JPH0941280A - 繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法

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JPH0941280A
JPH0941280A JP19367295A JP19367295A JPH0941280A JP H0941280 A JPH0941280 A JP H0941280A JP 19367295 A JP19367295 A JP 19367295A JP 19367295 A JP19367295 A JP 19367295A JP H0941280 A JPH0941280 A JP H0941280A
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JP
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fiber
thermoplastic resin
dispersion
resin sheet
reinforced thermoplastic
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JP19367295A
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Inventor
Yuichi Uchida
祐一 内田
Fumiaki Yoshikawa
文明 吉川
Seiji Hanatani
誠二 花谷
Osamu Nishimura
治 西村
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】均一な繊維配向の形成を左右する分散液の流動
状態を改善することにより、高度の繊維配向性を有して
特定方向に高い機械的強度が得られる繊維強化熱可塑性
樹脂シートを確実に製造できる方法を提供する。 【解決手段】不連続補強繊維と熱可塑性樹脂との分散液
を、移動する多孔性支持体3の抄造面7に対し、ベルト
進行速度より速い供給速度で供給しおよび/または主と
して多孔性支持体3の抄造面7の下流側において吸引す
る。これにより、分散液の流動状態が改善されて高い繊
維配向性が確保できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、補強繊維と熱可塑
性樹脂とを含む分散液から抄造される繊維強化熱可塑性
樹脂シートの製造方法に係り、特に、特定の方向に高い
機械的強度を必要とされる部材の成形材料として好適な
繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂の成形上の特性を生かしつ
つ高強度,高剛性という特性を付与する手段として、高
弾性率繊維の添加による複合化技術が知られている。得
られた繊維強化熱可塑性樹脂複合材は、軽量化と高剛性
及び高強度が要求される種々の構造部材用の素材として
使用される。これらの素材は、通常、マトリックスであ
る熱可塑性樹脂の融点以上に熱せられた後に所定の形状
に成形されるのであるが、特にプレス機を用いた成形又
は大型部品の成形に適する板状あるいはシート状の素材
はスタンパブルシートと呼ばれ、その優れた機械的強
度,成形加工性,量産性から自動車用構造部材や内装材
を中心に需要が増加している。
【0003】なかでも、強化用繊維を一方向に配向させ
たスタンパブルシートは、例えば自動車のバンパービー
ムなどのように特定方向に高い機械的強度を必要とする
部品への適用が盛んである。従来のスタンパブルシート
の代表的な製造方法は、乾式法(ラミネート法)と湿式
法(抄紙法)とに大別される。前者は、連続あるいは不
連続の強化繊維マットに熱可塑性樹脂を含浸させてシー
ト状にするものであり、例えば特公昭51−14557
号や特公昭54−36193号等に開示されている。ま
た特開昭62−240514号には、ラミネート法にお
いて一方向に引き揃えた連続繊維を強化繊維に用いた一
方向繊維強化スタンパブルシート及びその製法が示され
ている。
【0004】後者の湿式法は、微小気泡を含む界面活性
剤含有水性媒体中に不連続繊維と熱可塑性樹脂を分散さ
せ、その分散液を多孔性支持体上で抄くことにより不織
布状のウエブを調製し、このウエブを加熱加圧後固化さ
せてスタンパブルシートを製造する方法であり、特開昭
60−158227号に開示され、超軽量で高剛性の膨
張材を容易に製造し得ることから近年特に注目されてい
る。また、この湿式法においても強化繊維を一方向に配
向させる一方向繊維強化スタンパブルシートの製造法が
種々開示されており、例えば特開平4−208405に
は不連続繊維と熱可塑性樹脂とを含む発泡分散液をヘッ
ドボックスから多孔性支持体上に供給して繊維強化熱可
