【発明の詳細な説明】
活動式ディスプレイ装置
この発明は活動式(animated)ディスプレイ装置に関する。
この発明は、炭酸入り飲料のディスプレイやガスの入った液体のディスプレイ
など、気泡を含んだ液体のディスプレイに特に適しているか、それらに限定され
るわけではない。例としてこれらの応用を参考にしているが、この発明は海中の
風景を描くためのディスプレイ装置や、コップの水の中で錠剤が溶ける作用をシ
ミュレートするためのディスプレイ装置など、その他の応用においても使用でき
ることは即座に理解できよう。
こうしたディスプレイ装置に関しては、得ようとする効果に応じて多くの困難
が存在する。例えば、飲料の表示においては、上昇してくる泡だけでなく、飲料
の表面にしばしば形成される泡の頭部をシミュレートすることが望まれる。シミ
ュレートされたガス入り水のディスプレイにおいては、光にさらされる閉じた循
環環境において、透明な液体の外観を維持することも必要である。特にどの場合
においても、あまり重量が大きくなく、しかも、製造、輸送、メインテナンスが
容易であり、長期間にわたって機能する装置を提供することが必要である。
この発明の目的は、上述した欠点のうちの一つ、あるいは複数を克服し、使用
時において信頼性が高くて効果的なディスプレイ装置を提供することである。
上述したことを考慮して、この発明は、一つの側面においては、
透明あるいは半透明の液体貯蔵容器と、
前記貯蔵容器の中に収容された液体と、
前記液体の中に泡を発生させるための発生装置と、
を有するような活動式ディスプレイ装置に属する。
この液体は貯蔵容器の中の汚染を抑制するようになっていることが好ましい。
発生装置は前記液体の表面に泡の頭部を形成するようになっていることが好まし
い。
貯蔵容器は閉じた環境の中に収容されている開放された貯蔵容器でもよい。こ
れとは違って、貯蔵容器は閉じた容器、あるいは液体やガスが流れるインレット
及び/あるいはアウトレットを有するほぼ閉じた容器てあってもよい。
貯蔵容器は任意の適当な形状を有することができる。例えば、貯蔵容器は飲物
コップやボトル、あるいはカンなど、飲料を飲んだり、かつ/あるいは貯蔵する
ために使用される容器に似た形に形成することができる。
貯蔵容器は、プラスチック材料やアクリル材料、ガラスなどの任意の適当な材
料から形成できる。さらに、貯蔵容器の構造は、一体化されたものでもよいし、
シールされた状態で連結された複数の壁パネルからなっていてもよい。
貯蔵容器の外観にあまり影響することなく、貯蔵容器の中に収容されている液
体の容量をできる限り少なくするために、貯蔵容器のうちの対向する壁は、特に
視線方向において間隔が狭くなっている。
特に液体貯蔵容器などの装置の内側表面におけるかびや菌の成長を抑制するた
めに、装置を形成するために使われる材料には、抗菌添加物が含まれており、か
つ/あるいは抗菌剤がコーティングされている。
ある種の希望する視覚的効果を生じさせるために、貯蔵容器の飲料部分の色な
どを適当な色に色づけされ、かつ/あるいは適当な色のインサートが設けられる
。同様に、深さを錯覚させるために、貯蔵容器の一部には反射材料がコーティン
グされ、かつ/あるいは貯蔵容器に反射性のインサートが設けられる。
貯蔵容器に充填される液体は、動作温度において安定したものであることが好
ましい。例えば、液体は比較的高い引火点と、比較的高い沸点と、かつ/あるい
は比較的高い発火点を有している。この液体は、イソパラフィンなどのオイルで
あることが好ましい。
この液体は透明であっても、色づけされていてもよく、この場合には適当に色
づけされた染料や色剤が液体へ選択的に添加される。例えば、ビールをシミュレ
ートするために使われる液体の場合には、黄色あるいは茶色に色づけされた色剤
が透明な液体に添加される。同様に、黄色と、赤色、青色に色づけされた色剤の
混合物を透明な液体に添加して、コーラを模倣する。
活性(active)液体の場合には、液体に対して抗菌処理が施され、液体貯蔵容器
の壁にかびや菌などが成長しないようにされる。
液体は、所望の目的に適したように液体の特性を修正するための他の材料を含
