JPH0950410A - 情報処理方法及び情報処理装置 - Google Patents

情報処理方法及び情報処理装置

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JPH0950410A
JPH0950410A JP11906096A JP11906096A JPH0950410A JP H0950410 A JPH0950410 A JP H0950410A JP 11906096 A JP11906096 A JP 11906096A JP 11906096 A JP11906096 A JP 11906096A JP H0950410 A JPH0950410 A JP H0950410A
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Pending
Application number
JP11906096A
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English (en)
Inventor
Juhei Nakagaki
寿平 中垣
Kazuo Saito
和雄 齊藤
Yasuko Toki
康子 東樹
Noriyuki Kamibayashi
憲行 上林
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0950410A publication Critical patent/JPH0950410A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 情報が配付された時に、配付にかかわる情報
を記録することによって、後から情報の経路を追跡可能
とする情報処理方法および情報処理装置を提供する。 【構成】 情報保持部11に保持されている情報が情報
配付部12から他の情報媒介装置へ配付される時、配付
検知部14はこれを検知し、その配付履歴を配付履歴保
持部15に記録する。情報の追跡が指示されると、履歴
回収部16は追跡する情報に関する配付履歴を配付履歴
保持部15から取り出し、配付先を検出して、配付先の
情報媒介装置に追跡を指示する。この指示で他の情報媒
介装置から履歴情報を回収し、回収履歴保持部17に蓄
積する。回収された履歴情報を追跡解析部18で解析
し、例えば配付経路などを追跡結果表示部19に表示す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報の流通・配付
経路や流通範囲、流通量などの配付情報を追跡可能とし
た情報処理方法および情報処理装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】昨今のデジタル情報技術の発達や、情報
ハイウェイ構想などにより、あらゆる情報がデジタル化
され、ネットワークを通じて配付・流通される時代が到
来しようとしている。すでにインターネットやパソコン
通信などのネットワークメディアを通じて、文字情報は
もとより、画像、動画、音声、プログラムなどの様々な
情報が流通・配付されはじめている。従来の放送のよう
な情報メディアでは、情報の発信者と受信者が明確に区
別されていたが、このような時代になると、すべての利
用者が情報受信者であると同時に発信者でもあることに
なる。従って、誰でも気軽に種々の情報を様々な形態で
流通・配付することが可能になる。デジタル化された情
報は複写が容易であるという特徴を持つため、利用者同
士での複写や再配付などによって、複数の人の手を介し
て情報が配付され、情報の配付・流通の範囲とスピード
は加速度的に高まっていくことになる。
【0003】このようになると、情報が一旦手を離れる
と、誰の手にわたってどう使われるかわからないという
状況が生まれ、一旦配付・流通された情報に対して、自
分が意図した人に情報が渡ったか否かを知りたいとか、
配付経路のうちのどこまで配付されたか知りたい、どう
いう経路で配付されてきたかを知りたいなどの要求が生
まれてくる。さらに、最近ではコンピュータウィルスが
混入されたプログラムや、プライバシーを侵害している
内容を持つ情報などが、そうとはわからずに不正に配付
・流通されることも多くなってきており、このような不
正な情報が流通した際に、その情報の発信者や配付経路
を特定したいという要求も生まれている。しかし、この
ような要求を全面的に解決するものはなく、一部の要求
を解決するもののみであった。
【0004】例えば、特開平4−268849号公報で
述べられている電子メール通信網では、電子メールを受
信したノードは、受信した電子メールに付加された発信
者名及び通過したノードに関する情報と、そのノードが
保持するネットワーク構成に関する情報とを比較し、電
子メールの発信者名が偽りでないかどうか調べることが
できる。さらに、電子メールの伝達において、送信者が
受信者へ送りたい情報そのものとともに、送信及び受信
に関する記録を生成し、両者を一体として受信者に伝達
している。
【0005】しかし、この電子メール通信網では、ある
利用者Aからある利用者Bへ情報を送信した時の通過ノ
ードの経路を記録するだけであり、この情報を利用者B
からさらに利用者Cへ送信する時には、利用者Aの情報
は残っていないため、利用者をまたがった追跡には使え
ない。また、この電子メール通信網では、電子メールと
いう特定の機構に依存しているため、例えば、単に情報
をある人の記憶装置から別の人の記憶装置へ複写した場
合には、その情報の配付(この場合は複写)の経路は記
録されず、後からその情報の配付経路を知ることはでき
ない。さらに、送信者が自分が送信した情報が今どこま
で届いているかなどを知りたいときなどのように、送信
者側からの追跡を行なうことはできない。
【0006】また、特開平5−63728号公報に記載
されているオフィス情報処理システムでは、電子メール
に受信後どのような処理を行なえるかの制御情報を付加
し、また、受信メールに対して行なわれた操作の履歴情
報を記憶しておく。そして、送信者が履歴情報を参照す
ることによって、例えば、送信した電子メールが処理さ
れたか否か等を知ることができる。しかし、このシステ
ムでは、受け取った電子メールの元の発信者を知ること
はできるが、その電子メールがどのような経路を通って
配付された情報かを知ることはできない。また、電子メ
ールの送信者も、予め自分が設定した配付経路にしたが
って配付された電子メールの配付経路は知っているが、
それ以外の経路を把握することはできない。例えば、電
子メールを受け取った人がそれをさらに誰かに配付した
というようなことが重なると、電子メールの送信者は情
報の配付先の全体像を把握することはできない。さら
に、上述の電子メールシステムと同様に、電子メールシ
ステム以外の配付経路については考慮されていない。そ
のため、このシステムでは、受け取った情報の配付経路
を知ることはできない。
【0007】さらに、特開平2−297288号公報で
述べられている電子文書作成/決裁システムでは、電子
式の認証機能により決裁される電子文書作成/決裁シス
テムにおいて、決裁の際の認証処理によって作成された
認証データを認証ロギングファイルに登録することによ
って、文書の決裁状況を追跡することを可能にしてい
る。この電子文書作成/決裁システムは、決裁を依頼し
た人が、現在の決裁状況を知ることができるシステムで
あるため、決裁処理を行なわない人の所に文書が配付さ
れたとしてもそのことはわからない。また、電子メール
通信網と同様、決裁に関係のない情報を単にある人の記
憶装置から別の人の記憶装置へ複写した場合には、その
情報の配付(この場合は複写)の経路は記録されず、後
からその情報の配付経路を知ることはできない。
【0008】以上説明したように、電子メールや決裁シ
ステムのような特別なシステムを使わないで、さまざま
な種類の情報がさまざまな人の手を経てさまざまな方法
で配付・流通している時に、一旦配付・流通された情報
に対して配付経路を追跡することはできず、さらに不正
な情報が流通した際にも、その情報の発信者や配付経路
を特定することもできなかった。
【0009】また、上述のように情報が一旦手を離れる
と誰の手にわたってどう使われるかわからないという状
況から、自分が配付・流通させた情報を入手した人たち
に対して、連絡を取りたいというような場合に連絡が取
れないという問題もある。例えば、自分が作成し、配付
したフリーソフトウェアにバグ(不具合)が見つかって
も、一旦配付してしまった後ではさらに二次的、三次的
に配付されている可能性が高く、正確に誰が所有してい
るのかわからないため、連絡することができない。ま
た、そのバグ(不具合)を修正するパッチを作成して
も、全員に配付することができない。
【0010】また別の例として、流通しているある文書
を読んだ人からコメントや感想を聞きたい場合などに
も、文書を読んだ人にうまく連絡することができない。
さらに、コンピュータウィルスを含んだソフトウェアを
発見した時に、現在そのソフトウェアを使っている人や
持っている人に連絡したいというような場合にも、誰が
持っているのか分からないため連絡することができな
い。
【0011】このような問題に対して、従来は、作成し
たソフトウェアや文書を配付する際に、予め配付先を限
定して配付し、その配付先を人手により管理しておい
て、ソフトウェアのバグ(不具合)や文書の誤りが見つ
かった時には、その限定された範囲にだけ連絡すればい
いようにしていた。しかし、この方法では、ソフトウェ
アや文書を受け取った人が、さらに別の人に配付したり
すると、元の配付者には把握できず、全員に連絡するこ
とはできなかった。このような傾向は、もともと配付先
に制限を設けていないことが多いフリーソフトウェアに
おいて顕著であり、原配付者がその配付先を管理するこ
とは非常に困難になってきている。
【0012】別の方法としては、商用ソフトウェアなど
では、ソフトウェアを販売した後で、購入者にユーザー
登録をしてもらい、その後の連絡はユーザー登録者に対
して行なうという方法も取られていた。しかし、この方
法は強制力がないため、全員が登録するわけではなく、
全員を把握できるわけではなかった。
【0013】さらに別の方法としては、情報を配付した
範囲を含むと考えられる、はるかに広い範囲の人たちに
対して広報するというような手段も取られることもあっ
た。これには例えば、ラジオやTVの放送や、新聞広告
などが使われるが、非常にコストのかかるものである
上、該当者が必ずしもその情報を入手するとは限らず、
さらにその情報に関係のない多くの人にとっては、ごみ
となる情報でしかなかった。しかし、コンピュータウィ
ルスなどの連絡にはこのような方法を使うより他に方法
がなく、被害の拡大を抑えることも難しかった。
【0014】このように、様々な種類の情報がさまざま
な人の手を経てさまざまな方法で配付・流通している時
に、一旦配付・流通された情報に対して、情報を入手し
た人たちに対して連絡を取りたいとか別の情報を配付し
たいとかいうようなことはできなかった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、情報が配付された時に、配
付にかかわる情報を記録することによって、後から情報
の経路を追跡可能とするとともに、情報を入手した人に
対して後から別の情報を送付することを可能とする情報
処理方法および情報処理装置を提供することを目的とす
るものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、情報処理方法において、配付元から配付先への情報
の配付を検知し、該配付に関する情報を蓄積し、蓄積さ
れた前記配付に関する情報に基づいて他の配付に関する
情報を獲得し、獲得した配付に関する情報に基づいて配
付経路を解析することを特徴とするものである。
【0017】請求項2に記載の発明は、情報処理方法に
おいて、配付元から配付先への情報の配付を検知し、該
配付に関する情報を蓄積し、蓄積された前記配付に関す
る情報に基づいて前記情報を追尾して他の情報を配付す
ることを特徴とするものである。
【0018】請求項3に記載の発明は、情報処理装置に
おいて、配付元から配付先への情報の配付を検知する配
付検知手段と、該配付検知手段により検知された前記情
報の配付に関する履歴を記憶する複数の配付履歴記憶手
段と、前記配付履歴記憶手段に記憶されているある配付
に関する履歴に基づいて前記配付履歴記憶手段に記憶さ
れている配付に関する他の履歴を獲得する履歴獲得手段
と、該履歴獲得手段により獲得された配付に関する履歴
に基づいて配付経路を解析する解析手段を具備すること
を特徴とするものである。
【0019】請求項4に記載の発明は、情報処理装置に
おいて、情報に対して編集を行なう編集手段と、該編集
手段による編集を検知する編集検知手段と、該編集検知
手段により検知された前記編集に関する履歴を記憶する
編集履歴記憶手段と、配付元から配付先への情報の配付
を検知する配付検知手段と、該配付検知手段により検知
された前記情報の配付に関する履歴を記憶する複数の配
付履歴記憶手段と、前記配付履歴記憶手段に記憶されて
いるある配付に関する履歴に基づいて前記配付履歴記憶
手段に記憶されている配付に関する他の履歴を獲得する
履歴獲得手段と、前記編集履歴記憶手段に記憶されてい
る前記編集に関する履歴及び前記履歴獲得手段により獲
得された前記配付に関する履歴に基づいて配付経路およ
び情報の変更を解析する解析手段を具備することを特徴
とするものである。
【0020】請求項5に記載の発明は、請求項3または
4に記載の情報処理装置において、配付された前記情報
は、該情報に関する標識である情報標識を含み、前記配
付履歴記憶手段は、前記配付に関する履歴として情報標
識を記憶することを特徴とするものである。
【0021】請求項6に記載の発明は、請求項3または
4に記載の情報処理装置において、配付された前記情報
に基づいて該情報に関する標識である情報標識を生成す
る情報標識生成手段をさらに具備し、前記配付履歴記憶
手段は、前記配付に関する履歴として前記情報標識生成
手段により生成された前記情報標識を記憶することを特
徴とするものである。
【0022】請求項7に記載の発明は、情報処理装置に
おいて、配付元から配付先への情報の配付を検知する配
付検知手段と、該配付検知手段により検知された前記情
報の配付に関する履歴として前記配付元の識別子または
前記配付先の識別子を記憶する複数の配付履歴記憶手段
と、該配付履歴記憶手段に記憶されている前記配付に関
する履歴に基づいて前記配付履歴記憶手段に記憶されて
いる他の前記配付に関する履歴を獲得する履歴獲得手段
と、該履歴獲得手段により獲得された配付に関する履歴
に基づいて配付経路を解析する解析手段を具備すること
を特徴とするものである。
【0023】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の情報処理装置において、配付された前記情報は、該情
報に関する標識である情報標識を含み、前記配付履歴記
憶手段は、前記配付に関する履歴として情報標識をも記
憶することを特徴とするものである。
【0024】請求項9に記載の発明は、請求項7に記載
の情報処理装置において、配付された前記情報に基づい
て該情報に関する標識である情報標識を生成する情報標
識生成手段をさらに具備し、前記配付履歴記憶手段は、
前記配付に関する履歴として前記情報標識生成手段によ
り生成された前記情報標識をも記憶することを特徴とす
るものである。
【0025】請求項10に記載の発明は、請求項3ない
し9のいずれか1項に記載の情報処理装置において、前
記配付検知手段は、前記配付元から前記情報が配付され
た際にその配付を検知することを特徴とするものであ
る。
【0026】請求項11に記載の発明は、請求項3ない
し9のいずれか1項に記載の情報処理装置において、前
記配付検知手段は、前記配付先へ前記情報を配付した際
にその配付を検知することを特徴とするものである。
【0027】請求項12に記載の発明は、請求項3ない
し9のいずれか1項に記載の情報処理装置において、前
記配付検知手段は、前記配付元から前記情報が配付され
た際及び前記配付先へ前記情報を配付した際に、その配
付を検知することを特徴とするものである。
【0028】請求項13に記載の発明は、請求項3ない
し9のいずれか1項に記載の情報処理装置において、前
記配付検知手段は、情報記録媒体に情報が配付された際
にその配付を検知し、前記配付履歴記憶手段は、前記情
報と共に該情報に関する履歴を前記情報記録媒体に記憶
することを特徴とするものである。
【0029】請求項14に記載の発明は、請求項3ない
し9のいずれか1項に記載の情報処理装置において、前
記配付検知手段は、情報記録媒体から情報が配付された
際にその配付を検知し、前記配付履歴記憶手段は、前記
配付に関する履歴として、前記情報記録媒体に記憶され
た前記情報に関する履歴に基づいた履歴を記憶すること
を特徴とするものである。
【0030】請求項15に記載の発明は、請求項14に
記載の情報処理装置において、さらに、情報の配付に関
する情報を通知する配付情報通知手段を備え、該配付情
報通知手段は、前記配付検知手段が前記情報記録媒体か
らの情報の配付を検知したのちに、配付先から配付元へ
情報の配付に関する情報を通知することを特徴とするも
のである。
【0031】請求項16に記載の発明は、情報処理装置
において、配付元から配付先への情報の配付を検知する
配付検知手段と、該配付検知手段により検知された情報
の配付に関する履歴を記憶する配付履歴記憶手段と、該
配付履歴記憶手段に記憶されている第1の情報の配付履
歴に基づいて該第1の情報を追尾して第2の情報を配付
する追尾配付手段を具備することを特徴とするものであ
る。
【0032】請求項17に記載の発明は、請求項16に
記載の情報処理装置において、さらに前記追尾配付手段
により配付された前記第2の情報を以前に配付された前
記第1の情報と結合して一体の情報とする情報結合手段
を備えることを特徴とするものである。
【0033】請求項18に記載の発明は、請求項16ま
たは17に記載の情報処理装置において、配付された前
記情報は、該情報に関する標識である情報標識を含み、
前記配付履歴記憶手段は、前記配付に関する履歴として
情報標識を記憶することを特徴とするものである。
【0034】
【作用】請求項1および3に記載の発明によれば、配付
元から配付先への情報の配付を検知し、検知した情報の
配付に関する情報を蓄積しておく。そして、蓄積された
ある配付に関する情報に基づいて関連する他の配付に関
する情報を獲得し、獲得した配付に関する情報に基づい
て配付経路を解析する。ここで、配付経路とは、情報の
発信源、伝達経路、流通範囲、または、流通した情報量
等をも含む概念である。これによって、例えば、後から
情報の流通、配付経路や、流通範囲、流通量などの配付
情報を追跡することが可能となる。このとき、情報の発
信源から、情報の伝達した向きに経路を追跡することも
できるし、情報を受け取った側から発信源へ向けて情報
の伝達した経路を追跡することもできる。また、伝達経
路の途中からも同様に、情報の伝達した向きあるいは発
信源へ向けた経路を追跡することも可能である。さらに
は、情報が配付されたすべての配付経路を伝達経路の途
中から追跡することも可能である。配付に関する履歴と
しては、請求項7に記載の発明のように、配付元の識別
子または配付先の識別子を含む情報を記憶しておくよう
に構成することができる。
【0035】請求項4に記載の発明によれば、編集手段
で情報に対して編集を行なうと、編集検知手段でこれを
検知し、編集に関する履歴を編集履歴記憶手段に記憶し
ておく。また、配付元から配付先への情報の配付を配付
検知手段で検知すると、その配付に関する履歴を複数の
配付履歴記憶手段に記憶しておく。そして、配付履歴記
憶手段に記憶されているある配付に関する履歴に基づい
て、関連する他の配付に関する履歴および編集履歴記憶
手段に記憶されている編集に関する履歴を獲得し、獲得
した配付に関する履歴および編集に関する履歴を用い
て、配付経路及び情報の変更を解析する。これによっ
て、情報の配付経路を知ることができるとともに、情報
の作成時に元になった情報や、配付の途中で編集された
過程も知ることができるようになり、さらに広範な追跡
が可能になる。
【0036】請求項5,6および8,9に記載の発明に
よれば、配付に関する履歴として情報標識を記憶するよ
うに構成することができる。この情報標識を情報と対応
づけておくことによって、配付に関する履歴の蓄積およ
び解析を容易にするとともに、解析された配付経路の情
報から容易に情報を参照できるようになる。請求項6に
記載の発明のように、情報標識生成手段により生成され
た情報標識を配付履歴記憶手段に記憶するように構成す
ることによって、情報に対応づけて情報標識を管理する
必要はなくなり、情報の管理が容易になる。
【0037】上述の配付検知手段は、請求項10に記載
の発明のように、配付元から情報が配付された際に、そ
の配付を検知するように構成することができる。また
は、請求項11に記載の発明のように、配付先へ情報を
配付した際に、その配付を検知するように構成すること
ができる。あるいは、請求項12に記載の発明のよう
に、配付元から情報が配付された際及び配付先へ情報を
配付した際に、その配付を検知するように構成すること
ができる。
【0038】また、配付検知手段は、請求項13に記載
の発明のように、情報記録媒体に情報が配付された際に
その配付を検知し、配付された情報に関する履歴を情報
とともに配付履歴記憶手段により情報記録媒体に記憶す
るように構成することができる。これにより、情報記録
媒体によって情報が配付された場合にも対応することが
できる。
【0039】さらに、配付検知手段は、請求項14に記
載の発明のように、情報記録媒体から情報が配付された
際にその配付を検知し、配付に関する履歴として、情報
記録媒体に記憶された情報に関する履歴に基づいた履歴
を記憶するように構成することができる。これにより、
請求項13に記載の発明と同様、情報記録媒体によって
情報が配付された場合にも対応することができる。この
とき、請求項15に記載の発明のように、情報記録媒体
からの情報の配付を検知したのちに、配付先から配付元
へ情報の配付に関する情報を通知するように構成するこ
とができる。
【0040】請求項2および16に記載の発明によれ
ば、配付元から配付先への情報の配付を検知し、検知し
た情報の配付に関する情報を蓄積しておく。そして、蓄
積されたある配付に関する情報に基づいて、その情報を
追尾して別の情報を配付する。ここで、蓄積されたある
配付に関する情報には、情報の配付先あるいは配付元に
関する情報が含まれており、それらの情報を用いて、別
の情報の追尾配付を行なう。この処理を個々の装置にお
いて次々と繰り返すことにより、ある情報が配付されて
いる人全員に、その情報を追尾して別の情報を配付する
ことが可能になる。
【0041】さらに請求項17に記載の発明によれば、
情報結合手段で先に配付された情報と追尾配付された情
報とを結合して一体の情報とすることができる。これに
より、先に配付された情報が再び単独で配付されること
を防止することができる。また、請求項18に記載の発
明によれば、配付に関する履歴として情報標識を記憶す
るように構成することにより、追尾すべき情報の特定を
容易にするとともに、配付経路の情報を容易に得ること
ができる。
【0042】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の情報処理装置の
第1の実施の形態を示す構成図である。図中、1は情報
媒介装置、11は情報保持部、12は情報配付部、13
は装置ラベル部、14は配付検知部、15は配付履歴保
持部、16は履歴回収部、17は回収履歴保持部、18
は追跡解析部、19は追跡結果表示部である。
【0043】情報媒介装置1は、情報の伝達、配付を媒
介する装置であり、図1に示すように、情報保持部1
1、情報配付部12、装置ラベル部13、配付検知部1
4、配付履歴保持部15、履歴回収部16、回収履歴保
持部17、追跡解析部18、追跡結果表示部19を有し
ている。
【0044】本発明でいう情報媒介装置1とは、広い意
味で情報の伝達を媒介する装置のことであり、具体的な
装置としては、情報の伝達を専門的に行なうもの、例え
ば、ネットワークにおけるゲートウェイあるいは電話機
における交換機のような装置だけでなく、結果的に情報
の配付を行なうような装置、例えば、ネットワークに接
続されたワークステーションやパーソナルコンピュータ
などの情報を処理する装置をも含む。また、ネットワー
ク上で電子メールの配付を行なうメールサーバなども含
まれる。さらに、ハードディスクやフロッピーディスク
などの情報記憶媒体を読み書きするためのディスク機器
などの電子情報機器も含まれ、情報記憶媒体間あるいは
同一情報記憶媒体内での情報のコピー等が情報の配付に
相当する。
【0045】情報保持部11は、情報媒介装置1が処理
する情報、例えば、配付する情報あるいは配付された情
報を格納する。実際にはメモリや磁気ディスク装置など
の記憶装置で構成される。
【0046】情報配付部12は、他の情報媒介装置と情
報を交換する。これにより、情報の配付を行なうことが
できる。例えば、ネットワークインタフェース、モデム
などから構成され、ネットワークを通じて他の情報媒介
装置に情報を伝達したり、他の装置から情報を受け取っ
たりといった処理を行なう。
【0047】装置ラベル部13は、情報媒介装置1を一
意に識別するための装置識別子を保持する。装置識別子
は、その情報媒介装置が製造された際に付与され、後か
ら変更されることはないようにしてもよいし、システム
を構成したときに一意の識別子を与えるようにしてもよ
い。
【0048】配付検知部14は、情報配付部12が他の
情報媒介装置と情報を交換するか否かを常に監視してい
る。情報配付部12が情報を交換した場合は、その交換
に関する情報を検知し、情報の配付に関する配付履歴と
して配付履歴保持部15に記録する。情報交換の検知
は、例えば、ネットワークによって構成される情報配付
部12の場合は、そのネットワークインタフェースを監
視していれば知ることが可能である。検知すべき対象情
報は、伝達された情報の情報識別子、伝達の相手方の装
置識別子、配付時刻などである。これら以外にも、配付
元/配付先のユーザ識別子や、情報の種別なども検知
し、記録してもよい。配付時刻は、各情報媒介装置1に
内蔵されているタイマや時計によって特定すればよい。
【0049】配付履歴保持部15は、配付検知部14に
よって検知された情報の配付に関する配付履歴を記録す
る。例えば、磁気ディスクなどの外部記憶装置やメモリ
等で構成される。保持内容については後述する。
【0050】履歴回収部16は、ある情報についての追
跡の指示が出されると、配付履歴保持部15から指示さ
れた情報に関する配付履歴を読み出し、その配付履歴を
もとに他の情報媒介装置に対し、情報の追跡の指示を送
る。さらには、指示を出した情報媒介装置からの報告を
受け取り、回収履歴保持部17に格納する。また、他の
情報媒介装置から追跡の指示を受けて情報の追跡を行な
った場合には、追跡を指示した情報媒介装置に対して追
跡結果を返す。履歴回収部16は、例えば、ネットワー
クや電話回線とモデムなどで構成することができる。こ
れに限定されることはなく、それと同様の目的を達成で
きる手段であれば他の手段を用いてもよいことは言うま
でもない。また、ネットワークインタフェース、モデム
など、その構成の一部を情報配付部12と共用してもか
