JPH09503672A - Fas拮抗剤とその利用 - Google Patents

Fas拮抗剤とその利用

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JPH09503672A JP7512047A JP51204795A JPH09503672A JP H09503672 A JPH09503672 A JP H09503672A JP 7512047 A JP7512047 A JP 7512047A JP 51204795 A JP51204795 A JP 51204795A JP H09503672 A JPH09503672 A JP H09503672A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒトFas抗原に特異的に結合するモノクローナル抗体及び結合タンパク質のパネルを提供する。抗体及び結合タンパク質のあるものは、T細胞の増殖刺激及び、抗Fas CH-11モノクローナル抗体の、Fas抗原発現細胞への結合阻害及び、抗Fas CH-11モノクローナル抗体を介した細胞溶解阻害、ならびにFasリガンドを介した細胞溶解阻害が可能である。本発明はまた、このモノクローナル抗体を含む治療用組成物も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 Fas拮抗剤とその利用 発明の分野 本発明は分子生物学、生化学及び免疫学の分野に関するものである。本明細書 中に記載されているのは、過剰あるいは不必要にプログラムされた、または活性 化誘導した細胞死に関連した疾病の治療のための、予防あるいは治療への応用を 含む組成物である。より具体的にはFasとFas-リガンド(Fas-L)の相互作用に影 響を与え、かつFas受容体を介してシグナルを伝達する事が出来る物質が提供さ れる。 発明の背景 T細胞の発達と免疫応答調節の間、負の調節機構によって、自己反応性あるい は機能不全のT細胞の排除、および末梢T細胞の過剰な増殖の防止が保証されて いる。未成熟の胸腺細胞と成熟した末梢T細胞の排除は、影響を受けた細胞の細 胞質が凝集し、細胞膜が包旋状化し、核が凝縮し、DNAの断片化が生ずるプログ ラム細胞死、アポトーシスの誘導を介して起こる。先行技術データは、T細胞の アポトーシスが誘導されるかも知れない2つの経路を示唆している。1つの経路 は、CD3T細胞受容体(TCR)複合体の活性化を含むかも知れない。もう一つの経 路には細胞表面のFas抗原が関与するかも知れない。Fasは神経増殖因子/腫瘍壊 死因子受容体スーパーファミリーの一員である。ワタナベ-フクナガら(J.Immun ol.148: 1274-79(1992))及びイトウら(Cell 66: 233-43(1991))は、それぞれネ ズミとヒトのFas抗原をコードするcDNAのクローニングを報告している。 リンパ球増殖(lpr)突然変異として知られる常染色体劣性突然変異をホモにも つマウスはFas抗原遺伝子を欠損しており、アポトーシスシグナルを伝達するこ とが出来る正常の機能を有するFasタンパク質を発現していない(ワタナベ-フク ナガら、Nature 356: 314-17(1992))。これらのマウスは、リンパ節及び脾臓に CD4-CD8- T細胞を蓄積することで特徴付けられる異常、ガンマグロブリン過剰 症、自己抗体産生、リューマチ因子、関節炎および糸球体症を進行させる。同上 文献。 広範なリンパ球増殖病(gld)として知られる変異遺伝子をホモに持つ他のマウ スは、lprマウスで見られるものと、臨床的に区別不能な症候を示す(J.B.ロ ス(Roths)ら、J.Exp.Med.,159: 1-20(1984))。gld遺伝子はマウスの第1番 染色体にマップされ、一方lpr遺伝子はマウスの第19番染色体にマップされて いる。gld遺伝子産物は単離されていないが、アレン(Allen)ら(J.Exp.Med., 172:1367-75(1990))は、lprとgld遺伝子が、異なる細胞で発現している、相互 作用するリガンド-受容体分子対をコードすることを示唆している。 Fas抗原は本来2つのモノクローナル抗体であるCH-11と抗APO-1によって定め られた。CH-11はIgMクラスの免疫グロブリンに属している。抗APO-1はIgG3クラ スの免疫グロブリンに属している。CH-11と抗APO-1モノクローナル抗体はどちら もヒトFasを発現する細胞に結合し、拮抗剤として機能し、Fasを発現するリンパ 細胞系列にアポトーシスを誘導する。CH-11と抗APO-1抗体は、いずれも特定のin vitroで培養された細胞系列に対する細胞溶解活性に基づいて選択された。 Fas抗原を発現する細胞に対するCH-11の結合を妨げるか、あるいはCH-11を介 する、またはFas-L-を介するリンパ細胞系列の溶解を妨害するモノクローナル抗 体は未だ開示されていない。そのような妨害性抗体は、たとえば正常な免疫応答 に加え、一般的な自己免疫疾患おけるその役割に関する見識を与えるための研究 応用に有用であろう。また、妨害性抗体はFasまたはFas Lが介する生物学的活性 を阻害する必要のある治療応用においても有用であろう。 本発明は、この様な抗体および関連するその他の利点を提供するものである。 発明の概要 本発明はヒトFasの細胞外ドメインに特異的に結合し、またFasを発現する細胞 への、抗Fasモノクローナル抗体CH-11の結合を、約4%から約63%まで、約1 0倍モル過剰に阻害する新規なIgG1モノクローナル抗体を提供する。このモノク ローナル抗体はネズミおよびヒト由来のモノクローナル抗体からなるグループか ら選択される。ブロッキング実験は、これらのモノクローナル抗体の多くが、CH -11モノクローナル抗体を介するFas発現細胞の溶解を、約1:1から約10:1 のモル比(IgG1モノクローナル抗体とCH-11のモル比)で、10%の範囲内から 90%を越えるまで阻害することを示している。これらのIgG1 Fasモノクローナ ル抗体のいくつかはFas抗原を発現する細胞系列の、有意な溶解を起こすことが できたが、溶解はこの抗体が最初に固層支持体に結合しているときにのみ観察さ れた。このモノクローナル抗体が溶液状態でFas抗原を発現する細胞系列の培養 中に加えられると、30%以下の細胞溶解がどの抗体に対しても観察された。そ れに加え、Fasモノクローナル抗体のあるものは、固層に結合されている場合に 、インターロイキン2とは独立にT細胞の増殖を刺激する。本発明に関連する解 釈の範囲内では、上述のFasに対するIgG1モノクローナル抗体と、生理学的に許 容できる担体あるいは希釈剤からなる治療用組成物が提供される。 また、本発明はヒトFasの細胞外ドメインに特異的に結合し、インターロイキ ン2とは独立にT細胞の増殖を刺激し、Fasを発現する細胞のFasリガンドを介し た溶解を、少なくとも10%まで阻害する。本発明に関連する解釈の範囲内では 、上述のFasに対するIgG1モノクローナル抗体と、生理学的に許容できる担体あ るいは希釈剤からなる治療用組成物が提供される。 本発明は更に、ヒトFas抗原の細胞外ドメインに特異的に結合する抗体、ある いはその一部をコードするDNA配列によってコードされる、Fas結合ドメイン を含むヒトFas抗原に特異的に結合する結合タンパク質を提供する。また、その 結合タンパク質はインターロイキン2とは独立にT細胞の増殖を剌激することが 出来る。本発明に関連する解釈の範囲内では、ヒトFas抗原に特異的に結合する 結合蛋白質と、生理学的に許容できる担体あるいは希釈剤からなる治療用組成物 が提供される。 また更に、可溶性の融合タンパク質と、生理学的に許容できる担体あるいは希 釈剤からなる治療用組成物が提供される。可溶性の融合タンパク質は、huFas/FC と呼ばれ、Fasを発現するリンパ球細胞の、実質的に全てのFasリガンドを介した 溶解を阻害する。 図面の簡単な説明 第1図Aと第1図Bは、huFas M38モノクローナル抗体による、CD3モノクロー ナル抗体(黒丸)存在下と、CD3モノクローナル抗体非存在下(白抜き丸)、な らびにhuFas M33とCD3モノクローナル抗体(黒四角)によるT細胞増殖の共同刺 激能を示している。第1図Aは末梢血T細胞を、固定化したCD3モノクローナル 抗体存在下または非存在下で、固定化したhuFas M33とM38モノクローナル抗体と ともに、3日間培養し、最後の6時間3H-TdRでパルスラベルした、6回の実験結 果を代表するものである。第1図Bは胸腺細胞を、固定化したCD3モノクローナ ル抗体存在下または非存在下で、固定化したhuFas M33とM38モノクローナル抗体 とともに、3日間培養し、最後の6時間3H-TdRでパルスラベルした、3回の実験 結果を代表するものである。第1図Aと第1図Bのデータは、3連培養の平均± 標準偏差を示している。 第2図Aから第2図Dは、huFas M38による共同刺激作用が、CD4+及びCD8+T 細胞による、CD25とCD69の発現を促進することを示している。第2図Aで、末梢 血由来のT細胞は、固定化されたCD3モノクローナル抗体単独か、あるいは固定 化したCD3モノクローナル抗体と固定化したhuFas M38いずれかで48時間刺激さ れ、CD4-PEとCD25-FITCを用いた2色フローサイトメトリーによって解析された 。第2図Bでは、T細胞は、固定化されたCD3モノクローナル抗体単独か、ある いは固定化したCD3モノクローナル抗体と固定化したhuFas M38いずれかで48時 間刺激され、CD4-PEとCD69-FITCを用いた2色フローサイトメトリーによって解 析された。第2図Cでは、T細胞は、固定化されたCD3モノクローナル抗体単独 か、あるいは固定化したCD3モノクローナル抗体と固定化したhuFas M38いずれか で48時間刺激され、CD8-PEとCD25-FITCを用いた2色フローサイトメトリーに よって解析された。第2図Dでは、T細胞は、固定化されたCD3モノクローナル 抗体単独か、あるいは固定化したCD3モノクローナル抗体と固定化したhuFas M38 いずれかで48時間刺激され、CD8-PEとCD69-FITCを用いた2色フローサイトメ トリーによって解析された。 第3図Aと第3図Bは、huFasモノクローナル抗体M38によるT細胞の増殖共同 刺激作用が、大部分IL-2非依存的であることを示す。第3図Aでは、末梢血T細 胞が、固定化したCD3モノクローナル抗体とIL-2とともに72時間培養された。 第3図Bでは、末梢血T細胞が、固定化したCD3モノクローナル抗体とhuFas M38 モノクローナル抗体とともに72時間培養された。第3図Aと第3図Bいずれに おいても、細胞は1:500希釈のIL-2中和血清の存在下(黒丸)あるいは非存在下 (白抜き丸)で培養された。それぞれの図のデータは、4回実施された実験の代 表である。 第4図は、増殖しているT細胞前駆体の頻度に対するhuFas M38の効果を示し ている。順番に数を増した精製T細胞を、CD3モノクローナル抗体のみ(黒四角 )、あるいはCD3モノクローナル抗体とhuFas M38モノクローナル抗体(黒丸)で プレコートしたウエルに、10ng/mlのIL-2を含む培地中で15μl量培養した。5日 後、増殖しているT細胞クローンについて、ウエルを顕微鏡下でスコアした。 第5図は、Fas-Lを介するジャーカット細胞の殺傷における、huFas M3とhuFas M31の効果を示している。白抜きの四角は対照、白抜きの丸は10ug/mlのhuFas M 31を示し、白抜きの菱形は10ug/mlのhuFas M3を示している。 第6図は、Fas-Lを介するジャーカット細胞の殺傷における、さまざまな可溶 性融合タンパク質の効果を示している。huIL4R/Fc(黒四角)、huCD30/Fc(黒菱 形)、huTNFR/Fc(白抜き丸)あるいはhuFas/Fc(白抜き三角)は、対照(白抜 き四角)とともに解析された可溶性融合タンパク質である。 第7図A、第7図B及び第7図Cは、Fas拮抗剤が、ヒトCD4+T細胞クローン (TCC)の長期培養における、活性化誘導アポトーシスを阻害することを示して いる。第7図Aは、Fas M3モノクローナル抗体が、ヒトCD4+T細胞クローンの2 つの異なる長期培養において、PMAとイノマイシンによって誘導されるアポトー シスを実質的に阻害することを示している。抗体を含まない対照培地中で培養さ れたTCCは、網かけの棒で示されており;Fas M3抗体のみを含む培地中で培養さ れたものは斜線の入った棒で;PMAとイノマイシンを含む培地で培養されたもの は黒ぬりの捧で示され;そしてPMA、イノマイシンおよびFAS M3抗体を含む培地 で培養されたものは波線の入った捧で示されている。第7図Bは、可溶性のhuFA S M3モノクローナル抗体(それぞれの棒グラフで斜線を入れた中央の棒)が、TC R/CD3複合体とOKT3モノクローナル抗体を組み合せること、またはTCCをPHAまた はPMAとイノマイシンとともに培養することによって誘導される、TCCにおけるア ポトーシスを実質的に阻害することを示している。