JPH09505033A - ホスホイノシチド特異的ホスホリパーゼcの阻害剤 - Google Patents

ホスホイノシチド特異的ホスホリパーゼcの阻害剤

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JPH09505033A JP7511980A JP51198095A JPH09505033A JP H09505033 A JPH09505033 A JP H09505033A JP 7511980 A JP7511980 A JP 7511980A JP 51198095 A JP51198095 A JP 51198095A JP H09505033 A JPH09505033 A JP H09505033A
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ギブス,ジヤクソン・ビー
コブラン,ケネス・エス
マクラウド,アンガス・エム
マーチヤント,ケビン・ジエイ
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メルク エンド カンパニー インコーポレーテッド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は哺乳動物ホスホイノシチド特異的ホスホリパーゼCを阻害する新規α−ヒドロキシホスホン酸化合物に関する。該化合物は強力な抗炎症及び鎮痛剤であり、癌の治療に有用であり得る。

Description

【発明の詳細な説明】発明の名称 ホスホイノシチド特異的ホスホリパーゼCの阻害剤発明の背景 ホスホリパーゼC(EC3.1.4.3)は膜リン脂質中のsn−3ホスホジ エステル結合を加水分解し、ジアシルグリセロールと極性のリン酸化頭部基を生 じる酵素群の一員である。哺乳動物ホスホリパーゼC(PLC)酵素は加水分解 されるホスファチジルコリン、ホスファチジルイノシトールなどの極性頭部基に 対して特異性を示す。最近、アゴニストによる受容体占有に応答してホスホイノ シチド脂質を選択的に加水分解する、これらPLC酵素に大きな関心が寄せられ ている。ホスファチジルイノシトール4,5−二リン酸を加水分解すると2種の 第2のメッセンジャー分子、即ちタンパク質キナーゼCの活性化に必要な補因子 であるジアシルグリセロールと、ミトコンドリア以外の細胞内に貯蔵されたカル シウムの放出を促進する第2の可溶性メッセンジャー分子であるイノシトール1 ,4,5− 三リン酸を生じる(Berridge,Ann.ev.Biochem.,56 :159−193,1987)。放出されたジアシルグリセロールは、ジグリセ ロールリパーゼとモノグリセロールリパーゼの逐次作用により更に代謝され、遊 離アラキドン酸を生じ得る。従って、ホスホリパーゼCは第2のメッセンジャー 分子の生成における重要な酵素であるのみならず、選択組織におけるエイコサノ イド生合成にアラキドン酸を使用可能にするのに重要な役割を果たし得る。 哺乳動物組織は複数の異なる形態のホスホイノシチド特異的PLCを含む(C rookeとBennett,Cell Calcium,10:309−32 3,1989; Rheeら,Science,244:546−550,19 89)。これら酵素の各々が異なるクラスの細胞表面受容体と結合することが報 告されており、即ちPLC−βはGqα又はG11αを介してトロンボキサンA2 、ブラジキニン、アンギオテンシン及びムスカリン受容体と結合し(Shenk erら,J.Biol.Chem.,266:9309−9312(1991) ; Gutowskiら,J.Biol.Chem.,266:20519 −20524(1991); Bersteinら,J.Biol.Chem. ,267:8081−8088(1992))、PLC−γは増殖因子受容体な どと結合する(Aiyarら,Biochem.J.,261:63−70,1 989; CrookeとBennett,前掲; Margolisら,Ce ll,57:1101−1107,1989; Wahlら,Proc.Nat l.Acad.Sci.USA,86:1568−1572,1989)。これ らからの配列を整理すると、最も保存されている残基はそれぞれX及びY領域と 呼ばれる2つの異なる領域(〜170アミノ酸の領域と〜260アミノ酸の領域 )に大別される。PLC−γ1はsrc相同領域(SH2とSH3)も含み、こ れらの領域は上皮増殖因子(EGF)受容体などのチロシンキナーゼ活性をもつ 受容体と酵素との相互作用を媒介するらしい(Stahlら,Nature,3 32:269−272(1988);Katanら,Cell,54:171− 177(1988))。 PLCアイソザイムは特異的細胞表面受容体の刺激に応答して種々のメカニズ ムにより活性化される。PLC−δ と特異的受容体又は下流エフェクターとの結合は報告されていないが、このアイ ソザイムは血管平滑筋の緊張を調節するメカニズムに関連するらしい。PLC− βの活性化はGqクラスのグアニンヌクレオチド結合タンパク質によって達せら れる。 今日までに6種の異なるPI−PLC酵素のcDNAがクローニングされてい る。酵素の寸法は504アミノ酸〜1250アミノ酸長であり、類似の生化学的 性質を示す割には著しく分散している。5種の酵素のうちの4種(PLC−β、 PLC−δ1、PLC−δ2及びPLC−γ1)は50〜80%の配列類似性を示 す約250アミノ酸長の2つのドメインを含む。PI−PLC酵素毎にDNA配 列が著しく異なるため、アンチセンス技術を使用して他の酵素に影響を与えるこ となく1種のPI−PLC酵素を選択的に捕らえることができる。ヒトcDNA クローンが報告されているのはPLC−δ2(Ohtaら,FEBS Lett .,242:31−35,1988)とPLC−γ1(Burgessら,Mo l.Cell.Biol.,1 0:4770−4777(1990))である 。その他はラットcDNAクローンである。ゲノムクローンはどのP I−PLC酵素についても報告されていない。 試験された哺乳動物組織は、全て1種以上のPI−PLC酵素を示す。一般に 、単一の哺乳動物細胞型に2種以上の酵素が存在する。PI−PLC酵素はその 分布において組織選択性を示す。PLC−βは主に神経組織に存在し、脳におけ る主要酵素である。PLC−γ1は脳と多数の末梢組織に存在する。PLC−δ2 は免疫細胞に存在し、PLC−δ1は主に末梢組織に存在するらしい。炎症細胞 のみに存在するPI−PLC酵素はまだ報告されていない。 自発性高血圧症ラットゲノムでPLC−δ1の点突然変異が確認されている( Yagisawaら,J.Hypertens.9:997−1004(199 1))。生化学研究によって自発性高血圧症ラットでPLC−δ1の活性化(5 倍)が立証されている(Katoら,J.Biol.Chem.267:648 3−6487(1992))。触媒ドメインと推定される位置での点突然変異は 、PLC−δ1活性化の直接結果である異常カルシウム恒常性の高血圧関連現象 の主原因であると思われる。 PI−PLC−δ2は免疫担当細胞における重要な酵素であるらしい(Emo riら,J.Biol.Chem., 264:21885−21890)。このタンパク質はサイトゾルタンパク質全 体の0.1〜0.05%に相当する並の量のタンパク質である。PI−PLC酵 素の遺伝子調節、mRNA又はタンパク安定性については全く情報が得られない 。 マクロファージでアラキドン酸からプロスタグランジン(PG)が迅速に合成 されると、通常は炎症刺激を伴うことが認められている。従って、マクロファー ジからのアラキドン酸の放出を抑制すれば、PG合成を有効に制御し、ひいては 炎症症状を制御することができよう。