んでいてもよい。例えば、粘性修正剤を入れて、液体中における泡の上昇速度を
所望の値にすることができる。
合成洗剤等の発泡剤を液体へ添加して、泡の形成を容易にしてもよい。
液体の中に泡を発生するための発生装置は、液体中のディストリビューション
マニホールドへ空気を圧送するための空気ポンプや、液体を沸騰させるための加
熱装置、あるいは液体中に泡を発生するための撹拌装置を有していてもよい。
泡によって運ばれる液体は、例えば遠心分離や、フィルタの利用、あるいは泡
を貯蔵容器と連通した沈澱用タンクへ通すことによって通常の分離方法によって
回収される。
ディスプレイ装置はまた、貯蔵容器、あるいはその上部など貯蔵容器の一部及
び/あるいはその中に収容されている液体を照明するための照明装置を有してい
てもよい。例えば、照明装置には蛍光灯などの光源が設けられている。また、照
明装置には、貯蔵容器の選択された部分へ光を反射するための表面が設けられて
いてもよいし、光が泡の表面で屈折されて液体を照明するようになっていてもよ
い。
このディスプレイ装置は表示(signage)装置を有していてもよい。この表示装
置の上には、宣伝用部材あるいは広告用部材が表示されるか、あるいは取り付け
られる。宣伝用部材は貯蔵容器へ一体化されているか、あるいは取り外し可能な
状態で取り付けられている。ある実施例においては、貯蔵容器は別な機能のディ
スプレイユニットとして供給され、場合によって取り付け用部材を有している。
従って、ディスプレイユニットは、壁に取り付けが行われる広告用及び/あるい
は宣伝用の材料などの表示装置の上に、あるいは表示装置に対して取り付けられ
る。これとは違って、表示装置が貯蔵容器の一部を含んでいてもよい。
このディスプレイ装置を輸送できるようにするために、ディスプレイ装置には
貯蔵容器が有するインレット及び/あるいはアウトレットを閉じるためのクロー
ジャ部材が設けられている。例えば、貯蔵容器は空気インレットと空気アウトレ
ットを有している。これらインレットとアウトレットはそれぞれのソレノイドバ
ルブによって閉じられる。このソレノイドバルブは、ディスプレイ装置へ電力が
供給されたときのみ開くようになっている。
さらに別の側面においては、この発明はコーラに似た液体に属する。この液体
は、
イソパラフィンオイルと、
適当に色づけされたワックスをベースとした色素と、
好ましくは、黄色と、赤色と、青色に色づけされた色素の混合物を含んだワッ
クスをベースとした色素と、
を有している。
例えば、この液体は以下のものからなっている。
1. スピンドルオイル(透明) 5リットル
2. 黄色の染料溶液 50ミリリットル
3. 赤色の染料溶液 20ミリリットル
4. 青色の染料溶液 10ミリリットル
しかし、各溶液に対して上で述べた量は、得ようとする液体の色を調節するため
に変更することが可能であることは理解できよう。
黄色と、赤色と、青色の染料溶液を製造するためには、以下のものを使用する
ことができる。
1. 黄色の染料粉末−ワクソリンイエロー(Waxoline Yellow)GFW
2. 赤色の染料粉末−ワクソリンレッド(Waxoline Red)O
3. 青色の染料粉末−ワクソリンブルー(Waxoline Blue)APFW
上述した粉末は以下のようにして濃縮溶液にされる。
”黄色の染料溶液”を作るためには、1グラムのワクソリンイエローGFWを
400ミリリットルのスピンドルオイルに加えて、撹拌する。この溶液は沈澱し
やすいので、使用するたびに、その前に十分に撹拌することが好ましい。
”赤色の染料溶液”を作るためには、1グラムのワクソリンレッドOを100
ミリリットルのスピンドルオイルと混ぜ合わせて、十分に撹拌する。
”青色の染料溶液”を作るためには、1グラムのワクソリンブルーAPFWを
100ミリリットルのスピンドルオイルと混ぜ合わせて、十分に撹拌する。
この発明をより理解し、実際に実行してもらうために、ここで添付図面を参照
する。図面にはこの発明の代表的な実施例が示されている。
図1は、この発明に従って構成されたディスプレイ装置の正面図である。
