JPH094846A - 二重ライナの端部構造 - Google Patents

二重ライナの端部構造

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JPH094846A
JPH094846A JP15311795A JP15311795A JPH094846A JP H094846 A JPH094846 A JP H094846A JP 15311795 A JP15311795 A JP 15311795A JP 15311795 A JP15311795 A JP 15311795A JP H094846 A JPH094846 A JP H094846A
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Ryoichi Sato
亮一 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 二重ライナの端部構造を板材で構成する。さ
らに、熱膨張による割れの発生を少なくする構造とす
る。 【構成】 内側円筒ライナ15と、この内側円筒ライナ
15の端部より所定長さ軸方向に設けられ内側円筒ライ
ナ15の外周と内径で接合し所定の外径を有する端部ラ
イナ17と、一方の端部が内側円筒ライナ15の端部と
ほぼ同じ位置にあり端部ライナ17の外周と接合し一方
の端部より軸方向で内側円筒ライナ15の存在する側へ
所定距離離れて他方の端部を有する短円筒ライナ18
と、この短円筒ライナ18の他方の端部側で外周が軸方
向に所定長さ短円筒ライナ18の内周と嵌合して配置さ
れた外側円筒ライナ20と、短円筒ライナ18の外周と
嵌合し一方の端部が内側円筒ライナ15の端部とほぼ同
じ位置で他方の端部が外側円筒ライナ20に固着され外
側円筒ライナ20と共に短円筒ライナ18の他方の端部
側を軸方向に摺動自在に挟んでいる覆い円筒ライナ19
とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジェットエンジンやガ
スタービンの燃焼室や排気部に設けられた二重ライナの
端部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】ジェットエンジンやガスタービンの燃焼
室や排気部の燃焼ガスが接する壁は高温となるため二重
とし、その内部に冷却空気を通して冷却する構造が採用
されている。図5はジェットエンジンのテスト機の一例
を示す。ジェットエンジン1は通常、ファン、圧縮機
2、燃焼室3、高圧タービン4、低圧タービン等を備え
ているが、基本的性能を確認する段階ではファンや低圧
タービンを設けないでテストを行う場合がある。しかし
低圧タービンは高温の排気を整流する働きを有してお
り、これに代わるガイドベーン5を設けている。
【0003】図6は排気部の二重壁の一例としてガイド
ベーン近傍の二重壁の構造を示す。二重ライナは円筒状
の外側ライナ7と内側ライナ8よりなり後部はピン9で
固定され、前部は前部支持ケース10に設けられた支持
リング11により軸方向に摺動可能に支持されている。
外側ライナ7と内側ライナ8の先端はリング状の取付金
物12と接合しており、この取付金物12と支持リング
11が摺動可能に嵌合している。ガイドベーンは二重ラ
イナを貫通しており、ピン9とともに支持ケース13に
取付けられている。ピン9は中空になっており頭部より
冷却空気を供給し矢印で示すように流し取付金物12に
設けられた開口から燃焼排ガス内へ放出して内側ライナ
8を冷却する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】二重ライナが支持構造
と摺動可能に取り合う場合、従来は図6で示したように
取付金物12を用いていた。取付金物12は鍛造で製作
されるためコストが高かった。また取付金物12とライ
ナとの取付け部は熱膨張が拘束され、割れが発生するこ
とがあった。
【0005】本発明は上述の問題点に鑑みてなされたも
ので、取付金物を板材で構成した二重ライナの端部構造
を提供することを目的とする。さらに、熱膨張による割
