JPH09487A - カバー式内視鏡 - Google Patents

カバー式内視鏡

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Publication number
JPH09487A
JPH09487A JP7150552A JP15055295A JPH09487A JP H09487 A JPH09487 A JP H09487A JP 7150552 A JP7150552 A JP 7150552A JP 15055295 A JP15055295 A JP 15055295A JP H09487 A JPH09487 A JP H09487A
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JP
Japan
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cover
tip
endoscope
distal end
engaging
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Withdrawn
Application number
JP7150552A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Miyake
清士 三宅
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09487A publication Critical patent/JPH09487A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カバー用内視鏡の先端部が先端カバー部材の
所望の位置に位置したことを操作者が容易に認識できる
カバー式内視鏡を提供すること。 【構成】 内視鏡カバーの先端カバー部材10には弾性
変形部12を延設してその後端に係合部13を設け、カ
バー用内視鏡の先端構成部6に設けた係止部14と係合
して固定する係止手段を形成して、さらに先端カバー部
材10及び先端構成部6には球状に突出する凸部30、
31を設けて係合手段を形成し、前記係止手段が係止す
る位置で凸部30と31が係合して係合音或いは振動
し、操作者は係合手段の係合を認識することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカバー用内視鏡を内視鏡
カバーで覆うカバー式内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、内視鏡は医療分野等において広く
用いられるようになった。医療分野における内視鏡検査
には、検査前に十分な洗浄消毒をした清潔な内視鏡を使
用する必要がある。このため内視鏡を用いる際には、使
用後に感染症等を確実に防ぐために洗浄とか滅菌処理を
施すようにしているが、完全に滅菌処理等を実施するに
は手間がかかるので、内視鏡の使用効率が低下するとい
う問題がある。
【0003】そこで、内視鏡の洗浄・消毒の手間を減ら
すため、内視鏡本体にカバーを装着した状態で内視鏡検
査を実施し、検査後にカバーのみを使い捨てとして交換
し、使用後においても内視鏡自体は不潔にならないよう
にして衛生上の配慮を不要としたカバー方式の内視鏡が
提案されている。
【0004】カバー式内視鏡は、一般にカバー用内視鏡
本体の挿入部を軟性の挿入部カバー内に装着すること
で、挿入部カバーにより内視鏡挿入部の外表面を覆い、
内視鏡本体を常に清潔に保つようにしている。従って、
使用時に滅菌したカバーで覆われたカバー式内視鏡の挿
入部が汚染された場合でもカバーの隔離効果により内視
鏡挿入部自体は汚染されることなく、カバーを清潔なも
のに交換することで患者への感染を防止できる。
【0005】このようなカバー式内視鏡では、内視鏡カ
バーを装着した使用状態において、内視鏡カバー内でカ
バー用内視鏡がずれないようにする必要がある。
【0006】このため、挿入部カバーとカバー用内視鏡
の挿入部とを確実に固定するため、実開平3−1019
05号公報には内視鏡の先端構成部と挿入部カバーの先
端とを貼着して固定するような内視鏡カバーが示されて
いる。
【0007】また、図42に示すように先端構成部6と
先端カバー部材10とを確実にがたつきなく固定するよ
うに、先端構成部6に設けた係止部14に係合する係合
部13を先端カバー部材10に設け、その係合している
部分に係合が外れないよう筒状部材15を外装するとい
う方法も考えられている。
【0008】なお、図42において、外皮9の先端に設
けた先端カバー部材10には、先端構成部6の対物光学
系18の先端の第1レンズ17に対向して透明なレンズ
カバー19で覆うようにしている。
【0009】図42の構成の場合は寸法誤差等の寸法差
が生じてもがたつきなく係合できるよう、係合部と係止
部が係合する部分は斜面をなし、斜面が密着または斜面
が重なり合うようにして係合している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】実開平3−10190
5号では所望の位置に先端構成部がきて初めて先端構成
部と挿入部カバー先端を貼着しなければ、先端構成部と
挿入部カバーが意図しない位置で固定されてしまい、そ
の場合、先端カバー部材に設けたレンズカバーと、先端
構成部に設けた対物光学系との距離が適正にならず、ゴ
ースト、フレア、視野ケラレ、といった光学的不具合が
発生し、最悪の場合には観察不能となる危険性があっ
た。
【0011】また図42の場合、先端構成部6を先端カ
バー部材10に完全に挿入し係止部14と係合部13が
係合した後、係合している部分に係合が外れないよう筒
状部材15を外装するため、きちんと挿入できたことを
まず確認することが必要である。そのためには係止部1
4と係合部13の係合時の係合感で判断すればよいが、
係止部14と係合部13はがたつきないよう係合するも
のの、斜面が当接、乗り上げた形で係合しており係合時
の係合感はあまり感じないため、先端構成部6がきちん
と先端カバー部材10に挿入できたのかが確認できなか
った。
【0012】その結果レンズカバー19越しに先端構成
部6が挿入できているかを見て判断するしかなくレンズ
カバー19越しの中が暗い先端カバー部材10をのぞく
ため、とても判断しずらいものだった。また、先端構成
部6が完全に挿入できていない状態では、係合部13と
係止部14が係合せず、また、筒状部材15を外装して
も固定できないため、最悪検査中に挿入部カバーがず
れ、観察不能になる危険性があった。
【0013】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、内視鏡先端の先端構成部が先端カバー部材内の所
望の位置に位置したことを操作者が認識できるように
し、確実に所望の位置で内視鏡カバーと、カバー用内視
鏡を固定できるカバー式内視鏡を提供することを目的と
している。
【0014】
【課題を解決するための手段】カバー用内視鏡と、少な
くとも前記内視鏡の挿入部を被覆する内視鏡カバーを備
え、前記内視鏡カバーは前記挿入部先端に設けた先端構
成部を被嵌する先端カバー部材を備え、前記先端構成部
と前記先端カバー部材とは先端構成部と先端カバー部材
に設けた係止手段により固定されるカバー式内視鏡にお
いて、先端構成部と先端カバー部材とに固定に関与する
係止手段とは別に先端構成部が所望の位置で係合する係
合手段を設けた構成としている。
【0015】
【作用】上記構成により先端構成部を先端カバー部材に
挿入時の係合手段の係合時に発する振動や音により先端
構成部が所望の位置に到達したことを示す作用を有し、
操作者は容易に係合による固定状態を認識できる。
【0016】
【実施例】図面を参照して本発明の実施例を具体的に説
明する。 (第1実施例)図1ないし図5は本発明の第1実施例に
係り、図1はカバー式内視鏡の全体構成を示す斜視図、
図2はカバー式内視鏡の挿入部先端部の詳細構成を示す
長手方向断面図、図3は図2のA−A線断面図、図4,
図5は内視鏡カバー内に内視鏡を挿入する際の説明図で
ある。
【0017】図1に示すように本実施例のカバー式内視
鏡1は、カバー用内視鏡2と、このカバー用内視鏡2の
少なくとも挿入部3を覆う内視鏡カバー4との組み合わ
せから構成されている。
【0018】カバー用内視鏡2は、細長の挿入部3の基
端側に把持部を兼ねた操作部5が連設され、挿入部3の
先端側には先端構成部6が設けられている。一方、内視
鏡カバー4は、前記挿入部3を覆い被せる挿入部カバー
7と、前記操作部5を覆う操作部カバー8とを有してい
る。
【0019】挿入部カバー7は、軟性のチューブ状の外
皮9の先端側に前記先端構成部6に外装される先端カバ
ー部材10が連設され、外皮9の基端側に前記操作部5
に係合して固定される口体部11が連設されて構成され
ている。操作部カバー8は、薄肉で軟性な、例えば塩化
ビニル等の高分子材料の膜部材で形成されている。これ
らのカバーは使用前には全て滅菌されている。
【0020】次に、図2ないし図5を参照して内視鏡挿
入部3及び挿入部カバー7の先端部の詳細構成を説明す
る。図2は内視鏡挿入部3に挿入部カバー7を装着完了
した状態、図3は先端部の径方向断面(図2のA−A線
断面)を示し、図4,5は挿入部カバー7内部に内視鏡
挿入部3を挿入していく途中の状態でのそれぞれの長手
方向断面を示したものである。
【0021】挿入部カバー7は、円筒状のウレタンや塩
化ビニル等の薄肉チューブからなる外皮9によりカバー
本体が構成されており、外皮9の先端側端部には先端カ
バー部材10が気密的に接合して設けられている。先端
カバー部材10の側周部には、挿入部長手方向の後端側
に延出した弾性変形部12が設けられ、この弾性変形部
12は一端が先端カバー部材10に固定され、この一端
を支点として他端側、つまり後端側が挿入部の径方向に
移動可能或いは弾性的に変形可能な構造になっている。
【0022】弾性変形部12の他端には、半径内側に突
出した係合部13が設けられ、一方カバー用内視鏡の先
端構成部6の外周側部における前記係合部13に対向す
る位置に半径外側に突出した係止部14が設けられ、係
合部13と係止部14が係合して挿入部カバー7の先端
側にカバー用内視鏡2の先端側を固定する係止手段を形
成する構造になっている。前記先端構成部6の係止部1
4は、周囲の先端構成部6の外周面を切り欠いて(係止
部14となる)凸部が形成されており、前記先端カバー
部材10の係合部13は、先端カバー部材10の内周面
より突出して(係合部13となる)凸部が形成され、先
端カバー部材10の最外周円より内側に設けられてい
る。
【0023】弾性変形部材12の近傍には、挿入部長手
方向に移動可能で弾性変形部12の一部及び先端カバー
部材10の外側に外装される円筒状部材15が設けられ
ている。弾性変形部12近傍の弾性変形部12と外皮9
との間には、円筒状部材15の肉厚分の空間があり、こ
の空間の分だけ先端カバー部材10の後端側は先端側に
比べ細径となっている。また、円筒状部材15は、樹脂
ないし薄肉金属パイプ材等で形成され、先端カバー部材
10の最外周円の径よりも小さい外径を有している。
【0024】前記係合部13と係止部14は、両者に部
品公差等の寸法差が生じても当接・係合しやすいよう
に、係合部13と係止部14が係合する面は互いに傾斜
面13a,14aが形成され、また寸法差がある場合で
もその誤差は係合部13と係止部14が重なり合う方向
にずれるよう構成されている。
【0025】つまり、係合部13を形成する凸部の遠位
端側は遠位端になるにつれてその突出量が小さくなる傾
斜面13a或いはテーパ面となり、係止部14を形成さ
る凸部の近位端側は近位端になるにつれてその突出量が
小さくなるような傾斜面14a或いはテーパ面が形成さ
れている。また、傾斜面13a及び14aにそれぞれ隣
接する切り欠き部分にそれぞれ係止部14及び係合部1
3を形成する凸部を収納できるようにしている。
【0026】また、係止部14の挿入部遠位端側には遠
位端になるにつれて先端構成部6の外径が細径となるよ
う傾斜面14bが形成されている。また、弾性変形部1
2の近位端側外周面には近位端になるにつれて弾性変形
部12外径が細径となる傾斜面12aが形成されてい
る。また先端カバー部材10の先端側には、内視鏡の先
端構成部6と嵌合し先端を支持する厚肉の支持部16が
形成されている。
【0027】先端構成部6の内部には、先端側から観察
用被写体像を結像する対物光学系(又は観察光学系)1
8(その先端の第1レンズを符号17で示す)、前記被
写体像を電気信号に変換する撮像ユニット28、撮像ユ
