JPH0945829A - 半導体冷却装置及びその放熱フィンの製造方法 - Google Patents
半導体冷却装置及びその放熱フィンの製造方法Info
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- JPH0945829A JPH0945829A JP7193659A JP19365995A JPH0945829A JP H0945829 A JPH0945829 A JP H0945829A JP 7193659 A JP7193659 A JP 7193659A JP 19365995 A JP19365995 A JP 19365995A JP H0945829 A JPH0945829 A JP H0945829A
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- power circuit
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- H01L2224/01—Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/10—Bump connectors; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/15—Structure, shape, material or disposition of the bump connectors after the connecting process
- H01L2224/16—Structure, shape, material or disposition of the bump connectors after the connecting process of an individual bump connector
- H01L2224/161—Disposition
- H01L2224/16151—Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive
- H01L2224/16221—Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked
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- H01L2224/4809—Loop shape
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- H01L2224/00—Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
- H01L2224/73—Means for bonding being of different types provided for in two or more of groups H01L2224/10, H01L2224/18, H01L2224/26, H01L2224/34, H01L2224/42, H01L2224/50, H01L2224/63, H01L2224/71
- H01L2224/732—Location after the connecting process
- H01L2224/73251—Location after the connecting process on different surfaces
- H01L2224/73253—Bump and layer connectors
Landscapes
- Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 高温で作動中高温となるパワー回路におい
て、その発生熱量を一時的または連続的に除去し、パワ
ー回路で使用している素子の寿命を向上させるととも
に、パワー回路を用いている装置のケース内の温度上昇
を防ぎ、ケース内で使用している半導体素子の寿命も向
上させること。 【解決手段】 金属製基板5に極めて発熱量が大きいス
イッチング素子やダイオード等が実装されたパワー回路
4にアルミ製矩形の放熱フィン2を接触させ、更に、放
熱フィン2と薄い多孔質のカバー1が隙間3を介して配
置され、その隙間3に液体冷媒61を注入し、冷媒の蒸
発面積を広くし、熱伝導も向上し、パワー回路に過電流
が流れ、素子の温度が許容温度以上になっても、冷媒が
供給されることによって放熱性能が向上し、パワー回路
の温度上昇を防ぐことができる。
て、その発生熱量を一時的または連続的に除去し、パワ
ー回路で使用している素子の寿命を向上させるととも
に、パワー回路を用いている装置のケース内の温度上昇
を防ぎ、ケース内で使用している半導体素子の寿命も向
上させること。 【解決手段】 金属製基板5に極めて発熱量が大きいス
イッチング素子やダイオード等が実装されたパワー回路
4にアルミ製矩形の放熱フィン2を接触させ、更に、放
熱フィン2と薄い多孔質のカバー1が隙間3を介して配
置され、その隙間3に液体冷媒61を注入し、冷媒の蒸
発面積を広くし、熱伝導も向上し、パワー回路に過電流
が流れ、素子の温度が許容温度以上になっても、冷媒が
供給されることによって放熱性能が向上し、パワー回路
の温度上昇を防ぐことができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチング素
子、ダイオード、パワーIC等を実装してなる発熱量が
大きく、かつ、高温で作動するパワー回路の発生熱量を
一時的または連続的に除去し、パワー回路で使用してい
る素子の寿命を長寿化させるとともに、パワー回路を用
いている装置のケース内の温度上昇を防ぎ、ケース内で
使用している半導体素子の寿命も長寿化させる半導体冷
却装置に関するものである。
子、ダイオード、パワーIC等を実装してなる発熱量が
大きく、かつ、高温で作動するパワー回路の発生熱量を
一時的または連続的に除去し、パワー回路で使用してい
る素子の寿命を長寿化させるとともに、パワー回路を用
いている装置のケース内の温度上昇を防ぎ、ケース内で
使用している半導体素子の寿命も長寿化させる半導体冷
却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、スイッチング素子、ダイオード
等を複数個実装してなる発熱量が大きく、かつ、高温で
作動するパワー回路は、そのパワー回路の発熱により、
装置のケース内温度が上昇し、ケース内で使用している
他の半導体素子の寿命が短くなるとともに、パワー回路
自体で使用している半導体素子の寿命も短くなる可能性
があった。更に、過負荷でパワー回路を運転し続けた
り、また、シャント抵抗を用いて過電流検出を行う一部
のパワー回路においては、条件によっては、一時的に半
導体素子の温度が上昇し、その部分の半導体素子の寿命
が短くなる可能性があった。
等を複数個実装してなる発熱量が大きく、かつ、高温で
作動するパワー回路は、そのパワー回路の発熱により、
装置のケース内温度が上昇し、ケース内で使用している
他の半導体素子の寿命が短くなるとともに、パワー回路
自体で使用している半導体素子の寿命も短くなる可能性
があった。更に、過負荷でパワー回路を運転し続けた
り、また、シャント抵抗を用いて過電流検出を行う一部
のパワー回路においては、条件によっては、一時的に半
導体素子の温度が上昇し、その部分の半導体素子の寿命
が短くなる可能性があった。
【0003】そこで、従来の半導体冷却装置では、半導
体等の発熱素子の放熱面に熱伝導の高い部材を用い、ヒ
ートシンクと呼ばれる放熱フィンを取付け、放熱フィン
が加熱されることによって生じる対流(自然対流)を利
用して、発熱素子で発生した熱量を外部空気に放出して
いた。また、上記技術の他にも、多孔質の物質で放熱フ
ィンを製作し、冷媒を放熱フィンに供給、浸透させるこ
とで冷媒を蒸発させ、その潜熱により半導体自体を冷却
する半導体冷却装置が特開平3−41754号公報で開
示されている。
体等の発熱素子の放熱面に熱伝導の高い部材を用い、ヒ
ートシンクと呼ばれる放熱フィンを取付け、放熱フィン
が加熱されることによって生じる対流(自然対流)を利
用して、発熱素子で発生した熱量を外部空気に放出して
いた。また、上記技術の他にも、多孔質の物質で放熱フ
ィンを製作し、冷媒を放熱フィンに供給、浸透させるこ
とで冷媒を蒸発させ、その潜熱により半導体自体を冷却
する半導体冷却装置が特開平3−41754号公報で開
示されている。
【0004】次に、上記公報に掲載の技術について説明
する。図11は従来の半導体冷却装置を示す外観図を示
す要部斜視図である。図において、30はセラミックス
等からなる多孔質材料で略升状に形成した放熱フィン、
61は多孔質の放熱フィン30に収容した液体冷媒、6
2は液体冷媒61が潜熱を受けて気化する蒸気冷媒、1
1は液体冷媒61を送給する送給管、20はプリント基
板等の基板、21は送給管11に配設されて、液体冷媒
61を送給制御するバルブ、22は冷却対象となるLS
I、23は電気的絶縁を行う熱伝導フィルムである。
する。図11は従来の半導体冷却装置を示す外観図を示
す要部斜視図である。図において、30はセラミックス
等からなる多孔質材料で略升状に形成した放熱フィン、
61は多孔質の放熱フィン30に収容した液体冷媒、6
2は液体冷媒61が潜熱を受けて気化する蒸気冷媒、1
1は液体冷媒61を送給する送給管、20はプリント基
板等の基板、21は送給管11に配設されて、液体冷媒
61を送給制御するバルブ、22は冷却対象となるLS
I、23は電気的絶縁を行う熱伝導フィルムである。
【0005】この半導体冷却装置は、多孔質の放熱フィ
ン30が高発熱のLSI22上に熱伝導フィルム23を
介して配設されている。そして、冷却のための液体冷媒
61は送給管11により供給され、多孔質の放熱フィン
30の多孔質性による冷媒の毛細管現象により、多孔質
の放熱フィン30の全体に広がる。LSI22で発生し
た熱は、熱伝導フィルム23を介して多孔質の放熱フィ
ン30へ伝えられ、多孔質の放熱フィン30に蓄えられ
た液体冷媒61を蒸発させ、このとき多孔質の放熱フィ
ン30から潜熱を奪って液体冷媒61が蒸気冷媒62と
なり、この潜熱の移動によって多孔質の放熱フィン30
から熱を除去する。
ン30が高発熱のLSI22上に熱伝導フィルム23を
介して配設されている。そして、冷却のための液体冷媒
61は送給管11により供給され、多孔質の放熱フィン
30の多孔質性による冷媒の毛細管現象により、多孔質
の放熱フィン30の全体に広がる。LSI22で発生し
た熱は、熱伝導フィルム23を介して多孔質の放熱フィ
ン30へ伝えられ、多孔質の放熱フィン30に蓄えられ
た液体冷媒61を蒸発させ、このとき多孔質の放熱フィ
ン30から潜熱を奪って液体冷媒61が蒸気冷媒62と
なり、この潜熱の移動によって多孔質の放熱フィン30
から熱を除去する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術では、液体
冷媒61を多孔質の放熱フィン30に染み込ませ、冷媒
の毛細管現象により多孔質の放熱フィン30の全体に液
体冷媒61を行き渡らせるものであるから、多孔質の放
熱フィン30の全体に液体冷媒61が行き渡るまでに非
常に時間がかかる。また、放熱フィン30の全体が多孔
質でできているため、LSI22等の半導体素子からの
熱伝導が悪く、蒸発に要する潜熱量が100%利用でき
ていない。
冷媒61を多孔質の放熱フィン30に染み込ませ、冷媒
の毛細管現象により多孔質の放熱フィン30の全体に液
体冷媒61を行き渡らせるものであるから、多孔質の放
熱フィン30の全体に液体冷媒61が行き渡るまでに非
常に時間がかかる。また、放熱フィン30の全体が多孔
質でできているため、LSI22等の半導体素子からの
熱伝導が悪く、蒸発に要する潜熱量が100%利用でき
ていない。
【0007】そこで、この発明は、パワー回路を過電流
で使用した場合に一時的に半導体素子の温度が上昇し、
それに伴う半導体素子の寿命低下を阻止することと、パ
ワー回路を用いている装置のケース内の温度上昇を防
ぎ、ケース内で使用している半導体素子の寿命も長寿命
化させることを課題としている。
で使用した場合に一時的に半導体素子の温度が上昇し、
それに伴う半導体素子の寿命低下を阻止することと、パ
ワー回路を用いている装置のケース内の温度上昇を防
ぎ、ケース内で使用している半導体素子の寿命も長寿命
化させることを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる半導体
冷却装置は、絶縁層を設けた金属製基板上に発熱量が大
