JPH0946957A - 回転機械のスラスト軸受 - Google Patents
回転機械のスラスト軸受Info
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- JPH0946957A JPH0946957A JP7190687A JP19068795A JPH0946957A JP H0946957 A JPH0946957 A JP H0946957A JP 7190687 A JP7190687 A JP 7190687A JP 19068795 A JP19068795 A JP 19068795A JP H0946957 A JPH0946957 A JP H0946957A
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- Japan
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- plate
- thrust bearing
- stationary plate
- rotary
- rotary shaft
- Prior art date
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- Pending
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C2380/00—Electrical apparatus
- F16C2380/26—Dynamo-electric machines or combinations therewith, e.g. electro-motors and generators
Landscapes
- Sliding-Contact Bearings (AREA)
- Motor Or Generator Frames (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 正・逆両回転を行う回転機械におけるスラス
ト軸受において、静止板と回転板との瞬間的な固体接触
が発生した場合にも、その損傷が低減するようにするこ
と。 【解決手段】 回転軸1に取り付けたスラストカラー7
を、回転軸1の周りに放射状に配置された複数の扇形の
静止板4によって摺動可能に支持するとともに、各静止
板4の放射方向に延び両側端縁部のすべり面を樹脂材料
層13によって形成し、残部のすべり面は軟金属で形成
した。
ト軸受において、静止板と回転板との瞬間的な固体接触
が発生した場合にも、その損傷が低減するようにするこ
と。 【解決手段】 回転軸1に取り付けたスラストカラー7
を、回転軸1の周りに放射状に配置された複数の扇形の
静止板4によって摺動可能に支持するとともに、各静止
板4の放射方向に延び両側端縁部のすべり面を樹脂材料
層13によって形成し、残部のすべり面は軟金属で形成
した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正・逆回転する水
力発電機等の回転軸を支承する高荷重用のスラスト軸受
に関する。
力発電機等の回転軸を支承する高荷重用のスラスト軸受
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電力需要の増大に伴い水力発電設
備は、高速、大容量化の一途をたどり、ここで使用され
るポンプ水車や水車等の水力機械や発電機は、高速、高
圧及び高荷重下での苛酷な運転にさらされるに至ってい
る。しかも、電力需要の要求に応じて素早い起動、停止
と種々の負荷条件の下で運転される状況下にあり、安定
した電力供給のために高効率化と高い信頼性が要求され
ている。
備は、高速、大容量化の一途をたどり、ここで使用され
るポンプ水車や水車等の水力機械や発電機は、高速、高
圧及び高荷重下での苛酷な運転にさらされるに至ってい
る。しかも、電力需要の要求に応じて素早い起動、停止
と種々の負荷条件の下で運転される状況下にあり、安定
した電力供給のために高効率化と高い信頼性が要求され
ている。
【0003】上記水車発電機等の高効率化を図るために
は、回転機械の大半を占めるスラスト軸受の軸受損失を
低減する必要があり、この軸受損失を低減するために
