JPH0943405A - フレネルレンズ - Google Patents

フレネルレンズ

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JPH0943405A
JPH0943405A JP20920395A JP20920395A JPH0943405A JP H0943405 A JPH0943405 A JP H0943405A JP 20920395 A JP20920395 A JP 20920395A JP 20920395 A JP20920395 A JP 20920395A JP H0943405 A JPH0943405 A JP H0943405A
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θin
fresnel lens
lens
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Kinya Iwamoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車室外の死角領域を視認するフレネルレンズ
において、簡単かつ安価に、像の多重化や外乱光透過を
防止する。 【解決手段】 フレネルレンズは、レンズ主面2、非レ
ンズ面3およびフレネルレンズ平面4を備える多数の微
小プリズムからなり、非レンズ面3とフレネルレンズ平
面4のなす角度θの値が、視認対象からの光がレンズ主
面からアイポイントへ向かう射出角θinと、その光が
微小プリズム内を進むときの角度θoutの間の範囲内
に設定してある。これにより、プリズムから射出されア
イポイントEに届く範囲14の全光束のうち、非レンズ
面3で全反射したり、非レンズ面3から射出されて外乱
光となる光が射出される光路135〜136の範囲15
の割合(外乱光領域率)が最小となって、像の多重化等
が阻止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば車両の窓
に装着され車室内から車室外の死角領域等を視認するな
どのために用いられるフレネルレンズに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、車室内から車室外を視認するため
の車両用の視認用フレネルレンズでは、太陽光など強烈
な外乱光が入射した場合、外乱光がレンズ上に光の筋に
なって視認したい方向の像を視認しづらいことがある。
そこで、良好な視認性を得るため、フレネルレンズの非
レンズ面の最適化を行うことによって当該非レンズ面で
外乱光を全反射させたり、あるいは非レンズ面を透過し
てアイポイントに届く外乱光を最小限におさえるように
した外乱光遮光技術が試みられている。その1つとして
フレネルレンズ中心点からの山数に応じて非レンズ面と
フレネルレンズ平面との間の非レンズ面角を異ならせ
て、像の多重化や外乱光透過を阻止するようにしたもの
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のフレネルレンズでは、実際の製作においてレ
ンズの全周を複数の区間に分割し、それぞれの区間で異
なった大きさの非レンズ面角を有するような形状にしな
くてはならない。フレネルレンズは押し出し成形を行う
等、型を用いて製作するため、このような形状の型を簡
易にしかも安価に整えることは難しいという問題があ
る。また、アイポイントの位置がずれると外乱光が見え
てしまうという問題もあった。したがって本発明は、こ
のような従来の問題点に鑑み、簡単かつ安価に、像の多
重化や外乱光透過のないクリアーな像が得られるフレネ
ルレンズを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明は、複数の微小プリズムを備え、所定方向の視
認対象とアイポイントの間に配置されるフレネルレンズ
において、その非レンズ面の傾きを、フレネルレンズ上
に設定した基準点とアイポイントを結ぶ視線と平行な角
度と、基準点における微小プリズム内から前記視線方向
へ射出される光が前記微小プリズム内を進む光路と平行
の角度との間に設定してあるものとした。請求項2の発
明は、このフレネルレンズを車両の窓に装着し、車室内
のアイポイントから車室外を視認するものにおいて、と
くにフレネルレンズ中心点から真下に下ろした線を中心
に両側60度の範囲のフレネルレンズ上に基準点を設定
し、この基準点においてベクトルを用いて、上記の視線
と平行な角度と微小プリズム内を進む光路と平行の角度
とを特定したものである。
【0005】請求項3記載の発明は、各々の微小プリズ
ムにおいて、その非レンズ面で全反射してレンズ主面よ
りアイポイントへ向けて射出される光が当該微小プリズ
ムに入射するフレネルレンズ平面の当該入射範囲に遮光
体を設けたものである。なお、入射側のかわりに、微小
プリズムから射出するレンズ主面の当該射出範囲に遮光
体を設けることもできる。請求項4記載の発明は、その
非レンズ面からアイポイントへ向けて射出される光が当
該微小プリズムに入射するフレネルレンズ平面の当該入
射範囲に遮光体を設けたものである。なお、入射側のか
わりに、その非レンズ面に遮光体を設けることもでき
る。
【0006】請求項7〜請求項12のものは、車両の窓
に装着し、車室内のアイポイントから車室外を視認する
フレネルレンズにおいて、フレネルレンズ上に基準点を
設定し、ベクトルを用いて微小プリズムの形状特性に応
じて遮光体を設置する範囲を特定したものである。請求
項13記載の発明は、複数の微小プリズムを備えたフレ
ネルレンズ本体と、透明な平板材と、透明な部材と不透
明な部材を交互に配してルーバーを形成するとともにフ
レネルレンズ本体のフレネルレンズ平面側と平板材との
間に挟まれた層状部材とからなり、層状部材のルーバー
は、フレネルレンズ本体の非レンズ面で全反射してレン
ズ主面よりアイポイントへ向けて射出される光の光路、
および非レンズ面からアイポイントへ向けて射出される
光の光路を遮断するように構成されているものとした。
上記のフレネルレンズ本体、透明な平板材および層状部
材は、シリコンゴム、軟質塩化ビニール等の軟質部材で
形成することができる。
【0007】請求項15および16記載の発明は、車両
の窓に装着し、車室内のアイポイントから車室外を視認
するフレネルレンズにおいて、フレネルレンズ上に基準
点を設定し、ベクトルを用いて微小プリズムの形状特性
に応じて上記層状部材のルーバー角θLの範囲を特定し
たものである。
【0008】
【作用】請求項1のものでは、非レンズ面の傾きが、視
線と平行な角度と、視線方向へ射出される光が微小プリ
ズム内を進む光路と平行の角度との間に設定してあるの
で、他の角度範囲としたときに比較して、外乱光の非レ
ンズ面で前反射されてアイポイントへ向かう光と非レン
ズ面から射出されてアイポイントへ向かう光のアイポイ
ントに届く全光束に占める割合が最も小さく、したがっ
てアイポイントから見たとき像の多重化や外乱光が発生
しない。請求項2のものは、とくにフレネルレンズ上の
基準点をフレネルレンズ中心点から真下に下ろした線を
中心に両側60度の範囲とすることにより、昼光下でも
外乱光領域率を小さく維持できる。
【0009】請求項3のものでは、記載の発明は、非レ
ンズ面で全反射してレンズ主面よりアイポイントへ向け
て射出される光が微小プリズムに入射するフレネルレン
ズ平面の当該入射範囲に遮光体を設けてあるから、アイ
ポイントへ向かう光の光路が遮断されて、像の多重化や
外乱光が発生しない。また、入射側のかわりに、レンズ
主面の射出範囲に遮光体を設けることによっても遮断さ
れる。請求項4のものは、非レンズ面からアイポイント
へ向けて射出される光が当該微小プリズムに入射するフ
レネルレンズ平面の当該入射範囲に遮光体を設けたか
ら、同様にアイポイントへ向かう外乱光が遮断される。
また、入射側のかわりに、その非レンズ面に遮光体を設
けることによっても遮断される。
【0010】請求項13のものは、フレネルレンズ本体