きい半導体素子を実装したパワー回路と、前記金属製基
板に取付けられている放熱フィンに所定の間隙を形成し
て取付けた多孔質材料からなるカバーとを具備し、前記
放熱フィンと前記カバーとの間に形成した前記隙間に冷
媒を介在させ、前記放熱フィンによって加熱されて蒸発
する際に潜熱を奪うことにより前記パワー回路を冷却す
るものである。
冷却装置は、絶縁層を設けた金属製基板上に発熱量が大
きい半導体素子を実装したパワー回路と、前記金属製基
板に取付けられている放熱フィンに所定の間隙を形成し
て取付けた多孔質材料からなるカバーとを具備し、前記
放熱フィンと前記カバーとの間に形成した前記隙間に冷
媒を介在させ、前記放熱フィンによって加熱されて蒸発
する際に潜熱を奪うことにより前記パワー回路を冷却す
るものである。
【0009】請求項2にかかる半導体冷却装置は、絶縁
層を設けた金属製基板上に発熱量が大きい半導体素子を
実装したパワー回路と、前記金属製基板に取付けられて
いる放熱フィンに所定の間隙を形成して取付けた多孔質
材料からなるカバーとを具備し、前記放熱フィンと前記
カバーとの間に形成した前記隙間に冷媒を介在させ、前
記放熱フィンによって加熱されて蒸発する際に潜熱を奪
うことにより前記パワー回路を冷却し、前記放熱フィン
と前記カバーとの隙間を狭くすることによって生じる毛
細管現象によって冷媒を供給するものである。
層を設けた金属製基板上に発熱量が大きい半導体素子を
実装したパワー回路と、前記金属製基板に取付けられて
いる放熱フィンに所定の間隙を形成して取付けた多孔質
材料からなるカバーとを具備し、前記放熱フィンと前記
カバーとの間に形成した前記隙間に冷媒を介在させ、前
記放熱フィンによって加熱されて蒸発する際に潜熱を奪
うことにより前記パワー回路を冷却し、前記放熱フィン
と前記カバーとの隙間を狭くすることによって生じる毛
細管現象によって冷媒を供給するものである。
【0010】請求項3にかかる半導体冷却装置は、絶縁
層を設けた金属製基板上に発熱量が大きい半導体素子を
実装したパワー回路と、前記金属製基板に取付けられて
いる放熱フィンに所定の間隙を形成して取付けた多孔質
材料からなるカバーとを具備し、前記放熱フィンと前記
カバーとの間に形成した前記隙間に冷媒を介在し、前記
放熱フィンによって加熱されて蒸発する際に潜熱を奪う
ことにより前記パワー回路を冷却し、所定の設定温度に
なったときのみ、一時的に冷却能力を増大させるべく前
記放熱フィンと前記カバーとの隙間に対して冷媒を供給
するものである。
層を設けた金属製基板上に発熱量が大きい半導体素子を
実装したパワー回路と、前記金属製基板に取付けられて
いる放熱フィンに所定の間隙を形成して取付けた多孔質
材料からなるカバーとを具備し、前記放熱フィンと前記
カバーとの間に形成した前記隙間に冷媒を介在し、前記
放熱フィンによって加熱されて蒸発する際に潜熱を奪う
ことにより前記パワー回路を冷却し、所定の設定温度に
なったときのみ、一時的に冷却能力を増大させるべく前
記放熱フィンと前記カバーとの隙間に対して冷媒を供給
するものである。
【0011】請求項4にかかる半導体冷却装置は、請求
項3の所定の設定温度になったときのみ、一時的に冷却
能力を増大させる冷媒の供給制御を、放熱フィンと熱的
に結合している熱応動弁によって行うものである。
項3の所定の設定温度になったときのみ、一時的に冷却
能力を増大させる冷媒の供給制御を、放熱フィンと熱的
に結合している熱応動弁によって行うものである。
【0012】請求項5にかかる半導体冷却装置は、請求
項2または請求項3の所定の設定温度になったときの
み、一時的に冷却能力を増大させるべく冷媒の供給制御
を、放熱フィンと熱的に結合している形状記憶合金製の
細管がタンクに蓄えられている冷媒の液面中にその端部
を移動することによって行うものである。
項2または請求項3の所定の設定温度になったときの
み、一時的に冷却能力を増大させるべく冷媒の供給制御
を、放熱フィンと熱的に結合している形状記憶合金製の
細管がタンクに蓄えられている冷媒の液面中にその端部
を移動することによって行うものである。
【0013】請求項6にかかる半導体冷却装置は、請求
項1または請求項3の前記放熱フィンと前記カバーとの
間に形成した前記隙間の冷媒が、特定の温度以上になる
と、固体冷媒が昇華し、一時的に冷却能力を増大させる
ものである。
項1または請求項3の前記放熱フィンと前記カバーとの
間に形成した前記隙間の冷媒が、特定の温度以上になる
と、固体冷媒が昇華し、一時的に冷却能力を増大させる
ものである。
【0014】請求項7にかかる半導体冷却装置は、請求
項1または請求項3に記載の構成に対して、更に、前記
放熱フィンと前記カバーとの間に形成した前記隙間に、
所定の温度以上になると冷媒が沸騰することによる圧力
上昇または温度上昇によって破れる膜を配設し、前記冷
媒が前記放熱フィンと前記カバーとの間に満たされ、前
記膜が破れることにより、一時的にパワー回路を冷却す
るものである。
項1または請求項3に記載の構成に対して、更に、前記
放熱フィンと前記カバーとの間に形成した前記隙間に、
所定の温度以上になると冷媒が沸騰することによる圧力
上昇または温度上昇によって破れる膜を配設し、前記冷
媒が前記放熱フィンと前記カバーとの間に満たされ、前
記膜が破れることにより、一時的にパワー回路を冷却す
るものである。
【0015】請求項8にかかる半導体冷却装置の放熱フ
ィンの製造方法は、多孔質のカバーを成形し、前記カバ
ーの裏面を金属板で塞ぎ、前記カバーの外面から圧搾空
気を送り込むと同時に、前記カバーと前記金属板との間
に溶融金属を流込むことによって放熱フィンを鋳形する
ものである。
ィンの製造方法は、多孔質のカバーを成形し、前記カバ
ーの裏面を金属板で塞ぎ、前記カバーの外面から圧搾空
気を送り込むと同時に、前記カバーと前記金属板との間
に溶融金属を流込むことによって放熱フィンを鋳形する
ものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態におけ
る半導体冷却装置及びその放熱フィンの製造方法につい
て説明する。なお、図中、従来例及び各実施の形態と同
一符号及び記号は従来例及び各実施の形態の構成部分と
同一または相当する構成部分を示すものである。 実施の形態1.図1は本発明の第一の実施の形態におけ
る半導体冷却装置を示す外観の斜視図である。図2は図
1の切断線A,B,C,Dで形成された切断平面よって
切断した断面図である。図において、1は素焼きセラミ
ックスで形成された多孔質材料からなるカバー、2はそ
の表面積が大きくなるように形成されたアルミ製矩形の
冷却表面を有する放熱フィン、3はカバー1と放熱フィ
ン2との間に形成された間隙である。即ち、カバー1は
放熱フィン2との間に均一な間隙3が形成される。4は
パワー半導体等を実装したパワー回路、5はパワー半導
体等を実装する絶縁層を設けた金属製基板である。多孔
質のカバー1は放熱フィン2に間隙3を設けて嵌め込ま
れている。7はパワー回路4を収容するパワー回路ケー
スである。この種の半導体冷却装置の組立方法は、ま
ず、パワー回路4とアルミ製矩形の放熱フィン2を金属
製基板5を介して従来の装置と同様に組立て、次に、多
孔質材料からなるカバー1をアルミ製矩形の放熱フィン
2に嵌め込む。最後に、カバー1と放熱フィン2との間
の間隙3に冷媒を供給する。
る半導体冷却装置及びその放熱フィンの製造方法につい
て説明する。なお、図中、従来例及び各実施の形態と同
一符号及び記号は従来例及び各実施の形態の構成部分と
同一または相当する構成部分を示すものである。 実施の形態1.図1は本発明の第一の実施の形態におけ
る半導体冷却装置を示す外観の斜視図である。図2は図
1の切断線A,B,C,Dで形成された切断平面よって
切断した断面図である。図において、1は素焼きセラミ
ックスで形成された多孔質材料からなるカバー、2はそ
の表面積が大きくなるように形成されたアルミ製矩形の
冷却表面を有する放熱フィン、3はカバー1と放熱フィ
ン2との間に形成された間隙である。即ち、カバー1は
放熱フィン2との間に均一な間隙3が形成される。4は
パワー半導体等を実装したパワー回路、5はパワー半導
体等を実装する絶縁層を設けた金属製基板である。多孔
質のカバー1は放熱フィン2に間隙3を設けて嵌め込ま
れている。7はパワー回路4を収容するパワー回路ケー
スである。この種の半導体冷却装置の組立方法は、ま
ず、パワー回路4とアルミ製矩形の放熱フィン2を金属
製基板5を介して従来の装置と同様に組立て、次に、多
孔質材料からなるカバー1をアルミ製矩形の放熱フィン
2に嵌め込む。最後に、カバー1と放熱フィン2との間
の間隙3に冷媒を供給する。
【0017】ここで、本発明者等が行った本実施の形態
の半導体冷却装置における実験と計算から、本実施の形
態による半導体冷却装置と従来のアルミ製矩形放熱フィ
ンを用いた自然空冷放熱との差異を明らかにする。従来
のアルミ製矩形放熱フィンによる放熱量を計算から求め
る。この計算の仮定として、放熱フィンからの放熱は自
然対流による熱伝達と放射による熱伝達によってのみ放
熱されるものとする。まず、計算に用いたアルミ製矩形
放熱フィンの条件を次に示す。 フィン長さ L=0.0385[m] フィン間隔 C=0.0817[m] フィン厚さ t=0.0016[m] フィン高さ H=0.13[m] フィン熱伝導率 Kf =237[W/mK] フィン放射率 ε=0.55 フィン基板の幅 B=0.07[m] フィン基板の厚さ A=0.005[m] フィン基板温度 Ta =80[℃] 外気温度 Tb =20[℃] 空気の物性値 Tm =50[℃] 空気の熱伝導率 Ka =0.026[W/mK] 空気の動粘性係数 νa =15.83×10-6 空気のプラントル数 Pr =0.72
の半導体冷却装置における実験と計算から、本実施の形
態による半導体冷却装置と従来のアルミ製矩形放熱フィ
ンを用いた自然空冷放熱との差異を明らかにする。従来
のアルミ製矩形放熱フィンによる放熱量を計算から求め
る。この計算の仮定として、放熱フィンからの放熱は自
然対流による熱伝達と放射による熱伝達によってのみ放
熱されるものとする。まず、計算に用いたアルミ製矩形
放熱フィンの条件を次に示す。 フィン長さ L=0.0385[m] フィン間隔 C=0.0817[m] フィン厚さ t=0.0016[m] フィン高さ H=0.13[m] フィン熱伝導率 Kf =237[W/mK] フィン放射率 ε=0.55 フィン基板の幅 B=0.07[m] フィン基板の厚さ A=0.005[m] フィン基板温度 Ta =80[℃] 外気温度 Tb =20[℃] 空気の物性値 Tm =50[℃] 空気の熱伝導率 Ka =0.026[W/mK] 空気の動粘性係数 νa =15.83×10-6 空気のプラントル数 Pr =0.72
【0018】ここで、アルミ製矩形放熱フィンの熱伝達
率hN は、日本機械学会発行の伝熱工学資料改訂第4
版、209頁に実験式として記載されている。それを抜
粋すると数式1となる。 hN ×C/Ka =(1/24)×Ra ×{1−exp[−(32.7/Ra) 0.75 ×(1−C/L×Ra -0.25 )]} =Nu ・・・(1) 仮定として空気のアルミ製矩形放熱フィンに対する温度
をTm =50℃とすると、空気の膨張率βは数式2で表
される。 β=1/(273−Tm )=3.096×10-3 [1/K]・・・(2) ここから、グラスホフ数Gr を求めると数式3となる。 Gr =g×β×C3 (Tb −Ta)/(νa 2 )=3961.71 ・・・(3)
率hN は、日本機械学会発行の伝熱工学資料改訂第4
版、209頁に実験式として記載されている。それを抜
粋すると数式1となる。 hN ×C/Ka =(1/24)×Ra ×{1−exp[−(32.7/Ra) 0.75 ×(1−C/L×Ra -0.25 )]} =Nu ・・・(1) 仮定として空気のアルミ製矩形放熱フィンに対する温度
をTm =50℃とすると、空気の膨張率βは数式2で表
される。 β=1/(273−Tm )=3.096×10-3 [1/K]・・・(2) ここから、グラスホフ数Gr を求めると数式3となる。 Gr =g×β×C3 (Tb −Ta)/(νa 2 )=3961.71 ・・・(3)
【0019】また、レーレー数Ra は数式4となる。 Ra =Pr ×Gr ×(C/H)=179.26 ・・・(4) ヌッセルト数Nu は数式1より Nu =(1/24)×Ra ×{1−exp[−(32.7/Ra) 0.75 ×(1−C/L×Ra -0.25 )]} =1.792 となり、数式1から自然対流による熱伝達率hN は数式