塑性樹脂シートを製造するにあたり、高さ方向に多段に
形成したヘッドボックスを用いて発泡分散液の流路を分
割して多孔性支持体上に供給するものが、また特開平4
−208406号公報には、多孔性支持体の下に配置す
る排水口を多孔性支持体移動方向に平行に開口せしめて
その開口幅を不連続繊維長より短いスリットの集合とす
るものが、更に特開平4−208407号公報には、幅
方向に多段に形成したヘッドボックスを用いて発泡分散
液の流路を分割するものが提案されている。更に、特開
平5−44188号には、ヘッドボックスに幅方向に突
起物を規則的に配置した流路を設けて繊維を一方向に配
向させる方法が開示されている。これらはいずれも分散
液の流路を分割することによって強化繊維の配向度を高
めるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
乾式法による一方向繊維強化スタンパブルシートは、引
き揃えた長繊維を使用するため成形時の流動性に劣り、
したがってバンパービームなどのようにリブ等を有する
複雑な形状の成形品の材料としては向かないという問題
点がある。
【0006】一方、従来の湿式法による一方向繊維強化
スタンパブルシートの場合は、ヘッドボックス内部の流
路を隔壁や突起物で分割したり、または多孔性支持体の
下に配置する排水口の形状を工夫して繊維を一方向に配
向させるようにしているが、流れの乱れに対する考慮が
なされていないので、その影響を受けて十分な配向性が
得られないという問題点がある。すなわち、湿式法で
は、分散液中の繊維は液の流動に伴って動き、流れ方向
に配向するというのが大前提である。このことは、流れ
に乱れがあると繊維の配向も乱されることを意味する。
しかるに、例えばヘッドボックスを幅方向に隔壁や突起
物等で複数に仕切った場合、その隔壁や突起物の先端か
ら離れた流れの速さが隔壁,突起物の厚みの部分では遅
くなって進路が曲がり、分散液が扇状に広がりながら流
出する結果、流れが交叉して均一な繊維配向状態のウエ
ブは得にくいのである。
【0007】そこで本発明は、前記従来の繊維強化熱可
塑性樹脂シートの湿式製造法の問題点に着目してなされ
たものであり、均一な繊維配向の形成を左右する分散液
の流動状態を改善することにより、高度の繊維配向性を
有して特定方向に高い機械的強度が得られる繊維強化熱
可塑性樹脂シートを確実に製造できる方法を提供するこ
とを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな従来の抄紙法スタンパブルシートの製造に係る諸問
題点を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、分散液の
供給速度と多孔性支持体の進行速度との差が大きいほ
ど、分散液中の繊維にせん断力が作用して配向化するこ
と、分散液の流動距離を長くするほど、より顕著に配
向化することを見いだして本発明をなすに至ったもので
ある。
【0009】上記の目的を達成する本発明の請求項1の
発明は、不連続補強繊維と熱可塑性樹脂とを含む分散液
を移動する多孔性支持体の抄造面上に供給しつつ連続的
にシート状ウエブを抄造する繊維強化熱可塑性樹脂シー
トの製造方法において、前記分散液の供給速度を前記多
孔性支持体の進行速度より速くしたことを特徴とするも
のである。
【0010】本発明の請求項2の発明は、不連続補強繊
維と熱可塑性樹脂とを含む分散液を移動する多孔性支持
体の抄造面上に供給しつつ連続的にシート状ウエブを抄
造する繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法におい
て、前記分散液を主として前記多孔性支持体の抄造面の
下流側において吸引することを特徴とするものである。
本発明の請求項3の発明は、不連続補強繊維と熱可塑性
樹脂とを含む分散液を移動する多孔性支持体の抄造面上
に供給しつつ連続的にシート状ウエブを抄造する繊維強
化熱可塑性樹脂シートの製造方法において、前記分散液
の供給速度を前記多孔性支持体の進行速度より速くする
とともに、当該分散液を主として前記多孔性支持体の抄
造面の下流側において吸引することを特徴とするもので
ある。
【0011】本発明の請求項4の発明は、請求項1また
は請求項3における分散液の供給速度と前記多孔性支持
体の進行速度の比を少なくとも25:1としたことを特
徴とするものである。本発明の請求項5の発明は、請求
項2または3において抄造面上に供給される分散液量の
70%以上を当該抄造面の下流側30%以降の部分にお
いて吸引することを特徴とするものである。
【0012】本発明の請求項6の発明は、不連続補強繊
維と熱可塑性樹脂とを含む分散液を移動する多孔性支持
体の抄造面上に供給しつつ連続的にシート状ウエブを抄
造する繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法におい
