JPH0948479A

JPH0948479A - 液状品用ディスペンサー

Info

Publication number: JPH0948479A
Application number: JP8173379A
Authority: JP
Inventors: James L Copeland; ジェイムズ・エル・コープランド; Jeff W Peterson; ジェフ・ダブリュー・ピーターソン; Paul Anthony Pilosi; ポール・アンソニー・ピロシ
Original assignee: Ecolab Inc
Current assignee: Ecolab Inc
Priority date: 1995-08-07
Filing date: 1996-07-03
Publication date: 1997-02-18
Anticipated expiration: 2016-07-03
Also published as: DE19628172A1; US5992698A; DE19628172B4; AU5610296A; US6209184B1; AU701426B2; CA2181319C; CA2181319A1; JP3469995B2

Abstract

(57)【要約】【課題】替えカートリッジ等を備えたディスペンサー
を含む従来の液状品用ディスペンサーの諸問題を悉く解
決するディスペンサーを提供する。【解決手段】次の部材（a）〜（c）を具有する液状品
用ディスペンサー（１０）：（a）前面、溝を有する後
面および弁部材を有する排出口を備えた硬質カートリッ
ジ（１３）、（b）該カートリッジを支持してこれを実
質的に包囲するカバー部材（１２）および（c）該溝に
対応する大きさと形態を有するリブを備えて該カバー部
材に丁番的に連結された取付部材（１５）。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は水石鹸のような液
状品を計量分配(通常は計量小出し)するためのディスペ
ンサーに関する。このようなディスペンサーは公共用も
しくは施設用洗面所または比較的多数の人々が利用する
施設において特に衛生目的のために使用される。

【０００２】

【従来の技術】化粧室、洗面所、仕事場、研究所、病院
およびこれらと類似の施設等においては、多くの人々が
洗浄用石鹸を利用する。多数回の使用に供するために固
形の石鹸や洗剤を備える場合には、前の利用者が用いて
濡れた石鹸等の使用が後の利用者によって嫌われるとい
う問題がある。この問題のある程度の解決策として粉石
鹸等を収納したディスペンサーが設置されている。しか
しながら、粉体や粘性ペーストの計量小出し速度は非常
に遅い。また、粉石鹸は手の中で塊りとなり、水に溶け
てザラザラした感触がなくなるまでは手を激しくこすり
合わせなければならない。

【０００３】水石鹸は希釈液中に部分的に乳化されてい
て水に容易に分散するので、固形石鹸や粉石鹸に比べて
便利である。水石鹸用ディスペンサーは周知であり、公
共の施設等、例えば、レストラン、学校、病院および列
車等の化粧室や洗面所に設置されている。

【０００４】従来の一般的な水石鹸用ディスペンサー
は、大型の供給容器から補給を受けなければならない溜
めを具有する。この補充操作は多くの時間を必要とし、
また、面倒である。この種のディスペンサーは通常は壁
に取付けられるので、部品の修理や取り替えは困難であ
る。また、ディスペンサーは壁部に非常に近接するの
で、大型の供給タンクから水石鹸をディスペンサーの溜
めへ直接注ぎ込むことは困難な場合が多い。

【０００５】さらに、従来のディスペンサーは多数の部
品から成る比較的複雑な構造を有しており、その組み立
てはかなり厄介である。例えば、ディスペンサーのなか
には水石鹸を計量小出しするための複雑な圧力系を具有
するものがある。この種のディスペンサーは機械的難点
があるために、過度の摩耗を受け、かなり早い時期に故
障し、また、部品(特に、計量小出し用ノズルやカート
リッジポンプ)を取り替えるためにねじを緩めるとき
に、該部品は水石鹸による腐食および／または被覆を受
ける。

【０００６】化粧室や洗面所等に設置される水石鹸用デ
ィスペンサーは蛮行によって破損されることがあるため
に定期的に修理するか、または取り替えなければならな
い。ディスペンサーの定期的な取り替えにはかなりのコ
ストと不便が伴う。

