JPH0948586A - クレーンの吊り荷振れ止め支援装置 - Google Patents

クレーンの吊り荷振れ止め支援装置

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JPH0948586A
JPH0948586A JP19976195A JP19976195A JPH0948586A JP H0948586 A JPH0948586 A JP H0948586A JP 19976195 A JP19976195 A JP 19976195A JP 19976195 A JP19976195 A JP 19976195A JP H0948586 A JPH0948586 A JP H0948586A
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JP
Japan
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boom
swing
suspended load
load
displacement
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JP19976195A
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English (en)
Inventor
Toshio Fukuda
敏男 福田
Fumito Arai
史人 新井
Nobuyoshi Hayakawa
信義 早川
Keisuke Miyata
圭介 宮田
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】移動式クレーンにおいて、吊り荷の振れ止め操
作を迅速に行うことができる吊り荷振れ止め支援装置を
提供することを目的とする。 【構成】吊り荷17の変位をセンサ18で検出し、操作
レバー15の変位をセンサ19で検出する。表示用演算
装置20はセンサ18で検出された吊り荷17の変位を
表示スケール内に収まるように変換計算するとともに、
センサ19で検出された操作レバー15の変位をブーム
先端速度に換算した後、このブーム先端速度が表示スケ
ール内に収まるように変換計算する。表示装置27は前
記吊り荷17の振れ幅とブーム先端速度を、それぞれの
変位方向に対応付けて表示する。運転者14が操作レバ
ー15を吊り荷の振れの方向と同じ方向に操作すると、
ブーム先端は吊り荷17の方向に移動し、吊り荷17の
振れを止めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、クレーン作業中
の吊り荷の振れを止めるための振れ止め支援装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、クレーン作業中に吊り荷の振れが
発生したときは、運転者が吊り荷の振れ幅や振れ方向を
考慮しながらブームの位置を修正することで対処してい
た。図10は、従来の吊り荷の振れ止め方法を説明する
ための概念図である。クレーン1のブーム2は起伏シリ
ンダ3と連結されており、運転者4が速度比例型の操作
レバー5を操作すると、このときのレバーストロークに
応じて起伏シリンダ3が伸び縮みして、ブーム2は図の
矢印AまたはB方向に動作する。図10では、運転者4
が操作レバー5を前方(図の右側)へ倒すとブーム2は
矢印Bの方向に動き、操作レバー5を後方(図の左側)
へ引くとブーム2は矢印Aの方向に動くものとする。一
方、ブーム2にはワイヤ6を介して吊り荷7が吊り下げ
られており、上述したレバー操作によりブーム2を動か
すと、吊り荷7は振り子の運動で横方向に振動する。こ
のときの吊り荷7の振れは、ブーム2の先端を中心とし
た単振動となるため、振れを止めるにはブーム2の先端
が吊り荷7の真上にくるようにブーム2の先端位置を修
正すればよいことになる。
【0003】ところが、図10に示すような吊り荷7の
振れを運転者4側から見ると、吊り荷7は遠方で前後方
向に振れているために遠近感がつかみにくく、振れの状
