JPH09504807A - エラストマーブレンド中のカーボンブラックの分布の制御方法 - Google Patents

エラストマーブレンド中のカーボンブラックの分布の制御方法

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JPH09504807A JP6525817A JP52581794A JPH09504807A JP H09504807 A JPH09504807 A JP H09504807A JP 6525817 A JP6525817 A JP 6525817A JP 52581794 A JP52581794 A JP 52581794A JP H09504807 A JPH09504807 A JP H09504807A
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エクソン・ケミカル・パテンツ・インク
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Abstract

(57)【要約】 アミン基、特にジエタノールアミンにより改変されたエラストマーは、エラストマーブレンドにおけるカーボンブラック分布を制御するために用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】 エラストマーブレンド中のカーボンブラックの分布の制御方法発明の分野 アミン基を含むエアラストマーはエラストマー中のカーボンブラックの分布を 制御するために使用できる。発明の背景 エラストマーの加硫物の有用な物理的特性は、カーボンブラック充填剤とエラ ストマーの性質、濃度、及び相互作用の程度に大きく依存する。これらの物理的 特性は、引張り強さ、耐磨耗性、伸びのモジュラス、及び溶媒に対する抵抗性に よって例示される。エラストマー相中のカーボンブラックの濃度が減少にするに つれて、これらの特性は急速に劣化し、商業的製品の製造に対して本質的に有用 ではなくなる。 単一の入手可能なポリマーによっては達成できないエラストマー材料の物理的 及び機械的特性は異なるポリマーのブレンドを使用することによって近付くこと ができる。そのようなブレンドは公知であり、一般的な例はブチルゴムとスチレ ン−ブタジエンゴムのブレンド又はエチレンプロピレンジエン(EPDM)とア クリレートゴムのブレンドである。典型的には、これらのブレンドは非常に異な る特性を有するゴムの組み合わせを使用して、所望の性能特性に近付ける。従っ て、例えば、飽和又はわずかに不飽和の非極性炭化水素ゴムはより不飽和度が大 きく及び/又はより極性の大きいエラストマーとブレンドされる(以後、「極性 /非極性エラストマーブレンド」という)。飽和又はわずかに不飽和のエラスト マーの典型的な例には、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリイソブチレン、 エチレン−プロピレン−ジエンゴム、及びイソブチレン−イソプレンゴムが含ま れる。不飽和及び/又は極性のエラストマーの典型的な例は、ニトリル−ブタジ エンゴム、アクリルゴム、ポリブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、天然 ゴム、及び塩素化ポリイソプレンである。 上記のカテゴリーの各々から選択された上述のエラストマーの2種以上のブレ ンド中において、許容可能な物理的特性を得るためには加硫の前にエラストマー ブレンドとカーボンブラックを混合することが必要である。これらのエラストマ ーはお互いに溶解性ではなく、ブレンドされたとき離散した多相形態(discretem ultiphase morphology)を示す。各エラストマーの相の大きさは、ゴムの組成、 混合条件、及びそれらの相対粘度に応じて、サブマイクロメーターから数マイク ロメーターの範囲内である。これらの混合物中にカーボンブラックが導入される とき、カーボンブラックが異なるエラストマーの間で不均一に分布するのが観察 され、より極性で/不飽和のエラストマーにおいて濃厚である。例えば、Callan 、Topcik、及びFordのRubber World 151、60(1965)及びMarsh、Mullens、及びPr iceのRubber Chem and Tech 43、400(1970)を参照されたい。 これらの極性/非極性エラストマーブレンドの加硫物の特性は、加硫された構 成エラストマーの特性の単純な組成的に荷重された算術平均に基づいて予想され るこれらの特性の値よりもかなり悪い。例えば、Schuster、Schmidt、及びPampu sは、journal Kautshuk.Gummi.Kunstst vol.43、590頁(1989)中において、ニ トリル−ブタジエンゴム(NBR)とEPDMゴムの加硫されたブレンドと未加 硫のブレンドの形成に関する広範な研究を記載しており、これらのNBR/EP DMブレンドは、これら2種のエラストマーの特性の単純な荷重算術平均から予 想された物理的、機械的、及び使用特性を有していないと結論付けている。さら に別の例として、Sircarは、Rubber Chem.and Tech.47、48(1974)中において 、クロロブチルゴムとポリブタジエンのブレンドは、クロロブチル相におけるカ ーボンブラックの不足と最終加硫物の劣った物理的及び機械的特性によって特徴 付けられることを示している。 極性/非極性エラストマーブレンド及び単独のエラストマーそのもの中におけ るカーボンブラックのこの不均一な分布は、エラストマーブレンド全体にわたる 不均一な物理的特性を生じさせる。より重要なことは、そのようなエラストマー のブレンドのバルク特性は、カーボンブラックの量の少ない、飽和又は飽和に近 い非極性の炭化水素ポリマーである最も弱い成分の特性に反映する。従って、極 性/非極性エラストマーのブレンド中の両方の相にカーボンブラックの分布が分 散するのが非常に望ましく、コントロール可能であればさらに有利である。 極性/非極性エラストマーブレンド中のカーボンブラックの分布をコントロー ルするための以前の試みは、後でブレンドされるニトリル−ブタジエンゴムとポ リブタジエンゴムの前混合した別個のマスターバッチを使用するか、又はニトリ ル−ブタジエンゴムとポリイソブチレンゴムのプレブレンド(pre-blends)又はニ トリル−ブタジエンゴムとスチレン−ブタジエンゴムのブレンド中においてカー ボンブラックを分散させるための油の使用を含む複雑な配合方法に依存する。こ れらの方法は、異なるエラストマー相中において均一な又は制御可能な分布のカ ーボンブラックを含むエラストマーブレンドを製造しない。SircarとLamondは、 Rubber Chem.and Tech.