て、前記分散液の供給速度と前記多孔性支持体の進行速
度の比を少なくとも25:1とするとともに、前記抄造
面上に供給される分散液量の70%以上を当該抄造面の
下流側30%以降の部分において吸引することを特徴と
するものである。
【0013】本発明の請求項7の発明は、前記分散液を
多孔性支持体の抄造面上に供給する直前で、抄造面の全
幅にわたる液流として予め助走させることを特徴とする
ものである。分散液の助走の距離は少なくとも100m
mとすることができる(請求項8)。
【0014】本発明の請求項9の発明は、前記多孔性支
持体の抄造面が、その進行方向に向かって俯角で傾斜し
ていることを特徴とするものである。俯角の大きさは、
水平面に対して0°超え10°以下とすることができる
(請求項10)。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、繊維強化熱可塑性樹脂シ
ートであるスタンパブルシートの湿式法による製造工程
の概要を示したものである。不連続補強繊維Aと熱可塑
性樹脂粒子Bを分散槽1内の界面活性剤を含む水に所定
の割合で投入し、攪拌して空気の微細気泡を含む発泡分
散液Cを調整する。
【0016】補強繊維としては、その繊維長が数ミリか
ら数十ミリの例えばガラス,金属,炭素繊維等の無機繊
維または有機繊維等が、単独または二種類以上を組み合
わせて使用されるが、価格,特性のバランス等によりガ
ラス繊維が最も好ましい。本発明で使用する補強繊維の
長さは、その補強効果を得かつ界面活性剤含有の水中で
の分散を確保するうえで6〜50mmが望ましい。繊維
長が短すぎると十分な補強効果が得られない。一方、繊
維長が長すぎると、成形時の流動性が低くなる。
【0017】また、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレ
ン,ポリプロピレン,ポリアミド,ポリエステル,ポリ
スチレン,塩化ビニル樹脂等が粉末,繊維,フレーク等
の形態で単独または二種類以上を組み合わせて使用され
る。補強繊維Aと熱可塑性樹脂Bとの重量比(A/B)
は20/80から70/30となるとなるように用いら
れる。補強繊維Aを過剰に配合すると、熱可塑性樹脂B
が均一に繊維中に含浸しにくくなると共に成形時に流動
性が低下する傾向をしめす。一方、補強繊維Aを過小に
配合すると、補強効果が低下してしまう。
【0018】この発泡分散液Cをインレット部2aを経
てヘッドボックス2に送り込む。ヘッドボックス2の下
部には、一方向に回転するエンドレスベルト状の多孔性
支持体であるポリエステル樹脂繊維のメッシュベルト3
とその裏面に接したサクションボックス4とが配設され
ている。サクションボックス4は、図2に示すように上
流側から下流側へ向かって第1室〜6室までの六個の小
室に分割され、各室とも負圧に保たれている。また、各
室には泡液吸引量(排水量)を制御するためのバタフラ
イ弁Vが設置してある。なお、本発明の多孔性支持体
は、補強繊維Aと熱可塑性樹脂Bとからなる固形分と発
泡分散液Cを分離可能な機能として、支持体の表裏面を
貫通する細孔を有するものであれば、前記メッシュベル
トに限定されず利用できる。
【0019】ヘッドボックス2に送り込まれた発泡分散
液Cは、移動する前記メッシュベルト3の上面(抄造
面)7に供給され、泡液がサクションボックス4により
吸引排除され、不連続補強繊維Aと熱可塑性樹脂粒子B
はメッシュベルト3の抄造面7上に着乗してウエブWが
抄造される。このウエブWを乾燥機5で乾燥し、必要に
応じてコイル状に巻き取る。乾燥したウエブWは、熱プ
レス6により加熱加圧し、その後冷却固化させて緻密な
シートにする。
【0020】本発明のスタンパブルシート製造方法は、
発泡分散液Cの供給速度とメッシュベルト3の進行速度
の差が大きいほど補強繊維Aの配向化が促進されること
に着目して、発泡分散液Cの供給速度をメッシュベルト
3の進行速度より速くするものである。すなわち、発泡
分散液供給速度:メッシュベルト進行速度の比を大きく
する。この比が大きいと、液流はメッシュベルト上に堆
積したウエブWを乗り越えつつ、メッシュベルト3の進
行方向に、抄造面7に沿って走る。そのため、ウエブW
中の補強繊維Aに対して後続の液流に押し倒されるよう
にせん断力が働き、補強繊維Aは液流方向に配向する。
【0021】また、本発明のスタンパブルシート製造方
法は、メッシュベルトに供給する発泡分散液Cの流動距
離を長くすることで補強繊維Aの配向化が促進されるこ
とに着目して、発泡分散液Cを抄造面7の後半部まで
流動させる、発泡分散液Cの助走距離をとる、発泡
分散液Cを下り勾配で流すなどの手段をとるものであ
る。これらの手段により、発泡分散液C中に分散してい
る補強繊維Aをメッシュベルト3の抄造面7に対し可及
的に平行に流しつつ吸引して抄造面に着乗させることに
より、補強繊維Aの高配向化を図っている。
