JPH09501045A - Dcc遺伝子産物特異的抗体 - Google Patents

Dcc遺伝子産物特異的抗体

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JPH09501045A JP7500697A JP50069794A JPH09501045A JP H09501045 A JPH09501045 A JP H09501045A JP 7500697 A JP7500697 A JP 7500697A JP 50069794 A JP50069794 A JP 50069794A JP H09501045 A JPH09501045 A JP H09501045A
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ジャロズ,デヴィッド・イー
ジョンソン,カレン
キンズラー,ケネス・ダブリュー
ヴォーゲルスタイン,バート
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Abstract

(57)【要約】 DCCの発現が非常に低いレベルであっても、生物学的な試料中のDCCタンパク質を検出することができる抗体が開示されている。DCCの変化を検出する免疫学的な方法も開示されている。これらの薬剤及び方法により、個々の試験試料中のこの非常に大きな遺伝子を分析する必要なしにDCC変異の検出ができる。

Description

【発明の詳細な説明】 DCC遺伝子産物特異的抗体 この発明は米国政府基金(NIH CA−43460)を使用してなされた。 政府はこの発明に対して権利を保有する。 発明の技術分野 この発明は癌の診断の領域に関する。特に、本発明は腫瘍サプレッサー遺伝子 DCCの発現を決定するための免疫学的な方法及び手段に関する。 発明の背景 ヒトの癌の成長は多段階の過程であると言われてきた(Foulds,Cancer Res.1 7:355-356(1957);Nowell,Cancer Res.46:2203(1985))。結腸での腫瘍発生は 分子レベルにおけるこの多段階仮説を調べる優秀なモデル系を提供する(Vogels tein,et al.,New Eng.J.Med.319:525(1988))。結腸腫瘍は、正常な上皮から 、腺腫と呼ばれる良性の腫瘍を経て、癌として知られる悪性段階に到る組織病理 学的に確認できる状態が連続して進行する(Sugarbaker,Colorectal cancer: P rinciples and practices of Oncology(ed.V.T.Devita,S.Hellman,and S.A.Rose nberg)2nd edition pg.800.J.B.Lippincott,Philadelphia)。現在、この進行 段階で変化する数種の遺伝子が同定されている。この中には癌遺伝子(K−ra s)(Bos,et al.,Nature 327:293(1987);Forrester,et al.,Nature 327:293 (1987))及び腫瘍の進行中に優先順に変異する3つの腫瘍サプレッサー遺伝子( p53、DCC及びAPC)(Baker,et al.,Science 244:217(1989);Fearon, et al.,Science 247:49(1990);Kinzler,et al.,Science 253:661(1991);Gro den,et al.,Cell 66:589(1991))がある。腫瘍サプレッサー遺伝子DCC(結 腸癌で失われている;deleted in colorectal carcinoma)は、染色体第18番 の長い方のアームに位置しており、細胞表面タンパク質をコードしている。 ヒトの腫瘍における特定の染色体の頻繁かつ継続的な異型接合性の消失(LO H;loss of heterozygosity)は、失われた領域に含有されている腫瘍サプレッ サー遺伝子の存在と関連していた(Knudson,Cancer Res.45:1437(1985);Frien d,et al.,Nature 323:643(1986);Baker,et al.,Science 244:217(1989))。 この関連性に基づいて、結腸腫瘍DNA試料の全ての非−末端動原体性(non-ac rocentric)染色体のアームの異型接合性の消失を分析することによって、結腸 癌の進行において重要な潜在性腫瘍サプレッサー遺伝子の探索が行われた。この 研究から、非常に多くの結腸腫瘍における数種の染色体アームの異型接合性の消 失が明らかになった。その1つ、染色体第18番の長いアームは、後期の腺腫の およそ45%及び癌の75%で失われていた(Vogelstein,et al.,New Eng.J.M ed.319:525(1988))。消失した重要な領域を更に調べるために、18qの全部 ではなく一部をなくした8種の癌を、染色体第18番の長いアームの全長にわた る多くのプローブによって広範に調べた。消失した1つの共通の領域は18q2 1.3に集中していた。結腸癌DNA試料の可能な変化をスクリーニングするた めに、この領域に位置することが予め示されていた遺伝子及び名前のないDNA セグメントのプローブを用いた。1つの名前のないプローブ、p15−65によ り、1つの結腸癌における同型接合性の消失が検出された。同型接合性の消失は まれであり、腫瘍サプレッサー遺伝子をコードしている位置における腫瘍におい て報告された(Wolf and Rotter,Proc.Nat'l.Acad.Sci.U.S.A.82:790(1985)) 。