図2は、図1に示されているディスプレイ装置の側面図である。
図3は、図1に示されているディスプレイ装置の平面図である。
図4は、図1に示されているディスプレイ装置の背面図である。
図5は、図1に示されているディスプレイ装置の斜視図であり、ディスプレイ
装置は組み付けのために部分的に示されている。
図6は、図1に示されているディスプレイ装置の正面断面図である。
図7は、図1に示されているディスプレイ装置の側面断面図である。
図8は、図1に示されているディスプレイ装置の側面断面図である。
図9は、この発明に従って構成された別のディスプレイ装置の正面図である。
図10は、図9に示されているディスプレイ装置の側面図である。
図11は、図9に示されているディスプレイ装置の側面断面図である。
図12は、図9に示されているディスプレイ装置の正面断面図である。
図13は、図9に示されているディスプレイ装置の斜視図であり、ディスプレ
イ装置は組み付けのために部分的に示されている。
図14は、一部を切り欠きして示した、ディストリビューションマニホールド
の斜視図である。
図15は、図14に示されているディストリビューションマニホールドの平面
図である。
図16は、図14に示されているディストリビューションマニホールドの平面
図である。
図17は、この発明に従って構成されたさらに別のディスプレイ装置の側面図
である。
図18は、図17に示されているディスプレイ装置の斜視図である。
図19は、この発明に従って構成されたさらに別のディスプレイ装置の正面図
である。
図20は、図19に示されているディスプレイ装置の側面図である。
図1〜図8はディスプレイ装置10を示している。ディスプレイ装置10はコ
ーラなどの炭酸入り飲料を表現するために使われる。ディスプレイ装置10は、
透明あるいは半透明の液体貯蔵容器11を有している。貯蔵容器11にはイソパ
ラフィンオイル12が部分的に充填されている。イソパラフィンオイル12は、
中へ空気が圧送されると泡を発生する。イソパラフィンオイル12には黄色や青
色、及び赤色の、ワックスをベースとした色素(tint)が加えられて、飲料の色を
模倣するようになっている。
貯蔵容器11は、正面から見ると、飲物のグラスのような形をしており、前部
の壁パネル13と、これと対向する寸法的に若干小さい後部の壁パネル14とを
有している。両方の壁パネルとも、プラスチック材料やアクリル材料、あるいは
アクリルポリマを混ぜた材料等の半透明あるいは透明な材料から製造される。
前部の壁パネル13は、曲面状の前壁16と、上壁17と、底壁18と、共平
面の周辺部のフランジ19と、上側に配置されたメッセージ部分20を有してい
る。
後部の壁パネル14も、曲面状の前壁21と、上壁22と、底壁23と、共平
面の周辺部のフランジ24と、上側に配置されたメッセージ部分25を有してい
る。
前部の壁パネル13と後部の壁パネル14は、後者が前者の中へ重ねるように
して組み付けられて、その間にキャビティが形成される。当接する二つのフラン
ジ19,24は超音波溶接や加熱溶接、あるいは接着剤を用いて、シールされた
状態で連結される。
こうして形成されたキャビティは、下側のチャンバ11すなわち貯蔵容器と、
上側のチャンバ26を有する。チャンバ11は、対向する前壁16、21によっ
て形成されている。中に泡が集まる上側のチャンバ26は、対向する上壁17,
22によって形成されている。キャビティはまた、下側のチャンバ11の左右に
配置された二つの側部チャンバ27も有している。側部チャンバは、それぞれ前
部及び後部の壁パネル13,14の対向する壁部28,29によって形成されて
いる。
側部チャンバ27は、後部の壁パネル14に形成された分離壁30によって、
チャンバ11及び泡が集まるチャンバ26から分離されている。各チャンバ間は
、分離壁30に形成されたチャネルあるいはダクト31,32によって連通して
いる。
前部及び後部のメッセージ部分20,25も、お互いの中に重ね合わさってい
る。これらのメッセージ部分は、組み付けられると、二つの側部チャンバ30を
