JPH09505325A - ヒドロキシル−およびイソシアネートポリウレタンの総合熱可塑性処理による熱可塑性ポリウレタンの製造方法 - Google Patents
ヒドロキシル−およびイソシアネートポリウレタンの総合熱可塑性処理による熱可塑性ポリウレタンの製造方法Info
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- JPH09505325A JPH09505325A JP7507810A JP50781095A JPH09505325A JP H09505325 A JPH09505325 A JP H09505325A JP 7507810 A JP7507810 A JP 7507810A JP 50781095 A JP50781095 A JP 50781095A JP H09505325 A JPH09505325 A JP H09505325A
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Abstract
(57)【要約】
(a)遊離ヒドロキシル基および/またはアミノ基を有するポリウレタンおよび/またはポリウレタンポリカルバミド、並びに(b)100より高い指数を有するイソシアネート−重付加法により得られるポリウレタンおよび/またはポリウレタンポリカルバミドの総合熱可塑性処理による熱可塑性ポリウレタンの製造方法につき開示する。この方法は、(i)成分(b)の作成に際し指数を110〜150にすると共に、(ii)成分(a)および(b)の熱可塑性処理に際し成分(b)の計算イソシアネート過剰量と成分(a)の遊離ヒドロキシル基および/またはアミノ基とのモル比を1.02:1(モルNCO:モルOHもしくはNH2)〜100:1にすることを特徴とする。
Description
【発明の詳細な説明】
ヒドロキシル−およびイソシアネートポリウレタンの
総合熱可塑性処理による熱可塑性ポリウレタンの製造方法
本発明は、ヒドロキシル−およびイソシアネート ポリウレタンを一緒に熱可
塑性処理することによる熱可塑性ポリウレタンの製造方法に関するものである。
この方法の生成物は、混合比とは無関係に広範囲にて極めて良好な性質を示す。
熱可塑性ポリウレタン(TPU)は古くから知られている。その性質は一般に
その分子量が高くなるほど良好となる。
その分子量が製造工程の際の投入変動に著しく依存するため、均一な品質を有
するこれら熱可塑性プラスチックを製造することは必しも簡単でない。
米国特許第5 089 571号には、仕様通りでなく熱可塑性ポリウレタン
を良好な性質の成形体まで処理しうるような方法が記載されている。遊離ヒドロ
キシル基を含有する生成物(ヒドロキシル ポリウレタン)を100を越える指
数(すなわちNCO:OH比×100)にて作成されたTPU(イソシアネート
ポリウレタン)と混合し、溶融状態にてたとえば射出注型もしくは押出により
高い分子量と良好な剛性とを有する成形体まで加工する。その際、ヒドロキシル
ポリウレタンおよび/またはイソシアネート ポリウレタンは投入間違いまた
は熱分解のため仕様通りでなく得られるTPUとなり、或いは対応の官能基を持
って2−成分熱可塑性処理につき特殊に作成される。
米国特許第5 089 571号の教示によれば、両成分はその分子量に関し
厳密な要件を満たさねばならず、すなわち遊離イソシアネート含有成分の平均分
子量Mwは100000〜200000の範囲でなければならず、ヒドロキシル
基含有反応相手の平均分子量は30000〜150000の範囲でなければなら
ず、しかも両成分はこれらから得られる最終生成物につき高い分子量を与えるよ
う混合せねばならない。上記米国特許(特に第3欄、第31行以降)の教示によ
れば、最終生成物につき少なくとも0.96〜1.04、好ましくは0.98〜
1.02、特に好ましくは0.99〜1.01の計算モルNCO:OH比が選択
される。他の場合には最終生成物にて低過ぎる分子量となり、これらはその後に
使用しえない。上記米国特許の教示によれば、ヒドロキシル成分として熱分解ま