まわない。
【0051】回収履歴保持部17は、履歴回収部16に
よって他の情報媒介装置から回収した配付履歴を格納す
る。詳細は後述するが、回収した配付履歴は、回収先の
装置識別子と共に格納される。
【0052】追跡解析部18は、ユーザ等の指示によっ
て指定された事項に関して、他の情報媒介装置から回収
し、回収履歴保持部に格納されている配付履歴を解析
し、情報がどの情報媒介装置を経由してどのように流通
したのかといった情報の伝達、配付経路や流通範囲な
ど、種々の配付に関する情報を解析する。具体的な解析
のアルゴリズムについては後述する。
【0053】追跡結果表示部19は、追跡解析部18に
よって解析された結果をユーザ等に理解できる形式で表
示等の出力を行なう。この実施の形態では、追跡情報の
解析結果を人間に理解できる形式で可視化するという目
的で利用しているが、これに限らない。例えば、コンピ
ュータ等で解析結果を利用して自動処理を行なう場合
は、追跡結果表示部の部分を他の構成に入れ換えること
で実現可能である。
【0054】図2は、本発明の情報処理装置の第1の実
施の形態における情報の構成の一例を示す説明図であ
る。情報は、図2に示すように、情報本体とともに、情
報を識別するための情報識別子を保持する情報ラベル部
を有している。情報本体は、本来の意味を持つ情報であ
り、画像やプログラム、テキスト、動画など様々な種類
の内容を持つ。情報ラベル部は、情報を一意に識別する
ための情報識別子を含んでいる。なお、情報識別子は、
他の情報と識別できればどのようなものでもよく、数字
などで表わされるようなIDなどの他、マシン名+ファ
イル名の組で表わされるようなものでもかまわない。
【0055】この実施の形態の場合は、情報ラベル部を
情報識別子のみを保持する目的で利用しているが、一般
的には、情報ラベル部には、情報に関する属性、例え
ば、情報作成者、作成年月日、などが格納されてもかま
わない。情報の利用量に応じて課金するようなシステム
では、利用料金に関する情報もここに格納される。情報
ラベルに格納するものが情報識別子のみであれば、情報
ラベル部のような形態をとらず、情報本体に付属させて
もよい。いずれにせよ、情報識別子あるいは情報ラベル
部に格納されるような情報は、情報本体と切り離される
と意味を持たなくなるため、流通時には切り離されない
ように、例えば、暗号化されるのが一般的である。
【0056】図3は、本発明の情報処理装置の第1の実
施の形態を実現するための一例を示すハードウェア構成
図である。図中、31,32はネットワーク、33は端
末装置、34はサーバ、35はゲートウェイ、36はC
PU、37はディスク、38は出力装置、39は入力装
置である。図3に示した例では、ネットワーク31,3
2などの通信手段を介して接続されたワークステーショ
ンやパーソナルコンピュータ等の端末装置33、サーバ
34、あるいはネットワーク同士を接続するゲートウェ
イ35など、何らかの通信手段を介して結ばれた装置群
として構成される。端末装置33は、一般的なワークス
テーションやパーソナルコンピュータで構成され、CP
U36、ディスク37、ディスプレイなどの出力装置3
8、キーボードやマウスなどの入力装置39などで構成
される。また、サーバ34やゲートウェイ35も、一般
的な装置であり、CPU36、ディスク37などで構成
される。情報媒介装置1は、図3に示した装置のすべ
て、あるいは一部に対応づけることができる。
【0057】次に、本発明の情報処理装置の第1の実施
の形態における動作の概要について説明する。図4は、
本発明の情報処理装置の第1の実施の形態における情報
の流れの一例の説明図である。図4には、4つの情報媒
介装置A〜Dが示されており、情報Xが、情報媒介装置
Aから情報媒介装置Bへ配付され、情報媒介装置Bから
は、情報媒介装置Cおよび情報媒介装置Dへと配付され
た例を示している。
【0058】情報媒介装置Aでは、情報Xを情報媒介装
置Bへ配付したことを検知し、その配付履歴を配付履歴
保持部15に記録しておく。同様に、情報媒介装置Bで
は、情報Xを情報媒介装置Cおよび情報媒介装置Dへ配
付したことを検知し、2つの配付履歴を配付履歴保持部
15に記録しておく。
【0059】情報媒介装置Aにおいて情報Xが配付され
た経路を追跡することが指示されると、情報媒介装置A
の配付履歴保持部15から情報Xの配付履歴を取り出
し、配付先である情報媒介装置Bに対して情報Xの配付
経路の追跡を指示する。情報媒介装置Bは、情報媒介装
置Aから情報Xの配付経路の追跡の指示を受けると、情
報媒介装置Bの配付履歴保持部15から情報Xの配付履
歴を取り出し、配付先である情報媒介装置Cおよび情報
媒介装置Dに対して情報Xの配付経路の追跡を指示す
る。情報媒介装置Cおよび情報媒介装置Dでは、情報X
の配付履歴を保持していないので、情報媒介装置Aに対
して情報Xに関する配付履歴がない旨を返す。情報媒介
装置Bは、情報Xが情報媒介装置Cおよび情報媒介装置
Dに配付された際の配付履歴を情報媒介装置Aに返す。
これにより、情報媒介装置Aでは、情報Xが図4に示す
ように配付されたことを知ることができる。このように
して、情報媒介装置Aにおいて、情報Xが配付された経
路、および、流通範囲などを解析することが可能とな
る。
【0060】以下、上述のような処理の流れを詳細に説
明する。まず、情報の配付時の動作を説明する。図5
は、本発明の情報処理装置の第1の実施の形態における
情報の配付時の配付元の情報媒介装置における処理の一
例を示すフローチャートである。S41において、配付
元の情報媒介装置は、変数M−toに配付先の情報媒介
装置の装置識別子を、また、変数Xに配付する情報の情
報識別子を代入する。次に、S42において、情報配付
部12は、ネットワーク上で装置識別子が変数M−to
に格納された装置識別子と等しい情報媒介装置を捜し、
コネクションを確立する。S43において、情報配付部
12は、情報保持部11から変数Xに格納されている情
報識別子に等しい情報識別子を有する情報を読み出し、
変数InfoXへ代入する。S44において、情報配付
部12は、変数InfoXに格納されている情報を、変
数M−toに格納されている装置識別子を有する情報媒
介装置へ配付する。S45において、配付検知部14
は、配付処理を検知し、配付履歴保持部15に、(X,
M−to,Time)の組を配付履歴として記録する。
ここで、Timeは配付時刻を表わしている。以上で配
付元の情報媒介装置における情報の配付時の処理を終了
する。
【0061】図6は、本発明の情報処理装置の第1の実
施の形態における情報の配付時の配付先の情報媒介装置
における処理の一例を示すフローチャートである。配付
先の情報媒介装置では、まず、S51において、情報配
付のためのコネクションの確立要求があった配付元の情
報媒介装置の装置識別子を変数M−fromに代入す
る。次に、S52において、変数M−fromに格納さ
れた装置識別子を有する情報媒介装置から配付された情
報を、変数InfoXへ代入する。S53において、情
報配付部12は、変数InfoXに代入されている情報
を情報保持部11へ格納する。以上で配付先の情報媒介
装置における情報の配付時の処理を終了する。
【0062】図7は、本発明の情報処理装置の第1の実
施の形態における情報の配付時の動作の一例の説明図で
ある。図5および図6に示した動作の一例を、具体例を
もとに説明する。ここでは、情報媒介装置Aから情報媒
介装置Bへ情報識別子id−Xを有する情報を配付する
場合について説明する。このとき、配付元の情報媒介装
置は情報媒介装置Aであり、配付先の情報媒介装置は情
報媒介装置Bにあたる。情報媒介装置Aの装置識別子を
id−Aとし、情報媒介装置Bの装置識別子をid−B
とする。また、図7に示した例では、情報媒介装置Aの
情報保持部11には、情報識別子id−Xを有する情報
と、情報識別子id−Yを有する情報が格納されている
ものとする。
【0063】まず、配付元である情報媒介装置Aにおけ
る処理を、図5と図7とを用いて説明する。この例で
は、情報媒介装置Aは、情報媒介装置Bへ情報識別子i
d−Xを有する情報を配付しようとしているので、S4
1において、変数M−toに配付先の情報媒介装置Bの
装置識別子id−Bを代入し、変数Xに配付する情報の
情報識別子id−Xを代入する。次に、S42におい
て、情報媒介装置Aの情報配付部12は、ネットワーク
の中から装置識別子id−Bを有する情報媒介装置Bを
捜し出し、情報媒介装置Bの情報配付部12との間にコ
ネクションを確立する。情報媒介装置Aの情報配付部1
2は、S43において、情報保持部11から情報識別子
id−Xを有する情報を読み出し、この情報を変数In
foXへ代入する。さらに情報媒介装置Aの情報配付部
12は、S44において、変数InfoXへ代入されて
いる情報を、情報媒介装置Bの情報配付部12へ配付す
る。S45において、情報媒介装置Aの配付検知部14
は、この配付の処理を検知し、情報媒介装置Aの配付履
歴保持部15に、 (情報識別子id−X、配付先の装置識別子id−B、
Time) の組を記録する。図7では、この記録は sent id−X to id−B at T1 のように表わされている。T1は配付時の時刻であり、
情報識別子id−Xを持つ情報を、装置識別子id−B
を持つ情報媒介装置に、時刻T1に送付したことを表わ
している。このようにして、情報媒介装置Aでは、情報
の配付を行なうとともに、そのときの配付履歴を配付履
歴保持部15に記録する。
【0064】次に、配付先である情報媒介装置Bにおけ
る処理を、図6と図7とを用いて説明する。まず、S5
1において、情報媒介装置Bでは、図5のS42におい
て行なわれる情報媒介装置Aからのコネクションの確立
要求を受けてコネクションを確立し、変数M−from
に配付元の情報媒介装置Aの装置識別子id−Aを代入
する。次に、S52において、図5のS44の処理によ
り情報媒介装置Aの情報配付部12から配付される情報
識別子id−Xを有する情報を、情報媒介装置Bの情報
配付部12が受け取り、この情報を変数InfoXへ代
入する。情報媒介装置Bの情報配付部12は、S53に
おいて、変数InfoXへ代入されている情報を、情報
媒介装置Bの情報保持部11へ格納する。このようにし
て、情報媒介装置Aが情報媒介装置Bへ情報を配付する
処理は終了する。
【0065】図8は、本発明の情報処理装置の第1の実
施の形態における配付履歴保持部に保持される配付履歴
の一例の説明図である。図7では、配付履歴を、例え
ば、 sent id−X to id−B at T1 のように示した。実際に配付履歴保持部15に記録され
る内容としては、このように文字列として記録してもよ
いが、バイナリデータとして記録してもよい。図8は、
配付履歴をバイナリデータとして表現した場合を示して
いる。対象情報識別子が先の表記の“id−X”に、配
付先装置識別子が“id−B”、受け取り時刻が“T
1”に相当する。
【0066】図8における一行が一つの配付履歴を表わ
す。例えば、一番上の行の情報は、「“679840−
176”という情報識別子を持つ情報を、“80028
7”という識別子を持った装置に、1995年3月10
日12時9分4秒41に送付した」ということを意味す
る。このような配付履歴が、一つの情報が配付されるた
びに配付履歴保持部15に追加されていくことになる。
以下の説明では、基本的には履歴内容は sent id−X to id−B at T1 という表現を用いることにする。
【0067】図9は、本発明の情報処理装置の第1の実
施の形態において情報配付後の一例の説明図である。い
ま、上述のように、情報識別子id−Xを有する情報
が、情報媒介装置Aから情報媒介装置Bへ配付された。
このあと、例えば、図4に示したように情報が流れる場
合、情報媒介装置Bからさらに情報媒介装置Cおよび情
報媒介装置Dへと情報が配付される。図9では、図4に
示すような情報の配付がなされた後の各情報媒介装置の
配付履歴保持部15の様子を示している。ここで、情報
媒介装置Cの装置識別子をid−C、情報媒介装置Dの
装置識別子をid−Dとしている。また、図9では、各
情報媒介装置内の構成の一部のみしか示していない。
【0068】上述の情報媒介装置Aから情報媒介装置B
への情報の配付の処理と同様にして、情報媒介装置Bか
ら情報媒介装置Cへの情報の配付か行なわれた結果、情
報媒介装置Bの配付履歴保持部15には、 sent id−X to id−C at T2 という配付履歴が記録される。同様に、情報媒介装置B
から情報媒介装置Dへの情報の配付か行なわれた結果、
情報媒介装置Bの配付履歴保持部15には、 sent id−X to id−D at T3 という配付履歴が記録される。このようにして、情報の
配付が行なわれるごとに配付元の情報媒介装置の配付履
歴保持部15に配付履歴が記録されて行く。
【0069】次に、情報追跡時の処理について説明す
る。図10は、本発明の情報処理装置の第1の実施の形
態において情報追跡処理を開始する情報媒介装置におけ
る情報追跡時の履歴回収部の処理の一例を示すフローチ
ャートである。今、ある情報媒介装置において、情報の
伝達、配付経路の追跡の指示が出されると、履歴回収部
16は、まずS61において、追跡を開始する自分自身
の情報媒介装置の装置識別子を装置ラベル部13から得
て変数M−firstに代入する。また、追跡すべき情
報の情報識別子を変数Xに代入する。さらに、この追跡
を他の追跡と区別するためのidを生成して変数Q−i
dに代入する。このQ−idは、情報媒介装置同士が連
絡をとりあう際に、指示がループしたりするのを避ける
ため、追跡指示を特定するのに用いるものであり、ルー
プの可能性が無い場合や、他の方法で代用できる場合に
は用いる必要はない。
【0070】次に、履歴回収部16は、S62におい
て、配付履歴保持部15から変数Xに代入されている情
報識別子に関する配付履歴を読み出し、変数Histo
ryに代入する。S63で変数Historyがnul
lか否かを調べ、nullならばS68へ、nullで
ないならばS64へ進む。
【0071】S64において、変数Historyから
履歴情報を1つ取り出し、変数H1へ代入する。上述の
ように、履歴情報は(情報識別子、配付先装置識別子、
配付時刻)の組から構成されており、変数H1もこのよ
うな組が代入される。S65において、変数H1の中か
ら、配付先装置識別子を取り出して変数M−toへ代入
し、また、配付時刻の情報を取り出して変数Timeへ
代入する。S66において、履歴回収部16は、変数M
−toに代入された装置識別子で示される情報媒介装置
の履歴回収部15に対して、「処理TRACEを行なっ
てM−firstに通知せよ」という指示を出す。処理
TRACEは、後述する図12、図13のフローチャー
トに示す処理のことである。この処理TRACEは、他
の情報媒介装置で実行される。変数M−firstに
は、自分の装置識別子が代入されているので、この指示
は処理TRACEを行なった結果を自分の情報媒介装置
へ返すことを要求している。S67において、履歴回収
部16は、(変数M−first,変数H1)の組を回
収履歴保持部17に格納し、自分の配付履歴保持部15
に記録されていた配付履歴を回収履歴保持部17に移
す。その後、S63へ戻る。
【0072】S63で変数Historyがnullの
場合、追跡を開始する情報媒介装置における履歴回収部
16の追跡指示に関する処理を終了するが、履歴回収部
16は、この後、S68において、他の装置から送られ
てくる追跡に関する報告を逐次、回収履歴保持部17に
格納する。
【0073】図11は、本発明の情報処理装置の第1の
実施の形態において情報追跡処理を開始する情報媒介装
置における情報追跡時の追跡解析部の処理の一例を示す
フローチャートである。追跡解析部18は、履歴回収部
16の処理に引き続いて稼働する。ここでは、履歴回収
部16が他の情報媒介装置に出した指示に対する報告が
すべて戻ってきた後の処理について説明する。
【0074】追跡解析部18は、まずS71において、
追跡する情報の情報識別子を変数Xに代入する。次に、
追跡解析部18は、S72において、回収履歴保持部1
7から変数Xに代入されている情報識別子に関する履歴
情報を読み出し、変数History2に代入する。S
73において、変数History2がnullか否か
を調べ、nullならばS79へ、nullでないなら
ばS74へ進む。
【0075】S74において、変数History2に
含まれるすべての履歴情報の配付元の装置識別子に対応
したノードを作成する。S75において、変数Hist
ory2がnullか否かを調べ、nullならばS7
9へ、nullでないならばS76へ進む。S76にお
いて、変数History2から履歴情報を1つ取り出
し、変数H2へ代入する。S77において、変数H2の
中の配付元装置識別子情報、配付先装置識別子情報、時
刻情報を、それぞれ変数M−from、変数M−to、
変数Timeに代入する。S78において、変数M−f
romのノードから変数M−toのノードへのアークを
作成する。その後、S75へ戻る。
【0076】S73およびS75において、変数His
tory2がnullの場合には、S79において、作
成された追跡経路図を追跡結果表示部19に表示する。
【0077】図12、図13は、本発明の情報処理装置
の第1の実施の形態において情報追跡処理を開始する情
報媒介装置以外の情報媒介装置における情報追跡時の履
歴回収部の処理の一例を示すフローチャートである。こ
の処理は、図10に示したフローチャートにおけるS6
6において、追跡を開始する情報媒介装置によって実行
が指示されるTRACE処理である。また、このTRA
CE処理中から、他の情報媒介装置に対して、TRAC
E処理の実行を指示する。
【0078】他の情報媒介装置から追跡指示の依頼を受
けると、履歴回収部16は、まずS81において、変数
に初期値の代入を行なう。変数M−firstに追跡開
始の情報媒介装置の装置識別子を、変数M−fromに
追跡を指示してきた情報媒介装置の装置識別を、変数M
−meに自分の情報媒介装置の装置識別子を代入する。
また、変数Xに追跡する情報の情報識別子を、変数Q−
idに追跡命令のidを、変数Resultにnull
を、それぞれ代入する。S82において、回収履歴保持
部17に変数Q−idに代入されているidと同じid
が存在すれば、指示がループしているので処理を終了す
る。S83において、履歴回収部16は、配付履歴保持
部15から変数Xに代入されている情報識別子に関する
配付履歴を読み出し、変数Historyに代入する。
S84において、変数Historyがnullか否か
を調べ、nullならばS90へ、nullでないなら
ばS85へ進む。
【0079】S85において、変数Historyから
履歴情報を1つ取り出し、変数H1へ代入する。S86
において、変数M−toに変数H1の中の配付先装置識
別子情報を、変数Timeに変数H1の中の時刻情報を
代入する。S87において、変数M−toに代入されて
いる装置識別子を有する情報媒介装置に対して、「処理
TRACEを行なってM−firstに通知せよ」とい
う指示を出す。この指示は、配付先の情報媒介装置の履
歴回収部16に対して、処理TRACEを実行して、結
果を追跡開始の情報媒介装置に返すように要求する指示
である。S88において、変数Resultに(変数M
−me,変数H1)の組を追加する。これにより、配付
履歴保持部15に記録されていた配付履歴を、追跡開始
の情報媒介装置へ返す情報として追加する。S89にお
いて、変数Historyがnullか否かを調べ、n
ullならばS91へ、nullでないならばS85へ
戻る。
【0080】S84において、変数Historyがn
ullの場合、この情報媒介装置以降には、情報を配付
していないことを示す。この場合には、S90におい
て、この処理TRACEの実行を指示した情報媒介装置
の変数M−firstに(変数M−me,null)の
組を送信する。
【0081】S89において、変数Historyがn
ullの場合、すなわち、S85〜S88の処理で、変
数Historyに格納されている履歴情報に対する処
理がすべて終了した場合には、変数Resultに自分
の装置識別子と履歴情報の組のリストが格納されてい
る。S91において、変数M−firstに代入されて
いる追跡開始の情報媒介装置に対して、この処理TRA
CEの実行結果である変数Resultの内容を送信す
る。
【0082】S90およびS91の処理の後、S92に
おいて、この追跡命令に対する処理が終了したことを示
すために、回収履歴保持部17に変数Q−idに代入さ
れている追跡命令のidを格納する。以上で、情報追跡
処理を開始する情報媒介装置以外の情報媒介装置におけ
る履歴回収部16の処理「TRACE」が終了する。
【0083】上述の情報追跡時の処理を、図9に示した
具体例を用いて説明する。図9は、既に説明したよう
に、情報識別子id−Xを有する情報が、情報媒介装置
Aから情報媒介装置B、情報媒介装置Bから情報媒介装
置Cおよび情報媒介装置Dへと配付された後の、各情報
媒介装置の配付履歴保持部15の内容を示したものであ
る。この例において、情報媒介装置Aから情報識別子i
d−Xを有する情報を追跡することが指示されたものと
する。この場合、情報媒介装置Aの履歴回収部16は、
上述の図10に示した処理を行なう。また、情報媒介装
置Aの追跡解析部18は、上述の図11に示した処理を
行なう。さらに、情報媒介装置B,C,Dの追跡解析部
16は、上述の図12に示した処理を行なう。
【0084】情報媒介装置Aから情報識別子id−Xを
有する情報の伝達、配付経路を追跡する処理の流れは以
下のようになる。まず、追跡を開始する情報媒介装置A
における履歴回収部16の処理を、図9と図10とを用
いて説明する。
【0085】情報媒介装置Aにおいて、情報識別子id
−Xを有する情報の伝達、配付経路の追跡の指示が出さ
れると、情報媒介装置Aの履歴回収部16は、まずS6
1において、追跡を開始する自分自身の情報媒介装置の
装置識別子id−Aを変数M−firstに代入し、追
跡すべき情報の情報識別子id−Xを変数Xに代入す
る。追跡命令のidとしては、ここでは“A0001”
というidが生成されたものとし、変数Q−idに代入
される。
【0086】S62において、情報媒介装置Aの履歴回
収部16は、配付履歴保持部15に格納されている配付
履歴から、変数Xに代入されている情報識別子id−X
に関する配付履歴を読み出す。この例では、 sent id−X to id−B at T1 という配付履歴が1つだけが見つかるので、これを変数
Historyに代入する。S63において、変数Hi
storyがnullか否かを調べるが、nullでは
ないのでS64へ進む。
【0087】S64で変数Historyから履歴情報
を1つ取り出す。この例の場合には、 sent id−X to id−B at T1 という配付履歴が取り出され、変数H1へ代入される。
この配付履歴は、情報識別子id−Xを持つ情報が、装
置識別子id−Bを持つ情報媒介装置に時刻T1に配付
されたことを示している。変数Historyは履歴情
報が取り出されてnullとなる。S65において、変
数H1の中から、配付先装置識別子であるid−Bを変
数M−toへ代入し、時刻T1を変数Timeへ代入す
る。
【0088】S66において、情報媒介装置Aの履歴回
収部16は、装置識別子id−Bを有する情報媒介装
置、すなわち情報媒介装置Bの履歴回収部16に対し
て、「処理TRACEを行なってM−firstに通知
せよ」という指示を出す。変数M−firstには、情
報媒介装置A自身の装置識別子id−Aが格納されてい
るため、情報媒介装置Bの履歴回収部16に対して、情
報媒介装置B以降の情報識別子id−Xを有する情報の
伝達、配付経路を追跡し、情報媒介装置Aに報告するよ
うに通知することとなる。
【0089】S67において、情報媒介装置Aの履歴回
収部16は、(変数M−first,変数H1)の組、
すなわち、 (id−A,sent id−X to id−B a
t T1) の組を回収履歴保持部17に格納する。その後、S63
へ戻る。
【0090】S63へ戻ると、変数Historyはn
ullになっているので、S63における条件「変数H
istory=null」が成り立つので、S68へ進
むことになる。S68において、情報媒介装置Aの履歴
回収部16は、情報媒介装置Bから送られてくる追跡に
関する報告を逐次、回収履歴保持部17に格納する。
【0091】次に、追跡を開始する情報媒介装置A以外
の情報媒介装置上での履歴回収部16の処理を、図9と
図12とを用いて説明する。上述の情報媒介装置Aの履
歴回収部16のS66の処理において、情報媒介装置A
の履歴回収部16は、情報媒介装置Bの履歴回収部16
に対して、「処理TRACEを行なってM−first
に通知せよ」という指示を出した。情報媒介装置Bの履
歴回収部16は、この指示に従って、図12に示した処
理TRACEを実行する。
【0092】情報媒介装置Aの履歴回収部16から追跡
の指示を受けた情報媒介装置Bの履歴回収部16は、S
81において、以下のように変数の初期設定を行なう。
変数M−firstに、追跡開始の情報媒介装置Aの装
置識別子id−Aを、変数M−fromに追跡を指示し
てきた情報媒介装置Aの装置識別子id−Aを代入す
る。この例では、追跡開始の装置と指示してきた装置と
がたまたま同じであっただけで、一般的には異なる値に
なる。さらに、変数M−meに自分の情報媒介装置Bの
装置識別子id−Bを、変数Xに追跡する情報の情報識
別子id−Xを、変数Q−idに追跡命令のidである
“A0001”を、変数Resultにnullを代入
する。
【0093】S82において、回収履歴保持部17に変
数Q−idに代入された追跡命令のid“A0001”
と同じidが存在するか否かを判定するが、この例では
回収履歴保持部17に同じ追跡命令のidは存在してい
ないので、次に進む。
【0094】S83において、情報媒介装置Bの履歴回
収部16は、配付履歴保持部15から情報識別子id−
Xに関する配付履歴を読み出す。図9に示すように、情
報媒介装置Bの配付履歴保持部15には、情報識別子i
d−Xに関する配付履歴が2つ格納されている。履歴回
収部16は、この2つの配付履歴を読み出し、変数Hi
storyに代入する。今、変数Historyには、
以下の配付履歴が格納されていることになる。 sent id−X to id−C at T2 sent id−X to id−D at T3
【0095】S84において、変数Historyがn
ullか否かを調べるが、nullでないのでS85へ
進む。S85において、変数Historyから配付履
歴を1つ取り出し、変数H1へ代入する。ここでは、 sent id−X to id−C at T2 が取り出され、変数H1へ代入されたものとする。取り
出された配付履歴は、変数Historyから削除され
る。S86において、変数M−toに変数H1の中の配
付先装置識別子id−Cを、変数TimeにT2を代入
する。
【0096】S87において、情報媒介装置Bの履歴回
収部16は、変数M−toに代入されている配付先装置
識別子id−Cを有する情報媒介装置、すなわち情報媒
介装置Cの履歴回収部16に対して、「処理TRACE
を行なってM−firstに通知せよ」という指示を出
す。変数M−firstには、情報媒介装置Aの装置識
別子id−Aが格納されているため、情報媒介装置Cの
履歴回収部16に対して、情報媒介装置C以降の情報識
別子id−Xを有する情報の伝達、配付経路を追跡し、