最近、ホスホリパーゼCはホスファチジル イノシトール−アラキドン酸−プロスタグランジン生合成経路に関与する酵素で あることが立証された。この知見を裏付けるものとして、ホスホリパーゼCはマ クロファージからのアラキドン酸及び血小板からのプロスタグランジンの刺激放 出を抑制するとして知られている化合物であるフェノチアジンにより阻害される という所見が報告されている。 T細胞抗原受容体(TCR/CD3)の活性化は、免疫応答から炎症までの複 雑な生物応答の原因となる一連の生化学プロセスを誘発する。PLC−γ1の活 性化は白血球 で非受容体タンパク質チロシンキナーゼが所定の細胞表面受容体(TCR)に応 答して作用することによっても達せられ得る(Parkら,Proc.Natl .Acad.Sci.U.S.A.88:5453−5456(1991))。 PLC−γ1の活性化はBリンパ球におけるIgM連結、好塩基球性白血病細胞 におけるIgE受容体(FcεRI)連結及び単球細胞におけるIgG受容体( FcγRI及びFc7RII)連結によっても生じる(Liaoら,Proc.N atl.Acad.Sci.U.S.A.89:3659−3663(1992 ))。従って、PLC−γ活性の阻害は炎症症状の治療に有用であると思われる 。 PLC−γは活性化チロシンキナーゼ増殖因子受容体によりリン酸化される唯 一のアイソザイムである(Rotinら,EMBO J.,11:559−56 7(1992); Mohammadiら,Mol.Cell.Biol.,1 1:5068−5078(1992); Kimら,Cell,65:435− 441(1991))。増殖因子刺激後、サイトゾルPLC−γはin viv oで広範且つ迅速にリン酸化される(PLC−γ分子の50 〜70%が5分以内に修飾される)。このリン酸化によってPLC−γは血漿膜 に転移し、より良好にそのリン脂質基質と相互作用できると予想される。細胞か ら予め免疫沈降させておいた酵素を用いるin vitro試験によると、PL C−γ1のリン酸化形態の触媒活性は非リン酸化形態よりも高いと思われるが、 この効果はアッセイ条件によっても異なる。これらの結果によると、PLC−γ はマイトジェンシグナル変換の重要な成分であると思われる。更に、改変PLC −γ活性はある種の疾患状態に相関し得る。例えば、同様にEGF受容体を過剰 発現する原発ヒト乳癌に由来する細胞でPLC−γの濃度の増加が立証されてい る(Arteagaら,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. ,88:10435−10439(1991))。従って、特に活性化形態のPL C−γ活性の阻害は、乳癌の治療に有用であると思われる。 更に、PLC−γ1は乾癬、脂漏性角化症及び尖端線維性軟疣などの種々の過 剰増殖皮膚症状からの上皮の多数の層を通してin vivo(免疫組織化学) 定位されている(Nanneyら,Cell Growth and Diff erentiation,3:233−239(1 992))。従って、PLC−γ活性の阻害は良性上皮過形成の治療に有用であ ると思われる。 Gqサブファミリーの特定の構成員は種々のPLC−βアイソザイムを活性化 できる(例えばGqαはPLC−β1を活性化する)ことが最近立証され(Sm rckaら,Science 251:804−807(1991);Tayl orら,FEBS 286:214−216(1991))、PLC−βと多数 のトランスメンブランシグナル変換経路との関係が提示されている。Gqαの活 性化突然変異体でトランスフェクトしたNIH3T3細胞は完全に形質転換され た表現型を示し、無胸腺症ヌードマウスで高度に腫瘍形成性であり(Kalin ecら,Mol.Cell Biol.12:4687−4693(1992) )、非常に高いホスホリパーゼC(PLC−β)活性を示す(DeVivoら, J.Biol.Chem.267:18263−18266(1992))。あ る種のヘテロ三量体Gタンパク質のαサブユニットに関して遺伝子中の他の突然 変異も報告され(Lyonsら,Science 249:655−659(1 990); Vallarら,Nature 330:556−558(198 7))、所定のヒト内分泌腫瘍と関連付けられており、活性化Gタンパク質は発 癌遺伝プロセスに役割を果たすと予想される。従って、PLC−γに加えてPL C−βもヒト癌に関連し得る。 従って、本発明の目的は慢性関節リウマチ、気腫、気管支炎症、骨関節炎、脊 椎炎、狼瘡、乾癬、急性呼吸障害症候群、痛風、発熱及び疼痛を含む炎症症状の 治療に有用な、強力な抗炎症及び鎮痛剤であり得るホスホリパーゼCの特異的且 つ選択的な阻害剤を提供することである。 本発明の目的は、乳癌を含む所定の形態の癌、及び他の上皮過剰増殖疾患状態 の治療に有用な薬剤である、ホスホリパーゼCの阻害剤を提供することでもある 。 本発明の別の目的は、新規ホスホリパーゼC阻害剤の投与に使用する医薬組成 物を提供することである。 本発明の更に別の目的は、炎症及び疼痛の治療を必要とする哺乳動物種に有効 量の本発明の化合物を投与することにより、炎症及び疼痛を緩和及び治療する方 法を提供することである。図面の簡単な説明 図1 プラスミドpT5T−PLC4 プラスミドpT5T−PLC4の構築の概略図を示す。 図2 PLC−γ1アミノ酸配列及びcDNAコーディング配列 PLC−γ1をコードするヌクレオチド配列と、cDNA配列の下にPLC− γ1の対応するアミノ酸を示す。2833〜2838位のコドンは天然のAGG AGGタンデムからCGGCGGに改変されている(cDNA:配列番号1、ア ミノ酸:配列番号2)。 図3 エピトープタグを含むcDNAコーディング配列 PLC−γ1の発現と精製に用いたヌクレオチド配列(1〜3879)と隣接 BamII制限部位を示す。最長開放読み枠(1291aa)のアミノ酸配列を対 応するヌクレオチドの下に示す(cDNA:配列番号3、アミノ酸:配列番号2 )。発明の詳細な説明 本発明は構造式I: [式中、 R1及びR2は独立して a)水素、及び b) から選択され、但しR1が水素の場合にはR2は置換基b)であり、R2が水素の 場合にはR1は置換基b)であり、 R3、R4、R5及びR6は a)水素、 b)ハロゲン、 c)C1−C4アルキル、 d)C1−C4アルコキシ、及び e)ヒドロキシ から構成される群から独立して選択され、但しR3、R4、R5及びR6のうちの少 なくとも1個は水素以外の置換基であるか、又は R3とR4又はR4とR5は一緒になって−CH2CH2CH2CH2−ジラジカルを形 成する] の新規α−ホスホン酸化合物又は医薬的に許容可能なその塩もしくはエステルに 関する。 本発明の1態様は式I中、置換基R1及びR2が上記の通りであり且つ置換基R3 、R4、R5及びR6が上記の通りであり、但しR5が水素の場合にはR3とR4は いずれもメチル以外のものであり、R3とR4又はR4とR5は一緒になって−CH2 CH2CH2CH2−ジラジカルを形成していない化合物である。 上記アルキル置換基はメチル、エチル、イソプロピル、イソブチル等の特定長 の直鎖及び分枝鎖炭化水素を表す。 アルコキシ置換基は酸素橋を介して結合した上記のようなアルキル基を表す。 「ハロゲン」なる用語は、ヨウ素、塩素、臭素及びフッ素から選択される置換 基を表す。 本発明の特定化合物は式: 式中、 を有する化合物を含む。 本発明の他の化合物は式: 式中、 を有する化合物を含む。 本発明の更に他の化合物は下記化合物を含む。 本発明の新規化合物は一般に、適当なハロゲン化ベンズアルデヒドを適当に置 換したフェノールで処理し、式IIのフェノキシベンズアルデヒドを提供する方法 (図式1に示す)により製造される。