JPH09500586A - パイプラインや通路のライニング施工 - Google Patents

パイプラインや通路のライニング施工

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JPH09500586A JP7503879A JP50387994A JPH09500586A JP H09500586 A JPH09500586 A JP H09500586A JP 7503879 A JP7503879 A JP 7503879A JP 50387994 A JP50387994 A JP 50387994A JP H09500586 A JPH09500586 A JP H09500586A
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バーネット チャンドラー、ブライアン
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サウンド パイプ リミテッド
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Abstract

(57)【要約】 この発明は、所定位置での硬化処理によってパイプラインや通路にライニングする方法に関するが、この方法においては、吸着性材料の可撓性ライニングチューブが硬化性合成樹脂で含浸処理され、この樹脂が硬化して強固なパイプが形成されるまでパイプライン又は通路の内面上に保持される。通例ではパイプに温水を満たすことによって硬化が開始されるが、この発明においては、ライニングを地表面からパイプライン又は通路の中に送り込むときに硬化が「キック」スタートされる。そして樹脂の硬化時間をライニング挿入時間よりもあまり長くならないようにすることにより、挿入作業時間と硬化所要時間が最小限度に短縮される。樹脂は、例えば音波エネルギーによって効果的に「キック」スタートされ得るように調製すると良い。

Description

【発明の詳細な説明】 パイプラインや通路のライニング施工 技術分野 この発明は、パイプラインや通路に対するライニング施工に関する。そしてこ の発明は硬化性合成樹脂が含浸された少なくとも一つの樹脂含浸層も含めて「ソ フトライニング(soft lining) 」即ち「所定位置での硬化処理(cure)」されるラ イニングに関わるものである。 背景技術 今日このようなライニングの製作や設置に関するテクノロジーは良く発達して いるが、原特許である米国特許第 4,00,9063号及び第 4,064,211号を基本的に参 照しながら詳細説明する。このテクノロジーは地中の下水管に対するライニング 用途に広く応用されているが、このテクノロジーは今なお更に改善される情勢に ある。即ち、これまでに実用化された方法には工場条件下でのライニングチュー ブ含浸法も含まれているが、この方法ではチューブを含浸処理した後、ライニン グを定位置に設置する前に樹脂が早期に硬化しないようにするため、これをでき るだけ速やかに所定位置に運んでパイプライン又は通路の内面上に設置すること が望まれる。ライニングが正しく設置されたら、作業員が最短時間で作業を完了 し、迅速に後片付けできるようにすることにより、公衆や交通の邪魔を最小限度 に抑えることが望まれる。と言うのも、地下下水管は通常、道路や街道やハイウ ェー等の下又はその延長線上に敷設されるからである。 従ってこれに使用する樹脂と硬化処理の準備により多くの関心が集められるが 、その理由は、樹脂に対しては、ライニング施工後に早期硬化しないようにする ために保管可能期間を長くする一方、他方においては一旦硬化が開始されたら可 及的速やかにこれを完了させるために硬化時間を短くすることが望まれるからで ある。 前記米国特許をベースにして発達した技術を用いて施工される過半数の工事契 約では、ライニングの含浸に熱硬化性樹脂が用いられ、樹脂の硬化を促進させる のに熱が利用されている。またこのような樹脂テクノロジーに関しては、光硬化 性の樹脂を使用し、パイプラインないし通路に設置したときこのライニングに強 烈な紫外線を照射して硬化を促進可能にすることも提案されている。またこれ以 外の諸提案には、樹脂の中に強磁性(ferromagnetic)粒子を用い、磁界によって 該粒子を励磁することによって樹脂を選択的に硬化させる方法や、超音波照射法 を用いて樹脂内のマイクロカプセル、即ち樹脂硬化を始動させる触媒や促進剤(p romoter)を収容したマイクロカプセルが破裂するまで、あるいは前記触媒や促進 剤が、これを吸着している吸着剤粒子から脱離するまで、樹脂を加熱する方法等 が含まれている。 一般的に言えば、問題に対するこれらの解決策は十分なものではなく、実際で は加熱硬化が依然として主流を占めている。 加熱硬化に伴う問題として、ライニングをパイプライン又は通路の内面上に設 置したとき、これを満たす膨大な容積の水又はその他の液体も加熱しなければな らないことが挙げられる。そして水を加熱するために所定位置に加熱装置を用意 しなければならず、また温水を使用すると、一般に硬化プロセスが遅延される傾 向がある。 出願中の英国特許出願第9304465.9号において、我々は樹脂内にマイクロカプ セルを使用することに関する一般的提案を行う一方、英国特許出願第9320498.0 号では、触媒や促進剤を吸着する粘土粒子のような吸着剤粒子の使用を提案した 。 優先的な前記英国特許出願第9304465.9号及び第9320498.0号に関連したこの発 明は、一般的には硬化性樹脂、より特定的には、最も便利かつ効果的なやり方で 強固な製品が生成されるように硬化可能に調製された樹脂に関する。 硬化性合成樹脂を用いて強固な製品を製作することは、極めて普遍的で殆どす べてのプラスチックにまたがり、ここで述べるには余りにも数が多過ぎるが、こ れらの合成樹脂は、これを成形する前の液相ないし可塑相の初期状態を出発点に して硬化された後、最終製品になる。 大部分の用途では、硬化処理も含めた樹脂の処理工程が、長年にわたって確立 された製造方法に従ってコントロールされた状態の下で実行されるが、状況によ っては、当該樹脂を最適利用できるような適切な瞬間に到達するまで樹脂の硬化 即ちキュアをコントロールすることが求められる。 このような状況の典型的な例は、上記で検討したような下水道等の地下のパイ プライン又は通路のライニング用の樹脂吸着筒状構造体(ここではライニングチ ューブ)の含浸に用いられる樹脂の硬化処理に関連して出現する。現在では全世 界で実用化されているこの種の用途では、含浸処理されたライニングチューブが 、樹脂がまだ硬化していないうちにパイプライン又は通路内面に向かって膨らま され(空気やスチーム等の気体や水等の液体によって)、その結果としてライニ ングチューブが定位置に保持されている間に樹脂を硬化させることにより、硬化 された樹脂が、その中に埋め込まれている吸着性筒形構造体によって自己保持し た強固なパイプになるが、このパイプはパイプライン又は通路の内壁に接着、あ るいは非接着であり得る。この作業はパイプライン又は通路の若返りや修理を目 的としたものであるが、自己保持タイプの強固なパイプを用いることの特別な利 点として、幾つかのライニングシステムの場合のような既存パイプラインへの接 着が不要になることが挙げられるが、この発明は、既存のパイプライン又は通路 に含浸処理したチューブを接着するようなパイプラインシステム、即ちライニン グチューブの肉厚が比較的薄くて、例えば5mmあるいはそれ以下で、樹脂が含 浸媒体としてよりも、むしろ接着剤のような働きをするようなシステムにも適用 可能であることは特筆すべきことである。 