JPH09504108A - 早産防止治療をモニターするためのエストリオール測定の利用 - Google Patents

早産防止治療をモニターするためのエストリオール測定の利用

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Abstract

(57)【要約】 早産防止治療をモニタリングする方法であって:早産防止剤による治療を経験することについての候補として診断された又はこれを経験している妊娠患者の体液中のエストリオールの最初の濃度を計測し、そして標準に対するその最初の濃度の値に基づいて、早産防止治療を開始するか、継続するか、中止するか、又は修正するかのいずれかを行う、ことを含んで成る方法。

Description

【発明の詳細な説明】 早産防止治療をモニターするためのエストリオール測定の利用 序論 技術分野 本発明は、いつ早産防止治療を開始するか、並びにどの程度及びどれぐらいの 期間それを続けるかを決定するための技術に関する。 背景 早産は米国及びその他の先進国において新生児の病的状態及び死亡を招いてい る。患者が早期分娩に入るとき、主治医は分娩をさせるか又は早産防止薬により 子宮の収縮を止める選択ができる。数多くの要因がこの決定に影響を及ぼすが、 第一の要因は胎児の妊娠期である。早産防止薬は一般に24〜32週令の妊娠期に使 用され、なぜならこの治療の目標は理想的には妊娠期を32週以上に延期すること にあるからである。しかしながら、この時期での1週間でさえもの延期は重要で あることがあり、その理由は、妊娠期の追加の週毎の延長による、胎児のすばや い分娩及び生存のチャンスの大幅な増大にある。 早産を処置するのに多種多様な早産防止薬が利用されている。しかしながら、 過去においていつ治療を適切に始めるべきか又はいつそれを削減するか、増強さ せるかもしくは止めるかを決定することが困難であった。いくつかの研究は、早 産の診断が80%ぐらいの多さの誤診となりうることを示している(M.O'Driscol ,Discussion:Andersonら、編Pre-Term Labour,Proceedings of the Fifth St udy Group of the Royal College of Obstetricians and Gynaec ologists London,Roral College of Obstericians and Gynaecologists 1977: 369-70)。過大な子宮収縮能及び頸部の拡張が、切迫した分娩を診断するのに過 去及び現在において利用されている。Turnball,Eur.J.Obstertrics & Gyneco logy and Repro.Biol33:11-24(1989);Anderson,Am.J.Obsterrics & G ynecology 105 :1207-14(1969)を参照のこと。見かけ上早産の症例の約30%に おいて、処置しないと子宮の収縮が自発的に始まる(M.Wynn and A.Wynn,The Prevention of Pre-term Birth,London,Foundation and Research for Educa tion and Child Bearing,1977)。分娩は往々にして規則的な子宮収縮と、頸部 の拡張及び消失との組合せの存在により診断されるが、多くの研究は収縮のみに 基づく早産の診断を基礎とする(K.Higbyら、Do Tocolytic Agents Stop Pre-te rm Labor ? A Critical and Crmprehesive Review of Efficacy and Saftety, A m.J.Obstet.Gynecol. ,1993年4月、1247-1259)。唯一の診断基準として用い られている収縮による誤診は約40〜約70%と推定されている(S.N.Caritlsら、 Pharmacologic Inhibition of Pre-term Labor, Am.J.Obstet.Gynecol.,19 79,133:557-578)。 早産防止薬は、早期分娩と診断されたら、子宮収縮を抑制又は阻止するために 投与する。しかしながら、早産防止薬は有害な副作用を有することがあり、それ 故治療を開始又は続行すべきかの決定のうえで注意を払わねばならない。更に、 早産防止薬をいつ止めるかの判断もやや難しい。利用されている基準には、子宮 収縮の単なる一過性的休息、頸部の拡張又は消失の更なる変化がないこと、及び このような臨床学的症状の組合せが含まれる。しかしながら、多くの場合におい て、子宮収縮の初期休息には、治療を止めたときに更なる収縮が続くであろう。 現在、子宮の収縮を阻止し、それ故早産 を阻止するためにデザインされた、早産防止治療の程度又は期間を決定するため の臨床アッセイはない。 従って、早産防止治療を開始、続行、削減、増強又は終了することを決定せね ばならない医師に更に有用な情報を供する臨床アッセイが有用であろう。 本発明者による以前の研究は、エストリオールレベルが早期分娩開始の前兆で あることを示唆している。1992年9月28日出願の米国特許第07/952,438号を参 照のこと。しかしながら、早産防止薬の効果をモニターするための分娩中でのエ ストリオールレベル値の測定は今までに報告されていない。 発明の概要 従って、本発明の目的は早産防止治療の適正な開始時及び期間を主治医がモニ ターできるようにする簡単な生化学アッセイを提供することにある。 更なる目的は、早産防止処置の効果についての定量アッセイを提供することに あり、これにより継続する早産防止処置を最少限の有効薬理レベルにまで調整す ることができる。 以降においてより明瞭となるであろう本発明のこれら及びその他の目的は早産 防止治療をモニターする方法の提供により達成され、ここでこの方法は、早産防 止薬による処置を受けているか又はかかる処置を受ける候補者と診断された妊婦 の患者の体液中の第一エストリオール濃度を測定し;この濃度を予め決定してあ る標準エストリオール濃度に相関させ;そしてこの第一エストリオール濃度及び 標準エストリオール濃度の相対値に対応して、早産防止処置を開始する、続行す る、中断する又は変更することを含んで成る。 特定の態様の説明 本発明は妊婦における出産、特に早期分娩の開始を遅らせるために、子宮収縮 を抑制又は消去する早産防止処置の効果をモニターするための方法を提供する。 早産防止薬による処置の前又はその最中での体液中のエストリオール濃度のモニ ターは、早産防止処置を開始もしくは続行すべきか、又は処置を中断もしくは変 更すべきかに至る医師の決断をし易くさせる。 この方法は定量的であり、そして医師が、処置のやり方を調整する及び開始又 は終了するかを決定することを可能とする。まとめると、この方法は、早産防止 薬の処置を受けている又はその処置を受ける候補者であると診断された妊婦患者 の体液中のエストリオール第一濃度を測定することを含む。この第一濃度を標準 値と対比させ、そして測定した濃度を標準値との相対値、及び問題の測定前の患 者の医歴に依存して様々なアクションをとる。一般には、標準値を超えている測 定エストリオール濃度が、早産防止処置を開始すべきか、又はもし既に開始して いるなら、続行すべきかもしくは強さを増強すべきかの指標となる。似たような 状況で、もしエストリオール濃度が標準値より下まわっているなら、早産防止処 置は開始しないか、又はもし既に開始しているのなら、標準値に対するその測定 濃度値に依存して削減又は停止する。