態が分かりにくい。このため、運転者4にとって吊り荷
7の前後方向の振れ止めを行うことは極めて難しい操作
となっていた。これを解決するものとして特開昭57−
19279号公報には、吊り荷の振れ状態を検出し、振
れを止めるためのブーム起伏角を運転者側に表示するよ
うにした振れ止め装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特開昭57−19279号公報の振れ止め装置におい
ては、振れ止めに適したブーム起伏角の補正量が数値で
表示されるだけなので、運転者は表示された数値を認識
した後、現在のブームの起伏角と表示された補正値とを
比較し、レバーの操作量が前記数値と一致するようにレ
バーの操作量を示すメーター等を見ながら数値を合わせ
るという操作をおこなっていた。このように、従来の振
れ止め装置では数値の認識とレバー操作を交互に行う必
要があるうえ、ブーム先端に対する吊り荷の位置によっ
て操作レバーの操作方向が異なるため、ブームの起伏角
だけでは操作レバーの操作方向がすぐには判断できず、
運転者にとって迅速なレバー操作を行うことは困難であ
った。
【0005】また、前記振れ止め装置では、ブーム起伏
角、ブーム長さおよびワイヤの振れ角などを検出するた
めの各種の検出手段が必要となるため、部品点数が多く
なり、また回路構成も複雑になるという難点があった。
【0006】この発明は、装置構成を簡略化するととも
に、吊り荷の振れ止め操作を迅速に行うことができるよ
うにしたクレーンの吊り荷振れ止め支援装置を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この発明に係わるクレーンの吊り荷振れ止め支援装
置は、ブーム先端から吊り下げられた吊り荷の変位を検
出する第1の検出手段と、ブーム操作レバーの変位を検
出する第2の検出手段と、前記第2の検出手段で検出さ
れたブーム操作レバーの変位をブーム先端の速度に変換
する変換手段と、前記第1の検出手段で検出された吊り
荷の変位と、前記変換手段で変換されたブーム先端の速
度を、それぞれ吊り荷の振れ方向とブーム操作レバーの
操作方向に対応付けて表示する表示手段とを具備するこ
とを特徴とする。
【0008】上述した構成において、運転者が表示手段
に表示された吊り荷の変位とブーム先端速度を見ながら
ブーム操作レバーを吊り荷の振れの方向と同じ方向に操
作すると、ブームの先端は吊り荷の方向に移動すること
になる。このように、吊り荷の振れの方向にブーム先端
速度の変位の方向を合わせると、吊り荷の振れはダンピ
ング効果により減衰する。
【0009】
【発明の実施の形態】上記第1の検出手段としては、荷
振れ変位検出センサが用いられている。この荷振れ変位
検出センサは、例えば吊り荷の振れ方向とその際の速度
を検出する視覚センサ、あるいは吊り荷の移動方向とそ
の際の移動距離を検出する距離センサにより構成するこ
とができる。また、第2の検出手段としては、操作レバ
ー変位検出センサが用いられている。この操作レバー変
位検出センサは、例えば操作レバーのレバーストローク
値(以下、ストローク値)を電気的な信号値に変換する
ストロークセンサや、操作レバーの操作角度を電気的な
信号値として検出するセンサにより構成することができ
る。
【0010】上述した吊り荷の変位は、クレーンを平面
的に見たときのブーム先端と吊り荷の位置との差であ
り、吊り荷の水平方向の振れ幅(移動量)と振れ方向
(移動方向)を表している。また、ブーム操作レバーの
変位は、ブーム操作レバーのストローク値とストローク
方向を表している。
【0011】また、上述した変換手段としては、吊り荷
の振れの変位を起伏シリンダ速度に換算するシリンダ速
度換算手段と、このシリンダ速度換算手段で換算された
起伏シリンダ速度をブーム先端速度に換算するブーム先
端速度換算手段が用いられている。
【0012】さらに、上述した表示手段としては、CR
T、LED、LCDなどの表示用デバイスが用いられて
いる。吊り荷の変位とブーム先端速度は、前記表示用デ
バイスであれば棒グラフなどで表示されるが、例えば車
両の燃料計のようなハードウェア計器により表示するこ
