グアニジウム塩酸塩処理.抽出物を室温で2分間にわたってグアニジウム塩酸 塩(最終濃度は0.4〜0.6Mであった)と一緒にインキュベートし、次いでゲルシ フト緩衝液で希釈し(グアニジウム塩酸塩の最終濃度は100mMであった)、室温 で15分間インキュベートした。次いで32P標識GASオリゴヌクレオチドプローブを その混合物に直接添加し、続いてゲル移動度シフトアッセイを行った。 解離−再会合分析.抽出物を種々の濃度のペプチドまたは融合タンパク質と一 緒にインキュベートし、次いでゲルシフト緩衝液中の32P標識GASオリゴヌクレオ チドプローブを添加してタンパク質−DNA複合体の形成を促進し、続いて移動 度シフト分析を行った。このアッセイはグアニジウム塩酸塩処理を伴っていなか った。 融合タンパク質の調製.細菌発現GST融合タンパク質を、Birgeら,1992に記載 されたようにして、通常の技術を使用して精製した。融合タンパク質を280nmに おけるO.D.により定量化した。アリコートを-70℃で凍結した。 結果 溶液中の、リガンドにより誘発されるStat91のダイマー形成の検出 :未処理細胞 中では、Stat91は、チロシン上でホスホリル化されていない。IFN-γによる処理 は、数分以内にチロシンのホスホリル化およびDNA結合能の活性化に導く。この ホスホリル化型は、リンタンパク質に関する簡単なアッセイをもたらす変性条件 下での、電気泳動中により緩慢に移動する(31)。 該Stat91のホスホリル化型および未ホスホリル化型の本来の分子量を測定する ために、我々はこれらを、GAS配列(インターフェロンγ活性化サイト)(第9A図) を含むビオチン化(biotinylated)デオキシオリゴヌクレオチドを使用した、アフ ィニティー精製により分離した。該未ホスホリル化型からのホスホリル化stat91 の分離は、殆ど全ての検出可能なホスホリル化型が該GASサイトに結合し、しか も未ホスホリル化Stat91は、未結合状態のままである場合に効率的であった。精 製されたホスホリル化Stat91および未ホスホリル化Stat91の分子量を測定するた めには、各サンプルを、次にアクリルアミドを種々の濃度で含む、一連の未変性 ゲルを介する電気泳動にかけ、次にウエスタンブロット解析した(第9B図)。こ の分析には、固有のタンパクサイズマーカー(シグマ)が含まれた。 この方法は、元々ブライアン(Bryan)(48)により記載され、最近ダイマーの分 析に利用された(49)。この方法の論理は、増大するゲル濃度が、小さなタンパク 質よりも大きなタンパク質の移動に影響を与えることにあり、またこの分析はタ ンパク質のホスホリル化等の変性により影響されない(49)。 相対的移動度の関数(Rm)を、各サンプルに対するアクリルアミドの濃度に対し てプロットして、ファーガソンプロット(第9C図)を作成した。次いで、各サン プルの遅延係数の対数(第9C図から算出)を、関連分子量範囲の対数に対してプ ロットした(第9D図)。この遅延係数を外挿することにより(第9D図)、未反応 の細胞由来の該Stat91の固有の分子量は約95kDであると見積もられ、一方チロシ ンホスホリル化Stat91は約2倍大きくあるいは約180kDであると見積もられた。S tat91のアミノ酸配列から算出された分子量は87kDであり、またStat91は変性SDA 上で移動し、見かけの分子量91kDを有する(上記文献および参考文献12および 45を参照)ので、我々は、溶液中で未ホスホリル化Stat91はモノマーとして存在 し、かつチロシンホスホリル化Stat91はダイマーであると結論した。 我々は、またグリセロール勾配分析を利用して、ホスホリル化および未ホスホ リル化Stat91両者の固有の分子量を評価した(第10図)。IFN-γで処理した繊維 芽細胞(Bud8)の全細胞抽出物を調製し、かつ10-40%グリセロール勾配による沈降 にかけた。該勾配からの画分を集め、イムノブロット法およびゲル移動度シフト 分析両者により分析した(第10A図および第10B図)。予想された如く、Stat91 の2つの電気泳動型、即ち緩慢移動型(チロシンホスホリル化)および迅速移動 型(未ホスホリル化;第10A図)が、イムノブロット法により検出された(第10 A図)。該ホスホリル化Stat91は該未ホスホリル化型よりも迅速に沈降した。ま た、分子量マーカーを使用すると、Stat91の未ホスホリル化型の固有の分子量は 約90kDであり、一方でStat91のチロシンホスホリル化型は約180kDであり(第10 C図)、このことは未ホスホリル化Stat91が溶液中でモノマーとして存在し、か つ該チロシンホスホリル化型がダイマーとして存在するという結論を支持してい る。