5となる。 hN =(Ka /C)×Nu =5.703 [W/m2 k] ・・・(5) また、放射による熱伝達率hr は数式6で表される。 hr =ε・σ(Tb 4 −Ta 4 )/(Tb −Ta ) =4.24 [W/m2 k] ・・・(6)
5となる。 hN =(Ka /C)×Nu =5.703 [W/m2 k] ・・・(5) また、放射による熱伝達率hr は数式6で表される。 hr =ε・σ(Tb 4 −Ta 4 )/(Tb −Ta ) =4.24 [W/m2 k] ・・・(6)
【0020】次に、このアルミ製矩形放熱フィンの全体
放熱面積St を求める。ここでフィンの表面積をSf 、
フィンの上端面積をS1 、フィンの鉛直端面積をS2 、
フィンの下端面積をS3 、フィンの両側面積をSg 、フ
ィンの基板面積をSb としてそれぞれを計算し、全体の
放熱面積St を求めると数式7となる。 Sf =H×L×2×(N−1)=0.07007 [m2 ] S1 =L×D×N+A×B=0.0008428 [m2 ] S2 =H×D×N=0.001664 [m2 ] S3 =S1 Sg =2×H×(A+L)=0.01131 [m2 ] Sb =H×C×(N−1)=0.007435 [m2 ] St =Sf +S1 +S2 +S3 +Sg +Sb =0.092164 [m2 ] ・・・(7)
放熱面積St を求める。ここでフィンの表面積をSf 、
フィンの上端面積をS1 、フィンの鉛直端面積をS2 、
フィンの下端面積をS3 、フィンの両側面積をSg 、フ
ィンの基板面積をSb としてそれぞれを計算し、全体の
放熱面積St を求めると数式7となる。 Sf =H×L×2×(N−1)=0.07007 [m2 ] S1 =L×D×N+A×B=0.0008428 [m2 ] S2 =H×D×N=0.001664 [m2 ] S3 =S1 Sg =2×H×(A+L)=0.01131 [m2 ] Sb =H×C×(N−1)=0.007435 [m2 ] St =Sf +S1 +S2 +S3 +Sg +Sb =0.092164 [m2 ] ・・・(7)
【0021】次に、このアルミ製矩形放熱フィンの熱抵
抗を求める。自然対流熱伝達による熱抵抗RN は数式5
と数式7から数式8となる。 RN =1/hN ×St =1.904 [K/W] ・・・(8) 放射熱伝達による熱抵抗Rr は数式6から数式9が表さ
れる。 Rr =1/hN ×Sr =10.674 [K/W] ・・・(9) ここで、Sr =S1 +S3 +Sg +H×B [m2 ]
抗を求める。自然対流熱伝達による熱抵抗RN は数式5
と数式7から数式8となる。 RN =1/hN ×St =1.904 [K/W] ・・・(8) 放射熱伝達による熱抵抗Rr は数式6から数式9が表さ
れる。 Rr =1/hN ×Sr =10.674 [K/W] ・・・(9) ここで、Sr =S1 +S3 +Sg +H×B [m2 ]
【0022】最後に、放熱量を求めることとする。自然
対流熱伝達による放熱量は数式8を代入して数式10を
得る。 QN =(Tb −Ta )/RN =10.5 [W] ・・・(10) 放射熱伝達による放熱量は数式9を代入して数式11を
得る。 Qr =(Tb −Ta )/Rr =1.87 [W] ・・・(11) 放熱フィン全体の発熱量は数式10及び数式11から数
式12を得る。 Qt =QN+Qr =12.4 [W] ・・・(12)
対流熱伝達による放熱量は数式8を代入して数式10を
得る。 QN =(Tb −Ta )/RN =10.5 [W] ・・・(10) 放射熱伝達による放熱量は数式9を代入して数式11を
得る。 Qr =(Tb −Ta )/Rr =1.87 [W] ・・・(11) 放熱フィン全体の発熱量は数式10及び数式11から数
式12を得る。 Qt =QN+Qr =12.4 [W] ・・・(12)
【0023】次に、図3に示すような多孔質の素焼きセ
ラミックスで形成された容器100に水を入れて密封し
た実験結果について説明する。図3は本発明の一実施の
形態の半導体冷却装置の実験のために作成された多孔質
材料からなるカバー1と同一材料の素焼きセラミックス
で形成された容器100の斜視図である。上部の素焼き
部分100Aは多孔質材料からなるカバー1と同一表面
積に形成されている。下部は釉薬焼付け部分100Bで
ある。なお、蓋101は合成ゴム製のものを使用した。
この実験においては、図3に示すような多孔質の素焼き
セラミックスで形成された容器100に水を入れて密封
し、それらを恒温漕の中に入れた。恒温漕の温度は80
[℃]一定であり、その中へ1.5時間入れておいた。 恒温漕に入れる前の全体の重量 = 93.21[g] 恒温漕に入れた後の全体の重量 = 73.84[g] となった。即ち、蒸発した水の重量が19.37[g]
であった。
ラミックスで形成された容器100に水を入れて密封し
た実験結果について説明する。図3は本発明の一実施の
形態の半導体冷却装置の実験のために作成された多孔質
材料からなるカバー1と同一材料の素焼きセラミックス
で形成された容器100の斜視図である。上部の素焼き
部分100Aは多孔質材料からなるカバー1と同一表面
積に形成されている。下部は釉薬焼付け部分100Bで
ある。なお、蓋101は合成ゴム製のものを使用した。
この実験においては、図3に示すような多孔質の素焼き
セラミックスで形成された容器100に水を入れて密封
し、それらを恒温漕の中に入れた。恒温漕の温度は80
[℃]一定であり、その中へ1.5時間入れておいた。 恒温漕に入れる前の全体の重量 = 93.21[g] 恒温漕に入れた後の全体の重量 = 73.84[g] となった。即ち、蒸発した水の重量が19.37[g]
であった。
【0024】水の蒸発潜熱は2257[KJ/Kg]で
あるので、潜熱は1.5時間で数式13の熱量を奪うこ
とになる。 2257[KJ/Kg]×19.37[g] =43.72[KJ]/(3600×1.5)[s] =8.1 [W] ・・・(13)
あるので、潜熱は1.5時間で数式13の熱量を奪うこ
とになる。 2257[KJ/Kg]×19.37[g] =43.72[KJ]/(3600×1.5)[s] =8.1 [W] ・・・(13)
【0025】この容器100の蒸発面積は形状より計算
すると、5669[mm2 ]であった。したがって、ア
ルミ製矩形の放熱フィン2と同等な面積を持つ多孔質の
容器100の放熱量は、面積比率から計算すると数式1
4となる。 QS=92164.3/5667.34×8.1=131.68 [W] ・・・(14) 故に、本実施の形態の半導体冷却装置は、従来のアルミ
製矩形放熱フィンの約10倍の放熱能力があることが明
白である。
すると、5669[mm2 ]であった。したがって、ア
ルミ製矩形の放熱フィン2と同等な面積を持つ多孔質の
容器100の放熱量は、面積比率から計算すると数式1
4となる。 QS=92164.3/5667.34×8.1=131.68 [W] ・・・(14) 故に、本実施の形態の半導体冷却装置は、従来のアルミ
製矩形放熱フィンの約10倍の放熱能力があることが明
白である。
【0026】次に、図4を用いてパワー回路4から発生
した熱の挙動について説明する。図4は図2に示した断
面図の要部拡大図で、パワー回路4から発生した熱の挙
動について説明する説明図である。図4において、1は
素焼きセラミックス等で形成された多孔質製のカバー、
2はその表面積が大きくなるように形成されたアルミ製
矩形の放熱フィン、3はカバー1とアルミ製矩形の放熱
フィン2との間に形成された間隙、4はパワー半導体素
子等からなるパワー回路、5はパワー半導体素子等の実
装によりパワー回路4を形成する金属製基板、61は液
体冷媒、62は蒸気冷媒、7はパワー回路4を収容する
パワー回路ケース、8は電子機器筐体である。
した熱の挙動について説明する。図4は図2に示した断
面図の要部拡大図で、パワー回路4から発生した熱の挙
動について説明する説明図である。図4において、1は
素焼きセラミックス等で形成された多孔質製のカバー、
2はその表面積が大きくなるように形成されたアルミ製
矩形の放熱フィン、3はカバー1とアルミ製矩形の放熱
フィン2との間に形成された間隙、4はパワー半導体素
子等からなるパワー回路、5はパワー半導体素子等の実
装によりパワー回路4を形成する金属製基板、61は液
体冷媒、62は蒸気冷媒、7はパワー回路4を収容する
パワー回路ケース、8は電子機器筐体である。
【0027】ここで、液体冷媒61、蒸気冷媒62とし
ての冷媒には、沸点が101[℃]の住友3M社製の
『フロリナートFC−104』を例として用いた。『フ
ロリナート』はフッ素系不活性液体で一般に電子機器冷
却用冷媒に用いられ無毒である。パワー回路4は金属製
基板5の上に実装されており、樹脂によりモールドさ
れ、パワー回路ケース7で囲われている。金属製基板5
はアルミニウム製矩形の放熱フィン2と伝熱状態に接続
されており、アルミニウム製矩形の放熱フィン2側の面
でない側は、合成樹脂によりモールドされ断熱されてい
るので、パワー回路4から発生した熱は電子機器筐体内
8には伝わらず、大部分は熱伝導が良い金属製基板5側
へと流れる。金属製基板5とパワー回路ケース7を介し
て接続されている放熱フィン2も熱伝導が良好なので、
金属製基板5に流れた熱は速やかに放熱フィン2の全体
へ略均一に移動する。放熱フィン2と多孔質のカバー1
との間には液体冷媒61が注入されており、アルミ製矩
形の放熱フィン2が熱せられるにつれて液体冷媒61の
温度が上昇する。液体冷媒61は徐々に温度が上昇し、
それに伴なって気化し、部分的に蒸気冷媒62となる。
多孔質のカバー1は液体冷媒61はその表面張力により
通過させないが、気体、即ち、蒸気冷媒62は自由に通
過する性質を持っており、蒸気冷媒62は速やかに外部
へと放出される。このとき蒸気冷媒62は蒸発潜熱を多
孔質のカバー1及び放熱フィン2から奪い、熱が外部へ
放出される。また、放熱フィン2は液体冷媒61の沸点
以上には上昇しないので、液体冷媒61の沸点を調整す
れば許容温度が容易に設定できる。
ての冷媒には、沸点が101[℃]の住友3M社製の
『フロリナートFC−104』を例として用いた。『フ
ロリナート』はフッ素系不活性液体で一般に電子機器冷
却用冷媒に用いられ無毒である。パワー回路4は金属製
基板5の上に実装されており、樹脂によりモールドさ
れ、パワー回路ケース7で囲われている。金属製基板5
はアルミニウム製矩形の放熱フィン2と伝熱状態に接続
されており、アルミニウム製矩形の放熱フィン2側の面
でない側は、合成樹脂によりモールドされ断熱されてい
るので、パワー回路4から発生した熱は電子機器筐体内
8には伝わらず、大部分は熱伝導が良い金属製基板5側
へと流れる。金属製基板5とパワー回路ケース7を介し
て接続されている放熱フィン2も熱伝導が良好なので、
金属製基板5に流れた熱は速やかに放熱フィン2の全体
へ略均一に移動する。放熱フィン2と多孔質のカバー1
との間には液体冷媒61が注入されており、アルミ製矩
形の放熱フィン2が熱せられるにつれて液体冷媒61の
温度が上昇する。液体冷媒61は徐々に温度が上昇し、
それに伴なって気化し、部分的に蒸気冷媒62となる。
多孔質のカバー1は液体冷媒61はその表面張力により
通過させないが、気体、即ち、蒸気冷媒62は自由に通
過する性質を持っており、蒸気冷媒62は速やかに外部
へと放出される。このとき蒸気冷媒62は蒸発潜熱を多
孔質のカバー1及び放熱フィン2から奪い、熱が外部へ
放出される。また、放熱フィン2は液体冷媒61の沸点
以上には上昇しないので、液体冷媒61の沸点を調整す
れば許容温度が容易に設定できる。
【0028】このように、本実施の形態の半導体冷却装
置は、パワー回路ケース7内に収容され、絶縁層を設け
た金属製基板5上に発熱量が大きい半導体素子を実装し
たパワー回路4と、前記金属製基板5に取付けられてい
る放熱フィン2と、前記放熱フィン2の表面に対して所
定の間隙を形成して取付けた多孔質材料からなるカバー
1と、前記放熱フィン2の表面と前記カバー1との間に
形成した前記隙間3に介在し、前記放熱フィン2によっ
て加熱されて蒸発する際に潜熱を奪うことにより前記パ
ワー回路4を冷却する液体冷媒61とを具備するもので
ある。
置は、パワー回路ケース7内に収容され、絶縁層を設け
た金属製基板5上に発熱量が大きい半導体素子を実装し
たパワー回路4と、前記金属製基板5に取付けられてい
る放熱フィン2と、前記放熱フィン2の表面に対して所
定の間隙を形成して取付けた多孔質材料からなるカバー
1と、前記放熱フィン2の表面と前記カバー1との間に
形成した前記隙間3に介在し、前記放熱フィン2によっ
て加熱されて蒸発する際に潜熱を奪うことにより前記パ
ワー回路4を冷却する液体冷媒61とを具備するもので
ある。
