JP2017180684A - フォイル軸受、およびターボ機械 - Google Patents

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【課題】本発明では、フォイルの軸受面と軸の間に形成される軸受隙間の大きさを任意に変更可能なフォイル軸受を提供することを課題としている。【解決手段】フォイルホルダ31と、フォイルホルダ31に取り付けられ、ラジアル軸受面S1を備えた複数のフォイル32とを有し、ラジアル軸受面S1と軸6の間に形成した流体膜で軸6を相対回転自在に支持するラジアルフォイル軸受30において、フォイルホルダ31に、変形量が可変であり、かつ変形時にフォイル32を押圧する変形部材20を設けたことを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、フォイル軸受、あるいは、フォイル軸受を備えたターボ機械に関する。
ターボ機械(例えばガスタービンやターボチャージャ)の主軸は高温環境下で高速回転する。また、ターボ機械では、エネルギー効率の観点から油循環用の補機を別途設けることが困難な場合がある他、潤滑油のせん断抵抗が主軸の高速回転化の阻害要因となる場合がある。そのため、ターボ機械の主軸の支持用軸受としては、油潤滑の転がり軸受や動圧軸受ではなく空気動圧軸受を使用する場合が多い。
空気動圧軸受としては、回転側の軸受面と静止側の軸受面の双方を剛体で構成したものが一般的である。しかしながら、この種の空気動圧軸受では、両軸受面間に形成される軸受隙間の隙間幅管理が不十分であると、安定限界を超えた際にホワールと称される自励的な主軸の振れ回りが生じ易くなる。従って、一般的な空気動圧軸受において、所望の軸受性能を安定的に発揮するには、軸受隙間の隙間幅を高精度に管理する必要があるが、ターボ機械のように温度変化の大きい環境では、熱膨張の影響で軸受隙間の隙間幅が変動し易いため、所望の軸受性能を安定的に発揮するのが困難である。
ホワールが生じ難く、かつ温度変化の大きい環境下でも軸受隙間の隙間幅管理を容易にできる軸受としてフォイル軸受が知られている。フォイル軸受は、曲げに対して剛性の低い可撓性を有する金属薄板(フォイル)で軸受面を構成し、この軸受面のたわみを許容することで荷重を支持するものである。
上記のフォイル軸受として、例えば、軸受の内周側に設けられるトップフォイルが軸受面を構成し、外周側に設けられるバンプフォイルがトップフォイルを弾性的に支持する構成のものが存在する(例えば、特許文献1〜3)。
また、バンプフォイルを設けずに、筒状のフォイルホルダの周方向に複数設けられるフォイルが、当該周方向に一部重なり合う様に設けられ、重複部分で軸を弾性的に支持する構成のフォイル軸受が存在する(例えば、特許文献4〜6)。
実開昭61−36725号公報 実開昭61−38321号公報 実開昭63−195412号公報 特公平2−20851号公報 特開平4−54309号公報 特開2002−295467号公報
ところで、フォイル軸受に支持される軸の運動特性は、フォイルの軸受面と軸の間に形成される軸受隙間の大きさによって変化する。例えば、軸受隙間が小さいほど、軸受隙間に形成される空気膜の厚みが薄くなって空気膜の圧力は大きくなり、軸の振動減衰性が高まると共に、フォイル軸受の負荷容量は大きくなる。一方で、軸の回転運動の安定性が小さくなり、軸は振れ回りしやすくなる。
しかし、上記のフォイル軸受の場合、軸受隙間の大きさはフォイルの可撓性に依存しており、その大きさを軸の回転中に能動的に変化させることができなかった。このため、軸の運動特性をその使用状況等に応じて変更することができず、最適な運動特性を得ることが難しかった。
この様な事情から、本発明では、フォイルの軸受面と軸の間に形成される軸受隙間の大きさを任意に変更可能なフォイル軸受を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明は、フォイルホルダと、前記フォイルホルダに取り付けられ、軸受面を備えた複数のフォイルとを有し、前記軸受面と軸の間に形成した流体膜で前記軸を相対回転自在に支持するフォイル軸受において、前記フォイルホルダに、変形量が可変であり、かつ変形時に前記フォイルを押圧する変形部材を設けたことを特徴とするものである。