たは加熱に際し水の作用により分解(加水分解)した熱可塑性ポリウレタンが使
用され、これは混合比に関しその未知かつ決定困難なヒドロキシル基の含有量の
ため困難と見なされる。
さらに、イソシアネート成分を長時間にわたり遊離イソシアネート基の含有量
および/したがって分子量の変化なしに貯蔵することも困難である。
この従来技術の方法による、いわゆる処方制限および上記欠点は改良を要する
。
この課題の解決策は、極めて普遍的に使用しうると共に正確な投入を殆ど必要
としないようなポリウレタンおよびポリウレタン尿素の2−成分熱可塑性処理の
方法である。
特に驚くことに今回、米国特許第5 089 571号に挙げられた1000
00〜200000の分子量範囲外にも30000〜150000の分子量にて
極めて良好に処理しうる熱可塑性ポリウレタンを製造しうるだけでなく、これら
はたとえば剛性、溶剤耐性および熱形成耐性にて改善された生成物特性をも示す
ことが判明した。
本発明の主題は:
(a)遊離ヒドロキシル基および/またはアミノ基を有するポリウレタンおよび
/またはポリウレタンポリ尿素、および
(b)100より高い指数にてイソシアネート−重付加法により得られるポリウ
レタンおよび/またはポリウレタンポリ尿素
を総合熱可塑性処理する熱可塑性ポリウレタンの製造方法において:
(i)成分(b)の作成に際し110〜150(好ましくは110〜135)の
指数を維持し(イソシアネート過剰)、
(ii)成分(a)および(b)の熱可塑性処理に際し成分(b)の計算イソシ
アネート過剰量と成分(a)の遊離ヒドロキシル基および/またはアミノ基の含
有量とのモル比を1.02:1(モルNCO:モルOHもしくはNH2)〜10
0:1にする
ことを特徴とする熱可塑性ポリウレタンの製造方法である。
好適具体例において、成分(b)の計算イソシアネート過剰量と遊離ヒドロキ
シル基および/またはアミノ基の含有量とのモル比は少なくとも1.04:1、
特に好ましくは少なくとも1.05:1に保持される。
成分(a)および(b)の熱可塑性処理は好ましくは射出注型、押出または押
出吹込技術によって行われる。
本発明によれば、既に反応したポリウレタンだけでなく熱可塑性でないポリウ
レタンも成分(a)および(b)の原料として使用しうることが利点である。さ
らに、ポリウレタン古材またはポリウレタン生産廃棄物も原料として利用するこ
とができる。
上記成分(a)および(b)は次の原料から得られる:
(1) 400〜10000の分子量を有する1種もしくはそれ以上の実質的に
線状のポリオール、
(2) 1種もしくはそれ以上の有機ポリイソシアネート、および
(3) イソシアネートに対し反応性の基を有する18〜399の分子量を持っ
た連鎖延長剤、並びに必要に応じ
(4) それ自体公知の助剤および添加剤。
1. 400〜10000、好ましくは450〜6000の分子量を有する実質
的に線状のポリオールとしては本発明によれば実用的に全てのそれ自体公知の、
好ましくは3個(下限量として場合により3個)もしくはそれ以上のツェレウィ
チノフ活性基(実質的にヒドロキシル基)を有するポリエステル、ポリラクトン
、ポリエーテル、ポリチオエーテル、ポリエステルアミド、ポリカーボネート、
ポリアセタール、ビニルポリマー(たとえばポリブタジエンオール)、既にウレ
タン基もしくは尿素基を有するポリヒドロキシル化合物、場合により改変された
天然ポリオール、さらに他のツェレウィチノフ活性基(たとえばアミノ基、カル
ボキシル基もしくはチオール基)を有する化合物が挙げられる。これら化合物は
当業界で周知され、たとえばDE−OS 23 02 564号、24 237
64号および25 49 372号(米国特許第3 963 679号)並びに
24 02 840号(米国特許第3 984 607号)、さらにDE−A
S 24 57 387号(米国特許第4 035 213号)にも詳細に記載
されている。本発明によれば、グリコールとアジピン酸、フタル酸および/また
はテレフタル酸とからのヒドロキシル基含有ポリエステル、並びにその水素化生