【０００７】特定の製品をディスペンサーから確実に計
量小出ししなければならない場合がある。例えば、病院
では異種の石鹸やローションを計量小出しするために複
数のディスペンサーを利用することがあり、また、レス
トランにおいては数種の調味料を計量小出しするために
複数のディスペンサーを使用する場合がある。あるい
は、会社によっては、低品質石鹸用ディスペンサーを利
用せずに、高品質石鹸を計量小出しするための比較的高
価で耐久性の高いディスペンサーを設置する場合があ
る。従来のディスペンサーには、特定の種類の製品専用
のディスペンサーとして利用する場合に不適当な種類の
製品が該ディスペンサー内へ補給されるのを防止する機
構がない。

【０００８】従来の一部の石鹸用ディスペンサーにおい
ては、取外し可能に装着される水石鹸用容器またはカー
トリッジが取付けられており、空になった該容器または
カートリッジは別の容器またはカートリッジと交換され
る。しかしながら、この種の容器等は補充型のため、使
用済の容器等は回収し、殺菌処理に付し、内容液を充填
後、封止して再使用に供さなければならず、このような
処理作業には多大の時間とコストを必要とする。また、
この種の容器等は補充可能なため、再充填はユーザーが
おこなうことができるが、これによって内容液の汚染や
保証のないメーカー品の充填がもたらされる。

【０００９】ディスペンサーのなかには、ユーザーによ
ってディスペンサーから容易に取り外すことのできる容
器を備えたものがあり、該容器は不法または無許可に製
造された容器によって容易に取り替えることが可能とな
る。この問題を回避するために、一部のディスペンサー
においては、補給カートリッジまたは容器を包囲するた
めの鍵のついた閉鎖キャビネットを備え、許可のない者
の取り替えを防止する構造になっている。しかしなが
ら、このようなタイプの外被はコストが高いだけでな
く、多数の部材を必要とする場合が多く、その組立には
かなりの労力を伴う。

【００１０】従来のディスペンサーにはさらに１つまた
は複数個の欠点がある。このような欠点には次のものが
含まれる：相当な液体吐出圧の必要性、液溜めの取り替
えの困難性、液体のしたたり、細菌汚染の可能性、空気
の閉じ込めの可能性、供給液量の調節の困難性、および
液溜めの不完全な使い切り等。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】この発明は従来のディ
スペンサーに付随する多くの上記問題点を解決するため
になされたものである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】即ちこの発明は、下記の
部材(ａ)〜(ｃ)を具有する液状品用ディスペンサーに関
する： (ａ)液状品を収容する硬質カートリッジであって、前
面、垂線に対して所定角を成す溝が設けられた後面およ
び弁部材を有する排出口を備えた硬質カートリッジ、
(ｂ)該カートリッジを支持する床を有し、該カートリッ
ジを実質的に包囲するカバー部材、および(ｃ)該カバー
部材に丁番で連結された取付部材であって、垂線に対し
て所定角を成して該溝に対応する大きさと形態を有する
リブを備えた取付部材。

【００１３】この発明によるディスペンサーは、壁に取
付けるタイプの水石鹸等の液状品用ディスペンサーであ
る。このディスペンサーは液状品を収容するカートリッ
ジを備えており、該カートリッジはその後面に溝を有す
る。ディスペンサーはカートリッジの溝に対応する大き
さと形態を有するリブによって特徴づけられる取付部材
も備える。ディスペンサーカバー部材はカートリッジを
実質的に包囲し、丁番によって取付部材に連結される。
好ましい態様においては、ディスペンサーの取付ブラケ
ットはカートリッジを固定するための可動ラッチ部材を
有する。好ましいディスペンサーのリブと溝は、取付板
とカートリッジを製造する金型内において調整可能部材
によって形成される。

【００１４】この発明の別の観点によれば、次の工程
(i)〜(iii)を含む水石鹸等の液状品用ディスペンサーの
製法が提供される： (i)取付ブラケット上にリブを形成させるための調整可
能なインサートを有する第一金型内で取付ブラケットを
形成させ、(ii)カートリッジに溝を形成させるための調
整可能な流路を有する第二金型内でカートリッジを形成
させ、次いで、(iii)該カートリッジと取付ブラケット
を外被部材内で組立てる。