既存のフォイル軸受でも、荷重の変化や回転速度の変動に追従してフォイルが変形する。これに対し、本発明のフォイル軸受では、変形部材の変形によりフォイルを押圧し、荷重や回転速度の変動から切り離してフォイルを変形させることができる。従って、フォイルの軸受面と軸の間に形成される軸受隙間を、回転中および停止中を問わず、軸受運転条件に適合した適正幅に変更することが可能となる。
変形部材の変形量を電気的に制御可能とすることにより、軸受隙間の大きさを周囲環境と切り離して能動的に制御することが可能となる。この条件に当てはまる変形部材として、例えば圧電素子を使用することが考えられる。
また、変形部材の変形量を外部環境に応じて可変とすることで、軸受隙間の大きさを外部環境に適合するよう受動的に制御することが可能となる。この条件に当てはまる変形部材として、例えばバイメタルを使用することが考えられる。
また、本発明は、上記のフォイル軸受と軸とを備えたターボ機械とすることができる。
以上の様に、本発明では、フォイルの軸受面と軸の間に形成される軸受隙間の大きさを積極的に変更することができる。従って、フォイル軸受の軸受特性を変化させ、使用機器に適合した軸支持機能を得ることが可能となる。
ガスタービンの構成を概念的に示す図である。 上記ガスタービンにおけるロータの支持構造を示す断面図である。 上記支持構造に組み込まれたフォイル軸受ユニットの断面図である。 上記フォイル軸受ユニットに組み込まれたラジアルフォイル軸受の断面図である。 (A)は、上記ラジアルフォイル軸受のフォイルの斜視図であり、(B)は3枚のフォイルを仮組みした状態の斜視図である。 (A)は変形部材を示す断面図で、(B)はフォイルを押圧した状態の変形部材を示す断面図である。 変形部材としてバイメタルを用いた場合の、(A)は変形部材を示す断面図で、(B)はフォイルを押圧した状態の変形部材を示す断面図である。 変形部材をそれぞれのフォイルに対して周方向に複数設けたラジアルフォイル軸受の断面図である。 変形部材を周方向に幅を持たせて配置したラジアルフォイル軸受の断面図である。 変形部材を軸方向に幅を持たせて配置したラジアルフォイル軸受の断面図である。 (A)は第1スラストフォイル軸受の平面図であり、(B)は第2スラストフォイル軸受の平面図である。 第1スラストフォイル軸受のフォイルの平面図である。 図10中のX−X線断面を展開した図である。 変形部材を設けた第1スラストフォイル軸受の断面図である。 ターボチャージャの構成を概念的に示す図である。
図1に、ターボ機械の一種であるガスタービンの構成を概念的に示す。このガスタービンは、それぞれに翼列を形成したタービン1および圧縮機2と、発電機3と、燃焼器4と、再生器5とを主に備える。タービン1、圧縮機2、および発電機3には、水平方向に延びる共通の軸6が設けられ、この軸6と、タービン1および圧縮機2とで一体回転可能のロータが構成される。吸気口7から吸入された空気は、圧縮機2で圧縮され、再生器5で加熱された上で燃焼器4に送り込まれる。この圧縮空気に燃料を混合して燃焼させ、高温、高圧のガスでタービン1を回転させる。タービン1の回転力が軸6を介して発電機3に伝達され、発電機3が回転することにより発電し、この電力がインバータ8を介して出力される。タービン1を回転させた後のガスは比較的高温であるため、このガスを再生器5に送り込んで燃焼前の圧縮空気との間で熱交換を行うことで、燃焼後のガスの熱を再利用する。再生器5で熱交換を終えたガスは、排熱回収装置9を通ってから排ガスとして排出される。
図2に、上記ガスタービンにおけるロータの軸6を支持するフォイル軸受ユニット10を示す。フォイル軸受ユニット10は、軸6と、ラジアルフォイル軸受30と、第1スラストフォイル軸受40と、第2スラストフォイル軸受50と、変形部材20とを備える。ラジアルフォイル軸受30は軸6をラジアル方向で支持し、第1スラストフォイル軸受40および第2スラストフォイル軸受50は、軸6を両スラスト方向で支持する。