抗体を含まない対照は網かけ の捧で示されており、IgG1モノクローナル抗体対照はそれぞれの棒グラフの右側 の黒ぬりの棒で示されている。第7図Cは、Fas/Fc融合タンパク質がhuFas M3モ ノクローナル抗体と同様に活性化誘導されたTCCにおけるアポトーシスを阻害す るが、一方対照のIgG1免疫グロブリンは何の効果も持たないことを示している。 対照は左端の網かけの棒で示されており;IgG1免疫グロブリンの結果は左から2 番目の(斜線を入れた)棒で示され、Fas M3の結果は左から3番目(黒塗)の棒 で示され、huFas/Fc融合タンパク質の結果はそれぞれのグラフの左から4番目( 波線)の棒で示されている。 発明の詳細な説明 抗原Fas(APO-1とも呼ばれる)は神経成長因子/腫瘍壊死因子受容体スーパー ファミリーの一員である。過去に、Fasの機能に関する結論は、特定の細胞系列 に対する細胞溶解活性に基づいて選択した、2種類の最初のモノクローナル抗体 (クローンCH-11と抗APO-1)によって出されたin vitroのデータに基づいて導か れた。本発明に付随するデータは、Fasによって仲介される複雑な一連の相互作 用の存在と、あるガン化した細胞系列におけるアポトーシスの誘導と、正常なT 細胞の活性化と増殖において、Fasがある役割を担っていることを示している。 本発明に従って、本発明者らはhuFasに単純に結合する能力に基づいてFasモノ クローナル抗体のパネルを開発し、そのため、さまざまな生物学的特性を持つモ ノクローナル抗体を作製した。huFasに対して作られたモノクローナル抗体のパ ネルは(1)Fasを発現する細胞へのCH-11の結合を阻害する能力;(2)溶液に 加えたとき、あるいは培養プレートに結合している場合に、Fasを発現する細胞 系列を殺す能力;および(3)Fasを発現するリンパ細胞におけるCH-11もしくは Fasリガンド(Fas-L)によって誘導されたアポトーシスを阻害する能力に関して 、その性質が調べられた。それに加え、Fasの発現を誘導できる、新鮮な単離さ れたヒトTリンパ球に対する、これらのhuFas特異的抗体の効果も調べられた。 huFas cDNAはクローニングされ、そのDNA配列とそれにコードされるアミノ 酸配列がイトウら(Cell 66: 233-43(1991))によって報告された。精製された Fas抗原は、モノクローナル抗体ならびに、組換えDNA法を用いて特異的に構 築され得る他の結合タンパク質の調製に用いることが出来る。これらの結合タン パク質は、モノクローナル抗体の特異的結合を担う可変領域を取り入れることも 出来る。 通常の技術を有する当業者には明らかなように、抗体はFas抗原全体に対して も、あるいはFas抗原の一部に対しても作製することが出来る。特に好ましいの は、可溶性型のヒトFas抗原に対して作製された抗体である。それに加え、本発 明の関係においては、結合タンパク質及び抗体は、通常の技術を有する当業者に よって容易に調製可能な抗原結合断片、例えばF(ab')2やFab断片を含む。 モノクローナル抗体(Mabs)もまた、慣用技術(米国特許番号RE32,011,4,90 2,614,4,543,439および4,411,993参照、なお、これらは本明細書に引用文献と して取り込まれる;また、Monoclonal Antibodies,Hybridomas:A New Dimensi on inBiological Analyses,ケネット(Kennett)ら編、Plenum Press(1980);お よびAntibodies: A Laboratory Manual、ハーロウとレーン(Harlow and Lane)編 、Cold Spring Harbor Laboratory Press(1988)を参照のこと、なお、これらも 本明細書に引用文献として取り込まれる)。組換え技術によって抗体の産性を可 能とする他の技術(例えば、Stratacyte,La Jolla,Californiaから得られる市 販のシステムを含む、ウィリアム D.ヒューズ(William D.Huse)ら、Science, 246: 1275-1281(1989);L.サストゥリー(L.Sastry)ら、Proc.Natl.Acad.Sc i.USA,86: 5728-5732(1989);およびミッチェルアルティング-メース(Michell e Alting-Mees)ら、Strategies in Molecular Biology,3: 1-9(1990))によっ て記載されている技術もまた、モノクローナル抗体を構築するために利用しても よい。 同様に、特異的な結合をする抗体の可変域をコードする遺伝子の一部を取り入 れるために、組換えDNA技術を利用して結合タンパク質を構築することも出来 る。これらのタンパク質の構築は、本明細書で提供される開示があれば、通常の 技術を有する当業者によって容易に行なえる(ジェイムズ W.ラリック(James W .Larrick)ら、Biotechnology,7: 934-938(1989)、リーヒマン(Riechmann)ら、 Nature(England)332: 323-327(1988);ロバーツ(Roberts)ら、Nature(Engla nd)328: 731-734(1987);ベルヘーエン(Verhoeyen)ら、Science 239: 1534-153 6(1988);チャウダリー(Chaudhary)ら、Nature(England)339: 394-397(1989) )。簡単に述べると、特異的に結合するモノクローナル抗体の抗原結合部位もし くはFas抗原結合ドメインをコードするDNAが増幅され、ヒト抗体を産生する 細胞のゲノムに直接挿入される(ベルヘーエンら、前出;リーヒマンら、前出を 参照)。この技術は、特異的に結合するネズミ(マウスまたはラット)のモノク ローナル抗体の抗原結合ドメインがヒトの抗体に転移するのを可能とする。この ような抗体は、ラットもしくはマウスの抗体のように抗原性を持たないため、ヒ トでの治療への利用に好ましい。または、抗原結合部位(可変領域)をもう一つ の完全に異なるタンパク質に連結もしくは挿入することにより(チャウダリーら 、前出参照)、その結果として、抗体の抗原結合部位とともに全く異なるタンパ ク質の機能活性を持つ新たなタンパク質を得ることができる。通常の技術を有す る当業者が理解するであろうように、その抗体の抗原結合部位あるいはFas抗原 結合ドメインは、抗体の可変領域に見いだされるかも知れない。さらに、哺乳類 のFas抗原に特異的に結合する抗体のより狭い領域もしくは可変領域をコードす るDNA配列もまた、本発明の中で用いることが出来る。これらの部位は、例え ばELISA、ABCまたはドットブロットアッセイを含むアッセイを用いて、Fas抗原 に対する結合特異性について容易に検査することが出来る。 したがって、本発明は表1に挙げたネズミモノクローナル抗体由来のヒトで作 られたモノクローナル抗体を提供する。本発明の他の態様は、表1に挙げたモノ クローナル抗体の抗原結合部位を含む、組み換え型結合タンパク質に向けられて おり、ここではその結合タンパク質は(表1のMAbの本来の配列と比較して)改 変されたアミノ酸配列から構成されるか、あるいは、その結合タンパク質が、表 1のMAbと別のタンパク質に由来する追加されたポリペプチド配列を含む。 ヒト型の抗体は、抗原結合部位が由来するところのネズミの抗体のそれとイソ タイプが等価であるヒトの抗体の定常領域を含むことが好ましい。表1のネズミ モノクローナル抗体は、サブクラスIgG1のものである。ヒト免疫グロブリンサブ クラスIgG4は、ネズミの免疫グロブリンサブクラスIgG1に相当する(ゴルブ(Gol ub)、エドワード(Edward)、Immunology: A Synthesis,Sinauer Assocs.,Inc. , サンダーランド、マサチューセッツ州、1987、58ページ)。 非免疫グロブリン由来のポリペプチドに融合されたモノクローナル抗体の抗原 結合部位を含む結合タンパク質について、ひとつの例はアッセイで検出可能で、 該抗原結合部位に融合された酵素である。例えば、このような融合タンパク質は 、Fas抗原を発現する細胞のアッセイへの利用を見いだす。もう一つの例では、 非免疫グロブリン由来のポリペプチドがタンパク性毒素であり、そのためその融 合タンパク質がFasを有する細胞に対し、細胞毒性効果を持つものである。 その他の結合タンパク質は、表1の抗体に由来する、既知の技術によって作出 された抗体を含む(例えば、ロバーツら、前出、及びリーヒマンら、前出、を参 照のこと)。それに加えて、本明細書で開示されるモノクローナル抗体に由来す るポリペプチドのアミノ酸配列は、部位特異的突然変異導入法などの技術によっ て改変することができ、またその突然変異型ポリペプチドからなる抗体は求める 生物学的特性についてスクリーニングしてもよい。 上述のヒト型MAbと結合タンパク質は、表1のMAbの可変領域全体もしくは、抗 原結合部位を含む該可変領域の断片からなっていてもよい。その可変領域もしく はその断片をコードするcDNAは本発明のハイブリドーマ細胞系列から単離さ れたmRNAから調製することができる。そのcDNAをヒト抗体の定常領域を コードするDNA、もしくは非免疫グロブリン型のポリペプチドをコードするD NAに融合してもよい。その融合遺伝子を含む発現ベクターで形質転換された適 当な宿主細胞は、それがコードする組み換え型タンパク質を生産するために培養 される。 ラリックら、前出は、免疫グロブリン鎖の可変領域をコードするDNAを単離 する一般法を述べている。この方法は、リーダー配列に相当する上流プライマー と、定常領域に保存された配列に基づく下流プライマーの混合物を用いた、ポリ メラーゼ連鎖反応を含む。もし必要であれば、単離されたDNAは特定の定常領 域ポリペプチド、例えばヒト抗体の定常領域をコードするDNAに融合すること が出来る。 本発明では、huFasの細胞外領域(リガンド結合ドメイン)をコードするcD NA断片は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を用いて得られ、ヒトIgG1抗体の 定常領域と併せることにより、可溶性のhuFas/Fc融合タンパク質が形成される。 以下の実施例1で、より詳細に述べるように、huFasの細胞外ドメインをコード するDNAは、ヒトT細胞ハイブリドーマから単離したRNAから合成されたD NAを鋳型として用いたPCRによって増幅された。このPCRで用いたプライ マーは、前出のイトウらによって発表されたhuFas配列に基づいたものである。 インフレームとなるように、ヒトIgG1のFc領域のDNA配列の5’末端に融合さ れたhuFasの細胞外ドメインDNAを含む発現ベクターが構築され、哺乳動物細 胞に形質導入された。発現されたタンパク質は、融合タンパク質のFc領域をアフ ィニティーカラムのプロテインGに結合することを含む方法によって精製された 。可溶性のhuFas/Fc融合タンパク質は、(1)以下の実施例に述べる抗ヒトhuFa sモノクローナル抗体精製のため、また(2)Fas-Lを発現する細胞によって仲介 される、Fasを発現する標的細胞の溶解を阻害する融合タンパク質の能力を評価 し、(3)Fasを発現するリンパ球細胞系列における、活性誘導アポトーシス(A IA)を妨げる、融合タンパク質の能力を評価するために用いられた。 抗huFasモノクローナル抗体を作製するために、実施例2に述べるようにhuFas /Fc融合タンパク質をフロイントアジュバントとともにBALB/cJマウスに免疫した 。そのマウスの脾臓細胞をネズミのミエローマと融合し、ハイブリドーマを得た 。huFas/Fcへの結合はするが、ヒトIgG1には結合しないモノクローナル抗体を生 産するハイブリドーマがクローン化された。そのクローン化されたハイブリドー マ由来の全てのモノクローナル抗体についてそのIgG1イソタイプを調べ、プロテ インAアフィニティーカラムで精製した。上述の方法にしたがって作製され、hu Fas M38モノクローナル抗体を生産するハイブリドーマクローンhuFas M38は、1 993年10月19日に、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(Ame rican Type Culture Collection)(ATCC)、12301 パークローンドライブ、 ロックヴィル、メリーランド州 20852、米国(寄託番号 HB 11465)に寄託され た。huFas M3モノクローナル抗体を生産するhuFas M3ハイブリドーマ細胞系列は 、1994年10月11日にATCCに寄託され、割り当てられた寄託番号は である。いずれの寄託も、ブダペスト条約の条件の下で行なわれた。本発 明は、寄託されたハイブリドーマ細胞系列によって生産されるモノクローナル抗 体M38 およびM3と同様に、M38またはM3の生物学的な特徴を持つモノクローナル抗体を 提供する。M38およびM3の特定の特徴的な生物学的な性質は、表1に示されてい る。 