【００１５】上記ディスペンサーの一つの利点は、取付
ブラケットとカートリッジの対応するリブと溝によっ
て、ディスペンサーにおける不適当な製品の使用が防止
できることである。これは、不適当なまたは保証のない
カートリッジが取付ブラケット内の固有の嵌合位置に嵌
合しないことに起因する。ディスペンサーは、リブと溝
の大きさと形態がユーザーおよび／またはディスペンサ
ー内の水石鹸やその他の液状品の種類に応じて変化でき
るように設計される。例えば、病院の場合、外科部門に
おいては殺菌性製品の供給が要請され、他の部門では別
の種類の石鹸が適当なことがある。従って、病院のある
部門においては殺菌性製品を保有するカートリッジを収
納するように設計されたタイプのディスペンサーが設置
され、一方、別の部門においては別の種類の石鹸を保有
するカートリッジを収納するように設置された別のタイ
プのディスペンサーが利用される。各々のディスペンサ
ーが適当な製品を保有するカートリッジと確実に嵌合す
るようにディスペンサーの金型とカートリッジの金型を
特有の大きさと形態に設計することにより、異なる大き
さと形態を有するディスペンサーとカートリッジを容易
に製造することができる。

【００１６】上記ディスペンサーの別の利点は、製造コ
ストが安くて長持ちすることである。ディスペンサー
は、手作業による機械加工を必要としない低コストのプ
ラスチック製成形部材を用いて製造することができ、金
属製部材は不要である。ディスペンサーは特別な熟練を
必要とすることなく、成形部材を用いて容易に組み立て
ることができる。このためディスペンサーは比較的低価
格で提供することができ、この点は、ディスペンサーが
蛮行や悪戯またはその他の理由によって破損された場合
に特に有利である。

【００１７】本発明のさらに別の利点は、水石鹸等を保
有する新しいカートリッジをディスペンサーに容易に収
納できることである。ディスペンサーはカートリッジの
正確な位置決めを必要としないので、カートリッジは水
石鹸等を計量小出しする位置へ容易に収納できる。即
ち、カートリッジの着脱操作は容易かつ迅速におこなう
ことができる。このような水石鹸等の液状品保有カート
リッジを使用する場合には、従来多くのディスペンサー
に付随する内容液の無駄と漏出は問題とならない。

【００１８】本発明のその他の特徴や利点については、
添付図に基づく以下の発明の実施の形態によって明らか
にする。添付図を通して用いる同一の指示番号は対応す
る部材や部分等を示す。

【００１９】

【発明の実施の形態】図１は本発明によるディスペンサ
ーの斜視図である。図２は本発明によるディスペンサー
の側面図である。図３はディスペンサーとカートリッジ
の分解組立斜視図である。図４は本発明によるディスペ
ンサーの後板の正面図である。図５はカートリッジの背
面図である。図６はカートリッジのポンプの作動機構を
示す模式的断面図である。(Ａ)は計量小出し操作の開始
時の状態を示し、(Ｂ)はヘッドの最初の効果行程を示
し、(Ｃ)はポンプの排出作用が準備された状態を示し、
(Ｄ)は内容液が計量小出しされる状態を示す。図７はデ
ィスペンサーの製造に使用する成型用具の斜視図であ
る。図８は図７に示す成形用具の底面図である。

【００２０】以下本発明の好ましい態様について説明す
る。本発明によるディスペンサーは図１〜図３において
は(１０)で示す。このディスペンサーは水石鹸やその他
の液状品の計量分配に用いられる。ディスペンサー(１
０)は垂直な壁面またはその他の適当な表面上に取り付
けられる。ディスペンサー(１０)はカバー部材もしくは
外被(１２)、カートリッジ(１３)、押板(１４)および取
付部材もしくはブラケット(１５)を具備する。好ましい
態様においては、これらの構成部材(１２)、(１４)およ
び(１５)は適当なプラスチック材料の射出成形によって
製造される。外被(１２)およびブラケット(１５)は種々
のプラスチック材料、例えば、ポリプロピレン、耐衝撃
性ポリスチレンまたはアクリロニトリル／ブタジエン／
スチレンターポリマー(ＡＢＳ)等から製造することがで
きるが、好ましいプラスチック材料はＡＢＳである。カ
ートリッジは高密度ポリプロピレンの吹込成形によって
製造するのが好ましい。カートリッジは再循環プラスチ
ック樹脂から製造してもよい。