ともできる。
【0013】
【実施例】以下、この発明に係わるクレーンの吊り荷振
れ止め支援装置の実施例を図面を参照しながら説明す
る。
【0014】図2は、この発明に係わる吊り荷振れ止め
支援装置を適用した移動式クレーンの概略的な構成を示
す説明図である。この移動式クレーン11の機構部分
は、図10で示したクレーン1とほぼ同じ構成となって
いる。すなわち、吊り荷を吊り下げるためのブーム12
は、このブーム12を駆動するための起伏シリンダ13
と連結されており、運転者14が速度比例型の操作レバ
ー15を操作すると、このときのストローク値に応じて
起伏シリンダ13が伸び縮みして、ブーム12は図の矢
印AまたはB方向に動作する。図2では、図10と同じ
く運転者14が操作レバー15を前方(図の右側)へ倒
すとブーム12は矢印Bの方向に動き、操作レバー15
を後方(図の左側)へ引くとブーム12は矢印Aの方向
に動くものとする。
【0015】一方、ブーム12の先端にはワイヤ16が
接続されており、このワイヤ16の他端には吊り荷17
が吊り下げられている。また、ブーム12の先端には吊
り荷17の変位を検出する荷振れ幅検出センサ18が取
り付けられている。この荷振れ幅検出センサ18は、運
転者14から見て前後方向の吊り荷17の振れ幅と、振
れ方向を検出し、振れ幅変位検出信号V1を後述する表示
用演算装置20に出力する。この振れ幅変位検出信号V1
は、振れ幅と振れ方向に対応するデジタルまたはアナロ
グ信号である。
【0016】なお、荷振れ幅検出センサ18としては、
例えば吊り荷17の振れ方向と、その際の速度を検出す
る視覚センサ、あるいは吊り荷17の水平方向の移動量
と移動方向を検出する距離センサなどを用いることがで
きる。ただし、荷振れ幅検出センサ18は、吊り荷17
の振れ幅、振れ方向を検出することができれば、これら
の具体例に限定されるものではない。
【0017】また、図2の部分拡大図である図3で示す
ように、操作レバー15には、操作レバー15の変位を
検出する操作レバー変位検出センサ19が取り付けられ
ている。この操作レバー変位検出センサ19は、操作レ
バー15が運転者14によって操作されたときのストロ
ーク値と、ストローク方向を検出し、レバー変位検出信
号V2を後述する表示用演算装置20に出力する。このレ
バー変位検出信号V2は、操作レバーのストローク値と、
ストローク方向に対応するデジタルまたはアナログ信号
である。
【0018】なお、速度比例型操作レバーの場合、後述
するように操作レバーのストローク値は起伏シリンダ1
3のシリンダ速度に対応し、さらにシリンダ速度はブー
ム先端速度に対応するため、信号V2はブーム先端速度に
対応した信号として扱うことができる。
【0019】さらに、操作レバー変位検出センサ19と
しては、例えば操作レバー15のストローク値を電気的
な信号値に変換するストロークセンサや、操作レバー1
5の操作角度を電気的な信号値として検出するセンサを
用いることができる。ただし、操作レバー15のストロ
ーク値とストローク方向を検出することができれば、操
作レバー変位検出センサ19はこれらの具体例に限定さ
れるものではない。
【0020】図1は、この発明に係わる吊り荷振れ止め
支援装置の全体構成を示す説明図であり、図2と同一部
分を同一符号で示している。上記センサ18、19で検
出された信号V1、V2は、図1の表示用演算装置20に入
力される。
【0021】表示用演算装置20は、前記検出された信
号V1、V2を後述する表示装置27で表示するのに適した
値に変換する回路であり、荷振れ幅信号計算用変換手段
21、レバー変位信号計算用変換手段22、荷振れ幅信
号値変換手段23、シリンダ速度換算手段24、ブーム
先端速度換算手段25、ブーム先端速度信号値変換手段
26から構成されている。
【0022】なお、操作レバー変位検出センサ19で検
出された信号V2は表示用演算装置20に入力されるとと
もに、同時に図示せぬコントローラ部にも入力される。
このコントローラ部からは信号V2に対応した駆動信号が
起伏シリンダ13に供給され、起伏シリンダ13の動作
が制御される。