、46、178(1973)において、前混合工程によってクロロ ブチルゴムだけに導入されたカーボンブラックは飽和エラストマーからより不飽 和のエラストマーに移行することを示した。彼等はまた、この移行がその他のエ ラストマーの導入の前に熱的又は化学的方法のいずれかによってカーボンブラッ クとクロロブチルゴムの相互作用を増加させることによってのみ遅らせるか又は 防ぐことができることを発見した。従って、エラストマー及びエラストマーブレ ンド中のカーボンブラックの分布を制御する方法が本技術分野において望まれて いる。発明の要約 本明細書中に開示されている発明は、エラストマー及びエラストマーブレンド 中のカーボンブラックの分布を制御するためにアミンで官能化されたエラストマ ーを使用することに関する。図面の簡単な説明 第1図は、EPDM/NBRブレンドの耐溶媒性対耐酸化性のグラフである。 耐溶媒性は、ASTM#3油のバッチ中140℃で140時間さらしたときの硫 黄硬化したブレンドの体積の増加(%)によって測定する。多くが耐溶媒性が悪 いことを示す。耐酸化性は、140℃で96時間空気にさらされた後の硫黄硬化 したブレンドの伸びの保持(retention of elongation)(%)によって測定する 。少数がブレンドの弾性ネットワークの劣化を示す。EPDM−アミン/NBR のブレンド(黒い四角(filled squares))のデータをEPDM/NBR(黒丸(f illed circles))のブレンドのデータ及びEPDMとNBR単独の類似の化合物 (1及び2の白丸(1 and 2-open circles))の対応するデータと比較する。記 載された黒のデータ点の側の小数は、これらのブレンドの全ゴム含有量中のエチ レンコポリマーの重量分率を表す。 第2〜6図は、表面積と粒度が異なる5種類のカーボンブラック(それぞれ、 N219、N762、N330、N234、及びN550)について、EPDM (黒四角)と第一アミン官能基を含むEPDM−アミン(黒丸)の吸収に関する グラフである。各々の場合の縦軸は、カーボンブラック1g当たりの吸収された エチレンコポリマーのグラム数である。各々の場合の横軸は、g/ミリリットル の単位で測定された溶液中のポリマーの平衡濃度である。 第7図及び第8図は、42phrのNBR、18phrのエチレンコポリマー 、24phrのカーボンブラックN234、及び16phrのパラフィン系加工 油のブレンドの透過型電子顕微鏡写真である。第7図中においてエチレンコポリ マーは第一アミン官能化EPDMであり、一方、第8図中においてはエチレンコ ポリマーは非官能化EPDMである。 第9図及び第10図は、15phrのポリイソブチレンコポリマー、51ph rのスチレンブタジエンゴム、34phrのブタジエンゴム、60phrのカー ボンブラックN234、及び25phrの加工油のブレンドの透過型電子顕微鏡 写真である。第9図中においてポリイソブチレン相は94%のイソブチレン、4 %のパラメチルスチレン、及び2%のブロモメチルスチレンを含む。第10図中 においてはポリイソブチレンコポリマーは、50%の第9図に記載したイソブチ レンコポリマー及び50%のDEAがグラフトした第9図に記載したイソブチレ ンコポリマーを含む。発明の詳細な説明 本発明は、カーボンブラック、アミン官能化エラストマー、及び少なくとも1 種のその他のエラストマーを含む組成物に関する。本発明は、極性/非極性エラ ストマーブレンド中のカーボンブラックの分布を制御するためのアミン官能化エ ラストマーの使用に関し、好ましくはアミン官能化された、飽和又は飽和に近い 、非極性又はわずかに極性のエラストマーの使用に関し、さらに好ましくはアミ ン官能化ポリイソブチレン又はアミン官能化EPDMの使用に関する。特に、本 発明者らは、極性/非極性エラストマーブレンド中の異なるエラストマー相間の カーボンブラックの分布を、エラストマー主鎖に沿って1以上のアミン基を導入 し、その後カーボンブラックの存在下にこれらの異なるエラストマーをブレンド することによって制御できることを発見した。第一、第二、及び第三アミン含有 グラフト化エラストマーが、カーボンブラックの分布を改質するのに好ましい。 好ましいエラストマーブレンドは、カーボンブラックに加えて少なくとも2種 のポリマー成分を含む。第1のポリマー成分は、不飽和、わずかに飽和又は高度 に不飽和の極性エラストマー(以後「極性エラストマー」という)である。これ らは、固有双極子モーメント(intrinsic dipole moment)を有するか又は複数の 不飽和を有するモノマー重合又は共重合によって製造できる。そのようなモノマ ーの典型的例は、アクリロニトリル、ビニルクロリド、ブタジエン、クロロプレ ン、及びイソプレンである。極性エラストマーはまた、構成モノマーは固有に極 性でも複数の不飽和を有するものでもないが、化学的又は物理的相互作用によっ て容易に極性化されるものである。そのようなモノマーの典型的例はスチレンで ある。従って、これらの不飽和、わずかに飽和又は高度に不飽和の極性エラスト マーは1種以上の以下のモノマーを含むことができる:アクリロニトリル、ブタ ジエン、クロロプレン、イソプレン、スチレン、アルキルアクリレート、ハロゲ ン化イソプレン、エーテル、エポキシド、ビニルピリジン、及び類似物。 これらのモノマーの重合から得られるエラストマーには、アクリロニトリルブ タジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アルキルアクリレートゴム、塩素化イ ソプレンゴム、アクリロニトリル塩素化イソプレンゴム、ポリブタジエンゴム( シス及びトランスの両方)、天然ゴム、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、及 び類似物が含まれる。従って、極性エラストマーは、天然ゴム、ポリブタジエン ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリクロロプレンゴム、アクリロニト リルイソプレンゴム、ハロゲン化アクリロニトリルイソプレンゴム、アクリロニ トリル塩素化イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレンブタジエンス チレンブロックコポリマー、ポリイソプレンゴム、アルキルアクリレートゴム、 ハロゲン化イソプレンゴム、又は塩素化イソプレンゴムの1種以上でよい。 第2のポリマー成分は、アミン含有非極性エラストマー(アミン官能化非極性 エラストマーを含む)。このエラストマーは飽和又は飽和に近く、非極性又はわ ずかに極性のエラストマー(以後「非極性エラストマー」という)であるのが好 ましい。好ましいエラストマーの例には、エチレンアルファ−オレフィンコポリ マー、エチレンアルファ−オレフィン非共役ジエンコポリマー(特に、エチレン プロピレンジエンゴム)、ポリイソブチレンゴム、又はイソブチレンと1種以上 のアルファ−オレフィン、ジオレフィン、スチレン、又はイソプレンとのコポリ マー、及び類似物が含まれる。 