ニット28からの画像信号を画像コントロールユニット
(図示せず)へ伝達する信号ケーブル29が設けられる
と共に、観察光学系18と略平行に図示しない照明光学
系が設けられている。先端カバー部材10の先端面に
は、前記観察光学系18の第1レンズ17及び照明光学
系を覆うようにこれらの光学系と対向してレンズカバー
19が設けられている。
【0028】また、挿入部カバー7には図2に示すよう
に鉗子挿通の鉗子チャンネル24が形成され、この鉗子
チャンネル24に隣接して図3に示すように送気及び送
水管路をそれぞれ形成する送気及び送水チューブ25、
26が設けてある。
【0029】また、この実施例では先端カバー部材10
と先端構成部6には係合部13と係止部14とは別の凸
部30、31により先端構成部6が先端カバー部材10
に挿入完了時に係合する係合手段が設けられ、挿入完了
時におけるこの係合により操作者は挿入部カバー7の先
端側とカバー用内視鏡2の先端側との係止手段による固
定を認識できるようにしていることが特徴となってい
る。ここで凸部30、31は係合しやすい例えば球状の
形状を有しており、係合時に係合音或いは振動を発生す
る構造にしていることが特徴となっている。
【0030】次にこの実施例の作用を説明する。本実施
例の構成において、カバー用内視鏡2の挿入部3に挿入
部カバー7を装着するために、内視鏡挿入部3を挿入部
カバー7内に挿入する場合、挿入部カバー7の内視鏡収
納部の底部(或いは最深部)まで挿入していくと挿入完
了する直前の段階で先端構成部6が先端カバー部材10
の支持部16近傍まで嵌合する。この時、図4に示すよ
うに、先端構成部6の係止部14が係合部13と当接
し、係止部14の傾斜面14bが係合部13と弾性変形
部12を弾性変形させながら径方向に押し上げる。
【0031】さらに先端へ挿入が進むと、図5のように
係合部13が係止部14を乗り越えて係合部13と係止
部14とが傾斜面13a,14aで係合し、先端カバー
部材10と先端構成部6とが係止される。
【0032】これと同時に先端構成部6に設けた凸部3
1が、先端カバー部材10に設けた凸部30に係合す
る。この凸部30、31の係合においては凸部31が凸
部30を乗り越える際、先端構成部6自体が上下に大き
く振動し、この振動が先端構成部6並びに先端カバー部
材10を持って操作をしている操作者に伝達される。こ
の時、係止部14、係合部13の係合のように先端カバ
ー部材10の一部が上下するのではないため、操作者に
伝わるだけの十分な振動及び係合音が発生し、操作者は
その振動及び係合音を感知し、所望の位置にきたことを
確認することができる。
【0033】操作者が凸部30、31の係合時の振動及
び係合音で先端構成部6の挿入完了、すなわち係止部1
4と係合部13の係合を確認した後、図2のように弾性
変形部12の一部もしくは全体に円筒状部材15を外装
するように遠位端側に移動することで、弾性変形部12
は変形が規制され、係合部13が係止部14に当接また
は付勢した状態で確実に係合状態が保持される。これに
より、挿入部カバー7がカバー用内視鏡2の挿入部3に
取り付けられてがたつきのないよう先端側が固定され
る。
【0034】この時、部品公差等で係合部13と係止部
14が重なり合い、弾性変形部12が外側へ弾性変形し
た状態で係合しているような場合には円筒状部材15
は、弾性変形ないしは塑性変形をして、弾性変形部12
及び先端カバー部材10に外装される。この場合、弾性
変形部12の外周面には傾斜面12aが設けてあるた
め、傾斜面12aに沿って円筒状部材15をスムーズに
外装することができ、円筒状部材15によって係合部1
3と係止部14との係合を保持する。
【0035】挿入部カバー7を取り外す際は、円筒状部
材15を弾性変形部12の変形域から外れるよう挿入部
軸方向の近位端側に移動させることで、弾性変形部12
の変形が可能となる。この状態で内視鏡挿入部3を引き
抜くと、先端構成部6の係止部14が弾性変形部12基
端部と先端カバー部材10との固定部分を支点として係
合部13を押し上げて弾性変形部12が変形し、カバー
の取り外しが可能である。
【0036】本実施例は以下の効果を有する。本実施例
の構成では、先端カバー部材10、先端構成部6におい
て部品公差程度の寸法差が生じても、係合部13と係止
部14が係合する面が傾斜面13a,14aであるため
誤差を吸収して両者が当接・係合しやすくなっている。
この時、弾性変形部12の弾性復元力により係合部13
が係止部14を押圧することで先端構成部6がカバー先
端側に付勢されており、またこの状態で、円筒状部材1
5は弾性変形ないし塑性変形して押し拡げられた形で外
装されているため、弾性変形部12及び先端カバー部材
10に円筒状部材15を密着して外装することにより強
固に係合状態を保持できる。
【0037】また寸法差が生じず弾性変形部12が弾性
変形していない場合にも係合部13と係止部14が傾斜
面13a,14aにおいて密接して、さらに円筒状部材
15を外装していることにより強固な係合状態を保持で
きる。また、弾性変形部12の変形を円筒状部材15に
より規制することで係合部13の移動が規制され、係合
部13が係止部14を乗り越えて係合が解除されてしま
うということを防いでいる。
【0038】さらに、先端カバー部材10の支持部16
が先端構成部6のあおりを抑えるため、先端カバー部材
10の先端内面に先端構成部6が当接及び付勢した状態
でがたつきのない確実な固定が行える。よって、カバー
を装着した状態で挿入部3を湾曲させたりループさせた
りしても先端側がずれることなく確実に固定状態を保持
できる。
【0039】そして、先端カバー部材10と先端構成部
6との突当面からの内視鏡側の係止部14までの距離と
前記突当面からの内視鏡カバー側の係合部13までの距
離とを適宜設定することにより、先端カバー部材10と
先端構成部6とが係合した状態でレンズカバー19と対
物光学系18(の第1レンズ17)とが十分近接あるい
は密着した状態となるようクリアランスが所定値(例え
ば0.1mm以下)に保持されるので、観察に支障のある
フレアやゴースト等の発生を防止できる。
【0040】さらに、凸部30、31の係合時の振動並
びに係合音で先端構成部6の先端カバー部材10への挿
入が完了したのを操作者が確認してから、円筒状部材1
5を弾性変形部12並びに先端カバー部材10に外装す
るため、係合部13と係止部14は完全に係合した上に
円筒状部材15を外装することになり、確実にがたつき
のない固定を可能にする。
【0041】また、この凸部30、31の係合で先端構
成部6が所望の位置に位置したことを確認できるため、
今までのようなレンズカバー越しに中をのぞいて先端構
成部6が所望の位置にあるかどうか確認するといった、
手間がかかり、また先端カバー部材10内の暗い中の確
認といったあいまいな確認をするといったことがなくな
り、簡単に先端構成部6と先端カバー部材10の固定が
行えるといった効果がある。
【0042】また、本実施例中の円筒状部材15は先端
構成部6と先端カバー部材10の装着、抜去時に弾性変
形部12の弾性変形域を設けるために挿入部長手方向に
移動させているが図6(A)のように先端カバー部材1
0中に切欠部23を設けて、それに向かって円筒状部材
15を弾性変形させることにより、図6(B)に示すよ
うに弾性変形部12の弾性変形域27を確保するような
構成にしてもよい。その他に凸部30、31との係合で
はなく図7のように先端構成部6側の凸部40aと先端
カバー部材10側の凹部40bとの係合でもよい。ま
た、先端構成部6側を凹部、先端カバー部材10側を凸
部にした係合でもよい。
【0043】(第2実施例)第2実施例において第1実
施例と同じ構成、機能を有するものについては同符号を
符し、その説明を省略する。図8〜12は第2実施例に
係り、図8は本実施例の長手方向の断面図、図9は図8
のB−B線断面図、図10は本実施例におけるカバー式
内視鏡での先端カバー部材に先端構成部を挿入する様子
を示す斜視図、図11,図12は先端カバー部材と先端
構成部を図9の符号Cで示す側面から見た側面図であ
る。この実施例では係止手段を設けた位置の側方に係合
手段を形成したものである。なお、先端カバー部材10
と先端構成部6との係止手段、外皮等は第1実施例と同
様のため、図10,11,12の図面中ではこれらを省
略している。本実施例でも図8及び図9に示すように先
端構成部6と先端カバー部材10にはそれぞれ係止部1
4及び係合部13を設け、係合部13と係止部14の係
合を保持する円筒状部材15も設けている。本実施例で
はこの他に先端構成部6を先端カバー部材10挿入完了
時に係合する部材として、図9,10,11,12に示
すように係止突起32を先端構成部6に設け、この係止
突起32と係合する係合凸部33を先端カバー部材10
の側壁に設けている。
【0044】ここで係止突起32は円柱状をなしており
高さは先端カバー部材10の肉厚以内の大きさであり、
係合凸部33は円柱状の係止突起32の側面に対向する
よう設けてある。係合凸部33は周方向に移動する梁構
造を有しており、係合凸部33の周方向近傍には係止突
起32が係合凸部33を押し上げながら通過する係合溝
34と、通過時に係合凸部33が周方向に移動(或いは
変形)できるようにする溝部35が設けられている。
【0045】この場合、係合溝34が最も狭くなる部分
は係止突起32の径よりも小さく設けている。また係合
凸部33の係止突起32と当接、係合する部分は係合凸
部33を係合突起が押し上げやすいようR面取りを施し
ている。また、係合溝34の深部には係合突起32を収
納する円形の収納孔が設けてある。
【0046】次に作用を説明する。先端構成部6を先端
カバー部材10に挿入していくと、係止部14と係合部
13との係合するのと同時に先端構成部6に設けた係止
突起32が係合凸部33と係合する。その際、係止突起
32がまず、係合凸部33の基端側に当接し先端構成部
6が挿入されるにつれ係止突起32が係合凸部33を押
し上げ(図12参照)、先端構成部6が先端カバー部材
10に挿入が完了したと同時に、係止突起32は係合凸
部33を押し上げるのを止め、梁の復元力により係止突
起32と係合凸部33は係合する(図11参照)、この
時、係合凸部33の梁の部分が弾性復元力により元に戻
るため、その時の力により係合している部分は振動ない
し係合音を発する。
【0047】この係止突起32と係合凸部33との係合
では、係止部14と係合部13とは違って寸法差等の誤
差はそのまま係合している部分のがたつきに直結し、ま
た係合凸部33と係止突起32が係合する部分はR面取
りし、係止突起32は円柱状であるため、係合時に振動
や係合音は発するものの係合している部分はがたつき先
端構成部6と先端カバー部材10を強固に固定すること
はできない。梁の部分を弾性変形部12より強固にする
ことによって係合時の振動及び係合音は大きくなる。
【0048】本実施例は以下の効果を有する。先端構成
部6の先端カバー部材10への挿入が完了したことを係
止突起32と係合凸部33との係合時の振動ないし係合
音により確認できるため、所望の位置での固定を行え
る。
【0049】例えば図11に示す符号a(係合溝34の
溝幅),b(溝部35の溝幅),c(係合溝34の近位
端から収納孔の中心までの長さ),d(収納孔の直
径),e(係止突起32の直径)が、a=1.4mm、b
=1.5mm、c=1.8mm、d=φ1.7mm、e=φ
1.6mmの時には、十分な係合音、振動が得られる。
【0050】また、先端カバー部材10の側壁に係合凸
部33を設け、その側壁の肉厚以内の大きさの係止突起
32を設けたことで、外径が太くならないという効果が
ある。
【0051】(第3実施例)第3実施例において第1,
第2実施例と同じ構成、機能を有するものについては同
符号を符し説明を省略する。図13〜図15は第3実施
例に係り、図13は本実施例の径方向断面を示す断面
図、図14,15はそれぞれ図13のD−D線断面図、
E−E線断面図である。
【0052】先端構成部6と先端カバー部材10にそれ
ぞれ係止部14及び係合部13を設け、円筒状部材15
で係合状態を確実に保持できるような構造にする他に、
係合部13、係止部14、弾性変形部12と同構造の第
2係合部43、第2係止部44、第2弾性変形部42を
円筒状部材15が位置しない部分に設けている。
【0053】例えば、半円柱形状の先端構成部6の底面
状の側面に対して 両側の円弧状側面を凸部をそれぞれ
残して斜めに切り欠いて係止部14及び第2係止部44
を形成している。また、係止部14及び第2係止部44
に対応する位置の先端カバー部材10の外周面及び内周
面を切り欠いて、係合部13を設けた弾性変形部12と
第2係合部43を設けた第2弾性変形部42を形成して