は、スラストカラーを支持する静止板を小型化し単位面
積ありたの荷重を大きくすることが行われている。
は、回転機械の大半を占めるスラスト軸受の軸受損失を
低減する必要があり、この軸受損失を低減するために
は、スラストカラーを支持する静止板を小型化し単位面
積ありたの荷重を大きくすることが行われている。
【0004】しかし、静止板の小型・高面圧化は起動・
停止時の低回転速度範囲で流体潤滑膜の形成が困難とな
り、軸受すべり面がホワイトメタルで構成される従来の
静止板では、鉄製の回転板と境界潤滑或は固体潤滑状態
となり、ホワイトメタル並びに回転板のすべり面は摩耗
が進行し損傷が発生する。
停止時の低回転速度範囲で流体潤滑膜の形成が困難とな
り、軸受すべり面がホワイトメタルで構成される従来の
静止板では、鉄製の回転板と境界潤滑或は固体潤滑状態
となり、ホワイトメタル並びに回転板のすべり面は摩耗
が進行し損傷が発生する。
【0005】この結果、中・高速回転速度での流体潤滑
膜の形成能力が低下し、油膜厚さが薄くなり、軸受の焼
損事故を発生することがある。したがって、これを防止
するため、起動・停止時に強制的に流体潤滑膜を形成す
るオイルリフター装置を設けることも行われている。
膜の形成能力が低下し、油膜厚さが薄くなり、軸受の焼
損事故を発生することがある。したがって、これを防止
するため、起動・停止時に強制的に流体潤滑膜を形成す
るオイルリフター装置を設けることも行われている。
【0006】図11は、上記水力機械等の回転機械に使
用されるスラスト軸受の断面図であり、回転軸1の外側
にはこれを取囲むようにした油槽2が配設されており、
この油槽2内には回転軸1と同心状に支持板3が設けら
れ、その支持板3上に、回転軸1の周りに放射状に配置
された複数の扇形状の静止板4が複数のばね等の弾性部
材5を介して揺動可能に支持されている。
用されるスラスト軸受の断面図であり、回転軸1の外側
にはこれを取囲むようにした油槽2が配設されており、
この油槽2内には回転軸1と同心状に支持板3が設けら
れ、その支持板3上に、回転軸1の周りに放射状に配置
された複数の扇形状の静止板4が複数のばね等の弾性部
材5を介して揺動可能に支持されている。
【0007】一方、上記回転軸1には下面に回転板6が
設けられたスラストカラー7が取り付けられており、そ
の回転板6を介してスラストカラー7が前記静止板4上
に摺動可能に支持されている。また、スラストカラー7
の側面にはガイド軸受8が取り付けられるとともに、油
槽2内には潤滑油9が封入されている。
設けられたスラストカラー7が取り付けられており、そ
の回転板6を介してスラストカラー7が前記静止板4上
に摺動可能に支持されている。また、スラストカラー7
の側面にはガイド軸受8が取り付けられるとともに、油
槽2内には潤滑油9が封入されている。
【0008】図12は上記静止板4部の平面図、図13
は図12のI−I線に沿う断面図であって、静止板4は
台金4aの上面にホワイトメタル層4bを積層接合した
ものであり、放射状に配設された各静止板4の間には間
隔片10が配設されている。上記静止板4のホワイトメ
タル層4b部にはその中心位置にリフターポケット11
が設けられており、台金4bに設けられた径方向の油導
通孔12を介して上記リフターポケット11に潤滑油が
供給されるようにしてある。
は図12のI−I線に沿う断面図であって、静止板4は
台金4aの上面にホワイトメタル層4bを積層接合した
ものであり、放射状に配設された各静止板4の間には間
隔片10が配設されている。上記静止板4のホワイトメ
タル層4b部にはその中心位置にリフターポケット11
が設けられており、台金4bに設けられた径方向の油導
通孔12を介して上記リフターポケット11に潤滑油が
供給されるようにしてある。
【0009】しかして、回転軸1の起動・停止時並びに
低速回転時には、図示しないオイルリフター装置から高
圧化された潤滑油が油導通孔12及びリフターポケット
11を介してホワイトメタル層4bと回転板6のすべり
面間に供給される。したがって、回転板6とホワイトメ
タル層4b間に流体膜が形成され、回転板6の摩擦トル
クが小さくなるとともにホワイトメタル層4bと回転板
6のすべり面の損傷が防止される。また、定格回転速度