別の実施態様において、好ましい非極性エラストマーには、イソブチレン/p −メチルスチレン/p−ブロモメチルスチレンコポリマー又はイソブチレン/パ ラメチルスチレンコポリマーが含まれる。さらに別の好ましい実施態様において は、アミン含有ポリマーを、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル ブタジエンゴム、ポリクロロプレンゴム、アクリロニトリルイソプレンゴム、ハ ロゲン化アクリロニトリルイソプレンゴム、アクリロニトリル塩素化イソプレン ゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレンブタジエンスチレンブロックコポリマ ー、ポリイソプレンゴム、アルキルアクリレートゴム、ハロゲン化イソプレンゴ ム、又は塩素化イソプレンゴムの1種以上とブレンドすることができる。 アミン基は第一、第二、又は第三でよく、線状、分枝鎖、環式、多環式、脂環 式、又はヘテロ環式構造中の脂肪族又は芳香族構造の一部でもよい。好ましい実 施態様には、第一、第二、又は第三アミンでグラフトされた、エチレンアルファ オレフィン非共役ジエンコポリマー、好ましくはEPDMが含まれる。第一及び 第二アミンは、米国特許第4,987,200号に開示されている方法によって 直接的に導入でき、この特許は引用によって本明細書中に組み入れられている。 第二及び第三アミンも、コポリマー上にアミンに対して反応性の基、例えば、無 水マレイン酸、アクリル酸、又はその他の類似の反応体を初めにグラフトさせ、 その後このポリマーを、グラフトコポリマーと反応可能な第一又は第二アミンを 少なくとも1つ含むポリアミン、例えば、アルファ、オメガ−ジアミン、と反応 させることによって導入できる。これらの工程は本技術分野において公知であり 、従って実施可能である。もう1つの好ましい実施態様は、1つ以上のアミン、 好ましくはジエタノールアミン、でグラフトされた、イソブチレンのポリマー及 び コポリマー、特に、イソブチレン/パラ−アルキルスチレン及びイソブチレン/ イソプレンコポリマーを含む。適するグラフトポリマーは式: で表すことができ、式中、R1及びR2は独立して水素又はC1〜C20の線状、分 枝鎖、又は環式のアルキル、アリール、又はアラルキルであり、但し、R2及び R3は一緒になって環式構造になることができ、Pはポリマーセグメントであり 、そしてnはアミン部位の数である。アラルキルは脂肪族基と芳香族基を有する 構造として定義される。100,000のMnを有するポリマーに対して、nは 少なくとも1であり、少なくとも10が好ましく、好ましい実施態様においては 約25以下であるのが最適である。 アミン含有ポリマーは本技術分野で公知の方法によって製造され、ある種のア ミン官能化エラストマーは市販品を購入することができる。 好ましいアミン官能化エラストマーを製造する特定の方法を以下に記載する。 イソモノオレフィンのポリマーとコポリマーを本発明に従って使用するために 官能化できる。パラアルキルスチレン(アルキル基は1〜10個の炭素原子を有 する)と共重合された4〜7個の炭素原子を有するイソモノオレフィンは好まし いポリマーである。特に好ましいのは、イソブチレンのホモポリマー及びイソブ チレンと1種以上のコモノマーのコポリマーを含むエラストマーであり、ここで コモノマーはコポリマーの重量に基づいて0.2〜40重量%の量で存在し、好 ましくはコポリマーの重量に基づいて0.5〜5重量%の量で存在する。コモノ マーには、アルファ−オレフィン、ジオレフィン、スチレン、イソプレン、及び アリルハリド又はベンジルハリドを含むモノマーが含まれるが、これらに限定さ れるものではない。これらの中で好ましいモノマーは、アリル又はベンジルクロ リド、ブロミド、又はヨージド(iodide)を有するモノマーである。最も好ましい のは、米国特許第5162445号に記載されているイソブチレンとパラ(ブロ モメチレン)スチレンとのコポリマーであり、この特許は引用によって本明細書 中に組み入れられている。アミン官能化ポリマーは、ハロゲン化ポリイソプチレ ン含有ポリマーとビス−2,2′エタノールアミン(DEA)との求核反応によ って最も簡便に製造され、アミン基はポリマー上にペンダント状(側鎖状)に残 る。一般的方法において、5重量%までの組み込まれたパラ(ブロモメチル)ス チレンを含むイソブチレンを窒素雰囲気下トルエンに溶解する。その後、(ポリ マー重量に基づいて)0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜4.0重量%、 のDEA(ポリマー中に存在する臭素の量に対して少なくとも1:1の理論量を 有するのに十分な量)を添加する。アミンをイソプロパノール又はその他の適す る溶媒中に溶解し、室温でゆっくりと添加して、トルエンとイソプロパノール中 のポリマー溶液を形成する。溶液を典型的には還流装置を使用して窒素雰囲気中 で攪拌しながら約150℃までから200℃まで、好ましくは約100℃まで約 3時間加熱し、その後冷却する。ポリマーを析出によって回収し、未反応DEA をイソプロパノール又はその他の適する溶媒中でポリマーを混練りすることによ って除去する。アミン官能化ポリマーを50/50の水/メタノール混合物中で 洗浄し混練りして未反応DEAを完全に除去することによってさらに精製し、そ の後真空オーブン中で乾燥する。アミン官能基(ジエタノールアミン)はポリマ ー中に、ポリマーの重量に基づいて、約0.01〜約20重量%存在し、好まし くは約2.4〜約2.0重量%存在する。好ましいアミン含有ポリマーには、イ ソブチレン/p−メチルスチレン/p−ジエタノールアミノメチルスチレンコポ リマーが含まれる。 アミン官能化用に好ましいもう1つのエラストマーはEPDMである。EPD Mは炭化水素溶媒中において多くの公知の従来的チーグラー−ナッタ触媒によっ て製造され、特に、ハロゲン化アルキルアルミニウムと組み合わされたバナジウ ムハリドによって製造される。EPDMの合成は本技術分野において公知である 。G.ver Strate、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering、第6巻 、第2版、1986、522〜564頁。 本明細書中において使用されるEPDM又はEPという用語は、特に指示しな い限り、エチレン、及びC3〜C28のアルファ−オレフィン、典型的にはプロピ レン、及び/又は非共役ジオレフィン又はそのようなジオレフィンの混合物のタ ーポリマー、テトラポリマー、その他を含む。非共役ジオレフィンの量は、存在 するエチレンとアルファ−オレフィンの総量に基づいて、一般に約0.5〜20 重量%であり、好ましくは約1乃至約7重量%である。 