いる。
【0054】図14と図15の比較から分かるように第
2弾性変形部42は弾性変形部12の近位端より近位端
側に延出され、その近位端に第2係合部43が設けられ
ている。これに対応して、係止部14となる凸部より、
近位端側に設けた凸部で第2係止部44が形成されてい
る。
【0055】係合部13及び係止部14の場合と同様に
第2係合部43及び第2係止部44が当接して係合する
部分は傾斜面43a,44aが形成され、また第2係止
部44の遠位端側も傾斜面44bが形成されている。
【0056】次に作用を説明する。本実施例の構成にお
いて、カバー用内視鏡2の挿入部3に挿入部カバー7を
装着するために、内視鏡挿入部3を挿入部カバー7内に
挿入する場合、挿入部カバー7の内視鏡収納部底部まで
挿入していくと挿入完了する直前の段階で先端構成部6
が先端カバー部材10の支持部16近傍まで嵌合する。
【0057】この時、先端構成部6の係止部14、第2
係止部44が係合部13、第2係合部43と当接し、係
止部14及び第2係止部の傾斜面14b,44bが係合
部13、第2係合部43を弾性変形部12、第2弾性変
形部42を弾性変形させながら径方向に押し上げる。
【0058】さらに先端へ挿入が進むと、係合部13が
係止部14を乗り越えて係合部13と係止部14とが傾
斜面13a,14aで当接して係合し、先端カバー部材
10と先端構成部6とが係止される。
【0059】これと同時に第2係合部43が第2係止部
44を乗り越えて第2係合部43と第2係止部44とが
傾斜面43a,44aとが当接して係合する。すなわ
ち、先端構成部6が先端カバー部材10に挿入が完了す
る際には係止部14と係合部13とが係合すると共に、
第2係止部44と第2係合部43とが係合するという2
つの係合により少なくとも2倍の係合音、並びに係合に
よる振動が操作者に伝わる。
【0060】次に操作者が係合による振動及び係合音で
先端構成部6の挿入完了を確認した後、弾性変形部12
の一部もしくは全体に円筒状部材15を外装することで
弾性変形部12は変形を規制され、係合部13が係止部
14に当接または付勢した状態で確実に係合状態が保持
される。
【0061】この実施例によれば、係合部13と係止部
14と同構成でも2ケ所設けることで、係合時の振動、
係合音が大きくなり、操作者は先端構成部6が所望の位
置にきたことを容易に確認でき、先端構成部6が所望の
位置にない誤装着の状態で使用することを防止できる。
【0062】上述の各実施例によれば、先端構成部6の
先端カバー部材10への挿入完了時の係止音並びに係合
時に発する振動により、先端構成部6が所望の位置に位
置したことが判るため、確実な位置で内視鏡カバー4と
カバー用内視鏡2を固定できるため、内視鏡カバー4と
カバー用内視鏡2の誤装着を防止できる。
【0063】また係合手段の寸法を適宜設定してやるこ
とで、先端構成部6がレンズカバー19に当接した位置
もしくは十分近接した位置にきたことを操作者は確認す
ることができる。
【0064】次に内視鏡先端部及び先端カバー部材の部
品寸法のばらつきに関わりなく、簡単で且つ、確実にカ
バー用内視鏡の挿入部を内視鏡カバーに固定できるカバ
ー式内視鏡の各実施例を説明する。まず、その背景を説
明する。上述のように挿入部カバーとカバー用内視鏡の
挿入部とを確実に固定するため、実開平3−10190
5号公報には内視鏡の先端構成部と挿入部カバーの先端
とを貼着して固定するような内視鏡カバーが示されてい
る。
【0065】また、内視鏡カバーの挿入部カバーとカバ
ー用内視鏡の挿入部とを確実に固定するため、実開平3
−101901号公報には内視鏡の先端構成部の外周部
に係止溝を設ける一方、挿入部カバーの先端カバー部材
の内面に凸部を設け、前記溝部と凸部とを係合させて固
定するようにしたカバー用内視鏡が示されている。
【0066】しかしながら、前記実開平3−10190
1号公報で示されたように溝部と凸部とを係合して固定
する内視鏡カバーでは、内視鏡の先端構成部と挿入部カ
バーの先端構成部との部品寸法にばらつきが生じると、
内視鏡先端構成部と先端カバー部材との間にがたが生
じ、このがたによって先端カバー部材に設けたレンズカ
バーと内視鏡先端構成部に設けた光学窓との距離を適正
に保てない。
【0067】この結果、フレア、ゴースト、視野ケラレ
といった光学性能上の問題が発生し、最悪の場合には内
視鏡検査することが困難になるという可能性がある。ま
た、先端カバー部材に形成した凸部の弾性を利用して、
内視鏡先端構成部の溝部に着脱するため、固定力量が小
さいと使用中に外れてしまい、十分な固定強度を得よう
とすると溝部と凸部とで形成される係止部を大きくする
必要があり、係止部を大きくすると着脱性が悪くなる。
【0068】一方、前記実開平3−101905号公報
で示されたように内視鏡の先端構成部と先端カバー部材
とを貼着にて固定する際、内視鏡先端構成部と先端カバ
ー部材が所定位置に達する前に貼着し、その結果、先端
カバー部材に設けたレンズカバーと内視鏡先端構成部に
設けた光学窓との距離が適正にならず、フレア、ゴース
ト、視野ケラレといった光学性能上の問題が発生し、最
悪の場合には内視鏡検査が困難になるという可能性があ
る。
【0069】以下の実施例は上記事情に鑑みてなされた
ものであり、内視鏡先端構成部及び先端カバー部材の部
品寸法のばらつきに関わりなく、簡単で且つ、確実にカ
バー用内視鏡の挿入部を内視鏡カバーの挿入部カバー部
に固定されるカバー式内視鏡を提供することを目的と
し、この目的を達成するために以下の構成にしている。
つまり、カバー用内視鏡と、少なくとも前記内視鏡の挿
入部を被覆する内視鏡カバーを備え、前記内視鏡カバー
は前記挿入部先端に設けた先端構成部を被嵌する先端カ
バー部材を有し、先端構成部に設けた係止部と先端カバ
ー部材に設けた係合部とにより先端構成部と先端カバー
部材を係止するカバー式内視鏡において、先端カバー部
材とは別体で、係合部を係止部側に移動させ係止部に付
勢させる付勢手段を移動自在に設けた構成としている。
【0070】そして、この構成により先端構成部と先端
カバー部材の部品寸法のばらつきに関わりなく、付勢手
段を操作するだけで簡単で且つ確実にカバー用内視鏡の
挿入部を内視鏡カバーの挿入部カバーに固定する作用を
有する。
【0071】以下、係合部を係止部側に移動させて係止
部に付勢させる付勢手段を移動自在に設けたカバー式内
視鏡の具体的な構成を説明する。なお、上述の実施例と
同じ構成要素(部材)には同じ符号を付けて示す。
【0072】図16ないし図20は係合部を係止部側に
移動させ係止部に付勢させる付勢手段を移動自在に設け
たカバー式内視鏡の第1実施例に係り、図16はこのカ
バー式内視鏡の挿入部先端部の詳細構成を示す長手方向
断面図、図17は図16のF−F線断面図、図18,図
20は本実施例中の作用ないしは構成を説明する説明図
で、図19は図18のG−G線断面図である。
【0073】本実施例のカバー式内視鏡1は、図1に示
したものと基本的な構成は同じである。つまり、本実施
例のカバー式内視鏡1は、カバー用内視鏡2と、このカ
バー用内視鏡2の少なくとも挿入部3を覆う内視鏡カバ
ー4との組み合わせから構成されている。
【0074】カバー用内視鏡2は、細長の挿入部3の基
端側に把持部を兼ねた操作部5が連設され、挿入部3の
先端側には先端構成部6が設けられている。一方、内視
鏡カバー4は、前記挿入部3を覆い被せる挿入部カバー
7と、前記操作部5を覆う操作部カバー8とを有してい
る。挿入部カバー7は、軟性のチューブ状の外皮9の先
端側に前記先端構成部6に外装される先端カバー部材1
0が連設され、外皮9の基端側に前記操作部5と係合固
定される口体部11が連設されて構成されている。操作
部カバー8は、薄肉で軟性な、例えば塩化ビニル等の高
分子材料の膜部材で形成されている。これらのカバーは
使用前には全て滅菌されている。
【0075】次に、図16ないし図19を参照して内視
鏡挿入部3及び挿入部カバー7の先端部の詳細構成を説
明する。図16は内視鏡挿入部3に挿入部カバー7を装
着完了した状態、図18,20は挿入部カバー7内部に
内視鏡挿入部3を通していく途中の状態でのそれぞれの
長手方向断面を示し、図17,19は先端部の径方向断
面(それぞれ図16のF−F線断面、図18のG−G線
断面図)を示したものである。
【0076】挿入部カバー7は、円筒状のウレタンや塩
化ビニル等の薄肉チューブからなる外皮9によりカバー
本体が構成されており、外皮9の先端側端部には先端カ
バー部材10が気密的に接合して設けられている。先端
カバー部材10の側周部には、挿入部長手方向の後端側
に延出した弾性変形部12が設けられ、この弾性変形部
12は一端が先端カバー部材10に固定されここを支点
として他端側が挿入部径方向に移動可能になっている。
【0077】弾性変形部12の他端には、内側に突出し
た係合部13が設けられ、一方内視鏡の先端構成部6の
外周側部には外側に突出した係止部14が設けられ、こ
れらの係合部13と係止部14が傾斜面13a,14a
で当接して係合するようになっている。
【0078】前記先端構成部6の係止部14は、周囲の
先端構成部6の外周面を切り欠いて突出部が形成されて
おり、弾性変形部12は外周面が先端カバー部材10よ
りも同心円で径の小さな円弧状に設けられている。
【0079】前記係合部13と係止部14は、両者に部
品公差等の寸法差が生じても当接・係合しやすいよう
に、係合部13と係止部14が当接して係合する面は互
いに傾斜面13a,14aをなしている。
【0080】つまり、係合部13を形成する凸部の遠位
端側は遠位端になるにつれてその突出量が小さくなる傾
斜面13a或いはテーパ面となり、係止部14を形成さ
る凸部の近位端側は近位端になるにつれてその突出量が
小さくなるような傾斜面14a或いはテーパ面が形成さ
れている。また、傾斜面13a及び14aにそれぞれ隣
接する切り欠き部分にそれぞれ係止部14及び係合部1
3を形成する凸部を収納できるようにしている。
【0081】図18に示すように傾斜面13a,14a
の角度θは30°〜45°がよい。また、係止部14の
挿入部遠位端側には遠位端になるにつれて突出量が小さ
くなる傾斜面14bが形成されている。また、弾性変形
部12の近位端側外周面には近位端になるにつれて弾性
変形部12外径が細径となる傾斜面12aが形成されて
いる。また先端カバー部材10の先端側には、内視鏡の
先端構成部6と嵌合し先端を支持する厚肉の支持部16
が形成されている。
【0082】先端構成部6の内部には、先端側から観察
用被写体像を結像する対物光学系(又は観察光学系)1
8(その第1レンズを符号17で示す)、前記被写体像
を電気信号に変換する撮像ユニット28、撮像ユニット
28からの画像信号を画像コントロールユニット(図示
せず)へ伝達する信号ケーブル29が設けられると共
に、観察光学系18と略平行に図示しない照明光学系が
設けられている。先端カバー部材10の先端面には、前
記観察光学系18(の第1レンズ17)及び照明光学系
を覆うようにこれらの光学系と対向してレンズカバー1
9が設けられている。
【0083】本実施例では図17に示すように弾性変形
部12により径方向に移動自在となる係合部13を係止
部14側へ押圧するため、内周の一部に凸部50を有し
た筒状部材45が円周方向に移動自在に先端カバー部材
10及び弾性変形部12外周面に配設されている。な
お、筒状部材45外周面には操作者が操作しやすいよう
外側に向かって突出した指当部47が設けてある。
【0084】さらに、筒状部材45の内側と弾性変形部
12外周面との間及びその近傍には凸部50が弾性変形
部12を押圧(図16及び図17の位置)する状態から
凸部50が弾性変形部12を押圧しない状態(図18及
び図19)にできる空間46が形成されており、弾性変
形部12はこの空間46内で係合が外れるだけ変形自在
で、また凸部50は筒状部材45と共にこの空間46内
を周方向に移動可能に設けられている。
【0085】この凸部50は筒状部材45内面でなめら
かに円錐状に突出した形、又は径方向断面が三角形を成
す形をなしており、該凸部50が弾性変形部12外周面
に位置した際には凸部50が弾性変形部12が中心方向
へ付勢させるよう構成されている。なお、筒状部材45
は弾性変形可能な薄いパイプ状の金属例えばステンレス
スチール(SUS)パイプ等がよい。
【0086】この場合、凸部50の径方向の大きさを
f、空間46の弾性変形部12と筒状部材45からなる
係合の径方向の厚みをg、筒状部材45と先端カバー部
材10との径のクリアランスをhとすると、f>g+h
であればよい。例えば係合部13と係止部14の径方向
の突出量が0.4mmで、係合代が径方向で0.3〜0.
