JPH09505736A - ヌクレオシド類似体法 - Google Patents
ヌクレオシド類似体法Info
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- JPH09505736A JPH09505736A JP7515489A JP51548995A JPH09505736A JP H09505736 A JPH09505736 A JP H09505736A JP 7515489 A JP7515489 A JP 7515489A JP 51548995 A JP51548995 A JP 51548995A JP H09505736 A JPH09505736 A JP H09505736A
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Abstract
(57)【要約】
反応を触媒するキナーゼまたはリン酸基転移酵素の存在下、相当するジデオキシヌクレオシドを、所望により放射性標識されたヌクレオチドリン酸またはチオリン酸供与体と反応させることを含む、所望により32Pまたは33Pまたは35S放射性標識されている、ジデオキシヌクレオシド1−または3−リン酸リン酸をつくる方法。同位体ラベルされた連鎖終結ヌクレオチド類似体を用いることにより酵素的に合成された産物の検出を含む、チェーンターミネーション法による核酸配列の決定方法。
Description
【発明の詳細な説明】
ヌクレオシド類似体法
[α−32P]ジデオキシアデノシン3リン酸は商業的に入手可能である。現在の
化学合成法は非常に非効率的である。本発明は効率を向上させる、酵素的調整法
を提供する。方法はこれの他にも幅広い化合物に応用可能である。
T4ポリヌクレオチドキナーゼ(T4 PNK)は通常、ATPからガンマリ
ン酸基を転移することによる、オリゴヌクレオチド、DNA、または2−デオキ
シヌクレオシド−3−モノフォスフェート(またはリボ)の5’−OH基のリン
酸化を担う(Analytical Biochemistry 214,33
8−340,1993)。一般にT4 PNKがヌクレオシドの5’−OH基を
リン酸化するためにはヌクレオシドは5’−OH基及び3’−リン酸基をもって
いなくてはならないと信じられている。3’−リン酸基は2’,3’−ジデオキ
シヌクレオシド及びその他の既知の連鎖終結因子には明らかに存在しないため、
T4 PNKにこれらのリン酸化を触媒させることは不可能であるとこれまでは
考えられてきた。本発明はT4 PNKはこの反応を触媒することが可能である
という、われわれの驚くべき発見に由来する。本発明はこの反応及び関係する反
応を触媒する、T4 PNK及び他の酵素の使用を含む。
核酸の配列決定のための既知のキットは4種類全てのヌクレオチドの供給及び
4種類全ての2’,3’−ジデオキシヌクレオチドの供給、並びに電気泳動によ
り配列決定をする際反応産物を検出するための標識(一般的には放射性標識)さ
れた1種類のヌクレオチドの供給からなる。他の側面において、本発明はジデオ
キシヌクレオチドの放射性標識により、より向上した結果が得られることの実現
に基づいている。
蛍光標識された連鎖終結因子(ddNTP)を含むキットが知られているが、
同位元素により標識されたddNTPの方が、ポリメラーゼ反応、ゲル移動度に
影響を与えにくい構造をしており、検出に複雑な装置を必要としない。
一つの側面として、本発明は5’−リン酸または5’−チオリン酸基を有する
ヌ
クレオチド、またはヌクレオチド類似体またはヌクレオチド付加物を生成する方
法を提供する。この方法は5’−OH基をもつが3’−リン酸基をもたない、開
始ヌクレオシドまたはヌクレオシド類似体またはヌクレオシド付加物と、ヌクレ
オチドリン酸またはチオリン酸供与体を、触媒する酵素の存在下で反応させるこ
とからなる。ヌクレオシドは未修飾のリボまたはデオキシリボヌクレオシド、例
えば2’デオキシアデノシンでもよい。
ヌクレオシド、ヌクレオシド類似体またはヌクレオシド付加物は非標識物であ
り、リン酸供与体もまた非標識であることも可能である。この方法は、ある環境
においては開始物質にダメージを与えるかもしれない化学リン酸化剤を使用する
必要なしに、相当するヌクレオシドを生産する。
または、ヌクレオシドは検出可能な同位元素、例えば3Hまたは14Cのような
放射性同位元素によって標識可能であり、非標識リン酸供与体またはチオリン酸
供与体により相当する標識ヌクレオチドに変換可能である。
好ましくは、ヌクレオチドリン酸またはチオリン酸供与体は検出可能な同位体
、例えば32Pまたは33Pまたは35Sのような放射性同位元素により放射性標識さ
れており、それにより、得られるヌクレオチド、またはヌクレオチド類似体また
はヌクレオチド付加物は32Pまたは33Pまたは35Sを含む、5’−リン酸基また
は5’−チオリン酸基を有しているために放射性標識される。
ヌクレオシド類似体という語はヌクレオシドに類似しており、少なくともヌク
レオシドの生化学的機能のいくつかを行うことが可能な化合物を定義しており、
単量体及び多量体を含む。以下はヌクレオシド類似体の完全ではない表である。塩基修飾
2−アミノアデノシン
5−ブロモシトシン
5−メチルシトシン
5−(1−プロピニル)シトシン
5−(1−プロピニル)ウラシル
5−アミノアリルウラシル