【0022】すなわち、発泡分散液Cを抄造面7の後半
部まで流動させる過程で、液中の補強繊維Aの配向化を
助長する。また、発泡分散液Cを抄造面7に供給する前
にある程度の距離を助走させて、液中の補強繊維Aの配
向化を助長する。その助走距離は少なくとも100mm
とするのが良い結果が得られる。100mm未満では補
強繊維の詰まりが発生することがあり実際的でない。ま
た、発泡分散液Cを下り勾配で流して、発泡分散液Cが
抄造面7に供給されてからの液流速の低下を防ぎ、低配
向化を防止する。
【0023】次に、実施例により本発明の製造方法とそ
の効果を具体的に説明する。
【実施例】
(実施例1)図1に示す工程において、分散槽1で界面
活性剤であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.08重量%水溶液を攪拌して発泡液とし、この発泡
液中に直径11μm,平均長さ13mmのガラス繊維
0.4重量%と平均粒径0.9mmの粒状ポリプロピレ
ン0.6重量%とを添加して攪拌し、分散させて発泡分
散液Cを調製した。
【0024】この発泡分散液Cを長さ100mmのイン
レット部2aを経て助走させつつヘッドボックス2に送
り、ポリエステル樹脂繊維のメッシュベルト3の抄造面
7(実効抄紙幅400mm)上にメッシュベルトの移動
速度の30倍の流速で供給した。なお、抄造面7は水平
(傾斜角0°)に設置した。
【0025】また、サクションボックス4の六個の小室
の各バタフライ弁Vの開度を調節して、発泡分散液Cの
供給流量に対する各小室毎の吸引量配分(単位は容量
%、以下vol%と表す)を次のように設定した。第1
室;10vol%、第2室;10vol%、第3室;3
0vol%、第4室;35vol%、第5室;10vo
l%、第6室;5vol%。
【0026】以上の条件で、目標目付量1500g/m
2 のウエブを抄造した。得られたウエブを乾燥後、21
0℃,5kg/cm2 の条件で加熱加圧し、次いで20
℃,5kg/cm2 の条件で冷却固化させて緻密なシー
トを得た。得られたシートについて繊維の配向を評価し
た。この実施例における配向評価には、Jm値(参考文
献:「長繊維集合体の繊維影情報を用いた繊維配向角分
布の測定」矢口・鬼海・越本・北條・玉川;第39回塑
性加工連合講演会No.233,1988)を使用し
た。これは、スタンパブルシートのような繊維の識別が
極めて困難な試料について、その軟X線写真の濃度情報
を画像処理することによって、繊維配向角分布を求める
ものである。
【0027】ここで、配向指標Jmは繊維配向の程度を
表すパラメータで、 Jm=+1は基準軸方向に全補強繊維が一方向配向 0は完全ランダム配向 −1は基準軸と直角方向に全補強繊維が一方向配向 であることを示す。
【0028】本発明でいう一方向材に値する材料とは、
配向指標Jmが0.35以上のものである。Jmがこの
範囲にあれば、典型的な繊維強化熱可塑性樹脂複合材で
は、繊維主配向とそれに直角な方向との力学的特性の比
が3以上になる。したがって、事実上一方向材として使
用に供し得る材料である。先に得られたシートの軟X線
撮影を行い、フィルムの画像解析から配向指標Jmを求
めた結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】なお、表中の排水プロファイルとは、サク
ションボックス4の第1室から第6室までの各室で排水
された流量の割合のプロファイルを指す。表示A,B,
Cは以下の通りに定めてある。 A: 1室10;2室10;3室30;4室35;5室
10;6室5(各vol%) B: 1室10;2室20;3室20;4室30;5室
10;6室10(各vol%) C: 1室30;2室30;3室20;4室10;5室
5;6室5 (各vol%) (実施例2)発泡分散液Cを、ポリエステル樹脂繊維の
メッシュベルト3の抄造面7上に、メッシュベルトの移
動速度の90倍の流速で供給した。その他の条件は実施
例1と同様にして緻密なシートを得て繊維の配向を評価
した。結果を表1に示す。
【0031】(実施例3)サクションボックス4の排水
プロファイルをBの第1室10;2室20;3室20;
4室30;5室10;6室10(各vol%)となるよ
うに、各バタフライ弁Vの開度を調節した。その他の条
件は実施例1と同様にして緻密なシートを得て繊維の配
向を評価した。結果を同じく表1に示す。
【0032】(実施例4)補強繊維として、直径7μ
m,平均長さ13mmの炭素繊維を使用した以外は、実
施例1と同様にして緻密なシートを得て繊維の配向を評
価した。結果を表1に示す。 (実施例5)発泡分散液Cを、ポリエステル樹脂繊維の
メッシュベルト3の抄造面7上に、メッシュベルトの移
動速度の25倍の流速で供給した。その他の条件は実施
例1と同様にして緻密なシートを得て繊維の配向を評価
した。結果を表1に示す。
