JPH09506010A - 手の長骨の間の関節に置き換えられる人工補綴物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 第１部材(12)は、一方の長骨に受け入れられる細長いステムと、該ステムとは異なるヘッドとを備えている。このヘッドは、凸状の関節表面(32)と、該関節表面に隣接してその両側に設けられた横関節表面(42、46)とを備えている。第２部材(14)は、他方の長骨に受け入れられるステムと、該ステムとは異なる基部とを備えている。この基部は、凹状の関節表面(52)とその両側に設けられた横関節表面(72、74)とを備えている。これらの凹状関節表面および横関節表面は、第１部材の凸状表面および横関節表面とともに関節部を構成する。第１および第２部材の各横関節表面は、骨が少なくとも30度屈曲したときにのみ横方向の関節動を制限し、90度屈曲した場合には各部材間に作用する力の殆どを受け止めることとなるように、十分に係合し関節を構成するように配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】 手の長骨の間の関節に置き換えられる人工補綴物 発明の背景 本発明は、関節補綴物に関する。さらに詳しくは、例えば、中手骨と該中手骨 に関節結合している基節骨との間の関節等、手の２つの長骨の間の関節に置き換 えられる人工補綴物に関する。 手の長骨の間の関節は、事故またはリューマチ性関節炎や骨関節炎等の疾病に よって損傷を受けることがあり、移植手術が必要になることが多い。損傷を受け た(または疾病状態にある)関節を置き換える手術においては、関節部を構成する 骨表面の近傍において相当量の骨を除去して、関節補綴物が移植されることが多 い。このような手術においては、相当量の骨が除去されるだけでなく、関節部に おける骨端部間の軟組織による接合部までも除去されてしまうことが多い。した がって、人工補綴物の関節部を構成する各端部は容易に分離してしまうことがな いように接合される必要がある。関節部の横方向(つまり、撓骨側／尺骨側の方 向)への回動を許容する補綴物もあれば、それを許容しない補綴物もあった。そ して、その回動量は、一般的に指の屈曲量とは無関係であった。この一般的なタ イプの指関節は、1980年11月４日にルイスに付与された米国特許第4231121号明 細書に示されている。この明細書には、球状の凹部内に関節結合され球状の軸受 面を有する人工補綴物が示されている。 これまで指関節の補綴物が幾つか提供されてきた。それらの補綴物は、対向し て関節部を構成するヘッドを有するステムを備えているが、各ヘッドが互いに横 方向に回動し得る量は限られている。そのような人工補綴物の１つが、1981年１ 月６日にホワイトに付与された米国特許第4242759号明細書に示されている。こ の明細書に示された関節部を構成するヘッドは、互いに係合する山部と谷部とを 有している。山部と谷部との接触状態は関節部が屈曲するにつれて変化する。 移植手術の際に、関節部を構成する骨の間の軟組織による接合を実質的に破壊 することも、骨自体の相当量を除去することもないように、構成および配置がな された人工補綴物を提供することが好ましい。そのような人工補綴物による関節 結合は、本来の関節部によって許容される関節結合と近似していることが望まし い。発明の概要 相当量の骨を除去することも、骨の間の軟組織による接合を破壊することもな く、簡単に移植することが可能な人工補綴物が提供される。通常の生理学的な関 節の動きを擬態する本発明の人工補綴物は、指が実質的に真っ直ぐになったとき (すなわち、指が伸ばされたとき)に一方の骨が他方の骨に対して限られた範囲内 で横方向に回動することを許容するが、指が所定角度だけ屈曲したときはそのよ うな横方向の回動を制限する。 本発明の人工補綴物は、一方の長骨に受け入れられる細長いステムと、該ステ ムとは異なるヘッドとを備えた第１部材を備えている。第１部材のヘッドは、凸 状の関節表面と、該関節表面の両側に設けられた横関節表面とを備えている。本 発明の人工補綴物の第２部材は、２つの長骨のうちの他方の長骨に受け入れられ るステムと、該ステムとは異なる基部とを備えている。