エストリオール測定は簡単であり、そして ベッドの外で行うことができるため、主治医は定量結果を非常にすばやく獲得で き、そしてその結果は臨床的決断を得るのに大いに役立つ。 例えば、このアッセイは単純な診断キットと酵素ラベルを用いて一の唾液サン プルで実施できる。その他の物質の類似の商業的なアッセイ品が現在入手でき、 そして放射能ラベルを用いるエストリオールの実験室アッセイ品が既に市販され ている。本発明においては 、エストリオールを測定するのに利用するアッセイのタイプの制約はない。エス トリオール用の任意の現状のアッセイ及び将来開発されうるアッセイが利用でき うる。エストリオールアッセイの例を以下に詳細する。 このアッセイは任意の体液、例えば血液(又は血液分画、特に血清又は血漿) 、尿、頸部又は膣の分泌液、汗又は唾液に基づいて実施できうる。このアッセイ は通常サンプルに基づいて行われるが、所望するならば、in vivoでモニターし てもよい。エストリオールは体中の流体の中で分布されるほどに十分に水溶性で ある。唾液は採取のし易さのため、そして尿と異なり、エストロゲン接合性の存 在により複雑化されることがないため、好ましい。 ex vivoモニターのためには、「サンプル」が分析すべき物質であり、そして たとえ予備処置が、被検物質に結合している正常な生物学的化合物の一部を除去 してしまうことがあるにしても(例えば全血サンプル中の血漿から分離される赤 血球)、それが直接的な生物学的起源である。アッセイは好ましくは遊離エスト リオールを検出するようにし、なぜなら接合化エストリオールは生物学的活性を 弱めるからである。唾液中ではエストリオールの約92%が遊離形態にあり、一方 、尿の中ではエストリオールのほとんどが接合体として存在している。ステロイ ド代謝に詳しい者にとって明らかである通り、エストリオール接合体はエストリ オールに対する非ステロイド系化合物の共有結合の形成により形成された化合物 である。この結合は一般にステロイド系の環系のヒドロキシル基を介する。非ス テロイド系成分は無株系(例えば硫酸基)でも有株系(例えばグルコロニド基) であってもよい。 本発明のより広い観点において、サンプルの採取及び取り扱いについては、一 貫性が維持される限り、制約はない。一定の体液、例 えば唾液及び血漿については、エストリオールレベルにおいて若干の日差変動が ある。他の体液、特に尿では変動が認められ、従って例えばサンプルを1日のう ちの同じ時間に採取することによって変動を可能な限り排除することが好ましい 。ところで、臨床流体中の被検物質の測定の一貫性を保障するためにその他の技 術が利用できる。例えば、尿ではエストリオールと共にクレアチニンが測定され うる。クレアチニンは腎臓の中で一定の速度で生成され、クレアチニン濃度の測 定は尿サンプル中の容量誤差の補正を可能にする。このことは当業界において周 知である。しかしながら、尿は好適なサンプルではなく、その理由はサンプルは 通常、子宮収縮が切迫している状況又はそれと同時の状況において採取されるも のであろうからである。従って、その獲得のし易さを理由に、唾液が特に好適な 体液である。 所望するなら(しかしながら、本発明の最も広い用途においては必須ではない )、そして検査すべき流体起源に依存して、遊離エストリオールをエストリオー ル接合体から分離させてよい。かかる分離のための技術は当業界において公知で ある。例えば、かかる分離、及び血漿エストリオールを測定するの有用な二通り のラジオイムノアッセイを述べているEvan N.Z.Med.Lab.Tech.33:86(197 9)を参照のこと。しかしながら、これらの分離法は一般に難しく、従って分離を 必要としないアッセイが好ましい。その理由は、遊離と接合化エストリオールと を識別する特異的な抗体もしくはその他の結合性化合物の利用、又はサンプルが 、唾液の如く最も遊離エストリオールを多く含む起源から得られること、のいづ れかにある。 アッセイする体液中のエストリオールの濃度を標準値と相関させて、早産防止 処置をいつ開始、増強、削減、中止又は何らかのふう に変更するかを決定する。この標準品は通常、(1)一般集団中の正常な妊婦に おける妊娠中の対応の時期もしくは正常な妊娠終了期に相対する特定な時期のい づれかでの同種の体液についての予め決定しておいたエストリオール濃度域とす るか、又は(2)同一の妊婦の同種の体液の予め測定しておいたエストリオール 濃度とする。標準値に比べて高い測定エストリオール濃度は、早産の潜在的な開 始の指標であり、それ故早産防止処置を開始すべきか、又は既に開始しているの なら、その強さを強めるべきかの指標である。本発明の方法は体液中の任意のそ の他の物質、例えばプロゲステロン濃度の測定を必要とせず、又は経時的な間隔 での総エストリオール生産量の測定を必要としない。しかしながら、所定時間、 例えば24時間にわたる総エストリオールの測定を所望するならば尿で行ってよく 、そして所望するなら、胎児又は母体の健康に重要なその他の物質も一緒に測定 してよい。 本明細書の背景の欄の中で報告した本発明者の実験室での研究の前に、早産に ついての予測検査はなかった。同様に、本発明の以前に、早産防止処置をモニタ ーする技術はなかった。従って、医師及びその他の看護人間で起こりうる処置の 違いを予測することは、エストリオール濃度に基づく様々な診断検査が開発され るまでは困難であった。妊娠初期令において危険性の高い患者の単一の高揚サン プルが、ほとんどの医師が早産防止処置を開始するのにおそらく十分であろう。 しかしながら、その他の医師はその他の臨床的な基準、例えば子宮収縮及び頸部 変化、及び/又は高エストリオールレベルの再発を待つことを選択できうる。 単一の唾液エストリオールサンプルにより、本明細書に記載の通り、切迫した 又は潜在的な早産を決定せしめることができる;しかしながら、主治医は、その 他の要因、例えば肉体的状況、患者の身 長及び体重、子宮収縮の程度、並びに頸部拡張の程度と共に、エストリオールレ ベルを考慮することによりいつ早産防止を開始するかの決定をすることを最も好 むであろう。 上記の第一の一般標準値、即ち、一般の正常妊婦の同一の体液についての予め 決定されたエストリオール濃度域は、一般に最大の相関関係を保障するため、検 査する個体への本法の適用に利用するのと同一のアッセイ技術を利用して得られ る。正常な妊婦集団において十分なる測定を行い、値を対比させる正常値の統計 学的に有意義な範囲を獲得する。その正常値は一般に正常な妊娠中に所定の時間 間隔でとる。正常の出産直前の時期(38〜40週)に対する対比を往々にして利用 するが、その他の期間を利用してもよい。例えば、所定の個人の妊娠周期(即ち 、対象患者のそれ)を、同時期の正常な濃度域(例えば第20週目)と比較して よい。一般に、出産の開始の可能性、それ故早産防止治療の続行又は開始を指標 する最少濃度は、正常妊婦の出産の開始の直前の任意の体液について決定された 平均エストリオール濃度よりも少なくとも1、好ましくは少なくとも2、より好 ましくは少なくとも3、そして最も好ましくは少なくとも4標準偏差高いときと 考える。 早産防止処置のための標準値として利用される標準偏差は、念頭におかれる適 当な処置目標により選ばれることが、統計学に馴れ親しんだ者により理解される であろう。