JPH0946978A - コミテータおよびその製造方法 - Google Patents

コミテータおよびその製造方法

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JPH0946978A
JPH0946978A JP21253595A JP21253595A JPH0946978A JP H0946978 A JPH0946978 A JP H0946978A JP 21253595 A JP21253595 A JP 21253595A JP 21253595 A JP21253595 A JP 21253595A JP H0946978 A JPH0946978 A JP H0946978A
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JP
Japan
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segment
powder
carbon
commutator
riser
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JP21253595A
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English (en)
Inventor
Junichi Saito
淳一 斎藤
Takeshi Sekiguchi
武 関口
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Mitsuba Corp
Original Assignee
Mitsuba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ライザ片にカーボン製セグメントを一体化す
る。 【解決手段】 コミテータ1はカーボン製セグメント2
0と銅製のライザ片4とを備え、セグメント20のブラ
シ接触面15と反対側にライザ片4が傾斜機能材部13
に一体の溶着部14で溶着されている。傾斜機能材部1
3はカーボン粉および銅粉を混合割合がブラシ接触面側
からカーボン粉100%〜銅粉100%に境目がない状
態で連続的に変化するように混合されて焼成されてい
る。 【効果】 カーボン製セグメントにライザ片が傾斜機能
材部を介して一体的に溶着されているため、ライザ片の
保護部片であるカーボン製セグメントとの界面における
接着性が良好になる。傾斜機能材部は機械的強度、電気
的抵抗が連続して変化(傾斜機能)するため、セグメン
トのブラシ接触面とライザ片との間の機械的かつ電気的
な接続状態が良好になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、コミテータおよび
その製造方法、特に、セグメントがカーボンによって構
成されているコミテータに関し、例えば、モータがポン
プと一体になり、このモータの内部を燃料が通過する形
式の燃料供給ポンプに使用して有効なものに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車等の車両の燃料を供給す
る燃料供給ポンプとして、モータがポンプと一体的に組
み付けられて燃料タンクの内部に設備されるインタンク
式のものがある。このインタンク式燃料供給ポンプにお
いては、燃料がポンプからモータハウジング内を通して
外部に送出されるように構成されているのが、通例であ
る。この場合には、モータのコミテータには燃料が接触
することになる。ところが、アルコールが混入されたガ
ソリンを燃料として使用する場合において、燃料供給ポ
ンプのモータに使用されているコミテータの銅が燃料中
のアルコール分に接触すると、ブラシに摺接する部分の
コミテータの銅が浸食されることが知られている。
【0003】そこで、アルコール入り燃料対策用のコミ
テータとして、例えば、米国特許第5175463号に
記載されているように、セグメント(整流子片)の銅母
材における少なくともブラシと接触する面(以下、ブラ
シ接触面という。)に黒鉛(グラファイト。炭素の同位
体)からなる保護部片がはんだ付けによって被着されて
いるものが提案されている。
【0004】ところが、黒鉛ははんだ濡れ性が殆ど無い
ため、黒鉛からなる保護部片の少なくともはんだ付け面
にニッケルめっきおよび銅めっきを施した後にはんだ付
けする技術や、はんだ付けに代えて、導電性接着剤を用
いて黒鉛製の保護部片を銅母材に接着する技術が提案さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、黒鉛製
の保護部片にめっき加工を施す技術においては、めっき
工程が必要になるため、製造工程および製造コストが増