樹脂がまだ硬化していない状態でのライニングチューブは厳密にはチューブと 言えず、布(web) が管状に折り畳まれてそのエッジが重なり合うことがあり得る が、このようなエッジは、所定位置で硬化処理しない限り解きほぐされない。実 際ではこのような方式は効果を発揮し、チューブを膨らませて通路内面に最善に フィットさせると、重なりあったエッジがスリップしてほぐされる。 所定位置で硬化される含浸処理済ライニングチューブを用いて地下のパイプラ イン又は通路にライニング施工する方法の例は、既に参照済の前記米国特許第 4 ,00,9063号や第4,064,211号のほかに多数の特許出願にも盛り込まれている。 地下のパイプライン又は通路をライニングする工事契約に対して硬化ライニン グチューブを用いて全世界で実用化されている全てもしくは大部分の方法では、 樹脂の硬化処理に熱が用いられ、熱を加えることによって樹脂内部の触媒や促進 剤 (反応促進剤) による樹脂分子のクロスリンキングと結晶化が開始されるが、 この硬化反応には発熱が伴われるので内部に熱が発生する結果、硬化プロセスが 加速される。 この方式の一つの短所として、含浸処理されたライニングチューブに熱が加え られていなくても、環境条件次第では稀に樹脂が硬化するかも知れず、万一ライ ニングチューブをパイプライン又は通路内面の定位置に設置する前に樹脂が硬化 したら、勿論、当該ライニングチューブは完全にオシャカになり、スクラップ処 理されざるを得ないことが挙げられる。そしてこのようなことは、当該契約での 利益が完全に失われないにしても、相当な損失に該当し得る。またライニングチ ューブの硬化がパイプライン又は通路内部の一部に過ぎなかったら、工事請負人 にとって結果的に経済的な損失になるであろう。過早に、即ちライニングチュー ブを定位置に設置する前に樹脂が硬化するような問題を防止するため、工事請負 人は、含浸処理済のチューブを所定位置で使用するまでこれを冷凍状態に維持す るため等を始めとするコストのかさむ測定を頻繁に実施してきたが、このことは 、チューブを所定位置まで冷凍車で運搬しなければならないことを意味する。 また、加熱に際しては、通常、膨らまされたライニングチューブの内部に高温 の流動性媒体、即ち熱湯やスチームを満たすことによって熱を加えている。当該 パイプラインでは下水等の液体が常時流されているような場合には、硬化処理期 間中は正常な流れを迂回させなければならない。しかしこのことは、下水道の場 合には特に不都合であるばかりでなく、場合によっては契約をより安価な方法に 奪われかねないと言う極めて重大な特別損失を意味することになる。 しかし皮肉なことに、一旦チューブを定位置に設置したら、樹脂を可及的速や かに硬化させ、樹脂が硬化したら、今度は作業員ができるだけ速やかに所定位置 を立ち去ることが望まれる。そしてこの場合、工事請負人は、通常、夜間の方が 比較的短時間で作業が完了されると申し出ることが良くあることに注目すべきで ある。従って、作業を可能最短時間で完了させることが極めて重要になるが、作 業遂行には下水系統を殺すこと(多くのケースでこれが行われいる)や交通遮断 が不可欠な場合には殊更である。 従って工事請負人は契約を実行するため、一方においてはチューブを含浸処理 する工場ないしプラントと、含浸処理済のチューブを冷凍状態にキープするため の車両や定位置に設置されたチューブを膨らませる液体を加熱して樹脂を硬化さ せるための加熱装置を備えた車両を所有しなければならないほか、チューブを定 位置に設置するのに必要な装置も用意しなければならない。 また樹脂に関してはジレンマも存在する。硬化前にチューブをパイプライン又 は通路内に設置するため、工事人に十分な時間が与えられるように有効貯蔵期間 をできるだけ長くすることが望まれる一方、他方においては、チューブが定位置 に設置されたら、硬化処理を可及的速やか完了させることが望まれる。不幸なこ とにこのようなジレンマは、樹脂の有効貯蔵期間を延長させるがその硬化時間も 長くするような樹脂反応抑制剤のような添加剤では解決不能であることが立証さ れている。 従って工事請負人は契約遂行に当たり、先ずライニングチューブを製作して置 き、これの挿入直前に樹脂を含浸させた上、可及的速やかに所定位置(遠隔地で あり得る)に運搬してこれを挿入し、可及的速やかに硬化させなければならない 。ライニングチューブに含浸された樹脂と触媒とが混ざり合った瞬間にタイムの カウントダウンが開始され、工事人と時間との競争がスタートされる。 産業界はこのことを問題視し、例えばヨーロッパ特許明細書第0007086号で公 開されているような光照射で硬化する特殊樹脂や米国特許第 4,581,247号、第4, 680,066号で公開された光照射を用いたライニングチューブの所定位置硬化方法 等を開発してこの問題解決に努力してきた。 しかし光硬化性樹脂には、日光によって活性化される触媒が含まれているため 、含浸処理されたライニングチューブは、早期硬化を防止するため光が透過しな いようにラッピングした上で貯蔵、運搬しなければならない。 しかしこのような光硬化性樹脂は、その硬化プロセスをコントロール可能であ り、その有効貯蔵期間が理論的に無限であるので有利である。しかし含浸チュー ブを所定位置で硬化処理するときに問題が発生する。先ず樹脂硬化には特殊な紫 外線源が必要であり、次に、良くあるケースとして水を利用してチューブを膨ら ませる場合、水が汚れていると光硬化処理が不可能になるが、いずれにしても防 水タイプの光源はまだ市販さていないため、新規開発して製作しなければならな い。下水のようなパイプライン又は通路の中を流れる液体は不透明であるためこ れを迂回させてから光硬化装置を使用しなければならないことが、熱硬化法に比 べて不利な点になる。このような理由から、実地での含浸処理ライニングチュー ブの施工所定位置での光硬化処理はまだ好成績を納めておらず、伝統的な熱硬化 法に席を譲ってきた。 国際特許出願PCT/GB93/00107に関わるこの発明は、強固な製品を製作するため に随時かつ迅速に硬化可能な硬化性樹脂系を提供することを目的とするが、この 樹脂は1年もしくはそれ以上の長期にわたって保存可能で、パイプライン又は通 路のライニングシステムを施工所定位置で硬化処理するのに特に適したものであ る。しかしこの発明の対象事物は、上記のような適用分野に限定されるものでは なく、樹脂を強固な製品に成形するのに適したものとして任意の状況においても 使用可能なものである。 発明の開示 前記国際特許出願に関係したこの発明によれば、その最も普遍的な実施様態で は、周囲の熱や光等の周囲条件には影響されないが、効果プロセスもしくはこれ の始動が惹起される程度の量の熱や光が当てられるとそれに感応可能な不活性物 質が、樹脂の中に添加されるか、あるいは樹脂が該物質に隣接配置される。 前記物質はさまざまな形態で採用可能であるが、これらの諸形態は、単独もし くは組み合わせて利用可能である。 ある特殊な例においては、前記物質を樹脂用触媒や促進剤もしくはこれら両者 を封入したマイクロカプセルで構成し、このカプセルに超音波を照射して破裂さ せて内容物を解放することにより、硬化プロセスを開始させる。 前記英国特許出願第9304465.9号に関わるこの発明は、合成樹脂マトリックス 内のマイクロカプセル化物質の使用に関する。前述したようにマイクロカプセル の中には触媒や促進剤もしくはこれらの両者が封入されるが、このカプセルは、 これが破裂することによって内容物を放出し、その周囲の樹脂マトリックスの硬 化を開始させるように考えられたものである。 審査中の前記国際特許出願書に述べられているように、マイクロカプセル化さ れた物質を用いたこの始動システムは、国際特許出願記載の他の始動システム、 即ち機械的に励起可能な粒子やマイクロ波で活性化される物質等と組み合わせ使 用可能である。 