ではオイルリフター装置は停止されるが、回転している
回転板6の流体の巻き込み(動圧)作用により、静止板
4と回転板6との間隙内に油膜圧力が発生する。
低速回転時には、図示しないオイルリフター装置から高
圧化された潤滑油が油導通孔12及びリフターポケット
11を介してホワイトメタル層4bと回転板6のすべり
面間に供給される。したがって、回転板6とホワイトメ
タル層4b間に流体膜が形成され、回転板6の摩擦トル
クが小さくなるとともにホワイトメタル層4bと回転板
6のすべり面の損傷が防止される。また、定格回転速度
ではオイルリフター装置は停止されるが、回転している
回転板6の流体の巻き込み(動圧)作用により、静止板
4と回転板6との間隙内に油膜圧力が発生する。
【0010】ところで、上記静止板4には、回転板6と
の間の流体潤滑損失に伴う発熱により静止板4の厚さ方
向に温度勾配bを生じ、図14に示すように、静止板4
の上面すなわちすべり面は凸形状となる。一方、この静
止板4は、図15に示すように、静止板4のすべり面に
発生する油膜圧力分布aの作用によりすべり面が凹形状
になるように弾性変形する。したがって、流体潤滑軸受
の特性は、上記熱変形と弾性変形を複合したすべり面の
形状によって大きく変化する。
の間の流体潤滑損失に伴う発熱により静止板4の厚さ方
向に温度勾配bを生じ、図14に示すように、静止板4
の上面すなわちすべり面は凸形状となる。一方、この静
止板4は、図15に示すように、静止板4のすべり面に
発生する油膜圧力分布aの作用によりすべり面が凹形状
になるように弾性変形する。したがって、流体潤滑軸受
の特性は、上記熱変形と弾性変形を複合したすべり面の
形状によって大きく変化する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】通常の両回転方向機用
軸受設計では、商用運転時間の長い定常運転パターンで
の軸受特性の最適化がなされ、図16に示すように静止
板4のすべり面の変形は凸形状で、最小油膜厚さHmに
対する変形量φxの比、すなわちφx/Hmがほぼ1.
0になるように設計される。しかしながら、その他の運
転パターン(例えば、静止板に熱変形が発生しない起動
時、軸受荷重が急変するとき等)で、軸受特性が低下す
るときもある。したがってこのような場合には、最小油
膜厚さが極めて薄くなり、静止板4のホワイトメタル層
4bと鉄製の回転板6が瞬間的に接触し、両すべり面が
損傷または焼損することがある。
軸受設計では、商用運転時間の長い定常運転パターンで
の軸受特性の最適化がなされ、図16に示すように静止
板4のすべり面の変形は凸形状で、最小油膜厚さHmに
対する変形量φxの比、すなわちφx/Hmがほぼ1.
0になるように設計される。しかしながら、その他の運
転パターン(例えば、静止板に熱変形が発生しない起動
時、軸受荷重が急変するとき等)で、軸受特性が低下す
るときもある。したがってこのような場合には、最小油
膜厚さが極めて薄くなり、静止板4のホワイトメタル層
4bと鉄製の回転板6が瞬間的に接触し、両すべり面が
損傷または焼損することがある。
【0012】すなわち、オイルリフター装置を駆動した
起動時もしくは低速回転時では静止板4のすべり面の熱
変形は殆ど発生しないため、静止板4には図15に示す
ような弾性変形のみの凹型変形が生じ、静止板4の周辺
部に最小油膜厚さが発生する。したがって、この最小油
膜厚さを十分確保するためには大容量のオイルリフター
装置を設置する必要があるが、これも設置スペース並び
にコスト等で制約をうける。このため、現状の機械で
は、時々起動時に静止板4の周辺部、特に放射方向の端
縁部が回転板6と接触し、静止板4の周辺部のホワイト
メタル層4bが損傷することがある等の問題がある。
起動時もしくは低速回転時では静止板4のすべり面の熱
変形は殆ど発生しないため、静止板4には図15に示す
ような弾性変形のみの凹型変形が生じ、静止板4の周辺
部に最小油膜厚さが発生する。したがって、この最小油
膜厚さを十分確保するためには大容量のオイルリフター
装置を設置する必要があるが、これも設置スペース並び
にコスト等で制約をうける。このため、現状の機械で
は、時々起動時に静止板4の周辺部、特に放射方向の端
縁部が回転板6と接触し、静止板4の周辺部のホワイト