その後、このベンズアルデヒドを適切な亜 リン酸ジアルキルと反応させ、ホスホン酸部分を鹸化すると式Iの化合物が得ら れる。 上記方法の出発材料は市販品又は文献から公知である。 本発明の化合物は、同様に本発明の範囲に含まれる種々の無機及び有機の酸及 び塩基と共に塩を形成する。このような塩はアンモニウム塩、ナトリウム及びカ リウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム及びマグネシウム塩などのアルカリ 土類金属塩、有機塩基との塩(例えばジシクロヘキシルアミン塩、N−メチル− D−グルカミン、アルギニン、リジンなどのアミノ酸との塩)を含む。 生理的に許容可能な非毒性塩が好適であるが、例えば生成物を単離又は精製す るには他の塩も有用である。 塩は、該塩が不溶性の溶媒もしくは媒体中又は後で減圧もしくは凍結乾燥によ り除去する水などの溶媒中で生成物の遊離酸形態を1当量以上の適当な塩基と反 応させるか、あるいは適切なイオン交換樹脂上で存在する塩のカチオンを別のカ チオンに交換するなどの慣用手段により形成することができる。 官能基を介して本発明の一般式Iの化合物を誘導体化し、親化合物にin v ivo逆変換可能なプロドラッグ誘導体を提供し得ることも理解されよう。プロ ドラッグ投与の概念は文献に広く記載されている(例えばA.A.Sin kula,Annual Reports in Medicinal Che mistry,10巻,R.V.Heinzelman編,Academic Press,New York−London,1975,31章,pp.30 6−326; H.Ferres,Drugs of Today,19:49 9−538(1983)及びJ.Med.Chem.,18:172(1975 ))。投与方法及び医薬組成物 本発明の式Iの化合物は種々の形態のホスホリパーゼCの酵素活性を阻害する ことができるので、慢性関節リウマチ、気腫、気管支炎症、骨関節炎、脊椎炎、 狼瘡、乾癬、急性呼吸障害症候群、痛風、リウマチ熱などの疾患で炎症を緩和し 、疼痛を軽減するために使用することができる。更に、該化合物は癌、特に原発 ヒト乳癌などのようにホスホリパーゼCに関連する所定の形態の癌を治療するた めに使用することができる。 式Iの化合物をin vivoで使用する場合には、医薬的に許容可能な慣用 非毒性キャリヤーを含有する投与単位製剤としてこのような化合物を経口、局所 、非経口、吸入スプレー又は直腸投与することができる。 従って、本発明は医薬的に許容可能なキャリヤーと共に式Iの化合物を含有す る医薬組成物も提供する。 本明細書中で使用する非経口なる用語は、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内 注射又は注入法を包含する。本発明の化合物はマウス、ラット、ウマ、イヌ、ネ コなどの哺乳動物の治療に加え、ヒトの治療にも有効である。 本発明の医薬組成物は式Iの化合物と投与経路に適した医薬キャリヤーとを含 有する。この型の医薬組成物の標準調製方法はRemington’s Pha rmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,PAに記載されている。 活性成分を含有する医薬組成物は錠剤、トローチ剤、甘味入り錠剤、水性もし くは油性懸濁液、分散性散剤もしくは粒剤、エマルジョン、硬質もしくは軟質カ プセル、又はシロップもしくはエリキシル剤などの経口用に適した剤形であり得 る。経口用組成物は当業者に公知の任意の医薬組成物製造方法により製造するこ とができ、このような組成物は医薬的にエレガントで美味な製剤を提供するため に、甘味剤、香味剤、着色剤及び保存剤から構成される群から 選択される1種以上の添加剤を含有し得る。 経口用製剤の1例は、医薬的に許容可能な非毒性賦形剤との混合物として活性 成分を含有する錠剤である。これらの賦形剤は例えば不活性希釈剤(例えば炭酸 カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリ ウム)、造粒剤及び崩壊剤(例えばトウモロコシ澱粉又はアルギン酸)、結合剤 (例えば澱粉、ゼラチン又はアラビアゴム)、並びに潤滑剤(例えばステアリン 酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルク)であり得る。錠剤はコーティングし なくてもよいし、公知技術によりコーティングし、胃腸管内での崩壊及び吸収を 遅らせ、長時間持続作用を提供するようにしてもよい。例えば、グリセリルモノ ステアレート又はグリセリルジステアレートなどの時間遅延剤を使用することが できる。 経口用製剤は更に、活性成分を例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又は カオリンなどの不活性固体希釈剤と混合した硬質ゼラチンカプセルの形態でもよ いし、活性成分を水又は例えば落花生油、液体パラフィンもしくはオリーブ油な どの油性媒体と混合した軟質ゼラチンカプセルの形態でもよい。 典型的錠剤又はカプセルは下記成分を含有し得る。 本発明の医薬組成物は水中油エマルジョンの形態でもよい。油相は例えばオリ ーブ油又は落花生油などの植物油でもよいし、例えば液体パラフィンなどの鉱油 でもよいし、その混合物でもよい。適切な乳化剤は天然産ガム(例えばアラビア ゴム又はトラガカントゴム)、天然産ホスファチド(例えば大豆レシチン)、及 び脂肪酸とヘキシトール無水物から誘導される部分エステル(例えばソルビタン モノオレエート)や、前記部分エステルとエチレンオキシドの縮合産物(例えば ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)を含むエステルであり得る。エ マルジョンは甘味剤や香味剤も含有し得る。 シロップ及びエリキシル剤には例えばグリセロール、ソルビトール又はスクロ ースなどの甘味剤を配合し得る。こ のような製剤は粘滑剤、保存剤、香味剤及び着色剤も含有し得る。医薬組成物は 注射可能な滅菌水性又は油性懸濁液の形態でもよい。この懸濁液は、適切な上記 分散剤、湿潤剤及び懸濁剤を用いて公知技術により調製することができる。 非経口組成物は慣用懸濁液、溶液、エマルジョン又は再構成用固体形態として 調製される。適切なキャリヤーは水、食塩水、デキストロース、ハンク液、リン ゲル液、グリセロールなどである。非経口投与は通常は皮下、筋肉内又は静脈内 注射により行われる。 注射可能な滅菌製剤は非経口投与用として許容可能な非毒性希釈剤又は溶剤中 の注射可能な滅菌溶液又は懸濁液であり得る。使用し得る許容可能なベヒクル及 び溶剤としては、水、1,3−ブタンジオール、リンゲル液及び等張塩化ナトリ ウム溶液が挙げられる。この他に、滅菌不揮発油も溶剤又は懸濁媒体として一般 に使用されている。この目的では合成モノ又はジグリセリドを含む任意の無刺激 性不揮発油を使用し得る。オレイン酸などの脂肪酸も注射可能製剤の調製に使用 される。 式Iの化合物は薬剤を直腸投与するために坐剤形態で投 与することもできる。これらの組成物は、常温では固体であるが直腸温度で液体 であり、従って直腸中で融解して薬剤を放出する適切な非刺激性賦形剤(例えば ココアバターやポリエチレングリコール)と薬剤を混合することにより調製する ことができる。 式Iの化合物をin vivoで使用する場合には、約0.2mg〜約300 mg、好ましくは約10mg〜約100mg/kg体重/日程度の用量レベルが 有用である。 水性懸濁液は通常は適当な賦形剤との混合物として活性物質を含有する。