該グリセロール勾配由来の画分を、電気泳動移動度シフト解析によって分析 したところ(第10B図)、該Stat91のホスホリル化型のピークは、Stat91のDNA- 結合活性と十分な相関性を有していた。かくして、該ホスホリル化ダイマー型St at91のみが上記の配列−特異的DNA認識能を有する。Stat91はダイマーとしてDNAに結合する :DNA結合タンパク質の長いまたは短いバ ージョンは、それぞれゲル遅延アッセイ中に、緩慢なまたは迅速な移動バンドを 形成し得る。2つの異なるサイズの種を混合することにより生成されることが分 かった中間的ゲルシフトバンドは、該DNA結合タンパク質のダイマー化の証拠を 与える。Stat91は、そのDNA結合のために、リガンド処理した細胞における特異 的チロシンホスホリル化を必要とするので、我々はこのようなヘテロダイマー形 成の証拠を、まずトランスフェクションされた細胞中で探索した。Stat91Lをコ ードする発現ベクター(MNC911)、即ち付随的な34アミノ酸カルボキシル末端標識 を含むStat91の組み換え体を生成した。〔この余分のアミノ酸は、プラスミドpM NC(物質および方法の項を参照のこと)由来のDNA配列のセグメントによって コードされた〕。Stat84発現ベクター(MNC84)をも入手した(45)。体細胞遺伝子 実験から、変異ヒト細胞系(U3)は、Stat91/84 mRNAに欠乏することが知られてい る(29,30)。従って、これらのU3細胞を、Stat84(MNC84)またはStat91L(MNC91L )をコードするベクターまたはこれら両ベクターの混合物で別々にトランスフェ クションした。Stat84(C84)、Stat91L(C91L)またはこれら両タンパク質(Cmx)を 発現する永続的なトランスフェクション体を単離した(第11A図)。 移動度シフト分析は、これらの安定な細胞系からの抽出物を使用して実施した (第11B図)。IFN-γ処理したC84細胞の抽出物は、処理したC91L細胞由来の抽 出物よりも迅速な移動ゲルシフトバンドを与えた。最も重要なことに、Stat84お よびStat91Lタンパク質両者を発現する、IFN-γ処理したCmx細胞が、追加の中間 的ゲルシフトバンドを形成した。Stat84中には存在しない、Stat91のC-末端38ア ミノ酸に対する抗−血清(12)、抗−91では、Cmx抽出物に見られるような、上部 の2つのシフトバンドが特異的に除去された。抗−91、即ちStat91Lおよびstat8 4両者を認識するアミノ酸609〜716に対する抗−血清(15)のタンパク質は、3つ のシフトバンド全ての結合を阻害した。かくして、該Cmx細胞の抽出物により形 成された中間のバンドは、明らかにStat84およびStat91Lのヘテロダイマーとし て同定される。我々は、Stat84およびStat91がホモダイマーとしてDNAに結合し 、かつこれらが同一の細胞中に存在する場合には、これらがヘテロダイマーを生 成するものと結論した。 次に、我々はインビトロでのダイマー形成の検出を試みた。IFN-γ処理したC8 4およびC91L細胞の細胞質または核抽出物を混合し、かつ分析したところ(第12 図)、迅速なまたは緩慢な移動ゲルシフトバンドのみが観測された。かくして、 一旦インビボで形成されたダイマーは、安定であると考えられた。該ダイマーの サブユニット間のタンパク質交換の発生を促進するために、IFN-γ処理したC84 およびC91L細胞の細胞質または核抽出物の混合物を、温和な変性−復元処理にか けた。即ち、抽出物を2分間、グアニジウム塩酸塩に対して0.5Mとし、次いで復 元のために希釈し、引き続きゲル遅延分析のために使用した。この処理後に、ヘ テロダイマーの形成が明白に検出された。C84細胞のみまたはC91L細胞のみを由 来とする抽出物を同一の処理にかけた場合には、中間バンドは形成されなかった 。 この中間バンドは、抗−血清処理により、Stat84/Stat9比ダイマーからなること が、再び立証された(データは提示せず)。 この実験は、該ダイマーが安定である条件を規定しているが、またインビトロ での該ダイマーの解離および再会合が可能であることをも示した。グアニジウム 塩酸塩は非−共有化学結合のみを破壊することが知られているので、Stat91(ま たはStat84)のホモダイマー化は、非−共有結合的相互作用を通して媒介される ように考えられる。Stat91のダイマー化はホスホチロシルペプチドおよびSH2相互作用を含む :上記 の結果に基づいて、我々はグアニジウム塩酸塩の不在下で解離−再会合アッセイ を案出して、ダイマー形成に関与する相互作用のあり得る特徴を検討した(第13 図)。