メタル層4bが損傷することがある等の問題がある。
【0013】また、オイルリフターが作動しない定格回
転速度運転で、静止板4の潤滑油の流出側に生ずる最小
油膜厚さHmは平均面圧Psの平方根に反比例する関係
があることから、静止板4の小型・高面圧化に伴い最小
油膜厚さHmが低減する。
転速度運転で、静止板4の潤滑油の流出側に生ずる最小
油膜厚さHmは平均面圧Psの平方根に反比例する関係
があることから、静止板4の小型・高面圧化に伴い最小
油膜厚さHmが低減する。
【0014】さらに、水車発電機では可変速時や発電負
荷変動時等の過渡運転過程で回転速度や軸受荷重が急変
するため、回転板6と静止板4間の相対的な油膜厚さが
変化し、この際、瞬間的な固体接触を起こし、ホワイト
メタル層4bが焼損することもある。
荷変動時等の過渡運転過程で回転速度や軸受荷重が急変
するため、回転板6と静止板4間の相対的な油膜厚さが
変化し、この際、瞬間的な固体接触を起こし、ホワイト
メタル層4bが焼損することもある。
【0015】本発明は、このような点に鑑み、正・逆転
の両回転方向機に適用する高荷重用のスラスト軸受にお
いて、静止板の小型・高面圧化を可能にし流体損失の低
減と、耐焼損性を向上させることを目的とする。
の両回転方向機に適用する高荷重用のスラスト軸受にお
いて、静止板の小型・高面圧化を可能にし流体損失の低
減と、耐焼損性を向上させることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、各静止板
における放射方向に延びる両側端縁部のすべり面を樹脂
材料層によって形成し、残部のすべり面は軟金属で形成
したことを特徴とする。
における放射方向に延びる両側端縁部のすべり面を樹脂
材料層によって形成し、残部のすべり面は軟金属で形成
したことを特徴とする。
【0017】第2の発明は、スラストカラーの下端面に
設けた回転板のすべり面を樹脂材料層によって形成した
ことを特徴とする。
設けた回転板のすべり面を樹脂材料層によって形成した
ことを特徴とする。
【0018】また、第3の発明は、各静止板に、その放
射方向に延びる中心線に対して対称位置にオイルリフタ
ーポケットを設けたことを特徴とする。
射方向に延びる中心線に対して対称位置にオイルリフタ
ーポケットを設けたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図10を参照して
本発明の実施の形態について説明する。なお図中図1
1、図12及び図13と同一部分には同一符号を付しそ
の詳細な説明は省略する。
本発明の実施の形態について説明する。なお図中図1
1、図12及び図13と同一部分には同一符号を付しそ
の詳細な説明は省略する。
【0020】図1及び図2において、支持板3上に弾性
部材5を介して支持されている扇形状の各静止板4の上
面には、その放射方向に延びる両側端縁部以外の部分に
ホワイトメタル層4bが形成され、すべり面が形成され
ている。一方、上記両側端縁部の上面部にはポリテトラ
フルオルエチレン材料等の樹脂材料層13が設けられ、
当該部におけるすべり面が形成されている。
部材5を介して支持されている扇形状の各静止板4の上
面には、その放射方向に延びる両側端縁部以外の部分に
ホワイトメタル層4bが形成され、すべり面が形成され
ている。一方、上記両側端縁部の上面部にはポリテトラ
フルオルエチレン材料等の樹脂材料層13が設けられ、
当該部におけるすべり面が形成されている。
【0021】ところで、図3は図2のX部の詳細を示す
図であり、静止板4の放射方向に延びる左右両側面下部
には、間隔片10の上方に延びるような段部14が形成
され、左右両側端縁部の厚さが中央部の厚さより薄くし
てある。
図であり、静止板4の放射方向に延びる左右両側面下部
には、間隔片10の上方に延びるような段部14が形成
され、左右両側端縁部の厚さが中央部の厚さより薄くし
てある。
【0022】また、上記静止板4の左右両側端縁部の上
面には、図3に示すように、金属性の多孔質層15が台
金4b部に低融点金属16又はTIG溶接17により接
合されており、その多孔質層15の表面に樹脂材料層1
3が加圧・加温により接合されている。
面には、図3に示すように、金属性の多孔質層15が台
金4b部に低融点金属16又はTIG溶接17により接