この ような賦形剤は懸濁剤(例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチル セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポ リビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアラビアゴム)、分散剤又は湿潤剤 (例えばレシチンなどの天然産ホスファチド)、アルキレンオキシドと脂肪酸化 物の縮合産物(例えばポリオキシエチレンステアレート)、エチレンオキシドと 長鎖脂肪アルコールの縮合産物(例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール) 、脂肪酸及びヘキシトールから誘導される部分エステルとエチレンオキシドの縮 合産物(例えばポリオキシエチレンソルビトールモノ オレエート)、又は脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導される部分エステル とエチレンオキシドの縮合産物(例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレ エート)である。水性懸濁液は更に1種以上の保存剤(例えばエチル、n−プロ ピル又はp−ヒドロキシベンゾエート)、1種以上の着色剤、1種以上の香味剤 及び1種以上の甘味剤(例えばスクロース又はサッカンリン)を含有し得る。 油性懸濁液は、活性成分を植物油(例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油又は ヤシ油)又は鉱油(例えば液体パラフィン)に懸濁することにより調製すること ができる。油性懸濁液は例えば蜜ろう、硬質パラフィン又はセチルアルコールな どの増粘剤も含有し得る。美味な経口製剤を提供するために上記のような甘味剤 及び香味剤も添加し得る。これらの組成物はアスコルビン酸などの酸化防止剤を 添加して保存処理し得る。 水を加えて水性懸濁液を調製するのに適した分散性散剤及び粒剤は、活性成分 と分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び1種以上の保存剤の混合物を提供する。適切な 分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤の具体例は上記の通りである。例えば甘味剤、香味 剤及び着色剤などの付加的賦形剤も配合し得る。 局所投与用医薬組成物はロウ膏、クリーム、軟膏、スプレー、散剤などの形態 であり得る。このような組成物には標準医薬キャリヤーを使用し得る。好ましく は、局所投与用組成物は0.05〜5%の活性成分を含有する。 典型的な局所クリーム製剤は下記成分を含有し得る。 典型的な軟膏製剤は下記成分を含有し得る。 本発明の化合物は、本明細書中に記載する医薬組成物及び方法でステロイド又 は非ステロイド抗炎症剤(NSAID)などの他の公知抗炎症/免疫抑制剤と併 用することができる。 上記症状の治療には0.2mg〜140mg/kg体重/日(10mg〜7g /患者/日)のオーダーの用量レベルが有用である。例えば化合物約0.5〜5 0mg/kg体重/日(25mg〜3.5g/患者/日)を投与すると炎症が有 効に治療され、抗発熱及び鎮痛作用が発現される。好ましくは、約2mg〜約2 0mg/kg体重/日(50mg〜1g/患者/日)の用量を使用すると、有効 な結果が得られる。 同様に、所定の形態の癌の治療には約0.1mg〜約20mg/kg体重/日 、好ましくは0.5mg〜約10mg/kg体重/日を投与する。 単一投与形態を製造するためにキャリヤー材料と組み合わせ得る活性成分の量 は治療する宿主及び特定の投与方法により異なる。例えばヒトに経口投与するた めの製剤は、組成物全体の約5〜95%に相当し得る適当な量のキャリヤー材料 に5mg〜5gの活性物質を配合し得る。投与単位形態は一般に約25mg〜約 500mgの活性成分を含有する。 任意の特定患者の特定用量レベルは通常は処方医師によって決定され、使用す る特定化合物の活性、年齢、体重、一般健康状態、性別、食事、投与時間、投与 経路、排泄頻度、併用薬剤及び治療する特定疾患の重篤度を含む種々の因子によ って異なる。 実験手順 実施例1 1−ヒドロキシ−1−(3−(3−クロロフェノキシ)フェニル)メチルホスホ ン酸 ステップA3−(3−クロロフェノキシ)ベンズアル デヒド 3−ブロモベンズアルデヒド(6.0g)、3−クロロフェノール(4.8g )、水素化ナトリウム(油中80%懸濁液1.3g)及び塩化第1銅(1g)の 混合物を窒素ガス雰囲気下にピリジン(125ml)中で16時間加熱還流した 。混合物を冷却し、水で希釈し、塩酸で酸性化し、ジエチルエーテルで抽出した 。エーテル抽出物を脱水(Na2SO4)し、濃縮し、酢酸エチル−石油エーテル (1:9)を溶離剤としてシリカゲル上でクロマトグラフィーにより精製し、標 記化合物を無色油状物として得た。ステップB1−ヒドロキシ−1−(3−(3−クロロ フェノキシ)フェニル)メチルホスホン酸 ジメチル 上記アルデヒド(1.5g)をトリエチルアミン(0.9ml)と亜リン酸ジ メチル(0.89ml)の混合物中で24時間撹拌した。混合物を減圧蒸発させ 、酢酸エチルから結晶させ、標記化合物を白色固体として得た。ステップC1−ヒドロキシ−1−(3−(3−クロロ フェノキシ)フェニル)メチルホスホン酸 ステップBのホスホン酸エステル(0.5g)を臭化ト リメチルシリル(0.96ml)で16時間処理した後、混合物を減圧蒸発させ 、残渣をメタノール(5ml)に10分間溶解した。溶液を濃縮し、残渣を水に 溶解し、凍結乾燥して標記化合物を白色固体として得た。1H NMR(360 MHz,d6DMSO)δ4.70(1H,d,J=14Hz), 6.91− 6.97(2H,m), 7.02(1H,t,J=2.2Hz), 7.13 (1H,d,J=1.5Hz), 7.17(1H,d,J=6.2Hz), 7.23(1H,d,J=7.4Hz), 7.32−7.40(2H,m)。 適当に置換したフェノールを用いて実施例1の方法により実施例2〜7の化合 物を調製した。 実施例2 1−ヒドロキシ−1−(3−フェノキシフェニル)メチルホスホン酸 1H NMR(360MHz,D2O)δ4.93(1H,d,J=12.8H z), 7.00(1H,d,J=8.1Hz), 7.08(2H,d,J= 7.8Hz),7.14(1H,d,J=1.9Hz), 7.20(1H,t ,J=7.6Hz), 7.25(1H,d,J= 7.6Hz), 7.38−7.45(3H,m)。 実施例3 1−ヒドロキシ−1−(3−(3,4−ジクロロフェノキシ)フェニル)メチル ホスホン酸 1H NMR(360MHz,d6DMSO)δ4.70(1H,d,J=14 .3Hz), 6.94−7.01(2H,m), 7.12(1H,d,J= 1.7Hz),7.23−7.25(2H,m), 7.35(1H,t,J= 7.8Hz), 7.61(1H,d,J=8.9Hz)。 実施例4 1−ヒドロキシ−1−(3−(4−クロロフェノキシ)フェニル)メチルホスホ ン酸 1H NMR(360MHz,d6DMSO)δ4.67(1H,d,J=14 .3Hz), 6.88(1H,d,J=7.0Hz), 7.00−7.02 (2H,dd,J=2.1及び8.9Hz), 7.09(1H,s),7.1 9(1H,d,J=7.0Hz), 7.31(1H,t,J=7.0Hz), 7.39−7.42(2H,dd,J=2.1及び8.9Hz)。 実施例5 1−ヒドロキシ−1−(3−(2−クロロフェノキシ)フェニル)メチルホスホ ン酸 1H NMR(360MHz,d6DMSO)δ4.68(1H,d,J=14 .3Hz), 6.79(1H,d,J=8.0Hz), 7.03−7.06 (2H,m),7.17−7.21(2H,m), 7.27−7.36(2H ,m), 7.58(1H,dd,J=8.0及び1.6Hz)。 