れの発生を少なくした二重ライナの端部構造を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明では、内側円筒ライナと、該内側円
筒ライナの端部より所定長さ軸方向に設けられ内側円筒
ライナの外周と内径で接合し所定の外径を有する端部ラ
イナと、一方の端部が内側円筒ライナの端部とほぼ同じ
位置にあり前記端部ライナの外周と接合し前記一方の端
部より軸方向で内側円筒ライナの存在する側へ所定距離
離れて他方の端部を有する短円筒ライナと、該短円筒ラ
イナの他方の端部側で外周が軸方向に所定長さ短円筒ラ
イナの内周と嵌合して配置された外側円筒ライナと、前
記短円筒ライナの外周と嵌合し一方の端部が内側円筒ラ
イナの端部とほぼ同じ位置で他方の端部が前記外側円筒
ライナに固着され外側円筒ライナと共に短円筒ライナの
他方の端部側を軸方向に摺動自在に挟んでいる覆い円筒
ライナとを備える。
【0007】請求項2の発明では、前記内側円筒ライナ
の端部近傍と前記端部ライナと前記短円筒ライナの一方
の端部近傍で構成されるリング状溝に二重ライナ支持用
のリングが嵌合する。
【0008】請求項3の発明では、前記内側円筒ライナ
の端部には軸方向にスリットが複数条設けられ該スリッ
トの一部を覆うシールプレートが内側円筒ライナの外面
に取付けられている。
【0009】請求項4の発明では、前記外側円筒ライナ
の端部には軸方向にスリットが設けられ、該スリットは
前記短円筒ライナで覆われている。
【0010】請求項5の発明では、前記覆い円筒ライナ
は軸方向にスリットが複数条設けられ、前記短円筒ライ
ナは円周方向で複数に分割されており、この分割位置と
覆い円筒ライナのスリット位置は互いにずれている。
【0011】請求項6の発明では、前記端部ライナは前
記内側円筒ライナの外径とほぼ同一の内径の第1円筒と
前記外側円筒ライナの外径とほぼ同一の外径の第2円筒
と該第1円筒および第2円筒をつなぐ端板により段付円
筒状に構成され、円周方向で複数に分割されて構成され
ている。
【0012】
【作用】請求項1の発明によれば、内側円筒ライナの端
部から所定長さ軸方向に端部ライナが設けられ、端部ラ
イナの外周に短円筒ライナが設けられている。この短円
筒ライナの内面に嵌合して外側円筒ライナが設けられ、
さらに短円筒ライナの外面に嵌合して覆いライナが設け
られ、覆いライナと外側円筒ライナで短円筒ライナを摺
動可能に挟んだ構造としている。これにより内側円筒ラ
イナと外側円筒ライナとは軸方向に独立に移動可能な構
造となっている。
【0013】請求項2の発明によれば、内側円筒ライナ
の端部近傍と端部ライナと短円筒ライナの一方の端部近
傍でリング状溝を構成しているので、従来構造の取付金
物を構成しており、二重ライナ支持用のリングと嵌合す
ることができる。
【0014】請求項3の発明によれば、内側円筒ライナ
の端部には軸方向にスリットが複数条設けられ、このス
リットの一部を覆うシールプレートが内側円筒ライナの
外面に取付けられている。これにより内側円筒ライナの
半径方向の伸びに対する拘束を緩和することができる。
またシールプレートによりスリットからの冷却空気の漏
れを防止する。
【0015】請求項4の発明によれば、外側円筒ライナ
の端部には軸方向にスリットが設けられ、該スリットは
短円筒ライナで覆われているので、外側円筒ライナの半
径方向の伸びに対する拘束を緩和することができる。こ
のスリットが短円筒ライナで覆われているので、冷却空
気の漏れを防止する。
【0016】請求項5の発明によれば、覆い円筒ライナ
は軸方向にスリットが複数条設けられ、短円筒ライナは
円周方向で複数に分割されているので、覆い円筒ライナ
と短円筒ライナの半径方向の伸びに対する拘束は緩和さ
れ、また、この分割位置と覆い円筒ライナのスリット位
置は互いにずれているので、冷却空気の漏れを防止す
る。
【0017】請求項6の発明によれば、端部ライナは段
付円筒状に構成されているので、内側円筒ライナおよび
短円筒ライナとの接触面積が大きくとれ、スポット溶接
などでの接合が容易になる。また、円周方向で複数に分
割されているので、端部ライナの半径方向の伸びに対し
拘束を緩和する。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。なお各図面において共通する部分には同一