情報媒介装置Aに報告するように通知することとなる。
【0097】S88において、変数Resultに(M
−me,H1)の組、すなわち、 (id−B,(sent id−X to id−C
at T2)) の組を追加する。S89において、変数History
がnullか否かを調べるが、この場合にはnullで
ないので、S85へ戻る。
【0098】S85において、変数Historyから
配付履歴を1つ取り出し、変数H1へ代入する。ここで
は、 sent id−X to id−D at T3 が取り出され、変数H1へ代入される。変数Histo
ryはnullとなる。S86において、変数M−to
に変数H1の中の配付先装置識別子id−Dを、変数T
imeにT3を代入する。
【0099】S87において、情報媒介装置Bの履歴回
収部16は、情報媒介装置Dの履歴回収部16に対し
て、「処理TRACEを行なってM−firstに通知
せよ」という指示を出す。すなわち、情報媒介装置Dの
履歴回収部16に対して、情報媒介装置D以降の情報識
別子id−Xを有する情報の伝達、配付経路を追跡し、
情報媒介装置Aに報告するように通知することとなる。
【0100】S88において、変数Resultに (id−B,(sent id−X to id−D
at T3)) の組を追加する。S89において、変数History
がnullか否かを調べる。この場合には変数Hist
ory内のすべての配付履歴についての処理が終了し、
nullとなっているので、S91へ進む。
【0101】S91に進んだ時点において、変数Res
ultには、 (id−B,(sent id−X to id−C
at T2)) (id−B,(sent id−X to id−D
at T3)) の2つの情報が格納されている。S91では、この情報
を、変数M−firstに格納されている装置識別子i
d−Aを有する情報媒介装置、すなわち情報媒介装置A
に送信する。
【0102】最後に、S92において、この追跡命令に
対する処理が終了したことを示すために、回収履歴保持
部17に追跡命令のid“A0001”を格納する。以
上で、情報媒介装置Bの履歴回収部における処理「TR
ACE」が終了する。この例では、結局、S85〜S8
8の処理を2回行ない、情報媒介装置Bの履歴回収部1
6は、情報媒介装置CおよびDの履歴回収部16に対し
て、情報識別子id−Xを有する情報の伝達、配付経路
を追跡し、情報媒介装置Aに報告するように指示すると
ともに、情報媒介装置Aに対して、 id−B:sent id−X to id−C at
T2 id−B:sent id−X to id−D at
T3 という情報を送信して終了することになる。
【0103】上述の情報媒介装置Bの履歴回収部16の
S87の処理において、情報媒介装置Bの履歴回収部1
6は、情報媒介装置Cおよび情報媒介装置Dの履歴回収
部16に対して、処理TRACEを行なって情報媒介装
置Aに通知せよという指示を出した。情報媒介装置Cお
よび情報媒介装置Dの履歴回収部16は、この指示に従
って、情報媒介装置Bと同様に、図12に示した処理T
RACEを実行する。
【0104】情報媒介装置Cの履歴回収部16では、S
81の初期設定、S82における追跡命令のidのチェ
ックを行なった後、S83において、配付履歴保持部1
5から情報識別子id−Xに関する配付履歴を読み出そ
うとするが見つからない。そのため、変数Histor
yはnullとなる。S84の判定が真となり、S90
へ進む。S90において、情報媒介装置Aに(M−m
e,null)の組を送信する。例えば、 id−C:null を送信して終了する。
【0105】情報媒介装置Dの履歴回収部16でも、情
報媒介装置Cと同様に処理が行なわれ、情報媒介装置A
に対して id−D:null を送信して終了する。
【0106】最終的には、情報媒介装置Aには、他の情
報媒介装置B,C,Dから以下のような情報が送られる
ことになる。 id−B:sent id−X to id−C at
T2 id−B:sent id−X to id−D at
T3 id−C:null id−D:null
【0107】図14は、本発明の情報処理装置の第1の
実施の形態における回収履歴保持部の内容の一例の説明
図である。上述のようにして情報媒介装置Aの回数履歴
保持部17に回収された履歴情報は、上記のような文字
列として記録してもよいが、例えば、図8に示したよう
なバイナリデータとして記録することもできる。図14
では、回数履歴保持部17に回収された履歴情報をバイ
ナリデータとして表現した場合を示している。図8に示
した配付履歴の各フィールドに加え、回収先(配付元)
の情報媒介装置の装置識別子を格納するフィールドが設
けられている。
【0108】例えば、図14の2番上の行の情報は、装
置識別子が“800287”である情報媒介装置から回
収された配付履歴であり、「装置識別子が“80028
7”である情報媒介装置から、装置識別子が“0287
65”である情報媒介装置へ、情報識別子“67984
0−176”である情報が、時刻“199503132
2233489”に配付された」ことを示している。こ
の例では、装置識別子“800287”はid−Bであ
り、装置識別子“028765”はid−Cであり、情
報識別子“679840−176”はid−Xであり、
時刻“1995031322233489”はT2であ
る。すなわち、 id−B:sent id−X to id−C at
T2 を示している。つまり、これは装置識別子がid−Bで
ある情報媒介装置から回収された履歴であり、「装置識
別子がid−Bである情報媒介装置から、装置識別子が
id−Cである情報媒介装置へ、情報識別子id−Xで
ある情報が、時刻T2に配付された」ことを意味してい
る。
【0109】なお、図14の1行目の履歴情報は、情報
媒介装置Aの履歴回収部16が図10に示した処理を実
行した際に、自分の配付履歴保持部15から取り出した
配付履歴を自分の回収履歴保持部17に格納したもので
ある。
【0110】次に、追跡を開始する情報媒介装置Aにお
ける追跡解析部18の処理を、図9と図11とを用いて
説明する。追跡解析部18は、履歴回収部16の処理に
引き続いて稼働する。ここでは、履歴回収部16が情報
媒介装置Bに出した指示に対する報告が戻ってきた後の
処理について説明する。上述のようにして、情報媒介装
置Aの回収履歴保持部17に、それぞれの情報媒介装置
B,C,Dから送られてきた履歴情報が格納されてい
る。
【0111】情報媒介装置Aにおける追跡解析部18
は、まずS71において、追跡する情報の情報識別子i
d−Xを変数Xに代入する。次に、情報媒介装置Aにお
ける追跡解析部18は、S72において、情報識別子i
d−Xに関する履歴情報を回収履歴保持部17から読み
出し、変数History2に代入する。変数Hist
ory2には、以下の5つの履歴情報が代入される。 id−A:sent id−X to id−B at
T1 id−B:sent id−X to id−C at
T2 id−B:sent id−X to id−D at
T3 id−C:null id−D:null
【0112】S73において、変数History2が
nullか否かを調べるが、nullでないのでS74
へ進む。S74では、変数History2に含まれる
すべての履歴情報の配付元装置識別子id−A,id−
B,id−C,id−Dに対する4つのノードを作成す
る。
【0113】S75において、変数History2が
nullか否かを調べるが、この時点ではnullでな
いのでS76へ進む。S76では、変数History
2から履歴情報を1つ取り出し、変数H2へ代入する。
まず、ここでは id−A:sent id−X to id−B at
T1 が取り出されたものとする。これが変数H2へ代入され
る。S77において、変数H2の中の配付元装置識別子
情報id−Aを変数M−fromに、配付先装置識別子
情報id−Bを変数M−toに、時刻情報T1を変数T
imeに、それぞれ代入する。そして、S78におい
て、ノードM−fromからノードM−toへのアー
ク、すなわち、ノードid−Aからノードid−Bへの
アークを作成する。その後、S75へ戻る。
【0114】この時点でまだ変数History2はn
ullではないので、S76で変数History2か
ら履歴情報の1つである id−B:sent id−X to id−C at
T2 を取り出し、変数H2へ代入する。そして、S77,S
78において、ノードid−Bからノードid−Cへの
アークが作成される。同様にして、履歴情報 id−B:sent id−X to id−D at
T3 から、ノードid−Bからノードid−Dへのアークが
作成される。
【0115】残りの履歴情報 id−C:null id−D:null については、S78において、ノードid−Cとノード
id−Dを終端ノードとする。
【0116】ここまでの処理で変数History2は
nullとなるので、S75の条件が真となり、S79
に進むことになる。S79に進んだ時点で、id−A、
id−B、id−C、id−Dに対する4つのノード
と、「id−A→id−B」「id−B→id−C」
「id−B→id−D」の3本のアークと、「id−
C」「id−D」での終端ノードとが作られているの
で、その図を追跡結果表示部19に表示する。
【0117】図15は、本発明の情報処理装置の第1の
実施の形態における追跡結果表示部による表示の一例の
説明図である。上述のようにして、4つのノードと3本
のアーク、2つの終端ノードが作られたので、これらを
元に、例えば、図15に示すようなグラフ表示を行なう
ことができる。
【0118】図15に示した表示例において、追跡結果
表示部19のウィンドウには、ウィンドウを閉じるため
の「閉じる」ボタンとともに、情報の名前の入力領域、
および、検索ボタンが上部に表示されている。ユーザ
は、「情報の名前」の表示の右側の入力領域に、追跡結
果を知りたい情報の名前を入力する。そして、検索ボタ
ンを押すことにより、履歴回収部16への情報の解析を
指示することができる。ここでは、情報識別子id−X
を有する情報「情報X」の配付経路を知るものとし、情
報の名前として「情報X」と入力している。情報の名前
の入力後、検索ボタンを押す。この検索ボタンは仮想的
なボタンであるので、検索ボタンを押す動作は、例え
ば、マウスでクリックすることによって行なうことがで
きる。
【0119】図15に示した例では、上述のようにして
作成されたノードを円で示し、アークを矢線によって示
している。矢線の近傍には配付時刻を表示している。ま
た、追跡を開始した情報媒介装置を示すノードは、他の
ノードとは表示方法を変えている。図15では図示の都
合上、ハッチングを施して示しているが、実際には、色
や輝度等を変えて表示することができる。このような図
形的な配付経路の表示によって、ユーザは視覚的に情報
の配付経路を知ることができる。
【0120】このようにして、上述の第1の実施の形態
では、ある情報媒介装置以降の情報の伝達、配付経路
や、流通範囲を追跡することができる。
【0121】なお、上述の説明では、情報追跡時の処理
において、履歴情報を調べて通知するよう指示された各
情報媒介装置は、最初に追跡処理を開始した情報媒介装
置に直接報告を送付するように構成したが、この構成に
限らず、履歴情報を調べて通知するよう指示した情報媒
介装置に報告を送付し、情報を配付したのと逆の順序で
順々に報告を受け渡していくような構成にしてもかまわ
ない。
【0122】また、上述の説明では、履歴情報として、
情報識別子と装置識別子の他に配付時刻も含めて説明し
た。しかし、この配付時刻情報は、配付経路だけを知り
たい場合などでは必ずしも必要なく、配付時刻情報のな
い構成にしてもかまわない。ただし、情報の伝達時間に
ついての情報を得たい場合や、例えば、同じ情報が複数
の情報媒介装置から配付されたり、あるいは同じ情報を
複数の情報媒介装置から受け取ったとき、どちらの配付
が先に行なわれたかを知りたい場合などでは、配付時刻
情報も含めて構成したほうが便利である。もちろん、履
歴として他の情報を含めて記録するように構成してもか
まわない。
【0123】次に、本発明の情報処理装置の第2の実施
の形態について説明する。この実施の形態は、情報が、
ある装置までどのような伝達・配付経路で配付されてき
たかを追跡できるように構成したものである。
【0124】この第2の実施の形態における基本的な構
成は、上述の第1の実施の形態と同じく、図1に示され
ている。そのため、各部の詳細は説明を省略する。第1
の実施の形態と異なる部分は、基本的には、情報配付時
に配付履歴保持部15に記録する配付履歴の内容と、情
報追跡時に追跡を依頼する方向とである。具体的には、
情報配付時においては、第1の実施の形態では、情報の
配付先の装置識別子を、配付元の情報媒介装置の配付履
歴保持部17に記録していたのに対し、この第2の実施
の形態では、情報の配付元の装置識別子を、配付先の情
報媒介装置の配付履歴保持部17に記録する。また、情
報追跡時においては、第1の実施の形態では、情報が配
付された時と同じ順序で追跡していくのに対し、この第
2の実施の形態では、情報が配付された時とは逆の順序
で追跡していく。このように構成することにより、例え
ば、受け取った情報がどのような経路をたどって配付さ
れてきたものかを知ることが可能になる。
【0125】配付検知部14は、情報が配付された(情
報を受け取った)時に、その情報の情報識別子を、配付
元の情報媒介装置の装置識別子とともに配付履歴保持部
15に記録する。
【0126】履歴回収部16は、配付履歴保持部15か
ら配付履歴を読み出し、その配付履歴を元に配付元の情
報媒介装置に対して、その情報媒介装置以前の情報の配
付履歴を順に回収して、回収を指示した情報媒介装置に
通知することを依頼する。もちろん、追跡を開始した情
報媒介装置に通知するように構成してもよい。
【0127】次に、本発明の情報処理装置の第2の実施
の形態における動作の概要について説明する。図16
は、本発明の情報処理装置の第2の実施の形態における
情報の流れの一例の説明図である。図16には、4つの
情報媒介装置A〜Dが示されており、情報Xが、情報媒
介装置Aから情報媒介装置B、情報媒介装置C、情報媒
介装置Dへと配付された例を示している。
【0128】情報媒介装置Bでは、情報Xが情報媒介装
置Aから配付されたことを検知し、その配付履歴を配付
履歴保持部15に記録しておく。同様に、情報媒介装置
C、情報媒介装置Dでも、それぞれ情報Xが情報媒介装
置B、情報媒介装置Cから配付されたことを検知し、配
付履歴を配付履歴保持部15に記録しておく。
【0129】情報媒介装置Dにおいて情報Xが配付され
た経路を追跡することが指示されると、情報媒介装置D
の配付履歴保持部15から情報Xの配付履歴を取り出
し、配付元である情報媒介装置Cに対して情報Xの配付
経路の追跡を指示する。ここでは、追跡の通知の方法と
して、情報が配付されたのと逆の順序で、順々に履歴を
受け渡していく方法を採用する。情報媒介装置Cは、情
報媒介装置Dから情報Xの配付経路の追跡の指示を受け
ると、情報媒介装置Cの配付履歴保持部15から情報X
の配付履歴を取り出し、配付元である情報媒介装置Bに
対して情報Xの配付経路の追跡を指示する。同様に、情
報媒介装置Bでも、配付履歴保持部15から情報Xの配
付履歴を取り出し、配付元である情報媒介装置Aに対し
て情報Xの配付経路の追跡を指示する。情報媒介装置A
では、情報Xの配付履歴を保持していないので、これ以
上の追跡指示は行なわず、情報媒介装置Bに対して情報
Xに関する配付履歴がない旨を返す。情報媒介装置B
は、情報Xが情報媒介装置Aから配付された際の配付履
歴、および、情報媒介装置Aには情報Xに関する配付履
歴がない旨を情報媒介装置Cに返す。情報媒介装置C
は、情報Xが情報媒介装置Bから配付された際の配付履
歴、および、情報媒介装置Bが有していた情報Xが情報
媒介装置Aから配付された際の配付履歴と、情報媒介装
置Aには情報Xに関する配付履歴がない旨を情報媒介装
置Dに返す。これにより、情報媒介装置Dでは、情報X
が図16に示すように配付されたことを知ることができ
る。このようにして、情報が配付されてきた経路、およ
び、流通範囲などを解析することが可能となる。
【0130】以下、上述のような処理の流れを詳細に説
明する。まず、情報の配付時の動作を説明する。図17
は、本発明の情報処理装置の第2の実施の形態における
情報の配付時の動作の一例の説明図である。図中の符号
は図1と同様である。ここでは、情報媒介装置Aから情
報媒介装置Bへ情報識別子id−Xを有する情報が配付
された時の処理の流れを説明する。
【0131】第1の実施の形態の図7と同様に、情報媒
介装置Aは、装置識別子id−Aを有している。情報媒
介装置Aの情報保持部11には、情報識別子id−Xを
有する情報(以下、情報Xとする)と情報識別子id−
Yを有する情報が格納されている。また、情報媒介装置
Bは、装置識別子id−Bを有している。
【0132】情報媒介装置Aが、情報媒介装置Bへ情報
を配付する時の処理の流れも、第1の実施の形態とほと
んど同様であり、ただ配付履歴の記入先と記入内容が異
なるだけである。第1の実施の形態では、情報媒介装置
Aの配付履歴保持部15に、配付した情報の情報識別子
id−Xを、配付先の装置識別子id−Bとともに記録
していた。この第2の実施の形態では、情報媒介装置B
の配付履歴保持部15に、配付した情報の情報識別子i
d−Xを、配付元の装置識別子id−Aとともに記録す
る。
【0133】具体的には、以下のような流れとなる。ま
ず、情報媒介装置Aの情報配付部12は、ネットワーク
の中から情報媒介装置Bを捜し出し、情報媒介装置Bの
情報配付部12との間にコネクションを確立する。情報
媒介装置Bを捜す際には、その装置識別子id−Bを元
にすればよい。次に、情報媒介装置Aの情報配付部12
は、情報保持部11から情報Xを読み出し、情報媒介装
置Bの情報配付部12に対して配付する。情報Xを受け
取った情報媒介装置Bの情報配付部12は、この情報を
情報保持部11に格納する。
【0134】情報媒介装置Bの配付検知部14は、この
配付の処理、すなわち受信の処理を検知し、情報媒介装
置Bの配付履歴保持部15に、配付された情報の情報識
別子id−Xを、配付元の装置識別子id−Aとともに
記録する。図17に示した例では、これに配付された時
刻T1を付加して received id−X from id−A a
t T1 のように記録している。これは、情報識別子id−Xを
持つ情報を、装置識別子id−Aを持つ情報媒介装置か
ら、時刻T1に受信したことを表わす。
【0135】図18は、本発明の情報処理装置の第2の
実施の形態において情報配付後の一例の説明図である。
上述のように、情報Xが、情報媒介装置Aから情報媒介
装置Bへ配付された。例えば、図16に示したように情
報が流れる場合、情報媒介装置Bからさらに情報媒介装
置C、情報媒介装置Dへと情報が配付される。図18で
は、図16に示すような情報の配付がなされた後の各情
報媒介装置の配付履歴保持部15の様子を示している。
ここで、情報媒介装置Cの装置識別子をid−C、情報
媒介装置Dの装置識別子をid−Dとしている。また、
図18では、各情報媒介装置内の構成の一部のみしか示
していない。
【0136】上述の情報媒介装置Aから情報媒介装置B
への情報の配付の処理と同様にして、情報媒介装置Bか
ら情報媒介装置Cへの情報の配付が行なわれた結果、情
報媒介装置Cの配付履歴保持部15には、 received id−X from id−B a
t T2 という配付履歴が記録される。同様に、情報媒介装置C
から情報媒介装置Dへの情報の配付が行なわれた結果、
情報媒介装置Dの配付履歴保持部15には、 received id−X from id−C a
t T3 という配付履歴が記録される。このようにして、情報の
配付が行なわれるごとに配付先の情報媒介装置の配付履
歴保持部15に配付履歴が記録されて行く。
【0137】次に、情報追跡時の処理について、図18
を用いて説明する。ここでは、追跡の通知の方法とし
て、情報が配付されたのと逆の順序で、順々に履歴を受
け渡していく方法を採用して説明する。もちろん、第1
の実施の形態と同様に、追跡を開始した情報媒介装置に
すべて報告する方法を採用してもよい。
【0138】まず、情報媒介装置Dにおいて、情報Xの
伝達、配付経路の追跡の指示が出されると、情報媒介装
置Dの履歴回収部16は、配付履歴保持部15に格納さ
れている配付履歴から、情報Xの情報識別子id−Xに
関するものを読み出す。この例の場合には、 received id−X from id−C a
t T3 という配付履歴が1つだけ見つかる。この配付履歴よ
り、情報Xは装置識別子id−Cを持つ情報媒介装置C
から時刻T3に配付されたことがわかるので、情報媒介
装置Dの履歴回収部16は、情報媒介装置Cの履歴回収
部16に対して、情報Xの伝達、配付経路を追跡し、情
報媒介装置Dに報告するように通知する。それととも
に、その配付履歴と情報媒介装置Dの装置識別子id−
Dを組にして id−D:received id−X from i
d−C at T3 という履歴情報を情報媒介装置Dの回収履歴保持部17
に格納する。
【0139】情報媒介装置Dからの通知を受け取った情
報媒介装置Cの履歴回収部16は、同様に配付履歴保持
部15に格納されている配付履歴から、情報Xの情報識
別子id−Xに関するものを読み出す。この例の場合に
は、 received id−X from id−B a
t T2 という配付履歴が見つかる。情報媒介装置Cの履歴回収
部16は、この配付履歴と自分の装置識別子id−Cと
を組にして、 id−C:received id−X from i
d−B at T2 という履歴情報を情報媒介装置Cの回収履歴保持部17
に格納する。さらに、この配付履歴から、情報Xは装置
識別子id−Bを持つ情報媒介装置Bから時刻T2に配
付されたことがわかるので、情報媒介装置Cの履歴回収
部16は、情報媒介装置Bに対して、情報Xの伝達、配
付経路を追跡し、情報媒介装置Cに報告するように通知
する。
【0140】同様に、情報媒介装置Bの履歴回収部16
は、配付履歴保持部15から情報Xの情報識別子id−
Xに関するものを読み出し、情報媒介装置Bの回収履歴
保持部17に id−B:received id−X from i
d−A at T1 という履歴情報を格納し、情報媒介装置Aに対して、情
報Xの伝達、配付経路を追跡して情報媒介装置Bに報告
するように通知する。
【0141】同様に、情報媒介装置Aの履歴回収部16
は、配付履歴保持部15から情報Xの情報識別子id−
Xに関するものを読み出そうとするが、情報媒介装置A
の履歴回収部15には、情報Xの情報識別子id−Xに
関するものは格納されていない。そのため、 id−A:null という情報を情報媒介装置Bに報告する。
【0142】情報媒介装置Aの履歴回収部16から報告
を受けた情報媒介装置Bの履歴回収部16は、回収履歴
保持部17から id−B:received id−X from i
d−A at T1 という履歴情報を取り出し、情報媒介装置Aから受け取
った履歴情報に付加して、情報媒介装置Cへ報告する。
【0143】同様に、情報媒介装置Bの履歴回収部16
から報告を受けた情報媒介装置Cの履歴回収部16は、
回収履歴保持部17から履歴情報を取り出し、情報媒介
装置Bから受け取った履歴情報に付加して、情報媒介装
置Dへ報告する。
【0144】情報媒介装置Cの履歴回収部16から報告
を受けた情報媒介装置Dの履歴回収部16は、受け取っ
た履歴情報を情報媒介装置Dの回収履歴保持部17へ格
納する。最終的には、情報媒介装置Dの回収履歴保持部
17には、以下のような履歴情報が格納される。 id−A:null id−B:received id−X from i
d−A at T1 id−C:received id−X from i
d−B at T2 id−D:received id−X from i
d−C at T3
【0145】情報媒介装置Dの追跡解析部18は、この
履歴情報を解析することにより、情報Xが、情報媒介装
置Aから情報媒介装置B、情報媒介装置C、情報媒介装
置Dと配付されたことを解析する。そして、解析結果を
追跡結果表示部19に表示する。
【0146】図19は、本発明の情報処理装置の第2の
実施の形態における追跡結果表示部による表示の一例の
説明図である。表示形態は、図15と同様である。上述
のようにして情報媒介装置Dの回収履歴保持部17に回
収された履歴情報に従って、存在する情報媒介装置A,
B,C,Dをそれぞれノードとして円で示し、各履歴情
報から「id−A→id−B」「id−B→id−C」
「id−B→id−D」の3本のアークを生成してこれ
を矢線で示す。矢線の近くには、配付時刻を表示してい
る。図19に示した表示例では、追跡を開始した情報媒
介装置Dを示すノードの表示を変えている。
【0147】次に、本発明の情報処理装置の第3の実施
の形態を説明する。この実施の形態は、情報の全伝達、
配付経路や、全流通範囲の追跡を可能としたものであ
る。基本的には、第1の実施の形態と第2の実施の形態
とを合わせたものであり、ある情報媒介装置から、情報
が配付されたのと同じ方向へも逆の方向へも追跡するこ
とが可能であり、ある情報が配付された全伝達、配付経
路や、全流通範囲を追跡することができる。基本的な構
成は、第1の実施の形態と同じであり、図1に示されて
いる。そのため、各部の詳細は説明を省略する。
【0148】配付検知部14は、他の情報媒介装置から
情報の配付を受けた場合に、その情報の情報識別子を配
付元の情報媒介装置の装置識別子とともに配付履歴保持
部15に記録し、かつ、他の情報媒介装置へ情報の配付
を行なった場合に、情報識別子を情報の配付先の装置識
別子とともに配付履歴保持部15に記録する。
【0149】履歴回収部16は、配付履歴保持部15か
ら配付履歴を読み出し、読み出した配付履歴を元に配付
先および配付元の情報媒介装置に対して、その情報媒介
装置の前後の情報の配付履歴を順に回収して、追跡を開
始した情報媒介装置に通知することを依頼する。もちろ
ん、指示を受けた情報媒介装置に通知するように構成し
てもよい。
【0150】次に、本発明の情報処理装置の第3の実施
の形態における動作の概要について説明する。図20
は、本発明の情報処理装置の第3の実施の形態における
情報の流れの一例の説明図である。図20には、6つの
情報媒介装置A〜Fが示されている。情報Xは、情報媒
介装置Aから情報媒介装置Bおよび情報媒介装置Fへ、
情報媒介装置Bから情報媒介装置Cおよび情報媒介装置
Dへ、情報媒介装置Cからも情報媒介装置Dへ、さら
に、情報媒介装置Dから情報媒介装置Eへと配付された
例を示している。
【0151】情報媒介装置Aでは、情報Xを情報媒介装
置B,Fへ配付した配付履歴を配付履歴保持部15に記
録する。情報媒介装置Bでは、情報Xを情報媒介装置A
から配付されたこと、および、情報媒介装置C,Dへ配
付した配付履歴を配付履歴保持部15に記録する。同様
に、情報媒介装置Cでは情報Xを情報媒介装置Bから配
付され、情報媒介装置Dに配付したことを、情報媒介装
置Dでは情報Xを情報媒介装置B,Cから配付され、情
報媒介装置Eへ配付したことを、情報媒介装置Eは情報
Xを情報媒介装置Dから配付されたことを、情報媒介装
置Fは情報Xを情報媒介装置Aから配付されたことを、
それぞれ配付履歴として配付履歴保持部15に記録して
おく。
【0152】情報媒介装置Bにおいて情報Xが配付され