例えば、1標準偏差は正常サンプルの約68%を占めるであろう;即ち 、正常サンプルの32%が平均から1標準偏差下限及び上限から逸脱することが予 測されるであろう。(それ故、16%が選定の域値を越えると予測される)。即 ち、正常平均値より1標準偏差高いことは、早産防止処置のルーチン的な開始に は利用されず、なぜならそれは多数の偽陽性を含むであろうからである。しかし ながら、平均値より1標準偏差低いことは 、早産防止処置を削減又は終了すべきことの指標にとって適当であり、特に上記 の背景の欄の中で説明した通り、その他の適当な臨床徴候と一緒のとき、適当で ある。平均から2標準偏差は正常サンプルの約95%を占め、3標準偏差は約99% を占め;4標準偏差は99%より多くを占める。これらのレベルは、早産処置の開 始、特にエストリオールのレベルが正常であるかもしくは正常値より若干高いも のであることがわかっている、又はサンプル間で変動することがわかっている患 者にとっての開始について、及び高い変動係数を有するアッセイにとっての開始 について、一般に一層適当である。 早産防止処置の続行又は開始の下限値(正常域の上限値)を標準偏差で表わす 必要はない。出産の開始の可能性の統計学的に有意義な指標を提供する任意のそ の他の系が利用してよい。例えば、限界値は、正常な妊娠に関する同一の体液に ついての正常な患者の濃度の95%以上の濃度に設定してよい。いづれにせよ、38 〜42週、好ましくは40週目の正常妊娠時期由来の正常レベルを選び、そして30週 目以前での濃度をモニターすることが好ましい。 多種多様な臨床学的目標を理由に、早産を避けるための早産防止処置の開始の 指標である実際のエストリオールレベルは、妊娠初期の際の複数のサンプルから データーを集め、そしてその測定を開始し始めた時期を考慮に入れてから、主治 医により選定されるが最良である。例えば、30週目の正常な妊娠において、出産 開始前のエストリオール濃度において予測される変化は30週目の平均エストリオ ール濃度より2標準偏差低い。即ち、妊娠初期(30週の前)におけるアッセイは 出産開始の指標として3又は4標準偏差を利用してよいが、妊娠後期(例えば3 0週以降)においては、患者の症状、主治医の知る母体におけるその他の臨床的 指標及び胎児の健康に依存して、2,1.5又は1標準偏差とするのが一層適当で あろう。むろん 、早産を避けるのにより多大な注意を必要とするのは初期妊娠段階であり、その 理由はこの段階での胎児の発育の欠如及び出産後の新生児の死亡率の高さにある 。それ故、早産とは正常な39週妊娠期の終了前の任意の出産と考えられる。本発 明の方法は、好ましくは、ほんのわずかな期間でも妊娠を延長することが早産の 結果を軽減するのに最も有効な時期である20〜36週の妊娠期に利用される。しか しながら、このアッセイは、特に増強率を検査するのに利用するとき、陣痛の終 了した妊婦及び40週目以降での分娩にも適用でき、そしてこの期間中に行う測定 も本発明の範囲に属するものと考えられる。38週目以降に適用したとき、本発明 は通常、以下により詳しく論じる「自己対比」法、即ち、所定時の測定を、その 患者で先に行った測定と対比させることによる方法を利用して行う。 似たように、前述の如く、同一の妊娠段階についての平均正常濃度より少なく とも1、好ましくは少なくとも2、より好ましくは少なくとも3、そして最も好 ましくは少なくとも4標準偏差高いアッセイ濃度も、出産開始の可能性の指標、 そしてそれ故早産防止薬の投与にとって適当な時期の指標として用いてよい。し かしながら、測定レベルが38〜42週目について正常と考えられているレベルにま で到達していないとき、その可能性は低い。 標準値は濃度を測定する特定の体液及び利用する特定のアッセイ(その度合い は低いが)により変動するであろう。表示の体液についての、末接合化エストリ オールを測定するアッセイにおける出産開始(それ故早産防止処置の開始)の典 型的な最少限指標レベルは以下の通りである(全て、濃度はnMで表わす):唾液 3以上、好ましくは5以上、より好ましくは7以上;血清30、好ましくは35以上 、より好ましくは45以上。 エストリオール濃度を正常集団において存在する濃度と対比させ る別の方法として、同一の妊婦の同種の体液の予め測定しておいたエストリオー ル濃度を対比のための標準値として利用できる。この場合、測定すべきは検査す る体液中のエストリオール濃度率の上昇が通常である。早産防止処置の開始の陽 性指標(即ち、切迫した出産開始の指標)は、測定された濃度が、同一の妊婦の 女性の同種の体液中で行った予め測定したエストリオール濃度より1週間以内で 50%、好ましくは75%、より好ましくは100%高くなるときにあるものと考える 。ここでも、出産開始の下限値として表示する特定の上昇率の選定は、所望の特 定の理由のため主治医により選定されるのが最良である。例えば、潜在的な問題 を抱える患者を更なる観察及び研究のために病院に集めることを目的とするスク リーニング検査は、比較的大量の陽性結果が含まれることにより生ずる問題を受 け入れながらも、偽陽性結果を避けるため、その域値として50%の上昇を選定す ることができる。最少陽性指標を上げることに従うパーセンテージの上昇は、医 師がいるとき、且つその他の臨床徴候を、正常な集団平均値からの標準偏差に関 する上記の事項と同じように医師が理解できるようなアッセイに関し、一層受け 入れられる。この段落の標準値に合致する、及び更には正常患者集団の出産開始 の指標であると予め示されているレベルに達するエストリオール濃度の上昇が、 特に切迫した出産開始を示唆する。 上記の説明のほどんどは早産防止処置の開始の問題に向けられている。しかし ながら、正常値を超える増大したエストリオール濃度は、当初の早産防止処置の 後でさえもの早期分娩の再開始の傾向の指標であり続けるため、エストリオール 濃度をモニターし続けることは、医師の更なる早産防止処置のコントロールを良 にし易くする。早産防止処置の開始時に、エストリオール濃度を少なくとも1週 間にわたり毎日モニターし、次いで結果に応じて週毎にモニターす ることが好ましい。例えば、もしエストリオール測定を処置の間続け、そして正 常なエストリオールレベルに至る低下が認められたら、早産防止処置を終える。 他方、早産防止処置を経て子宮収縮は止まったが、エストリオールレベルが高い ままであるとき、早産防止処置を止めると再び分娩が始まる可能性が高い。従っ て、早産防止処置は、その他の臨床的徴候と組合せて考えたとき、続行すべきで ある。更に、早産防止処置の強さ(以下の特定の処置について参照のこと)は標 準値に対するエストリオール濃度の値に依存して強める又は弱めることができる 。もし測定値が標準値より有意に高く、そして減少の徴候を全く示さないとき、 早産防止処置の強さを強めてよい。逆に、エストリオールレベルが正常より高く あり続けているがしかしながら初期の早産防止処置により若干低下したとき、初 期処置をその初期の強さのまま続けるか、又はその処置の強さを弱め、エストリ オール濃度についての処置の効果のモニターを続けてよい。 エストリオールレベルにより示唆される継続する早産防止処置に関する状況は 、早産防止処置の最初の開始よりも若干複雑である。医師はエストリオール濃度 が初期処置の指標として選んだ標準値を下まわるときに早産防止処置を止めてよ いが、かかる患者は早期分娩の再開始についての傾向を有するため、慎重にモニ ターされるべきである。