【0029】この構成によれば、パワー回路4で発生し
た熱量は速やかに金属製基板5に伝達され拡散されて、
放熱フィン2に伝達される。伝達された熱は放熱フィン
2と多孔質のカバー1との間に介在する液体冷媒61を
加熱し、液体冷媒61を蒸発させる。多孔質のカバー1
は液体冷媒61の表面張力により通過させないが、気体
となった冷媒はカバー1を通して外部へと出ていく。こ
のとき、冷媒は放熱フィン2及び多孔質のカバー1に対
して潜熱を奪い、パワー回路4で発生した熱量を放熱す
る。したがって、冷媒の沸点以上には放熱フィン2の温
度は上昇しない。そして、放熱フィン2に多孔質のカバ
ー1を取付け、その間隙3に液体冷媒61を注入するこ
とにより、液体冷媒61がすばやく放熱フィン2とカバ
ー1の間全体に広がるとともに、液体冷媒61の蒸発面
積を広く取ることが可能となり、また、熱伝導も向上
し、パワー回路4に過電流が流れ、半導体素子の温度が
許容温度以上になっても、液体冷媒61が供給されるこ
とによって放熱性能が向上し、パワー回路4の温度上昇
を防ぐことができる。
た熱量は速やかに金属製基板5に伝達され拡散されて、
放熱フィン2に伝達される。伝達された熱は放熱フィン
2と多孔質のカバー1との間に介在する液体冷媒61を
加熱し、液体冷媒61を蒸発させる。多孔質のカバー1
は液体冷媒61の表面張力により通過させないが、気体
となった冷媒はカバー1を通して外部へと出ていく。こ
のとき、冷媒は放熱フィン2及び多孔質のカバー1に対
して潜熱を奪い、パワー回路4で発生した熱量を放熱す
る。したがって、冷媒の沸点以上には放熱フィン2の温
度は上昇しない。そして、放熱フィン2に多孔質のカバ
ー1を取付け、その間隙3に液体冷媒61を注入するこ
とにより、液体冷媒61がすばやく放熱フィン2とカバ
ー1の間全体に広がるとともに、液体冷媒61の蒸発面
積を広く取ることが可能となり、また、熱伝導も向上
し、パワー回路4に過電流が流れ、半導体素子の温度が
許容温度以上になっても、液体冷媒61が供給されるこ
とによって放熱性能が向上し、パワー回路4の温度上昇
を防ぐことができる。
【0030】実施の形態2.図5は本発明の第二の実施
の形態の半導体冷却装置を示す外観の斜視図である。図
5において、1は多孔質のカバー、61は第一の実施の
形態と同様の液体冷媒、8は電子機器筐体、9は第一の
実施の形態で説明した基本的構成を有する半導体冷却装
置、10は液体冷媒61のタンクである。図示のよう
に、電子機器筐体8よりも下方向に長い多孔質のカバー
1が設置されており、多孔質のカバー1の下部に液体冷
媒61を蓄えたタンク10が設置されている。即ち、本
実施の形態では、図2に示す半導体冷却装置のうち、多
孔質製のカバー1及びその内側に配設されたアルミ製矩
形の放熱フィン2、カバー1とアルミ製矩形の放熱フィ
ン2との間に形成された間隙3、パワー半導体素子等か
らなるパワー回路4、パワー回路4を形成する金属製基
板5、パワー回路4を収容するパワー回路ケース7等は
電子機器筐体8よりも下方に長く形成されている。この
種の実施の形態においては、放熱フィン2と多孔質のカ
バー1との隙間3が毛細管現象が生じるように非常に狭
く形成されている。
の形態の半導体冷却装置を示す外観の斜視図である。図
5において、1は多孔質のカバー、61は第一の実施の
形態と同様の液体冷媒、8は電子機器筐体、9は第一の
実施の形態で説明した基本的構成を有する半導体冷却装
置、10は液体冷媒61のタンクである。図示のよう
に、電子機器筐体8よりも下方向に長い多孔質のカバー
1が設置されており、多孔質のカバー1の下部に液体冷
媒61を蓄えたタンク10が設置されている。即ち、本
実施の形態では、図2に示す半導体冷却装置のうち、多
孔質製のカバー1及びその内側に配設されたアルミ製矩
形の放熱フィン2、カバー1とアルミ製矩形の放熱フィ
ン2との間に形成された間隙3、パワー半導体素子等か
らなるパワー回路4、パワー回路4を形成する金属製基
板5、パワー回路4を収容するパワー回路ケース7等は
電子機器筐体8よりも下方に長く形成されている。この
種の実施の形態においては、放熱フィン2と多孔質のカ
バー1との隙間3が毛細管現象が生じるように非常に狭
く形成されている。
【0031】この実施の形態の多孔質のカバー1の下端
面は、タンク10の液体冷媒61中に没入しており、か
つ、アルミ製矩形の放熱フィン2と多孔質のカバー1と
の隙間3が非常に狭いので毛細管現象が生じ、液体冷媒
61が半導体冷却装置9に供給される。これによりパワ
ー回路4の温度上昇が低減する。なお、本実施の形態に
おいては、多孔質のカバー1の下端面は、タンク10の
液体冷媒61中に没入するように電子機器筐体8よりも
長く形成したものであるが、本発明を実施する場合に
は、必ずしも多孔質のカバー1の下端面のみがタンク1
0の液体冷媒61中に没入するように電子機器筐体8よ
りも長く形成する必要はない。電子機器筐体8の一部を
タンク10の液体冷媒61中に没入してもよい。しか
し、本発明を実施する場合には、本実施の形態のよう
に、多孔質のカバー1の下端面のみがタンク10の液体
冷媒61中に没入するように構成した方が、電子機器筐
体8のシール性を考慮する必要がなくなり、廉価に製造
できる。
面は、タンク10の液体冷媒61中に没入しており、か
つ、アルミ製矩形の放熱フィン2と多孔質のカバー1と
の隙間3が非常に狭いので毛細管現象が生じ、液体冷媒
61が半導体冷却装置9に供給される。これによりパワ
ー回路4の温度上昇が低減する。なお、本実施の形態に
おいては、多孔質のカバー1の下端面は、タンク10の
液体冷媒61中に没入するように電子機器筐体8よりも
長く形成したものであるが、本発明を実施する場合に
は、必ずしも多孔質のカバー1の下端面のみがタンク1
0の液体冷媒61中に没入するように電子機器筐体8よ
りも長く形成する必要はない。電子機器筐体8の一部を
タンク10の液体冷媒61中に没入してもよい。しか
し、本発明を実施する場合には、本実施の形態のよう
に、多孔質のカバー1の下端面のみがタンク10の液体
冷媒61中に没入するように構成した方が、電子機器筐
体8のシール性を考慮する必要がなくなり、廉価に製造
できる。
【0032】このように、本実施の形態では、パワー回
路ケース7内に収容され、絶縁層を設けた金属製基板5
上に発熱量が大きい半導体素子を実装したパワー回路4
と、前記金属製基板5に取付けられている放熱フィン2
と、前記放熱フィン2の表面に対して所定の間隙を形成
して取付けた多孔質材料からなるカバー1と、前記放熱
フィン2の表面と前記カバー1との間に形成した前記隙
間3に介在し、前記放熱フィン2によって加熱されて蒸
発する際に潜熱を奪うことにより前記パワー回路4を冷
却する冷媒61と、前記放熱フィン2の表面と前記カバ
ー2との隙間3を狭くすることによって生じる毛細管現
象によって供給される液体冷媒61を蓄えるタンク10
とを具備するものであり、これを請求項に対応する実施
の形態とすることができる。
路ケース7内に収容され、絶縁層を設けた金属製基板5
上に発熱量が大きい半導体素子を実装したパワー回路4
と、前記金属製基板5に取付けられている放熱フィン2
と、前記放熱フィン2の表面に対して所定の間隙を形成
して取付けた多孔質材料からなるカバー1と、前記放熱
フィン2の表面と前記カバー1との間に形成した前記隙
間3に介在し、前記放熱フィン2によって加熱されて蒸
発する際に潜熱を奪うことにより前記パワー回路4を冷
却する冷媒61と、前記放熱フィン2の表面と前記カバ
ー2との隙間3を狭くすることによって生じる毛細管現
象によって供給される液体冷媒61を蓄えるタンク10
とを具備するものであり、これを請求項に対応する実施
の形態とすることができる。
【0033】この構成によれば、パワー回路4で発生し
た熱量は速やかに金属製基板5に伝達され拡散されて、
放熱フィン2に伝達される。伝達された熱は放熱フィン
2と多孔質のカバー1との間に介在された液体冷媒61
を熱し、液体冷媒61を蒸発させる。多孔質のカバー1
は液体冷媒61の表面張力により通過させないが、気体
となった冷媒はカバー1を通して外部へと出ていく。こ
のとき、冷媒は放熱フィン2及び多孔質のカバー1に対
して潜熱を奪い、パワー回路4で発生した熱量を放熱す
る。このとき、液体冷媒61はその沸点以上には放熱フ
ィン2の温度は上昇しない。これにより一時的にパワー
回路4に過電流が流れ、パワー回路4の温度が上昇して
も、冷媒が供給されることによって放熱性能が向上し、
パワー回路4の温度上昇を防ぐことができる。特に、放
熱フィン2の表面とカバー1との隙間3を狭くすること
によって生じる毛細管現象によって、タンク10に蓄え
られた液体冷媒61を放熱フィン2の表面とカバー1と
の隙間3に供給するものであるから、放熱フィン2と多
孔質のカバー1との間に液体冷媒61が絶えず供給さ
れ、これによりパワー回路4の温度上昇が抑制される。
た熱量は速やかに金属製基板5に伝達され拡散されて、
放熱フィン2に伝達される。伝達された熱は放熱フィン
2と多孔質のカバー1との間に介在された液体冷媒61
を熱し、液体冷媒61を蒸発させる。多孔質のカバー1
は液体冷媒61の表面張力により通過させないが、気体
となった冷媒はカバー1を通して外部へと出ていく。こ
のとき、冷媒は放熱フィン2及び多孔質のカバー1に対
して潜熱を奪い、パワー回路4で発生した熱量を放熱す
る。このとき、液体冷媒61はその沸点以上には放熱フ
ィン2の温度は上昇しない。これにより一時的にパワー
回路4に過電流が流れ、パワー回路4の温度が上昇して
も、冷媒が供給されることによって放熱性能が向上し、
パワー回路4の温度上昇を防ぐことができる。特に、放
熱フィン2の表面とカバー1との隙間3を狭くすること
によって生じる毛細管現象によって、タンク10に蓄え
られた液体冷媒61を放熱フィン2の表面とカバー1と
の隙間3に供給するものであるから、放熱フィン2と多
孔質のカバー1との間に液体冷媒61が絶えず供給さ
れ、これによりパワー回路4の温度上昇が抑制される。
【0034】また、放熱フィン2の表面とカバー1との
隙間3を狭くすることによって生じる毛細管現象によっ
て、タンク10に蓄えられた液体冷媒61を供給するも
のであるから、ポンプ等の外力によって液体冷媒61を
供給制御する手段を不要とし、装置を廉価にすることが
できる。そして、放熱フィン2に多孔質のカバー1を取
付け、その間隙3に液体冷媒61を注入することによ
り、液体冷媒61が毛管現象によってすばやく放熱フィ
ン2とカバー1の間全体に広がるとともに、液体冷媒6
1の蒸発面積を広く取ることが可能となり、また、熱伝
導も向上し、パワー回路4に過電流が流れ、半導体素子
の温度が許容温度以上になっても、液体冷媒61が供給
されることによって放熱性能が向上し、パワー回路4の
温度上昇を防ぐことができる。
隙間3を狭くすることによって生じる毛細管現象によっ
て、タンク10に蓄えられた液体冷媒61を供給するも
のであるから、ポンプ等の外力によって液体冷媒61を
供給制御する手段を不要とし、装置を廉価にすることが
できる。そして、放熱フィン2に多孔質のカバー1を取
付け、その間隙3に液体冷媒61を注入することによ
り、液体冷媒61が毛管現象によってすばやく放熱フィ
ン2とカバー1の間全体に広がるとともに、液体冷媒6
1の蒸発面積を広く取ることが可能となり、また、熱伝
導も向上し、パワー回路4に過電流が流れ、半導体素子
の温度が許容温度以上になっても、液体冷媒61が供給
されることによって放熱性能が向上し、パワー回路4の
温度上昇を防ぐことができる。
【0035】実施の形態3.図6は本発明の第三の実施
の形態の半導体冷却装置を示す外観の構成図である。図
6において、61は前述の実施の形態と同様の液体冷
媒、9は半導体冷却装置、10は液体冷媒61の収容用
のタンク、11は液体冷媒61の供給用の送給管、12
は熱応動弁(サーモバルブ)で、具体的には、バイメタ
ル製の弁である。半導体冷却装置9の上部には液体冷媒
61を蓄えたタンク10が配設されており、半導体冷却
装置9と送給管11によって接続されている。過電流に
よりパワー回路4の発熱量が許容量を基準に設定した所
定の設定値以上になると、アルミ製矩形の放熱フィン2
の温度が上昇し、送給管11に熱が伝わる。送給管11
に伝わった熱がバイメタル製の熱応動弁12にも伝導
し、これにより熱応動弁12が許容温度以上になって開
放され、液体冷媒61を半導体冷却装置9の多孔質のカ
バー1とアルミニウム製矩形の放熱フィン2間の間隙3
に供給する。液体冷媒61が半導体冷却装置9に供給さ
れたことにより、一時的に半導体冷却装置9の放熱能力
が向上し、パワー回路4の温度上昇が低減する。
の形態の半導体冷却装置を示す外観の構成図である。図