前記英国特許出願に関連したこの発明の他の実施態様においては、合成樹脂マ トリックスが含浸されたライニングチューブと該マトリックスに含まれたマイク ロカプセル化物質とを接触させるのに超音波方式の機械的衝撃装置が使用される 。 この超音波式機械的衝撃装置は、ライニングチューブに表面硬化鋼球を打ち当 てるように構成された超音波共振器であり得る。公知のタイプであるこの共振器 は、これが超音波で励起されたときに球がスロットの中に保持されている限り、 これを保持したままシュートさせる。そしてライニングチューブがこの球の衝撃 を受けると、マイクロカプセルが破裂してその内容物が放出され、樹脂マトリッ クスが硬化し始める。この共振器は、前記国際特許出願記載のように、ライニン グプロセスの任意の段階で使用可能であり、また後述するように適切な任意の環 境での樹脂の硬化処理にも使用可能である。これまでの超音波共振器には表面硬 化鋼球が使用されてきた。 前記英国特許出願には、ライニングチューブをライニング施工対象の地下通路 の中に送り込む前に、これに超音波衝撃を与えることにより、工事を容易にし、 マイクロカプセルが既に破裂した状態でライニングチューブを施工対象地下通路 の中に供給しながら作業を進行させると明記されている。 しかし前記英国出願記載のような超音波衝撃が必ずしも必要ではない限り、含 浸処理済のライニングチューブをパイプライン又は通路の中に挿入する前に、遅 かれ早かれこれを、好ましくは地上で処理するコンセプトが一般的に適用される 。そしてこれは、熱硬化、超音波、光、電磁波等、任意の硬化始動ステップもし くはこれら各ステップの組み合わせであれば良く、有効保存期間が切れる前に硬 化が開始されてライニング硬化が完了すると有利である。従って工事人は今日ま でこの寿命が尽きる前にライニングチューブをパイプライン又は通路の定位置に 設置するように努力してきたが、硬化処理装置をより小型化できれば有利であり 、またこれを地上に設置できればコントロールやテストが遥かに容易になる。 工事人はこれまでライニングチューブを地下に送り込む直前に硬化始動物質に 手をつけるようなことは行わず、むしろライニングをパイプライン又は通路の内 面に設置した後、硬化開始ステップをスタートさせる伝統的な方法に従ってきた 。しかし今日ではライニング施工技術が大きく進歩し、工事人は多少にかかわら ず所定時間内に確実にライニング施工可能となり、容易に硬化開始時間を算定し たり、地上設置の装置による硬化開始の方法を決定できるようになった。そして 施工時間が大幅に短縮可能となったが、このことは、施工が迅速に完遂されて貴 重な労働力を速やかに他の工事現場に転用可能になることを意味するので、工事 請負人に著しい利益をもたらすことになる。 典型的には、ライニングを地表面からパイプライン又は通路の中に送り込むと き(通常ではライニングがこのとき裏返しにされる)、硬化始動装置を通過させ るが、この始動装置は、当該システムに使用されている樹脂の品種の如何に応じ 、加熱リングや超音波発振器や機械的衝撃装置等であれば良い。 追加硬化処理や仕上げステップが必要な場合、パイプライン又は通路への設置 完了したライニングに対し、従来のやり方に従ってこれを実施しても良いが、そ の効果は、設置後の効果処理のみの場合に比べて劣るものと信じられている。 地上での硬化始動に加熱法を利用する場合、この加熱装置は、従来の方法によ る熱湯使用とは異なるやり方の、例えばホットローラーやその他の加熱手段も含 めた特殊設計にすると良い。 次にこの発明の実施例を、下記の添付図面を参照しながら説明する。 図面の簡単な説明 第1図は、可撓性ライニングチューブを地下通路に設置するため進められてい るライニング作業を示した縦断側面図である。 第2図は、第1図の作業に使用されるライニングチューブの拡大縦断正面図で ある。 第3図は、ライニングチューブがパイプライン又は通路内の定位置で裏返しに される状態を示す斜視図である。 第4図は、樹脂硬化のため触媒や促進剤を脱離させるのに超音波発振器を使用 したときの状態を示す第2図に類似した図である。 発明を実施するための最良の形態 以下に説明する最初の実施例ではマイクロカプセルが使用されており、またこ こでは、諸材料即ち樹脂、マイクロカプセル、ライニングチューブの材料は、今 回参照した前記国際特許出願ややはり参照した英国特許第 1,340,068号及び第 1 ,449,445号に記載のものであれば良いことに留意されたい。 第1図では、下水管10の形態を成した地下通路が、チューブ供給源14から 供給されるフレキシブルチューブ12によってライニング施工中である。このチ ューブはポンプユニット15によって下水管10の中に裏返しにされながら供給 されるが、このポンプユニットの構造設計と機能は、国際特許出願PCT/GB91/016 03及び米国特許第 5、154、936号に基づくものである。このユニット14は、この 第1図に示されているように、チューブ12を裏返しにしながら送り出すための ものである。チューブの先端16はユニット15の出口に固定して置くと良いで あろう。 第1図の右手には、チューブ12が定位置に完全に設置されてその末端18が 閉じられた状態が描かれている。この末端18には、これが裏返し圧力によって 破裂されないようにするために引き止め用のロープ、ケーブルあるいはこれらに 類するものを取り付けて置くと良い。 次に、ライニングチューブ12の詳細を拡大して示した第2図を参照するが、 この図から分かるように、チューブ12は、繊維質のフェルトや織布あるいはこ れらの組み合わせのような吸収性材料もしくはその他適切な吸収性材料による一 つ又はそれ以上の層から成るコア部分20と、これを取り囲む不透過性の層22 とで構成されるが、この不透過性の層22は、層20が最も普遍的なポリエステ ルフェルトである場合には、フェルト20の外層に接着されたポリウレタンフィ ルムである。 実用に際してはフェルト20に硬化性合成樹脂が含浸され、またこの実施例に おいては樹脂マトリックスの中にはマイクロカプセル内に封入された触媒や促進 剤が包含されるが、図には分かりやすくするためにこのマイクロカプセルが拡大 されて符号20で示されている。このカプセルは実際ではこれより遥かに小さく かつ樹脂マトリックス全体にくまなく分布されている。 第2図にはチューブ12がその製作時の状態、即ち下水管内面に適用される前 の状態で示されているが、第1図に示されているようにこのチューブ12を裏返 しにすると、その外皮即ち膜22がこのチューブの内側になることを理解された い。チューブ12のこの裏返しのプロセスが第3図により具体的に描かれている 。図中の12Aが既に裏返しされた部分で、樹脂を吸い込んだフェルト面が外側 に反転する一方、外膜22が内側になっている。また12Bが、裏返しのために 矢印26の方向に移動中の部分である。 上述した事柄も前記国際特許出願に基づくものであるが、これらの図に描かれ ているこの発明によれば、ライニングチューブがまだフレキシブル状態にある間 にマイクロカプセルを破裂させるためにこれにエネルギーを供給するのに超音波 発振器が使用されるが、これをポンプユニット15の手前の位置30でチューブ に作用させる。またオプションとしての第2の発振器32を、奥に向かって移動 中のライニングチューブの部分12Bや、これが下水管の内面上で裏返しになっ た後の部分34で作用させても良い。 この発明では、前記発振器の代わりに樹脂系それぞれのタイプに応じてこれと は異なる樹脂初期化装置が使用可能である限り、例えば第1図に示されている発 振器30を用いた硬化始動ステップが一般的に適用されるものとする。従って発 振器30の代わりに、ヒーターや光源や照射源のいずれかを使用しても良い。ま た樹脂成分の如何に応じてこれらの硬化始動手段を組み合わせて使用しても良い 。