【発明の詳細な説明】発明の名称
イミダゾリノベンゾジアゼピン類発明の背景
ベンゾジアゼピンに属する化合物は、治療薬、特に不安寛解剤のような中枢神
経系薬剤として広く使用されている。これらの化合物は、「ベンゾジアゼピンレ
セプター」に対して強力な結合を示し、CCK−Bまたはガストリンのレセプタ
ーに対して結合を示すものもある。CCK−Bアンタゴニストとして公知の化合
物の中には、以下の構造式Iで示すようなイミダゾリノベンゾジアゼピンの種類
のものはない。発明の概要
本発明は、式I:
で示される構造を有しており、CCK−Bアンタゴニストとして作用する新規な
化合物に関する。これらの化合物は
動物、好ましくは哺乳類、特にヒトの中枢神経系のCCK−B関連疾患の治療及
び予防に有効である。
本発明はまた、この新規な化合物の医薬製剤、その調製方法、及び、新規な化
合物の不安寛解剤としての使用に関する。発明の詳細な説明
本発明の新規化合物は、構造式:
〔式中、
Rは、
(1)クロロ、ブロモもしくはフルオロのようなハロまたはC1-3アルキルで置
換されるかまたは未置換のフェニルを示すか、あるいは、
(2)C5-6シクロアルキルを示し、
Aは、
(1)C1-3アルキル、ヒドロキシ−C1-3−アルキル、COOHまたは−C(=
O)−O(C1-3アルキル)で置換されるかまたは未置換の、C2-3アルキレンま
たはアルケ
ニレンを示し、
R1は、
を示し、ここにR2はクロロ、C1-3アルキル、C1-3アルコキシまたは−CF3で
あり、または、
R1は、
を示し、ここに、R4は、C1-6アルキル、CF3、シクロプロピル、2,2−ジメ
チルシクロプロピル、2,2−ジフルオロシクロプロピル、シクロブチル、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、フェニルを示すか、または、置換基
C1-3アルキル、F、Cl、Br、CN、NO2、CF3、OCH3もしくはNH2
で置換されたモノ−もしくはジ−置換フェニルを示す〕を有する化合物、または
医薬として許容されるその塩である。
本発明の新規な化合物の1つの具体例は、式中のR1が式:
で示される化合物である。
この具体例を代表する特定化合物を次表に示す。
本発明の化合物にジアステレオマーが存在する場合、本発明は、個々のジアス
テレオマーとその混合物並びに鏡像異性体及び鏡像異性体の混合物を包含するこ
とを理解されたい。
医薬として許容される式Iの化合物の塩は、例えば無毒の無機酸または有機酸
から形成される式Iの化合物の慣用の無毒性塩または第四アンモニウム塩を包含
する。このような慣用の無毒性塩としては例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、ス
ルファミン酸、リン酸、硝酸などのような無機酸に由来する塩、及び酢酸、プロ
ピオン酸、こはく酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、
クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェ
ニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセト
キシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジス
ルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸などのような有機酸から調製される塩がある
。
本発明の医薬として許容される塩は、塩基性または酸性の基を含有する式Iの
化合物から慣用の化学的方法によって合成され得る。一般に、塩は、遊離塩基ま
たは酸と、所
望の塩を形成するための化学量論的量または過剰量の無機または有機の酸または
塩基とを、適当な溶媒または種々の混合溶媒中で反応させることによって調製さ
れる。
上記した新規な化合物はCCK−B拮抗能を有するので、これらの化合物をC
CK−B関連障害、例えば不安の治療または予防に有効な、哺乳類特にヒト用医
薬として使用し得る。
式Iの化合物は単独でヒト患者に投与してもよいが、好ましくは標準製剤手順
に従って医薬として許容される担体または希釈剤と組み合わせ、また明礬のよう
なアジュバントを任意に加えた医薬組成物の形態で投与される。化合物は、経口
投与されてもよく、または、静脈内、筋肉内、腹膜組織内、皮下及び皮膚表面な
どに非経口投与されてもよい。
本発明のCCKアンタゴニストを経口使用する場合、選択された化合物を例え
ば錠剤もしくはカプセル剤の形態、または水溶液もしくは懸濁液として投与する
。経口投与に錠剤を用いる場合、常用の担体はラクトース、コーンスターチであ
り、通常はステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤を添加する。経口投与にカ
プセル形態を用いる場合、
有効な希釈剤はラクトース及び乾燥コーンスターチである。経口投与に水性懸濁
液を要する場合、有効成分を乳化剤及び懸濁剤と混合する。所望ならば、甘味料
及び/または香料をある程度添加してもよい。筋肉内、腹膜組織内、皮下及び静
脈内に使用するためには、通常は有効成分の無菌溶液を調製し、溶液のpHを適
宜調整して緩衝させる必要がある。静脈内に使用するためには、等張性調製物が
得られるように溶質の総濃度を調整する必要がある。
式Iの化合物をCCKまたはガストリンのアンタゴニストとしてヒト患者に使
用する場合、通常は処方医が日用薬用量を決定するが、薬用量は一般に、個々の
患者の年齢、体重、応答、患者の症状の重篤度に従って変更される。しかしなが
ら大抵の場合、有効日用薬用量は、体重1kgあたり約0.05mg/kgから
約50mg/kgの範囲であり、好ましくは体重1kgあたり0.5mg/kg
から約20mg/kgの範囲であり、全量を一回投与するかまたは分割投与する
。しかしながら場合によっては、これらの範囲を逸脱する用量の決定が必要であ
ろう。
本発明の新規な化合物の新規な調製方法では、式IIの化合物と、メタンスルホ
ニルクロリド、ベンゼンスルホニル
クロリドまたはトルエンスルホニルクロリドのようなスルホニルクロリドとを、
塩化メチレン、クロロホルム、テトラクロロエタンなどの有機溶媒中で、ジイソ
プロピルエチルアミンのような有機強塩基の存在下で処理する。
本発明の新規な化合物のいくつかを調製するための別の新規な方法を以下に図
示する:
この方法においては、ヘミアセタール出発物質を塩化メチレンのような塩素化
アルカン中で三フッ化ホウ素のエーテル付加物によって約40〜60℃で反応が
完了するまで処理する。反応は約1.5〜3時間で完了する。
本発明の第3の新規な方法を以下に図示する:
この方法では、約−10〜+10℃のTHF中のアミンH2N−R1を、約pH
8.5においてトリエチルアミン及びトリホスゲンで処理する。−10〜+10
℃で5〜10分間、次いで室温で5〜10分間維持した後、混合物を約−10〜
+10℃のアミノベンゾジアゼピンで約5〜20分間処理する。
本発明の第4の新規な方法を以下に図示する:
この方法では、アミノベンゾジアゼピン、カルボン酸R1CO2H、1−ヒドロ
キシベンゾトリアゾール水和物(HBT)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミ
ノプロピル)カルボジイミド及びトリエチルアミンを、DMF中でほぼ室温で反
応が完了するまで撹拌する。通常は約15〜24時間で反応が完了する。実施例1
N−〔(2S,4R)−メチル−6−フェニル−2,4−ジヒ
ドロ−1H−イミダゾ〔1,2−α〕〔1,4〕ベンゾジアゼピ
ン−4−イル〕−N′−〔3−メチルフェニル〕−尿素及びN
−〔(2S,4S)−メチル−6−フェニル−2,4−ジヒド
ロ−1H−イミダゾ〔1,2−α〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−4−イル〕−N′−〔3−メチルフェニル〕−尿素の調製 段階A
:
N−{(S)−(+)−2−アミノ−〔(R,S)−3−(((3−メ
チルフェニル)アミノ)カルボニル)アミノ〕−5−フェニル