ターポリマー中で第3のモノマーとして使用できる非共役ジエンの代表的例に は: a. 直鎖非環式ジエン、例えば、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘプタジ エン、1,6−オクタジエン、 b. 分枝鎖非環式ジエン、例えば、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、3 ,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、3,7−ジメチル−1,7−オクタジ エン、及びジヒドロ−ミルセンとジヒドロシメンの混合異性体、 c. 単環脂環式ジエン、例えば、1,4−シクロヘキサジエン、1,5−シ クロオクタジエン、1,5−シクロドデカジエン、4−ビニルシクロヘキセン、 1−アリル−4−イソプロピリデンシクロヘキサン、3−アリル−シクロペンテ ン、4−アリルシクロヘキセン、及び1−イソプロペニル−4−(4−ブテニル )シクロヘキサン、 d. 多一単環脂環式ジエン、例えば、4,4′−ジシクロペンテニル及び4 ,4′−ジシクロヘキセニル、 e. 多環脂環式融合及び架橋環ジエン、例えば、テトラヒドロインデン;メ チルテトラヒドロインデン;ジシクロペンタジエン;ビシクロ(2.2.1)ヘ プタ2,5−ジエン;アルキル、アルケニル、アルキリデン、シクロアルケニル 、及びシクロアルキリデンノルボルネン、例えば、エチリデンノルボルネン;5 −メチリデン−6−メチル−3−ノルボルネン:5−メチレン−6,6−ジメチ ル−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−(3−シクロ −ペンチリデン)−2−ノルボルネン、及び5−シクロヘキシリデン−2−ノル ボルネン、その他、 が含まれる。 最も好ましいEPDMエラストマーは、約60乃至約80重量%のエチレン、 約15乃至約35重量%のプロピレン、及び約3乃至約7重量%の非共役ジエン を含有する。EPDMの合成は業界において公知である(ジー・フェル・ストラ ーテ、エンサイクロピーディア・オブ・ポリマー・サイエンス・アンド・エンジ ニアリング、第6巻、第2版、1986、522−564頁)。 本発明のアミン官能化EPDMはいくつかの方法によって製造することができ る。ひとつの方法においては、EPDMは、典型的には、第一、第二及び第三ア ミンを含む官能性アミンとともに重合される。もう一つの方法においては、EP DMは、まず無水マレイン酸、次いでアミン官能基と、遊離基供給源の存在下に 、グラフトされる。 EPDMのアミン官能化はいくつかの公知の方法によって行われる。これらは 、米国特許第4987200号及び第5153282号によって示される直接置換、又は米国特 許第3448048号、第4055402号、第5162445号、第4863624号、第5043392号、第435 5139号、第4786689号、第4794145号、第4707521号に開示された方法を含む、こ れらの方法を本明細書に援用する。 EP又はEPDMと官能基との反応は遊離基供給源の存在下に行われる。EP 又はEPDMは、遊離基供給源の存在下、一般に300℃以下の温度で、好まし くは約80℃〜250℃の温度で、アミン置換される。適当な遊離基供給源は、 例えば、過酸化ベンゾイル、ジ第3過酸化ブチル、第3ブチルハイドロパーオキ サイド、第3ブチルパーオキシピバレート、クメンハイドロパーオキサイド、過 酸化p−メンタン、p−メンタンハイドロパーオキサイド化合物等のような過酸 化物、又はアゾビス(イソブチロニトリル)等のようなアゾ化合物、又は放射線 照射源である。適当な放射線照射源としては、例えば、コバルト、ウラニウム、 トリウム等よりの放射線、及び紫外線光線を含む。使用される過酸化物又は遊離 基供給剤は一般に極めて微量で、EPDMの重量に基づいて約0.01乃至約0 .5%程度である。反応は強力ミキサーによりバッチ方式で、又は押出し機によ り連続方式で行うことができる。このグラフト反応に続いて、この無水物の基は 少なくとも1個の第一アミン及び1個以上の第三又は第二アミンを含有するポリ アミンと反応させる。かかるアミンの代表的な例は、N,N−ジメチルエチレン ジアミン、ジエチレントリアミン、N−アミノプロピルモルフォリン、アミノエ チルピペラシン等である。 本発明においてはいかなるカーボンブラックも使用することができる。本発明 に有用な好ましいカーボンブラックの例としてはN234、N650、N762 がある。最初に記載したものはよく知られたトレッドブラックである。後の二つ はアッシュランド・ケミカル・カンパニー(Ashland Chemical Co.)、キャボット (Cabot)、コランビアン・ケミカルズ(Columbian Chemicals)、コンチエンタル・ カーボン(Continental Carbon)、シェー・エム・ヒューバー(J.M.Huber)、フィ リップス・ケミカル(Phillips Chemical)等の多くの会社によって製造される汎 用性の適度補強のカーボンブラックである。本発明の実施例に使用されているカ ーボンブラックはN234とレーブン(Raven)1040(酸化、コランビアン ・ケミカル)である。 アミン官能化エラストマーである第2成分は、次に、第1成分として前述した エラストマーの内の一つと混合される。典型的には、5〜95phr、好ましく は10〜90phrのアミン改質エラストマーと95〜5phr、好ましくは9 0〜10phrの極性エラストマーとの主混合物を、バンバリー・ミキサー、ラ バー・ミル、混合押出し機等の強力ミキサーを用いて、混合する。次に、主混合 物は5〜180phr、好ましくは10〜150phrのカーボンブラックと混 合する。得られる混合物は、アミングラフトを含有しない同じエラストマーの混 合物に比べて、非極性相中に、より多くのカーボンブラックを含有する。好まし い実施態様においては、カーボンブラックは混合物の非極性相中に存在する。好 ましくは、非極性相(第1ポリマー成分)中におけるカーボンブラックの濃度は 極性相(第2ポリマー成分)中のカーボンブラックの濃度の少なくとも20〜2 00%又はそれ以上である。好ましい実施態様において、得られる混合物はエラ ストマー相中において実質的に均一なカーボンブラックの分布を有する。当業界 においてよく知られたその他の混合方法も使用することができる。 本発明においては2種以上のアミン官能化エラストマーや2種以上の極性エラ ストマーを本発明の組成物中に用いることができる。また、アミン官能化非極性 エラストマー、極性エラストマー、カーボンブラックを含有する組成物は、さら に、非アミン官能化非極性エラストマーを含有することができる。