た経路を追跡することが指示されると、情報媒介装置D
の配付履歴保持部15から情報Xの配付履歴を取り出
す。この場合、情報媒介装置Aから情報Xの配付を受け
た配付履歴と、情報媒介装置C,Dへ情報Xを配付した
配付履歴が記録されているので、情報媒介装置A,C,
Dに対して、情報Xの配付経路の追跡を指示する。情報
媒介装置Bは、各情報媒介装置から回収された履歴情報
をもとに解析を行なうことによって、図20に示すよう
な情報のすべての配付経路および流通範囲などを知るこ
とが可能となる。このように、この第3の実施の形態で
は、解析する情報の配付されたどの情報媒介装置からで
も、情報が配付された全ての経路を追跡することが可能
となる。
【0153】以下、上述のような処理の流れを詳細に説
明する。まず、情報の配付時の動作を説明する。情報の
配付時の処理は、上述の第1の実施の形態と第2の実施
の形態で示した処理を合わせたものとなる。情報媒介装
置Aから情報媒介装置Bへ情報Xが配付された場合を考
える。この場合、図7に示したように、配付元である情
報媒介装置Aの配付履歴保持部15には、 sent id−X to id−B at T1 という配付履歴が記録される。また、図17に示したよ
うに、配付先である情報媒介装置Bの配付履歴保持部1
5には、 received id−X from id−A という配付履歴が記録される。このとき、配付時刻は、
どちらかに記録されていればよいので、この例では配付
元の情報媒介装置に記録される配付履歴にのみ配付時刻
を記録している。配付先の情報媒介装置に記録される配
付履歴にのみ配付時刻を記録したり、両者に記録するこ
とも可能である。
【0154】図21は、本発明の情報処理装置の第3の
実施の形態において情報配付後の一例の説明図である。
上述のように、情報Xが、情報媒介装置Aから情報媒介
装置Bへ配付された。例えば、図20に示したように情
報が流れる場合、情報媒介装置Aの配付履歴保持部15
には、さらに、情報Xを情報媒介装置Fへ配付したこと
を示す配付履歴 sent id−X to id−F at T6 が記録される。この配付によって、情報媒介装置Fの配
付履歴保持部15には、 received id−X from id−A という配付履歴が記録される。
【0155】また、情報媒介装置Bの配付履歴保持部1
5には、さらに、情報Xを情報媒介装置C,Dへ配付し
たことを示す配付履歴 sent id−X to id−C at T2 sent id−X to id−D at T3 が記録される。この配付によって、情報媒介装置C,D
の配付履歴保持部15には、 received id−X from id−B という配付履歴が記録される。また、情報媒介装置Cは
さらに情報媒介装置Dへ情報Xを配付しているので、情
報媒介装置Cの配付履歴保持部15には、さらに、 sent id−X to id−D at T4 という配付履歴が記録される。これに対応して、情報媒
介装置Dの配付履歴保持部15には、 received id−X from id−C という配付履歴が記録される。また、情報媒介装置Dは
情報媒介装置Eへ情報Xを配付しているので、情報媒介
装置Dの配付履歴保持部15には、さらに、 sent id−X to id−E at T5 という配付履歴が記録される。これに対応して、情報媒
介装置Eの配付履歴保持部15には、 received id−X from id−D という配付履歴が記録される。このようにして、図20
に示すような情報Xの配付が行なわれたとき、各情報媒
介装置A〜Fの配付履歴保持部15には、図21に示す
ような配付履歴が記録される。
【0156】次に、情報媒介装置Bから情報Xの伝達・
配付経路を追跡する時の処理について、図21に示した
例を用いて説明する。以下の説明では、情報媒介装置B
において、情報Xの伝達・配付経路の追跡の指示が出さ
れた場合を説明する。
【0157】情報媒介装置Bにおいて、情報Xの伝達・
配付経路の追跡の指示が出されると、情報媒介装置Bの
履歴回収部16は、配付履歴保持部15に格納されてい
る配付履歴から、情報Xの情報識別子id−Xに関する
ものを読み出す。この例の場合には、 received id−X from id−A sent id−X to id−C at T2 sent id−X to id−D at T3 という3つの配付履歴が見つかる。
【0158】見つかった配付履歴から、情報媒介装置B
は情報Xを情報媒介装置Aから受け取り、情報媒介装置
CとDにそれぞれ時刻T2、T3に配付したことがわか
る。情報媒介装置Bは、情報媒介装置A、C、Dに対し
て、それぞれ前後の伝達、配付経路を追跡して情報媒介
装置Bに報告するように通知する。それとともに、これ
らの配付履歴と情報媒介装置Bの装置識別子id−Bを
組にして回収履歴保持部17に格納する。
【0159】情報媒介装置Bからの通知を受け取った情
報媒介装置A、C、Dは、それぞれ、配付履歴保持部1
5に格納されている配付履歴から情報Xの情報識別子i
d−Xに関するものを読み出す。そして、配付履歴を元
に、それぞれの前後の情報媒介装置に対し、伝達、配付
経路を追跡して情報媒介装置Bに報告するように通知す
る。それとともに、読み出した配付履歴と自分の装置識
別子を組にして情報媒介装置Bに通知する。
【0160】例えば、情報媒介装置Aでは、配付履歴保
持部15に記録されている配付履歴 sent id−X to id−B at T1 sent id−X to id−F at T6 を取り出し、情報媒介装置B,Fに対して、情報Xの伝
達、配付経路を追跡して情報媒介装置Bに報告するよう
に通知する。それとともに、これらの配付履歴に装置識
別子id−Aを組にした履歴情報 id−A:sent id−X to id−B at
T1 id−A:sent id−X to id−F at
T6 を情報媒介装置Bへ通知する。
【0161】情報媒介装置Aから通知を受けた情報媒介
装置Fも、同様にして、履歴情報 id−F:received id−X from i
d−A を情報媒介装置Bへ通知する。このとき、情報媒介装置
Fから情報媒介装置Aに対して、伝達、配付経路を追跡
して情報媒介装置Bに報告するように通知される。しか
し、図10に示した第1の実施の形態の情報追跡処理の
フローチャートにおいて説明したように、追跡命令のi
dを用いて処理の繰り返しのチェックが行なわれるの
で、情報媒介装置Aでは重複した情報追跡処理は行なわ
れない。これによって、情報媒介装置間での通知が無限
に繰り返されることを防ぐことができる。
【0162】同様にして、情報媒介装置C,D,Eは、
それぞれ配付履歴保持部15に記録されていた配付履歴
と、装置識別子の組を情報媒介装置Bへ通知する。情報
媒介装置Bでは、それぞれの情報媒介装置から送られて
きた履歴情報を回収履歴保持部17に格納していく。最
終的には、情報媒介装置Bの回収履歴保持部17には、
以下のような履歴情報が格納される。 id−B:received id−X from i
d−A id−B:sent id−X to id−C at
T2 id−B:sent id−X to id−D at
T3 id−C:received id−X from i
d−B id−C:sent id−X to id−D at
T4 id−D:received id−X from i
d−B id−D:received id−X from i
d−C id−D:sent id−X to id−E at
T5 id−E:received id−X from i
d−D id−A:sent id−X to id−B at
T1 id−A:sent id−X to id−F at
T6 id−F:received id−X from i
d−A
【0163】情報媒介装置Bの追跡解析部18は、この
履歴情報を解析することにより、情報Xの全配付経路を
解明し、追跡結果表示部19に表示する。解析の方法と
しては、例えば、以下のように行なう。
【0164】上述のようにして配付履歴を記録して行く
と、1回の配付で配付先と配付元に履歴が記録される。
すなわち、回収履歴保持部17に格納された履歴情報
は、同じ事を示す情報を二重に含んでいる。そのため、
配付経路の解析は一方を使用するのみで十分である。例
えば、上記の履歴情報から“sent”に関する履歴情
報だけを抜き出して利用することができる。抜き出され
た履歴情報は、 id−B:sent id−X to id−C at
T2 id−B:sent id−X to id−D at
T3 id−C:sent id−X to id−D at
T4 id−D:sent id−X to id−E at
T5 id−A:sent id−X to id−B at
T1 id−A:sent id−X to id−F at
T6 の6つである。もちろん、“receive”に関する
履歴情報のみを抜き出して利用してもよい。
【0165】次に、抜き出した履歴情報から装置識別子
を抽出し、それぞれに対してノードを作成する。ここで
は、id−A、id−B、id−C、id−D、id−
E、id−Fの6つのノードができる。さらに、各履歴
情報から以下のようなアークを作成する。 id−B→id−C at T2 id−B→id−D at T3 id−C→id−D at T4 id−D→id−E at T5 id−A→id−B at T1 id−A→id−F at T6 以上で、解析を終了し、追跡結果表示部19に表示す
る。
【0166】図22は、本発明の情報処理装置の第3の
実施の形態における追跡結果表示部による表示の一例の
説明図である。表示形態は、図15と同様である。上述
のようにして情報媒介装置Bの回収履歴保持部17に回
収された履歴情報を用いて解析した結果に従って、例え
ば、図22に示すような情報Xの配付経路の表示を行な
うことができる。ノードをそれぞれ円で示し、アークを
それぞれ矢線で示している。矢線の近くには、配付時刻
を表示している。追跡を開始した情報媒介装置がわかる
ように、情報媒介装置Bを示すノードの表示を変えてい
る。
【0167】このような表示を参照することによって、
ユーザは情報Xの配付経路や、流通範囲全体を把握する
ことができる。また、配付時刻の表示により、例えば、
情報媒介装置Dから情報媒介装置Eへの情報Xの配付
が、情報媒介装置Bからの配付の後か、情報媒介装置C
からの配付の後か、あるいは両方から配付を受けた後
か、といった配付のタイミングなども知ることができ
る。
【0168】次に、本発明の情報処理装置の第4の実施
の形態を説明する。この第4の実施の形態は、ユーザに
よって作成あるいは変更された情報に関する履歴も残す
ことによって、配付の途中で情報が修正/変更された場
合にも、修正/変更を含めたその情報系統の全般にわた
って追跡ができるようにしたものである。
【0169】今までの各実施の形態では、情報は修正/
変更などされずに、元の情報と同じ状態のまま、多くの
情報媒介装置を経て配付されることを前提にしたもので
あり、その情報配付経路を追跡するものであった。しか
し、この実施の形態では、情報の配付の途中で情報が一
部修正/変更されたり、いくつかの情報を元に新たな情
報を作成したりした場合にも、その修正された情報の追
跡はもちろん、オリジナルと修正されたものとを統合し
て追跡を行なうことができる。
【0170】図23は、本発明の情報処理装置の第4の
実施の形態を示す構成図である。図中、図1と同様の部
分には同じ符号を付して説明を省略する。21は情報処
理部、22は情報識別子管理部、23は情報作成検知部
である。基本的な構成としては、第1〜第3の実施の形
態の構成と同様であり、図1に示した構成に加えて、情
報が作成/修正された時に情報に新たな情報識別子を付
与する情報識別子管理部22と、情報の作成/修正を検
知し、その履歴情報を配付履歴保持部に格納する情報作
成検知部23とを備えるように構成すればよい。情報処
理部21は、一般的に情報を処理する部分であり、ここ
では情報の作成や変更/修正などを行なう部分である。
【0171】情報識別子管理部22は、情報が作成/修
正された時に情報に新たな情報識別子を付与する。情報
識別子は、他の情報媒介装置が付与した識別子と重複し
ないように管理される。その方法としては、例えば、個
々の情報媒介装置に保持されている装置識別子と、その
情報媒介装置で生成/変更された情報に対するシリアル
番号を組み合せたものを、その情報の情報識別子として
用いるなどの方法が考えられる。例えば、装置識別子が
「6892678」である場合は、その装置上で作成さ
れた情報に対するシリアル番号と組み合せて、「689
2678−1」、「6892678−2」、「6892
678−3」、・・・を情報識別子として用いるように
する。このようにすることで、情報に対する識別子が重
複することを避けることが可能になる。
【0172】情報作成検知部23は、情報処理部21を
監視して情報の作成/修正を検知し、その作成履歴を配
付履歴保持部15に格納する。例えば、時刻T1に情報
識別子がWである情報が作成された場合には、 created W at T1 という作成履歴を配付履歴保持部15に格納する。ま
た、情報識別子がQである情報を元にして情報識別子が
Pである情報が時刻T2に作成されたという場合には、 created P from Q at T2 という作成履歴を配付履歴保持部15に格納する。
【0173】次に、本発明の情報処理装置の第4の実施
の形態における動作の概要について説明する。図24
は、本発明の情報処理装置の第4の実施の形態における
情報の流れの一例の説明図である。図24において、点
線は情報Xの流れを示し、一点鎖線は情報Yの流れを示
し、実線は情報Zの流れを示している。
【0174】図24には、上述の図4と同様に、4つの
情報媒介装置A〜Dが示されており、情報Xが情報媒介
装置Aで作成され、情報媒介装置Aから情報媒介装置B
へ配付され、情報媒介装置Bからは、情報媒介装置Cお
よび情報媒介装置Dへと配付され。この実施の形態で
は、このような配付の後、情報媒介装置D上で情報Xを
修正して情報Yを作成し、情報Yを情報媒介装置Bへ配
付し、さらに情報媒介装置B上で情報Yを修正して情報
Zを作成し、情報Zを情報媒介装置Cへ配付している。
【0175】図25は、本発明の情報処理装置の第4の
実施の形態において情報配付後の一例の説明図である。
図24に示すような情報の配付が行なわれたとき、各情
報媒介装置A〜Dの配付履歴保持部15には、配付履歴
および作成履歴が記録される。このとき、配付履歴につ
いては、第1の実施の形態と同様の方法で履歴を格納す
るとする。もちろん、第2、第3の実施の形態と同様の
方法で記録することも可能である。
【0176】まず、情報媒介装置Aでは、情報Xを作成
している。情報Xが情報処理部21で作成されると、情
報識別子管理部22はこの作成された情報に情報識別子
id−Xを付与する。情報作成権恥部23は、情報処理
部21で情報Xが作成されたことを検知し、情報Xの情
報識別子id−Xと作成時刻T1から、作成履歴 created id−X at T1 を作成して、配付履歴保持部15に記録する。また、上
述の第1の実施の形態と同様に、情報Xが情報媒介装置
Aの配付履歴保持部15には、配付履歴 sent id−X to id−B at T2 が、また、情報媒介装置Bの配付履歴保持部15には、
配付履歴 sent id−X to id−C at T3 sent id−X to id−D at T4 が記録される。
【0177】情報媒介装置Dで情報Xをもとに情報Yを
作成しているので、情報媒介装置Dの配付履歴保持部1
5には、作成履歴 created id−Y from id−X at
T5 が記録され、情報Yを情報媒介装置Bへ配付したことに
よる配付履歴 sent id−Y to id−B at T6 も記録される。
【0178】情報媒介装置Bでは、情報媒介装置Cから
受け取った情報Yを元に情報Zを作成し、情報Zを情報
媒介装置Dに配付しているので、情報媒介装置Bの配付
履歴保持部15には、さらに、次の作成履歴および配付
履歴 created id−Z from id−Y at
T7 sent id−Z to id−D at T8 が記録される。
【0179】最終的に、図25に示したように、各情報
媒介装置A〜Dの配付履歴保持部15には、作成履歴お
よび配付履歴が記録されて行く。
【0180】次に、情報媒介装置Aから情報Xおよびそ
の修正情報の伝達、配付経路を追跡する時の処理につい
て、図25に示した例を用いて説明する。情報媒介装置
Aにおいて、情報Xおよびその修正情報の伝達、配付経
路の追跡の指示が出されると、各情報媒介装置は、第1
の実施の形態に示したのとほぼ同様の処理を行なう。
【0181】第1の実施の形態と異なるのは、第1の実
施の形態では情報Xだけを追跡していたのに対し、この
第4の実施の形態では、情報Xを元にした作成履歴が存
在する場合、引き続き作成された情報についての追跡も
行なう。
【0182】具体的には、情報媒介装置Bから情報媒介
装置Dへ情報Xの追跡の指示がなされると、情報媒介装
置Dは配付履歴保持部15から作成履歴 created id−Y from id−X at
T5 が取り出されると、情報識別子id−Yに関する配付履
歴を取り出して、第1の実施の形態と同様に情報Yの追
跡を開始する。情報媒介装置Dは情報媒介装置Bに対し
て、情報Yの追跡を指示する。情報媒介装置Bには、情
報Yの配付履歴は存在しないが、情報Yを元にした作成
履歴 created id−Z from id−Y at
T7 が存在する。情報媒介装置Bの履歴回収部16は、この
作成履歴を配付履歴保持部15から取り出し、この作成
履歴をもとに情報識別子id−Zに関する配付履歴をさ
らに配付履歴保持部15から取り出して、情報Zについ
ての追跡処理を行なう。
【0183】結局、情報媒介装置Aの回収履歴保持部1
7には、以下のような履歴情報が格納されることにな
る。 id−A:created id−X at T1 id−A:sent id−X to id−B at
T2 id−B:sent id−X to id−C at
T3 id−B:sent id−X to id−D at
T4 id−B:created id−Z from id
−Y at T7 id−B:sent id−Z to id−C at
T8 id−C:null id−D:created id−Y from id
−X at T5 id−D:sent id−Y to id−B at
T6
【0184】図26は、本発明の情報処理装置の第4の
実施の形態における回収履歴保持部の内容の一例の説明
図である。上述のようにして情報媒介装置Aの回収履歴
保持部17に回収された履歴情報は、上記のような文字
列として記録してもよいが、例えば、図8に示したよう
なバイナリデータとして記録することもできる。図26
では、回収履歴保持部17に回収された履歴情報をバイ
ナリデータとして表現した場合を示している。各履歴情
報は、回収先装置識別子、操作種別、対象情報識別子、
オリジナル情報識別子、配付先装置識別子、時刻から構
成されている。
【0185】操作種別は、この実施の形態では、“se
nd”と“create”の区別をするもので、1ビッ
トのフラグなどにしてもよい。操作種別が“send”
の時には、対象情報識別子と配付先装置識別子と時刻と
に情報が格納される。また、操作種別が“creat
e”の時には、対象情報識別子とオリジナル情報識別子
と時刻とに情報が格納される。また、新たに情報が作成
された場合、オリジナル情報識別子はnullとする。
【0186】履歴の回収後、情報媒介装置Aの追跡解析
部18は、回収した履歴情報を解析する。解析の方法も
第1の実施の形態とほぼ同様である。まず、各情報媒介
装置の装置識別子を元にして4つのノードid−A、i
d−B、id−C、id−Dを作成する。次に、“se
nt”を有する履歴情報を元にしてアークを作成する。
この時、情報識別子ごとにアークを作成する。作成され
るアークは、 id−X:id−A→id−B at T2 id−X:id−B→id−C at T3 id−X:id−B→id−D at T4 id−Z:id−B→id−C at T8 id−Y:id−D→id−B at T6の5つであ
る。
【0187】さらに、“created”を有する履歴
情報を元にして、情報の修正履歴を作成する。作成され
る修正履歴は、 id−A:null →id−X at T1 id−B:id−Y →id−Z at T7 id−D:id−X →id−Y at T5 のようになる。以上で解析が終了したので、追跡結果表
示部19へ表示する。
【0188】図27は、本発明の情報処理装置の第4の
実施の形態における追跡結果表示部による配付経路の表
示の一例の説明図、図28は、同じく作成過程の表示の
一例の説明図である。情報の配付経路の表示において、
上述の第1の実施の形態では単独の情報についてのみの
結果を表示していたのに対し、この第4の実施の形態に
おける追跡結果表示部19は、複数の情報の追跡情報や
修正の履歴を表示する。従って、情報の区別を行なう必
要があるので、図27に示すように、情報媒介装置と情
報媒介装置を結ぶ矢線に、“X(T2)”や“Y(T
6)”などのように、情報の名前を表示し、さらに線の
種類を分けて表示している。これは一つの例であって、
色を用いて区別するなど、種々の表示方法を用いること
ができる。もちろん、利用者の選択によっては、第1の
実施の形態と同様に単独の情報ごとに分けて表示を行な
うようにしてもよい。
【0189】また、図28に示すように、情報の作成や
修正の履歴だけを分けて表示してもよい。図28に示し
た表示例では、各情報をノードとし、円で示している。
また、作成履歴に基づく情報の修正をアークとし、矢線
で示している。図28に示した表示例では情報Xは情報
媒介装置Aにおいて時刻T1に作成され、情報Yは情報
Xを元に時刻T5に情報媒介装置Bにおいて作成され、
情報Zは情報Yを元に時刻T7に情報媒介装置Dで作成
されたということを意味している。
【0190】これらの表示形態は、利用者の指示に従っ
て、適宜切り替え可能に構成することができる。また、
表形式など、他の表示形態であってももちろんよい。
【0191】この第4の実施の形態では、情報の配付情
報に加えて、情報の作成/修正履歴も取ることについて
述べたが、さらに修正について、どこをどのように修正
したかのような、詳しい情報の履歴を取るようにしても
よい。そのほか、情報の「利用」に関する履歴を取るよ
うにしてもよい。例えば、あるアプリケーションによっ
て利用された、というような履歴を残すようにしてもよ
い。そうすることで、あるアプリケーションによって、
その情報が利用されたことを追跡できるようになる。
【0192】次に、本発明の情報処理装置の第5の実施
の形態について説明する。これまでに述べてきた各実施
の形態では、情報中に情報ラベル部を設け、情報識別子
を情報ラベル内に保持するようにしていた。この第5の
実施の形態では、情報は情報ラベル部を持たず、情報本
体のみから構成され、必要に応じて情報本体から情報識
別子を計算するように構成している。
【0193】図29は、本発明の情報処理装置の第5の
実施の形態を示す構成図、図30は、同じく情報の構成
の一例を示す説明図である。図中、図1と同様の部分に
は同じ符号を付して説明を省略する。24は情報識別子
計算部である。この第5の実施の形態における情報媒介
装置1は、図29に示すように、第1の実施の形態の構
成に加えて、情報識別子計算部24を有する。情報識別
子計算部24は、情報を他の情報と区別するための情報
識別子を、情報本体から計算する。一方、情報の構成
は、図30に示すように、情報本体のみから構成され
る。
【0194】第1の実施の形態では、配付検知部14
は、情報がある装置から別の装置に配付された時に、そ
の情報の情報識別子を、情報の配付先の装置識別子とと
もに配付元の情報媒介装置の配付履歴保持部15に記録
していた。この際、配付履歴保持部15に記録する情報
識別子は、情報の情報ラベル部に保持されているものを
用いていた。これに対してこの第5の実施の形態では、
情報配付時に配付履歴保持部15に記録する情報識別子
は、情報識別子計算部24が情報本体から計算したもの
を用いる。
【0195】つまり、第1の実施の形態では、ある情報
Xは、その情報ラベル部に、例えば、id−Xという情
報識別子を予め保持しており、この情報Xが情報媒介装
置Aから情報媒介装置Bへ配付されると、情報媒介装置
Aの配付検知部14はこの配付の処理を検知し、情報媒
介装置Aの配付履歴保持部15に、配付した情報Xの情
報識別子id−Xを配付先の装置識別子id−Bととも
に記録する。
【0196】これに対してこの第5の実施の形態では、
情報Xは情報Xの情報本体のみから構成されており、i
d−Xのような情報識別子を保持してはいない。この情
報Xが、例えば、情報媒介装置Aから情報媒介装置Bへ
配付されると、情報媒介装置Aの配付検知部14は、こ
の配付の処理を検知し、情報媒介装置Aの配付履歴保持
部15に、配付した情報Xの情報識別子を配付先の装置
識別子id−Bとともに記録する。このとき、情報Xに
は情報識別子が保持されていないが、情報媒介装置Aの
情報識別子計算部24が情報Xの情報本体部分を元にし
て情報Xの情報識別子を計算し、配付履歴保持部15に
記録する。情報識別子計算部24が計算した情報Xの情
報識別子をid−X’とすると、情報媒介装置Aの配付
履歴保持部15には、第1の実施の形態と同様に sent id−X’ to id−B at T1 のように配付履歴が記録される。
【0197】情報識別子計算部24は、どの情報媒介装
置上のものであっても、同じ情報に対しては同じ情報識
別子を計算して出力するように構成され、情報Xが情報
識別子id−X’を保持しているのと同等のことが可能
になる。
【0198】このように構成することにより、情報ラベ
ル部を持たない情報に対しても、本発明が適用できる。
また、情報ラベル部を持たないため、情報本体と情報ラ
ベル部が切り放されて、処理不能になることはない。
【0199】情報識別子計算部24における情報識別子
の計算法は、情報本体をもとにして計算が可能であり、
本発明が適用される環境で他の情報と区別可能であれば
どのようなものでもよく、例えば、暗号理論においてよ
く用いられる一方向性ハッシュ関数などを用いることが
できる。
【0200】一方向性ハッシュ関数は、任意長のビット
列をある長さのビット列に変換する関数である。しか
も、入力するビット列が異なれば出力値が同じになるこ
とは非常に少ないという性質を持つ。一方向性ハッシュ
関数は、暗号理論で多く用いられるが、データをある長
さに圧縮してしかも入力データが異なれば出力値が異な
るという性質は、この実施の形態のように情報の識別に
も用いることができる。例えば、岡本栄司著,「暗号理
論入門」,共立出版株式会社,1993年,pp138
−140には、具体的な一方向性ハッシュ関数の例が数
多く提案されている。その一つとして、SHA(sec
ure hash algorithm)がある。同書
によれば、アメリカ商務省標準局(NIS)が示した一
方向性ハッシュ関数の標準案であるSHAは、任意の長
さ(264ビット未満)のメッセージ(伝達したい情
報)に対して、160ビットをハッシュ値として出力す
る。同書では、SHAによるハッシュ化の例として、
a,b,cのASCIIコード 01100001 01100010 0110001
1 からなるメッセージのSHA出力は、32ビットからな
るワード単位では、 0164B8A9 14CD2A5E 74C4F7F