に接した層状部材のルーバーにより、非レンズ面で全反
射してレンズ主面よりアイポイントへ向けて射出される
光の光路、および非レンズ面からアイポイントへ向けて
射出される光の光路が遮断されるので、アイポイントへ
向かう外乱光等が遮断される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、実施例により図面を参照して詳細に説明する。まず
第1の実施例について説明する。図1は車両への設置レ
イアウトを示し、とくに(a)は車両の側面図、(b)
は後面図である。図2はフレネルレンズの全体正面図で
あり、図3はその部分拡大断面図である。図1に示され
るように、フレネルレンズ1は車両100の後部ウイン
ドウの上縁にそって車室内部よりウインドウガラス9上
に吸着させて取り付けられている。フレネルレンズ1
は、図3に示すように、フレネルレンズ平面4に対して
傾斜面をなすレンズ主面2と、これに連続する非レンズ
面3の3つの面を備え、レンズ主面2と非レンズ面3の
谷部の交点とフレネルレンズ平面4の間は基底部5とな
っている。フレネルレンズ1は、そのレンズ主面2が形
成されている面がアイポイントE側に向いている。
【0012】図2の全体図において、フレネルレンズ光
軸中心点Lから真下に下ろした線11からωの角度の位
置に基準点Pが設けられ、このωの大きさは±60°の
範囲内に設定してある。ここで、車両の運転者が後方確
認のため後方を振り向いたときのアイポイントEと、フ
レネルレンズのレンズ中心点Lおよび基準点Pの位置関
係が図4に示されるものとして、これらレンズ中心点
L、アイポイントEおよび基準点Pの3点を含む平面S
での基準点Pにおけるウインドウガラス9面の接線12
の傾きを、図5に示すように、λとする。
【0013】また図1に示すように車両上に規定した3
次元座標XYZにおいて、フレネルレンズのレンズ中心
点Lの座標を(XL ,YL ,ZL )、基準点Pの座標を
(XP ,YP ,ZP )、アイポイントEの座標を
(XE ,YE ,ZE )とする。P点、L点、E点を含む
図5の平面上において、屈折の法則が成立している。
【0014】L点からE点へのベクトルをvLE、L点
からP点へのベクトルをvLP、P点からE点へのベク
トルをvPE、そしてvLPのベクトルの逆向きのベク
トルをvPLとする。これらのベクトルの成分は次のと
おりである。 vLE=(LEX ,LEY ,LEZ ) =(XE −XL ,YE −YL ,ZE −ZL ) vLP=(LPX ,LPY ,LPZ ) =(XP −XL ,YP −YL ,ZP −ZL ) =−vPL vPE=(PEX ,PEY ,PEZ ) =(XE −XP ,YE −YP ,ZE −ZP ) (1)
【0015】P点でL点とE点によって構成される角度
をψ2とすると、ψ2の大きさはこれらのベクトルの内
積および大きさから、次式で求められる。 ψ2=cos-1((vPL,vPE)/|vPL|・|vPE|) (2)
【0016】図5において、L’点はL点を通る水平線
とP点を通る垂線の交差する点である。 L’点のY座
標はP点のY座標に等しく、Z座標はL点のZ座標に等
しく、X座標はL’点が平面S上にあることから、次式
で求められる。 (YP −YL +LEZ ・LPY /LPZ )LEX /LEY −(YP −YL +LEZ ・LPY /LPZ )LEZ ・LPx /(LPZ ・LEY )+XL (3)
【0017】P点からL’点へのベクトルをvPL’と
し、P点でL点とL’点によって構成される角度をξと
すると、ξの大きさは、次式で表わされる。 ξ=cos-1((vPL,vPL’)/|vPL|・|vPL’|) (4) このとき、vPL’のベクトルの成分は次のとおりであ
る。 vPL’=(PL’X ,PL’Y ,PL’Z ) =((YP −YL +LEZ ・LPY /LPZ )LEX /LEY −(YP −YL +LEZ ・LPY /LPZ )LEZ ・LPx /(LPZ ・LEY )+XL −XP , 0, ZL −ZP ) (5)
【0018】以上から、図6に示すように、基準点Pで
の微小プリズムにおいてアイポイントEへ向かって射出
される光のフレネルレンズ平面4に対する角度θin
は、次式で表わされる。 θin=ψ2+ξ−(90−λ) =cos-1((vPL,vPE)/|vPL|・|vPE|) +cos-1((vPL,vPL’)/|vPL|・|vPL’|) −(90−λ) (6)
【0019】また、この光がフレネルレンズのプリズム
内を進むときの光路13とフレネルレンズ平面4とのな
す角度θoutは、レンズ主面2とフレネルレンズ平面
4との角度δとフレネルレンズ材質の屈折率nならびに
上記θinを用いて、次式によって求められる。 θout=90−(δ −sin-1(sin(θin−(90−δ))/n)) (7)
【0020】そしてこの実施例では、非レンズ面3とフ
レネルレンズ平面4とのなす角度θを、角度θinとθ
outの間の範囲内に設定してある。以下、これについ
て説明する。図7〜図10は、基準点Pの部分を微小プ
リズム構造として模擬したものである。 図7はプリズ
ム内を進んでアイポイントEの方向へ射出される光の光
路を示している。光路131は、視認したい方向からフ
レネルレンズ平面4を通って、レンズ主面2よりアイポ
イントEの方向へ射出される光を示す。プリズムから射
出された後の光路131とフレネルレンズ平面4によっ
てできる角度が前述のθin、プリズム内での光路13
1とフレネルレンズ平面4によってできる角度がθou
tである。
【0021】プリズムから射出されて角度θinとなる
光路としては、このほか非レンズ面3で全反射するよう
な光路132と、非レンズ面3から射出されるような光
路133が存在する。これらの光路132、133の光
が像の二重化や外乱光の原因となる。
【0022】図8は、非レンズ面3とフレネルレンズ平
面4とのなす角度θの値がθinとθoutの範囲の内
にある場合を示している。ここでは、プリズムから射出
される光路134〜136の範囲14にわたる光が、ア
イポイントEに届く全光束である。このうち、光路13
4〜135の範囲16は、視認したい方向から入射した
光が射出される範囲であり、光路135〜136の範囲
15は、外乱光となる光が射出される範囲である。この
範囲14と範囲15の割合(範囲15の長さ/範囲14
の長さ)すなわち外乱光領域率は、θの値がθinとθ
outの範囲の内にあると変化しない。
【0023】図9は、θの値がθinより大きい場合を
示す。この場合には、図8の場合と比較して範囲14の
大きさが範囲141へと大きくなるが、これは範囲15
の大きさが範囲151へと大きくなるだけで、範囲16
は変化しない。また、図10は、θの値がθoutより
小さい場合を示す。この場合には、範囲14は変化せ
ず、範囲15の大きさが範囲152へと大きくなり、そ
の結果範囲16が範囲161へ狭くなる。
【0024】すなわち、図9、図10のいずれの場合
も、外乱光領域率は図8の場合よりも大きくなり、θの
値がθinとθoutの範囲の内にある場合が最も外乱
光領域率が小さくなることがわかる。したがって、本実
施例では、非レンズ面3とフレネルレンズ平面4とのな
す角度θを、角度θinとθoutの間の範囲内に設定
してある。
【0025】次に、基準点の位置について説明する。こ
こでは、外乱光領域率の視認性への影響度合を検討す
る。 図11は昼光下環境での外乱光領域率に対する官
能評価点を示すものである。官能評価点「5」は、外乱
光は確認できず、問題なく視認できる状態、「4」は、
外乱光の存在が少しわかるが、問題なく視認できる、
「3」は、外乱光の存在がはっきりわかるが、視認には
影響ない、「2」は、外乱光は強いが、何とか視認でき
る、「1」は全く視認できない状態をそれぞれ示す。こ
れによれば、官能評価点が2点未満になると見たいもの
が視認できなくなり、評価のばらつき分も考慮に入れる
と、官能評価点が2点未満へ変わる外乱光領域率は0.