【0033】(比較例1)発泡分散液Cを、ポリエステ
ル樹脂繊維のメッシュベルト3の抄造面7上に、メッシ
ュベルトの移動速度の15倍の流速で供給した。その他
の条件は実施例1と同様にして緻密なシートを得て繊維
の配向を評価した。結果を表1に示す。 (比較例2)サクションボックス4の排水プロファイル
をCの第1室30;2室30;3室20;4室10;5
室5;6室5(各vol%)となるように、各バタフラ
イ弁Vの開度を調節した。その他の条件は実施例1と同
様にして緻密なシートを得て繊維の配向を評価した。結
果を同じく表1に示す。
【0034】(比較例3)発泡分散液Cを、ポリエステ
ル樹脂繊維のメッシュベルト3の抄造面7上に、メッシ
ュベルトの移動速度の20倍の流速で供給した。その他
の条件は実施例1と同様にして緻密なシートを得て繊維
の配向を評価した。結果を表1に示す。表1に示した結
果から、前記メッシュベルト水平,助走距離100mm
の条件で、分散液の供給速度と前記メッシュベルトの進
行速度との比を少なくとも25:1とすれば、繊維径,
材質に係わらず、事実上一方向材として使用に供し得る
配向指標Jm0.35以上のものが得られ、しかも前記
速度比が大きくなる程配向指標Jm値が大きくなること
が明らかである。
【0035】また、実施例1と実施例3との比較から、
分散液を前記メッシュベルトの抄造面の下流側寄りで多
く吸引する方が配向性が高くなるといえる。これに対し
て、速度比15:1もしくは20:1の比較例の方は、
Jmが低く配向性が良くない。また、速度比は30:1
と高くても、排水された流量の割合がサクションボック
ス4の前部で高くなっている比較例2もJmが低く配向
性が悪い。
【0036】続いて、インレット部2aにおける分散液
の助走距離の大小及びポリエステル樹脂繊維のメッシュ
ベルトの抄造面7の傾斜角が繊維配向性におよぼす影響
を試験した。 (実施例6)インレット部2aの長さを400mmとし
た以外は実施例1と同様の条件で緻密なシートを得て、
Jmを測定し繊維の配向を評価した。結果を表2に示
す。
【0037】
【表2】
【0038】(実施例7)前記メッシュベルトの抄造面
が俯角10°(−10°)の方向を向くように設置し、
その他の条件は実施例1と同様にして緻密なシートを得
て繊維の配向を評価した。結果を同じく表2に示す。 (実施例8)発泡分散液Cを前記メッシュベルト3の抄
造面7上にメッシュベルトの移動速度の90倍の流速で
供給し、インレット部2aの長さを400mmとし、か
つ抄造面が俯角10°の方向を向くように設置した。そ
の他の条件は実施例1と同様にして緻密なシートを得て
繊維の配向を評価した。結果を表2に示す。
【0039】実施例1と実施例6との比較から、分散液
の助走距離を大きくすることにより繊維の配向性が高く
なることが明らかである。また、実施例1と実施例7と
の比較から、メッシュベルトの抄造面をその進行方向に
向かって俯角で傾斜させることにより繊維の配向性が向
上するといえる。当該俯角の大きさに関しては、実施例
では10°とした場合のみ示したが、それより小さくて
も有効である。しかし、10°を超えると繊維配向性の
向上は飽和する。また設備の大型化を招く。
【0040】抄造面が俯角10°のメッシュベルトに4
00mmの助走を経てベルト速度の90倍の流速で発泡
分散液を供給して排水プロファイルAの条件で抄造した
実施例8では、Jm値0.52という高い繊維配向性が
得られており、それぞれの相乗効果が認められる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1または4記載の発明は、シート状ウエブを湿式法で
抄造するにあたり、分散液の供給速度を多孔性支持体の
進行速度より速くしたため、先行して形成されるウエブ
中の補強繊維に対し後続流によるせん断力を働かせるこ
とができて、その結果補強繊維の配向性が向上するとい
う効果が得られる。
【0042】また、請求項2または5記載の発明は、シ
ート状ウエブを湿式法で抄造するにあたり、分散液を主
として多孔性支持体の抄造面の下流側において吸引する
ことにより、分散液が抄造面の後半部にまで流動でき
て、その過程で液中の補強繊維の配向性が促進されると
いう効果が得られる。また、請求項3または6記載の発
明は、請求項1または4の発明と請求項2または5の発
明との相乗効果により、一層液中の補強繊維の配向性が
助長されるという効果が得られる。
【0043】また、請求項7または8の発明は、分散液
を予め助走させてから多孔性支持体の抄造面上に供給す
るため、その助走の過程で液中の補強繊維の配向性がよ
り助長されるという効果が得られる。また、請求項9ま
たは10の発明は、多孔性支持体の抄造面をその進行方
向に向かって俯角で傾斜せしめて下り勾配で流すものと
したため、分散液が抄造面に供給されてからの液流速の
低下が防止できて、補強繊維の配向性がより向上すると