−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−イル}−1−プロパノールの合成
(R,S)−N−(2,3−ジヒドロ−2−チオノ−5−フェニル−1H−1,4−
ベンゾジアゼピン−3−イル)−N′−(3−メチルフェニル)−尿素(382mg
,0.954ミリモル)(米国特許第4,820,834号)を10mlの無水テトラ
ヒドロフランに溶解し、(S)−(+)−2−アミノ−1−プロパノール(297μ
l,3.82ミリモル)及び塩化水銀(II)(337mg)で処理した。得られた懸濁
液を55℃で2時間加熱した。反応混合物を濾過し、濾過ケーキをテトラヒドロ
フランで洗浄した。減圧下に濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルフラッシュクロマ
トグラフィー(クロロホルム中の2%エタノール)で処理すると、415mg(収
率95%)の分析生成物がジアステレオマーの混合物として得られた。融点13
7〜140℃。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMの純度>99%;Rf=0.27(CHCl3−CH3OH;92
:8)
FAB MS:442(M++H);
C26H27N5O2・0.5CHCl3・0.35CH3OHの元素分析:
計算値:C,62.93;H,5.68;N,13.67
測定値:C,62.97;H,5.50;N,13.45。段階B
:
N−{(S)−(+)−2−アミノ−〔(R,S)−3−(((3−メ
チルフェニル)アミノ)カルボニル)アミノ〕−5−フェニル
−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−イル}−1−プロパノールの環化
17mlの塩化メチレン中の430mg(0.974ミリモル)のN−{(S)−(
+)−2−アミノ−〔(R,S)−3−(((3−メチルフェニル)アミノ)カルボニル)
アミノ〕−5−フェニル−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−イル}−1−
プロパノールの氷冷溶液を、湿気に触れぬようにし、メタンスルホニルクロリド
(91μl,1.17ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(356μl,2.
04ミリモル)で処理した。15分後に反応混合物を室温に戻し、撹拌を更に1.
5時間継続した。減圧下に揮発分を完全に除去し、残渣を190mlの酢酸エチ
ルに溶解した。有機
相を、ブライン(50容量%)含有の10%クエン酸溶液で1回、各20mlの1
0%炭酸ナトリウム溶液で2回、次いでブラインで洗浄した。次に有機抽出物を
脱水し(硫酸ナトリウム)、濃縮すると、427mgの粗生成物がジアステレオマ
ーの混合物として得られた。この物質をRexchrom Pirkle共有結
合L−ロイシンカラム(5μ,100A)を用いたHPLCで均質になるまで精製
した。(クロマトグラフィー条件:溶出剤は0.2%トリエチルアミン含有の1:1
ヘキサン−イソプロパノール:流速は2ml/分)。この処理によって、保持時間
6.95分のN−〔(2S,4R)−メチル−6−フェニル−2,4−ジヒドロ−1
H−イミダゾ〔1,2−α〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−4−イル〕−N′−〔
3−メチルフェニル〕−尿素が、化学的純度99.7%及びジアステレオマー純
度95%で得られた。融点149℃(分解)。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMの純度>99%;Rf=0.19(酢酸エチル−ヘキサン;7:
3)
FAB MS:424(M++H);
C26H25N5O・0.5CHCl3・0.05CH3OHの元素分析:
計算値:C,71.86;H,5.83;N,16.03
測定値:C,71.84;H,5.88;N,15.86。
保持時間11.47分のN−〔(2S,4S)−メチル−6−フェニル−2,4−
ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−α〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−4−イル
〕−N′−〔3−メチルフェニル〕−尿素は、化学的純度99.5%及びジアス
テレオマー純度98.5%で得られた。融点155℃(分解)。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMの純度>99%;Rf=0.33(酢酸エチル−ヘキサン;7:
3)
FAB MS:424(M++H);
C26H25N5O・0.5CHCl3・0.1ヘキサンの元素分析:
計算値:C,66.18;H,5.51;N,14.24
測定値:C,66.40;H,5.44;N,14.24。実施例2
N−〔(4R,4S)−6−フェニル−2,4−ジヒドロ−1
H−イミダゾ〔1,2−α〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−4−イル〕−N′−〔3−メチルフェニル〕−尿素の調製
(R,S)−N−(2,3−ジヒドロ−2−チオノ−5−フェニル−1H−1,4−
ベンゾジアゼピン−N−イル)−N′−〔3−メチルフェニル〕−尿素とエタノ
ールアミンとを用い、実施例1の段階Aに従ってN−{2−アミノ−〔(R,S)
−3−(((3−メチルフェニル)アミノ)カルボニル)アミノ〕−5−フェニル−2
H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−イル〕−エタノール(融点169〜170℃
)を調製した。得られた化合物を次に、実施例1の段階Bに記載の条件と同様の
反応条件を用いて標題化合物に変換した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフ
ィー(クロロホルム−メタノール,88:12)で処理し、次いでクロマトグラフィ
ー生成物をエチルエーテルで研和(trituration)すると、分析生成物が白色固体
として得られた。融点147℃(分解)。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMの純度>91%;Rf=0.3(CHCl3−CH3OH;9:1)
FAB MS:410(M++H);
C25H23N5O・0.15CHCl3・0.75CH3OHの元素分析:
計算値:C,68.90;H,5.84;N,15.52
測定値:C,68.92;H,5.67;N,15.18。実施例3
N−〔(2R,4R,4S)−メチル−6−フェニル−2,4−
ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−α〕〔1,4〕ベンゾジア
ゼピン−4−イル〕−N′−〔3−メチルフェニル〕−尿素の調製
(R,S)−N−(2,3−ジヒドロ−2−チオノ−5−フェニル−1H−1,4−
ベンゾジアゼピン−3−イル)−N′−〔3−メチルフェニル〕−尿素と(R)−(
−)−2−アミノ−1−プロパノールとを用い、実施例1の段階Aに従って、N
−{(R)−(−)−2−アミノ−〔(R,S)−3−(((3−メチルフェニル)アミノ)
カルボニル)アミノ〕−5−フェニル−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−イ
ル}−1−プロパノールを調製した。得られた化合物を次に実施例1の段階Bに
記載の条件と同様の反応条件を用いて、76%の収率で標題化合物(ジアステレ
オマーの混合物)に変換した。
融点141℃(分解)。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMの異性体A及びBの純度>95%;異性体A:Rf=0.33(
酢酸エチル−ヘキサン,4:1),異性体B:Rf=0.42(酢酸エチル−ヘキサン,
4:1)