成物、ヒドロキシルポリカーボネート、ポリカプロラクトン、ポリエチレンオキ
サイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリテトラヒドロフランおよび酸化エチレ
ンと酸化プロピレンとからの混合ポリエーテルおよび/またはテトラヒドロフラ
ンが好適である。
2. 本発明により使用すべきポリイソシアネートは、たとえばW.シーフケン
、ジャスタス・リービッヒス・アナーレン・デル・ヘミー、第562巻、第75
〜136頁に記載されたような脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族および複素
環式ポリイソシアネートであって、たとえば式
Q(NCO)n
[式中、nは2〜4、好ましくは2であり、
Qは2〜18個(好ましくは6〜10個)の炭素原子を有する脂肪族炭化水素残
基、4〜15個(好ましくは5〜10個)の炭素原子を有する脂環式炭化水素残
基、6〜15個(好ましくは6〜13個)の炭素原子を有する芳香族炭化水素残
基、または8〜15個(好ましくは8〜12個の炭素原子を有する芳香脂肪族炭
化水素残基を示す]
を有するもの、たとえばDE−OS 28 32 253号、第10〜11頁に
記載されたようなポリイソシアネートである。Qは異原子を含有することもでき
る。
特に好適なものは一般に技術的に容易に入手しうるジイソシアネート、たとえ
ば2,4−および2,6−トルイレンジイソシアネート、並びにこれら異性体の
任意の混合物(「TDI」)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートおよび
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、これら異性体の任意の混合物、さらにジカルボジイミド基、ウ
レタン基、アロファネート基もしくは尿素基を有するジイソシアネート(「改変
ジイソシアネート」)、特に2,4−および/または2,6−トルイレンジイソ
シアネートまたは4,4′−および/または2,4′ジフェニルメタンジイソシ
アネートから誘導されるような改変ジイソシアネートである。イソシアネートの
官能価は少なくとも1.8とすべきである。
3. イソシアネートに対し反応性の基を有する連鎖延長剤は18〜399の分
子量を有すると共に少なくとも1.8の官能価を有する化合物である。反応性基
としては次のものが挙げられる:ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基お
よびチオール基、たとえば二官能性の低分子化合物、たとえばジアルコール、ジ
アミン、アミノアルコール、エーテルおよびエステルアルコール、並びにジカル
ボンン酸、たとえばエチレングリコール、ブタンジオール−1,4およびジエチ
ルトルイレンジアミンまたはその異性体混合物。さらに水も挙げられる。
4. 必要に応じ同時使用される助剤および添加剤としては次のものが挙げられ
る:それ自体公知の充填剤、強化剤、静電防止剤、老化防止剤、防炎剤、染料お
よび顔料、軟化剤、熱可塑剤、不活性溶剤、潤滑剤および他の処理助剤、分離剤
、それぞれ無機および/または有機の触媒(これらは当業界で周知されている)
。本発明による方法の実施
熱可塑性処理のための上記成分(a)および(b)の製造は従来技術から公知
の方法によって行われるが、成分(b)の場合には特徴(i)により少なくとも
110の指数を保持する。
その際、生成物における選択NCO−過剰量を全体的に或いは部分的にNCO
基として存在されることは重要でなく、たとえばアロファネートおよび/または
ビウレットまで反応させることもできる。したがって本発明によれば、処理すべ
き生成物は貯蔵とは全く無関係である。他のポリウレタンの場合と同様に、加温
における生成物(a)および(b)の長時間の湿潤貯蔵は推奨できない。反応し
た成分(a)および(b)の代わりに、線状ポリオール(1)とイソシアネート
(2)と連鎖延長剤(3)、並びに助剤および添加化剤(4)との混合物も本発