の符号を用いる。図1は本実施例の二重ライナ端部構造
を示す断面図である。本図は二重ライナ端部構造以外は
図6と同一である。すなわち、タービン排気部の二重ラ
イナの一例としてガイドベーン近傍の二重ライナの構造
を示す。二重ライナは内側円筒ライナ15と外側円筒ラ
イナ20から構成され、後部はピン9で固定され、前部
は前部支持ケース10に設けられた支持リング11によ
り軸方向に摺動可能に支持されている。
【0019】シールプレート16は内側円筒ライナ15
のスリットの一部を覆うために設けられている。端部ラ
イナ17は段付円筒を円周方向に複数に分割した構造と
なっており外側ライナ20と同じ外径を有している。短
円筒ライナ18は端部ライナ17の外周に円周方向に分
割して取付けられている。端部ライナ17と短円筒ライ
ナ18はリング状の溝を構成し前部支持ケース10に設
けられた支持リング11と軸方向に摺動可能に嵌合す
る。覆い円筒ライナ19は短円筒ライナ18を覆い、外
側円筒ライナ20と共に短円筒ライナ18を摺動可能に
挟んだ構造となっている。
【0020】図2は内側円筒ライナ15とシールプレー
ト16を示し、(A)は円周方向の展開図、(B)は断
面図を示す。内側円筒ライナ15には軸方向にスリット
15aが設けられ、半径方向の熱膨張に対する拘束を緩
和する。スリットの終端は円形とし応力集中を緩和す
る。内側円筒ライナ15の端部には多数の排気穴21が
設けられ冷却空気を排出する。シールプレート16は2
本のスリット15aにまたがりそれらの約半分の長さを
シールする。シールされないスリット15aの部分は排
気穴21と共に冷却空気を排出する。シールプレート1
6はその中央にスリット16aを有し内側円筒ライナ1
5の半径方向の伸びを拘束しないようにしている。シー
ルプレート16は内側円筒ライナ15に+で示す位置で
スポット溶接されている。
【0021】図3は端部ライナ17と外側円筒ライナ2
0を示し、(A)は円周方向の展開図、(B)は断面図
を示す。端部ライナ17は段付円筒を円周方向に分割し
た構造で、内側円筒ライナ15の端部の外周に沿って設
けられ、分割位置は内側円筒ライナのスリット15aの
位置と同じくしている。+で示す位置で内側円筒ライナ
15にスポット溶接されている。端部ライナ17の外径
は外側円筒ライナ20の外径と同じとなっており、外側
円筒ライナ20の端部にはスリット20aを有し外側円
筒ライナ20の半径方向の伸びを拘束しないようにして
いる。
【0022】図4は覆い円筒ライナ19と短円筒ライナ
18を示し、(A)は円周方向の展開図、(B)は断面
図を示す。短円筒ライナ18は円周方向に分割され、端
部ライナ17の外周部とスポット溶接で接合されてい
る。覆い円筒ライナ19は外側円筒ライナ20と共に短
円筒ライナ18を挟んで摺動可能な構造としている。覆
い円筒ライナ19は軸方向にスリット19a有し、その
位置は短円筒ライナ18の分割位置18aの中間位置と
しており、外側円筒ライナ20に+で示す位置でスポッ
ト溶接されている。また、端部ライナ17と短円筒ライ
ナ18とはリング状溝22を構成し、支持リング11と
軸方向に摺動可能に嵌合する。
【0023】本実施例はタービン排気部にガイドベーン
を設けた場合の二重ライナの端部構造について説明した
が、ガスタービンおよびジェットエンジンをはじめ各種
高温燃焼装置で、二重ライナを用いるところには適用可
能である。
【0024】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は二重ライナの端部構造の鍛造製取付金物を板材で構成
し、さらに、内側ライナと外側ライナの温度差によって
生じる熱応力を大幅に軽減する構造としている。また熱
応力を大幅に軽減すると共に冷却空気のシール性にも優
れ、製作容易な構造となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の二重ライナ端部構造を示す断面図で
ある。
【図2】内側円筒ライナ15とシールプレート16を示
し、(A)は円周方向の展開図、(B)は断面図を示
す。
【図3】端部ライナ17と外側円筒ライナ20を示し、
