JPH09504873A - 検定装置およびその製造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 検定サンプル検定装置は、比較的狭小な検出ゾーンを含む多孔質、液体浸透性キャリアをケーシング内に備え、この装置の特徴として、固定した結合剤に検出可能材料を直接または間接に特異的に結合させることによって検定結果を明らかにし、また、装置ケーシングが内部登録手段を含み、この内部登録手段は、装置ケーシング内の検出ゾーンが、装置ケーシングのインターロック手段に対して正確に配設されるように、キャリアと関連する対応登録手段、例えば、ピンまたは穴にうまく噛み合うことがあげられる。装置製造時、対応登録手段を利用して、キャリア上での検出ゾーンの正確な形成と装置ケーシング内でのキャリアの正確な配置を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】 検定装置およびその製造 本発明は、検定装置およびその製造方法の改良に関する。 現在入手できる多数の検定装置は、尿などの塗布サンプル液が浸透する、スト リップなどの多孔質キャリア材料を備えており、この装置では、固定した特異的 結合試薬を含む細い線や小さな点など、キャリアの正確に規定された領域（検出 ゾーン）において、検出可能な材料と特異的に結合することにより検定結果が明 らかとなる。例えば妊娠検査や排卵予想検査で尿を検定することを目的とした家 庭用のこのような装置が市販され、普及している。この種の装置は、免疫クロマ トグラフィという原理に基づいているものが多く、予備投与試薬を通す多孔質検 定ストリップを含むプラスチック材料でできた中空ケーシングを通常備えている 。装置内の試薬は、染料（ｄｙｅ）ゾル、金属（例えば金）ゾル、非金属元素（ 例えばセレンや炭素）ゾル、または着色ラテックス（例えば、ポリスチレン）微 粒子などの直接標識で標識した一種または数種の試薬を含み、これらの試薬はス トリップの比較的狭い試験領域に集中している場合、目で見ることが可能である 。検定を開始するには、尿のサンプル をケーシングの一部に塗布するだけでよい。ユーザがさらに手を加えずとも、検 定結果は数分以内に可視化される。このような装置の例は、欧州特許出願ＥＰ− Ａ−２９１１９４号明細書および欧州特許出願ＥＰ−Ａ−３８３６１９号明細書 に記載されており、その開示を参照文献として本明細書に組み入れる。検定装置 の一部を形成し、サンプル液体を例えば尿の流れから簡単に採取する吸水性部材 により、サンプルを手軽に収集できる。吸水性部材を装置のケーシングから突き 出し、サンプルの塗布を簡単に行う方法も選択可能である。 本発明は、装置内の比較的狭小な検出ゾーンを正確に配置できるようにするこ とによって、検定装置の生産向上をはかることを特に目的とする。検出ゾーンの 配置が正確になれば、検出ゾーンが誤って配置された欠陥装置を製造することが ほとんどなくなり、装置製造時の無駄が省かれるという利点がある。また、検定 結果を判定する前に、例えば、関連する光学読取り装置で「走査」を行って、検 出ゾーンの正確な位置を特定する必要がないため、検出ゾーンにおけるその後の 検定結果の読み取りが容易になる。 一実施例において、本発明は、検出ゾーンを含む多孔質、液 体浸透性キャリアをケーシング内に備える検定サンプル試験装置を提供するもの であり、固定した結合剤に検出可能材料を直接または間接に特異的に結合させる ことによって検定結果が明らかにされ、また、前記装置ケーシングが内部登録手 段を含み、この内部登録手段は、前記装置ケーシング内の前記検出ゾーンが、前 記装置ケーシングの前記登録手段に対して所定の空間的関係を有する位置に正確 に配設されるように、前記キャリアと関連する対応登録手段にうまく噛み合う。 例えば、前記内部登録手段は、前記キャリアの穴、凹部などと噛み合うペグ（ｐ ｅｇ）などを備え、前記検出ゾーンは、前記穴または凹部に対してキャリア上の 正確な所定位置にある。 前記検定装置を製造する場合、前記対応登録手段を使用して、例えば試薬印刷 技法により前記キャリアの前記検出ゾーンの正確な形成を容易にしたり、制御し たりすることができる。これに加えて、あるいはこれに代わるものとして、前記 登録手段により前記装置ケーシング内に前記キャリアを正確に配置する作業を容 易にしたり、制御したりすることができる。 