【００２１】好ましい態様においては、外被(１２)の表
面は審美的で洗浄が容易な傾斜または丸みをおびた形態
を有する。外被(１２)は単一の一体成形体にするのが好
ましい。外被(１２)の前面には湾曲凹部(１１)が形成さ
れる。外被(１２)周縁リム(１６)は、ディスペンサーが
取付けられる壁面またはその他の表面と接触する。ディ
スペンサー(１０)は壁面と外被(１２)によって完全に包
囲され、また、外被(１２)はカートリッジの排出管(５
９)を収容する切欠き(４５)を有する。

【００２２】カートリッジまたは替えボトル(１３)は水
石鹸等の液状品(４１)を保有する。カートリッジ(１３)
に充填する液状品としては水石鹸の外に、シャンプー、
コンディショナー、家庭用洗剤、洗浄剤、磨き剤、モイ
スチャークリームおよび調味料等が例示される。カート
リッジ(１３)の本体は、ディスペンサーの外被内にカト
リッジが適切に嵌合される限り、種々の形態を有してい
てもよい。図示する形態の場合、カートリッジ(１３)は
上部壁(１８)、底部壁(４６)、一対の平行な側部壁(８
５)、前部壁(８０)および後部壁(５０)を有する。カー
トリッジ(１３)の前部壁(８０)は、外被(１２)の凹部
(１１)と同一の大きさと形態の凹部(１７)を有する。

【００２３】カートリッジの後部壁(５０)には１または
複数の溝(５１)が形成されており、該溝以外の部分は平
坦である。図示する態様の場合、カートリッジ(１３)は
長方形の単一の溝(５１)を有しており、該溝の縦方向は
垂直である。カートリッジ(１３)は比較的硬質であっ
て、透明または半透明なプラスチック材料から製造する
のが好ましい。カートリッジ(１３)内の液状品(４１)は
着色するのが好ましく、これによってユーザーはカート
リッジ(１３)内の液状品の残存量を知ることができる。
カートリッジ(１３)内の液状品(４１)の残存量の確認を
容易にするために、外被(１２)にのぞき窓(図示せず)を
設けてもよい。カートリッジ(１３)の容積は約１リット
ルにするのが好ましい。

【００２４】好ましい態様においては、カートリッジ
(１３)の前部壁(８０)と底部壁(４６)を直交させずに、
カートリッジの前部壁の下部に湾曲部(５６)を設ける。
浸漬管(６６)はカートリッジ(１３)の内部において下方
に延び、カートリッジ内の水石鹸等の液状品を吸い上げ
る。カートリッジ(１３)の湾曲部(５６)は水石鹸等の液
状品を、浸漬管(６６)によって吸い上げられる場所へ導
く。

【００２５】好ましい態様においては、カートリッジ
(１３)の底部壁(４６)は前面に向けて下方へ幾分傾斜さ
せる。この傾斜角は水平から約７度にするのが最も好ま
しい。さらに、カートリッジの底部壁(４６)の中央部
は、該底部壁の残余の部分よりも幾分凹ませるのが好ま
しい。このような形態を採用することによって水石鹸等
の液状品が集められる溜めが形成され、該溜めには浸漬
管(６６)の下部端を位置させる。

【００２６】好ましい態様においては、外被(１２)の上
部端には押板(１４)を取付ける。押板(１４)には一対の
ピン(５３)を配設し、該ピンを外被(１２)に設けられた
対置する開口部(図示せず)を嵌合させるのが好ましい。
水石鹸等の液状品を排出させるには、押板(１４)の上部
面に指圧を印加して該押板を押下げる。外被に設けられ
た止め部材(図示せず)によって押板(１４)の過度の押下
げは防止される。押板(１４)のつまみ凹部(２０)はユー
ザーに対して該押板(１４)に力を加えるのに最適な位置
を示す。押板の前部端の矢印は、液状品が計量小出しさ
れる点を示す。健康管理状態のような特定の情況下にお
いては、押板(１４)を前腕または肘で押下げ、ディペン
サー(１０)に手を接触させないのが望ましいことがあ
る。