加してしまう。他方、導電性接着剤によって接着する技
術においては、導電性接着剤が耐アルコール性に劣るた
め、アルコール入り燃料対策が不充分になってしまう。
さらに、めっき加工を施す技術および導電性接着剤によ
る接着技術のいずれにおいても、保護部片と銅母材との
接合作業が複雑かつ困難であるため、コミテータの品質
の安定性およびその生産効率が低下してしまう。
【0006】しかも、黒鉛が使用される従来のアルコー
ル入り燃料対策用のコミテータにおいては、黒鉛の固形
物を所望の板形状に切断する必要があるため、最適の材
質を選定することが困難であるばかりでなく、きわめて
高価になってしまう。
【0007】本発明の目的は、セグメントにおけるブラ
シの接触面にカーボンから成る保護部片を有するコミテ
ータを安価にて提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るコミテータ
は、セグメントの導電性端子部材側にはカーボン粉と導
電性金属粉とを混合されて成る傾斜機能材部が一体的に
焼成されており、この傾斜機能材部はカーボン粉と導電
性金属粉との混合割合が導電性端子部材との接触面で導
電性金属粉層のみになるように設定されて焼成されてい
ることを特徴とする。
【0009】また、本発明に係るコミテータの製造方法
は、セグメントを成形する成形型にカーボン粉と導電性
金属粉とがカーボン粉と導電性金属粉との混合割合が導
電性端子部材との接触面で導電性金属粉のみになるよう
に充填されるとともに、成形型に導電性端子部材の一部
が挿入されてカーボン粉および導電性金属粉が締め固め
られて固形物が形成される工程と、この固形物が焼き固
められてセグメントが焼成される工程を備えていること
を特徴とする。
【0010】
【作用】前記製造方法において、セグメントが焼成され
ると、セグメントの導電性端子部材側にはカーボン粉と
導電性金属粉とを混合されて成る傾斜機能材部が一体的
に焼成されるとともに、導電性端子部材はこの傾斜機能
材部の導電性金属粉のみから形成された領域に、この焼
成時に導電性金属粉層のみが溶融して固化した溶着部に
よって溶着される。すなわち、このようにして製造され
たコミテータにおいては、導電性端子部材はカーボン製
のセグメントに傾斜機能材部の導電性金属層によって溶
着されているため、カーボン製のセグメントに一体的に
結合された状態になり、機械的に強固に固着されるとと
もに、良好な電気的接続性能をもって接続されることに
なる。
【0011】しかも、セグメントの導電性端子部材から
ブラシ接触面にかけて傾斜機能材部が形成されているた
め、セグメントの導電性端子部材からブラシ接触面にか
けての電気的抵抗は傾斜的に変化することになり、コミ
テータ全体としての通電性能は良好になる。また、セグ
メントの導電性端子部材からブラシ接触面にかけての機
械的な結合強度も傾斜的に変化する状態になるため、導
電性端子部材が接続されたセグメント自体の機械的強度
も良好になる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態である
コミテータを示しており、(a)は平面図、(b)は
(a)のb−b線に沿う正面断面図である。図2以降は
そのコミテータの製造方法を示す各説明図である。
【0013】本実施形態において、本発明に係るコミテ
ータはモータの内部を燃料が通過する形式の燃料供給ポ
ンプにおけるモータの回転子に使用されるものとして構
成されているとともに、偏平形構造に構成されている。
【0014】本実施形態に係る偏平形コミテータ1は、
絶縁性を有する樹脂が用いられて厚肉の略円盤形状に形
成されているボス部17と、それぞれ略扇形形状に形成
されてボス部17の上部に略等間隔に放射状に配されて
いる複数個のセグメント20と、セグメント20のそれ
ぞれに電気的に接続されている導電性端子部材としての
ライザ片4と、隣合うセグメント20を互いに電気的に
絶縁された状態とするためのスリット19とを備えてい
る。ボス部17には軸を挿通して固定するための軸孔1
8が同心的に開設されている。
【0015】各セグメント20はカーボン粉と導電性金
属粉としての銅粉とが、その混合割合が重量比でカーボ
ン粉が100%から銅粉が100%まで次第に変化する
ように混合された状態で焼成されており、各セグメント
20の厚さ方向の中間部には傾斜機能材部13が形成さ
れている。各ライザ片4は導電性金属としての銅が使用
されて形成されており、ライザ片4はコイル接続部5お
よびセグメント接続部6が一体的に連結されている。そ
して、各ライザ片4は各セグメント20の外周に配され
てセグメント接続部6だけをセグメント20に植え込ま
れてセグメント20の傾斜機能材部13に連続して形成
された銅粉溶融層から成る溶着部14によって溶着され