ホモダイマーの短いおよび長い形状のものを、分解剤(例えば、推定上の ダイマー化ドメインを含むペプチド)と混合した場合、該ダイマーのサブユニッ トは、該試薬と該タンパク質のダイマー化ドメインとの相互作用のために、(濃 度依存性様式で)解離するばずである。後に、特異的なDNAプローブを、該混合 物に添加して、安定なタンパク質-DNA錯体の形成を誘発した場合、あらゆる再会 合したまたは残留するダイマーの検出をアッセイできる。低濃度の該分解剤の存 在下で、該安定なタンパク質-DNA錯体の形成のためのDNAの添加は、ホモダイマ ー並びにヘテロダイマーの検出に導くはずである。該分解剤の高濃度において、 該ダイマーのサブユニットは再度形成され得ず、かつDNA-タンパク質錯体は検出 されないであろう(第13図)。 該Stat91配列はSH2ドメイン(アミノ酸569-700;以下の議論参照)を含み、我 々は、Tyr-701がDNA結合活性に必要な単一のホスホリル化チロシン残基であるこ とを知った(上記文献45)。更に、我々は、10mMにおけるホスホチロシン(ホス ホセリンまたはホスホスレオニンではなく)がStat91-DNA錯体の形成を阻害でき ることを観測した。かくして、我々は上記の解離および再会合アッセイを使用し て、Stat91のダイマー化が特異的なSH2-ホスホチロシン相互作用を含むという証 拠を捜し出した。 ダイマー化におけるSH2-ホスホチロシンの役割を評価するために、該SH2のセ グメントおよびStat91のホスホチロシル化(phosphotyrosing)ドメインに対応す る、Stat91の2つのペプチドフラグメントを調製した。即ち、非−ホスホリル化 ペプチド(91Y),LDGPKGTGYIKTELI(SEQ ID NO:15)(アミノ酸693-707に対応)およ びホスホチロシル化ペプチド(91Y-p),GY*IKTE(SEQ ID NO:16)(アミノ酸残基70 0-705を表す)。 活性化されたStat84またはStat91Lを、IFN-γ−処理したC84またはC91L細胞か ら得られ、該ペプチドの存在下で混合し、次いでゲル移動度シフト解析した。こ の非−ホスホリル化ペプチドは、Stat84またはStat91Lホモダイマーに特徴的な 2つのゲルシフトバンドの存在には何の影響も示さなかった(第14図、レーン2-4 )。これとは対照的に、4μMの濃度の該ホスホリル化ペプチド(91Y-p)は、明ら かにStat84ダイマーとStat91Lダイマーのサブユニットとの間の交換を促進して 、ヘテロダイマーを形成した(第14図、レーン5)。高濃度(160μM)においては、 該未ホスホリル化ペプチドではなく、ペプチド91Y-pは該ダイマーを解離させ、D NAタンパク質錯体の形成を阻害した(第14図、レーン7)。 細胞をIFN-αで処理した場合、Stat91(または84)およびStat113はホスホリ ル化される(15)。Stat113に対する抗−血清は、IFN-α処理後に(この処理前で はない)Stat113およびStat91両者を沈殿させることができ、このことは、多分 ヘテロダイマーとしてのこれら2つのタンパク質の、IFN-α依存性の相互作用の 存在を示唆している(15)。 Stat113において、Stat91中のTyr-701に対して相同位置にあるtyr-690は、ホ スホリル化のための単一の標的残基である。この影響を受けたチロシン残基の下 流側のアミノ酸は、これら2つのタンパク質間に幾分かの同一性を示す。従って 、我々はStat113(113Y-p)のホスホチロシルペプチド、即ちKVNLQERRKY*LKHR(SEQ ID NO:17)[アミノ酸681-694: (38)]を調製した。91Y-pと同様な濃度において、 113Y-pも該Stat84とStat91Lとの間のサブユニットの交換を促進するが、高濃度( 40μM)においては、113Y-pは、ほぼ完全に該ゲルシフトバンドを阻害した(第14 図、レーン8-10)。 高いアフィニティーで、該Src SH2ドメインと相互作用することが知られてい る(50)、ホスホチロシルペプチド(SrcY-p): EPQY*EEIPIYL(SEQ IDNO:18)を調 製した。このペプチドは該Stat91ダイマー形成に対して何の効果も示さなかった (第14図,レーン11-13)。かくして、Stat91ダイマー化は、特異的なペプチド配 列中のチロシン残基とのSH2相互作用を含むものと考えられる。 特異的ホスホチロシル−ペプチドSH2相互作用によって媒介される、Stat91ダ イマー化の特異性を更にテストするために、グルタチオン-S-トランスフェラー ゼと該Stat91-SH2ドメインとの融合生成物(GST-91SH2)を調製し(第15A図)、 該インビトロ解離−再会合アッセイで使用した。0.5〜5μMの濃度において、 該Stat91-SH2ドメインはヘテロダイマーの形成を促進した(第15B図,レーン5-7 )。