【0023】荷振れ幅信号計算用変換手段21およびレ
バー変位信号計算用変換手段22は、各センサで検出し
た信号を表示用演算装置20で処理可能な形式に変換す
る回路である。荷振れ幅信号計算用変換手段21では荷
振れ幅検出センサ18からの検出信号V1を取り込み、所
定の変換処理を施した後、荷振れ幅信号変換データW1を
出力する。また、レバー変位信号計算用変換手段22で
は操作レバー変位検出センサ19からの検出信号V2を取
り込み、同じく所定の変換処理を施した後、レバー変位
信号変換データW2を出力する。これらの変換手段は、例
えばA/D変換器などにより構成することができる。
【0024】荷振れ幅信号値変換手段23は、吊り荷1
7の振れ幅を表示装置27において、例えばグラフ表示
したときに、吊り荷の振れ幅の表示レベルがあらかじめ
設定されている表示スケール内に収まるように変換計算
を行い、荷振れ幅表示データU1を出力する。例えば、あ
る振れ幅の値が最大スケールに対して50%の大きさで
あれば、その振れ幅の表示レベルが表示スケールの中間
位置で表示されるように変換計算を行う。なお、荷振れ
幅表示データU1には変換計算された振れ幅と、振れ方向
に関する情報が含まれている。
【0025】シリンダ速度換算手段24は、前記レバー
変位信号計算用変換手段22で変換されたレバー変位検
出信号V2を起伏シリンダ速度に変換することにより、起
伏シリンダ速度信号変換データW3を出力する。レバー変
位検出信号V2と起伏シリンダ速度との間には、図中、機
能ブロック内のグラフで示すように線形の対応関係が成
り立っている。シリンダ速度換算手段24では、このグ
ラフの対応関係に従ってレバー変位検出信号V2を起伏シ
リンダ速度に変換している。
【0026】ブーム先端速度換算手段25は、前記シリ
ンダ速度換算手段24で換算された起伏シリンダ速度を
ブーム先端速度に変換することにより、ブーム先端速度
信号変換データW4を出力する。起伏シリンダ速度とブー
ム先端速度との間には、図中、機能ブロック内のグラフ
で示すように線形の対応関係が成り立っている。ブーム
先端速度換算手段25では、このグラフの対応関係に従
って起伏シリンダ速度をブーム先端速度に変換してい
る。
【0027】ブーム先端速度信号値変換手段26は、前
記ブーム先端速度換算手段25で換算されたブーム先端
速度を、表示装置27において、例えばグラフ表示した
ときに、ブーム先端速度の表示レベルがあらかじめ設定
されている表示スケール内に収まるように変換計算を行
い、ブーム先端速度表示データU2を出力する。例えば、
あるブーム先端速度の値が最大スケールに対して50%
の大きさであれば、そのブーム先端速度の表示レベルが
表示スケールの中間位置で表示されるように変換計算を
行う。なお、ブーム先端速度表示データU2には換算計算
されたブーム先端速度と操作レバーのストローク方向に
関する情報が含まれている。
【0028】上記表示用演算装置20は、CPU(中央
処理装置)やRAM、ROMなどを主要構成要素とする
回路により構成することができる。
【0029】表示装置27は、吊り荷17の振れ幅とブ
ーム先端速度を、それぞれ吊り荷17の振れ方向とブー
ム先端の移動方向に対応付けて表示するディスプレイ装
置であり、CRT、LED、LCDなどの表示用デバイ
スが用いられる。
【0030】図4は、振れ幅とブーム先端速度をグラフ
で表した場合の表示スケールの具体例を示したもので、
(a)は棒グラフ、(b)はドットによる棒グラフ、
(c)は矢印、(d)は円(円の位置が上下に変化す
る)をそれぞれ示している。
【0031】これらのグラフを用いて振れ幅とブーム先
端速度を示す2つの表示スケールを同時に並列して表示
することにより、運転者14は吊り荷とブーム先端速度
の2つの異なる変位を同時に認識することができる。こ
のように2つの変位が表示されている状態で、運転者1
4が操作レバー15を吊り荷の振れの方向と同じ方向に
操作すると、ブーム12の先端は吊り荷17の方向に移
動する。このように、吊り荷の振れの方向にブーム先端
速度の変位の方向を合わせると、吊り荷の振れはダンピ
ング効果により減衰することになる。
