JPH0948021A - 粉末成形プレスにおける給粉装置および粉末充填方法 - Google Patents

粉末成形プレスにおける給粉装置および粉末充填方法

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JPH0948021A
JPH0948021A JP20082395A JP20082395A JPH0948021A JP H0948021 A JPH0948021 A JP H0948021A JP 20082395 A JP20082395 A JP 20082395A JP 20082395 A JP20082395 A JP 20082395A JP H0948021 A JPH0948021 A JP H0948021A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉末成形プレスの稼動に際し、フィーダーが
往復動を繰り返す過程でフィーダー内の原料粉が少しず
つダイプレート上にこぼれる。粉末の吸引・回収機構を
フィーダーの前後に併設し、給粉装置の作動に合わせて
自動的に粉末を除去回収する装置が従来知られている
が、前,後の吸気室それぞれの切替弁やその制御システ
ムを要し、構造や回路が複雑で高価になる。 【解決手段】 フィーダーを外箱30と、その中に納め
られてフィーダーの進退方向に相対的に移動する内箱1
0との二重構造とし、内箱を給粉箱,外箱と内箱との空
隙(前部または後部)を粉末回収用の吸気室として機能
させる。内箱には給粉口41から粉末が供給され、外箱
に設けた排気口33は図示を省いた粉末の吸引・回収装
置に続いている。この構成によれば固定した吸気室を持
たないので前,後の切替弁もその制御システムも不要で
あり、フィーダーの前進時には内箱の前側に空隙31
が,後退時には内箱の後側に空隙32が自然に形成さ
れ、その位置で吸気室として機能する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は主として粉末冶
金,セラミックスなどの分野で用いられる粉末成形プレ
スにおける給粉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】粉末成形プレスは一般に、ダイプレート
02に取り付けられたダイ03およびこのダイに嵌合す
る下パンチ04が形成するダイキャビティ内に、給粉装
置から原料粉を充填し、ダイ内の粉末を上・下のパンチ
間に圧縮成形するものであり、給粉装置は図2に示すよ
うに原料粉を貯えるホッパー05と、このホッパーから
原料粉の供給を受けて、ダイプレート上を往復動してダ
イ内に原料粉を充填する底のない箱状のフィーダー01
とによって構成されている。そしてフィーダーは先ずそ
の待機位置からダイに向かって(図では左方に)前進
し、ダイ03の上に至って原料粉を流し込み、次いで、
ダイ内に堆積した粉末の上面をフィーダーの下縁で平ら
に擦り切り乍ら待機位置まで後退して給粉の1サイクル
を終了する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ダイプレート02に載
ったフィーダー01は、その自重で密着しているものの
特別にシールされている訳ではないので、フィーダーが
往復動を繰り返す過程でフィーダー内の原料粉が少しず
つ漏れ出すことは避けられない。こうしてダイプレート
上に零れた粉末を放置すると、ダイから排出された成形
体への付着,飛散による周囲の汚染,さらには金型やダ
イセットの部材の間隙に入り込んで円滑な作動を妨げる
などの不都合を生じる。
【0004】この様な不都合を防ぐためにはダイプレー
ト上を定期的に清掃して粉末を取り除く必要があるが、
その都度プレスを停めて行なうのでは手間も掛かり、ま
た、プレスの成形効率も低下する。そのため、フィーダ
ーに吸引機構を併設して給粉装置の作動に合わせて自動
的に粉末を除去回収することが考えられ、その具体的手
段に関する文献には例えば特開平 5−5102号公報,特開
平 3−258498号公報,特開昭62−199297号公報などがあ
る。しかし何れも一得一矢で、より簡便確実なものへの
改良が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、フィーダーを
外箱と、その中に納められてフィーダーの進退方向に相
対的に移動する内箱との二重構造とし、内箱を本来の給
粉箱,外箱と内箱との空隙(前部または後部の)を粉末
回収用の吸気室としたことを骨子とするものであって、
図1に示すように内箱10はその高さおよび前後(図で