これらの結果から、p15−65は潜在性腫瘍サプレッサー遺伝子の中、ある いは少なくとも非常に近くにあることが強く示唆された。 従って、最後には370kbの隣接するゲノムDNAを包囲する二方向染色体 歩行の出発点としてp15−65を用いた。この歩行により、種間サザンブロッ ティング分析のプローブとして用いられる117個のEco RI断片が生成した。こ の断片の24種が、調べた種の少なくとも1種にハイブリダイズした。進化段階 で保存された7種の断片からラット及びヒト同族体のものをクローニングし、配 列決定した。読み取り枠並びにエクソンとなり得る部分を示す5’及び3’のス プライス供与部位の存在について配列を調べた。cDNAを増幅するポリメラー ゼ連鎖反応を利用してmRNAの感度のよい発現アッセイを開発した。これらの 研究から、結腸粘膜を含むほとんどの正常な組織における2つのエクソン候補の 発現が明らかになった。対照的に、15から17種の結腸癌ではこのエクソンの 発現ができなかった。これらのエクソンを含有する遺伝子は(結腸癌で消失(del eted in colorectal carcinoma)しているため)DCCと名付けられ、この結果 はDCCが染色体18q上の標的腫瘍サプレッサー遺伝子を示す可能性と一致し ていた(Fearon,et al.,Science 247:49(1990))。このcDNAをクローニン グしたところ、神経細胞の接着分子や他の細胞表面糖タンパク質に非常に類似し た独特な細胞質ドメインと細胞外の部分を有する、1447個のアミノ酸からな る貫膜タンパク質を予測するDCCの核酸配列が見い出された(図1)。ヒトの 癌の多くの研究が、細胞−細胞及び細胞−細胞外マトリックスの接着を含む細胞 −細胞関係の異常、細胞接触による成長阻害の消失(Todaro and Green,J.Cell Biol.17:299(1963))、秩序をなくした組織構造(Cotran,et al.,Robbins Pa thologic Basis of Disease 4th Edition pp.244,W.B.Saunders Company,Phil adelphia(1989))を示していることから、これは興味ある結果であった。 ヒトの腫瘍における推測上の腫瘍サプレッサー遺伝子の体細胞変異は、分析さ れた腫瘍の成長におけるその重要性を示すものとされてきた(Baker,et al.,Sc ience 244:217(1989))。DCC遺伝子は欠失、挿入及び点突然変異を含む種々 のメカニズムで結腸癌において体細胞変異することが示されている(Fearon,eta l.,Science 247:49(1990))。更なる変異の探索が進行中である。DCC遺伝子 の体細胞変異を評価するための更に他の手段及び方法がこの分野で必要とされて いる。 発明の要約 DCC遺伝子の体細胞変異を検出するための抗体の調製物を提供することが本 発明の目的である。 ヒトDCC遺伝子の変異を決定する免疫学的な方法を提供することが本発明の もう1つの目的である。 酵素結合イムノソルベント検定法を実施する際に使用する固相支持体を提供す ることが本発明の更に他の目的である。 DCC遺伝子の体細胞変異の決定に有用な抗体を産生するハイブリドーマを提 供することが本発明の更に他の目的である。 本発明のこれら、または他の目的は以下に記載する1つまたはそれ以上の具体 例によって提供される。本発明の1つの具体例において、(1)DCCタンパク 質の細胞外ドメインまたは細胞質ドメイン上のエピトープと特異的に免疫反応し 、(2)神経細胞接着分子と交差反応しない抗体を実質上含有する抗体調製物が 提 供される。 本発明のもう1つの具体例において、ヒトのDCC遺伝子の変異を検出するた めの方法が提供される。この方法は以下の段階からなる:組織及び体液からなる 群から選ばれた試料からタンパク質を抽出する;該抽出されたタンパク質をポリ アクリルアミドゲルで分離する;該分離したタンパク質をフィルター上にブロッ ティングする;該フィルターを(1)DCCタンパク質と特異的に免疫反応し、 (2)神経細胞接着分子と交差反応しない抗体と接触させ、該抗体を該フィルタ ーにブロットされたタンパク質に結合させる;該タンパク質に結合した抗体を検 出する、ここでDCCの大きさを有するタンパク質への抗体の結合がないときは 試料中のDCC変異の存在が示唆される。 本発明の更に1つの具体例において、ヒトにおけるDCC変異の存在を決定す る方法が提供される。この方法は以下の段階からなる:ヒトの体試料を(1)D CCのエピトープに特異的に免疫反応し、(2)神経細胞接着性分子と交差反応 しない最初の抗体と接触させて該体試料の成分を該抗体に結合させる;該体試料 に結合した抗体の量を決定する、ここで該体試料への該抗体の結合がないときは ヒトにおけるDCC変異の存在が示唆される。 本発明の更に他の具体例において、酵素結合イムノソルベント検定法(ELI SA)の実施に際して利用する固相支持体が提供される。固相支持体は(1)D CCの細胞外ドメイン内にあるエピトープと特異的に免疫反応し、(2)神経細 胞接着分子と交差反応しない抗体で被覆される。 本発明の更に他の具体例において、ハイブリドーマ細胞が提供される。ハイブ リドーマ細胞は、(1)DCCの細胞外または細胞内ドメイン内にあるエピトー プと特異的に免疫反応し、(2)神経細胞接着分子と交差反応しない抗体を分泌 する。 