合されており、その多孔質層15の表面に樹脂材料層1
3が加圧・加温により接合されている。
【0023】ところで、前述のように最小油膜厚さHm
は起動時には静止板4の周辺部に、また定格安定運転時
には潤滑油の出口側に発生する。この最小油膜厚さHm
は静止板4の小型・高面圧化に伴い減少する。したがっ
て、この個所では起動時の回転速度上昇率並びに発電負
荷に伴う軸受荷重の変動等の運転条件によって静止板4
と回転板6が接触する場合がある。
は起動時には静止板4の周辺部に、また定格安定運転時
には潤滑油の出口側に発生する。この最小油膜厚さHm
は静止板4の小型・高面圧化に伴い減少する。したがっ
て、この個所では起動時の回転速度上昇率並びに発電負
荷に伴う軸受荷重の変動等の運転条件によって静止板4
と回転板6が接触する場合がある。
【0024】しかるに、本発明においては、前述のよう
に静止板4の放射方向に延びる左右両端縁部に耐摩耗性
に優れた樹脂材料層13が設けられているので、最小油
膜厚さが小さくなっても静止板4の樹脂材料層13が回
転板6と接触することとなり、流体潤滑膜の形成に必要
なホワイトメタル層4bは保護される。したがって、静
止板4並びに回転板6のすべり面の損傷を少なくするこ
とができる。また、接触した場合でも樹脂材料の摩擦力
(発熱)が小さいので、静止板の焼損に至ることはな
く、回転機械の停止事故を防ぐことができる。
に静止板4の放射方向に延びる左右両端縁部に耐摩耗性
に優れた樹脂材料層13が設けられているので、最小油
膜厚さが小さくなっても静止板4の樹脂材料層13が回
転板6と接触することとなり、流体潤滑膜の形成に必要
なホワイトメタル層4bは保護される。したがって、静
止板4並びに回転板6のすべり面の損傷を少なくするこ
とができる。また、接触した場合でも樹脂材料の摩擦力
(発熱)が小さいので、静止板の焼損に至ることはな
く、回転機械の停止事故を防ぐことができる。
【0025】しかも、樹脂材料を両側端縁部に設けた場
合には図4に示すように従来のスラスト軸受における軸
受特性をそのまま生かすことができる。すなわち、図5
に示すように、静止板4の全すべり面に樹脂材料層20
を接合した場合には、その樹脂材料層20の断熱作用に
より台金4aの温度勾配eが小さくなり、このためすべ
り面の変形は凹形(−φx)となり、コイルスプリング
からなる弾性部材5の反力の合成力Wsと油膜圧力の合
成力Wpの合成支持点に差(ΔX)が生じ、流体潤滑軸
受としては成立しなくなる場合もあるが、本発明におい
ては、中央部においては断熱作用を行う合成樹脂層がな
いので、温度勾配c、油膜圧力d、凸型形状並びにコイ
ルスプリングの合成力Wsと油膜圧力の合成力Wpの一
致した支持点を得ることができる。
合には図4に示すように従来のスラスト軸受における軸
受特性をそのまま生かすことができる。すなわち、図5
に示すように、静止板4の全すべり面に樹脂材料層20
を接合した場合には、その樹脂材料層20の断熱作用に
より台金4aの温度勾配eが小さくなり、このためすべ
り面の変形は凹形(−φx)となり、コイルスプリング
からなる弾性部材5の反力の合成力Wsと油膜圧力の合
成力Wpの合成支持点に差(ΔX)が生じ、流体潤滑軸
受としては成立しなくなる場合もあるが、本発明におい
ては、中央部においては断熱作用を行う合成樹脂層がな
いので、温度勾配c、油膜圧力d、凸型形状並びにコイ
ルスプリングの合成力Wsと油膜圧力の合成力Wpの一
致した支持点を得ることができる。
【0026】また、本発明においては樹脂材料層13が
金属性の多孔質層15に加圧・加温により接合されてい
るので、上記樹脂材料層13が多孔質層15の多孔にし
み込んだ状態で接合され、その接合が十分に行われて剥
離等の発生が防止される。しかも上記金属性の多孔質層
15を金属の台金4bに溶着するので、その溶着も確実
で容易に行うことができる。
金属性の多孔質層15に加圧・加温により接合されてい
るので、上記樹脂材料層13が多孔質層15の多孔にし
み込んだ状態で接合され、その接合が十分に行われて剥
離等の発生が防止される。しかも上記金属性の多孔質層
15を金属の台金4bに溶着するので、その溶着も確実
で容易に行うことができる。
【0027】さらに、静止板4の左右両端縁部に段部が
