JP2005527190A - 核タンパク質「shoca」−wntシグナル伝達経路の成分 - Google Patents
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Abstract
Description
配列番号1は、マウスShoca-1のヌクレオチド配列とアミノ酸配列を示す。
− 以下を含む単離されたShocaポリペプチド:
(i) 配列番号2または配列番号4のアミノ酸配列;または
(ii) wntシグナル伝達経路のポリペプチドと相互作用することができるその変異体;または
(iii) wntシグナル伝達経路のポリペプチドと相互作用することができる(i)または(ii)の断片;
− 本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
− 以下を含む、wntシグナル伝達経路のポリペプチドと相互作用することができるShocaポリペプチドをコードするポリヌクレオチド:
(i) 配列番号1または配列番号3の核酸配列、および/またはこれに相補的な配列;
(ii) (i)に定義した配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列;
(iii) (i)または(ii)に定義した配列に対して、遺伝コードの結果として縮重である配列;または
(iv) (i)、(ii)、または(iii)に定義した配列と少なくとも85%の同一性を有する配列;
− 本発明のポリヌクレオチドを含む発現ベクター;
− 本発明のベクターを含む宿主細胞;
− 本発明のポリペプチドに特異的な抗体;
− 以下を含む、wntシグナル伝達経路をモジュレートすることができる物質を同定する方法:
(i) 配列番号2または4のアミノ酸配列を含むポリペプチド、またはその変異体、またはそのいずれかの断片(この変異体または断片は、wntシグナル伝達経路のポリペプチドと相互作用することができる)、または該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;および試験物質を提供する;
(ii) ポリペプチドまたはポリヌクレオチドと試験物質とを接触させる;および
(iii) 試験物質が、該ポリペプチドの発現または該ポリペプチドの機能または性質に影響を与えるかどうかを測定し、こうして試験物質がShoca活性をモジュレートすることができるかどうかを決定する;
− ヒトまたは動物の体に行われる治療法またはヒトまたは動物の体に行われる診断法で使用される、本発明の方法により同定されるShoca活性をモジュレートすることができる物質;
− 癌の診断または治療に使用される診断物質または薬剤の製造における、本発明の方法により同定される物質の使用;
− 被験体からの組織サンプル中のShoca発現レベルを測定することを含む、癌の診断法;
− 被験体からの組織サンプル中のShoca発現レベルを測定することを含む、腫瘍の進行を予測する方法;
− 個体は本発明の方法を使用して癌を有すると診断されている、個体中の癌を治療するための薬剤の製造における、抗癌剤の使用;および
− 以下を含む、癌の治療法:
(i) Shoca活性をモジュレートすることができる物質を同定する;そして
(ii) 必要なヒトまたは動物被験体に該物質の治療的有効量を投与する。
本発明は、wntシグナル伝達経路の新規タンパク質(以後Shocaと呼ぶ)、その機能性変異体、およびShocaもしくはShocaの変異体の機能性断片に関する。マウスShoca-1の配列情報は、配列番号1(ヌクレオチドとアミノ酸)と配列番号2に記載され、ヒトShoca-1の配列情報は、配列番号3(ヌクレオチドとアミノ酸)と配列番号4に記載され、マウスShoca-2の配列情報は、配列番号5(ヌクレオチドとアミノ酸)と配列番号6に記載され、ヒトShoca-2の配列情報は、配列番号7(ヌクレオチドとアミノ酸)と配列番号8に記載されている。すなわち本発明のポリペプチドは基本的に、配列番号2、4、6または8のアミノ酸配列、またはこれらの配列の任意の1つの変異体、またはこれらの配列もしくは変異体の任意の1つの断片からなる。
脂肪族 非極性 GAP
ILV
極性−非変化 CSTM
NQ
極性−変化 DE
KR
芳香族 HFWY
本発明の範囲の変異体ポリペプチドは、任意の適当な方法、例えば遺伝子シャフリング(分子交雑)法により作成される。
本発明はまた、Shocaまたはその変異体もしくは断片をコードするヌクレオチド配列、ならびにこれに相補的なヌクレオチド配列を含む。このヌクレオチド配列は、DNAまたはRNA(ゲノムDNA、合成DNA、またはcDNAを含む)でもよい。好ましくはヌクレオチド配列はDNA配列であり、最も好ましくはcDNA配列である。マウスとヒトShoca-1のヌクレオチド配列情報は、それぞれ配列番号1と3に記載され、マウスとヒトShoca-2のヌクレオチド配列情報は、それぞれ配列番号5と7に記載されている。そのようなヌクレオチドは、例えばSambrookら、1989に記載のような当該分野で公知の方法に従って、細胞から単離されるかまたは合成される。