本発明及びそ の特許請求の範囲の目的のために、極性エラスト−及び非極性エラストマーでア ミン官能性を有しないものを「非類似エラストマー(dissimilar elastomer)」と いう。非類似エラストマーの例としては、天然ゴム、ポリブチジエンゴム、アク リロニトリルブタジエンゴム、ポリクロロプレンゴム、アクリロニトリルイソプ レンコム、ハロゲン化アクリロニトリルイソプレンゴム、アクリロニトリル塩素 化イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレンブタジエンスチレン・ブ ロックコポリマー、ポリイソプレンゴム、アルキルアクリレートゴム、ハロゲン 化イソプレンゴム、塩素化イソプレンゴム等の一つ又はそれ以上がある。 本発明のエラストマーブレンドは、所望に応じ、例えば、酸化防止剤、紫外線 吸収剤、帯電防止剤、離型剤(release agent)、顔料、着色剤等の公知の添加剤 を含有し得る。しかしながら、これは本発明を限定するものと考えられてはなら ない。 アミン官能化エラストマー、1個以上の非類似エラストマー及びカーボンブラ ックを含有する本発明の組成物は、成形してベルト、ホース、バンパー、自動車 内装部品、自動車外装部品、容器等の製品をつくることができる。また、この組 成物は射出成形、ブロー成形、メルトブロー等により成形することができる。 当業者にとっては容易に理解できるところであるが、以下の実施例は本発明の 実施態様の例示であり、これにより本発明の範囲を限定するものではない。カーボンブラック分布の分析 カーボンブラックの分布は透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて算定した。7 0〜100nmの厚さの複数の薄片を、クリオウリトラミクロトームを用いて切 り取り、100キロボルトの電子を用いてTEMにより撮像した。TEMは十分 な液化窒素で冷却した汚染防止装置が設けられており、この装置は撮像の間薄片 上に生ずる汚染の形成を防止した。画像は倍率18,000(ネガ)で撮像し、 次いで、これらからより高い(X25)倍率(ポジティブ画像)に印刷した。P IBバックボーンを含有する混合物の撮像の間に、PIBハックボーンは分裂し 、TEMの低空気圧部分中に蒸発する。これによりポリマーの複数領域間の分化 を可能にする。実施例 ポリマー、カーボンブラック及び以下の例に特定される任意の添加剤の混合物 を、300ccのバンバリー・ミキサー又は90ccのハーケ(Haake)ミキサー のような強力内部ミキサー中で、250℃以下の温度、さらに典型的には80〜 150℃の温度で調製した。いずれの型の内部ミキサーを用いたときにも、40 〜60rpmで7〜9分間混合を行った。この混合時間はカーボンブラックが非 類似エラストマーブレンドの相の間を移動して平衡に達するのに十分な時間であ ると考えられる。例 1 ジエタノールアミンを含有するイソプレン−パラメチルスチレン・コポリマー の合成。 ここに本明細書に援用する米国特許第5162445号の教示に従って、イソ ブチレン/パラメチルスチレン/パラジエタノールアミノメチルスチレン・コポ リマーを調製した。求核置換反応において、500gのイソブチレン/p−メチ ルスチレン/p−ブロモメチルスチレン・コポリマー(p−メチルスチレン1. 7モル%、p−ブロモメチルスチレン0.7モル%、125℃で30ML)を窒 素雰囲気下5リットル樹脂フラスコ中のトルエン2267gに溶解し、18重量 %の溶液を得た。次いで、567gのイソプロパノール中の24.6gのジエタ ノールアミン(オールドリッチ(Aldrich)、99%)を室温で攪拌しながらゆっ くり添加し、80/20(重量/重量)トルエン/イソプロパノール溶媒ブレン ド中の14.9重量%のポリマー溶液を与えた。この溶液を窒素雰囲気下で攪拌 しながら還流させて約87℃で3時間加熱し、その後放置冷却させた。イソプロ パノール中での沈殿、混練によりポリマーを得た。得られた「ウェット」なポリ マーを、さらに50/50の水/メタノール混合物中で洗い混練して精製し、未 反応のジエタノールアミンを除去し、次いで、酸化防止剤として0.2重量%の BHTを加えて70℃で48時間真空オーブン乾燥した。ポリマーは′H NM Rでその特徴を調べたところ、p−ブロモメチルが完全にジエタノールアミノメ チル官能基に転換していることが示された(0.7モル%DEA)。実施例2 第一アミンに官能基を有するEPDMの合成。5−ノルボルネン−2メチルア ミンを、当量のシクロペンタジエンとアリルアミンのデイ一ルスアルダー反応に より175℃で1100乃至500kpaの圧力範囲で調製した。粗製品を回収 し未反応のジシクロペンタジエンを分解しながら分別蒸留して、5−ノルボルネ ン−2−メチルアミンを沸点が178℃の透明な無色の液体として製造した。こ の物質の収率は使用したアリルアミンの量に基づいて47%であった。 50.55gの5−ノルボルネン−2−メチルアミンと76.1gのジイソブ チルアルミニウムヒドリドを0℃で、後者を800mlの50%ヘキサン/50 %ペンタン溶液中の前者にゆっくり添加することによって反応させて定量的に付 加生成物、5−ノルボルネン−2−メチル(N−ジイソブチルアルミニウム)ア ミドを得た。反応は発熱的であるが添加中は冷却した。この溶液を数分間で45 ℃まで加熱し反応で生成した水素を除去し、溶液を迅速に室温まで冷却した。 980mlの連続供給撹拌タンク反応器中で1200rpmの回転数で40℃ に維持しつつEPDMの重合を行なった。以下の供給材料を連続的に反応器中に 添加した: ヘキサン−5.41 リットル/hr エチレン 150 g/hr プロピレン 120 g/hr ENB 13 g/hr 5−ノルボルネン−2−メチル(N−ジイソブチルアルミニウム)アミド7.4 6 g/hr エチレンに基づく水素50 ppm 四塩化バナジウム 0.492 g/hr エチルアルミニウムジクロリド 6.58 g/hr 迅速かつ発熱的な重合が行なわれてポリマーが生成し、殆どのアルミニウムと バナジウム残留物を除去した後の分析値は以下のようである: 重合速度 218 g/hr エチレン含有量 64.7 wt% ENB含有量 4.56 wt% 5−ノルボルネン−2−メチルアミン含有量 2.16 wt% 125でのML (1+4) 73.7実施例3 94wt%イソブチレン、2wt%パラブロモメチルスチレン、及び4wt% パラメチルスチレン(I−PMS)のターポリマー50wt%と、SBR(13 .7wt%ブタジエン)50wt%とから成るマスターブレンドを小型(60m l)混合ヘッドを使用するハーケ(Haake)混合器中で調製した。概ね室温 において二つのポリマーを混合物に同時に加え、120℃、回転数30rpmに て5分間混合した。次にマスターブレンドの一部を同じ混合物中で、50phr のカーボンブラック(N234)を1分間で加えて、回転数80rpmにて9分 間混合した。