25から0.3の間である。
【0026】以下、具体例を表1に示す。A車は後部ウ
インドウガラス9の傾斜が極端に急な車両、B車は極端
に緩やかな車両用に設定したものである。
【表1】 そして、フレネルレンズのレンズ中心Lから真下に下ろ
した線11(図2参照)上での外乱光領域率を、A車に
ついて図12に、B車について図13に示す。なお、図
12、図13にはさらにω=90°の場合についても示
してある。これによると、A車、B車とも基準点の位置
がω=60°以上の位置になると、外乱光領域率は官能
評価点で2点未満となる値になり、昼光下で視認できな
くなる。したがって、基準点Pをフレネルレンズのレン
ズ中心点Lから真下に下ろした線12から±60°の範
囲に設定すると、当該フレネルレンズを通して車室外の
状況を明瞭に視認することが可能となる。
【0027】本実施例は以上のように構成され、フレネ
ルレンズの非レンズ面3とフレネルレンズ平面4間の角
度θを、基準点Pにおいてアイポイントへ向かって射出
される光のフレネルレンズ平面に対する角度θinと、
この光がフレネルレンズのプリズム内を進むときの光路
とフレネルレンズ平面とのなす角度θoutの範囲内に
納め、また基準点Pをレンズ中心点Lから真下に下ろし
た線から±60°の範囲に設定したので、構造を複雑に
することなく、外乱光領域率が最小で、像の多重化や視
認に影響を与える外乱光が阻止され、クリアーな像を得
ることができる。
【0028】つぎに第2の実施例について説明する。こ
れは、非レンズ面を全反射あるいは透過してアイポイン
トへ向かう光の光路に遮光処理を行なうものである。ま
ず入射光の光路について説明する。図14は先の図7と
同様にフレネルレンズ1を構成する微小なプリズム体の
拡大図である。いま、視認したい方向からきた光が光路
20に沿ってフレネルレンズ平面4に入射している。こ
のときの入射角をi、屈折角をi’とする。続いて光が
レンズ主面2を経て、アイポイントへ向けレンズ外に射
出してくる。このときのレンズ主面2に対する入射角を
i”、屈折角をi”’とする。射出された光の光路20
とフレネルレンズ平面4とがなす角度をθinとする。
【0029】また、光路20とは異なる方向からフレネ
ルレンズ1に入射する光で、非レンズ面3で全反射し、
光路20と平行にレンズ主面2から射出される光の光路
21があるものとする。この光路21に沿って進んでき
た光がフレネルレンズ平面4に入射するときの入射角を
iG1、屈折角をiG1’とする。また続いてこの光が
非レンズ面3に入射するときの、非レンズ面3に入射す
る当該光路21と非レンズ面3のなす角をiG1”とす
る。
【0030】図15に示すように、非レンズ面3から射
出される光で、この射出された後の光路がフレネルレン
ズ平面4となす角度が同じくθinとなるような光路2
2について、その光がフレネルレンズ平面4に入射する
ときの入射角をiG2、屈折角をiG2’とする。また
光が非レンズ面3に入射するときの、非レンズ面3に入
射する当該光路22と非レンズ面3のなす角をiG
2”、非レンズ面3から射出されるときの屈折角をiG
2”’とする。
【0031】なお、図14、図15に示している角度を
正の向きとし、反対向きの角度は負の大きさで表すもの
とする。そして、図14に示すように、レンズ主面2と
フレネルレンズ平面4とがなす角をδ1、非レンズ面3
とフレネルレンズ平面4とがなす角をδ2とする。微小
なプリズム体の形成ピッチをW、基底部5の厚さをtと
する。
【0032】次に、各部の角度を求めると次のようにな
る。 i”’=θin−90+δ1 i” =sin-1(sin(θin−90+δ1)/n) i’ =δ1−i” iG1”=δ1+δ2−90−i” iG1’=δ1+2δ2 −sin-1(sin(θin−90+δ1)/n)−180 iG2”’=θin−90+δ2 iG2”=90−sin-1(sin(θin−90+δ2)/n) iG2’=δ2−sin-1(sin(90−θin+δ2)/n) (8)
【0033】ここで、 90−i’≧θinのときで、δ2≧90−i’ (9) であれば、光路21が存在することになる。 本実施例
ではこの光路21の光束に対して、図16に示すよう
に、フレネルレンズの谷部で、レンズ主面2と非レンズ
面3が交わる点からフレネルレンズ平面4に下ろした垂
線と該フレネルレンズ平面4との交点からD1=tta
niG1’の位置B1を始点として、次式で示される距
離K1の間に、遮光体30を設ける。遮光体30は、例
えば、該当範囲を黒色塗装するなどで実現される。 K1=(Wsinδ1/sin(δ1+δ2))siniG1” /sin(iG1”+δ2) (10)
【0034】同じく90−i’≧θinで、 δ2≦θin (11) であれば、光路22が存在することになる。本実施例で
はこの光路22の光束に対して、図17に示すように、
フレネルレンズの谷部で、レンズ主面2と非レンズ面3
が交わる点からフレネルレンズ平面4に下ろした垂線と
フレネルレンズ平面4との交点からD2=ttaniG
2’の位置B2を始点として、次式で示される距離K2
の間に、遮光体31を設ける。 (Wsinδ1/sin(δ1+δ2))siniG2” /sin(iG2”+δ2) (12) なお、光路21と光路22が同時に存在することはな
い。
【0035】なお、δ2≧90−i’のときには、変形
例として、図18に示すように、フレネルレンズの山部
で、レンズ主面2と非レンズ面3が交わる点からレンズ
主面2に沿って、次式で示される距離K3までの間に、
遮光体32を設けることもできる。 (Wsinδ1/sin(δ1+δ2))siniG1” /sin(iG1”+180−(δ1+δ2)) (13) これによっても、光路21の光束について遮光ができ
る。また、δ2≦θin のときの変形例としては、図
19に示すように、非レンズ面3に遮光体33を設ける
こともできる。これによっても、光路22の光束につい
て遮光ができる。
【0036】各式を書き改めると、90−i’≧θin
は、 sin(θin−90+δ1)/sin(θin−90)≧n (14) δ2≧90−i’は、 δ2≧90−δ1+sin-1(sin(θin−90+δ1)/n) (15) ttaniG1’は、 ttan(δ1+2δ2 −sin-1(sin(θin−90+δ1)/n)−180) (16) となる。
【0037】また、式(10)は、 (Wsinδ1/sin(δ1+δ2))sin(δ1+δ2−90 −sin-1(sin(θin−90+δ1)/n))/sin(δ1 +2δ2−90−sin-1(sin(θin−90+δ1)/n)) (17) 式(13)は、 (Wsinδ1/sin(δ1+δ2))sin(δ1+δ2−90 −sin-1(sin(θin−90+δ1)/n)) /−cos(sin-1(sin(θin−90+δ1)/n)) (18) ttaniG2’は、 ttan(δ2−sin-1(sin(90−θin+δ2)/n) (19) 式(12)は、 (Wsinδ1/sin(δ1+δ2))sin(90− sin-1(sin(90−θin+δ2)/n))/sin(90 −sin-1(sin(90−θin+δ2)/n)+δ2) (20) となる。
【0038】つぎに今度は、 90−i’<θinのときで、δ2≧θin (21) であれば、光路21が存在することになる。非レンズ面
3から射出される光路22は発生しない。 本実施例で
は光路21の光束に対して、図20に示すように、フレ
ネルレンズの谷部で、レンズ主面2と非レンズ面3が交
わる点からフレネルレンズ平面4に下ろした垂線とフレ
ネルレンズ平面4との交点からD5=ttaniG1’
の位置B5を始点として、次式で示される距離K5の間
に、遮光体34を設ける。 (Wsinδ1/sin(δ1+δ2))siniG1” /sin(iG1”+δ2) (22)
【0039】また、90−i’<θinで、 δ2≦90−i’ (23) であれば、光路22が存在し、非レンズ面3で全反射す
る光路21は発生しない。本実施例では光路22の光束
に対して、図21に示すように、フレネルレンズの谷部
でレンズ主面2と非レンズ面3が交わる点からフレネル
レンズ平面4に下ろした垂線とフレネルレンズ平面4と
の交点からD6=ttaniG2’の位置B6を始点と
