JPH09503271A - 燃料噴射器用の燃焼ガスシール組み立て体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 燃料噴射器（１２）用の燃焼ガスシール組み立て体（１０）が、エンジン（１８）のシリンダヘッド（１６）内に取付られた。シール組み立て体（１０）は、シリンダヘッド（１６）に連結される中空アダプタ（２２）、アダプタ（２２）内に配置される噴射器ケース（３０）、及び噴射器ケース（３０）とアダプタ（２２）との間に配置される可撓性環状シール（２６）を備える。ケース（３０）とアダプタ（２２）のそれぞれが、互いに接触する対向環状シート部分（６２、６４）を備える。ケース（３０）とアダプタ（２２）のシート部分（６２、６４）のうちの少なくとも一つが、可撓性環状シール（２６）が中に配置される環状溝（６６）を形成する。燃焼ガスシール組み立て体（１０）は、エンジン燃焼室で発生する高圧燃焼ガスがケース（３０）とシリンダヘッド（１６）との間のインタフェースを通過して漏出しないようにする。組み立て体（１０）が、通常のエンジンの現存のシリンダヘッドに対して、新しい燃料噴射器や別の燃料噴射器を安価に後から取り付け或いは採用するのを容易にする。

Description

【発明の詳細な説明】 燃料噴射器用の燃焼ガスシール組み立て体 技術分野 本発明は、一般に、燃料噴射器に関する。より詳細には、噴射器とエンジンシ リンダヘッドとの間の燃焼ガスシールに関する。 技術背景 燃料噴射器の典型的な例が、例えば、1994年3月29日にハフナーに付与された 米国特許第5,297,523号に示される。噴射器はエンジンシリンダヘッドのボア内 に配置され、クランプによってシリンダヘッドに連結される。 エンジン燃焼室で発生する高圧力燃焼ガスが噴射器とシリンダヘッドボアとの 間の境界面を通過して漏出しないように、安価なシールを備えることが望まれる 。また、エンジンの現存するシリンダヘッドに対して、新しい燃料噴射器や、別 の燃料噴射器を安価に採用できるようにすることが望ましい。シリンダヘッド内 に燃料噴射器を取り付ける別の周知の方法が、1986年3月20日にスタンプらに付 与された米国特許第4,589,596号と、1991年9月3日にロブネットに付与された米 国特許第5,044,340号に示される。 本発明は、前述の問題の一つ又は二つ以上を解決するものである。 発明の開示 本発明の一態様において、エンジンのシリンダヘッド内に取り付けられた燃料 噴射器用の燃焼ガスシール組み立て体が開示される。シール組み立て体は、エン ジン部材、エンジン部材内に配置される噴射器ケース、及びケースとエンジン部 材との間に配置される可撓性環状シールを備える。ケースとエンジン部材のそれ ぞれが、互いに接触する対向したシート部分を備える。ケースとエンジン部材の シート部分のうちの少なくとも一つが、中に可撓性環状シールが配置される環状 溝を備える。 本発明の別の態様において、燃料噴射器のノズル部分が開示される。ノズル部 分は、アダプタ又はエンジンシリンダヘッドのようなエンジン部材に座する円錐 台形シート部分を有するノズルケースを備える。ケースのシート部分は、可撓性 環状シールを受ける環状溝を備える。 燃焼ガスシール組み立て体は、エンジン燃焼室で発生する高圧燃焼ガスが噴射 器ケースとシリンダヘッドとの間の境界面を通過して漏出しないようにする。燃 焼ガスシール組み立て体は、エンジンの現存するシリンダヘッドに対して新しい 燃料噴射器や別の燃料噴射器を安価に後から取り付け或いは採用するのを容易に する。 図面の簡単な説明 図１は、本発明の噴射器の一実施例の概略部分断面図である。 図２は、模範的な内燃エンジンに取り付けられるような、図１の噴射器の概略 拡大部分図である。 