FAB MS:424(M++H);
C26H25N5O・0.65エーテル・0.10ヘキサンの元素分析:
計算値:C,73.01;H,6.90;N,14.58
測定値:C,72.99;H,6.62;N,14.20。実施例4
N−〔(1R,4R,4S)−メチル−6−フェニル−2,4−
ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−α〕〔1,4〕ベンゾジア
ゼピン−4−イル〕−N′−〔3−メチルフェニル〕−尿素の調製
(R,S)−N−(2,3−ジヒドロ−2−チオノ−5−フェニル−1H−1,4−
ベンゾジアゼピン−3−イル)−N′−(3−メチルフェニル)−尿素(180mg
,0.449ミリモル)と、(R)−(−)−1−アミノ−2−プロパノール
(142μl,1.796ミリモル)とを用い、実施例1の段階Aに従って、N−{
(R)−(−)−1−アミノ−〔(R,S)−3−(((3−メチルフェニル)−アミノ)カ
ルボニル)−アミノ〕−5−フェニル−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−イ
ル〕−2−プロパノールを調製した。得られた化合物を次に実施例1の段階Bに
記載の条件と同様の反応条件を用いて96%の収率で標題化合物(ジアステレオ
マーの混合物)に変換した。融点140℃(分解)。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMの純度97.6%;Rf=0.16(酢酸エチル−ヘキサン,7:
3)
FAB MS:424(M++H);
C26H25N5O・0.05CHCl3・0.10ヘキサンの元素分析:
計算値:C,73.06;H,6.09;N,15.99
測定値:C,72.88;H,6.00;N,15.71。実施例5
N−〔(5R,5S)−7−フェニル−1,2,3,5−テトラ
ヒドロ−ピリミド〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−5−イル〕−N′−〔3−メチルフェニル〕−尿素の調製
(R,S)−N−(2,3−ジヒドロ−2−チオノ−5−フェニル−1H−1,4−
ベンゾジアゼピン−3−イル)−N′−(3−メチルフェニル)−尿素(135mg
,0.337ミリモル)と、1−プロパノールアミン(102μl,1.35ミリモル
)とを用い、実施例1の段階Aに従って、110mg(収率74%)のN−{3−
アミノ−〔(R,S)−3−(((3−メチルフェニル)−アミノ)カルボニル)アミノ
〕−5−フェニル−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−イル〕−プロパノー
ル(融点195〜196℃)を調製した。得られた化合物を次に実施例1の段階B
に記載の条件と同様の反応条件を用いて標題化合物に変換した。シリカゲルフラ
ッシュクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール,88:12)で処理し、次
いでクロマトグラフィー生成物をエチルエーテルと石油エーテルとの混合溶媒で
研和すると、分析生成物が白色固体として82%の収率で得られた。融点172
〜174℃(分解)。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMの純度>99%:Rf=0.2(CHC
l3−CH3OH;9:1)
FAB MS:424(M++H);
C26H25N5O・0.5CHCl3・1.35CH3OHの元素分析:
計算値:C,63.53;H,5.92;N,13.30
測定値:C,63.31;H,5.94;N,13.55。実施例6
N−〔(2S,4R)−メチル−5−シクロヘキシル−2,4
−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジ
アゼピン−4−イル〕−N′−〔3−メチルフェニル〕−尿素
及びN−〔(2S,4S)−メチル−5−シクロヘキシル−2,
4−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾ
ジアゼピン−4−イル〕−N′−〔3−メチルフェニル〕−尿素の調製 段階A
:
1,3−ジヒドロ−5−シクロヘキシル−3(R,S)−〔(ベ
ンジルオキシカルボニル)アミノ〕−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−チオンの合成
1,3−ジヒドロ−5−シクロヘキシル−3(R,S)−〔(ベンジルオキシカル
ボニル)アミノ〕−2H−1,4−ベン
ゾジアゼピン−2−オン(M.Chambersら,Biomed.Chem.Le tt
.1993,印刷中)(1.09g,2.79ミリモル)を、26mlのトルエン中
で1.13g(2.79ミリモル)の2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−
ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィドと混合した。得られた懸
濁液を加熱し1時間還流させた。反応混合物を冷却し、濾過し、減圧下に濃縮し
た。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン,1
:3)で処理し、生成物を含有する画分をプールし濃縮すると、純度約85%の標
題化合物が得られた。この物質をヘキサン−酢酸エチル(1:1)から再結晶させ
ると、850mg(75%)の分析形態の標題化合物が得られた。融点164〜1
65℃。段階B
:
1,3−ジヒドロ−5−シクロヘキシル−3(R,S)−アミノ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−チオンの合成
1,3−ジヒドロ−5−シクロヘキシル−3(R,S)−〔(ベンジルオキシカル
ボニル)アミノ〕−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−チオン(787mg,1
.93ミリモル)を、塩化メチレンと酢酸との1:1混合物40mlに溶解
した。得られた溶液を0℃に冷却し、臭化水素ガスの連続流を撹拌溶液に10分
間通した。反応容器に栓をし、反応混合物が室温になるまで5時間以上維持した
。減圧下に揮発分を完全に除去し、黄色の残留固体をトルエンと共沸させて脱水
した。得られた物質を180mlの酢酸エチルと7.3mlの10%炭酸ナトリ
ウム溶液とに分配した。得られた懸濁液を5分間撹拌し、次いで濾過した。濾過
ケーキを酢酸エチルで洗浄し、五酸化リンの存在下に真空乾燥し(40℃)、酢酸
エチル−ヘキサン(1:1)で研和すると、492mgの標題化合物が得られた(収
率93%)。段階C
:
(R,S)−N−〔2,3−ジヒドロ−2−チオノ−5−シク
ロヘキシル−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル〕−N′−〔3−メチルフェニル〕−尿素の合成
1,3−ジヒドロ−5−シクロヘキシル−3(R,S)−アミノ−2H−1,4−
ベンゾジアゼピン−2−チオン(240mg,0.878ミリモル)と、124μl
のm−トリルイソシアナートとを、22mlのテトラヒドロフラン中で0℃、窒
素下に混合した。反応混合物を45分間で室温に戻し、濾過した。減圧下に濾液
を濃縮し、残渣を、最初に
クロロホルム、次いで1%メタノール含有クロロホルムで溶出させるシリカゲル
クロマトグラフィーで処理した。この処理によって、1HNMRスペクトルによ
って構造一致が確認されたラセミ混合物の形態の標題化合物が92%の収率で得
られた。段階D
:
N−{(S)−(+)−2−アミノ−〔(R,S)−3−(((3−メ
チルフェニル)アミノ)カルボニル)アミノ〕−5−シクロヘ
キシル−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−イル]−1−プロパノールの合成
実施例1の段階Aに記載の条件と同様の条件を用い、(R,S)−N−〔2,3−
ジヒドロ−2−チオノ−5−シクロヘキシル−2H−1,4−ベンゾジアゼピン