F 082C4D97 F1EDF880 となると述べられている。
【0201】SHAのアルゴリズムは、同書に詳述され
ているが、主に次の3つのステップから構成される。 (1)メッセージをある長さごとに分割するステップ (2)分割されたメッセージごとに、排他的論理和やビ
ットシフト等を組み合せた演算を行なうステップ (3)全ての分割メッセージに対するステップ(2)の
演算結果をもとにハッシュ値を出力するステップ
【0202】このような処理によって、情報識別子計算
部24は情報本体から情報識別子を計算する。配付検知
部14は、履歴を配付履歴保持部15へ記録する際に、
情報識別子計算部24で計算された情報識別子を用いて
履歴を作成し、記録する。その他の構成部の処理は基本
的に第1の実施の形態と同様であるので、説明は省略す
る。また、この実施の形態は、上述の第2〜第4の実施
の形態にも同様に適用可能である。
【0203】次に、本発明の情報処理装置の第6の実施
の形態を説明する。この実施の形態は、情報の伝達・配
付経路や流通範囲の追跡に関して、装置単位での追跡で
はなく、利用者単位の追跡が可能である。
【0204】図31は、本発明の情報処理装置の第6の
実施の形態を示す構成図である。図中、図1と同様の部
分には同じ符号を付して説明を省略する。25は利用者
認証部である。基本的な情報媒介装置1の構成は、第1
の実施の形態と同様であるが、装置ラベル部13がな
く、その代わりに利用者認証部25を有している。
【0205】利用者認証部25は、利用者に対応した利
用者識別子を保持している。利用者認証部25は、利用
者と対話的に認証を行ない、認証が成功するとその利用
者に対応する利用者識別子を利用可能にする。利用者の
認証方式は従来の技術、例えば、パスワードやIDカー
ドなどによるものでよい。
【0206】利用者識別子は、追跡を想定する領域にお
いて、他の利用者と重複しないように管理する必要があ
る。利用者識別子の実体はこれまで述べてきたような情
報識別子や装置識別子と同様の形態でかまわない。
【0207】情報の配付時および追跡時の処理に関して
は、利用者認証部において利用者の認証処理を行なった
後は、他の実施の形態とほとんど変わらない。他の実施
の形態で、装置識別子を用いる部分を、利用者識別子に
変えるだけである。
【0208】図32は、本発明の情報処理装置の第6の
実施の形態における情報の流れの一例の説明図である。
図4に示した第1の実施の形態における情報の流れの一
例に類似している。この実施の形態では、情報Xが、利
用者U1から利用者U2へ、さらに利用者U2から利用
者U3と利用者U4へ配付されている。
【0209】第1の実施の形態に対応して、利用者U1
が利用者U2へ情報Xを配付する時の処理の流れを簡単
に説明する。配付検知部14は、情報配付部12を監視
しており、利用者U1が利用者U2へ情報Xを配付する
のを検知することができる。利用者U1の配付検知部1
4は、この配付の処理を検知し、利用者U1の配付履歴
保持部15に、配付した情報Xの情報識別子id−X
を、配付先の利用者識別子id−U2とともに、例え
ば、 sent id−X to id−U2 at T1 のような配付履歴として記録する。これは、利用者識別
子id−U1である利用者U1が、利用者識別子id−
U2である利用者U2へ、時刻T1に情報識別子id−
Xである情報Xを配付したことを意味する。
【0210】次に、情報追跡時の処理の流れを簡単に説
明する。利用者U1から情報Xの伝達、配付経路の追跡
の指示が出されると、利用者U1の履歴回収部16は、
配付履歴保持部15に格納されている配付履歴から、情
報Xの情報識別子id−Xに関するものを読み出す。こ
の例の場合には、 sent id−X to id−U2 at T1 という履歴情報が見つかるので、利用者識別子id−U
2である利用者U2に対して、情報Xの伝達、配付経路
を追跡し利用者U1に報告するように通知する。それと
ともに、配付履歴と利用者U1の利用者識別子id−U
1を組にして回収履歴保持部17に格納する。以上のよ
うな処理を繰り返すことにより、利用者を基礎とした履
歴情報が回収履歴保持部17に回収される。回収された
履歴情報を解析することによって、利用者を基礎とした
情報追跡が可能になる。
【0211】図33は、本発明の情報処理装置の第6の
実施の形態における追跡結果表示部による表示の一例の
説明図である。この第6の実施の形態では、回収履歴保
持部17に回収された履歴情報から利用者識別子を抽出
し、これらをノードとする。そして、各履歴情報から、
アークを作成する。そのため、図15に示した第1の実
施の形態における表示例と比べ、ノードが利用者を表わ
すようになる。
【0212】上述の第6の実施の形態の説明では、各利
用者ごとに情報媒介装置を有する構成を示した。しか
し、ワークステーションなどでは複数の利用者が共用す
る場合が多い。その場合には、ワークステーション中に
各利用者ごとの仮想的な情報媒介装置を構築すればよ
い。このような仮想的な情報媒介装置は、例えば、利用
者がネットワーク上の複数のワークステーションを利用
する場合にも適用することができる。
【0213】なお、この第6の実施の形態に示した利用
者識別子を用いる構成は、第1の実施の形態への適用だ
けでなく、他の第2〜第5の実施の形態に対しても、同
様に適用することができる。
【0214】次に、本発明の情報処理装置の第7の実施
の形態について説明する。これまでに述べてきた各実施
の形態では、ネットワ−クで結合された情報の交換の場
合について、主に説明してきた。しかし、情報の配付は
これに限られるものではなく、ネットワ−クを離れた情
報交換、例えば、フロッピ−ディスクなどのネットワ−
クを離れた情報媒体(メディア)を経由して情報が配付
される場合も決して少なくない。
【0215】その場合に問題となるのは、配付元と配付
先の間のリンクが情報媒体を経由することで途切れてし
まうことである。つまり、配付元は配付先を決定するこ
となく、情報媒体に情報を書き込み、それを不特定の配
付先に渡すことが可能になる。情報を受け取った側(配
付先)では、情報を見ただけではそれがどこから配付さ
れたのかを特定することが不可能となる。
【0216】これを解決するために、以下の2つの方法
のいずれかを採用することができる。 情報に配付元の装置識別子と時刻からなる配付履歴
を書き込むための履歴情報保持部を設ける。 情報媒体に配付元の装置識別子と時刻からなる配付
履歴を書き込むための履歴情報保持部を設ける。 これら2つの方法は、配付履歴をどこに保持するかの違
いがあるだけであり、基本的にはほとんど同じである。
【0217】まず、情報に、配付元の装置識別子と時刻
からなる配付履歴を書き込むための配付履歴保持部を設
ける方法について述べる。図34は、本発明の情報処理
装置の第7の実施の形態において情報に配付履歴を持た
せた場合の情報の一例を示す構成図である。情報に配付
履歴を保持する場合には、図34に示した例のように、
情報媒体に格納される情報の情報ラベル部内に履歴情報
保持部を設ける。情報を情報媒体に記録すると、記録さ
れた情報の情報ラベル部内の履歴情報保持部に、配付元
の装置識別子と時刻からなる配付履歴が書き込まれる。
配付先では、情報の情報ラベル部内の履歴情報保持部に
記録されている配付履歴を参照することによって、どこ
から配付された情報かを知ることができる。
【0218】図35は、本発明の情報処理装置の第7の
実施の形態において情報に配付履歴を持たせた場合の情
報の配付時の動作の一例の説明図である。図中、図17
と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。2
6は情報媒体である。情報媒体26には、図34に示し
たような構成の情報が記録される。
【0219】情報を情報媒体26に記録すると、配付元
の配付検知部14は情報が情報媒体26に配付されたこ
とを検知し、配付元の情報媒介装置は情報の履歴情報保
持部に “written by id−A at T1” という形式の配付履歴を書き込む。ここで、id−Aは
配付元の情報媒介装置の識別子であり、T1は時刻であ
る。
【0220】そして、この情報媒体26から情報を配付
先の情報媒介装置に配付すると、配付先の配付検知部1
4は、情報が情報媒体26から配付されたことを検知
し、配付された情報の履歴情報保持部に記録されている
配付履歴を参照することで、その情報がどこから配付さ
れたものかを知る。これに基づき、例えば、 “received id−X from id−A
at T2” という配付履歴を配付先の情報媒介装置の配付履歴保持
部15に書き込む。その後の動作は、例えば、前述の第
2の実施の形態などと同様である。
【0221】なお、配付先で情報を受け取り、配付先の
配付履歴保持部15に記録した後、その情報の履歴情報
保持部に保持されていた配付履歴は消去してもよい。し
かし、その他の情報媒介装置に配付される可能性のある
場合には、情報が消去されるまで、そのまま残すように
してもよい。
【0222】次に、情報媒体に、配付元の装置識別子と
時刻からなる配付履歴を書き込むための履歴情報保持部
を設ける場合について述べる。図36は、本発明の情報
処理装置の第7の実施の形態において情報媒体に配付履
歴を持たせた場合の情報の一例を示す構成図である。情
報媒体26に配付履歴を保持する場合は、例えば、図3
6に示すように、情報媒体26内に媒体ラベル部を設
け、その中に履歴情報保持部を設ける。情報を情報媒体
26に記録すると、情報媒体26の媒体ラベル部内の履
歴情報保持部に、情報識別子と、配付元の装置識別子、
時刻からなる配付履歴が書き込まれる。配付先では、情
報媒体26の媒体ラベル部内の履歴情報保持部に記録さ
れている配付履歴を参照することによって、どの情報が
どこから配付されたものかを知ることができる。
【0223】図37は、本発明の情報処理装置の第7の
実施の形態において情報媒体に配付履歴を持たせた場合
の情報の配付時の動作の一例の説明図である。図中の符
号は図35と同様である。情報を情報媒体26に記録す
ると、配付元の配付検知部14は情報が情報媒体26に
記録されたことを検知し、配付元の情報媒介装置は情報
媒体26の履歴情報保持部に、例えば “id−X was written by id−A
T1” という配付履歴を書き込む。ここで、id−Xは情報識
別子、id−Aは配付元の情報媒介装置の識別子であ
り、T1は時刻である。
【0224】そして、この情報媒体26から情報を配付
先の情報媒介装置に配付すると、配付先の配付検知部1
4は、情報が情報媒体26から配付されたことを検知
し、情報媒体26の履歴情報保持部に記録されている配
付履歴を参照することで、その情報がどこから配付され
たものかを知る。そして、例えば、 “received id−X from id−A
at T2” という配付履歴を配付先の情報媒介装置の配付履歴保持
部15に書き込む。その後の動作は、例えば、上述の第
2の実施の形態と同様である。
【0225】この方法では、情報の配付元の装置識別子
などの情報が、配付先の情報媒介装置の配付履歴保持部
15に書き込まれることになる。そこで、さらに情報の
配付先の装置識別子を配付元の情報媒介装置の配付履歴
保持部に記録するために、情報の配付先の情報媒介装置
で情報を受け取った際に、配付元の情報媒介装置に対し
て情報を受け取った旨の連絡を行なうように構成するこ
とも可能である。以下では、この例を示す。
【0226】図38は、本発明の情報処理装置の第8の
実施の形態における情報の配付時の動作の一例の説明図
である。図中、図37と同様の部分には同じ符号を付し
て説明を省略する。27は配付情報通知部である。この
第8の実施の形態では、上述の第7の実施の形態におい
て情報媒体に配付履歴を持たせた場合と同様に、情報の
配付が行なわれるものとする。
【0227】配付情報通知部27は、他の情報媒介装置
の配付情報通知部27との間で配付情報のやりとりを行
なう。配付情報通知部27は、情報媒体26の履歴情報
保持部に記録されている配付履歴を参照することによっ
て、情報の配付元を知ることができる。そして、情報の
配付元の情報媒介装置に対して、情報を受信した旨の通
知を行なう。配付元の情報媒介装置の配付情報通知部2
7では、配付先の情報媒介装置の配付情報通知部27か
ら送られてきた、情報を受信した旨の通知を受け取り、
配付履歴保持部15に配付履歴を格納する。
【0228】今、情報媒体26から配付先へ情報を配付
したものとする。第7の実施の形態と同様、情報媒体2
6から情報を配付先の情報媒介装置に配付すると、配付
先の配付検知部14は、情報が情報媒体14から配付さ
れたことを検知し、例えば、 “received id−X from id−A
at T2” という配付履歴を配付先の情報媒介装置の配付履歴保持
部15に書き込む。この第8の実施の形態では、配付先
の配付検知部14は、情報が情報媒体26から配付され
たことを検知すると、配付履歴保持部15へ配付履歴を
記録するとともに、配付情報通知部27に通知する。配
付情報通知部27は、情報媒体26の履歴情報保持部に
記録されている配付履歴を参照することによって情報の
配付元を知り、情報の配付元の情報媒介装置に対して、
情報を受信した旨の通知を行なう。
【0229】情報の配付元では、この配付先からの通知
により、情報の配付先を知ることができるので、この通
知を受けた配付情報通知部27は、例えば、 “sent id−X to id−B at T1” という配付履歴を配付元の情報媒介装置の配付履歴保持
部15に書き込む。この場合には、上述の第3の実施の
形態と同様に、配付元及び配付先に配付情報が格納され
ることになる。そのため、その後の動作は、上述の第3
の実施の形態と同様である。
【0230】この第8の実施の形態において、配付先の
情報媒介装置の配付履歴保持部15に配付履歴を書き込
まず、配付情報通知部27から配付元の情報媒介装置に
対して情報を受信した旨の通知を行ない、配付元の情報
媒介装置の配付履歴保持部15に配付履歴を保持するよ
うに構成することも可能である。この場合には、上述の
第1の実施の形態と同様に、配付履歴は配付元に蓄積さ
れることになる。この第8の実施の形態を用いることに
より、情報媒体26によって複数の情報媒介装置に配付
された場合でも、その配付履歴が配付元に蓄積される。
この場合の以降の動作は、上述の第1の実施の形態と同
様である。
【0231】上述の第7及び第8の実施の形態において
も、上述の第4ないし第6の実施の形態のように、作成
履歴も保持するように構成したり、情報識別子を情報本
体から計算するように構成したり、あるいは、利用者識
別子を用いるように構成することも可能である。
【0232】図39は、本発明の情報処理装置の第9の
実施の形態を示す構成図である。図中、図1と同様の部
分には同じ符号を付して説明を省略する。28は追尾配
付部である。この第9の実施の形態では、既に配付され
た情報(第1の情報と呼ぶ)を追尾する形で、別の情報
(第2の情報と呼ぶ)を配付することのできる構成を示
す。
【0233】情報媒介装置1は、情報保持部11、情報
配付部12、装置ラベル部13、配付検知部14、配付
履歴保持部15、追尾配付部28を有している。なお、
この実施の形態では履歴回収/追跡系の各部は有してい
ない。もちろん、これらを具備する構成としてもよい。
ハードウェア構成としては、上述の第一の実施の形態と
同様、例えば、図3に示すような構成により実現するこ
とができる。
【0234】配付検知部14は、情報配付部12が他の
情報媒介装置と情報を交換するか否かを常に監視し、情
報配付部12が情報を交換した場合は、その交換に関す
る情報を検知し、情報の配付に関する配付履歴として配
付履歴保持部15に記録する機能は他の実施の形態と同
様である。この実施の形態では、さらに、検知した情報
が、既に配付済の情報を追尾してきた追尾情報であるか
否かの判定を行ない、追尾情報であれば追尾配付部に通
知する。
【0235】追尾配付部28は、第1の情報を追尾する
形で、第2の情報を配付することを指示された時に、第
1の情報に関する配付履歴を配付履歴保持部15から読
み出す。そして、読み出した配付履歴をもとに、第2の
情報を追尾情報として配付するように情報配付部12に
通知する。また、他の情報媒介装置から追尾情報が配付
されてきた時には、配付検知部14から追尾情報が配付
されたことの通知を受け、被追尾情報の配付履歴を配付
履歴保持部15から読み出す。そして、読み出した配付
履歴をもとに、配付されてきた追尾情報を再配付するよ
うに情報配付部12に通知する。
【0236】図40は、本発明の情報処理装置の第9の
実施の形態における情報の構成の一例を示す説明図であ
る。この第9の実施の形態における情報は、図40に示
すように、情報本体とともに、情報を識別するための情
報識別子、および追尾される情報を識別する被追尾情報
識別子を保持する情報ラベル部を有している。この図4
0に示す情報は、図2に示す情報と比べ、情報ラベル部
に被追尾情報識別子を保持している点で異なる以外は、
図2と同様である。被追尾情報識別子は他の情報と識別
できればどのようなものでもよく、数字などで表わされ
るようなIDなどの他、マシン名+ファイル名の組で表
わされるようなものでも構わない。
【0237】次に、本発明の情報処理装置の第9の実施
の形態における動作の概要について説明する。ここで
は、上述の第一の実施の形態と同様、図4に示したよう
に情報が配付されたものとする。情報媒介装置Aでは、
情報Xを情報媒介装置Bへ配付したことを検知し、その
配付履歴を配付履歴保持部15に記録しておく。同様
に、情報媒介装置Bでは、情報Xを情報媒介装置Cおよ
び情報媒介装置Dへ配付したことを検知し、2つの配付
履歴を配付履歴保持部15に記録しておく。
【0238】次に、情報媒介装置Aにおいて、情報Xを
追尾するように情報Yを配付することが指示されると、
情報媒介装置Aの配付履歴保持部15から情報Xの配付
履歴を取り出し、配付先である情報媒介装置Bへ、情報
Xの追尾情報として情報Yを配付する。情報Yを受け取
った情報媒介装置Bは、配付検知部14で情報Yが情報
Xの追尾情報であることを判定し、情報媒介装置Bの配
付履歴保持部15から情報Xの配付履歴を取り出し、配
付先である情報媒介装置Cおよび情報媒介装置Dへ情報
Yを配付する。情報Yを受け取った情報媒介装置Cおよ
び情報媒介装置Dでは、配付検知部14で情報Yが情報
Xの追尾情報であることを判定し、配付履歴保持部15
から情報Xの配付履歴を取り出そうとするが、情報媒介
装置Cおよび情報媒介装置Dには情報Xの配付履歴は存
在しないため、ここで情報Yの再配付は停止する。この
ようにして、情報Xが、情報媒介装置Aから情報媒介装
置Bを経由して情報媒介装置Cおよび情報媒介装置Dへ
と配付されたのを追尾するように、情報Yを配付するこ
とが可能となる。
【0239】以下、上述のような処理の流れを詳細に説
明する。図41は、本発明の情報処理装置の第9の実施
の形態における情報の配付時の配付元の情報媒介装置に
おける処理の一例を示すフローチャートである。この情
報の配付時の処理は、上述の第一の実施の形態において
図5で説明した処理とほぼ同様である。S101ないし
S105は、それぞれ図5におけるS41ないしS45
に対応する。ただし、S105において、配付履歴保持
部15に、(“sent”,X,M−to,Time)
の組を情報の送信履歴として記録する。ここで、“se
nt”はこの履歴が送信の履歴であることを表わし、T
imeは配付時刻を表わしている。
【0240】図42は、本発明の情報処理装置の第9の
実施の形態における情報の配付時の配付先の情報媒介装
置における処理の一例を示すフローチャートである。S
111において、配付先の情報媒介装置では、情報配付
のためのコネクションの確立要求があると、その要求を
してきた配付元の情報媒介装置の装置識別子を変数M−
fromに代入し、コネクションを確立する。次に、S
112において、変数M−fromに格納された装置識
別子を有する情報媒体装置から情報が配付されると、配
付された情報を、変数InfoXへ代入する。S113
において、情報配付部12は、変数InfoXに格納さ
れている情報を情報保持部11へ格納する。
【0241】S114において、配付検知部14は、情
報が配付されたことを検知し、変数InfoXへ格納さ
れている情報の情報識別子を変数Xに代入し、変数In
foXへ格納されている情報の被追尾識別子を変数Tr
aceに代入する。そして、配付履歴保持部15に、
(“received”,X,M−from,Tim
e)の組を情報の受信履歴として記録する。ここで、
“received”はこの履歴が受信の履歴であるこ
とを表わし、Timeは配付時刻を表わしている。S1
15において、配付検知部14は、変数Traceに格
納されている値がnullであるか否かを調べる。nu
llであれば処理を終了する。
【0242】変数Traceの値がnullでない場
合、S116において、配付検知部14は追尾配付部2
8に対して、追尾配付処理を実行するように指示する。
この時、追尾配付処理を呼び出す引数には、配付する情
報の情報識別子に相当する引数として変数Xの値を、被
追尾情報識別子に相当する引数として変数Traceの
値を渡す。追尾配付処理の終了によりこの処理を終了す
る。
【0243】図43は、本発明の情報処理装置の第9の
実施の形態における情報の追尾配付処理の一例を示すフ
ローチャートである。この処理は、追尾配付部28にお
いて行なわれる処理である。この追尾配付処理は、引数
として、配付する情報の情報識別子、および追尾される
情報の情報識別子である被追尾情報識別子を伴って呼ば
れる。
【0244】S121において、追尾配付部28は、配
付する情報の情報識別子を変数Xに、被追尾情報識別子
を変数Traceに代入する。S122において、追尾
配付部28は、変数Traceに格納されている値がn
ullであるか否かを調べ、nullであれば処理を終
了する。変数Traceの値がnullでなければ、S
123において、追尾配付部28は、配付履歴保持部1
5に格納されている履歴情報のうち、送信履歴として記
録されている履歴から、変数Traceに格納されてい
る情報識別子に関する履歴情報を全て読み出し、変数H
istoryに代入する。S124において、変数Hi
storyに格納されている値がnullであるか否か
を調べ、nullであれば処理を終了する。
【0245】変数Historyの値がnullでなけ
れば、S125において、変数Historyから履歴
情報を1つ取り出し、変数H1へ代入する。変数His
toryに格納されている履歴情報は、追尾しようとし
ている被追尾情報の送信履歴である。履歴情報は、(送
受信フラグ、情報識別子、配付先/配付元装置識別子、
配付時刻)の組から構成されており、変数H1にもこの
ような組が代入される。送受信フラグは送信履歴と受信
履歴の区別であり、先に説明した“sent”や“re
ceived”などである。
【0246】S126において、追尾配付部28は、変
数Xに格納されている情報識別子によって示される情報
を追尾情報として、変数H1に格納されている配付先/
配付元装置識別子へ送付するために、図41に示した情
報配付処理を実行する。この時、情報配付処理を実行す
る引数には、配付先の情報媒介装置の装置識別子に相当
する引数として変数H1に格納されている配付先/配付
元装置識別子を代入し、配付する情報の情報識別子に相
当する引数として変数Xへ格納されている情報識別子を
代入する。情報配付処理が終了したら、S124へ戻っ
てさらに別の履歴情報に基づく再配付の処理を行なう。
【0247】図44は、本発明の情報処理装置の第9の
実施の形態における情報の配付時の動作の一例の説明図
である。図41ないし図43に示した動作の一例を、具
体例をもとに説明する。ここでは、情報媒介装置Aから
情報媒介装置Bへ情報識別子id−Xを有する情報を配
付する場合について説明する。このとき、配付元の情報
媒介装置は情報媒介装置Aであり、配付先の情報媒介装
置は情報媒介装置Bにあたる。情報媒介装置Aの装置識
別子をid−Aとし、情報媒介装置Bの装置識別子をi
d−Bとする。また、図44に示した例では、情報媒介
装置Aの情報保持部11には、情報識別子id−Xを有
し、被追尾情報識別子はnullである情報が格納され
ているものとする。
【0248】図44は、この情報識別子id−Xを有す
る情報が、情報媒介装置Aから情報媒介装置Bへ配付さ
れた後の状態を示している。配付される前の状態では、
情報媒介装置Aの履歴配付保持部15と、情報媒介装置
Bの履歴配付保持部15および情報保持部11には、何
も格納されていない。この配付される前の状態から、ま
ず配付元である情報媒介装置Aにおける処理を、図41
と図44を用いて説明する。この例では、情報媒介装置
Aは、情報媒介装置Bへ情報識別子id−Xを有する情
報を配付しようとしているので、図41のS101にお
いて、変数M−toに、配付先の情報媒介装置の装置識
別子id−Bを代入し、変数Xに、配付する情報の情報
識別子id−Xを代入する。次に、S102において、
ネットワークの中から装置識別子id−Bを有する情報
媒介装置Bを捜し出し、情報媒介装置Bの情報配付部1
2との間にコネクションを確立する。情報媒介装置Aの
情報配付部12は、S103において、情報保持部11
から情報識別子id−Xを有する情報を読み出し、変数
InfoXへ代入する。さらに、情報媒介装置Aの情報
配付部12は、S104において、変数InfoXに格
納されている情報を、情報媒体装置Bの情報配付部12
へ配付する。S105において、情報媒介装置Aの配付
検知部14は、この配付の処理を検知し、情報媒介装置
Aの配付履歴保持部15に情報の送信履歴として (“sent”、情報識別子id−X、配付先の装置識
別子id−B、Time) の組を記録する。図44では、この記録は sent id−X to id−B at T1 のように表わされている。ここでT1は配付時の時刻で
あり、情報識別子id−Xを有する情報を、装置識別子
id−Bを有する情報媒介装置に、時刻T1に送付した
ことを表わしている。このようにして、情報媒介装置A
では、情報の配付を行なうとともに、そのときの配付履
歴を配付履歴保持部15に記録する。
【0249】次に、配付先である情報媒介装置Bにおけ
る処理を、図42ないし図44を用いて説明する。ま
ず、図42のS111において、配付先の情報媒介装置
Bでは、図41のS102において行なわれる情報媒介
装置Aからのコネクションの確立要求を受けてコネクシ
ョンを確立し、変数M−fromに配付元の情報媒介装
置Aの装置識別子id−Aを代入する。次に、S112
において、図41のS104の処理により情報媒介装置
Aの情報配付部12から配付された情報識別子id−X
を有する情報を、情報媒介装置Bの情報配付部12が受
け取り、変数InfoXへ代入する。情報媒介装置Bの
情報配付部12は、S113において、変数InfoX
に格納されている情報を、情報媒介装置Bの情報保持部
11へ格納する。
【0250】S114において、情報媒介装置Bの配付
検知部14は、この配付の処理を検知し、この変数In
foXへ格納されている情報Xの情報識別子id−Xを
変数Xに代入し、情報Xの被追尾識別子を変数Trac
eに代入する。ここでは、情報Xの被追尾識別子はnu
llなので、nullを変数Traceに代入する。そ
して、情報媒介装置Bの配付履歴保持部15に、情報の
受信履歴として (“received”、情報識別子id−X、配付元