早産処置に付随する特定の臨床症状に依存して、測定値 が平均標準値に達するまで、又は平均値より若干下まわる値に至るまで続けて、 分娩の再開始のより良いコントロールを供することが所望されうる。 一定の被検物質についての、例えば本アッセイの場合はエストリオールについ てのアッセイ、及びその結果としての処置、例えば早産防止処置の変更は、更な る情報抜きで主治医により獲得される又 は解釈されるものであるとは期待されないことが臨床分析の当業者により理解さ れるであろう。更に、任意のアッセイの結果は、絶対的な立証というよりは、臨 床症状の存在の可能性の指標と考えられるのが最良である。本発明についても同 じ状況がある。にもかかわず、分娩開始の高まった可能性の指標は臨床的に有用 な情報であり、そして医療業者は他の情報と組合せてそれを利用することができ 、これによりそのような情報がないときに可能である場合よりも情報の備った状 況で患者を処置することができるようになる。 実験室検査のための定量酵素イムノアッセイ又はラジオイムノアッセイを本発 明に利用することができうる。他方、本発明に利用するのに好適なアッセイは、 引用することで本明細書に組入れる1992年4月1日出願の米国出願第07/857,60 6号に記載されている。このアッセイはエストリオールの競合結合アッセイにお いて酵素ラベル化成分(ここではラベル化エストリオール分子又はその誘導体) を利用する。このアッセイは設備入らずの酵素イムノアッセイであり、所定のカ ットオフ値において存在/非存在又は「域値」(+/−)分析結果を供し、従っ て本発明の家庭及びオフィスでの利用によく適合する。 この技術を利用する典型的なアッセイにおいて、この酵素ラベル化競合結合性 成分は、このアッセイの抗体を作るのに用いた免疫原に結合したエストリオール (又はこのアッセイに用いる抗体を作るのを用いたその一部)を含んで成る。酵 素ラベルがこの成分に、好ましくはアビジン−ビオチン複合体の如くバルキーリ ンカーを介して結合している。かかる競合結合性化合物の利用は、競合体に対す る抗体の親和力を操作することなく抗体を利用することを可能にし、しかも+/ −分析に必要な急勾配な競合結合曲線を供する。 典型的なアッセイにおいて、抗体を固相表層、例えばマイクロタ イタープレートウェル、試験管又は多孔質試薬ストリップ(例えばセルロース又 はガラスファイバー)に付加する。次いで抗体コート化固相表層をサンプル及び 競合結合性化合物に同時に接触させる。被検物質と競合結合性化合物の結合物全 体にあるものより少ない抗体結合性部位を供することにより、溶液中の分子のほ んの一部のみが固相表層に結合するであろう。被検分子がないなら、結合部位の 全ては競合結合性化合物により取り込まれ、これにより最大量の酵素が固相表層 に付加するようになる。サンプルを洗い流した後に酵素の基質が固相表層と接触 していたなら、酵素と基質との反応は検出可能なシグナル(通常は発色)を供し 、これはサンプル中に被検物質がないこと(陰性の結果)を使用者に示唆する。 被検物質がサンプルの中に存在していると、被検物質は結合性部位に対して競合 し、これにより少ない量の酵素ラベル化競合体しか結合できなくなる。被検物質 ほど抗体に結合しないバルキーな結合性組成物を利用することにより、且つ添加 したサンプル量に対する結合性部位の数を適正に選定することにより(これは当 業者にとって標準的な技術である)、所定の最少レベルを上まわる濃度で存在す る被検物質はこの競合性結合性組成物の結合、それ故固相基質に対する酵素の結 合を排除する。様々な域値を供するかかる選定プロセスの例はエストラジオール についての引用特許出願に記載されている。同一の選定プロセスを本発明のアッ セイを実施するためにエストリオールに用いることができる。即ち、十分なる被 検物質がサンプルの中に存在しているなら、反応の後、色調変化をもたらす酵素 がなくなり、そしてその反応混合物はそのままであり続ける(即ち、この反応系 を利用して陽性反応)。 発色が被検物質の存在の指標となるその他の反応系を利用してよい。先の例は エストリオールを測定することのできる多くのタイプ の競合結合性アッセイの一例にすぎない。 エストリオールのアッセイに利用する抗体の製造は慣用的であり、従ってここ では詳細に述べない。抗体製造技術に論文の中で公知となっており、そして出版 物Antibodies:A Laboratory Manual(1988)編、Harlow and Lane,Cold Sprin g Harbor Laboratoryies Press並びに米国特許第4,381,292,4,451,570及び4,61 8,577号に記載されている。エストラジオールに特異的な抗体の製造例について は、Lasleyら、Fertility and Sterility(1988)43 :861-867及びMunroら、Abs tract,Society for Gynecologic Investigation,San Diego,1989年3月を参 照のこと。同じ技術をエストリオールに対する抗体の製造に利用してよい。ステ ロイドに特異的な抗体の製造のための一般の技術の簡単な説明をこのプロセスに 不馴れでありうる者のために含まれている。 動物に、上記の通りに調製した通常はタンパク質である免疫原に共有結合させ たエストリオールを含む組成物を注射する。複数回の注射又はアジュバントの利 用は最大の免疫系剌激及び抗体生産を保障するであろう。ポリクローナル抗体が 所望されるなら、これらは単に免疫した動物から血液を採取し、そして標準の技 術によって抗体を他の血液成分から分離させることにより調製できる。モノクロ ーナル抗体を得るには、免疫した動物由来の脾臓又はリンパ球を取り出し、そし て不死化するか、又は当業者に公知の細胞融合法によってハイブリドーマを調製 するのに用いる。不死化細胞により分泌された抗体をスクリーニングにかけて所 望の特異性の抗体を分泌するクローンを決定する。モノクローナル抗体に関し、 この抗体はエストリオールに結合せねばならない。所望の特異性の抗体産出細胞 を選別し、クローニングし、そして所望のモノクローナル抗体を生産するように 増殖させる。 抗体は、タンパク質材料を固相支持材に付加する公知の技術を利用して本発明 のアッセイに用いる固相表層に付加させてよい。この固相支持体には試験管又は マイクロタイタープレート、ポリマービーズ、ディップスティックもしくはフィ ルター材料のプラスチック面が含まれうる。付加方法には支持体へのタンパク質 の非特異的吸着、及び一般にはタンパク質の遊離アミノ基を介する、活性化カル ボキシル、ヒドロキシル又はアルデヒド基の如くの固相支持体上の化学反応基に 対する共有結合が含まれる。特定の早産防止処置 本発明は任意の早産防止処置と共に実施してよく、その理由はかかる処置全て が母体の体液の中のエストリオールレベルの変更にかかっていることが明らかで あるからである。子宮の収縮を阻止する薬剤の多種多様なクラスが提唱され、そ して薬剤クラスにより以下に説明する。しかしながら、本発明は、個別的にも、 クラス分け的にも、指定の早産防止処置に限定されない。 β−アドレナリン作用薬 イソクススプリンが、1961年において早期分娩の処置に用いられた最初のβ− 交感神経興奮剤である。次いで、機能的に近縁な化合物オルシプレナリン、メタ プロテレノール、サルブタモール、アルブテロール、ニリドリン、テルブタリン 、リトドリン、ヘキソプレナリン及びフェノテロールが利用されている。 