いう効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造工
程の一例を示す概要図である。
【図2】本発明方法の実施の一形態を示す要部の模式図
である。
【符号の説明】
1 分散槽 3 多孔性支持体(メッシュベルト) 4 サクションボックス 7 多孔性支持体(メッシュベルト)の抄造面 W ウエブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 花谷 誠二 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 西村 治 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不連続補強繊維と熱可塑性樹脂とを含む
    分散液を移動する多孔性支持体の抄造面上に供給しつつ
    連続的にシート状ウエブを抄造する繊維強化熱可塑性樹
    脂シートの製造方法において、前記分散液の供給速度を
    前記多孔性支持体の進行速度より速くしたことを特徴と
    する繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 不連続補強繊維と熱可塑性樹脂とを含む
    分散液を移動する多孔性支持体の抄造面上に供給しつつ
    連続的にシート状ウエブを抄造する繊維強化熱可塑性樹
    脂シートの製造方法において、前記分散液を主として前
    記多孔性支持体の抄造面の下流側において吸引すること
    を特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 不連続補強繊維と熱可塑性樹脂とを含む
    分散液を移動する多孔性支持体の抄造面上に供給しつつ
    連続的にシート状ウエブを抄造する繊維強化熱可塑性樹
    脂シートの製造方法において、前記分散液の供給速度を
    前記多孔性支持体の進行速度より速くするとともに、当
    該分散液を主として前記多孔性支持体の抄造面の下流側
    において吸引することを特徴とする繊維強化熱可塑性樹
    脂シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記分散液の供給速度と前記多孔性支持
    体の進行速度の比を少なくとも25:1としたことを特
    徴とする請求項1または3記載の繊維強化熱可塑性樹脂
    シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記抄造面上に供給される分散液量の7
    0%以上を当該抄造面の下流側30%以降の部分におい
    て吸引することを特徴とする請求項2または3記載の繊
    維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 不連続補強繊維と熱可塑性樹脂とを含む
    分散液を移動する多孔性支持体の抄造面上に供給しつつ
    連続的にシート状ウエブを抄造する繊維強化熱可塑性樹
    脂シートの製造方法において、前記分散液の供給速度と
    前記多孔性支持体の進行速度の比を少なくとも25:1
    とするとともに、前記抄造面上に供給される分散液量の
    70%以上を当該抄造面の下流側30%以降の部分にお
    いて吸引することを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂シ
    ートの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記分散液を多孔性支持体の抄造面上に
    供給する直前で、抄造面の全幅にわたる液流として予め
    助走させることを特徴とする請求項1ないし5のいずれ
    か記載の繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記分散液の助走の距離を少なくとも1
    00mmとしたことを特徴とする請求項7記載の繊維強
    化熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記多孔性支持体の抄造面が、その進行
    方向に向かって俯角で傾斜していることを特徴とする請
    求項1ないし7のいずれか記載の繊維強化熱可塑性樹脂
    シートの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記俯角の大きさを、水平面に対して
    0°超え10°以下としたことを特徴とする請求項8記
    載の繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法。
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