連結するチャンバあるいは圧力平衡用チャンバ31を形成する。後部のメッセー
ジ部分25の上壁32にはアウトレット33が設けられている。それまでにキャ
ビティの中に入れられていた空気は、このアウトレット33を介して流れる。ア
ウトレット33は空気流出用のソレノイドバルブ34へ連結されている。
この装置は、半円形のインサートあるいはディストリビューションマニホール
ド40も有している。ディストリビューションマニホールド40は、組み付けら
れた前部及び後部の壁パネル13,14の対向する底壁18,23の中間に配置
されている。ディストリビューションマニホールドは、そこから後方へ延びる空
気インレット41を有している。空気インレット41へは供給チューブ42が取
り外し可能な状態で取り付けられている。また、複数の空気アウトレット43が
リセスを有する上壁44に形成されている。
ディスプレイ装置10は、後部パネル50も有している。後部パネル50は、
組み付けられた前部及び後部の壁パネル13,14へヒンジ51によって連結さ
れている。後部パネル50は、取り付け装置と、発生装置に対するハウジングの
両方を提供している。
液体の中に泡を発生するための発生装置は、空気ポンプ52を有している。空
気ポンプ52は、空気インレット53と、供給チューブ42へ連結された空気ア
ウトレット54を有している。空気ポンプ52の空気インレット53には、チャ
コールフィルタのようなフィルタ(図示されていない)が設けられている。この
フィルタは貯蔵容器中の液体を汚染する空気中の不純物を取り除く。
ディスプレイ装置はまた、メッセージ部分20,25の背後に配置された蛍光
灯55などの照明装置も有している。照明装置は、メッセージ部分の間に取り外
し可能な状態で保持されているメッセージパネル56と、チャンバ11を照明す
る。
発生装置と照明装置はともに、電源によって駆動される。この電源は、例えば
24ボルトの交流、あるいは変圧器又は主電源から発生される12ボルトから2
50ボルトの間の範囲の任意の電圧である。電源は、空気ポンプ52を駆動する
24ボルトの交流であることが好ましい。電圧インバータを使用して、24ボル
トの交流を別に逆転して、蛍光灯55を駆動するようになっている。
この装置には、水銀スイッチ56などの水平駆動装置も設けられている。水銀
スイッチ56は電源へ接続されている。従って、空気ポンプ52と蛍光灯55の
両方への電力は、ディスプレイ装置すなわち貯蔵装置が直立した水平の姿勢に維
持されているときにのみ供給される。
さらに、空気アウトレットのソレノイドバルブ34に加えて、空気インレット
へ取り付けられたソレノイドバルブ57も設けられている。両方のバルブとも、
電気的に駆動されているときを除いて、閉じている。従って、空気ポンプによっ
て発生される泡の量は、3方向のブリードオフバルブ58の中を流れる空気の量
を制御することによって選択的に制御される。
後部パネル50の内側表面は、塗料やビニール接着剤、あるいは反射材料など
て色づけされていて特定の背景色を表現しており、飲料や風景の視覚的に際立た
せている。例えば、コーラを表現するために使われる場合には、後部パネルの内
側表面はカラーブラックのような暗い色に塗られる。
後部パネル50は、そのリセス部分の上部及び底部に配置された複数のベンチ
レーション開口部も有している。
後部パネル50の形状を利用して、照明の拡散を調節できることがわかろう。
例えば、壁58の傾斜角度を変えることによって、貯蔵容器の下部へ届く光の範
囲を変えることができる。
使用時には、貯蔵容器はコーラに似た液体が、点線61で示されているレベル
まで充填される。さらに、ディストリビューションマニホールド40は色づけさ
れた構造でもよいし、透明な構造でもよく、大部分の飲料容器の一般に厚いベー
ス壁を模倣している。空気ポンプ52によってそこへ供給された空気やガスは、
駆動されると、開口部44を介して泡の形で解放される。次に、これらの泡は底
壁23の下に集まるまで、短い距離だけ垂直方向に移動する。しかし、最終的に