本発明はこのようにヒト組織におけるDCCの変異の状態を評価するための免 疫学的な方法及び試薬を提供する。 発明の詳細な説明 DCCタンパク質に免疫学的に特異的な抗体が単離できることは本発明の発見 である。DCCはNCAMs(神経細胞接着分子)に実質的に相同性を有するこ とが知られていた;それでもなおDCCと反応するがNCAMsと反応しない抗 体が見い出された。こうした抗体は診断に利用することができる。DCCは正常 結腸上皮の分化した細胞の1つの型であるゴブレット細胞(goblet cells)で発 現していることが決定された。しかしながら、DCCの発現はある種の結腸腫瘍 の進行段階で失われる。(非−粘液性癌及び末期の腺腫はDCC発現を消失して いる。)正常な結腸細胞において、ノーザンブロッティングによってDCCに特 異的なmRNAが検出できなかったのに、抗体が正常結腸細胞におけるDCC発 現を検出する能力をもっていたことは予想に反することであった。本発明の抗体 は結腸試料のDCC発現を調べるために利用することができる。DCC発現がな いことは、結腸腫瘍の段階を示すと共に、予後が良くないことと関連している。 DCCの読み取り枠(ORF)の5’−末端には、膜結合性タンパク質で見ら れるシグナル配列を思わせる25個のアミノ酸からなる最初の疎水性の配列があ り、次に神経細胞接着分子(NCAMs)及び他の関連細胞表面糖タンパク質に 非常に相同性のある725個のアミノ酸が続く。DCCタンパク質はまた、4個 の免疫グロブリン様C2ドメイン及び6個のフィブロネクチンタイプIIIドメイ ンからなる1100個のアミノ酸の細胞外ドメイン、及び324個のアミノ酸の 細胞内(細胞質)ドメインを有する。細胞質ドメインは、Genbankデータベース のいずれの配列に対しても顕著な相同性を有していない。 DCC cDNA配列の種々の部分を含有する細菌融合タンパク質に対してポ リクローナル抗体を作成した。ラクトパーオキシダーゼ法によって細胞表面タン パク質をヨウ素標識し、次いで抗−DCC抗体で免疫沈降させてDCCの細胞表 面標識を実証した。DCCを高レベルに発現する形質転換細胞系の免疫細胞化学 から、細胞−細胞接触領域に強い染色を示す分散した染色パターンが示された。 このことから、高濃度のタンパク質がこれらの細胞接着部位に局在することが示 唆される。 本発明の1つの観点に従って抗体を提供する。診断上有用な2種の型の抗体を 調製した。一方の型はDCCタンパク質の細胞外ドメイン、すなわちアミノ酸2 6−1126(配列ID NO:2)上のエピトープと特異的に免疫反応するが 、 神経細胞接着分子と交差反応しない。他方の型はDCCの細胞内ドメイン、すな わちアミノ酸1123−1447(配列ID NO:2)の中にあるエピトープ と特異的に免疫反応するが、やはり神経細胞接着分子と交差反応しない。細胞外 ドメイン部分をコードするDCC遺伝子の一部は塩基対1195−2854(配 列ID NO:1)からなる。もう1つの部分は塩基対1−3189(配列ID NO:1)を含有する。DCCのこれらの部分または他の部分を含有するキメ ラ遺伝子を構築することができる。融合タンパク質を発現させ、既知の方法に従 って精製することができる。融合タンパク質は動物を免疫化してポリクローナル またはモノクローナル抗体を作らせるために利用することができる。本発明に従 い、the American Type Culture Collection,12301 Parklawn Drive,Rockville, MD 20852(ATCC)にそれぞれHB11289及び11299として寄託されたハイ ブリドーマ細胞系AF5及びAF1は、2種のモノクローナル抗体を作成する。 これらの細胞系と同じエピトープ特異性を有する抗体を分泌する他の細胞系を単 離することができる。これらはイソタイプを交換した変異型の抗体、抗−抗−イ ディオタイプ抗体、あるいは独立して得られる抗体のいずれでも良い。例として Spira et al.,(1985)“体細胞変異を通してのより良いモノクローナル抗体の作 成(The Generation of Better Monoclonal Antibodies Through Somatic Mutat ions)”,Hybridoma Technology in the Biosciences and Medicine(ed.Spring er),pp.77-78,Plenum Press,N.Y.参照。 本発明に従って、多くの異なる免疫学的アッセイが可能となる。こうしたアッ セイの1つはタンパク質が試験試料から抽出されるウエスタンブロットである。 試験試料は癌性または正常な組織、あるいは血清、血液、尿、喀痰、唾液、ふん 便等の体液のいずれでも良い。DCCタンパク質に特異的に免疫反応する抗体の いずれも利用することができる。もしDCCの大きさを有するタンパク質がウエ スタンブロットで存在しなければ、ヒトの試料提供者におけるDCCの変異が示 唆される。DCCは分子量が153kdであると予想されているが、180kd 及び190kdのタンパク質のような種々のより大きなバンドが観察されている 。この大きさの変化はN−グリコシル化によるものである。 他の免疫学的アッセイの型も利用できる。これらには免疫組織化学、ELIS A、免疫沈降がある。体試料は、DCCのエピトープと特異的に免疫反応し、神 経細胞接着分子と交差反応しない抗体との免疫反応性を調べられる。体試料とし ては末梢血単核細胞のような固定した細胞試料、固定または凍結した組織切片、 細胞または組織の抽出物、血清、血液、尿、喀痰、唾液、ふん便等の体液がある 。