6において、61は前述の実施の形態と同様の液体冷
媒、9は半導体冷却装置、10は液体冷媒61の収容用
のタンク、11は液体冷媒61の供給用の送給管、12
は熱応動弁(サーモバルブ)で、具体的には、バイメタ
ル製の弁である。半導体冷却装置9の上部には液体冷媒
61を蓄えたタンク10が配設されており、半導体冷却
装置9と送給管11によって接続されている。過電流に
よりパワー回路4の発熱量が許容量を基準に設定した所
定の設定値以上になると、アルミ製矩形の放熱フィン2
の温度が上昇し、送給管11に熱が伝わる。送給管11
に伝わった熱がバイメタル製の熱応動弁12にも伝導
し、これにより熱応動弁12が許容温度以上になって開
放され、液体冷媒61を半導体冷却装置9の多孔質のカ
バー1とアルミニウム製矩形の放熱フィン2間の間隙3
に供給する。液体冷媒61が半導体冷却装置9に供給さ
れたことにより、一時的に半導体冷却装置9の放熱能力
が向上し、パワー回路4の温度上昇が低減する。
【0036】このように、本実施の形態では、パワー回
路ケース7内に収容され、絶縁層を設けた金属製基板5
上に発熱量が大きい半導体素子を実装したパワー回路4
と、前記金属製基板5に取付けられている放熱フィン2
と、前記放熱フィン2の表面に対して所定の間隙を形成
して取付けた多孔質材料からなるカバー1と、前記放熱
フィン2の表面と前記カバー1との間に形成した前記隙
間3に介在し、前記放熱フィン2によって加熱されて蒸
発する際に潜熱を奪うことにより前記パワー回路4を冷
却する液体冷媒61と、前記放熱フィン2と前記カバー
1との隙間3に対して、所定の設定温度になったときの
み、一時的に冷却能力を増大させるべく供給する液体冷
媒61を蓄えるタンク10とを具備するものであり、更
に、前記所定の設定温度になったときのみ、一時的に冷
却能力を増大させるべく冷媒を供給制御するのに、放熱
フィン1と熱的に結合している熱応動弁12によって行
うものである。これを請求項に対応する実施の形態とす
ることができる。
路ケース7内に収容され、絶縁層を設けた金属製基板5
上に発熱量が大きい半導体素子を実装したパワー回路4
と、前記金属製基板5に取付けられている放熱フィン2
と、前記放熱フィン2の表面に対して所定の間隙を形成
して取付けた多孔質材料からなるカバー1と、前記放熱
フィン2の表面と前記カバー1との間に形成した前記隙
間3に介在し、前記放熱フィン2によって加熱されて蒸
発する際に潜熱を奪うことにより前記パワー回路4を冷
却する液体冷媒61と、前記放熱フィン2と前記カバー
1との隙間3に対して、所定の設定温度になったときの
み、一時的に冷却能力を増大させるべく供給する液体冷
媒61を蓄えるタンク10とを具備するものであり、更
に、前記所定の設定温度になったときのみ、一時的に冷
却能力を増大させるべく冷媒を供給制御するのに、放熱
フィン1と熱的に結合している熱応動弁12によって行
うものである。これを請求項に対応する実施の形態とす
ることができる。
【0037】この構成によれば、パワー回路4で発生し
た熱量は速やかに金属製基板5に伝達され拡散されて、
放熱フィン2に伝達される。伝達された熱は放熱フィン
2と多孔質のカバー1との間に介在された液体冷媒61
を熱し、液体冷媒61を蒸発させる。多孔質のカバー1
は液体冷媒61の表面張力により通過させないが、気体
となった冷媒はカバー1を通して外部へと出ていく。こ
のとき、冷媒は放熱フィン2及び多孔質のカバー1に対
して潜熱を奪い、パワー回路4で発生した熱量を放熱す
る。このとき、液体冷媒61はその沸点以上には放熱フ
ィン2の温度は上昇しない。また、放熱フィン2の温度
が所定の設定温度以上になったとき、放熱フィン2とカ
バー1との間に液体冷媒61が供給され、それ以外は通
常の自然空冷用の放熱フィン2として作動する。これに
より一時的にパワー回路4に過電流が流れ、パワー回路
4の温度が上昇しても、冷媒が供給されることによって
放熱性能が向上し、パワー回路4の温度上昇を防ぐこと
ができる。
た熱量は速やかに金属製基板5に伝達され拡散されて、
放熱フィン2に伝達される。伝達された熱は放熱フィン
2と多孔質のカバー1との間に介在された液体冷媒61
を熱し、液体冷媒61を蒸発させる。多孔質のカバー1
は液体冷媒61の表面張力により通過させないが、気体
となった冷媒はカバー1を通して外部へと出ていく。こ
のとき、冷媒は放熱フィン2及び多孔質のカバー1に対
して潜熱を奪い、パワー回路4で発生した熱量を放熱す
る。このとき、液体冷媒61はその沸点以上には放熱フ
ィン2の温度は上昇しない。また、放熱フィン2の温度
が所定の設定温度以上になったとき、放熱フィン2とカ
バー1との間に液体冷媒61が供給され、それ以外は通
常の自然空冷用の放熱フィン2として作動する。これに
より一時的にパワー回路4に過電流が流れ、パワー回路
4の温度が上昇しても、冷媒が供給されることによって
放熱性能が向上し、パワー回路4の温度上昇を防ぐこと
ができる。
【0038】また、パワー回路4の温度が上昇すると、
熱応動弁12が開き、液体冷媒61が供給されるから、
これにより、一時的に冷却能力が増大し、パワー回路4
に実装されている半導体素子の温度上昇を抑制できるか
ら、半導体素子の寿命を短くすることがない。そして、
放熱フィン2に多孔質のカバー1を取付け、その間隙3
に液体冷媒61を供給制御することにより、液体冷媒6
1がすばやく放熱フィン2とカバー1の間全体に広がる
とともに、液体冷媒61の蒸発面積を広く取ることが可
能となり、また、熱伝導も向上し、パワー回路4に過電
流が流れ、半導体素子の温度が許容温度以上になって
も、液体冷媒61が供給されることによって放熱性能が
向上し、パワー回路4の温度上昇を防ぐことができる。
熱応動弁12が開き、液体冷媒61が供給されるから、
これにより、一時的に冷却能力が増大し、パワー回路4
に実装されている半導体素子の温度上昇を抑制できるか
ら、半導体素子の寿命を短くすることがない。そして、
放熱フィン2に多孔質のカバー1を取付け、その間隙3
に液体冷媒61を供給制御することにより、液体冷媒6
1がすばやく放熱フィン2とカバー1の間全体に広がる
とともに、液体冷媒61の蒸発面積を広く取ることが可
能となり、また、熱伝導も向上し、パワー回路4に過電
流が流れ、半導体素子の温度が許容温度以上になって
も、液体冷媒61が供給されることによって放熱性能が
向上し、パワー回路4の温度上昇を防ぐことができる。
【0039】実施の形態4.図7は本発明の第四の実施
の形態の半導体冷却装置を示す外観の構成図である。図
7において、61は前述の実施の形態と同様の液体冷
媒、9は半導体冷却装置で、その内部構造は前述の第二
の実施の形態と同じである。10はタンク、13は形状
記憶合金製の細管である。半導体冷却装置9の下部に液
体冷媒61を蓄えたタンク10が配設してあり、半導体
冷却装置9、即ち、放熱フィン2と多孔質のカバー1と
間隙3には、その下端に形状記憶合金製の細管13が取
付けられている。過電流によりパワー回路4の発熱量が
許容量以上になるとアルミ製矩形の放熱フィン2の温度
が上昇し、形状記憶合金製の細管13に熱が伝導する。
形状記憶合金製の細管13はある温度以上になると管径
が細くなり、その分だけ管全体が長手方向に伸び、形状
記憶合金製の細管13の下端面が液体冷媒61に没入す
る。形状記憶合金製の細管13には毛細管現象が生じ、
液体冷媒61が形状記憶合金製の細管13を伝わって上
昇し、半導体冷却装置9に供給される。液体冷媒61が
供給されたことにより、一時的に半導体冷却装置9の放
熱能力が向上し、パワー回路4の温度上昇を防ぐことが
できる。なお、本実施の形態の形状記憶合金製の細管1
3は、先端がある温度以上になるまで彎曲しており、あ
る温度以上になると直線状に伸びるもの、或いはバイメ
タル、トリメタル等の温度に応答して変化するものの使
用が可能である。しかし、形状記憶合金製の細管13は
機械的強度が大きく、使用できる細管の径からするとバ
イメタル、トリメタル等よりも有利である。
の形態の半導体冷却装置を示す外観の構成図である。図
7において、61は前述の実施の形態と同様の液体冷
媒、9は半導体冷却装置で、その内部構造は前述の第二
の実施の形態と同じである。10はタンク、13は形状
記憶合金製の細管である。半導体冷却装置9の下部に液
体冷媒61を蓄えたタンク10が配設してあり、半導体
冷却装置9、即ち、放熱フィン2と多孔質のカバー1と
間隙3には、その下端に形状記憶合金製の細管13が取
付けられている。過電流によりパワー回路4の発熱量が
許容量以上になるとアルミ製矩形の放熱フィン2の温度
が上昇し、形状記憶合金製の細管13に熱が伝導する。
形状記憶合金製の細管13はある温度以上になると管径
が細くなり、その分だけ管全体が長手方向に伸び、形状
記憶合金製の細管13の下端面が液体冷媒61に没入す
る。形状記憶合金製の細管13には毛細管現象が生じ、
液体冷媒61が形状記憶合金製の細管13を伝わって上
昇し、半導体冷却装置9に供給される。液体冷媒61が
供給されたことにより、一時的に半導体冷却装置9の放
熱能力が向上し、パワー回路4の温度上昇を防ぐことが
できる。なお、本実施の形態の形状記憶合金製の細管1
3は、先端がある温度以上になるまで彎曲しており、あ
る温度以上になると直線状に伸びるもの、或いはバイメ
タル、トリメタル等の温度に応答して変化するものの使
用が可能である。しかし、形状記憶合金製の細管13は
機械的強度が大きく、使用できる細管の径からするとバ
イメタル、トリメタル等よりも有利である。
【0040】この実施の形態においては、所定の設定温
度になったときのみ、一時的に冷却能力を増大させるべ
く冷媒を供給制御するのを、放熱フィン2と熱的に結合
している形状記憶合金製の細管13がタンク10に蓄え
られている液体冷媒61の液面中にその端部を移動する
ものであり、これを請求項に対応する実施の形態とする
ことができる。したがって、パワー回路4が温度上昇す
ると、形状記憶合金製の細管13がタンク10内の液体
冷媒61に接触し、毛細管現象により液体冷媒61が吸
上げられて放熱フィン2と多孔質のカバー1との間隙3
に供給される。故に、一時的にパワー回路4に過電流が
流れたとき、パワー回路4の温度上昇により液体冷媒6
1が供給され、一時的に冷却能力が増大し、パワー回路
4の寿命を短くすることがない。
度になったときのみ、一時的に冷却能力を増大させるべ
く冷媒を供給制御するのを、放熱フィン2と熱的に結合
している形状記憶合金製の細管13がタンク10に蓄え
られている液体冷媒61の液面中にその端部を移動する
ものであり、これを請求項に対応する実施の形態とする
ことができる。したがって、パワー回路4が温度上昇す
ると、形状記憶合金製の細管13がタンク10内の液体
冷媒61に接触し、毛細管現象により液体冷媒61が吸
上げられて放熱フィン2と多孔質のカバー1との間隙3
に供給される。故に、一時的にパワー回路4に過電流が
流れたとき、パワー回路4の温度上昇により液体冷媒6
1が供給され、一時的に冷却能力が増大し、パワー回路
4の寿命を短くすることがない。
【0041】なお、本実施の形態においては、形状記憶
合金製の細管13がタンク10内の液体冷媒61に接触
し、毛細管現象により液体冷媒61が吸上げられて放熱
フィン2と多孔質のカバー1との間隙3に供給される構
造とするものであるが、本発明を実施する場合には、単
数または複数の形状記憶合金製の細管13がタンク10
内の液体冷媒61に接触したり、離反したりできればよ
く、タンク10の位置及び半導体冷却装置9の内部構造
または外部構造に拘束されるものではない。
合金製の細管13がタンク10内の液体冷媒61に接触
し、毛細管現象により液体冷媒61が吸上げられて放熱
フィン2と多孔質のカバー1との間隙3に供給される構
造とするものであるが、本発明を実施する場合には、単
数または複数の形状記憶合金製の細管13がタンク10
内の液体冷媒61に接触したり、離反したりできればよ
く、タンク10の位置及び半導体冷却装置9の内部構造
または外部構造に拘束されるものではない。
【0042】実施の形態5.図8は本発明の第五の実施
の形態の半導体冷却装置を示す図2に相当する断面図で
ある。図8において、1は多孔質のカバー、2はアルミ
ニウム製矩形の放熱フィン、4はパワー回路、5は金属
製基板、63は昇華性の固体冷媒、7はパワー回路ケー
ス、8は電子機器筐体である。パワー回路4は金属製基
板5の上に実装されており、樹脂によりモールドされ、
パワー回路ケース7で囲われている。金属製基板5はア
ルミニウム製矩形の放熱フィン2とパワー回路ケース7
を介して接続されており、アルミニウム製矩形の放熱フ
ィン2に接続されていない面では合成樹脂によりモール