例えば図示されているような樹脂系によるライニングを予熱するための加熱装 置を用いるとかなり有利になり、樹脂の予熱とマイクロカプセルの破裂との組み 合わせによって、ライニングをパイプライン又は通路内の定位置に設置したとき の硬化が促進されるとしたら、余分な地下硬化処理装置や硬化ステップが不要に なる。この発明思想は、ライニングをパイプライン又は通路の内面上に挿入する 前に予備硬化を始動させる、即ち硬化の始動を「キック(kick)」させることであ る。テレビカメラで監視できないようなパイプライン又は通路の中に硬化処理装 置を導入しないですむようにすることが望まれる。もしこの発明の予備硬化によ って、ライニングを定位置に設置したときに硬化処理が確実に完遂されるなら、 極めて有利なことになる。またこの発明による方法を適用することにより、硬化 時間が大幅に短縮されるものと確信される。 再び図を参照するが、超音波発振器は、これがライニングチューブの外膜面2 2に第2図の矢印36のようにエネルギーを与えるように設計される。このエネ ルギーによってマイクロカプセルが粉砕され、触媒や促進剤が樹脂マトリックス の中に放出されて硬化プロセスを始動させるので、この方法は硬化を遅延させた り選択的に実施させるのに極めて有利で、ライニングチューブに樹脂マトリック スとマイクロカプセルとを予め含浸させた後、これを何時でも使用できるように 貯蔵できるので大変便利になる。 超音波発振器は水中でも使用可能なので、これを例えば図中の34の箇所で使 用する場合、これと同時に水をライニングチューブ12に満たして膨らませるこ とも可能になる。 第4図には、内部コア20と外膜22とで構成され、この場合には第1図の場 所30に位置したライニングチューブ12が示されているが、この場所には1対 の振動板又はその他のコンポーネント50、52で構成された音波発生装置が設 けられており、この図には前記1対の振動板の、平らに押しつぶされたライニン グチューブ12の輪郭に合わせた形状が描かれている。これらの振動板は、これ を強制振動させるためのエネルギー変換器(transducer)54、56を備えている 。そしてこれらの振動板を超音波もしくは可聴周波振動させてライニングチュー ブ12にエネルギーを与えることにより、コアに含浸されている樹脂の硬化プロ セスを開始させることができる。この図には粒子24が、コア20及びこれに含 浸された樹脂の中に埋め込まれた状態で描かれているが、これらの粒子は、例え ば触媒や促進剤あるいは加速剤(accelerator) を含有した吸着剤粒子であり得る 。そしてこれらの粒子を、触媒が吸着された第1グループと、促進剤即ち開始剤 (initiator) が吸着された第2グループの二つのグループに分けるのが好ましい 。各グループそれぞれの粒子は粘土であり得るが、一方のグループの粒子の粘土 (clay)と他方のグループのそれとを違ったものにすると、予想外の好結果が得ら れている。このほか、この樹脂には触媒の脱離を促進する添加剤と、ライニング チューブに音波振動が加えられたときに作用する促進剤を含ませると良い。触媒 が過酸化ベンゾイルである場合には、この添加剤にヘキサメタリン酸ナトリウム を含有させるのが好ましく、これは本出願人が出願中の英国特許出願第9320498. 0 号記載のような効果を発揮する。 例えば振動板50と52による音波発生器は、好都合な任意の様式で駆動すれ ば良く、また、例えば50と52の各板それぞれを異なった周波数で振動させる ことにより、ライニングチューブ12の近傍に音波干渉を発生させてライニング チューブに印加されるエネルギーを増幅させ、触媒や促進剤の脱離を促進させる と良い。これらの脱離によって樹脂の硬化が開始、即ち「キックスタート(kick started)」されるが、この場合の樹脂はポリエステル樹脂であることが好ましい 。 第1図に示されているようなライニングチューブ12のパイプライン又は通路 の中への送り込みに際し、樹脂の硬化時間をライナー設置所要時間よりも若干長 くなるように選定ないし調整することにより、ライナーが定位置に設置されたほ ぼ直後に樹脂の硬化が開始されるようにすると、作業員の滞在時間が最短になる 。 樹脂硬化始動用に超音波発生装置を使用して十分なエネルギー量を与えると、 これによる十分な熱量のおかげで触媒がなくても樹脂マトリックス内で硬化を始 動させることが可能となり、極めて有利になるが、この方法には特定のモノマー を使用する必要がある。 加速剤や促進剤使用の要否は状況による。 これに関しては、スチレンコントラスト(styrene contrast)の低いモノマーの 使用を使用すると特に有利になり得る。 この発明による考慮に値する利点は上述したとおりであるが、前述した実施例 の方法は、例えば前記国際特許出願PCT/GB93/00107記載のような他の樹脂活性化 方法と組み合わせ使用可能である。 シェル−レジン社(Shell Resin) 製品のような潜在硬化システムに該当するマ トリックスとしてエポキシ樹脂を使用する代案では、温度を80℃台に上昇させ ることによって硬化が始動されるので、発熱用薬剤をマイクロカプセルに封入し 、例えば前述した方法等によってカプセルを破裂させたときに発熱させるように すると良い。この場合カプセルに封入する促進剤は、好ましくはアミンであれば 良い。 これに使用する樹脂システムにはフェライトもしくはこれに類したものを含有 させることにより、樹脂の硬化を開始させたり効果を高めるための熱を樹脂の中 に発生させると良い。またこれに関連し、前述したような始動段階のために交番 磁界を使用すると良い。即ち、例えば第1図のパイプライン内の32や34のよ うな場所での追加された硬化手段の使用のような硬化ステップが必要な場合、英 国特許出願第9409014.9 号記載の装置を使用すると仕上げ硬化ステップの効果が 高められる。即ちこの装置はN磁極とS磁極が交番するローターを有し、これに よってローター周辺に方向が互いに逆向きの磁束が確立される結果、ローターの 回転に伴ってライニングと貫通する交番磁界が発生し、これに含まれているフェ ライト粒子が加熱されて硬化が促進される。この始動ステップは、この交番磁界 手段によって実行させると良い。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年3月28日 【補正内容】 明細書 パイプラインや通路のライニング施工 技術分野 この発明は、パイプラインや通路に対するライニング施工に関する。そしてこ の発明は硬化性合成樹脂が含浸された少なくとも一つの樹脂含浸層も含めて「ソ フトライニング(soft lining) 」即ち「所定位置での硬化処理(cure)」されるラ イニングに関わるものである。 背景技術 今日このようなライニングの製作や設置に関するテクノロジーは良く発達して いるが、原特許である米国特許第 4,00,9063号及び第 4,064,211号を基本的に参 照しながら詳細説明する。このライニングチューブは、樹脂がまだ硬化していな い状態では厳密にはチューブと言えず、布(web) が管状に折り畳まれてそのエッ ジが重なり合うことがあり得るが、このようなエッジは、所定位置で硬化処理し ない限り解きほぐされない。実際ではこのような方式は効果を発揮し、チューブ が膨んで通路内面に最善にフィットすると、重なりあったエッジがスリップして ほぐされる。このテクノロジーは地中の下水管に対するライニング用途に広く応 用されているが、このテクノロジーは今なお更に改善される情勢にある。即ち、 これまでに実用化された方法には工場条件下でのライニングチューブ含浸法も含 まれているが、この方法ではチューブを含浸処理した後、ライニングを定位置に 設置する前に樹脂が早期に硬化しないようにするため、これをできるだけ速やか に所定位置に運んでパイプライン又は通路の内面上に設置することが望まれる。 