発明を実施するための最良の形態 図１、２において、同じ参照番号を同じ要素又は形態について使用するもので あり、この図には、内燃エンジン１８のシリンダヘッド１６に形成される噴射器 ボア１４に取り付けられた直接噴射燃料噴射器用の燃焼ガスシール組み立て体１ ０の例示的な実施例が示される。基準を示すために、噴射器１２は縦方向の軸２ ０を有する。例えば、噴射器１２は、ポンプと噴射ノズルが一体になった構造で ある。他の場合として、噴射器１２は、別の燃料ライン（図示せず）によって高 圧燃料ポンプ（図示せず）に連結される燃焼ノズルでもよい。 燃焼ガスシール組み立て体１０は、中空アダプタすなわちエンジン部材２２、 噴射器１２のノズル部分２４、及び可撓性環状シールすなわちシール手段２６を 備える。アダプタ２２は噴射器ボア１４内に配置され、例えば、ねじ付き連結部 ２８によってシリンダヘッド１６に連結される。 噴射器１２のノズル部分２４は、アダプタ２２内に配置される。ノズル部分２ ４は、中空ケース３０及びノズル噴射先端部３２を備える。ケース３０とアダプ タ２２のそれぞれが、ノズル噴射先端部３２が貫通して延びる共軸的な孔５６、 ５８を形成する。 可撓性環状シール２６は、ケース３０とアダプタ２２との間で半径方向だけで なく、軸方向にも密封的に配置される。望ましくは、可撓性環状シール２６が、 エラストマー材料からなるＯ型リングシールであるとよい。望ましくは、エンジ ン作動の際の間欠的な高温だけでなく連続的な高温も阻止するように、材料はVi tonのようなフッ化炭素エラストマーであるとよい。 ケース３０とアダプタ２２のそれぞれが、互いに接触して対向する相補的環状 シート部分６２、６４を備える。他の場合として、ケース３０が、シリンダヘッ ド１６自身のような別のエンジン部材の相補的シート部分に対して直接的に座す る外部円錐台形シート部分６２を有してもよい。望ましくは、対向する環状シー ト部分６２、６４が円錐台形に形成され、180°又は180°未満の夾角を有する円 錐台形表面を形成するとよい。例えば、図２に示すように、対向する環状シート 部分６２、６４と縦方向の軸２０とは、約60°の夾角Ａを形成する。 ケース３０の環状シート部分６２、６４、及びアダプタ２２のうちの少なくと も一つが、環状溝すなわち環状凹部６６を形成する。望ましくは、組み立て体の 経費を減少し、扱い易くするために、ケース３０の環状シート部分６２のみが環 状溝６６を形成するとよい。可撓性環状シール２６は、環状溝６６内のケース３ ０の周囲にぴったりと配置され、対向する環状シート部分６２、６４によって密 封式に圧縮される。 望ましくは、組み立て体の製造経費を減少し、扱い易くするために、さらに、 燃焼ガスシール組み立て体１０が、全体的に平らなシーリングワッシャー又は環 状部材６８を備えるとよい。シーリングワッシャー６８は、アダプタ２２とシリ ンダヘッド１６との間で軸方向に密封式に配置される。望ましくは、シーリング ワッシャー６８は、低炭素鋼のような変形可能な金属で形成されるとよい。 燃焼ガスシール組み立て体１０を組み立てるために、シーリングワッシャー６ ８が、シリンダヘッドボア１４内に配置される。アダプタ２２はシリンダヘッド ボア１４内に配置され、２８においてシリンダヘッド１６にねじ連結される。可 撓性環状シール２６が環状溝６６内に配置され、噴射器１２のノズル部分２４が アダプタ２２内に配置される。噴射器１２は、交換可能なクランプ（図示せず） によってシリンダヘッド１６に固定される。適当なクランプの例が、上述した米 国特許第5,297,523号に示される。 燃焼ガスシール組み立て体１０は、エンジン燃焼室（図示せず）で発生する高 圧燃焼ガスが噴射器ケース３０とシリンダヘッド１６の間の境界面を通過して漏 出しないようにする。燃焼ガスシール組み立て体１０は、エンジンの現行のシリ ンダヘッドに対して、安価で新しい燃料噴射器や、異なる燃料噴射器を容易に改 作又は改造できるとよい。