体試料及び抗体は抗体−抗原複合体が形成し、かつ安定である条件下で接触さ せる。こうした条件はこの分野では既知である。あるアッセイ条件のもとではD CCの細胞外ドメイン内にあるエピトープに結合する抗体を用いる必要があるか も知れない。他のアッセイ条件においては、DCCの細胞内ドメイン内にあるエ ピトープに結合する抗体を用いる必要があるかも知れない。組織切片の免疫組織 化学では後者の型の抗体が好ましいように思われる。調べる組織試料に隣接する 正常組織を集めて調べることもまた必要であるかも知れない。隣接した正常組織 で抗−DCC抗体への結合が示された場合には、試験した組織試料における結合 の欠如はDCC変異を示すものとして確認することができる。 ELISAアッセイの場合には、抗体または体試料のアッセイを行う固相支持 体に付けることができる。本発明の1つの観点に従って、典型的にはミクロタイ ターディッシュまたはディップスティックである固相支持体は、DCCと特異的 に免疫反応する抗体で被覆される。固相支持体は免疫学的なアッセイで典型的に 利用されるプラスティック、ガラス、または他の重合性物質等のいずれの物質で も良い。支持体の形態はシート、ウェル、チューブ、ビーズ、ファブリック等で 良い。 実施例 実施例1 この実施例ではポリクローナル抗−DCC抗体の調製について記載する。 DCC cDNAの選択された部分を用いて、DCCの重複しないエピトープ を含有する細菌融合タンパク質に対する2種のウサギのポリクローナル抗体を作 成した。一方は細胞外ドメインの1.65kbの部分(ヌクレオチド591−1 239、配列ID NO:1)に対して作られ、他方は全細胞質ドメイン(ヌク レオチド3309−4453、配列ID NO:1)に対して作られた。細菌融 合タンパク質はDCC cDNAの非−重複部分でpATHベクター(Kinzler, et al.,Molecular and Cellular Biology,10:649-642,1990)内に構築した。 融合タンパク質をSDS−ポリアクリルアミドゲルで単離し、ウサギに皮下注射 した。pGEMEX発現ベクター中の構築物から得られた細菌融合タンパク質を 用いて抗血清をアフィニティー精製した。実施例2 この実施例では検出し得るレベルのDCC遺伝子産物を発現する細胞系及び組 織のスクリーニングについて、またその細胞における存在部位の決定について記 載する。 組織培養細胞系を35S−メチオニンで4時間37℃で代謝的に標識した。細胞 を変性条件下でRIPA緩衝液(10mM Tris(pH7.5)及び0.5%SD S)に溶解させた。アフィニティー精製した抗−DCC抗体及びプロテインAセ ファロースビーズでおよそ200×106の放射性カウントが免疫沈降した。試 料をSDS−PAGEで分析した。 ウエスタンブロットのために、細胞系及び組織をLaemmli's試料緩衝液に溶解 させ、SDS−ポリアクリルアミドゲルに1レーンあたり100−200μgの タンパク質をのせた。タンパク質をセミドライエレクトロブロットトランスファ ー(semi-dry electroblot transfer)装置を用いてニトロセルロースに移した 。フィルターを10%ヤギ血清及び10%脱脂粉乳含有トリス緩衝生理食塩水で ブロックし、アフィニティー精製した抗−DCC抗体と共に室温で120分間イ ンキュベートした。Amersham社の増幅化学ルミネッセンス系を検出のために用い た。 免疫組織化学のために凍結組織を7μmの厚さの凍結切片とした。切片を10 %緩衝ホルマリン中で室温で30分間固定した。0.3%H22とのインキュベ ーションで内因性のペルオキシダーゼ活性をブロックし、Biogenexからの抗原検 索系(antigen retrieval system)を用いてシグナル強度を増大させた。切片を ヤギ血清でブロックし、続いて抗−DCC抗体3ng/μlと共にインキュベー トした。検出のために、Vector Laboratories社のVectastain Elite試薬と組み 合わせてヤギ抗−ウサギビオチン化二次抗体を用いた。 免疫沈降による32種の細胞系の最初のスクリーニングにおいて、DCC発現 は1種の細胞系、非−精上皮腫こう丸生殖細胞腫瘍である577MFにおいての み検出された。抗体は共に代謝的に標識された577MF細胞由来のおよそ18 0kdのタンパク質を沈降させ、これがDCC遺伝子産物を示す強い証拠を提供 している。完全な長さのDCC cDNA配列からはおよそ153kdの未修飾 貫膜分子が予測される。この配列からはまたDCCがN−グリコシル化されてい る可能性が示唆され(Fearon,et al.,Science 247:49(1990))、577MFで 観察されるより大きな見かけの分子量を説明することが可能である。免疫沈降に よって調べられた結腸癌細胞系の全ては陰性であり、DCC RNAがRNas eの保護のために検出できなかったが、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応によって検 出された先のRNA発現アッセイの結果と一致している。 細胞表面をヨウ素化して標識された577MF細胞の免疫沈降によって、DC Cタンパク質が細胞表面に存在することが証明された。DCC産物の細胞におけ る存在部位を更に研究するために、完全長のDCC cDNAを含有する構成的 発現ベクターでトランスフェクトしたCHO細胞をDCC抗体で染色した。染色 パターンはDCCが膜上に分散していることに一致した。