35mmの場合において、クリアランスhが0.05mm、
厚みgが0.4mmの場合大きさfは0.5〜0.6mmが
適当である。
【0087】また指当部47の突出量は、外皮9ごし、
また、操作者が手袋をしていたり、内視鏡カバー2に滅
菌状態を保つためのオーバーチューブが被覆した状態で
操作することを考えると0.5〜0.6mmがよい。ま
た、挿入部カバー7には図16に示すように鉗子挿通の
鉗子チャンネル24が形成され、この鉗子チャンネル2
4に隣接して図17に示すように送気及び送水管路をそ
れぞれ形成する送気及び送水チューブ25、26が設け
てある。
【0088】次に作用を説明する。本実施例の構成にお
いてカバー用内視鏡2の挿入部3に挿入部カバー7を装
着するために、内視鏡挿入部3を挿入部カバー7中に挿
入する場合、挿入部カバー7の内視鏡収納部底部まで挿
入していくと挿入完了する直前の段階で先端構成部6が
先端カバー部材10の半ばまで嵌合する。この時、先端
構成部6の係止部14が係合部13と当接し、係止部1
4の傾斜面14bが係合部13を弾性変形部12を弾性
変形させながら径方向に押し上げる(図20参照)。
【0089】さらに先端へ挿入が進むと図18のように
係合部13が係止部14を乗り越えて係合部13と係止
部14とが傾斜面13a,14aが当接して係合する。
この場合、係合部13と係止部14は係合しているもの
の係合部13と係止部14に寸法誤差があればがたつき
が生じ、また、係合部13と係止部14の係合している
部分は傾斜面13a,14aであるため、強固には係合
はしていない。
【0090】そこで次に、筒状部材45の指当部47に
より筒状部材45を周方向に回転させ凸部50が弾性変
形部12上にくるよう操作する。この時、筒状部材45
を回転させていくと凸部50の斜面が、弾性変形部12
を中心方向へ徐々に押圧し、係合部13を係止部14へ
押圧した状態で当接させる。
【0091】凸部50で弾性変形部12の係合部13の
外側から内側に押圧する付勢状態に設定すると、図17
のように係合部13は係止部14と強固に係合し、係合
部13と係止部14はがたつきがなく、先端構成部6と
レンズカバー19が十分近接または密着した状態で係合
する状態が保持される。この時、弾性変形部12の復元
力により凸部50は外側へ押圧されるが、筒状部材45
が外装しているため係合が外れることはない。
【0092】また筒状部材45はステンレス製等で、弾
性変形するため図17のように凸部50が弾性変形部1
2を押圧する際、筒状部材45が弾性変形していれば弾
性力により係合部13が係止部14に付勢した状態でよ
り強固に固定される。また係合部13と係止部14が係
合している部分は傾斜面13a,14aをなしているた
め、係合部13からの付勢力は、係止部14の軸方向先
端側への付勢力として作用し、先端構成部6を先端側に
付勢した、つまりレンズカバー19内面側に付勢・当接
した状態で固定することとなる。
【0093】挿入部カバー7を取り外す際は、筒状部材
45を回転させ凸部50が弾性変形部12の変形域から
移動させることで、弾性変形部12は径方向に移動可能
となり、係合部13は係止部14への付勢は解除され
る。そして先端構成部6を先端カバー部材10から引き
抜くことで係止部14が係合部13を押し上げ、係合は
外れ、カバーの取り外しが可能となる。
【0094】この実施例は以下の効果を有する。筒状部
材45を回転させるだけで凸部50が弾性変形部12を
押圧し、係合部13と係止部14の係合が強固となり、
また先端構成部6がレンズカバー19内面に十分接近し
た近傍位置(例えばクリアランスが0.1mm以下)また
は当接・付勢した状態で固定されているためがたつきの
ない固定状態を保持でき、ゴースト、フレアといった光
学的不具合を防止することができる。
【0095】また、筒状部材45外周に指当部47を設
けたことにより、簡単に筒状部材45を操作することが
でき作業性が向上する。なお、本実施例において筒状部
材45を回転移動させず筒状部材45を長手方向に移動
させて凸部50が弾性変形部12を押圧するようにして
もよい。
【0096】次に係合部を係止部側に移動させて係止部
に付勢させる付勢手段を移動自在に設けたカバー式内視
鏡の第2実施例を説明する。図21〜図24は第2実施
例に係り、図21,23はカバー式内視鏡先端の長手方
向断面の構成に示す構成図、図22,図24は図21の
H−H断面と、図23のI−I断面を示す断面図であ
り、前記第1実施例と同じ構成、機能をするものについ
ては同符号を符し、説明を省略する。
【0097】図21,22に示すように筒状部材45と
弾性変形部12外周との間及びその近傍に設けた空間4
6に弾性変形部12を、中心方向へ押圧する凸部50を
有する押圧部材48が周方向に移動自在に設けられてい
る。また押圧部材48には操作しやすいよう指当部47
が外表面に突出した形で設けてあり、押圧部材48の周
方向の移動にともない指当部47が軌跡を描く部分につ
いては筒状部材45に周方向に切欠部49が設けてあり
切欠部49以外の筒状部材45の肉部により押圧部材4
8を支持している。
【0098】また、係合部13と係止部14は凸部50
が係合部13を押圧するまではほとんど係合していない
構成とする。ここで係合部13と係止部14の径方向に
0.3〜0.35mmの係合代で係合する場合、先端カバ
ー部材10と筒状部材45のクリアランスが径で0.1
〜0.2mmで弾性変形部12の外周と筒状部材45の内
面との空間のクリアランスが径方向で0.4mmの場合、
押圧部材48の肉厚kが0.4mm、凸部50の大きさm
は0.3〜0.6mm程度であればよい。
【0099】次に作用を説明する。挿入部3を挿入部カ
バー7に挿入していくと、挿入部3先端の先端構成部6
が先端カバー部材10に嵌合し、レンズカバー19内面
側に先端構成部6が当接する。そこで押圧部材48に設
けた指当部47を周方向に移動させたことで凸部50の
斜面が徐々に弾性変形部12を中心方向へ押圧し、凸部
50が図22のように弾性変形部12の外表面に位置し
たところで弾性変形部12は中心方向へ変形し係合部1
3は係止部14側に押圧した状態で係止部14と係合す
る。
【0100】そして係合部13と係止部14は強固に係
合するようになる。凸部50の径方向の大きさを弾性変
形部12の径方向の移動量よりもやや大きく押圧部材4
8は筒状部材45を弾性変形させた状態で保持している
場合、その筒状部材45の弾性力が押圧部材48すなわ
ち凸部50を中心方向に押圧するため、より強固に係合
部13と係止部14は係合される。
【0101】また、この時、係合部13と係止部14が
係合している部分は傾斜面13a,14aをなしている
ため、係合部13からの付勢力の一部は、係止部14を
先端側に押しやる付勢力となり、先端構成部6を先端側
に押圧、つまり先端構成部6がレンズカバー19内面側
に付勢され、レンズカバー19内面に当接した状態で固
定される。
【0102】この実施例は以下の効果を有する。押圧部
材48を回転させるだけで凸部50が弾性変形部12を
押圧し係合部13と係止部14の係合が強固となり、ま
た先端構成部6がレンズカバー19内面に十分近接(例
えばクリアランスが0.1mm以下)または当接、付勢し
た状態で固定されているため確実な固定状態を保持でき
ゴースト、フレアといった光学的不具合を防止すること
ができる。
【0103】また、移動する押圧部材48外周にこの押
圧部材48を保持する筒状部材45を設けたことにより
押圧部材48と外皮9との接地面積は少なく、略なくす
ことができ弾性体からなる外皮9の弾性力による押し戻
し等の抵抗を回避できるため、操作がしやすく、作業性
は大幅に低減できる。
【0104】なお、本実施例においては押圧部材48を
周方向に移動可能にしているが、この代わりに軸方向に
移動可能として凸部50が弾性変形部12を押圧するよ
うにしてもよい。次に係合部を係止部側に移動させて係
止部に付勢させる付勢手段を移動自在に設けたカバー式
内視鏡の第3実施例を説明する。
【0105】図25〜図27は本発明の第3実施例に係
り、図25はカバー式内視鏡先端の長手方向断面の構成
を示す構成図、図26は図25のJ−J線断面を示す断
面図、図27は本実施例中の作用を説明する径方向断面
図である。
【0106】図26のように先端カバー部材10の外面
円内側と弾性変形部12外面との間及びその近傍に設け
た空間46に弾性変形部12を押圧する凸部50を有す
る円弧状部材51が外表面の外皮9と接する形で周方向
に移動自在に設けている。円弧状部材51と凸部50を
合わせた肉厚は空間46の弾性変形部12外表面での径
方向量よりも大きく設定している。
【0107】次に作用を説明する。図25のJ−J線断
面が図27の場合に先端構成部6を先端カバー部材10
に挿入していくと係止部14が係合部13を押し上げ、
係合部13と係止部14が係合する。その時、円弧状部
材51を周方向(図27では反時計回り方向)に回転
し、凸部50を弾性変形部12外周に位置させると、図
26の状態に設定できる。
【0108】つまり、弾性変形部12外周に設けた空間
46の径方向の差よりも大きな円弧状部材51の凸部5
0を位置させることにより、外皮9は外側へ弾性変形す
るので、その際の弾性変形力により円弧状部材51の凸
部50は弾性変形部12を中心方向に押圧し、弾性変形
部12は弾性変形した状態で係合部13と係止部14の
係合はよりがたつきのない係合状態となる。
【0109】この実施例は以下の効果を有する。円弧状
部材51を回転させるだけで凸部50が弾性変形部12
を中心方向へ押圧するため、係合部13と係止部14の
係合はより確実となるため先端構成部6はレンズカバー
19内面に十分近接または当接あるいは付勢した状態で
固定されるため確実な固定状態を保持でき、ゴースト、
フレアといった光学的不具合を防止することができる。
また本実施例において円弧状部材51を周方向に移動可
能にする代わりに、軸方向に移動可能とし凸部50が弾
性変形部12を押圧するようにしてもよい。
【0110】係合部を係止部側に移動させて係止部に付
勢させる付勢手段を移動自在に設けたカバー式内視鏡の
第1ないし第3実施例によれば、付勢手段を移動させる
だけで係合部、係止部の係合を強固にし、がたつきのな
い先端での固定が実現できるため、検査中に先端構成部
と先端カバーがずれ、フレア、ゴースト等の光学的不具
合が発生するようなことはないため、検査を中断するこ
となく安全な検査が実施できる。また付勢手段の操作も
簡単にとり行うことができる。
【0111】次に先端カバー部材内の先端構成部が嵌合
される空間に係止部と係合部が係合するよう先端構成部
を係合部に押圧する押圧手段を設けたカバー式内視鏡を
説明する。まず、背景を説明する。上述のように挿入部
カバーとカバー用内視鏡の挿入部とを確実に固定するた
め、実開平3−101905号公報には内視鏡の先端構
成部と挿入部カバーの先端とを貼着して固定するような
内視鏡カバーが示されている。
【0112】また、内視鏡カバーの挿入部カバーとカバ
ー用内視鏡の挿入部とを確実に固定するため、実開平3
−101901号公報には内視鏡の先端構成部の外周部
に係止溝を設ける一方、挿入部カバーの先端カバー部材
の内面に凸部を設け、前記溝部と凸部とを係合させて固
定するようにした内視鏡カバーが示されている。
【0113】しかしながら、前記実開平3−10190
1号公報で示されたように溝部と凸部とを係合して固定
する内視鏡カバーでは、内視鏡の先端構成部と挿入部カ
バーの先端構成部との部品寸法にばらつきが生じると、
内視鏡先端構成部と先端カバー部材との間にがたが生
じ、このがたによって先端カバー部材に設けたレンズカ
バーと内視鏡先端構成部に設けた光学窓との距離を適正
に保てない。
【0114】この結果、フレア、ゴースト、視野ケラレ
といった光学性能上の問題が発生し、最悪の場合には内
視鏡検査ができなくなるという問題点があった。また、
先端カバー部材に形成した凸部の弾性を利用して、内視
鏡先端構成部の溝部に着脱するため、固定力量が小さい
と使用中に外れてしまい、十分な固定強度を得ようとす
ると溝部と凸部とで形成される係止部を大きくする必要
があり、係止部を大きくすると着脱性が悪くなるという
問題があった。
【0115】一方、前記実開平3−101905号公報
で示されたように内視鏡の先端構成部と先端カバー部材
とを貼着にて固定する際、内視鏡先端構成部と先端カバ
ー部材とが所定位置に達する前に貼着し、その結果、先
端カバー部材に設けたレンズカバーと内視鏡先端構成部
に設けた光学窓との距離が適正にならず、フレア、ゴー
スト、視野ケラレといった光学性能上の問題が発生し、
最悪の場合には内視鏡検査が困難になるという問題点が
あった。
【0116】以下の実施例は上記事情に鑑みてなされた
ものであり、内視鏡先端構成部及び先端カバー部材の部
品寸法のばらつきに関わりなく、簡単で且つ、確実にカ
バー用内視鏡の挿入部を内視鏡カバーの挿入部カバー部
に固定されるカバー式内視鏡を提供することを目的と
し、この目的を達成するためにカバー用内視鏡と、少な
くとも前記内視鏡の挿入部を被覆する内視鏡カバーを備
え、前記内視鏡カバーは前記挿入部先端に設けた先端構
成部を被嵌する先端カバー部材を有するカバー式内視鏡
において、先端カバー部材に係合部を先端構成部には係
止部を設け、先端カバー部材内の先端構成部が嵌合され
る空間には係止部と係合部が係合するよう先端構成部を
係合部に押圧する押圧手段を設けたことを構成とし、押
圧手段が先端構成部を係合部に押圧することで先端構成
部と先端カバー部材が確実に固定できるという作用があ
るようにしている。
【0117】以下、先端カバー部材内の先端構成部が嵌
合される空間に係止部と係合部が係合するよう先端構成
部を係合部に押圧する押圧手段を設けたカバー式内視鏡
の実施例を具体的に説明する。
【0118】図28ないし図32は押圧手段を設けたカ
バー式内視鏡の第1実施例に係り、図28はカバー式内
視鏡の挿入部先端部の詳細構成を示す長手方向断面図、
図29は図28のK−K線断面図、図30,図31,図
32は本実施例中の作用を説明する説明図であり、図3