−3−イル〕−N′−〔3−メチルフェニル〕−尿素(330mg,0.812ミ
リモル)を、8mlのテトラヒドロフラン中で、(S)−(+)−2−アミノ−1−
プロパノール及び287mgの塩化水銀(II)と反応させると、363mgの標題
化合物がジアステレオマーの混合物として得られた(1HNMR(CDCl3):構造
一致を確認)。段階E
:
N−{(S)−(+)−2−アミノ−〔(R,S)−3−(((3−メ
チルフェニル)−アミノ)カルボニル)アミノ〕−5−シクロ
ヘキシル−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−イル}−1−プロパノールの環化
N−{(S)−(+)−2−アミノ−〔(R,S)−3−(((3−メチルフェニル)ア
ミノ)カルボニル)アミノ〕−5−シクロヘキシル−2H−1,4−ベンゾジアゼ
ピン−2−イル}−1−プロパノール(365mg)を、実施例1の段階Bの手順
に従って標題化合物に変換した。最終生成物であるジアステレオマー混合物をキ
ラル分取用HPLCクロマトグラフィー(実施例1の段階B参照)で分離すると、
N−〔(2S,4R)−メチル−6−シクロヘキシル−2,4−ジヒドロ−1H−イ
ミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−4−イル〕−N′−〔3−メ
チルフェニル〕ー尿素が97%のジアステレオマー純度で得られた。融点166
℃。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMの純度>97%;Rf=0.16(酢酸エチル−ヘキサン;7:
3)
FAB MS:430(M++H)。
N−〔(2S,4S)−メチル−6−シクロヘキシル−2,4−ジヒドロ−1H−イ
ミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−4−イル〕−N′−〔3−メ
チルフェニル〕−尿素は、99.5%の化学的純度及び70%のジアステレオマ
ー純度で得られた。融点142℃(分解)。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMの純度>99%;Rf=0.30(酢酸エチル−ヘキサン;7:
3)
FAB MS:430(M++H);
C26H31N5O・0.4CHCl3・0.15酢酸エチルの元素分析:
計算値:C,66.11;H,6.70;N,14.28
測定値:C,66.38;H,6.46;N,14.24。実施例7
N−〔(2S,4R,4S)−メチル−6−フェニル−2,4−
ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジア
ゼピン−4−イル〕−N′−〔4−クロロフェニル〕−尿素の調製
(R,S)−N−(2,3−ジヒドロ−2−チオノ−5−フェ
ニル−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−3−イル)−N′−(4−クロロフェニ
ル)−尿素と(R)−(−)−2−アミノ−1−プロパノールとを用い、実施例1の
段階Aに従って、N−{(R)−(−)−2−アミノ−〔(R,S)−3−(((4−クロ
ロフェニル)アミノ)カルボニル)アミノ〕−5−フェニル−2H−1,4−ベンゾ
ジアゼピン−2−イル}−1−プロパノールを調製した。得られた化合物を次に
実施例1の段階Bに記載の条件と同様の反応条件を用いて標題化合物(ジアステ
レオマーの混合物)に変換した。融点164℃(分解)。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMの異性体A及びBの純度>95%;Rf=0.67(クロロホ
ルム−メタノール,9:1)
FAB MS:430(M++H);
C25H22ClN5Oの元素分析:
計算値:C,67.64;H,5.00;N,15.78
測定値:C,67.24;H,5.13;N,15.14。実施例8
N−〔(2S,4R,4S)−メチル−6−フェニル−2,4−
ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジア
ゼピン−4−イル〕−N′−〔3−クロロフェニル〕−尿素の調製
(R,S)−N−(2,3−ジヒドロ−2−チオノ−5−フェニル−1H−1,4−
ベンゾジアゼピン−3−イル)−N′−(3−クロロフェニル)−尿素と(R)−(−
)−2−アミノ−1−プロパノールとを用い、実施例1の段階Aに従って、N−
{(R)−(−)−2−アミノ−〔(R,S)−3−(((3−クロロフェニル)アミノ)カ
ルボニル)−アミノ〕−5−フェニル−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−イ
ル}−1−プロパノールを調製した。得られた化合物を次に実施例1の段階Bに
記載の条件と同様の反応条件を用いて、標題化合物(ジアステレオマーの混合物)
に変換した。融点143〜146℃(分解)。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMの異性体A及びBの純度>95%;Rf=0.68(クロロホ
ルム−メタノール,9:1)
FAB MS:444(M++H);
C25H22ClN5O・0.45EtOAc・0.2CHCl3の
元素分析:
計算値:C,63.91;H,5.12;N,13.80
測定値:C,63.69;H,5.22;N,13.91。実施例9
N−〔(2S,4R,4S)−メチル−6−フェニル−2,4−
ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジア
ゼピン−4−イル〕−N′−〔4−トリフルオロメチルフェニル〕−尿素の調製
(R,S)−N−(2,3−ジヒドロ−2−チオノ−5−フェニル−1H−1,4−
ベンゾジアゼピン−3−イル)−N′−(4−トリフルオロメチルフェニル)−尿
素と(R)−(−)−2−アミノ−1−プロパノールとを用い、実施例1の段階Aに
従って、N−{(R)−(−)−2−アミノ−〔(R,S)−3−(((4−トリフルオロ
メチルフェニル)アミノ)カルボニル)−アミノ〕−5−フェニル−2H−1,4−
ベンゾジアゼピン−2−イル}−1−プロパノールを調製した。得られた化合物
を次に実施例1の段階Bに記載の条件と同様の反応条件を用いて、標題化合物(
ジアステレオマーの混合物)に変換した。融点148〜152℃(分解)。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和
物の形態であることを確認;
HPLC:214nMの異性体A及びBの純度>96%;Rf=0.66(クロロホ
ルム−メタノール,9:1)
FAB MS:478(M++H);
C26H22F3N5O・0.45 2−プロパノールの元素分析:
計算値:C,65.10;H,5.11;N,13.88
測定値:C,65.23;H,4.88;N,13.85。実施例10
N−〔(2S,4S)−メチル−5−シクロヘキシル−2,4
−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジ
アゼピン−4−イル〕−N′−〔6−インドリル〕−尿素及び
N−〔(2S,4R)−メチル−5−シクロヘキシル−2,4
−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジ
アゼピン−4−イル〕−N′−〔6−インドリル〕−尿素の調製 段階A
:
N−{(S)−(+)−2−アミノ−〔(R,S)−3−(ベンジル
オキシカルボニル)アミノ〕−5−シクロヘキシル−2H−
1,4−ベンゾジアゼピン−2−イル}−1−プロパノールの合成
1,3−ジヒドロ−5−シクロヘキシル−3(R,S)−〔(ベンジルオキシカル
ボニル)アミノ〕−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−チオン(1g,2.45
ミリモル)を、8mlの無水テトラヒドロフランに溶解し、(S)−(+)−2−ア
ミノ−1−プロパノール(763μl,9.80ミリモル)及び塩化水銀(II)(86