更に、細胞−細胞接着 部位で、シグナル強度の増加が示された。この染色パターンは細胞接着に関与す ることが知られる分子を発現する細胞系において報告されている。これらの研究 から、DCCは細胞表面分子であることが示され、細胞−細胞接着の部位に集中 している可能性が示唆される。 DCC発現の組織分布はウエスタンブロット分析で調べた。逆転写ポリメラー ゼ連鎖反応による正常組織の発現研究から、最高レベルの発現は脳で起きている ことが明らかになった。ウエスタンブロット分析によって、ヒト脳組織溶解物で およそ180kdに、かすかではあるが検出可能なバンドが存在した;しかしな がら、DCCは他のいずれの組織においても検出されなかった。我々は免疫組織 化学を用いて発現アッセイの感度を増大させようとした。 発現研究から、細胞系及び組織におけるDCCの発現は極めて低いことが示さ れた。しかしながら、これまでの分析は全細胞mRNAまたは全細胞タンパク質 で実施されていた。もしもDCC発現が細胞内または細胞間の配置で局所的に高 濃度で発現しているとすれば、インジツ(in situ)の方法によってより容易に検 出できるだろう。我々は以前のmRNA発現データに基づき、中枢神経系由来の 組織においてこの仮説を検証した。凍結したヒト脊髄切片の染色から、脊髄の色 々のレベルにおいて軸索で強い染色が示された。DCC発現は有髄及び無髄神経 細胞の双方に存在するように思われた。これに続く脳の実験では同様の特異性が 示され、特に白質の神経路に限定された明白な染色があった。いくつかの神経細 胞体、特に小脳のプルキニエ細胞も染色された。プルキニエ細胞におけるDCC の発現はDCCアンチセンスRNAプローブを用いてインジツでハイブリダイゼ ーションを行うことによって確かめられた。次に組織にこの技術を応用した。( 膀胱や子宮内膜を含め)いくつかの組織では時折かすかな細胞の染色が観察され るが、最も著しい染色は結腸及び皮膚において見られた。皮膚においては、より 分化したケラチノサイトのみが染色された。 結腸においては、免疫組織化学的な染色では検出し得るDCC発現は結腸上皮 細胞の小サブセット、特にゴブレット細胞集団に限定されていた。正常な結腸粘 膜は、線維芽細胞及び炎症細胞を含有する支持性の粘膜固有層によって囲まれた 、陰窩(crypts)と呼ばれる上皮腺様の構造からなる。結腸の陰窩には2種の主 要な分化細胞の型がある:腸細胞と呼ばれ、流体及び電解質の輸送の任のある吸 収細胞;及び第二のものはムチンを製造して分泌する、ゴブレット細胞として知 られる分泌細胞である。ゴブレット細胞は細胞内の頂点に大量のムチンを蓄積す るために最も顕著な細胞型である。しかしながら、これらは円錐の陰窩上皮のお よそ20−30%を占めるに過ぎない(Hafez,Cell Growth and Differentiati on 1:617(1990))。 ゴブレット細胞におけるDCCの発現パターンは特異的である。シグナルは細 胞の塩基性よりの部分及び核上の細胞質空間、尖端のムチンのすぐ下に位置して いる(データは示さない)。DCCがこれらの切片において細胞膜にあるかどう かを確信をもって決定することは可能ではなかったが、発現パターンはその可能 性を支持するものである。更に、核上の染色は、生成中のタンパク質があること が知られているゴルジ体にある生成中のタンパク質を示している可能性がある( Bloom and Fawcett,A Textbook of Histology,pg.662,W.B.Saunders,Philade lphia(1975))。 免疫前の血清では上記の反応細胞のいずれも染色されなかった。特異性を更に 示すコントロールとして、溶解性融合タンパク質を競合剤としてその存在下で分 析を行った。DCC抗体と同濃度のDCC融合タンパク質はゴブレット細胞にお いて抗体によって検出されるシグナルを完全にブロックしたが、無関係な融合タ ンパク質では、抗体の5倍の濃度においても、シグナルを減らすことができなか った。 DCC発現が結腸の分化した上皮細胞のサブセットに制限されていることは、 多くの疑問を投げかける。結腸腫瘍発生の観点から言えば、結腸腫瘍は一般にゴ ブレット細胞の形態を失い、進行に従って正常なムチンの産生をしなくなること から、このパターンは興味あるものである(Boland,Proc.Nat'l.Acad.Sci.U.S. A.79:2051(1982))。実施例3 この実施例では種々の進行段階の結腸腫瘍の組織切片におけるDCC遺伝子産 物の発現状態を説明する。 結腸直腸の種々の腫瘍におけるDCCタンパク質の発現を調べるために免疫組 織化学を利用した。我々は最初に肥厚したポリープを調べた。これらの腫瘍は、 その名の示すように、新生物ではない過剰に増殖する細胞からなる。これらは比 較的正常な構造パターンと細胞の分化を示す性質を保持している。表皮学的研究 が肥厚ポリープの結腸癌との関連を示唆しているにもかかわらず、これらが癌の 前駆症であるという証拠はほとんどない。これらのポリープでは抗−DCC抗体 で比較的強い染色がこれらのポリープ内の上皮細胞の全てにおいて観察された。 更に、それぞれの細胞での染色は、正常結腸上皮のゴブレット細胞で観察される ものとは異なるパターンを有していた。肥厚ポリープの細胞においては、染色は 塩基性よりの領域に限られず、細胞全体にわたって分散しているように見えた。 ポリープに隣接している正常上皮細胞では予想通りゴブレット細胞に制限された DCC染色の分布を示した。このように、DCC発現は非−新生物ではあるが、 増殖し、分化している細胞においては、減少するよりは増加していた。 