実施例6 1−ヒドロキシ−1−(3−(4−メトキシフェノキシ)フェニル)メチルホス ホン酸 1H NMR(360MHz,d6DMSO)δ3.74(3H,s), 4. 65(1H,d,J=14.2Hz), 6.76(1H,d,J=7.8Hz ), 6.93−7.02(5H,m), 7.09(1H,d,J=7.8H z), 7.23(1H,t,J=7.8Hz)。 実施例7 1−ヒドロキシ−1−(3−(4−メチルフェノキシ)フェニル)メチルホスホ ン酸 1H NMR(360MHz,d6DMSO)δ2.28(3H,s), 4. 65(1H,d,J=14.2Hz), 6.80(1H,d,J=8Hz), 6.90(2H,d,J=9Hz), 7.04(1H,d,J=1.5Hz ), 7.12(1H,d,J=8Hz), 7.17(2H,d,J=9Hz ), 7.27(1H,t,J=8Hz)。 実施例8 1−ヒドロキシ−1−(3−(4−ヒドロキシフェノキシ)フェニル)メチルホ スホン酸 4−メトキシフェノールを用いて実施例1A)及び1B)の方法により1−ヒ ドロキシ−1−(3−(4−メトキシフェノキシ)フェニル)メチルホスホン酸 ジメチルを調製した。この化合物(150mg)を窒素雰囲気下に−78℃で無 水ジクロロメタン(10ml)に溶解し、この溶液を三臭化ホウ素(ジクロロメ タン中1M溶液4ml)で処理した。溶液を20℃まで昇温させた後、減圧濃縮 した。残渣を臭化トリメチルシリル(1.2ml)で3時間処理した後、濃縮し てメタノールに溶解した。10分後に溶液を減圧濃縮した。残渣を水に溶解し、 凍結乾燥して標記化 合物を白色固体として得た。1H NMR(360MHz,D2O)δ4.93( 1H,d,J=12.6Hz),6.88−7.02(5H,m), 7.07 (1H,d,J=1.8Hz), 7.19(1H,d,J=7.5Hz), 7.37(1H,t,J=7.5Hz)。 実施例9 1−ヒドロキシ−1−(4−(3−クロロフェノキシ)フェニル)メチルホスホ ン酸 ステップA4−(3−クロロフェノキシ)ベンズアル デヒド 3−クロロフェノール(1.9g)を窒素雰囲気下に110℃で4−フルオロ ベンズアルデヒド(1.8g)及び水素化ナトリウム(油中80%懸濁液0.4 6g)と共に16時間撹拌した。溶液を水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出し た。エーテル抽出物を脱水(Na2SO4)し、濃縮し、酢酸エチル−石油エーテ ル(1:9)を溶離剤としてシリカゲル上でクロマトグラフィーにより精製し、 標記化合物を無色油状物として得た。ステップB1−ヒドロキシ−1−(4−(3−クロロ フェノキシ)フェニル)メチルホスホン酸 実施例1B)及び1C)の方法を使用して4−(3−クロロフェノキシ)ベン ズアルデヒドから標記化合物を調製した。1H NMR(360MHz,d6DM SO)δ4.69(1H,d,J=13.6Hz), 6.92−7.02(4 H,m), 7.15−7.18(1H,m),7.37−7.46(3H,m )。 実施例10 1−ヒドロキシ−1−(4−(3−エチルフェノキシ)フェニル)メチルホスホ ン酸 3−エチルフェノールを用いて実施例9の方法により標記化合物を調製した。1 H NMR(30OMHz,d4MeOH/CDCl3)δ1.21(3H,t ,J=7.6Hz), 2.61(2H,q,J=7.6Hz), 4.90( 1H,d,J=11.7Hz), 6.78(1H,dd,J=2.1及び8. 0Hz), 6.84(1H,s), 6.94(1H,d,J=7.0Hz) , 6.97(2H,d,J=8.6Hz), 7.22(1H,t,J=7. 8Hz), 7.46(2H,dd,J=1.8及び8.6Hz)。 実施例11 1−ヒドロキシ−1−(4−(3−メトキシフェノキシ)フェニル)メチルホス ホン酸 3−メトキシフェノールを用いて実施例9の方法により標記化合物を調製し、 メタノールと酢酸エチルの混合物中でシクロヘキシルアミンで処理し、次いで濾 過及び脱水することによりビスシクロヘキシルアンモニウム塩に変換した。1H NMR(360MHz,D2O)δ1.14−1.40(10H,m), 1 .63−1.67(2H,m),1.77−1.81(4H,m), 1.96 −1.99(4H,m), 3.09−3.16(1H,m), 3.80(3 H,s), 4.71(1H,d,J=11.4Hz), 6.71−6.73 (2H,m), 6.78−6.81(1H,m), 7.06(2H,d,J =8.6Hz), 7.32−7.37(1H,m), 7.48(2H,d, J=8.6Hz)。 実施例12 ホスホリパーゼCγの阻害を評価するアッセイ手順 概要 コンピテントDH5α細胞(サブクローニング効率)はGIBCO/B RL(Gaithersburg,MD)から入手した。コンピテントBL21 (DE3)細 胞はNovagen(Madison,WI)から購入した。PCR突然変異誘 発は文献手順(Higuchi,1990)に従って実施した。一般クローニン グベクターpBSII(S/K)+はStratagene(La Jolla, CA)から入手した。pT5Tは文献の記載に従って構築した(Eisenbe rgら,1990)。DNA配列決定はジデオキシ鎖終結法(Sangerら, 1977)を用いて遺伝子の該当部分の配列修飾毎に実施し、野生型cDNAへ の変異を確認した。文献に記載されているように標準DNA操作を実施した(S ambrookら,1989)。 オリゴヌクレオチド Midland Certified Reagent Co.(Midland,TX)から合成デオキシリボヌクレオチドを入手し た。オリゴヌクレオチドの配列(5’→3’)は以下の通りである。 PLC−γコーディング配列のサブクローニング ラット脳ポリ(A)RNA を鋳型として用いて文献手順(Sanbrook,J.ら,Molecular Cloning: A Laboratory Manual,Cold S pring Harbor Laboratory Press,Cold S pring Harbor,NY)によりラット脳cDNAを合成した。報告さ れているラット脳PLC−γ1のcDNA配列(Suh,P.−G., Ryu ,S.H., Moon,K.H., Suh,H.W., & Rhee,S .G.(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5 419−5423)からPLC−γ1遺伝子の5’末端に相補的な配列の上流に BamHI制限部位を含むPCR プライマー(プライマー01)と、PLC−γ遺伝子の3’末端の下流にHin dIII部位を含むPCRプライマー(プライマー04)を合成した。上記ラット 脳cDNAと共に鋳型としてこれらのプライマー(01及び04)を用いてPC Rを実施し、5’BamHI部位と3’HindIII部位で挟まれた完全ラット 脳PLC−γ1コーディング配列をもつDNAフラグメントを生成する。PLC −γのコーディング配列を含むこのBamHI−HindIIIフラグメントをp BSII(S/K)+にサブクローニングし、pPLC1を生成した。その後の操 作はPCRを用いて実施し、適当なDNAフラグメントを生成した。Eisen berg,S.P., Evans,R.J., Arend,W.P., V erderber,E., Brewer,M.T., Hannum,C.H .,& Thompson,R.C.(1990) Nature(Londo n)343:341−346に記載されているように、PLC−γ1の発現物を 最終的に翻訳によってpT5Tベクターのφ10遺伝子に結合する配列と新しい BamHI部位とを含むようにPLC−γ1遺伝子の5’末端を改変した。 