は左右)方向の長さは外箱30より短く、内箱の外側面
は外箱30の内側面に滑合している。
【0006】ホッパーからの給粉管40を受ける給粉口
41は、外箱30に固定され、その下端は内箱の上面に
設けた長孔11を通って、内箱内に臨んでいる。外箱3
0の上部には排気口33が設けられ、図示を省略した粉
末の吸引・回収装置に続いている。外箱30にはフィー
ダーをガイドレール21に沿って進退させる駆動装置が
連結されているが、駆動装置自体は本発明の要旨ではな
いので、その図示は省略する。なおこの明細書における
前後の意味は、フィーダーの進退方向に沿ってダイ側を
前,待機位置側を後と称する。
【0007】このフィーダーによれば、外箱と内箱との
間の空隙はフィーダーの前進時には内箱の前側に,後退
時には内箱の後側にと自動的に切り替わり、その位置で
吸気室として機能する。従って、フィーダーの前,後に
吸気室を個々に設けた従来のものではそれぞれの切替弁
やその制御システムを要するのに対して、本発明ではそ
の様な装置も手間も、一切不要である。
【0008】
【発明の実施の形態】
(実施例1) 図1に示すフィーダーの作動・機能を、
図3により説明する。先ず待機位置から前進を始めると
フィーダーの外箱30が先に動き、内箱10は少し遅れ
て、その後壁が外箱後壁に押されて動き出す。従って内
箱の前側に空隙31即ち吸気室31が形成され、フィー
ダーは内箱の前側で清掃し乍ら前進し、ダイ03の上に
至ってダイへの給粉を行なう。
【0009】次にフィーダーの後退を始めると、外箱3
0が先に動き、この時点では内箱の前後両側に空隙3
1,32即ち吸気室31,32が形成される。吸引・回
収装置はこの間も終始運転を続けているが、ダイは内箱
で覆われているので、ダイ内の粉末が吸い出されること
はない。フィーダーが更に後退するにつれて内箱10も
外箱の前壁に押されて動き出し、ダイ内の粉末を内箱の
下縁で平らに擦り切って充填を終了する。この時点では
既に、内箱10が動き出す瞬間に空隙31即ち吸気室3
1は消滅しているので、折角充填したダイ内の粉末を吸
い出すことなしにフィーダーはダイから離れ、ダイプレ
ート上の粉末を吸引・回収し乍ら待機位置に戻って給粉
の1サイクルを終了する。
【0010】(実施例2) 上記の実施例におけるフィ
ーダーの構成では、内箱10は長孔11を経て外箱30
の排気口33に通じ大気から遮断されているため、内箱
の中は、吸引・回収装置の運転中は常に負圧状態になっ
ている。しかし粉末の種類や粒度および粒度分布によっ
ては、粉末の流動性その他の理由から大気中に通じてい
る方がよい場合がある。
【0011】図4に示すフィーダーはその様な場合のた
めのもので、実施例1の場合とは逆に給粉口41は外箱
の上面に設けた長孔34を通ってその下端は内箱内に臨
み、且つ内箱10に固定されている。そして内箱には長
孔34を覆うカバー42と、内箱の中と大気を連通させ
る通気口12を備えている。このフィーダーの給粉に関
する作動・機能は基本的には図3と同一であり、図4の
右・左から容易に理解される。このフィーダーの特徴
は、内箱(粉箱)の中が常に大気圧を保っていることに
ある。
【0012】(実施例3) 内箱(粉箱)の中が図1の
ものは常に負圧,図3のものは常に大気圧であるが、フ
ィーダーの前進時には大気圧,後退中は負圧に切り替え
ると好結果が得られる場合がある。図5に示すフィーダ
ーは外箱内での内箱の移動を利用してこの切り替えを自
動的に行なうためのもので、給粉口41は図1の場合と
同様外箱30に固定され、その下端は長孔11を通って
内箱内に臨んでいる。この長孔はフィーダーの前進時に
はカバー42が覆い、内箱と排気口33の連通を遮断し
ている。そして内箱の上面には、フィーダーの前進時に
外箱30に設けた通気管35の下端が接する位置に、通
気孔13が設けられている。
【0013】従って図5の右・左から直観されるよう
に、このフィーダーはその前進時には通気管35と通気
孔13が合致して内箱を大気圧に保つ。一方、後退中は
内箱の移動に伴い通気孔13の位置がずれて内箱上面が
通気管35を閉じ、同時に通気孔13および長孔11が
排気口33に連通するため、内箱の中が自動的に負圧に
負圧に切り替わる。このフィーダーの場合も、給粉に関
する作動・機能は図3で説明したことと同一である。な
お、図1にボルトで例示したスペーサー36は、図示の
状態では働いていないが、必要に応じてこれを働かせて
(ボルトの場合は捩じ込んで)内箱・外箱間に所要の空
隙32を設けることにより、後部の吸気室32を常時機
能させることができる。