これとは対照的に、GST単独も、インビボでStat91を機能不能とする、変異体 (R602-〉L602)Stat91-SH2ドメイン(GST91mSH2)との融合生成物も、Stat91 SH3ド メイン(GST 91mSH3)、あるいはSrc SH2ドメイン(GST-SrcSH2)も、Stat84とStat9 1Lとの間のサブユニットの交換を誘発しなかった(第15B図)。 議論 該Stat91およびStat113タンパク質の初期の配列分析は、SH2様のドメインの存 在を明らかにした(13,18を参照)。更に、STATタンパク質自体は、その活性化 の際に単一のチロシン残基上でホスホリル化されることが分かった(15,31参照 )。SH2ドメインの高度に保存性の「ポケット(Pocket)」領域中の、単一アミノ 酸の変異、即ち該Stat91ホスホリル化サイト,Tyr-701の除去、またはArg-702の Leuへの転化は、Stat91の活性を無効にする(45)。かくして、該STAT SH2ドメイ ンの可能な一つの役割が、該JAKキナーゼの一つにおける該ホスホチロシン残基 に結合することであることが、かなりありそうなことに思われる。 これらの活性化されたSTATはホスホチロシン残基およびSH2ドメインをもつの で、SH2ドメインの第二の予測される役割は、該STAT群内のタンパク−タンパク 相互作用にあった。2つの物理的基準、即ち未処理ゲル中での電気泳動および勾 配上での沈降によって、未処理細胞中のStat91はモノマーであり、かつ処理細胞 中のものはダイマーである(第9-11図)。Stat91またはStat113由来のホスホチ ロシルペプチドおよびStat91のSH2ドメインは、解離−再会合アッセイにおいて 、Stat91LとStat84との間のヘテロダイマーの形成を効率的に促進できたので、 我 々はStat91のダイマー化がSH2-ホスホチロシルペプチド相互作用を含むものと結 論付けた。 Stat91中のSH2ドメイン存在の可能性は、初めは569-700残基領域における、St at91およびStat113配列間の高度に保存性のアミノ酸の広がりの存在により示さ れ、該アミノ酸残基の幾つか、特に該残基領域のアミノ酸末端における該FLLR配 列は-SH2ドメインに特徴的なものである。該SH2ドメインのC-末端側半分は、一 般的にはそれ程十分には保存されておらず(39)、これはまた他のタンパク質と比 較して、該STATタンパク質についても真であるが、Stat91およびStat113はこの 領域において全く類似している(38,13、第16図)。lck、src、ablおよびp85aS H2の入手できる構造は、構造的に保存された領域(SCR's)の同定を可能とし、ま た幾つかのタンパク質のアミノ酸配列の詳細な配置(第16図)はこれらに基づい ている。 (βA1における)特徴的なWの前には親水性残基があり、その後にはStat91中 の疎水性残基があるが、たとえ一部としてWをもつ小さなデータシートがStat91 内で変えられていても、このWに対する配置は妥当であると考えられる。該ホス ホチロシル結合サイトに寄与している3個の正に帯電した残基は、αA2、βB5お よびβD5で示された位置にある。第16図は、「AA」および「CD」領域に装入 することによりこれを達成する配置を示している。これは、前に示唆された(38) ものとは異なる配置であり、該(β)D領域内に満足な配置を与える。しかしな がら、以前の配置のように、明らかに該C-末端における他のSH2とは殆ど類似し ていない。 この配置は、該Stat91中の該SH2ドメインが残基700近傍で終端していることを 示唆する。このような配置において、該Tyr-701は該SH2ドメインの殆ど直後に生 じ、その距離は短すぎて、分子内ホスホチロシン-SH2相互作用を可能とすること はできない。前に示されたデータは、SH2-ホスホチロシン相互作用がダイマー化 に関与していることと強力に関連しているので、このような相互作用は、相補的 pTyr-SH2相互作用として、2つのホスホStat91サブユニット間にあると考えられ る。 Stat91ダイマーの見掛け上の安定性は、示唆された(フェルダー(Felder)等, 1993,Mol.Cell Biol.,13:1449-1455)ようにSH2-ホスホチロシルペプチド相互 作用の高い解離速度と、または該Stat91ダイマーの安定性に寄与すると考えられ る、Stat91の他のドメイン間の相互作用と関連付けた高い会合速度によるものと 考えられる。相同ホスホペプチドによる該SH2-ホスホチロシン相互作用の妨害は 、従って安定性を十分に低下して、完全な解離およびヘテロダイマー化を可能と するであろう。 