は集まった泡は底壁23の半円形の端部を越えて解放され、その結果チャンバ1
1の中に収容されている液体の中を上昇する。泡は次に液体の表面に溜って、泡
の頭部(head)を形成する。
曲面状の前壁21の上部に凹凸をつけて(contour)、氷の破片の塊を模倣する
こともできることがわかろう。凹凸(contour)60を使用すると、表面への泡の
通過を邪魔するが、しかし完全に制限してしまうことはない。これらの凹凸60
が照明されると、凹凸60は光を屈折させて、チャンバ11中に浮かぶ氷の破片
を錯覚させる。
前壁16の外側表面あるいは少なくともその一部は、そこをサンドブラストす
るなどして粗くされている。こうして、一般に冷たい面の上に形成される凝結な
どが霜のように見える状態を表現できる。さらに、凝結の液滴をシミュレートす
るために、前壁16の外側表面の上に液滴を描くか、あるいは樹脂で形成された
液滴をそこへ付着させる。
一般に泡の頭部が上側のチャンバ26を満たしている。過剰な泡は、側部の沈
澱用チャンバ30の中へ、そのどちらかのサイドに配置されているダクト31を
介して運ばれる。沈澱用チャンバ30の中に収容されている泡は、最終的には破
裂して空気と液体の両方を解放する。沈澱用チャンバの中に収容されている液体
は、ダクト32,62を介して貯蔵容器へ戻される。泡が破裂して解放された空
気は、圧力平衡用チャンバ31と、アウトレット33と、可撓性を有するチュー
ブ65を介して、空気アウトレットバルブまで運ばれる。
使用時には、貯蔵容器の中に収容されている液体のレベルは、液体及び空気の
中への泡の同時分離によって制御され、一般に一定である。
発生装置によって貯蔵容器の中に解放される泡の量は、三方向のブリードオフ
バルブ58を用いてディストリビューションマニホールド40の中を流れる空気
の量を制御することによって、選択的に制御される。
メッセージパネル56は選択的に取り除くことのできることがわかろう。従っ
て、必要であればメッセージを変更することができ、サービスのために壁に取り
付けられているユニットにアクセスすることが可能になる。
図9〜図13はディスプレイ装置110を示している。ディスプレイ装置11
0はグラスに入ったビールを表現するために使われる。ディスプレイ装置110
は、透明あるいは半透明の液体貯蔵容器111を有している。貯蔵容器111に
はイソパラフィンオイル112が部分的に充填されている。イソパラフィンオイ
ル112は、中へ空気が圧送されると泡を発生する。イソパラフィンオイル12
には黄色や青色、及び赤色の、ワックスをベースとした色素が加えられて、飲料
の色を模倣するようになっている。
貯蔵容器111は、正面から見ると、飲物のグラスのような形をしており、前
部の壁パネル113と、これと対向する寸法的に若干小さい後部の壁パネル11
4とを有している。両方の壁パネルとも、プラスチック材料やアクリル材料、あ
るいはアクリルポリマを混ぜた材料などの半透明あるいは透明な材料から製造さ
れる。
前部の壁パネル113は、曲面状の前壁116と、上壁117と、底壁118
と、共平面の周辺部のフランジ119と、上側に配置されたメッセージ部分12
0を有している。
後部の壁パネル114も、曲面状の前壁121と、上壁122と、底壁123
と、共平面の周辺部のフランジ124と、上側に配置されたメッセージ部分12
5を有している。
前部の壁パネル113と後部の壁パネル114は、後者が前者の中へ重ねるよ
うにして組み付けられて、その間にキャビティが形成される。当接する二つのフ
ランジ119、124は超音波溶接や加熱溶接、あるいは接着剤を用いて、シー
ルされた状態で連結される。
こうして形成されたキャビティは、下側のチャンバ111すなわち貯蔵容器と
、上側のチャンバ126を有する。チャンバ111は、対向する前壁116,1
21によって形成されている。中に泡が集まる上側のチャンバ126は、対向す
る上壁117,122によって形成されている。キャビティはまた、下側のチャ
ンバ111の左右に配置された二つの側部チャンバ127も有している。側部チ
ャンバは、それぞれ前部及び後部の壁パネル113,114の対向する壁部12