5−アミノアリルウラシル−”標識”
チオウラシル/チオチミン/チオグアニン
アジリジン誘導体糖修飾
2’−O−アルキル(例えばアリルまたはメチル)
2’−フルオロ
2’−アミノ
2’−デオキシ
3’−デオキシ
3’−”標識”
3’−フルオロ
3’−アミノ
3’−アジド
2’,3’−非飽和塩基及び糖修飾の組み合わせ
リン酸修飾
リン酸チオ塩
リン酸ジチオ塩
水素化リン酸塩
メチルリン酸塩
リン酸トリエステル
リン酸アミダイト
メチレン架橋派生物
修飾骨格
5’ヒドロキシルと等価になるように、例えば
HO.CH2.CH2.NCH2.CH2.NH[CO.CH2.NCH2.CH2.NH]
CO.CH2.塩基 CO.CH2.塩基
の構造式をもつように修飾されたポリアミド核酸(PNA)
(ポリアミド核酸(PNA)についてはP.E.Neilsen,Scien
ce Volume 254,6 December 1991,Report
s Pages 1497−1500 を参照)。アンチセンス及びアンチジー
ンオリゴヌクレオチドはヌクレオシド類似体の他の例を提供する。
本発明が関する、好ましい、そして最も重要なヌクレオシド類似体は4種類の
2’,3’−ジデオキシヌクレオシド、ddA、ddC、ddGおよびddTで
ある。
ヌクレオシド付加物という語は反応体とDNAまたはRNAとの相互作用の結
果得られる化合物を定義する。そのような反応体は発癌性化合物またはその代謝
物、及び電磁放射によって生じたフリーラジカルを含んでいる。ヌクレオシド付
加物を高感度で検出することは、生物を核酸を修飾するような薬剤への露出を検
討する場合において非常に重要である。ヌクレオシド付加物の例として、ポリサ
イクリック芳香族炭水化物(PAH)とグアノシンのN2との反応産物、芳香族
アミン及び酸素ラジカルとグアノシンのC8との反応産物、アルキル化剤とグア
ノシンのN7及びO6との反応産物及びマイコトキシンとグアノシンのN7との
反応産物を含む。
この方法に用いられる好ましい酵素はT4ポリヌクレオチドキナーゼのような
ポリヌクレオチドキナーゼ酵素(PNK)である。この酵素は37℃、pH8.
5という標準的な反応条件下での、3’−dNMPの[ガンマ32P]−ATP及び
PNKによるリン酸化を含む反応による32P 5’−dNMPの調製に広く用い
られている。発明者は、この酵素を用いて2’,3’−ジデオキシヌクレオシド
(3’−フォスフェートを欠いている)の[ガンマ32P]ATPによるリン酸化を
試みたが、成功しなかった。しかしながら驚くべき事に、低い温度及び/あるい
は低いpHの条件を用いることにより、これに成功した。好ましい温度範囲は4
−30℃であり、18℃から30℃のあいだがより好ましい。好ましいpHの範
囲は4.0−9.0である。高塩濃度、例えば150mMまでのNaClが目的の
反応の
促進に有効であると思われる。これらの条件下での10分から24時間の範囲で
の反応物のインキュベーションにおいては、より長い反応時間により、より高い
収率が得られる。3’フォスファターゼ活性が実質的に除去されている、フォス
ファターゼ活性を持たないT4 PNKの使用は、ヌクレオシド1リン酸の収率
を減少させる副反応を除去するのに有効であるかもしれない。
本発明の方法に用いることのできる別の酵素はオオムギの種子から抽出された
リン酸基転移酵素(J.Biol.Chem.,257,No.9,pp4931−
9,1982)である。この酵素は2つの活性を持っている:一つはヌクレオシ
ド−5’−モノフォスフェートから他の全てのヌクレオシド、好ましくはプリン
デオキシヌクレオシドリン酸受容体、の5’−ヒドロキシル基へとリン酸を転移
するリン酸基転移酵素活性である。この酵素は現在知られている限りにおいては
2’,3’−ジデオキシヌクレオシドのリン酸化に用いられた前例はない。この
酵素のもう一つの活性は、リン酸−酵素反応中間体はリン酸をヌクレオシド受容
体よりも水に転移し、無機リン酸を生成するという活性である。pHを変化させ
ること、供与体と受容体の比、及び酵素が利用することのできる水を取り除くた
めの塩を加えることにより酵素活性を制御することが可能である。好ましい使用
条件は5から30℃、pH4から9、特に、7から8.5、である。この方法は
次にリン酸供与体として利用される5’−NMPの導入を必要とする。5’−U
MPが好ましい5’−NMPである。
さらに、別のリン酸基転移酵素は子牛胸腺に由来するものである。
ヌクレオチド類似体は少なくとも一つの5’−リン酸基又は5’−チオリン酸
基をもつヌクレオシド類似体である。
ヌクレオチドリン酸基及びチオリン酸基供給体は当該技術分野においてよく知
られている。ヌクレオチドリン酸供与体の好ましい例はATP、5’−UMP、
ATP−ガンマS、5’−UMPαSである。これらの供与体は、標識がリン酸
基またはチオリン酸基と共にヌクレオシド類似体に転移されるように、32P、33
P,及び35Sにより放射性標識されていてもよい。好ましいヌクレオチドリン酸
供与体は[ガンマ32P]ATPである。PNKを用いた、この供与体と2’,3’
−ジデオキシヌクレオシドとの反応は5’−[α32P]ヌクレオシド1リン酸を産
出
する。
これらのヌクレオシド1リン酸は既知の方法により、容易に、そして効率的に
相当する3リン酸に変換されうる。33Pまたは35Sの使用により、対応する[α3 3
