JPH0947841A - 高圧鋳造用離型剤 - Google Patents

高圧鋳造用離型剤

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JPH0947841A
JPH0947841A JP20233295A JP20233295A JPH0947841A JP H0947841 A JPH0947841 A JP H0947841A JP 20233295 A JP20233295 A JP 20233295A JP 20233295 A JP20233295 A JP 20233295A JP H0947841 A JPH0947841 A JP H0947841A
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JP
Japan
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boric acid
talc
release agent
powder
type mixer
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Application number
JP20233295A
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English (en)
Inventor
Satoshi Sato
智 佐藤
Mitsuru Adachi
充 安達
Masahiko Takashima
雅彦 高島
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の水溶性離型剤では、水と有機物を含
み、また、従来の粉体離型剤では、有機物を含有してい
るために、離型剤が溶湯と接触した際に蒸発、熱分解あ
るいは燃焼のために有害なガスが発生する。特に、粉体
離型剤では、結合剤として含まれる有機物の量が多いた
めに、前述した現象が顕著に起こる。発生したガスは溶
湯中に巻き込まれ鋳造欠陥を発生させる。また、発生し
たガスや塗布の際に飛散する離型剤は作業環境を汚染
し、作業能率を悪化させる。 【解決手段】 本発明では、粉末タルクを50〜90重
量%、無機結合剤としての硼酸を10〜50重量%含有
し、かつ、該両成分をそれぞれ粉末状態としたうえ回転
容器型混合機もしくは遠心流動粉砕装置を介して混合さ
れた高圧鋳造用離型剤とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウムやマ
グネシウム等の合金をダイカスト、スクイズキャスト等
の高圧鋳造法により鋳造する際に用いられる高圧鋳造用
離型剤に係り、金型キャビティ内、射出スリーブ、プラ
ンジャチップ等の金属溶湯が接触する部分に塗布され
る、特にガス発生を低減することに留意した高圧鋳造用
離型剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ダイカスト、スクイズキャスト法等の高
圧鋳造法は、高品質の製品が高生産性のもとに製造でき
るため、自動車や電気機器などの様々な分野の部品の製
造に多く利用されている。このような高圧鋳造法におい
ては、金型キャビティ内には、溶湯の金型への焼き付き
を防止し、溶湯の保温性を向上し、製品と金型との分離
性を向上させるものとして、離型剤が使用される。ま
た、離型剤は、射出スリーブ内面に対して、溶湯の焼き
付き防止や保温性向上、スリーブとプランジャチップと
の潤滑の目的で塗布される。これらの離型剤としては、
水溶性離型剤と粉体離型剤が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の水溶性離型剤では、水と有機物を含み、ま
た、従来の粉体離型剤では、有機物を含有しているため
に、離型剤が溶湯と接触した際に蒸発、熱分解あるいは
燃焼のために有害なガスが発生する。特に、粉体離型剤
では、結合剤として含まれる有機物の量が多いために、
前述した現象が顕著に起こる。発生したガスは溶湯中に
巻き込まれ鋳造欠陥を発生させる。また、発生したガス
や塗布の際に飛散する離型剤は作業環境を汚染し、作業
能率を悪化させる。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
して、良好な保温性や離型性を確保し、かつ、有害なガ
ス発生を極力少なくする離型剤を得るために、本発明で
は、第1の発明においては、粉末タルクを50〜90重
量%、無機結合剤としての硼酸を10〜50重量%含有
し、かつ、該両成分をそれぞれ粉末状態としたうえ回転
容器型混合機もしくは遠心流動粉砕装置を介して混合さ
れてなる高圧鋳造用離型剤とした。また、第2の発明で
は、第1の発明における離型剤の中の硼酸を、オルト硼
酸に構成した。さらに、第3の発明では、第1または第
2の発明における粉末タルクの混合前の粒度を、平均粒
径で0.5〜20μmとした。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明においては、離型剤の主成