ライニングを定位置に設置したら、作業員は最短時間で作業を完了し、迅速に後 片付けできるようにすることにより、公衆や交通の邪魔を最小限度に抑えること が望まれる。と言うのも、地下下水管は通常、道路や街道やハイウェー等の下又 はその延長線上に敷設されるからである。先行特許明細書第 4,768,562号 (米国 ) 、W092/20504号及びA5676029号 (スイス) で公開されたいずれの方法において も、ライニング対象面にライニングチューブをあてがい、チューブに含浸された 樹脂を硬化させるか、もしくはポリマー層を完全重合させる。ただし米国特許の ライニングチューブは、使用前には部分的に重合されて、この状態のまま保管さ れる。 従ってこれに使用する樹脂と硬化処理の準備により多くの関心が集められるが 、その理由は、樹脂に対しては、ライニング施工後に早期硬化しないようにする ために保管可能期間を長くする一方、他方においては一旦硬化が開始されたら可 及的速やかにこれを完了させるために硬化時間を短くすることが望まれるからで ある。 前記米国特許をベースにして発達した技術を用いて施工される過半数の工事契 約では、ライニングの含浸に熱硬化性樹脂が用いられ、樹脂の硬化を促進させる のに熱が利用されている。またこのような樹脂テクノロジーに関しては、光硬化 性の樹脂を使用し、パイプラインないし通路に設置したときこのライニングに強 烈な紫外線を照射して硬化を促進可能にすることも提案されている。またこれ以 外の諸提案には、樹脂の中に強磁性(ferromagnetic) 粒子を用い、磁界によって 該粒子を励磁することによって樹脂を選択的に硬化させる方法や、超音波照射法 を用いて樹脂内のマイクロカプセル、即ち樹脂硬化を始動させる触媒や促進剤(p romoter)を収容したマイクロカプセルが破裂するまで、あるいは前記触媒や促進 剤が、これを吸着している吸着剤粒子から脱離するまで、樹脂を加熱する方法等 が含まれている。 一般的に言えば、問題に対するこれらの解決策は十分なものではなく、実際で は加熱硬化が依然として主流を占めている。 加熱硬化に伴う問題として、ライニングをパイプライン又は通路の内面上に設 置したとき、これを満たす膨大な容積の水又はその他の液体も加熱しなければな らないことが挙げられる。そして水を加熱するために所定位置に加熱装置を用意 しなければならず、また温水を使用すると、一般に硬化プロセスが遅延される傾 向がある。 この方式の一つの短所として、米国特許第 4,064,211号の如く含浸処理された ライニングチューブに熱が加えられていなくても、環境条件次第では稀に樹脂が 硬化するかも知れず、万一ライニングチューブをパイプライン又は通路内面の定 位置に設置する前に樹脂が硬化したら、勿論、当該ライニングチューブは完全に オシャカになり、スクラップ処理されざるを得ないことが挙げられる。そしてこ のようなことは、当該契約での利益が完全に失われないにしても、相当な損失に 該当し得る。またライニングチューブの硬化がパイプライン又は通路内部の一部 に過ぎなかったら、工事請負人にとって結果的に経済的な損失になるであろう。 過早に、即ちライニングチューブを定位置に設置する前に樹脂が硬化するような 問題を防止するため、工事請負人は、含浸処理済のチューブを所定位置で使用す るまでこれを冷凍状態に維持するため等を始めとするコストのかさむ測定を頻繁 に実施してきたが、このことは、チューブを所定位置まで冷凍車で運搬しなけれ ばならないことを意味する。 また、加熱に際しては、通常、膨らまされたライニングチューブの内部に高温 の流動性媒体、即ち熱湯やスチームを満たすことによって熱を加えている。当該 パイプラインでは下水等の液体が常時流されているような場合には、硬化処理期 間中は正常な流れを迂回させなければならない。しかしこのことは、下水道の場 合には特に不都合であるばかりでなく、場合によっては契約をより安価な方法に 奪われかねないと言う極めて重大な特別損失を意味することになる。 しかし皮肉なことに、一旦チューブを定位置に設置したら、樹脂を可及的速や かに硬化させ、樹脂が硬化したら、今度は作業員ができるだけ速やかに所定位置 を立ち去ることが望まれる。そしてこの場合、工事請負人は、通常、夜間の方が 比較的短時間で作業が完了されると申し出ることが良くあることに注目すべきで ある。従って、作業を可能最短時間で完了させることが極めて重要になるが、作 業遂行には下水系統を殺すこと(多くのケースでこれが行われいる)や交通遮断 が不可欠な場合には殊更である。 従って工事請負人は契約を実行するため、一方においてはチューブを含浸処理 する工場ないしプラントと、含浸処理済のチューブを冷凍状態にキープするため の車両や定位置に設置されたチューブを膨らませる液体を加熱して樹脂を硬化さ せるための加熱装置を備えた車両を所有しなければならないほか、チューブを定 位置に設置するのに必要な装置も用意しなければならない。 また樹脂に関してはジレンマも存在する。硬化前にチューブをパイプライン又 は通路内に設置するため、工事人に十分な時間が与えられるように有効貯蔵期間 をできるだけ長くすることが望まれる一方、他方においては、チューブが定位置 に設置されたら、硬化処理を可及的速やか完了させることが望まれる。不幸なこ とにこのようなジレンマは、樹脂の有効貯蔵期間を延長させるがその硬化時間も 長くするような樹脂反応抑制剤のような添加剤では解決不能であることが立証さ れている。 従って工事請負人は契約遂行に当たり、先ずライニングチューブを製作して置 き、これれの挿入直前に樹脂を含浸させた上、可及的速やかに所定位置(遠隔地 であり得る)に運搬してこれを挿入し、可及的速やかに硬化させなければならな い。ライニングチューブに含浸された樹脂と触媒とが混ざり合った瞬間にタイム のカウントダウンが開始され、工事人と時間との競争がスタートされる。 産業界はこのことを問題視し、例えばヨーロッパ特許明細書第 0007086号で公 開されているような光照射で硬化する特殊樹脂や米国特許第 4,581,247号、第 4 ,680,066号で公開された光照射を用いたライニングチューブの硬化方法等を開発 してこの問題解決に努力してきた。 しかし光硬化性樹脂には、日光によって活性化される触媒が含まれているため 、含浸処理されたライニングチューブは、早期硬化を防止するため光が透過しな いようにラッピングした上で貯蔵、運搬しなければならない。 しかしこのような光硬化性樹脂は、その硬化プロセスをコントロール可能であ り、その有効貯蔵期間が理論的に無限であるので有利である。しかし含浸チュー ブを所定位置で硬化処理するときに問題が発生する。先ず樹脂硬化には特殊な紫 外線源が必要であり、次に、良くあるケースとして水を利用してチューブを膨ら ませる場合、水が汚れていると光硬化処理が不可能になるが、いずれにしても防 水タイプの光源はまだ市販さていないため、新規開発して製作しなければならな い。下水のようなパイプライン又は通路の中を流れる液体は不透明であるためこ れを迂回させてから光硬化装置を使用しなければならないことが、熱硬化法に比 べて不利な点になる。このような理由から、実地での含浸処理ライニングチュー ブの施工位置での光硬化処理はまだ好成績を納めておらず、伝統的な熱硬化法に 席を譲ってきた。 国際特許出願PCT/GB93/00107に関わる発明は、強固な製品を製作するために随 時かつ迅速に硬化可能な硬化性樹脂系を提供することを目的とするが、この樹脂 は1年もしくはそれ以上の長期にわたって保存可能で、パイプライン又は通路の ライニングシステムを施工位置で硬化処理するのに特に適したものである。 前記国際特許出願に関係したこの発明によれば、その最も普遍的な実施態様で は、熱や光等の周囲条件には影響されないが、硬化プロセスもしくはこれの始動 が惹起される程度の量の熱や光が当てられるとそれに感応可能な不活性物質が、 樹脂の中に添加又はこれに隣接配置される。 