ドされ断熱されている。したがって、パワー回路4から
発生した熱は電子機器筐体8内には伝わらず、大部分は
熱伝導が良い金属製基板5側へと流れる。金属製基板5
と接しているアルミニウム製矩形の放熱フィン2も熱伝
導が良好なので、金属製基板5に流れた熱は速やかに放
熱フィン2全体へほぼ均一に移動する。放熱フィン2と
多孔質のカバー1との間には昇華性の固体冷媒63が挿
入されており、放熱フィン2が熱せられるにつれて固体
冷媒63は昇華し、気体冷媒となる。
の形態の半導体冷却装置を示す図2に相当する断面図で
ある。図8において、1は多孔質のカバー、2はアルミ
ニウム製矩形の放熱フィン、4はパワー回路、5は金属
製基板、63は昇華性の固体冷媒、7はパワー回路ケー
ス、8は電子機器筐体である。パワー回路4は金属製基
板5の上に実装されており、樹脂によりモールドされ、
パワー回路ケース7で囲われている。金属製基板5はア
ルミニウム製矩形の放熱フィン2とパワー回路ケース7
を介して接続されており、アルミニウム製矩形の放熱フ
ィン2に接続されていない面では合成樹脂によりモール
ドされ断熱されている。したがって、パワー回路4から
発生した熱は電子機器筐体8内には伝わらず、大部分は
熱伝導が良い金属製基板5側へと流れる。金属製基板5
と接しているアルミニウム製矩形の放熱フィン2も熱伝
導が良好なので、金属製基板5に流れた熱は速やかに放
熱フィン2全体へほぼ均一に移動する。放熱フィン2と
多孔質のカバー1との間には昇華性の固体冷媒63が挿
入されており、放熱フィン2が熱せられるにつれて固体
冷媒63は昇華し、気体冷媒となる。
【0043】このとき固体冷媒63は、蒸発潜熱を半導
体冷却装置9から奪い、熱が外部へ放出され、一時的に
半導体冷却装置9の放熱能力が向上し、パワー回路4の
温度上昇を防ぐことができる。本実施の形態において
は、放熱フィン2とカバー1との間に形成した隙間3の
固体冷媒63は、特定の温度以上になると、固体冷媒6
3が昇華により気化し、一時的に冷却能力を増大させる
ものであり、これを請求項に対応する実施の形態とする
ことができる。したがって、放熱フィン2と多孔質のカ
バー1の間隔3にパワー回路4或いは放熱フィン2が所
定温度になると昇華する固体の冷媒を封入したものであ
るから、パワー回路4或いは放熱フィン2が所定の温度
以上になると一時的に放熱能力が増加し、パワー回路4
の寿命を短くすることがない。特に、本実施の形態にお
いては、半導体冷却装置9の冷却に液体を使用するもの
でないので、パワー回路4の漏電または短絡等のトラブ
ルについて考慮する必要がない。また、半導体冷却装置
9から液体が流れ出ることがないから、半導体冷却装置
9にトラブルが発生しても機器が汚れることがない。
体冷却装置9から奪い、熱が外部へ放出され、一時的に
半導体冷却装置9の放熱能力が向上し、パワー回路4の
温度上昇を防ぐことができる。本実施の形態において
は、放熱フィン2とカバー1との間に形成した隙間3の
固体冷媒63は、特定の温度以上になると、固体冷媒6
3が昇華により気化し、一時的に冷却能力を増大させる
ものであり、これを請求項に対応する実施の形態とする
ことができる。したがって、放熱フィン2と多孔質のカ
バー1の間隔3にパワー回路4或いは放熱フィン2が所
定温度になると昇華する固体の冷媒を封入したものであ
るから、パワー回路4或いは放熱フィン2が所定の温度
以上になると一時的に放熱能力が増加し、パワー回路4
の寿命を短くすることがない。特に、本実施の形態にお
いては、半導体冷却装置9の冷却に液体を使用するもの
でないので、パワー回路4の漏電または短絡等のトラブ
ルについて考慮する必要がない。また、半導体冷却装置
9から液体が流れ出ることがないから、半導体冷却装置
9にトラブルが発生しても機器が汚れることがない。
【0044】実施の形態6.図9は本発明の第六の実施
の形態の半導体冷却装置を示す図2に相当する断面図で
ある。図9において、1は多孔質のカバー、2はアルミ
ニウム製矩形の放熱フィン、4はパワー回路、5は金属
製基板、61は液体冷媒、7はパワー回路ケース、8は
電子機器筐体、14は熱伝導の良好な金属薄膜、合成樹
脂膜、合成ゴム膜等の膜であり、所定以上の温度上昇ま
たは蒸気圧の上昇により破損するものである。パワー回
路4は金属製基板5の上に実装されており、合成樹脂に
よりモールドされ、パワー回路ケース7で囲われてい
る。金属製基板5はアルミニウム製矩形の放熱フィン2
とパワー回路ケース7を介して接続されており、アルミ
ニウム製矩形の放熱フィン2と接していない面では樹脂
によりモールドされ断熱されているので、パワー回路4
から発生した熱は電子機器筐体内8には伝わらず、大部
分は熱伝導が良い金属製基板5側へと流れる。金属製基
板5とパワー回路ケース7を介して接続されている放熱
フィン2も熱伝導が良好なので、金属製基板5に流れた
熱は速やかに放熱フィン2の全体へほぼ均一に移動す
る。放熱フィン2と膜14との間には、液体冷媒61が
封入されており、放熱フィン2が熱せられるにつれて液
体冷媒61は温度が上昇するとともに蒸気圧が発生す
る。このとき、温度または蒸気圧の上昇により膜14が
破れ冷媒が半導体冷却装置9に供給され、一時的に半導
体冷却装置9の放熱能力が向上し、パワー回路4の温度
上昇を防ぐ。
の形態の半導体冷却装置を示す図2に相当する断面図で
ある。図9において、1は多孔質のカバー、2はアルミ
ニウム製矩形の放熱フィン、4はパワー回路、5は金属
製基板、61は液体冷媒、7はパワー回路ケース、8は
電子機器筐体、14は熱伝導の良好な金属薄膜、合成樹
脂膜、合成ゴム膜等の膜であり、所定以上の温度上昇ま
たは蒸気圧の上昇により破損するものである。パワー回
路4は金属製基板5の上に実装されており、合成樹脂に
よりモールドされ、パワー回路ケース7で囲われてい
る。金属製基板5はアルミニウム製矩形の放熱フィン2
とパワー回路ケース7を介して接続されており、アルミ
ニウム製矩形の放熱フィン2と接していない面では樹脂
によりモールドされ断熱されているので、パワー回路4
から発生した熱は電子機器筐体内8には伝わらず、大部
分は熱伝導が良い金属製基板5側へと流れる。金属製基
板5とパワー回路ケース7を介して接続されている放熱
フィン2も熱伝導が良好なので、金属製基板5に流れた
熱は速やかに放熱フィン2の全体へほぼ均一に移動す
る。放熱フィン2と膜14との間には、液体冷媒61が
封入されており、放熱フィン2が熱せられるにつれて液
体冷媒61は温度が上昇するとともに蒸気圧が発生す
る。このとき、温度または蒸気圧の上昇により膜14が
破れ冷媒が半導体冷却装置9に供給され、一時的に半導
体冷却装置9の放熱能力が向上し、パワー回路4の温度
上昇を防ぐ。
【0045】因に、本実施の形態においては、冷媒とし
て、フロリナート(FC72)を使用し、膜14として
ポリエチレン、ホリスチレン等の膜厚10μmのものを
使用した。アルミニウム製矩形の放熱フィン2と膜14
との間の冷媒の温度が100〜120℃で蒸気圧4〜5
気圧となり、膜14が0.05kg/mm2 以上の圧力を受
けて破壊した。この膜14の破壊前は、放熱フィン2と
膜14との間の冷媒は伝熱として作用し、多孔質のカバ
ー1が自然冷却される。しかし、この膜14の破壊によ
り、多孔質のカバー1と放熱フィン2との間に液体冷媒
61が満たされ、一時的に放熱能力が増加し、パワー回
路4の寿命を短くすることがない。特に、この破壊され
る温度を特別回路動作を確保しなければならない異常状
態、例えば、120%の負荷或いは150%の負荷に設
定することにより、その異常状態を回避することができ
る。
て、フロリナート(FC72)を使用し、膜14として
ポリエチレン、ホリスチレン等の膜厚10μmのものを
使用した。アルミニウム製矩形の放熱フィン2と膜14
との間の冷媒の温度が100〜120℃で蒸気圧4〜5
気圧となり、膜14が0.05kg/mm2 以上の圧力を受
けて破壊した。この膜14の破壊前は、放熱フィン2と
膜14との間の冷媒は伝熱として作用し、多孔質のカバ
ー1が自然冷却される。しかし、この膜14の破壊によ
り、多孔質のカバー1と放熱フィン2との間に液体冷媒
61が満たされ、一時的に放熱能力が増加し、パワー回
路4の寿命を短くすることがない。特に、この破壊され
る温度を特別回路動作を確保しなければならない異常状
態、例えば、120%の負荷或いは150%の負荷に設
定することにより、その異常状態を回避することができ
る。
【0046】このように、本実施の形態の半導体冷却装
置は、更に、放熱フィン2とカバー1との間に形成した
隙間3に、所定の温度以上になると液体冷媒61が沸騰
することによる圧力上昇または温度上昇によって破れる
膜14を配設し、液体冷媒61が放熱フィン2とカバー
1との間に満たされ、膜14が破れることにより、一時
的にパワー回路4を冷却するものであり、これを請求項
に対応する実施の形態とすることができる。この構成に
よって、放熱フィン2と多孔質のカバー1の間隔にパワ
ー回路4或いは放熱フィン2が所定温度になると、液体
冷媒61が沸騰し、それによる圧力上昇または温度上昇
によって破裂する膜14を有し、これによりパワー回路
4或いは放熱フィン2が所定の設定温度以上になると膜
14が破れ、放熱フィン2とカバー1の間に液体冷媒6
1が満たされ、一時的に放熱能力が増加し、パワー回路
4の寿命を短くすることがない。
置は、更に、放熱フィン2とカバー1との間に形成した
隙間3に、所定の温度以上になると液体冷媒61が沸騰
することによる圧力上昇または温度上昇によって破れる
膜14を配設し、液体冷媒61が放熱フィン2とカバー
1との間に満たされ、膜14が破れることにより、一時
的にパワー回路4を冷却するものであり、これを請求項
に対応する実施の形態とすることができる。この構成に
よって、放熱フィン2と多孔質のカバー1の間隔にパワ
ー回路4或いは放熱フィン2が所定温度になると、液体
冷媒61が沸騰し、それによる圧力上昇または温度上昇
によって破裂する膜14を有し、これによりパワー回路
4或いは放熱フィン2が所定の設定温度以上になると膜
14が破れ、放熱フィン2とカバー1の間に液体冷媒6
1が満たされ、一時的に放熱能力が増加し、パワー回路
4の寿命を短くすることがない。
【0047】実施の形態7.図10は本発明の一実施の
形態の半導体冷却装置の放熱フィンの製造方法を示す説
明図である。図10において、1は多孔質のカバー、1
5は放熱フィン2を製造するための治具として使用する
金属板、16は金属板15に形成された溶融アルミ注入
口、17は多孔質のカバー1の外表面から内側に圧搾空
気を送るために密閉空間を形成する密閉箱、18は密閉
箱17に圧搾空気を送る空気流入管、19は圧搾ポンプ
である。多孔質のカバー1の開口部分に金属板15が取
付けられており、これにより密閉箱17は密閉空間とな
る。金属板15には溶融アルミを多孔質のカバー1側へ
流込む注入口16が開けてある。多孔質のカバー1の開
口部分に金属板15を取付け、その多孔質のカバー1側
を密閉された密閉箱17に入れる。密閉箱17には空気
流入管18が取付けてあり、圧搾ポンプ19から圧搾さ
れた空気が密閉箱17へ供給される。供給された空気は
多孔質のカバー1の内面へ流入するので、溶融アルミを
流込むと多孔質のカバー1と適度な間隔を保ちながら、
アルミニウム製矩形の放熱フィン2が形成される。
形態の半導体冷却装置の放熱フィンの製造方法を示す説
明図である。図10において、1は多孔質のカバー、1
5は放熱フィン2を製造するための治具として使用する
金属板、16は金属板15に形成された溶融アルミ注入
口、17は多孔質のカバー1の外表面から内側に圧搾空
気を送るために密閉空間を形成する密閉箱、18は密閉
箱17に圧搾空気を送る空気流入管、19は圧搾ポンプ
である。多孔質のカバー1の開口部分に金属板15が取
付けられており、これにより密閉箱17は密閉空間とな
る。金属板15には溶融アルミを多孔質のカバー1側へ
流込む注入口16が開けてある。多孔質のカバー1の開
口部分に金属板15を取付け、その多孔質のカバー1側
を密閉された密閉箱17に入れる。密閉箱17には空気
流入管18が取付けてあり、圧搾ポンプ19から圧搾さ
れた空気が密閉箱17へ供給される。供給された空気は
多孔質のカバー1の内面へ流入するので、溶融アルミを
流込むと多孔質のカバー1と適度な間隔を保ちながら、
アルミニウム製矩形の放熱フィン2が形成される。
【0048】上記実施の形態ではいずれもアルミニウム
製放熱フィン2について説明したが、本発明を実施する
場合には、必ずしもアルミニウムに限られることはな
く、熱伝導性の良いフィン材料であれば同様の効果を有
する。即ち、通常、熱伝導性の良いフィン材料としては