ひとたび適当な抗体もしくは結合タンパク質が得られれば、それらは、通常の 技術を持つ当業者によく知られる多くの技術によって単離もしくは精製すること が出来る。例えば、Antibodies: A Laboratory Manual,ハーロウとレーン編、C old Spring Harbor Laboratory Press(1988)を参照のこと。適当な技術とは、ペ プチドまたはタンパク質アフィニティーカラム、HPLCまたはRP-HPLC、プロテイ ンAもしくはプロテインGカラムによる精製、またはこれらの全ての組み合せを 含む。 Fasモノクローナル抗体のIgG1イソタイプを調べる際に、それがもつMP-1細胞 へのCH-11Fasモノクローナル抗体の結合阻害能を評価するために、フローサイト メトリーが用いられた。実施例3で述べられるように、Fasをもつ標的細胞はブ ロッキング溶液とともにインキュベーションされ、次に試験用IgG1Fasモノクロ ーナル抗体とインキュベーションされた。次にCH-11モノクローナル抗体が加え られ、インキュベーションされた。その細胞はFACS緩衝液で2回洗浄され、結合 したCH-11抗体を検出するために、マウスのIgG1とは交叉反応性を持たない抗マ ウスIgM-FITC(Tago)とともにインキュベーションされた。次に、FACScan(Bec ton-Dickinson社)を用いてフローサイトメトリーが行なわれ、データが収集さ れた。このモノクローナル抗体は、5%以下から、最高で約63%までのCH-11 結合阻害能をばらつきを示した(表1)。 CH-11結合に関する実施例3のデータは、IgG1Fasモノクローナル抗体の多くが 、CH-11と同様なFasエピトープに結合することを示唆することから、ジャーカッ ト細胞もしくはMP-1細胞の溶解促進能について試験がなされた。ジャーカット細 胞及びMP-1細胞はCH-11モノクローナル抗体によって溶解された。Fas特異的モノ クローナル抗体であるAPO-1のFcドメインは、有意にそのアポトーシス効果に影 響を与えることが示されている(デイン(Dhein)ら、J.Immunol.,149; 3166-73 (1992))。これに関して、APO-1のIgG1イソタイプの変種は、クロスリンクされ ない限り比較的弱いアポトーシス誘導しか示さなかった。表1のhuFas特異的な モノクローナル抗体の全てが、IgG1イソタイプであるとして、溶液に加えられた 場合とクロスリンクされた場合、即ち、組織培養プレートのプラスチックに結合 された場合とで、それらの持つジャーカット細胞もしくはMP-1細胞に対するアポ トーシス誘導活性が調べられた。実施例4で述べるように、huFasモノクローナ ル抗体によって誘導される細胞溶解を測定するために、オーバーナイト51Cr遊離 アッセイ法が用いられた。Fasをもつ標的細胞におけるアポトーシス誘導能は、 溶液に加えられた場合とクロスリンクされた場合、即ち、組織培養プレートのプ ラスチックに結合された場合とで、IgG1イソタイプのFasモノクローナル抗体に 関して測定された。採取されたデータは表1に要約されている。IgG1イソタイプ のFasモノクローナル抗体のいくつか(M23、M31、M33およびM35)は、溶液中で も、固定されても、細胞溶解能を持たない。その他のもの(M1、M3、M24およびM 38)は、溶液中では細胞溶解能を示さなかったが、固定化された場合に、少なく ともわずかな細胞溶解能を示した。唯一M2抗体だけが、溶液中(20%以下の溶 解)と固定化された場合とで、わずかな細胞溶解性を示した。 この細胞溶解性に関する研究は、固定化されたときにアポトーシスを誘導する IgG1イソタイプFasモノクローナル抗体のいくつかが、溶液に加えられた場合に はCH-11によって誘導される細胞溶解過程を阻害するかどうかを調べるために、 更に進められた。実施例5に述べるブロッキングアッセイを用い、51Crラベルし たジャーカット細胞と、ジャーカット細胞を溶解することが知られている一定濃 度のCH-11とともに、段階的に希釈したIgG1Fas抗体を一夜インキュベーションし 、オーバーナイト51Cr遊離アッセイによって、溶解した細胞からの51Crの遊離を アッセイした。この細胞溶解性に関する結果は、表1に示されている。この結果 は、Fasを発現する細胞に対するCH-11の結合を部分的に阻害する性質と一致して 、いくつかのモノクローナル抗体がCH-11を介する細胞溶解を阻害することを示 している。他方、huFas M38モノクローナル抗体はCH-11の結合阻害は示さないが 、CH-11によって誘導される標的細胞の溶解は効果的に阻害した。従って、huFas M38は、CH-11抗体によって認識されないエピトープに結合することによって、C H-11を介した標的細胞の溶解を阻害すると考えられる。 細胞溶解性実験は、またM31とM33モノクローナル抗体は細胞表面Fasに結合す るが、アポトーシスを誘導、阻害いずれもしないことを示している。したがって 、それらはおそらく情報伝達経路に関わらないエピトープを認識しているのだろ う。さらにM23とM33抗体は、細胞表面Fasに対するCH-11の結合の実質的な阻害を 仲介しているが、溶液中及び固層においては、Fasを発現している標的の溶解を 仲介していない。また、それらはCH-11によって仲介される標的の溶解も阻害し ない。したがって、CH-11によって認識されるものと類似のエピトープへ結合す ることは、ある抗体がアポトーシスを直接仲介するか、あるいはCH-11が介する アポトーシスを阻害するかを予想する助けにはならない。 モノクローナル抗体huFas M3は固定化された場合、強い溶解性を持つが、可溶 性の状態では細胞を溶解せず、またCH-11モノクローナル抗体によって誘導され る細胞溶解を阻害した。これは、huFas M3がプラスチックに結合している場合は CH-11作動薬(agonist)として機能するが、可溶化した状態で加えられると拮抗 薬(antagonist)として働くことを示している。溶液中で拮抗的な性質を示す抗 体は、正常な免疫応答におけるFasの機能を決定する上で極めて有用である。 実施例6で述べるフローサイトメトリーと2色染色法は、Fasモノクローナル 抗体の、Tリンパ球への結合能を評価するために用いられた。好中球、単球、SA C活性化B細胞及びPHA誘導T芽細胞への特異的な結合が検出されたが、実施例2 で述べるオーバーナイト51Cr遊離アッセイにおいて、可溶性もしくは固定化され たhuFasモノクローナル抗体と培養した場合、これらの細胞タイプのいずれも細 胞溶解を起こさなかった。これらの結果は、PHA芽細胞がFasを高発現しているが 、huFasモノクローナル抗体に実際にさらされても細胞に何等の悪影響を及ぼさ ないことを示した、最近発表されたデータを支持するものである。T.ミヤワキら 、J.Immunol.,149; 3753-58(1992)。 もうひとつのNGFR/TNFR族のメンバーであるCD27に対するモノクローナル抗体 が、T細胞の増殖を共同刺激することが示されているとして(R.A.W.ヴァン・リ アーら、J.Immunol.,139: 1589-96(1987))、固定化されたIgG1イソタイプhuF asモノクローナル抗体が、固層のCD3モノクローナル抗体とともにT細胞を共同 刺激するか調べるために、T細胞共同刺激アッセイが用いられた。これを行なう ために、実施例6で述べるT細胞共同刺激アッセイが用いられた。huFasモノク ローナル抗体の完全なパネルを用いて得られた結果が、表1に要約されている。 全てではないが、いくつかのIgG1イソタイプhuFasモノクローナル抗体が、IL-2 と同等もしくはそれ以上に強いT細胞共同刺激能を示すことが見つかった。例え ば、huFas M38は100ng/mlの低濃度でT細胞の増殖を共同刺激した(第1図)。C H-11を含むhuFasモノクローナル抗体は、固定化された場合のみT細胞を共同刺 激するが、溶液として培養に加えられると共同刺激しなかった。IgG1イソタイプ Fasモノクローナル抗体の大部分について、Fasを発現する細胞系列の溶解誘導能 は、T細胞の共同刺激活性と相関があった。しかし、huFas M35とM38はT細胞増 殖の強力な共同剌激薬であるが、細胞溶解アッセイではほとんど、あるいは全く 活性を持たなかった。それと対照的に、CH-11モノクローナル抗体は、溶液に添 加された際にはジャーカットおよびMP-1標的細胞を溶解するが、培養ウェルに固 定化されると、CD3モノクローナル抗体とともにT細胞を共同刺激するのみであ った。胸腺細胞がFasを発現するとして、末梢血T細胞について上で簡単に説明 した方法を用いて、胸腺細胞の共同刺激能を調べた。E.ルヴィエら、J.Exp.Me d,177: 195-200(1993)の結果が、Fasが4時間の51Cr遊離アッセイにおいて正常 のネズミ胸腺細胞の溶解を仲介することができると示唆しているが、本明細書で は、CD3モノクローナル抗体存在下で、固定化したhuFas M38モノクローナル抗体 によって、ヒト胸腺細胞が増殖に関して共同剌激を受けた(第1図B)。従って 、胸腺細胞のサブセットがFasによって仲介されるシグナルに対して、異なった 応答をする可能性がある。 Fasモノクローナル抗体のヒトT細胞に対する効果を更に詳細に分析するため に、huFasモノクローナル抗体による末梢血T細胞の共同刺激がT細胞活性化分 子の発現を促進することを伴うのかを調べるために、本明細書に記載されたフロ ーサイトメトリーとT細胞共同刺激アッセイが用いられた。初期活性化抗原CD69 およびIL-2受容体CD25の低親和性鎖であるp55などの2種類の分子が、CD3モノク ローナル抗体のみを用いた場合に比べ、huFas M38とCD3モノクローナル抗体で刺 激した末梢血T細胞について、強い促進効果を示した(第2図Aから第2図D) 。実施例7に記載されている培養したT細胞の2色染色法とフローサイトメトリ ー法は、huFas M38がCD25の発現を促進し、CD69がCD4+とCD8+T細胞で検出され る ことを示した。CD3モノクローナル抗体存在下で固定化したhuFas M38によるFas の連結もまた、接着性分子であるCD11a(LFA-1)、CD18及びCD54(ICAM-1)の発現の 適度な増加を誘導した。 実施例7に記載されたサイトカイニン・アッセイ法が行なわれた。CD3モノク ローナル抗体と組み合せると、huFasモノクローナル抗体のいくつかはT細胞を 共同刺激することができ(表1)、それはIL-2非依存的である。上述及び実施例 6と実施例7に記載されたT細胞共同刺激ならびにサイトカイニン・アッセイは 、Fasが特定の形質転換した細胞系列でアポトーシスを誘導するばかりでなく、 新鮮な単離T細胞の共同刺激にも関与していることを示している。大部分のIgG1 イソタイプのFasモノクローナル抗体について、Fasを発現する細胞系列の溶解誘 導能は、T細胞に対する共同刺激活性と相関を示した。しかし、huFas M35とM38 は強力なT細胞共同刺激因子であるが、細胞溶解アッセイにおいては殆ど、ある いは全くの活性を持たなかった。データは、CH-11モノクローナル抗体は溶液に 添加された際にはジャーカット及びMP-1標的細胞を溶解できるが、培養ウェルに 固定化された場合には、CD3モノクローナル抗体とともにT細胞を共同刺激する だけであることを示した。総合すると、これらのデータはFasによって仲介され る活性化及びアポトーシス経路を調節するシグナルが極めて異なるか、あるいは シグナルへの異なる感受性を含むかもしれないことを示唆している。 実施例7で報告されているM38の結果は、T細胞の増殖を共同剌激できる他の 抗体にも、同様に適用できると信じられている。したがって、モノクローナル抗 体M1、M2、M3、M23、M24、M35及びM38は、IL-2と独立に、固定化したCD3モノク ローナル抗体共存下でT細胞の増殖を共同刺激すると信じられている。 T細胞の活性化においてT細胞がFasモノクローナル抗体の直接の標的である か、あるいは付随細胞との相互作用が必要であるかを知るために、実施例8に記 載される限界希釈分析が用いられた。加えた細胞数と、陰性を示したウエルの割 合の対数が直線関係にあることから(第4図)、T細胞前駆体がT細胞培養にお ける制限的要素であることが示唆される。huFas M38モノクローナル抗体は、固 定化されたCD3モノクローナル抗体によって増殖刺激されるT細胞の頻度を、有 意に向上させた(表3)。このデータは、Fas M38モノクローナル抗体が付随細 胞あるいは他の細胞タイプの関与を必要としないT細胞に、直接的な共同刺激効 果を持つことを示している。これに加え、このデータは高濃度培養において観察 される、huFas M38モノクローナル抗体の効果が、応答するT細胞の頻度と、T 細胞クローンのサイズを増加する事を示している。 実施例9に記載される高感度な3段階フローサイトメトリー法を用い、本明細 書の実施例1にしたがって調製されたFas/Fc融合タンパク質が、PMAとイノマイ シンによる刺激に続いて、抗腫瘍CTL系列(B10抗B10.5)の表面に特異的に結合 することが見いだされた。