明の方法に使用することができる。
これら生成物は、しばしば連鎖縮小剤とも称される一官能性の化合物をも含有
することができる。
個々の成分(ポリオール1)、イソシアネート(2)および連鎖延長剤(3)
は明かに1.8未満の官能価を有することができる。これは特に、他の原料がた
とえば6のような高い官能価を有する場合に有利である。
上記原料は遊離ヒドロキシル基を有する本発明により使用すべき成分(a)の
分解についても、NCO過剰量にて作成された成分(b)の分解についても使用
することができる。その際、成分(a)および(b)は同一もしくは異なる原料
から構成することができる。
本発明により使用すべき成分(a)および(b)はたとえばスクリュー反応器
におけるような自体公知の方法により作成される。特定具体例においては、既に
反応したポリウレタンをアルコール、アルカノールアミン、ジアミン、ジカルボ
ン酸、イソシアネート(好ましくはジイソシアネート)と溶融状態で反応させる
こともできる。その際、分子量低下が生ずる。この低下過程は米国特許第5 0
89 571号に記載された低下過程と比べ、本発明の方法で使用すべき化合物
の分子量および官能価を合理的に設定すると共に必要に応じ容易に測定しうる点
で有利である。
成分(a)および(b)の分析データの正確な測定が必要でないことも本発明
による方法の利点である。何故なら、米国特許第5 089 571号に記載さ
れた方法とは異なり、成分(a)と(b)との混合比を極めて広範囲に変化させ
うるからである(特徴ii)。
本発明による成分(a)および(b)を製造するための上記分解過程は、それ
自身では熱可塑性でない(たとえば架橋した)ポリウレタン廃棄物、たとえば軟
質フォームもしくはエラストマーの再使用をも可能にする。これらはさらにポリ
ウレタン熱可塑性プラスチックと同様に成分(a)および/または(b)の作成
に使用する前に既に長時間にわたり使用されるものでもよく(古材)または生産
廃棄物とすることもできる。
さらに、種々異なるショア硬度の成分(a)および(b)の使用により、本発
明の方法の生成物を所定の硬度に合理的に調製することも可能である。これは既
に上記した処方依存性の結果でもある。
たとえば押出のような多くの処理技術につき成分(a)および(b)が処理温
度にてほぼ同じ溶融粘度を有する場合は、均質の工程生成物を得るのに有利であ
る。これは、たとえばNCO−大過剰(たとえば0.8:1のNCO:OHモル
比にて硬質成分(a)を作成する場合に達成することができる。本発明による方
法は、老化により既に損傷したポリウレタンおよポリウレタン尿素から良好な物
理的性質および良好な老化耐性を有する新たな生成物への再処理をも可能にする
。
2−成分ポリウレタン混合物の本発明による処理はたとえば射出注型機、押出
器のような慣用の溶融処理装置、吹込成形装置、プレスなどで焼結法または粉末
散布法により行うことができる。勿論、部分的に処理を溶液、分散物もしくはエ
マルジョンで行うことも可能である。成分(a)および(b)は極めて異なる溶
融範囲を有することもでき、したがってたとえば成分を成形に際し他の成分に分
散もしくは懸濁させ、その後の熱衝撃により初めて溶融させると共に反応させる
ことができる。
この方法の生成物は塊状および発泡した成形体、コーチング、フィルム、接着
剤などの作成に適している。
以下、限定はしないが実施例により本発明をさらに説明する。特記しない限り
量は重量部もしくは重量%であると了解すべきである。実施例 比較例1
(a)ヒドロキシルポリウレタン
平均分子量2200を有する100重量部のポリブタンジオールアジペートと
9.5重量部のブタンジオール−(1,4)との混合物に、130℃で湿分排除
下で1重量部のエチレンジアミンビスステアロイルアミドを均一に分配させた。
溶融物を80℃まで冷却し、開口容器にて35.8重量部の60℃まで加温され
た4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを急速に均質撹拌し、次いでポ
リテトラフルオロエチレンの皿中に注ぎ込み、110℃にて1時間および80℃