金属が好適である。また、上記実施の形態において、冷
媒を沸点101[℃]の『フロリナート』としている
が、沸点が電子機器部品の最大定格動作温度以下であ
り、なお、かつ、電気絶縁性と熱伝導に優れ、人体に無
害であればこれに限定するものではない。このように、
本実施の形態の半導体冷却装置の放熱フィンの製造方法
は、多孔質材料で所定の表面積のカバー1を形成し、前
記カバー1の裏面を金属板15で塞ぎ、前記カバー1の
外面から圧搾空気を送り込むと同時に、前記カバー1と
前記金属板15との間に溶融金属を流し込むことによっ
て放熱フィン2を鋳形するものであり、これを請求項に
対応する実施の形態とすることができる。
製放熱フィン2について説明したが、本発明を実施する
場合には、必ずしもアルミニウムに限られることはな
く、熱伝導性の良いフィン材料であれば同様の効果を有
する。即ち、通常、熱伝導性の良いフィン材料としては
金属が好適である。また、上記実施の形態において、冷
媒を沸点101[℃]の『フロリナート』としている
が、沸点が電子機器部品の最大定格動作温度以下であ
り、なお、かつ、電気絶縁性と熱伝導に優れ、人体に無
害であればこれに限定するものではない。このように、
本実施の形態の半導体冷却装置の放熱フィンの製造方法
は、多孔質材料で所定の表面積のカバー1を形成し、前
記カバー1の裏面を金属板15で塞ぎ、前記カバー1の
外面から圧搾空気を送り込むと同時に、前記カバー1と
前記金属板15との間に溶融金属を流し込むことによっ
て放熱フィン2を鋳形するものであり、これを請求項に
対応する実施の形態とすることができる。
【0049】上記実施の形態の半導体冷却装置の放熱フ
ィンの製造方法によれば、多孔質のカバー1を配設した
後、カバー1の開口部に溶融金属としての溶融アルミを
流すガイドを形成した金属板15を取付け、前記多孔質
のカバー1の外部から圧搾空気を供給し、一定の圧力を
多孔質のカバー1にかけながら溶融アルミを金属板15
のガイドから多孔質のカバー1へ流し込む。このとき、
多孔質のカバー1側は空気圧がかかっているので溶融ア
ルミは適度な空間を保ちつつ徐々に固化され、これによ
り、比較的容易に多孔質のカバー1と適度な空間を保っ
た放熱フィン2が製造できるとともに、圧搾空気の圧力
を変化させることにより、多孔質のカバー1と任意の間
隔3を保つ放熱フィン2が形成できる。
ィンの製造方法によれば、多孔質のカバー1を配設した
後、カバー1の開口部に溶融金属としての溶融アルミを
流すガイドを形成した金属板15を取付け、前記多孔質
のカバー1の外部から圧搾空気を供給し、一定の圧力を
多孔質のカバー1にかけながら溶融アルミを金属板15
のガイドから多孔質のカバー1へ流し込む。このとき、
多孔質のカバー1側は空気圧がかかっているので溶融ア
ルミは適度な空間を保ちつつ徐々に固化され、これによ
り、比較的容易に多孔質のカバー1と適度な空間を保っ
た放熱フィン2が製造できるとともに、圧搾空気の圧力
を変化させることにより、多孔質のカバー1と任意の間
隔3を保つ放熱フィン2が形成できる。
【0050】なお、上記各実施の形態では、金属製基板
5がアルミニウム製矩形の放熱フィン2とパワー回路ケ
ース7を介して接続されているが、本発明を実施する場
合には、金属製基板5が直接放熱フィン2に接続されて
もよい。このとき、金属製基板5がパワー回路ケース7
の一部となる。
5がアルミニウム製矩形の放熱フィン2とパワー回路ケ
ース7を介して接続されているが、本発明を実施する場
合には、金属製基板5が直接放熱フィン2に接続されて
もよい。このとき、金属製基板5がパワー回路ケース7
の一部となる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の半導体
冷却装置は、放熱フィンに多孔質のカバーを取付け、放
熱フィンとカバーの隙間に冷媒を供給し、その冷媒が放
熱フィンによって熱せられ、蒸発することによってパワ
ー回路を冷却するものであり、パワー回路で発生した熱
量は速やかに金属製基板に伝達され拡散されて、放熱フ
ィンに伝達される。伝達された熱は放熱フィンと多孔質
のカバーとの間に介在する冷媒を熱し、冷媒を蒸発させ
る。多孔質のカバーは冷媒の表面張力により通過させな
いが、気体となった冷媒はカバーを通して外部へ出す。
このとき、冷媒は放熱フィン及び多孔質のカバーに対し
て熱を奪い、パワー回路で発生した熱量を放熱する。し
たがって、冷媒の沸点以上には放熱フィンの温度は上昇
しない。また、フィン全体に冷媒が行き渡るまでの時間
を短縮し、かつ、多孔質の放熱フィンの熱伝導を向上さ
せる。故に、高温で作動中高温となるパワー回路におい
て、その発生熱量を一時的または連続的に除去し、パワ
ー回路で使用している素子の寿命を向上させるととも
に、パワー回路を用いている装置のケース内の温度上昇
を防ぎ、ケース内で使用している半導体素子の寿命も向
上させる。
冷却装置は、放熱フィンに多孔質のカバーを取付け、放
熱フィンとカバーの隙間に冷媒を供給し、その冷媒が放
熱フィンによって熱せられ、蒸発することによってパワ
ー回路を冷却するものであり、パワー回路で発生した熱
量は速やかに金属製基板に伝達され拡散されて、放熱フ
ィンに伝達される。伝達された熱は放熱フィンと多孔質
のカバーとの間に介在する冷媒を熱し、冷媒を蒸発させ
る。多孔質のカバーは冷媒の表面張力により通過させな
いが、気体となった冷媒はカバーを通して外部へ出す。
このとき、冷媒は放熱フィン及び多孔質のカバーに対し
て熱を奪い、パワー回路で発生した熱量を放熱する。し
たがって、冷媒の沸点以上には放熱フィンの温度は上昇
しない。また、フィン全体に冷媒が行き渡るまでの時間
を短縮し、かつ、多孔質の放熱フィンの熱伝導を向上さ
せる。故に、高温で作動中高温となるパワー回路におい
て、その発生熱量を一時的または連続的に除去し、パワ
ー回路で使用している素子の寿命を向上させるととも
に、パワー回路を用いている装置のケース内の温度上昇
を防ぎ、ケース内で使用している半導体素子の寿命も向
上させる。
【0052】請求項2の半導体冷却装置は、放熱フィン
の温度がある設定温度以上になった場合にのみ、放熱フ
ィンとカバーとの間に冷媒が供給され、それ以外は通常
の自然空冷放熱フィンとして作動するものであり、パワ
ー回路で発生した熱量は速やかに金属製基板に伝達され
拡散されて、放熱フィンに伝達される。伝達された熱は
放熱フィンと多孔質のカバーとの間に介在する冷媒を熱
し、冷媒を蒸発させる。多孔質のカバーは冷媒の表面張
力によって通過させないが、気化した冷媒はカバーを通
って外部へと出ていく。このとき、冷媒は放熱フィン及
び多孔質のカバーに対して潜熱を奪い、パワー回路で発
生した熱量を放熱する。したがって、冷媒の沸点以上に
は放熱フィンの温度は上昇しない。また、放熱フィンと
多孔質のカバーとの間隙を狭くして毛細管現象を発生さ
せることにより、放熱フィンと多孔質のカバーとの間に
冷媒が絶えず供給され、これによりパワー回路の温度上
昇が低減する。また、フィン全体に冷媒が行き渡るまで
の時間を短縮し、かつ、多孔質の放熱フィンの熱伝導を
向上させる。故に、高温で作動中高温となるパワー回路
において、その発生熱量を一時的または連続的に除去
し、パワー回路で使用している素子の寿命を向上させる
とともに、パワー回路を用いている装置のケース内の温
度上昇を防ぎ、ケース内で使用している半導体素子の寿
命も向上させる。
の温度がある設定温度以上になった場合にのみ、放熱フ
ィンとカバーとの間に冷媒が供給され、それ以外は通常
の自然空冷放熱フィンとして作動するものであり、パワ
ー回路で発生した熱量は速やかに金属製基板に伝達され
拡散されて、放熱フィンに伝達される。伝達された熱は
放熱フィンと多孔質のカバーとの間に介在する冷媒を熱
し、冷媒を蒸発させる。多孔質のカバーは冷媒の表面張
力によって通過させないが、気化した冷媒はカバーを通
って外部へと出ていく。このとき、冷媒は放熱フィン及
び多孔質のカバーに対して潜熱を奪い、パワー回路で発
生した熱量を放熱する。したがって、冷媒の沸点以上に
は放熱フィンの温度は上昇しない。また、放熱フィンと
多孔質のカバーとの間隙を狭くして毛細管現象を発生さ
せることにより、放熱フィンと多孔質のカバーとの間に
冷媒が絶えず供給され、これによりパワー回路の温度上
昇が低減する。また、フィン全体に冷媒が行き渡るまで
の時間を短縮し、かつ、多孔質の放熱フィンの熱伝導を
向上させる。故に、高温で作動中高温となるパワー回路
において、その発生熱量を一時的または連続的に除去
し、パワー回路で使用している素子の寿命を向上させる
とともに、パワー回路を用いている装置のケース内の温
度上昇を防ぎ、ケース内で使用している半導体素子の寿
命も向上させる。
【0053】請求項3の半導体冷却装置は、放熱フィン
とカバーとの隙間を狭くすることによって生じる毛細管
現象によって冷媒が供給されるものであり、パワー回路
で発生した熱量は速やかに金属製基板に伝達され拡散さ
れて、放熱フィンに伝達される。伝達された熱は放熱フ
ィンと多孔質のカバーとの間に介在れさた冷媒を熱し、
冷媒を蒸発させる。多孔質のカバーは冷媒の表面張力に
より通過させないが、気体となった冷媒はカバーを通し
て外部へと出ていく。このとき、冷媒は放熱フィン及び
多孔質のカバーに対して潜熱を奪い、パワー回路で発生
した熱量を放熱する。したがって、冷媒の沸点以上には
放熱フィンの温度は上昇しない。また、放熱フィンの温
度が所定の設定温度以上になったとき、放熱フィンとカ
バーとの間に冷媒が供給され、それ以外は通常の自然空
冷用の放熱フィンとして作動する。これにより一時的に
パワー回路に過電流が流れ、パワー回路の温度が上昇し
ても、冷媒が供給されることによって放熱性能が向上
し、パワー回路の温度上昇を防ぐことができる。
とカバーとの隙間を狭くすることによって生じる毛細管
現象によって冷媒が供給されるものであり、パワー回路
で発生した熱量は速やかに金属製基板に伝達され拡散さ
れて、放熱フィンに伝達される。伝達された熱は放熱フ
ィンと多孔質のカバーとの間に介在れさた冷媒を熱し、
冷媒を蒸発させる。多孔質のカバーは冷媒の表面張力に
より通過させないが、気体となった冷媒はカバーを通し
て外部へと出ていく。このとき、冷媒は放熱フィン及び
多孔質のカバーに対して潜熱を奪い、パワー回路で発生
した熱量を放熱する。したがって、冷媒の沸点以上には
放熱フィンの温度は上昇しない。また、放熱フィンの温
度が所定の設定温度以上になったとき、放熱フィンとカ
バーとの間に冷媒が供給され、それ以外は通常の自然空
冷用の放熱フィンとして作動する。これにより一時的に
パワー回路に過電流が流れ、パワー回路の温度が上昇し
ても、冷媒が供給されることによって放熱性能が向上
し、パワー回路の温度上昇を防ぐことができる。
【0054】請求項4の半導体冷却装置は、請求項3に
記載の効果に加えて、パワー回路の温度が上昇すると、
熱応動弁が開いて冷媒が供給されるから、これにより、
パワー回路の温度上昇により冷媒が供給され、一時的に
冷却能力が増大し、パワー回路の寿命を短くすることが
ない。
記載の効果に加えて、パワー回路の温度が上昇すると、
熱応動弁が開いて冷媒が供給されるから、これにより、
パワー回路の温度上昇により冷媒が供給され、一時的に
冷却能力が増大し、パワー回路の寿命を短くすることが
ない。
【0055】請求項5の半導体冷却装置は、請求項3の
効果に加えて、所定の設定温度になったときのみ、一時
的に冷却能力を増大させるべく冷媒を供給制御するの
は、放熱フィンと熱的に結合している形状記憶合金製の
細管がタンクに蓄えられている冷媒の液面中にその端部
を移動するものである。したがって、パワー回路が温度
上昇すると、形状記憶合金製の細管がタンク内の冷媒に
接触し、毛細管現象により冷媒が吸上げられて供給され
る。故に、一時的にパワー回路に過電流が流れたとき、
パワー回路の温度上昇により冷媒が供給され、一時的に
冷却能力が増大し、パワー回路の寿命を短くすることが
ない。
効果に加えて、所定の設定温度になったときのみ、一時
的に冷却能力を増大させるべく冷媒を供給制御するの
は、放熱フィンと熱的に結合している形状記憶合金製の
細管がタンクに蓄えられている冷媒の液面中にその端部
を移動するものである。したがって、パワー回路が温度
上昇すると、形状記憶合金製の細管がタンク内の冷媒に
接触し、毛細管現象により冷媒が吸上げられて供給され
る。故に、一時的にパワー回路に過電流が流れたとき、
パワー回路の温度上昇により冷媒が供給され、一時的に
冷却能力が増大し、パワー回路の寿命を短くすることが
ない。
【0056】請求項6の半導体冷却装置は、請求項1の
効果に加えて、放熱フィンとカバーとの間に形成した前