P]または[α35S]ジデオキシヌクレオシド3リン酸をつくることが出来る。
ヌクレオシドをリン酸化するために酵素を使用する場合、大過剰量の選択した
ヌクレオチドリン酸(またはチオリン酸)供与体を提供するのが通常であり、有
効であり、そのことは反応を目的の方向に向かわせる効果をもつ。ヌクレオチド
フォスフェート(又はチオフォスフェート)供給体が放射標識される場合、大量
の供給は実用可能でない。結果として、目的の放射性標識ヌクレオチドを収率よ
く得るためには、反応条件はより厳密になる。
別の側面として、本発明は4種類それぞれの検出可能な同位体で標識された連
鎖終結ヌクレオチドもしくはヌクレオチド類似体の供給を含む、核酸の配列決定
の為のキットを提供する。好ましくはこのキットは、[α32P]及び/または[α33
P]及び/または[α35S]連鎖終結ヌクレオチド類似体(例えばジデオキシヌクレ
オシド)、並びにポリメラーゼ酵素(例えばT7 DNAポリメラーゼ)、4種
類それぞれのdNTPsの供給、そしてMn2+を含むバッファーから成る。標識
ddNTPsの供給は、バックグラウンドの減少とより均一なバンドの強度のた
め、向上した正確さをもつ有力な配列決定法に使用されるべきである。
本発明の別の側面として、連鎖終始因子として検出可能な同位体で標識された
ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を用い、酵素的合成産物を検出可能な同
位体により検出することからなる、チェーンターミネーション法による塩基配列
の決定法を提供する。
ゲル電気泳動による分離後の、チェーンターミネーションDNA塩基配列産物
の検出はいくつかの方法によって達成される。原型の方法は新規に合成されたD
NAを内部標識するための[α−32P]dATPの使用を含む。同様に、放射性標
識オリゴヌクレオチド配列決定用プライマーも使用可能である。より最近では、
蛍光標識されたプライマー及びヌクレオチドもまた、蛍光産物を検出するための
高価な、感度の高い機械と共に用いられている。これらの方法は全てのDNA鎖
が正確、確実にジデオキシヌクレオチドによって終結されている様に注意が払
われる場合にのみ有効である。3’端がデオキシヌクレオチドによって終結して
いるどんな鎖も最終的な電気泳動展開におけるバックグラウンドの要因になる。
そのような終結はポリメラーゼが十分に高い伸長活性を持たなかった場合、また
は鋳型が強固な二次構造を取っている場合に起こり得る。そのような非特異的な
停止は一般に配列決定実験中に起こり、通常誤解読となる結果、または影響を受
けた塩基を正しく解読するために再配列決定が必要となる結果を引き起こす。
連鎖終始ジデオキシヌクレオチドに結合された蛍光色素を用いる、いくつかの
好結果を得ている方法もある(Prober et al,Lee,L G,C
onnell,C R,Woo,S L,Cheng,R D,McArdle,
B F,Fuller,C W,Halloran,N D&Wilson,R K
,(1992),NucleicAcidsRes.,20,2471−2483
.)。これらの方法は標識が直接連鎖終始を引き起こす分子に結合しているとい
う利点を持つ。偽のあるいはバックグラウンドの終結は、もしそれが起こった場
合にも、蛍光検出機によって検出される事はない。これらの方法には二つの欠点
がある。一つには色素付加ジデオキシヌクレオシド3リン酸は一般的に、非付加
ジデオキシヌクレオチドのようなDNAポリメラーゼの効率の良い基質ではない
。これらは比較的高濃度で使用しなくてはならず、これらの反応速度は部分部分
の配列の周囲状況によって変化し、非付加ヌクレオチドの場合程、均一のバンド
(またはピーク)強度にならない。二つ目に、蛍光付加DNAを検出する為の装
置は、伝統的なオートラジオグラムの検出に必要な装置と比較して、複雑で高価
である。
本発明は高価な検出装置や、DNAポリメラーゼの反応性の減少という欠点な
しに、検出可能な標識を連鎖終結ヌクレオチドに付加するという利益を特徴とす
る。これは連鎖終結ヌクレオチドに、特にイオウ、またはリンの放射性同位体を
付加することによって行われる。これは4種類全ての標識されたジデオキシヌク
レオシド3リン酸の効率的な生産を必要とし、またこれらを使用する、実施しう
る方法を必要とする。
チェーンターミネーションDNA塩基配列決定に用いる元来のDNAポリメラ
ーゼ(E.coliのDNAポリメラーゼIのラージフラグメントまたはKle
now酵素)はジデオキシヌクレオチドを比較的非効率的に利用する。このポリ
メラーゼを用いた配列決定方法の殆どはジデオキシヌクレオチドを相当するデオ
キシヌクレオチドの50または100倍までの高濃度で使用する必要がある。濃
度比で表示する場合、ddNTP:dNTPは100:1にもなる。実際的な配
列決定のためのdNTPの典型的最小量は30pmolのオーダーであり、それ
ぞれが平均240塩基で0.5pmolのプライマー付き鋳型の伸長を起こす。
従って、Klenowポリメラーゼによる配列決定には3000pmolのdd
NTPが必要となる。0.5pmolの鋳型DNAからの伸長産物をX線フィル
ムを用い、一晩の露光により検出するための最小の特異的放射活性はおよそ50
0Ci/molである。この値は非標識ddNTPを用いる通常の配列決定法に