6mg)で順次処理した。得られた懸濁液を55℃で2時間加熱した。反応混合
物を濾過し、濾過ケーキをテトラヒドロフランで洗浄した。濾液を減圧下に濃縮
し、残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン勾
配、20→60%酢酸エチル)で処理すると、1.17g(収率61%)の分析生成
物がジアステレオマーの混合物として得られた。Rf=0.3(酢酸エチル−ヘキ
サン,1:1)1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致している。段階B
:
N−{(S)−(+)−2−アミノ−〔(R,S)−3−(ベンジル
オキシカルボニル)アミノ〕−5−シクロヘキシル−2H−
1,4−ベンゾジアゼピン−2−イル}−1−プロパノールの環化
26mlの塩化メチレン中の670mg(1.49ミリモル)のN−{(S)−(+
)−2−アミノ−〔(R,S)−3−(ベンジルオキシカルボニル)アミノ〕−5−シ
クロヘキシル−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−イル}−1−プロパノー
ルの氷冷溶液を湿気に触れぬようにし、メタンスルホニルクロリド(139μl,
1.79ミリモル)及びジイソプロピルメチルアミン(544μl,3.13ミリモ
ル)で処理した。15分後に反応混合物を室温に戻し、撹拌を更に1.5時間継続
した。減圧下に揮発分を完全に除去し、残渣をトルエンと共沸させ、次いで20
0mlの酢酸エチルに溶解した。有機相を、ブライン(50容量%)含有の10%
クエン酸溶液で一回、各20mlの10%炭酸ナトリウム溶液で2回、次いでブ
ラインで洗浄した。次に有機抽出物を脱水し(硫酸ナトリウム)、濃縮すると、5
67mgの粗生成物がジアステレオマーの混合物として得られた。この物質を次
の段階Cで直接用いた。段階C
:
(4R,4S)−アミノ−(2S)−メチル−6−シクロヘキ
シル−2,4−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピンの調製
(4R,4S)−(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−(2S)−メチル−6−シ
クロヘキシル−2,4−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベン
ゾジアゼピン(250mg,0.581ミリモル)を8mlの無水メタノールに溶解
し、150mgの10%パラジウム/炭素触媒で処理した。得られた懸濁液を水
素雰囲気下に室温で1.25時間撹拌した。反応混合物を濾過し、触媒をメタノ
ールで洗浄した。減圧下に濾液を濃縮し、残渣をトルエンと共沸させて脱水する
と159mgの生成物が得られた。段階D
:
(4R,4S)−アミノ−(2S)−メチル−6−シクロヘキ
シル−2,4−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,
4〕ベンゾジアゼピンと6−インドリルイソシアナートとの反応
6−アミノインドール(92.1mg,0.232ミリモル)を0℃で17mlの
テトラヒドロフランに溶解し、97μlのトリエチルアミンで処理した。この混
合物に、69mg(0.232ミリモル)のトリホスゲンを添加した。湿潤pH試
験紙によって反応混合物のpHが8.5を記録するまでトリエチルアミンを更に
添加した。反応混合物を0℃
で5分間、次いで室温で5分間撹拌した。反応混合物を再度0℃に冷却し、10
mlのテトラヒドロフラン中の159mg(0.536ミリモル)の(4R,4S)−
アミノ−(2S)−メチル−6−シクロヘキシル−2,4−ジヒドロ−1H−イミ
ダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピンで処理した。10分後、反応混合
物を濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣を10%クエン酸溶液と酢酸エチル
(75ml)とに分配した。次いで、有機相を10%炭酸ナトリウム溶液及びブラ
インで順次洗浄し、脱水し濃縮すると、323mgの粗生成物が得られた。最終
生成物であるジアステレオマー混合物をキラル分取用HPLCクロマトグラフィ
ーで分離すると(実施例1、段階B参照)、83mgのN−〔(2S,4S)−メチ
ル−5−シクロヘキシル−2,4−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1
,4〕ベンゾジアゼピン−4−イル〕−N′−〔6−インドリル〕−尿素が99
%のジアステレオマー純度で得られた。融点180℃。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMの純度>97%;Rf=0.52(ヘキサン−2−プロパノー
ル;3:1)
FAB MS:455(M++H)。
C27H30N6O・0.35CHCl3・0.75CH3OHの元素分析:
計算値:C,64.85;H,6.46;N,16.15
測定値:C,64.84;H,6.09;N,15.81。
N−〔(2S,4R)−メチル−5−シクロヘキシル−2,4−ジヒドロ−1H−
イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−4−イル〕−N′−〔6−
インドリル〕−尿素(総量153mg)は、>99%のジアステレオマー純度及び
>98%の化学的均質性で得られた。融点191℃(分解)。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMの純度>98%;Rf=0.38(ヘキサン−2−プロパノー
ル;3:1)
FAB MS:455(M++H)。
C27H30N6O・0.35CHCl3・0.75CH3OHの元素分析:
計算値:C,64.85;H,6.46;N,16.15
測定値:C,64.83;H,6.15;N,15.79。実施例11
N−〔(2S,4S)−メチルオキシカルボニル−6−フェニ
ル−2,4−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕
ベンゾジアゼピン−4−イル〕−N′−〔3−メチルフェニ
ル〕−尿素及びN−〔(2S,4R)−メチルオキシカルボニ
ル−6−フェニル−2,4−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,
2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−4−イル〕−N′−〔3−メチルフェニル〕−尿素の調製
(R,S)−N−(2,3−ジヒドロ−2−チオノ−5−フェニル−1H−1,4−
ベンゾジアゼピン−3−イル)−N′−(3−メチルフェニル)−尿素(120mg
,0.3ミリモル)と187mg(1.2ミリモル)の(D)−セリンメチルエステル塩
酸塩とを用い、実施例1の段階Aに従って、140mgのN−(R)−2−アミノ
−{〔(R,S)−3−(((3−メチルフェニル)アミノ)カルボニル)アミノ〕−5
−フェニル−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−イル}−2−ヒドロキシプ
ロパン酸メチルを調製した。得られた化合物を次に実施例1の段階Bに記載の条
件と同様の反応条件を用いて、標題化合物(ジアステレオマーの混合物)に変換し
た。最終生成物であるジアステレオマー混合物をシリカゲルフ
ラッシュクロマトグラフィー(最初に70%酢酸エチル、次いで80%酢酸エチ
ル−ヘキサン)で分離すると、50mgのN−〔(2S,4S)−メチルオキシカル
ボニル−6−フェニル−2,4−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,
4〕ベンゾジアゼピン−4−イル〕−N′−〔3−メチルフェニル〕−尿素がエ