この結合アッセイを用いて検出された決定因子がFas- Lであるという支援的な証拠は、活性化された細胞がFas細胞表面受容体を発現す る標的細胞の溶解を仲介し、この溶解が中和性huFasモノクローナル抗体によっ て完全に阻害されるという事実によって提供される(表1及び実施例10)。例 えば、huFas特異的M3モノクローナル抗体は、前駆型CH-11モノクローナル抗体に よる標的細胞のFasを介した溶解を止めるのみならず、PMAとイノマイシンによっ て刺激されたB10抗B10.5細胞によるジャーカット標的細胞の溶解も完全に阻害し た。また、アポトーシス過程に伴う、特徴的なDNA梯子状パターンは活性化さ れたB10抗B10.5細胞によって誘導され、これもまたバイオアッセイにhuFas M3モ ノクローナル抗体を添加することによって完全に阻害された。huFas M3モノクロ ーナル抗体はFasを発現する標的細胞に結合するが、Fas-Lを発現する作用細胞に は結合しないため、このモノクローナル抗体が非Fas受容体経路を介して機能す るB10抗B10.5細胞の細胞毒活性の発現を非特異的に阻害している可能性は除外で きる。標的細胞によって発現される他の抗原に対するモノクローナル抗体は、活 性化されたCTLによって仲介されるジャーカット標的細胞のアポトーシスには何 等の効果も示さなかった。 さらに(huFas M31などの)CH-11抗体による標的細胞の溶解を阻害しない抗hu Fasモノクローナル抗体もまた、活性化されたB10抗B10.5細胞による溶解を阻害 しなかったことは、これらのモノクローナル抗体の阻害効果がエピトープ特異性 を有することを示すものである。最後に、他の細胞表面受容体の融合タンパク質 はそうではないが、huFas/Fc融合タンパク質もまた、おそらく、もしそうでなけ れば細胞表面のFasと相互作用し標的細胞のアポトーシスを仲介するところの、F as-Lの活性化部位への競合的な結合により、活性化されたB10抗B10.5細胞による ジャーカット標的細胞の溶解を阻害した。ジャーカット標的細胞およびMP-1標的 細胞は100ng/mlという高濃度でもTNFによる細胞殺傷作用に対して完全に抵抗性 であることが見いだされているため、これらの標的細胞の溶解が細胞表面あるい は可溶性のTNFいずれかによって起こされた可能性は支持されない。Fas-Lは、抗 原特異的なT細胞系列の刺激に続いて誘導及び合成されるが、細胞表面にほんの 一時的に発現されるだけのようである。 活性化誘導されたアポトーシスとFasをクロスリンクすることによって誘導さ れたアポトーシスに因果関係があるかを調べるために、フォルボールエステル( PMA)とカルシウムイオノフォア(イノマイシン)とともに、長期培養されたヒ トCD4+T細胞クローン(TCC)を刺激することにより誘導されたアポトーシスを 阻害する目的で、Fasの拮抗薬が用いられた。細胞の生存率は実施例11に記載 されているトリパン・ブルー色素排除法で調べられた。培地のみ、あるいはFas M8モノクローナル抗体を含む培地で培養されたTCCに比べると、PMAとイノマイシ ンを含む培地で培養されたTCCでは、細胞の生存率に顕著な低下が観察された。 この効果は、PMAとイノマイシンを含む培地で培養されたTCCに、Fas M3モノクロ ーナル抗体を添加することにより完全に阻害された(第7図A)。 後の実験において、アポトーシスはTCR/CD3複合体によって、またはTCCをPHA あるいはPMAとイノマイシンとともに培養することによって誘導された。実施例 11記載のMTT比色アッセイ法は培地のみ、Fas M3抗体を含む培地、及びIgG1免 疫グロブリンを含む培地で培養したTCCにおけるMTT転換の違いを検出するために 用いられた。可溶性のFas M3モノクローナル抗体は試験された3つの刺激のいず れかによって誘導されたTCCのアポトーシスを実質的に阻害するが、対照であるI gG1免疫グロブリンの添加は何の影響も与えなかった(第7図B)。 最後に、TCCの自殺の阻害がFasとそのリガンドの相互作用による干渉作用によ るのか、あるいはFas M3モノクローナル抗体がT細胞に直接シグナルを与えるの かを調べるために、huFas/Fc融合タンパク質が用いられた。huFas/Fc融合タンパ ク質は、Fas M3モノクローナル抗体と同様に、活性化誘導アポトーシスを阻害し たが、対照として用いたIgG1免疫グロブリンは何の影響も与えなかった(第7図 C)。したがって、このデータは活性化誘導されたTCCにおけるアポトーシスが 、少なくとも部分的にはFasとそのリガンドとの相互作用にって仲介されるとい う解釈と一致する。 本発明は、上で記載された及び表1に挙げられたモノクローナル抗体ならびに 、これらの抗体を提供する。実施例10に記載されるように、モノクローナル抗 体M3とM38のF(ab)'2断片は、Fas抗原を有する細胞のFas-Lを介した溶解阻害アッ セイにおいて、それと対応する抗体全体と同じ性質を示した。抗体断片は、抗体 全体の酵素処理を含む方法、あるいは組み換えDNA技術を含む既知の方法によ って生産することができる。 本発明のIgG1イソタイプFasモノクローナル抗体、結合タンパク質及び精製さ れたhuFas/Fc融合タンパク質は、多数の利用法を持つ。例えば、IgG1イソタイプ Fasモノクローナル抗体は、細胞培養中及びFas抗原を精製するためのアフィニテ ィークロマトグラフィーにおいて、Fasの存在を検出するために用いることがで きる。抗体はまた、Fas抗原をもつ細胞をソーティングするために、あるいはFas 抗原をもつ細胞を組織化学的に染色するために、フローサイトメトリーで利用す ることも出来る。簡単に述べると、細胞上のFas抗原を検出するためにその細胞 を、Fasに特異的に結合する標識されたモノクローナル抗体とともにインキュベ ーションし、続いて結合した抗体の存在が検出する。また、これらのステップは 、結合しなかった抗体を除くための洗浄などの、追加ステップを用いて完了して もよい。本発明において用いるのに適したラベルは、他のものを含む、フルオレ ッセイン・イソチオシアネート(FITC)、フィコエリスリン(PE)、ホース・ラディ ッシュ・パーオキシダーゼ(HRP)、放射性ヌクレオチドならびにコロイド状の金 を含む、当該分野においてよく知られたものである。また、ビオチンとそれに続 くFITC、あるいはより好ましくはPEまたはHRPを結合したストレプトアビジンに よる第2段階処理も用いてもよい。フローサイトメトリーで用いるのに特に好ま しいのは、ケルトカンプ(Keltkamp)、Immunology,18: 865-873(1970)の方法に よる、精製抗体に結合することができるFITCである。また、ケルトカンプ、Immu nology,18: 875-881(1970)とゴーディング(Goding)、Immunol.Methods,13215 -226(1970)を参照のこと。組織化学的染色にはHRPが好ましく、ナカネ(Nakane) とカワオ イ(Kawaoi)、J.Histochem.Cytochem.,22: 1084-1091(1974)、の方法により精 製抗体に結合することが出来る。ティジュセン(Tijssen)とカースターク(Kursta k)、Anal.Biochem.,136: 451-457(1984)も参照のこと。さらにこの抗体には、 それに結合した細胞毒性物質をFas+細胞に輸送するための担体としての利用法も ある。表1に挙げたモノクローナル抗体並びに該抗体に連結された診断または治 療薬からなる凝集物が、本明細書で提供される。 IgG1イソタイプFasモノクローナル抗体と結合タンパク質は、Fasの生物学的活 性の阻害効果を調べまた免疫系の異常の病因を調べるための研究手法として用い ることもできる。こうした異常は、以下に限定するものではないが、全身性エリ テマトーデス(SLE)、リューマチ、関節症状によって特徴つけられる他の病気( 例えばライム病)、特発性CD4+T細胞リンパ球減少症およびヒト免疫不全ウイル ス(HIV)の感染を含む。上述のように、lpr変異をホモに持つマウスはFas抗原遺 伝子に欠損を持ち、アポトーシスシグナルを伝達できる正常な機能的Fasタンパ ク質を発現しない(ワタナベ-フクナガら、Nature 356: 314-17,1992)。これ らのマウスはリンパ節および脾臓におけるCD4- CD8-T細胞の蓄積、免疫グロブ リン過多症、自己抗体生産、リューマチ因子、関節炎および糸球体腎炎によって 特徴つけられる異常を進行させる。前出引用文献参照のこと。本発明の抗体は、 lpr変異に関係した異常の研究における使用法もある。 精製されたIgG1イソタイプFasモノクローナル抗体と結合タンパク質は、また 、in vivoでのFas-LのFas抗原への結合を阻害するかあるいは、in vivoでFas抗 原を持つ細胞の不活性化または共同刺激化に治療目的で使用することもできる。 好ましい態様において、抗体は、例えば上で述べたように特異的なネズミモノク ローナル抗体の抗原結合部位をヒトモノクローナル抗体に転移させることによっ て、免疫学的な検出を逃れるように修飾される。特に好ましいのは、ヒトFas抗 原に対する抗体もしくは結合タンパク質、および生理学的に受容可能な担体また は希釈剤を含む薬剤組成物の利用である。他のもののうち、適した担体または希 釈剤は、中性の緩衝生理食塩水または非特異的なアルブミンを含む生理食塩水で ある。ざらに、治療用組成物には緩衝液剤、例えばブドウ糖、ショ糖若しくはデ キストロースを含む炭水化物、EDTAなどのキレート剤またはさまざまな保存剤な どの、 賦形剤または安定化剤も更に含んでもよい。投薬の量と回数は処置に対する反応 の性質と程度、求められる反応の度合および患者の状態などの因子に依存するが 、適切な投与量は、臨床実験によって決定されるであろう。 また抗体は、患者に投与された可溶性のFas抗原が循環しているかをモニタす るため、あるいは患者のin vivoのFasレベルを測定するために用いてもよい。好 ましい態様において、2因子法あるいはサンドイッチアッセイがFas抗原を検出 するために用いられる。簡単には、可溶性のFas抗原を含むと思われる血清を、 上述のようにモノクローナル抗体をもつ固層とともにインキュベーションし、結 合が起きるために充分な条件と時間だけ保持する。他のものの中で、ELISAプレ ート(Linbro,McLean,Va.)、ニトロセルロース(Millipore Corp.Bedford, Mass.)、ビーズ(Polysciences,Warrington,Penn.)及び磁気ビーズ(Robbin Scientific,Mountain View,Calif.)を含む、多くの固層が当該分野では知ら れている。それに加え、このモノクローナル抗体は、当業者によく知られる技術 によって、容易に固層に固定されるだろう(Antibodies: A Laboratory Manual ,ハーロウとレーン編、Cold Spring Harbor Laboratory Press(1988)を参照の こと)。次に、この固層を結合が充分に起きるような条件と時間だけ、ヒトFas 抗原に特異的な標識された2次モノクローナル抗体とともにインキュベーション し、その後、結合した標識された抗体の存在が検出することができる。 特に好ましい態様において、モノクローナル抗体は96ウェルプレートのよう な固定支持体にコートされる。続いて、このプレートは牛血清アルブミンまたは 脱脂粉乳などのタンパク質で約30分間ブロックされる。患者から採取した血液 はリン酸緩衝生理食塩水で希釈され、結合が起きるのに充分な条件と時間--一般 に約30分間ウエル内でインキュベーションされる。それに続いて、そのプレー トは洗浄し、異なるFas抗原エピトープに特異的な標識された2次モノクローナ ル抗体をウエルに添加し、上述のようにインキュベーションする。異なるFas抗 原エピトープに体する抗体は、交叉阻害アッセイの利用によって決定できる。次 に、そのウェルを2次標識抗体の存在について調べる。2次標識抗体の存在は、 患者の血清中にFas抗原が存在することを示す。通常の知識を有する当業者に理 解されるように、上述のアッセイで用いられるモノクローナル抗体は、ヒトFas 抗原に特異的なポリクローナル抗体あるいは結合タンパク質を代りにしてもよい 。 本発明の特定のモノクローナル抗体は、Fas-Lを介したFas抗原を有する細胞の アポトーシスを阻害することが求められる場合に有用である。mAbは内因性Fas-L が細胞のFas抗原に結合するのをブロックできる。Fas-Lを介する細胞殺傷に拮抗 的な性質を示すmAbsのうち、M3とM38 mAbsは最も強力のようであり、したがって 、この場合の使用に好ましい。表1に示されるように、M3とM38は、最も高いレ ベルのFas+細胞のFas-Lを介した溶解阻害を示した。 活性化されたヒトT細胞は、CD3/T細胞受容体複合体を通して引き起こされた 場合、つまり活性化誘導細胞死(AICD)と呼ばれる過程ではプログラムされた細 胞死(アポトーシス)を行なうために誘導される。