ダンプ(dump)における混合温度は149℃であった。マスターブレ ンドの第2の部分を50phrのカーボンブラック(レーブン(Raven)104 0、酸化ブラック)と上記のように混合した。ダンプにおける混合温度は157 ℃であった。カーボンブラックの大体全部がSBR相中に存在し、イソブチレン コポリマー中には全く存在していなかった。実施例4−7 スチレン−ブタジエンゴム(SBR)(13.7wt%ブタジエン)、ポリブ タジエン(BR)と94wt%イソブチレン、2wt%パラブロモメチルスチレ ン及び0.7モル%のDEA(I−PMS−g−DEA)を有する4wt%パラ メチルスチレンのターポリマーを実施例3の方法にしたがってカーボンブラック とプロセスオイルと混合した。ブレンド組成物とカーボンブラック分布を第1表 に示す。以下の混合方法は実施例4乃至13において使用した。比較例は94w t%イソブチレン、2wt%パラブロモメチルスチレン、及び4wt%のパラメ チルスチレン(I−PMS)のターポリマーについて行なった。 ローターの速度は112rpmで、ダンプの温度は140乃至150℃である。 時間、分 動作 0 ポリマーの添加 (I−PMS,SBR;BR) 1 添加:2/3 カーボンブラック,aDEA 2 1/4 添加:1/3 カーボンブラック(使用するな らオイルと) 5 掃引 7−9 ダンプ(Dump)a 全臭素の原子当量の1/2 これら実施例は、高度に不飽和のゴム相(SBR及びBR)を含みかつプロセ スオイル(フレキソン(Flexon)641)を含むポリマーブレンドにおいて、94 wt%イソブチレン、2wt%パラブロモメチルスチレン、及び4wt%のパラ メチルスチレンのDEA改質ターポリマーによってカーボンブラックの分布が制 御されたことを示している。ポリマーがDEA官能基を含むよう変性されている 場合の全てにおいて一様なカーボンブラックの分布が得られた。DEA改質をし なかった実施例5ではイソブチレンコポリマー相にはカーボンブラックは存在し なかった。 実施例8〜11 I−PMS(94重量%イソブチレン、2重量%p−ブロモメチルスチレン及 び4重量%p−メチルスチレン)を混合処理中に(インシト;現場で)改質して DEAを組込み、カーボンブラックの分布を制御できることも判明した。 混合後に、ブレンドをTEM(透過型電子顕微鏡)で検査し、下記の表2に示 す結果を得た。 これらの実施例は、制御されたカーボンブラック分布を達成するためにDEA をI−PMSとの混合中に組み込むことができることを示している。実施例11〜13 SBR(スチレンブタジエンコポリマー)、BR(ポリブタジエン)及びBI IR(イソブチレン/イソプレン臭素化コポリマー)を、カーボンブラック、プ ロセスオイル及びジエタノールアミンとブレンドして、改質BIIRを製造した 。これらの実施例では、アリル基ハロゲン化物を含むPIB(ポリイソブチレン )基体ポリマーを混合中に改質してカーボンブラック分布を制御できることを示 す。混合は実施例8〜10で用いたのと同じ手順で行った。TEM検査の結果を 次の表3に示す。 実施例12は、ブロモブチルゴム(BIIR)をDEAで改質しなければ、カ ーボンブラックはPIB相には許容しがたいほと低レベルでしか存在しないこと を示している。DEA改質によって、カーボンブラック分布を調節することがで きる。実施例14 下記の処方にしたがって、カーボンブラック及び硬化剤とゴム(NBR、EP DM−アミン又はEPDM)とのブレンドを300ccミジェットバンバ リー密閉式ミキサー中で製造した。総混合時間は約8分であり、混合サイクルの 終りの温度は約160℃に調節した。 ゴム* − 100phr N234カーボンブラック − 65phr プロセスオイル* − 20phr ステアリン酸 − 1.5phr 酸化亜鉛 − 5phr アミノックス(Aminox) − 1phr 硫黄 − 0.7phr サントキュア(Santocure) − 1.5phr TMTDS − 2.0phr (記号*を付した項目については以下に定義する。) 上記ブレンドのゴム成分は、下記の1a又は1bのいずれかと2%からなる。 (1a)EPDM − 70%エチレン、5%ENB、Ml(1+4)@125=5 5, (Ib)アミノEPDM − 70%エチレン、5%ENB,2.3% 5−ノルボ ルネン−2−メチルアミン、Ml(1+4)@100=1,米国特許第4987 200号記載の方法で製造、又は (2)NBR − ユニロイヤル・ケミカル社製の、アクリロニトリル含量28% でMl(1+4)@125=45のパラクリルB(Paracril B)。 上記処方における1a又は1bのいずれか及び2の割合は、それぞれx及び1 00−xと定義される。 プロセスオイルは、サン・オイル・コーポレーション社製のパラフィン系プロ セスオイルであるサンパー150(Sunpar 150;SPと略す)とセバ シン酸ジオクチル(DOSと略す)の混合物であった。この混合物中のサンパー 150とセバシン酸ジオクチルの割合は、それぞれ、y及び100−yと定義さ れる。上記処方における変数x及びyは次の等式で表される関係を有する。 したがって、プロセスオイル混合物の組成は上記処方中のゴムの組成によって 決まる。 下記の表2に示す通り、xの値(それに対応したyの値)を種々変化させた配 合物を製造した。ポリマーブレンドは160℃で硬化して薄手シートとし、耐酸 化性(140℃で96時間の加熱老化実験による)及び耐溶剤性(パラフィン系 オイル中に140℃で140時間の浸漬実験による)の試験のための試験試料を 除いておいた。結果を次の表4に示す。表4中の割合はすべて重量%である。 ブレンド成分としてそれぞれEPDM及びアミノEPDMを含む組成物につい て表4のデータを比較すると、アミノEPDMを含むブレンドたけが、優れた耐 酸化性(熱風オーブン中で老化させた試料の伸びの残存率で示される)と優れた 耐溶剤性(オイル中に浸漬した試料の体積変化抵抗として示される)を併せもつ ことが分かる。このような耐溶剤性は、アミノEPDMを含む試料とEPDMだ けの試料について還流トルエンで抽出した、もっと少量のEP(EPDM又はア ミノEPDMのいずれか)でもみられた。のような耐溶剤性及び耐酸化性につい てこれらのブレンドにみられる差は、EPDM−NBRブレンドとアミノEPD M−NBRブレンドについてのオイル中での体積膨潤率と加熱老化試料の伸びの 低下の関係をプロットした図1に劇的に例示されている。実施例15 61%エチレン、5%ENB及び1.9%2−アミノメチル−5−ノルボルネ ンの組成をもち、125℃でのML(1+4)として定義される分子量が12の 湿性アミノ官能化EPDM約450gを、ディーン・スターク共沸混合物トラッ プを取り付けた窒素雰囲気下の丸底フラスコの中で約81の熱トルエン中に溶解 した。