【００２７】取付ブラケット(１５)は開口部(５５)を有
しており、該開口部を介して該ブラケットはねじまたは
類似の固定部材によって壁面上に取付けられる。ねじや
ファスナーではなく、接着性ストリップ(図示せず)を用
いて取付ブラケット(１５)を壁面上に固定してもよい。

【００２８】図３および図４に示すように、取付ブラケ
ット(１５)は垂直な後部板(２５)を有しており、該後部
板(２５)には複数の前方へ突出した部材(２６)、(２７)
および(２８)が一体的に形成される。取付ブラケット
(１５)の外縁形態は外被(１２)の形態に対応するので、
外被(１２)を取付ブラケット(１５)に設置すると、前者
は後者を覆い隠す。取付ブラケット(１５)はカートリッ
ジ(１３)を支持するための底部面または床を有する。

【００２９】一対の可撓性突起(３０)を有するラッチ部
材(２６)が取付ブラケット(１５)に配設される。図３に
示すように、該突起(３０)は壁面に対して実質的に直角
を成す。各突起は先端にフックまたは戻り止め(２９)を
有する。外被(１２)をブラケット(１５)に取付けると、
戻り止め(２９)は外被(１２)に形成された一対のノッチ
またはくぼみ(図示せず)と咬み合う。取付ブラケット
(１５)の内部には、突起(３０）と一列に並んだ一列の
ランプ(図示せず)が設けられる。突起(３０)の弾性に起
因して、カートリッジ(１３)と外被(１２)が摺動的に咬
み合うと、該突起はランプに対して下方へ反れる。外被
(１２)を取付ブラケット(１５)に対置させると、突起
(３０)の戻り止め(２９)は上方へ跳ね返って外被のラン
プと咬合う。

【００３０】好ましい態様においては、取付ブラケット
のリム(３７)の上部には、外被(１２)の内部において下
方に延びた一対の部材(図示せず)を収容できる大きさと
形態を有する一対のノッチ(３１)が配設される。さら
に、取付ブラケット(１５)は足板(２８)を有する。足板
(２８)は対置する一対の開口部(５４)を有する。開口部
(５４)は外被(１２)の内部において内側に延びたピン
(図示せず)を収容する。従って、外被(１２)は足板(２
８)を介して取付ブラケット(１５)と丁番状に連結され
る。固定された取付ブラケット(１５)から外被(１２)を
取り外す場合には、ユーザーは外被(１２)の上部を把握
し、該外被を壁面から離反する方向へ引っ張ればよい。
十分な力が外被(１２)に加えられるならば、戻り止め
(２９)の位置がずれ、外被(１２)は取付ブラケット(１
５)から離反して下方へ回転してカートリッジ(１３)が
露出するので、空のカートリッジと替えカートリッジを
交換することができる。カートリッジの交換後、外被
(１２)を取付ブラケット(１５)に対置する位置まで逆回
転させると、該ブラケットとカートリッジ(１３)は外被
(１２)によって完全に包囲される。ブラケット(１５)上
の足板(２８)は外被(１２)を閉鎖したときにカートリッ
ジ(１３)を正確に位置決めするのに役立つ。従って、ユ
ーザーはカートリッジ(１３)を外被(１２)内に正確に位
置決めして装着させる必要はない。

【００３１】取付ブラケット(１４)はリブ(またはフィ
ンもしくはラグ)(３２)を有する。図示する態様の場合
には、単一のリブ(３２)のみが示されているが、複数の
リブを設けてもよい。リブ(３２)はブラケット表面上の
前部突起(２７)から突出する。リブ(３２)は、カートリ
ッジ(１３)の後部壁(５０）上の溝(またはスロット)(５
１)と嵌合するような大きさと形態を有する。リブ(３
２)は、取付ブラケット(１５)のその他の部分と一体的
に成形される。

【００３２】リブ(３２)の角度および対応するカートリ
ッジの溝(５１)の角度を変えることによってマルチ形態
のディスペンサーを得ることができる。あるいは、これ
らの部材の大きさ、形態および位置を変えてもよい。ブ
ラケット(１５)のリブ(３２)とカートリッジ(１３)の溝
(５１)との界面の形状は、ブラケット(１５)とカートリ
ッジ(１３)の製造に用いるモールドの特有のデザインに
よって決定される。