AICDは、HIVに感染者から単 離した新鮮なT細胞で観察されているが、非感染者からは観察されていない(グ ロー(Groux)ら、J.Exp.Med.,175; 331,1992;メイヤード(Meyaard)ら、Scie nce,257; 217,1992)。したがって、アポトーシスはHIV感染者におけるCD4+T 細胞の消失とAIDSの進行にある役割を担っているかも知れない。 Fas-LがHIV感染におけるT細胞の消失に役割を果たすには、2つの基準が満た されねばならない。第一に、Fas-Lが発現されなければならない、従って、T細 胞が抗原にさらされることによって活性化されなければならない。第二に、T細 胞はFasを介したアポトーシスに感受性となるために”発火(primed)”されねば ならない。HIV+患者においては、そうしたT細胞の刺激は、GP-120/抗GP-120複 合体によるCD4のクロスリンクに由来するかも知れない。このような複合体はin vitroでAICDを起こすために、正常なCD4+T細胞を刺激し、また、T細胞にヒトC D4トランス遺伝子を発現するマウスにおけるアポトーシスを起こさせることが示 されている(ワン(Wang)ら、Eur.J.Immunol.,24: 1533,1994)。加えて、CD 4+T細胞はCD4に対する抗体で処理されたマウスにおいてアポトーシス様細胞死 を起こすが、この現象はFasを欠損したLPRマウスでは起きない(ワンら、Eur.J .Immunol.,24: 1549,1994)。活性化された正常なヒトT細胞(PL-1細胞など )で見られるAICDとHIV+個体から単離された新鮮なT細胞におけるAICDは、その 性質において同一である。したがって、可溶性の(つまり固定化されていない) Fa s M3あるいは可溶性のFas M38などのFas拮抗剤を用いた、HIV感染者に対する治 療的干渉が可能かも知れない。 (可溶性のFas M3および可溶性のFas M38などの)拮抗的Fas抗体のもうひとつ の利用法は、養子的免疫療法のためのT細胞のex vivo拡大培養におけるもので ある。腫瘍浸潤性リンパ球(TIL)と細胞溶解性T細胞(CTL)の拡大培養におけ る制限的な段階のひとつは、これらの細胞がin vitroではほんの僅かな時間しか 増殖できず、これはおそらくAICDのためであろう。したがって、拮抗的Fas抗体 は、これらのT細胞をin vitroでより長い期間培養し、養子縁組的移植のための より多くの細胞を得るために用いられる。 T細胞は、ex vivo拡大培養の段階でFasモノクローナル抗体と接触させられる 。このT細胞は抗体単独と、あるいはサイトカイニンまたはT細胞の増殖あるい は他の生物学的効果を促進する因子とともに抗体と接触できる。本発明の一つの 態様において、T細胞は、ex vivo拡大培養段階の間、Fas抗体及びIL-2の存在下 で培養される。養子縁組的な免疫療法は記載されている。例えば、ローゼンバー ガー,S.A.、”Adoptive Immunotherapy for Cancer”、Scientific American ,pp.62-69,May,1990;及び、本明細書で引用文献として取り入れれている米 国特許第5,229,115号を参照のこと。 治療的な利用には、本発明の精製されたhuFas/Fc融合タンパク質、あるいはIg G1イソタイプFasモノクローナル抗体が、患者、好ましくはヒトに、指示に合っ た方法で処置するために投与される。従って、例えば薬学的な組成物は、静脈、 巨丸剤の注入、連続的な点滴、移植片からの持続的な放出あるいは他に適した技 術によって投薬することが出来る。本発明のFas特異的mAbsを用いた治療処置が 有効かもしれない病気は、以下に限定しないが、SLE、リューマチ性関節炎、ラ イム病、突発性CD4+Tリンパ球減少症およびヒト免疫不全症ウイルス(HIV)感 染の影響などを含む。本発明の一つの態様は、治療的に有効量のモノクローナル 抗体M3あるいはM38と希釈剤または担体を含む組成物を、そうした病気に悩む患 者に対して投与することからなる、そのような病気の治療法に向けられている。 こうした組成物は、Fas-Lが介するアポトーシスの抑制が求められる他の異常に おける利用法もある。 Fas/Fc融合タンパク質と適当な希釈剤あるいは担体からなる組成物もまた、本 明細書で提供される。そのような組成物は、Fas-Lを介したFas抗原を発現する細 胞の溶解阻害に用いられる。薬学的組成物において用いられるFas/Fc融合タンパ ク質は精製されるべきであり、その中でFas/Fc融合タンパク質は天然あるいは内 在性由来の他のタンパク質を実質的には含まず、また、製造過程でのタンパク質 残留物の重量の約1%以下である。しかし、こうした組成物は安定化剤、担体、 賦形剤あるいは共治療薬として添加された他のタンパク質を含むことが出来る。 Fas/Fc融合タンパク質は、好ましくは実質的に均一となるまで、すなわち、銀染 色によるポリアクリルアミドゲルの単一のタンパク質バンドとして検出されるま で精製される。 以下の実施例は、特定の態様を説明するために提供されるものであって、本発 明の範囲を限定するものではない。 実施例1 可溶性huFas/Fc融合タンパク質の調製 可溶性huFas/Fc融合タンパク質は、huFasタンパク質の細胞外ドメインをヒトI gG1のFc領域に連結することによって、pDC406哺乳類発現ベクターに構築された 。プラスミドpDC406(C.J.マクマハン(McMahan)ら、EMBO J.,10(10): 2821-3 2(1991))は、哺乳動物細胞と大腸菌内で複製する発現ベクターである。 前出のイトウらによって発表されたhuFas配列に基づいて、huFasの細胞外領域 をコードするcDNA断片がポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を用いて増幅された 。PCR反応で増幅された求めるDNA断片は、huFasのシグナル配列全体と細胞外ド メインをコードする配列の上流にあるAsp718部位とBglII部位を含む。PCRで鋳型 として用いられたcDNAは、II-23(C.F.ウェア(Ware)ら、Lymphokine Res.,5: 3 13-24(1986))と呼ばれるヒトT細胞ハイブリドーマから単離されたRNAで合成さ れたcDNAであった。 PCR反応で用いられた5’プライマー(SEQ ID NO1)は、次の配列の一本鎖オ リゴヌクレオチドであった: この5’プライマーは、イトウらに示された翻訳開始コドンATG(二重下線)の 8ヌクレオチド上流から始まる、huFasヌクレオチド配列の23ヌクレオチドか らなる配列の上流にある制限酵素Asp718(下線)に対する認識部位を含む。 PCR反応で用いられた3’プライマー(SEQ ID NO2)は、次の配列の一本鎖オ リゴヌクレオチドであった: この3’プライマーは、huFasの細胞外ドメインの最後の7アミノ酸と、huFasの 細胞膜貫通ドメインの最初のアミノ酸をコードする、イトウらに示された配列に 相補的な24ヌクレオチトの配列である。この3’プライマーは、Fcをコードす る遺伝子をコードするDNA配列を連結するために用いる制限酵素BglIIのための認 識部位(下線)を含む。 当業者は、サルキ(Sarki)ら、Science 239: 487-491(1988);ウー(Wu)ら 編、Recombinant DNA Methodology,pp.189-196,Academic Press Inc.,San D iego(1989);およびイニス(Innis)ら編、PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications,Academic Press,Inc.(1990)に記載されたものを含む、多 くのPCR反応法が、適当な方法であることを認識するであろうが;しかし、次のP CR法が、単なる例として提供される。10ulの10X PCR緩衝液(500mM KCl,100mM Tris-HCl,25℃でpH8.3,25mM MgCl2と1mg/mlゼラチン)(Perkins-Elmer Cetus ,Norwalk,CN)、8ulのそれぞれのdNTP(2mM dATP,2mM dCTP,2mM dGTP,2mM dTTP)を含む2.5mM溶液、2.5ユニット(標準的な5000ユニット/ml溶液を0.5ul )のTaq DNAポリメラーゼ(Perkins-Elmer Cetus)、1ngの鋳型DNA、100pmolの それぞれのオリゴヌクレオチドプライマー、および水を加えて100ulにし、これ を0.5mlのエッペンドルフ微量遠心管にPCR試薬として添加した。次に、この最終 的な混合物に100ulのパラフィンオイルを重層する。PCRはDNAサーマルサイクラ ー(Ericomp,San Diego,CA)を用いて行なう。 好ましい方法において、鋳型は94℃で4分間変性され、続いて94℃で1分 間(変性)、55℃で1分間(アニーリング)、72℃で2分間(伸長反応)の 条件で5サイクル行なわれ;続いて94℃で1分間、65℃で1分間、72℃で 2分間、30サイクル行なわれ;最後のサイクルに続いて72℃で5分間最終伸 長反応が行なわれた。PCR産物は、Asp718とBglIIで切断され、必要な断片がゲル 電気泳動で精製された。 ヒトIgG1抗体Fc断片をコードするDNA配列は、可溶性のFas/Fc融合タンパク質 を作るために、以下のようにして調製され、huFasをコードするDNA断片に融合さ れた。ヒトIgG1抗体のFc領域由来の一本鎖ポリペプチドをコードするDNAは、pBL UESCRIPT SK(登録商標)ベクター(Stratagene Cloning Systems,La Jolla,C alifornia)のSpeI部位にクローニングされた。このプラスミドベクターは、大 腸菌で複製可能で、21の単一の制限酵素部位からなるポリリンカー断片を含む 。 クローン化されたFc cDNAコード配列のDNA配列は、配列番号3に示されている。 単一のBglII部位は、挿入されたFcをコードする配列の5'端、即ち配列番号3の ヌクレオチド1から6まで(AGATCT)に導入された。 DNAによってコードされるFcポリペプチドは、N端ヒンジ領域から本来のC端 、つまり全長の抗体Fc領域にわたっている。Fc配列を含む組換え型ベクターは、 BglII(これは配列番号3の核酸1から6の、単一のBglII部位のみで切断する) と、NotI(これはFc cDNA挿入断片の下流のマルチクローニングサイトでベクタ ーを切断する)で切断される。Fcをコードする断片(約700塩基対)は、LMT アガロースゲル電気泳動を用いる従来の方法で単離された。 上述のようにして調製された、Asp718/BglII huFasをコードするDNA断片とBgl II/NotI FcをコードするDNA断片は、最初にpDC302発現ベクターに連結された。 ベクターとFc及びhuFas DNA断片を連結する3断片ライゲーションが、従来の方 法で行なわれ、大腸菌細胞がこのライゲーション混合液で形質転換された。求め る方向(つまりhuFas配列は、配列番号4に示されたように、下流のFc配列と同 じ読み枠となるように融合された)の挿入断片を含む、組換え型プラスミドが単 離された。配列番号4は、huFasの翻訳開始コドンATGのすぐ上流の8ヌクレオチ ド、並びにhuFasの細胞外ドメインをコードする全てのヌクレオチド(最後の3 ヌクレオチドを除く)を含む。配列番号4はまた、配列番号3の全てのヌクレオ チド(最初の6ヌクレオチドを除く)を含む。 その後、Asp718/NotI DNA挿入断片がpDC302/huFas/Fc構築物から単離され、そ の末端はクレノーで平滑化され、そのDNA挿入断片はCV-1/EBNA細胞への大規模な トランスフェクションが可能なように、pDC406にクローニングされた。Fas/Fc融 合分子は、一般にあまりに巨大でかつ複雑であり、原核細胞の発現系では合成で きないため、組換え型哺乳類細胞培養において合成されることが好ましい。受容 体/Fc融合タンパク質の発現に適した哺乳動物細胞の例は、CV-1細胞(ATCC CCL 70)とCOS-7細胞(ATCC CRL 1651)を含む。CV-1とCOS-7細胞はどちらも、サル の腎臓由来である。 DNA構築物pDC406/huFas/Fcは、サル腎臓細胞系列CV-1/EBNA(ATCC CRL 10478) に形質転換された。CV-1/EBNA細胞系列は、C.J.マクマハンら、EMBO J.,10(1 0): 2821-32(1991)によって記載されたように、エプスタイン-バール(Epstein-B arr)ウイルス核抗原-1(EBNA-1)をコードする遺伝子で形質転換されたCV-1細胞系 列(ATCCC CL 70)に由来し、ヒトCMV中期-初期エンハンサー/プロモーターに よってEBNA-1を恒常的に発現する。EBNA-1遺伝子は、EBV複製開始点を含むpDC40 6のような発現ベクターの、染色体外での複製を可能にする。