ベクターは、さらに真核生物ゲノム配列、好ましくは哺乳動物ゲノム配列、またはウイルスゲノム配列と相同的な配列を含むポリヌクレオチドを与えるポリヌクレオチドを与える、ポリヌクレオチドの両側に位置する配列を含む。これは、相同的組換えによる真核生物細胞またはウイルスのゲノム内への本発明のそのようなポリヌクレオチドの導入を可能にする。特に、ウイルス配列が両側に位置する発現カセットを含むプラスミドベクターを使用して、本発明のポリヌクレオチドを哺乳動物細胞に送達するのに適したウイルスベクターが調製される。適切なウイルスベクターの他の例には、単純ヘルペスウイルスベクターおよびレトロウイルスがあり、例えばレンチウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルスおよびHPVウイルスがある。これらのウイルスを使用する遺伝子トランスファー法は、当業者に公知である。例えばレトロウイルスベクターを使用して、ポリヌクレオチドを安定に組み込み、ポリヌクレオチドを宿主ゲノム中に作成してもよい。これに対して複製欠損アデノウイルスベクターはエピソーム性であり、従って一過性発現を可能にする。
別の面において本発明はまた、本発明のポリペプチドに特異的な抗体に関する。そのような抗体は、例えば免疫沈降を含む精製、単離またはスクリーニング法に有用であるか、それ自体が治療薬として使用されている。抗体は、本発明のポリペプチドの特異的エピトープに対して作成される。
I 本発明の抗体を提供する;
II 生物学的サンプルを該抗体とともに、抗体−抗原複合体の形成を可能にする条件下でインキュベートする;および
III 該抗体を含む抗体−抗原複合体が形成されたかどうかを測定する。
本発明の重要な態様は、スクリーニング法における本発明のポリペプチドの使用である。スクリーニング法は、ShocaポリペプチドまたはmRNAに結合する物質を同定するのに使用される。スクリーニング法はまた、Shoca活性のインヒビターまたはアクチベーターでもよいモジュレーター、またはShoca発現をアップレギュレートもしくはダウンレギュレートする物質を同定するのに使用される。一般的に、Shocaに結合することができ、Shoca活性をモジュレートすることができ、および/またはShoca発現をモジュレートすることができる物質は、wntシグナル伝達経路をモジュレートすることができるであろう。
(i) 本発明のポリペプチドまたは該ポリペプチドをコードする本発明のポリヌクレオチドと試験物質とを提供する;
(ii) ポリペプチドまたはポリヌクレオチドと試験物質とを接触させる;および
(iii) ポリペプチドまたはポリヌクレオチドと試験物質との相互作用をモニターし、こうして試験物質がwntシグナル伝達経路をモジュレートすることができるかどうかを決定する。
本発明は、Shoca遺伝子によりコードされる発現生成物中の変化を検出するための方法を提供する。これは、細胞で発現されるShocaのレベルを測定するか、または発現される生成物中の特異的変化を測定することを含む。診断目的の目的の配列には、限定されないが、配列類似性およびイントロン/エキソン構造の保存により同定される保存部分がある。診断は、目的の変異が家族の疾患表現型とともに同時分離するかどうかを測定する家系試験とともに行われる。
(i) Shocaと相互作用することができる物質を同定する;
(ii) ヒトまたは動物被験体からのサンプルと物質とを接触させる;および
(iii) 物質のサンプルへの結合をモニターする:および
(iv) 該サンプル中のShoca発現レベルが、癌または上記疾患を持たないヒトもしくは動物被験体からのサンプル中のShoca発現レベルと比較して、上昇しているかまたは低下しているかを測定する。
本発明はまた、個体の癌を治療する方法であって:
(i) 個体からの組織サンプルについて本発明の診断法を行い;および
(ii) 個体に抗癌剤を投与する、
ことを含む方法を提供する。
(i) Shoca活性をモジュレートすることができる物質を同定する;そして
(ii) 必要なヒトまたは動物被験体に物質の治療的有効量を投与する。
我々は最近、マウスとヒト組織中に、その生成物がwnt介在シグナル伝達に直接関与している新規遺伝子を同定した。この遺伝子(配列番号1と配列番号3)は、52kDa(ウェスタンブロッティングにより証明)のSH2ドメイン含有するアダプタータンパク質(SH2-domain containing adaptor protein)をコードし、従ってShoca-1と命名した。次に、公のドメインのEST分析の使用により、第2のマウスShoca様遺伝子(Shoca-2)が同定された(配列番号5)。これらの遺伝子の存在も機能も、どの種でも報告されていない。