して、次式で示される距離K6の間に、遮光体35を設
ける。 (Wsinδ1/sin(δ1+δ2))siniG2” /sin(iG2”+δ2) (24)
【0040】なお、δ2≧θin のとき、変形例とし
て、図22に示すように、フレネルレンズの山部で、レ
ンズ主面2と非レンズ面3が交わる点からレンズ主面2
に沿って、次式で示される距離K7までの間に、遮光体
36を設けることもできる。 (Wsinδ1/sin(δ1+δ2))siniG1” /sin(iG1”+180−(δ1+δ2)) (25) これによっても、光路21の光束について遮光ができ
る。また、δ2≦90−i’のときの変形例として、図
23に示すように、非レンズ面3に遮光体37を設ける
ことができる。これによっても、光路22について遮光
ができる。
【0041】つぎに、 θin>δ2>90−i’ (26) であれば、光路21と光路22の両方が存在する。この
うちとくに、 iG1’−iG2’<0 (27) の場合で、次式の関係があるときは、以下に示す領域に
遮光体を設けることにより、光路21と光路22の両方
について遮光ができる。 ttaniG2’≦(Wsinδ1/sin(δ1+δ2))sin iG1”/sin(iG1”+δ2)+ttaniG1’ (28)
【0042】すなわち、図24に示すように、フレネル
レンズの谷部で、レンズ主面2と非レンズ面3が交わる
点からフレネルレンズ平面4に下ろした垂線とフレネル
レンズ平面4との交点からD9=ttaniG1’の位
置B9を始点として、次式で示される位置J9までの間
に、遮光体38を設ける。 J9=(Wsinδ1/sin(δ1+δ2))siniG2” /sin(iG2”+δ2)+ttaniG2’ (29)
【0043】また、θin>δ2>90−i’でかつ iG1’−iG2’<0 (30) の場合で、次式の関係があるときは、以下に示す領域に
遮光体を設けることにより、光路21と光路22のそれ
ぞれについて遮光ができる。 ttaniG2’>(Wsinδ1/sin(δ1+δ2))sin iG1”/sin(iG1”+δ2)+ttaniG1’ (31) すなわち、図25に示すように、フレネルレンズの谷部
で、レンズ主面2と非レンズ面3が交わる点からフレネ
ルレンズ平面4に下ろした垂線とフレネルレンズ平面4
との交点からD10=ttaniG1’の位置B10を
始点として、次式で示される距離K10の間に、遮光体
39を設ける。 (Wsinδ1/sin(δ1+δ2))siniG1” /sin(iG1”+δ2)+ttaniG1’ (32) これにより、光路21の光束について遮光ができる。
【0044】そしてさらに、フレネルレンズの谷部でレ
ンズ主面2と非レンズ面3が交わる点からフレネルレン
ズ平面4に下ろした垂線とフレネルレンズ平面4との交
点からD11=ttaniG2’の位置B11を始点と
して、次式で示される距離K11の間に、遮光体40を
設ける。 (Wsinδ1/sin(δ1+δ2))siniG2” /sin(iG2”+δ2) (33) これにより、光路22の光束について遮光ができる。
【0045】なお、θin>δ2>90−i’の場合全
般についての変形例として、図26に示すように、フレ
ネルレンズの山部でレンズ主面2と非レンズ面3が交わ
る点からレンズ主面2に沿って、次式で示される距離K
12の間、および非レンズ面3に遮光体41を設けるこ
ともできる。 (Wsinδ1/sin(δ1+δ2))siniG1” /sin(iG1”+180−(δ1+δ2)) (34) これによっても、光路21および光路22の光束につい
て遮光ができる。
【0046】各式を書き改めると、90−i’<θin
は、 sin(θin−90+δ1)/sin(θin−90)<n (35) δ2≦90−i’は、 δ2≦90−δ1+sin-1(sin(θin−90+δ1)/n) (36) θin>δ2>90−i’は、 θin>δ2>90−δ1 +sin-1(sin(θin−90+δ1)/n) (37) iG1’−iG2’<0 は、 δ1+δ2−sin-1(sin(θin−90+δ1)/n) +sin-1(sin(θin−90+δ2)/n)−180<0 (38) となる。
【0047】そして、式(28)は、 ttan(δ2−sin-1(sin(90−θin+δ2)/n) ≦(Wsinδ1/sin(δ1+δ2))sin(δ1+δ2−90 −sin-1(sin(θin−90+δ1)/n))/sin(δ1 +2δ2−90−sin-1(sin(θin−90+δ1)/n)) +ttan(δ1+2δ2−sin-1(sin(θin−90+δ1) /n)−180) (39) 式(31)は、 ttan(δ2−sin-1(sin(90−θin+δ2)/n) >(Wsinδ1/sin(δ1+δ2))sin(δ1+δ2−90 −sin-1(sin(θin−90+δ1)/n))/sin(δ1 +2δ2−90−sin-1(sin(θin−90+δ1)/n)) +ttan(δ1+2δ2−sin-1(sin(θin−90+δ1) /n)−180) (40) となる。その他、前述の式(16)〜(20)も同様に
適用される。
【0048】本実施例は以上のように構成され、非レン
ズ面を全反射あるいは透過してアイポイントへ向かう光
の光路に対して遮光体を設けたので、非レンズ面経由の
光による像の多重化や外乱光が阻止され、クリアーな像
を得ることができる。
【0049】つぎに発明の第3の実施例を説明する。こ
れはレンズ部材にルーバーを付加したものである。図2
7は本実施例のフレネルレンズ10の一部を破断して示
す斜視図である。フレネルレンズ本体50は、後の図2
8に示すように、前述の各実施例と同様、レンズ主面2
と非レンズ面3、およびフレネルレンズ平面4を備え
る。このフレネルレンズ平面4側に対向させて、自己吸
着性のある部材でできた透明な平板材60を設け、フレ
ネルレンズ本体50と平板材60の間に、透明部材と不
透明部材が交互になっている層状部材70を挟んであ
る。層状部材70は、その透明部材と不透明部材が直線
状に配列されており、ルーバー70Lが形成されてい
る。フレネルレンズ本体、平板材および層状部材として
は、シリコンゴム、軟質塩化ビニールなどの軟質部材を
用いることができる。
【0050】図28は部分拡大断面図である。フレネル
レンズ10は、その層状部材70の透明部材と平板材6
0がフレネルレンズ本体50と同じ屈折率を有して、図
3に示されたフレネルレンズ1の基底部内にルーバーが
配置されたものに相当している。したがって、フレネル
レンズ上に1つの基準点を設定し、基準点、アイポイン
ト、フレネルレンズの光軸中心点によってできる平面上
では、各角度間に第1の実施例で説明したと同じ関係式
が成立する。
【0051】ここで、図28に示された微小プリズムに
おいて、光路20の光がこのプリズム内を通過してアイ
ポイント側に出るためには、ルーバー70Lの可視角度
をαとして、ルーバー角θLは、 i’−α/2≦θL≦i’+α/2 (41) を満足しなければならない。これを書き改めれば次のよ
うになる。 δ1−sin-1(sin(θin−90+δ1)/n)−α/2 ≦θL≦δ1−sin-1(sin(θin−90+δ1)/n)+α/2 (42) 図29は、ルーバー角の下限 θL=δ1−sin-1(sin(θin−90+δ1)
/n)−α/2 の場合の光路を示し、図30はルーバー角の上限 θL=δ1−sin-1(sin(θin−90+δ1)
/n)+α/2 の場合の光路を示す。
【0052】ここで、90−i’≧θinで、δ2≧9
0−i’のときには、図31に示すように、前述した非
レンズ面3を全反射する光路21が生じるが、 α/2−θL≦iG1’ (43) となれば、光路21の光束は遮光される。図32にこの
様子が示される。同図中、破線で示される光路は層状部
材70のルーバーで進行が阻止された状態を示してい
る。また、90−i’≧θinで、δ2≦θin のと
きには、図33に示すように、非レンズ面3を透過する
光路22が生じるが、 α/2−θL≦iG2’ (44) となれば、光路22の光束は遮光される。