軸6は、図3に示すように、スリーブ部61と、スリーブ部61から外径に突出した円盤状のフランジ部62とを備える。フランジ部62は例えば炭素繊維強化複合材で形成され、スリーブ部61は例えば炭素焼結材で形成される。
各フォイル軸受30,40,50のフォイルホルダ31,41,51には軸受面を構成するフォイル32,42,52が取り付けられている。フォイル32,42,52は、ばね性に富み、かつ加工性のよい金属、例えば鋼材料や銅合金からなる厚さ20μm〜200μm程度のフォイル素材で形成される。フォイル素材としては、ステンレス鋼もしくは青銅製からなるものが好ましい。
ラジアルフォイル軸受30は、スリーブ部61をラジアル方向に支持するものである。ラジアルフォイル軸受30は、図4に示すように、筒状(図示例では円筒状)のフォイルホルダ31と、フォイルホルダ31の内周面に取り付けられた複数(図示例では3枚)のフォイル32とを有する。複数のフォイル32は、フォイルホルダ31の内周面に周方向に並べて配置される。
フォイルホルダ31の内周面31aには溝31bが形成される。本実施形態では、フォイルホルダ31の円周方向等間隔の複数箇所(図示例では3箇所)に、軸方向に沿って延びる溝31bが設けられる。フォイルホルダ31は金属で形成され、例えば溝31bを含めて一体に型成形される。本実施形態のフォイルホルダ31は、焼結金属で一体に型成形される。尚、フォイル軸受ユニット10が比較的低温環境で使用される場合、フォイルホルダ31を樹脂で型成形してもよい。
また、フォイルホルダ31の内周面31aには軸方向に沿って延びる収納溝31cが形成されている。収納溝31cには、後述する軸受隙間の大きさを可変とする変形部材20が収納されている。
各フォイル32は、図5(A)に示すように、周方向一端に設けられた凸部32cと、周方向他端に設けられた凹部32dとを備える。各フォイル32の凸部32cと凹部32dとは、軸方向で同じ位置に設けられる。図5(B)に示すように、各フォイル32の凸部32cを、隣接するフォイル32の凹部32dに嵌め込むことで、3枚のフォイル32を筒状に仮組みすることができる。この場合、図4に示す軸方向視において、各フォイル32の反回転方向側の一端(凸部32c)と、隣接するフォイル32の回転方向R側の他端(凹部32dの軸方向両側の凸部32e)とが交差した状態となる。この状態で、各フォイル32の両端が、フォイルホルダ31に保持される。具体的には、各フォイル32の回転方向側の端部に設けられた凸部32eがフォイルホルダ31の溝31bに差し込まれ、各フォイル32の反回転方向側の端部に設けられた凸部32cが、隣接するフォイル32の外径面32bとフォイルホルダ31の内周面31aとの間に配される。この場合、複数のフォイル32の回転方向R側への移動は、各フォイル32の凸部32eが溝31bの内壁に突き当たることで規制されるが、複数のフォイル32の反回転方向側への移動は規制されていない。これにより、複数のフォイル32が、フォイルホルダ31に対して周方向移動可能とされる。
各フォイル32の内径面32aは、ラジアル軸受面S1として機能する(図4参照)。図示例では、3枚のフォイル32で多円弧型の軸受面S1を形成している。フォイルホルダ31の内周面31aと各フォイル32との間には、フォイル32に弾性力を付与するための別部材(バックフォイル等)は設けられておらず、フォイル32の外径面32bとフォイルホルダ31の内周面31aとが摺動可能とされる。各フォイル32の凸部32cは、隣接するフォイル32の軸受面S1の外径側に配され、アンダーフォイル部として機能する。
図6(A)に示すように、フォイル32の軸受面S1とスリーブ部61の外周面61aの間には、ラジアル軸受隙間D1が形成される。軸6は、この軸受隙間D1に形成される空気膜(流体膜)の圧力により、ラジアルフォイル軸受30によって非接触状態で支持されて回転する。