ホスホStat91間の該ダイマー形成は、ダイマー形成がホスホリル化によって制 御される、真核生物において最初に見られ、かつチロシンホスホリル化に大いに 依存する唯一のものである。我々は、該STATタンパク質群とのダイマー化が重要 であろうことを予想する。IFN-αで処理した細胞中では、Stat113-Stat91相互作 用が存在するものと思われる(15)。これは、上記の如く、SH2およびホスホチロ シルペプチド相互作用によって十分に媒介され、48kDのDNA結合タンパク質(他 の群のDNA結合ファクタの一員)と結合している錯体(Stat91-Stat113の可能な ダイマー)の形成に導き、異なるDNAサイトに結合できる錯体を形成し得る。更 に、Stat91およびStat113分子に見られる、保存された同一の一般的構造特性を もつ、他のSTAT群の構成員をコードする2個のマウスcDNAが、最近クローニング された(実施例2、上記文献参照)。かくして、STAT−含有錯体の特異性は殆ど 確実に影響され、それによってタンパク質はホスホリル化され、次いでダイマー 形成に利用される。 以下に列挙するものは、上記説明、特に実験手順および議論に関連する参考文 献のリストである。これら参考文献は上記説明に現れた参照番号に対応するよう に番号付けされている。 1.ラーナー(Larner),A.C.,ジョナク(Jonak),G.,チェン(Cheng),Y.S.,コラ ント(Korant),B.,ナイト(Knight),E.およびダーネル(Darnell),J.E.,Jr.(1 984),Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6733-6737; ラーナー(Larner),A.C.,シ ォドリ(Chaudhuri),A.およびダーネル(Darnell),J.E.(1986),J.Biol.Chem .,261:453-459。 2.フリードマン(Friedman),R.L.,マンリー(Manly),S.P.,マクマホン(McMah on),M.,ケール(Kerr),I.M.およびシュターク(Stark),G.R.(1984),Cell,38 : 745-755。 3.レビー(Levy),D.E.,ケスラー(Kessler),D.S.,パイン(Pine),R.,ライヒ (Reich),N.およびダーネル(Darnell),J.E.(1988),Genes & Dev.,2: 383-3 92。 4.レビー(Levy),D.E.,ケスラー(Kessler),D.S.,パイン(Pine),R.およびダ ーネル(Darnell),J.E.(1989),Genes & Dev.,3: 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───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07H 21/04 9356−4H C07K 16/18 C07K 14/47 9359−4B C12N 9/00 16/18 9637−4B C12P 21/02 C C12N 5/10 9358−4B 21/08 9/00 7823−4B C12Q 1/02 C12P 21/02 9453−4B 1/68 A 21/08 9281−4B C12N 5/00 B C12Q 1/02 9051−4C A61K 37/66 G 1/68 9051−4C 37/02 ACS //(C12P 21/02 C12R 1:91) (31)優先権主張番号 08/212,184 (32)優先日 1994年3月11日 (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 08/212,185 (32)優先日 1994年3月11日 (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CZ,F I,GE,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ ,LK,LT,LV,MD,MG,MN,MW,NO, NZ,PL,RO,RU,SD,SI,SK,TJ,T T,UA,UZ,VN (72)発明者 シュアイ ケ アメリカ合衆国 ニューヨーク州 10021 ニューヨーク イースト シックスティ サード ストリート 500 アパートメン ト 22ディー (72)発明者 ウェン ツィロン アメリカ合衆国 ニューヨーク州 10021 ―6399 ニューヨーク ヨーク アベニュ ー 1230 (72)発明者 ツォン ツォン アメリカ合衆国 ニューヨーク州 10021 ―6399 ニューヨーク ヨーク アベニュ ー 1230