おいては実際的であるが、標識ddNTP及びこのポリメラーゼを用いる配列決
定では配列決定1レーン当たり1.5mCiという多量を必要とするため、法外
に高価で、無駄で、危険である。
この新規の配列決定法の鍵となる特徴は、それによって濃度比(従って必要量
)を実際的なレベルにまで減少させる、ジデオキシヌクレオシド3リン酸を効率
的に利用するDNAポリメラーゼの使用である。そのようなポリメラーゼの一つ
はMn2+の存在下で使用する場合の修飾T7DNAポリメラーゼである(Tab
or and Richardson,J.Biol.Chem.264,64
47−6458)。このポリメラーゼを用いた場合、ジデオキシヌクレオシド3
リン酸はデオキシヌクレオシド3リン酸とほぼ同等の効率で反応するので、濃度
比ddNTP:dNTPを1:100で使用することができる。この比はジデオ
キシヌクレオチドの使用効率にとってKlenowを用いる場合の比に対し、1
0000倍好ましい。このポリメラーゼ及び上に概説した量の鋳型を用いる場合
、0.3pmolまたは0.15μCiという少量の標識ジデオキシヌクレオシド
3リン酸が配列決定実験の各レーン当たり必要になる。この量は経済的に、安全
に、容易に使用できる。ジデオキシヌクレオシド3リン酸を効率的に使用する別
のDNAポリメラーゼ酵素もこの配列決定法に使用できる。
修飾T7DNAポリメラーゼ及びMn2+を用いる場合の更なる利点は均一のバ
ンド強度が得られることである。このことは配列決定実験の解釈をさらに正確に
する。
以下の実施例は本発明を説明する。
T4ポリヌクレオチドキナーゼ=5’−デホスホポリヌクレオチド 5’−リン
酸基転移酵素 EC2.7.1.78
ポリヌクレオチドキナーゼ 3’フォスファターゼ活性を持たない=5’−デ
ホスホポリヌクレオチド 5’−リン酸基転移酵素 EC2.7.1.78−T4
am N81 pse T1ファージ感染 E.coli BB 由来実施例1
3.5μモルの各2’,3’−ジデオキシヌクレオシド(4種類全ての塩基)を
50mMトリス−塩酸 pH7.5、2.5mM DTT、及び30mM 酢酸マ
グネシウム、150mM NaCl、0.1mMスペルミン及び0.5mM NH4
Clを含むバッファー中で50ユニットの3’−フォスファターゼ活性を持た
ないPNK及び5ナノモルの[ガンマ32P]ATPと独立に混合した。最終反応体
積は100μlであり、反応は18℃でインキュベーションして行った。反応後
、PECセルロース板上、0.5M LiCl及び1M蟻酸中での展開による、
TLC解析を行った。
表1は時間経過による[32P]ddNMPへの転換を示す。
TLCシステムを32PO4、[32P]ddAMP(化学的に合成)、及び5’d
AMPをマーカーとして基準化した。これにより、TLC板を解釈し、ベーター
−粒子スキャナーを用いて得たピークが何を示すかを同定することができた。実施例2
実施例1に記載の[32P]ddAMP産物を大規模に合成した。
35μモルの各2’,3’−ジデオキシヌクレオシド(4種類全ての塩基)を
50mMトリス−塩酸 pH7.5、2.5mM DTT、及び30mM 酢酸マグ
ネシウム、150mM NaCl、0.1mMスペルミン及び0.5mM NH4C
lを含むバッファー中で、500ユニットの3’−フォスファターゼ活性を持た
ないPNK及び75mCi(25ナノモル)の[ガンマ32P]ATPと独立に混合
した。最終反応体積は2mlであり、反応は18℃で2時間インキュベーション
して行った。反応後、PEIセルロース板上、0.5M LiCl及び1M蟻酸
中での展開による、TLC解析を行った。
2時間後、反応を2mlの純エタノールを加えることにより停止した。濾過後
、反応液をHPLCイオン交換クロマトグラフィーにより精製した。精製した1
リン酸のTLC解析は[32P]ddAMPはいくらかの無機32PO4を含んでいる
ことを示した。他の三種の1リン酸は全て90%以上の純度に精製されていた。
反応の収率は表1の小規模解析で得られた値と同じオーダーであった。
[32P]ddNMPを標準的な方法により、それぞれ相当する[α32P]ddNT
Pに容易に、効率よく変換した。
HPLCイオン交換クロマトグラフィーによる精製後、[α32P]ddNTPを
〜4mCi/mlの濃度で水性溶液に再懸濁した。[ガンマ32P]ATPからの最
終的収率は:
ddATP 48%
ddCTP 46%
ddTTP 15%
ddGTP 24%
標本をそれぞれに対応する比放射性ddNTPマーカーに対するHPLC解析
による正体の確認及び、DNA配列決定に使用するために用いた。結果は、4種
類全てのddNTPについて、放射性標識[32P]ddNTP及び非放射性dd
NTPはHPLCカラムからちょうど同じ時間に溶出した。また、上記の合成し
たもののほかにはどんな終結因子または放射性標識も存在しない場合において、
M13鋳型の配列を[α35S]dATP内部標識及び非放射性ddNTPを用いた
場合の配列決定と比較しても、首尾良く決定することができた。
このことは[32P]ddNTPがつくられ、従って、PNKはこれらの条件下で
、2’,3’−ジデオキシヌクレオシドをリン酸化できることを証明している。実施例3 オオムギ種子(Barley Seedling)リン酸基転移酵素
0.5μモルのウリジン−5’−1リン酸(5’−UMP)を、0.5μモルの
