JPH09505016A - 衝突判別の誤りを減らすシステムおよび方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 安全装置の作動を多分必要とする事象に応答して車両乗客安全装置の作動を制御するシステムおよび方法であって、修正微分尺度を、その時間的に前の値の絶対値（20）をその現在の値から減する（22）ことにより、受け取った車両加速度情報 a(t)から発生し、それにより時間的に前の負の値により導入される歪みをかなり減少させる。得られる修正ジャーク尺度は、時間的に前の負の値に遭遇したとき公称ジャーク尺度か役立つ尺度となることができない傾向がある場合、衝突事象を判別するのに公称ジャーク尺度より役に立つ。

Description

【発明の詳細な説明】 衝突判別の誤りを減らすシステムおよび方法発明の背景 本発明は、車両安全装置の作動を制御するシステムおよび方法に関し、更に詳 細に述べれば、安全装置を作動させる必要が多分ある事象を分析するのに一つ以 上の評価尺度を利用するシステムおよび方法であって、各尺度が瞬時車両加速度 情報および／または車両内の固定構造物に対する乗客の瞬時位置のような受け取 った物理的情報の関数であり、且つ少なくとも一つの尺度が受け取った物理的情 報またはその関数を時間に関して微分することにより計算されるシステムおよび 方法に関する。 車両安全装置を作動させる多様なシステムおよび方法は当業者には周知である 。このようなシステムは衝突状態のような事象を検知し、このような事象に応答 して、エアバッグを作動させ、またはシートベルトをロックし、またはシートベ ルト牽引器用予備緊張装置を作動させるのに使用される。典型的には、安全装置 は、所定の規模を超える衝撃が作動システムにより検出されるとその保護位置ま で作動される。 有意に、車両安全装置の作動を制御する既知のシステムおよび方法は安全装置 を作動させるか否かを決定するのに典型的に一つ以上の予想物理量の変化または 衝突判別「尺度」に頼っている。しばしば、これら評価尺度の一つ以上（または これら尺度の決定に役立つ中間尺度）が 瞬時車両加速度情報および／または車両内部の固定構造物に対する乗客の瞬時位 置のような受け取った物理的情報を時間に関して微分することにより得られる。 このような既知の尺度の一つ、ジャーク値または「加速度の傾斜」値、は受け取 った車両加速度情報を時間にわたり微分することにより得られる。他の既知の尺 度、分散−−それ自身所定数の抜き取り値間の変動の統計的尺度である−−は受 け取った加速度情報を記憶し、等級順に並べ、記憶したサンプル内の最高順位の 加速度値およびサンプル内の最低順位の加速度値を、一時的変動値を最高順位値 と最低順位値との間の差の絶対値であるとして得るようにすることにより得られ る。 しかし、残念ながら、ジャーク値または分散値を計算するときのように、微分 情報を使用することは情報の瞬時値が負になるときは、問題になる。小さい正の 値から大きい負の数を減すると更に大きい正の値さえ発生し、これが今度はその 微分情報に基づく分析を非常に歪める傾向があるからである。事実、波形が小さ い平均値の周りで共鳴する場合、または路面入力が粗い場合でさえ、正ジャーク または正分散に基づく累積尺度は、その値がそのトリガー閾値を急速に超え、事 象の真の性格に関係なく（衝突または事象が安全装置の作動を必要としようとな かろうと）安全装置を作動させることになるから、急速に無意味になる。発明の概要 基礎的情報について負の値が生ずるとき間違った「オン」状態を誤って示す可 能性の少ない微分受け取り情報に基づく評価尺度を特徴とする車両乗客安全装置 の作動を制御する改良されたシステムおよび方法を提供することが本発明の目的 である。 本発明の他の目的は衝突判別におけるその効用が負の加速度値に部分的に基づ くとき減少しない「加速度の傾斜」尺度を特徴とする車両乗客安全装置の作動を 制御する改良されたシステムおよび方法を提供することである。 本発明の他の目的は衝突判別におけるその効用が負の加速度値に部分的に基づ くとき減少しない「加速度の分散」尺度を特徴とする車両乗客安全装置の作動を 制御する改良されたシステムおよび方法を提供することである。 本発明のもとでは、装置の作動を多分必要とする事象に応答して車両乗客安全 装置の作動を制御するシステムおよび方法において、受け取った車両加速度情報 または瞬時乗客位置情報のような受け取った物理的情報、またはそれから発生さ れる中間値はそれ自身時間に関して微分され、続いて閾値と比較することにより 事象の苛酷さを判断するのに役立つ尺度を得、この場合所要尺度を得るために通 常第２の値から減する第１の値はそれ自身第１の値の絶対値で置き換えられるよ うに改良されている。 