1は、図28のL−L線に相当する部分、図32は図2
8のK−K線部分に相当する部分である。
【0119】本実施例のカバー式内視鏡1は、図1に示
すものと基本的に同じである。つまり、本実施例のカバ
ー式内視鏡1はカバー用内視鏡2と、このカバー用内視
鏡2の少なくとも挿入部3を覆う内視鏡カバー4との組
み合わせから構成されている。
【0120】カバー用内視鏡2は、細長の挿入部3の基
端側に把持部を兼ねた操作部5が連設され、挿入部3の
先端側には先端構成部6が設けられている。一方、内視
鏡カバー4は、前記挿入部3を覆い被せる挿入部カバー
7と、前記操作部5を覆う操作部カバー8とを有してい
る。挿入部カバー7は、軟性のチューブ状の外皮9の先
端側に前記先端構成部6に外装される先端カバー部材1
0が連設され、外皮9の基端側に前記操作部5と係合固
定される口体部11が連設されて構成されている。操作
部カバー8は、薄肉で軟性な、例えば塩化ビニル等の高
分子材料の膜部材で形成されている。これらのカバーは
使用前には全て滅菌されている。
【0121】次に、図28ないし図31を参照して内視
鏡挿入部3及び挿入部カバー7の先端部の詳細構成を説
明する。図28は内視鏡挿入部3に挿入部カバー7を装
着完了した状態、図29は先端部の径方向断面(図28
のK−K線断面)を示し、図30は挿入部カバー7内部
に内視鏡挿入部3を挿入していく途中の状態でのそれぞ
れの長手方向断面を示し、図31及び図32は挿入部カ
バー7に挿入部3を挿入していく途中の状態での図28
のL−L線及びK−K線の断面で示したものである。
【0122】挿入部カバー7は、円筒状のウレタンや塩
化ビニル等の薄肉チューブからなる外皮9によりカバー
本体が構成されており、外皮9の先端側端部には先端カ
バー部材10が気密的に接合して設けられている。次に
図28,図29を参照して内視鏡挿入部3及び挿入部カ
バー7の先端部の詳細構成を説明する。
【0123】挿入部カバー7は円筒状のウレタンや塩化
ビニル等の薄肉チューブからなる外皮9によりカバー本
体が構成されており、外皮9の先端側端部には先端カバ
ー部材10が気密的に接合して設けられている。先端カ
バー部材10内部には先端構成部6を先端カバー部材1
0に収納する空間として収納部52が設けてある。
【0124】前記収納部52は先端構成部6と嵌合する
嵌合空間54に加え、先端構成部6を挿入部3中心軸に
対して周方向に角度αだけ回転できるような回動空間5
5を設け、嵌合空間54と回動空間55を合わせて径方
向断面が扇型となるように形成されている。
【0125】前記収納部52内部には薄肉の板ばね53
が一部(図29では左側部分)を嵌合空間54の中心軸
側側壁に接着または溶着等の手段で固着されており、ま
た板ばね53の非固着部分は回動空間55において角度
αだけ変形自在となるよう配設されている。
【0126】また、前記収納部52の嵌合空間54の円
弧面内面の回動空間55とは挿入部3中心軸に対して対
称となる部分には先端構成部6に設けた凸部56と係合
するよう凹部57が設けてある。前記凸部56と凹部5
7の軸方向両端は斜面をなしており、凸部56と凹部5
7は凸部56の方が大きな相似形をしている。
【0127】また、凹部57は角度αだけ中心軸側側壁
から離れるにしたがい徐々に凹部57の凹量が0になる
よう構成されている。凹部57は先端カバー部材10の
肉厚を一部増すことで設けられており凹部57の最深部
での径方向断面では嵌合空間54の内周面は先端構成部
6の外周面と同心円との半円形として構成されている。
前記先端構成部6に設けた凸部56は外周が円弧面状を
なしている先端構成部6の外周面を切り欠いて設けてあ
る。
【0128】先端構成部6の内部には、先端側から観察
用被写体像を結像する対物光学系(又は観察光学系)1
8(その第1レンズを符号17で示す)と、この観察光
学系18の結像位置に配置されて観察視野像を電気信号
に変換する回体撮像素子20及び撮像回路部21とが設
けられている。この撮像回路部21の基端側からは画像
信号を図示しない画像コントロールユニットへ伝達する
信号ケーブル29が延出している。
【0129】また、観察光学系18と略平行に手元側の
光源装置(不図示)から先端側へ照明光で供給するライ
トガイド22a及び照明レンズ22bが設けてある。先
端カバー部材10の先端面には対物レンズ17及び照明
レンズ22bを覆うように、これらの光学系と対向して
レンズカバー19が設けられている。また、図29に示
すように鉗子挿通の鉗子チャンネル24が形成され、こ
の鉗子チャンネル24に隣接して送気及び送水管路をそ
れぞれ形成する送気及び送水チューブ25、26が設け
てある。
【0130】次に作用を説明する。本実施例の構成にお
いてカバー用内視鏡2の挿入部3に挿入部カバー7を装
着するために内視鏡挿入部3を挿入部カバー7内に挿入
していくと挿入完了する直前の段階で先端構成部6が先
端カバー部材10の収納部52半ばまで収納される。こ
の時、図30のように、先端構成部6の外周面に設けた
凸部56が先端カバー部材10の基端側の凹部57を設
けるために肉厚を増した段差部に当接しているためこれ
以上は先端構成部6は収納部5に挿入できない。
【0131】そこで先端構成部6を挿入部3中心軸に対
し角度αだけ板ばね53を変形させながら回転させると
凸部56は嵌合空間54に挿入できる。この状態での径
方向の断面は図31及び図32に示すようになる。
【0132】つまり、先端構成部6を挿入部3中心軸に
対し角度αだけ傾けることにより、凸部56を嵌合空間
54内に挿入できる。そのまま収納部52に挿入してい
くと角度αを保ったまま先端構成部6は先端カバー部材
10内面に突き当たる。そこで先端構成部6の回転を止
めることで先端構成部6は板ばね53の弾性復元力によ
り、角度α分元に戻ろうとする。
【0133】この時、図32のように先端構成部6に設
けた凸部56が角度α分回転しながら徐々に凹部57に
係合していく。そして、角度α分先端構成部6が元に戻
った時図28,図29のように凸部56と凹部57が係
合し、先端カバー部材10と先端構成部6の固定が完了
する。この時、凹部57は徐々に凹量が大きくなり、且
つ、凸部56と相似形であるため、凸部56が凹部57
に係合していくほど、強固な係合している部分が密着し
た状態の係合となる。
【0134】挿入部カバー7を取り外す際は、再び先端
構成部6を回動空間55に向かって板ばね53を変形さ
せながら回転させることで凸部56と凹部57の係合は
外れ、そのまま角度α回転した状態を保持したまま、先
端カバー部材10の収納部52から先端構成部6を抜去
してやることで挿入部3から挿入部カバー7を取り外す
ことができる。
【0135】本実施例は以下の効果を有する。先端カバ
ー部材10と先端構成部6を装着する際、単に先端構成
部6をねじる動作だけで先端構成部6と先端カバー部材
10が固定できるため、簡単に操作できるという効果が
あり、なお且つ、凸部56と凹部57が確実に密着した
状態で係合するため、所望の位置でがたつきなく固定す
ることができ、なお且つ、凸部56、凹部57の位置を
適宜設定してやることによりレンズカバー19と対物光
学系18の(第1レンズ17)とが十分近接あるいは密
着状態となるようクリアランスが所定値(例えば0.1
mm以下)に保持されるので観察に支障のあるフレアやゴ
ーストの発生を防止することができる。
【0136】また、板ばね53及び回動空間55、凹部
57を先端カバー部材10内面に、また、凸部56は先
端構成部6を切り欠いて設けるため、特に先端構成部6
と先端カバー部材10の固定手段を先端構成部6及び先
端カバー部材10外部に設けていないので、カバー式内
視鏡1の先端を太径化せずに済み、省スペース化がはか
れるという効果もある。
【0137】次に先端カバー部材内の先端構成部が嵌合
される空間に係止部と係合部が係合するよう先端構成部
を係合部に押圧する押圧手段を設けたカバー式内視鏡の
第2実施例を説明する。
【0138】図33〜34は本発明の第2実施例に係
り、図33はカバー式内視鏡先端部の長手方向の詳細構
成を示した断面図であり、図34は本実施例中の作用を
説明する説明図である。
【0139】なお、本実施例において前記第1実施例と
同じ構成、機能を示すものについては同符号を付し、説
明を省略するものとする。先端カバー部材10内部に
は、先端構成部6を先端カバー部材10に収納する空間
として収納部52が設けてある。
【0140】前記収納部52は先端構成部6と嵌合する
嵌合空間54と、先端構成部6を挿入部3の中心軸に対
して、径方向に角度αだけ回転できる、より具体的には
中心軸を前後で角度αだけ傾けることができるような回
動空間55とを合わせて構成されている。
【0141】前記収納部52内部には薄肉の板ばね53
がその遠位端側の一部を嵌合空間54の中心軸側側壁に
接着または溶着等の手段で固着されており、また、板ば
ね53の先端カバー部材10との非固着部分となる近位
端側は回動空間55において先端カバー部材10の径方
向に角度αだけ変形自在となるように配設されている。
【0142】また、前記収納部52の嵌合空間54の内
周面には先端構成部6に設けた凸部56と係合する凸部
58が設けてあり、凸部56と凸部58が係合する部分
は斜面をなしている。
【0143】次に本実施例の作用を説明する。本実施例
の構成において、カバー用内視鏡での挿入部3に挿入部
カバー7を装着するために、挿入部3を挿入部カバー7
中に挿入していくと、挿入完了する直前の段階で先端構
成部6が先端カバー部材10の収納部52半ばまで収納
される。
【0144】この時、先端構成部6に設けた凸部56が
先端カバー部材10内周面に設けた凸部58と当接す
る。そこで、図34のように先端構成部6を板ばね53
に向けて押圧し、板ばね53の近位端側を変形させなが
ら径方向に移動させると凸部56は凸部58とは当接し
ない位置まで移動する。
【0145】そして、そのまま挿入していき先端構成部
6の先端がレンズカバー19内面に当接したところで、
板ばね53への先端構成部6の押圧を止めると、先端構
成部6は板ばね53の弾性復元力により押圧していた方
向とは逆の方向に押し戻され、凸部56と凸部58は係
合する。
【0146】また係合している面は斜面となっているた
め、係合しやすく、また板ばね53の径方向への弾性復
元力は凸部56,58の斜面により先端方向への付勢力
に変換される。そのため、先端構成部6は凸部56,5
8の位置を適宜設定してやることで先端カバー部材10
のレンズカバー19に当接、もしくは十分近接した状態
で凸部56と凸部58は係合される。
【0147】挿入部カバー7を取り外す際は、再び先端
構成部6を回動空間55に向かって板ばね53を変形さ
せながら径方向に角度αだけ回転させてやることで凸部
56と58の係合は外れ、そのまま角度α回転した状態
で先端カバー部材10の収納部52から先端構成部6を
抜去してやることで挿入部3から挿入部カバー7を取り
外すことができる。
【0148】この実施例は以下の効果を有する。先端構
成部6に先端カバー部材10を装着する際、単に先端構
成部6を径方向にわずかな角度αだけねじる動作だけで
先端構成部6と先端カバー部材10が固定できるため、
簡単に操作できる。
【0149】また、凸部56と凸部58が板ばね53の
弾性復元力により当接または凸部56か凸部58を押圧
した状態で係合しているため、がたつきを抑えた固定が
できる。なお且つ、凸部56,58の位置を適宜設定し
てやることにより、レンズカバー19と対物レンズ17
とが十分近接あるいは密着状態となるようクリアランス
が所定値(例えば0.1mm以下)に保持されるので観察
に支障のあるフレア、ゴーストの発生を防止することが
できる。
【0150】また、板ばね53及び回動空間55を先端
カバー部材10内面に設け、特に新たに固定手段を先端
構成部6及び先端カバー部材10外部に設けていないの
で、カバー式内視鏡先端を太径化せずに済み、省スペー
ス化がはかれるという効果がある。
【0151】上記第1及び第2実施例によれば、先端構
成部6をねじる操作だけで先端構成部6と先端カバー部
材10の固定解除ができるため簡単に挿入部カバー7を
挿入部3に装着、抜去でき、また、押圧手段により係止
部と係合部が確実に係合するためがたつきのない固定が
実現でき、検査中に光学的な不具合(ゴースト、フレア
等)が発生しないため検査を中断することなく安全な検
査をとり行うことができる効果を有する。
【0152】次にてこ状部材を設けたカバー式内視鏡の
1実施例を説明する。まず、その背景を説明する。上述
のように挿入部カバーとカバー用内視鏡の挿入部とを確
実に固定するため、実開平3−101905号公報には
内視鏡の先端構成部と挿入部カバーの先端とを貼着して
固定するような内視鏡カバーが示されている。
【0153】また、内視鏡カバーの挿入部カバーとカバ
ー用内視鏡の挿入部とを確実に固定するため、実開平3
−101901号公報には内視鏡の先端構成部の外周部
に係止溝を設ける一方、挿入部カバーの先端カバー部材
の内面に凸部を設け、前記溝部と凸部とを係合させて固
定するようにした内視鏡カバーが示されている。
【0154】しかしながら、前記実開平3−10190
1号公報で示されたように溝部と凸部とを係合して固定
する内視鏡カバーでは、内視鏡の先端構成部と挿入部カ
バーの先端構成部との部品寸法にばらつきが生じると、
内視鏡先端構成部と先端カバー部材との間にがたが生
じ、このがたによって先端カバー部材に設けたレンズカ
バーと内視鏡先端構成部に設けた光学窓との距離を適正
に保てない。
【0155】この結果、フレア、ゴースト、視野ケラレ
といった光学性能上の問題が発生し、最悪の場合には内
視鏡検査ができなくなるという問題点があった。また、
先端カバー部材に形成した凸部の弾性を利用して、内視
鏡先端構成部の溝部に着脱するため、固定力量が小さい
と使用中に外れてしまい、十分な固定強度を得ようとす
ると溝部と凸部とで形成される係止部を大きくする必要
があり、係止部を大きくすると着脱性が悪くなるという
問題があった。
【0156】一方、前記実開平3−101905号公報