第２部材の基部は、凹状 の関節表面と、その両側に設けられた横関節表面とを備えている。第２部材の凹 状関節表面および横関節表面は、第１部材の凸状関節表面および横関節表面とと もに関節部を構成する。凹状関節表面と凸状関節表面とは、関節部が伸張／屈曲 および橈骨側／尺骨側の両方の方向に関節動することを許容する。第１および第 ２部材の各横関節表面は、骨が所定の最小角度(好ましくは、30度)だけ屈曲した 場合にのみ横方向の関節動を制限することとなるように、十分に係合し関節部を 構成するように配置されることが重要である。さらに重要なのは、骨が90度屈曲 した場合には、凸状および凹状の関節表面ではなく各横関節表面が各部材間に作 用する力の殆どを受け止めることとなるように、関節表面が配置されていること である。このような方法によって、指節骨は伸ばされたときに橈骨側／尺骨側( 本明細書において“横方向”と表現することもある)の方向に関節動することが 許容される。しかし関節部が90度屈曲した場合には、実質的にすべての横方向の 動きが制限される。各横関節表面は、指が真っ直ぐに伸ばされた場合においては 基節骨が中手骨に対して所定量だけ横方向に回動したときにのみ互いに接触する よう に、配置されていることが好ましい。そのような回動量は、指が所定の角度範囲 内(この角度範囲は、例えば、60度から90度の範囲とされる)において屈曲するに つれて減少し、その角度範囲の終点に達したときに実質的に回動しなくなる。 本発明の人工補綴物は、キットの形態で提供されてもよい。このキットは、複 数の第１部材と複数の第２部材とからなる。各第１部材は、ステムの向きが互い に異なる。このキットにおいては、一の人工補綴物と他の一の人工補綴物とのス テムの横方向角度は、少なくとも５度だけ異なる。また、第１部材のステムと第 ２部材のステムとの各長手軸は、それらが受け入れられる骨の背面に対してほぼ 平行な平面内に存在する。しかし、第１部材と第２部材との各長手軸は、一直線 上に並ぶことも平行に並ぶこともない。各長手軸は互いに角度をなしており、そ れらの角度は、手の各長骨間の異なる角度のそれぞれに対してより適切に使用で きるように約15度までの範囲内において変化する。 第１部材のヘッドおよび第２部材の基部は、橈骨側／尺骨側の方向に測った場 合に十分に狭く、これによって、側副靭帯との干渉を避け該靭帯を保護している 。図面の説明 図１ａ、１ｂ、および１ｃは、本発明の人工補綴物の第１部材の背面図、側面 図、および端面図である。 図２ａ、２ｂ、および２ｃは、本発明の人工補綴物の第１部材の変形例の背面 図、側面図、および端面図である。 図３ａ、３ｂ、および３ｃは、本発明の人工補綴物の第２部材の背面図、側面 図、および端面図である。 図４ａおよび４ｂは、図１ａ、１ｂ、および１ｃに示した第１部材が使用され た本発明の人工補綴物の関節部を異なる角度で示す斜視図である。 図５ａおよび５ｂは、図２ａ、２ｂ、および２ｃに示した第１部材が使用され た本発明の人工補綴物の関節部を異なる角度で示す斜視図である。 図６は、本発明の人工補綴物が移植された手の骨の背面図である。好ましい具体例の説明 理解を容易にするため、本発明を中手骨と基節骨との間の関節を例にとって以 下に説明する。 まず図４ａ、４ｂおよび６を参照すると、本発明の人工補綴物10は、第１部材 12と第２部材14とから構成されている。第１部材12は、中手骨末端部の狭い空腔 部内に受け入れられるステム16と、関節部を構成する凸状ヘッド18とを備えてい る。第２部材14は、基節骨基端部の狭い空腔部内に受け入れられるステム20と、 凹状基部22とを備えている。凹状基部22は、湾曲しており、第１部材の凸状ヘッ ド18とともに関節部を構成する。 図４ａおよび４ｂに示された第１部材12は、図１ａ、１ｂ、および１ｃにより 詳細に示されている。ステム16は、尖がった基端部24を備えており、その断面形 状は図１ｃに数字26で示されているように三角形であることが好ましい。ステム 16は、背面28および掌側表面30を有している（図１ｂ参照）。ステム16は、挿入 されるべき中手骨の背面（図示せず）と平行な平面内にほぼ位置するように延び ている。 