の装置識別子id−A、Time) の組を記録する。図44では、この記録は received id−X from id−A a
t T1 のように表わされている。ここでT1は配付時の時刻で
あり、情報識別子id−Xを有する情報を、装置識別子
id−Aを有する情報媒介装置から、時刻T1に受信し
たことを表わしている。
【0251】S115において、情報媒介装置Bの配付
検知部14は、変数Traceに格納されている値がn
ullであるか否かを調べ、nullであれば処理を終
了し、nullでなければ、S116へ進む。いま、変
数Traceに格納されている値はnullであるので
処理を終了する。このようにして、情報媒介装置Bで
は、情報の受信を行なうとともに、そのときの受信履歴
を配付履歴保持部15に記録する。以上で、本発明の情
報処理装置の第9の実施の形態における情報の配付時の
処理は終了する。
【0252】図45は、本発明の情報処理装置の第9の
実施の形態における配付履歴保持部に保持される配付履
歴の一例の説明図である。図8に示した第一の実施の形
態における配付履歴とほぼ同様であり、送受信フラグの
欄が追加されている。送受信フラグの欄には、送信履歴
と受信履歴を区別する情報が書き込まれる。
【0253】図44では、配付履歴を例えば、 sent id−X to id−B at T1 のように示した。実際に配付履歴保持部15に記録され
る内容としては、このように文字列として記録してもよ
いが、バイナリデータとして記録してもよい。図45
は、配付履歴をバイナリデータとして表現した場合を示
している。送受信フラグが送信履歴と受信履歴の区別に
相当し、“1”は送信履歴を、“0”は受信履歴を表わ
す。図44ではそれぞれ“sent”と“receiv
ed”とで表わしていた。対象情報識別子が先の表記の
“id−X”に、配付先/配付元装置識別子が“id−
B”に、配付時刻が“T1”に相当する。
【0254】図45における一行が1つの配付履歴を表
わす。たとえば、一番上の行の情報は、「“67984
0−176”という情報識別子を持つ情報を、“800
287”という識別子を持った装置に、1995年3月
10日12時9分4秒41に送付した」という送信履歴
を意味する。従って、一つの情報が配付されるたびに配
付履歴保持部に配付履歴が追加されていくことになる。
【0255】図46、図47は、本発明の情報処理装置
の第9の実施の形態における情報配付後の一例の説明図
である。図46では各情報媒介装置の構成と図4に示し
た情報の流れを示しており、情報配付後の各情報媒介装
置の情報保持部11および配付履歴保持部15の内容を
図47に示している。
【0256】いま、上述のように、情報識別子id−X
を有する情報が、情報媒介装置Aから情報媒介装置Bへ
配付された。このあと、例えば、図4に示したように情
報が流れる場合、情報媒介装置Bから、情報媒介装置C
および情報媒介装置Dへと情報が配付される。図46で
は、図4に示すような情報の配付経路を示し、このよう
な配付がなされた後の各情報媒介装置の配付履歴保持部
15の様子を図47に示している。ここでは、情報媒介
装置Cの装置識別子をid−C、情報媒介装置Dの装置
識別子をid−Dとしている。
【0257】上述の情報媒介装置Aから情報媒介装置B
への情報の配付の処理と同様にして、情報媒介装置Bか
ら情報媒介装置Cへの情報の配付が行なわれた結果、情
報媒介装置Bの配付履歴保持部15には、図47(B)
に示すように、 sent id−X to id−C at T2 という配付履歴が記録され、情報媒介装置Cの配付履歴
保持部15には、図47(C)に示すように、 received id−X from id−B a
t T2 という配付履歴が記録される。同様に、情報媒介装置B
から情報媒介装置Dへの情報の配付が行なわれた結果、
情報媒介装置Bの配付履歴保持部15には、図47
(B)に示すように sent id−X to id−D at T3 という配付履歴が記録され、情報媒介装置Dの配付履歴
保持部15には、図47(D)に示すように received id−X from id−B a
t T3 という配付履歴が記録される。このようにして、情報の
配付が行なわれるごとに配付履歴保持部15に配付履歴
が記録されていく。
【0258】次に情報追尾時の処理について、図41〜
図48を用いて説明する。上述したように、図47に示
す情報保持部11及び配付履歴保持部15の内容は、情
報識別子id−Xを有する情報が、情報媒介装置Aから
情報媒介装置Bへ配付され、さらに情報媒介装置Bか
ら、情報媒介装置Cおよび情報媒介装置Dへと情報が配
付された後の各情報媒介装置の情報保持部11及び配付
履歴保持部15の内容である。この例で、情報媒介装置
Aにおいて、情報識別子id−Xを有する情報Xを追尾
するように、情報Yを配付するよう指示されたものとす
る。このように指示された情報Yは、情報識別子として
id−Yを有し、被追尾情報識別子としてid−Xを有
している。
【0259】情報媒介装置Aにおいて、情報Xを追尾す
るように情報Yを配付する指示が行なわれると、情報媒
介装置Aの追尾配付部28は、図43に示す追尾配付処
理を行なう。情報媒介装置Aの追尾配付部28におい
て、追尾配付処理は、その引数として、配付する情報の
情報識別子としてid−Y、および追尾される情報の情
報識別子である被追尾情報識別子としてid−Xを伴っ
て呼ばれる。
【0260】情報媒介装置Aの追尾配付部28は、S1
21において、配付する情報の情報識別子id−Yを変
数Xに、被追尾情報識別子id−Xを変数Traceに
代入する。S122において、追尾配付部は変数Tra
ceに格納されている値がnullであるか否かを調
べ、nullではないので、S123へ進む。
【0261】S123において、情報媒介装置Aの追尾
配付部28は、配付履歴保持部15に格納されている履
歴情報のうち、送信履歴として記録されている履歴か
ら、変数Traceに格納されている情報識別子id−
Xに関する履歴情報を全て読み出し、変数Histor
yに代入する。図47(A)に示す情報媒介装置Aの配
付履歴保持部15に格納されている履歴のうち、変数T
raceに格納されている値id−Xに関する送信履歴
は、以下の1つだけである。 sent id−X to id−B at T1 そこで、S123において、情報媒介装置Aの追尾配付
部28は、この送信履歴を変数Historyに代入す
る。
【0262】次に、S124において、情報媒介装置A
の追尾配付部28は、変数Historyに格納されて
いる値がnullであるか否かを調べ、nullであれ
ば処理を終了し、nullでなければS125へ進む。
いま、変数Historyに格納されている値はnul
lではないので、S125へ進む。
【0263】S125において、情報媒介装置Aの追尾
配付部28は、変数Historyから履歴情報を1つ
取り出し、変数H1へ代入する。いま、変数Histo
ryからは sent id−X to id−B at T1 が取り出され、変数H1へ代入される。
【0264】次に、S126において、情報媒介装置A
の追尾配付部28は、図41に示す情報配付処理を実行
する。このとき、情報配付処理を実行する引数には、配
付先の情報媒介装置の装置識別子に相当する引数とし
て、変数H1に格納されている履歴情報の配付先装置識
別子であるid−Bを、配付する情報の情報識別子に相
当する引数として、変数Xへ格納されている情報識別子
id−Yを代入する。
【0265】情報媒介装置Aにおいて図41に示す情報
配付処理が実行されると、図41のS101において、
変数M−toに配付先の情報媒介装置の装置識別子id
−Bを代入し、変数Xに配付する情報の情報識別子id
−Yを代入する。以下、S102からS106の処理を
行ない、情報識別子id−Yを有する情報Yを、情報媒
介装置Aから、装置識別子id−Bを有する情報媒介装
置Bへ送信して、情報配付処理は終了する。
【0266】次に処理は図43のS126からS124
へ進む。S124において、情報媒介装置Aの追尾配付
部28は、変数Historyに格納されている値がn
ullであるか否かを調べ、nullであるので処理を
終了する。以上で情報追尾時の配付元の情報媒介装置A
における処理を終了する。
【0267】次に、情報追尾時の配付先である情報媒介
装置Bにおける処理を、図42ないし図44を用いて説
明する。配付先である情報媒介装置Bにおける処理の前
半は、先に説明した情報配付時の、配付先の情報媒介装
置Bにおける処理と同様である。まず、S111におい
て、配付先の情報媒介装置Bでは、図41のS102に
おいて行なわれる情報媒介装置Aからのコネクションの
確立要求を受けてコネクションを確立し、変数M−fr
omに配付元の情報媒介装置Aの装置識別子id−Aを
代入する。次に、S112において、図41のS104
の処理により情報媒介装置Aの情報配付部12から配付
された情報識別子id−Yを有する情報Yを情報媒介装
置Bの情報配付部12が受け取り、変数InfoXへ代
入する。情報媒介装置Bの情報配付部12は、S113
において、変数InfoXへ格納されている情報Yを、
情報媒介装置Bの情報保持部11へ格納する。S114
において、情報媒介装置Bの配付検知部14は、この配
付の処理を検知し、この変数InfoXへ格納されてい
る情報Yの情報識別子id−Yを変数Xに代入し、情報
Yの被追尾識別子id−Xを変数Traceに代入す
る。そして、情報媒介装置Bの配付履歴保持部15に、
情報の受信履歴として received id−Y from id−A a
t T4 を記録する。
【0268】図48は、本発明の情報処理装置の第9の
実施の形態において情報媒介装置Aから情報媒介装置B
へ情報Yを追尾配付した後の情報保持部及び配付履歴保
持部の内容の一例を示す説明図である。情報媒介装置A
から情報媒介装置Bへ、情報Xの配付に追尾して情報Y
を配付した時点では、図48(A)に示すように、情報
媒介装置Aの配付履歴保持部15に情報Yに関する送信
履歴 sent id−Y to id−B at T4 が付加され、さらに図48(B)に示すように情報媒介
装置Bの配付履歴保持部15に情報Yに関する受信履歴 received id−Y from id−A a
t T4 が付加されている。
【0269】次に、S115において、情報媒介装置B
の配付検知部14は、変数Traceに格納されている
値がnullであるか否かを調べ、nullであれば処
理を終了し、nullでなければS116へ進む。い
ま、変数Traceに格納されている値はnullでは
ないので、S116へ進む。
【0270】S116において、情報媒介装置Bの配付
検知部14は、追尾配付部28に対して、図43に示し
た追尾配付処理を実行するように指示する。このとき、
追尾配付処理を実行する引数としては、配付する情報の
情報識別子に相当する引数として変数Xに格納されてい
る情報識別子を代入し、被情報識別子に相当する引数と
して変数Traceに格納されている被追尾情報識別子
を代入する。この例では、配付する情報の情報識別子に
相当する引数として変数Xに格納されている情報識別子
id−Yを代入し、被情報識別子に相当する引数として
変数Traceに格納されている被追尾情報識別子id
−Xを代入して追尾配付処理を呼び出す。
【0271】図43において、上述のように追尾配付処
理は呼び出され、図43のS121において、変数Xに
は情報識別子id−Yが代入され、変数Traceには
情報識別子id−Xが代入される。以下、情報媒介装置
Bにおいて、上述した追尾配付処理が進められる。図4
8(B)において、情報媒介装置Bの配付履歴保持部1
5に格納されている送信履歴のうち、変数Traceに
格納されている値id−Xに関する履歴情報は、以下の
2つであるので、S123ではこの2つの送信履歴を変
数Historyに代入する。 sent id−X to id−C at T2 sent id−X to id−D at T3 そして、S124からS126の処理を2回行なって、
情報識別子id−Yを有する情報Yを情報媒介装置Bか
ら、それぞれ、装置識別子id−Cを有する情報媒介装
置Cと、装置識別子id−Dを有する情報媒介装置Dへ
と送信して、処理を終了する。以上で配付先の情報媒介
装置Bにおける情報追尾時の処理を終了する。
【0272】さらに、情報媒介装置Bにおける情報追尾
時の処理と同様に、情報媒介装置Cおよび情報媒介装置
Dにおいても、配付検知部14が情報の配付を検知した
ことを契機として、同様の処理を行なう。しかし、情報
媒介装置Cおよび情報媒介装置Dでは、被追尾情報であ
る情報Xの送信履歴が存在しないため、情報Yの受信履
歴を配付履歴保持部15に記録するだけで処理を終了す
る。以上で情報追尾時の処理を終了する。
【0273】図49は、本発明の情報処理装置の第9の
実施の形態において情報Yを追尾配付を終了した後の情
報保持部及び配付履歴保持部の内容の一例を示す説明
図、図50は、同じく情報Xの流れと、情報Xを追尾し
た情報Yの流れの一例の説明図である。このようにし
て、図50に示すように、情報識別子id−Xを有する
情報Xが、情報媒介装置Aから情報媒介装置Bを経由し
て情報媒介装置Cおよび情報媒介装置Dへと配付された
のを追尾するように、情報識別子id−Yを有する情報
Yが配付される。これにより、各情報媒介装置では、図
49に示すように、情報保持部11に情報識別子id−
Xとともに情報識別子id−Yが格納される。
【0274】以上説明したように、この第9の実施の形
態によれば、情報Xが配付されたすべての情報媒介装置
に対して、情報Xを追尾して情報Yを配付することが可
能となる。
【0275】上述の例では、情報の受信時に、受信履歴
を情報保持部11に記録するように構成した。しかし、
情報が配付されたのと同じ方向に追尾情報を配付する際
には、この受信履歴の記録は必ずしも必要なものではな
く、上述の第1の実施の形態等と同様に受信履歴を記録
しない構成にしても構わない。逆に、受信履歴を活用す
ることによって、例えば、情報媒介装置Cや情報媒介装
置Dから他の情報Xが存在する情報媒介装置へ、情報X
を追尾して情報Yを配付することが可能である。例え
ば、情報媒介装置Cから情報Xを追尾して情報Yを配付
する場合には、情報媒介装置Cにおいて受信履歴から配
付元である情報媒介装置Bへ情報Yを配付し、情報媒介
装置Bの配付履歴保持部15に保持されている情報Xに
対する送信履歴および受信履歴から情報媒介装置Aおよ
び情報媒介装置Dへ情報Yを配付すればよい。このと
き、重複して情報Yが配付される可能性があるが、配付
先の情報媒介装置に既に情報Yが配付されているか否か
を調べることによって、重複した配付を避けることが可
能である。
【0276】次に、本発明の情報処理装置の第10の実
施の形態について説明する。上述の第9の実施の形態で
は、ある情報が配付された後で、その情報が配付された
のと同じ経路を辿って同じ順序で、別の情報を追尾情報
として配付することを可能にするものであった。この第
10の実施の形態では、追尾情報を配付する際に、以前
配付された情報が配付された順序とは逆の順序でも配付
することを可能にし、追尾の方向を利用者が指定できる
ようにするものである。
【0277】この第10の実施の形態における基本的な
構成は、上述の第9の実施の形態と同じく、図39に示
されている。そのため、各部の詳細は説明を省略する。
第9の実施の形態と異なる部分は、基本的には、情報の
構成と、追尾配付部28の処理である。
【0278】図51は、本発明の情報処理装置の第10
の実施の形態における情報の構成の一例を示す説明図で
ある。この第10の実施の形態における情報は、図51
に示すように、情報本体とともに、情報を識別するため
の情報識別子、追尾される情報を識別する被追尾情報識
別子、および情報の追尾方向を表わす追尾方向フラグを
保持する情報ラベル部を有している。情報の追尾の方向
には、以前配付された情報と同じ順序で追尾する「順方
向」と、逆の順序に追尾する「逆方向」と、両方を合わ
せた「両方向」の3種類がある。追尾方向フラグは、利
用者が追尾の方向を指定して追尾の指示を出した時に格
納されるもので、例えば、指示が「順方向」のときには
“01”が、「逆方向」のときには“10”が、「両方
向」のときには“11”が格納されるものとする。
【0279】追尾配付部28は、上述の第9の実施の形
態で示した機能のほかに、追尾配付処理の際に情報ラベ
ル部の追尾方向フラグの値に応じて情報を追尾配付する
方向を変えるように構成されている。
【0280】次に、本発明の情報処理装置の第10の実
施の形態における動作の概要について説明する。ここで
は、第3の実施の形態で用いた図20に示されているよ
うに、情報Xが6つの情報媒介装置A〜Fを流れた場合
を例にして説明する。
【0281】情報媒介装置Aでは、情報Xを情報媒介装
置B、Fへ配付したことを検知し、その配付履歴を配付
履歴保持部15に記録する。情報媒介装置Bでは、情報
Xを情報媒介装置Aから配付されたこと、および情報媒
介装置C、Dへ配付したことを検知し、これらの配付履
歴を配付履歴保持部15に記録する。同様に、情報媒介
装置Cでは、情報媒介装置Bからの受信履歴と、情報媒
介装置Dへの送信履歴を記録し、情報媒介装置Dでは、
情報媒介装置B、Cからの受信履歴と、情報媒介装置E
への送信履歴を記録し、情報媒介装置Eでは、情報媒介
装置Dからの受信履歴を、情報媒介装置Fでは、情報媒
介装置Aからの受信履歴をそれぞれ記録する。
【0282】次に、情報媒介装置Dにおいて、情報Xの
配付を追尾して、情報Xの配付とは「逆方向」に情報Y
を追尾配付することが指示された場合について説明す
る。この場合、まず、情報媒介装置Dの配付履歴保持部
15から情報Xの配付履歴を取り出す。このとき、情報
媒介装置Dの追尾配付部28は、追尾の指示が「逆方
向」であるため、配付履歴の中から受信記録を取り出
す。そして、情報媒介装置Dの追尾配付部28は、情報
Xの配付元である情報媒介装置BおよびCへ情報Xの追
尾情報として情報Yを配付する。情報Yを受け取った情
報媒介装置Cは、配付検知部14で情報Yが情報Xの追
尾情報であることを判定し、追尾の指示が「逆方向」で
あるため追尾配付部28で情報媒介装置Cの配付履歴保
持部15から情報Xの受信履歴を取り出し、配付元であ
る情報媒介装置Bへ情報Yを配付する。同様に、情報媒
介装置Dから情報Yを受け取った情報媒介装置Bは、配
付検知部14で情報Yが情報Xの追尾情報であることを
判定し、追尾の指示が「逆方向」であるため追尾配付部
28で情報媒介装置Bの配付履歴保持部15から情報X
の受信履歴を取り出し、配付元である情報媒介装置Aへ
情報Yを配付する。
【0283】一方、情報媒介装置Bは、情報媒介装置C
からも情報Yを受け取る。情報媒介装置Cから情報Yを
受け取った情報媒介装置Bは、上記と同様に、配付検知
部14で情報Yが情報Xの追尾情報であることを判定
し、追尾の指示が「逆方向」であるため追尾配付部28
で情報媒介装置Bの配付履歴保持部15から情報Xの受
信履歴を取り出し、配付元である情報媒介装置Aへ情報
Yを配付しようとする。しかし、その前に重複配付のチ
ェックを行ない、情報Yを情報媒介装置Aとの間で配付
したことがないかどうかをチェックする。すると、以
前、情報媒介装置Bから情報媒介装置Aへ情報Yを配付
した履歴が見つかるので、配付するのを中止する。
【0284】情報Yを受け取った情報媒介装置Aでは、
配付検知部14で情報Yが情報Xの追尾情報であること
を判定し、追尾の指示が「逆方向」であるため追尾配付
部28で情報媒介装置Aの配付履歴保持部15から情報
Xの受信履歴を取り出そうとするが、情報媒介装置Aに
は情報Xの受信履歴は存在しないため、ここで情報Yの
再配付は停止する。
【0285】このようにして、情報Xが、情報媒介装置
Aから情報媒介装置B、Cを経由して情報媒介装置Dへ
と配付されたのとは逆の順序で、情報Yを配付すること
が可能となる。
【0286】以下、上述のような処理の流れを詳細に説
明する。本発明の情報処理装置の第10の実施の形態に
おける情報の配付元の情報媒介装置における情報配付処
理は、第9の実施の形態と同じく、図41に示したのフ
ローチャートに従って処理される。
【0287】図52は、本発明の情報処理装置の第10
の実施の形態における情報の配付先の情報媒介装置にお
ける情報受信処理の一例を示すフローチャートである。
図52に示すフローチャートは、図42に示すフローチ
ャートとほぼ同様であり、同じ処理内容のステップには
同じ符号を付してある。図42に示すフローチャートの
うち、S114がS134に、S116がS136に変
わっただけである。
【0288】S134において、図42のS114の処
理に加えて、配付検知部14は、変数InfoXへ格納
されている情報の追尾方向フラグを変数Directi
onに代入する。
【0289】また、S136において、次に説明する図
53に示す追尾配付処理を行なうようにし、この時の引
数に、情報の追尾方向を示す追尾方向フラグに相当する
引数として、変数Directionの値を渡す。
【0290】図53は、本発明の情報処理装置の第10
の実施の形態における情報の追尾配付処理の一例を示す
フローチャートである。図53のフローチャートは、図
43のフローチャートとほぼ同様であり、大きな流れと
しては変わらないが、細かい処理が異なる。この追尾配
付処理は、その引数として、配付する情報の情報識別
子、追尾される情報の情報識別子である被追尾情報識別
子、および情報の追尾方向を示す追尾方向フラグを伴っ
て呼ばれる。
【0291】S141において、追尾配付部28は、配
付する情報の情報識別子を変数Xに、被追尾情報識別子
を変数Traceに、追尾方向フラグを変数Direc
tionに代入する。
【0292】S142において、追尾配付部28は、変
数Traceに格納されている値がnullであるか否
かを調べる。nullであれば処理を終了する。nul
lでなければS143へ進み、追尾配付部28は、配付
履歴保持部15に格納されている履歴から、変数Tra
ceに関する履歴情報を全て読み出し、変数Histo
ryに代入する。このとき、変数Directionの
値によって、読み出す履歴の種類を次のように変える。
変数Directionの値が“01”の時は「順方
向」の追尾を表わしているので送信履歴を読み出す。
“10”の時は「逆方向」の追尾を表わしているので受
信履歴を読み出す。“11”の時は「両方向」の追尾を
表わしているので送信履歴と受信履歴の両方の履歴とも
読み出す。
【0293】S144において、変数Historyに
格納されている値がnullであるか否かを調べる。n
ullであれば処理を終了する。nullでなければS
145へ進み、変数Historyから履歴情報を1つ
取り出し、変数H1へ代入する。変数Historyに
格納されている履歴情報は、追尾しようとしている被追
尾情報の履歴である。履歴情報は、(送受信フラグ、情
報識別子、配付先/元装置識別子、配付時刻)の組から
構成されており、変数H1にもこのような組が代入され
る。送受信フラグは送信履歴と受信履歴の区別であり、
先に“sent”や“received”などとして説
明したものであり、図45に示したように“1”か
“0”の値として表現することもできる。変数H1の中
の配付先/配付元装置識別子の値を、変数M−dest
に代入する。
【0294】S146において、重複配付のチェックの
ための処理を行なう。重複配付とは、追尾配付処理の際
に、当該の情報媒介装置から別の情報媒介装置へすでに
追尾情報を配付済である時には、同じ情報を重複して追
尾配付することがないようにするためのものである。逆
に、当該の情報媒介装置へ別の情報媒介装置から追尾情
報を配付されている時にも配付しないようにする。追尾
配付部28は、変数Xに格納されている情報識別子を有
する情報が、変数M−destに格納されている配付先
/配付元装置識別子を有する情報媒介装置との間で、送
信あるいは受信した履歴を、配付履歴保持部15に格納
されている履歴の中から検索する。つまり、S148で
情報配付処理で追尾配付しようとしているのと同じ情報
を、配付しようとしている先の情報媒介装置が入手済み
であるか否かを検索する。S147において、S146
で検索した結果、該当する履歴があれば、重複配付する
ことになるためS144に戻り、履歴がない場合にはS
148へ進む。
【0295】S148において、追尾配付部28は、変
数Xへ格納されている情報識別子によって示される情報
を追尾情報として、変数M−destに格納されている
配付先/配付元装置識別子を有する情報媒介装置へ送付
するために、図41に示した情報配付処理を実行する。
この時、情報配付処理を実行する引数には、配付先の情
報媒介装置の装置識別子に相当する引数として変数M−
destに格納されている配付先/配付元装置識別子を
代入し、配付する情報の情報識別子に相当する引数とし
て変数Xへ格納されている情報識別子を代入する。情報
配付処理が終了したら、S144に進む。
【0296】このようにして変数Historyに格納
されたそれぞれの履歴情報について、S144〜S14
8の処理が行なわれ、追尾配付処理が終了する。
【0297】以下、図41、図52、および図53に示
した動作の一例を、具体例をもとに説明する。まず、情
報配付時の処理について説明する。情報Xの配付処理
は、上述の第9の実施の形態と同様に、図41に示すフ
ローチャートに従って処理される。図54は、本発明の
情報処理装置の第10の実施の形態における情報配付後
の各情報媒介装置の配付履歴保持部の内容の一例を示す
説明図である。図54では、装置ラベル部13と配付履
歴保持部15以外の構成部分は省略して示している。情
報識別子id−Xを有する情報Xが、図20に示すよう
な経路を辿って配付されたことにより、図54に示すよ
うな配付履歴が各情報媒介装置の配付履歴保持部15に
格納される。
【0298】次に、本発明の情報処理装置の第10の実
施の形態における情報追尾時の処理について詳細に説明
する。以下、図20に示す情報媒介装置Dにおいて、情
報Xの配付を追尾して、情報Xの配付とは「逆方向」で
情報Yを追尾配付することが指示されたものとする。以
下、このときの情報の追尾時の処理を説明する。
【0299】図55は、本発明の情報処理装置の第10
の実施の形態において追尾配付する情報Yの構成の一例
を示す説明図である。追尾配付する情報Yは、図55に
示すように、情報識別子としてid−Yを有し、被追尾
情報識別子としてid−Xを有し、追尾方向フラグとし
て「逆方向」を示す“10”を有している。前述したよ
うに、追尾方向フラグは、利用者が追尾の方向を指定し
て追尾の指示を出した時に格納されるもので、指示が
「順方向」のときには“01”が、「逆方向」のときに
は“10”が、「両方向」のときには“11”が格納さ
れる。
【0300】情報媒介装置Dにおいて、情報Xの配付を
追尾して情報Xの配付とは「逆方向」で、情報Yを追尾
配付することが指示されると、情報媒介装置Dの追尾配
付部28は、図53に示す追尾配付処理を行なう。
【0301】この例では、情報媒介装置Dの追尾配付部
28は、S141において、配付する情報の情報識別子
id−Yを変数Xに、被追尾情報識別子id−Xを変数
Traceに、追尾方向が「逆方向」であることを表わ
す追尾方向フラグ“10”を変数Directionに
代入する。S142において、追尾配付部28は変数T
raceに格納されている値がnullであるか否かを
調べ、nullではないので、S143へ進む。
【0302】S143において、情報媒介装置Dの追尾