【0053】式(43)を書き改めると、 α/2−θL<δ1+2δ2−180 −sin-1(sin(θin−90+δ1)/n) (45) 式(44)は、 α/2−θL<δ2−sin-1(sin(θin−90+δ2)/n) (46) となる。このほか、先の式(14)、(15)も同様に
適用される。
【0054】つぎに、90−i’<θinで、δ2≧θ
in のときには、図34に示すように、非レンズ面3
を全反射する光路21が生じるが、 α/2−θL≦iG1’ (43) となれば、光路21の光束は遮光される。また、90−
i’<θinで、δ2≦90−i’のときには、図35
に示すように、非レンズ面3を透過する光路22が生じ
るが、 α/2−θL≦iG2’ (44) となれば、光路22の光束は遮光される。
【0055】さらに、θin>δ2>90−i’であれ
ば、光路21と光路22の両方が生じるが、図36に示
すように、iG1’−iG2’<0 のときは、 α/2−θL≦iG1’ (43) となれば、光路21と光路22の光束は遮光される。こ
こでも、書き改められた各式として、先述の式(1
4)、(36)〜(38)、(45)および(46)が
同様に適用される。
【0056】本実施例は以上のように構成され、フレネ
ルレンズ本体50と平板材60の間に、ルーバーを形成
する層状部材70を挟み、ルーバー角θLとその可視角
度αを所定の関係式を満足するように設定したので、像
の多重化や外乱光を発生させずクリアーな像を得ること
ができる。また、平板材60は自己吸着性のある部材か
らなるので、フレネルレンズ本体と層状部材および平板
材60は一体に扱うことができ、単一材のフレネルレン
ズと同様に容易にウインドウガラスに取り付けることが
できる。
【0057】上記の層状部材の製造方法について、図3
7〜図45により説明する。まず図37の(a)に示す
ように、シリコンゴム、軟質塩化ビニールなどの軟質部
材でできた透明板90と不透明板91を交互に積層接着
していき直方体ブロック92を形成する。直方体ブロッ
ク92がある程度の高さになると、同図の(b)に示す
ように、積層方向と垂直な面に支持部93を接着する。
次に直方体ブロック92が下方になるようにスライス機
に取り付ける。このとき、図38に示すように、直方体
ブロック92と支持部93とからなるブロック全体をル
ーバー角θLの大きさだけ傾けて設置し、水平に薄くス
ライスすると、図39に示すように層状部材70ができ
る。
【0058】ところで、これまでこの支持部93は金属
で作られていたため、図40に示すようにスライス機の
刃が支持部93にあたる位置までくるとそれ以上は切り
進めなくなり、直方体ブロック92の大部分を捨てるこ
ととなる。そこで、第1の方法として、、支持部として
直方体ブロック92と略同質または略同硬度の物質、た
とえばシリコンゴムや塩化ビニールといった材質で作成
した支持部93Aを用い、図41に示すように支持部9
3Aごとスライスすることにより、直方体ブロック92
を余すことなくルーバー角θLの層状部材70を作るこ
とができる。
【0059】なお、スライスするときブロック全体を傾
けるため、直方体ブロック92の自重によりブロック全
体がひずみ、正確なルーバー角を再現することが難しい
場合には、図42の(a)に示すように、支持部を直方
体ブロック92と略同質または略同硬度の物質で作られ
隣り合った面にまで拡張された支持部93Bとすること
によって、同図の(b)に示すように側方面および上面
の支持部93Bごとスライスすることにより、直方体ブ
ロック92のひずみを軽減することができ、直方体ブロ
ック92を余すことなくルーバー角θLの層状部材70
ができる。
【0060】第2の方法として、図43の(a)に示す
ように、支持部94を分割可能にしておき、スライス機
の刃が支持部94に当たる位置までくると、同図の
(b)に示すように一番端の支持部94aをはずすこと
により、さらにスライスすることができるようになる。
これを順次繰り返すことにより、直方体ブロック92を
余すことなくルーバー角θLの層状部材70を作ること
ができる。
【0061】また、スライスするときブロック全体を傾
けるため、直方体ブロック92の自重によりブロック全
体がひずみ、正確なルーバー角を再現することが難しい
場合でも、図44の(a)に示すように支持部94と隣
り合った面に同様に分割可能の支持部95を取り付ける
ことにより、直方体ブロック92のひずみを軽減するこ
とができる。そして、同図の(b)に示すようにスライ
ス機の刃が上面支持部または側方面支持部に当たる位置
までくると、一番端の上面支持部94aまたは側方面支
持部95aをはずすことにより、さらにスライスするこ
とができるようになる。これにより、直方体ブロック9
2のひずみを軽減することができるとともに、直方体ブ
ロックを余すことなくルーバー角θLの層状部材70が
できる。
【0062】第3の方法として、直方体ブロック92を
形成した後に、図45の(a)に示されるように積層方
向に対して、ルーバー角θLの大きさとなるような面9
6であらかじめ切断しておき、その切断面96に支持部
97を接着する。これをスライス機に切断面96が水平
になるように取り付け、水平に薄くスライスすると、同
図の(b)に示すようにルーバー角θLの層状部材70
ができる。
【0063】なお、上記実施例では層状部材70の透明
部材と不透明部材が直線状のルーバーを形成しているも
のについて説明したが、この層状部材70のかわりに、
図46に示されるように、透明部材と不透明部材が同心
円状に配置された層状部材80を用いたフレネルレンズ
10Aとすることもできる。この場合、フレネルレンズ
本体50の中心点Lと層状部材80の同心円中心を一致
させる。これによっても、基準点付近では図47に示さ
れるように、直線状のルーバーのときと同様に、不要な
外乱光のフレネルレンズ本体への入射が阻止される。
【0064】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は、複数の微小プ
リズムを備えるフレネルレンズにおいて、非レンズ面の
傾きを、視線と平行な角度と、視線方向へ射出される光
が微小プリズム内を進む光路と平行の角度との間に設定
したので、他の角度範囲としたときに比較して、アイポ
イントへ向かう外乱光等の全光束に占める割合(外乱光
領域率)を最小にでき、これにより、フレネルレンズを
通しての対象物視認に影響を与える像の多重化や外乱光
が防止されるという効果を有する。さらに、フレネルレ
ンズ中心点から真下に下ろした線を中心に両側60度の
範囲に基準点をとることにより、昼光下でも外乱光領域
率を小さく維持することができる。
【0065】また、非レンズ面で全反射してレンズ主面
よりアイポイントへ向けて射出される光、あるいは非レ
ンズ面からアイポイントへ向けて射出される光が微小プ
リズムに入射するフレネルレンズ平面の当該入射範囲に
遮光体を設けることにより、アイポイントへ向かう外乱
光等の光路が遮断されて、像の多重化や外乱光が防止さ
れるという効果が得られる。
【0066】さらにまた、フレネルレンズを複数の微小
プリズムを備えたフレネルレンズ本体と、透明な平板材
と、この間に挟まれたルーバーを形成する層状部材とか
ら構成し、ルーバーが、フレネルレンズ本体の非レンズ
面で全反射してレンズ主面よりアイポイントへ向けて射
出される光の光路、および非レンズ面からアイポイント
へ向けて射出される光の光路を遮断するように構成する
ことによっても、アイポイントへ向かう外乱光等の光路
が遮断されて、像の多重化や外乱光が防止されるという
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フレネルレンズの車両への設置レイアウトを示
す図である。
【図2】フレネルレンズの全体正面図である。
【図3】フレネルレンズの部分拡大断面図である。
【図4】アイポイント、レンズ中心点および基準点の位
置関係を示す図である。
【図5】基準点におけるウインドウガラス面の接線の傾
きを示す図である。
【図6】フレネルレンズの微小プリズムにおける光路を
示す図である。
【図7】微小プリズム内を進んでアイポイント方向へ射
出される種々の光の光路を示す図である。
【図8】第1の実施例における非レンズ面とフレネルレ
ンズ平面とのなす角度の設定範囲を示す図である。
【図9】非レンズ面とフレネルレンズ平面とのなす角度