にて1晩保ち、冷却の後に粒状化させた。このように作成した生成物(1A)は
0.95のNCO:OH比を有した。
(b)イソシアネートポリウレタン
例(1a)に記載したように処理したが、39.7重量部の4,4′−ジフェ
ニルメタンジイソシアネートを使用して1.05のNCO:OH比を有する生成
物(1B)を得た。同一重量部の生成物(1A)および(1B)の粒状物を均質
混合し、アンカーV14型の射出注型機で試験体(1C)まで処理し、これを8
0℃にて16時間貯蔵した。第1表は測定値を示す。実施例2
例(1a)に記載したように処理したが、41.6重量部の4,4′−ジフェ
ニルメタンジイソシアネートを使用し、その際1.10のNCO:OH比を有す
る生成物(2)を得た。9重量部のポリウレタン(2)を粒状物としての1重量
部のポリウレタン(1A)と混合し、一緒に射出注型機で噴出させた。射出物(
2A)は1.085の計算NCO:OH比を有し、これを80℃にて16時間貯
蔵した。物理試験の結果を第1表に要約する。実施例3
実施例2に記載したように処理したが、45.3重量部の4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネートを使用した。得られた生成物(3)は1.20のNC
O:O比を有し、これを生成物(1A)との混合物として重量比1:1および9
:1(=過剰生成物(3))で射出注型機により生成物(3A)(NCO:OH
比(計算値)1.075)および(3B)(NCO:OH比(計算値)1.17
5)まで処理した(結果については第1表参照)。
第1表から見られるように、本発明による生成物はその引張強さにおいても伸
び率および熱成形耐性においても、米国特許第5 089 571号の教示にし
たがって作成された匹敵するポリウレタン(1C)よりも優れていた。実施例4
2000の平均分子量を有する100重量部のポリエタンジオールアジペート
と4.5重量部のブタンジオール−(1,4)と0.3重量部のトリメチロール
プロパンと24重量部のナフチレン−(1,5)−ジイソシアネートとからなる
反応注型により得られたポリウレタンの廃棄物を二軸スクリュー反応器にて廃棄
物100部当り0.82重量部のブタンジオール−(1,4)と約230℃にて
反応させた(ポリウレタン(4))。この生成物を射出注型機にて試験体まで処
理した。物理的数値を第2表に示す。実施例5
平均分子量2000の100重量部のポリエタンジオールブタンジオールアジ
ペートと5.9重量部のブタンジオール−(1,4)と27重量部のナフチレン
−(1,5)−ジイソシアネート(NCO:OH比=1.11)とからなる2−
成分注型法により得られたポリウレタンの約3か月の古い生産廃棄物を粒状化さ
せ(生成物(5))、2重量部のポリウレタン(5)と1重量部のポリウレタン
(4)との比にて混合し、射出注型機にて噴霧状の分離剤と共に試験体まで約2
20℃にて処理した(生成物5A)。生成物の性質を第2表に示す。実施例6
実施例4に記載したように処理したが、ポリウレタン(6A)については2.
2重量部のブタンジオール−(1,4)を使用し、生成物(6B)についてはブ
タンジオール−1,4の代わりに14重量部の4,4′−ジフェニルメタンジイ
ソシアネートを使用した。同一重量部のポリウレタン(6A)と(6B)との粒
状物の混合、およびその後の射出注型(処理温度、最高220℃)により生成物
(6C)を得た。物理的性質を第2表に要約する。5か月にわたる粒状混合物の
貯蔵は実質的に同じ性質を有する射出体を与えた。
実施例7
約2200の平均分子量を有する100重量部のヘキサンジオール−ネオペン
チルグリコールポリアジペートと25重量部のブタンジオール−(1,4)と0
.5重量部のエチレンビスステアロイルアミドと65.45重量部の4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネートとから、52のシュアD硬度を有する熱可塑
性ポリウレタン(7)を作成した。NCO:OH比は0.81であった(分子量