プライマー01及び02を使用して5’BamHI部位と3’EcoRI部位 を含む508bpフラグメントを(鋳型DNApPLC1から)生成した。pP LC1の類似フラグメントをこの新しい制限フラグメントに置換え、pPLC2 を生成した。 pPLC2を鋳型とし、第1の当然変異体フラグメントを生成するためにプラ イマー03−05、第2の突然変異体フラグメントを生成するためにプライマー 04−06を用いてPCRによる突然変異誘発を利用して3’末端を再構築し、 (モノクローナル抗体YL1/2により認識される)エピトープタグGlu−G lu−Phe(Kilmartin,J.V., Wright,B., & Milstein,C.(1982)J.Cell.Biol.93:576− 582)をコードするDNA配列を付加し、アミノ酸944〜945位と127 9〜1280位のタンデムAGG−AGGコドンをCGG−CGGに改変した。 タンデムAGGコドンは大腸菌におけるタンパク質の不良な発現に関連する(B onekamp,F.,& Jensen,K.(1988)Nucl.Aci ds Res.17:3013−3024)。 これらのPCRの各々から単離した突然変異体フラグメントを集めて鋳型とし て使用し、プライマー03−06を用いて最終PCRを実施し、制限酵素消化後 にSphI及びHindIIIフラグメントを生成し、pPLC2中の類似フラグ メントをこれらのフラグメントに置換えた。得られたプラスミドpPLC3はB amHI−HindIIIフラグメント上にPLC−γ1遺伝子のコーディング配列 を含み、3’末端のGlu−Glu−Pheタグをコードする配列と改変AGG コドンを含んでいた。図3は酵素をコードする最終cDNA配列とそのエピトー プタグを示す(配列番号3)。最後にpPLC3からのBamHI−HindII IフラグメントをpT5TのBamHI−HindIII部位に移入し、pT5T− PLC4を生成した。この構築物を用いてpT5Tベクターでp10タンパク質 の発現物に翻訳によって結合したPLC−γ1(C末端にGlu−Glu−Ph eエピトープタグを含む)を生成した。 PLC−γ1の発現及び精製 PLC−γ1を発現させるために、プラスミドp T5T−PLC4を大腸菌BL21(DE3)に形質転換した。550nmにお ける培養物の光学密度が0.8に等しくなるまで、形質転換した細胞を アンピシリン(100μg/ml)とテトラサイクリン(12.5μg/ml) を含むLB培地で20℃で増殖させた。この形質転換細菌細胞はATCCに寄託 し、受託番号ATCC69421を付された。次にイソプロピルβ−D−チオガ ラクトピラノシド(最終濃度0.5mM)を培養物に加えることによりPLC− γ1の発現を誘発した。更に6時間増殖後、細胞を回収し、PLC−γ1を以下の ように精製した。細胞ペレットを50mM Tris−Cl(pH8.0)、2 mM MgCl2、10mM CaCl2、1mM EGTA、5mM DTT、 5mM硫酸ストレプトマイシン、1mM PMSF、2μg/mlロイペプチン 、2μg/mlアンチパイン、10μg/mlアプロチニンからなる標準緩衝液 に再懸濁(約5g湿潤充填細胞/10ml緩衝液)することによりPLC−γを 大腸菌から単離した。再懸濁した細胞を音波処理によって破壊し、細胞破片を4 ℃で30分間30,000×gで遠心してペレット化した。可溶性フラクション を臭化シアノゲンで活性化したSepharoseに結合したモノクローナル抗 体YL1/2(4mg抗体/ml樹脂)の2mlカラムに約0.5ml/min の流速で加えた。エピトープ タグGlu−Glu−Pheと結合するYL1/2Sepharoseカラムは 標準緩衝液で予め平衡化しておいた。タンパク質をカラムに充填後、カラムを標 準緩衝液(100ml)で洗浄し、PLC−γを標準緩衝液中5mM Asp− Pheジペプチド(Sigma)3×5mlで溶離した。カラムをリン酸緩衝塩 類溶液(PBS)+2M NaClで洗浄して再生した後、PBS+0.02% NaN3(wt/vol)に浸して保存した。出発時の総可溶性大腸菌タンパク 質を基にして0.05〜0.5%の収率で>80%純度のPLC−γ1を得た。 場合によってはPLC−γ1を更に精製した。これは通常の薬剤スクリーニング には不要である。PLC−γ1を更に精製するために、YL1/2カラムから溶 離したタンパク質を、緩衝液Aを標準緩衝液とし且つ緩衝液Bを標準緩衝液+1 MKClとしてMonoQHR10−10カラム(Pharmacia)上でH PLCによりクロマトグラフィーにかけた。40分間に0→30%B、50分間 に30→50%B、70分間に50→100%Bの勾配を用いてカラムを1ml /minで溶離した。PLC−γ1は約25〜30%Bで溶出した。 精製PLC−γ1活性のアッセイ 精製PLC−γ1の活性を30℃でアッセイ した。制限基質を基にして完了度が10%を越えるまで反応が進行しないように した。典型的反応混合物は、50mM HEPES(pH7.5)、0.1%デ オキシコレート、3mM CaCl2、1mM EGTA、0.1mM DTT 及び基質としてホスファチジルイノシトール(1〜1000μM)(PI)と0 .02μCi[3H]ホスファチジルイノシトール(PI)を含有していた。リ ン脂質成分を温和な窒素流下に乾燥し、アッセイ緩衝液に再懸濁した。次に基質 混合物を渦形成及び音波処理(プローブ音波処理装置を用いて10秒間)し、脂 質を分散させ、ミセルを形成した。酵素の不在下でアッセイ混合物を熱によって 予備平衡化後、PLC−γ1を加えて反応を開始した。1/4容量の1N HC l、5mMEGTAを加えて0.2mlアリコートを含む反応混合物の反応を停 止し、氷浴に移した。次に反応を停止した混合物をQセファロース(Pharm acia)カラムに濾過した。Qセファロースカラムを調製するには、Q Se pharoseスラリー1mlを使い捨てプラスチックカラムに加える。10m M NH42PO4(pH3.5)2 0mlに通じることにより樹脂を平衡化する。典型的には200μlの反応停止 混合物をカラムに加え、10mMNH42PO4(pH3.5)3mlを加え、 この段階からの流出液をシンチレーションバイアルに集め、シンチレーション液 10mlと混合し、Beckman LS3801シンチレーションカウンター で計数する。 本発明の化合物の阻害活性のアッセイ 酵素を加える前に上記アッセイ混合物 に既知濃度の式Iの化合物を加えることにより、PLC−γ1に対する式Iの化 合物の阻害活性を評価した。アッセイから計算した相対阻害濃度を表1及び2に 示す。 実施例13 ホスホリパーゼC−β及びδの阻害を評価するアッセイ手順 ウシ脳からのホスホリパーゼC−β及びδの精製 PLC−βはS.G.Rheeら,Meth.Enzym.,197:502 −511(1991)に記載されているようにして得られる。特にPLC−δは ウシ脳のサイトゾルフラクションから精製し、PLC−βは主に粒状フラクショ ンから得られる。もっとも、PLC−βの粒状形態とサイトゾル形態はアミノ酸 配列が同一であるので、サイトゾルPLC−δの精製中にプールしたPLC−β を含むフラクションを粒状フラクションからのPLC−βフラクションと合わせ る。合計36個のウシ脳を精製に用いる。12個の脳を一度に処理する。ステップ1サイトゾルフラクションと粒状フラクショ ンの分離 12個のウシ脳を地方の畜殺場から新たに入手し、20mM Tris−HC l(pH7.4)、5mM EGTA、2mMフェニルメチルスルホニルフルオ リド(PMSF)及び0.1mM DTTを含有する緩衝液6.6リッ トルを用いてWaringブレンダーで大脳(3.3kg)を均質化する。