配付部28は、配付履歴保持部15に格納されている履
歴から、変数Traceに関する履歴情報を全て読み出
し、変数Historyに代入する。このとき、変数D
irectionの値によって、読み出す履歴の種類を
変えるが、いまの変数Directionの値は「逆方
向」を意味する“10”であるので、受信履歴を読み出
す。つまり、変数Traceの値であるid−Xに関す
る受信履歴を全て読み出し、変数Historyに代入
する。図54において、情報媒介装置Dの配付履歴保持
部15に格納されている受信履歴のうち、id−Xに関
する履歴情報は、以下の2つである。 received id−X from id−B a
t T3 received id−X from id−C a
t T4 そこで、S143において、情報媒介装置Dの追尾配付
部28は、これら2つの受信履歴を変数History
に代入する。
【0303】次にS144において、情報媒介装置Dの
追尾配付部28は、変数Historyに格納されてい
る値がnullであるか否かを調べ、nullであれば
処理を終了し、nullでなければS145へ進む。い
ま、変数Historyに格納されている値はnull
ではないのでS145へ進む。
【0304】S145において、情報媒介装置Dの追尾
配付部28は、変数Historyから履歴情報を1つ
取り出し、変数H1へ代入する。いま、変数Histo
ryからは received id−X from id−B a
t T3 が取り出され、変数H1へ代入される。そして、変数H
1の中の配付先/配付元装置識別子id−Bを、変数M
−destへ代入する。
【0305】次に、この履歴をもとに、情報識別子id
−Yを有する情報Yを、情報識別子id−Xを有する情
報Xが配付された順序とは「逆方向」に、装置識別子i
d−Bを有する情報媒介装置Bへ送付するが、その前
に、情報Yを情報媒介装置Bへ既に送付済みか否かの重
複配付のチェックのための処理をS146において行な
う。S146において、情報媒介装置Dの追尾配付部2
8は、情報媒介装置Dの配付履歴保持部15に格納され
ている履歴から、変数Xに格納されている情報識別子i
d−Yと、変数M−destに格納されている配付先/
配付元装置識別子id−Bとを併せ持つ履歴を検索す
る。図54における情報媒介装置Dの配付履歴保持部1
5に格納されている履歴情報の中には、id−Yとid
−Bとを併せ持つ履歴は存在しないので、S147にお
いて処理はS148へ進む。
【0306】次にS148において、情報媒介装置Dの
追尾配付部28は、図41に示す情報配付処理を実行す
る。このとき、情報配付処理を実行する引数には、配付
先の情報媒介装置の装置識別子に相当する引数として、
変数M−destに格納されている配付先/配付元装置
識別子id−Bを、配付する情報の情報識別子に相当す
る引数として、変数Xへ格納されている情報識別子id
−Yを代入する。
【0307】このようにして情報配付処理が実行される
と、図41のS101において、変数M−toに、配付
先の情報媒介装置の装置識別子id−Bを代入し、変数
Xに、配付する情報の情報識別子id−Yを代入する。
以下、S102からS106の処理を行ない、情報識別
子id−Yを有する情報Yを、情報媒介装置Dから、装
置識別子id−Bを有する情報媒介装置Bへ送信して、
情報配付処理は終了する。
【0308】次に処理は、図53のS148からS14
4へ進む。S144において、情報媒介装置Dの追尾配
付部28は、変数Historyに格納されている値が
nullであるか否かを調べ、nullではないのでS
145へ進む。先程と同様に情報媒介装置Dの追尾配付
部28は、S145において変数Historyから履
歴情報 received id−X from id−C a
t T4 を取り出し、変数H1へ代入し、変数H1の中の配付先
/配付元装置識別子id−Cを、変数M−destへ代
入する。
【0309】S146においても、先程と同様に重複配
付のチェックのための処理を行なう。今度は、id−Y
とid−Cとを併せ持つ履歴を検索するが、そのような
履歴は存在しないので、S147において処理はS14
8へ進む。S148においても同様に、情報配付処理を
実行し、情報識別子id−Yを有する情報Yを、情報媒
介装置Dから装置識別子id−Cを有する情報媒介装置
Cへ送付して、情報配付処理は終了する。
【0310】再び、処理は図53のS148からS14
4へ進む。S144において、情報媒介装置Dの追尾配
付部28は、変数Historyに格納されている値が
nullであるか否かを調べ、nullであるのでS1
49へ進んで処理を終了する。以上で情報識別子id−
Yを有する情報Yの追尾配付元である情報媒介装置Dに
おける情報追尾時の処理を終了する。
【0311】図56は、本発明の情報処理装置の第10
の実施の形態において情報媒介装置Dにおける情報Yの
追尾処理終了時の各情報媒介装置の配付履歴保持部の内
容の一例を示す説明図である。図56においても、装置
ラベル部13と配付履歴保持部15以外の構成部分は省
略して示している。上述のような情報媒介装置Dにおけ
る情報識別子id−Yを有する情報Yの追尾処理によっ
て、情報媒介装置Dは情報識別子id−Yを有する情報
Yを情報媒介装置Bと情報媒介装置Cに送信する。それ
に伴って情報媒介装置Dの配付履歴保持部15には情報
Yに関する2つの送信履歴が格納される。
【0312】次に情報の追尾時において、情報媒介装置
Dから追尾情報Yを送付された情報媒介装置Bにおける
情報受信処理を、図52および図56を用いて説明す
る。この処理は、上述の第9の実施の形態で説明した情
報媒介装置Bにおける処理と類似している。
【0313】まず、S111において、追跡情報Yの配
付先の情報媒介装置Bでは、図41のS102において
行なわれる情報媒介装置Aからのコネクションの確立要
求を受けてコネクションを確立し、変数M−fromに
配付元の情報媒介装置Dの装置識別子id−Dを代入す
る。次に、S112において、図41のS104の処理
により情報媒介装置Dの情報配付部12から配付された
情報識別子id−Yを有する情報Yを、情報媒介装置B
の情報配付部12が受け取り、変数InfoXへ代入す
る。情報媒介装置Bの情報配付部12は、S113にお
いて、変数InfoXへ格納されている情報Yを、情報
媒介装置Bの情報保持部11へ格納する。S134にお
いて、情報媒介装置Bの配付検知部14は、この配付の
処理を検知し、この変数InfoXへ格納されている情
報Yの情報識別子id−Yを変数Xに代入し、情報Yの
被追尾識別子id−Xを変数Traceに代入し、情報
Yの追尾方向フラグ“10”を変数Direction
に代入する。そして、情報媒介装置Bの配付履歴保持部
15に情報の受信履歴として received id−Y from id−D a
t T7 を記録する。
【0314】次にS115において、情報媒介装置Bの
配付検知部14は、変数Traceに格納されている値
がnullであるか否かを調べ、nullであれば処理
を終了し、nullでなければS136へ進む。いま、
変数Traceに格納されている値はnullではない
のでS136へ進む。
【0315】S136において、情報媒介装置Bの配付
検知部14は、追尾配付部28に対して、図53に示し
た追尾配付処理を実行するように指示する。このとき、
追尾配付処理を実行する引数には、配付する情報の情報
識別子に相当する引数として変数Xに格納されている情
報識別子id−Yを代入し、被情報識別子に相当する引
数として変数Traceに格納されている被追尾情報識
別子id−Xを代入し、追尾方向フラグに相当する引数
として変数Directionに格納されている値“1
0”を代入する。
【0316】図53において、上述のように追尾配付処
理が呼び出され、図53のS141において、変数Xに
は情報識別子id−Yが代入され、変数Traceには
情報識別子id−Xが代入され、変数Directio
nには追尾方向フラグ“10”が代入される。以下、情
報媒介装置Bにおいて、上述した情報媒介装置Dにおけ
る追尾配付処理と同様に処理が進められる。
【0317】図56において、情報媒介装置Bの配付履
歴保持部15に格納されている受信履歴のうち、変数T
raceに格納されている値id−Xに関する履歴情報
は、以下の1つだけであるので、S143ではこの送信
履歴を変数Historyに代入する。 received id−X from id−A a
t T1 そして、S144からS146の処理を行ない、情報識
別子id−Yを有する情報Yを情報媒介装置Bから装置
識別子id−Aを有する情報媒介装置Aへと送信して、
処理を終了する。以上で配付先の情報媒介装置Bにおけ
る情報追尾時の処理を終了する。
【0318】図57は、本発明の情報処理装置の第10
の実施の形態において情報媒介装置Bにおける情報Yの
追尾処理終了時の各情報媒介装置の配付履歴保持部の内
容の一例を示す説明図である。図57においても、装置
ラベル部13と配付履歴保持部15以外の構成部分は省
略して示している。上述のような情報媒介装置Dにおけ
追尾処理によって送られてくる情報識別子id−Yを情
報媒介装置Bと情報媒介装置Cが受け取る。これに伴っ
て情報媒介装置Bと情報媒介装置Cの配付履歴保持部1
5には、それぞれ1つずつ受信履歴が格納される。
【0319】さらに、上述のように情報媒介装置Bから
追尾処理を行なうことによって、情報識別子id−Yを
有する情報Yは情報媒介装置Bからさらに情報媒介装置
Aに配付される。それに伴って情報媒介装置Bの配付履
歴保持部15には1つの送信履歴がさらに格納される。
【0320】一方、情報媒介装置Cも情報媒介装置Dか
ら追尾情報Yを送付された。情報媒介装置Cも同様に図
52に示す情報受信処理が起動し、情報媒介装置Cの配
付履歴保持部15に情報の受信履歴として received id−Y from id−D a
t T8 を記録する。その後、図53に示す追尾配付処理が起動
し、情報媒介装置Cの配付履歴保持部15から、情報X
に関する送信履歴として以下の履歴を読み出し、変数H
istoryに代入する。 received id−X from id−B a
t T2 そして、情報Yを情報媒介装置Cから情報媒介装置Bへ
と送信して、処理を終了する。
【0321】この時点で、再び情報媒介装置Bにおいて
図52に示す情報受信処理が起動し、情報媒介装置Bの
配付履歴保持部15に情報の受信履歴として received id−Y from id−C a
t T10 を記録することになる。この時点で、情報媒介装置Bの
配付履歴保持部15に格納されている履歴は以下の6つ
である。 received id−X from id−A a
t T1 sent id−X to id−C at T2 sent id−X to id−D at T3 received id−Y from id−D a
t T7 sent id−Y to id−A at T8 received id−Y from id−C a
t T10
【0322】情報媒介装置Bでは、再び図53における
追尾配付処理が起動し、情報Xに関する送信履歴とし
て、以下の履歴を読み出し、変数Historyに代入
する。 received id−X from id−A a
t T1 次にS146において、情報媒介装置Bは、重複配付の
ためのチェックを行なう。情報媒介装置Bの追尾配付部
28は、情報媒介装置Bの配付履歴保持部15に保持さ
れている履歴情報から、変数Xに格納されている情報識
別子id−Yと、変数H1の中の配付先/配付元装置識
別子id−Aとを併せ持つ履歴を検索し、 sent id−Y to id−A at T8 なる履歴を発見する。そのため、S148における送信
処理は行なわれず、S147からS144に進んで処理
を終了する。これにより、情報媒介装置Bから情報媒介
装置Aへの追尾情報の重複配付を回避した。
【0323】情報媒介装置Bから追尾情報Yを受信した
情報媒介装置Aも、上記と同様に図52に示す情報受信
処理を行なうが、情報Xに関する受信記録がないため、
ここで追尾処理は終了する。
【0324】図58は、本発明の情報処理装置の第10
の実施の形態において情報Yの「逆方向」の追尾処理が
すべて終了した時点での各情報媒介装置の配付履歴保持
部の内容の一例を示す説明図である。図58において
も、装置ラベル部13と配付履歴保持部15以外の構成
部分は省略して示している。図57に示した状態から、
情報媒介装置Aは情報識別子id−Yを有する情報Yの
受信処理を行なって、情報媒介装置Aの配付履歴保持部
15には情報Yの受信履歴が格納される。また、情報媒
介装置Cにおける情報識別子id−Yを有する情報Yの
追尾処理によって、情報識別子id−Yを有する情報Y
は情報媒介装置Bに配付される。それに伴って情報媒介
装置Cの配付履歴保持部15には送信履歴が格納され、
情報媒介装置Bの配付履歴保持部15には受信履歴が格
納される。
【0325】このようにして、情報Xが配付されたのと
は「逆方向」に、情報媒介装置Dから、追尾情報Yを追
尾配付することができた。図59は、本発明の情報処理
装置の第10の実施の形態における「逆方向」の追尾配
付後の情報の流れの一例の説明図である。図59におい
て、破線は情報Xの流れを示し、実線が情報媒介装置D
から「逆方向」に追尾した追尾情報Yの流れを示してい
る。図59に示すように、情報Yは、情報Xの流れと逆
方向に情報Xを追尾し、情報媒介装置A,B,Cに配付
された。また、この時の追尾配付によって、各情報媒介
装置の配付履歴保持部15には、図58に示す内容が保
持される。
【0326】次に、本発明の情報処理装置の第10の実
施の形態における別の例について説明する。上述の例で
は、追尾情報の方向として「逆方向」を指定した例につ
いて説明した。以下の例では、追尾情報の方向として
「両方向」を指定した例について説明する。上述の例で
は、情報媒介装置E,Fには追尾情報Yは配付されなか
ったが、追尾方向を「両方向」とすることで、情報Xの
配付されたすべての情報媒介装置に対して追尾情報Yを
配付することができる。
【0327】以下、最初に情報Xが図20に示すように
配付されたものとし、情報Xの配付後、情報媒介装置D
において、情報Xの追尾情報Yが、追尾方向「両方向」
で追尾配付することが指示されたものとする。このとき
の例について以下に説明する。
【0328】情報Xの配付処理は、追尾方向が「逆方
向」のときと同様である。図41のフローチャートに従
って処理され、情報識別子id−Xを有する情報Xが、
図20に示すような経路を辿って配付される。配付後
の、各情報媒介装置の配付履歴保持部15の内容は、図
54に示すようになる。
【0329】次に、情報追尾時の処理について詳細に説
明する。情報媒介装置Dにおいて、情報Xの追尾情報Y
が、追尾方向「両方向」で追尾配付することが指示され
ると、このように指示された情報Yは、情報識別子とし
てid−Yを有し、被追尾情報識別子としてid−Xを
有し、追尾方向フラグとして“11”を有することにな
る。前述したように、追尾方向フラグは、利用者が追尾
の方向を指定して追尾の指示を出した時に格納されるも
ので、指示が「順方向」のときには“01”が、「逆方
向」のときには“10”が、「両方向」のときには“1
1”が格納される。
【0330】情報媒介装置Dにおいて、情報Xの配付を
追尾して、追尾方向「両方向」で、情報Yを追尾配付す
ることが指示されると、情報媒介装置Dの追尾配付部2
8は図53に示す追尾配付処理を行なう。
【0331】この例では、情報媒介装置Dの追尾配付部
28は、S141において、配付する情報の情報識別子
id−Yを変数Xに、被追尾情報識別子id−Xを変数
Traceに、追尾方向が「両方向」であることを表わ
す追尾方向フラグ“11”を変数Directionに
代入する。S142において、追尾配付部28は変数T
raceに格納されている値がnullではないのでS
143へ進む。
【0332】S143において、情報媒介装置Dの追尾
配付部28は、配付履歴保持部15に格納されている履
歴から、変数Traceに関する履歴情報を全て読み出
し、変数Historyに代入する。このとき、変数D
irectionの値によって、読み出す履歴の種類を
変えるが、この時の変数Directionの値は「両
方向」を意味する“11”であるので、送信履歴と受信
履歴の両方を読み出す。つまり、変数Traceの値で
あるid−Xに関する履歴を全て読み出し、変数His
toryに代入する。基本的には、この読み出す履歴の
種類が、追尾方向「逆方向」のときと異なることにな
る。
【0333】図54において、情報媒介装置Dの配付履
歴保持部15に格納されている履歴のうち、id−Xに
関する履歴情報は、以下の3つである。 received id−X from id−B a
t T3 received id−X from id−C a
t T4 sent id−X to id−E at T5 S143において、情報媒介装置Dの追尾配付部28
は、これら3つの履歴を変数Historyに代入す
る。
【0334】以下、これらの3つの履歴それぞれに対し
て、S144〜S148の処理を繰り返し、それぞれ情
報媒介装置B、情報媒介装置C、情報媒介装置Eへ情報
Yを配付して情報媒介装置Dにおける処理は終了し、情
報Yが配付された情報媒介装置B、情報媒介装置C、情
報媒介装置Eにおける処理が始まる。
【0335】次に、情報の追尾時において、情報媒介装
置Dから追尾情報Yを送付された情報媒介装置Bにおけ
る情報受信処理を説明する。この処理は、上述の追尾方
向が「逆方向」のときの例における情報媒介装置Bで行
なわれる処理と同様である。情報媒介装置Bでは、図5
2に示すS111〜S113,S134の処理を行なう
が、異なる点は、S134において、変数Direct
ionに代入する値が“11”である点だけである。情
報媒介装置Bの配付履歴保持部15には、情報の受信履
歴として received id−Y from id−D a
t T7 を記録する。
【0336】情報媒介装置Bでは、図52のS115、
S136と処理が進み、図53に示す追尾配付処理を呼
び出す。情報媒介装置Bでは、S141、S142と処
理が進み、S143へと進む。情報媒介装置Bの配付履
歴保持部15に格納されている履歴のうち、id−Xに
関する履歴情報は以下の3つである。 received id−X from id−A a
t T1 sent id−X to id−C at T2 sent id−X to id−D at T3 S143において、情報媒介装置Bの追尾配付部28
は、これら3つの履歴を変数Historyに代入す
る。
【0337】以下、これらの3つの履歴それぞれに対し
て、S144〜S148の処理を繰り返す。最初の2つ
の履歴 received id−X from id−A a
t T1 sent id−X to id−C at T2 については、S144〜S148の処理を行ない、それ
ぞれ情報媒介装置A、情報媒介装置Cへ情報Yを配付す
る。この時点で、情報媒介装置Bの配付履歴保持部15
には以下の履歴が格納されている。 received id−X from id−A a
t T1 sent id−X to id−C at T2 sent id−X to id−D at T3 received id−Y from id−D a
t T7 sent id−Y to id−A at T10 sent id−Y to id−C at T11
【0338】次に、S145において、変数Histo
ryから sent id−X to id−D at T3 を取り出して、この履歴を変数H1に代入し、変数M−
destに配付先/配付元装置識別子id−Dを代入す
る。次に情報媒介装置Bの追尾配付部28は、S146
において、情報媒介装置Bの配付履歴保持部15の履歴
から、変数Xに格納されている情報識別子id−Yと、
変数M−destに格納されている配付先/元装置識別
子id−Dとを併せ持つ履歴を検索し、以下の履歴を発
見する。 received id−Y from id−D a
t T7 そのため、S147からS144へと進んで情報媒介装
置Dへの配付を行なわずに処理を終了する。この処理に
よって、情報媒介装置Dから情報媒介装置Bへ配付され
た追尾情報Yが、再び情報媒介装置Bから情報媒介装置
Dへと配付されるような重複配付をチェックし、処理を
終了させた。追尾方向を「両方向」とすると、このよう
な重複配付が起こりがちであるため、このようなチェッ
ク機構を付ける必要がある。
【0339】図60は、本発明の情報処理装置の第10
の実施の形態において情報媒介装置Dおよび情報媒介装
置Bにおける情報Yの「両方向」の追尾処理終了時の各
情報媒介装置の配付履歴保持部の内容の一例を示す説明
図である。図60においても、装置ラベル部13と配付
履歴保持部15以外の構成部分は省略して示している。
上述のような情報媒介装置Dにおける情報識別子id−
Yを有する情報Yの追尾処理、および、情報媒介装置D
から情報Yの配付を受けた情報媒介装置Bにおける受信
及び追尾処理によって、情報識別子id−Yを有する情
報Yは、情報媒介装置Dから情報媒介装置B、情報媒介
装置C、情報媒介装置Eに、さらに情報媒介装置Bから
情報媒介装置Aに配付される。それに伴って、情報媒介
装置Dの配付履歴保持部15には3つの送信履歴が格納
され、情報媒介装置Bには1つの受信履歴と2つの送信
履歴が格納される。
【0340】以下、追尾情報Yの配付を受けた情報媒介
装置A,情報媒介装置C,情報媒介装置Eでも同様の受
信及び追尾処理を繰り返す。情報媒介装置Aではさらに
情報媒介装置Fに対して、追尾情報Yの配付が行なわ
れ、情報媒介装置Fにおいて追尾情報Yの受信処理が行
なわれる。なお、重複配付のチェックにより、情報媒介
装置Cから情報媒介装置Bと情報媒介装置Dへの追尾情
報Yの配付は行なわれない。
【0341】このようにして、情報媒介装置Dにおい
て、情報Xの追尾情報Yが、追尾方向「両方向」で追尾
配付することが指示されたときの追尾処理が終了する。
このようにして、情報Xの配付に対して、追尾情報Y
を、追尾方向「両方向」で追尾配付することが可能とな
る。
【0342】図61は、本発明の情報処理装置の第10
の実施の形態において情報Yの「両方向」の追尾処理が
すべて終了した時点での各情報媒介装置の配付履歴保持
部の内容の一例を示す説明図である。図61において
も、装置ラベル部13と配付履歴保持部15以外の構成
部分は省略して示している。図60に示した状態から、
情報媒介装置A,情報媒介装置C,情報媒介装置Eは情
報識別子id−Yを有する情報Yの受信処理を行なっ
て、それぞれの情報媒介装置の配付履歴保持部15には
情報Yの受信履歴が格納される。なお、情報媒介装置C
では、情報媒介装置Bと情報媒介装置Dから情報Yの配
付を受けるため、2つの受信履歴が配付履歴保持部15
に格納される。また、情報媒介装置Aにおける情報識別
子id−Yを有する情報Yの追尾処理によって、情報識
別子id−Yを有する情報Yは情報媒介装置Fに配付さ
れる。それに伴って情報媒介装置Cの配付履歴保持部1
5には送信履歴が格納され、情報媒介装置Fの配付履歴
保持部15には受信履歴が格納される。
【0343】このようにして、情報Xが配付された「両
方向」の経路を辿って、情報媒介装置Dから、追尾情報
Yを追尾配付することができた。図62は、本発明の情
報処理装置の第10の実施の形態における「両方向」の
追尾配付後の情報の流れの一例の説明図である。図62
において、破線は情報Xの流れを示し、実線が情報媒介
装置Dから「両方向」に追尾した追尾情報Yの流れを示
している。図62に示すように、情報Yは、情報Xの配
付された両方向の経路に沿って情報Xを追尾し、情報X
が配付されたすべての情報媒介装置に配付された。ま
た、この時の追尾配付によって、各情報媒介装置の配付
履歴保持部15には、図61に示す内容が保持される。
【0344】この第10の実施の形態で説明した重複配
付のチェック機構は、特に追尾方向が「両方向」の時
に、各情報媒介装置における処理のタイミングによって
は、一部の情報媒介装置の間で追尾情報を配付し合うと
いうことも起こりうる。しかし、その情報媒介装置間で
追尾情報を配付し合うと、そこで重複配付は終了し、処
理が止まらないというような現象を起こすことはない。
【0345】ここで説明した以外の方法でも、重複配付
をチェックする機構は考えられる。例えば、追尾情報の
配付の際に、配付先の配付履歴保持部15をチェック
し、今から配付しようとしている情報が既に配付済でな
いかをチェックする等の方法もある。このように、重複
配付のチェックについては他の方法により実現してもか
まわない。
【0346】次に、本発明の情報処理装置の第11の実
施の形態について説明する。上述の第9および第10の
実施の形態で説明した例では、既に配付された情報に対
して、それを追尾するように情報を配付する方法につい
て述べた。しかし、このままでは、追尾情報が被追尾情
報を追尾しただけであり、各情報媒介装置の使用者は、
追尾配付された情報が、新たに配付された情報か追尾配
付された情報かがわからないかもしれない。そこで、各
情報媒介装置において、追尾情報が配付され、配付検知
部14で配付を検知した時に、追尾情報が配付されたこ
とを使用者に知らせるような機構を付けることも可能で
ある。
【0347】また、一旦追尾情報の追尾配付処理が終了
した後に、ある情報媒介装置の使用者が被追尾情報を別
途配付することも考えられる。このような場合には、追
尾情報は被追尾情報を追尾することができない。例え
ば、被追尾情報がバグの混入したソフトウェアであると
し、追尾情報がそのバグを修正するパッチソフトウェア
であるとする。パッチソフトウェアの作者は、バグを修
正するためにパッチソフトウェアを、原ソフトウェアに
追尾させて配付したのに、パッチソフトウェアの追尾配
付終了後、あるユーザがバグの混入したソフトウェアの
みを再配付してしまうと、そのソフトウェアが再び広ま
ってしまうことになる。このようなことを避けるため
に、追尾情報が被追尾情報に追い付いた時に、追尾情報
と被追尾情報とを自動的に合体/融合したり、あるいは
被追尾情報を削除して追尾情報で置き換えてしまうなど
の処理を付け加えることも可能である。以下に説明する
第11の実施の形態では、追尾情報が被追尾情報に追い
付いた時に、追尾情報と被追尾情報とを自動的に合体さ
せる構成を有している。
【0348】図63は、本発明の情報処理装置の第11
の実施の形態を示す構成図である。図中、図39と同様
の部分には同じ符号を付して説明を省略する。29は情
報融合部である。情報融合部29は、追尾配付部28に
おいて配付検知部14から通知を受けた追尾配付処理が
終了した後、被追尾情報を情報保持部11から読み出し
て、追尾情報と被追尾情報とを自動的に合体させる。
【0349】本発明の情報処理装置の第11の実施の形
態における動作の概要について説明する。第11の実施
の形態における動作の概要は、上述の第10の実施の形
態と類似している。情報の配付処理、及び情報の受信処
理については、それぞれ図41、図52に示したものと
同じである。
【0350】図64は、本発明の情報処理装置の第11
の実施の形態における情報の追尾配付処理の一例を示す
フローチャートである。図中、図53と同様の処理を行
なうステップには同じ符号を付して説明を省略する。図
64に示したフローチャートでは、図53におけるS1
48の後に、S159として示した情報の融合処理が挿
入されている。
【0351】S159に処理が移るまでに、配付履歴保