ラジアルフォイル軸受30によって支持される軸6の回転運動は、この軸受隙間D1の大きさによってその運動特性が大きく変化する。例えば、軸受隙間D1の大きさが小さいほど、軸受隙間D1において形成される空気膜の厚さは薄くなり、空気膜の圧力は大きくなって、ラジアルフォイル軸受30の負荷容量も大きくなる。また、軸6の回転中の摩擦損失も大きくなり、軸6の振動減衰性が高まるが、一方で軸6の回転が不安定になり、振れ回りしやすくなる。
本実施形態では、ガスタービンの使用状況等に応じて、軸6の運動特性を適正化する目的で、軸受隙間D1を任意の大きさ(幅)に変更するための変形部材20がフォイルホルダ31の収納溝31cに設けられる。以下、この変形部材20について説明する。
変形部材20は、電圧の印加などの手段により、電気的にその変形量を制御可能な部材によって構成することができ、本実施形態の変形部材20は、電圧が印加されることによって膨張する圧電素子により構成される。
図6(B)に示すように、電圧の印加によって変形部材20は膨張し、変形部材20を収納する収納溝31cの枠内を超えてフォイル32の側へ変形する。そして、変形部材20はフォイル32に接触し、フォイル32を軸6の側へ押圧する。変形部材20に押圧されたフォイル32は、軸6の側へ撓み、軸受隙間D1の幅が小さくなる。
なお、図6(A)および図6(B)では、軸6、フォイル32、フォイルホルダ31のそれぞれの間隔を便宜上誇張して表現している。しかし、例えば軸6とフォイル32の間に形成される軸受隙間D1の実際の幅は、軸6の1/1000のオーダーであり、例えば直径が数mm程度の軸6であれば、その隙間は数十μm程度である。
圧電素子に印加する電圧の量を変更することにより、変形部材20のフォイル32の側への変形量(フォイル32の押圧量)を調整することができる。これにより、軸受隙間D1の幅を調整し、軸6の運動特性を変化させることができる。また、軸受隙間D1をなくし、軸6とフォイル32を直に接触させることで、両者に発生する摩擦力により、軸6の回転運動を減速あるいは停止させることもできる。
圧電素子は、印加する電圧量によってその変形量を細かく調整することができる。このため、従来のフォイル軸受が、フォイルが持つ可撓性や軸の運動中における回転速度の変動や荷重の変化に応じて、受動的に軸受隙間D1の大きさが変化するのみであるのに対して、本実施形態では、印加する電圧量を変更することにより、能動的に軸受隙間D1の大きさを変更することができる。また、印加する電圧量を細かく変更することで、軸受隙間D1の幅を細かく調整することが可能になる。
また、圧電素子は、印加された電圧に対する応答性がよく変形が速やかに行われるため、後述する温度変化によって変形させるバイメタル等と比べて、軸6の運動状態に応じて、迅速に軸受隙間D1の幅を調整することが可能である。
上記の様に、軸受隙間D1の幅の変更は、軸6の高速回転に合わせて高い追従性を有することが望ましく、変形部材20を形成する圧電素子の材料は、印加される電圧に応じてより速やかに変形する材料を用いることが好ましい。例えば、圧電素子を形成する材料として、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr、Ti)O3)等を用いることができる。チタン酸ジルコン酸鉛等の圧電素子に用いることのできる材料は、その強度に優れており、本実施形態のガスタービンのような高温・高圧の環境下での使用にも適している。
圧電素子は単一素材で形成した場合にはその変形量は微小であるため、フォイルの押圧量を十分に確保するために、複数の材料を接合してなる圧電素子とすることが好ましい。
また、変形部材20は、外部環境に応じて変形する構成とすることもできる。具体的には、軸6が回転時の高温環境下で、温度上昇により膨張するバイメタルや形状記憶合金を用いることができる。
変形部材20としてバイメタルを用いる場合、変形部材20は熱膨張率の異なる2枚の金属板(金属材)を接合して形成することができる。これらの金属板は加熱により膨張し、2枚の金属板の膨張率の違いによって変形部材20の膨張する方向を決定することができる。