【００３３】ブラケット(１５)上のリブ(３２)とカート
リッジ(１３)上の溝(５１)を種々の位置に配設すること
によってマルチキー締めをおこなうことができる。図７
は、取付ブラケット(１５)用モールド内で使用される成
形用具(７０)の斜視図である。成形用具(７０)は取付ブ
ラケット(１５)内にリブ(３２)を形成する金型インサー
ト(７１)を有する。金型インサート(７１)は回転テーブ
ル(７４)によって支持される。テーブル(７４)は、スプ
リングピン(７６)に連結された複数のショルダーボルト
(７５)上に載置される。金型インサート(７１)は回転中
心点(７２)上に位置するが、該金型インサート(７１)の
一方の端部は他端よりも回転中心点(７２)から長く延び
る。このオフセットによって、ブラケット(１５)とカー
トリッジ(１３)との間のロックアウト界面が改良され
る。

【００３４】金型インサート(７１)の位置は調整可能で
ある。金型インサート(７１)の可能な位置は一連の数字
(７３）で示す。この一連の位置によって、カートリッ
ジ(１３)とブラケット(１５)の正確な嵌合が保証され
る。図７および図８に示す金型ピースは取付ブラケット
に関するものであるが、カートリッジ(１３)用金型ピー
スの構造も類似の調整機構を有する。好ましい態様にお
いては、上記の一連の数字はブラケット(１５)とカート
リッジ(１３)に軽く型押される。図示する態様の場合、
金型インサート(７１)には１０種の調整が可能である。
金型インサート(７１)の各々の調整は約３６度の間隔で
おこなわれ、金型インサート(７１)は３６０度回転させ
ることができる。

【００３５】各々のショルダーボルト(７５)の上部はピ
ン(７７)である。テーブル(７４)の裏面には環状トラッ
ク(７８)が配設される。スプリングが装着されたピン
(７７)は、複数のくぼみ(７９)を有するトラック(７８)
の内部で支持される。金型インサート(７１)の位置調整
するためには、ユーザーはテーブル(７４)を単に押下げ
てピン(７７)がくぼみ(７９)に嵌合するまで該テーブル
を回転させればよい。この操作は、いずれかの部材の金
型からの離脱およびいずれかの部材もしくは金型インサ
ートの取替えを伴わずにおこなうことができ、これによ
って、コストと時間が著しく節約させる。金型インサー
ト(７１)の別の調整機構を利用してもよい。例えば、金
型インサート(７１)はボルトを用いて調整することがで
きる。即ち、ボルトをゆるめることによって金型インサ
ートを回転させ、該インサートが所定の位置まで移動し
たならばボルトを締める。

【００３６】商業的な理由から、特定の種類の水石鹸等
の液状品のみを保有するカートリッジ(１３)を使用すべ
き場合には、特定の形態を有するカートリッジ(１３)と
これに対応する形態を有する取付ブラケット(１５)を用
いればよい。このような形態は、計量小出しされる製品
の種類に応じて変えてもよい。異なる調整位置において
異なる製品を計量小出しするために特定の形態を有する
リブと溝を採用することによって、保証のないカートリ
ッジがディスペンサーに装着される問題は回避される。
何故ならば、保証のないカートリッジまたは無許可のカ
ートリッジ(１３)は取付ブラケット(１５)における所定
の嵌合位置において嵌合わないからである。

【００３７】押板(１４)を押下げることによって、カー
トリッジ(１３)内の、例えば水石鹸をユーザーの手の中
へ直接排出させることができる。押板(１４)を押下げる
と、水石鹸はポンプ装置(６５)によって押出される。カ
ートリッジのポンプ装置(６５)の操作を図６の(Ａ)〜
(Ｄ)に示す。ポンプ装置(６５)は、カートリッジ(１３)
のネック(４０)と嵌合するキャップ(２１)を有する。キ
ャップ(２１)は、望ましくない製品または不適当な製品
が補給されないように、カートリッジ(１３)に結合また
は安全に接合させるのが好ましい。ポンプ装置(６５)は
比較的平坦な上部面を有するヘッド(５８)を具備する。
ヘッド(５８)のノズルの末口は幾分下方へ延びるように
して排出管または延長ノズル(５９)に接続するのが好ま
しい。排出管(５９)としては、ヘッドのノズルの外側に
摺動的に嵌合する可撓性チューブを用いるのが好まし
い。排出管(５９)は押板(１４)の下方へ延び、該押板の
リップによって実質的に覆い隠される。