ることにより、各セグメント20に機械的かつ電気的に
それぞれ接続されている。
【0016】各セグメント20は円形の環状に配列され
た状態でボス部17に植設されることにより、互いに位
置を固定されるとともにボス部17に一体化されてい
る。そして、各セグメント20の外周から突出したライ
ザ片4のコイル接続部5はボス部17の外周面からも突
出した状態になっている。ボス部17から突出したライ
ザ片4のコイル接続部5はボス部17との付け根におい
てセグメント20の露出面(ブラシ接触面)と反対側に
軸心線方向直角に屈曲されるとともに、V字形状に折り
返えされている。
【0017】次に、本発明の一実施形態であるコミテー
タの製造方法を前記構成に係るコミテータ1の製造方法
について説明する。この説明により、前記構成に係るコ
ミテータ1の構成の詳細が共に明らかにされる。
【0018】図2は前記構成に係るコミテータの製造方
法に使用されるライザ片素板を示し、(a)は平面図、
(b)は(a)のb−b線に沿う正面断面図である。
【0019】図2において、ライザ片素板2は導電性金
属の一例である銅が用いられてプレス加工により一体的
に形成されている。このライザ片素板2は製造途中にお
いて各ライザ片を連結するための連結部材としてのリン
グ形状部3を備えており、このリング形状部3は一定幅
の円形リング形状に形成され、その内径が前記偏平形コ
ミテータ1の外径よりも充分に大きくなるように形成さ
れている。
【0020】リング形状部3の内周にはライザ片4が複
数本(図示例では、8本)、周方向に等間隔に配されて
径方向内向きに放射状に突設されている。各ライザ片4
の基端部側(以下、外側とする。)にはコイル接続部5
が、アーマチュアのコイルを巻き絡め易い幅の細長い板
形状に形成されている。各ライザ片4におけるコイル接
続部5の内側端辺には略扇形形状に形成されたセグメン
ト接続部6が同軸状に突設されている。このセグメント
接続部6の扇形はセグメントの扇形形状と小さめに相似
するように設定されており、その径方向の長さはセグメ
ントの径方向の長さの1/2程度に設定され、周方向の
幅はセグメントの幅よりもスリットの幅を勘案した分だ
け小さく設定されている。
【0021】また、各セグメント接続部6の内側先端部
にはセグメント接続部6をボス部に植え込むための係止
爪7が、切り起こし孔8内においてセグメントのブラシ
接触面と反対側の端面に突出するようにそれぞれ屈曲さ
れている。ちなみに、この係止爪7はセグメント接続部
6が後記するカーボンプレートに植設された後でボス部
が成形される前に、アンカー効果を発揮し得る程度に傾
斜するようにリング形状部3側に屈曲される。
【0022】図3は図2に示されているライザ片素板が
インサートされて焼成された焼成体を示しており、
(a)は平面図、(b)は(a)のb−b線に沿う正面
断面図である。図4はその成形型を示しており、(a)
は正面断面図、(b)は下型の一部省略平面図である。
図5(a)、(b)、(c)はその成形工程を示す各正
面断面図である。
【0023】図3に示されている焼成体10は、カーボ
ン製のセグメントを形成するためのカーボン製の焼成プ
レート11にライザ片素板2がインサート成形されて焼
成された焼成体である。焼成プレート11はカーボン粉
および銅粉が、その混合割合が重量比でカーボン粉が1
00%から銅粉が100%まで次第に変化するように混
合された状態で、かつ、図4に示されている成形型30
が使用されることにより円形リング形状に一体的に成形
される。焼成プレート11は製造しようとするセグメン
トの径方向の寸法と等しい幅を有する大幅の円形リング
形状に形成されている。すなわち、この大幅のリング形
状に形成された焼成プレート11は、その外径がセグメ
ント群の外径と略等しくなるように、かつ、その中央孔
12の内径がセグメント群の内径と略等しくなるように
形成されている。
【0024】図4に示されている成形型30は上型3
1、下型32および締め固め型33を備えており、上型
31および下型32によってキャビティー34が形成さ
れている。キャビティー34は焼成時の収縮代を見込ん
で焼成プレート11と相似形の円形リング穴形状に形成
されている。下型32のキャビティー34の中心線上に
は中子35が円柱形状に突設されており、中子35の外
径は焼成プレート11の中央孔12の内径に対応されて
いる。下型32の合わせ面にはライザ片素板2を収容す
る凹部36が、ライザ片素板2の外形形状と同一の浅い
穴形状に没設されており、この凹部36の深さはライザ
片素板2の厚さと等しく設定されている。一方、上型3
1の天井面は閉塞されているとともに、係止爪7を逃げ
るための逃げ穴37が複数個、各係止爪7にそれぞれ対
応するように配されて没設されている。締め固め型33