各2’,3’−ジデオキシヌクレオシド(2’,3’−ddGの可溶性の問題から
、0.15μモルの5’−UMP及び2’,3’−ddGとなっている2’,3’
−ddGを除く−それでも1:1のモル比となっている事に注目)、並びに50
mMトリス−塩酸pH7.5、1mM MgCl2及び0.002% Triton
−100中の10μlのオオムギ種子リン酸基転移酵素(1.3ユニット/ml
)と独立に混合した。最終反応体積は50μlであり、反応は25℃で4時間イ
ンキュベーションして行った。15μlの標本をイオン交換クロマトグラフィー
による解析のために取り出し、装填の前に、水で120μlにした。この方法に
よる解析は4種類全ての2’,3’−ジデオキシヌクレオシド−5’−1リン酸
が首尾良くつくられたことを示した。
第二の実験では、[32P]5’−UMPを加えた5’−UMPを、5’−UMP
:2’,3’−ジデオキシアデノシンのモル比を24:1で使用する事以外は上
記と同一の条件下で使用し、PNK法によってつくられたものとちょうど合う、
2’,3’−ジデオキシアデノシン−5’−1リン酸の放射性標識のピークを、
HPLC解析システム上に与えた。HPLCシステムは非放射性標識5’−UM
P及び5’−dAMP(ddAMPは商業的に入手不可能)の混合物をもちいて
標準化した。イオン交換システムにおいて予期される様に、このシステムにより
、5’−AMPは3’−OH基のため[32P]2’,3’−ジデオキシアデノシン
−5’−1リン酸よりもわずかに遅れて移動し、よく分離されることが示された
。この反応を50mM 酢酸ナトリウムバッファー中、pH5.0で繰り返した
場合、H
PLC解析において放射性標識のピークは非常に速い移動を示し、無機リン酸と
認識された。このことは反応がpH依存性であることを示した。高濃度の塩を加
えることもまた有益であり、無機リン酸の生産を阻害する事により生産される1
リン酸の収率を増加させるかもしれない。実施例4 配列決定プロトコール
配列決定はUS Biochemical Co.,Cleveland,Oh
ioのSequence Version 2.0キットを用いて行った。
1μl(0.5ピコモル)のプライマー、2μlの反応バッファー、5μl(
1μg)のコントロール鋳型及び2μlの水をきれいな、無菌のバイアル中で混
合した。これを65℃まで2分間加熱し、それからゆっくりと30℃まで冷却し
た。ここに1μlのDTT(0.1M)溶液、2μlの伸長標識混合液(1:5
に希釈)、1μlのMn++バッファー、2μlのシークエンスDNAポリメラー
ゼ(1:8に希釈)及び0.5μlの水(これは内部標識コントロールでは0.5
μlの[α35S]dATPに置換される、またこの反応には下記に列挙されるもの
ではない、標準終結混合液を用いる。)を加えた。これを室温で5分間放置した
。1μlの4種類全てのdNTP(それぞれ30μM又は480μM溶液)混合
液、1μlの関連した[α32P]ddATP希釈液(0.3、4.8、または48ピ
コモルという、異なる化学含有量を有する範囲の比活性希釈液を含む。ddNT
P:dNTP比は1:10から1:100の間で変化する。)及び0.5μlの
水を3.5μlの上記溶液に加えた。これを37℃で5分間インキュベートし、
4μlの停止染色液を各反応チューブに加えた。全ての反応チューブを70−8
0℃に、5分間加熱した。4μlの各反応液を40分間プレランしておいた標準
6%ポリアクリルアミド配列決定用ゲルにのせた。ゲルを45mAで最初の色素
がゲルから流れ出るまで約2時間泳動した。それから、ゲルを乾燥させ、Ame
rsham Hyperfilm MPというフィルムに一晩感光させた。結果は
低いバックグラウンド及び均等のバンド強度をもつ、より向上した配列跡を示し
た。実施例5 2’−デオキシアデノシンのリン酸化
0.3mgの2’−デオキシアデノシンを30ユニットのT4 PNK及び5
0mM トリス−塩酸 pH7.5、5mM DTT及び14mM MgCl2中の
8ナノモルの[ガンマ32P]ATPと混合した。最終反応体積は100μlであり
、反応は24℃でインキュベーションして行った。反応後、実施例1と同一のT
LCシステムで解析した。
結果は[32P]5’dAMPへの取り込みは
時間 45分=4%
時間240分=15%
一晩 =44%実施例6(チオリン酸化)
3.5μモルの2’,3’−ジデオキシアデノシン、アデノシン及び2’−デオ
キシアデノシンをそれぞれ独立に、50mMトリス−塩酸 pH7.5、2.5m
M DTT、20mM酢酸マグネシウム、0.1mMスペルミン及び0.5mM N
H4Clを含むバッファー中で、150ユニットの3’−フォスファターゼ活性
を持たないPNK及び85ピコモルの[ガンマ35S]ATPと混合した。最終反応
体積は100μlであり、反応は18℃でインキュベーションして行った。反応
後、PEIセルロース板上、0.5M LiCl及び1M蟻酸中での展開による、
TLC解析を行った。
21時間のインキュベーションの後、反応液は
8.3% アデノシン−5’−モノチオリン酸[35S]
11.2% 2’−デオキシアデノシン−5’−モノチオリン酸[35S]
2.8% 2’,3’−ジデオキシアデノシン−5’−モノチオリン酸[35S]
を含んでいた。実施例7 (修飾糖)
3.5μモルの3’−アジドチミジンを50mMトリス−塩酸 pH7.5、2.