8,129によって形成されている。
側部チャンバ127は、後部の壁パネル114に形成された分離壁130によ
って、チャンバ111及び泡が集まるチャンバ126から分離されている。各チ
ャンバ間は、分離壁130に形成されたチャネルあるいはダクト131,132
によって連通している。
前部及び後部のメッセージ部分120,125も、お互いの中に重ね合わさっ
ている。これらのメッセージ部分は、組み付けられると、二つの側部チャンバ1
30を連結するチャンバあるいは圧力平衡用チャンバ131を形成する。後部の
メッセージ部分125の上壁132にはアウトレット133が設けられている。
それまでにキャビティの中に入れられていた空気は、このアウトレット133を
介して流れる。アウトレット133は空気流出用のソレノイドバルブ134へ連
結されている。
この装置は、半円形のインサートあるいはディストリビューションマニホール
ド40も有している。ディストリビューションマニホールド40は、組み付けら
れた前部及び後部の壁パネル113,114の対向する底壁118,123の中
間に配置されている。ディストリビューションマニホールドは、そこから後方へ
延びる空気インレット41を有している。空気インレット41へは供給チューブ
142が取り外し可能な状態で取り付けられている。また、複数の空気アウトレ
ット43がリセスを有する上壁44に形成されている。
ディスプレイ装置110は、後部パネル150も有している。後部パネル15
0は、組み付けられた前部及び後部の壁パネル113,114へ、ヒンジ151
を用いて連結されている。後部パネル150は、取り付け装置と、発生装置に対
するハウジングの両方を提供している。
液体の中に泡を発生するための発生装置は、空気ポンプ152を有している。
空気ポンプ152は、空気インレット153と、供給チューブ142へ連結され
た空気アウトレット154とを有している。空気ポンプ152の空気インレット
153には、チャコールフィルタのようなフィルタ(図示されていない)が設け
られている。このフィルタは貯蔵容器中の液体を汚染する空気中の不純物を取り
除く。
ディスプレイ装置はまた、メッセージ部分120,125の背後に配置された
蛍光灯155などの照明装置も有している。照明装置はそれらの間に取り外し可
能な状態で保持されているメッセージパネル156と、チャンバ111とを照明
する。
発生装置と照明装置はともに、電源によって駆動される。この電源は、例えば
24ボルトの交流、あるいは変圧器又は主電源から発生される12ボルトから2
50ボルトの間の範囲の任意の電圧である。電源は、空気ポンプ152を駆動す
る24ボルトの交流であることが好ましい。電圧インバータを使用して、24ボ
ルトの交流を別に逆転して、蛍光灯155を駆動するようになっている。
この装置には、水銀スイッチ156などの水平駆動装置も設けられている。水
銀スイッチ156は電源へ接続されている。従って、ポンプ152と蛍光灯15
5の両方への電力は、ディスプレイ装置すなわち貯蔵装置が直立した水平の姿勢
に維持されているときにのみ供給される。
さらに、空気アウトレットのソレノイドバルブ134に加えて、空気インレッ
トへ取り付けられたソレノイドバルブ157も設けられている。両方のバルブと
も、電気的に駆動されているときを除いて、閉じている。従って、空気ポンプに
よって発生される泡の量は、3方向のブリードオフバルブ158の中を流れる空
気の量を制御することによって選択的に制御される。
後部パネル150の内側表面は、塗料、ビニール接着剤、あるいは反射材料な
どで色づけされていて特定の背景色を表現しており、飲料や風景の視覚的に際立
たせている。例えば、ビールを表現するために使われる場合には、後部パネルの
内側表面は表現しようとするビールに似た色に塗られる。
後部パネル150は、そのリセス部分の上部及び底部に配置された複数のベン
チレーション開口部も有している。
使用時には、貯蔵容器はビールに似た液体が、点線161で示されているレベ
ルまで充填される。さらに、ディストリビューションマニホールド40は色づけ