我々は次に、一般に結腸癌の直接の前駆症であると考えられている腺腫ポリー プを調べた。早期及び中期の腺腫ではほぼ正常なパターンのDCC発現がゴブレ ッ ト細胞に限って保持されていた。顕著な異形成を示す2種の末期腺腫では、新生 物上皮において染色が完全になくなり、DCCタンパク質が検出できないレベル を示した。6種の侵入性結腸癌を次に調べた。このうち4種の癌は検出可能なD CC染色を完全になくしていた。しかしながら、2種の癌ではDCCによって強 く染色された。 種々の結腸腫瘍におけるDCC発現とムチン分化との関連は印象的であった。 ムチンを特異的に染色する組織化学的な染色剤であるAlcian Blue(AB)を上 記数種の組織切片を逆染色するために用いた。AB染色細胞及びDCC反応性が 同じ場所に局在していることは正常結腸では明らかであった。肥厚ポリープにお いては、AB染色の増加はDCC発現の上昇と関連していた。腺腫ポリープ及び 癌においては、DCC反応性はAB染色と正確に関係した。ほとんどの結腸癌は 分化の程度が低く、AB染色が低いかまたは見られず、DCC抗体反応性を示さ なかった。初期及び中期の腺腫はAB及びDCC抗体で同等に染色された。 2種のDCC陽性癌では、粘液を大量に産生するCRCの珍しい型である“粘 液性癌”を示すAB染色が見られた。結果から、全体として(in toto)ほとん どの結腸癌ではムチン産生経路に到る分化の消失に伴ってDCC発現が失われる ことが示唆されたが、時にこの消失が起こらなかった。この問題を更に評価する ために、我々は結腸癌の49例のDCC対立遺伝子及び組織学的な表現型の消失 を遡及的に分析した。これら50例から7種の粘液性腫瘍が同定され、この17 種のうち1種のみでDCC消失の証拠があった。対照的に、43例の非−粘液性 腫瘍では、DCC LOH(異型接合性の消失;loss of heterozygosity)は3 4例(79%)で見られた。これらの結果から、少なくとも2種の結腸腫瘍発生 経路があることが示唆される:1つはDCC消失及びムチン産生細胞に到る分化 能の消失に関連するもの、そしてDCCの変化に関連しないより一般的でない粘 液性型のものである。実施例4 この実施例ではDCCの細胞外部分と特異的に免疫反応するモノクローナル抗 体の産生について説明する。 ワクシニアウイルス内にインビボで組換えるためのプラスミドベクターに含有 される完全長DCC cDNAに翻訳終止コドンを最初に導入することによって 、読み取り枠がコドン1063で分断されるように発現構築物を作成した。この プラスミドによるインビボでの組換えの結果、カルボキシ末端に1個のセリン残 基を付け加えてDCCのアミノ酸1−1063(C−末端の34個のアミノ酸を 除くほぼ全部の細胞外ドメイン)を発現する組換えウイルス(vAbT 492 )ができた。膜アンカーを欠如し、しかしなおシグナル配列を有した、不完全な DCC遺伝子産物が分泌される。 簡潔に言えば、全DCCコード領域を含有する4.5kbのXhol-EcoRI断片を 、ワクシニアウイルスへのインビボでの組換えのためのHindIII M挿入ベクター にクローン化した。普遍的な翻訳終止オリゴヌクレオチド(Pharmacia)をヌク レオチド3211のBalI部位に挿入した。正確なBalI部位への挿入はAseIによる 制限分析で確かめた。生じたプラスミドは、ワクシニアウイルスの40kプロモ ーターによって発現が調節されるDCCのアミノ酸1−1063の配列をコード する。 DCCタンパク質の細胞外ドメインの発現及び分泌を確かめるために、Vero細 胞を非血清培地中でvAbT492にMOI(感染多重度)10で感染させた。 24時間後、培地を収集し、遠心分離で透明にし、SDS−PAGEで分析した 。NYCBHに感染させたVero細胞(Lyons et al.,Infect.and Immun.58:40 89-4098(1990);ATCCVR-325)を対照として用いた。馴化培地(conditioned mediu m)との比較から、vAbT492感染細胞から培地中に見かけの分子質量150 kDaの更に別のタンパク質の存在が示された。アミノ酸骨格から計算される分 子量(115kDa)と観察される見かけ分子量との差は、グリコシル化による ものである可能性が大きい。DCCタンパク質の細胞外ドメイン(gp150DC C )は馴化培地の主要成分として、精製を行うのに適当なレベルで発現された。 DCCタンパク質の生化学的な機能は未だ知られていないことから、gp15 0DCCの定量的なアッセイを開発することは可能ではなかった。従って、精製を 通して、150kDaのタンパク質の存在をSDS−PAGE及び免疫的ブロッ トによって監視した。 構造的に関連性のある糖タンパク質、NCAMがレクチンに結合することが示 されていたため、gp150DCCの精製における最初の段階としてレクチンアフ ィニティークロマトグラフィーを試みた。ConA及びコムギ胚芽レクチンのg p150DCCへの結合能を調べた。gp150DCCはいずれのアフィニティーマト リクスに対しても結合したが、結合はConAでより有効であり、特異的であっ た。 vAbT492に感染したVero細胞から馴化培地中で100倍に濃縮されたg p150DCCはConアガロースカラムに効率的に結合し、これから溶出した。 gp150DCCの結合は最初にカラムに通した後に完了したように見える。0. 5Mのメチル−D−マンノピラノシドによる溶出の結果、見かけの分子量の小さ いわずかな不純タンパク質と共にgp150DCCが実質的に豊富な画分が得られ た。