(A)は円周方向の展開図、(B)は断面図を示す。
【図4】覆い円筒ライナ19と短円筒ライナ18を示
し、(A)は円周方向の展開図、(B)は断面図を示
す。
【図5】ジェットエンジンのテスト機の断面の一例を示
す図である。
【図6】鍛造製取付金物を用いた二重ライナの構造の一
例を示す図である。
【符号の説明】
1 ジェットエンジン 2 圧縮機 3 燃焼室 4 高圧タービン 5 ガイドベーン 9 ピン 10 前部支持ケース 11 支持リング 12 取付金物 13 支持ケース 15 内側円筒ライナ 16 シールプレート 17 端部ライナ 18 短円筒ライナ 19 覆い円筒ライナ 20 外側円筒ライナ 21 排気穴 22 リング状溝 15a,16a,18a,20a スリット 17a,19a 分割位置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側円筒ライナと、該内側円筒ライナの
    端部より所定長さ軸方向に設けられ内側円筒ライナの外
    周と内径で接合し所定の外径を有する端部ライナと、一
    方の端部が内側円筒ライナの端部とほぼ同じ位置にあり
    前記端部ライナの外周と接合し前記一方の端部より軸方
    向で内側円筒ライナの存在する側へ所定距離離れて他方
    の端部を有する短円筒ライナと、該短円筒ライナの他方
    の端部側で外周が軸方向に所定長さ短円筒ライナの内周
    と嵌合して配置された外側円筒ライナと、前記短円筒ラ
    イナの外周と嵌合し一方の端部が内側円筒ライナの端部
    とほぼ同じ位置で他方の端部が前記外側円筒ライナに固
    着され外側円筒ライナと共に短円筒ライナの他方の端部
    側を軸方向に摺動自在に挟んでいる覆い円筒ライナとを
    備えたことを特徴とする二重ライナの端部構造。
  2. 【請求項2】 前記内側円筒ライナの端部近傍と前記端
    部ライナと前記短円筒ライナの一方の端部近傍で構成さ
    れるリング状溝に二重ライナ支持用のリングが嵌合する
    ことを特徴とする請求項1記載の二重ライナの端部構
    造。
  3. 【請求項3】 前記内側円筒ライナの端部には軸方向に
    スリットが複数条設けられ該スリットの一部を覆うシー
    ルプレートが内側円筒ライナの外面に取付けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の二重ライナの端部構
    造。
  4. 【請求項4】 前記外側円筒ライナの端部には軸方向に
    スリットが設けられ、該スリットは前記短円筒ライナで
    覆われていることを特徴とする請求項1記載の二重ライ
    ナの端部構造。
  5. 【請求項5】 前記覆い円筒ライナは軸方向にスリット
    が複数条設けられ、前記短円筒ライナは円周方向で複数
    に分割されており、この分割位置と覆い円筒ライナのス
    リット位置は互いにずれていることを特徴とする請求項
    1記載の二重ライナの端部構造。
  6. 【請求項6】 前記端部ライナは前記内側円筒ライナの
    外径とほぼ同一の内径の第1円筒と前記外側円筒ライナ
    の外径とほぼ同一の外径の第2円筒と該第1円筒および
    第2円筒をつなぐ端板により段付円筒状に構成され、円
    周方向で複数に分割されて構成されていることを特徴と
    する請求項1記載の二重ライナの端部構造。
JP15311795A 1995-06-20 1995-06-20 二重ライナの端部構造 Expired - Lifetime JP3733576B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007212126A (ja) * 2006-02-08 2007-08-23 Snecma ターボ機械燃焼チャンバ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007212126A (ja) * 2006-02-08 2007-08-23 Snecma ターボ機械燃焼チャンバ

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