【００３８】図６の(Ａ)計量小出し操作の開始時のポン
プ装置(６５)の状態を示す。この状態では、チャンバー
(６０)内の大気圧によって弁座上の玉弁(６１)は下方へ
押しつけられ、ピストンチャンバー内は真空となる。球
状弁(６３)はばねの作用によってその弁座上へ押しやら
れる。図６の(Ｂ)においては、ヘッド(５８)の最初の降
下行程によってポンプ(６５)内の空気が追い出されるの
で、玉弁(６１)は上方へ移動し、球状弁(６３)は下方へ
移動する。図６の(Ｃ)においては、チャンバー(６２)内
の真空によって液状品(４１)はポンプ(６５)内へ流入す
るので、ポンプ(６５)の排出作用が準備される。図６の
(Ｄ)に示すように、ヘッド(５８)をさらに下方へ押下げ
ることにより、液状品(４１)はチャンバー(６２)と(６
０)を通って上方へ計量分配された後、ヘッド(５８)と
排出管(５９)を介して小出しされる。浸漬管(６６)はカ
ートリッジ(１３)内の下方へ延びる。浸漬管(６６)はア
ダプター(６９)によってポンプ装置(６５)に取付けられ
る。浸漬管(６６)によってカートリッジ(１３)は完全に
排気される。

【００３９】使用中は、カートリッジ（１３）には該カ
ートリッジのメーカーまたは販売者によって提供される
水石鹸等が充填されている。カートリッジ（１３）は製
造コストが安いので、使い捨てにするのが好ましい。キ
ャップ（２１）とポンプ装置（６５）はカートリッジの
ネック（４０）に固定される。外被（１２）を回転させ
て取付ブラケット（１５）から離反させ、カートリッジ
（１３）を外被（１２）の床上に位置させると、カート
リッジのキャップ（２１）は外被の切欠き（４５）内に
位置し、排出管（５９）は押板（１４）の下方へ延び
る。好ましい態様においては、排出管（５９）を所定の
位置に保持する押板（１４）の裏面にＵ字型のガイド
（図示せず）を設ける。外被（１２）を取付ブラケット
（１５）の方向へ回転させて該外被を該ブラケットに取
付けると、２本のアーム状の突起（３０）は外被（１
２）内のノッチと嵌合う。

【００４０】水石鹸等の液状品を計量小出しするには、
押板（１４）を押下げるだけでよい。この操作によって
押板（１４）の裏面がポンプのヘッド（５８）と接触
し、予め決められた所定量の水石鹸等の液状品（４１）
が小出しされる。取付ブラケット（１５）からカートリ
ッジ（１３）を取外すには、ユーザーは外被（１２）の
上部を把持して該外被をブラケット（１５）から離反さ
せる方向へ引くことによって締付突起（３０）を外せば
よい。この操作により、用具を用いることなく、カート
リッジ（１３）をブラケット（１４）から取外すことが
できる。

【００４１】以上、本発明による特徴や利点について説
明したが、これらの記載は単なる例示に過ぎない。カー
トリッジ（１３）は、図示したリブや溝ではなくて取付
ブラケット（１５）の中空部内に嵌合する外側への突出
部材を有していてもよい。従って、リブ、ラグ、溝、ス
ロットおよび流路等の用語は単なる雌型部材や雄型部材
を意味するものに限定されない。本発明の構成要件、特
に、各々の部材の形態、大きさおよび配置等は前記の請
求項記載の一般的な広義の構成要件によって特定される
本発明の技術的思想の範囲内において広範囲に変化させ
ることができる。

【００４２】

【発明の効果】本発明によれば、替えカートリッジ等を
備えたディスペンサーを含む従来の液状品用ディスペン
サーの前記諸問題を悉く解決することができる。特に、
本発明によるディスペンサーは構成部材点数が比較的少
なく、製造コストが安くて長持ちし、不適当な替えカー
トリッジ等の使用が防止でき、また、替えカートリッジ
等の取替えが簡単である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるディスペンサーの斜視図であ
る。