前記物質はさまざまな形態で採用可能であるが、これらの諸形態は、単独もし くは組み合わせて利用可能である。 ある特殊な例においては、前記物質を樹脂用触媒や促進剤もしくはこれら両者 を封入したマイクロカプセルで構成し、このカプセルに超音波を照射して破裂さ せて内容物を解放することにより、硬化プロセスを開始させる。 前記英国特許出願第 9304465.9号に関わるこの発明は、合成樹脂マトリックス 内のマイクロカプセル化物質の使用に関する。前述したようにマイクロカプセル の中には触媒や促進剤もしくはこれらの両者が封入されるが、このカプセルは、 これが破裂することによって内容物を放出し、その周囲の樹脂マトリックスの硬 化を開始させるように考えられたものである。 審査中の前記国際特許出願書に述べられているように、マイクロカプセル化さ れた物質を用いたこの始動システムは、国際特許出願記載の他の始動システム、 即ち機械的に励起可能な粒子やマイクロ波で活性化される物質等と組み合わせ使 用可能である。 前記英国特許出願に関連したこの発明の他の実施態様においては、合成樹脂マ トリックスが含浸されたライニングチューブと該マトリックスに含まれたマイク ロカプセル化物質とを接触させるのに超音波方式の機械的衝撃装置が使用される ° この超音波式機械的衝撃装置は、ライニングチューブに表面硬化鋼球を打ち当 てるように構成された超音波共振器であり得る。公知のタイプであるこの共振器 は、これが超音波で励起されたときに球がスロットの中に保持されている限り、 これを保持したままシュートさせる。そしてライニングチューブがこの球の衝撃 を受けると、マイクロカプセルが破裂してその内容物が放出され、樹脂マトリッ クスが硬化し始める。この共振器は、前記国際特許出願記載のように、ライニン グプロセスの任意の段階で使用可能であり、また後述するように適切な任意の環 境での樹脂の硬化処理にも使用可能である。これまでの超音波共振器には表面硬 化鋼球が使用されてきた。 この発明の一つの目的が、米国特許第 4,009,063号及び第 4,064,211号記載の ような地下パイプライン又は通路に対するライニング施工の基本的方法を、より 迅速に施工できるように効果的に硬化処理する手段と、前もって含浸処理済のラ イニングチューブが使用可能となるように適切に調製した樹脂の使用とによって 向上させる方法を提供することである。 発明の開示 この発明によれば、ライニング対象の地下パイプライン又は通路にサイズを合 わせ、かつ未硬化状態の硬化性合成樹脂が含浸された可撓性チューブを液圧によ って当該パイプライン又は通路の内面上に設置した後、直ちに硬化処理してパイ プライン又は通路の面上に強固なライニングパイプを形成させる方法が提供され るが、この場合の樹脂は、熱や衝撃や振動や照射等の硬化プロセス始動ステップ あるいはこれら各ステップの任意の組み合わせによって硬化開始可能なタイプ即 ち組成のものであり、またこの方法にはライナーチューブを地表面からパイプラ イン又は通路の中に送り込むステップも包含されるが、ライナーチューブを地表 面からパイプライン又は通路の中に送り込むとき、これを前記硬化プロセス始動 ステップにもたらすための装置を通過させて硬化プロセスを開始させ、このプロ セスが完了する前に該チューブをパイプライン又は通路の面上に設置することを 特徴とする方法である。 上記によれる利点として、前記硬化プロセス始動装置を適切に地上配置可能と なるのでこれをより小型にすることが可能になると共に、コントロールや点検修 理も遥かに容易になることが挙げられる。また、硬化プロセス始動効果が、それ が熱、光、照射、超音波等のいずれによるものであっても、より強力になる。 工事人はこれまでライニングチューブを地下に送り込む直前に硬化始動物質に 手をつけるようなことは行わず、むしろライニングをパイプライン又は通路の内 面に設置した後、硬化開始ステップをスタートさせる伝統的な方法に従ってきた 。しかし今日ではライニング施工技術が大きく進歩し、工事人は多少にかかわら ず所定時間内に確実にライニング施工可能となり、容易に硬化開始時間を算定し たり、地上設置の装置による硬化開始の方法を決定できるようになった。そして 施工時間が大幅に短縮可能となったが、このことは、施工が迅速に完遂されて貴 重な労働力を速やかに他の施工位置に転用可能になることを意味するので、工事 請負人に著しい利益をもたらすことになる。 典型的には、ライニングを地表面からパイプライン又は通路の中に送り込むと き(通常ではライニングがこのとき裏返しにされる)、硬化始動装置を通過させ るが、この始動装置は、当該システムに使用されている樹脂の品種の如何に応じ 、加熱リングや超音波発振器や機械的衝撃装置等であれば良い。 追加硬化処理や仕上げステップが必要な場合、パイプライン又は通路への設置 完了したライニングに対し、従来のやり方に従ってこれを実施しても良いが、そ の効果は、設置後の効果処理のみの場合に比べて劣るものと信じられている。 地上での硬化始動に加熱法を利用する場合、この加熱装置は、従来の方法によ る熱湯使用とは異なるやり方の、例えばホットローラーやその他の加熱手段も含 めた特殊設計にすると良い。 次にこの発明の実施例を、下記の添付図面を参照しながら説明する。 図面の簡単な説明 第1図は、可撓性ライニングチューブを地下通路に設置するため進められてい るライニング作業を示した縦断側面図である。 第2図は、第1図の作業に使用されるライニングチューブの拡大縦断正面図で ある。 第3図は、ライニングチューブがパイプライン又は通路内の定位置で裏返しに される状態を示す斜視図である。 第4図は、樹脂硬化のため触媒や促進剤を脱離させるのに超音波発振器を使用 したときの状態を示す第2図に類似した図である。 発明を実施するための最良の形態 以下に説明する最初の実施例ではマイクロカプセルが使用されており、またこ こでは、諸材料即ち樹脂、マイクロカプセル、ライニングチューブの材料は、今 回参照した前記国際特許出願ややはり参照した英国特許第 1,340,068号及び第 1 ,449,445号に記載のものであれば良いことに留意されたい。 第1図では、下水管10の形態を成した地下通路が、チューブ供給源14から 供給されるフレキシブルチューブ12によってライニング施工中である。このチ ューブはポンプユニット15によって下水管10の中に裏返しにされながら供給 されるが、このポンプユニットの構造設計と機能は、国際特許出願PCT/GB91/016 03及び米国特許第 5、154、936号に基づくものである。このユニット14は、この 第1図に示されているように、チューブ12を裏返しにしながら送り出すための ものである。チューブの先端16はユニット15の出口に固定して置くと良いで あろう。 第1図の右手には、チューブ12が定位置に完全に設置されてその末端18が 閉じられた状態が描かれている。この末端18には、これが裏返し圧力によって 破裂されないようにするために引き止め用のロープ、ケーブルあるいはこれらに 類するものを取り付けて置くと良い。 次に、ライニングチューブ12の詳細を拡大して示した第2図を参照するが、 この図から分かるように、チューブ12は、繊維質のフェルトや織布あるいはこ れらの組み合わせのような吸収性材料もしくはその他適切な吸収性材料による一 つ又はそれ以上の層から成るコア部分20と、これを取り囲む不透過性の層22 とで構成されるが、この不透過性の層22は、層20が最も普遍的なポリエステ ルフェルトである場合には、フェルト20の外層に接着されたポリウレタンフィ ルムである。 