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.特異的ポリペプチドリガンドと、標的細胞上の細胞レセプタとの結合に応答 して、該標的細胞中の遺伝子の転写刺激に関与し、以下の諸特徴: a) 該リガンド−結合レセプタとの見掛け上の直接的相互作用および特異的遺 伝子と結合できる、1種以上の転写ファクタの活性化、 b) 明らかに、セカンドメッセンジャーの存在またはその濃度によっては影響 されない活性、 c) チロシンキナーゼドメインとの直接的相互作用、 d) 検知不能程度の、G-タンパク質との相互作用の存在、 e) SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10およびSEQ ID NO:12からなる群から選ばれる アミノ酸配列、 を有することを特徴とする、レセプタ識別ファクタ。 2.検出可能な標識で標識された、請求の範囲第1項に記載のレセプタ認識ファ クタ。 3.該標識が酵素、蛍光を発する化学物質および放射性元素から選択される、請 求の範囲第2項に記載のレセプタ認識ファクタ。 4.レセプタ認識ファクタに対する抗体であって、該抗体の生産を誘発する該フ ァクタが以下の諸特徴: a) 該リガンド−結合レセプタとの見掛け上の直接的相互作用および特定の遺 伝子に結合できる、1種以上の転写ファクタの活性化、 b) 明らかに、セカンドメッセンジャーの存在またはその濃度によっては影響 されない活性、 c) チロシンキナーゼドメインとの直接的相互作用、 d) 検知不能程度の、G-タンパク質との相互作用の存在、および e) SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10およびSEQ ID NO:12からなる群から選ばれる アミノ酸配列、 を有することを特徴とする、上記抗体。 5.ポリクローナル抗体である、請求の範囲第4項に記載の抗体。 6.モノクローナル抗体である、請求の範囲第4項に記載の抗体。 7.請求の範囲第6項記載のモノクローナル抗体を生産する、不死化細胞系。 8.検出可能な標識で標識された、請求の範囲第4項に記載の抗体。 9.該標識が酵素、蛍光を発する化学物質および放射性元素から選択される、請 求の範囲第8項に記載の抗体。 10.(A) SEQ ID NO:7(第1図)のDNA配列、 (B) SEQ ID NO:9(第2図)のDNA配列、 (C) SEQ ID NO:11(第3図)のDNA配列、 (D) 標準的なハイブリダイゼション条件下で、上記DNAの何れかとハイブリダ イズするDNA配列、 (E) 上記DNA配列の何れかによってコードされるアミノ酸配列を、発現に際し てコードするDNA配列、 からなる群から選ばれ、レセプタ認識ファクタまたはそのフラグメントをコード する、単離されたDNA配列またはその縮重変異体。 11.(A) SEQ ID NO:7(第1図)のDNA配列、 (B) SEQ ID NO:9(第2図)のDNA配列、 (C) SEQ ID NO:11(第3図)のDNA配列、 (D)標準的なハイブリダイゼション条件下で、上記DNAの何れかとハイブリッド 化するDNA配列、 (E) 上記DNA配列の何れかによってコードされるアミノ酸配列を、発現に際し てコードするDNA配列、 からなる群から選ばれ、レセプタ認識ファクタまたはそのフラグメントをコード するDNA配列またはその縮重変異体を含む、組み換えDNA分子。 12.該DNA配列が、発現調節配列に機能可能に結合している、請求の範囲第10ま たは11項に記載の組み換えDNA分子。 13.請求の範囲第10項に記載の該DNA配列から調製した交互種中の該レセプタ認 識ファクタをスクリーニングできるプローブ。 14.(A) SEQ ID NO:7(第1図)のDNA配列、 (B) SEQ ID NO:9(第2図)のDNA配列、 (C) SEQ ID NO:11(第3図)のDNA配列、 (D) 標準的なハイブリダイゼション条件下で、上記DNAの何れかとハイブリッ ド化するDNA配列、 (E) 上記DNA配列の何れかによってコードされるアミノ酸配列を、発現に際し てコードするDNA配列、 からなる群から選ばれ、レセプタ認識ファクタまたはそのフラグメントをコード するDNA配列またはその縮重変異体を含み、該DNA配列が発現調節配列に機能可能 に結合している、組み換えDNA分子によって形質転換された単細胞宿主。 15.レセプタ認識ファクタの存在またはその活性を検出する方法であって、該レ セプタ認識ファクタが、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10およびSEQ ID NO:12からな る群から選ばれるアミノ酸配列を有し、該レセプタ認識ファクタを A. 