内因性カテコールアミン類のエピネフリン及びノレピネフリンと同様に、これ らの薬剤は子宮及びその他の器官のβ−アドレナリンレセプターを刺激する。ヒ トには2タイプのβ−アドレナリンレセプターがある。β1−アドレナリンレセ プターは心臓、小腸及び脂肪組織において主にある。β2−アドレナリンレセプ ターは子宮の平滑筋、血管、横隔膜及び気管支に見い出せる。β−アドレナリン 作用薬は、アデニレートシクラーゼを活性化するβ−アドレナリンレセプターへ の膜媒介式結合を通じて平滑筋に影響を及ぼす。このことは、細胞内サイクリッ クアデノシンモノホスフェートの増大を招き、これはカルシウムの細胞レベルの 低下及び有用なカルシウムに対するミオシン−アクチン収縮単位の感度の低下を もたらす一連の反応を開始させる。子宮に及ぼす阻害作用はオキシトシンの存在 下でさえも生ずる。β−アドレナリン作用薬に曝露し続けることは脱感作をもた らす。遅延曝露により、β−アドレナリンレセプターの数は減少し(下降調節) 、薬剤の効果を更に弱める。 β−アドレナリン作動剤は多くの不所望の効果を引き起こす。なぜなら、β− アドレナリン作動性レセプターが多くの臓器系に存在するからである。心臓血管 系は最もしばしば関連する。しかしながら、効果は、膵臓、腎臓、胃腸管、及び 肝臓についても見られる。最も頻繁に観察される母体徴候は、悪心、吐き気、振 せん、及び動悸である。女性は頭痛、乾き、不眠をも経験する。 この心臓血管系に対する最も一般的な効果は、心拍数、収縮期血圧、パルス圧 、ストローク容量、及び心臓溶出量における増加である。拡張期圧と末梢血管抵 抗とにおける同時減少も存在する。心臓流出量は、ベースラインレベルを60%ま で上廻って上昇することができる。平均動脈圧は、有意に変化しない。心臓不整 脈が報告されている。最も一般的なのは上室性頻拍(Supraventricular tachyca rdia)であり;この不整脈は、動脈細動、未成熟動脈収縮、及び心室転移を含む 。 増加した心拍数と心筋収縮は、心筋虚血に素因を与えることができる。冠状動 脈灌流は拡張期血圧及び拡張期充填時間(filling time)における減少の2次的 な結果として減少される。最もしばしば観察される心電図の変化は、過渡的STセ グメント抑制及び逆T波で ある。リトドリン(ritodrine)により処置された女性の76%までに存在するこ とができる。これらの変化は、しばしば徴候に関連しない。それらは、心内膜下 の相対的な低灌流により引き起こされることができる。心臓酵素レベルにおける 変化がない他の者は、心電図の発見が有意な心筋損傷を示さないということを結 論付けた。治療の中断により通常分離する心電図の発見は、心筋虚血のためでな く、むしろ電解質の不均衡によることができる。 肺浮腫はβ−交感神経様作用薬により処理された5%までの患者において生じ る。肺浮腫は同時グルココルチコイド治療と共に又は伴わずに生じる。多くのケ ースはβ交感神経様薬の高投与量の抗利尿効果から生じる液過負荷の副作用であ る。液過負荷は静脈内液体の過剰投与の2次的な結果であることもできる。 血漿レニン及びアルギニン・バソプレシンはβ−アドレナリン作動性アゴニス トの輸注の間に増加する。この増加は、肺浮腫に素因が与えるナトリウム及び水 保持に関連する。肺浮腫は双子妊娠においてより一般的である。感染もこの合併 症の発達に役割を演じる。重要な病気の非存在において、肺浮腫のほとんどのケ ースは静脈内の液体に、そして液体過負荷の無視する徴候に帰されることができ る。 β−交感神経様薬は、インスリン分泌における同時増加を伴って約40%母性血 中グルコースを増加させる。 グルコース・レベルにおける上昇は糖尿病においてさらにより言明される、そ れは、たぶん、グルカゴン分泌の剌激が糖新生及びグリコーケン分解をもたらす からである。インスリン・レベルは高血糖症の結果として生じ、そして又母体膵 臓内のβ−アドレナリン作動性レセプターの直接的刺激から生じる。インスリン 放出は、高血糖症の開始を進行させる。この効果は、コルチコステロイドの同時 投与により高められる。β−アドレナリン作動性アゴニストは、脂肪分解であっ て酸代謝を増加させ、そして糖尿病患者において重篤な代謝アミド−シスを導く ことができものをも含む。 血清カリウム濃度は、β−交感神経様薬による治療の開始において速く減少す る。カリウム濃度は通常、処理前レベル下0.6〜1.5mEgである。血清中のこの減 少は、たぶん、細胞外から細胞内空間へのカリウムの正味流出入による。低カリ ウム血症は、過渡的であり;代替治療は示されていない。レベルは早産の開始24 時間以内に正常化する。 報告された他の効果は、母体トランスアミナーゼの上昇、麻痺性イレウス、筋 緊張性の筋ジストロフィー、分娩後心筋症重症筋無力症をもつ患者における筋肉 弱化により引き起こされる呼吸停止、急性皮膚血管炎、アレルギー性皮膚炎、高 血圧危篤、心不全、顆粒球減少症、脳虚血、第2段階聴覚ブロック、塊性外陰浮 腫、成人呼吸困難症候群、重症溶血貧血、及び母体の死亡を含む。 β−交感神経様薬は胎盤を速く通過する。胎児内のβ−アドレナリン作動性レ セプターの剌激はたぶん母体内のものの同一の応答を引き起こす。心臓血管効果 は、胎児の頻拍、増加心臓流出量及び胎児血流の再分布、胎児心室中隔の増加厚 、新生上室性頻拍、心筋虚血、心筋壊死、水症、並びに新生児における低血糖症 及び高インスリン血症を含む。子宮胎盤血流中の変化を調べる研究は対立してい る。あるものは、減少した血流をサポートし、他は増加した子宮胎盤血流をサポ ートし、そして有意な変化が全くないものさえある。血流における変化は、胎児 血行力学における有意な変化に関係しない。差異は、輸性経過期間、使用した薬 物、他の薬物の同時使用、及び子宮胎盤血流を計測するために使用される方法に 帰されることができる。 硫酸マグネシウム マグネシウムはインビトロ及びインビボにおける子宮筋層活性を阻害する。マ グネシウムはカルシウムにより引き起こされる子宮収縮を阻害し、そして過渡的 にさらなるカルシウム応答を阻害する。 硫酸マグネシウムがその早産防止効果を発揮するメカニズムは不明である。推 定するに、子宮筋層収縮は平滑筋細胞内でのカルシウムの取り込み、結合、及び 分布を調節することにより抑制される。高濃度において、マグネシウムは、細胞 膜上のカルシウム結合性部位について競合することによりカルシウム流入をブロ ックする。マグネシウムはアデニレート・シクラーゼを活性化し、そしてサイク リックAMPを増加させて、これ故細胞内カルシウムを減少させる。4〜8mEg/L の血清濃度が子宮筋層活性の減少のために必要であるようである。 単一剤治療の失敗の後の2剤早産防止薬が科学文献中にも報告されている。23 の患者が硫酸マグネシウム及びリトドリン又はターブタリン(tarbutaline)の組 合せにより治療された。分娩は患者の60.9%において≧48時間以上遅延化された が、肺浮腫が患者の22%において顕出された。 硫酸マグネシウム治療が非毒性レンジ内で維持されるとき、母体の副作用はほ とんどない。悪心、吐き気、イレウス、視覚のかすみ、複視、頭痛、弱化、傾眠 、短呼吸、肺浮腫、カルシウム代謝における変化、及び尿保持が報告されている 。高マグネシウム血症は、弱まった腎機能の存在中で生じることができる。血清 マグネシウムの過剰レベルは呼吸困難、心内膜下虚血、心停及び死に関連した。 硫酸マグネシウムは胎盤を横切る。胎児血漿濃度は、母体内のものに匹敵する 。新生児高血圧及び嗜眠状態が報告されている。