が設定範囲より大きい場合の比較例を示す図である。
【図10】非レンズ面とフレネルレンズ平面とのなす角
度が設定範囲より小さい場合の比較例を示す図である。
【図11】外乱光領域率の視認性への影響度合を示す図
である。
【図12】基準点の位置による外乱光領域率の変化を示
す図である。
【図13】基準点の位置による外乱光領域率の変化を示
す図である。
【図14】第2の実施例における光学変数を説明する微
小プリズムの拡大図である。
【図15】第2の実施例における光学変数を説明する微
小プリズムの拡大図である。
【図16】第2の実施例において、非レンズ面で全反射
する光路がある仕様条件における遮光体の設置範囲を示
す図である。
【図17】第2の実施例において、非レンズ面を透過す
る光路がある仕様条件における遮光体の設置範囲を示す
図である。
【図18】非レンズ面で全反射する光路があるときの遮
光体の設置範囲の変形例を示す図である。
【図19】非レンズ面を透過する光路があるときの遮光
体の設置範囲の変形例を示す図である。
【図20】非レンズ面で全反射する光路がある他の仕様
条件における遮光体の設置範囲を示す図である。
【図21】非レンズ面を透過する光路がある他の仕様条
件における遮光体の設置範囲を示す図である。
【図22】非レンズ面で全反射する光路があるときの他
の遮光体設置範囲の変形例を示す図である。
【図23】非レンズ面を透過する光路があるときの他の
遮光体設置範囲の変形例を示す図である。
【図24】非レンズ面で全反射する光路および透過する
光路がある仕様条件における遮光体の設置範囲を示す図
である。
【図25】非レンズ面で全反射する光路および透過する
光路がある他の仕様条件における遮光体の設置範囲を示
す図である。
【図26】非レンズ面で全反射する光路および透過する
光路があるときの他の遮光体設置範囲の変形例を示す図
である。
【図27】第3の実施例のフレネルレンズを示す一部破
断斜視図である。
【図28】第3の実施例の部分拡大断面図である。
【図29】ルーバー角下限時の光路を示す図である。
【図30】ルーバー角上限時の光路を示す図である。
【図31】非レンズ面で全反射する光路がある仕様条件
におけるルーバーの可視角度とルーバー角の関係を示す
図である。
【図32】ルーバーによる光路の阻止状態を示す図であ
る。
【図33】非レンズ面を透過する光路がある仕様条件に
おけるルーバーの可視角度とルーバー角の関係を示す図
である。
【図34】非レンズ面で全反射する光路がある他の仕様
条件におけるルーバーの可視角度とルーバー角の関係を
示す図である。
【図35】非レンズ面を透過する光路がある他の仕様条
件におけるルーバーの可視角度とルーバー角の関係を示
す図である。
【図36】非レンズ面で全反射する光路および透過する
光路がある仕様条件におけるルーバーの可視角度とルー
バー角の関係を示す図である。
【図37】層状部材の作成における素材の準備要領を示
す説明図である。
【図38】層状部材の作成における素材のスライス機へ
の取付要領を示す説明図である。
【図39】素材のスライス要領を示す説明図である。
【図40】支持部が金属で作られている場合のスライス
限界を示す図である。
【図41】層状部材作成の第1の方法におけるスライス
要領を示す説明図である。
【図42】第1の方法におけるスライス要領の変形例を
示す説明図である。
【図43】第2の方法における素材およびスライス要領
を示す説明図である。
【図44】第2の方法におけるスライス要領の変形例を
示す説明図である。
【図45】第3の方法における素材およびスライス要領
を示す説明図である。
【図46】第3の実施例におけるフレネルレンズの変形
例を示す一部破断斜視図である。
【図47】変形例の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1、10、10A フレネルレンズ 4 フレネルレンズ平面 2 レンズ主面 3 非レンズ面 5 基底部 9 ウインドウガラス 30〜41 遮光体 50 フレネルレンズ本体 60 平板材 70、80 層状部材 70L ルーバー 90 透明板 91 不透明板 92 直方体ブロック 93、93A、93B、94、95 支持部 E アイポイント L フレネルレンズの中心点 P 基準点 λ 接線の傾き θin レンズ主面からアイポイントへ向かう光の射
出角 θout アイポイントへ向かう光がプリズム内を進む
ときの角度 θ 非レンズ面とフレネルレンズ平面のなす角度 W 微小プリズム体のピッチ t 基底部の厚さ α ルーバーの可視角度 θL ルーバー角

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の微小プリズムを備え、所定方向の
    視認対象とアイポイントの間に配置されるフレネルレン
    ズにおいて、その非レンズ面の傾きを、フレネルレンズ
    上に設定した基準点とアイポイントを結ぶ視線と平行な
    角度と、基準点における微小プリズム内から前記視線方
    向へ射出される光が前記微小プリズム内を進む光路と平
    行の角度との間に設定してあることを特徴とするフレネ
    ルレンズ。
  2. 【請求項2】 複数の微小プリズムを備えて、車両の窓
    に装着され車室内のアイポイントから車室外を視認する
    フレネルレンズにおいて、フレネルレンズ中心点から真
    下に下ろした線を中心に両側60度の範囲のフレネルレ
    ンズ上に基準点を設定し、フレネルレンズ中心点の座標
    を(XL ,YL ,ZL )、基準点の座標を(XP
    P ,ZP )、アイポイントの座標を(XE ,YE ,Z
    E )とし、前記基準点、アイポイント、フレネルレンズ
    中心点を含む平面における、基準点での装着面に対する
    接線と、基準点とアイポイントを結ぶ視線方向との角度
    をλとし、前記平面における断面での微小プリズムのレ
    ンズ主面とフレネルレンズ平面との角度をδ、フレネル
    レンズ材の屈折率をnとし、 θin=cos-1((vPL,vPE)/|vPL|・
    |vPE|)+cos-1((vPL,vPL’)/|v
    PL|・|vPL’|)−(90−λ) θout=90−(δ−sin-1(sin(θin−
    (90−δ))/n)) ただし、 (vPL,vPE)=(XL −XP )(XE −XP )+
    (YL −YP )(YE −YP )+(ZL −ZP )(ZE
    −ZP ) |vPL|=((XL −XP 2 +(YL −YP 2
    (ZL −ZP 2 1/2 |vPE|=((XE −XP 2 +(YE −YP 2
    (ZE −ZP 2 1/2 (vPL,vPL’)=(XL ーXP 2 +(ZL −Z
    P 2 |vPL’|=((XL −XP 2 +(ZL
    P 2 1/2 として、非レンズ面とフレネルレンズ平面との角度を、
    θinとθoutの間に設定してあることを特徴とする
    フレネルレンズ。
  3. 【請求項3】 複数の微小プリズムを備え、所定方向の
    視認対象とアイポイントの間に配置されるフレネルレン
    ズにおいて、 各々の微小プリズムにおいて、その非レンズ面で全反射
    してレンズ主面よりアイポイントへ向けて射出される光
    が当該微小プリズムに入射するフレネルレンズ平面の当
    該入射範囲に遮光体を設けたことを特徴とするフレネル
    レンズ。
  4. 【請求項4】 複数の微小プリズムを備え、所定方向の
    視認対象とアイポイントの間に配置されるフレネルレン
    ズにおいて、 各々の微小プリズムにおいて、その非レンズ面からアイ
    ポイントへ向けて射出される光が当該微小プリズムに入
    射するフレネルレンズ平面の当該入射範囲に遮光体を設
    けたことを特徴とするフレネルレンズ。
  5. 【請求項5】 複数の微小プリズムを備え、所定方向の
    視認対象とアイポイントの間に配置されるフレネルレン
    ズにおいて、 各々の微小プリズムにおいて、その非レンズ面に全反射
    してレンズ主面よりアイポイントへ向けて射出される光
    が当該微小プリズムから射出するレンズ主面の当該射出