CV-1/EBNAのような 哺乳類宿主細胞では、huFas/Fc融合タンパク質は、HIVトランス活性化領域(TAR )プロモーターから発現される。 pDC406/huFas/Fcベクターで形質転換されたCV-1/EBNA細胞は、融合タンパク質 の一時的な発現を可能にするために、回転瓶内で培養され、その融合タンパク質 はFasシグナルペプチドを介して培地に分泌される。huFas/Fc融合タンパク質は アフィニティークロマトグラフィーで精製された:huFas/Fc融合タンパク質を含 む1リットルの培養液上清は、上清を(例えば、0.45umフィルターで)漉過し、 この漉過物を製造元の指示に従ってプロテインGアフィニティーカラム(Schlei cher and Schuell,Keene,NH)にかけることによって精製された。融合タンパ ク質のFc領域はカラム中のプロテインGによって結合された。結合した融合タン パク質をカラムから溶出し、その精製を銀染色したSDSゲルで確認した。 実施例2 huFasモノクローナル抗体の作製 BALB/cJマウス(The Jackson Laboratory,Bar Harbor,ME)は、フロイント アジュバント中のhuFas/Fcで免疫された。マウスは6回免疫され、その脾臓細胞 は、PBS中に50% PEG/ 10% DMSO存在下で、ネズミ・ミエローマ8.653に融合され 、続いてDMEM/HATとDMEM/HT選択培地で培養された。陽性のウエルから得た上清 を、ELISA法においてビオチン化したhuFas/Fcへの結合能を調べ、かつウエスタ ンブロットとドットブロットにおいてhuFas/Fcに対する反応性を調べた。huFas/ Fcに結合性を有すが、ヒトIgG1には結合しないモノクローナル抗体を産生するハ イブリドーマが、限界希釈を3回行なうことによってクローン化された。全ての モノクローナル抗体(表1)は1gG1イソタイプであることが調べられ、またプロ テイ ンAアフィニティークロマトグラフィーで精製された。 このモノクローナル抗体は、Tリンパ腫ジャーカット細胞(アメリカン・タイ プ・カルチャー・コレクション、Rockville,MD(本明細書では以降「ATCC」) )とEBV B細胞系列であるMP-1によって発現された細胞表面のFasとの反応性も また、フローサイトメトリーで調べられた。MP-1は、当研究室で作製され、偶発 的にEBVで形質転換されたB細胞系列である。細胞系列は、10% FCS、5x10-5M 2- ME、1mM ピルビン酸ナトリウム、0.1mM非必須アミノ酸、50 U/mlのペニシリンお よび50ug/mlのストレプトマイシンを補ったRPMI培養液中を、恒常的に通過させ ることにより維持された。 非特異的なマウスIgの結合を防ぐために、Fasの発現に関して分析される細胞 をまず、2%の正常なウサギ血清と2%の正常ヤギ血清を含むPBSのブロッキング溶 液中4℃でインキュベーションした。細胞をFACS緩衝液(PBS/ 1% FCS/ 0.02%ア ジ化ナトリウム)中で洗浄し、4℃、30分間、適当なモノクローナル抗体(5 μg/ml)とともに全量50ulでインキュベーションした。次に、細胞を洗浄し、4 ℃で30分間、50ulの1:40希釈したヤギ抗マウスIgG-PE(Tago,Burlingame,CA )中でインキュベーションした。培養されたT細胞の2色染色法のために、CD4- PEまたはCD8-PEを、CD25-FITCまたはCD69-FITCモノクローナル抗体とともに用い た。PE-もしくはFITC-と結合したイソタイプの一致する対照抗体とともにインキ ュベーションした細胞の分析のために、四分円(quadrant)がセットされた。FA CScan(Becton-Dickinson)を用いてフローサイトメトリーが行なわれ、104個の 生細胞に関してデータが集められた。 実施例3 CH-11結合の阻害 表1に挙げたFasモノクローナル抗体が、CH-11 Fasモノクローナル抗体のジャ ーカット細胞あるいはMP-1細胞への結合を阻害する能力は、フローサイトメトリ ーでアッセイされた。ジャーカット細胞またはMP-1細胞は、実施例2において上 述のようにブロックされ、試験用の50ug/mlのIgG1 Fasモノクローナル抗体とと もに30分間、4℃でインキュベーションされた。次に、CH-11モノクローナル 抗体(Medical and Biological Laboratories,Magoya,Japan)が5ug/mlの濃度 で添加され、30分間、4℃でインキュベーションされた。細胞は、FACS緩衝液 で2回洗浄され、マウスIgG1と全く交叉反応性を持たない抗マウスIgM-FITC(Ta go)とともにインキュベーションされた。フローサイトメトリーは、FACScan(B ecton-Dickinson)を用いて行なわれ、データが集められた。 IgG1 Fasモノクローナル抗体は、CH-11結合を阻害する能力に関して、huFas M 31とM38モノクローナル抗体について、5%以下の阻害から、最高でhuFas M35モノ クローナル抗体では62.4%阻害までの多様性を示した。 実施例4 Fasを発現する細胞の溶解 オーバーナイト51Cr遊離アッセイは、huFasモノクローナル抗体によって誘導 される細胞溶解を測定するために用いられた。オーバーナイト51Cr遊離アッセイ には、ジャーカットまたはMP-1細胞が、150uCiの51Crとともに1時間、37℃で ラベルされた。溶液中でモノクローナル抗体を調べるために、96ウエルの丸底 プレート(Corning Glass Works,Corning NY)中で、100ulの培地で連続的な希 釈系列が作製された。抗体の固層への結合には、希釈はPBS中で行なわれ、培養 プレート中で、室温で4時間インキュベーションし、続いてPBSで4回洗浄し、 最後の洗浄の後、100ulの培地が添加された。次に100μl培地中に10,000の51 Cr標識した標的が加えられた。37℃で一夜培養した後、プレートを(150gで5 分間)遠心し、上清をスカトロンSCSハーベスティングシステム(Skatron SCS h arvesting system)(Skatron,Sterling VA)を用いて採取した。上清の51Cr含 有量は、マイクロメディックMEプラス・ガンマカウンター(Micromedic ME Plus gamma counter)(Micromedics,Huntsville,TN)で測定された。特異的な51C r遊離率が、次の式によって計算された: 100 X[(実験で得られたcpm)−(自然cpm)]/[(最大cpm)−(自然cpm)] [式中、自然cpmとは培地のみに遊離したcpmであり、最大cpmとは1N塩酸存在下 で遊離するcpmである。] 表1に要約された細胞溶解性のデータは、上述のオーバーナイト51Cr遊離アッ セイを用いて得られた。IgG1イソタイプFasモノクローナル抗体のいくつか(M23 ,M31,M33及びM35)は、溶液中でも固定化されても細胞溶解能を持たない。溶 液で培地に添加した際に、ジャーカット細胞及びMP-1細胞の検出可能な溶解を起 こす唯一のモノクローナル抗体は、huFas M2であった。表1に示されるように、 溶液中のM2はFasを発現する細胞の溶解を10%以上30%以下起こし、試験された他 の抗体は10%以下起こした。しかし、溶液中のhuFas M2が100ng/mlの低濃度で標 的細胞の溶解を誘導するが、1ug/mlで最大51Cr遊離量が17%であるのに対し、同 様な実験で、CH-11(これもまた1ug/ml)で78%であった。 その他のIgG1イソタイプFasモノクローナル抗体(M1,M3,M24とM38)は溶液 中では細胞溶解性ではないが、固定化された場合少なくとも僅かに細胞溶解性で ある。これらのうち、M1とM3は培養プレートに固定化された場合強い細胞溶解性 を示した。例えば、固層のhuFas M3の活性はその抗体が最適な濃度で用いられた 場合に、可溶性のCH-11と同等、あるいはそれ以上であった。表1で示されるよ うに、本発明のモノクローナル抗体は、固定化された場合、Fas発現細胞の10%以 下の溶解を起こすもの30%以下の溶解を起こすもの、50%以下の溶解を起こすもの 、あるいは50%以上の溶解を起こすものとして特徴付けられた。 実施例5 CH-11を介した細胞溶解の阻害 可溶性のIgG1 huFas特異的モノクローナル抗体が、CH-11モノクローナル抗体 によって誘導されたジャーカット細胞またはMP-1細胞の溶解を阻害する能力がア ッセイされた。用いられたブロッキングアッセイは、IgG1 huFas抗体の連続的希 釈系列を作り、51Cr標識したジャーカット細胞またはMP-1細胞、並びにジャーカ ット細胞とMP-1細胞を溶解することが知られる一定濃度(例えば100ng/ml)のCH -1 1を添加し、一夜インキュベーションし、上の実施例4で記載したオーバーナイ ト51Cr遊離アッセイ法を用いて、溶解した細胞から遊離した51Crについてアッセ イすることからなるものであった。その結果は、表1に示されている。 表1に示されるように、本発明は、約10:1のモル比で抗FasCH-11モノクローナ ル抗体によって仲介される細胞溶解を10%以上阻害するモノクローナル抗体を提 供する。本発明の特定のモノクローナル抗体は該細胞溶解を50%以上阻害し、ま たその他のものも該細胞溶解を90%以上阻害した。Fasを発現する細胞へのCH-11 の結合を部分的に阻害する能力と一致して、いくつかのモノクローナル抗体はCH -11を介した細胞溶解を阻害した(表1)。他方で、huFas M38モノクローナル抗 体はCH-11の結合を阻害しなかったが、CH-11によって誘導される標的細胞の溶解 は効果的に阻害した。M23,M31及びM33モノクローナル抗体は、細胞表面のFasに 結合しないし、アポトーシスを誘導も阻害もしないことが分かった。 モノクローナル抗体Fas M3は、固定化されると強い細胞溶解性を示したが、溶 液に加えると細胞を溶解せず、CH-11モノクローナル抗体によって誘導された細 胞溶解を阻害した。これは、huFas M3がプラスチックに結合している場合はCH-1 1作動薬として働くが、溶液状で加えられると、拮抗薬として働くことを示して いる。固定化されたhuFas M3によって誘導された細胞溶解は、可溶性のCH-11に よって誘導されるのと類似のDNAラダー化が、MP-1及びジャーカット細胞で観察 されるというアポトーシスに特徴的なものである。更に、CH-11モノクローナル 抗体によって誘導されたDNAラダー化は、可溶性のhuFas M3を添加することによ って完全に阻害された。他方で、huFas M38モノクローナル抗体はCH-11の結合は 阻害しないが、CH-11によって誘導される標的細胞の溶解を効果的に阻害した。 従って、huFas M38モノクローナル抗体は、CH-11抗体によって認識されないエピ トープに結合することによって、標的細胞のCH-11によるアポトーシスを阻害す るようである。 実施例6 Tリンパ球活性化の共同刺激作用 我々のhuFas特異的なモノクローナル抗体が、新鮮に単離された正常なヒトの 白血球もしくは体細胞分裂刺激物質とともに培養された白血球に結合するかを調 べるために、フローサイトメトリーが用いられた。フローサイトメトリーのため にはFasの発現について調べる細胞をまず、非特異的なマウスIgの結合を避ける ために、2%の正常なウサギ血清と2%の正常な山羊血清を含むPBSのブロッキング 溶液中で、4℃でインキュベーションした。細胞をFACS緩衝液(PBS/ 1% FCS/ 0 .02%アジ化ナトリウム)で洗浄し、適当なモノクローナル抗体(5ug/ml)ととも に、50ulの総容量中において4℃で30分間インキュベーションした。次に、細 胞を洗浄し、1:40希釈のヤギ抗マウスIgG-PE(Tago,Burlingame,CA)50ul中で 、4℃、30分間インキュベーションした。好中球、単球、SAC活性化B細胞及 びPHA活性化T芽細胞への、huFasモノクローナル抗体の特異的な結合が検出され た。加えて、これらのどの細胞タイプも、上の実施例2に記載されたオーバーナ イト51Cr遊離アッセイ法において、可溶性のまたは固定化されたhuFasモノクロ ーナル抗体とともに培養しても、細胞溶解を起こすように誘導されなかった。 T細胞共同刺激アッセイは、固定化されたIgG1イソタイプhuFasモノクローナ ル抗体が、固層のCD3モノクローナル抗体とともにT細胞を共同剌激するかを調 べるために用いられた。T細胞は、2-アミノエチル・イソチオウロニム・ブロミ ド・ハイドロブロミド処理したSRBCでロゼット処理することにより、PBMCから濃 縮された。単球は37℃で1時間、プラスチックへの吸着を行なうことによって 除かれ、それによって得られた細胞集団はフローサイトメトリーによると95% 以上がCD3+であった。末梢血T細胞を上述のモノクローナル抗体であらかじめコ ートした、96ウエルの平底プレート中で、ウエル当り1x105細胞で培養した。 