5mM DTT、20mM 酢酸マグネシウム、0.1mMスペルミン及び0.5
mM NH4Clを含むバッファー中で、50ユニットの3’−フォスファターゼ
活性を持たないPNK 及び5ナノモルの[ガンマ32P]ATPと独立に混合した
。最終反応体積は100μlであり、反応は18℃でインキュベーションして行
った。反応後、PEIセルロース板上、0.5M LiCl及び1M蟻酸中での展
開による、TLC解析を行った。
3時間のインキュベーションの後、反応液は22%の3’−アジトチミジン−
5’−1リン酸[32P]を含んでいた。実施例8 (塩基修飾)
3.5μモルの7−デアザアデノシン(ツベルシジン)、3−ニトロピロルヌ
クレオシド及び5−ニトロインドールヌクレオシド(参考文献:D Loake
s and D M Brown,NAR,1994,Vol.22,NO.20,p
g 4039−4043)をそれぞれ独立に、50mMトリス−塩酸 pH7.5
、2.5mM DTT、20mM 酢酸マグネシウム、0.1mMスペルミン及び0
.5mM NH4Clを含むバッファー中で、50ユニットの3’−フォスファタ
ーゼ活性を持たないPNK及び5ナノモルの[ガンマ32P]ATPと混合した。最
終反応体積は100μlであり、反応は18℃でインキュベーションして行った
。反応後、PEIセルロース板上、0.5M LiCl及び1M蟻酸中での展開に
よる、TLC解析を行った。
3時間のインキュベーションの後、TLCスキャン上に追加のピークが観察さ
れた。これらは基質の非存在下では見られない事から、おそらくは基質によるも
のである。
63.0% 7−デアザアデノシン−5’−1リン酸[32P]*
16.1% 3−ニトロピロルヌクレオシド−5’−1リン酸[32P]*
23.9% 5−ニトロインドールヌクレオシド−5’−1リン酸[32P]*
*これらの産物は基質の存在下でのみ見られ、基質なしのコントロール実験で
は見られなかった。実施例9
3.5μモルの各2’,3’−ジデオキシヌクレオシド(4種類全ての塩基)を
それぞれ独立に、50mMトリス−塩酸 pH7.5、2.5mM DTT、20m
M 酢酸マグネシウム、150mM NaCl、0.1mM スペルミン及び0.5
mM NH4Clを含むバッファー中で、1000ユニットの3’−フォスファタ
ーゼ活性を持たないPNK及び60−100mCiの[ガンマ33P]ATP(〜3
000Ci/ミリモル)と混合した。最終反応体積は2mlであり、反応は18
℃で2から6時間インキュベーションして行った。反応後、PEIセルロース板
上、0.5M LiCl及び1M蟻酸中での展開による、TLC解析を行った。
反応を2mlの純エタノールを加えることにより停止した。濾過後、反応液を
HPLC イオン交換クロマトグラフィーにより精製した。精製した1リン酸の
TLC解析は[33P]ddAMPはいくらかの無機33PO4を含んでいることを示
した。他の三種の1リン酸は全て90%以上の純度に精製されていた。反応の収
率は表1の小規模解析で得られた値と同じオーダーであった。
[33P]ddNMPを標準的な方法により、それぞれ対応する[α33P]ddNT
Pに容易に、効率よく変換した。
HPLCイオン交換クロマトグラフィーによる精製後、[α33P]ddNTPを
〜4mCi/mlの濃度で水性溶液に再懸濁した。[ガンマ33P]ATPからの最
終的収率は:
ddATP 40%
ddCTP 30%
ddGTP 20%
ddTTP 16%
標本をそれぞれに対応する比放射性ddNTPマーカーに対するHPLC解析
による同定及び、DNA配列決定に使用するために用いた。結果は、4種類全て
のddNTPについて、放射性標識[α33P]ddNTP及び非放射性ddNTP
はHPLCカラムからちょうど同じ時間に溶出したことを示した。実施例10 DNA塩基配列決定
実施例1−3に概略した方法を用い、[α−32P]ddGTP、[α−32P]
ddATP、[α−32P]ddTTP及び[α−32P]ddCTPをおよそ2000
Ci/ミリモルの比活性、及び0.5μMの濃度で調製した。これらを以下の様
式で、M13mp18DNAの塩基配列決定のために用いた。ここに記載の多く
の試薬はUSBiochemical Co.,Cleveland.Ohaio
で生産しているSequenase DNA シークエンシングキット中に含まれ
ている。
4ヌクレオチド終結混合液は、2μlの15μM dATP、dTTP、dC
TP、dGTP及び100mM NaClを0.6μl(0.3ピコモルを含む)
の各放射性標識ddNTP溶液と共に混合することにより調製した。
鋳型DNA(M13mp18、5μl中の1.0μg)を0.5ピコモル(1μ
l)のM13”−40”23−merオリゴヌクレオチドプライマー、1μlの
MOPSバッファー(400mMモルフォリノプロパン硫酸−NaOH、pH7
.5、500mM NaCl、100mM MgCl2、1μlのMnバッファー、
50mM MnCl2、150mM イソクエン酸ナトリウム塩)及び2μlの水
と混合し、全体積を10μlにした。この混合液プライマーを鋳型にアニールさ
せるために37℃に10分間加熱した。混合液を氷上で急冷し、1μlの0.1
Mジチオトレイトール及び2μlのポリメラーゼ混合液(1.6ユニット/μl
Sequenase Version 2.0 T7DNAポリメラーゼ(US B
iochemical Corp.)、2.0ユニット/ml 無機ピロリン酸分解
酵素 20mM トリス−塩酸 pH7.5、2mM DTT、0.1mM EDTA
、50%グリセロール)を加え、よく混合した。それからこのDNAとポリメラ
ーゼの混合溶液のうちの3μlを(37℃に)前もって暖めておいた上記の終結
混合液(2.6μl)と混合した。混合液を37℃で10分間インキュベートし
、次に4μlの停止溶液(95%フォルムアミド 20mM EDTA 0.05
%ブロモフェノールブルー 0.05%キシレンシアノール FF)を反応を停止
させるために加えた。
混合液を短時間加熱し、トリス−タウリン−EDTAバッファー(US 5,
134,595,Pisa−Williamson,D.&Fuller,C.