ステム16はその末端部にヘッド18を備えており、ヘッド18は、ほぼ回転楕円体 形状の末端表面32を有している。表面32は、図１ｂに示したように、掌側に向か って延在し、さらに数字34で示されているように基端側に向かってより鋭く湾曲 している。表面32上の掌側を向く部分および背面側を向く部分には、細長い溝36 、37が形成されている。これらの溝は、第１部材12が移植中において適正方向を 向くことを助け、また、伸張および屈曲が可能な軟組織を受け入れる。 回転楕円体形状の表面32は、図１ａおよび１ｂに示したように、軸38のまわり に形成されている。また、ステム16は、図１ｂから分かるように、軸38から背面 側へと間隔をおいて位置しており、これによって、中手骨末端部の通常の解剖学 的構造により適合する。望ましい場合には、ヘッド18は、凹状の内面40(図１ｂ 参照)を有するほぼ半球状の殻として構成されてもよい。この内面40には、ステ ム16の基端部(原文通り)が溶接により取り付けられる。しかし、単一の材料から 機械加工されることがより好ましい。中手骨の末端部は、ヘッド18の凹部内に受 け入れられるように手術によって削られ、これによって、除去すべき骨の量が減 じられる。望ましい場合には、ヘッドは中実であってもよい、すなわち凹状の内 面を有していなくてもよい。これによって、ヘッドの形状加工の困難性が減じら れる。 回転楕円体形状の表面32の側部から横方向(すなわち、橈骨側／尺骨側の方向) に、かつ該表面32から基端方向に間隔をおいて延在する横関節表面42、44が形成 されている。これらの表面は、図１ｂに最もよく示されているように、軸38付近 では末端方向を向いており、そして、図１ｂにおいて数字46で示されているよう に掌側かつ基端側(ステムの方向)へと湾曲している。表面46が、基端側において 、表面34と一体化していることが分かる。 図３ａ、３ｂ、および３ｃは、本発明の人工補綴物の第２部材14を示している 。第２部材14は、基部22とステム20とを備えている。ステム20は、断面形状がほ ぼ楕円形であって、末端に向かうにつれて細くなり尖がった端部50を有している 。端部50は、基節骨基端部の狭い管状部内に受け入れられる。ステム20の末端部 (手の解剖に関して)には基部22が形成されている。基部22は、基端側を向く凹状 の、望ましくは回転楕円体形状の関節表面52を備えている。ステム20は、全体的 に幅広で平坦な背面54、掌側表面56と、狭くて末端に向かうにつれて互いに接近 するように延びる側面58、60とを備えている。図３ａに示されているように背面 側から見ると、ステムおよび代表的な基部22は、回転楕円体形状で基端側を向く 関節表面52の軸62に関して左右対象形状である。しかし、図３ｂに示されている ように、ステム20は、軸62から背面側へと間隔をおいて位置しており、これによ って、基節骨基端部の解剖学的構造により適合する。 第２部材14の基部22は、長手方向に延びる溝64を備えている。この溝は、第２ 部材14が移植中において適正方向を向くことを助け、また、伸張および屈曲が可 能な軟組織を受け入れる。回転楕円体形状の凹部52の周囲に延在する基部22の基 端側を向く表面は、基端側を向く全体的に平坦な表面66、68と、図３ｃに数字72 および74で示したように背面側(原文通り)かつ末端側に向かって湾曲する部分と を備えている。表面66、68は、基部22の周壁上の背面側端部70近傍に沿って延在 している。 ここで図４を参照すると、第２部材14の基部22の凹状(好ましくは回転楕円体 形状)の表面52は、第１および第２部材が手の中手骨と基節骨との向かい合う端 部に適切に移植されたときに、ヘッド18の末端方向を向く凸状(好ましくは回転 楕円体形状)の表面32を受け入れて関節部を構成しうる形状とされている。横関 節表面42、44の末端側を向く部分は、第２部材の基部22の基端側を向く表面66、 68と近接して向かい合っているが僅かに間隔がおかれている。したがって、第１ および第２部材のステム16、20が一直線上に位置したとき(指が真っ直ぐに伸ば されたとき)に、図４ａに矢印Ａで示したように基節骨の横方向へのある程度の 回動が許容される。