新生児における骨異常及び先天 性くる病も早産防止における硫酸マグネ シウムの輸注に関連した。 オキシトシン(Oxytocin)アンタゴニスト 分娩、予定又は早期は、子宮筋層オキシトシン・レセプターにおける増加に関 連する。子宮筋層オキシトシン・レセプターは、妊娠期間の13〜17週におけるも のに比べて、予定において12倍増加し、そしてまた、早期分娩である女性におい ても増加する。理論的には、オキシトシン・アンタゴニストは、有効な早産防止 薬を提供することができるようである。なぜなら、全身的副作用が臓器特異性の ために最小であるであろうからである。 いくつかの研究は、インビトロにおけるオキシトシン・アンタゴニストの効果 について記載している。ある者は、ラット、モルモット、及びヒトの子宮脱落膜 及び子宮筋層膜におけるオキシトシンの結合を阻害する1−デアミノ−2−D− Tyr(O−エチル)4−Thr8−Orn−オキシトシンの能力について調べた。これら の全ての種の子宮脱落膜及び子宮筋層は、高アフィニティーをもってトリチウム 標識されたオキシトシンに結合し、1−デアミノ−2−D−Tyr(O−エチル)4− Thr8−Orn−オキシトシンは全組織において結合部位から標識されたオキシトシ ンを完全に置換した。他は、合成オキシトシン・アンタゴニスト〔β−メルカプ ト−β,β−シクロペンタメチレン・プロピオン酸、D−Trp2−Ile4−Arg8〕− バソプレシンについて調べた。この化合物は、インビトロ及びインビボにおいて 非妊娠ラット子宮内のオキシトシン−誘導収縮を阻害した。それはまた授乳速度 における乳失速を阻害し、ラットにおける分娩を中断し、そして女性から得られ た子宮筋層のオキシトシンに対するインビトロ応答を阻害した。4つのオキシト シン・アナログ、1−デアミノ−2−D−Tyr〔O−エチル〕4−Val8−Orn−バ ソトシン、1−デアミノ−2−D−Tyr〔O−エチル〕4−Thr8−Orn−バ ソトシン、1−デアミノ−2−L−Tyr〔O−エチル〕4−Thr8− Orn−バソトシ ン、及び1−デアミノ−2−D−Trp4−Thr8−D− Arg−バソトシンは、予定日 における妊婦からの子宮筋層膜調製物の中のオキシトシン及びアルギニン・バソ プレシンを置換した。 2つの報告は、早期分娩にある女性におけるオキシトシン・アンタゴニストの 使用について記載している。第1のものは、13患者において1−デアミノ−2− D−Tyr〔O−エチル〕4−Thr8−Orn−オキシトシンを使用した。しかしながら 、10患者はβ交感神経様薬によるその後の治療を受け、そして3人(23%)が早 産となった。第2のものは、早期分娩にある12患者における1−デアミノ−2− D−Tyr〔O−エチル〕4−Thr8−Orn−オキシトシンの静脈内輸注を使用した。 全ての患者が最初に2時間ベッドに寝かされ、そして収縮が持続する場合に処置 された。完全な早産が6患者において記録され、部分的な早産が3患者にあり、 そして3患者においては早産はなかった。効果のなかった3患者は28週未満妊娠 であり、そしてリトドリンによりその後に治療された。最終的に12患者の内7人 が早産であった。母体副作用、胎児心拍異常、又は母乳授乳(breast-feeding) に伴う合併症は全く処置に帰されなかった。新生児の罹患率又は死亡率に関する コメントは全くなかった。 プロスタグランジン・インヒビター 局所的プロスタグランジン生産はたぶん子宮頸熟成(cervical ripening)に おいて役割を演じ、そして分娩において子宮活性を調節することができる。多く の産院は子宮頸熟成のためにプロスタグランジンE2を使用する。プロスタグラ ンジンE2とFの両方が妊娠の第2,3半期における分娩の誘導のために使用 される。 プロスタグランジンは、2つの方法で子宮効果を示す。第1に、それらは、子 宮筋層すき間接合部分の生産を強化する。第2に、プ ロスタグランジンFは、細胞内カルシウムの流入及び筋小胞体(sarcoplasmi c reticulum)からのカルシウムの放出を剌激する。細胞内カルシウムにおける この増加は、ミオシン軽鎖キナーゼの活性及びその後の筋収縮を導びく。血漿及 び羊水(amniotic fluid)中のプロスタグランジンの上昇レベルが正常なヒト分 娩(parturition)の間に立証された。レベルは、妊娠の全状態において分娩に ない患者の血漿及び羊水中では低く又は存在しない。プロスタグランジン代謝物 は、インドメタシンにより処置された患者において有意に減少される。それらは 、また、遅延化された妊娠期間をもつ患者におけるよりも早産である患者におい て有意に高い32。 全てのプロスタグランジン・シンテターゼ・インヒビターと酵素シクロオキシ ゲナーゼを阻害することにより作用する。この酵素は、体全体にあり、そして子 宮筋層中に高濃度にある。シクロオキシゲナーゼは、アラキドン酸を第1のプロ スタグランジン中間体プロスタグランジンG2に変換する。全てのその後のプロ スタグランジンはこの開始段階から誘導される。アスピリンは、アセチル化によ るこの酵素の不可逆阻害を引き起こす。インドメタシンは、シクロオキシゲナー ゼについてアラキドン酸と競合する。それ故、それは、上記酵素を破壊しない。 インドメタシンのレベルが減少するとき、酵素活性が再開する。これらの薬物は 、抗炎症性、解熱性、及び鎮痛性をもつ。それらはまた、プロスタサイクリン及 びトロンボキサンA2 -、インドメタシン、ナプロキセン(naproxen)の形成を抑 制し、そしてこれ故、プロスタグランジン合成のインヒビターとしてアスピリン よりも有効である。 非ステロイド抗炎症薬は、化学的構造、作用機作、及び副作用において異なる 。それ故、ある者は、特定の剤により観察された効果が他のものにより見い出さ せるであろうことを予想することができ ない。これらの薬物は、妊娠及び非妊娠子宮筋層の収縮を有効に阻害する。それ らは、上記β−交感神経様薬よりもより有効である。プロスタグランジン・イン ヒビターによる失敗した治療後にβ−アドレナリン作動性アゴニストによる子宮 収縮の抑制についての報告は全くないが;いくつかの研究は反対を示す。 プロスタグランジン・インヒビターにおける興味は1973年に始まる。回顧的研 究は、妊娠の間に高投与量のサリチル酸を受容する患者が、妊娠の平均長さ、発 育過度の頻度、及び自然分娩の平均経過時間における有意な増加をもっていたこ とを示した。第2の研究においては、妊娠の間の長期間サリチル酸を受容する患 者が42週を超える妊娠により高い徴候をもっていた。他の研究は、経口アスピリ ン又はインドメタシンの投与が高張生理食塩水溶液による中間3半期流産を経験 した患者における注射〜流産間隔を遅延させることを立証した。最後に、アスピ リンの低投与量は、高い浸透尿及び連続オキシトシン輸注による中間3半期流産 を経験した未経産患者における注射〜流産間隔を遅延させた。 早産を中止させるためのこれらの薬物の使用の最初の報告は、1974年に公開さ れた。インドメタシンによる早産にある50患者の治療は、40患者(80%)におい て7>日間分娩を遅らせた。多くのその後の研究は、早産の治療におけるプロス タグランジン・インヒビターの効果を評価した。 プロスタグランジン・インヒビターは、母体又は胎児に対する重い有害効果と 関係しない。インドメタシンにより処置された297の新生児において大きな問題 は全くなかった。 これらの化合物は、化学的構造、作用機作、及び副作用において異なる。