実用に際してはフェルト20に硬化性合成樹脂が含浸され、またこの実施例に おいては樹脂マトリックスの中にはマイクロカプセル内に封入された触媒や促進 剤が包含されるが、図には分かりやすくするためにこのマイクロカプセルが拡大 されて符号20で示されている。このカプセルは実際ではこれより遥かに小さく かつ樹脂マトリックス全体にくまなく分布されている。 第2図にはチューブ12がその製作時の状態、即ち下水管内面に適用される前 の状態で示されているが、第1図に示されているようにこのチューブ12を裏返 しにすると、その外皮即ち膜22がこのチューブの内側になることを理解された い。チューブ12のこの裏返しのプロセスが第3図により具体的に描かれている 。図中の12Aが既に裏返しされた部分で、樹脂を吸い込んだフェルト面が外側 に反転する一方、外膜22が内側になっている。また12Bが、裏返しのために 矢印26の方向に移動中の部分である。 上述した事柄も前記国際特許出願に基づくものであるが、これらの図に描かれ ているこの発明によれば、ライニングチューブがまだフレキシブル状態にある間 にマイクロカプセルを破裂させるためにこれにエネルギーを供給するのに超音波 発振器が使用されるが、これをポンプユニット15の手前の位置30でチューブ に作用させる。またオプションとしての第2の発振器32を、奥に向かって移動 中のライニングチューブの部分12Bや、これが下水管の内面上で裏返しになっ た後の部分34で作用させても良い。 この発明では、前記発振器の代わりに樹脂系それぞれのタイプに応じてこれと は異なる樹脂初期化装置が使用可能である限り、例えば第1図に示されている発 振器30を用いた硬化始動ステップが一般的に適用されるものとする。従って発 振器30の代わりに、ヒーターや光源や照射源のいずれかを使用しても良い。ま た樹脂成分の如何に応じてこれらの硬化始動手段を組み合わせて使用しても良い 。例えば図示されているような樹脂系によるライニングを予熱するための加熱装 置を用いるとかなり有利になり、樹脂の予熱とマイクロカプセルの破裂との組み 合わせによって、ライニングをパイプライン又は通路内の定位置に設置したとき の硬化が促進されるとしたら、余分な地下硬化処理装置や硬化ステップが不要に なる。この発明思想は、ライニングをパイプライン又は通路の内面上に挿入する 前に予備硬化を始動させる、即ち硬化の始動を「キック(kick)」させることであ る。テレビカメラで監視できないようなパイプライン又は通路の中に硬化処理装 置を導入しないですむようにすることが望まれる。もしこの発明の予備硬化によ って、ライニングを定位置に設置したときに硬化処理が確実に完遂されるなら、 極めて有利なことになる。またこの発明による方法を適用することにより、硬化 時間が大幅に短縮されるものと確信される。 再び図を参照するが、超音波発振器は、これがライニングチューブの外膜面2 2に第2図の矢印36のようにエネルギーを与えるように設計される。このエネ ルギーによってマイクロカプセルが粉砕され、触媒や促進剤が樹脂マトリックス の中に放出されて硬化プロセスを始動させるので、この方法は硬化を遅延させた り選択的に実施させるのに極めて有利で、ライニングチューブに樹脂マトリック スとマイクロカプセルとを予め含浸させた後、これを何時でも使用できるように 貯蔵できるので大変便利になる。 超音波発振器は水中でも使用可能なので、これを例えば図中の34の箇所で使 用する場合、これと同時に水をライニングチューブ12に満たして膨らませるこ とも可能になる。 第4図には、内部コア20と外膜22とで構成され、この場合には第1図の場 所30に位置したライニングチューブ12が示されているが、この場所には1対 の振動板又はその他のコンポーネント50、52で構成された音波発生装置が設 けられており、この図には前記1対の振動板の、平らに押しつぶされたライニン グチューブ12の輪郭に合わせた形状が描かれている。これらの振動板は、これ を強制振動させるためのエネルギー変換器(transducer)54、56を備えている 。そしてこれらの振動板を超音波もしくは可聴周波振動させてライニングチュー ブ12にエネルギーを与えることにより、コアに含浸されている樹脂の硬化プロ セスを開始させることができる。この図には粒子24が、コア20及びこれに含 浸された樹脂の中に埋め込まれた状態で描かれているが、これらの粒子は、例え ば触媒や促進剤あるいは加速剤(accelerator) を含有した吸着剤粒子であり得る 。そしてこれらの粒子を、触媒が吸着された第1グループと、促進剤即ち開始剤 (initiator) が吸着された第2グループの二つのグループに分けるのが好ましい 。各グループそれぞれの粒子は粘土であり得るが、一方のグループの粒子の粘土 (clay)と他方のグループのそれとを違ったものにすると、予想外の好結果が得ら れている。このほか、この樹脂には触媒の脱離を促進する添加剤と、ライニング チューブに音波振動が加えられたときに作用する促進剤を含ませると良い。触媒 が過酸化ベンゾイルである場合には、この添加剤にヘキサメタリン酸ナトリウム を含有させるのが好ましく、これは本出願人が出願中の英国特許出願第 9320498 .0号記載のような効果を発揮する。 例えば振動板50と52による音波発生器は、好都合な任意の様式で駆動すれ ば良く、また、例えば50と52の各板それぞれを異なった周波数で振動させる ことにより、ライニングチューブ12の近傍に音波干渉を発生させてライニング チューブに印加されるエネルギーを増幅させ、触媒や促進剤の脱離を促進させる と良い。これらの脱離によって樹脂の硬化が開始、即ち「キックスタート(kick started)」されるが、この場合の樹脂はポリエステル樹脂であることが好ましい 。 第1図に示されているようなライニングチューブ12のパイプライン又は通路 の中への送り込みに際し、樹脂の硬化時間をライナー設置所要時間よりも若干長 くなるように選定ないし調整することにより、ライナーが定位置に設置されたほ ぼ直後に樹脂の硬化が開始されるようにすると、作業員の滞在時間が最短になる 。 樹脂硬化始動用に超音波発生装置を使用して十分なエネルギー量を与えると、 これによる十分な熱量のおかげで触媒がなくても樹脂マトリックス内で硬化を始 動させることが可能となり、極めて有利になるが、この方法には特定のモノマー を使用する必要がある。 加速剤や促進剤使用の要否は状況による。 これに関しては、スチレンコントラスト(styrene contrast)の低いモノマーの 使用を使用すると特に有利になり得る。 この発明による考慮に値する利点は上述したとおりであるが、前述した実施例 の方法は、例えば前記国際特許出願PCT/GB93/00107記載のような他の樹脂活性化 方法と組み合わせ使用可能である。 シェル−レジン社(Shell Resin) 製品のような潜在硬化システムに該当するマ トリックスとしてエポキシ樹脂を使用する代案では、温度を80℃台に上昇させ ることによって硬化が始動されるので、発熱用薬剤をマイクロカプセルに封入し 、例えば前述した方法等によってカプセルを破裂させたときに発熱させるように すると良い。この場合カプセルに封入する促進剤は、好ましくはアミンであれば 良い。 これに使用する樹脂システムにはフェライトもしくはこれに類したものを含有 させることにより、樹脂の硬化を開始させたり効果を高めるための熱を樹脂の中 に発生させると良い。またこれに関連し、前述したような始動段階のために交番 磁界を使用すると良い。即ち、例えば第1図のパイプライン内の32や34のよ うな場所での追加された硬化手段の使用のような硬化ステップが必要な場合、英 国特許出願第 9409014.9号記載の装置を使用すると仕上げ硬化ステップの効果が 高められる。即ちこの装置はN磁極とS磁極が交番するローターを有し、これに よってローター周辺に方向が互いに逆向きの磁束が確立される結果、ローターの 回転に伴ってライニングと貫通する交番磁界が発生し、これに含まれているフェ ライト粒子が加熱されて硬化が促進される。