は下型32および中子35のキャビティー34に上下方
向に摺動自在に下から嵌入されており、プレス装置(図
示せず)によって上下駆動されるようになっている。し
たがって、キャビティー34の容積は締め固め型33の
上下動によって軸方向に減少および増加されるようにな
っている。
【0025】次に、以上の構成に係る成形型30による
焼成体10のインサート成形方法を説明する。
【0026】まず、図5(a)に示されているように、
締め固め型33が下型32および中子35に対して上昇
されてキャビティー34が薄く形成され、100%のカ
ーボン粉38がキャビティー34内に均一に充填されて
摺り切りされる。ここで、カーボン粉38は黒鉛(炭素
の同素体)にフエノール樹脂やコールタール等の結合剤
(バインダー)が付着された粉末であって、加熱される
と結合剤が溶融して炭化するとともに、極微粒子状の黒
鉛をカーボン粉の結合体として焼成させる粉末である。
【0027】次いで、図5(b)に示されているよう
に、締め固め型33が下型32および中子35に対して
所定高さずつ段階的に順次下降されてキャビティー34
の厚さが順次増加されて行き、キャビティー34内にカ
ーボン粉38と銅粉39との混合粉40が、その混合割
合が重量比でカーボン粉が100%から銅粉が100%
まで段階的に増加するように混合された状態で順次充填
されて行く。図5(b)に示されている例においては、
締め固め型33が4段階に順次下降され、第1段階でカ
ーボン粉が75%−銅粉が25%の混合粉、第2段階で
カーボン粉が50%−銅粉50%の混合粉、第3段階で
カーボン粉が25%−銅粉が75%の混合粉、第4段階
で100%の銅粉39が順次充填される。
【0028】その後、図5(c)に示されているよう
に、下型32のライザ片素板収容凹部36にライザ片素
板2が、係止爪7を上向きに配されて収容されるととも
に、上型31が下型32のライザ片素板2の上に型合わ
せされる。続いて、締め固め型33が上昇されてキャビ
ティー34に充填されたカーボン粉38、銅粉39およ
びその混合粉40が強力に圧縮されて行く。締め固め型
33が予め設定されたストロークだけ上昇されると、キ
ャビティー34に充填されたカーボン粉38、銅粉39
およびその混合粉40は成形型30によって予め設定さ
れた圧縮度をもって締め固められた状態になる。この締
め固められた状態において、最上層の銅粉39は切り起
こし孔8内に隙間なく入り込んで圧縮された状態にな
り、係止片7は上型31の逃げ穴37に逃げた状態にな
る。また、充填時に混合粉が段階的に充填されることに
より形成された各階層の境目は殆ど解消され、カーボン
粉38、銅粉39および混合粉40はその混合割合がカ
ーボン粉が100%から銅粉が100%まで各階層が境
目のない状態で次第に変化するように混合された状態に
なる。
【0029】以上のようにして締め固められたカーボン
粉、銅粉およびその混合粉の締め固め体41は、上型3
1が下型32から外された後に締め固め型33の上昇に
よってキャビティー34から押し出されて離型される。
離型された締め固め体41は強力に締め固められている
ため、堅牢であり、離型以後の移送や保管に充分に耐え
ることができる。
【0030】離型された締め固め体は焼成炉(図示せ
ず)において還元雰囲気で焼き固められる。この時の焼
成温度は銅粉は溶融し、しかも、ライザ片4は溶融しな
い温度であって、他方、カーボン粉の結合剤が溶融炭化
してカーボン粉が有効に結合される温度以上に設定され
る。カーボン粉、銅粉およびその混合粉が溶融すると、
各階層の境目が完全に解消され、カーボン粉と銅粉との
混合粉によってその混合割合がカーボン粉が100%か
ら銅粉が100%まで各階層の境目がない状態で次第に
変化する傾斜機能材部13が形成された状態になる。ま
た、ライザ片4のセグメント接続部6は傾斜機能材部1
3に境目がない状態で連続した100%の銅粉が溶融固
化して形成された溶着部14によって溶着された状態に
なる。以上のようにして、図3に示されている焼成体1
0が焼成されたことになる。
【0031】図3に示されている焼成体10は焼成プレ
ート11にライザ片素板2が、その各セグメント接続部
6が焼成プレート11の外周面において周方向に等間隔
に配されて放射状に挿入された状態で、一体的に植え込
まれた構造体である。すなわち、円形リング形状に焼成
された焼成プレート11と、複数個のライザ片4が放射
状に配列されて円形のリング形状部3によって連結され
たライザ片素板2とは、互いに同心的に配されて一体化
されており、各ライザ片4の先端部に形成されたセグメ
ント接続部6は焼成プレート11にその外周面から放射
状に挿入されて一体的に植え込まれた状態になってい
る。焼成プレート11に植え込まれたセグメント接続部