gp150DCCが数画分にわたってゆっくり溶出したため、gp150DCCが カラムに結合して残っていないかを決定するために、溶出に続いて1カラム相当 の量の8M尿素で洗浄を行った。SDS−PAGEによれば、尿素洗浄によって 更なるgp150DCCは検出されなかった。しかしながら、おそらくカラムから 外れたと思われるConAモノマーを示す〜30kDaのタンパク質が検出され た。このことから、結合したgp150DCCの全てがメチル−D−マンノピラノ シド溶液によって効果的に溶出したことが示された。 見かけの分子量が小さい主な不純物からgp150DCCを分離するために、C onAカラムから得た個々のフラクションをHPLC分子ふるいクロマトグラフ ィーによって更に精製した。SDS−PAGEから、15から17分のピークが 精製gp150DCCを示し、低分子量の不純物は十分に分離されたことが説明で きた。gp150DCC調製物は実質的に精製され、1種のわずかな不純タンパク 質のみを含有するようにみえた。 精製したタンパク質を、DCC遺伝子産物の細胞外ドメインであることを実証 するためにN−末端配列分析にかけた。最初の15サイクルで得られた配列はP he−32で始まるcDNAから予想される配列と完全に一致する。このことか ら、Vero細胞における処理されたDCC遺伝子産物のN−末端が特定され、31 個のアミノ酸からなるシグナル配列の存在が確認される。この結果は疎水性分析 及びゲノムの構造に基づいて予想されたN−末端と一致する。 N−末端配列分析から得られたデータは、最初のサイクルから得た結果に基づ く全タンパク質を評価するために用いた。処理した物質の比率から推定して、4 0ローラーボトル調製物から精製したgp150DCCの収量は250μgより多 いと評価された。これによって、モノクローナル抗体の作成のために抗原として 利用するのに十分な量が供給された。 既知の技術により、精製して分泌されたDCCタンパク質断片でマウスを免疫 し、その脾臓細胞を骨髄腫細胞と融合させた。 最初のハイブリドーマはConAで精製したDCCを用いたELISAでスク リーニングした。陽性のものを全て48−ウェルのプレートに移し、再増殖させ 、ConAで精製し、HPLC分子ふるいクロマトグラフィーで更に精製したD CCを用いたELISAで再度スクリーニングした。全ての陽性細胞を単一細胞 にクローン化(一次クローニング)し、単一のクローンをHPLCで精製したD CCでスクリーニングした。陽性一次クローンを二次クローニングし、スクリー ニングした。こうして得た3種のクローンがAF5、AE6、及びAF1であっ た。 完全長または細胞外DCCでトランスフェクトしたSW480細胞、細胞外D CCでトランスフェクトしたCHO K1細胞、及び完全長DCCを発現する組 換えワクシニアウイルスに感染したBSC−40細胞の溶解物についてのウエス タンブロット及び免疫沈降によって、モノクローナル抗体の性状解析をした。 ウエスタンブロットでは、SW480溶解物それぞれ100μgを、組換えワ クシニアウイルスの溶解物60μgと共にSDS−PAGEにかけて分離し、ニ トロセルロースに移した。ブロットを未希釈ハイブリドーマ上清でプローブした 。免疫沈降のために、組換えワクシニアウイルスに感染したCHO K1細胞及 びBSC−40細胞を35S−メチオニンで代謝的に標識した。次いで精製した抗 体それぞれ5μgを用いて溶解物を沈降させた。 577MFは、190kDのDCCの内在性の型を発現するヒト細胞系である 。精製した抗体それぞれ10μgを用いてこれらの細胞の溶解物を免疫沈降させ た。次いで沈降物をSDS−PAGEで分離し、ニトロセルロースに移した。ブ ロットを精製抗体10μg/mlでプローブした。この方法において、3種のモ ノク ローナル抗体は全て577MFによって産生される190kD DCCを沈降さ せることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12N 15/09 ZNA 9284−4C A61K 39/395 E G01N 33/53 9284−4C T 33/577 9162−4B C12N 15/00 ZNAA // A61K 39/395 9162−4B C 9281−4B 5/00 B (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 ジャロズ,デヴィッド・イー アメリカ合衆国マサチューセッツ州01843, ローレンス,クレストシャー・ドライブ 1 (72)発明者 ジョンソン,カレン アメリカ合衆国マサチューセッツ州02172, ウォータータウン,サマー・ストリート 88 (72)発明者 キンズラー,ケネス・ダブリュー アメリカ合衆国メリーランド州21234,バ ルティモア,ハルステッド・ロード 1348 (72)発明者 ヴォーゲルスタイン,バート アメリカ合衆国メリーランド州21208,バ ルティモア,ブレトン・ウェイ 3700 (72)発明者 ザブレッキー,ジェームズ・アール アメリカ合衆国マサチューセッツ州02154, ウォルサム,アーリントン・ロード 18