本発明は今まで受け取った物理的情報またはその関数を時間に関して微分する 場合に利用することができる。したがって、第１の好適実施例では、修正微分尺 度は一時的 ジャークに対する修正値であり、この場合第１の値は受け取った情報に対する時 間的に前の値であり、第２の値は典型的には受け取った情報に対する現在の値で あり、また、第２の好適実施例では、修正微分値は一時的分散に対する修正値で あり、この場合第１の値および第２の値は受け取った情報の瞬時Ｎ値サンプルか らの、それぞれ、最低順位および最高順位の値である。図面の簡単な説明 図１は車両乗客安全装置の作動を制御するシステムに使用するために、ジャー ク値を受け取った車両加速度情報から発生する、従来技術で実施する回路の図式 概略図であり、 図２は車両乗客安全装置の作動を制御するシステムに使用するために、本発明 に従って修正ジャーク値を受け取った車両加速度情報から発生する、第１の模範 的実施回路の図式概略図であり、 図３は車両乗客安全装置の作動を制御するシステムに使用するために、本発明 に従って修正分散値を受け取った車両加速度情報から発生する、第２の模範的実 施回路の図式概略図である。好適実施例の詳細な説明 図面を参照して、図１はエアバッグ（図示せず）のような車両乗客安全装置の 作動を制御するシステムに見ることができるような、加速度センサ（図示せず） により発生される受け取った車両加速度情報 a(t)からジャー ク値を発生する典型的な従来技術で実施される回路10の図式概略図である。特に 、現在時刻ｔにジャーク値 j(t)を発生する従来技術の回路10は受け取った車両 加速度情報に対する現在値 a(t)および前の時刻 t-1 に受け取ったそれに対する 少なくとも一つの時間的に前の値 a(t-1)を記憶する、ＲＡＭのような、記憶手 段12、および受け取った車両加速度情報に対する記憶している時間的に前の値 a (t-1)をそれに対する現在の値 a(t)から減じて所要瞬時ジャーク値 j(t)を得る 加算接合14を備えている。 図２は車両乗客安全装置の作動を制御するシステムに使用するシステムに見る ことができるような、受け取った車両加速度情報 a(t)から修正ジャーク値j^*(t) を発生する第２の模範的に実施される回路16を示す。特に、第１の模範的実施回 路16は受け取った車両加速度情報に応答して現在値 a(t)および前の時刻 t-1 に 受け取ったそれに対する少なくとも一つの時間的に前の値 a(t-1)を記憶する、 ＲＡＭのような、記憶手段18、記憶している時間的に前の値 a(t-1)に応答して その絶対値｜a(t-1)｜を発生する計算手段20、および前に記憶している値 a(t-1 )のこのように発生された絶対値｜a(t-1)｜をその現在値 a(t)から減じて所要修 正ジャーク値j^*(t)を得る加算接合22を備えている。 上述したとおり、加算接合22に使用するための記憶している時間的に前の加速 度値 a(t-1)の絶対値を発生することにより、負の加速度値が結果として得られ る修正 ジャーク尺度j^*(t)に及ぼす影響がかなり減少する。このようにして、これら負 の瞬時値は、図１に示した従来技術で実施された回路10により発生される公称ジ ャーク尺度 j(t)の場合のように修正ジャーク尺度j^*(t)を大きく歪めることはも はやないであろう。なお更に、本発明のもとでは、図２の第１の模範的実施回路 16は、時間的に前の加速度値 a(t-1)が正であるときは何時でも図１に示す従来 技術の回路10と同じ値を発生する。 これに関して、本発明に従って発生される修正ジャーク尺度j^*(t)はそれ自身 安全装置の作動を必要とする事象を検出するのに役立つ尺度であり、したがって 、単に瞬時ジャークの正確な値を得る試みとしてのみ見るべきではないことを記 憶しておかなければならない。 図３は車両乗客安全装置の作動を制御するシステムに使用するシステムに見る ことができるような、受け取った車両加速度情報 a(t)から修正分散値j^*(t)を発 生する第２の模範的実施回路24を示す。特に、第２の模範回路24は今度も、受け 取った車両加速度情報に応答して現在値 a(t)およびその前の最後の連続する N- 1 個の値を記憶する、ＲＡＭのような、記憶手段26、記憶手段26に記憶されてい るＮ個の加速度値に応答して記憶値の間で最高順位の加速度値 a_Hおよびそれら の間の最低順位の加速度値 a_Lを発生する、一対の順位フィルタのような、手段2 8、このようにして発生された最低順位の加速度値 a_Lに応答してその絶対値｜a_L ｜を発生する第１の計算手段 30、および最低順位加速度値a_Lのこのように発生された絶対値｜a_L｜を最高順位 の加速度値 a_Hから減ずる加算接合32を備えている。