分として粉末状のタルクとこれに混ぜられる結合剤に硼
酸を採用することにより、すべて無機化合物として構成
し、かつ、該両成分をそれぞれ粉末状態としたうえ回転
容器型混合機もしくは遠心流動粉砕装置を介して十分に
混合・攪拌することによって、タルク表面に硼酸を付着
コーティングさせた状態にして、金型表面や射出スリー
ブ内面に塗布するようにした。このような離型剤では、
タルクは層状構造を持つ酸化物であり、熱伝導率が低い
ために溶湯の保温性が良く、鱗片状で滑り易い構造を合
わせ持つために潤滑性も優れており、高温に曝されても
酸化物であるからこれ以上酸化することはなく、燃焼ガ
スを発生しない。
【0006】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例の詳細
について説明する。図1〜図6は本発明の実施例に係
り、図1は離型剤の金属表面への付着量と凝固時間に関
する本発明例と比較例の比較説明図、図2は離型剤の凝
固率とスリーブ温度の相関に関する本発明例と比較例の
比較説明図、図3はボールミル型混合機の側面図、図4
は遠心流動粉砕装置の全体縦断面図、図5は双子円筒型
混合機の側面図、図6は二重円錐型混合機の側面図であ
る。
【0007】本発明における粉体離型剤は、主成分が粉
末タルクを50〜90重量%であり、無機結合剤として
の硼酸を10〜50重量%含有しており、該両成分が十
分に混合され、粉末タルクの表面に均一に硼酸の微粒子
がコーティングされた状態が望ましい。粉末タルクと硼
酸の混合方法は、手や棒等で掻き混ぜるだけの単純混合
方法でなく、図3に示すボールミル型混合機等の回転円
筒型混合機もしくは図4に示す遠心流動粉砕装置等の機
械的混合機で十分に攪拌・混合されることが必要であ
る。図4の遠心流動粉砕装置は、本出願人が開発し企業
化した超微粉砕機であり、これを混合機として使用して
も、均一で混合効果の高い製品が得られる(遠心流動粉
砕装置の詳細は、たとえば、特公平2−32020号〜
特公平2−32024号公報、特公平2−34658号
〜特公平2−34660号公報に示されている)。粉末
タルクの微粒子同志を結合剤である硼酸が強く結合する
ためには、粉末タルクの平均粒径で0.5〜20μmと
することが望ましい。実験によれば、粉末タルクの平均
粒径で30μmを越えると硼酸の結合剤としての機能が
低下した。また、最も好ましい粉末タルクの平均粒径は
2〜5μmであることがわかった。上記の平均粒径0.
5〜20μmの数値限定理由を述べると、上限の20μ
mは、結合剤の機能低下を起こさない範囲であり、下限
の0.5μmは、これ以上に細かく粉砕しても効果が同
じであるからである。一方、硼酸は、第1の発明の方法
において混合するだけで容易に粉砕され、結合剤として
の効果を発揮するので、混合前に平均粒径が1mm以下
であれば十分である。
【0008】この硼酸は融点が低いため、高温の金型に
接すると軟化あるいは溶融し、タルクと金型表面あるい
はタルク同志の結合剤として機能する。硼酸は、300
℃以上に加熱されると酸化硼素(融点450℃)になる
が、この過程で結晶水を放出するものの、それ以外は燃
焼等によるガスの放出はない。
【0009】粉末タルクと硼酸の混合方法に使用される
回転容器型混合機は、大別すると前述したボールミル等
の水平円筒型混合機と、回転軸を傾斜させた傾斜円筒型
混合機と、図5に示すV字形に形状を持つ双子円筒型混
合機と、図6に示すドラムミキサ等の二重円錐型混合機
とに分けられ、十分に混合され混合後の状態が均一であ
れば、いずれの混合機を採用しても構わない。また、前
述の遠心流動粉砕装置においては、単に十分な混合がで
きるばかりでなく、上述した望ましい粒度になるよう粉
砕工程も同時に実施できるので好都合である。
【0010】硼酸には、オルト硼酸とメタ硼酸とがあ
り、どちらも結合剤として十分な機能を有するが、融点
が低く付着性に優れ、価格が低廉であるオルト硼酸の方
がより好適である。
【0011】表1は、本発明例と比較例について、離型
剤の構成成分と付着性、保温性、ガス発生量との関連を
定性的に纏めた結果を示したものである。
【0012】
【表1】
【0013】表1において、本発明例はすべて粉末タル
クと硼酸とで構成され、比較例1の水溶性離型剤は媒体
である水と主成分として黒鉛と少量の界面活性剤、結合
剤の有機物を含み、全体の固形分は27%である。比較
例2の粉体離型剤は主成分としてタルクを90%含み結
合剤として有機物を10%含むものである。比較例3の
粉体離型剤は主成分としてタルク25%と黒鉛20%と
結合剤として有機物を55%含む。比較例4は硼酸量が
本発明の硼酸量より少ない場合であり、比較例5は同じ
く本発明より多い場合を示す。比較例6はミルを用いず
にミル以外の混合機で単純に攪拌・混合したものであ
る。
【0014】表1によれば、比較例1〜比較例4に比べ
て、本発明例の離型剤が付着性、保温性、ガス発生のす
べての点において優れていることがわかる。図1は、離
型剤の種類による金型への付着性と保温性を定量的に調
べた基礎実験の結果得られた、離型剤の金属表面への付
着量と凝固時間に関する本発明例と比較例の比較説明図