ーテル−ヘキサン溶液で研和後に得られた。融点152℃(分解)。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMのジアステレオマー純度>88%及び化学的純度>93%;
Rf=0.62(酢酸エチル−ヘキサン;4:1)
FAB MS:468(M++H)。
C27H25N5O3・0.25CHCl3・0.10EtOAcの元素分析:
計算値:C,65.60;H,5.19;N,13.84
測定値:C,65.73;H,5.25;N,13.77。
N−〔(2S,4R)−メチルオキシカルボニル−6−フェニル−2,4−ジヒド
ロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−4−イル〕−N
′−〔3−メチルフェ
ニル〕−尿素(20mg)は、ジアステレオマー純度>77%及び化学的均質性>
95%で得られた。融点137−140℃(分解)。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMの純度>95%;Rf=0.35(酢酸エチル−ヘキサン;4:
1)
FAB MS:468(M++H)。
C27H25N5O3・0.4CHCl3の元素分析:
計算値:C,63.86;H,4.97;N,13.59
測定値:C,63.74;H,5.13;N,13.32。実施例12
N−〔6−フェニル−2,4−ジヒドロ−1H−イミダゾ
〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−4−イル〕−N′−〔3−メチルフェニル〕−尿素の調製
(R,S)−N−(2,3−ジヒドロ−2−チオノ−5−フェニル−1H−1,4−
ベンゾジアゼピン−3−イル)−N′−(3−メチルフェニル)−尿素(153mg
,0.382ミリモル)と167μl(1.528ミリモル)のアミノアセトアルデヒ
ドジメチルアセタールとを用い、実施例1の段階
Aに従って、196mgのN−2−アミノ−{〔(R,S)−3−(((3−メチルフ
ェニル)アミノ)−カルボニル)アミノ〕−5−フェニル−2H−1,4−ベンゾジ
アゼピン−2−イル}−1−アセトアルデヒドジメチルアセタールを調製した。
得られた化合物(180mg)を5mlの塩化メチレンに溶解し、1.5mlの三
フッ化ホウ素のエーテル付加物で処理した。反応混合物を50℃で2.5時間撹
拌し、冷却し、250mlの酢酸エチルで希釈した。得られた溶液を10%炭酸
ナトリウム溶液及びブラインで洗浄し、次に脱水して濃縮すると、180mgの
標題化合物が粗化合物の形態で得られた。分取用厚膜シリカゲルクロマトグラフ
ィー(溶出剤:クロロホルム−メタノール,96:4)で処理すると、分析物質が得
られた。融点144℃(分解)。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMの純度>99%;Rf=0.53(クロロホルム−メタノール;
9:1)
FAB MS:408(M++H)。
C25H21N5O・0.4CHCl3の元素分析:
計算値:C,67.01;H,4.74;N,15.39
測定値:C,66.94;H,4.87;N,15.35。実施例13
N−〔(1R,4S)−メチル−6−フェニル−2,4−ジヒ
ドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピ
ン−4−イル〕−N′−〔3−メチルフェニル〕−尿素及びN
−〔(1R,4R)−メチル−6−フェニル−2,4−ジヒド
ロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−4−イル〕−N
′−〔3−メチルフェニル〕−尿素の調製 段階A
:
N−{(2S)−(+)−3−アミノ−〔(R,S)−3−(((3−
メチルフェニル)アミノ)カルボニル)アミノ〕−5−フェニ
ル−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−イル}−2−プロパノールの合成
(R,S)−N−(2,3−ジヒドロ−2−チオノ−5−フェニル−1H−1,4−
ベンゾジアゼピン−3−イル)−N′−(3−メチルフェニル)−尿素(460mg
,1.15ミリモル)を、20mlの無水テトラヒドロフランに溶解し、(S)−(+
)−1−アミノ−2−プロパノール(363μl,4.6ミリモル)及び406mg
の塩化水銀(II)で順次処理した。得られた懸濁液を55℃で2時間加熱した。反
応混
合物を濾過し、濾過ケーキをテトラヒドロフランで洗浄した。減圧下に濾液を濃
縮し、残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム中の2%
メタノール)で処理すると、390mg(収率77%)の分析生成物がジアステレ
オマーの混合物として得られた。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致している。段階B
:
N−{(S)−(+)−3−アミノ−〔(R,S)−3−(((3−メ
チルフェニル)アミノ)カルボニル)アミノ〕−5−フェニル
−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−イル}−2−プロパノールの環化
20mlの塩化メチレン中の390mg(0.883ミリモル)のN−{(S)−(
+)−3−アミノ−〔(R,S)−3−(((メチルフェニル)アミノ)カルボニル)アミ
ノ〕−5−フェニル−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−イル}−2−プロ
パノールの氷冷溶液を、湿気に触れぬようにし、メタンスルホニルクロリド(8
2μl,1.06ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(323μl,1.86
ミリモル)で処理した。15分後に反応混合物を室温に戻し、撹拌を更に24時
間継続した。減圧下に揮発分を完全に除去し、
残渣を190mlの酢酸エチルに溶解した。有機相を、ブライン(50容量%)含
有の10%クエン酸溶液で1回、各20mlの10%炭酸ナトリウム溶液で2回
、次いでブラインで洗浄した。有機抽出物を脱水し(硫酸ナトリウム)、濃縮する
と、370mgの粗生成物がジアステレオマーの混合物として得られた。この物
質をRexchrom Pirkle共有結合L−ロイシンカラム(5μ,100
A)を用いたHPLCで均質になるまで精製した。(クロマトグラフィー条件:溶
出剤は0.2%トリエチルアミン含有の1:1ヘキサン−イソプロパノール:流速
は2ml/分)。この処理によって、N−〔(1R,4S)−メチル−6−フェニル
−2,4−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン
−4−イル〕−N′−〔3−メチルフェニル〕−尿素が、99%を上回るジアス
テレオマー純度で得られた。融点135〜138℃(分解)。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMの純度>99%;Rf=0.14(酢酸エチル−ヘキサン;4:
1)
FAB MS:424(M++H);
C26H25N5O・0.25CHCl3・0.15ヘキサンの元素分析:
計算値:C,69.93;H,5.91;N,15.02
測定値:C,69.95;H,5.73;N,15.04。
N−〔(1R,4R)−6−フェニル−2,4−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,
2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−4−イル〕−N′−〔3−メチルフェニ
ル〕−尿素は、99%のジアステレオマー純度で得られた。融点145〜148
℃(分解)。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMの純度>99%;Rf=0.14(酢酸エチル−ヘキサン;4:
1)
FAB MS:424(M++H);
C26H25N5O・0.35CHCl3・0.10i−プロパノールの元素分析:
計算値:C,67.91;H,5.59;N,14.86
測定値:C,68.15;H,5.58;N,14.59。実施例14
(4S)−N−〔(2S)−メチル−6−シクロヘキシル−2,
4−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾ
ジアゼピン−4−イル〕−ナフタレン−1−アセトアミド
及び(4R)−N−〔(2S)−メチル−6−シクロヘキシル
−2,4−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕
ベンゾジアゼピン−4−イル〕−ナフタレン−1−アセトアミドの調製
1−ナフチル酢酸(45mg,0.242ミリモル)を、33mgの1−ヒドロキ
シベンゾトリアゾール水和物(0.242ミリモル)を含有する3mlの無水N,N
−ジメチルホルムアミドの溶液に添加した。この混合物に、1−エチル−3−(
3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(46mg,0.242ミリモ
ル)と、実施例10の段階Cに従って調製した(4R,4S)−アミノ−(2S)−メ
チル−6−シクロヘキシル−2,4−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔
1,4〕ベンゾジアゼピン(60mg,0.202ミリモル)とを添加した。得られ
た反応混合物のpHをトリエチルアミンで8.5に調整し、この混合物を不活性
雰囲気下に室温で10分間撹拌した。減圧下に反応混合
物を濃縮し、残渣を酢酸エチルと水とに分配した。有機相を分離し、ブラインで
洗浄し、脱水した。有機抽出物を合わせて濃縮すると、173mgの粗生成物が
得られた。生成した混合物をRexchrom Pirkle共有結合L−ロイ
シンカラム(5μ,100A)を用いたHPLCで均質になるまで精製した。(クロ
マトグラフィー条件:使用溶出剤は0.2%トリエチルアミン含有の1:1ヘキサ
ン−イソプロパノール:流速は2ml/分)。この処理によって、(4S)−N−〔
(2S)−メチル−6−シクロヘキシル−2,4−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,
2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−4−イル〕−ナフタレン−1−アセトア
ミドが75%を上回るジアステレオマー純度で得られた。融点127℃(分解)。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMの化学的純度>98%;Rf=0.13(酢酸エチル−ヘキサ
ン;4:1)
FAB MS:465(M++H);
C30H32N4O・0.4CHCl3・0.15ヘキサンの元素分析:
計算値:C,71.56;H,6.62;N,10.67
測定値:C,71.66;H,6.61;N,10.98。
(4R)−N−〔(2S)−メチル−6−シクロヘキシル−2,4−ジヒドロ−1
H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−4−イル〕−ナフタレ
ン−1−アセトアミドは95%のジアステレオマー純度で得られた。融点104
℃(分解)。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMの純度>99%;Rf=0.24(酢酸エチル−ヘキサン;4:
1)
FAB MS:465(M++H);
C30H32N4O・0.1CHCl3・0.25ヘキサンの元素分析:
計算値:C,76.19;H,7.20;N,11.25
測定値:C,76.50;H,6.95;N,11.23。実施例15
N−〔(2S,4S)−メチル−5−フェニル−2,4−ジヒ
ドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピ
ン−4−イル〕−N′−〔6−インドリル〕−尿素及びN−〔
(2S,4R)−メチル−5−フェニル−2,4−ジヒドロ−
1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−4−イル〕−N
′−〔6−インドリル〕−尿素の調製 段階A
:
N−{(S)−(+)−2−アミノ−〔(R,S)−3−(ベンジル
オキシカルボニル)アミノ〕−5−フェニル−2H−1,4
−ベンゾジアゼピン−2−イル}−1−プロパノールの合成
1,3−ジヒドロ−5−フェニル−3(R,S)−〔(ベンジルオキシカルボニル)
アミノ〕−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−チオン(3.5g,8.7ミリモ
ル)を100mlの無水テトラヒドロフランに溶解し、(S)−(+)−2−アミノ
−1−プロパノール(1.36ml,17.40ミリモル))及び塩化水銀(II)(3.0
8g,11.3ミリモル)で順次処理した。得られた懸濁液を次に55℃で3時間
加熱した。反応混合物を濾過し、濾過ケーキをテトラヒドロフランで洗浄した。
減圧下に濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(酢酸
エチル−ヘキサン1:1)で処理すると、1.16gの分析生成物がジアステレオ
マーの混合物として得られた。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致している。段階B
:
N−{(S)−(+)−2−アミノ−〔(R,S)−3−(ベンジル
オキシカルボニル)アミノ〕−5−フェニル−2H−1,4
−ベンゾジアゼピン−2−イル}−1−プロパノールの環化
35mlの塩化メチレン中の865mg(1.96ミリモル)のN−{(S)−(+
)−2−アミノ−〔(R,S)−3−(ベンジルオキシカルボニル)アミノ〕−5−フ
ェニル−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−イル}−1−プロパノールの氷
冷溶液を、湿気に触れぬようにし、メタンスルホニルクロリド(182μl,2.
35ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン(683μl,3.92ミリモル)
で処理した。15分後に反応混合物を室温に戻し、更に1.5時間撹拌を継続し
た。減圧下に揮発分を完全に除去し、残渣をトルエンと共沸させ、200mlの
酢酸エチルに溶解した。有機相を、ブライン(50容量%)含有の10%クエン酸
溶液で1回、各20mlの10%炭酸ナトリウム溶液で2回及びブラインで洗浄
した。次に、有機抽出物を脱水し(硫酸ナトリウム)、濃縮すると、677mgの
粗抽出物がジア
ステレオマー混合物として得られた。この物質を次の段階Cで直接用いた。段階C
:
(4R,4S)−アミノ−(2S)−メチル−6−フェニル−
2,4−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピンの調製
(4R,4S)−(ベンジルオキシカルボニル)アミノ−(2S)−メチル−6−フ
ェニル−2,4−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジア
ゼピン(120mg,0.28ミリモル)を、25mlの無水メタノールに溶解し、
55mgの10%パラジウム/炭素触媒で処理した。得られた懸濁液を水素雰囲
気下に室温で1.25時間撹拌した。更に50mgのパラジウム触媒を添加し、
撹拌を更に2時間継続した。反応混合物を濾過し、触媒をメタノールで洗浄した
。減圧下に濾液を濃縮し、残渣をトルエンと共沸させて脱水すると86mgの生
成物が得られた。段階D
:
(4R,4S)−アミノ−(2S)−メチル−6−フェニル−
2,4−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピンと6−アミノインドールとの反応
6−アミノインドール(71mg)を0℃で14mlのテトラヒドロフランに溶
解し、151μlのトリエチルアミンで処理した。この混合物に、53mg(0.