【図２】本発明によるディスペンサーの側面図であ
る。

【図３】ディスペンサーとカートリッジの分解組立斜
視図である。

【図４】本発明によるディスペンサーの後板の正面図
である。

【図５】カートリッジの背面図である。

【図６】カートリッジのポンプの作動機構を示す模式
的断面である。（Ａ）は計量小出し操作の開始時の状態
を示し、（Ｂ）はヘッドの最初の降下行程を示し、
（Ｃ）はポンプの排出作用が準備された状態を示し、
（Ｄ）は内溶液が計量小出しされる状態を示す。

【図７】ディスペンサーの製造に使用する成型用具の
斜視図である。

【図８】図７に示す成形用具の底面図である。

【符号の説明】

１０ディスペンサー１１凹部１２外被１３カートリッジ１４押板１５ブラケット１６周縁リム１７凹部１８上部壁２０つまみ凹部２１キャップ２５後部板２６ラッチ部材２７前部突起２８足板２９戻り止め３０突起３２リブ４０ネック４１液状品４５切欠き４６底部壁５０後部壁５１溝５３ピン５４開口部５５開口部５６湾曲部５８ヘッド５９排出管６０チャンバー６１玉弁６２チャンバー６３球状弁６５ポンプ装置６６浸漬管６９アダプター７０成形用具７１金型インサート７２回転中心点７３数字７４テーブル７５ショルダーボルト７６スプリングピン７７ピン７８トラック７９くぼみ８０前部壁８５側部壁

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者ポール・アンソニー・ピロシアメリカ合衆国55410ミネソタ州ミネアポリス、ウエスト・フォーティフォース・ストリート2628番

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】下記の部材(ａ)〜(ｃ)を具有する液状品
用ディスペンサー： (ａ)液状品を収容する硬質カートリッジであって、前
面、垂線に対して所定角を成す溝が設けられた後面およ
び弁部材を有する排出口を備えた硬質カートリッジ、 (ｂ)該カートリッジを支持する床を有し、該カートリッ
ジを実質的に包囲するカバー部材、および (ｃ)該カバー部材に丁番で連結された取付部材であっ
て、垂線に対して所定角を成して該溝に対応する大きさ
と形態を有するリブを備えた取付部材。
【請求項２】取付部材がプラスチック製の単一成形片
である請求項１記載のディスペンサー。
【請求項３】カバー部材を取付部材に連結するための
付属部材であって、カートリッジの凹部と離脱可能に嵌
合する大きさと形態を有して該取付部材に設けられた可
動性ラッチ部材を含む付属部材をさらに具有する請求項
１記載のディスペンサー。
【請求項４】取付部材が２個またはそれよりも多くの
リブを有する請求項１記載のディスペンサー。
【請求項５】カートリッジが２個またはそれよりも多
くの溝を有する請求項１記載のディスペンサー。
【請求項６】溝とリブの該角度がカートリッジ内の液
状品の種類に応じて変化する請求項１記載のディスペン
サー。
【請求項７】溝とリブの該角度がディスペンサーを使
用するユーザーに応じて変化する請求項１記載のディス
ペンサー。
【請求項８】取付部材形成用金型がインサートを含
み、該インサートの位置が調整可能であり、該位置によ
ってリブの該角度が制御される請求項２記載のディスペ
ンサー。
【請求項９】取付部材形成用金型が流路を有し、該流
路の位置が調整可能であり、該位置によって溝の該角度
が制御される請求項２記載のディスペンサー。
【請求項１０】下記の部材(ａ)〜(ｃ)を具有する水石
鹸用ディスペンサー： (ａ)水石鹸を収容する容器であって、予め決められた角
度を成す溝を有する後部壁および排出口を備えた容器、 (ｂ)予め決められた角度を成して該溝と嵌合する大きさ
と形態を有するリブを備えた取付用ブラケット、および (ｃ)該容器と取付用ブラケットを収納する外被(この場
合、該容器と取付用ブラケットは別々の金型内で成形さ
れる部材であり、該角度は調整可能な各金型の金型整定
によって決定される)。