【0014】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、ダ
イプレート上に漏れた粉末を回収するためにフィーダー
の前・後に設ける吸気室の切り替え,フィーダー内の大
気圧・負圧の切り替えに特別な制御回路等を要せず、フ
ィーダーの二重構造という簡単な機構で確実に行なうこ
とができるため、その実施により得られる利益は大なる
ものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフィーダーの一実施例を説明する
図面である。
【図2】粉末形プレスの給粉装置の概略と従来のフィー
ダーを説明する図面である。
【図3】図1のフィーダーの作動・機能を説明する図面
である。
【図4】本発明に係るフィーダーの他の実施例を説明す
る図面である。
【図5】本発明に係るフィーダーの他の実施例を説明す
る図面である。
【符号の説明】
01 フィーダー 02 ダイプレート 03 ダイ 04 下パンチ 05 ホッパー 10 内箱 30 外箱 31,32 吸気室 41 給粉口 42 カバー 11,34 長孔 33 排気口 12 通気口 13 通気孔 35 通気管 36 スペーサー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィーダーを外箱30と、その中に納め
    られてフィーダーの進退方向に移動する内箱10との二
    重構造とし、内箱を給粉箱,外箱と内箱との空隙31,
    32を粉末回収用の吸気室として機能せしめるフィーダ
    ーであって、内箱は高さおよびその進退方向の長さは外
    箱より短く、内箱の外側面は外箱の内側面に滑合し、外
    箱に固定された給粉口41の下端は内箱上面に設けた長
    孔11を通って内箱内に臨み、外箱30の上部には排気
    口33が設けられていることを特徴とする、粉末成形プ
    レスにおける給粉装置。
  2. 【請求項2】 フィーダーを外箱30と、その中に納め
    られてフィーダーの進退方向に移動する内箱10との二
    重構造とし、内箱を給粉箱,外箱と内箱との空隙31,
    32を粉末回収用の吸気室として機能せしめるフィーダ
    ーであって、内箱は高さおよびその進退方向の長さは外
    箱より短く、内箱の外側面は外箱の内側面に滑合し、外
    箱上面に設けた長孔34を通ってその下端が内箱内に臨
    む給粉口41は内箱10に固定され、外箱上部に排気口
    33を備え、且つ内箱に大気と連通させる通気口12お
    よび長孔34を覆うカバー42が設けられていることを
    特徴とする、粉末成形プレスにおける給粉装置。
  3. 【請求項3】 フィーダーを外箱30と、その中に納め
    られてフィーダーの進退方向に移動する内箱10との二
    重構造とし、内箱を給粉箱,外箱と内箱との空隙31,
    32を粉末回収用の吸気室として機能せしめるフィーダ
    ーであって、内箱は高さおよびその進退方向の長さは外
    箱より短く、内箱の外側面は外箱の内側面に滑合し、外
    箱に固定された給粉口41の下端は内箱上面に設けた長
    孔11を通って内箱内に臨み、外箱上部に排気口33を
    備え、且つ内箱と連動してフィーダーの前進時に長孔1
    1の開口部を覆うカバー42と、内箱上面に設けた通気
    孔13と、外箱上部に設けられてフィーダーの前進時に
    通気孔と合致する通気管35とを備えていることを特徴
    とする、粉末成形プレスにおける給粉装置。
  4. 【請求項4】 内箱10の後壁と外箱30の後壁との間
    に任意の空隙32を保たしめるスペーサー36備えた、
    請求項1,請求項2または請求項3に記載の粉末成形プ
    レスにおける給粉装置。
  5. 【請求項5】 外箱とその中に納められてフィーダーの
    進退方向に移動する内箱との二重構造で内箱を給粉箱,
    外箱と内箱との前方空隙31,後方空隙32を粉末回収
    用の吸気室として機能せしめるフィーダーを使用する粉
    末充填方法において、フィーダーの前進時には前方吸気
    室,粉箱,後方吸気室のうち少なくとも前方吸気室を負
    圧状態とし、フィーダーの後退時には前方吸気室は閉鎖
    し粉箱および後方吸気室のうち少なくとも粉箱を負圧状
    態として作動させることを特徴とする、粉末成形プレス
    における粉末充填方法。
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