Mn=3120)。68重量部の生成物(7)の粒状物を58重量部の生成物(
3)と混合し、射出注型により試験体(7A)まで処理した。物理的性質を第3
表に示す。
第3表に要約した結果は、本発明の方法によれば遊離NCO基またはツェレウ
ィチノフ活性基を有する成分をこれらと反応しうる他のより高いもしくはより低
い硬度を有する他の成分と混合して、これら混合物を処理すると共に所定範囲内
で最終生成物の所望硬度に調整しうることを示す。その際、NCO:ツェレウィ
チノフ活性基の比は、これが最終生成物にて実質的に1.00未満でない限り重
要でない。実施例8
熱可塑性ポリウレタンを比較例に記載したように作成した。比較例1とは異な
り、38.6重量部の4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを使用し、
これは1.02のNCO:OH比に相当する。粒状物(生成物8A)から射出注
型体を作成し、これを14日間にわたり80℃にて水中に貯蔵した。空気で乾燥
させ、次いで減圧乾燥器で乾燥させた後、射出注型体は加水分解作用の結果とし
て約5MPaの引張強さを示した。乾燥した射出体を粒状化させた。
12重量部のヘキサンジオール−1,6を50ppmのチタンテトラブチラー
トの存在下に撹拌機と還流冷却器とが装着された3つ首フラスコにて窒素下で2
00℃まで加熱した。乾燥され、かつ加水分解された射出体から得られた粒状物
の100重量部を少しづつ添加して、フラスコ内容物を撹拌しうるように保った
。その際、温度を徐々に220℃まで上昇させた。均質溶融物が得られた後、直
ちに180℃まで冷却し、扁平テフロン皿に注ぎ入れて溶融物を固化させ、次い
で粉砕した(生成物(8B))。
100重量部の生成物(8B)を粒状物としての488.5重量部の生成物(
3)と混合し、混合物のNCO:OH比は約1.05であった(理論値)。これ
を射出注型機にて試験体(生成物(8C))まで処理した(結果を第4表に示す
)。
第4表から見られるように、本発明による方法は加水分解で強度に分解された
ポリエステルポリウレタンを実質的に新たな熱可塑性プラスチックにて再使用す
るのに適する。実施例9
平均分子量2000の100重量部のポリブタンジオールアジペートと8.0
8重量部のブタンジオール(1,4)と2.82重量部のジエチルトルイレンジ
アミン(異性体混合物、2,6−異性体;2,4−異性体=約35:65)と2
重量部のエチレンンビスステアロイルアミドとの混合物を170℃まで加熱した
。36.7重量部の4,4′−ジイソシアナジフェニルメタン(0.94のNC
O:OH比に相当)を急速に撹拌混入し、ポリテトラフルオロエチレンからなる
平皿に注ぎ入れ、110℃にて1時間および80℃にて16時間にわたり貯蔵す
ると共に粒状化させた(生成物(9))。実施例10
実施例9に記載したように処理したが、46.8重量部の4,4′−ジイソシ
アナトジフェニルメタンを使用し、生成物(10)(NCO:OH=1.20)
を得た。生成物(9)および(10)の粒状物を重量比2:3にて混合し、射出
注型により試験体まで処理した(10A)。
実施例11
140重量部のヘキサンジオール−(1,6)に230℃にてグリセリン硬化
したOH価56のプロピレン−エチレンオキサイド−混合ポリエーテルと、OH
価56のトリメチロールプロパン硬化したポリプロピレンオキサイド(ポリエー
テル比100:3.5)と、主成分としてのトルイレンジイソシアネート(2,
4−異性体の割合、80%、残部2,6−異性体)とに基づいて作成された16
55重量部の標準熱成形フォームを窒素下で均質溶液が得られるまで撹拌した。
74の理論OH価を有するポリウレタン(11)が生じた。実施例12A
生成物(11)を1.00の理論NCO:OH比が得られるまで生成物(3)
と混合した。この混合物(12A)を射出注型機にて試験体まで射出し、これは
15.5MPaの引張強さと78シェアA硬度にて435%の伸び率とを有した
。実施例12B
実施例12Aに記載したように処理したが、成分(3)および(11)を1.