本発明は、特にケーシング内に多孔質ストリップを備える検定装置の製造方法 を提供するものであり、この方法は、前記ス トリップに少なくとも一つの検出ゾーンを含み、試薬を多孔質材料のシートに塗 布してから、シートを各々試薬を塗布した部分を備える複数の同一なストリップ に分割して検出ゾーンを形成するものであり、以下の特徴を備えている。 ａ）試薬を塗布する前に、多孔質材料のシートに、複数の穴または凹部を設け 、シートを分割する際に個々のストリップを形成するシート各領域に穴または凹 部が少なくとも一つあるようにする。 ｂ）試薬の塗布中、シートへの試薬の塗布が穴または凹部に対して所定の位置 で行われるように、印刷手段に登録して穴または凹部でシートを把持する。 ｃ）シートを分割した後、前記少なくとも一つの穴または凹部と前記ケーシン グ内の位置決め手段とをうまく結合させることにより、個々のストリップをケー シング内に配置して検定装置を組み立てる。 穴または凹部は、シートの長手方向縁辺部にそっていることが好ましい。試薬 を塗布する場合には、前記穴または凹部の配列にほぼ平行な一本または複数本の 線状に試薬を塗布する。 試験装置内に検出ゾーンを正確に配置する内部登録装置を設 けると都合がよい点は、試験装置の自動製造および品質管理が容易になることで ある。試験装置が、一回使用したあと廃棄するようになっている場合、試験装置 を低コストで大量に製造する必要がある。内部登録により、自動製造の実施およ び高処理能力（スループット）を得ることが容易になる。本発明によれば、制御 ゾーンなど、厳密に配置しなければならないその他のゾーンを、必要があればよ り正確に配置することも可能である。 あくまで一例としてであるが、本発明による検定装置を添付の図面を参照して 以下に説明する。 第１図は、キャリア材料、例えば紙のシートに試薬を塗布し、シートを検定ス トリップに細分する場合の全体図である。 第２図は、第１図のようにして作製した検定ストリップを備える、本発明の検 定装置の「分解」図である。 第１図を参照して説明すると、多孔質キャリア材料のシート１００を中心軸Ａ −Ａおよび横方向軸Ｂ−Ｂにそって切断し、複数の同一検定ストリップ１０１に 分割するものとする。 分割を行う前に、検定試薬の平行線（１０２〜１０７）をシート１００上に配 置する。あくまで一例としてあげると、必要な試薬は、線１０２および１０７に なった、第１の固定した抗 体と、線１０３および１０６になった第２の異なる抗体である。試薬は、適切な 緩衝試薬溶液を供給され、コンピュータ制御の「ｘ−ｙ」プロット機構（図示せ ず）上で作動する「ペン」１０８などを用いて、計量フレキシブル・チューブ１ ０９を介して塗布することができる。シート１００の材料がニトロセルロースで ある場合、抗体や抗原などの試薬は、ニトロセルロースに直接塗布し、そのあと 、例えばアルブミンやポリビニル・アルコールなどでシート材料をブロッキング （ｂｌｏｃｋｉｎｇ）することによって固定することができる。試薬を塗布しブ ロッキングを行ったあと、着色ラテックスなどの粒子状直接標識で標識した抗原 （例えばＥ３Ｇや黄体形成ホルモン剤（ＬＨ））など、標識した可動の試薬の線 二本１０４および１０５を塗布する。この塗布作業は、例えば別のペン（図示せ ず）によって行う。別法としては、標識した試薬を、テストストリップ材料に直 接塗布するのではなく、独立した多孔質パッドなどに保持することもある。 試薬を含む線を正確に配置するには、シート１００の長手方向の縁辺部１１０ および１１１それぞれに、同一の小さな穴１１２を複数設ける。各々の穴は指定 のストリップ１１３の幅 の範囲内にある。試薬を塗布する前に、シート１００に穴１１２を設ける。シー トの横方向縁辺部それぞれの上に押し付けたバー１１４を手段として、未処理の シートをフレーム（図示せず）または同様の作業表面上に配置する。このバーの 一本だけを（部分的に）図示する。各バーは、複数の下向きに突起したペグ１１ ５を備えており、ペグそれぞれは、穴１１２のうちの一つに正確にはまる。試薬 塗布ペン１０８の軌跡は、シートを保持しているバーの位置とともに正確に登録 され、したがって、試薬は、シートの穿孔に対して所定の正確な線状に塗布され る。 試薬の必要な塗布とシートのその他の処理が済むと、シートは切断手段（図示 せず）により、同一のストリップ１０１に分割される。