具体的には、図7(A)に示すように、熱膨張率の大きい金属板21と金属板21よりも熱膨張率の小さい金属板22を接合してなる変形部材20が、フォイルホルダ31の収納溝31cに収納される。この際、熱膨張率の大きい金属板21がフォイルホルダ31の内周面31aの側に配置される。
そして、図7(B)に示すように、加熱機構による発熱や軸6の回転運動による空気膜との摩擦等によって変形部材20が加熱されると、変形部材20は、熱膨張率の大きい金属板21が配置された内周面31aの側へ膨張する。この膨張により、変形部材20がフォイル32を軸6の側へ押圧し、軸受隙間D1の幅を小さくすることができる。変形部材20をバイメタルとしたが、3種類以上の金属材を積層して形成される変形部材としてもよい。
形状記憶合金は、変態点以下の温度で変形しても、その温度以上に加熱すると元の形状に回復する性質をもった合金である。変形部材20として形状記憶合金を用いることにより、形状記憶合金が加熱により元の形状に復帰することを利用してフォイル32の側へ変形させることができる。形状記憶合金として、チタンとニッケルの合金や、鉄‐マンガン‐ケイ素合金を用いることができる。
以上のバイメタルや形状記憶合金を変形部材20として用いることにより、変形部材20を外部環境(高温環境)に応じてその形状を可変とし、外部環境に適合するよう受動的にその変形量を制御し、軸受隙間D1の大きさを可変とすることができる。ただし、前述した様に、加熱機構を設けて、別途、変形部材20を加熱することもできる。
変形部材20として上記の構成を採用することにより、数十μmのオーダーで軸受隙間D1の幅の調整を行うことができ、軸6の運動特性をより細かく調整することが可能である。
また、軸6に変位センサを取り付けて、回転運動時の軸6の径方向の変位量を検知させ、この軸6の変位量に応じて軸受隙間D1の幅を調整することが好ましい。これにより、例えば軸6の変位量が大きい場合には、軸受隙間D1の幅を広げることで、回転運動を安定させて軸6の振れ回りを抑制する等、軸6の運動状態に応じて適切な軸受隙間D1の幅を設定することが可能になる。
変形部材20は、軸6の軸方向に複数設けられており(図2参照。図示例では2つ)、3つ以上設けることもできる。これにより、軸方向の複数個所でフォイル32を軸6の側へ押圧することができ、軸方向における軸受隙間D1の幅のムラを少なくすることができる。
また、変形部材20は、それぞれのフォイル32に対向して設けられており(図4参照)、各変形部材20に電圧を印加することにより、それぞれのフォイル32と軸6の間の軸受隙間D1の幅を調整することができる。また、図8に示すように、それぞれのフォイル32に対して、変形部材20を複数対向させて設けることもできる。周方向の複数位置でフォイル32を押圧することにより、周方向における軸受隙間D1の幅のムラをなくすことができる。
さらに、変形部材20の大きさは任意の大きさで設定することができ、フォイル32を押圧する範囲を任意に設定することができる。例えば図9に示すように、変形部材20を周方向に幅をもって設けることもできるし、図10に示すように、軸方向に幅をもって設けることもできる。これにより、求める軸6の運動特性等に応じて、必要とする幅でフォイル32を軸6の側へ押圧し、軸受隙間D1の幅を変更することができる。
次に第1スラストフォイル軸受40および第2スラストフォイル軸受50の構成を説明する。
第1スラストフォイル軸受40は、図3に示すように、軸6のフランジ部62を軸方向一方側から支持するものであり、図3および図11(A)に示すように、フォイルホルダ41と、フォイルホルダ41に取り付けられる複数のフォイル42とを備える。フォイルホルダ41は、軸心に穴を有する円盤状のホルダ本体41aと、ホルダ本体41aの端面41a1の外径端に設けられた環状の固定部材41bとを有する。ホルダ本体41aと固定部材41bで各フォイル42を軸方向両側から挟み込むことにより、各フォイル42がフォイルホルダ41に保持される。本実施形態では、第1スラストフォイル軸受40のフォイルホルダ41のホルダ本体41aと、ラジアルフォイル軸受30のフォイルホルダ31とが一体に形成されている。