この始動ステップは、この交番磁界 手段によって実行させることができる。 請求の範囲 1.地下のパイプライン又は通路(10)のライニングの方法であって、可撓 性ライナーチューブ(12)をそのライニング対象であるパイプライン又は通路 (10)の寸法に合わせ、未硬化状態の硬化性合成樹脂で含浸処理し、ライニン グのため流体圧力によって上記パイプライン又は通路面上に設置させ、これに続 いて上記樹脂を硬化させてパイプライン又は通路面上に強固なライニング管を形 成させる方法であって、前記樹脂が熱、衝撃、振動、放射などの硬化始動ステッ プもしくはこれらステップの組み合わせによって硬化開始可能な型又は形式であ り、また前記ライナーチューブ(12)を地表面からパイプライン又は通路(1 0)内に送り込むステップを含む方法において、前記ライナーチューブ(12) を地表面からパイプライン又は通路内に送り込む際に、装置(30)を通過させ ることにより前記硬化始動ステップにかけて、前記硬化開始ステップ後であるが 硬化完了前に、このライナーチューブ(12)を前記パイプライン又は通路面上 に設置することを特徴とする方法。 2.前記ライナーチューブ(12)をパイプライン又は通路(10)の中に送 り込むとき、地表面において硬化を始動させることを特徴とする請求の範囲第1 項記載の方法。 3.前記ライニングチューブ(12)をパイプライン又は通路の面上に設置し た後で樹脂の硬化を支援するステップによって特徴づけられる請求の範囲第1項 又は第2項記載の方法。 4.前記硬化始動ステップに「音波」エネルギーの印加が含まれ、かつ樹脂が 音波エネルギーによる硬化始動に感応可能であることを特徴とする上記請求の範 囲のいずれかに記載の方法。 5.前記樹脂に、超音波や可聴範囲の音波エネルギーの影響を受けて脱離する 触媒や促進剤を含有した吸着剤粒子が含まれていることを特徴とする請求の範囲 第4項記載の方法。 6.前記樹脂がポリエステル、触媒が過酸化ベンゾイル、また促進剤がアミン であることを特徴とする請求の範囲第5項記載の方法。 7.前記樹脂に、磁気照射や誘導照射に感応する粒子が含まれていることを特 徴とする請求の範囲第5項又は第6項記載の方法。 8.前記粒子が、触媒を含有する第1グループと、促進剤を含有する第2グル ープとで構成されていることを特徴とする請求の範囲第5項ないし第7項のいず れかに記載の方法。 9.前記第1グループの粒子が、やはり粘土粒子である第2グループとは異な ったタイプの粘土粒子で構成されていることを特徴とする請求の範囲第8項記載 の方法。 10.前記硬化始動ステップに、ライナーチューブ(12)に対する加熱ステ ップが含まれ、かつ樹脂が熱エネルギーによる硬化始動に感応可能であることを 特徴とする上記請求の範囲のいずれかに記載の方法。 11.前記硬化始動ステップに、ライナーチューブに対する光エネルギー照射 ステップが含まれ、かつ樹脂が光エネルギーによる硬化始動に感応可能であるこ とを特徴とする上記請求の範囲のいずれかに記載の方法。 12.前記硬化始動ステップに、ライナーチューブに対する鋼球による機械的 衝撃印加が含まれ、かつ樹脂が鋼球の機械的衝撃による硬化始動に感応可能であ ることを特徴とする上記請求の範囲のいずれかに記載の方法。 【図1】 【図2】 【図3】 【図4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI // B29K 101:10 B29L 23:00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI,G B,GE,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ ,LK,LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S I,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.地下のパイプライン又は通路のライニングの方法であって、可撓性ライナ ーチューブをそのライニング対象であるパイプライン又は通路の寸法に合わせ、 未硬化状態の硬化性合成樹脂で含浸処理し、ライニングのため流体圧力によって 上記パイプライン又は通路面上に設置させ、これに続いて上記樹脂を硬化させて パイプライン又は通路面上に強固なライニング管を形成させる方法であって、前 記樹脂が熱、衝撃、振動、放射などの硬化始動ステップもしくはこれらステップ の組み合わせによって硬化開始可能な型又は形式であること、及びライナーチュ ーブを地表面からパイプライン又は通路内に送り込む直前に硬化開始させると共 に、前記硬化開始後であるが硬化完了前に、このライナーチューブを前記パイプ ライン又は通路面上に設置することを特徴とする方法。 2.前記ライナーチューブをパイプライン又は通路の中に送り込むとき、地表 面において硬化を開始させることを特徴とする請求の範囲第1項記載の方法。 3.前記ライナーチューブをパイプライン又は通路の面上に設置した後での樹 脂の硬化を支援するステップによって特徴づけられる請求の範囲第1項又は第2 項記載の方法。 4.前記パイプライン又は通路への挿入に先立ち実行される前記硬化開始後所 定時間で硬化するうように樹脂を選択もしくは調製し、前記所定時間が経過した ら、このライナーチューブをパイプライン又は通路に対して保持している流体圧 力を除去することを特徴とする請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記載 の方法。 5.前記ライナーをその前後方向から、パイプライン又は通路の中に地表面か ら送り込むステップを包含した前掲各請求の範囲第のいずれかに項記載の方法に おいて、前記硬化プロセス始動には、地表面での硬化始動手段を通過するライナ ーチューブの送り込みが含まれることを特徴とする方法。 6.前記硬化始動手段に音波発生装置が包含され、かつ樹脂が音響エネルギー による硬化始動に感応可能であることを特徴とする請求の範囲第5項記載の方法 。 7.前記樹脂に、超音波や可聴範囲の音響エネルギーの影響を受けて脱離する 触媒や促進剤を含有した吸着性粒子を含ませたことを特徴とする請求の範囲第5 項記載の方法。 8.前記樹脂がポリエステル樹脂であり、かつ触媒が過酸化ベンゾイル、また 促進剤がアミンであることを特徴とする請求の範囲第7項記載の方法。 9.前記樹脂に、磁気や誘導照射に感応可能な粒子を含ませたことを特徴とす る請求の範囲第7項又は第8項記載の方法。 10.前記粒子が、触媒を含有する第1グループと、促進剤を含有する第2ッ プとを包含することを特徴とする請求の範囲第7項ないし第9項のいずれかに記 載の方法。 11.前記第1グループの粒子が、やはり粘土粒子である第2グループとは異 なったタイプの粘土粒子であることを特徴とする請求の範囲第10項記載の方法 。 12.前記硬化始動手段に、ライナーチューブ加熱用手段が含まれ、かつ樹脂 が、熱エネルギーによる硬化始動に感応可能であることを特徴とする請求の範囲 第5項ないし第12項のいずれかに記載の方法。 13.前記硬化始動手段に、ライナーチューブに光エネルギーを与える手段が 含まれ、かつ樹脂が光エネルギーによる硬化始動に感応可能であることを特徴と する請求の範囲第5項ないし第12項のいずれかに記載の方法。 14.前記硬化始動手段に、ライナーチューブに機械的衝撃を与える手段が含 まれ、かつ樹脂が機械的衝撃による硬化始動に感応可能であることを特徴とする 請求の範囲第5項ないし第13項のいずれかに記載の方法。
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