指が真っ直ぐに伸ばされた場合、表面68と44とが接触するこ とにより、または表面66と42とが接触することにより、ステム20の橈骨側／尺骨 側の横方向への移動が制限される。 指が角度０で曲げられた図４ａの状態から90度の角度で曲げられた図４ｂの状 態へと曲げられると、第２部材の各湾曲面72、74が、第１部材の横関節表面42、 44の掌側かつ基端側へと向かって湾曲する部分46に接近し接触する。指が90度の 角度まで曲がると、第１および第２部材の間に作用する荷重は第１部材の横関節 表面42、44によって受け止められる。この結果、第２部材14が第１部材12に対し て、橈骨側／尺骨側の横方向へ回動することが実質的に、望ましく、完全に制限 される。 図１ａを参照すると、ステム16は、軸38に対してＢの角度をなして前記平面内 において基端側へと延びている。望ましくは、本発明の人工補綴物は、種々の中 手骨と基節骨との間の関節に適合するようにデザインされた複数の人工補綴物を 含むキットとして提供される。例えば、角度Ｂは、軸38に対してその両側に15度 の角度をなす範囲において変更することが可能である。この角度は、背面28と平 行な平面内において測った場合の値である。図１ａの矢印Ｂで示される角度を設 けた目的は、第１部材のヘッド18をステム16が挿入される中手骨の軸に対してよ り正確に位置決めするためである。ここで、第２、第３、第４、および第５の中 手骨の関節を構成する各頭部は、腕の前頭面内において中手骨長軸に対して異な る角度をなしているということに留意すべきである。選択される中手骨によって は、15度という大きな角度のものも選択される。 図２ａ、２ｂ、および２ｃに示した具体例は、２つの特徴を除いて、図１ａ、 １ｂ、および１ｃに示したものと同じであり、同じ要素に対しては同じ参照符号 を付した。第１に、ステム16は、図２ａ中背面側から見た場合に、前記平面内に おいて軸38に対して角度をなしていない。前述のように、図２ａ、２ｂ、および ２ｃに示した第１部材は、中指または薬指の中手骨に移植するのに適している。 第２に、横関節表面42、44は、掌側へとそしてステムに沿って基端側へと延びる 部分46においては横方向に十分な幅を有しているが、軸38近傍の位置においては 、図２ｃに数字80、82で示したように背面側に向かうにつれて実質的に狭くなっ ている。 このように横関節表面を狭くする目的は、指が真っ直ぐに伸ばされた場合に、 橈骨側／尺骨側の方向へ基節骨がより大きく揺動することを許容するためである 。そして、この特徴は図５ａにおいて矢印Ａによって明確に示されている。図５ ａにおいては、指が真っ直ぐに伸ばされた場合、第２部材14はより大きな弧を描 いて横方向に揺動する。しかし、この関節が図５ｂに示したように90度回動する と、第２部材14の湾曲表面72、74は第１部材12の横関節表面とより広い面積で接 触する。この結果、90度回動した状態においては、関節部に作用する力は主とし て横関節表面によって受け止められる。 本発明の人工補綴物を構成する第１および第２部材は、関節補綴物として使用 することに適しているものであればどのような材料から作られてもよい。例えば 、超高分子量のポリエチレン、ステンレス鋼、および種々の金属合金等を使用す ることができる。例えば、第１部材を金属材料から作り、第２部材を超高分子量 のポリエチレンから作ることができる。強度の点から考えると、第１および第２ 部材は、予め作成された複数の部品を接合して作るよりも、中実材料から機械加 工等によって一体的に作ることが好ましい。 移植に際しては、簡単な手術手法が採用される。中手骨と基節骨との間の関節 部へのアクセスは背面側から行なわれる。軟組織による接合をなるべく保存する ように注意を払いながら、関節部を構成する骨を露出させる。対向する骨の端部 が、第１部材のヘッド18および第２部材の基部22を受け入れることができるよう に、それぞれ削られる。この場合にも、軟組織による接合に損傷を与えないよう に注意が払われる。手術は各骨の狭い空腔部にも行なわれ、ステムがこの狭い空 腔部内に骨用セメントを用いた通常の方法で移植される。場合によっては、第１ および第２部材のステムを骨の狭い空腔部内にかなりきつくフィットさせて、骨 用セメントの使用を省略することも考えられている。