形成されその厚さが中央部に比し薄くしてあるため、端
部が回転板6に片当りした場合でも、その薄厚部が集中
荷重によって容易に変形し、片当りを防止することがで
きる。
形成されその厚さが中央部に比し薄くしてあるため、端
部が回転板6に片当りした場合でも、その薄厚部が集中
荷重によって容易に変形し、片当りを防止することがで
きる。
【0028】なお、上記実施の形態においては、静止板
の左右両端縁のみに樹脂材料層を設けたものを示した
が、周縁の全周にわたって樹脂材料層を設けても同様の
作用効果を奏せしめることができる。
の左右両端縁のみに樹脂材料層を設けたものを示した
が、周縁の全周にわたって樹脂材料層を設けても同様の
作用効果を奏せしめることができる。
【0029】図6は、本発明の他の実施の形態を示す図
であり、スラストカラー7の下端面に装着された回転板
6のすべり面全面に前述と同様の樹脂材料層21が接合
されており、一方相対する静止板4のすべり面にはホワ
イトメタル層がなく鉄製台金の単体で構成されている。
であり、スラストカラー7の下端面に装着された回転板
6のすべり面全面に前述と同様の樹脂材料層21が接合
されており、一方相対する静止板4のすべり面にはホワ
イトメタル層がなく鉄製台金の単体で構成されている。
【0030】しかして、過渡的な運転で静止板4と回転
板6が瞬間的に接触しても、樹脂材料層21によって静
止板4並びに回転板6のすべり面の損傷は少なく、静止
板の焼損を防止することができる。
板6が瞬間的に接触しても、樹脂材料層21によって静
止板4並びに回転板6のすべり面の損傷は少なく、静止
板の焼損を防止することができる。
【0031】しかも、従来のスラスト軸受における回転
板6は、図7に示すように、回転板6の厚さ方向の温度
勾配gが大きく発生するため、回転板6には半径方向に
凸型状の熱変形が発生し、この変形が大きくなると軸受
特性が低減することが確認されている。
板6は、図7に示すように、回転板6の厚さ方向の温度
勾配gが大きく発生するため、回転板6には半径方向に
凸型状の熱変形が発生し、この変形が大きくなると軸受
特性が低減することが確認されている。
【0032】しかしながら、上記実施の形態において
は、回転板6のすべり面に熱伝導率が小さい樹脂材料層
が設けられているので、図8に示すように、回転板6の
厚さ方向には殆ど温度勾配hが発生せず、したがってす
べり面は平滑面となり、軸受特性の向上を図ることがで
きる。しかも、静止板4のすべり面には従来のようなホ
ワイトメタル層4bが不要となり、構成が簡素化され、
ホワイトメタル層4bの接合面の剥離、クリープ、流動
等の問題が解消される。
は、回転板6のすべり面に熱伝導率が小さい樹脂材料層
が設けられているので、図8に示すように、回転板6の
厚さ方向には殆ど温度勾配hが発生せず、したがってす
べり面は平滑面となり、軸受特性の向上を図ることがで
きる。しかも、静止板4のすべり面には従来のようなホ
ワイトメタル層4bが不要となり、構成が簡素化され、
ホワイトメタル層4bの接合面の剥離、クリープ、流動
等の問題が解消される。
【0033】図9は、本発明のさらに他の実施の形態を
示す図であり、各静止板4のすべり面には、その静止板
4の放射方向に延びる中心線に対して対称位置にオイル
リフターポケット22a,22bが設けられ、その各オ
イルリフターポケット22a,22bが、図10に示す
ように通孔23a,23b及び導管24a,24b、並
び切換弁25を介して給油ポンプ26に接続されてい
る。
示す図であり、各静止板4のすべり面には、その静止板
4の放射方向に延びる中心線に対して対称位置にオイル
リフターポケット22a,22bが設けられ、その各オ
イルリフターポケット22a,22bが、図10に示す
ように通孔23a,23b及び導管24a,24b、並
び切換弁25を介して給油ポンプ26に接続されてい
る。
【0034】しかして、可逆回転の水車発電機におい
て、停止状態から図10の矢印A方向に回転起動する場
合は、給油ポンプ26から切換弁25を介してオイルリ
フターポケット22aに高圧潤滑油が供給される。した
がって、高圧潤滑油が、回転板6と静止板4とのすべり
面間における入口側寄り部分に供給される。それによ
り、静止板4は傾きを生じ回転板6と静止板4の間に楔