    範囲に遮光体を設けたことを特徴とするフレネルレン
    ズ。
  6. 【請求項6】 複数の微小プリズムを備え、所定方向の
    視認対象とアイポイントの間に配置されるフレネルレン
    ズにおいて、 各々の微小プリズムにおいて、その非レンズ面に遮光体
    を設けることを特徴とする請求項3または5記載のフレ
    ネルレンズ。
  7. 【請求項7】 複数の微小プリズムを備えて、車両の窓
    に装着され車室内のアイポイントから車室外を視認する
    フレネルレンズにおいて、 フレネルレンズ上に基準点を設定し、フレネルレンズ中
    心点の座標を(XL ,YL ,ZL )、基準点の座標を
    (XP ,YP ,ZP )、アイポイントの座標を(XE
    E ,ZE )とし、前記基準点、アイポイント、フレネ
    ルレンズ中心点を含む平面における、基準点での装着面
    に対する接線と、基準点とアイポイントを結ぶ視線方向
    との角度をλとし、前記平面における断面での微小プリ
    ズムのレンズ主面とフレネルレンズ平面との角度をδ
    1、非レンズ面とフレネルレンズ平面との角度をδ2、
    基底部の厚さをt、フレネルレンズ材の屈折率をnと
    し、微小プリズム間のピッチをWとし、 θin=cos-1((vPL,vPE)/|vPL|・
    |vPE|)+cos-1((vPL,vPL’)/|v
    PL|・|vPL’|)−(90−λ) θout=90−(δ−sin-1(sin(θin−
    (90−δ))/n)) ただし、 (vPL,vPE)=(XL −XP )(XE −XP )+
    (YL −YP )(YE −YP )+(ZL −ZP )(ZE
    −ZP ) |vPL|=((XL −XP 2 +(YL −YP 2
    (ZL −ZP 2 1/2 |vPE|=((XE −XP 2 +(YE −YP 2
    (ZE −ZP 2 1/2 (vPL,vPL’)=(XL −XP 2 +(ZL −Z
    P 2 |vPL’|=((XL −XP 2 +(ZL
    P 2 1/2 として、微小プリズムが、 (A1) sin(θin−90+δ1)/sin(θin−9
    0)≧n かつ δ2≧90−δ1+sin-1(sin(θin−90+
    δ1)/n) または、 (A2) sin(θin−90+δ1)/sin(θin−9
    0)<n かつ δ2≧θin からなる条件Aを満足するとき、フレネルレンズ平面
    の、レンズ主面と非レンズ面が谷部で交わる点からフレ
    ネルレンズ平面に下ろした垂線との交点から ttan(δ1+2δ2−sin-1(sin(θin−
    90+δ1)/n)−180) の位置を始点として、 (Wsinδ1/sin(δ1+δ2))sin(δ1
    +δ2−90−sin-1(sin(θin−90+δ
    1)/n))/sin(δ1+2δ2−90−sin-1
    (sin(θin−90+δ1)/n)) で示される距離の間に遮光体を設けたことを特徴とする
    フレネルレンズ。
  8. 【請求項8】 フレネルレンズ平面に遮光体を設けるか
    わりに、レンズ主面と非レンズ面が山部で交わる点から
    レンズ主面にそって、 (Wsinδ1/sin(δ1+δ2))sin(δ1
    +δ2−90−sin-1(sin(θin−90+δ
    1)/n))/−cos(sin-1(sin(θin−
    90+δ1)/n)) で示される距離の間に遮光体を設けたことを特徴とする
    請求項7記載のフレネルレンズ。
  9. 【請求項9】 微小プリズムが、前記条件Aのかわり
    に、 (B1) sin(θin−90+δ1)/sin(θin−9
    0)≧n かつ δ2≦θin または、 (B2) sin(θin−90+δ1)/sin(θin−9
    0)<n かつ δ2≦90−δ1+sin-1(sin(θin−90+
    δ1)/n) からなる条件Bを満足するとき、フレネルレンズ平面
    の、レンズ主面と非レンズ面が谷部で交わる点からフレ
    ネルレンズ平面に下ろした垂線との交点から ttan(δ2−sin-1(sin(90−θin+δ
    2)/n) の位置を始点として、 (Wsinδ1/sin(δ1+δ2))sin(90
    −sin-1(sin(90−θin+δ2)/n))/
    sin(90−sin-1(sin(90−θin+δ
    2)/n)+δ2) で示される距離の間に遮光体を設けたことを特徴とする
    請求項7記載のフレネルレンズ。
  10. 【請求項10】 微小プリズムが、前記条件Aのかわり
    に、 sin(θin−90+δ1)/sin(θin−9
    0)<n かつ θin>δ2>90−(δ1−sin-1(sin(θi
    n−90+δ1)/n) かつ δ1+δ2−sin-1(sin(θin−90+δ1)
    /n)+sin-1(sin(θin−90+δ2)/
    n)−180<0 かつ ttan(δ2−sin-1(sin(90−θin+δ
    2)/n)≦(Wsinδ1/sin(δ1+δ2))
    sin(δ1+δ2−90−sin-1(sin(θin
    −90+δ1)/n))/sin(δ1+2δ2−90
    −sin-1(sin(θin−90+δ1)/n))+
    ttan(δ1+2δ2−sin-1(sin(θin−
    90+δ1)/n)−180) からなる条件Cを満足するとき、フレネルレンズ平面
    の、レンズ主面と非レンズ面が谷部で交わる点からフレ
    ネルレンズ平面に下ろした垂線との交点から ttan(δ1+2δ2−sin-1(sin(θin−
    90+δ1)/n)−180) の位置を始点として、 (Wsinδ1/sin(δ1+δ2))sin(90
    −sin-1(sin(90−θin+δ2)/n))/
    sin(90−sin-1(sin(90−θin+δ
    2)/n)+δ2)+ttan(δ2−sin-1(si
    n(90−θin+δ2)/n) で示される位置までの間に遮光体を設けたことを特徴と
    する請求項7記載のフレネルレンズ。
  11. 【請求項11】 微小プリズムが、前記条件Aのかわり
    に、 sin(θin−90+δ1)/sin(θin−9
    0)<n かつ θin>δ2>90−(δ1−sin-1(sin(θi
    n−90+δ1)/n) かつ δ1+δ2−sin-1(sin(θin−90+δ1)
    /n)+sin-1(sin(θin−90+δ2)/
    n)−180<0 かつ ttan(δ2−sin-1(sin(90−θin+δ
    2)/n)>(Wsinδ1/sin(δ1+δ2))
    sin(δ1+δ2−90−sin-1(sin(θin
    −90+δ1)/n))/sin(δ1+2δ2−90
    −sin-1(sin(θin−90+δ1)/n))+
    ttan(δ1+2δ2−sin-1(sin(θin−
    90+δ1)/n)−180) からなる条件Dを満足するとき、フレネルレンズ平面
    の、レンズ主面と非レンズ面が谷部で交わる点からフレ
    ネルレンズ平面に下ろした垂線との交点から ttan(δ1+2δ2−sin-1(sin(θin−
    90+δ1)/n)−180) の位置を始点として、 (Wsinδ1/sin(δ1+δ2))sin(δ1
    +δ2−90−sin-1(sin(θin−90+δ
    1)/n))/sin(δ1+2δ2−90−sin-1
    (sin(θin−90+δ1)/n)) で示される距離の間、および、フレネルレンズ平面の、
    レンズ主面と非レンズ面が谷部で交わる点からフレネル
    レンズ平面に下ろした垂線との交点から ttan(δ2−sin-1(sin(90−θin+δ
    2)/n) の位置を始点として、 (Wsinδ1/sin(δ1+δ2))sin(90
    −sin-1(sin(90−θin+δ2)/n))/
    sin(90−sin-1(sin(90−θin+δ
    2)/n)+δ2) で示される距離の間に遮光体を設けたことを特徴とする