6は傾斜機能材部13に境目がない状態で連続した10
0%の銅粉層が溶融固化して形成された溶着部14によ
って溶着された状態になっている。そして、各ライザ片
4のセグメント接続部6は焼成プレート11の表面層部
において、100%のカーボン粉が焼成して形成したブ
ラシ接触面部15に傾斜機能材部13を介して機械的か
つ電気的に一体的に接続された状態になっている。
【0032】図6はボス部が樹脂成形された後の樹脂一
体成形品を示しており、(a)は平面図、(b)は
(a)のb−b線に沿う正面断面図である。
【0033】図6に示されている樹脂一体成形品16に
おいて、焼成プレート11の係止爪7が突設された側の
端面にはボス部17が、絶縁性を有する樹脂が用いられ
た加圧成形法(モールディング法)によって一体成形さ
れている。ここで、各係止爪7はボス部17が成形され
る以前に屈曲されており、ボス部17の内部に植え込ま
れることによりアンカーの役目を果たす状態になってい
る。ボス部17の中心線上には軸孔18が円柱形の孔形
状に同時成形によって開設されている。
【0034】一方、焼成プレート11の外周面から突出
されたライザ片4のコイル接続部5のそれぞれは、ボス
部17の外周面からも露出された状態になっている。そ
して、リング形状部3が切断された後に、各ライザ片4
のコイル接続部5はボス部17の付け根において焼成プ
レート11の露出面と反対側にそれぞれ屈曲されるとと
もに、V字形状に折り返される。焼成プレート11がボ
ス部17に確実に保持されて一体化された状態になって
いるため、各ライザ片4のコイル接続部5はボス部17
に確実に固定された状態になっている。
【0035】その後、焼成プレート11およびボス部1
7の一部にはスリットが切削加工されて、図1に示され
ている前記構成に係る偏平形コミテータ1が製造された
ことになる。すなわち、樹脂一体成形品16における焼
成プレート11およびボス部17には複数本のスリット
19が、隣り合うライザ片4、4間の中間位置にそれぞ
れ配されて、法線と一致するように切削工具(図示せ
ず)による切削等のような適当な手段により切設され
る。スリット19は焼成プレート11をボス部17に達
する深さまで切り込まれることによって切り離し、隣り
合うもの同士が電気的に独立している各セグメント20
を実質的に構成せしめている。すなわち、セグメント2
0はスリット19により互いに切り離されているカーボ
ン製のプレート片から構成されており、導電性端子部材
としてのライザ片4がセグメント接続部6を介して電気
的かつ機械的に接続されている。そして、セグメント2
0から突出した係止爪7とセグメント接続部6のコイル
接続部側端がボス部17に埋め込まれていることによっ
て、セグメント20とボス部17の周方向の回り止めが
図られている。
【0036】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種
々変更可能であることはいうまでもない。
【0037】例えば、ライザ片素板を傾斜機能材部を介
して溶着した焼成プレートにスリットを切り込んで各セ
グメントを製造するに限らず、ライザ片を傾斜機能材部
を介して溶着したカーボン製セグメントを個別に焼成し
た後に、複数個のセグメントを互いに離間した状態で円
形環状に配列し、絶縁性樹脂を用いた加圧成形法によっ
てボス部を形成するとともに、このボス部によって一体
化することによりコミテータを製造してもよい。
【0038】ライザ片のセグメント接続部に係止爪を突
設したが、セグメントの内外周面に軸方向の溝を形成し
たり、セグメントの露出面の内外周角部を面取りしたり
して、ボス部との係止用凹部を形成しておき、その凹部
にボス部の樹脂を埋め込んだりして、セグメントとボス
部の結合強度を持たせれば、ライザ片の係止爪を省略す
ることもできる。
【0039】導電性端子部材であるライザ片を形成する
導電性金属としては、銅を使用するに限らず、銅合金
や、鉄系材料(鉄またはその合金)等の導電性を有する
金属を使用してもよい。
【0040】前記実施形態では偏平形コミテータについ
て説明したが、本発明は通常の円柱形コミテータについ
ても適用することができる。
【0041】また、本発明に係るコミテータは燃料供給
ポンプに搭載されるモータに使用するに限らず、他の用
途のモータにも使用することができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、次の効果
が得られる。 カーボン粉によって焼成されるセグメントに導電性
端子部材が傾斜機能材部を介して一体的に溶着されてい
るため、導電性端子部材の保護部片であるカーボン製セ
グメントとの界面における接着性がきわめて良好になる
とともに、傾斜機能材部は傾斜機能材のように機械的強
度および電気的抵抗が連続して変化(傾斜機能)するた