図11(A)に示すように、フォイル42は回転方向R(円周方向)の複数個所に等ピッチで配置される。図12は、回転方向Rに並べた複数のフォイル42のうち、一つのフォイル42のみを図示して他のフォイルの図示を省略したものである。図12に示すように、各フォイル42は、後述するトップフォイル部Tfおよびバックフォイル部Bfを構成する本体部42aと、本体部42aから外径側に延びる延在部42bとを一体に備える。
フォイル42の本体部42aは、回転方向R側に位置する前端421と、反回転方向側に位置する後端422と、前端421の両側方で前端421につながった側端423,424とを有する。前端421および後端422は、いわゆるヘリングボーン形状をなしており、前端421はその両端部の間を回転方向R側に突出させた凸形状に形成され、後端422は、その両端部の間を回転方向R側に凹ませた凹形状に形成されている。前端421および後端422は、軸受面S2に双方向で、かつ回転方向Rと直交する方向N(スラストフォイル軸受では半径方向)の中央領域に頂部421a,422aを有する。本実施形態では、双方の頂部421a,422aの輪郭形状を円弧にした場合を例示している。内径側および外径側の側端423,424は何れも、軸心を中心とする円弧で形成されている。
延在部42bは、本体部42aの外径端から、外径側を反回転方向に後退させることで半径方向に対して傾斜方向に延びるように形成されている。図11(A)に示すように、回転方向Rに配列された各延在部42bは、互いに重なり合うことなく回転方向Rの隙間を介してフォイルホルダ41を構成するホルダ本体41aの同一平面上に配置される。ホルダ本体41a上に並べた各延在部42b上に固定部材41bを配置し、各フォイル42の延在部42bの外径部分(図12にクロスハッチングで示す)をホルダ本体41aと固定部材41bとで挟み込み、両部材41a,41bをボルト等で締め付け固定することで、各フォイル42がフォイルホルダ41に固定される。
図13は、図11(A)中のX−X線の断面図である。図13に示すように、第1スラストフォイル軸受40の各フォイル42は、ホルダ本体41aの端面41a1上に、各フォイル42の半ピッチ分だけ位相をずらしながら回転方向Rに部分的に重ね合わせて配置されている。各フォイル42の前端421を含む回転方向先行側の領域は、隣接するフォイル42上に乗り上げたトップフォイル部Tfを構成する。また、各フォイル42の後端422を含む反回転方向側の領域は、隣接するフォイル42のトップフォイル部Tfの背後で当該トップフォイル部Tfを支持するバックフォイル部Bfを構成する。各フォイル42のトップフォイル部Tfの表面で、フランジ部62の一方の端面62aと対向するスラスト軸受面S2が形成される。
図3に示すように、第2スラストフォイル軸受50は、軸6のフランジ部62を軸方向他方側から支持するものであり、図11(B)に示すように、フォイルホルダ51と、フォイルホルダ51に固定された複数のフォイル52とを備える。フォイルホルダ51は、軸心に穴を有する円盤状のホルダ本体51aと、ホルダ本体51aの端面51a1の外径端に配置された固定部材51bとを有する。各フォイル52は、本体部52aと、本体部から外径側に延びる延在部52bとを有する。各フォイル52の本体部52aでトップフォイル部Tfとバックフォイル部Bf(図13参照)が形成され、各フォイル52のトップフォイル部Tfの表面で、フランジ部62の他方の表面62bと対向するスラスト軸受面S3が形成される。
前述した変形部材20を第1スラストフォイル軸受40や第2スラストフォイル軸受50に設けることもできる。例えば図14に示すように、第1スラストフォイル軸受40のフォイルホルダ41(ホルダ本体41a)に変形部材20を設けた場合、変形部材20がフォイル42の側へ変形することにより、フォイル42をフランジ部62(軸6)の側へ押圧する。そして、このフォイル42に対する変形部材20の押圧量を変更することにより、スラスト軸受面S2とフランジ部62(軸6)の間に形成されたスラスト軸受隙間D2の幅を調整することができる。なお、図13および図14についても、便宜上、軸6とフォイル42の間に形成される軸受隙間の幅を誇張して表現している。