溶解を完了した後、約1lの溶剤を除去して、ポリマー及び溶剤に同伴し た水分の大半が除去され、アミノ官能化EPDMの乾燥溶液が残るようにした。 この溶液の分割試料を採取して、その試料中のポリマー濃度を溶媒を蒸発させて 測定したところ、0.0566gポリマー/g溶液であった。 密封カバーと磁気撹拌子を取り付けた容積600ccのエーレンマイヤーフラ スコ数個を乾燥し、各々のフラスコに20gのカーボンブラックN−330(A STM9を入れた。各フラスコに、上記のアミノ官能化EPDMの乾燥溶液を加 え、次いで乾燥トルエンを追加した。これらの化合物の量を次の表5に示す。 これらの混合物を室温で60〜90分間磁気的にすばやく撹拌し、平衡に達す るように24時間放置した。この24時間が経過した時点で、2500rpmで の数分間の遠心によってトルエン溶液及び残余のカーボンブラックを分離して上 澄液をデカントした。これらの上澄液は、若干のカーボンブラックが吸蔵されて いるために僅かに黒ずんでいた。これらの固体フラクション中の固形物(アミノ 官能化EPDM)の濃度を、25〜400℃のTGA分析で求めた。典型的には 、これらの固体の97〜98%は、フラスコ内のカーボンブラック残留物と平衡 にあるアミノ官能化EPDMであった。 カーボンブラックに吸収されたポリマーの量は、溶液に添加したポリマーの量 と反応後の溶液中のポリマーの量との差である。この実験の結果を、溶液中の平 衡ポリマー濃度(gポリマー/g溶液)横軸にとり、カーボンブラックに吸収さ れたポリマーの濃度(gポリマー/gカーボンブラック)を縦軸にとったプロッ トとして示す。これを図2(C Black N219)に丸印で示す。56% エチレン、5%ENBの組成をもち、125℃でのML(1+4)が47の非官 能化EPDMについて、上記の実験を繰り返した。この実験のデータを同じグラ フに四角で示す。こうした対実験をカーボンブラックN762、N330、N2 34及びN550について繰り返した。これらの実験の結果を、それぞれ、図3 、図4、図5及び図6に示す。データの解析から、すべての事例において、アミ ノ官能化EPDMのほうが非官能化EPDMよりも吸収量が高かった。カーボン ブラックの表面に吸収され得るポリマーの最大量に相当する吸収プラトーに関す るデータを表6に示す。これらのデータは、カーボンブラックが、非官能化出発 原料よりもアミン含有非極性エラストマーに対して一段と高い親和性をもつこと を示している。 実施例16 54gのアミノEPDM(組成;70%のエチレン、5.3%のENB及び2.5%の組 み込まれた2-メチルアミノ-5-ノルボルネン、分子量ML(1+4)=2)を、 ユニロイヤルコーポレーションから入手できる126gのパラクリル(Paracril) B(組成:28%のアクリロニトリル及び72%のブタジエン、分子量ML(1+4 ) =35)、EPDMの可塑剤である、14.4gのサンパール(Sunpar)150、パラフ ィンオイル、NBRの可塑剤である、33.6gのプラスタール(Plasthall)DO S(セバシン酸ジオクチル)及び18gの、表5に示されたような異なるカーボン ブラックと混合した。ミキサーの外部ジャケットを水で冷却することによって混 合物の温度を制御し、150℃を超えないようにした。混合サイクルの終りに、ミ キサーの内容物を取り出し、冷却し、連行気泡を除去するために室温ロール機で 圧縮し、そのブレンドの断片を、エクソン・ケミカル・カンパニーによりV-700 0として入手できる非機能性EPDM(組成、70%のエチレン、5%のENB、 分子量ML(1+4)=55)を用いて製造した同じ組成におけるブレンドと比較 した。 上記のように製造したポリマーブレンドの少量の(約0.125インチ×0.125イン チ×0.25インチ)断片をライヘルト(Reichert)極低温超ミクロトームに固定し 、いくつかの薄い断片(約100m厚さ)を取り、透過電子顕微鏡で検査した。添付 された顕微鏡写真に記録されたそれらの断片の像は、50000乃至100000の倍率で 、EPDM中のアミン基の存在又は不存在により、EPDM相とNBR相との間 のカーボンブラックの分布において驚くべき相違を示した。アミンEPDMを含 有するブレンドは2つのゴム相の間のカーボンブラックの均質な分布を示し、一 方、非機能性EPDMを含有しないブレンドは、NBR相のみにカーボンブラッ クの完全な局在化を示した。このことは、EPDMとNBRとのブレンドにおけ るカーボンブラックN234について、図7及び8の顕微鏡写真に示されている。 この現象は、表7に示された研究されたすべてのカーボンブラックについて当て はまった。 実施例17 本実施例では、EPDMポリマーを下記の組成によるカーボンブラック、プロ セスオイル及び酸化防止剤とブレンドした。 EPDMポリマー - 100g カーボンブラック - 50g オイル - サンパール150 - 80g バルカノックス(Vulkanox)ZMB- 2- 1.0g ノーガード(Naugard)445 - 2.0g 下記の表に示したような4つの異なるEPDMポリマーを用いた。 EPDM−A:エチレン70%、ENB5%、ML(1+4)@125=60 EPDM−B:エチレン68%、ENB 4.9%、ML(1+4)@125=63、 5-ノルボルネン-2- メチルアミン=2.51% EPDM−C:エチレン67%、ENB 5.6%、ML(1+4)@125=58、 5-ノルボルネン-2- メチルアミン=1.93% EPDM−D:エチレン74%、ENB 4.5%、ML(1+4)@125=74、 5-ノルボルネン-2- メチルアミン=1.0% 上記ポリマーの各々を下記の表8に示したようなカーボンブラックの1つと混 合した。 10のL/Dを有する2mmの直径のダイを用いて細管ゴットフェルト(Gottfert )レオメーターを用いてこれらのポリマーブレンドの粘度を測定した。粘度は、 100℃、120℃、140.℃、160℃及び180℃の温度での段階的上昇において1.24s-1 から275s-1までの種々の剪断速度で測定した。これらのポリマーブレンドの粘度 を、剪断速度12.5(s-1)でのこれらの温度について示す(Pa・s)。 本実施例は、アミン基を有するEPDMポリマーは、アミン官能価を有しない 相当するポリマーよりもカーボンブラックに対して、より強い親和性を有するこ とを示している。このより強い親和性は、すべての温度において、ブレンドに対 する、より高い粘度を意味する。 実施例18 本実施例において、EPDMポリマーを、下記の組成によるカーボンブラック、 プロセスオイル、酸化防止剤及び硬化剤とブレンドした。 EPDMポリマー - 100g カーボンブラック - 65g プロセスオイル - サンパール150 - 75g バルカノックス(Vulkanox)ZMB- 2- 1.0g ノーガード(Naugard)445 - 1.0g バルクアップ(Vukup)R - 2.0g EDMA - 1.0g 下記の表9に示したような実施例17の4つの異なるEPDMを用いた。 