ホモ ジネートを30分間13,000×gで4℃で遠心する。沈殿と上清の両者をそ れぞれステップ2及び3に備えて保存する。ステップ2粒状フラクションからの抽出物の調製 ステップ1からの沈殿を同一均質化緩衝液(6.6リットル)に再懸濁し、再 び均質化して細胞を完全に破壊する。ホモジネートを13,000×gで30分 間遠心する。ペレットを洗浄して均質化緩衝液中2M KClに懸濁し、4℃で 2時間撹拌する。次に懸濁液を13,000×gで90分間遠心する。固体塩を 加えて上清を60%(NH42SO4飽和にする。この懸濁液を13,000× gで30分間遠心し、ペレットを均質化緩衝液500mlに懸濁し、懸濁液を均 質化緩衝液に対して一晩透析する。透析した溶液を13,000×gで30分間 遠心して不溶性粒子を除去し、まだかなり濁っている上清を−20℃に維持し、 他の2回の同様の調製物からの透析溶液と合わせる。ステップ3サイトゾル抽出物の調製 ステップ1からの上清に1M酢酸を加えてpH4.8に 調節する。4℃で30分後、遠心により沈殿を集め、均質化緩衝液1リットルに 溶解する。不溶分を13,000×gで30分間遠心してペレット化し、濁った 上清を除去してステップ4に備える。ステップ4DEAE−セルロース上のイオン交換クロ マトグラフィー 20mM Tris−HCl(pH7.6)、1mMEGTA、0.1mM DTTで平衡化しておいたDE−52 DEAE−セルロース(Whatman Biosystems,Maidstone,UK)カラム(8×40cm) にステップ3からの上清を加える。50mMTris−HCl(pH7.6)、 1mM EGTA及び0.1mM DTT中0→225mM KClの6リット ル直線KCl勾配を用いてカラムを溶離する。3個のPLC活性ピークが溶出し 、これらのピークフラクションを別々にプールする。PLC−δを含む第1のピ ークを次のステップで直接更に精製する。PLC−βを含む第2のピークフラク ションは約100mlまで濃縮し、ステップ2からの粒状フラクションの抽出物 と合わせる。PLC−γを含む第3のピークフラクションは廃棄する。PLC−δの精製 ステップ5PLC−δのヘパリン−アガロースクロマ トグラフィー 前ステップからプールしたPLC−δフラクション(750ml)を20mM HEPES(pH7.0)、0.1mM DTT及び1mM EGTAで平衡 化したヘパリン−アガロースカラム(5×15cm)に直接加える。平衡化緩衝 液中100→700mM NaClの1.8リットルNaCl直線勾配を用いて カラムを溶離する。ピークフラクション(240ml)をプールし、Amico n(Danvers,MA)濾過装置で約10mlまで濃縮し、凍結保存して他 の2回の同様の調製物からのPLC−δの濃縮フラクションと合わせる。ステップ6TSKフェニル−5−PW上のPLC−δ の逆相クロマトグラフィー ステップ5からの混合濃縮フラクション(35ml)に固体KClを加えて最 終濃度を3Mとし、混合物を遠心して変性タンパク質を除去する。20mM H EPES(pH7.0)、3M KCl、1mM EGTA及び0.1mM D TTで平衡化した高性能液体クロマトグラフィー (HPLC)分取TSKフェニル−5−PWカラム(21.5×150mm;B io−Rad,Richmond,CA)に5.0ml/minの流速で上清を 加える。10分間に3→1.2M KClの減少KCl勾配と20分間に1.2 →0M KClの減少KCl勾配を用いて5.0ml/minで溶離を続ける。 PLC活性を含むフラクション(25ml)をプールし、20mM MOPS緩 衝液(pH5.7)、0.1mM DTT、1mM EGTAを用いてAmic on濾過装置で洗浄し、最終的に約10mlまで濃縮する。ステップ7Mono Sカラム上のPLC−δのイオ ン交換クロマトグラフィー ステップ6からの洗浄タンパク質溶液(〜10ml)を20mM MOPS( pH5.7)、0.1mM DTT及び1mM EGTAで平衡化したMono Sカラム(70×6mm、Pharmacia,Piscataway,NJ )に1.0ml/minの流速で加える。20分間に0→300mM NaCl 及び10分間に300mM→1MのNaCl勾配を用いて1.0ml/minの 流速で溶離を続ける。ピークフラクション(1.2ml)を 手作業で集め、20mM HEPES(pH7.0)2mlで希釈し、Cent riconマイクロコンセントレーター(Amicon)で約0.5mlまで濃 縮し、アリコートに分離し、−20℃で保存する。収率2〜4%で合計0.3〜 0.6mgの均質PLC−δが得られる。PLC−βの精製 ステップ8DEAE−セルロース上のPLC−βのイ オン交換クロマトグラフィー ステップ2及び3からの合計タンパク質溶液は濁っているため、DEAE−セ ルロースカラムで直接クロマトグラフィーにかけることができない。そこで、バ ッチ手順後にカラム段階を実施する2段階DEAE−セルロースクロマトグラフ ィーを用いる。バッチ段階では、5mM EGTAと0.1mM DTTを含有 する20mM Tris−HCl(pH7.6)で平衡化したDEAE−セルロ ース2リットルに合計タンパク質を全て吸収させる。DEAE−セルローススラ リーを撹拌後、4リットル容焼結ガラス(粗目)濾過用漏斗で集める。濁った脂 質分と未結合タンパク質が除去されるまでDEAE−セルロースを平衡化緩衝液 で洗浄する。カラム手順のために、洗浄したDEAE −セルロースを濾過用漏斗から取り出し、平衡化緩衝液と混合し、平衡化したD EAE−セルロースの10cm高ベッドを既に含むカラムに注ぐ(最終寸法8× 45cm)。50mM Tris−HCl(pH7.6)、1mM EGTA及 び0.1mM DTTを含有する0→300mMKCl緩衝液の8リットル直線 勾配を用いて8ml/minの流速でカラムを溶離する。活性ピークは110m MのKCl濃度で溶出する。ピークフラクション(600ml)をプールする。ステップ9PLC−βのヘパリン−アガロースクロマ トグラフィー 20mM HEPES(pH7.0)、100mM NaCl、0.1mM DTT及び1mM EGTAで平衡化したヘパリン−アガロースカラム(5×2 5cm)にステップ8からのプールしたフラクション(600ml)を加える。 平衡化緩衝液1.5リットル中100→500mM NaClの直線勾配を用い てカラムを溶離する。ピークフラクション(310ml)をプールし、Amic onフィルターで27mlまで濃縮する。ステップ10TSKフェニル−5−PW上のPLC− βの逆相クロマトグラフィー ステップ9からの濃縮フラクションに固体KClを加えて濃度を3Mとし、混 合物を遠心して変性タンパク質を除去する。20mM HEPES(pH7.0 )、3M KCl、1mM EGTA及び0.1mM DTTで平衡化したHP LC分取フェニル−5−PWカラム(150×215mm)に5ml/minの 流速で上清を加える。15分間に3→1.2Mの減少KCl勾配と20分間に1 .2→0Mの減少勾配を用いて5ml/minで溶離を続ける。次にKClを含 まない緩衝液でカラムを洗浄する。PLC活性の2つのピークの各々を含むフラ クション(フラクションM1は15ml及びフラクションM2は13ml)を別 々に集める。プールした溶液をKClを含まない20mMHEPES(pH7. 0)で洗浄し、Amiconフィルター濃縮操作で5mlまで濃縮する。SDS −ポリアクリルアミドゲル上で分析すると、フラクションM1及びM2はそれぞ れ150kDa(PLC−β1)及び140kDa(PLC−β2)形態のPLC を含むことが判明する。この2形態は免疫的に区別できない。PLC−β2がP LC−β1のタンパク分解フラグメントであるか又はスプラ イシングの態様が異なるmRNAの産物であるかは不明である。