また、以上の実施形態では、本発明に係るスラストフォイル軸受およびラジアルフォイル軸受をガスタービンに適用した場合を示したが、これに限らず、例えば図15に示すような過給機に適用してもよい。この過給機は、エンジン73に空気を送り込むいわゆるターボチャージャ(ターボ機械)であり、圧縮機71と、タービン72とを備える。圧縮機71及びタービン72は軸6で連結されている。軸6は、ラジアルフォイル軸受30と第1スラストフォイル軸受40および第2スラストフォイル軸受50とでラジアル方向及び両スラスト方向に支持される。図示例では、ラジアルフォイル軸受30を軸方向に離隔した2箇所に設けている。図示しない吸気口から吸入された空気は、圧縮機71で圧縮され、燃料を混合してエンジン73に供給される。エンジン73で燃料を混合した圧縮空気を燃焼させ、エンジン73から排気された高温、高圧のガスでタービン72を回転させる。このときのタービン72の回転力が、軸6を介して圧縮機71に伝達される。タービン72を回転させた後のガスは、排ガスとして外部に排出される。
本実施形態のフォイル軸受を上記のターボチャージャに適用することにより、前述したガスタービンの場合と同様に、軸受隙間を調整することで軸6の運動特性を適宜調整することができる。
また、ターボチャージャに設けられた軸6を任意に減速あるいは停止させることもできる。つまり、軸受隙間を無くしてフォイルと軸を直に接触させることで、両者の間に発生する摩擦力により、軸6の回転を減速あるいは停止させることができる。従来の構成では、ターボチャージャを運転させない場合、別経路を設けて排気ガスの圧力を調整し、排気ガスがタービン72へ流入させない様にすることを要した。しかし本実施形態では、上記の様に、ターボチャージャの運転を必要としない場合、フォイルと軸を直に接触させることで、軸の回転を減速あるいは停止させることができる。
以上の実施形態では、変形部材のフォイルの側への変形により、変形部材がフォイルに直に接触し、フォイルを軸の側へ押圧する構成について説明した。しかし、変形部材とフォイルの間に別部材を設け、この別部材が、変形部材の変形によりフォイルに接触し、フォイルを軸の側へ押圧する構成としてもよい。
6 軸
61 スリーブ部
62 フランジ部
61a,62a 外周面
20 変形部材
30 ラジアルフォイル軸受(フォイル軸受)
40 第1スラストフォイル軸受(フォイル軸受)
50 第2スラストフォイル軸受(フォイル軸受)
31,41,51 フォイルホルダ
32,42,52 フォイル
D1 ラジアル軸受隙間(軸受隙間)
S1 ラジアル軸受面(軸受面)
D2 スラスト軸受隙間(軸受隙間)
S2,S3 スラスト軸受隙間(軸受隙間)

Claims (6)

  1. フォイルホルダと、
    前記フォイルホルダに取り付けられ、軸受面を備えた複数のフォイルとを有し、
    前記軸受面と軸の間に形成した流体膜で前記軸を相対回転自在に支持するフォイル軸受において、
    前記フォイルホルダに、変形量が可変であり、かつ変形時に前記フォイルを押圧する変形部材を設けたことを特徴とするフォイル軸受。
  2. 前記変形部材の変形量を電気的に制御可能とした請求項1記載のフォイル軸受。
  3. 前記変形部材を圧電素子で構成した請求項2記載のフォイル軸受。
  4. 前記変形部材の変形量を外部環境に応じて可変とした請求項1記載のフォイル軸受。
  5. 前記変形部材をバイメタルで構成した請求項4記載のフォイル軸受。
  6. 請求項1から5いずれか1項に記載のフォイル軸受と、前記軸とを備えたターボ機械。
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