状の流体膜が確実に形成され、回転板6の摩擦トルクが
軽減され、回転板6及び静止板4の両すべり面の損傷が
防止される。また、定格回転速度では従来と同様にオイ
ルリフター装置は停止されるが、回転している回転板6
の流体の動圧作用により、静止板4と回転板6間に油膜
圧力が発生する。
て、停止状態から図10の矢印A方向に回転起動する場
合は、給油ポンプ26から切換弁25を介してオイルリ
フターポケット22aに高圧潤滑油が供給される。した
がって、高圧潤滑油が、回転板6と静止板4とのすべり
面間における入口側寄り部分に供給される。それによ
り、静止板4は傾きを生じ回転板6と静止板4の間に楔
状の流体膜が確実に形成され、回転板6の摩擦トルクが
軽減され、回転板6及び静止板4の両すべり面の損傷が
防止される。また、定格回転速度では従来と同様にオイ
ルリフター装置は停止されるが、回転している回転板6
の流体の動圧作用により、静止板4と回転板6間に油膜
圧力が発生する。
【0035】一方、矢印Bで示す方向に起動する場合に
は、切換弁25を切換えることによって、オイルリフタ
ーポケット22bに高圧潤滑油が供給され、上述と同様
に作用する。
は、切換弁25を切換えることによって、オイルリフタ
ーポケット22bに高圧潤滑油が供給され、上述と同様
に作用する。
【0036】したがって、可逆回転機においても、その
起動時に静止板と回転板との間の潤滑油の流体膜を確実
に形成することができ、最小油膜厚さが極端に薄くなる
ことを防止でき、静止板と回転板が瞬間的に接触するよ
うなことを防止することができる。
起動時に静止板と回転板との間の潤滑油の流体膜を確実
に形成することができ、最小油膜厚さが極端に薄くなる
ことを防止でき、静止板と回転板が瞬間的に接触するよ
うなことを防止することができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、回転板を摺動自在に支持する複数の静止板のすべり
面の左右両端縁部或は回転板のすべり面全面に耐摩耗性
の樹脂材料層を設けたので、両すべり面の損傷、焼損等
を防止し、軸受の性能を向上させ、信頼性を向上させる
ことができる。また、オイルリフターポケットを中心軸
線に対して対称に設けた場合には、起動回転方向がいず
れの場合でも静止板に傾きが発生され、油膜の発生が確
実に行われ、油膜厚が極端に薄くなることが防止され
る。
は、回転板を摺動自在に支持する複数の静止板のすべり
面の左右両端縁部或は回転板のすべり面全面に耐摩耗性
の樹脂材料層を設けたので、両すべり面の損傷、焼損等
を防止し、軸受の性能を向上させ、信頼性を向上させる
ことができる。また、オイルリフターポケットを中心軸
線に対して対称に設けた場合には、起動回転方向がいず
れの場合でも静止板に傾きが発生され、油膜の発生が確
実に行われ、油膜厚が極端に薄くなることが防止され
る。
【図1】本発明のスラスト軸受の静止板部分の平面図。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図。
【図3】図2の“X”部詳細図。
【図4】図1記載のスラスト軸受における静止板の厚さ
方向の温度勾配と油膜圧力を示す図。
方向の温度勾配と油膜圧力を示す図。
【図5】静止板の変形原理図。
【図6】本発明の他の実施の形態を示す断面図。
【図7】従来の回転板の熱変形を示す原理図。
【図8】図6に示す軸受における回転板の熱変形を示す
図。
図。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態の静止板部分の
平面図。
平面図。
【図10】図9に示す静止板への潤滑油供給装置の概略
説明図。
説明図。
【図11】従来のスラスト軸受の縦断面図。
【図12】図11に示す軸受の静止板部分の平面図。
【図13】図12のI−I線に沿う断面図。
【図14】従来技術における静止板の熱変形を示す図。
【図15】従来技術における静止板の弾性変形を示す
図。
図。
【図16】定状運転パターンにおける静止板の変形状態
説明図。
説明図。
1 回転軸 2 油槽 3 支持板 4 静止板 4a 台金 4b ホワイトメタル層 5 弾性部材 6 回転板 7 スラストカラー 13,21 樹脂材料層 15 多孔質層 22a,22b オイルリフターポケット