め、セグメントのブラシ接触面と導電性端子部材との間
の機械的かつ電気的な接続状態がきわめて良好になる。
【0043】 セグメントの焼成と同時に導電性端子
部材を傾斜機能材部と共に一体化して機械的かつ電気的
に接続させることができるため、コミテータの製造工程
を簡略化することができる。その結果、黒鉛の固形物が
切り出されて形成される従来のコミテータの製造方法に
比べて製造コストを低減させることができる。
【0044】 導電性端子部材がセグメントのブラシ
接触面であるカーボン粉焼成層に傾斜機能材部を介して
電気的に接続されているため、導電性端子部材からセグ
メントのブラシ接触面にかけての電気抵抗を小さく抑制
することができる。
【0045】 また、導電性端子部材がセグメントの
ブラシ接触面であるカーボン粉焼成層に傾斜機能材部を
介して機械的に接続されているため、焼成時やコミテー
タの使用時に作用する熱応力が小さく抑制され、熱応力
によるセグメントにおける剥離等の発生を防止すること
ができる。
【0046】 セグメントに導電性端子部材が傾斜機
能材部を介して一体的に接続されていることにより、各
セグメント内全体が均一に、かつ、各セグメント同士が
均等に導電性端子部材に機械的かつ電気的に接続される
ため、各セグメント間の電気的抵抗のばらつきを抑制す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるコミテータを示して
おり、(a)は平面図、(b)は(a)のb−b線に沿
う正面断面図である。
【図2】そのコミテータの製造方法に使用されるライザ
片素板を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のb−
b線に沿う正面断面図である。
【図3】そのライザ片素板がインサートされて焼成され
た焼成体を示しており、(a)は平面図、(b)は
(a)のb−b線に沿う正面断面図である。
【図4】その成形型を示しており、(a)は正面断面
図、(b)は下型の一部省略平面図である。
【図5】(a)、(b)、(c)はその成形工程を示す
各正面断面図である。
【図6】ボス部が樹脂成形された後の樹脂一体成形品を
示しており、(a)は平面図、(b)は(a)のb−b
線に沿う正面断面図である。
【符号の説明】
1…偏平形コミテータ、2…ライザ片素板、3…リング
形状部、4…ライザ片(導電性端子部材)、5…コイル
接続部、6…セグメント接続部、7…係止爪、8…切り
起こし孔、10…焼成体、11…焼成プレート、12…
中央孔、13…傾斜機能材部、14…溶着部、15…ブ
ラシ接触面部、16…樹脂一体成形品、17…ボス部、
18…軸孔、19…スリット、20…セグメント、30
…成形型、31…上型、32…下型、33…締め固め
型、34…キャビティー、35…中子、36…ライザ片
素板収容凹部、37…係止片逃げ穴、38…カーボン
粉、39…銅粉(導電性金属粉)、40…混合粉、41
…締め固め体。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーボン粉が焼成された複数個のセグメ
    ントと、各セグメントの一端面に配されて電気的に接続
    されている導電性端子部材とを備えており、これらセグ
    メントのそれぞれは互いに絶縁された状態で環状に配列
    されているとともに、樹脂が使用されて一体成形された
    ボス部によって一体的に固定されており、これらセグメ
    ントの導電性端子部材のそれぞれは環状に配列された状
    態でボス部から突出されているコミテータにおいて、 前記セグメントの導電性端子部材側にはカーボン粉と導
    電性金属粉とを混合されて成る傾斜機能材部が一体的に
    焼成されており、この傾斜機能材部はカーボン粉と導電
    性金属粉との混合割合が前記導電性端子部材との接触面
    で導電性金属粉層のみになるように設定されて焼成され
    ていることを特徴とするコミテータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のコミテータの製造方法
    であって、 セグメントを成形する成形型にカーボン粉と導電性金属
    粉とがカーボン粉と導電性金属粉との混合割合が導電性
    端子部材との接触面で導電性金属粉のみになるように充
    填されるとともに、成形型に導電性端子部材の一部が挿
    入されてカーボン粉および導電性金属粉が締め固められ
    て固形物が形成される工程と、この固形物が焼き固めら
    れてセグメントが焼成される工程を備えていることを特
    徴とするコミテータの製造方法。
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