アダプタ２２の形状は、新しい燃料噴射器や、異なる 燃料噴射器を収容するために色々と選択されてよい。例えば、そのような新しい 燃料噴射器や、異なる燃料噴射器は、通常の機械作動式噴射器の代わりに油圧作 動式噴射器であるとよい。また、アダプタ２２は、シリンダヘッド１６内に形成 される１本又はそれ以上の冷却剤通路７０から噴射器１２を流動式に隔離したり 、密封したりできる。 本発明の他の目的と利点は、図面と説明及び添付の特許請求の範囲から明らか になるであろう。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．エンジン部材（２２）と、 ノズルケース（３０）及びノズル先端部（３２）を備え、該ノズルケース（３ ０）が前記ノズル先端部（３２）が貫通して延びる軸方向の孔（５６、５８）を 形成するような燃料噴射器（１２）と、 互いに接触する対向した環状シート部分（６２、６４）をそれぞれに備える前 記ノズルケース（３０）と前記エンジン部材（２２）との間に配置され、前記ノ ズルケース（３０）の前記シート部分（６２）と前記エンジン部材（２２）のう ちの少なくとも一つが環状溝（６６）を形成し、該環状溝（６６）内に配置され 前記対向した環状シート部分（６２、６４）によって密封式に圧縮された、可撓 性環状シール（２６）と、 からなるエンジン（１８）内に取付られた燃料噴射器（１２）用の燃焼ガスシー ル組み立て体（１０）。 ２．前記対向した環状シート部分（６２、６４）が円錐台形に形成されること を特徴とする請求項１に記載の燃焼ガスシール組み立て体（１０）。 ３．噴射器ボア（１４）を形成するシリンダヘッド（１６）を有する内燃エン ジン（１８）用の燃焼ガスシール組み立て体（１０）であって、 前記噴射器ボア（１４）内に配置され、前記シリンダヘッド（１６）に連結さ れる中空アダプタ（２２）と、 中空ケース（３０）及びノズル先端部（３２）を有し、前記ノズルケース（３ ０）と前記アダプタ（２２）のそれぞれが前記ノズル先端部（３２）が貫通して 延びる孔（５６、５８）を形成する、前記アダプタ（２２）内に配置される噴射 器（１２）と、 互いに接触する対向した相補的環状シート部分（６２、６４）をそれぞれに備 える前記ノズルケース（３０）と前記エンジン部材（２２）との間に配置され、 前記ケース（３０）の前記シート部分（６２、６４）と前記アダプタ（２２）の うちの少なくとも一つが環状溝（６６）を形成し、該環状溝（６６）内に配置さ れ前記環状シート部分（６２、６４）によって密封式に圧縮される、可撓性Ｏ型 リングシール（２６）と、 からなる燃焼ガスシール組み立て体（１０）。 ４．前記アダプタ（２２）と前記シリンダヘッド（１６）の間に密封式に配置 されたシーリングワッシャー（６８）を備えることを特徴とする請求項３に記載 の燃焼ガスシール組み立て体（１０）。 ５．前記噴射器（１２）が縦軸（２０）を有し、前記ケース（３０）の前記対 向した環状シート部分（６２、６４）とアダプタ（２２）が円錐台形の表面を形 成することを特徴とする請求項３に記載の燃焼ガスシール組み立て体（１０）。 ６．前記噴射器（１２）が縦軸（２０）を有し、前記対向した環状シート部分 （６２、６４）と前記縦軸（２０）が約60°の夾角を形成することを特徴とする 請求項３に記載の燃焼ガスシール組み立て体（１０）。 ７．中空ケース（３０）と、少なくとも一つの燃料噴射オリフィスを形成する ノズル先端部（３２）とからなるノズル部分（２４）を備え、該ケース（３０） が前記ノズル先端部（３２）が貫通して延びる孔を形成し、別の部材に対して座 する外側円錐台形シート部分（６２）を有し、前記ケース（３０）の前記シート 部分（６２）が可撓性環状燃焼ガスシール（２６）を受ける環状溝（６６）を備 えるようになった燃料噴射器（１２）。