で示されたように内視鏡の先端構成部と先端カバー部材
とを貼着にて固定する際、内視鏡先端構成部と先端カバ
ー部材とが所定位置に達する前に貼着し、その結果、先
端カバー部材に設けたレンズカバーと内視鏡先端構成部
に設けた光学窓との距離が適正にならず、フレア、ゴー
スト、視野ケラレといった光学性能上の問題が発生し、
最悪の場合には内視鏡検査ができなくなるという問題点
があった。
【0157】以下の実施例は上記事情に鑑みてなされた
ものであり、内視鏡先端構成部及び先端カバー部材の部
品寸法のばらつきに関わりなく、簡単で且つ、確実にカ
バー用内視鏡の挿入部を内視鏡カバーの挿入部カバー部
に固定されるカバー式内視鏡を提供することを目的と
し、この目的を達成するためにカバー用内視鏡と、少な
くとも前記内視鏡の挿入部を被覆する内視鏡カバーを備
え、前記内視鏡カバーは前記挿入部先端に設けた先端構
成部を被嵌する先端カバー部材を有するカバー式内視鏡
において、先端カバー部材内の先端構成部が嵌合される
空間に先端構成部と当接する当接部と先端構成部を係止
する係止部とを作用、反作用点に持つ、てこ状部材を設
けた構成とすることによって、先端構成部と先端カバー
部材の部品寸法のばらつきに関わりなく、先端構成部を
先端カバー部材内に挿入するだけで簡単に先端構成部が
先端カバー部材先端内面に密接もしくは十分近接した状
態で、挿入部を挿入部カバーに固定する作用があるよう
にしている。
【0158】以下の実施例で具体的に説明する。図35
及び図36は、てこ状部材を有するカバー式内視鏡の1
実施例に係り、図35はカバー式内視鏡の挿入部先端部
の詳細構成を示す長手方向断面図、図36は本実施例中
の作用を説明する説明図である。本実施例のカバー式内
視鏡1は、図1に示すようにカバー用内視鏡2と、この
カバー用内視鏡2の少なくとも挿入部3を覆う内視鏡カ
バー4との組み合わせから構成されている。
【0159】カバー用内視鏡2は、細長の挿入部3の基
端側に把持部を兼ねた操作部5が連設され、挿入部3の
先端側には先端構成部6が設けられている。一方、内視
鏡カバー4は、前記挿入部3を覆い被せる挿入部カバー
7と、前記操作部5を覆う操作部カバー8とを有してい
る。
【0160】挿入部カバー7は、軟性のチューブ状の外
皮9の先端側に前記先端構成部6に外挿される先端カバ
ー部材10が連設され、外皮9の基端側に前記操作部5
と係合固定される口体部11が連設されて構成されてい
る。操作部カバー8は、薄肉で軟性な、例えば塩化ビニ
ル等の高分子材料の膜部材で形成されている。これらの
カバーは使用前には全て滅菌されている。
【0161】次に、図を参照して内視鏡挿入部3及び挿
入部カバー7の先端部の詳細構成を説明する。図35は
内視鏡挿入部3に挿入部カバー7を装着完了した状態、
図36は挿入部カバー7内部に内視鏡挿入部3を挿入し
ていく途中の状態でのそれぞれの長手方向断面を示し、
挿入部カバー7は、円筒状のウレタンや塩化ビニル等の
薄肉チューブからなる外皮9によりカバー本体が構成さ
れており、外皮9の先端側端部には先端カバー部材10
が気密的に接合して設けられている。次に図35,図3
6を参照して内視鏡挿入部3及び挿入部カバー7の先端
部の詳細構成を説明する。
【0162】挿入部カバー7は円筒状のウレタンや塩化
ビニル等の薄肉チューブからなる外皮9によりカバー本
体が構成されており、外皮9の先端側端部には先端カバ
ー部材10が気密的に接合して設けられている。先端カ
バー部材10内部には先端構成部6を先端カバー部材1
0に収納する空間として収納部52が設けてある。
【0163】前記収納部52には、挿入部軸方向先端側
に当接部60、基端側に係止部61を備えた、てこ状部
材59が収納部52に設けた略円筒形の溝部64に、て
こ状部材59の略円筒状の支点62が嵌合する形で、て
こ状部材59の当接部60、係止部61が支点62を起
点として径方向に移動自在(換言すると挿入部の軸方向
に傾動自在)に設けてある。
【0164】当接部60は先端構成部6の先端に当接す
るよう凸状に設けてあり、また、先端構成部6の挿入に
したがって徐々に係止部61を支点62を起点として持
ち上げるよう先端にいくほどてこ状部材59の肉厚が厚
くなるような斜面を形成している。
【0165】また、係止部61はてこ状部材59の支点
60から当接部61方向に向かう部分から角度θ1 をな
して形成されており、また、係止部61と係合するよう
先端カバー部材10には斜面部63が設けられている。
この斜面部63は挿入部軸方向基端側に向かって切り欠
いた形で軸方向に対し角度θ2 の斜面を形成している。
この時、角度θ1 とθ2 の関係はθ1 ≧θ2 となってい
る。
【0166】先端構成部6には先端カバー部材10内の
収納部52に挿入時に、てこ状部材59の当接部60以
外に当接しないよう先端構成部6の先端面の当接部60
と対向する部分から斜面部63に到るまでの部分は切り
欠いた構造とする。また、てこ状部材59は当接部60
から支点62までの長さより支点62から係止部61ま
での長さの方が短く設けてある。
【0167】なお、先端構成部6の内部には、先端側か
ら観察用被写体像を結像する対物光学系(又は及び観察
光学系)とこの観察光学系の結像位置に配置されて観察
視野像を電気信号に変換する固体撮像素子及び撮像回路
部とが設けられている。この撮像回路部の基端部からは
画像信号を図示しない画像コントロールユニットへ伝達
する信号ケーブルが延出している。また、観察光学系と
略平行に手元側の光源装置(不図示)から先端側へ照明
光を供給するライトガイド(不図示)及び照明レンズ
(不図示)が設けてある。先端カバー部材10の先端面
には観察光学系及び照明レンズ(不図示)を覆うよう
に、これらの光学系と対向してレンズカバー19が設け
られている。
【0168】次に作用を説明する。本実施例の構成にお
いてカバー用内視鏡2の挿入部3に挿入部カバー7を装
着するために、挿入部3を挿入部カバー7内に挿入する
場合、先端構成部6が先端カバー部材10の収納部52
の底部(最深部)まで挿入していくと、先端構成部6の
先端が当接部60に当接する。
【0169】図36のように、そのまま先端構成部6を
挿入していくと、先端構成部6の先端は当接部60を押
圧し、徐々にてこの原理で支点62を起点として当接部
60が作用点となり係止部61が持ち上がってくる。そ
して先端構成部6が先端まで突き当たったところで係止
部61は斜面部63と係合するようになる。この時、係
止部61の角度θ1 は斜面部63の角度θ2 より同じ
か、もしくは大きいため係止部61と斜面部63は密着
または係止部61が斜面部63に付勢した状態で係合し
ている(図35参照)。そのため先端構成部6はレンズ
カバー19に当接しくは十分近接した状態でがたつきな
く固定することができる。
【0170】また、先端構成部6を先端カバー部材10
から抜去する際は先端構成部6を引き抜くと斜面部63
が係止部61を押圧するため、てこの原理で先程とは逆
に係止部61が作用点となり当接部60を持ち上げる。
この時、係止部61から支点62までの距離が当接部6
0から支点62までの距離より短いため、装着時よりも
大きな力で引き抜くことで先端構成部6を先端カバー部
材10から抜去できる(図36参照)。
【0171】この実施例によれば以下の効果がある。て
こ状部材59のてこの原理により先端構成部6を先端カ
バー部材10に挿入時には軽い力で楽に挿入でき、ま
た、抜去時には重い力でないと抜去できないため検査中
に先端構成部6と先端カバー部材10が外れてしまうよ
うなことはない。また、てこ状部材59の寸法を適宜設
定してやることで必要に応じた装着、抜去時の力量を選
択することができる。
【0172】また、係止部61が斜面部63に密接もし
くは付勢した状態で係合しているため先端構成部6と先
端カバー部材10ががたつきのない固定が実現でき、光
学的な不具合(フレアやゴースト)を抑えることができ
る。
【0173】本実施例によればてこ状部材59により挿
入する時に軽い力で先端構成部6と先端カバー部材10
を固定できるため操作が楽で、また、抜去する時は重い
力でないと抜去できないため、簡単に先端構成部6と先
端カバー部材10が外れてしまうということがなく確実
に固定でき、てこ状部材59の寸法を適宜設定してやる
ことで先端構成部6が先端側に付勢ないしはレンズカバ
ー19内面と所定のクリアランス(例えば0.1mm以
内)で十分近接しているため、光学的なフレア、ゴース
ト等の不具合が発生せず、検査を途中で中断するような
ことはなく安全な検査をとり行うことができるという効
果がある。
【0174】次に内視鏡先端部の溝の側方に先端カバー
部材の突起の側方に突き当たる突部を設けたカバー式内
視鏡の1実施例を説明する。まず、その背景を説明す
る。近年、内視鏡は医療分野等において広く用いられる
ようになった。医療分野における内視鏡検査には、検査
前に十分な洗浄消毒をした清潔な内視鏡を使用する必要
がある。このため内視鏡を用いる際には、使用後に感染
症等を確実に防ぐために洗浄とか滅菌処理を施すように
しているが、完全に滅菌処理等を実施するには手間がか
かるので、内視鏡の使用効率が低下するという問題があ
る。
【0175】そこで、内視鏡の洗浄・消毒の手間を減ら
すため、内視鏡本体にカバーを装着した状態で内視鏡検
査を実施し、検査後にカバーのみを使い捨てとして交換
し、使用後においても内視鏡本体は不潔にならないよう
にして衛生上の配慮を不要としたカバー方式の内視鏡が
提案されている。
【0176】カバー式内視鏡は、一般にカバー用内視鏡
本体の挿入部を軟性の挿入部カバー内に装着すること
で、挿入部カバーにより内視鏡挿入部の外表面を覆い、
内視鏡本体を常に清潔に保つようにしている。従って、
使用時に滅菌したカバーで覆われたカバー式内視鏡挿入
部が汚染された場合でもカバーの隔離効果により内視鏡
挿入部自体は汚染されることなく、カバーを清潔なもの
に交換することで患者への感染を防止できる。このよう
なカバー式内視鏡では、内視鏡カバーを装着した使用状
態において、内視鏡カバー内でカバー用内視鏡がずれな
いようにする必要がある。
【0177】そこで内視鏡カバーの挿入部カバーとカバ
ー用内視鏡の挿入部とを確実に固定するため、実開平3
−101901号公報には内視鏡の先端構成部の外周部
に係止溝を設ける一方、挿入部カバーの先端カバー部材
内面に凸部を設け、前記溝部と凸部を係合させて固定
し、挿入部から挿入部カバーを取り外す際には、先端カ
バー部材を弾性変形させ、溝部と凸部の係合を外すよう
にしたカバー用内視鏡が示されている。
【0178】前記実開平3−101901号公報で示さ
れたような溝部と凸部の係合を先端カバー部材の弾性変
形により溝部と凸部を遠ざけ係合を外すという方法で
は、一度使用した内視鏡カバーを再使用することが可能
なので前の検査で汚染したカバーをもう一度装着し使用
してしまうことがないように十分な注意が必要であっ
た。
【0179】以下の実施例は上述した点に鑑みてなされ
たもので、一度内視鏡カバーを使用すれば二度と再使用
ができないようにするカバー式内視鏡を提供することを
目的とし、この目的を達成するために軟性シース付き樹
脂製先端カバー部材の内面に突起を設け、先端カバー部
材に嵌合する内視鏡先端部外面に溝を設け突起と溝の係
合により固定するカバー式内視鏡において、先端カバー
部材内の嵌合孔に内視鏡先端部に設けた先端構成部が右
または左方向に所望角度回転する空間を設け、先端部構
成部の溝の側方に突起を先端カバー部材から破断する凸
部を設けた構成とすることにより、先端構成部の溝部と
係合する先端カバー部材の突起を破壊することで内視鏡
カバーに再使用できないようにする作用がある。
【0180】以下、具体的に説明する。図37ないし図
41は、再使用の防止手段を設けた1実施例に係り、図
37はカバー式内視鏡の挿入部先端部の詳細構成を示す
長手方向断面図、図38は図37のM−M線断面図、図
39は内視鏡カバー内に内視鏡を挿入する際の説明図、
図40,41は本実施例の作用を示す説明図である。本
実施例のカバー式内視鏡1は、図1に示すようにカバー
用内視鏡2と、このカバー用内視鏡2の少なくとも挿入
部3を覆う内視鏡カバー4との組み合わせから構成され
ている。
【0181】カバー用内視鏡2は、細長の挿入部3の基
端側に把持部を兼ねた操作部5が連設され、挿入部3の
先端側には先端構成部6が設けられている。一方、内視
鏡カバー4は、前記挿入部3を覆い被せる挿入部カバー
7と、前記操作部5を覆う操作部カバー8とを有してい
る。挿入部カバー7は、軟性のチューブ状の外皮9の先
端側に前記先端構成部6に外挿される先端カバー部材1
0が連設され、外皮9の基端側に前記操作部5と係合固
定される口体部11が連設されて構成されている。操作
部カバー8は、薄肉で軟性な、例えば塩化ビニル等の高
分子材料の膜部材で形成されている。これらのカバーは
使用前には全て滅菌されている。
【0182】次に、図37ないし図39を参照して内視
鏡挿入部3及び挿入部カバー7の先端部の詳細構成を説
明する。図37は内視鏡挿入部3に挿入部カバー7を装
着完了した状態、図38は先端部の径方向断面(図37
のM−M線断面)を示し、図39は挿入部カバー7内部
に内視鏡挿入部3を挿入していく途中の状態でのそれぞ
れの長手方向断面を示したものである。
【0183】図37に示すように先端カバー部材10内
部には先端構成部6をこの先端カバー部材10に収納す
る空間として収納部52が設けてある。この収納部52
の周囲における先端カバー部材10はその基端(或いは
近位端)が挿入部軸方向に延出された延出部68が形成
され、その延出された近位端に半径内側に突出する突起
67が形成され、一方先端構成部6にはこの突起67と
係合するように側部外周面を切り欠いた溝部65が設け
てある。
【0184】前記突起67と溝部65の係合する部分
は、挿入部軸方向に対し直角をなし、一度係合すると外
れない構造になっている。また、突起67の基端側は基
端側に行くほど肉厚が薄くなる斜面が設けられている。
また、突起67と溝部65の寸法誤差は0.05〜0.