05の理論NCO:OH比が得られるまで混合した。射出注型体(12B)は1
8.6MPaの引張強さを有した。実施例13A
実施例1〜3に記載したように処理したが、0.97のNCO:OH比を選択
した。生成物(13A)は80℃で1晩にわたりテンパリングした後に室温にて
ジメチルアセタミドとメチルエチルケトンとの比4:1における混液に溶解する
と、室温にて660mPa.sの溶液粘度を示した。テンパリングしたポリウレ
タンの溶融温度範囲は195℃であった。実施例13B
実施例13Aに記載したように処理したが、1.01のNCO:OH比を選択
すると共に、生成物(13B)と同じ条件下で79000mPa.sの溶液粘度
が測定された。実施例13C
実施例13Aに記載したように処理したが、1.30のNCO:OH比を選択
した。この生成物(13C)は約214℃にて溶融した。実施例13Aに挙げた
溶剤混液に上記条件下では溶解せずに膨潤した。実施例13D
実施例13Aおよび13Cからの粒状物を重量比1:2.3にて1.2の理論
NCO:OH比が得られるまで混合し、次いで試験体まで射出し、これを80℃
にて1晩貯蔵した(生成物(13D))。この試験体は実施例13Aに示した溶
剤混液には溶解せず、27.8MPaの引張強さを示した。
実施例13A〜Dから見られるように、架橋した生成物も本発明の方法により
処理することができる。比較例14A
米国特許第5 089 571号の例3Aと同様に処理し、平均分子量100
0の100重量部のポリテトラヒドロフランと20.7重量部のブタンジオール
−(1,4)と0.12重量部のエチレンビスステアロイルアミド(市販の分離
剤として)と0.12重量部の市販の酸化防止剤とを0.01重量部のオクタン
酸錫(II)の存在下に78.4重量部の4,4′−ジフェニメルメタンジイソ
シアネートと反応させた。NCO:OHモル比は米国特許第5 089 571
号の例に記載されたように0.95であった(生成物(14A))。比較例14B
例14Aに記載したように処理したが、米国特許第5 089 571号の例
3Bにおけると同様に1.06のNCO:OH比を選択した(生成物(14B)
)。比較例14C
生成物(14A)および(14B)を重量比4:1にて混合し(これは米国特
許第5 089 571号に本発明による比、たとえばクレーム1、3および4
として示した数値に相当)、この混合物を射出注型機にて試験体まで処理した(
14C))。機械的数値を第6表に要約する。実施例15(本発明による)
比較例14Aに記載したように処理したが、1.12のNCO:OH比を選択
した(生成物15)。生成物(15)および(14A)を重量比1:4にて混合
し、この混合物を射出注型により処理した(生成物15A)。他の混合物にて、
これら両ポリウレタン(15)および(14A)を重量比2:1にて射出した(
生成物15B)。機械的数値を第6表に示す。
第6表から見られるように、本発明に相当する生成物(15A)および(15
B)は米国特許第5 089 571号のクレーム1、3および4にしたがう生
成物(14C)をその強度の点で明かに勝る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. (a)遊離ヒドロキシル基および/またはアミノ基を有するポリウレタン および/またはポリウレタンポリ尿素、および (b)100より高い指数にてイソシアネート−重付加法により得られるポリウ レタンおよび/またはポリウレタンポリ尿素 の総合熱可塑性処理による熱可塑性ポリウレタンの製造方法において: (i)成分(b)の作成に際し110〜150の指数を保持し(イソシアネート 過剰)、 (ii)成分(a)および(b)の熱可塑性処理に際し成分(b)の計算イソシ アネート過剰量と成分(a)の遊離ヒドロキシル基および/またはアミノ基の含 有量とのモル比を1.02:1(モルNCO:モルOHもしくはNH2)〜10 0:1にする ことを特徴とする熱可塑性ポリウレタンの製造方法。 2. 成分(b)のイソシアネート過剰量と成分(a)の遊離ヒドロキシル基お よび/またはアミノ基の含有量とのモル比を少なくとも1.04:1にすること を特徴とする請求の範囲第1項に記載の方法。 3. 成分(b)のイソシアネート過剰量と成分(a)の遊離ヒドロキシル基お よび/またはアミノ基とのモル比を少なくとも1.05:1にすることを特徴と する請求の範囲第1項に記載の方法。 4. 成分(a)および(b)の熱可塑性処理を射出注型、押出または押出吹込 技術によって行うことを特徴とする請求の範囲第1〜3項のいずれか一項に記載 の方法。 5. 成分(a)および/または(b)を作成するため、既に反応したポリウレ タンを原料として使用することを特徴とする請求の範囲第1〜4項のいずれか一 項に記載の方法。 6. 原料として使用するポリウレタンが熱可塑性ポリウレタンでないことを特 徴とする請求の範囲第5項に記載の方法。 7. 原料として使用するポリウレタンがポリウレタン古材および/または生産 廃棄物であることを特徴とする請求の範囲第5項または第6項に記載の方法。 8. 本発明により使用されるポリウレタン(A)および(B)が種々異なる硬 度を有することを特徴とする請求の範囲第7項に記載の方法。
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