W.(1992)Comments 19,29−36)により緩衝化された変性ポ
リアクリルアミド電気泳動ゲルにアプライした。電気泳動後、ゲルを標準的方法
により乾燥し、一晩フィルムに感光させた。結果として得られたDNA塩基配列
オートラジオグラムは例外的にバックグラウンドが無く、プライマーの3’端に
付加した最初のヌクレオチドも明確に認識でき、均一のバンド強度を有した。実施例11 圧縮アーテイファクトを除去するためのdITPを用いた配列決定
圧縮アーテイファクト(compression artifact)は配列決定電気泳動ゲル上で
分離されたDNAが完全に変性されていない場合に起こる。配列決定反応におい
て、dGTPと取り替えたdITP(デオキシイノシン3リン酸)のようなヌク
レオチド類似体は圧縮アーテイファクトを除去することができる(Tabor.
S. and Richardson,C.C.(1987)Proc.Nat.Aca
d.Sci.USA 84,4767−4771)。配列決定反応は四ヌクレオチ
ド終結混合液を2μlの75μMのdITP、15μM dATP、dTTP、
dCTP及び100mM NaClを0.6μl(0.3ピコモルを含む)の各放
射性標識ddNTP溶液と共に混合することにより調製した事以外は実施例10
に記載と全く同様に行った。M13mp18鋳型DNAの配列決定は、圧縮アー
テイファクトをおこしがちな領域の配列を決定できるように選んだ異なるプライ
マーを用いて行った。dGTP混合液を用いたコントロール配列決定反応では圧
縮された、解読不能領域が見られたのに対し、dITP−含有混合液を用いた場
合は圧縮アーテイファクトは見られなかった。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1996年2月2日
【補正内容】
34条補正の翻訳文
(1) 英文明細書 第6頁下2行−第8頁第4行の翻訳文(日本語翻訳文 第
6頁第11行−第7頁第6行)を以下の通り差し替える。
『別の側面として本発明は、放射性同位体で標識された4種類それぞれの連鎖終
結ヌクレオチドもしくはヌクレオチト類似体の供給を含む、核酸の配列決定の為
のキットを提供する。好ましくはこのキットは、[α32P]及び/または[α33P]
及び/または[α35S]連鎖終結ヌクレオチド類似体(例えばジデオキシヌクレオ
シド)、並びにポリメラーゼ酵素(例えばT7 DNAポリメラーゼ)、4種類
それぞれのdNTPsの供給、そしてMn2+を含むバッファーから成る。標識d
dNTPsの供給は、バックグラウンドの減少とより均一なバンドの強度のため
、向上した正確さをもつ有力な配列決定法に使用されるべきである。
本発明の別の側面として、連鎖終始因子として放射性同位体で標識されたヌク
レオチドまたはヌクレオチド類似体を用いた鋳型指向性の酵素的合成を行い、そ
して、酵素的合成産物を放射性同位体により検出することからなる、チェーンタ
ーミネーション法による塩基配列の決定法を提供する。
さらに別の側面として、本発明は、32Pまたは33Pまたは35Sによって放射標
識されたddCTP、ddGTPまたはddTTPのいずれかであって、放射標
識が好ましくはα−リン酸基に存在するものを提供する。
ゲル電気泳動による分離後の、チェーンターミネーションDNA塩基配列産物
の検出はいくつかの方法によって達成される。原型の方法は新規に合成されたD
NAを内部標識するための[α−32P]dATPの使用を含む。同様に、放射性標
識オリゴヌクレオチド配列決定用プライマーも使用可能である。より最近では、
蛍光標識されたプライマー及びヌクレオチドもまた、蛍光産物を検出するための
高価な、感度の高い機械と共に用いられている。これらの方法は全てのDNA鎖
が正確、確実にジデオキシヌクレオチドによって終結されている様に注意が払わ
れる場合にのみ有効である。3’端がデオキシヌクレオチドによって終結してい
るどんな鎖も最終的な電気泳動展開におけるバックグラウンドの要因になる。そ
のような終結はポリメラーゼが十分に高い伸長活性を持たなかった場合、また
は鋳型が強固な二次構造を取っている場合に起こり得る。そのような非特異的な
停止は一般に配列決定実験中に起こり、通常誤解読となる結果、または影響を受
けた塩基を正しく解読するために再配列決定が必要となる結果を引き起こす。』
(2)請求の範囲の請求項8−16を以下の通り補正する。
(請求項1−7は補正なし)
『8. 5’−32Pヌクレオシドリン酸をつくるため、2’,3’−ジデオキシヌ
クレオシドを[ガンマ32P]ATPと反応させる、請求項1から7のいずれか1項
に記載の方法。
9. 5’−32Pヌクレオシド1リン酸が、続いて2−又は3−リン酸に変換
される、請求項8に記載の方法。
10. 酵素がオオムギ種子由来のリン酸基転移酵素である、請求項1から4の
いずれか1項に記載の方法。
11. 検出可能な同位体により標識された四種類それぞれの連鎖終結ヌクレオ
チド、またはヌクレオチド類似体の供給から成る、またはこれらを含む、核酸配
列決定のためのキット。
12. 連鎖終結ヌクレオチド類似体がジデオキシヌクレオチドである、請求項
11に記載のキット。