該レセプタ認識ファクタが存在しまたはその活性をもつと考えられる哺乳 動物由来の生物試料と、該レセプタ認識ファクタの結合相手とを、該レセプタ認 識ファクタと該結合相手との結合を生じる条件下で接触させ、および B. 該試料由来の該レセプタ認識ファクタと該結合相手との間に結合が生じる か否かを検出することにより測定し、 該結合の検出が、該試料中における該レセプタ認識ファクタの存在またはその 活性の存在を示す、ことを特徴とする上記方法。 16.哺乳動物中の、与えられた侵襲性刺激に関連したポリペプチドリガンドの存 在またはその活性を検出する方法であって、請求の範囲第15項に記載の方法に従 って、レセプタ認識ファクタの存在またはその活性を検出する工程を含み、該レ セプタ認識ファクタの存在またはその活性の検出が、哺乳動物中の、与えられた 侵襲性刺激に関連したポリペプチドリガンドの存在またはその活性を示すことを 特徴とする上記検出方法。 17.該侵襲性刺激が、ウイルス感染、原生動物感染、哺乳動物腫瘍細胞および毒 素からなる群から選ばれる、請求の範囲第16項に記載の方法。 18.レセプタ認識ファクタに対する結合サイトを検出する方法であって、該レセ プタ認識ファクタがSEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10およびSEQ ID NO:12からなる群 から選ばれるアミノ酸配列を有し、該レセプタ認識ファクタに対する結合サイト を A. 標識したレセプタ認識ファクタ試料を、該レセプタ認識ファクタに対する 結合サイトが存在すると考えられる哺乳動物由来の生物試料と接触状態に置く工 程、および B. 結合研究中の該生物試料を、該標識したレセプタ認識ファクタの存在につ き検査する工程、 によって測定し、該標識したレセプタ認識ファクタの存在が、レセプタ認識ファ クタに対する結合サイトの存在を示す、ことを特徴とする上記検出方法。 19.薬物または他の存在物の、レセプタ認識ファクタの活性を調節する能力をテ ストする方法であって、 A. 該レセプタ認識ファクタを含有する育成培地中で、該レセプタ認識ファク タに対するレセプタをもつテスト細胞のコロニーを培養し、 B. テストすべき該薬物を添加し、 C. 該レセプタ認識ファクタの、該テスト細胞コロニー上での該レセプタとの 反応性を測定する、 工程を含み、該レセプタ認識ファクタがSEQ ID N0:8、SEQ ID N0:10およびSEQ I D NO:12からなる群から選ばれるアミノ酸配列を有することを特徴とする、上記 方法。 20.薬物および他の試薬を、レセプタ認識ファクタの生産を調節する能力につき スクリーニングするアッセイ系であって、 A. 薬物または試薬を接種した観測可能なテスト細胞コロニーを培養し、 B. 該テスト細胞コロニーから培養上澄を収穫し、 C. 該上澄を該レセプタ認識ファクタの存在につき検査する、 工程を含み、該レセプタ認識ファクタの濃度における増加または減少が、薬物の 該レセプタ認識ファクタの活性を調節する能力を示し、該レセプタ認識ファクタ がSEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10およびSEQ ID NO:12からなる群から選ばれるアミ ノ酸配列を有することを特徴とする、上記アッセイ系。 21.真核細胞試料中のレセプタ認識ファクタの存在を立証するためのテストキッ トであって、 A. 所定量の、レセプタ認識ファクタに対する、検出可能に標識された特異的 結合相手、ここで該レセプタ認識ファクタはSEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10およびS EQ ID NO:12からなる群から選ばれるアミノ酸配列を有する、 B. 他の試薬、および C. 該キットの使用上の指針、 を含むことを特徴とする、上記テストキット。 22.真核細胞試料中のレセプタ認識ファクタの存在を立証するためのテストキッ トであって、 A. 所定量のレセプタ認識ファクタ、ここで該レセプタ認識ファクタはSEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10およびSEQ ID N0:12からなる群から選ばれるアミノ酸配列 を有する、 B. 所定量の、該レセプタ認識ファクタに対する特異的結合相手、 C. 他の試薬、および D. 該キットの使用上の指針、 を含み、該レセプタ認識ファクタまたは該特異的結合相手の何れかが検出可能に 標識されていることを特徴とする、上記テストキット。 23.