その場合、ステム表面は、 骨の表面成長または内部成長を促進するような加工または処理が施されることが 望ましい。例えば、ステム表面を多孔性としたり、ステムにコラーゲン等の細胞 接着促進剤を塗布したりする。 本発明の好ましい具体例を説明したが、本発明の精神および添付の請求の範囲 から逸脱することなく種々の変更、改良、および修正を為しうることを理解すべ きである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リンシャイド、ロナルド・エル アメリカ合衆国 55902ミネソタ州、ロチ ェスター、メリーヒルズ・ドライブ・サウ スウエスト2120番 (72)発明者 コーニー、ウィリアム・ピー、ザ・サード アメリカ合衆国 55902ミネソタ州、ロチ ェスター、オーチャード・エーカーズ・レ イン・サウスウエスト1083番

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．手の長骨の間の関節に置き換えられる関節補綴物であって、 一方の長骨に受け入れられる細長いステムと、該ステムとは異なるヘッドとを 備えた第１部材、および、 他方の長骨に受け入れられるステムと、該ステムとは異なる基部とを備えた第 ２部材、を備えており、 第１部材のヘッドは、凸状の関節表面と、該関節表面に隣接してその両側に設 けられた横関節表面とを備えており、 第２部材の基部は、凹状の関節表面と、その両側に設けられた横関節表面とを 備えており、これらの凹状関節表面および横関節表面は、第１部材の凸状表面お よび横関節表面とともに関節部を構成し、 第１および第２部材の各横関節表面は、骨が少なくとも30度屈曲するときにの み横方向の関節動を制限し、90度屈曲した場合には各部材間に作用する力の殆ど を受け止めることとなるように、十分に係合し関節部を構成するように配置され ている、関節補綴物。 ２．前記各横関節表面は、骨がほぼ真っ直ぐに伸ばされていてもその横方向の関 節動を制限するように配置されている、請求項１記載の関節補綴物。 ３．前記各横関節表面は、骨がほぼ真っ直ぐに伸ばされているときにはその横方 向の関節動を制限しないように配置されている、請求項１記載の関節補綴物。 ４．前記各横関節表面は、骨が所定の角度範囲内において屈曲する際に、許容さ れる横方向の関節動の量を徐々に減少させることとなるように、互いに接触して 関節部を構成するように配置されている、請求項３記載の関節補綴物。 ５．前記所定の角度範囲は約60度から約90度の間とされる、請求項４記載の関節 補綴物。 ６．前記第１部材および第２部材の各ステムの長手軸は、各ステムが受け入れら れる各骨の背面に対してほぼ平行な平面内に存在しており、 各ステムは、該各平面がほぼ平行となって前記凸状表面と凹状表面とが係合し たときに各ステムの長手軸が横方向に互いに所定角度をなすこととなるように、 配置されている、請求項１記載の関節補綴物。 ７．前記所定角度は、約−15〜＋15度である、請求項６記載の関節補綴物。 ８．手の長骨間の１または２以上の関節の移植手術において使用されるキットで あって、 請求項６記載の関節補綴物を複数備えており、一の関節補綴物における前記ス テム軸間の横方向の所定角度は、該キットを構成する他の関節補綴物におけるそ れに対して少なくとも約５度だけ異なっている、キット。 ９．前記凹状関節表面は回転楕円体形状の表面を有しており、この表面に直交す る軸がステム軸に対して平行にかつ掌側に間隔をおいて延びている、請求項１記 載の関節補綴物。 10．前記第１部材の横関節表面は、凸状関節表面から横方向外側へと延びており 、かつ、横方向に延びる軸のまわりに湾曲している、請求項１記載の関節補綴物 。 11．前記凸状関節表面は回転楕円体形状の表面を有しており、この表面はある一 点から所定の半径をもって形成されており、 前記横関節表面は、掌側へとそして回転楕円体形状表面から離れる方向へと湾 曲する湾曲面を有しており、この湾曲面は、回転楕円体形状表面から前記一点よ りも離れた位置に存在する１または２以上の横軸のまわりに形成されている、請 求項10記載の関節補綴物。