抗体調製物A
細胞下局在化を測定するのに使用される抗Shoca-1抗体(ウサギポリクローナル血清)を、我々の研究所で作製した。異なるバッチを使用して、繰り返し追加免疫した後、異なる時間に動物を出血させた。免疫原は、担体タンパク質KLHに結合したマウスShoca-1由来ペプチドである。
このペプチドは、マウスShoca-1残基272位〜293位に対応する22アミノ酸のストレッチである。N末端およびC末端システインを導入して、免疫を増強するためにタンパク質担体上のループ形成を可能にした。
実施例5の染色実験で使用されている抗Shoca-1抗体は、Eurogentecにより2羽のウサギで作成され、これもポリクローナル調製物である。染色で使用したすべての調製物は、ペプチド充填カラムを使用してアフィニティー精製された。精製された血清は、4回目の追加免疫後に、一匹の動物から得られた。免疫原は、担体タンパク質KLHに結合した2匹のマウスShoca-1由来ペプチドの混合物であり、同時に注入した。
ペプチドShoca#2:NHCOCH3-ADEERSRRAQRARDEYRRC-CONH2
ペプチド#1は、マウスShoca-1タンパク質配列のストレッチ83〜97の15アミノ酸残基であり、ペプチド#2は、マウスShoca-1タンパク質配列のストレッチ220〜237の18アミノ酸残基である。N末端(ペプチド#1)とC末端(両方のペプチド)システインを導入して、免疫(ペプチド#1)のために、またはペプチド#2中のC末端アンカリング残基を導入するために、タンパク質担体上のループ形成を可能にした。両方のペプチドを担体タンパク質に結合させ、ウサギに同時に注射した。
ヒト特異的抗Shoca-1抗体は、Eurogentecがウサギで作成し、これもポリクローナル調製物である。免疫原は、担体タンパク質KLHに結合したヒトShoca-1由来ペプチドであり、N末端またはC末端に加えたシステインを利用し、およびヘテロ2官能性架橋剤MBSを利用した。ペプチド−KLHコンジュゲートを、皮下注射した。
ペプチド#3は、ヒトShoca-1タンパク質配列の53位〜69位の17アミノ酸残基である。染色実験で使用される調製物を、後述のようにペプチド充填カラムを使用してアフィニティー精製した。精製した血清は、4回目の追加免疫後に一匹の動物から得られた。
SH2ドメイン特異的抗Shoca-1抗体を作成し、抗体調製物Cについて記載したように親和性精製したが、アンカリング残基としてC末端システインを導入した。
ペプチド#4は、ヒトShoca-1タンパク質配列の376位〜392位の17アミノ酸残基である。この配列ストレッチは、ヒトおよびマウスShoca-1と同一である。上記したようにペプチドを担体タンパク質に結合させ、ウサギに注射した。
ヒト特異的抗Shoca-2抗体を作成し、抗体調製物Dについて記載したように親和性精製した。
ペプチド#5は、ヒトShoca-2タンパク質配列の181位〜192位の12アミノ酸残基である。この配列は、ヒトShoca-1ともマウスShoca-1もしくは-2とも同一ではない。このペプチドを担体タンパク質に結合させ、ウサギに注射した。
抗体調製物の特異性を証明するために、種々の細胞とタンパク質物質についてウェスタンブロット解析を行った。特にブロットを抗体調製物Bで分析した。種々のマウスShoca-1構築体でトランスフェクトしたHEK293細胞、すなわち 1. 対照プラスミドを用いたHEK293;2. 非標識マウスShoca-1でトランスフェクトしたHEK293;マウスShoca-1 C末端HA-標識でトランスフェクトしたHEK293;および4. トランスフェクトしていないHEK293。
すでに胸腺原基の最初の検出でマウスの胸腺上皮細胞にShoca-1が発現され、ヌードマウスの胸腺にも存在する。すなわち、Shoca-1発現は、胸腺リンパ球新生、特に胸腺細胞と胸腺上皮細胞の間の構造クロストークに依存しない。Shoca-1発現も、骨髄と、特に造血を支持することが知られている間質細胞中とに検出されている。脳、腎臓、および肺は、PCRで分析するとShoca-1発現が低い他の部位を構成するが(図6)、ノーザンブロッティングは特異的トランスフェクトを検出するのに感受性は不充分であった。これに対して、Shoca-2発現は異なる組織でより一般的に発現される(図6)。