末梢血T細胞は、CD3モノクローナル抗体存在下あるいは非存在下で、固定化さ れたhuFasモノクローナル抗体とともに培養され、3日間5%二酸化炭素の、湿 度を保った環境中で、37℃でインキュベーションされ、luCiの3H-TdRを用いて 最後の6時間パルスラベルされた。次に、ウエルから採取され、取り込まれた放 射能がマトリックス96ベータカウンター(Packard,Meriden,CT)で測定され た。 huFasモノクローナル抗体の完全なパネルを用いて得られたデータが表1に要 約されている。全てではないが、IgG1イソタイプhuFasモノクローナル抗体のう ちのいくつかで、IL-2と同等、あるいはそれ以上の強いT細胞増殖の共同刺激作 用が見られた。例えば、huFas M38モノクローナル抗体は100ng/mlの低濃度でT 細胞を共同刺激した(第1図A)。CH-11を含むhuFasモノクローナル抗体は、固 定化された場合のみT細胞を共同刺激し、溶液で培地に添加されると共同刺激し なかった。IgG1イソタイプFasモノクローナル抗体の大部分について、Fasを発現 する細胞系列の溶解を誘導する能力は、T細胞の共同刺激能に対応した。しかし 、huFas M35及びM38は、T細胞の強力な共同刺激因子だが、細胞溶解アッセイに おいて殆どもしくは全く活性を持たなかった。それとは対照的に、溶液中に添加 された場合、CH-11モノクローナル抗体はジャーカット及びMP-1標的を溶解する が、培養ウエルに固定化された場合は、CD3モノクローナル抗体とともにT細胞 を共同刺激のみすることが出来る。 矯正心臓手術を行なっている赤ん坊から得られ、フィコール密度遠心によって 単離された胸腺細胞もまた、それらがIgG1 huFasモノクローナル抗体によって活 性化されるか調べるために評価された。胸腺細胞は、上述のモノクローナル抗体 であらかじめコートした、96ウエルの平底プレート中で、ウエル当り1x105細 胞で培養された。胸腺細胞は、CD3モノクローナル抗体存在下あるいは非存在下 で、固定化されたhuFasモノクローナル抗体とともに培養され、3日間5%二酸 化炭素の湿度を保った環境中で37℃でインキュベーションされ、luCiの3H-TdR を用いて最後の6時間パルスラベルされた。次に、ウエルから採取され、取り込 まれた放射能がマトリックス96ベータカウンター(Packard,Meriden,CT)で 測定された。ヒト胸腺細胞は、固定化されたCD3モノクローナル抗体存在下で固 定化されたhuFas M38モノクローナル抗体によって増殖共同刺激された(第1図 B)。 ヒトT細胞に対するFasモノクローナル抗体の効果を更に詳細に分析するため に、上述のフローサイトメトリーとT細胞共同刺激アッセイが、huFasモノクロ ーナル抗体による末梢血T細胞の共同刺激が、T細胞活性化因子の発現促進によ ってなされるのかを調べるために用いられた。2つのこうした分子、即ち初期活 性化抗原CD69とIL-2受容体CD25のp55低親和性鎖は、huFas M38モノクローナル抗 体 と固定化されたCD3モノクローナル抗体によって刺激されたCD4+及びCD8+T細胞 において、固定化されたCD3モノクローナル抗体のみの場合と比較して強い促進 を示した(第2図Aから第2図D)。培養されたT細胞の2色染色法のために、 CD4-PEもしくはCD8-PEが、CD25-FITCまたはCD69-FITCモノクローナル抗体ととも に用いられた。PE-及びFITC-結合したイソタイプの一致する対照抗体とインキュ ベーションした細胞の分析によって、四分円(quadrant)がセットされた。FACS can(Becton-Dickinson)を用いてフローサイトメトリーが行なわれ、104の生細 胞についてデータが採取された。CD25とCD69の発現促進が、CD4+及びCD8+T細胞 の両方で検出された。固定化されたCD3モノクローナル抗体共存下での固定化さ れたhuFas M38によるFasの結合はまた、接着性分子であるCD11a(LFA-1)、CD18及 びCD54(ICAM-1)の発現の適当な上昇を誘導した。 実施例7 サイトカインアッセイ Fasモノクローナル抗体によるヒトT細胞の活性化が、可溶性のサイトカイン 産生に依存するかを調べるために、2つの方法が用いられた。第一に、Fasモノ クローナル抗体で共同刺激されたT細胞が、サイトカイン産生を上昇させるかと いう評価がなされた。第二に、T細胞は中和性IL-2抗血清の存在、あるいは非存 在下でFasモノクローナル抗体によって共同刺激された。サイトカインアッセイ には、IL-2産生の測定を行なうための培養は、T細胞によって生産されたIL-2の 利用を避けるために、IL-2R p55モノクローナル抗体存在下で行なわれた。IL-2 レベルは、組換え型ヒトIL-2を標準試料として用い、CTLLバイオアッセイ法(S. ギリス(Gillis)ら、J.Immunol.,120: 2027-32(1978))で測定された。IFN-γ とTNF-αレベルは、M.R.アルダーソン(Alderson)ら、J.Exp.Med.173: 923-30 (1991)によって記載されたように、ELISA法によって測定された。 huFas M38とCD3モノクローナル抗体で刺激されたT細胞は、CD3モノクローナ ル抗体のみで刺激した細胞に比べ、約10倍多いIL-2、IFN-γ及びTNF-αを生産 することが分かった(表2)。第2番目の実験では、細胞は中和性IL-2抗血清共 存下、あるいは非共存下で、huFas M38モノクローナル抗体によって共同刺激さ れた。この抗血清は、広い範囲のIL-2濃度に渡ってT細胞の増殖に対する外因性 のIL-2の効果を完全に中和するが(第3図A)、それはFasモノクローナル抗体 の共同刺激には最小の効果しか持たなかった(第3図B)。 実施例8 限界希釈分析 T細胞の活性化において、T細胞がFasモノクローナル抗体が作用する直接的 な標的であるか、あるいは付随細胞との相互作用が必要であるかという疑問に答 えるために、我々はテラサキ微量培養における限界希釈分析を用い、Fasモノク ローナル抗体に応答性のT細胞の程度を分析した。限界希釈分析では、増殖して いるヒトT細胞前駆体の頻度が、ネズミのT細胞について、E.マラスコフスキ ー(Maraskovsky)ら、Int.Immunol.3(3): 255-64(1991);E.マラスコフスキー ら、Int.Immunol.4(4): 475-85(1992)によって記載されたように、微量培養中 でアッセイされた。この限界希釈分析を用いて、T細胞はhuFas M38モノクロー ナル抗体(10ug/ml)共存下あるいは非共存下で、OKT3(10ug/ml)でプレコートさ れた60ウエルのテラサキ・トレイ中で一晩4℃で培養された。細胞は、総容量 15ulの中IL-2(10ng/ml)存在下で、1ウエル当り1から20細胞の濃度で培養 された。5日間培養後ウエルは倒立対照顕微鏡を用いて、増殖しているT細胞が 存在するか否か視覚的に調べられた。もし少なくとも3つの芽細胞からなる一つ あるいはそれ以上の細胞集団が観察されるか、あるいはもし加えた芽細胞の数よ りもその時点での芽細胞の数が多ければ、そのウエルは陽性とスコアされた。増 殖している前駆体細胞の割合の概算は、C.タスウェル(Taswell)、J.Immunol.1 26: 1614-19(1981)によって記載された最小χ2法を用いて、はじめに加えた細胞 数と陰性のウエルの割合の間のポアソン分布相関関係から決定された。クローン の数の概算は、ウエル当りの細胞数を数え、続いてポアソン分布に基づいてクロ ーンの重複について補正して行なわれた。 はじめに加えた細胞数と陰性ウエルの割合の対数が、直線関係にあることから (第4図)、前駆体T細胞がこの培養中で制限因子であることが示唆される。応 答が異なるT細胞供与体によって変るが、Fas M38は増殖しているT細胞クロー ンの割合を一貫して少なくとも3倍促進し、平均クローンサイズを約2倍増加さ せた(表3)。 実施例9 B10抗-B10.5細胞系列の開発 Fasに対するリガンドを検出するために、高感度の3段階フローサイトメトリ ーアッセイが用いられた。このアッセイではFas-Lの発現について評価されるべ き細胞を、まず総容量20ulとなるように、1%の正常なマウスの血清、50ug/mlの 精製されたラット抗マウスFcRγII(2.4G2)、0.01%のアジ化ナトリウムを含むFAC S緩衝液中、(96ウエルのミクロタイタープレートのウエル当り5x105細胞)4 ℃でインキュベーションすることによってブロックされた。次に、細胞を表示さ れた融合タンパク質(huCD69/Fc,huIL4R/Fc,HSA/Fc,huFas/Fc又はhuTNFR/Fc) 、続いてビオチン化されたマウス抗huIgG1(Fc特異的;Jackson Laboratories, West Grove,PA)、及びストレプトアビジン-フィコエリスリン(Tago,Burling ame,CA)とともに順次インキュベーションした。最終的な洗浄の後、細胞は10n g/mlのプロピジウム・アイオダイドを含む0.3mlのFACS緩衝液に再懸濁された。 フローサイトメトリーは、FACScan(Becton-Dickinson)を用いて行なわれ、1x1 04個の生細胞に関してデータが集められ、LYSYS IIソフトウェアを用いて分析さ れた。 このアッセイを用いて、PMAとイノマイシンで2時間T細胞を刺激した後、huF as/Fcの長期CD8+ネズミ抗腫瘍T細胞系列(B10抗-B10.5)への、低レベルの結合 が検出された。このB10抗-B10.5細胞系列は、共通遺伝型の線維肉腫(B10.5)( D.H.リンチ(Lynch)とR.E.ミラー(Miller)、Eur.J.Immunol.,21: 1403-10(199 1)と、D.H.リンチら、Eur.J.Immunol.,21: 2977-85(1991))に反応性の、C57 B1/10SnJ(B10)起源のリンパ腫細胞から、次のようにして開発された:マウスは 後ろ足の平に、2-4x106の生きた共通遺伝型の線維肉腫細胞を注入された。8か ら12日後、ドレイニングリンパ節(DLN)が無菌的に摘出され、単細胞懸濁 液となるように溶解された。細胞培養は5%の二酸化炭素を含む湿度を保った3 7℃の空気中で、10%のFBS、2mMグルタミン、1mMピルビン酸ナトリウム、0.1mM 非必須アミノ酸、5x10-5M 2-メルカプトエタノール、50ug/mlストレプトマイシ ン及び50U/mlのペニシリンを補ったRPMI 1640培地中で、1ml当り1.5x106生細胞 (フラスコ当り20ml)となるように縦型の25cm2組織培養フラスコ中で(腫瘍刺 激細胞を添加せずに)確立された。培養4日後得られたCTLを、1ml当り5x105細 胞(1ウエル当り2ml)の濃度となるように、IL-2とIL7(それぞれ2ng/mlと10ng /ml)の混合液を補った培地中で、放射線照射(10,000R)した腫瘍活性化細胞と ともに24ウエルの組織培養プレートで小培養した。次にこの小培養を腫瘍細胞 刺激を加えずに、IL-2とIL-7を含む培地を毎週与えることによって維持した。 B10抗-B10.5細胞もまた、PMAとイノマイシンによる刺激の後、TNFR/Fcに結合 するが、huIL-4R/Fc、huCD69/Fc、あるいはHSA/Fcには結合しないことがわかっ た。これらの細胞はまた、CD27/Fc、4-IBB/Fc、CD40/FcあるいはmuOX40/Fcには 結合しなかった。 さらに追加された研究により、Fas-Lは種々の異なるタイプのネズミおよびヒ トT細胞において誘導され得ることが示された(表4)。しかし、それは調べら れた全てのT細胞系列で誘導される訳ではないようであった。またFas-Lは、マ ウスB細胞系、ヒトB細胞系のいずれでも検出されなかった。我々はヒト末梢血 好中球及びヒト骨髄球、単球細胞系列U937ならびにTHP-1ではFas-Lは検出できな かった。 実施例10 アポトーシスによるFas-Lの評価 オーバーナイト51Cr遊離アッセイ法(実施例4参照)及びアポトーシス過程に 特徴的な標的細胞DNAの「ラダー」状分解パターンの両者が、(1)PMAとイノマ イシンで2時間刺激された後、B10抗-B10.5細胞で検出される細胞表面決定因子 が、ジャーカット細胞あるいはMP-1標的細胞のアポトーシスを仲介する事が出来 るか、また、(2)アポトーシス過程がhuFasモノクローナル抗体によって阻害 されるかを調べるために用いられた。 活性化されたB10抗-B10.5細胞で検出される細胞表面決定因子によって誘導さ れる細胞溶解を測定するために、B10抗-B10.5細胞はホルボールエステルとカル シウム・イオノフォアを含む培地中で2時間インキュベーションすることにより 活性化され、続いて軽く固定(1分間の0.6%ホルムアルデヒド処理)された。固 定した活性型B10抗-B10.5細胞の数を滴定し、活性化因子(effector)と標的細 胞との比が10:1、3:1、1:1、および0.3:1となるように、51Cr標識したジャーカ ット細胞とともに共培養した。この細胞混合液を一晩インキュベーションし、上 の実施例4で記載されたように、溶解した細胞からの51Crの遊離についてアッセ イした。