    請求項7記載のフレネルレンズ。
  12. 【請求項12】 微小プリズムが、前記条件Aのかわり
    に、 sin(θin−90+δ1)/sin(θin−9
    0)<n かつ θin>δ2>90−(δ1−sin-1(sin(θi
    n−90+δ1)/n) からなる条件Eを満足するとき、フレネルレンズ平面
    の、レンズ主面と非レンズ面が山部で交わる点からレン
    ズ主面にそって、 (Wsinδ1/sin(δ1+δ2))sin(δ1
    +δ2−90−sin-1(sin(θin−90+δ
    1)/n))/−cos(sin-1(sin(θin−
    90+δ1)/n)) で示される距離の間、および、非レンズ面に遮光体を設
    けたことを特徴とする請求項7記載のフレネルレンズ。
  13. 【請求項13】 所定方向の視認対象とアイポイントの
    間に配置されるフレネルレンズであって、複数の微小プ
    リズムを備えたフレネルレンズ本体と、透明な平板材
    と、透明な部材と不透明な部材を交互に配してルーバー
    を形成するとともにフレネルレンズ本体のフレネルレン
    ズ平面側と平板材との間に挟まれた層状部材とからな
    り、層状部材のルーバーは、前記フレネルレンズ本体の
    非レンズ面で全反射してレンズ主面よりアイポイントへ
    向けて射出される光の光路、および非レンズ面からアイ
    ポイントへ向けて射出される光の光路を遮断するように
    構成されていることを特徴とするフレネルレンズ。
  14. 【請求項14】 前記フレネルレンズ本体、透明な平板
    材および層状部材が、シリコンゴム、軟質塩化ビニール
    等の軟質部材で形成されていることを特徴とする請求項
    12記載のフレネルレンズ。
  15. 【請求項15】 複数の微小プリズムを備えたフレネル
    レンズ本体と、透明な平板材と、透明な部材と不透明な
    部材を交互に配してルーバーを形成するとともにフレネ
    ルレンズ本体のフレネルレンズ平面側と平板材との間に
    挟まれた層状部材とからなり、車両の窓に装着され車室
    内のアイポイントから車室外を視認するフレネルレンズ
    であって、フレネルレンズ中心点の座標を(XL
    L ,ZL )、基準点の座標を(XP ,YP ,ZP )、
    アイポイントの座標を(XE ,YE ,ZE )とし、前記
    基準点、アイポイント、フレネルレンズ中心点を含む平
    面における、基準点での装着面に対する接線と、基準点
    とアイポイントを結ぶ視線方向との角度をλとし、前記
    平面における断面での微小プリズムのレンズ主面とフレ
    ネルレンズ平面との角度をδ1、非レンズ面とフレネル
    レンズ平面との角度をδ2、フレネルレンズ材の屈折率
    をnとし、 θin=cos-1((vPL,vPE)/|vPL|・
    |vPE|)+cos-1((vPL,vPL’)/|v
    PL|・|vPL’|)−(90−λ) ただし、 (vPL,vPE)=(XL −XP )(XE −XP )+
    (YL −YP )(YE −YP )+(ZL −ZP )(ZE
    −ZP ) |vPL|=((XL −XP 2 +(YL −YP 2
    (ZL −ZP 2 1/2 |vPE|=((XE −XP 2 +(YE −YP 2
    (ZE −ZP 2 1/2 (vPL,vPL’)=(XL −XP 2 +(ZL −Z
    P 2 |vPL’|=((XL −XP 2 +(ZL
    P 2 1/2 として、微小プリズムが、 (F1) sin(θin−90+δ1)/sin(θin−9
    0)≧n かつ δ2≧90−δ1+sin-1(sin(θin−90+
    δ1)/n) または、 (F2) sin(θin−90+δ1)/sin(θin−9
    0)<n かつ δ2≧θin または、 (F3) sin(θin−90+δ1)/sin(θin−9
    0)<n かつ θin>δ2>90−δ1+sin-1(sin(θin
    −90+δ1)/n) かつ δ1+δ2−sin-1(sin(θin−90+δ1)
    /n)+sin-1(sin(θin−90+δ2)/
    n)−180<0 からなる条件Fを満足するとき、前記層状部材のルーバ
    ー角θLが、 δ1−sin-1(sin(θin−90+δ1)/n)
    −α/2≦θL≦δ1−sin-1(sin(θin−9
    0+δ1)/n)+α/2 および、 α/2−θL<δ1+2δ2−sin-1(sin(θi
    n−90+δ1)/n)−180 を満たすよう設定されていることを特徴とするフレネル
    レンズ。
  16. 【請求項16】 微小プリズムが、前記条件Fのかわり
    に、 (G1) sin(θin−90+δ1)/sin(θin−9
    0)≧n かつ δ2≦θin または、 (G2) sin(θin−90+δ1)/sin(θin−9
    0)<n かつ δ2≦90−δ1+sin-1(sin(θin−90+
    δ1)/n) からなる条件Gを満足するとき、前記層状部材のルーバ
    ー角θLが、 δ1−sin-1(sin(θin−90+δ1)/n)
    −α/2≦θL≦δ1−sin-1(sin(θin−9
    0+δ1)/n)+α/2 および、 α/2−θL<δ2−sin-1(sin(90−θin
    +δ2)/n) を満たすよう設定されていることを特徴とする請求項1
    5記載のフレネルレンズ。
  17. 【請求項17】 透明層と不透明層が交互に積層する略
    直方体ブロックと、略直方体ブロックの1面で剛結され
    る支持部と、支持部を上向きにして固定し、所定のルー
    バー角度が得られるよう支持部および略直方体ブロック
    を傾斜し、略直方体ブロックの下方より水平にスライス
    する層状部材の製造方法において、支持部を略直方体ブ
    ロックと略同質または略同硬度とし、支持部ごとスライ
    スすることを特徴とする層状部材の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記略直方体ブロックの支持部が結合
    されていない面に略同質または略同硬度の補助支持部を
    設けることを特徴とする請求項17記載の層状部材の製
    造方法。
  19. 【請求項19】 透明層と不透明層が交互に積層する略
    直方体ブロックと、略直方体ブロックの1面で剛結され
    る支持部と、支持部を上向きにして固定し、所定のルー
    バー角度が得られるよう支持部および略直方体ブロック
    を傾斜し、略直方体ブロックの下方より水平にスライス
    する層状部材の製造方法において、支持部を分割可能と
    することを特徴とする層状部材の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記略直方体ブロックの支持部が結合
    されている面に隣り合った面に分割可能な補助支持部を
    設けることを特徴とする請求項20記載の層状部材の製
    造方法。
  21. 【請求項21】 透明層と不透明層が交互に積層するブ
    ロックをスライスする層状部材の製造方法において、透
    明層と不透明層が交互に積層する略直方体ブロックを形
    成した後、積層方向に対してルーバー角の大きさになる
    ような面で切断する工程と、前記切断した面に支持部を
    取り付ける工程と、支持部を上向きにして固定し、切断
    した面が水平になるようにスライス機に取り付け、水平
    にスライスする工程とを有することを特徴とする層状部
    材の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記層状部材が請求項17、18、1
    9、20または21記載の製造方法で作成されたもので
    あることを特徴とする請求項15または16記載のフレ
    ネルレンズ。
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