Shoca-1の機能性in vitro分析は、胸腺上皮細胞におけるその発現が、レポーター遺伝子のβ-カテニン-LEF/TCFに制御された活性化の転写活性化を抑制することを明らかにした。機能性SH2ドメイン中の点突然変異は抑制機能を排除するため、この抑制は、機能性SH2ドメインに依存する(図7)。SH2ドメイン中のArg350(マウスShoca-1の)をリジン残基に変化させた。このアルギニンはpTyrポケットに位置し、SH2ドメイン機能に決定的に重要である(Sawyer, 1998, Biopolymers 47:243-261)。これは、SH2ドメインに対するpTyr含有リガンドのpTyr側鎖のリン酸塩酸素と重要な接触を形成する。Shoca-1のR/K変異体の過剰発現はさらに、細胞増殖の低下に関連している。Shoca-1特異的抗体を使用する電気的移動度シフトアッセイは、Shoca-1がLEF/TCFと複合体を形成することを明らかにした。
成体組織中のWntシグナル伝達の主要な役割は、細胞増殖の制御である。APCまたはβ-カテニンの構成的変異により、過増殖と発癌が起きる。異なるヒト臓器からの正常および悪性組織を含有するスクリーニングアレイからの結果は、主に上皮細胞起源の多くの腫瘍がShoca-1を発現することを明らかにした(表1)。
抗体:Shoca-1特異的B型
スライド前処理:プロナーゼ、15分、37℃
ペルオキシダーゼブロッキング:0.3% H2O2/メタノール、30分
抗体希釈率:1:32,000
インキュベーション:一晩(4℃)
検出系:ABC;DAB
陽性対照:胸腺上皮細胞
陰性対照:抗体を産生する動物の血清(抗体抽出物後)
上記条件を使用して、陰性対照反応は完全に陰性であり、多くの腫瘍と正常組織でShoca-1抗体について種々の強度の染色が観察された。内部的一貫性を最大にするために、すべての切片(染色切片と対照切片)は1日に一人の病理医が観察した。すべての腫瘍サンプルについて、陽性細胞の比率を推定し、染色強度を4段階スケール(0〜3+)で記録した。腫瘍を分類するために、任意の選択したシステムを使用した(表2)。
悪性腫瘍におけるShoca-1とShoca-2の役割を、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)により、種々の悪性腫瘍と異なる段階の癌の進展を示す、50を超えるヒト癌細胞株で調べた。
Claims (38)
- 以下を含む単離されたShocaポリペプチド:
(i) 配列番号2または配列番号4のアミノ酸配列;または
(ii) wntシグナル伝達経路のポリペプチドと相互作用することができるその変異体;または
(iii) wntシグナル伝達経路のポリペプチドと相互作用することができる(i)または(ii)の断片。 - 変異体(ii)は配列番号2または配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも85%の同一性を有する、請求項1記載のポリペプチド。
- 機能性SH2ドメインを含む、請求項1または2に記載のポリペプチド。
- コイルド−コイルドメインを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリペプチド。
- 核局在化配列を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリペプチド。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
- 以下を含む、wntシグナル伝達経路のポリペプチドと相互作用することができるShocaポリペプチドをコードするポリヌクレオチド:
(i) 配列番号1または配列番号3の核酸配列、および/またはこれに相補的な配列;
(ii) (i)に定義した配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列;
(iii) (i)または(ii)に定義した配列に対して、遺伝コードの結果として縮重である配列;または
(iv) (i)、(ii)、または(iii)に定義した配列と少なくとも85%の同一性を有する配列。 - cDNAまたはmRNAである請求項6または7に記載のポリヌクレオチド。
- 請求項6〜8のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
- 請求項9記載のベクターを含む宿主細胞。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリペプチドに特異的な抗体。
- 配列番号19、20または21に記載のアミノ酸配列に特異的な請求項11記載の抗体。
- 以下を含む、wntシグナル伝達経路をモジュレートすることができる物質を同定する方法:
(i) 配列番号2または4のアミノ酸配列を含むポリペプチド、またはその変異体、またはそのいずれかの断片(この変異体または断片は、wntシグナル伝達経路のポリペプチドと相互作用することができる)、または該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;および試験物質を提供する;