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(1)DCCタンパク質の細胞外ドメイン上のエピトープと特異的に免疫反 応し、(2)神経細胞接着分子と交差反応しない抗体を実質上含有する抗体調製 物。 2.(1)DCCの細胞質ドメイン内にあるエピトープと特異的に免疫反応し、 (2)神経細胞接着分子と交差反応しない抗体を必須に含有する抗体調製物。 3.エピトープが配列ID NO:1に示す塩基対1195−2854を含有す るDCC遺伝子のセグメントでコードされる請求項1の抗体調製物。 4.エピトープが配列ID NO:2に示すDCCタンパク質のアミノ酸1−1 063の中にある請求項1の抗体調製物。 5.該抗体がポリクローナルである請求項1の抗体調製物。 6.該抗体がモノクローナルである請求項1の抗体調製物。 7.該抗体がポリクローナルである請求項2の抗体調製物。 8.該抗体がモノクローナルである請求項2の抗体調製物。 9.抗体がATCCにHB11299として寄託された細胞系AF5によって作 られる請求項1の抗体調製物。 10.抗体がATCCにHB11289として寄託された細胞系AF1によって 作られる請求項1の抗体調製物。 11.エピトープが配列ID NO:2に示すDCCタンパク質のアミノ酸33 69−4341の中にある請求項2の抗体調製物。 12.下記からなり、DCCの大きさ(およそ115−190kDa)を有する タンパク質に対する抗体の結合がないことは、試料においてDCC変異が生じて いることを示す、ヒトDCC遺伝子における変異を検出する方法: 組織及び体液からなる群から選ばれる試料からタンパク質を抽出し; 該抽出されたタンパク質をポリアクリルアミドゲルで分離し; 該分離したタンパク質をフィルター上にブロットし; 該フィルターを、 (1)DCCタンパク質と特異的に免疫反応し、かつ (2)神経細胞接着分子と交差反応しない抗体と接触させて、 該抗体を該フィルターにブロットしたタンパク質に結合させ; 該タンパク質に結合する抗体を検出する。 13.抗体がDCCの細胞外ドメイン内にあるエピトープに結合する請求項12 の方法。 14.抗体がATCCにHB11299として寄託された細胞系AF5によって 作られる請求項12の方法。 15.抗体がATCCにHB11289として寄託された細胞系AF1によって 作られる請求項12の方法。 16.抗体がDCCの細胞質ドメイン内にあるエピトープに結合する請求項12 の方法。 17.試料が腫瘍組織である請求項12の方法。 18.試料が末梢血単核細胞の調製物である請求項12の方法。 19.下記の段階からなり、体試料が抗体に結合できないことがヒトにおけるD CC変異の存在を示す、ヒトにおけるDCC変異の存在を決定する方法: ヒトの体試料を(1)DCCのエピトープと特異的に免疫反応し、かつ(2) 神経細胞接着分子と交差反応しない最初の抗体と接触させて該体試料の成分を該 抗体に結合させる; 該体試料に結合した抗体の量を決定する。 20.該エピトープが細胞外ドメイン内にある請求項19の方法。 21.該エピトープが細胞質ドメイン内にある請求項19の方法。 22.該抗体がATCCに受託番号no.HB11299として寄託されたAF 5である請求項19の方法。 23.該抗体がATCCに受託番号no.HB11289として寄託されたAF 1である請求項19の方法。 24.体試料が組織切片である請求項19の方法。 25.体試料が腫瘍生検の溶解物である請求項19の方法。 26.抗体が固相支持体に結合している請求項19の方法。 27.体試料が固相支持体に結合している請求項19の方法。 28.DCCの細胞外ドメイン内にあるエピトープと特異的に免疫反応し、神経 細胞接着分子と交差反応しない抗体で被覆された固相支持体からなる、酵素結合 イムノソルベント検定法(ELISA)を実施するために利用する固相支持体。 29.抗体がATCCに受託番号no.HB11289として寄託されたAF1 である請求項28の固相支持体。 30.抗体がATCCに受託番号no.HB11299として寄託されたAF5 である請求項28の固相支持体。 31.DCCの細胞内ドメイン内にあるエピトープと特異的に免疫反応し、神経 細胞接着分子と交差反応しない抗体で被覆された固相支持体からなる、酵素結合 イムノソルベント検定法(ELISA)を実施するために利用する固相支持体。 32.DCCの細胞外ドメイン内にあるエピトープと特異的に免疫反応し、神経 細胞接着分子と交差反応しない抗体を分泌するハイブリドーマ細胞。 33.DCCの細胞内ドメイン内にあるエピトープと特異的に免疫反応し、神経 細胞接着分子と交差反応しない抗体を分泌するハイブリドーマ細胞。 34.AF5(ATCC寄託No.HB11299)と同じエピトープに結合す る抗体を分泌する請求項33のハイブリドーマ細胞。 35.AF1(ATCC寄託No.HB11289)と同じエピトープに結合す る抗体を分泌する請求項33のハイブリドーマ細胞。 36.下記の段階からなり、抗体が組織試料に結合しないことが組織試料におけ るDCC変異の存在を示す、ヒトにおけるDCC変異の存在を決定する方法: ヒトの最初の組織切片を(1)DCCの細胞質内ドメイン内にあるエピトープ と特異的に免疫反応し、かつ(2)神経細胞接着分子と交差反応しない抗体と接 触させて該組織切片の成分を該抗体に結合させる; 該組織試料に結合した抗体の量を決定する。 37.更に下記を含み、抗体の正常組織試料への結合の検出があれば、最初の組 織切片におけるDCC変異の存在が確かめられる、請求項36の方法: 該ヒトの正常組織切片を該抗体と接触させて該正常組織切片の成分を該抗体に よって該固相支持体に結合させる; 該体試料に結合した抗体の量を決定する。
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