一晩のインキュベーションの後の51Crの内発的な遊離は20.3%であった 。 阻害アッセイにおいてB10抗-B10.5細胞は上述のようにして活性化され、軽く 固定された。固定した活性型B10抗-B10.5細胞の数を滴定し、活性化因子と標的 細胞との比が10:1、3:1、1:1、および0.3:1となるように、培地のみ、あるいはh uFas M3若しくはM31抗体(10ug/ml)を含む培地中で、51Cr標識したジャーカッ ト細胞とともに共培養した。この細胞混合液を一晩インキュベーションし、上の 実施例4で記載されたように、溶解した細胞からの51Crの遊離についてアッセイ した。第5図は、培地のみ(白抜きの四角)、10ug/mlのhuFas M3(白抜きの菱 形)あるいは10ug/mlのhuFas M31(白抜きの丸)モノクローナル抗体と一晩培養 した細胞混合液からの特異的な51Crの遊離を示している。これと平行して行なっ た培養から得られたDNAについて、ゲル電気泳動によってDNA断片化が評価された 。DNA断片化は有意な51Crの遊離が検出された細胞混合液においてのみ観察され た。それぞれの抗体についての結果は、表1に要約されている。表1のデータは 、2つの抗体(M3とM38)が10ug/mlの濃度でFasを発現している細胞のFasリガン ドを介した細胞溶解を90%以上阻害できることを示している。M3とM38のF(ab) '2断片は、Fasリガンドを介したジャーカット細胞の溶解を、対応するM3抗体及 びM38抗体全体と同等のレベルで阻害した。 PMAとイノマイシンによる活性化の直後に、B10抗-B10.5細胞によって発現され る分子がFas-Lであることを確定するために、上述の阻害アッセイで用いた活性 型B10抗-B10.5細胞の溶解活性もまた、培地のみ、あるいは25ug/mlのhuIL4R/Fc 、 huCD30/Fc、huTNFR/Fc、あるいはhuFas/Fc存在下で評価された。標的細胞の溶解 は、huFas/Fc融合タンパク質によって阻害されたか、huIL-4R/Fc、huTNFR/Fc、 またはCD30/Fcでは阻害されなかった(第6図)。 DNAは上述のグループと平行して行なった培養(活性化因子:標的比=2.5:1) から、8時間培養した後に得られ、ゲル電気泳動によってDNA断片化が評価され た。DNA断片化は、有意な51Crの遊離が検出された細胞混合液においてのみ観察 された。 実施例11 T細胞クローンにおけるアポトーシスの阻害 活性化誘導されたアポトーシス及びFasのクロスリンクによって誘導されたア ポトーシスが、因果関係を持つかも知れないかということを決めるために、ホル ボール・エステル(PMA)とカルシウム・イオノフォア(イノマイシン)による 、長期培養されたヒトCD4+T細胞クローン(TCC)の刺激によって誘導されたア ポトーシスを阻害する目的で、Fasの拮抗剤が用いられた。はじめの実験では、 2つの異なるTCC(PL-1とPL-2)が培地のみ、または可溶性Fas M3モノクローナ ル抗体(10ug/ml)を含む培地、またはPMAとイノマイシン(それぞれ5ng/mlと50 0ng/ml)を含む培地、あるいはFas M3モノクローナル抗体(10ug/ml)と、PMA及 びイノマイシン(それぞれ5ng/mlと500ng/ml)を含む培地で培養された。5%の 二酸化炭素を含む湿度を保った37℃の空気中で48時間培養した後、トリパン ブルー排除法によって細胞の生存率が決定された。培地のみあるいはFas M3モノ クローナル抗体を含む培地中で培養したTCCに比べ、PMAとイノマイシンを含む培 地中で培養されたTCCにおいて、細胞の生存率の有意な減少が観察された(第7 図)。この効果は、PMAとイノマイシンを含む培地中で培養されたTCCに、Fas M3 モノクローナル抗体を添加することによって完全に阻害された。 続く実験において、Fas M3モノクローナル抗体はTCR/CD3複合体(OKT3)を用い るか、あるいは、TCCをPHAまたはPMAとイノマイシンとともに培養することによ って誘導されるアポトーシスを阻害するために用いられた。これを行なうために 、 活性なミトコンドリアがテトラゾリウム塩[3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル )-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド](MTTとして知られる)を青色のフ ォルマザン産物に転換する比色アッセイ法が用いられた。96ウェルプレートに 、最終的に容量が100ulとなるように、クローン化されたヒトT細胞(ウエル当 り104細胞)が加えられた。細胞は、上で記載されたようなさまざまな条件で刺 激される。いくつかの培養に対しては、対照のネズミIgG1抗体もしくはhuFas M3 抗体が添加された(最終濃度10ug/ml)。5%の二酸化炭素を含む湿度を保った 37℃の空気中で24時間から48時間培養した後、10ulの5mg/ml MTT溶液がウ エルに添加された。このプレートは、生存しており代謝的に活発な細胞によるMT Tの転換を行なわせるために更に4時間培養される。このインキュベーションに 続き、イソプロパノール中、0.05M塩酸100ulがウエルに添加される。この結果得 られる混合液は、MTTの開裂によって形成される結晶を溶解するために、激しく ピペットで撹拌される。転換の度合は2波長設定(550nm-650nm)を用い、(ELI SA法のためのもののような)ミクロタイタープレート読み取り器において、プレ ートを読み取ることによって決定される。高いOD値(562-620)によって示され るように、高いレベルのMTT転換は、細胞の生存率と代謝活性の増加を示すもの である。 可溶性のFas M3モノクローナル抗体は、可溶性のhuFas M3モノクローナル抗体 を含む培養において、MTT転換レベルの増加(OD562-620の増加)によって示され るように、これらのTCR/CD3複合体(OKT3)のいずれかを用いるか、あるいは、長 期培養されたヒトCD4+T細胞クローン(TCC)をPHA、またはPMAとイノマイシン とともに培養するかによって誘導されるTCCにおけるアポトーシスを実質的に阻 害した(第7図B)。 もう一つの実験においては、TCCの自殺の阻害がFasとそのリガンドとの相互作 用への干渉によるのか、あるいはT細胞に直接信号を送ることによって活性化さ れるhuFas M3モノクローナル抗体によるのかを調べるために、Fas/Fc融合タンパ ク質をhuFas M3モノクローナル抗体及び対照のIgG1免疫グロブリンならびに培地 と比較した。培養は、開始してから24時間及び48時間でアッセイされた。ク ローン化されたヒトT細胞(ウエル当り104細胞)は培地のみ、あるいは対照で あるネズミIgG1抗体を含む培地、huFas M3モノクローナル抗体を含む培地、huIL -4/Fc融合タンパク質を含む培地もしくはhuFas/Fc融合タンパク質を含む培地中 で、PHAで刺激された。5%の二酸化炭素を含む湿度を保った37℃の空気中で 48時間培養した後、MTT転換アッセイが上述のようにして行なわれた。このデ ータは、Fas/Fc融合タンパク質は活性化誘導されたアポトーシスを、huFas M3モ ノクローナル抗体が阻害するのと全く同様に阻害するが、一方IgG1は何の効果も 持たないことを示す(第7図C)。 限界希釈微量培養は、10ng/mlのIL−2とともにウェル当たり約10個の T細胞を用いて確立され、また頻度の概算は単一衝突速度論を仮定してポアソン 分布に由来する。クローンサイズの概算は陽性のウェル当たりの芽細胞数を数え 、クローン重複を補正することによって行われた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI // C12P 21/02 9162−4B C12N 15/00 C (C12P 21/08 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:19) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,CA,JP,KR,N Z

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ヒトFas抗原の細胞外ドメインに特異的に結合し、10倍モル過剰量にお いて、Fas抗原を発現する細胞に対する抗Fas CH-11モノクローナル抗体の結合を 約4%から約62%の範囲で阻害する、IgG1モノクローナル抗体。 2.該モノクローナル抗体がネズミモノクローナル抗体である、請求項1に記 載のモノクローナル抗体。 3.約10:1のモル比で抗Fas CH-11モノクローナル抗体を介した細胞溶解 を10%以上阻害する、請求項2に記載のモノクローナル抗体。 4.約10:1のモル比で抗Fas CH-11モノクローナル抗体を介した細胞溶解 を90%以上阻害する、請求項3に記載のモノクローナル抗体。 5.固定化されたCD3モノクローナル抗体とともに、インターロイキン2とは 独立にT細胞の増殖を共同刺激し、また溶液中で30%以下のFas発現細胞を溶 解する、請求項3に記載のモノクローナル抗体。 6.固定化によってクロスリンクされた場合に50%以下のFas発現細胞を溶 解する、請求項5に記載のモノクローナル抗体。 7.固定化によってクロスリンクされた場合に10%以下のFas発現細胞を溶 解し、また固定化されたCD3モノクローナル抗体とともに、インターロイキン2 と同等、あるいはそれ以上にT細胞の増殖を共同刺激する、請求項6に記載のモ ノクローナル抗体。 8.約10:1のモル比で抗Fas CH-11モノクローナル抗体を介した細胞溶解 を90%以上阻害し、また固定化されたCD3モノクローナル抗体とともに、イン ターロイキン2と同等あるいはそれ以上にT細胞の増殖を共同刺激する、請求項 6に記載のモノクローナル抗体。 9.以下の条件: a)ヒトFas抗原の細胞外ドメインに特異的に結合し、 b)固定化されたCD3モノクローナル抗体とともに、インターロイキン2と 独立にT細胞の増殖を共同刺激し、また、 c)Fasリガンドを介したFas発現細胞の溶解を、少なくとも10%まで阻害 する を満たすIgG1モノクローナル抗体。 10.該モノクローナル抗体がネズミモノクローナル抗体である、請求項9に記 載のモノクローナル抗体。 11.固定化されたCD3モノクローナル抗体とともに、インターロイキン2と同 等あるいはそれ以上にT細胞の増殖を共同刺激する、請求項10に記載のモノク ローナル抗体。 12.溶液中でFas発現細胞の10%以下を溶解する、請求項11に記載のモノ クローナル抗体。 13.固定化によってクロスリンクされた場合Fas発現細胞の30%以下を溶解 する、請求項12に記載のモノクローナル抗体。 14.約10ug/mlの濃度で、Fasリガンドを介したFas発現細胞の溶解を90%以 上阻害する、請求項12に記載のモノクローナル抗体。 15.ハイブリドーマATCC HB 11465によって生産されるモノクローナル抗体M38 及び、M38の生物学的特徴を持つモノクローナル抗体を含むグループから選択さ れるモノクローナル抗体。 16.ヒトFas抗原の細胞外ドメインに特異的に結合し、Fasリガンドを介したFa S発現細胞の溶解を90%以上阻害することができる、IgG1モノクローナル抗体 。 17.該モノクローナル抗体が、抗Fasモノクローナル抗体CH-11を介したFas発 現細胞の溶解を90%以上阻害することができる、請求項16に記載のモノクロ ーナル抗体。 18.請求項1に記載のモノクローナル抗体の抗原結合断片。 19.請求項1に記載のモノクローナル抗体の抗原結合部位及び、IgG4サブクラ スのヒトモノクローナル抗体の定常領域からなる、ヒト型モノクローナル抗体。 20.M3、M38、M3の抗原結合断片、M38の抗原結合断片、M3由来のヒト型mAbs及 び、M38由来のヒト型mAbsからなるグループより選択されるモノクローナル抗体 (mAb)。 21.該mAbが、M38、M38の抗原結合断片、及びM38由来のヒト型mAbsからなるグ ループより選択される、請求項20に記載のモノクローナル抗体。 22.請求項20に記載のmAb及び、生理学的に受容できる希釈剤または担体か らなる組成物。 23.Fasリガンドを介したアポトーシスを抑制するために用いる、請求項22 に記載の組成物。 24.Fas/Fc融合タンパク質及び、生理学的に受容できる希釈剤または担体から なる、Fasリガンドを介したアポトーシスを抑制するために用いる治療用組成物 。
JP7512047A 1993-10-14 1994-10-13 Fas拮抗剤とその利用 Ceased JPH09503672A (ja)

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US13681793A 1993-10-14 1993-10-14
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