(ii) ポリペプチドまたはポリヌクレオチドと試験物質とを接触させる;および
(iii) 試験物質が、該ポリペプチドの発現または該ポリペプチドの機能または性質に影響を与えるかどうかを測定し、こうして試験物質がShoca活性をモジュレートすることができるかどうかを決定する。 - 物質はShoca活性を阻害することができる、請求項13記載の方法。
- 物質はShoca活性を模倣または増強することができる、請求項13記載の方法。
- 工程(iii)は、該試験物質と該ポリペプチドまたは該ポリヌクレオチドとの物理的相互作用をモニターすることを含む、請求項13〜15のいずれか1項に記載の方法。
- 該ポリヌクレオチドはmRNAである、請求項16記載の方法。
- 工程(iii)は、細胞増殖、分化、成長または生存をモニターすることを含む、請求項13〜15のいずれか1項に記載の方法。
- 工程(iii)は、Shocaの細胞内局在化をモニターすることを含む、請求項13〜15のいずれか1項に記載の方法。
- 工程(ii)は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに試験物質を接触させることを含み、工程(iii)は、該ポリペプチドの発現をモニターすることを含む、請求項13〜15のいずれか1項に記載の方法。
- 該ポリヌクレオチドはDNAである、請求項20記載の方法。
- 請求項13〜15のいずれか1項に記載の方法であって、工程(i)は、Shocaと相互作用することができるwntシグナル伝達経路の分子を提供することをさらに含み、工程(ii)は、ポリペプチドとwntシグナル伝達分子の相互作用に適した条件下で、ポリペプチド、試験物質およびwntシグナル伝達分子とを接触させることを含み、工程(iii)は、ポリペプチドとwntシグナル伝達分子との相互作用をモニターすることを含む、上記方法。
- wntシグナル伝達分子は核分子である、請求項22記載の方法。
- 核分子は、β-カテニン、T細胞因子(TCF)、白血球増強因子(LEF)、またはβ-カテニンとT細胞因子および/またはLEFの組合せである、請求項23記載の方法。
- 請求項13〜15のいずれか1項に記載の方法であって、工程(i)は、レポーター遺伝子はLEFおよび/またはTCFの転写制御下にある、レポーター構築体を提供することをさらに含み、工程(ii)は、レポーター遺伝子の発現に適した条件下で、ポリペプチドまたはポリヌクレオチド、試験物質およびレポーター構築体とを接触させることを含み、工程(iii)は、レポーター遺伝子の発現をモニターすることを含む、上記方法。
- Shoca活性の組織特異的モジュレーターを同定する方法であって、該試験物質は該組織の細胞からの細胞成分であり、該方法は該組織からの細胞で行われる方法である、請求項13〜25のいずれか1項に記載の方法を含む方法。
- ヒトまたは動物の体に行われる治療法またはヒトまたは動物の体に行われる診断法で使用される、請求項13〜26のいずれか1項に記載の方法により同定されるShoca活性をモジュレートすることができる物質。
- 癌の診断または治療に使用される診断物質または薬剤の製造における、請求項13〜26のいずれか1項に記載の方法により同定される物質の使用。
- 癌は、結腸癌、乳癌および子宮頚癌である、請求項28記載の使用。
- 方法は、被験体からの組織サンプル中のShoca発現レベルを測定することを含む、癌の診断法。
- 方法は、被験体からの組織サンプル中のShoca発現レベルを測定することを含む、腫瘍の進行を予測する方法。
- Shocaタンパク質またはmRNAの量が測定される、請求項30または31に記載の方法。
- 組織サンプルは、結腸、乳房または子宮頸部から選択される組織からの生検サンプルである、請求項30〜32のいずれか1項に記載の方法。
- サンプルに、Shocaタンパク質またはmRNAと相互作用する物質とを接触させ、該物質のタンパク質またはmRNAとの結合をモニターすることを含む、請求項30〜33のいずれか1項に記載の方法。
- 物質は抗体である、請求項34記載の方法。
- 物質は、請求項13〜26のいずれか1項に記載の方法により同定可能である、請求項34記載の方法。
- 請求項30〜35のいずれか1項に記載の方法を使用して個体は癌を有すると診断されている、個体中の癌を治療するための薬剤の製造における、抗癌剤の使用。
- 以下を含む、癌の治療法:
(i) Shoca活性をモジュレートすることができる物質を同定する;そして
(ii) 必要なヒトまたは動物被験体に該物質の治療的有効量を投与する。
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