その後第２の計算手段34で 最高順位値 a_Hと最低順位値 a_Lの絶対値a_Lとの間の差の絶対値を発生することに より所要修正分散値｜Δa^*(t)｜を求める。 本発明の好適実施例を開示してきたが、本発明は本発明の精神または付記した 特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく修正を受け得ることを認めるべきで ある。たとえば、本発明を本願では車両乗客安全装置の作動を制御するシステム および方法を修正ジャーク尺度または修正分散尺度に基づいて開示しているが、 本発明は受け取った物理的情報またはその関数を時間にわたり微分する、安全装 置の作動を制御する如何なるシステムおよび方法にも適用することができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 車両の乗客安全装置の作動を制御して前記車両内に位置する乗客を損傷に 対して保護するシステムであって、該システムは車両加速度情報および車両乗客 位置情報から成るグループからの情報から得られた第１の尺度に応答し、 前記情報を受け取る手段と、 前記情報を記憶して複数の記憶値を提供する手段と、 第１および第２の前記記憶値に応答して第１の前記記憶値を第２の前記記憶 値から減じて前記第１の尺度を得る手段と、 を備えているシステムにおいて、 第１の前記記憶値に応答して修正値を発生する第１の手段であって、前記修 正値は前記第１の値の絶対値であり、前記減ずる手段は前記修正値および第２の 前記記憶値に応答して前記修正値を第２の前記記憶値から減じて前記第１の尺度 を得るものである第１の手段、 から構成されているシステム。 ２． 第１の前記記憶値は第２の前記記憶値より前に受け取ったものである請求 項１に記載のシステム。 ３． 第１および第２の前記記憶値は前記記憶値の、それぞれ、最低順位および 最高順位のものである請求項１に記載のシステム。 ４． 車両の乗客安全装置の作動を制御し、該安全装置の作動を多分必要とする 事象の発生時に、前記車両内に 位置する乗客を損傷に対して保護する方法であって、該方法が 車両加速度情報および車両乗客位置情報から成るグループからの情報を受け 取る段階と、 前記受け取った情報を時間にわたり記憶して複数の記憶値を得る段階と、 第１の前記記憶値を第２の前記記憶値から減じて第１の差尺度を得る段階と 、 前記第１の差尺度を第１の閾値と比較する段階と、および 前記第１の差尺度が前記第１の閾値を超えるとき前記安全装置を作動させる 段階と、 から構成されている方法において、 前記減ずる段階の前に第１の前記記憶値をその絶対値を取ることにより修正 する段階、 を備えている方法。 ５． 第１の前記記憶値は第２の前記記憶値より前に受け取ったものである請求 項４に記載の方法。 ６． 第１および第２の前記記憶値は前記複数の記憶値の、それぞれ、最低順位 および最高順位のものである請求項４に記載の方法。 ７． 車両加速度情報を受け取る前記段階は加速度センサにより発生された瞬時 車両加速度情報をサンプルする段階から成り、前記最高順位の記憶値および前記 最低順位の記憶値は前記記憶値を順位フィルタにかけるこ とにより発生される請求項６に記載の方法。 ８． 前記比較段階の前に前記第１の差尺度の絶対値を取る更なる段階を備えて いる請求項６に記載の方法。 ９． 車両の乗客安全装置の作動を制御し、該安全装置の作動が必要となり得る 事象の発生時に、前記車両内に位置する乗客を損傷に対して保護するのに役立つ 第１の尺度を発生する方法であって、該方法が 車両加速度情報および車両乗客位置情報から成るグループからの情報を受け 取る段階と、 前記受け取った情報を時間にわたり記憶して前記受け取った情報に対する複 数の記憶値を得る段階と、 第１の前記記憶値をその絶対値を取ることにより修正して修正値を得る段階 と、および 前記修正値を第２の前記記憶値から減じて前記第１の尺度を得る段階と、 から構成される方法。 １０．第１の前記記憶値は第２の前記記憶値より前に受け取ったものである請求 項９に記載の方法。 １１．第１および第２の前記記憶値は前記複数の記憶値の、それぞれ、最低順位 および最高順位のものである請求項９に記載の方法。 １２．車両加速度情報を受け取る前記段階は加速度センサにより発生された瞬時 車両加速度情報をサンプルする段階から成り、前記最高順位の記憶値および前記 最低順位の記憶値は前記記憶値を順位フィルタにかけるこ とにより発生される請求項１１に記載の方法。