これらのポリマーブレンドを下記のように試験した。 未硬化のポリマーの未加工強度を、そのポリマーのエチレン結晶度の融点より 高い60℃で測定した。ポリマーのパッドを170℃で20mについて、硬化し、標準 引張試験片を100℃で、プロセスオイル中に72時間、浸漬し、その後その試験片 の体膨脹及び、60℃での試験片の引張強さを測定した。 これらのデーターは、アミノ機能化飽和又はほぼ飽和のエラストマーは、非機 能化エラストマーよりもカーボンブラックに対して、より強い親和性を有するこ とを示している。 実施例10 本実施例では、EPDMポリマーを、下記の組成によるカーボンブラック、プ ロセスオイル、酸化防止剤及び硬化剤とブレンドした:EPDM(100g);カ ーボンブラック(65g);プロセスオイル - サンパール150(75g);バルカ ノックス(Vulkanox)2MB- 2(1.0g)、ノーガード(Naugard)445(1.0g );バルクアックス(Vulkux)(2.0g)。下記の表10に示したような、実施例1 7の4つの異なるEPDM及びEPDM- アミンポリマーを用いた。 ポリマーブレンドを170℃で硬化し、そのキュアメータートルク曲線(curemete r torqye curves)を表11に示した。 上記記載から明らかなように、製造された物質及び行った方法は、広範な発明 の特定の態様に関する。先きの一般的な記載及び特定の態様から、本発明の形態 が示され、記載されたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の 改変がなされ得ることは明らかである。従って、本発明は、それによって限定さ れるべきものではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クレスゲ、エドワード・ノーザン アメリカ合衆国、ニュージャージー州 07060、ワットチャング、パーリン・ラン ク 68 (72)発明者 ワング、ハーセン−シャン アメリカ合衆国、ニュージャージー州 08820、エジソン、フィットラー・ストリ ート 14 (72)発明者 ダッタ、サドヒン アメリカ合衆国、ニュージャージー州 07747、マタワン、ブリアーウッド・ドラ イブ 30 (72)発明者 ケラー、ロバート・チャールズ アメリカ合衆国、ニュージャージー州 07950、モリス・プレインズ、ウェンドリ ックス・ドライブ 61 (72)発明者 モロー、フレッド アメリカ合衆国、ニューヨーク州 10303、 スターレン・アイランド、エス・エルヴィ ン・ループ 52エー

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.アミン含有非極性エラストマーを少なくとも1つの極性エラストマー、カー ボンブラック及び任意に加硫剤とブレンドすることを含む、エラストマーブレン ドにおけるカーボンブラック分布を制御する方法。 2.非極性エラストマーが、イソブチレンのホモポリマー又はコポリマーである 、請求項1に記載の方法。 3.アミンがジエタノールアミンである、請求項1又は請求項2に記載の方法。 4.アミン含有エラストマーが、イソモノオレフィン/p-アルキルスチレン/ p−ブロモアルキルスチレンコポリマーである、請求項1乃至3のいずれか1請 求項に記載の方法。 5.アミン含有エラストマーのエラストマーが、エチレン-α-オレフィン-非共 役ジエンコポリマー又はエチレン-プロピレンコポリマーであり、アミンが第一 、第二又は第三アミン基である、請求項1乃至4のいずれか1請求項に記載の方 法。 6.アミン含有エラストマーのエラストマーが、エチレン-プロピレン-5-エチリ デン-2-ノルボルネンコポリマー又はエチレン-プロピレンコポリマーであり、ア ミンが、コポリマー、イソブチレン/p-メチルスチレン/p-ブロモメチルスチ レンコポリマー又はイソブチレン/パラメチルスチレンコポリマーにグラフトさ れている、請求項1に記載の方法。 7.極性エラストマーが、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、アクリロニトリルブ タジエンゴム、ポリクロロプレンゴム、アクリロニトリルイソプレンゴム、ハロ ゲン化アクリロニトリルイソプレンゴム、アクリロニトリル-塩素化イソプレン ゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレンブタジエンスチレンブロックコポリマ ー、ポリイソプレンゴム、アクリル酸アルキルゴム、ハロゲン化イソプレンゴム 又は塩素化イソプレンゴムの1つ以上である、請求項1乃至6のいずれか1請求 項に記載の方法。 8.極性エラストマーが95乃至5phr存在し、アミン含有非極性エラストマー が5乃至95phr存在し、カーボンブラックが10乃至150phr存在し、非極性 エラストマーが、非極性エラストマーとそれに結合しているアミンの重量に 基づいて、0.01乃至20重量%の、結合しているアミン基を有する、請求項1に記 載の方法。 9.物品に形成された、請求項1乃至8のいずれか1請求項に記載の方法により 製造された組成物。 10.請求項1乃至8のいずれか1請求項に記載の方法により製造された組成物。 11.カーボンブラック、アミン含有非極性エラストマー、少なくとも1つの極性 エラストマー及び任意に加硫剤を含む組成物。 12.カーボンブラックが10乃至150phr存在し、極性エラストマーが、天然ゴ ム、ポリブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリクロロプレン ゴム、アクリロニトリルイソプレンゴム、ハロゲン化アクリロニトリルイソプレ ンゴム、アクリロニトリル-塩素化イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、 スチレンブタジエンスチレンブロックコポリマー、ポリイソプレンゴム、アクリ ル酸アルキルゴム、ハロゲン化イソプレンゴム又は塩素化イソプレンゴムの1つ 又は混合物であり、アミン含有エラストマーのエラストマーが、エチレン-プロ ピレン-ジエンゴム、ポリイソブチレンゴム又は、イソブチレンと、α-オレフィ ン、ジオレフィン、スチレン又はイソプレンの1つ以上のコポリマーであり、非 極性エラストマーが、非極性エラストマーとそれに結合しているアミンの重量に 基づいて、0.01乃至20重量%の、結合しているアミン基を有する、請求項11に記 載の組成物。 13.請求項11又は請求項12に記載の組成物又は、請求項1乃至10のいずれか1請 求項に記載の方法により製造された組成物の、耐溶剤性ポリマーとしての使用。
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