である。付着性試験は600mm×600mm×30m
mの大きさのヒータ内蔵試験平板金型を用いて、金型温
度を250℃、塗布ノズルと金型との距離を300mm
に保ち、吐出圧力0.2MPa、吐出時間0.2秒×2
回の条件で角粉体離型剤を金型に塗布し、付着した離型
剤を擦り落としてその重量を測定した。
【0015】一方、保温性試験はJIS舟形金型を用い
て、金型温度を250℃、溶湯(AC4CH)温度を7
20℃とし、金型キャビティ内に設置した熱電対により
鋳物の温度変化を測定し凝固時間を求めた。凝固時間は
初晶晶出開始からAl−Si2元共晶反応終了までとし
た。
【0016】本発明例1〜3の粉体離型剤は、いずれも
付着量が多く、保温性は無塗布の場合に比べて3倍以上
と良好な保温性を示した。本発明例4はメタ硼酸を用い
たものであり、オルト硼酸を用いた本発明例1〜3と比
較して付着量は約半分と少ないが、逆に保温性は約3倍
と良好であった。一方、比較例2は付着量が少なく保温
無塗布の約2倍であった。比較例3は付着量は非常に多
いが、保温性が悪く無塗布とほぼ同様であった。比較例
4と比較例6は付着量が非常に少なく、保温性は無塗布
の場合とほぼ同じであった。比較例5は付着量は多いが
保温に有効なタルクの量が少ないため保温性は悪かっ
た。
【0017】図2は、実際の高圧鋳造に近い状態でガス
発生量と保温性を調べる簡便な方法として実施したもの
で、竪鋳込型スクイズキャストマシンのプランジャチッ
プと射出スリーブを用いたポアアウト試験の結果であ
る。ポアアウト試験とは、所定の温度(150〜350
℃)に加熱されたスリーブ内面に離型剤を塗布し、溶湯
を(AC4CH、720℃)を注いだときのガス発生量
を定性的に評価し、また、注湯から一定時間(たとえ
ば、15秒)後に射出スリーブを反転して未凝固のアル
ミニウムを流出させ、残った凝固層の重量と注ぎ込んだ
溶湯重量の比を凝固率として保温性を評価するものであ
る。離型剤無塗布の場合でも、射出スリーブの温度が高
くなるにしたがって溶湯は冷え難くなるため、凝固率は
小さくなる。比較例1の水溶性離型剤では、射出スリー
ブ温度が350℃になると殆ど付着しなくなるため無塗
布の値に近くなる。ガス発生については、付着しなくな
る射出スリーブ温度が350℃の場合を除き、温度にか
かわらず少量のガスが発生するのが観察された。比較例
2の粉体離型剤も250℃以上では、水溶性離型剤と大
差なくなる。この離型剤の場合、溶湯を注いだ際に煙と
ともに多量のガスが発生した。比較例3の粉体離型剤は
高温でも保温効果が高いが、溶湯を注いだときに炎が出
現し、多量のガスが発生した。一方、本発明例3の粉体
離型剤は、射出スリーブ温度が低温から高温まで保温効
果が高く、ガス発生も認められなかった。
【0018】以上述べたように、本発明の高圧鋳造用離
型剤は、ガス発生のない保温性の高いタルク粒子の表面
に、ガス発生のない低融点の硼酸、特にオルト硼酸を回
転容器型混合機や遠心流動粉砕装置で十分に混合・攪拌
させることにより、付着させたものであるから、高圧鋳
造に好適な離型剤が得られる。
【0019】
【発明の効果】以上述べたように、本発明における高圧
鋳造用離型剤では、媒体としての水分および有機物を含
まないために、溶湯の熱を受けて加熱されたときのガス
発生量が非常に少なく、しかも断熱性の良好なタルクを
主成分としているため、保温性がよく溶湯の温度低下を
小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る離型剤の金属表面への付
着量と凝固時間に関する本発明例と比較例の比較説明図
である。
【図2】本発明の実施例に係る離型剤の凝固率とスリー
ブ温度の相関に関する本発明例と比較例の比較説明図で
ある。
【図3】本発明の実施例に係るボールミル型混合機の側
面図である。
【図4】本発明の実施例に係る遠心流動粉砕装置の全体
縦断面図である。
【図5】本発明の実施例に係る双子円筒型混合機の側面
図である。
【図6】本発明の実施例に係る二重円錐型混合機の側面
図である。
【符号の説明】
T スリーブ温度 S 凝固率 c 付着量 t 凝固時間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末タルクを50〜90重量%、無機結
    合剤としての硼酸を10〜50重量%含有し、かつ、該
    両成分をそれぞれ粉末状態としたうえ回転容器型混合機
    もしくは遠心流動粉砕装置を介して混合されてなること
    を特徴とする高圧鋳造用離型剤。
  2. 【請求項2】 硼酸は、オルト硼酸であることを特徴と
    する請求項1記載の高圧鋳造用離型剤。
  3. 【請求項3】 粉末タルクの混合前の粒度を、平均粒径
    で0.5〜20μmとした請求項1記載または請求項2
    記載の高圧鋳造用離型剤。
JP20233295A 1995-08-08 1995-08-08 高圧鋳造用離型剤 Pending JPH0947841A (ja)

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