13. 四種類のそれぞれの連鎖終結ヌクレオチドが32Pまたは33Pまたは35S
で標識されている、請求項11または請求項12に記載のキット。
14. キットが、ポリメラーゼ酵素の供給及び四種類それぞれのdNTPの供
給もさらに含む、請求項11から13のいずれか1項に記載のキット。
15. ポリメラーゼ酵素がT7 DNAポリメラーゼであり、キットがMn2+を
含むバッファーをさらに含む、請求項14に記載のキット。
16. 連鎖終始因子として放射性同位体で標識されたヌクレオチドまたはヌク
レオチド類似体を用いた鋳型指向性の酵素的合成を行い、そして放射性同位体を
利用することで酵素的に合成された産物を検出することからなる、チェーンター
ミネーション法による核酸配列決定法
17. 酵素的合成反応がT7DNAポリメラーゼ酵素を用い、4種類全てのd
NTP及び標識された連鎖終結ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体の存在下
、Mn2+を含むバッファーの存在下で行われる、請求項16に記載の方法。
18.検出可能な行為対が32Pまたは33Pまたは35Sである、請求項16または
請求項17に記載の方法。
19.32Pまたは33Pまたは35Sによって放射標識された、ddCTPおよびd
dGTPおよびddTTP。
20.放射標識がα−リン酸基に存在する、請求項19に記載されたddCTP
およびddGTPおよびddTTP。』
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 5’−OH基を有するが3’-リン酸基は有さない、開始ヌクレオシドま たはヌクレオシド類似体またはヌクレオシド付加物をヌクレオチドリン酸又はチ オリン酸供与体と、この反応を触媒する酵素の存在下で反応させる、ことから成 る、5’−リン酸または5’−チオリン酸基を有するヌクレオチドまたはヌクレ オチド類似体またはヌクレオチド付加物を製造する方法。 2. ヌクレオチドリン酸またはチオリン酸供与体が32Pまたは33Pまたは35 Sにより放射性標識され、そして得られるヌクレオチドまたはヌクレオチド類似 体またはヌクレオチド付加物は、32Pまたは33Pまたは35Sを含む5’−リン酸 または5’−チオリン酸基を有するため放射性標識されている、請求項1に記載 の方法。 3. 開始ヌクレオシド類似体が2’,3’−ジデオキシヌクレオシドである、 請求項1または請求項2に記載の方法。 4. 開始ヌクレオシド類似体が3’−フルオロ、3’−アミノ若しくは3’ −アジドのヌクレオシド、またはPNA、あるいはアンチセンスオリゴヌクレオ チドである、請求項1または請求項2に記載の方法。 5. 酵素がポリヌクレオチドキナーゼである、請求項1から4のいずれか1 項に記載の方法。 6. 反応が4−30℃及びpH4−9で行われる、請求項1から5のいずれ か1項に記載の方法。 7. ヌクレオチドリン酸又はチオリン酸供与体が[ガンマ32P]ATPまた は[ガンマ35S]ATPまたは[ガンマ33P]ATPである、請求項1から6の いずれか1項に記載の方法。 8. 5’−32Pヌクレオシドリン酸をつくるため、2’,3’−ジデオキシヌ クレオシドを[ガンマ32P]ATPと反応させる、請求項1から7のいずれか1 項に記載の方法。 9. 5’−32Pヌクレオシド1リン酸が、続いて2−又は3−リン酸に変換 される、請求項8に記載の方法。 10. 酵素がオオムギ種子由来のリン酸基転移酵素である、請求項1から4の いずれか1項に記載の方法。 11. 検出可能な同位体により標識された四種類それぞれの連鎖終結ヌクレオ チド、またはヌクレオチド類似体の供給から成る、またはこれらを含む、核酸配 列決定のためのキット。 12. 連鎖終結ヌクレオチド類似体がジデオキシヌクレオチドである、請求項 11に記載のキット。 13. 四種類のそれぞれの連鎖終結ヌクレオチドが32Pまたは33Pまたは35S で標識されている、請求項11または請求項12に記載のキット。 14. キットが、ポリメラーゼ酵素の供給及び四種類それぞれのdNTPの供 給もさらに含む、請求項11から13のいずれか1項に記載のキット。 15. ポリメラーゼ酵素がT7 DNAポリメラーゼであり、キットがMn2+ を含むバッファーをさらに含む、請求項14に記載のキット。 16. 連鎖終結因子として、検出可能な同位体により標識されたヌクレオチド 又はヌクレオチド類似体を用い、検出可能な同位体を利用することで酵素的に合 成された産物を検出することからなる、チェーンターミネーション法による核酸 配列決定法 17. 酵素的合成反応がT7DNAポリメラーゼ酵素を用い、4種類全てのd NTP及び標識された連鎖終結ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体の存在下 、Mn2+を含むバッファーの存在下で行われる、請求項16に記載の方法。 18.検出可能な行為対が32Pまたは33Pまたは35S出ある、請求項16または 請求項17に記載の方法。
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