一般 的な有害効果は、悪心、吐き気、下痢、胸やけ、頭痛、めまい、及びアレルギー 性発疹を含む。より重症な毒性は、血小 板減少、ペプシン性潰瘍化、出血、重症なアレルギー反応により明示される。さ らに、プロスタグランジン・インヒビターは、感染の徴候をマスクすることがで きる。 このクラスの医薬における主要な関心は、胎児に対する有害効果についての潜 在性であり、特に動脈管の未熟閉塞である。インドメタシンは、早産新生児にお ける動脈管の持続性開通性の治療のために使用される。早産新生児における臨床 的応答は、さまざまであり、そして血清インドメタシン濃度に関係しない。ほと んどの研究は、初期妊娠年令における上記管の閉塞に対する抵抗性を立証する。 プロスタグランジン・インヒビターは、子宮内での胎児動脈管の締めつけを引き 起こす。この締めつけは過渡的であり、そして上記薬物の中止後に通常減少する 。しかしながら、インドメタシンに対する長期間の集露は、この新生児において 持続性の肺高血圧及び不十分な三尖弁(tricuspid insufficiency)を導くことが できる。 他の胎児合併病は、結果として羊水過少症による弱化腎機能を含む。インドメ タシンは、羊水過多症を治療し、そして羊水容量を正常化するためにも使用され てきた。この医物は、羊水過多症をもつ患者における早産の治療に特に有用であ ることができる。インドメタシンが新生児における永久性腎障害を引き起こすと いう証拠はほとんどなく;1のケース報告は、母体がインドメタシンにより治療 される羊水過多症をもち、そしてその胎児は腎2宿主(renal digenesis)をもつ 一卵性双子妊娠を立証した。 カルシウム・チャンネル・ブロッカー カルシウム・チャンネル・ブロッカーは、インビトロ及びインビボにおける自然 子宮筋層収縮を阻害し、そしてプロスタグランジン−及びオキシトシン−誘導子 宮収縮を抑制する。主な作用部位は、細胞膜であり、そこで電圧依存性カルシウ ム・チャンネルを通じての 細胞外流入が阻害される。ニフュジピン(nifedipine)ではなく、ベラパミル( verapamil)は、房室伝導(atrioventricular conduction)を弱め、そして心不 全を引き起こすことができる。 早産の治療のためのベラパミルの使用は、1972年に最初に報告された。治療の 効果は、示されることができなかった。なぜなら、投与量が心臓血管副作用後に 限定されたからである。未熟分娩を治療するためにニフェジピンを使用した最初 の研究は1977年に報告された。早産における10患者が治療された。分娩は全患者 において止った。20患者における同様の研究において、15が>3日間遅れた分娩 をもった。その後の研究は、妊娠38週後までに、慢性高血圧をもつ8人の患者に おける分娩の遅れを立証した。侵入における平均妊娠齢は30週間であった。これ らの患者は治療の間に正常血圧になった。 分娩は、ニフェジピンにより治療された13患者の中の9において>48時間遅延 された。Ghirardini(1981)は、未熟分娩における8の妊婦の首尾よい治療を報 告した。全てが38週の妊娠期間後に分娩した。他の研究においては、子宮収縮が ニフェジピンにより処置された早期分娩における22患者の中の16を阻害し;13が 不所望の副作用を経験した。 2つの有望なランダムな研究はニフェジピンとニトドリンを比較した。第1の ものはリトドリンに20妊婦を割当て、ニフェジピンに20妊婦を割り当て、そして 20妊婦については処置しなかった。48時間の分娩の遅れとして成功が定められた 。75%の成功が、リトドリン群における45%及び偽薬群における29%と比較して 、ニフェジピン群で達成された。この研究は、可能性のある選択バイアス、副作 用の僅かな報告、及びニフェジピン群の25%がその後にリトドリンにより処置さ れたという事実により批判された。 最近の研究は、33患者をリトドリンに、そして33患者をニフェジピンにランダ ムに割り当てた。分娩は、ニフェジピン群の84%、そしてリトドリン群の72%に おいて48時間延長された。分娩はニフェジピンにより処置された妊婦の70%及び リトドリンにより処置されたものの52%において遅延された。母体副作用は、リ トドリンにより処置された患者においてより一般的であった(p<0.01)。胎児 及び新生結果は上記2群において同様であった。 カルシウム・チャンネル・ブロッカーは、血管拡張を作り出し、そして末梢抵 抗性を減少させる。過渡的な顔面紅潮は、最も一般的な副作用であるが、その時 、悪心及び頭痛をも引き起こすことができる。母体の副作用は、β−交感神経様 薬によるよりも小さいようである。ニフェジピンは神経筋遮断を引き起こすこと により硫酸マグネシウムの毒性を強化する。それは、母体の肝毒性をも引き起こ す。重症の胎児又は新生児副作用は全く報告されていないけれども、これらの医 薬は、子宮胎盤血流を減少させることができる。 上述の個々の処置に加えて、本発明に係る早産防止治療は、先に列記した個々 の治療又は本明細書中に列記されない他の治療との組合せをも含むことができる 。 所定の早産防止治療の強さは、一般的に、投与される薬物の濃度、投与の経過 時間、又は投与の頻度に相関するであろう。しかしながら、強さにおける変化は 、一般的により効果が小さいがより小さな副作用をもつものからより有効である が潜在的により大きな副作用をもつものへの治療のタイプにおける変化をいうこ ともできる。 上記の様々な処置の副作用に関して、本明細書は、いずれかの特定の処置を推 奨するものと意図されると理解すべきではない。その決定は付き添う内科医によ り行われるべきであり、彼(彼女)は、一般に、早期防止薬として投与される薬 物の効力とエストリオール ・モニタリングの結果及び他の臨床的徴候の両方を使用してその潜在的副作用の 両方に基づいて決定するであろう。 本明細書中に記載するように早産の可能性のある開始を検出し、そして早産防 止処置をモニタリングすることにより、内科医は、早産及びその結果として生じ る高リスクの幼児の死を回避するために分娩を遅らせるための現存技術を使用す ることができるであろう。 実施例 唾液サンプルを、妊娠の間一週間間隔で4人の患者から得て、そしてセライト・ クロマトグラフィーにより分析した。全ての患者は早産の危険にあると考えられ た。3患者に妊娠期間の35週未満に先に出産した。残りの患者は危険にあった。 なぜなら、彼女は子宮異常であったからである。付き添い内科医は、この研究に おいて臨床的徴候に対してエストリオール・レベルを関係付けなかった(すなわ ち、それはブラインド試験であった)。なぜなら、この評価の目的は、早産防止 薬の投与後に早産防止処置がエストリオール・レベルを変化させるであろうかど うかを測定し、そして早産防止処置後のエストリオール・レベルが、起こりそう な将来の事件、例えば子宮収縮の再開及び/又は早産の指標であるかどうかを決 定することであったからである。これらの結果を以下の表I中に要約する(uc: 子宮収縮;cd:子宮頸拡張(cm);Toc:早産防止処置;LMP:最後の月経期) 患者1〔患者 201〕は、28と2/7週妊娠期間(198日)において切迫早産の 伝続的な指標(拡張及びeffacementにおける識別可能な子宮頸変化、強く、規則 的な子宮収縮の存在、膜の自然破裂)に先立ってエストリオール・レベルにおけ る増加を示した。(妊娠期間の日数は最後の月経期(LMP)から測った。)。