したがって、各ストリッ プは配置穴１１２を一個含み、二本の試薬を含む線または反応ゾーン（例えば１ ０２および１０３）が、穴１１２に対して各ストリップの幅全体にわたって延び る所定の正確な位置に配置される。穴１１２から離れた位置には、標識した可動 試薬が塗布された、ストリップ領域（例えば、１０４）がある。穴に対する標識 した試薬の位置の精度は、必ずしも反応ゾーンの位置ほど重要ではない。 第２図を参照して説明すると、本発明の検定装置は、上部部分２００および下 部部分２０１から成るプラスチック製ケーシングであって、検定ストリップ１０ １を収容するようになったケーシングと、組み合わせたケーシングの一端２０３ から外部に延ばすことができる選択自由な吸水性サンプル収容部材２０２とを備 えている。組み立てた装置内で、図示したように吸水性収容部材２０２は、標識 して塗布した試薬に隣接する検定ストリップの端部２０４に重なる。ケーシング の上部部分２００は、両方の検出ゾーン１０２および１０３がケーシングの外側 から観察できるようになった窓部、すなわち開口部２０５を備えている。ケーシ ングの上部部分の内面には、下方に向かって延びるピンまたはペグ２０６がある 。下方に向かって延びるピンまたはペグ２０６の直径は、検定ストリップ１０１ の穴１１２の直径に適合し、そのため、組み立てた装置内でストリップをペグに しっかりと配置することができる。 ケーシングの下部部分２０１にも、結果観察窓２０７を含み、窓は、装置を組 み立てた場合、ケーシングの上部部分の結果観察窓２０５にちょうど対向する位 置にある。ケーシングの下部部分にも、凹部２０８などの手段を備え、上下二つ の分割部分 を合わせて外被にした場合、この凹部は、ピンまたはペグ２０６の下端部を収容 する。 組み立てた装置において、ストリップおよび吸水性部材をケーシングの上部部 分および下部部分の間に収容すると、ストリップと吸水性部材の相互に重なる部 分２０４および２０９が相互に締め付けられ、水分を十分に伝導する結合体とな る。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９６年１月１９日 【補正内容】 請求の範囲 １．中空ケーシングと、細い線または小さな点など、比較的狭小な検出ゾーンを 含む多孔質、液体浸透性キャリアとを前記ケーシング内に備え、前記検出ゾーン に固定した結合剤に検出可能材料を直接または間接に特異的に結合させることに よって検定結果を前記検出ゾーンで明らかにする検定サンプル試験装置において 、前記中空ケーシングが内部登録手段を含み、前記装置の製造時に、前記検出ゾ ーンが前記中空ケーシング内で前記内部登録手段に対して正確な位置に配設され るように、前記内部登録手段が前記キャリアと関連する対応登録手段にうまく噛 み合うことを特徴とする試験装置。 ２．前記内部登録手段が、前記キャリアの穴または凹部などと噛み合うペグなど を備え、前記検出ゾーンが、前記穴または凹部に対してキャリア上の正確な所定 位置にあることを特徴とする請求の範囲第１項に記載の装置。 ３．前記対応登録手段を利用して、前記キャリア上での前記検出ゾーンの正確な 形成と前記中空ケーシング内での前記キャリアの正確な配置を制御する請求の範 囲第１項または第２項に記 載の検定装置製造方法。 ４．前記ケーシング内に含まれた中空ケーシングおよび多孔質ストリップを備え る検定装置の製造方法であって、前記ストリップに少なくとも一つの狭線または 小点などのような検出ゾーンを含み、試薬を多孔質材料のシートに塗布してから 、前記シートを各々前記試薬を塗布した部分を備える複数の同一なストリップに 分割して前記検出ゾーンを形成する方法において、 ａ）試薬を塗布する前に、多孔質材料の前記シートに、複数の穴または凹部を 設け、前記シートを分割する際に個々のストリップを形成する前記シート各領域 に穴または凹部が少なくとも一つあり、 ｂ）試薬の塗布中、前記シートへの前記試薬の塗布が前記穴または凹部に対し て所定の位置で行われるように、印刷手段に登録して穴または凹部で前記シート を把持し、 ｃ）シートを分割した後、前記少なくとも一つの穴または凹部と前記中空ケー シング内の位置決め手段とをうまく結合させることにより、個々のストリップを 前記中空ケーシング内に配置して前記検定装置を組み立てることを特徴とする方 法。 ５．前記穴または凹部が前記シートの長手方向縁辺部にそって いることを特徴とする請求の範囲第４項に記載の方法。 ６．試薬の塗布を行う際に、前記穴または凹部の配列にほぼ平行な一本または複 数本の線状に試薬を塗布することを特徴とする請求の範囲第４項または第５項に 記載の方法。 ７．前記ケーシングに、ケーシングの外部から前記検出ゾーンを観察できる観察 窓を備え、前記中空ケーシング内にストリップを配置することにより、前記検出 ゾーンが前記観察窓に対して所定の位置に確実に配置されるようにすることを特 徴とする請求の範囲第４項から第６項のいずれか一項に記載の方法。 ８．前記ストリップが複数の検出ゾーンを備えることを特徴とする請求の範囲第 ４項から第７項のいずれか一項に記載の方法。 ９．前記中空ケーシング内の前記配置手段がペグであることを特徴とする請求の 範囲第４項から第８項のいずれか一項に記載の方法。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ)，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，Ｃ Ｎ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ， ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，Ｎ Ｌ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 プライアー，マイケル・エバンズ イギリス国、ノーサンプトン・エヌ・エ ヌ・10・０・エス・ワイ、ラシユデン、ニ ユートン・ロード・330

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．比較的狭小な検出ゾーンを含む多孔質、液体浸透性キャリアをケーシング内 に備える検定サンプル試験装置であって、前記検出ゾーンに固定した結合剤に検 出可能材料を直接または間接に特異的に結合させることによって検定結果を明ら かにし、また、前記装置ケーシングが内部登録手段を含み、前記装置ケーシング 内の前記検出ゾーンが前記装置ケーシングの前記登録手段に対して所定の位置に 正確に配設されるように、前記内部登録手段が前記キャリアと関連する対応登録 手段にうまく噛み合う試験装置。 ２．前記内部登録手段が、前記キャリアの穴または凹部と噛み合うペグなどを備 え、前記検出ゾーンが、前記穴または凹部に対してキャリア上の正確な所定位置 にある請求の範囲第１項に記載の装置。 ３．前記対応登録手段を利用して、前記キャリア上での前記検出ゾーンの正確な 形成と前記装置ケーシング内での前記キャリアの正確な配置を制御する請求の範 囲第１項または第２項に記載の検定装置の製造方法。 ４．ケーシング内に多孔質ストリップを備える検定装置の製造方法であって、前 記ストリップに少なくとも一つの検出ゾーンを含み、試薬を多孔質材料のシート に塗布してから、シートを各々試薬を塗布した部分を備える複数の同一なストリ ップに分割して前記検出ゾーンを形成する方法において、 ａ）試薬を塗布する前に、多孔質材料のシートに、複数の穴または凹部を設け 、シートを分割する際に個々のストリップを形成するシート各領域に穴または凹 部が少なくとも一つあり、 ｂ）試薬の塗布中、シートへの試薬の塗布が穴または凹部に対して所定の位置 で行われるように、印刷手段に登録して穴または凹部でシートを把持し、 ｃ）シートを分割した後、前記少なくとも一つの穴または凹部と前記ケーシン グ内の位置決め手段とをうまく結合させることにより、個々のストリップをケー シング内に配置して検定装置を組み立てる方法。 ５．前記穴または凹部がシートの長手方向縁辺部にそっている請求の範囲第４項 に記載の方法。 ６．試薬の塗布を行う際に、前記穴または凹部の配列にほぼ平行な一本または複 数本の線状に試薬を塗布する請求の範囲第４ 項または第５項に記載の方法。 ７．前記ケーシングに、ケーシングの外部から前記検出ゾーンを観察できる観察 窓を備え、ケーシング内にストリップを配置することにより、前記検出ゾーンが 前記観察窓に対して所定の位置に確実に配置されるようにする請求の範囲第４項 から第６項のいずれか一項に記載の方法。 ８．ストリップが複数の検出ゾーンを備える請求の範囲第４項から第７項のいず れか一項に記載の方法。 ９．前記ケーシング内の前記配置手段がペグである請求の範囲第４項から第８項 のいずれか一項に記載の方法。