【0032】なお、2つの表示スケールは同一種類のグ
ラフにより表示されるが、振れ幅とブーム先端速度はそ
れぞれ異なるグラフで表示されてもよい。また、各表示
スケールの縦方向の最大長、すなわち最大スケールは任
意に設定することができるが、実用的なスケールの一例
としては、振れ幅の最大スケールを最大ウインチケーブ
ル長×0.07(経験値による)とし、ブーム先端側の最大
スケールを最大ブーム先端速度(設計値)とすることが
考えられる。
【0033】なお、振れ幅とブーム先端速度は、例えば
車両の燃料計のようなアナログ式のハードウェア計器に
より表示することもできる。以下の説明では、振れ幅と
ブーム先端速度を図4(a)の棒グラフによる表示スケ
ールで表すものとする。
【0034】一方、振れ幅とブーム先端速度の表示映像
には方向性があり、図4に示した表示スケールにも方向
性が持たされている。振れ幅とブーム先端速度の2つの
表示映像を各表示スケール上に表したときの具体例を図
5および図6に示す。振れ幅とブーム先端速度の変位を
示す表示映像31は、それぞれ中立線32を中心として
上下2方向のいずれか一方に表示される。図5は、図2
に示すように吊り荷17の位置が運転者14から見てブ
ーム12の先端よりも前方位置にある時で、かつ運転者
14が操作レバー15を前方に押した時の表示映像を示
している。また図6は、図5とは逆の例を示したもの
で、吊り荷17の位置が運転者14から見てブーム12
の先端よりも後方位置にある時で、かつ運転者14が操
作レバー15を後方に引いた時の表示映像を示してい
る。なお、吊り荷17の振れ幅またはブーム先端速度が
0(零)ときは、中立線32のみが表示される。
【0035】図7は、上述した表示映像をクレーンの運
転席に配置した場合の例を示したもので、運転席の後方
から見たときの状態を示している。図7において、運転
手14の前方には前方窓ガラス33があり、その向こう
側には吊り荷17が見えている。一方、前方窓ガラス3
3の右側には表示装置27が設置されており、運転者1
4は前方の吊り荷17と、表示装置27上に映し出され
た表示映像31を交互に見ることができる。表示装置2
7には、前述したように振れ幅とブーム先端速度を表す
表示映像31が、それぞれ吊り荷17の振れ方向と操作
レバー15のストローク方向に対応付けて表示されてい
る。なお、表示装置27は、運転者14が見える範囲
で、かつ作業の邪魔にならない位置に設置されていれ
ば、図7の位置に限定されるものではない。運転手が見
える範囲としては、図8で示すように、前方窓ガラス3
3、上部窓ガラス34、側方窓ガラス35、計器パネル
36などがあり、これらのいずれかのパネル上に設置す
ることができる。また、運転者14の近傍に前記ガラス
やパネルとは別体に表示装置27を設置するようにして
もよい。
【0036】次に、運転者が吊り荷の振れ止めを行う場
合の操作手順を説明しながら、併せて吊り荷振れ止め支
援装置の動作について説明する。
【0037】図1において、クレーンの運転者14が操
作レバー15を操作してブーム12を動かすと、吊り荷
17は振り子の運動で横方向に振動する。ここで、吊り
荷17の振れは運転者14に対して前後方向に振れてい
るものとする。吊り荷17が振れ始めると、その振れ幅
と振れ方向が荷振れ幅検出センサ18により検出され、
振れ幅変位検出信号V1として出力される。同時に、運転
者14に操作された操作レバー15のストローク値とス
トローク方向が操作レバー変位検出センサ19により検
出されて、操作レバー変位検出信号V2として出力され
る。上記各センサから出力された検出信号V1、V2は表示
用演算装置20に入力される。
【0038】表示用演算装置20の荷振れ幅信号計算用
変換手段21では、入力された検出信号V1に対してA/
D変換などの処理を行い、荷振れ幅信号変換データW1と
して出力する。続いて、荷振れ幅信号値変換手段23で
は前記変換データW1を入力し、吊り荷17の振れ幅をグ
ラフ表示したときに、その振れ幅の表示レベルがあらか
じめ設定されている表示スケール内に収まるように変換
計算を行い、荷振れ幅表示データU1を出力する。