18ミリモル)のトリホスゲンを添加した。湿潤pH試験紙によって反応混合物
のpHが8.5を記録するまでトリエチルアミンを更に添加した。反応混合物を
0℃で5分間、次いで室温で5分間撹拌した。反応混合物を再度0℃に冷却し、
2mlのテトラヒドロフラン中の133mg(0.46ミリモル)の(4R,4S)−
アミノ−(2S)−メチル−6−フェニル−2,4−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔
1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピンで処理した。10分後、反応混合物を濾
過し、濾液を濃縮した。得られた残渣を10%クエン酸溶液と酢酸エチル(75
ml)とに分配した。次いで、有機相を10%炭酸ナトリウム溶液及びブライン
で順次洗浄し、次いで脱水し濃縮した。最終生成物であるジアステレオマー混合
物をキラル分取用HPLCクロマトグラフィー(実施例1、段階B参照)で分離す
ると、18mgのN−〔(2S,4S)−メチル−5−フェニル−2,4−ジヒドロ
−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−4−イル〕−N′
−〔6−インドリル〕−尿素が99%のジアステ
レオマー純度で得られた。融点176〜180℃。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMの純度>99%;
FAB MS:449(M++H)。
C27H24N6O・0.35EtOAc・0.45H2Oの元素分析:
計算値:C,69.98;H,5.73;N,17.24
測定値:C,70.02;H,5.53;N,17.22。
N−〔(2S,4R)−メチル−5−フェニル−2,4−ジヒドロ−1H−イミダ
ゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−4−イル〕−N′−〔6−インド
リル〕−尿素(総量2lmg)は>99%のジアステレオマー純度で得られた。
融点190〜185℃(分解)。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMの純度>98%;
FAB MS:449(M++H)。
C27H24N6O・0.40EtOAc・0.65H2Oの元素分析:
計算値:C,69.33;H,5.80;N,16.96
測定値:C,69.27;H,5.47;N,16.98。実施例16
(4S)−N−〔(2S)−メチル−6−フェニル−2,4−ジ
ヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼ
ピン−4−イル〕−(3−クロロフェニル)−1−アセトア
ミド及び(4R)−N−〔(2S)−メチル−6−フェニル−
2,4−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベ
ンゾジアゼピン−4−イル〕−(3−クロロフェニル)−1−アセトアミドの調製
実施例15の段階Cに従って調製した(4R,4S)−アミノ−(2S)−メチル
−6−フェニル−2,4−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベ
ンゾジアゼピン(74mg,0.25ミリモル)を、3mlの無水N,N−ジメチル
ホルムアミド中で、48mg(0.28ミリモル)の3−クロロフェニル酢酸と、
38mg(0.28ミリモル)の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物と、5
4mg(0.28ミリモル)の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミド塩酸塩と39μlのトリエチルアミンと混合した。反応混合物を1
8時間撹拌し濃縮し
た。残渣を酢酸エチルと水とに分配した。有機相を分離し、ブラインで洗浄し、
脱水した。有機抽出物を合わせて濃縮すると、60mgの粗生成物が得られた。
生成した混合物をRexchrom Pirkle共有結合L−ロイシンカラム
(5μ,100A)を用いたHPLCで均質になるまで精製した。(クロマトグラフ
ィー条件:溶出剤は0.2%トリエチルアミン含有の1:1ヘキサン−イソプロパ
ノール:流速は2ml/分)。この処理によって、(4S)−N−〔(2S)−メチル
−6−フェニル−2,4−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベ
ンゾジアゼピン−4−イル〕−(3−クロロフェニル)−1−アセトアミドが99
%を上回るジアステレオマー純度で得られた。融点116〜118℃(分解)。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMの化学的純度>99%;Rf=0.59(クロロホルム−メタ
ノール,95:5)
FAB MS:443(M++H);
C26H23ClN4O・0.2CHCl3・0.4H2Oの元素分析:
計算値:C,66.39;H,5.10;N,11.82
測定値:C,66.42;H,5.11;N,11.72。
(4R)−N−〔(2S)−メチル−6−フェニル−2,4−ジヒドロ−1H−イ
ミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−4−イル〕−(3−クロロフ
ェニル)−1−アセトアミドは99%のジアステレオマー純度で得られた。融点
120〜124℃(分解)。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMの純度>99%;Rf=0.53(クロロホルム−メタノール,
95:5)
FAB MS:443(M++H);
C26H23ClN4O・0.15CHCl3・0.3H2Oの元素分析:
計算値:C,67.36;H,5.13;N,12.02
測定値:C,67.37;H,5.13;N,11.97。実施例17
(4S)−N−〔(2S)−メチル−6−フェニル−2,4−ジ
ヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼ
ピン−4−イル〕−(6−インドリル)−1−アセトアミド
及び(4R)−N−〔(2S)−メチル−6−フェニル−2,4
−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジ
アゼピン−4−イル〕−(6−インドリル)−1−アセトアミドの調製
実施例15の段階Cで調製した(4R,4S)−アミノ−(2S)−メチル−6−
フェニル−2,4−ジヒドロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジ
アゼピン(78mg,0.269ミリモル)を、6mlのN,N−ジメチルホルムア
ミド中で、61mg(0.35ミリモル)の6−インドリル酢酸と、47mg(0.
35ミリモル)の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物と、67mg(0.3
5ミリモル)の1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
塩酸塩と、0.35ミリモルのトリエチルアミンと混合した。反応混合物のpH
をトリエチルアミンで8.5に調整し、撹拌を2時間継続した。反応混合物を濃
縮し、残渣を酢酸エチルと水とに分配した。有機相を分離し、ブラインで洗浄し
、脱水した。有機抽出物を合わせて濃縮すると、190mgの粗生成物が得られ
た。生成した混合物を、先ずシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(クロロ
ホルム中2→5%メタノールの勾配)で精製し、次
いでRexchrom Pirkle共有結合L−ロイシンカラム(5μ,100
A)を用いたHPLCで均質になるまで精製すると(クロマトグラフィー条件:溶
出剤は0.2%トリエチルアミン含有の1:1ヘキサン−イソプロパノール:流速
は2ml/分)、(4S)−N−〔(2S)−メチル−6−フェニル−2,4−ジヒド
ロ−1H−イミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−4−イル〕−(
6−インドリル)−1−アセトアミドが85%を上回るジアステレオマー純度で
得られた。融点138〜140℃(分解)。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:214nMの化学的純度>99%;
FAB MS:448(M++H);
C28H25N5O・0.3CHCl3・0.15ヘキサンの元素分析:
計算値:C,70.66;H,5.57;N,14.11
測定値:C,70.92;H,5.48;N,14.11。
(4R)−N−〔(2S)−メチル−6−フェニル−2,4−ジヒドロ−1H−イ
ミダゾ〔1,2−a〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−4−イル〕−(6−インドリ
ル)−1−アセトアミ
ドは90%のジアステレオマー純度で得られた。融点148〜150℃(分解)。1
HNMR(CDCl3):予期構造と一致しており、溶媒和物の形態であることを
確認;
HPLC:254nMの純度>95%;
FAB MS:448(M++H);
C28H25N5O・0.55CHCl3の元素分析:
計算値:C,66.81;H,5.02;N,13.65
測定値:C,66.56;H,5.05;N,13.60。
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フロントページの続き
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E,FI,GE,HU,JP,KG,KR,KZ,LK
,LR,LT,LV,MD,MG,MN,NO,NZ,
PL,RO,RU,SI,SK,TJ,TT,UA,U
S,UZ
(72)発明者 フレイデインジヤー,ロジヤー・エム
アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・
07065、ローウエイ、イースト・リンカー
ン・アベニユー・126
(72)発明者 デイパルド,ロバート・エム
アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・
07065、ローウエイ、イースト・リンカー
ン・アベニユー・126