1mmとする。また、前記突起67は先端カバー部材10
の基端側端部から延出して一体で設けた延出部68の基
端に形成したが、先端カバー部材10と別体で設けても
良い。
【0185】図38に示すようにこの延出部68の周方
向近傍には先端構成部6が回転した際に延出部68に当
接し、延出部68を破断する凸部66が設けてある。こ
の凸部66は少なくとも延出部68を破断するだけの強
度を有し、最突出部分でも先端カバー部材10の外周円
よりも大きくならないように先端構成部6の外周面に設
けてある。
【0186】また、先端カバー部材10内には先端構成
部6を収納する収納部52の他に、先端構成部6を挿入
部中心に対し、延出部68に対し凸部66が位置する方
向とは反対側に、先端構成部6を回転できるようにする
回動空間55が設けてある。回動空間55は角度αを有
した扇形をなしており、その角度αは凸部66が延出部
68を破断するのに必要な回転移動分、すなわち少なく
とも延出部68の周方向の幅分程度、回転できる分の角
度である。
【0187】図37に示すように先端構成部6の内部に
は、先端側から観察用被写体像を結像する対物光学系
(又は観察光学系)18(その第1レンズを符号17で
示す)、前記被写体像を電気信号に変換する撮像ユニッ
ト28、撮像ユニット28からの画像信号を画像コント
ロールユニット(図示せず)へ伝達する信号ケーブル2
9が設けられると共に、観察光学系18と略平行に図示
しない照明光学系が設けられている。先端カバー部材1
0の先端面には、前記観察光学系18(の第1レンズ1
7)及び照明光学系を覆うようにこれらの光学系と対向
してレンズカバー19が設けられている。
【0188】また、図38に示すように鉗子挿通の鉗子
チャンネル24が形成され、この鉗子チャンネル24に
隣接して送気及び送水管路をそれぞれ形成する送気及び
送水チューブ25、26が設けてある。
【0189】次に作用を説明する。本実施例の構成にお
いて、カバー用内視鏡2の挿入部3に挿入部カバー7を
装着するために、内視鏡挿入部3を挿入部カバー7内に
挿入する場合、挿入部3の先端の先端構成部6が先端カ
バー部材10近傍に近づき先端構成部6の先端面が先端
カバー部材10の突起67の基端側に当接する。このま
ま先端構成部6を挿入していくと先端カバー部材10の
先端が突起67の基端側斜面を押圧するため、突起67
は延出部68を径方向に弾性変形させながら移動し(図
39参照)、先端構成部6がレンズカバー19内面に当
接し、溝部65が突起67と対向する位置にきたところ
で突起67は延出部68の弾性復元力により延出部68
が元の状態に戻るため、突起67は溝部65に落ち込み
突起67と溝部65が係合する(図37参照)。
【0190】ここで先端構成部6と先端カバー部材10
は係止され、挿入部カバー7は挿入部3に装着完了とな
る。この時、突起67と溝部65の係合している面は直
角であるため軸方向に基端側先端構成部6を先端カバー
部材10から抜く力が働いても強固に係合状態を保持す
る。
【0191】挿入部カバー7を挿入部3から取り外す
際、つまり先端カバー部材10から先端構成部6を抜去
する際は、先端構成部6を回動空間55に向かって回転
させるだけで凸部66が延出部68を押圧し、破断する
ため(図40,図41)、先端構成部6と先端カバー部
材10の係止状態は解除される。そこで、先端構成部6
を先端カバー部材10から抜去していくことで、挿入部
カバー7は挿入部3から取り外すことができる。
【0192】この実施例は以下の効果を有する。検査終
了後、挿入部カバー7を取り外す際に先端カバー部材1
0と先端構成部6を係止していた部分を破壊すること
で、以後再使用しようとしても、挿入部カバー7と挿入
部3を完全に固定した状態を保持できない。つまり先端
構成部6が軸方向に移動してしまうため、先端構成部6
とレンズカバー19の適切な位置が保てずフレア、ゴー
スト等の光学的な不具合が生じてしまい、検査に必要な
画像情報が得られなくなるため、一度使用した内視鏡カ
バーは二度と使えず、他の患者への汚染・感染等の危険
を回避できるという効果がある。
【0193】また係止部分を外皮9の外側から破壊する
場合だと、破壊操作中に外皮9を破損し、カバー内を汚
染してしまう危険があるが、本実施例では先端構成部6
をねじる操作だけでよく、大した力を要せず、外皮9を
破損することなく係止している部分を破壊することがで
きるという効果もある。
【0194】また、本実施例において先端カバー部材1
0は粒径の少ないPMMAかPSがよく、破壊操作が楽
に行える。また、延出部68の強度は軸方向に対し20
N程度以上とする。また、通常検査では、強いねじりは
先端方向に対し右回転であるため、破壊時の先端構成部
6の回転は左回転とする方がよい。
【0195】従って本実施例によれば、先端カバー部材
10と先端構成部6を係止していた部分を検査終了後に
破壊することで二度と再使用ができなくなるため、前の
検査で用いた内視鏡カバーを再び次の検査で使用するこ
とがなくなり、汚染・感染防止できるという効果があ
る。
【0196】[付記] 2.請求項1において前記係合手段は、係合時には内視
鏡カバー外まで伝達するだけの振動もしくは係合音を発
することを特徴とするカバー式内視鏡。 3.請求項1において前記係合手段は前記先端構成部に
設けた凸部と先端カバー部材に設けた凸部との係合から
なることを特徴とするカバー式内視鏡。 4.請求項1において前記係合手段は前記先端構成部に
設けた凸部と先端カバー部材に設けた凹部との係合から
なることを特徴とするカバー式内視鏡。 5.請求項1において前記係合手段は前記先端構成部に
設けた凹部と先端カバー部材に設けた凸部の係合からな
ることを特徴とするカバー式内視鏡。
【0197】6.請求項1において前記係止手段は少な
くとも前記先端構成部を前記先端カバー部材に係止させ
る第2の係合手段からなることを特徴とするカバー式内
視鏡。 7.付記6において前記係合手段は、前記第2の係合手
段よりも係合時に大きな係合音や振動を発する構成にし
たことを特徴とするカバー式内視鏡。 8.請求項1において前記所望の位置は前記先端構成部
が前記先端カバー部材に完全に挿入した位置であること
を特徴とするカバー式内視鏡。 9.請求項1において前記係合手段の係合時の係止力は
弱くほとんど固定には関与しない構成にしたことを特徴
とするカバー式内視鏡。 10.付記6において係合手段を第2の係合手段と同じ
構成としたことを特徴とするカバー式内視鏡。
【0198】11.請求項1において前記所望の位置は
先端構成部が前記先端カバー部材に設けたレンズカバー
に当接もしくは十分近接した位置であることを特徴とす
るカバー式内視鏡。 12.カバー用内視鏡と、少なくとも前記内視鏡の挿入
部を被覆する内視鏡カバーを備え、前記内視鏡カバーは
前記挿入部先端に設けた先端構成部を被嵌する先端カバ
ー部材を有し、先端構成部に設けた係止部と先端カバー
部材に設けた係合部とにより先端構成部と先端カバー部
材を係止するカバー式内視鏡において、先端カバー部材
とは別体で、係合部を係止部側に移動させ係止部に付勢
させる付勢手段を移動自在に設けたことを特徴とするカ
バー式内視鏡。
【0199】13.付記12において前記付勢手段は係
合部を移動自在にするよう、先端カバー部材から延出し
端部に係合部を有した弾性変形部と、弾性変形部を前記
係止部側に変形させる押圧手段からなることを特徴とす
るカバー式内視鏡。 14.付記13において前記押圧手段は前記弾性変形部
及び前記先端カバー部材を外装する外装部材と、外装部
材内面に設けた弾性変形部を内側へ押圧する凸部からな
ることを特徴とするカバー式内視鏡。 15.付記14の前記押圧手段は前記弾性変形部及び前
記先端カバー部材を外装する外装部材と外装部材内側に
移動自在に設けた弾性変形部を押圧する押圧部材とから
なることを特徴とするカバー式内視鏡。 目的:先端カバー部材外側で移動する押圧部材と外皮と
の間に外装部材を設けたことで外皮との接触部分を減少
し、外皮の弾性力等による抵抗を減らすこと。 作用:移動操作する押圧部材と外皮との接地面積を減ら
し、抵抗を減少させる。 16.付記14において前記外装部材は回転自在である
ことを特徴とするカバー式内視鏡。
【0200】17.付記14において前記外装部材は長
手方向に移動自在であることを特徴とするカバー式内視
鏡。 18.付記13において前記押圧手段は内視鏡カバーの
一部で構成する外皮と、該外皮の弾力を伝達する伝達部
材と、外装部材内面に設けた弾性変形部を内側へ押圧す
る凸部からなることを特徴とするカバー式内視鏡。 19.付記18において前記伝達部材は弾性変形部の外
面近傍で外皮内面に位置する円弧状部材であることを特
徴とするカバー式内視鏡。 20.付記14において前記外装部材は筒状部材である
ことを特徴とするカバー式内視鏡。
【0201】21.付記18において伝達部材は周方向
に移動自在であることを特徴とするカバー式内視鏡。 22.付記18において伝達部材は長手方向に移動自在
であることを特徴とするカバー式内視鏡。 23.付記14の外装部材、付記15の押圧部材におい
て、外周面に前記外装部材を移動操作する突起を設けた
ことを特徴とするカバー式内視鏡。 目的:押圧部材を操作しやすくすること。
【0202】24.付記15において押圧部材に弾性変
形部を押圧する凸部を設けたことを特徴とするカバー式
内視鏡。 25.付記23において外装部材からの突起の突出量は
0.5〜0.6mmであることを特徴とするカバー式内視
鏡。 目的:外装部材を操作しやすくすること。 26.付記14において前記外装部材と前記先端カバー
部材とのクリアランスを直径でaとすると、外装部材に
設けた凸部の大きさは少なくともa以上であることを特
徴とするカバー式内視鏡。
【0203】27.付記15において押圧部材の肉厚を
b、凸部の大きさをcとすると先端カバー部材と外装部
材のクリアランスが直径で少なくともb以上、b+c以
下であることを特徴とするカバー式内視鏡。 28.付記14,15において外装部材は弾性部材であ
ることを特徴とするカバー式内視鏡。 29.付記28において外装部材はステンレス部材であ
ることを特徴とするカバー式内視鏡。
【0204】30.カバー用内視鏡と、少なくとも前記
内視鏡の挿入部を被覆する内視鏡カバーを備え、前記内
視鏡カバーは前記挿入部先端に設けた先端構成部を被嵌
する先端カバー部材を有するカバー式内視鏡において、
先端カバー部材に係合部を先端構成部には係止部を設
け、先端カバー部材内の先端構成部が嵌合される空間に
は係止部と係合部が係合するよう先端構成部を係合部に
押圧する押圧手段を設けたことを特徴とするカバー式内
視鏡。 目的:押圧手段を前記空間内に設けることで新たに外部
に設けず太径化しないこと。
【0205】31.付記30において前記押圧手段は、
弾性体であることを特徴とするカバー式内視鏡。 32.付記30において前記押圧手段は前記先端構成部
を挿入部の中心軸に対し回転方向に押圧することを特徴
とするカバー式内視鏡。 33.付記30において前記押圧手段は前記先端構成部
を径方向に押圧することを特徴とするカバー式内視鏡。 34.付記31において前記弾性体は板ばねであること
を特徴とするカバー式内視鏡。
【0206】35.付記30において前記係合部と前記
係止部は凸部を係合部と係止部が係合する部分は斜面を
なしていることを特徴とするカバー式内視鏡。 目的:係合部と係止部の係合時に係合している部分の斜
面と押圧手段による押圧により先端構成部が先端側に押
圧された状態で固定すること。 36.付記30において前記係合部は凸部を前記係止部
は凹部をなし、凸部、凹部とも軸方向両端が斜面をな