早産 防止薬を、(2cm拡張までの)区別できる子宮頸変化及び収縮の間、29と6/7 週妊娠期間(209日)に投与した。硫酸マグネシウムを、それが終了する30−1 /7週妊娠期間まで48時間にわたり、2グラムのSTAT、その後1時間毎に1グラ ムの投与量を使用して静脈内に投与した。インドメタシン、プロスタグランジン ・インヒビターを、211日目にそれが終わる31週妊娠期間まで経口により4時間 毎に、徴候に依存して25mg〜50mgの投与量において投与した。早産防止処置後、 エストリオール濃度は実質的に正常な値に減少し、そしてさらなる子宮頸変化は なく、そしてその妊娠は、34−2/7週の(240日)妊娠齢 において、逆子のために帝王切開により分娩まで3週間維持された。 患者2〔患者 263〕に関しては、エストリオール・レベルは再び早産の開始を 反映した。臨床的徴候、例えば背中の痛み、骨盤圧迫及び子宮収縮の顕出の後、 早産防止処置を27週(189日)に開始した。特にターブタリン(terbutaline)を 、6時間間隔で5mgの投与量において経口により患者に投与した。3週間の処置 の後、ターブタリンの投与量を3時間毎に5mgまで増加させた。6週目の早産防 止処置の開始(235日)において、静脈内投与の3mg/時の投与量におけるMgSO4 を、4日間(235日から239日まで)ターブタリンの代わりに用いた。239日目に 、MgSO4投与を中止した。一週間毎に測定した唾液エストリオール・レベルは209 日目までに降下したが243日目には再び上昇し、5.181ナノモル/リッター(nmol /l)になった。内科医は、上記早産防止処置と上記エストリオール・レベルを 関係付けなかったので、この早産防止処置は235日目に中止された。帝王切開に よる早産は、24時間前の膜の可能性のある自然破裂後35−2/7週(247日)妊 娠期間において生じた。 患者3〔患者 226〕は、236日目に上昇エストリオール・レベルをもち、そし て早産の徴候、すなわち子宮収縮及び1cmの子宮頸拡張を示したが、早産防止薬 に対するものではなかった。子宮頸変化を伴う連続した収縮を示した後、患者に 、34−2/7週妊娠期間(LMPによる、240日) において皮下注射により0.25mgタ ーブタリンの単一投与量を注射した。34−6/7週(244日)において、彼女は 唾液エストリオール値における増加をもち、そして36−1/7週(252日;患者 の内科医はエストリオールをモニターしなかった)において、その唾液エストリ オール・レベルは8.506nmol/lまでにさらに増加した。2日後、彼女は36−3 /7週に分娩した。 患者4〔患者 214〕は、早産の徴候を全く伴わず197,205,212及び219日目に 彼女の内科医により診察され、そしてボーダーラインが212と219日にエストリオ ールにおいて急増した。32−3/7週の妊娠期間(227日)において、彼女は早 産をもつと診断され、そしてターブタリンが、35週妊娠期間(245日)まで5mg の投与量において3−4時間毎に経口投与された。一週間毎に測定された彼女の エストリオール・レベルは、処置の間に233日目に1.792nmol/lまで降下したが 、処置の終了後、249日(35−4/7週)に、彼女のエストリオール・レベルは 再び7.77nmol/lに高まった。内科医はエストリオール・レベルをモニタリング せず、早産防止薬を投与せず、そしてこの患者は36−3/7週(255日)に自然 通常早期分娩となった。 本発明を十分に説明してきたが、本発明に対する多くの変更及び修正を添付ク レームの範囲又は本発明の本質から逸脱せずに行うことができることは当業者に とって自明であろう。 本明細書中に掲げた全ての刊行物及び特許出願を、あたかも個々の刊行物又は 特許出願を特別に引用により取り込まれることを意図されるように、引用により 本明細書中に取り込む。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI,G B,GE,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ ,LK,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW, NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,S E,SI,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.早産防止治療をモニタリングする方法であって: 早産防止剤による治療を経験することについての候補として診断された又はこ れを経験している妊娠患者の体液中のエストリオールの最初の濃度を計測し;そ の最初の濃度と事前決定された標準エストリオール値とを関係付け;そしてその 最初の濃度及びその事前決定されたエストリオール値に対するその関係付けに基 づいて、早産防止治療を開始するか、継続するか、中止するか、又は修正するか のいずれかを行う、 ことを含んで成る方法。 2.前記関係付けが、(1)正常妊娠ヒト中の体液についてのエストリオール 濃度の事前決定レンジ又は (2)妊娠ヒトの体液の前もって計測されたエストリオール濃度、 からなる群から選ばれた標準値と前記濃度を比較することを含んで成る、請求項 1に記載の方法。 3.標準値に対して高い濃度のエストリオールが、早産防止治療の開始、継続 、又は強さの増加の指標として利用される、請求項1に記載の方法。 4.標準値未満又はこれと等しいエストリオールの濃度が、早産防止治療の中 止又は減少として利用される、請求項1に記載の方法。 5.最初のエストリオール濃度が、標準よりも高く、そして早産防止治療が開 始、継続、又は増加され、そしてそのエストリオール濃度が、その濃度がその標 準よりも低い事前決定第2エストリオール濃度に達するまで、一定時間にわたり 計測される、請求項1に記 載の方法。 6.決定が患者の体液のサンプルについて行われる、請求項1に記載の方法。 7.体液が、唾液、血漿、血清、尿、子宮頸又は膣分泌物、あるいは汗である 、請求項6に記載の方法。 8.体液が唾液であり、そしてその濃度が、その濃度が5nMを超えるとき早産 防止治療の開始、継続、又は増加の指標と考えられ、そしてその濃度が3nM未満 であるとき早産防止治療の中止又は減少の指標と考えられる、請求項6に記載の 方法。 9.前記方法が早産防止治療前に行われ、そし前記濃度が、早産防止治療が開 始されて1週間以内に、50%程、妊娠ヒトにおける体液中で得られた先に計測さ れたエストリオール濃度を超える、請求項1に記載の方法。 10.前記方法が早産防止治療前に行われ、そして前記濃度が、少なくとも40週 目における正常妊娠について体液についての第95百分位数濃度と同じ程に高く、 そして早産防止治療が開始されて30週目又はそれより早期においてその濃度が計 測される、請求項1に記載の方法。 11.前記方法が非結合エストリオールだけを検出する、請求項1に記載の方法 。 12.前記方法が、早産防止治療の開始後に行われ、そして早産防止治療が、そ の濃度が標準値を1標準偏差以下上廻る計測値に達するときに中止される、請求 項1に記載の方法。 13.前記方法が、早産防止治療の開始後に行われ、そして早産防止治療が、そ の濃度が標準値を1標準偏差以下下廻る計測値に達するときに中止される、請求 項1に記載の方法。
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