【0039】一方、レバー変位信号計算用変換手段22
では入力されたレバー変位検出信号V2に対してA/D変
換などの処理を行い、レバー変位信号変換データW2とし
て出力する。シリンダ速度換算手段24では、入力した
変換データW2を起伏シリンダ速度に変換し、シリンダ速
度信号変換データW3を出力する。続いて、ブーム先端速
度換算手段25は、前記シリンダ速度換算手段24で換
算された変換データW3を入力し、シリンダ速度をブーム
先端速度に変換することにより、ブーム先端速度信号変
換データW4を出力する。ブーム先端速度信号値変換手段
26では前記変換データW4を入力し、ブーム先端速度を
グラフ表示したときに、そのブーム先端速度の表示レベ
ルがあらかじめ設定されている表示スケール内に収まる
ように変換計算を行い、ブーム先端速度表示データU2を
出力する。
【0040】表示装置27では、荷振れ幅表示データU1
とブーム先端速度表示データU2を入力し、吊り荷の振れ
幅とブーム先端速度を、それぞれ吊り荷の振れ方向と操
作レバーのストローク方向に対応付けて表示する。これ
によって、吊り荷の振れ幅とブーム先端速度の2つの情
報が、図5または図6に示すように同時に運転者14に
見える位置に提示されることになる。
【0041】ここで、吊り荷17が運転者14から見て
ブーム先端よりも前方位置にある場合について見てみる
と、表示装置27上では、吊り荷17の振れ幅は図5
(a)のように表示される。この場合、吊り荷17の振
れ方向はブーム先端より前方であるため、運転者14は
この表示映像を見ながら操作レバー15を吊り荷17の
振れ方向と同じ方向に操作する(前方に倒す)。このと
きの操作レバー15のストローク値に応じて、同図
(b)に示すようにブーム先端速度が表示される。する
と、ブーム12の先端は吊り荷17の方向に移動するこ
とになるので、ダンピング効果(減衰効果)により吊り
荷17の振れは減衰することになる。
【0042】また、吊り荷17が運転者14から見てブ
ーム先端よりも後方位置にある場合について見てみる
と、表示装置27上では、吊り荷17の振れ幅は図6
(a)のように表示される。この場合、吊り荷17の振
れ方向はブーム先端より後方であるため、運転者14は
この表示映像を見ながら操作レバー15を吊り荷17の
振れ方向と同じ方向に操作する(後方へ引く)。このと
きの操作レバー15のストローク値に応じて、同図
(b)に示すようにブーム先端速度が表示される。する
と、ブーム12の先端は吊り荷17の方向に移動するこ
とになるので、同じくダンピング効果により吊り荷17
の振れは減衰することになる。
【0043】なお、吊り荷17は横方向に単振動してい
るため、実際の表示映像では図5(a)と図6(a)の
表示が交互に繰り返されることになる。したがって、運
転者14は吊り荷17の現位置に応じていずれか一方の
側に操作レバー15を操作することにより吊り荷17の
振れを止めることができる。
【0044】上述したように、この発明に係わる吊り荷
振れ止め支援装置によれば、吊り荷17の振れ幅と振れ
方向、およびブーム先端速度と操作レバー15のストロ
ーク方向を表す表示映像が表示装置27上に表示される
ので、吊り荷17が遠方で前後方向に振れている場合で
あっても、運転者14は操作レバー15を吊り荷17の
振れ方向と同じ方向に操作するだけで、吊り荷17の振
れを容易に止めることができる。しかも、吊り荷の位置
に対する操作レバーの操作方向が一目で判断できるた
め、従来のように運転者14がブームの起伏角と表示さ
れた補正値とを比較し、操作レバー15の操作量が表示
された数値と一致するようメーターを見ながら数値を合
わせる方式に比べて、迅速なレバー操作を行うことが可
能となる。
【0045】また、この発明に係わる吊り荷振れ止め支
援装置では、少なくとも荷振れ幅検出センサ18と操作
レバー変位検出センサ19の2つのセンサがあればよ
く、従来の方式に比べてセンサなどの部品点数を少なく
することができるため、回路構成も簡略化することがで
きる。
【0046】クレーン操作シュミレータにより操作実験
を行った場合の結果を図9に示す。図9は、吊り荷の振