該標識された免疫化学的に反応性の成分が、該レセプタ認識ファクタに対す るポリクローナル抗体、該レセプタ認識ファクタに対するモノクローナル抗体、 そのフラグメント、およびその混合物からなる群から選ばれる、請求の範囲第21 または22項に記載のテストキット。 24.レセプタ認識ファクタ、該レセプタ認識ファクタの生産および/またはその 活性を高めることのできる試薬、該レセプタ認識ファクタの活性を模倣できる試 薬、該レセプタ認識ファクタの生産を阻害できる試薬、およびその混合物または これらに対する特異的結合相手からなる群から選ばれ、該レセプタ認識ファクタ はSEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10およびSEQ ID NO:12からなる群から選ばれるアミ ノ酸配列を有する物質を、哺乳動物における細胞衰弱、障害および/または機能 不全および/または他の疾患状態を予防および/または治療するための医薬の製 造における使用。 25.該疾患状態が慢性ウイルス性肝炎、ヘアリー細胞白血病、および腫瘍状態を 含む、請求の範囲第24項に記載の使用。 26.哺乳動物における、細胞衰弱、障害および/または機能不全の治療用の薬理 組成物であって、 A. 治療上有効な量の、レセプタ認識ファクタ、該レセプタ認識ファクタの生 産および/またはその活性を高めることのできる試薬、該レセプタ認識ファクタ の活性を模倣できる試薬、該レセプタ認識ファクタの生産を阻害できる試薬、お よびその混合物またはこれらに対する特異的結合相手からなる群から選ばれ、該 レセプタ認識ファクタはSEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10およびSEQ ID NO:12からな る群から選ばれるアミノ酸配列を有する物質、および B. 製薬上許容される担体、 を含むことを特徴とする、上記薬理組成物。 27.化合物のインターフェロン−関連薬理活性を測定する方法であって、 ヒト以外の哺乳動物に該化合物を投与する工程、 存在するホスホリル化ISGF3タンパク質の濃度を測定する工程、ここで該ホス ホリル化ISGF3タンパク質はSEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10およびSEQ ID NO:12から なる群から選ばれるアミノ酸配列を有するタンパク質である、および ISGF3タンパク質−ホスフェートの濃度を、基準と比較する工程、 を含むことを特徴とする、上記方法。 28.レセプタ認識ファクタmRNAに対するアンチセンス核酸であって、該mRNAとハ イブリッド化する核酸配列を含み、該レセプタ認識ファクタがSEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10およびSEQ ID NO:12からなる群から選ばれるアミノ酸配列を有するこ とを特徴とする上記アンチセンス核酸。 29.RNAまたはDNAである、請求の範囲第28項に記載のアンチセンス核酸。 30.転写の際に、レセプタ認識ファクタmRNAに対するアンチセンスリボ核酸を生 成するDNA配列を有し、該アンチセンスリボ核酸が該mRNAとハイブリッド化し得 る核酸配列を含み、該レセプタ認識ファクタがSEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10およ びSEQ ID NO:12からなる群から選ばれるアミノ酸配列を有することを特徴とする 組み換えDNA分子。 31.請求の範囲第30項に記載の組み換えDNA分子によってトランスフェクション された、レセプタ認識ファクタ−産生細胞系。 32.認識ファクタ−産生細胞系を、請求の範囲第30項に記載の組み換えDNA分子 によってトランスフェクションすることを特徴とする、レセプタ認識ファクタの 低下された発現能を示す細胞系の樹立法。 33.レセプタ認識ファクタがSEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10およびSEQ ID NO:12か らなる群から選ばれるアミノ酸配列をもつことを特徴とする、該レセプタ認識フ ァクタmRNAを開裂するリボザイム。 34.転写の際に、請求の範囲第33項に記載のリボザイムを生成するDNA配列をも つ、組み換えDNA分子。 35.請求の範囲第34項に記載の組み換えDNA分子によってトランスフェクション された、レセプタ認識ファクタ−産生細胞系。 36.認識ファクタ−産生細胞系を、請求の範囲第33項に記載の組み換えDNA分子 によってトランスフェクションすることを特徴とする、レセプタ認識ファクタの 低下された発現能を示す細胞系の樹立法。
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