Claims (5)
- 【請求項1】回転軸に取り付けたスラストカラーを、回
転軸の周りに放射状に配置された複数の扇形の静止板に
よって摺動可能に支持するようにした回転機械のスラス
ト軸受において、上記各静止板における放射方向に延び
る両側端縁部のすべり面を樹脂材料層によって形成し、
残部のすべり面は軟金属で形成したことを特徴とする、
回転機械のスラスト軸受。 - 【請求項2】樹脂材料層は金属性の多孔質層上に層着さ
れ、その多孔質層が静止板の台金に接合されていること
を特徴とする、請求項1記載の回転機械のスラスト軸
受。 - 【請求項3】各静止板の放射方向に延びる両側端縁部を
中央部に比し薄厚としたことを特徴とする、請求項1記
載の回転機械のスラスト軸受。 - 【請求項4】回転軸に取り付けたスラストカラーを、回
転軸の周りに放射状に配置された複数の扇形の静止板に
よって摺動可能に支持するようにした回転機械のスラス
ト軸受において、上記スラストカラーの下端面に設けた
回転板のすべり面を樹脂材料によって形成したことを特
徴とする、回転機械のスラスト軸受。 - 【請求項5】回転軸に取り付けたスラストカラーを、回
転軸の周りに放射状に配置された複数の扇形の静止板に
よって摺動可能に支持するようにした回転機械のスラス
ト軸受において、上記各静止板に、その放射方向に延び
る中心線に対して対称位置にオイルリフターポケットを
設けたことを特徴とする、回転機械のスラスト軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7190687A JPH0946957A (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 回転機械のスラスト軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7190687A JPH0946957A (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 回転機械のスラスト軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0946957A true JPH0946957A (ja) | 1997-02-14 |
Family
ID=16262207
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7190687A Pending JPH0946957A (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 回転機械のスラスト軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0946957A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010530509A (ja) * | 2007-06-18 | 2010-09-09 | フォイト・パテント・ゲーエムベーハー | シャフト、特に水力タービンのシャフト用のスラスト軸受 |
JP2012532279A (ja) * | 2009-07-10 | 2012-12-13 | シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト | 風力タービン主軸受け |
-
1995
- 1995-07-26 JP JP7190687A patent/JPH0946957A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010530509A (ja) * | 2007-06-18 | 2010-09-09 | フォイト・パテント・ゲーエムベーハー | シャフト、特に水力タービンのシャフト用のスラスト軸受 |
JP2012532279A (ja) * | 2009-07-10 | 2012-12-13 | シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト | 風力タービン主軸受け |
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