記隙間の冷媒は、特定の温度以上になると固体冷媒が昇
華し、一時的に冷却能力を増大させるものである。した
がって、放熱フィンと多孔質のカバーの間隔にパワー回
路或いは放熱フィンが所定温度になると昇華する固体冷
媒を封入したものであるから、パワー回路或いは放熱フ
ィンが所定の温度以上になると一時的に放熱能力が増加
し、パワー回路の寿命を短くすることがない。
効果に加えて、放熱フィンとカバーとの間に形成した前
記隙間の冷媒は、特定の温度以上になると固体冷媒が昇
華し、一時的に冷却能力を増大させるものである。した
がって、放熱フィンと多孔質のカバーの間隔にパワー回
路或いは放熱フィンが所定温度になると昇華する固体冷
媒を封入したものであるから、パワー回路或いは放熱フ
ィンが所定の温度以上になると一時的に放熱能力が増加
し、パワー回路の寿命を短くすることがない。
【0057】請求項7の半導体冷却装置は、請求項1ま
たは請求項3の効果に加えて、更に、前記放熱フィンと
前記カバーとの間に形成した前記隙間に、所定の温度以
上になると冷媒が沸騰することによる圧力上昇または温
度上昇によって破れる膜を配設し、前記冷媒が前記放熱
フィンと前記カバーとの間に満たされ、前記膜が破れる
ことにより、一時的にパワー回路を冷却するものであ
る。したがって、放熱フィンと多孔質のカバーの間隔に
パワー回路或いは放熱フィンが所定温度になると、冷媒
が沸騰し、それによる圧力上昇または温度上昇によって
破裂する膜を有し、これによりパワー回路或いは放熱フ
ィンが所定の設定温度以上になると膜が破れ、放熱フィ
ンとカバーの間に冷媒が満たされ、一時的に放熱能力が
増加し、パワー回路の寿命を短くすることがない。
たは請求項3の効果に加えて、更に、前記放熱フィンと
前記カバーとの間に形成した前記隙間に、所定の温度以
上になると冷媒が沸騰することによる圧力上昇または温
度上昇によって破れる膜を配設し、前記冷媒が前記放熱
フィンと前記カバーとの間に満たされ、前記膜が破れる
ことにより、一時的にパワー回路を冷却するものであ
る。したがって、放熱フィンと多孔質のカバーの間隔に
パワー回路或いは放熱フィンが所定温度になると、冷媒
が沸騰し、それによる圧力上昇または温度上昇によって
破裂する膜を有し、これによりパワー回路或いは放熱フ
ィンが所定の設定温度以上になると膜が破れ、放熱フィ
ンとカバーの間に冷媒が満たされ、一時的に放熱能力が
増加し、パワー回路の寿命を短くすることがない。
【0058】請求項8の半導体冷却装置の放熱フィンの
製造方法は、多孔質のカバーを成形し、前記カバーの裏
面を金属板で塞ぎ、前記カバーの外面から圧搾空気を送
り込むと同時に、前記カバーと前記金属板との間に溶融
金属を流込むことによって放熱フィンを鋳形するもので
ある。したがって、多孔質のカバーを配設した後、カバ
ーの開口部に溶融金属を流すガイドを形成した金属板を
取付け、前記多孔質のカバーの外部から圧搾空気を供給
し、一定の圧力を多孔質のカバーにかけながら溶融金属
を金属板のガイドから多孔質のカバーへ流込む。このと
き、多孔質のカバー側は空気圧がかかっているので溶融
金属は適度な空間を保ちつつ徐々に固化され、これによ
り、比較的容易に多孔質のカバーと適度な空間を保った
放熱フィンが製造できるとともに、圧搾空気の圧力を変
化させることにより、多孔質のカバーと任意の間隔を保
つ放熱フィンが形成できる。
製造方法は、多孔質のカバーを成形し、前記カバーの裏
面を金属板で塞ぎ、前記カバーの外面から圧搾空気を送
り込むと同時に、前記カバーと前記金属板との間に溶融
金属を流込むことによって放熱フィンを鋳形するもので
ある。したがって、多孔質のカバーを配設した後、カバ
ーの開口部に溶融金属を流すガイドを形成した金属板を
取付け、前記多孔質のカバーの外部から圧搾空気を供給
し、一定の圧力を多孔質のカバーにかけながら溶融金属
を金属板のガイドから多孔質のカバーへ流込む。このと
き、多孔質のカバー側は空気圧がかかっているので溶融
金属は適度な空間を保ちつつ徐々に固化され、これによ
り、比較的容易に多孔質のカバーと適度な空間を保った
放熱フィンが製造できるとともに、圧搾空気の圧力を変
化させることにより、多孔質のカバーと任意の間隔を保
つ放熱フィンが形成できる。
【図1】 図1は本発明の第一の実施の形態における半
導体冷却装置を示す外観の斜視図である。
導体冷却装置を示す外観の斜視図である。
【図2】 図2は図1の切断線A,B,C,Dで形成さ
れた切断平面よって切断した断面図である。
れた切断平面よって切断した断面図である。
【図3】 図3は本発明の一実施の形態の半導体冷却装
置の実験のために作成された多孔質材料からなるカバー
と同一材料の素焼きセラミックスで形成された容器の斜
視図である。
置の実験のために作成された多孔質材料からなるカバー
と同一材料の素焼きセラミックスで形成された容器の斜
視図である。
【図4】 図4は図2に示した断面図のパワー回路から
発生した熱の挙動について説明する要部拡大説明図であ
る。
発生した熱の挙動について説明する要部拡大説明図であ
る。
【図5】 図5は本発明の第二の実施の形態の半導体冷
却装置を示す外観の斜視図である。
却装置を示す外観の斜視図である。
【図6】 図6は本発明の第三の実施の形態の半導体冷
却装置を示す外観の斜視図である。
却装置を示す外観の斜視図である。
【図7】 図7は本発明の第四の実施の形態の半導体冷
却装置を示す外観の斜視図である。
却装置を示す外観の斜視図である。
【図8】 図8は本発明の第五の実施の形態の半導体冷
却装置を示す図2に相当する断面図である。
却装置を示す図2に相当する断面図である。
【図9】 図9は本発明の第六の実施の形態の半導体冷
却装置を示す図2に相当する断面図である。
却装置を示す図2に相当する断面図である。
【図10】 図10は本発明の一実施の形態の半導体冷
却装置の放熱フィンの製造方法を示す説明図である。
却装置の放熱フィンの製造方法を示す説明図である。
【図11】 図11は従来の半導体冷却装置を示す外観
図を示す要部斜視図である。
図を示す要部斜視図である。
1 多孔質のカバー、2 放熱フィン、3 間隙、4
パワー回路、5 金属製基板、61 液体冷媒、63
昇華性固体冷媒、7 パワー回路ケース、8電子機器筐
体、9 半導体冷却装置、10 タンク、11 送給
管、12 熱応動弁、13 形状記憶合金製の細管、1
4 膜、15 金属板、17 密閉箱、18 空気流入
管、19 圧搾ポンプ。
パワー回路、5 金属製基板、61 液体冷媒、63
昇華性固体冷媒、7 パワー回路ケース、8電子機器筐
体、9 半導体冷却装置、10 タンク、11 送給
管、12 熱応動弁、13 形状記憶合金製の細管、1
4 膜、15 金属板、17 密閉箱、18 空気流入
管、19 圧搾ポンプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 久雄 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内
Claims (8)
- 【請求項1】 絶縁層を設けた金属製基板上に発熱量が
大きい半導体素子を実装したパワー回路と、 前記金属製基板に取付けられている放熱フィンと、 前記放熱フィンの表面に対して所定の間隙を形成して取
付けた多孔質材料からなるカバーと、 前記放熱フィンの表面と前記カバーとの間に形成した前
記隙間に介在し、前記放熱フィンによって加熱されて蒸
発する際に潜熱を奪うことにより前記パワー回路を冷却
する冷媒とを具備することを特徴とする半導体冷却装
置。 - 【請求項2】 絶縁層を設けた金属製基板上に発熱量が
大きい半導体素子を実装したパワー回路と、 前記金属製基板に取付けられている放熱フィンと、 前記放熱フィンの表面に対して所定の間隙を形成して取
付けた多孔質材料からなるカバーと、 前記放熱フィンの表面と前記カバーとの間に形成した前
記隙間に介在し、前記放熱フィンによって加熱されて蒸
発する際に潜熱を奪うことにより前記パワー回路を冷却
する冷媒と、 前記放熱フィンの表面と前記カバーとの隙間を狭くする
ことによって生じる毛細管現象によって供給される冷媒
を蓄えるタンクとを具備することを特徴とする半導体冷
却装置。 - 【請求項3】 絶縁層を設けた金属製基板上に発熱量が
大きい半導体素子を実装したパワー回路と、 前記金属製基板に取付けられている放熱フィンと、 前記放熱フィンの表面に対して所定の間隙を形成して取
付けた多孔質材料からなるカバーと、 前記放熱フィンの表面と前記カバーとの間に形成した前
記隙間に介在し、前記放熱フィンによって加熱されて蒸
発する際に潜熱を奪うことにより前記パワー回路を冷却
する冷媒と、 前記放熱フィンと前記カバーとの隙間に対して、所定の
設定温度になったときのみ、一時的に冷却能力を増大さ
せるべく供給する冷媒を蓄えるタンクとを具備すること
を特徴とする半導体冷却装置。 - 【請求項4】 前記所定の設定温度になったときのみ、
一時的に冷却能力を増大させるべく冷媒を供給制御する
のは、前記放熱フィンと熱的に結合している熱応動弁に
よって行うことを特徴とする請求項3に記載の半導体冷
却装置。 - 【請求項5】 前記所定の設定温度になったときのみ、
一時的に冷却能力を増大させるべく冷媒を供給制御する
のは、前記放熱フィンと熱的に結合している形状記憶合
金製の細管が前記タンクに蓄えられている冷媒の液面中
にその端部を移動することによって行うことを特徴とす
る請求項3に記載の半導体冷却装置。 - 【請求項6】 前記放熱フィンと前記カバーとの間に形
成した前記隙間の冷媒は、特定の温度以上になると冷媒
が昇華し、一時的に冷却能力を増大させることを特徴と
する請求項1に記載の半導体冷却装置。 - 【請求項7】 更に、前記放熱フィンと前記カバーとの
間に形成した前記隙間に、所定の温度以上になると冷媒
が沸騰することによる圧力上昇または温度上昇によって
破れる膜を配設し、前記冷媒が前記放熱フィンと前記カ
バーとの間に満たされ、前記膜が破れることにより、一
時的にパワー回路を冷却することを特徴とする請求項1
または請求項3に記載の半導体冷却装置。 - 【請求項8】 前記放熱フィンは、多孔質材料で所定の
表面積のカバーを形成し、前記カバーの裏面を金属板で
塞ぎ、前記カバーの外面から圧搾空気を送り込むと同時
に、前記カバーと前記金属板との間に溶融金属を流込む
ことによって放熱フィンを鋳形することを特徴とする請
求項1乃至請求項7の何れか1つに記載の半導体冷却装
置の放熱フィンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7193659A JPH0945829A (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | 半導体冷却装置及びその放熱フィンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7193659A JPH0945829A (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | 半導体冷却装置及びその放熱フィンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0945829A true JPH0945829A (ja) | 1997-02-14 |
Family
ID=16311640
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7193659A Pending JPH0945829A (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | 半導体冷却装置及びその放熱フィンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0945829A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013062285A (ja) * | 2011-09-12 | 2013-04-04 | Fujitsu Ltd | 半導体装置及びその製造方法 |
KR101367067B1 (ko) * | 2012-10-29 | 2014-02-24 | 삼성전기주식회사 | 전력 모듈 패키지 |
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- 1995-07-28 JP JP7193659A patent/JPH0945829A/ja active Pending
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