約15mgのP LC−β1と8mgのPLC−β2が得られる。 本発明の化合物の阻害活性のアッセイ 酵素の添加前に実施例12のPLC− γの代わりに上記のように得たPLC−βを用いた以外は実施例12に記載した アッセイ混合物と同様のアッセイ混合物に既知濃度の式Iの化合物を加えること により、PLC−βに対する式Iの化合物の阻害活性を評価した。アッセイから 計算した相対阻害濃度を表3及び4に示す。 酵素の添加前に実施例12のPLC−γの代わりに上記のように得たPLC− δを用いた以外は実施例12に記載したアッセイ混合物と同様のアッセイ混合物 に既知濃度の式Iの化合物を加えることにより、PLC−δに対する式Iの化合 物の阻害活性を評価する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12N 9/99 9152−4B C12N 9/99 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CZ,E E,FI,GE,HU,JP,KG,KR,KZ,LK ,LR,LT,LV,MD,MG,MN,NO,NZ, PL,RO,RU,SI,SK,TJ,TT,UA,U S,UZ (72)発明者 マクラウド,アンガス・エム イギリス国、ハートフオードシヤー・シ ー・エム・23・4・ジエイ・イー、ビシヨ ツプス・ストーフオード、アボツツ・ウエ イ・24 (72)発明者 マーチヤント,ケビン・ジエイ イギリス国、ハートフオードシヤー・シ ー・エム・23・3・ワイ・エル、ビシヨツ プス・ストーフオード、レツド・ライオ ン・コート・29

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.構造式I: [式中、 R1及びR2は独立して a)水素、及び b) から選択され、但しR1が水素の場合にはR2は置換基b)であり、R2が水素の 場合にはR1は置換基b)であり、 R3、R4、R5及びR6は a)水素、 b)ハロゲン、 c)C1−C4アルキル、 d)C1−C4アルコキシ、及び e)ヒドロキシ から構成される群から独立して選択され、但しR3、R4、R5及びR6のうちの少 なくとも1個は水素以外の置換基であり、R3とR4は同時にメチルとならない] の化合物、又は医薬的に許容可能なその塩もしくはエステル。 2.式: 式中、 を有する請求項1に記載の化合物。 3.式: 式中、 を有する請求項1に記載の化合物。 4.治療的に有効な量の請求項1に記載の化合物と医薬的に許容可能なキャリヤ ーを含有する医薬組成物。 5.阻害治療を必要とする非ヒト哺乳動物におけるホスホリパーゼCの阻害方法 であって、前記治療を必要とする非ヒト哺乳動物に治療的に有効な量の構造式I : [式中、 R1及びR2は独立して a)水素、及び b) から選択され、但しR1が水素の場合にはR2は置換基b)であり、R2が水素の 場合にはR1は置換基b)であり、 R3、R4、R5及びR6は a)水素、 b)ハロゲン、 C)C1−C4アルキル、 d)C1−C4アルコキシ、及び e)ヒドロキシ から構成される群から独立して選択され、但しR3、R4、R5及びR6のうちの少 なくとも1個は水素以外の置換基であるか、又は R3とR4又はR4とR5は一緒になって−CH2CH2CH2CH2−ジラジカルを形 成する] の化合物又は医薬的に許容可能なその塩もしくはエステルを投与する前記方法。 6.化合物が下記化合物: 式中、 から選択される請求項5に記載のホスホリパーゼCの阻害方法。 7.化合物が下記化合物: 式中、 から選択される請求項5に記載のホスホリパーゼCの阻害方法。 8.化合物が下記化合物: から選択される請求項5に記載のホスホリパーゼCの阻害方法。 9.阻害治療を必要とする非ヒト哺乳動物におけるホスホリパーゼCの阻害方法 であって、前記治療を必要とする非ヒト哺乳動物に治療的に有効な量の請求項1 に記載の化合物を投与する前記方法。 10.癌の治療を必要とする非ヒト哺乳動物における癌の治療方法であって、前 記治療を必要とする非ヒト哺乳動物に治療的に有効な量の構造式I: [式中、 R1及びR2は独立して a)水素、及び b) から選択され、但しR1が水素の場合にはR2は置換基b)であり、R2が水素の 場合にはR1は置換基b)であり、 R3、R4、R5及びR6は a)水素、 b)ハロゲン、 c)C1−C4アルキル、 d)C1−C4アルコキシ、及び e)ヒドロキシ から構成される群から独立して選択され、但しR3、R4、R5及びR6のうちの少 なくとも1個は水素以外の置換基であるか、又は R3とR4又はR4とR5は一緒になって−CH2CH2CH2CH2−ジラジカルを形 成する] の化合物又は医薬的に許容可能なその塩もしくはエステルを投与する前記方法。 11.治療する癌形態が乳癌である請求項10に記載の非ヒト哺乳動物における 癌の治療方法。 12.癌の治療を必要とする非ヒト哺乳動物における癌の治療方法であって、前 記治療を必要とする非ヒト哺乳動物に治療的に有効な量の請求項1に記載の化合 物を投与する前記方法。 13.炎症の治療を必要とする非ヒト哺乳動物における炎症の治療方法であって 、前記治療を必要とする非ヒト哺乳動物に治療的に有効な量の構造式I: [式中、 R1及びR2は独立して a)水素、及び b) から選択され、但しR1が水素の場合にはR2は置換基b)であり、R2が水素の 場合にはR1は置換基b)であり、 R3、R4、R5及びR6は a)水素、 b)ハロゲン、 c)C1−C4アルキル、 d)C1−C4アルコキシ、及び e)ヒドロキシ から構成される群から独立して選択され、但しR3、R4、R5及びR6のうちの少 なくとも1個は水素以外の置換基であるか、又は R3とR4又はR4とR5は一緒になって−CH2CH2CH2CH2−ジラジカルを形 成する] の化合物又は医薬的に許容可能なその塩もしくはエステルを投与する前記方法。 14.炎症の治療を必要とする非ヒト哺乳動物における炎症の治療方法であって 、前記治療を必要とする非ヒト哺乳動物に治療的に有効な量の請求項1に記載の 化合物を投与する前記方法。 15.良性上皮過形成の治療を必要とする非ヒト哺乳動物における良性上皮過形 成の治療方法であって、前記治療を必要とする非ヒト哺乳動物に治療的に有効な 量の構造式I: [式中、 R1及びR2は独立して a)水素、及び b) から選択され、但しR1が水素の場合にはR2は置換基b)であり、R2が水素の 場合にはR1は置換基b)であり、 R3、R4、R5及びR6は a)水素、 b)ハロゲン、 c)C1−C4アルキル、 d)C1−C4アルコキシ、及び e)ヒドロキシ から構成される群から独立して選択され、但しR3、R4、R5及びR6のうちの少 なくとも1個は水素以外の置換基であるか、又は R3とR4又はR4とR5は一緒になって−CH2CH2CH2CH2−ジラジカルを形 成する] の化合物又は医薬的に許容可能なその塩もしくはエステルを投与する前記方法。 16.良性上皮過形成の治療を必要とする非ヒト哺乳動物における良性上皮過形 成の治療方法であって、前記治療を必要とする非ヒト哺乳動物に治療的に有効な 量の請求項1に記載の化合物を投与する前記方法。
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JP2011140492A (ja) * 2004-02-20 2011-07-21 Sanofi-Aventis Deutschland Gmbh グリメピリド誘導及びインスリン誘導グリコシルホスファチジルイノシトール特異的ホスホリパーゼc制御

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