れ幅と操作レバーのレバーの変位との関係を示したもの
で、横軸は時間、縦軸は振れ幅とレバーの変位を表して
いる。通常、吊り荷は振れ幅0を中心として徐々に振れ
幅を小さくしながら振動を繰り返すが、図9に示すよう
に、吊り荷の振れ方向とレバーの変位の方向とを一致さ
せることにより、吊り荷の振れが早く確実に止められる
ことが確認できた。
【0047】なお、実際には吊り荷の振れの方向に合わ
せてレバーを変位させているため、本来は図9で2本の
曲線はほぼ重なることになるが、ここでは図を見易くす
るために、振れ幅の極性を逆(振れ幅×(−1))に表
している。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係わる
吊り荷振れ止め支援装置では、吊り荷の振れ幅とブーム
先端速度を、それぞれ吊り荷の振れ方向とブーム操作レ
バーのストローク方向に対応付けて表示するようにした
ため、運転者は吊り荷の振れの方向にブーム先端速度の
変位の方向を合わせるだけで、吊り荷の振れを容易に止
めることができる。これによれば、吊り荷の位置に対す
る操作レバーの操作方向が一目で判断できるため、従来
のようにブームの起伏角と表示された補正値とを比較
し、操作レバーの操作量が表示された数値と一致するよ
うメーター等を見ながら数値を合わせる方式に比べて、
迅速なレバー操作を行うことができる。
【0049】また、この発明に係わる吊り荷振れ止め支
援装置では、少なくとも、吊り荷の振れの変位を検出す
るセンサと、操作レバーの変位を検出するセンサを設置
すればよいので、従来の方式に比べて部品点数を少なく
することができ、回路構成も簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる吊り荷振れ止め支援装置の全
体構成を示す説明図。
【図2】この発明に係わる吊り荷振れ止め支援装置を適
用した移動式クレーンの概略構成図。
【図3】図2の部分拡大図。
【図4】表示スケールの具体例を示す説明図。
【図5】表示映像の具体例を示す説明図。
【図6】表示映像の具体例を示す説明図。
【図7】表示映像をクレーンの運転席に配置した場合の
例を示す説明図。
【図8】表示装置の設置場所を示す説明図。
【図9】クレーン操作シュミレータにより操作実験を行
った場合の結果を示す説明図。
【図10】従来の吊り荷の振れ止め方法を説明するため
の概念図。
【符号の説明】
11…移動式クレーン 12…ブーム 13…起伏シリンダ 14…運転者 15…操作レバー 17…吊り荷 18…荷振れ幅検出センサ 19…操作レバー変位検出センサ 20…表示用演算装置 21…荷振れ幅信号計算用変換手段 22…レバー変位信号計算用変換手段 23…荷振れ幅信号値変換手段 24…シリンダ速度換算手段 25…ブーム先端速度換算手段 26…ブーム先端速度信号値変換手段 27…表示装置
フロントページの続き (72)発明者 新井 史人 愛知県名古屋市千種区青柳町6ー5ー1 (72)発明者 早川 信義 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内 (72)発明者 宮田 圭介 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブーム先端から吊り下げられた吊り荷の
    変位を検出する第1の検出手段と、 ブーム操作レバーの変位を検出する第2の検出手段と、 前記第2の検出手段で検出されたブーム操作レバーの変
    位をブーム先端の速度に変換する変換手段と、 前記第1の検出手段で検出された吊り荷の変位と、前記
    変換手段で変換されたブーム先端の速度を、それぞれ吊
    り荷の振れ方向とブーム操作レバーの変位方向に対応付
    けて表示する表示手段と、 を具備することを特徴とするクレーンの吊り荷振れ止め
    支援装置。
JP19976195A 1995-08-04 1995-08-04 クレーンの吊り荷振れ止め支援装置 Pending JPH0948586A (ja)

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