し、凸部と凹部の形状は凸部の方が大きな相似形である
ことを特徴とするカバー式内視鏡。 目的:係合部と係止部の係合により、先端構成部が所望
の位置でがたつきなく固定すること。 作用:係合部と係止部の凹凸の係合により、先端構成部
が所望の位置でがたつきなく固定する。
【0207】37.付記30において押圧部材は前記先
端カバー部材の前記先端構成部が挿入される空間とは接
着または溶着等で固定されていることを特徴とするカバ
ー式内視鏡。 38.付記30,31において前記空間は弾性体が位置
し、変形する分を含めて形成されていることを特徴とす
るカバー式内視鏡。 目的:押圧手段を前記空間内に設けることで新たに外部
に設けず太径化しないこと。 39.付記30において前記係合部は凹部を前記係止部
は凸部をなし凸部、凹部とも軸方向両端が斜面をなし、
凸部と凹部の形状は凸部の方が大きな相似形であること
を特徴とするカバー式内視鏡。
【0208】40.カバー用内視鏡と、少なくとも前記
内視鏡の挿入部を被覆する内視鏡カバーを備え、前記内
視鏡カバーは前記挿入部先端に設けた先端構成部を被嵌
する先端カバー部材を有するカバー式内視鏡において、
先端カバー部材内の先端構成部が嵌合される空間に先端
構成部と当接する当接部と先端構成部を係止する係止部
とを作用、反作用点に持つ、てこ状部材を設けたことを
特徴とするカバー式内視鏡。 41.付記40において、てこ状部材の支点から作用点
までの長さよりも支点から反作用点までの長さの方が短
く設定したことを特徴とするカバー式内視鏡。 目的:先端構成部挿入時にてこ状部材を移動させる力量
よりも抜去時に移動させる力量を大きくし軽い力では装
着が解除しないようにすること。
【0209】42.付記40において、係止部は先端構
成部に設けた斜面部に対し押圧し係合するよう設けたこ
とを特徴とするカバー式内視鏡。 43.付記42において、斜面部は挿入部軸方向、基端
側に向かって切り欠いて設けた構造であることを特徴と
するカバー式内視鏡。 44.付記40,42,43において、係止部が斜面部
に対し押圧係合するよう反作用点となる係止部が作用
点、支点を結ぶ線に対し、角度θ1 となるよう、てこ状
部材の軸方向断面が略V字形になっていることを特徴と
するカバー式内視鏡。 45.付記43において、斜面部は軸方向に対し角度θ
2 の斜面となっていることを特徴とするカバー式内視
鏡。
【0210】46.付記44,45において、θ1 ≧θ
2 であることを特徴とするカバー式内視鏡。 作用:係止部が斜面部に密接もしくは付勢した状態で係
合しているのでがたつきのない固定ができる。 47.付記40において、当接部は先端構成部の先端の
みと当接する凸部をなしていることを特徴とするカバー
式内視鏡。 48.付記40において、先端構成部の先端近傍は当接
部以外には当接しないよう、当接部と当接する部分から
支点と対向する部分に到る部分は斜面状に切り欠いてい
ることを特徴とするカバー式内視鏡。
【0211】49.付記40,41において、支点は球
状をなし、先端カバー部材内に設けた球状の凹部と嵌合
し、てこ状部材が径方向に可動自在に設けられているこ
とを特徴とするカバー式内視鏡。 50.軟性シース付き樹脂製先端カバー部材の内面に突
起を設け、先端カバー部材に嵌合する内視鏡先端部外面
に溝を設け突起と溝の係合により固定するカバー式内視
鏡において、先端カバー部材内の嵌合孔に内視鏡先端部
に設けた先端構成部が右または左方向に所望角度回転す
る空間を設け、先端構成部の溝の側方に突起を先端カバ
ー部材から破断する凸部を設けたことを特徴とするカバ
ー式内視鏡。
【0212】51.付記50において、前記突起は弾性
部材でできた先端カバー部材の弾性力により径方向に移
動自在に設けたことを特徴とするカバー式内視鏡。 作用:先端構成部の溝部と先端カバー部材の突起を係合
しやすくする。
【0213】52.付記50において、前記突起と溝の
係合する部分は軸方向に直角に突出または凹んだ形で設
けてあることを特徴とするカバー式内視鏡。 作用:溝部と突起が一度係合すれば、強固に係合状態を
保って、突起を破壊しない限り係合は解除できない。 53.付記50において、前記突起は先端カバー部材か
ら軸方向基端側に延出して、延出した形で設けているこ
とを特徴とするカバー式内視鏡。 目的:内視鏡カバーを挿入部から取り外す際、突起部分
を破壊しやすいようにすること。
【0214】54.付記50において、前記突起の基端
側にはテーパ面ないしは面取り部を設けたことを特徴と
するカバー式内視鏡。 55.付記53において、延出した突起は軸方向の引っ
張り及びせん断力に対し20N以上の強度を有すること
を特徴とするカバー式内視鏡。 56.付記50において、先端カバー部材の材質は樹脂
であることを特徴とするカバー式内視鏡。 目的:突起部分を破壊しやすくすること。
【0215】57.付記50において、先端カバー部材
の材質はPSであることを特徴とするカバー式内視鏡。 目的:付記56と同じ。 58.付記50において、先端カバー部材の材質はPM
MAであることを特徴とするカバー式内視鏡。 目的:付記56と同じ。 59.付記50において、凸部は突起が延出している延
出部に当接するに十分な大きさであることを特徴とする
カバー式内視鏡。 60.付記50において、凸部が延出部の周方向の幅だ
け先端構成部が回転するよう空間を設けたことを特徴と
するカバー式内視鏡。
【0216】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、カ
バー用内視鏡と、少なくとも前記内視鏡の挿入部を被覆
する内視鏡カバーを備え、前記内視鏡カバーは前記挿入
部先端に設けた先端構成部を被嵌する先端カバー部材を
備え、前記先端構成部と前記先端カバー部材とは先端構
成部と先端カバー部材に設けた係止手段により固定され
るカバー式内視鏡において、先端構成部と先端カバー部
材とに固定に関与する係止手段とは別に先端構成部が所
望の位置で係合する係合手段を設けているので、先端構
成部を先端カバー部材に挿入時の係合手段の係合時に発
する振動や音により先端構成部が所望の位置に到達した
ことを操作者は容易に認識でき、係合による固定状態を
確認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のカバー式内視鏡の全体構
成を示す斜視図。
【図2】カバー式内視鏡の挿入部先端部の詳細構成を示
す長手方向断面図。
【図3】図2のA−A線断面図。
【図4】内視鏡カバー内に内視鏡を挿入する際の説明
図。
【図5】内視鏡カバー内に内視鏡を挿入する際の説明
図。
【図6】第1実施例の変形例における図2のA−A線断
面に相当する断面図。
【図7】第1実施例の変形例における図2に相当する断
面図。
【図8】本発明の第2実施例の挿入部の先端側の長手方
向の断面図。
【図9】図8のB−B線断面図。
【図10】第2実施例のカバー式内視鏡での先端カバー
部材に先端構成部を挿入する様子を示す斜視図。
【図11】先端カバー部材と先端構成部を図9のCで示
す側面から見た側面図。
【図12】先端カバー部材と先端構成部とを装着する途
中の状態を示す側面図。
【図13】本発明の第3実施例の挿入部の先端側の径方
向の断面図。
【図14】図13のD−D線断面図。
【図15】図13のE−E線断面図。
【図16】係合部を係止部側に移動させ係止部に付勢さ
せる付勢手段を移動自在に設けたカバー式内視鏡の第1
実施例の挿入部先端部の詳細構成を示す長手方向断面
図。
【図17】図16のF−F線断面図。
【図18】本実施例中の作用ないしは構成を説明する説
明図。
【図19】図18のG−G線断面図。
【図20】本実施例中の作用ないしは構成を説明する説
明図。
【図21】係合部を係止部側に移動させ係止部に付勢さ
せる付勢手段を移動自在に設けたカバー式内視鏡の第2
実施例の挿入部先端部の詳細構成を示す長手方向断面
図。
【図22】図21のH−H線断面図。
【図23】押圧部材の指当部を周方向に移動した状態で
の図21に相当する長手方向断面図。
【図24】図23のI−I線断面図。
【図25】係合部を係止部側に移動させ係止部に付勢さ
せる付勢手段を移動自在に設けたカバー式内視鏡の第3
実施例の挿入部先端部の詳細構成を示す長手方向断面
図。
【図26】図25のJ−J線断面図。
【図27】本実施例中の作用を説明する径方向断面図。
【図28】先端構成部を係合部に押圧する押圧手段を設
けたカバー式内視鏡の第1実施例の挿入部の先端側を示
す長手方向断面図。
【図29】図28のK−K線断面図。
【図30】本実施例中の作用を説明する説明図。
【図31】挿入部カバーに挿入部を挿入する途中状態で
の図28のL−L線に相当する断面図。
【図32】挿入部カバーに挿入部を挿入する途中状態で
の図28のK−K線に相当する断面図。
【図33】先端構成部を係合部に押圧する押圧手段を設
けたカバー式内視鏡の第2実施例の挿入部の先端側を示
す長手方向断面図。
【図34】本実施例中の作用を説明する説明図。
【図35】てこ状部材を設けたカバー式内視鏡の挿入部
先端部の詳細構成を示す長手方向断面図。
【図36】図35の作用を説明する説明図。
【図37】再使用の防止手段を備えたカバー式内視鏡の
挿入部先端部の詳細構成を示す長手方向断面図。
【図38】図37のM−M線断面図。
【図39】内視鏡カバー内に内視鏡を挿入する際の説明
図。
【図40】本実施例の作用を示す説明図。
【図41】本実施例の作用を示す説明図。
【図42】従来のカバー式内視鏡の挿入部先端部の詳細
構成を示す長手方向断面図。
【符号の説明】
1…カバー式内視鏡 2…カバー用内視鏡 3…挿入部(内視鏡挿入部) 4…内視鏡カバー 6…先端構成部 7…挿入部カバー 9…外皮 10…先端カバー部材 12…弾性変形部 13…係合部 13a,14a…斜面部 14…係止部 15…円筒状部材 16…支持部 18…対物光学系 19…レンズカバー 30、31…凸部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カバー用内視鏡と、 少なくとも前記内視鏡の挿入部を被覆する内視鏡カバー
    を備え、 前記内視鏡カバーは前記挿入部先端に設けた先端構成部
    を被嵌する先端カバー部材を備え、 前記先端構成部と前記先端カバー部材とは先端構成部と
    先端カバー部材に設けた係止手段により固定されるカバ
    ー式内視鏡において、 先端構成部と先端カバー部材とに固定に関与する係止手
    段とは別に、先端構成部が先端カバー部材に所望の位置
    において係合する係合手段を設けたことを特徴とするカ
    バー式内視鏡。
JP7150552A 1995-06-16 1995-06-16 カバー式内視鏡 Withdrawn JPH09487A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7293457B2 (en) 2004-11-30 2007-11-13 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Measuring apparatus for measuring flow rate of a fluid
JP2009018059A (ja) * 2007-07-12 2009-01-29 Olympus Medical Systems Corp 内視鏡システム
JP2014155526A (ja) * 2013-02-14 2014-08-28 Hoya Corp 内視鏡

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