された構造でもよいし、透明な構造でもよく、大部分の飲料容器の一般に厚いベ
ース壁を模倣している。空気ポンプ152によってそこへ供給された空気やガス
は、駆動されると、開口部44を介して泡の形で解放される。次に、これらの泡
は底壁123の下に集まるまで、短い距離だけ垂直方向に移動する。しかし、最
終的には集まった泡は底壁123の半円形の端部を越えて解放され、その結果チ
ャンバ111の中に収容されている液体の中を上昇する。泡は次に液体の表面に
溜って、泡の頭部を形成する。
前壁116の外側表面あるいは少なくともその一部は、そこをサンドブラスト
するなどして粗くされている。こうして、一般に冷たい面の上に形成される凝結
などが霜のように見える状態を表現できる。さらに、凝結の液滴をシミュレート
するために、前壁116の外側表面の上に液滴を描くか、あるいは樹脂から形成
された液滴をそこへ付着させる。
一般に泡の頭部が上側のチャンバ126を満たしている。過剰な泡は、側部の
沈澱用チャンバ130の中へ、そのどちらかのサイドに配置されているダクト1
31を介して運ばれる。泡はダクト131の中へ押し込まれる時に破裂するか、
あるいはいったん沈澱用チャンバ130の中に溜って、空気と液体の両方を解放
する。沈澱用チャンバの中に収容されている液体は、ダクト132,162を通
じて貯蔵容器へ戻される。泡が破裂して解放された空気は、圧力平衡用チャンバ
131と、アウトレット133と、可撓性を有するチューブ165を介して、空
気アウトレットバルブまで運ばれる。
使用時には、貯蔵容器の中に収容されている液体のレベルは、液体及び空気の
中への泡の同時分離によって制御され、一般に一定である。
発生装置によって貯蔵容器の中に解放される泡の量は、三方向のブリードオフ
バルブ158を用いてディストリビューションマニホールド40の中を流れる空
気の量を制御することによって、選択的に制御される。
その他の実施例においては、これまでに説明したタイプの平坦で透明な後部パ
ネルが、図17及び図18に示されているように、互いに180°後を向いた二
つのディスプレイ装置の間にも用いられている。
同様に、図19及び図20は、ディスプレイ装置200のさらに別の実施例を
示している。このディスプレイ装置200は、ワインなどの飲物を表現するため
に使われる。
ここで説明したディスプレイ装置は、コップへ注いだばかりのコーラやビール
のより現実感のある印象を与えることがわかろう。
上述した実施例はこの発明を説明するための例であり、当該分野の技術者にと
っては明かなその他の修正や変形も、添付されている請求の範囲に定義されてい
るように、この発明の範囲内である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM,
AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C
N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE
,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,
LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,N
L,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE
,SI,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,VN
(72)発明者 ステイプルズ,コリン・ジョン
オーストラリア国 4163 クイーンズラン
ド,クリーヴランド,ワロング・クレセン
ト 22
(72)発明者 ダリー,キース・マイケル
オーストラリア国 4165 クイーンズラン
ド,ヴィクトリア・ポイント,プレスコタ
ー・ドライヴ 35
(72)発明者 ダヴィッドソン,ロドニー・デイヴィッド
オーストラリア国 4178 クイーンズラン
ド,ウィナム・ウェスト,シブリー・ロー
ド 40