持部15に格納されている履歴情報に基づき、被追尾情
報に関する履歴を追尾方向に従って取り出し、取り出し
た履歴をもとに追尾情報を配付する。取り出した履歴が
複数存在する場合には、それぞれの履歴について追尾配
付の処理を行なう。このとき、既に追尾情報を配付して
いる場合には追尾情報の配付は抑止される。
【0352】S159において、情報融合部29は、以
下の情報融合処理を行なう。まず、変数Traceに格
納された情報識別子を持つ情報を情報保持部11から読
み出し、変数InfoPreXに代入する。そして、変
数Xに格納された情報識別子を持つ情報と変数Info
PreXに格納された情報とを合体させ、新たな情報と
して変数InfoZに代入し、情報保持部11へ格納す
る。また、変数InfoZに格納された情報の情報識別
子を変数Zに代入し、配付履歴保持部15に、(“me
rged”,変数X,変数Trace,変数Z,変数T
ime)の組を情報の融合履歴として記録する。ここ
で、(“merged”,変数X,変数Trace,変
数Z,変数Time)は、時刻Timeに、情報識別子
Xを有する情報と、情報識別子Traceを有する情報
とを合体して、情報識別子Zを有する情報を作成したこ
とを表わす融合履歴である。
【0353】以下、本発明の情報処理装置の第11の実
施の形態における動作の一例を、具体例をもとに説明す
る。この第11の実施の形態では、上述の第10の実施
の形態と同様に、情報識別子id−Xを有する情報X
が、図20に示すような経路を辿って配付された後、情
報媒介装置Dにおいて、情報Xの配付を追尾して情報X
の配付とは「逆方向」で情報Yを追尾配付することが指
示されたものとし、このときの処理を説明する。
【0354】情報の配付時の処理は上述の第10の実施
の形態と同様であり、配付終了時の各情報媒介装置の配
付履歴保持部15の内容は、図54に示すようになる。
次に、情報媒介装置Dにおいて、情報Xの配付を追尾し
て情報Xの配付とは「逆方向」で情報Yを追尾配付する
ことが指示されると、情報媒介装置Dの追尾配付部28
は、図64に示す追尾配付処理を行なう。追尾配付処理
は、第10の実施の形態と同様に処理が進み、最後にS
159における情報融合処理を行なう。
【0355】図64のS141において、変数Trac
eには被追尾情報識別子id−Xが格納されており、変
数Xには配付する情報の情報識別子id−Yが格納され
ている。S142からS143へ進み、さらにS144
〜S148の処理を2回繰り返して、追尾情報Yを情報
媒介装置Bおよび情報媒介装置Cへ送信し、S144を
経て、S159へ進む。
【0356】情報媒介装置Dの情報融合部29は、S1
59において、変数Traceに格納された情報識別子
id−Xを持つ情報Xを情報保持部11から読み出し、
変数InfoPreXに代入する。次に、変数Xに格納
された情報識別子id−Yを持つ情報Yと変数Info
PreXに格納された情報Xとを合体させ、新たな情報
として変数InfoZに代入し、情報保持部11へ格納
する。この例では、合体した新たな情報を情報Mと呼ぶ
ことにし、情報識別子としてid−Mを有するものとす
る。ここで合体と呼んでいるのは、元の2つの情報をそ
のまま持った新しい情報を新たに作成することであり、
情報識別子も新たなものを割り当てる。
【0357】図65は、本発明の情報処理装置の第11
の実施の形態における合体した情報の構成の一例を示す
説明図である。図65では、情報Xと情報Yとを合体し
て作成した新しい情報Mの例を示している。情報Mの本
体部分に、合体した情報XとYが格納されており、情報
ラベル部に情報Mの情報識別子id−Mなどが格納され
ている。
【0358】さらに、図64のS159において、情報
媒介装置Dの情報融合部29は、上述のようにして合体
され、作成された情報Mの情報識別子id−Mを変数Z
に代入し、配付履歴保持部15に、 (“merged”,情報識別子id−X,情報識別子
id−Y,合体した情報の情報識別子id−Z,Tim
e) を情報の融合履歴として記録する。
【0359】図66は、本発明の情報処理装置の第11
の実施の形態において情報媒介装置Dにおける情報Yの
追尾処理および融合処理終了時の各情報媒介装置の配付
履歴保持部の内容の一例を示す説明図である。情報媒介
装置Dにおける追尾処理によって、追尾情報Yは情報媒
介装置Bと情報媒介装置Cに送られ、情報媒介装置Dの
配付履歴保持部15には2つの送信履歴が格納される。
さらに、その後の融合処理によって、情報媒介装置Dの
内部で被追尾情報Xと追尾情報Yが合体され、以下のよ
うな融合履歴が情報媒介装置Dの配付履歴保持部15に
格納される。 merged id−X and id−Y into
id−Z atT9 この融合履歴は、時刻T9に、情報識別子id−Xを有
する情報Xと、情報識別子id−Yを有する情報Yとを
合体して、情報識別子id−Mを有する情報Mを作成し
たことを表わす。以上で、情報媒介装置Dにおける追尾
配付処理および融合処理を終了する。
【0360】以上の処理を、追尾情報が配付された各情
報媒介装置においても同様に行なうことにより、第10
の実施の形態と同様に追尾情報を追尾配付するととも
に、追尾情報が追い付いた時点で、その都度、追尾情報
と被追尾情報とを合体させる。
【0361】ここでは情報の合体の例を説明したが、融
合や置き換えでも同様に実現できる。ここで合体とは、
例えば、図65に示したように、元の各情報をそのまま
内包した合体情報が作成されることを意味し、情報Mは
この合体情報である。また、融合とは、元の情報はなく
なり、2つの情報の情報本体を融合した新しい情報がで
きることを意味する。さらに、置き換えとは、被追尾情
報を追尾情報で置きかえることを意味しており、被追尾
情報は削除されて追尾情報のみが残る。これらは、情報
融合部29で行なわれる情報の融合処理を変えることに
より、容易に実現することが可能である。
【0362】また、情報融合部29における融合処理の
内容を選択できるように構成することも可能である。こ
の場合、追尾情報の情報ラベル部に融合処理種別を付加
しておき、情報融合部29でこれを参照して処理を切り
換えればよい。あるいは、融合処理としてプログラムを
指し示す情報を書き込んでおいたり、プログラム自体を
書き込んでおき、融合処理時に起動するように構成して
もよい。これにより、例えば、パッチプログラムを追尾
情報として配付したとき、元のバグを含むプログラムに
自動的にパッチを当てて、正しいプログラムを生成する
ことができる。
【0363】上述の第9ないし第11の実施の形態で
は、装置識別子を用いて情報の配付の履歴を保持し、追
尾配付処理を行なったが、例えば、上述の第6の実施の
形態で示したように、利用者識別子を用いるように構成
することもできる。あるいは、両方を用いるように構成
してもよい。また、第7、第8の実施の形態で示したよ
うに、媒体によって情報の配付が行なわれる場合であっ
てもよく、追尾経路中に媒体による配付が行なわれてい
ても、媒体までは自動的に追尾配付することができる。
追尾情報が格納された媒体が別の装置に装填され、その
装置への配付を行なうと、その先への追尾を行なうこと
ができる。
【0364】さらに、上述の第9ないし第11の実施の
形態では、履歴の回収/追跡系の構成を具備していない
が、これらの構成を備え、情報の配付の追跡が行なえる
ように構成することもできる。追尾情報も配付された情
報であるから、追尾情報の追尾状況の追跡も同様にして
行なうことができる。
【0365】上述の各実施の形態では、情報が情報媒介
装置間を配付されても情報が修正されないときには情報
識別子は不変であるものとして説明したが、本発明はこ
れに限らない。情報が情報媒介装置間を配付されると常
に情報識別子は変更され、同じ情報識別子を持つ情報は
存在しないというように実現することも可能である。こ
の場合には、配付履歴保持部15に格納する配付履歴
に、情報識別子の変更の履歴も共に格納するようにすれ
ばよい。
【0366】また、上述の第1〜第8の実施の形態で
は、配付履歴として時刻、配付先/配付元装置識別子、
情報識別子の三つの情報を、また、第9、第10の実施
の形態ではこれに履歴の送信/受信の区別を加えた四つ
の情報を用いているが、これだけに限定されるものでは
ない。例えば、時間的な情報が不要であれば時刻を記録
する必要はない。また、装置識別子と利用者識別子の両
方を記録して、どの情報媒介装置のどの利用者から、ど
の情報媒介装置のどの利用者に配付されたかの詳細な配
付経路を追跡するように構成してもかまわない。
【0367】さらに、上述の各実施の形態の場合には、
配付履歴は情報媒介装置の配付履歴保持部15に格納す
るように説明したが、これだけに限定されるものではな
い。例えば、情報に情報本体とは別に配付履歴を保持す
る部分を設け、時刻情報や修正履歴などを、この情報の
配付履歴保持部15に格納するように構成してもよい。
【0368】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、情報を配付する際に、配付の履歴を記録し、
記録されている履歴を解析することによって、後から情
報の流通・配付経路や流通範囲、流通量などの配付情報
を追跡することができる。また、配付だけでなく情報の
作成や利用に対する履歴の記録も行なうことで、さらに
広範な追跡が可能になるという効果がある。本発明を用
いることによって、情報の流通、配付経路や流通範囲の
特定が可能になるので、例えば、不正な情報の配付者や
配付経路を特定することが可能になる。本発明は、文字
情報、画像、音声、プログラムなどあらゆるデジタル化
された情報の流通、配付に対して利用可能である。
【0369】また、本発明によれば、ある情報の配付時
に記録された履歴をもとに、その情報を追尾して情報を
配付させることができる。これにより、例えば、ある情
報の配付を受けている利用者全員に別の情報を配付する
ことが可能となる。このとき、ある情報の配付先を予め
知る必要はない。
【0370】さらに、先に配付された情報と追尾配付さ
れた情報とを結合して一体の情報とすることもできる。
これにより、先に配付された情報が再び単独で配付され
ることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の情報処理装置の第1の実施の形態を
示す構成図である。
【図2】 本発明の情報処理装置の第1の実施の形態に
おける情報の構成の一例を示す説明図である。
【図3】 本発明の情報処理装置の第1の実施の形態を
実現するための一例を示すハードウェア構成図である。
【図4】 本発明の情報処理装置の第1の実施の形態に
おける情報の流れの一例の説明図である。
【図5】 本発明の情報処理装置の第1の実施の形態に
おける情報の配付時の配付元の情報媒介装置における処
理の一例を示すフローチャートである。
【図6】 本発明の情報処理装置の第1の実施の形態に
おける情報の配付時の配付先の情報媒介装置における処
理の一例を示すフローチャートである。
【図7】 本発明の情報処理装置の第1の実施の形態に
おける情報の配付時の動作の一例の説明図である。
【図8】 本発明の情報処理装置の第1の実施の形態に
おける配付履歴保持部に保持される配付履歴の一例の説
明図である。
【図9】 本発明の情報処理装置の第1の実施の形態に
おいて情報配付後の一例の説明図である。
【図10】 本発明の情報処理装置の第1の実施の形態
において情報追跡処理を開始する情報媒介装置における
情報追跡時の履歴回収部の処理の一例を示すフローチャ
ートである。
【図11】 本発明の情報処理装置の第1の実施の形態
において情報追跡処理を開始する情報媒介装置における
情報追跡時の追跡解析部の処理の一例を示すフローチャ
ートである。
【図12】 本発明の情報処理装置の第1の実施の形態
において情報追跡処理を開始する情報媒介装置以外の情
報媒介装置における情報追跡時の履歴回収部の処理の一
例を示すフローチャートである。
【図13】 本発明の情報処理装置の第1の実施の形態
において情報追跡処理を開始する情報媒介装置以外の情
報媒介装置における情報追跡時の履歴回収部の処理の一
例を示すフローチャート(続き)である。
【図14】 本発明の情報処理装置の第1の実施の形態
における回収履歴保持部の内容の一例の説明図である。
【図15】 本発明の情報処理装置の第1の実施の形態
における追跡結果表示部による表示の一例の説明図であ
る。
【図16】 本発明の情報処理装置の第2の実施の形態
における情報の流れの一例の説明図である。
【図17】 本発明の情報処理装置の第2の実施の形態
における情報の配付時の動作の一例の説明図である。
【図18】 本発明の情報処理装置の第2の実施の形態
において情報配付後の一例の説明図である。
【図19】 本発明の情報処理装置の第2の実施の形態
における追跡結果表示部による表示の一例の説明図であ
る。
【図20】 本発明の情報処理装置の第3の実施の形態
における情報の流れの一例の説明図である。
【図21】 本発明の情報処理装置の第3の実施の形態
において情報配付後の一例の説明図である。
【図22】 本発明の情報処理装置の第3の実施の形態
における追跡結果表示部による表示の一例の説明図であ
る。
【図23】 本発明の情報処理装置の第4の実施の形態
を示す構成図である。
【図24】 本発明の情報処理装置の第4の実施の形態
における情報の流れの一例の説明図である。
【図25】 本発明の情報処理装置の第4の実施の形態
において情報配付後の一例の説明図である。
【図26】 本発明の情報処理装置の第4の実施の形態
における回収履歴保持部の内容の一例の説明図である。
【図27】 本発明の情報処理装置の第4の実施の形態
における追跡結果表示部による配付経路の表示の一例の
説明図である。
【図28】 本発明の情報処理装置の第4の実施の形態
における追跡結果表示部による作成過程の表示の一例の
説明図である。
【図29】 本発明の情報処理装置の第5の実施の形態
を示す構成図である。
【図30】 本発明の情報処理装置の第5の実施の形態
における情報の構成の一例を示す説明図である。
【図31】 本発明の情報処理装置の第6の実施の形態
を示す構成図である。
【図32】 本発明の情報処理装置の第6の実施の形態
における情報の流れの一例の説明図である。
【図33】 本発明の情報処理装置の第6の実施の形態
における追跡結果表示部による表示の一例の説明図であ
る。
【図34】 本発明の情報処理装置の第7の実施の形態
において情報に配付履歴を持たせた場合の情報の一例を
示す構成図である。
【図35】 本発明の情報処理装置の第7の実施の形態
において情報に配付履歴を持たせた場合の情報の配付時
の動作の一例の説明図である。
【図36】 本発明の情報処理装置の第7の実施の形態
において情報媒体に配付履歴を持たせた場合の情報の一
例を示す構成図である。
【図37】 本発明の情報処理装置の第7の実施の形態
において情報媒体に配付履歴を持たせた場合の情報の配
付時の動作の一例の説明図である。
【図38】 本発明の情報処理装置の第8の実施の形態
における情報の配付時の動作の一例の説明図である。
【図39】 本発明の情報処理装置の第9の実施の形態
を示す構成図である。
【図40】 本発明の情報処理装置の第9の実施の形態
における情報の構成の一例を示す説明図である。
【図41】 本発明の情報処理装置の第9の実施の形態
における情報の配付時の配付元の情報媒介装置における
処理の一例を示すフローチャートである。
【図42】 本発明の情報処理装置の第9の実施の形態
における情報の配付時の配付先の情報媒介装置における
処理の一例を示すフローチャートである。
【図43】 本発明の情報処理装置の第9の実施の形態
における情報の追尾配付処理の一例を示すフローチャー
トである。
【図44】 本発明の情報処理装置の第9の実施の形態
における情報の配付時の動作の一例の説明図である。
【図45】 本発明の情報処理装置の第9の実施の形態
における配付履歴保持部に保持される配付履歴の一例の
説明図である。
【図46】 本発明の情報処理装置の第9の実施の形態
における情報配付後の一例の説明図である。
【図47】 本発明の情報処理装置の第9の実施の形態
における情報配付後の情報保持部及び配付履歴保持部の
内容の一例の説明図である。
【図48】 本発明の情報処理装置の第9の実施の形態
において情報媒介装置Aから情報媒介装置Bへ情報Yを
追尾配付した後の情報保持部及び配付履歴保持部の内容
の一例を示す説明図である。
【図49】 本発明の情報処理装置の第9の実施の形態
において情報Yを追尾配付を終了した後の情報保持部及
び配付履歴保持部の内容の一例を示す説明図である。
【図50】 同じく情報Xの流れと、情報Xを追尾した
情報Yの流れの一例の説明図である。
【図51】 本発明の情報処理装置の第10の実施の形
態における情報の構成の一例を示す説明図である。
【図52】 本発明の情報処理装置の第10の実施の形
態における情報の配付先の情報媒介装置における情報受
信処理の一例を示すフローチャートである。
【図53】 本発明の情報処理装置の第10の実施の形
態における情報の追尾配付処理の一例を示すフローチャ
ートである。
【図54】 本発明の情報処理装置の第10の実施の形
態における情報配付後の各情報媒介装置の配付履歴保持
部の内容の一例を示す説明図である。
【図55】 本発明の情報処理装置の第10の実施の形
態において追尾配付する情報Yの構成の一例を示す説明
図である。
【図56】 本発明の情報処理装置の第10の実施の形
態において情報媒介装置Dにおける情報Yの追尾処理終
了時の各情報媒介装置の配付履歴保持部の内容の一例を
示す説明図である。
【図57】 本発明の情報処理装置の第10の実施の形
態において情報媒介装置Bにおける情報Yの追尾処理終
了時の各情報媒介装置の配付履歴保持部の内容の一例を
示す説明図である。
【図58】 本発明の情報処理装置の第10の実施の形
態において情報Yの「逆方向」の追尾処理がすべて終了
した時点での各情報媒介装置の配付履歴保持部の内容の
一例を示す説明図である。
【図59】 本発明の情報処理装置の第10の実施の形
態における「逆方向」の追尾配付後の情報の流れの一例
の説明図である。
【図60】 本発明の情報処理装置の第10の実施の形
態において情報媒介装置Dおよび情報媒介装置Bにおけ
る情報Yの「両方向」の追尾処理終了時の各情報媒介装
置の配付履歴保持部の内容の一例を示す説明図である。
【図61】 本発明の情報処理装置の第10の実施の形
態において情報Yの「両方向」の追尾処理がすべて終了
した時点での各情報媒介装置の配付履歴保持部の内容の
一例を示す説明図である。
【図62】 本発明の情報処理装置の第10の実施の形
態における「両方向」の追尾配付後の情報の流れの一例
の説明図である。
【図63】 本発明の情報処理装置の第11の実施の形
態を示す構成図である。
【図64】 本発明の情報処理装置の第11の実施の形
態における情報の追尾配付処理の一例を示すフローチャ
ートである。
【図65】 本発明の情報処理装置の第11の実施の形
態における合体した情報の構成の一例を示す説明図であ
る。
【図66】 本発明の情報処理装置の第11の実施の形
態において情報媒介装置Dにおける情報Yの追尾処理お
よび融合処理終了時の各情報媒介装置の配付履歴保持部
の内容の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…情報媒介装置、11…情報保持部、12…情報配付
部、13…装置ラベル部、14…配付検知部、15…配
付履歴保持部、16…履歴回収部、17…回収履歴保持
部、18…追跡解析部、19…追跡結果表示部、21…
情報処理部、22…情報識別子管理部、23…情報作成
検知部、24…情報識別子計算部、25…利用者認証
部、26…情報媒体、27…配付情報通知部、28…追
尾配付部、29…情報融合部、31,32…ネットワー
ク、33…端末装置、34…サーバ、35…ゲートウェ
イ、36…CPU、37…ディスク、38…出力装置、
39…入力装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上林 憲行 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい富士ゼロックス株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配付元から配付先への情報の配付を検知
    し、該配付に関する情報を蓄積し、蓄積された前記配付
    に関する情報に基づいて他の配付に関する情報を獲得
    し、獲得した配付に関する情報に基づいて配付経路を解
    析することを特徴とする情報処理方法。
  2. 【請求項2】 配付元から配付先への情報の配付を検知
    し、該配付に関する情報を蓄積し、蓄積された前記配付
    に関する情報に基づいて前記情報を追尾して他の情報を
    配付することを特徴とする情報処理方法。
  3. 【請求項3】 配付元から配付先への情報の配付を検知
    する配付検知手段と、該配付検知手段により検知された
    前記情報の配付に関する履歴を記憶する複数の配付履歴
    記憶手段と、前記配付履歴記憶手段に記憶されているあ
    る配付に関する履歴に基づいて前記配付履歴記憶手段に
    記憶されている配付に関する他の履歴を獲得する履歴獲
    得手段と、該履歴獲得手段により獲得された配付に関す
    る履歴に基づいて配付経路を解析する解析手段を具備す
    ることを特徴とする情報処理装置。
  4. 【請求項4】 情報に対して編集を行なう編集手段と、
    該編集手段による編集を検知する編集検知手段と、該編
    集検知手段により検知された前記編集に関する履歴を記
    憶する編集履歴記憶手段と、配付元から配付先への情報
    の配付を検知する配付検知手段と、該配付検知手段によ
    り検知された前記情報の配付に関する履歴を記憶する複
    数の配付履歴記憶手段と、前記配付履歴記憶手段に記憶
    されているある配付に関する履歴に基づいて前記配付履
    歴記憶手段に記憶されている配付に関する他の履歴を獲
    得する履歴獲得手段と、前記編集履歴記憶手段に記憶さ
    れている前記編集に関する履歴及び前記履歴獲得手段に
    より獲得された前記配付に関する履歴に基づいて配付経
    路および情報の変更を解析する解析手段を具備すること
    を特徴とする情報処理装置。
  5. 【請求項5】 配付された前記情報は、該情報に関する
    標識である情報標識を含み、前記配付履歴記憶手段は、
    前記配付に関する履歴として情報標識を記憶することを
    特徴とする請求項3または4に記載の情報処理装置。
  6. 【請求項6】 配付された前記情報に基づいて該情報に
    関する標識である情報標識を生成する情報標識生成手段
    をさらに具備し、前記配付履歴記憶手段は、前記配付に
    関する履歴として前記情報標識生成手段により生成され
    た前記情報標識を記憶することを特徴とする請求項3ま
    たは4に記載の情報処理装置。
  7. 【請求項7】 配付元から配付先への情報の配付を検知
    する配付検知手段と、該配付検知手段により検知された
    前記情報の配付に関する履歴として前記配付元の識別子
    または前記配付先の識別子を記憶する複数の配付履歴記
    憶手段と、該配付履歴記憶手段に記憶されている前記配
    付に関する履歴に基づいて前記配付履歴記憶手段に記憶
    されている他の前記配付に関する履歴を獲得する履歴獲
    得手段と、該履歴獲得手段により獲得された配付に関す
    る履歴に基づいて配付経路を解析する解析手段を具備す
    ることを特徴とする情報処理装置。
  8. 【請求項8】 配付された前記情報は、該情報に関する
    標識である情報標識を含み、前記配付履歴記憶手段は、
    前記配付に関する履歴として情報標識をも記憶すること
    を特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
  9. 【請求項9】 配付された前記情報に基づいて該情報に
    関する標識である情報標識を生成する情報標識生成手段
    をさらに具備し、前記配付履歴記憶手段は、前記配付に
    関する履歴として前記情報標識生成手段により生成され
    た前記情報標識をも記憶することを特徴とする請求項7
    に記載の情報処理装置。
  10. 【請求項10】 前記配付検知手段は、前記配付元から
    前記情報が配付された際にその配付を検知することを特
    徴とする請求項3ないし9のいずれか1項に記載の情報
    処理装置。
  11. 【請求項11】 前記配付検知手段は、前記配付先へ前
    記情報を配付した際にその配付を検知することを特徴と
    する請求項3ないし9のいずれか1項に記載の情報処理
    装置。
  12. 【請求項12】 前記配付検知手段は、前記配付元から
    前記情報が配付された際及び前記配付先へ前記情報を配
    付した際に、その配付を検知することを特徴とする請求
    項3ないし9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  13. 【請求項13】 前記配付検知手段は、情報記録媒体に
    情報が配付された際にその配付を検知し、前記配付履歴
    記憶手段は、前記情報と共に該情報に関する履歴を前記
    情報記録媒体に記憶することを特徴とする請求項3ない
    し9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  14. 【請求項14】 前記配付検知手段は、情報記録媒体か
    ら情報が配付された際にその配付を検知し、前記配付履
    歴記憶手段は、前記配付に関する履歴として、前記情報
    記録媒体に記憶された前記情報に関する履歴に基づいた
    履歴を記憶することを特徴とする請求項3ないし9のい
    ずれか1項に記載の情報処理装置。
  15. 【請求項15】 さらに、情報の配付に関する情報を通
    知する配付情報通知手段を備え、該配付情報通知手段
    は、前記配付検知手段が前記情報記録媒体からの情報の
    配付を検知したのちに、配付先から配付元へ情報の配付
    に関する情報を通知することを特徴とする請求項14に
    記載の情報処理装置。
  16. 【請求項16】 配付元から配付先への情報の配付を検
    知する配付検知手段と、該配付検知手段により検知され
    た情報の配付に関する履歴を記憶する配付履歴記憶手段
    と、該配付履歴記憶手段に記憶されている第1の情報の
    配付履歴に基づいて該第1の情報を追尾して第2の情報
    を配付する追尾配付手段を具備することを特徴とする情
    報処理装置。
  17. 【請求項17】 さらに前記追尾配付手段により配付さ
    れた前記第2の情報を以前に配付された前記第1の情報
    と結合して一体の情報とする情報結合手段を備えること
    を特徴とする請求項16に記載の情報処理装置。
  18. 【請求項18】 配付された前記情報は、該情報に関す
    る標識である情報標識を含み、前記配付履歴記憶手段
    は、前記配付に関する履歴として情報標識を記憶するこ
    とを特徴とする請求項16または17に記載の情報処理
    装置。
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